JP5813822B2 - 4つのlc素子から構成されるバラン - Google Patents

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Description

携帯電話や個人用携帯型情報機器(PDA)や電子ゲーム機やラップトップコンピュータなどの携帯型通信装置は、無線ネットワークを介して通信するように構成されている。そのため、かかる携帯型通信装置の各々は、無線ネットワークを介してデータや制御信号を送受信するために、典型的には、単一のすなわち共通のアンテナに接続された受信機と送信機に頼っている。もちろん、受信機及び送信機を、受信機部と送信機部を有するトランシーバーに組み込むこともできる。共通のアンテナを使用するために、アンテナと、受信機部及び送信機部の各々とをインターフェースするためのデュプレクサ(送受共用器)がしばしば設けられるが、これによって、受信機部は、受信周波数(ダウンリンク周波数)の信号を受信することができ、送信部は、それとは異なる送信周波数(アップリンク周波数)の信号を送信することができる。受信信号及び送信信号は、たとえば、無線周波数(RF)信号である。
色々なタイプの無線ネットワークが、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS:universal mobile telecommunications System)、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM:global system for mobile communication)、個人(パーソナル)通信サービス(PCS:personalcommunication services)、デジタルセルラーシステム(DCS:digital cellular system)、インターナショナル・モバイル・テレコミュニケーション(IMT:international mobile telecommunication)、及び、EDGE(enhanced data rates for GSM evolution)などの種々の通信規格にしたがって実施される。これらの通信規格は、送信信号と受信信号用の個別の帯域を識別する。たとえば、バンド1は、1920MHz〜1980MHzのアップリンク周波数帯及び2110MHz〜2170MHzのダウンリンク周波数帯を提供し、UMTSバンド2(PCS)は、1850MHz〜1910MHzのアップリンク周波数帯及び1930MHz〜1990MHzのダウンリンク周波数帯を提供し、UMTSバンド3(DCS)は、1710MHz〜1785MHzのアップリンク周波数帯及び1805MHz〜1880MHzのダウンリンク周波数帯を提供し、UMTSバンド7(IMT-E)は、2500MHz〜2570MHzのアップリンク周波数帯及び2620MHz〜2690MHzのダウンリンク周波数帯を提供し、UMTSバンド8(GMS-900)は、880MHz〜915MHzのアップリンク周波数帯及び925MHz〜960MHzのダウンリンク周波数帯を提供する。したがって、UMTS規格に従って動作するデュプレクサは、対応するアップリンク周波数帯内に通過帯域を有する送信フィルター、及び、対応するダウンリンク周波数帯内に通過帯域を有する受信フィルターを備えている。
デュプレクサは、互いに異なる通過帯域を有する2つの帯域(バンドパス)フィルターを有しているので、受信信号と送信信号間の干渉を防止するかまたは低減することができる。すなわち、デュプレクサは、受信信号をフィルタリングする(フィルターによって減衰または除去する)ための受信通過帯域を有する受信フィルターと、送信信号をフィルタリングするための送信通過帯域を有する送信フィルターを備えている。これらの帯域通過受信フィルター及び帯域通過送信フィルターは、受信信号と送信信号をフィルタリングするための、たとえば、表面弾性波(SAW)共振器やバルク音波(BAW)共振器(圧電薄膜共振器(FBAR)やソリッドマウント共振器(SMR:solidly mounted resonator)など)の音響共振器フィルター要素を備えている場合がある。一般に、デュプレクサがトランシーバーの受信機部及び送信機部とそれぞれインターフェースできる(すなわち接続して機能できる)ようにするためにインピーダンス整合回路が必要である。
FBARフィルターは、通常、シングルエンド(不平衡)信号用のシングルエンド入力端子及びシングルエンド出力端子を有し、一方、FBARフィルターがインターフェースするトランシーバーの受信機部及び送信機部は典型的には、差動入力端子及び差動出力端子を有している。このため、FBARフィルターは、シングルエンド信号を差動信号に、またその逆に変換して、トランシーバーの送信機部及び受信機部とインターフェースするために、たとえば、(インピーダンス整合回路に加えて)バランなどの平衡装置(バランシング装置)を利用する。これによって、構成要素のサイズ(大きさ)、コスト、及び挿入損失が大きくなる。
(追って補充)
そのような応用例及び周波数に適切なバランは、典型的には、複数のインダクター(コイル)及びコンデンサーを必要とするインダクター−コンデンサー(LC)回路を備えている。かかるバランは、「集中素子バラン」と呼ばれる場合がある。含まれるインダクター及びコンデンサーの数が少ないほど、一般に、バランの空間が小さくなり、及び、バランのコストが低くなる。このため、LC素子を可能な限り少なくして十分なバラン機能を実現するための設計努力がなされている。ここで、LC素子とは、典型的にはインダクターまたはコンデンサーとして実施されるリアクタンス(またはサセプタンス)を指している。しかしながら、一般に、従来のバランは、格子型バランに見られるように少なくとも4つのLC素子を必要とし、典型的には、5つ以上のLC素子を必要とする。LC素子の数が多くなるほど、実装が難しくなり、典型的には、損失がより多くなり、かつ、必要な面積が大きくなる。格子型バランにおいても、4つのLC素子は、2つのインダクター及び2つのコンデンサーを備えている必要がある。これは、一方のタイプのLC素子を、他方のタイプのLC素子と同程度に簡単にまたは正確に実装することできない技術の場合には問題がありえ、あるいは、空間の節約(すなわちコンパクト化)や高性能化(たとえば、高いQ(quality factor)や望ましない結合効果による劣化が小さいことなど)には貢献しない。さらに、格子型バランは、平衡ポートと不平衡ポート間のDCブロッキング(直流阻止)能力を有していない。したがって、少なくとも3つの要素が全てコンデンサーであるかまたは全てインダクターであるところのわずか4つのLC素子しか有しない集中素子バランが必要とされている。
代表的な1実施形態では、バランは、シングルエンド信号を与えるように構成された不平衡ポートと、該不平衡ポートと内部ノードの間に接続された第1のコンデンサーと、該内部ノードと平衡ポートの第1の差動端子の間に接続されたインダクターと、第1の差動端子とグランド(接地)の間に接続された第2のコンデンサーと、該内部ノードと該平衡ポートの第2の差動端子の間に接続された第3のコンデンサーを備えている。
別の代表的な実施形態では、バランは、シングルエンド信号を与えるように構成された不平衡ポートと、該不平衡ポートと内部ノードの間に接続された第1のインダクターと、該内部ノードと平衡ポートの第1の差動端子の間に接続されたコンデンサーと、第1の差動端子とグランド(接地)の間に接続された第2のインダクターと、該内部ノードと該平衡ポートの第2の差動端子の間に接続された第3のインダクターを備えている。
別の代表的な実施形態では、4つのLC素子から構成されるバランは、グランド(接地)を基準としたシングルエンド端子を有して、シングルエンド信号を与えるように構成された不平衡ポートと、差動信号を与えるように構成された第1及び第2の差動端子を有する平衡ポートと、第1の差動端子と第2の差動端子の間に接続された第1の直列共振LC回路と、該シングルエンド端子とグランド(接地)の間に接続された第2の直列共振LC回路を備えている。第1の直列共振LC回路は、第1のタイプの第1の要素と、該第1の要素に直列に接続された第2のタイプの1つの要素を備えている。第2の直列共振LC回路は、該第1のタイプの第2及び第3の要素と、これらの要素に直列に接続された該第2のタイプの該1つの要素を備え、該第1のタイプの該第2の要素は、該シングルエンド端子と該第2のタイプの該一つの要素の間に接続され、該第1のタイプの該第3の要素は、該第2のタイプの該1つの要素とグランド(接地)の間に接続されている。該第2のタイプの該1つの要素は、該第1及び第2の直列共振LC回路によって共有され、該第1の差動端子は、該第2のタイプの該1つの要素と該第1のタイプの該第3の要素の間に接続されている。
別の代表的な実施形態では、バランは、シングルエンド信号を与えるように構成された不平衡ポートと、該不平衡ポートと内部ノードの間に接続された第1のサセプタンス要素であって、物理的に実現可能なLC素子から構成された第1のサセプタンス要素と、該内部ノードと平衡ポートの第1の差動端子との間に接続されたリアクタンス要素と、第1の差動端子とグランド(接地)の間に接続された第2のサセプタンス要素と、該内部ノードと該平衡ポートの第2の差動端子との間に接続された第3のサセプタンス要素を備えている。該不平衡ポートは、第1の複素ポートインピーダンスを有する1つのシングルエンド端子を有しており、該平衡ポートは、各々が第2の複素ポートインピーダンスを有する複数の差動端子を有している。
