JP2009141929A - 高周波電子部品 - Google Patents

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智之 五井
Kenta Nagai
健太 永井
Nobumi Harada
暢巳 原田
Mitsuru Miura
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Abstract

【課題】複数の送信信号を処理する送信回路において、平衡入力型の電力増幅器を用いることを可能にし、且つ電力増幅器の数を少なくして、送信回路の小型化、低コスト化を可能にする。
【解決手段】高周波電子部品10は、スイッチ11とバラン12を備えている。スイッチ11は、入力ポート11aに入力される不平衡信号の形態の送信信号UMTS Txと、入力ポート11bに入力される不平衡信号の形態の送信信号GSM Txとを切り替えて、出力ポート11cより出力する。バラン12は、出力ポート11cより出力された不平衡信号の形態の送信信号を平衡信号の形態の送信信号に変換して、平衡入力型の電力増幅器14に対して出力する。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の送信信号を処理する送信回路に用いられる高周波電子部品に関する。
近年、複数の周波数帯(マルチバンド)に対応可能な携帯電話機が実用化されている。一方、高速データ通信機能を有する第3世代の携帯電話機も普及している。そのため、携帯電話機には、マルチモード(複数方式)およびマルチバンドに対応することが求められている。
例えば、時分割多重接続(以下、TDMAとも記す。)方式でマルチバンド対応の携帯電話機は実用化されている。一方で、広帯域符号分割多重接続(以下、WCDMAとも記す。)方式の携帯電話機も実用化されている。そこで、TDMA方式の既存の基盤(インフラ)を活かしながらWCDMA方式の通信も利用可能にするために、両方式の通信機能を有するマルチモードおよびマルチバンド対応の携帯電話機が求められている。例えば、欧州では、TDMA方式であるGSM(Global System for Mobile Communications)方式の携帯電話機において、WCDMA方式であるUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)方式の通信を行うことができることが求められている。
ところで、携帯電話機のような無線通信装置において送信信号の処理を行う送信回路では、送信信号を増幅する電力増幅器が必須の構成要素となる。この電力増幅器は、送信回路を構成する電子部品の中で比較すると高価である。
従来、GSM方式のマルチバンド対応の携帯電話機では、周波数の近い2つのバンド(周波数帯)で1つの電力増幅器を共用することが行われていた。しかし、GSM方式とUMTS方式の通信機能を有するマルチモード対応の携帯電話機では、GSM方式とUMTS方式で1つの電力増幅器を共用することは行われていなかった。また、GSM方式の1以上のバンドとUMTS方式の複数のバンドの通信機能を有するマルチモードおよびマルチバンド対応の携帯電話機では、UMTS方式の複数のバンドで1つの電力増幅器を共用することは行われていなかった。
なお、特許文献1には、TDMAモードとCDMA(符号分割多重接続)モードとを選択的に切り換えて用いるマルチモード送信回路を有する無線通信装置が記載されている。また、特許文献1には、1つの電力増幅器の入力端にスイッチを接続し、このスイッチを用いて、複数種類の送信信号を選択的に電力増幅器に入力する技術が記載されている。
また、特許文献2には、送信経路と受信経路を切り換えるスイッチ回路と、送信経路に接続されたバルントランス回路と、受信経路に接続されたバルントランス回路とを有する高周波スイッチモジュールが記載されている。
特開2006−186956号公報 特開2003−143033号公報
GSM方式とUMTS方式とに対応可能な携帯電話機では、主に信号の変調および復調を行う集積回路によって、GSM方式の送信信号とUMTS方式の送信信号とが生成され、これらの送信信号が送信回路に入力される場合が多い。そして、従来は、送信回路において、GSM方式の送信信号とUMTS方式の送信信号を、それぞれ別個の電力増幅器を用いて増幅していた。そのため、このような送信回路では、前述のように比較的高価な電力増幅器が複数必要となり、その結果、携帯電話機の小型化および低コスト化が妨げられるという問題点があった。
そこで、複数の送信信号で1つの電力増幅器を共用することが考えられる。これを実現するための構成としては、1つの電力増幅器の前段に、複数の送信信号のうちの1つを選択的に電力増幅器に入力するためのスイッチを設けた構成が考えられる。
ところで、携帯電話機における電力増幅器としては、平衡入出力型の増幅器を多段に接続した構成のもので、モノリシックマイクロ波集積回路(以下、MMICと記す。)によって構成されたものが、近年多く提案されている。このような電力増幅器は、平衡信号の形態の送信信号が入力される平衡入力型である。特許文献1には、不平衡入力型の1つの電力増幅器の前段にスイッチを設けた構成が記載されている。しかし、この構成では、不平衡信号の形態の送信信号のみが取り扱われるため、上述のように多く提案されている平衡入力型の電力増幅器を用いることができない。
また、GSM方式とUMTS方式とに対応可能な携帯電話機では、集積回路によって、GSM方式の送信信号は平衡信号の形態で生成され、UMTS方式の送信信号は不平衡信号の形態で生成される場合が多い。このように平衡信号の形態の送信信号と不平衡信号の形態の送信信号とが混在する場合には、平衡信号の形態の送信信号と不平衡信号の形態の送信信号とで1つの電力増幅器を共用することはできない。
複数の送信信号を処理する送信回路において、複数の送信信号で1つの平衡入力型の電力増幅器を共用するために、全ての送信信号を平衡信号の形態とすることも考えられる。この場合には、1つの平衡入力型の電力増幅器の前段に、平衡信号を切り替えるスイッチを設けることが考えられる。しかし、平衡信号を切り替えるスイッチは、不平衡信号を切り替えるスイッチに比べて高価である。そのため、1つの平衡入力型の電力増幅器の前段に、平衡信号を切り替えるスイッチを設ける構成では、電力増幅器の数を少なくなることによってコストが低減されても、平衡信号を切り替えるスイッチを用いることによるコストの増加が生じるという問題点がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、複数の送信信号を処理する送信回路に用いられる高周波電子部品であって、送信回路において平衡入力型の電力増幅器を用いることを可能にし、且つ電力増幅器の数を少なくして、送信回路の小型化、低コスト化を可能にする高周波電子部品を提供することにある。
本発明の高周波電子部品は、複数の送信信号を処理する送信回路に用いられるものであって、スイッチとバランとを備えている。スイッチは、出力ポートとそれぞれ不平衡信号の形態の複数の送信信号が入力される複数の入力ポートとを有し、複数の入力ポートに入力される複数の送信信号を切り替えて出力ポートより出力する。バランは、スイッチの出力ポートより出力される不平衡信号の形態の送信信号を平衡信号の形態の送信信号に変換して、この平衡信号の形態の送信信号を増幅する平衡入力型の電力増幅器に対して出力する。
本発明の高周波電子部品は、更に、電力増幅器を備えていてもよいし、複数の入力ポートのそれぞれに接続された信号経路のうちの少なくとも1つに設けられたバンドパスフィルタを備えていてもよい。
また、本発明の高周波電子部品は、更に、複数の入力ポートのそれぞれに接続された信号経路のうちの少なくとも1つに設けられ、平衡信号の形態の送信信号を不平衡信号の形態の送信信号に変換する第2のバランを備えていてもよい。
また、本発明の高周波電子部品は、更に、出力ポートと複数の入力ポートのそれぞれに接続された信号経路のうちの少なくとも1つに設けられたキャパシタを備えていてもよい。
また、本発明の高周波電子部品は、更に、積層された複数の誘電体層を含む積層基板を備え、バランは、積層基板内に設けられた複数の導体層を用いて構成され、スイッチは、積層基板に搭載されていてもよい。
本発明の高周波電子部品では、スイッチによって、複数の入力ポートに入力される不平衡信号の形態の複数の送信信号を切り替えて出力ポートより出力し、バランによって、スイッチの出力ポートより出力される不平衡信号の形態の送信信号を平衡信号の形態の送信信号に変換して、この平衡信号の形態の送信信号を増幅する平衡入力型の電力増幅器に対して出力する。これにより、本発明によれば、送信回路において平衡入力型の電力増幅器を用いることが可能になり、且つ電力増幅器の数を少なくして、送信回路の小型化、低コスト化が可能になるという効果を奏する。
また、本発明の高周波電子部品は、複数の入力ポートのそれぞれに接続された信号経路のうちの少なくとも1つに設けられ、平衡信号の形態の送信信号を不平衡信号の形態の送信信号に変換する第2のバランを備えていてもよい。この場合には、平衡信号の形態の送信信号と不平衡信号の形態の送信信号とを処理する送信回路において、平衡入力型の電力増幅器を用いることが可能になり、且つ電力増幅器の数を少なくして、送信回路の小型化、低コスト化が可能になるという効果を奏する。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る高周波電子部品を含む携帯電話機の高周波回路の一例について説明する。図1は、この高周波回路の一例の回路構成を示すブロック図である。この高周波回路は、TDMA方式であるGSM方式の信号と、WCDMA方式であるUMTS方式の信号とを処理する。
ここで、GSM方式の信号の種類を表1に示し、UMTS方式の信号の種類について表2に示す。表1、2において、「上り」の欄は送信信号の周波数帯を表し、「下り」の欄は受信信号の周波数帯を表している。
Figure 2009141929
Figure 2009141929
図1に示した高周波回路は、アンテナ101と、スイッチ1と、集積回路(以下、ICと記す。)2とを備えている。スイッチ1は、4つのポート1a,1b,1c,1dを有し、ポート1aをポート1b,1c,1dのいずれかに選択的に接続する。ポート1aは、アンテナ101に接続されている。
IC2は、主に信号の変調および復調を行う回路である。本実施の形態では、IC2は、UMTS方式の送信信号UMTS TxとGSM方式の送信信号GSM Txとを生成し出力する。IC2が出力する送信信号UMTS Txと送信信号GSM Txは、いずれも不平衡信号の形態である。また、IC2は、UMTS方式の受信信号UMTS RxとGSM方式の受信信号GSM Rxとを受け取る。IC2が受け取る受信信号UMTS Rxは不平衡信号の形態であり、IC2が受け取る受信信号GSM Rxは平衡信号の形態である。また、IC2は、端子2a,2b,2c,2d1,2d2を有している。送信信号UMTS Txは端子2aより出力され、送信信号GSM Txは端子2bより出力される。受信信号UMTS Rxは端子2cに入力され、受信信号GSM Rxは端子2d1,2d2に入力される。
送信信号GSM Txおよび受信信号GSM Rxは、表1に示した4つのシステムのうちの周波数帯の近いGSM850(AGSM)とGSM900(EGSM)の少なくとも一方における送信信号および受信信号、または、表1に示した4つのシステムのうちの周波数帯の近いGSM1800(DCS)とGSM1900(PCS)の少なくとも一方における送信信号および受信信号である。本実施の形態では、送信信号GSM Txおよび受信信号GSM Rxが、GSM850(AGSM)とGSM900(EGSM)の少なくとも一方における送信信号および受信信号である場合には、送信信号UMTS Txおよび受信信号UMTS Rxは、表2に示した10のバンドのうち、GSM850(AGSM)およびGSM900(EGSM)と周波数帯の近いバンドV、VI、VIIIのいずれかにおける送信信号および受信信号である。また、送信信号GSM Txおよび受信信号GSM Rxが、GSM1800(DCS)とGSM1900(PCS)の少なくとも一方における送信信号および受信信号である場合には、送信信号UMTS Txおよび受信信号UMTS Rxは、表2に示した10のバンドのうち、GSM1800(DCS)およびGSM1900(PCS)と周波数帯の近いバンドI、II、III、IV、IX、Xのいずれかにおける送信信号および受信信号である。
高周波回路は、更に、スイッチ3と、デュプレクサ4と、バンドパスフィルタ(以下、BPFと記す。)5,6と、送信回路7と、ローパスフィルタ(以下、LPFと記す。)8とを備えている。スイッチ3は、3つのポート3a,3b,3cを有し、ポート3aをポート3b,3cのいずれかに選択的に接続する。ポート3cは、LPF8を介してスイッチ1のポート1cに接続されている。
デュプレクサ4は、第1ないし第3のポートと2つのBPF4a,4bとを有している。第1のポートは、スイッチ1のポート1bに接続されている。BPF4aは第1のポートと第2のポートとの間に設けられている。BPF4bは第1のポートと第3のポートとの間に設けられている。デュプレクサ4の第2のポートは、BPF5を介して、IC2の端子2cに接続されている。デュプレクサ4の第3のポートは、スイッチ3のポート3bに接続されている。
BPF6は、1つの不平衡入力端と2つの平衡出力端とを有している。BPF6の2つの平衡出力端は、IC2の端子2d1,2d2に接続されている。BPF6の不平衡入力端は、スイッチ1のポート1dに接続されている。
図2は、送信回路7の回路構成を示している。送信回路7は、複数の送信信号、すなわち送信信号UMTS Txと送信信号GSM Txとを処理する。送信回路7は、入力端7a,7bと出力端7cとを備えている。入力端7aは、IC2の端子2aに接続されている。入力端7bは、IC2の端子2bに接続されている。出力端7cは、スイッチ3のポート3aに接続されている。
また、送信回路7は、スイッチ11と、バラン12と、BPF13と、平衡入力型の電力増幅器14とを備えている。スイッチ11は、2つの入力ポート11a,11bと1つの出力ポート11cとを有し、出力ポート11cを入力ポート11a,11bのいずれかに選択的に接続する。バラン12は、1つの不平衡入力端と2つの平衡出力端とを有している。スイッチ11の入力ポート11aは、BPF13を介して、送信回路7の入力端7aに接続されている。スイッチ11の入力ポート11bは、送信回路7の入力端7bに接続されている。スイッチ11の出力ポート11cは、バラン12の不平衡入力端に接続されている。
電力増幅器14は、2つの平衡入力端と1つの不平衡出力端とを有している。バラン12の2つの平衡出力端は、電力増幅器14の2つの平衡入力端に接続されている。電力増幅器14の不平衡出力端は、送信回路7の出力端7cに接続されている。電力増幅器14は、バラン12の平衡出力端より出力される信号を増幅する。本実施の形態に係る高周波電子部品10は、図2に示した送信回路7に用いられるものである。
スイッチ11は、例えば、MMICによって構成されていてもよいし、PINダイオードを用いて構成されていてもよい。バラン12は、例えば、インダクタとキャパシタとを用いるLC回路によって構成されていてもよいし、共振器を用いて構成されていてもよい。BPF13は、例えば弾性表面波素子によって構成されていてもよい。電力増幅器14は、例えばMMICによって構成されていてもよい。
なお、図1に示したように、送信信号GSM Txの信号経路にはBPFが設けられていないのに対し、送信信号UMTS Txの信号経路にはBPF13が設けられている。その理由は、以下の通りである。TDMA方式では送信信号と受信信号が時分割されるが、UMTS方式では送信信号と受信信号が時分割されない。そのため、UMTS方式では、送信信号と受信信号の間における非常に高いアイソレーションが必要とされる。この高いアイソレーションを実現するために、通常、UMTS方式の送信信号を出力するICとUMTS方式の送信信号を増幅する電力増幅器との間にBPFが設けられる。そのため、本実施の形態でも、IC2と電力増幅器14との間の送信信号UMTS Txの信号経路にBPF13を設けている。スイッチ3のポート3cとスイッチ1のポート1cとの間の送信信号GSM Txの信号経路に設けられたLPF8は、電力増幅器14で発生した、送信信号に対する逓倍波のスプリアス信号を抑圧するためのものである。
図3は、高周波電子部品10の回路構成を示す回路図である。高周波電子部品10は、入力端子10a,10bと出力端子10c1,10c2と、上記のスイッチ11とバラン12とを備えている。入力端子10aは、BPF13の出力端とスイッチ11の入力ポート11aとに接続されている。入力端子10bは、送信回路7の入力端7bに接続されている。また、出力端子10c1,10c2は、バラン12の2つの平衡出力端と、電力増幅器14の2つの平衡入力端とに接続されている。スイッチ11は、このスイッチ11を制御するための制御信号VC1,VC2が入力される制御端子11d,11eを有している。
図3には、バラン12がインダクタとキャパシタとを用いるLC回路によって構成された例を示している。この例では、バラン12は、2つのインダクタL1,L2と2つのキャパシタC1,C2とを有している。インダクタL1の一端とキャパシタC1の一端は、バラン12の不平衡入力端に接続されている。インダクタL1の他端は、出力端子10c2に接続されたバラン12の平衡出力端に接続されていると共に、キャパシタC2を介してグランドに接続されている。キャパシタC1の他端は、出力端子10c1に接続されたバラン12の平衡出力端に接続されていると共に、インダクタL2を介してグランドに接続されている。
また、図3に示した例では、高周波電子部品10は、スイッチ11の入力ポート11bと入力端子10bとの間の信号経路に設けられたキャパシタC3と、スイッチ11の出力ポート11cとバラン12の不平衡入力端との間の信号経路に設けられたキャパシタC4とを備えている。これらのキャパシタC3,C4は、制御信号VC1,VC2に起因した直流電流が、ポート11b,11cに接続された信号経路に流れることを防止するためのものである。なお、図3に示した例では、スイッチ11の入力ポート11aと入力端子10aとの間の信号経路にはキャパシタが設けられていない。これは、入力端子10aに接続されたBPF13が直流電流の通過を阻止する機能を有しているためである。入力ポート11aより、制御信号VC1,VC2に起因した直流電流が発生する場合であって、BPF13が直流電流の通過を阻止する機能を有していない場合やBPF13が直流電流に対する耐性が小さい場合には、スイッチ11の入力ポート11aと入力端子10aとの間の信号経路に、直流電流の通過を阻止するキャパシタを設けてもよい。また、ポート11bに接続された信号経路やポート11cに接続された信号経路において、制御信号VC1,VC2に起因した直流電流の通過を阻止する必要がない場合には、キャパシタC3またはキャパシタC4を設けなくてもよい。スイッチ11のポート11a,11b,11cに接続された各信号経路には、その信号経路において制御信号VC1,VC2に起因した直流電流の通過を阻止する必要がある場合にキャパシタが設けられる。スイッチ11のポート11a,11b,11cに接続された各信号経路にキャパシタを設けることの要否については、後で詳しく説明する。なお、図1および図2では、キャパシタC3,C4の図示を省略している。