例示の実施形態は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むことによって最も良く理解される。図面中の種々の特徴ないし構造は必ずしも一律の縮尺では描かれてないことに留意されたい。実際に、説明を明確にするために、寸法を随意に大きくしたり小さくしたりしている場合がある。妥当かつ有用な場合には、同じ参照番号は同じ要素を指している。
デュプレクサ及びトランシーバーを備えるトランシーバー回路のブロック図である。 図1のデュプレクサ内の受信フィルターの一部の簡略化した回路図である。 代表的な1実施形態による、4LC素子バランを示す簡略化した回路図である。 代表的な1実施形態による、4LC素子バランを示す簡略化した回路図である。 代表的な別の実施形態による、4LC素子バランを示す簡略化した回路図である。 代表的な1実施形態による、4LC素子バランを示す簡略化した回路図である。 代表的な1実施形態による、複素ポートインピーダンスを有する4LC素子バランを示す簡略化した回路図である。 代表的な1実施形態による、バランのシミュレートとした性能パラメータを示すグラフである。 代表的な1実施形態による、バランのシミュレートとした性能パラメータを示すグラフである。 代表的な1実施形態による、バランのシミュレートとした性能パラメータを示すグラフである。 代表的な1実施形態による、バランのシミュレートとした性能パラメータを示すグラフである。 代表的な1実施形態による、バランのシミュレートとした性能パラメータを示すグラフである。 代表的な1実施形態による、バランのシミュレートとした性能パラメータを示すグラフである。 代表的な1実施形態による、バランのシミュレートとした性能パラメータを示すグラフである。 代表的な1実施形態による、複数のバランを備えるプッシュプル増幅器を示す簡略化した回路図である。
以下の詳細な説明では、本教示を十分に理解できるようにするために、限定ではなく説明を目的として、特定の細部を開示しているいくつかの代表的な実施形態が説明されている。しかしながら、本明細書及び図面に開示されている特定の細部とは異なるが本教示にしたがう他の実施形態も、添付の特許請求の範囲内に入ることが本開示を利用できる当業者には明らかであろう。さらに、それらの代表的な実施形態の説明が不明瞭にならないようにするために、周知の装置及び方法の説明は省略されている場合がある。そのような方法及び装置が本教示の範囲内にあることは明らかである。
図面並びに図面に描かれている種々の要素は一律の縮尺では描かれていないことが理解されよう。さらに、「の上」、「の下」、「最上部」、「底部」、「より上」、「より下」などの相対的な語が、添付の図面に記載されているような、種々の要素の互いに対する関係を記述するために使用されている。これらの相対的な語は、図面に示されている向き以外にも、装置(またはデバイス)及び/または要素の種々の異なる向きを含むことを意図していることが理解されよう。たとえば、図面中で装置(またはデバイス)が上下に反転された場合には、たとえば、別の要素の「の上」にあるものとして記述されていたある要素は、今や、該別の要素の下にあるであろう。
一般に、種々の実施形態によれば、4つのLC素子(または4つのLC要素)からなるバランが提供される。以下では、不平衡ポート及び平衡ポートにおいて純実数ポートインピーダンスを有する(すなわちポートインピーダンスが実数部だけを含む)バランに関して、基本的な回路と対応する利点を説明するが、これは、実際の応用例ではよくあるケースである。しかしながら、それらの回路は純実数ポートインピーダンスに限定されないことが理解されよう。したがって、(いくつかの応用例では有用でありうる)不平衡ポート及び平衡ポートにおいて任意の複素インピーダンスを有するバランの説明も提供される。バラン回路のディメンジョニング(dimensioning)を、後述する、純実数ポートインピーダンス並びに複素ポートインピーダンスに関する式を用いて得ることができる。さらに、プッシュプル増幅器などの応用例に使用できる、DC供給を可能にする構成におけるバラン回路の例も提供される。
種々の実施形態によれば、純実数ポートインピーダンスの場合には、バランは、差動信号用の平衡ポートを提供するための第1の直列共振LC回路を備えており、該LC回路は、該平衡ポートの差動端子の間に直列に接続された第1のタイプの第1の要素及び第2のタイプの1つの要素を備えている。該バランはまた、シングルエンド信号用の不平衡ポートを提供するための第2の直列共振LC回路を備えており、該LC回路は、該第1のタイプの第2及び第3の要素と該第2のタイプの該1つの要素を備えており、該第2の及び第3の要素と該1つの要素は、該不平衡ポートのシングルエンド端子とグランド(接地)との間に直列に接続されている。該第1のタイプの該第2の要素を、該シングルエンド端子と該第2のタイプの該1つの要素の間に接続することができ、該第1のタイプの該第3の要素を、該第2のタイプの該1つの要素とグランド(接地)の間に接続することができ、該差動端子のうちの1つを、該第1のタイプの該第3の要素と該第2のタイプの該1つの要素の間に接続することができる。特に、該第2のタイプの該1つの要素は、該第1及び該第2の直列共振LC回路によって共有される。
上記の格子型バランと比較すると、種々の実施形態によるバランは1つのタイプのLC素子を最小限にする。これは、そのタイプのLC素子の実装ないし実施が、難しく及び/または過度の空間を占め及び/または高性能に影響を与える場合に有益である。特に、格子型バランは、基本的に、結合されていないローパスフィルター及びハイパスフィルターを使用するが、本明細書で説明している種々の実施形態は、2つの電気的に結合されたLC直列共振回路を使用する。
図1は、デュプレクサ及びトランシーバーを備えるトランシーバー回路のブロック図である。図1において、トランシーバー回路100は、デュプレクサ130を介して共通のアンテナ120に接続されたトランシーバー110を備えている。トランシーバー110は、アンテナ120に送信信号を送信するための送信機部110Tx、及び、アンテナ120からの受信信号を受信するための受信機部110Rxを備えている。送信機部分110Txは、デュプレクサ130内の送信フィルター(Txフィルター)131に接続されており、受信機部分110Rxは、デュプレクサ130内の受信フィルター(Rxフィルター)132に接続されており、送信フィルター131及び受信フィルター132を、たとえば、FBARフィルターやSMR型BAWフィルターとすることができる。送信フィルター131及び受信フィルター132は、送信フィルター131及び受信フィルター132が、共通のアンテナ120と互いに他方のフィルター(すなわち、フィルター132に対してはフィルター131、フィルター132に対してはフィルター131)との間で不適合な回路網(たとえば、インピーダンス不整合回路網)として動作しないことを確保するために、アンテナインピーダンス整合回路(整合回路は整合ネットワークともいう)125を介して共通のアンテナ120に接続されている。アンテナインピーダンス整合回路125を、たとえば、受信フィルター132とアンテナ120の共通の接続ポイントと伝送ラインと送信フィルター131との間に接続されて、グランドまたは伝送ラインに接続したシャントインダクタとすることができるが、これ以外の実施態様もありうる。
差動入力端子及び差動出力端子を有する受信機部及び送信機部に関して述べたように、受信機部110Rxは典型的には差動入力信号を必要とするので、受信フィルター132によって提供されるシングルエンド出力信号はバラン140を通過する。ここで、バラン140は、シングルエンド信号を差動信号に変換し、受信フィルター132のシングルエンド出力端子と受信機部110Rxの差動入力端子に関してインピーダンス整合を提供する整合バランである。
図2は、図1のデュプレクサ130内の例示的な受信フィルター132の一部の簡略化した回路図である。図示の例では、受信フィルター132は、複数のFBARを含むFBAR受信フィルターであり、説明のために、典型的な直列FBAR231及び232、及び、典型的なシャントFBAR(分岐FBAR)233及び234を含むはしご形フィルターとして示されており、それらのFBARは直列に接続されたインダクター(不図示)を有していてもよい。もちろん、受信フィルター132は、直列FBA及び/またはシャントFBARの他の数及び組み合わせを含むことができ、及び/または、他のタイプのフィルターまたはシングルエンド電気装置もしくは差動電気装置を提供することができる。受信フィルター132は、受信フィルター132の最後のFBAR(FBAR232)とシングルエンド端子236との間に直列に接続されたインピーダンス整合回路235をさらに備えている。インピーダンス整合回路235は、たとえば、直列接続されたインダクターを備えることができる。基準となるグランド(基準接地)に関連するシングルエンド端子236のインピーダンス(たとえば約50オーム)は、典型的なインピーダンス237によって示されている。インピーダンス237は、受信フィルター132とバラン140が互いに接続されているときには現れないであろうことに注目されたい。