次に、本実施の形態に係る高周波電子部品10を含む高周波回路の作用について説明する。IC2は、不平衡信号の形態の送信信号UMTS Txと、不平衡信号の形態の送信信号GSM Txとを生成し出力する。送信信号UMTS Txは、送信回路7のBPF13を通過して、高周波電子部品10のスイッチ11の入力ポート11aに入力される。不平衡信号の形態の送信信号GSM Txは、スイッチ11の入力ポート11bに入力される。スイッチ11は、制御端子11d,11eに入力される制御信号VC1,VC2の状態に応じて、入力ポート11aに入力された不平衡信号の形態の送信信号UMTS Txと入力ポート11bに入力された不平衡信号の形態の送信信号GSM Txとを切り替えて、出力ポート11cより出力する。バラン12は、スイッチ11の出力ポート11cより出力された不平衡信号の形態の送信信号を平衡信号の形態の送信信号に変換して、この平衡信号の形態の送信信号を増幅する平衡入力型の電力増幅器14に対して出力する。電力増幅器14に入力された送信信号は、電力増幅器14によって増幅され、不平衡信号の形態の送信信号として、スイッチ3のポート3aに入力される。
送信信号UMTS Txの送信時には、スイッチ3のポート3aはポート3bに接続され、スイッチ1のポート1aはポート1bに接続される。この場合、送信信号UMTS Txは、スイッチ3、デュプレクサ4のBPF4bおよびスイッチ1を順に通過してアンテナ101に供給され、このアンテナ101より送信される。
送信信号GSM Txの送信時には、スイッチ3のポート3aはポート3cに接続され、スイッチ1のポート1aはポート1cに接続される。この場合、送信信号GSM Txは、スイッチ3、LPF8およびスイッチ1を順に通過してアンテナ101に供給され、このアンテナ101より送信される。
図1に示した高周波回路において、スイッチ1のポート1aがポート1bに接続されている状態では、受信信号UMTS Rxの処理が可能である。この状態では、アンテナ101によって受信された受信信号UMTS Rxは、スイッチ1、デュプレクサ4のBPF4aおよびBPF5を順に通過して、IC2に入力される。
図1に示した高周波回路において、スイッチ1のポート1aがポート1dに接続されている状態では、受信信号GSM Rxの処理が可能である。この状態では、アンテナ101によって受信された受信信号GSM Rxは、スイッチ1およびBPF6を順に通過して、IC2に入力される。
本実施の形態に係る高周波電子部品10では、スイッチ11によって、入力ポート11aに入力される不平衡信号の形態の送信信号UMTS Txと入力ポート11bに入力される不平衡信号の形態の送信信号GSM Txとを切り替えて出力ポート11cより出力し、バラン12によって、スイッチ11の出力ポート11cより出力される不平衡信号の形態の送信信号を平衡信号の形態の送信信号に変換して、この平衡信号の形態の送信信号を増幅する平衡入力型の電力増幅器14に対して出力する。これにより、本実施の形態によれば、送信信号GSM Txと送信信号UMTS Txとを処理する送信回路7において、平衡入力型の電力増幅器14を用いることが可能になると共に、送信回路7に含まれる電力増幅器の数を少なくでき、その結果、送信回路7の小型化、低コスト化が可能になる。
次に、本実施の形態に係る高周波電子部品10の構造について説明する。図4は、高周波電子部品10の外観を示す斜視図である。図5は、高周波波電子部品10の平面図である。図4および図5に示したように、高周波電子部品10は、高周波電子部品10の各要素を一体化する積層基板20を備えている。後で詳しく説明するが、積層基板20は、積層された複数の誘電体層を含んでいる。また、積層基板20は、上面20aと底面20bと4つの側面とを有し、直方体形状をなしている。
高周波電子部品10における回路は、積層基板20内に設けられた導体層と、上記誘電体層と、積層基板20の上面20aに搭載された素子とを用いて構成されている。ここでは、一例として、上面20aに、スイッチ11とキャパシタC3,C4が搭載されているものとする。
次に、図6ないし図10を参照して、積層基板20における誘電体層と導体層について詳しく説明する。図6において(a)、(b)は、それぞれ上から1層目、2層目の誘電体層の上面を示している。図7において(a)、(b)は、それぞれ上から3層目、4層目の誘電体層の上面を示している。図8において(a)、(b)は、それぞれ上から5層目、6層目の誘電体層の上面を示している。図9において(a)、(b)は、それぞれ上から7層目、8層目の誘電体層の上面を示している。図10(a)は、上から9層目の誘電体層の上面を示している。図10(b)は、上から9層目の誘電体層およびその下の導体層を、上から見た状態で表したものである。図6ないし図10において、丸印はスルーホールを表している。
図6(a)に示した1層目の誘電体層21の上面には、スイッチ11が接続される導体層211A〜211Gと、キャパシタC3が接続される導体層213A,213Bと、キャパシタC4が接続される導体層214A,214Bとが形成されている。導体層211Aはスイッチ11のポート11aに接続されている。導体層211Cはスイッチ11のポート11bに接続されている。導体層211Eはスイッチ11のポート11cに接続されている。導体層211Fはスイッチ11の制御端子11dに接続されている。導体層211Dはスイッチ11の制御端子11eに接続されている。導体層211B,211Gは、スイッチ11のグランドに接続されている。また、誘電体層21には、上記各導体層に接続された複数のスルーホールが形成されている。
図6(b)に示した2層目の誘電体層22の上面には、導体層221,222,223,224,225,226が形成されている。導体層221には、誘電体層21に形成されたスルーホールを介して導体層211Aが接続されている。導体層222には、誘電体層21に形成されたスルーホールを介して導体層211Dが接続されている。導体層223には、誘電体層21に形成されたスルーホールを介して導体層211Fが接続されている。導体層224には、それぞれ誘電体層21に形成されたスルーホールを介して導体層211C,213Aが接続されている。導体層225には、それぞれ誘電体層21に形成されたスルーホールを介して導体層211E,214Bが接続されている。導体層226には、誘電体層21に形成されたスルーホールを介して導体層213Bが接続されている。また、誘電体層22には、それぞれ導体層221,222,223,226に接続されたスルーホールと、その他の複数のスルーホールが形成されている。
図7(a)に示した3層目の誘電体層23の上面には、キャパシタ用導体層231とグランド用導体層232が形成されている。導体層231には、誘電体層21,22に形成されたスルーホールを介して導体層214Aが接続されている。導体層232には、誘電体層21,22に形成されたスルーホールを介して導体層211B,211Gが接続されている。また、誘電体層23には、それぞれ導体層231,232に接続されたスルーホールと、その他の複数のスルーホールが形成されている。
図7(b)に示した4層目の誘電体層24の上面には、キャパシタ用導体層241,242と導体層243が形成されている。導体層231,241と、これらの間に配置された誘電体層23は、図3におけるキャパシタC1を構成する。導体層232,242と、これらの間に配置された誘電体層23は、図3におけるキャパシタC2を構成する。導体層243には、誘電体層23に形成された2つのスルーホールを介して導体層232が接続されている。また、誘電体層24には、それぞれ導体層241,242,243に接続されたスルーホールと、その他の複数のスルーホールが形成されている。
図8(a)に示した5層目の誘電体層25の上面には、インダクタ用導体層251,252と導体層253,254が形成されている。導体層251には、誘電体層24に形成されたスルーホールを介して導体層242が接続されている。導体層252には、誘電体層24に形成されたスルーホールを介して導体層241が接続されている。導体層253には、誘電体層24に形成された2つのスルーホールを介して導体層243が接続されている。導体層254には、誘電体層23,24に形成されたスルーホールを介して導体層231が接続されている。また、誘電体層25には、それぞれ導体層251,252,253,254に接続されたスルーホールと、その他の複数のスルーホールが形成されている。
図8(b)に示した6層目の誘電体層26の上面には、インダクタ用導体層261,262と導体層263が形成されている。導体層261には、誘電体層25に形成されたスルーホールを介して導体層251が接続されている。導体層262には、誘電体層25に形成されたスルーホールを介して導体層252が接続されている。導体層263には、誘電体層25に形成された2つのスルーホールを介して導体層253が接続されている。また、誘電体層26には、それぞれ導体層261,262,263に接続されたスルーホールと、その他の複数のスルーホールが形成されている。