図3Aは、代表的な1実施形態による、4つのLC素子からなるバラン(以下、4LC素子バランという)を示す簡略化した回路図である。
図3Aにおいて、バラン300Aは、不平衡ポート310及び平衡ポート320を有しており、説明を簡単にするために、それらのポートは、純実数ポートインピーダンスを有している(すなわち、ポートインピーダンスが実数部のみを有している)ものとする。不平衡ポート及び平衡ポートが複素インピーダンスを有しているより複雑な状況については、図5を参照して後述する。不平衡ポート310は、グランド(接地)を基準とするシングルエンド端子301を有しており、抵抗351で示されているように基準インピーダンスRa(たとえば約50オーム)を有している。平衡ポート320は、第1の差動端子302及び第2の差動端子303を有しており、それらの端子の各々は、抵抗352、353によってそれぞれ示されているように、グランドを基準としたときに基準インピーダンスRb(たとえば、約50オームまたは約100オーム(差動))を有している。
バラン300Aは、基準接地に接続するためのオプションのグランド端子(接地端子ともいう。不図示)を平衡ポート320に有することもできる。該グランド端子は、平衡ポート320が不完全差動回路(完全には差動回路ではない回路)に取り付けられているとき、または、平衡ポート320が不完全差動信号(完全には差動信号ではない信号)によって駆動されるときに、不平衡電流が流れることができるようにするために必要とされる。一般に、該オプションのグランド端子は、平衡ポート320が完全に差動的に駆動されるときには接続されない。該グランド端子はまた、たとえば、図3Bを参照して後述するように、応用例によってDC供給が必要されるときにも必要とされる。
例示的な構成では、シングルエンド信号を受信するために、不平衡ポート310のシングルエンド端子301を、たとえば、フィルター回路(たとえば、デュプレクサ130のFBA受信フィルター132)やアンテナ回路(たとえば、平衡フィルター回路が後続するアンテナ120)などの電気回路の不平衡ポートに接続することができる。差動信号を出力するために、平衡ポートの第1の差動端子302及び第2の差動端子303を、たとえば、トランシーバーの平衡ポート(たとえば、トランシーバー110の受信機部110Rx)または平衡フィルター回路に接続することができる。また、シングルエンド端子301に提供される信号を、受信フィルターからの無線周波数(RF)信号とすることができる。しかしながら、バラン300Aはこの応用例に限定されず、バラン300Aを用いて、種々のタイプの平衡電気装置と不平衡電気装置間で、シングルエンド信号を差動信号に変換し、またその逆の変換をすることができる。
バラン300Aは、4つのLC素子を備えており、そのうちの3つの素子は一方のタイプのLC素子(コンデンサー)であり、他の1つの素子は他方のタイプのLC素子(インダクター)である。具体的には、バラン300Aは、第1のコンデンサー311、第2のコンデンサー312、第3のコンデンサー313、及びインダクター314を備えている。一般に、「コンデンサー」は、静電容量値(キャパシタンス値)を有する任意の2ポート素子を含むことが意図されており、「インダクター」は、インダクタンス値を有する任意の2ポート素子を含むことが意図されている。図示の実施形態では、第1のコンデンサー311は、不平衡ポート310のシングルエンド端子301と内部ノード315との間に接続されており、内部ノード315は、インダクター314と第3のコンデンサー313の間に配置されている。インダクター314は、内部ノード315と平衡ポート320の第1の差動端子302との間に接続されている。第2のコンデンサー312は、第1の差動端子302とグランドの間に接続されている。第3のコンデンサー313は、内部ノード315と平衡ポート320の第2の差動端子303との間に接続されている。一般に、コンデンサーは、DCブロック(すなわち直流を阻止する手段)として作用し、そのため、バラン300Aには追加の阻止コンデンサー(結合コンデンサーともいう)は必要ではない。種々の実施形態において、第1〜第3のコンデンサー311〜313のうちの1以上のコンデンサーを、バラン300Aが接続される平衡回路及び/または不平衡回路(たとえば受信フィルター132)内に実施ないし実装することができる。具体的には、たとえば、第1のコンデンサー311を、受信フィルター132の直列共振器として実施することができ、該直列共振器は、たとえば、該フィルターの通過帯域にはない共振周波数を有するFBARとして実現され、これによって、該共振器が該通過帯域において主に容量性のものとして挙動するようにすることができる。同様に、種々の実施形態において、インダクター314を、バラン300Aが接続される平衡回路及び/または不平衡回路内に実施ないし実装することができる。
図示の実施形態では、インダクター314及び第3のコンデンサー313は、第1の直列共振LC回路を形成し、平衡ポート320の第1の差動端子302及び第2の差動端子303に差動信号を与える。第1のコンデンサー311、インダクター314、及び第2のコンデンサー312は、グランドに接続された(またはグランドに対する)第2の直列共振LC回路を形成し、不平衡ポート310のシングルエンド端子301にシングルエンド信号を与える。第1及び第2の直列共振LC回路のいずれも、共通のインダクター314によって結合されている。
説明の便宜上、第1のコンデンサー311は第1の静電容量値C1を有し、第2のコンデンサー312は第2の静電容量値C2を有し、第3のコンデンサー313は第3の静電容量値C3を有しているものとする。1実施形態では、第1のコンデンサー311の第1の静電容量値C1は、第2のコンデンサー312の第2の静電容量値C2に実質的に等しく、第2の静電容量値C2は、第3のコンデンサー313の第3の静電容量値C3の2倍に実質的に等しい。本開示全体を通じて、「実質的に」という用語は、実際の値及び関係が、計算された理想的な値及び関係とはわずかに異なりうることを示すために使用されているが、これは、当業者には理解されるように、物理的に実現する際に、たとえば、寄生効果などに起因する偏差を考慮するためである。
第3の静電容量値C3は、下記の式(1)にしたがって実質的に決定される。式(1)において、ωは2πfに等しく、fはバラン300Aの目標設計周波数であり、該目標設計周波数は、応用例の動作周波数に依存し、したがって、与えられる信号の周波数に依存する。すなわち、目標設計周波数は、バラン300Aが該目標設計周波数に合わせて設計されるところの周波数であり、動作周波数は、バラン300Aを適用できる周波数範囲である。目標設計周波数は1つの周波数であり、動作周波数は、一般に、上記した例示的な周波数帯などの周波数帯である。さらに、式(1)に関して、Raは、グランドを基準としたシングルエンド端子301のインピーダンスであり、Rbは、グランドを基準とした第1の差動端子302及び第2の差動端子303の各々のインピーダンスである。
Figure 0005813822
たとえば、インピーダンスRa及びインピーダンスRbの各々を約50オームとすることができる。ただし、それらのインピーダンス値を、任意の特定の状況に対して固有の利益を提供するために、または、種々の実施における応用例に固有の設計要件を満たすために変更することができる。
インダクター314はインダクタンス値L1を有し、L1を、下記の式(2)にしたがって実質的に決定することができる。
Figure 0005813822
薄膜技術を含むいくつかの半導体技術によれば、小さなサイズのコンデンサーが実現可能である。たとえば、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)(ゲート静電容量)及び(たとえば共振器を実施するための)FBARなどの技術では、コンデンサーは、一般に、インダクターよりも実施が簡単でかつより安定して実施でき、典型的には、より小さい領域内でより良好な性能(たとえば、Qがより大きい)を示す。したがって、一般的に、そのような技術において、3つのコンデンサー(第1〜第3のコンデンサー311〜313)とただ1つのインダクター(インダクター314)を使用することによって、バラン300Aを実施するのに必要な物理的な空間の大きさが小さくなる。さらに、コンデンサーのQがより高いために、バラン300Aの挿入損失が小さくなる。
第1〜第3のコンデンサー311〜313の各々は正の静電容量値を有し、かつ、インダクター314は正のインダクタンス値を有しており、したがって、それらは物理的に実現可能である。このため、バラン300Aのスタンドアローンでの(すなわち、単独または独立型としての)実施が可能であり、その場合、バラン300Aを、任意の(インピーダンス整合した)不平衡入力/出力と任意の平衡出力/入力間に接続することができる。バラン300Aが接続される他の部品もしくは構成要素に関する、または、応用例自体に関する制限要件はない。さらに、バラン300Aは、該バランが、インピーダンス整合を提供し、並びに、不平衡ポート310における不平衡信号と平衡ポート320における平衡信号との間のモード変換を提供するという点で、整合バランである。たとえば、グランドを基準とするシングルエンド端子301のインピーダンスを、フィルターまたは他のシングルエンド電気装置のシングルエンド端子(たとえばシングルエンド端子236)のインピーダンスに整合させることができ、第1の差動端子302と第2の差動端子303との間の差動インピーダンスを、トランシーバーの受信機部(たとえば受信機部110Rx)または他の差動電気装置の差動入力端子のインピーダンスに整合させることができる。
平衡から不平衡への変換に関しては、バラン300Aは、たとえば、当業者には明らかであろう単純な数学方程式を用いた適切なディメンジョニング(dimensioning)によって、不平衡ポート310と平衡ポート320との間の任意の純実数ポートインピーダンス変換を可能にする。したがって、バラン300Aを使用する場合には、たとえば追加のインピーダンス変換回路は不要であり、これによって、回路実装面積(たとえばICダイ面積)が節約され、及び、一般的に、インピーダンス変換を必要とするアプリケーションにおける全体的な損失が改善される。
種々の実施形態において、バラン300Aが必要とするインダクターは1つだけであるので、FBARフィルター及びバランをより小さなパッケージに収容することが可能である。これは、第1〜第3のコンデンサー311〜313の一部または全てがFBARフィルターダイ内に作製されるときに特に当てはまる。この結果、サイズ(大きさ)及びコストが小さくなり、かつ、挿入損失が改善される。たとえば、バラン300Aを備えているデュプレクサを、2.0mm×1.6mmのフォームファクター(物理的形状ないし大きさ)に収容することができるが、これは、ハンドセット用デュプレクサに要求される次世代のサイズ減少にかなうものである。
図3Bは、代表的な1実施形態による、4LC素子バランを示す簡略化した回路図である。
図3Bにおいて、バラン300Bは、(たとえば応用例によって要求される)DC供給が可能なように構成されている点を除けばバラン300Aと似ている。すなわち、バラン300Bは、第1のコンデンサー311、第2のコンデンサー312、第3のコンデンサー313、及びインダクター314(RF部分)に加えて、内部ノード315と第2の差動端子303の間に、第3のコンデンサー313に並列に接続されたバイパスインダクター318を備えている。バイパスインダクター318は、DC供給接点308を介するDC(直流)供給を可能にする。該接点も内部ノード315に接続している。一般に、バイパスインダクター318は、DC信号に対しては短絡を、AC(交流)信号に対しては開路を、それぞれ効果的に提供する。バイパスインダクター318を、たとえば、同じ基板上にまたは外部の構成要素として、バラン回路内に実装することができる。代替の構成では、DC供給接点308を、第1の差動端子302または第2の差動端子303と一致させることができる。さらに、RF部とDC部とを互いに分離するために供給用インダクター(不図示。給電用インダクターともいう)を追加して、バラン回路が、該バランの動作周波数範囲においてDC源によって負荷をかけられないようにすることができ、また、DC供給接点308におけるDC経路からの振動ないし変動を抑圧するために、阻止コンデンサー(不図示)を追加することができる。
図4Aは、別の代表的な実施形態による4LC素子バランを示す簡略化した回路図である。
図4Aにおいて、バラン400Aは、不平衡ポート410及び平衡ポート420を備えており、説明を簡単にするために、これらのポートは、純実数ポートインピーダンスを有しているものとする。不平衡ポート410は、グランドを基準とするシングルエンド端子401を備えており、かつ、抵抗451で示されているように、基準インピーダンスRa(たとえば約50オーム)を有している。平衡ポート420は、第1の差動端子402及び第2の差動端子403を有しており、それらのポートの各々は、抵抗452、453でそれぞれ示されているように、グランドを基準としたときに基準インピーダンスRb(たとえば、約50オームまたは約100オーム(差動))を有している。バラン400Aは、基準接地に接続するためのオプションのグランド端子(接地端子。不図示)を平衡ポート420に有することもできる。該グランド端子は、平衡ポート420が不完全差動回路(完全には差動回路ではない回路)に取り付けられているとき、または、平衡ポート420が不完全差動信号(完全には差動信号ではない信号)によって駆動されるときに、不平衡電流が流れることができるようにするために必要とされる。一般に、該オプションのグランド端子は、平衡ポート420が完全に差動的に駆動されるときには接続されない。該グランド端子はまた、たとえば、図4Bを参照して後述するように、応用例によってDC供給が必要されるときにも必要とされる。
例示的な構成では、シングルエンド信号を受信するために、不平衡ポート410のシングルエンド端子401を、たとえば、フィルター回路(たとえば、デュプレクサ130のFBA受信フィルター132)やアンテナ回路(たとえば、平衡フィルター回路が後続するアンテナ120)などの電気回路の不平衡ポートに接続することができる。差動信号を出力するために、平衡ポート420の第1の差動端子402及び第2の差動端子403を、たとえば、トランシーバーの平衡ポート(たとえば、トランシーバー110の受信機部110Rx)または平衡フィルター回路に接続することができる。また、シングルエンド端子401に提供される信号を、受信フィルターからのRF信号とすることができる。しかしながら、バラン400Aはこの応用例に限定されず、バラン400Aを用いて、種々のタイプの不平衡電気装置と平衡電気装置間で、シングルエンド信号を差動信号に変換し、またその逆の変換をすることができる。
バラン300Aと同様に、バラン400Aは4つのLC素子だけを備えており、4つの素子のうちの3つは一方のタイプのLC素子であり、4つの素子の1つだけが他方のタイプのLC素子である。しかしながら、バラン400Aには、3つのインダクターと1つのコンデンサーがある。具体的には、バラン400Aは、第1のインダクター411、第2のインダクター412、第3のインダクター413、及びコンデンサー414を備えている。バラン400Aは、インダクターをコンデンサーよりもより好適に実施できる技術にとって有益でありえ、または、(たとえば表面実装デバイス(SMD)部品を用いた)スタンドアローンでの実施の場合に好適でありうる。
図示の実施形態では、第1のインダクター411は、不平衡ポート410のシングルエンド端子401と内部ノード415との間に接続されており、内部ノード415は、コンデンサー414と第3のインダクター413の間に配置されている。コンデンサー414は、内部ノード415と平衡ポート420の第1の差動端子402との間に接続されている。第2のインダクター412は、第1の差動端子402とグランド(接地)の間に接続されている。第3のインダクター413は、内部ノード415と、平衡ポート420の第2の差動端子403との間に接続されている。種々の実施形態において、第1〜第3のインダクター411〜413のうちの1以上のインダクターを、バラン400Aが接続される平衡回路及び/または不平衡回路(たとえば受信フィルター132)内に実施ないし実装することができる。具体的には、たとえば、第1のインダクター411を、受信フィルター132のワイヤボンドとみなすことができる。同様に、種々の実施形態において、コンデンサー414を、バラン400Aが接続される平衡回路または不平衡回路内に実施ないし実装することができる。
図示の実施形態では、コンデンサー414及び第3のインダクター413は、第1の直列共振LC回路を形成し、該回路は、平衡ポート420の第1の差動端子402及び第2の差動端子403に差動信号を与える。第1のインダクター411、コンデンサー414、及び第2のインダクター412は、グランドに接続された(またはグランドに対する)第2の直列共振LC回路を形成し、該回路は、不平衡ポート410のシングルエンド端子401にシングルエンド信号を与える。第1及び第2の直列共振LC回路のいずれも、共通のコンデンサー414によって結合されている。
説明の便宜上、第1のインダクター411は第1のインダクタンス値L1を有し、第2のインダクター412は第2のインダクタンス値L2を有し、第3のインダクター413は第3のインダクタンス値L3を有し、コンデンサー414は静電容量値C1を有しているものとする。1実施形態では、第1のインダクター411の第1のインダクタンス値L1は、第2のインダクター412の第2のインダクタンス値L2に実質的に等しい。第2のインダクタンス値L2は、下記の式(3)にしたがって実質的に決定される。式(3)において、ωは2πfに等しく、fはバラン400Aの目標設計周波数であって、上記のように、該目標設計周波数は、応用例の動作周波数に依存し、したがって、与えられる信号の周波数に依存する。