図9(a)に示した7層目の誘電体層27の上面には、インダクタ用導体層271,272と導体層273が形成されている。導体層271には、誘電体層26に形成されたスルーホールを介して導体層261が接続されている。導体層272には、誘電体層26に形成されたスルーホールを介して導体層262が接続されている。導体層273には、誘電体層26に形成された2つのスルーホールを介して導体層263が接続されている。また、誘電体層27には、それぞれ導体層271,272,273に接続されたスルーホールと、その他の複数のスルーホールが形成されている。
図9(b)に示した8層目の誘電体層28の上面には、インダクタ用導体層281,282と導体層283が形成されている。導体層281には、誘電体層27に形成されたスルーホールを介して導体層271が接続されている。また、導体層281には、誘電体層23〜27に形成されたスルーホールおよび導体層254を介して導体層231が接続されている。導体層282には、誘電体層27に形成されたスルーホールを介して導体層272が接続されている。導体層283には、誘電体層27に形成された2つのスルーホールを介して導体層273が接続されている。また、誘電体層28には、それぞれ導体層282,283に接続されたスルーホールと、その他の複数のスルーホールが形成されている。
図3に示したインダクタL1は、導体層251,261,271,281と、これらを直列に接続するスルーホールによって構成されている。図3に示したインダクタL2は、導体層252,262,272,282と、これらを直列に接続するスルーホールによって構成されている。
図10(a)に示した9層目の誘電体層29の上面には、グランド用導体層291と、導体層292,293が形成されている。導体層291には、それぞれ誘電体層28に形成されたスルーホールを介して導体層282,283が接続されている。また、導体層291には、誘電体層23〜28に形成されたスルーホールを介して導体層232が接続されている。導体層292には、誘電体層24〜28に形成されたスルーホールを介して導体層242が接続されている。導体層293には、誘電体層25〜28に形成されたスルーホールを介して導体層252が接続されている。また、誘電体層29には、導体層291,292,293に接続された複数のスルーホールと、その他の複数のスルーホールが形成されている。
図10(b)に示したように、誘電体層29の下面、すなわち積層基板20の底面20bには、入力端子10a,10bを構成する導体層310a,310bと、出力端子10c1,10c2を構成する導体層310c1,310c2と、制御端子11d,11eを構成する導体層311d,311eと、グランド端子を構成する導体層G1〜G11とが形成されている。
導体層310aには、誘電体層21〜29に形成されたスルーホールと導体層221を介して導体層211Aが接続されている。導体層310bには、誘電体層21〜29に形成されたスルーホールと導体層226を介して導体層213Bが接続されている。導体層310c1には、誘電体層25〜29に形成されたスルーホールと導体層293を介して導体層252が接続されている。導体層310c2には、誘電体層24〜29に形成されたスルーホールと導体層292を介して導体層242が接続されている。導体層311dには、誘電体層21〜29に形成されたスルーホールと導体層223を介して導体層211Fが接続されている。導体層311eには、誘電体層21〜29に形成されたスルーホールと導体層222を介して導体層211Dが接続されている。導体層G1〜G11には、誘電体層29に形成されたスルーホールを介して導体層291が接続されている。また、導体層G1〜G11は、グランドに接続されるようになっている。
上述の1層目ないし9層目の誘電体層21〜29および導体層が積層されて、図4に示した積層基板20が形成される。この積層基板20の上面20aには、スイッチ11とキャパシタC3,C4が搭載される。バラン12は、積層基板20内に設けられた複数の導体層を用いて構成されている。なお、本実施の形態において、積層基板20としては、誘電体層の材料として樹脂、セラミック、あるいは両者を複合した材料を用いたもの等、種々のものを用いることができる。しかし、積層基板20としては、特に、高周波特性に優れた低温同時焼成セラミック多層基板を用いることが好ましい。
次に、比較例と比較しながら、本実施の形態の効果について説明する。図11は、比較例の高周波回路の回路構成を示すブロック図である。この比較例の高周波回路は、図1に示した高周波回路におけるスイッチ3,11およびバラン12を備えておらず、図1に示した高周波回路における電力増幅器14の代りに2つの電力増幅器34A,34Bを備えている。電力増幅器34A,34Bは、いずれも、不平衡入力型である。比較例の高周波回路では、BPF13より出力された送信信号UMTS Txは、電力増幅器34Aによって増幅されて、デュプレクサ4のBPF4bに入力される。また、IC2より出力された送信信号GSM Txは、電力増幅器34Bによって増幅されて、LPF8を通過してスイッチ1のポート1cに入力される。比較例の高周波回路では、BPF13および電力増幅器34A,34Bが送信回路を構成する。比較例の高周波回路のその他の構成は、図1に示した高周波回路と同様である。
図11に示した比較例では、携帯電話機における電力増幅器として近年多く提案されている平衡入力型の電力増幅器を用いることができないと共に、比較的高価な電力増幅器が2つ必要となり、その結果、送信回路およびそれを含む携帯電話機の高周波回路の小型化および低コスト化が妨げられる。これに対し、本実施の形態では、送信信号UMTS Txと送信信号GSM Txとで1つの電力増幅器14を共用するため、比較例に比べて、送信回路7に含まれる電力増幅器の数を1つ少なくすることができ、その結果、送信回路7およびそれを含む携帯電話機の高周波回路の小型化、低コスト化が可能になる。また、本実施の形態では、バラン12によって、スイッチ11の出力ポート11cより出力される不平衡信号の形態の送信信号を平衡信号の形態の送信信号に変換して電力増幅器14に対して出力するため、携帯電話機における電力増幅器として近年多く提案されている平衡入力型の電力増幅器14を用いることができる。なお、本実施の形態では、比較例と比べると、電力増幅器を1つ減らすことができるが、新たに2つのスイッチ3,11が必要なる。しかし、スイッチは電力増幅器に比べると安価であるため、本実施の形態では比較例に比べてコストを低減することができる。
また、本実施の形態のように、スイッチ11とバラン12を含む1つの高周波電子部品10を構成することにより、スイッチ11とバラン12を別個の素子として構成して、これらを基板に実装する場合に比べて、送信回路7におけるスイッチ11とバラン12の占有面積を小さくすることが可能になる。この点からも、本実施の形態によれば、送信回路7およびそれを含む携帯電話機の高周波回路の小型化が可能になる。
また、本実施の形態に係る高周波電子部品10は、積層基板20を備え、バラン12は、積層基板20内に設けられた複数の導体層を用いて構成され、スイッチ11は、積層基板20に搭載されている。図6ないし図10に示したように、バラン12は、積層基板20内に設けられた複数の導体層を用いて容易に構成することが可能である。そのため、本実施の形態のように、バラン12を、積層基板20内に設けられた複数の導体層を用いて構成し、スイッチ11を積層基板20に搭載することにより、特に、送信回路7における高周波電子部品10の占有面積を小さくすることが可能になる。従って、本実施の形態によれば、送信回路7およびそれを含む携帯電話機の高周波回路をより一層小型化することが可能になる。
ここで、本実施の形態に係る高周波電子部品10におけるスイッチ11の構成と、スイッチ11に接続された信号経路にキャパシタを設けることの要否について詳しく説明する。まず、スイッチ11としては、MMICによって構成されたスイッチや、PINダイオードを用いて構成されたスイッチを用いることができる。MMICによって構成されたスイッチには、デプレッション型の電界効果トランジスタ(以下、FETと記す。)を用いたものと、エンハンスメント型のFETを用いたものとがある。デプレッション型のFETでは、ゲート電圧が0でもドレイン電流が流れる。エンハンスメント型のFETでは、ゲート電圧が0のときにはドレイン電流は流れない。デプレッション型のFETとしては、例えばGaAs系のpHEMT(シュードモルフィック高電子移動度トランジスタ)がある。エンハンスメント型のFETとしては、例えばCMOS(相補型金属酸化膜半導体)がある。
スイッチ11として、MMICによって構成されたスイッチであってデプレッション型のFETを用いて構成されたものを用いる場合、またはPINダイオードを用いて構成されたスイッチを用いる場合には、原則として、スイッチ11の各ポートに接続された各信号経路に、直流電流の通過を阻止するキャパシタを設ける必要がある。ただし、上記信号経路に接続される素子が、直流電流の通過を阻止する機能を有し、且つ直流電流に対する耐性が大きい場合には、その信号経路には、直流電流の通過を阻止するキャパシタを設けなくてもよい。
スイッチ11としてMMICによって構成されたスイッチであってエンハンスメント型のFETを用いて構成されたものを用いる場合には、スイッチ11の各ポートに接続された各信号経路に、直流電流の通過を阻止するキャパシタを設ける必要はない。
次に、図12を参照して、バラン12の他の構成について説明する。図12に示したバラン12は、共振器を用いて構成されたものである。このバラン12は、1つの不平衡入力端121と、2つの平衡出力端122,123と、4つの1/4波長共振器124,125,126,127とを有している。1/4波長共振器124の一端は不平衡入力端121に接続され、1/4波長共振器124の他端は1/4波長共振器125の一端に接続されている。1/4波長共振器126の一端は平衡出力端122に接続され、1/4波長共振器126の他端はグランドに接続されている。1/4波長共振器127の一端は平衡出力端123に接続され、1/4波長共振器127の他端はグランドに接続されている。1/4波長共振器126は1/4波長共振器124と結合し、1/4波長共振器127は1/4波長共振器125と結合している。
図3に示したLC回路によって構成されたバラン12は、挿入損失は小さいが、振幅バランス特性のよい周波数帯域は狭い。一方、図12に示した共振器を用いて構成されたバラン12は、挿入損失はやや大きいが、振幅バランス特性のよい周波数帯域は広い。また、図12に示した共振器を用いて構成されたバラン12では、不平衡入力端121と平衡出力端122,123との間において直流電流の通過が阻止される。そのため、図12に示したバラン12を用いる場合には、スイッチ11として原則として各ポートに接続された各信号経路に直流電流の通過を阻止するキャパシタを設ける必要のあるスイッチを用いる場合であっても、スイッチ11とバラン12との間の信号経路に、直流電流の通過を阻止するキャパシタを設けなくてもよい。
図12に示した共振器を用いて構成されたバラン12は、図3に示したLC回路によって構成されたバラン12と同様に、積層基板20内に設けられた複数の導体層を用いて構成することができる。
次に、図13を参照して、本実施の形態に係る高周波電子部品の第1ないし第3の変形例について説明する。図13は、送信回路7のうち各変形例の高周波電子部品に含まれる部分を示している。第1の変形例の高周波電子部品10Aは、スイッチ11およびバラン12に加えて電力増幅器14を備えている。この高周波電子部品10Aにおいて、電力増幅器14は積層基板20の上面20aに搭載されてもよい。また、電力増幅器14の入力端はバラン12の平衡出力端に接続され、電力増幅器14の出力端は高周波電子部品10Aの出力端に接続される。すなわち、電力増幅器14は、バラン12の平衡出力端と高周波電子部品10Aの出力端との間に設けられる。
第2の変形例の高周波電子部品10Bは、スイッチ11およびバラン12に加えてBPF13を備えている。この高周波電子部品10Bにおいて、BPF13は、積層基板20の上面20aに搭載されてもよい。また、BPF13の入力端は送信信号UMTS Txが入力される高周波電子部品10Bの入力端子に接続され、BPF13の出力端はスイッチ11の入力ポート11aに接続される。すなわち、BPF13は、入力ポート11aと送信信号UMTS Txが入力される高周波電子部品10Bの入力端子との間に設けられる。
第3の変形例の高周波電子部品10Cは、スイッチ11およびバラン12に加えて電力増幅器14およびBPF13を備えている。この高周波電子部品10Cにおいて、電力増幅器14およびBPF13は、積層基板20の上面20aに搭載されてもよい。電力増幅器14の入力端はバラン12の平衡出力端に接続され、電力増幅器14の出力端は高周波電子部品10Cの出力端に接続される。BPF13の入力端は送信信号UMTS Txが入力される高周波電子部品10Cの入力端子に接続され、BPF13の出力端はスイッチ11のポート11aに接続される。
[第2の実施の形態]
次に、図14を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る高周波電子部品について説明する。図14は、本実施の形態に係る高周波電子部品10を含む送信回路7を示している。本実施の形態では、IC2は、送信信号GSM Txを、不平衡信号の形態ではなく平衡信号の形態で生成し出力する。本実施の形態における送信回路7は、第1の実施の形態における送信回路7の構成要素に加え、バラン15を備えている。このバラン15は、2つの平衡入力端と1つの不平衡出力端とを有している。バラン15の2つの平衡入力端は、平衡信号の形態の送信信号GSM Txを出力するIC2の端子に接続されている。バラン15の不平衡出力端は、高周波電子部品10の入力端子10bに接続されている。バラン15は、平衡信号の形態の送信信号GSM Txを不平衡信号の形態の送信信号GSM Txに変換して出力する。バラン15の回路構成は、バラン12の2つの平衡入力端が2つの平衡出力端に変わり、バラン12の1つの不平衡出力端が1つの不平衡入力端に変わること以外は、バラン12と同様である。
本実施の形態に係る高周波電子部品10は、平衡信号の形態の送信信号GSM Txと不平衡信号の形態の送信信号UMTS Txとを処理する送信回路7に用いられるものである。本実施の形態に係る高周波電子部品10の構成は、第1の実施の形態に係る高周波電子部品10と同じである。
本実施の形態では、IC2より出力された不平衡信号の形態の送信信号UMTS Txは、BPF13を通過して、高周波電子部品10のスイッチ11の入力ポート11aに入力される。IC2より出力された平衡信号の形態の送信信号GSM Txは、バラン15によって、不平衡信号の形態の送信信号GSM Txに変換され、この不平衡信号の形態の送信信号GSM Txがスイッチ11の入力ポート11bに入力される。
次に、第1ないし第3の比較例と比較しながら、本実施の形態の効果について説明する。図15は、第1の比較例の送信回路の回路構成を示すブロック図である。この第1の比較例の送信回路は、図14に示した送信回路におけるバラン15、スイッチ11、バラン12、電力増幅器14および出力端7cの代りに、2つの電力増幅器34A,14Bと2つの出力端16A,16Bを備えている。第1の比較例の送信回路では、BPF13より出力された不平衡信号の形態の送信信号UMTS Txは、電力増幅器34Aによって増幅されて、出力端16Aより出力される。また、IC2より出力された平衡信号の形態の送信信号GSM Txは、電力増幅器14Bによって増幅されて、不平衡信号の形態の送信信号GSM Txとして、出力端16Bより出力される。出力端16Aより出力された送信信号UMTS Txは、図11に示したデュプレクサ4のBPF4bに入力される。また、出力端16Bより出力された送信信号GSM Txは、図11に示したスイッチ1のポート1cに入力される。
図15に示した第1の比較例では、比較的高価な電力増幅器が2つ必要となり、その結果、送信回路およびそれを含む携帯電話機の高周波回路の小型化および低コスト化が妨げられる。これに対し、本実施の形態では、送信信号UMTS Txと送信信号GSM Txとで1つの電力増幅器14を共用するため、第1の比較例に比べて、送信回路7に含まれる電力増幅器の数を1つ少なくすることができ、その結果、送信回路7およびそれを含む携帯電話機の高周波回路の小型化、低コスト化が可能になる。
図16は、第2の比較例の送信回路の回路構成を示すブロック図である。この第2の比較例の送信回路は、図14に示した送信回路におけるバラン15、スイッチ11およびバラン12の代りに、バラン31と2つのスイッチ32,33とを備えている。バラン31は、1つの不平衡入力端と2つの平衡出力端とを有している。バラン31の不平衡入力端は、BPF13の出力端に接続されている。スイッチ32は、2つの入力ポート32a,32bと1つの出力ポート32cとを有し、出力ポート32cを入力ポート32a,32bのいずれかに選択的に接続する。スイッチ33は、2つの入力ポート33a,33bと1つの出力ポート33cとを有し、出力ポート33cを入力ポート33a,33bのいずれかに選択的に接続する。入力ポート32aと入力ポート33aは、バラン31の平衡出力端に接続されている。入力ポート32bと入力ポート33bには、IC2より出力される平衡信号の形態の送信信号GSM Txが入力される。出力ポート32cと出力ポート33cは、電力増幅器14の平衡入力端に接続されている。
図16に示した第2の比較例の送信回路では、スイッチが2つ必要となる。本実施の形態では、第2の比較例に比べると、バランの数が1つ増えるが、スイッチの数を1つ減らすことができる。バランは、スイッチに比べると、低コストで構成でき、且つ小型化できる。そのため、本実施の形態によれば、第2の比較例に比べても、送信回路7およびそれを含む携帯電話機の高周波回路の小型化、低コスト化が可能になる。
図17は、第3の比較例の送信回路の回路構成を示すブロック図である。この第3の比較例の送信回路は、図16に示した第2の比較例におけるスイッチ32,33の代りに、平衡信号を切り替えるスイッチ35を備えている。スイッチ35は、4つの入力ポート35a,35b,35c,35dと2つの出力ポート35e,35fとを有し、出力ポート35eが入力ポート35aに接続され、出力ポート35fが入力ポート35bに接続された状態と、出力ポート35eが入力ポート35cに接続され、出力ポート35fが入力ポート35dに接続された状態とを切り替えることができるようになっている。入力ポート35a,35bは、バラン31の平衡出力端に接続されている。入力ポート35c,35dには、IC2より出力される平衡信号の形態の送信信号GSM Txが入力される。出力ポート35e,35fは、電力増幅器14の平衡入力端に接続されている。
図17に示した第3の比較例の送信回路では、平衡信号を切り替えるスイッチ35が必要になる。平衡信号を切り替えるスイッチは、不平衡信号を切り替えるスイッチに比べて高価である。本実施の形態では、第3の比較例に比べると、バランの数が1つ増えるが、平衡信号を切り替える高価なスイッチ35ではなく、不平衡信号を切り替える安価なスイッチ11を用いることができる。また、バランは低コストで構成することができる。そのため、本実施の形態によれば、第3の比較例に比べて、送信回路7およびそれを含む携帯電話機の高周波回路の低コスト化が可能になる。