Figure 0005813822
第3のインダクタンス値L3は、下記の式(4)にしたがって実質的に決定される。式(4)において、Raは、グランドを基準としたシングルエンド端子401のインピーダンスであり、Rbは、グランドを基準とした第1の差動端子402及び第2の差動端子403の各々のインピーダンスである。
Figure 0005813822
コンデンサー414の静電容量値C1を、下記の式(5)にしたがって実質的に決定することができる。
Figure 0005813822
一般に、3つのインダクター(第1〜第3のインダクター411〜413)及び1つのコンデンサー(コンデンサー414)を使用することによって、たとえばワイヤボンド技術を使用するモジュール内の物理的な空間の大きさが小さくなる。なぜなら、ワイヤボンドのインダクタンスを用いて、必要なインダクタンス値のうちの1以上のインダクタンス値の少なくとも一部を実現することができるからである。さらに、SMDを用いた実装は、よりロバスト(頑強)で再現可能性がより高いものでありうる。なぜなら、直列インダクターは、直列コンデンサーよりも(たとえばはんだパッドによる)寄生の影響を受けにくく、また、対応する値をわずかに調整することによって補償するのがより簡単だからである。また、3つのインダクター(第1〜第3のインダクター411〜413)及び1つのコンデンサー(コンデンサー414)を使用することは、たとえばマイクロ波用途(たとえばレーダー)にとって有利である。なぜなら、この周波数範囲では、一般に、インダクターの方がコンデンサーよりも実施するのが容易だからである。
第1〜第3のインダクター411〜413の各々及びコンデンサー414は、正の値を有し、したがって、それらは物理的に実現可能である。このため、バラン400Aのスタンドアローンでの実施が可能であり、その場合、バラン400Aを、任意の(インピーダンス整合した)不平衡入力/出力と任意の平衡出力/入力間に接続することができる。バラン400Aが接続される他の部品もしくは構成要素に関する、または、応用例自体に関する制限要件はない。さらに、バラン400Aは、該バランが、インピーダンス整合を提供し、並びに、不平衡ポート410における不平衡信号と平衡ポート420における平衡信号との間のモード変換を提供するという点で、整合バランである。たとえば、グランドを基準とするシングルエンド端子401のインピーダンスを、フィルターのシングルエンド端子(たとえばシングルエンド端子236)のインピーダンスに整合させることができ、第1の差動端子402と第2の差動端子403との間の差動インピーダンスを、トランシーバーの受信機部(たとえば受信機部110Rx)の差動端子のインピーダンスに整合させることができる。
平衡から不平衡への変換に関しては、バラン400Aは、たとえば、当業者には明らかであろう単純な数学方程式を用いた適切なディメンジョニング(dimensioning)によって、不平衡ポート410と平衡ポート420との間の任意の純実数ポートインピーダンス変換を可能にする。したがって、バラン400Aを使用する場合には、たとえば追加のインピーダンス変換回路は不要であり、これによって、回路実装面積(たとえばICダイ面積またはPCB面積)が節約され、及び、一般的に、インピーダンス変換を必要とするアプリケーションにおける全体的な損失が改善される。
図4Bは、代表的な1実施形態による、4LC素子バランを示す簡略化した回路図である。
図4Bにおいて、バラン400Bは、(たとえば応用例によって要求される)DC供給が可能なように構成されている点を除けばバラン400Aと似ている。すなわち、バラン400Bは、第1のインダクター411、第2のインダクター412、第3のインダクター413、及びコンデンサー414(RF部分)に加えて、内部ノード415と第1の差動端子402の間に、コンデンサー414に並列に接続されたバイパスインダクター418を備えている。バイパスインダクター418は、第2のインダクター412に接続しているDC供給接点408を介するDC(直流)供給を可能にする。バイパスインダクター418を、たとえば、同じ基板上にまたは外部の構成要素として、バラン回路内に実装することができる。代替の構成では、DC供給接点を、内部ノード415または第1の差動端子402または第2の差動端子403と一致させることができ、その場合、第2のインダクター412はさらに、直列に接続された追加のDC阻止コンデンサー(不図示)を介して、RFグランド(RF接地)に接続されたノード408に接続される。さらに、RF部とDC部とを互いに分離するために供給用インダクター(不図示)を追加して、バラン400Bが、該バランの動作周波数範囲においてDC源によって負荷をかけられないようにすることができ、また、DC供給接点408におけるDC経路からの振動ないし変動を抑圧するために、阻止コンデンサー(不図示)を追加することができる。
図5は、代表的な実施形態による、任意の複素ポートインピーダンスを含むように一般化された4LC素子バランを示す簡略化した回路図である。とりわけ、図5は、コンデンサー及び/またはインダクターの代わりの要素としてリアクタンスX及びサセプタンスBを使用している。複素ポートインピーダンスを提供するために、基準インピーダンスZaをRa+Xa×j、ZbをRb+Xb×jとすることができ、ここで、Ra及びRbは抵抗値であり、Xa及びXbはリアクタンスであり、jは虚数演算子である。
図5において、バラン500は、複素ポートインピーダンスを有することができる不平衡ポート510及び平衡ポート520を備えている。不平衡ポート510は、グランドを基準とするシングルエンド端子501を備えており、かつ、インピーダンス551によって示されているように基準インピーダンスZaを有している。平衡ポート520は、第1の差動端子502及び第2の差動端子503を有しており、それらの端子の各々は、インピーダンス552、553によってそれぞれ示されているように、グランドを基準としたときに基準インピーダンスZbを有している。
バラン500は、上記のように、リアクタンスX及びサセプタンスBとして示されている4つのLC素子を備えている。具体的には、バラン500は、第1のサセプタンス素子511、第2のサセプタンス素子512、第3のサセプタンス素子513、及びリアクタンス素子514を備えている。図示の実施形態では、第1のサセプタンス素子511は、不平衡ポート510のシングルエンド端子501と内部ノード515との間に接続されており、内部ノード515は、リアクタンス素子514と第3のサセプタンス素子513の間に配置されている。リアクタンス素子514は、内部ノード515と平衡ポート520の第1の差動端子502との間に接続されている。第2のサセプタンス素子512は、第1の差動端子502とグランド(接地)との間に接続されている。第3のサセプタンス素子513は、内部ノート515と平衡ポート520の第2の差動端子503との間に接続されている。種々の実施形態において、第1〜第3のサセプタンス素子511〜513及びリアクタンス素子514のうちの1以上の素子を、バラン500が接続される平衡回路及び/または不平衡回路(たとえば受信フィルター132)内に実施ないし実装することができる。
説明の便宜上、第1のサセプタンス素子511は第1のサセプタンス値B1を有し、第2のサセプタンス素子512は第2のサセプタンス値B2を有し、第3のサセプタンス素子513は第3のサセプタンス値B3を有しているものとする。リアクタンス素子はリアクタンス値X0を有している。第1〜第3のサセプタンス値B1〜B3、及びリアクタンス値X0は、当業者には明らかであろう周知の数学方程式によって静電容量値及び/またはインダクタンス値に変換できる。種々の実施形態によれば、サセプタンスとリアクタンスの各々は物理的に実現可能なLC素子、すなわち、正の値を有するインダクターまたはコンデンサーである。上記のように、コンデンサー及びインダクターは、それらが正の値を有しているときにのみ物理的に実現可能であり、この点は、スタンドアローン(すなわち単独もしくは独立型)の回路として実施する場合に特に必要とされる。したがって、正の値を有するサセプタンス及び負の値を有するリアクタンスは、一般に、コンデンサーとして実現され、正の値を有するリアクタンス及び負の値を有するサセプタンスは、一般に、インダクターとして実現される。さらに、図5に示す回路及び後述する関係は、純実数インピーダンスを用いることによって、上記のバラン300A及び400A、並びに、対応する式(1)〜(5)をそれぞれ提供する。
図示の実施形態では、リアクタンス値X0は、第3のサセプタンス値B3の逆数に実質的に等しく、第2のサセプタンス値B2は、第3のサセプタンス値B3の2倍に実質的に等しい。第3のサセプタンス値B3は、下記の式(6)にしたがって実質的に決定される。式(6)において、Ybは、基準インピーダンスZbの逆数に等しく、Reは、特定ないし指定されている変数の実数部(をとること)を表している。また、式(6)中の正/負の符号(+/−)は2つの回路を示しており、負の符号を正の符号の代わりに使用すると対応する相補回路が提供される。
Figure 0005813822