なお、本実施の形態に係る高周波電子部品は、第1の実施の形態における第1ないし第3の変形例と同様に、スイッチ11およびバラン12に加えて、電力増幅器14とBPF13の少なくとも一方を備えていてもよい。また、本実施の形態に係る高周波電子部品は、バラン15を備えていてもよい。この場合、バラン15は、本発明における第2のバランに対応する。高周波電子部品がバラン15を備える場合、バラン15は、バラン12と同様に、積層基板20内に設けられた複数の導体層を用いて構成することができる。本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
[第3の実施の形態]
次に、図18を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る高周波電子部品について説明する。図18は、本実施の形態に係る高周波電子部品40を含む送信回路7を示している。本実施の形態に係る高周波電子部品40は、2つのUMTS方式の送信信号UMTS Tx1,UMTS Tx2と送信信号GSM Txとを処理する送信回路7に用いられるものである。本実施の形態では、送信信号GSM TxがGSM850(AGSM)とGSM900(EGSM)の少なくとも一方における送信信号である場合には、送信信号UMTS Tx1,UMTS Tx2は、GSM850(AGSM)およびGSM900(EGSM)と周波数帯の近いバンドV、VI、VIIIのうちの互いに異なる2つのバンドにおける送信信号である。また、送信信号GSM TxがGSM1800(DCS)とGSM1900(PCS)の少なくとも一方における送信信号である場合には、送信信号UMTS Tx1,UMTS Tx2は、GSM1800(DCS)とGSM1900(PCS)と周波数帯の近いバンドI、II、III、IV、IX、Xのうちの互いに異なる2つのバンドにおける送信信号である。本実施の形態における送信回路7を含む高周波回路において、IC2は、それぞれ不平衡信号の形態の送信信号UMTS Tx1,UMTS Tx2と、平衡信号の形態のGSM方式の送信信号GSM Txとを生成し出力する。
本実施の形態における送信回路7は、第2の実施の形態におけるBPF13の代りに2つのBPF13A,13Bを備え、第2の実施の形態に係る高周波電子部品10の代りに本実施の形態に係る高周波電子部品40を備えている。BPF13A,13Bには、それぞれ、IC2より出力される送信信号UMTS Tx1,UMTS Tx2が入力される。
高周波電子部品40は、入力端子40a,40b,40cと、出力端子40d1,40d2と、スイッチ41と、バラン12とを備えている。スイッチ41は、3つの入力ポート41a,41b,41cと1つの出力ポート41dとを有し、出力ポート41dを入力ポート41a,41b,41cのいずれかに選択的に接続する。
入力端子40aは、BPF13Aの出力端とスイッチ41の入力ポート41aとに接続されている。入力端子40bは、BPF13Bの出力端とスイッチ41の入力ポート41bとに接続されている。入力端子40cは、バラン15の不平衡出力端とスイッチ41の入力ポート41cとに接続されている。バラン12の不平衡入力端は、スイッチ41の出力ポート41dに接続されている。出力端子40d1,40d2は、バラン12の平衡出力端と電力増幅器14の平衡入力端とに接続されている。
高周波電子部品40を含む送信回路7では、IC2より出力された不平衡信号の形態の送信信号UMTS Tx1は、BPF13A、入力端子40aを通過して、スイッチ41の入力ポート41aに入力される。IC2より出力された不平衡信号の形態の送信信号UMTS Tx2は、BPF13B、入力端子40bを通過して、スイッチ41の入力ポート41bに入力される。IC2より出力された平衡信号の形態の送信信号GSM Txは、バラン15によって不平衡信号の形態の送信信号GSM Txに変換され、この不平衡信号の形態の送信信号GSM Txは、入力端子40cを通過して、スイッチ41の入力ポート41cに入力される。スイッチ41は、入力ポート41aに入力された不平衡信号の形態の送信信号UMTS Tx1と、入力ポート41bに入力された不平衡信号の形態の送信信号UMTS Tx2と、入力ポート41cに入力された不平衡信号の形態の送信信号GSM Txとを切り替えて、出力ポート41dより、バラン12に対して出力する。バラン12は、スイッチ41の出力ポート41dより出力された不平衡信号の形態の送信信号を平衡信号の形態の送信信号に変換して、この平衡信号の形態の送信信号を増幅する平衡入力型の電力増幅器14に対して出力する。電力増幅器14に入力された送信信号は、電力増幅器14によって増幅され、不平衡信号の形態の送信信号として、送信回路7の出力端7cに対して出力される。なお、本実施の形態では、出力端7cは、1つの入力ポートと3つの出力ポートとを有する図示しないスイッチの入力ポートに接続される。このスイッチは、3つの出力ポートのいずれかを選択的に入力ポートに接続して、入力ポートに入力される送信信号UMTS Tx1,UMTS Tx2,GSM Txをそれぞれ異なる出力ポートより出力する。
本実施の形態に係る高周波電子部品40は、第1の実施の形態に係る高周波電子部品10と同様に、積層基板20内に設けられた複数の導体層を用いてバラン12を構成し、スイッチ41を積層基板20に搭載することによって構成することができる。
次に、第1ないし第3の比較例と比較しながら、本実施の形態の効果について説明する。図19は、第1の比較例の送信回路の回路構成を示すブロック図である。この第1の比較例の送信回路は、図18に示した送信回路におけるバラン15、スイッチ41、バラン12、電力増幅器14および出力端7cの代りに、3つの電力増幅器42A,42B,42Cと3つの出力端43A,43B,43Cを備えている。比較例の送信回路では、BPF13Aより出力された不平衡信号の形態の送信信号UMTS Tx1は、電力増幅器42Aによって増幅されて、出力端43Aより出力される。BPF13Bより出力された不平衡信号の形態の送信信号UMTS Tx2は、電力増幅器42Bによって増幅されて、出力端43Bより出力される。また、IC2より出力された平衡信号の形態の送信信号GSM Txは、電力増幅器42Cによって増幅されて、不平衡信号の形態の送信信号GSM Txとして出力端43Cより出力される。
図19に示した第1の比較例では、比較的高価な電力増幅器が3つ必要となり、その結果、送信回路およびそれを含む携帯電話機の高周波回路の小型化および低コスト化が妨げられる。これに対し、本実施の形態では、送信信号UMTS Tx1,UMTS Tx2,GSM Txで1つの電力増幅器14を共用するため、比較例に比べて、送信回路7に含まれる電力増幅器の数を2つ少なくすることができ、その結果、送信回路7およびそれを含む携帯電話機の高周波回路の小型化、低コスト化が可能になる。
図20は、第2の比較例の送信回路の回路構成を示すブロック図である。この第2の比較例の送信回路は、図18に示した送信回路におけるバラン15、スイッチ41およびバラン12の代りに、2つのバラン51A,51Bとスイッチ52を備えている。バラン51A,51Bは、それぞれ、1つの不平衡入力端と2つの平衡出力端とを有している。スイッチ52は、6つの入力ポート52a,52b,52c,52d,52e,52fと2つの出力ポート52g,52hとを有している。スイッチ52は、出力ポート52gが入力ポート52aに接続され、出力ポート52hが入力ポート52bに接続された状態と、出力ポート52gが入力ポート52cに接続され、出力ポート52hが入力ポート52dに接続された状態と、出力ポート52gが入力ポート52eに接続され、出力ポート52hが入力ポート52fに接続された状態とを切り替えることができるようになっている。
バラン51Aの不平衡入力端は、BPF13Aの出力端に接続されている。バラン51Bの不平衡入力端は、BPF13Bの出力端に接続されている。バラン51Aの2つの平衡出力端は、スイッチ52の入力ポート52a,52bに接続されている。バラン51Bの2つの平衡出力端は、スイッチ52の入力ポート52c,52dに接続されている。スイッチ52の入力ポート52e,52fには、IC2より出力される平衡信号の形態の送信信号GSM Txが入力される。スイッチ52の出力ポート52g,52hは、電力増幅器14の平衡入力端に接続されている。
図20に示した第2の比較例では、平衡信号を切り替える高価なスイッチ52が必要になる。本実施の形態では、平衡信号を切り替える高価なスイッチ52ではなく、不平衡信号を切り替える安価なスイッチ41を用いることができる。そのため、本実施の形態によれば、第2の比較例に比べて、送信回路7およびそれを含む携帯電話機の高周波回路の低コスト化が可能になる。
図21は、第3の比較例の送信回路の回路構成を示すブロック図である。この第3の比較例の送信回路は、図18に示した送信回路におけるバラン15、スイッチ41およびバラン12の代りに、スイッチ63、バラン61およびスイッチ62を備えている。スイッチ63は、BPF13Aの出力端に接続された入力ポート63aと、BPF13Bの出力端に接続された入力ポート63bと、出力ポート63cとを有し、出力ポート63cを入力ポート63a,63bのいずれかに選択的に接続する。バラン61は、1つの不平衡入力端と2つの平衡出力端とを有している。バラン61の不平衡入力端は、スイッチ63の出力ポート63cに接続されている。