第1のサセプタンス値B1は(その定義からして)、(図5には示されていない)第1のリアクタンス値X1の逆数の負の数に等しい。第1のリアクタンス値X1は、下記の式(7)にしたがって実質的に決定される。式(7)において、Imは、特定ないし指定されている変数の虚数部(をとること)を表している。
Figure 0005813822
上記のように、図5に示す回路、及び、式(6)及び(7)を含む特定された関係を用いて、バラン300A及びそれの相補回路バラン400Aを提供することができる。たとえば、基準インピーダンスZa、Zbが共に50オームであり、かつ、符号が正である式(6)が使用されるときは、リアクタンス値X0は約70.7オームであり、第1のサセプタンス値B1は約28mSであり、第2のサセプタンス値B2は約28mSであり、第3のサセプタンス値B3は約14mSである。周知の式を用いて、リアクタンス値X0を約5.26nHのインダクタンス値L1に変換することができ、第1のサセプタンス値B1を約2.10pFの第1の静電容量値C1に変換することができ、第2のサセプタンス値B2を約2.10pFの第2の静電容量値C2に変換することができ、及び、第3のサセプタンス値B3を約1.05pFの第3の静電容量値C3に変換することができる。対応する等価な相補回路は、符号が負である式(6)を使用することによって得られる。同じく基準インピーダンスZa、Zbが共に50オームのときは、リアクタンス値X0は約−70.7オームであり、サセプタンス値B1は約−28mSであり、サセプタンス値B2は約−28mSであり、サセプタンス値B3は約−14mSである。リアクタンス値X0を約1.05pFの静電容量値C1に変換することができ、第1のサセプタンス値B1を約2.7nHの第1のインダクタンス値L1に変換することができ、第2のサセプタンス値B2を約2.7nHの第2のインダクタンス値L2に変換することができ、及び、第3のサセプタンス値B3を約5.26nHの第3のインダクタンス値L3に変換することができる。
図6A〜図6Gは、代表的な1実施形態による、4LC素子バランの種々のシミュレートされた性能パラメータを示すグラフである。このシミュレーションでは、バラン300Aが、目標周波数2.140GHzを有するバンド1内の不平衡信号を受信した。バラン300Aは、上述のように構成されたものであって、式(1)及び(2)の関係を含み、Ra及びRbを50オームと仮定したので、第1の静電容量値C1は約2.10pFであり、第2の静電容量値C2は約2.10pFであり、第3の静電容量値C3は約1.05pFであり、インダクタンス値L1は約5.26nHであった。後述の説明において、本技術分野では既知のように、バラン300Aの任意の2つのポート間を伝送する信号のパワー(電力)を示すためにSパラメータを使用しており、この場合、説明の便宜上、シングルエンド端子はポート1であり、第1の差動端子302はポート2であり、第2の差動端子303はポート3であり、それらのポートの各々はグランドを基準とする。
図6Aの線501は、第1の差動端子302と第2の差動端子303との間の振幅不均衡を示しており、この場合、シングルエンド端子301、第1の差動端子302、及び第2の差動端子303はグランドを基準としている。横軸に、受信信号のGHz単位の周波数をとり、縦軸に、デシベル(dB)単位で表された大きさ(振幅)の差をとっている。具体的には、振幅不均衡は、シングルエンド端子301から第1の差動端子302までの第1の信号経路と、シングルエンド端子301から第2の差動端子303までの第2の信号経路間の大きさの差(すなわち、dB(S12)−dB(S13))である。理想的なバランでは、振幅不均衡はゼロdBであるが、これは、設計目標周波数2.140GHzにおけるバラン300Aによって満たされる。これは、バラン300Aによって提供される差動出力信号の振幅が、第1の差動端子302と第2の差動端子303間で実質的に均衡していることを示している。
図6Bの線502は、第1の差動端子302と第2の差動端子303との間の位相不均衡を示しており、この場合、シングルエンド端子301、第1の差動端子302、及び第2の差動端子303はグランドを基準としている。横軸に、受信信号のGHz単位の周波数をとり、縦軸に、度(°)単位の位相差をとっている。具体的には、位相不均衡は、シングルエンド端子301から第1の差動端子302までの第1の信号経路と、シングルエンド端子301から第2の差動端子303までの第2の信号経路間の位相ずれ(または移相)の差(すなわち、位相(S12)−位相(S13))である。理想的なバランでは、移相不均衡は+/−180°であるが、これは、設計目標周波数2.140GHzにおけるバラン300Aによって満たされる。これは、バラン300Aによって提供される差動出力信号を形成している信号の位相が、実質的に180°ずれていることを示している。
図6Cの線503は、コモンモード除去比(CMRR)を示している。CMRRは、不平衡ポートに与えられた信号が平衡ポートにおけるコモンモード信号中に伝送するのを阻止するバランの傾向である。不平衡ポートは、グランドを基準とするシングルエンド端子301によって形成され、平衡ポートは、第1の差動端子302及び第2の差動端子303によって形成される。dBで表されるCMRR値が小さいほどバランの性能は高い。約−15dBというCMRR値は、非理想の実際のバラン回路としては極めて良好である。図6Cでは、横軸に、受信信号のGHz単位の周波数をとり、縦軸に、第1の信号経路と第2の信号経路の(信号の)大きさの和と、第1の信号経路と第2の信号経路の(信号の)大きさの差とのdB単位で表された比(すなわち、dB(|S13+S12|/|S13−S12|)をとっており、この場合、シングルエンド端子301、第1の差動端子302、及び第2の差動端子303はグランドを基準としており、第1の信号経路は、シングルエンド端子301から第1の差動端子302までであり、第2の信号経路は、シングルエンド端子301から第2の差動端子303までである。図6Cに示すように、CMRRは、設計目標周波数2.140GHzにおける理想的なシミュレーションにおいて無限の値に近づくが、これは、差動ポート320に与えられたコモンモード信号が、完全に抑圧され、このため、不平衡ポート310へと伝送することができないことを示している。
図6Dの線504及び505は、バラン300Aの挿入損失をdB単位で示しており、この場合、シングルエンド端子301、第1の差動端子302、及び第2の差動端子303はグランドを基準としている。挿入損失は、信号経路におけるパワー(電力)の損失である。図6Dにおいて、線504は、シングルエンド端子301から第1の差動端子302までの第1の信号経路の挿入損失(dB(S12))を示しており、線505は、シングルエンド端子301から第2の差動端子303までの第2の信号経路の挿入損失(dB(S13))を示している。理想的な場合、すなわち、無損失バランの場合は、各信号経路の挿入損失は−3dBであるが、これは、設計目標周波数2.140GHzにおけるバラン300Aによって満たされる。
図6Eの線506は、バラン300Aのリターンロス(反射損失ともいう)をdB単位で示しており、この場合、シングルエンド端子301、第1の差動端子302、及び第2の差動端子303はグランドを基準としている。リターンロスは、ここでは、入ってくるパワー(電力)に対する反射パワー(反射電力)の比をdB単位で表したものとして定義されている。具体的には、線506は、シングルエンド端子301におけるリターンロス(dB(S11))を示している。dB単位で表されるリターンロスが小さいほどバラン300Aの性能は高い。不平衡ポート(不平衡ポート310)については、典型的には、約−12dBの値が必要である。
図6Fの線507は、バラン300AのコモンモードリターンロスをdB単位で示しており、図6Gの線508は、バラン300Aの差動モードリターンロスをdB単位で示している。この場合、シングルエンド端子301、第1の差動端子302、及び第2の差動端子303はグランドを基準としている。コモンモードの場合の平衡ポート320のdB単位のリターンロスは、dB(0.5×(S33+S22)+0.5×(S32+S23))として決定される。平衡ポートに与えられるコモンモード信号については、ゼロに近い値が必要とされるが、これは、設計目標周波数2.140GHzにおけるバラン300Aによって満たされる。さらに、差動モードの場合の平衡ポート320のdB単位のリターンロスは、dB(0.5×(S33+S22)−0.5×(S32+S23))として決定される。実際のバラン回路では、平衡ポート320に与えられる差動モード信号について、典型的には約−12dBが必要であるが、これは、設計目標周波数2.140GHzにおけるバラン300Aによって満たされる。一般に、平衡ポート320における差動モードのリターンロスに関しては、dB単位で表されるリターンロスの値が小さいほど、バラン300Aの性能が高い。図6Gの線508は、該設計目標周波数における理想的なシミュレーションでは、リターンロスが無限の値に近づくことを示している。