スイッチ62は、4つの入力ポート62a,62b,62c,62dと2つの出力ポート62e,62fとを有している。スイッチ62は、出力ポート62eが入力ポート62aに接続され、出力ポート62fが入力ポート62bに接続された状態と、出力ポート62eが入力ポート62cに接続され、出力ポート62fが入力ポート62dに接続された状態とを切り替えることができるようになっている。バラン61の2つの平衡出力端は、スイッチ62の入力ポート62a,62bに接続されている。スイッチ62の入力ポート62c,62dには、IC2より出力される平衡信号の形態の送信信号GSM Txが入力される。スイッチ62の出力ポート62e,62fは、電力増幅器14の平衡入力端に接続されている。
図21に示した第3の比較例では、平衡信号を切り替える高価なスイッチ62が必要になると共に、IC2と電力増幅器14の間にスイッチを2つ設ける必要がある。本実施の形態では、不平衡信号を切り替える安価なスイッチ41を用いることができると共に、IC2と電力増幅器14の間に設けるスイッチは1つで済む。そのため、本実施の形態によれば、第3の比較例に比べて、送信回路7およびそれを含む携帯電話機の高周波回路の低コスト化が可能になる。
なお、本実施の形態に係る高周波電子部品は、第1の実施の形態における第1ないし第3の変形例と同様に、スイッチ41およびバラン12に加えて、電力増幅器14を備えていてもよいし、BPF13A,13Bを備えていてもよいし、電力増幅器14およびBPF13A,13Bを備えていてもよい。また、本実施の形態に係る高周波電子部品は、バラン15を備えていてもよい。この場合、バラン15は、バラン12と同様に、積層基板20内に設けられた複数の導体層を用いて構成することができる。本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第2の実施の形態と同様である。
[第4の実施の形態]
次に、図22を参照して、本発明の第4の実施の形態に係る高周波電子部品について説明する。図22は、本実施の形態に係る高周波電子部品70を含む送信回路7を示している。本実施の形態に係る高周波電子部品70は、3つのUMTS方式の送信信号UMTS-L Tx,UMTS-H Tx1,UMTS-H Tx2と、2つの送信信号GSM-L Tx,GSM-H Txとを処理する送信回路7に用いられるものである。送信信号GSM-L Txは、表1に示した4つのシステムのうちの周波数帯の近いGSM850(AGSM)とGSM900(EGSM)の少なくとも一方における送信信号を含んでいる。送信信号GSM-H Txは、表1に示した4つのシステムのうちの周波数帯の近いGSM1800(DCS)とGSM1900(PCS)の少なくとも一方における送信信号を含んでいる。送信信号UMTS-L Txは、GSM850(AGSM)およびGSM900(EGSM)と周波数帯の近いバンドV、VI、VIIIのいずれかにおける送信信号である。送信信号UMTS-H Tx1,UMTS-H Tx2は、GSM1800(DCS)およびGSM1900(PCS)と周波数帯の近いバンドI、II、III、IV、IX、Xのうちの互いに異なる2つのバンドにおける送信信号である。本実施の形態における送信回路7を含む高周波回路において、IC2は、それぞれ不平衡信号の形態のUMTS方式の送信信号UMTS-L Tx,UMTS-H Tx1,UMTS-H Tx2と、それぞれ平衡信号の形態のGSM方式の送信信号GSM-L Tx,GSM-H Txとを生成し出力する。
本実施の形態における送信回路7は、本実施の形態に係る高周波電子部品70と、3つのBPF72,75,76と、2つのバラン73,77と、2つの電力増幅器14L,14Hと、2つの出力端7L,7Hとを備えている。BPF72,75,76には、それぞれ、IC2より出力される送信信号UMTS-L Tx,UMTS-H Tx1,UMTS-H Tx2が入力される。
バラン73,77は、いずれも、2つの平衡入力端と1つの不平衡出力端とを有している。バラン73,77の構成は、第2の実施の形態におけるバラン15と同様である。バラン73の2つの平衡入力端には、IC2より出力される平衡信号の形態の送信信号GSM-L Txが入力される。バラン77の2つの平衡入力端には、IC2より出力される平衡信号の形態の送信信号GSM-H Txが入力される。
高周波電子部品70は、入力端子70a,70b,70c,70d,70eと、出力端子70f1,70f2,70g1,70g2と、スイッチ71,74と、バラン12L,12Hとを備えている。
スイッチ71は、2つの入力ポート71a,71bと1つの出力ポート71cとを有し、出力ポート71cを入力ポート71a,71bのいずれかに選択的に接続する。スイッチ74は、3つの入力ポート74a,74b,74cと1つの出力ポート74dとを有し、出力ポート74dを入力ポート74a,74b,74cのいずれかに選択的に接続する。
入力端子70aは、BPF72の出力端とスイッチ71の入力ポート71aとに接続されている。入力端子70bは、バラン73の不平衡出力端とスイッチ71の入力ポート71bとに接続されている。入力端子70cは、BPF75の出力端とスイッチ74の入力ポート74aとに接続されている。入力端子70dは、BPF76の出力端とスイッチ74の入力ポート74bとに接続されている。入力端子70eは、バラン77の不平衡出力端とスイッチ74の入力ポート74cとに接続されている。
バラン12L,12Hは、いずれも、1つの不平衡入力端と2つの平衡出力端とを有している。バラン12L,12Hの構成は、第1の実施の形態におけるバラン12と同様である。スイッチ71の出力ポート71cは、バラン12Lの不平衡入力端に接続されている。出力端子70f1,70f2は、バラン12Lの平衡出力端と電力増幅器14Lの平衡入力端とに接続されている。電力増幅器14Lの出力端は、送信回路7の出力端7Lに接続されている。スイッチ74の出力ポート74dは、バラン12Hの不平衡入力端に接続されている。出力端子70g1,70g2は、バラン12Hの平衡出力端と電力増幅器14Hの平衡入力端とに接続されている。電力増幅器14Hの出力端は、送信回路7の出力端7Hに接続されている。
高周波電子部品70を含む送信回路7では、IC2より出力された不平衡信号の形態の送信信号UMTS-L Txは、BPF72、入力端子70aを通過して、スイッチ71の入力ポート71aに入力される。IC2より出力された平衡信号の形態の送信信号GSM-L Txは、バラン73によって不平衡信号の形態の送信信号GSM-L Txに変換される。この不平衡信号の形態の送信信号GSM-L Txは、入力端子70bを通過して、スイッチ71の入力ポート71bに入力される。スイッチ71は、入力ポート71aに入力された不平衡信号の形態の送信信号UMTS-L Txと、入力ポート71bに入力された不平衡信号の形態の送信信号GSM-L Txとを切り替えて、出力ポート71cより、バラン12Lに対して出力する。バラン12Lは、スイッチ71の出力ポート71cより出力された不平衡信号の形態の送信信号を平衡信号の形態の送信信号に変換して、この平衡信号の形態の送信信号を増幅する平衡入力型の電力増幅器14Lに対して出力する。電力増幅器14Lに入力された送信信号は、電力増幅器14Lによって増幅され、不平衡信号の形態の送信信号として、送信回路7の出力端7Lに対して出力される。
また、IC2より出力された不平衡信号の形態の送信信号UMTS-H Tx1は、BPF75、入力端子70cを通過して、スイッチ74の入力ポート74aに入力される。IC2より出力された不平衡信号の形態の送信信号UMTS-H Tx2は、BPF76、入力端子70dを通過して、スイッチ74の入力ポート74bに入力される。IC2より出力された平衡信号の形態の送信信号GSM-H Txは、バラン77によって不平衡信号の形態の送信信号GSM-H Txに変換される。この不平衡信号の形態の送信信号GSM-H Txは、入力端子70eを通過して、スイッチ74の入力ポート74cに入力される。スイッチ74は、入力ポート74aに入力された不平衡信号の形態の送信信号UMTS-H Tx1と、入力ポート74bに入力された不平衡信号の形態の送信信号UMTS-H Tx2と、入力ポート74cに入力された不平衡信号の形態の送信信号GSM-H Txとを切り替えて、出力ポート74dより、バラン12Hに対して出力する。バラン12Hは、スイッチ74の出力ポート74dより出力された不平衡信号の形態の送信信号を平衡信号の形態の送信信号に変換して、この平衡信号の形態の送信信号を増幅する平衡入力型の電力増幅器14Hに対して出力する。電力増幅器14Hに入力された送信信号は、電力増幅器14Hによって増幅され、不平衡信号の形態の送信信号として、送信回路7の出力端7Hに対して出力される。
なお、本実施の形態では、出力端7Lは、1つの入力ポートと2つの出力ポートとを有する図示しないスイッチの入力ポートに接続される。このスイッチは、2つの出力ポートのいずれかを選択的に入力ポートに接続して、入力ポートに入力される送信信号UMTS-L Tx,GSM-L Txをそれぞれ異なる出力ポートより出力する。また、出力端7Hは、1つの入力ポートと3つの出力ポートとを有する図示しないスイッチの入力ポートに接続される。このスイッチは、3つの出力ポートのいずれかを選択的に入力ポートに接続して、入力ポートに入力される送信信号UMTS-H Tx1,UMTS-H Tx2,GSM-H Txをそれぞれ異なる出力ポートより出力する。
本実施の形態に係る高周波電子部品70は、第1の実施の形態に係る高周波電子部品10と同様に、積層基板20内に設けられた複数の導体層を用いてバラン12L,12Hを構成し、スイッチ71,74を積層基板20に搭載することによって構成することができる。