上記のように、種々の実施形態によるバランを、本教示の範囲から逸脱することなく、任意の様々なRF回路を用いて実施することができる。たとえば、バランを、デュプレクサやトリプレクサ(triplexer)やクワッドプレクサ(quadplexer)やクィントプレクサ(quintplexer)などのマルチプレクサー回路内のポイントフィルター(point filter)及びフィルターを含むフィルターからのシングルエンド信号を変換するように構成することができる。バランが実装されているRF回路は、図7を参照して後述するプッシュプル増幅器などの増幅回路も含むことができる。さらに、上記のように、種々の実施形態によるバランは、不平衡信号から平衡信号に、並びに、平衡信号から不平衡信号にと、両方向にモードを変換することができる。
上記のように、種々の実施形態によるバランを、(たとえば、SMD部品を用いて)スタンドアローン装置(独立型もしくは単独の装置)として実施することができ、または、RF回路と一体化することができる。RF回路を、たとえば、1つのダイまたは複数のダイ、リッド(lid)及び/または単一もしくは複数の層基板から構成することができる。種々の実施例において、RF回路のダイは、(たとえば、複数の音響共振器を含む)フィルターダイ及び/または(たとえば、複数のトランジスタを含む)増幅器ダイを含むことができる。RF回路と一体化された構成では、バランを、ダイ内またはリッド内または単一もしくは複数の層基板内に、または、(たとえばSMDを用いて)基板の上面に実装することができ、または、それらの種々の組み合わせにおいて実装することができる。
図7は、代表的な1実施形態による、複数のバランを含むプッシュプル増幅器を示す簡略化した回路図である。上記のように、かかる応用例はDC(直流)供給能力を必要とするので、図示の例の複数のバランの各々は、DC供給ができるように構成されたバラン300Bである。
図7において、プッシュプル増幅器600は、第1のバラン300B−1及び第2のバラン300B−2を備えており、それらのバランの各々は、図3Bを参照して上述したように構成されている。すなわち、第1のバラン300B−1は、不平衡ポート310−1のシングルエンド端子301−1と内部ノード315−1との間に接続された第1のコンデンサー311−1を備えており、該内部ノードは、インダクター314−1と第3のコンデンサー313−1の間に配置されている。インダクター314−1は、内部ノード315−1と平衡ポート320−1の第1の差動ノード302−1との間に接続されている。第2のコンデンサー312−1は、第1の差動ノード302−1とグランドの間に接続されている。第3のコンデンサー313−1は、内部ノード315−1と平衡ポート320−1の第2の差動ノード303−1との間に接続されている。バイパスインダクター318−1は、内部ノード315−1と第2の差動ノード303−1との間に、第3のコンデンサー313−1に並列に接続されている。同様に、第2のバラン300B−2は、不平衡ポート310−2のシングルエンド端子301−2と内部ノード315−2との間に接続された第1のコンデンサー311−2を備えており、該内部ノードは、インダクター314−2と第3のコンデンサー313−2の間に配置されている。インダクター314−2は、内部ノード315−2と平衡ポート320−2の第1の差動ノード302−2との間に接続されている。第2のコンデンサー312−2は、第1の差動ノード302−2とグランドの間に接続されている。第3のコンデンサー313−2は、内部ノード315−2と平衡ポート320−2の第2の差動ノード303−2との間に接続されている。バイパスインダクター318−2は、内部ノード315−2と第2の差動ノード303−2との間に、第3のコンデンサー313−2に並列に接続されている。
プッシュプル増幅器600はさらに、第1のバラン300B−1の平衡ポート320−1及び第2のバラン300B−2の平衡ポート320−2に接続された第1のトランジスタ610及び第2のトランジスタ620を備えている。たとえば、第1のトランジスタ610は、ベースが第1の差動ノード302−1に接続され、コレクタが第1の差動ノード302−2に接続され、エミッタがグランドに接続されたバイポーラ接合トランジスタ(BJT)として図示されており、第2のトランジスタ620は、ベースが第2の差動ノード303−1に接続され(したがってバイパスインダクター318−1に接続され)、コレクタが第2の差動ノード303−2に接続され(したがってバイパスインダクター318−2に接続され)、エミッタがグランドに接続されたBJTとして図示されている。第1及び第2のトランジスタ610、620はNPN形BJTとして図示されているが、それらのトランジスタを、本教示の範囲から逸脱することなく、PNP形BJTまたは種々のタイプの電界効果トランジスタ(FET)などの他のタイプのトランジスタとして実施することもできる。
第1のDC供給が、DC電圧源(直流電圧源)633によって第1のバラン300B−1に提供される。該DC電圧源は、第1の供給用インダクター631を介して第1のバラン300B−1のDC供給接点308−1に接続されている。第1の阻止コンデンサー632が、第1の供給用インダクター631とグランドの間に接続されている。追加のコンデンサー(不図示)を第1の阻止コンデンサー632に並列に含めることによって、DC経路からの望ましくない振動ないし変動をより良好に抑圧することができる。同様に、第2のDC供給が、DC電圧源(直流電圧源)643によって第2のバラン300B−2に提供される。該DC電圧源は、第2の供給用インダクター641を介して第2のバラン300B−2のDC供給接点308−2に接続されている。第2の阻止コンデンサー642が、第2の供給用インダクター641とグランドの間に接続されている。追加のコンデンサー(不図示)を第2の阻止コンデンサー642に並列に含めることによって、DC経路からの望ましくない振動ないし変動をより良好に抑圧することができる。したがって、プッシュプル増幅器600は、バランの応用例がDC供給能力を必要とする構成の例である。
本開示を通じて、信号の周波数及び/または実数/複素数のポートインピーダンス、したがって、LCコンポーネントのそれぞれの値を、任意の特定の状況に対して固有の利益を提供するために、または、種々の実施における応用例に固有の設計要件を満たすために変更することができる。
上記の種々の構成要素、材料、構造及びパラメータは、説明及び例示のためにのみ提示されたものであって、それらに限定することは何ら意図されていない。本開示に照らして、当業者は、自身の応用例、並びに、それらの応用例を実施するために必要な構成要素、材料、構造及び装置を決定する際に本教示を実施することができるが、そのような実施も添付の特許請求の範囲内に含まれる。

Claims (23)

  1. シングルエンド信号を与えるように構成された不平衡ポートと、
    前記不平衡ポートと内部ノードの間に接続された第1のコンデンサーと、
    前記内部ノードと平衡ポートの第1の差動端子との間に接続されたインダクターと、
    前記第1の差動端子とグランドの間にシャント素子として接続された第2のコンデンサーと、
    前記内部ノードと前記平衡ポートの第2の差動端子との間に接続された第3のコンデンサー
    を備え、
    前記第2の差動端子にはシャント素子は接続されないことからなる、バラン。
  2. 前記シングルエンド信号は、ダイ、リッド、及び基板のうちの少なくとも1つから構成されたRF回路の不平衡ポートによって提供される無線周波数(RF)信号を含む、請求項1のバラン。
  3. 前記RF回路は、複数の音響共振器、またはアンテナ回路を構成する少なくとも1つのフィルターダイから構成される、請求項2のバラン。
  4. 前記第1のコンデンサー、前記第2のコンデンサー、前記第3のコンデンサー、及び前記インダクターのうちの少なくとも1つは、前記RF回路のダイ、リッド、及び基板のうちの少なくとも1つの中に実装され、または、前記RF回路のダイ、リッド、及び基板のうちの少なくとも1つの上に実装される、請求項2のバラン。
  5. 前記インダクター及び前記第3のコンデンサーは、前記平衡ポートを提供する第1の直列共振LC回路を形成し、
    前記第1のコンデンサー、前記インダクター、及び前記第2のコンデンサーは、前記不平衡ポートを提供する第2の直列共振LC回路を形成する、請求項1のバラン。
  6. 前記第3のコンデンサーの第3の静電容量値C3は、
    Figure 0005813822

    として実質的に決定され、
    前記第2のコンデンサーの第2の静電容量値C2は、前記第3の静電容量値C3の2倍に実質的に等しく、前記第1のコンデンサーの第1の静電容量値C1は、前記第2の静電容量値C2に実質的に等しく、前記インダクターのインダクタンス値L1は、
    Figure 0005813822

    として実質的に決定され、ここで、fは、前記バランの目標設計周波数であって、該目標設計周波数は応用例の動作周波数に依存し、ωは2πfに等しく、Raは、グランドを基準とした前記不平衡ポートの基準インピーダンスであり、Rbは、前記平衡ポートの前記第1及び第2の差動端子の各々の基準インピーダンスであって、該第1及び第2の差動端子の各々はグランドを基準とする、請求項1のバラン。
  7. 前記第1のコンデンサーはDCブロックとして作用する、請求項1のバラン。
  8. 前記内部ノードと前記第2の差動端子の間において、前記第3のコンデンサーに並列に接続されたバイパスインダクターであって、DC供給接点を介してDCの供給を可能にするバイパスインダクターをさらに備える、請求項1のバラン。
  9. 少なくとも1つの請求項8のバランと、
    前記少なくとも1つのバランの前記平衡ポートの前記第1の差動端子に接続された第1のトランジスタと、
    前記少なくとも1つのバランの前記平衡ポートの前記第2の差動端子に接続された第2のトランジスタと、
    DC電圧源と前記少なくとも1つのバランの前記DC供給接点との間に直列に接続された供給用インダクターと、
    前記供給用インダクターとグランドの間に接続された少なくとも1つの阻止コンデンサー
    を備えるプッシュプル増幅回路。
  10. シングルエンド信号を加えるように構成された不平衡ポートと、
    前記不平衡ポートと内部ノードの間に接続された第1のインダクターと、
    前記内部ノードと平衡ポートの第1の差動端子との間に接続されたコンデンサーと、
    前記第1の差動端子とグランドの間にシャント素子として接続された第2のインダクターと、
    前記内部ノードと前記平衡ポートの第2の差動端子との間に接続された第3のインダクター
    を備え、
    前記第2の差動端子にはシャント素子は接続されないことからなる、バラン。
  11. 前記シングルエンド信号は、ダイ、リッド、及び基板のうちの少なくとも1つから構成されたRF回路の不平衡ポートによって提供される無線周波数(RF)信号を含む、請求項10のバラン。
  12. 前記RF回路は、複数の音響共振器を構成する少なくとも1つのフィルターダイから構成される、請求項11のバラン。
  13. 前記第1のインダクター、前記第2のインダクター、前記第3のインダクター、及び前記コンデンサーのうちの少なくとも1つは、前記RF回路のダイ、リッド、及び基板のうちの少なくとも1つの中に実装され、または、前記RF回路のダイ、リッド、及び基板のうちの少なくとも1つの上に実装される、請求項11のバラン。
  14. 前記コンデンサー及び前記第3のインダクターは、前記平衡ポートを提供する第1の直列共振LC回路を形成し、
    前記第1のインダクター、前記コンデンサー、及び前記第2のインダクターは、前記シングルエンドポートを提供する第2の直列共振LC回路を形成する、請求項10のバラン。
  15. 前記第3のインダクターの第3のインダクタンス値L3は、
    Figure 0005813822

    として実質的に決定され、
    前記コンデンサーの静電容量値C1は、
    Figure 0005813822

    として実質的に決定され、
    前記第2のインダクターの第2のインダクタンス値L2は、
    Figure 0005813822

    として実質的に決定され、
    前記第1のインダクターの第1のインダクタンス値L1は、前記第2のインダクタンス値L2に実質的に等しく、fは、前記バランの目標設計周波数であって、該目標設計周波数は応用例の動作周波数に依存し、ωは2πfに等しく、Raは、グランドを基準とした前記不平衡ポートの基準インピーダンスであり、Rbは、前記平衡ポートの前記第1及び第2の差動端子の各々の基準インピーダンスであって、該第1及び第2の差動端子の各々はグランドを基準とする、請求項10のバラン。
  16. 前記内部ノードと前記第1の差動端子の間において、前記コンデンサーに並列に接続されたバイパスインダクターであって、DC供給接点を介してDCの供給を可能にするバイパスインダクターをさらに備える、請求項10のバラン。
  17. 少なくとも1つの請求項16のバランと、
    前記少なくとも1つのバランの前記平衡ポートの前記第1の差動端子に接続された第1のトランジスタと、
    前記少なくとも1つのバランの前記平衡ポートの前記第2の差動端子に接続された第2のトランジスタと、
    DC電圧源と前記少なくとも1つのバランの前記DC供給接点との間に直列に接続された供給用インダクターと、
    前記供給用インダクターとグランドの間に接続された少なくとも1つの阻止コンデンサー
    を備えるプッシュプル増幅回路。
  18. 4LC素子バランであって、
    グランドを基準とするシングエンド端子を備え、かつ、シングルエンド信号を加えるように構成された不平衡ポートと、
    差動信号を加えるように構成された第1の差動端子及び第2の差動端子を備える平衡ポートと、
    前記第1の差動端子と前記第2の差動端子の間に接続された第1の直列共振LC回路であって、第1のタイプの第1の要素、及び、該第1の要素に直列に接続された第2のタイプの1つの要素を備える第1の直列共振LC回路と、
    前記シングルエンド端子とグランドの間に接続された第2の直列共振LC回路であって、該第2の直列共振LC回路は、前記第1のタイプの第2の要素及び第3の要素と、これらの要素に直列に接続された前記第2のタイプの前記1つの要素を備え、前記第1のタイプの前記第2の要素は、前記シングルエンド端子と前記第2のタイプの前記1つの要素との間に接続され、前記第1のタイプの前記第3の要素は、前記第2のタイプの前記1つの要素とグランドとの間に接続される、第2の直列共振LC回路
    を備え、
    前記第2のタイプの前記1つの要素は、前記第1及び第2の直列共振LC回路によって共有され、
    前記第1の差動端子は、前記第2のタイプの前記1つの要素と前記第1のタイプの前記第3の要素との間に接続され、
    前記第1のタイプの前記第3の要素は、前記第1の差動端子にシャント素子として接続され、
    前記第1のタイプのどの要素も前記第2の差動端子にシャント素子として接続されず、及び、前記第2のタイプのどの要素も前記第2の差動端子にシャント素子として接続されないことからなる、4LC素子バラン。
  19. 前記第1のタイプの要素はコンデンサーであり、前記第2のタイプの要素はインダクターである、請求項18のバラン。
  20. 前記第1のタイプの要素はインダクターであり、前記第2のタイプの要素はコンデンサーである、請求項18のバラン。
  21. シングルエンド信号を加えるように構成された不平衡ポートであって、第1の複素ポートインピーダンスを有するシングルエンド端子を備える不平衡ポートと、
    前記不平衡ポートと内部ノードの間に接続された第1のサセプタンス要素であって、物理的に実現可能なLC素子から構成される第1のサセプタンス要素と、
    前記内部ノードと平衡ポートの第1の差動端子との間に接続されたリアクタンス要素であって、該平衡ポートは、それぞれが第2の複素ポートインピーダンスを有する複数の差動端子を有することからなる、リアクタンス要素と、
    前記第1の差動端子とグランドの間に接続された第2のサセプタンス要素と、
    前記内部ノードと前記平衡ポートの第2の差動端子との間に接続された第3のサセプタンス要素
    を備え、
    前記第2の差動端子にはシャントサセプタンス要素及びシャントリアクタンス要素は接続されないことからなる、バラン。
  22. 第3のサセプタンス値B3が、
    Figure 0005813822

    として実質的に決定され、
    リアクタンス値X0は、前記第3のサセプタンス値B3の逆数に実質的に等しく、第2のサセプタンス値B2は、前記第3のサセプタンス値B3の2倍に実質的に等しく、第1のサセプタンス値B1は、第1のリアクタンス値X1の逆数の負の数に実質的に等しく、前記第1のリアクタンス値X1は、
    Figure 0005813822

    として実質的に決定され、ここで、Zaは、グランドを基準とした前記不平衡ポートの基準インピーダンスであり、Zbは、前記平衡ポートの前記第1及び第2の差動端子の各々の基準インピーダンスであり、該第1及び第2の差動端子の各々はグランドを基準とし、Ybは、Zbの逆数に等しく、Reは、実数部を表しており、Imは、虚数部を表している、請求項21のバラン。
  23. 第3のサセプタンス値B3は、
    Figure 0005813822

    として実質的に決定され、
    リアクタンス値X0は、前記第3のサセプタンス値B3の逆数に実質的に等しく、第2のサセプタンス値B2は、前記第3のサセプタンス値B3の2倍に実質的に等しく、第1のサセプタンス値B1は、第1のリアクタンス値X1の逆数の負の数に実質的に等しく、前記第1のリアクタンス値X1は、
    Figure 0005813822

    として実質的に決定され、ここで、Zaは、グランドを基準とした前記不平衡ポートの基準インピーダンスであり、Zbは、前記平衡ポートの前記第1及び第2の差動端子の各々の基準インピーダンスであり、該第1及び第2の差動端子の各々はグランドを基準とし、Ybは、Zbの逆数に等しく、Reは、実数部を表しており、Imは、虚数部を表している、請求項21のバラン。
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