次に、第1および第2の比較例と比較しながら、本実施の形態の効果について説明する。図23は、第1の比較例の送信回路の回路構成を示すブロック図である。この第1の比較例の送信回路は、図22に示した送信回路におけるバラン73,77、スイッチ71,74、電力増幅器14L,14Hおよび出力端7L,7Hの代りに、5つの電力増幅器78A,78B,78C,78D,78Eと5つの出力端79A,79B,79C,79D,79Eを備えている。第1の比較例の送信回路では、BPF72より出力された不平衡信号の形態の送信信号UMTS-L Txは、電力増幅器78Aによって増幅されて、出力端79Aより出力される。IC2より出力された平衡信号の形態の送信信号GSM-L Txは、電力増幅器78Bによって増幅されて、不平衡信号の形態の送信信号GSM-L Txとして、出力端79Bより出力される。BPF75より出力された不平衡信号の形態の送信信号UMTS-H Tx1は、電力増幅器78Cによって増幅されて、出力端79Cより出力される。BPF76より出力された不平衡信号の形態の送信信号UMTS-H Tx2は、電力増幅器78Dによって増幅されて、出力端79Dより出力される。IC2より出力された平衡信号の形態の送信信号GSM-H Txは、電力増幅器78Eによって増幅されて、不平衡信号の形態の送信信号GSM-H Txとして、出力端79Eより出力される。
図23に示した第1の比較例では、比較的高価な電力増幅器が5つ必要となり、その結果、送信回路およびそれを含む携帯電話機の高周波回路の小型化および低コスト化が妨げられる。これに対し、本実施の形態では、周波数帯の近い送信信号UMTS-L Tx,GSM-L Txで1つの電力増幅器14Lを共用し、周波数帯の近い送信信号UMTS-H Tx1,UMTS-H Tx2,GSM-H Txで1つの電力増幅器14Hを共用するため、第1の比較例に比べて、送信回路7に含まれる電力増幅器の数を3つ少なくすることができ、その結果、送信回路7およびそれを含む携帯電話機の高周波回路の小型化、低コスト化が可能になる。
図24は、第2の比較例の送信回路の回路構成を示すブロック図である。この第2の比較例の送信回路は、図22に示した送信回路におけるバラン73,77およびスイッチ71,74の代りに、バラン81,83,84とスイッチ82,85を備えている。バラン81,83,84は、それぞれ、1つの不平衡入力端と2つの平衡出力端とを有している。スイッチ82は、4つの入力ポート82a,82b,82c,82dと2つの出力ポート82e,82fとを有している。スイッチ82は、出力ポート82eが入力ポート82aに接続され、出力ポート82fが入力ポート82bに接続された状態と、出力ポート82eが入力ポート82cに接続され、出力ポート82fが入力ポート82dに接続された状態とを切り替えることができるようになっている。スイッチ85は、6つの入力ポート85a,85b,85c,85d,85e,85fと2つの出力ポート85g,85hとを有している。スイッチ85は、出力ポート85gが入力ポート85aに接続され、出力ポート85hが入力ポート85bに接続された状態と、出力ポート85gが入力ポート85cに接続され、出力ポート85hが入力ポート85dに接続された状態と、出力ポート85gが入力ポート85eに接続され、出力ポート85hが入力ポート85fに接続された状態とを切り替えることができるようになっている。
バラン81の不平衡入力端は、BPF72の出力端に接続されている。バラン81の平衡出力端は、スイッチ82の入力ポート82a,82bに接続されている。スイッチ82の入力ポート82c,82dには、IC2より出力される平衡信号の形態の送信信号GSM-L Txが入力される。スイッチ82の出力ポート82e,82fは、電力増幅器14Lの平衡入力端に接続されている。バラン83の不平衡入力端は、BPF75の出力端に接続されている。バラン83の平衡出力端は、スイッチ85の入力ポート85a,85bに接続されている。バラン84の不平衡入力端は、BPF76の出力端に接続されている。バラン84の平衡出力端は、スイッチ85の入力ポート85c,85dに接続されている。スイッチ85の入力ポート85e,85fには、IC2より出力される平衡信号の形態の送信信号GSM-H Txが入力される。スイッチ85の出力ポート85g,85hは、電力増幅器14Hの平衡入力端に接続されている。
図24に示した第2の比較例では、平衡信号を切り替える高価なスイッチが2つ必要になる。本実施の形態では、平衡信号を切り替える高価なスイッチ82,85ではなく、不平衡信号を切り替える安価なスイッチ71,74を用いることができる。そのため、本実施の形態によれば、第2の比較例に比べて、送信回路7およびそれを含む携帯電話機の高周波回路の低コスト化が可能になる。
なお、本実施の形態に係る高周波電子部品は、第1の実施の形態における第1ないし第3の変形例と同様に、スイッチ71,74およびバラン12L,12Hに加えて、電力増幅器14L,14Hを備えていてもよいし、BPF72,75,76を備えていてもよいし、電力増幅器14L,14HおよびBPF72,75,76を備えていてもよい。また、本実施の形態に係る高周波電子部品は、バラン73,77を備えていてもよい。この場合、バラン73,77は、本発明における第2のバランに対応する。高周波電子部品がバラン73,77を備える場合、バラン73,77は、バラン12L,12Hと同様に、積層基板20内に設けられた複数の導体層を用いて構成することができる。本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明は、携帯電話機における送信回路に限らず、複数の送信信号を処理する送信回路全般に適用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る高周波電子部品を含む携帯電話機の高周波回路の一例の回路構成を示すブロック図である。 図1に示した高周波回路における送信回路の回路構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る高周波電子部品の回路構成を示す回路図である。 本発明の第1の実施の形態に係る高周波電子部品の斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る高周波電子部品の平面図である。 図4に示した積層基板における1層目および2層目の誘電体層の上面を示す説明図である。 図4に示した積層基板における3層目および4層目の誘電体層の上面を示す説明図である。 図4に示した積層基板における5層目および6層目の誘電体層の上面を示す説明図である。 図4に示した積層基板における7層目および8層目の誘電体層の上面を示す説明図である。 図4に示した積層基板における9層目の誘電体層の上面および9層目の誘電体層の下の導体層を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態における高周波回路に対する比較例の高周波回路を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態におけるバランの他の構成を示す回路図である。 本発明の第1の実施の形態に係る高周波電子部品の第1ないし第3の変形例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係る高周波電子部品を含む送信回路を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態における送信回路に対する第1の比較例の送信回路を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態における送信回路に対する第2の比較例の送信回路を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態における送信回路に対する第3の比較例の送信回路を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態に係る高周波電子部品を含む送信回路を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態における送信回路に対する第1の比較例の送信回路を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態における送信回路に対する第2の比較例の送信回路を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態における送信回路に対する第3の比較例の送信回路を示すブロック図である。 本発明の第4の実施の形態に係る高周波電子部品を含む送信回路を示すブロック図である。 本発明の第4の実施の形態における送信回路に対する第1の比較例の送信回路を示すブロック図である。 本発明の第4の実施の形態における送信回路に対する第2の比較例の送信回路を示すブロック図である。
符号の説明
1…スイッチ、2…IC、3…スイッチ、4…デュプレクサ、5,6…BPF、7…送信回路、10…高周波電子部品、11…スイッチ、12…バラン、13…BPF、14…電力増幅器、20…積層基板。

Claims (6)

  1. 複数の送信信号を処理する送信回路に用いられる高周波電子部品であって、
    出力ポートとそれぞれ不平衡信号の形態の複数の送信信号が入力される複数の入力ポートとを有し、複数の入力ポートに入力される複数の送信信号を切り替えて前記出力ポートより出力するスイッチと、
    前記出力ポートより出力される不平衡信号の形態の送信信号を平衡信号の形態の送信信号に変換して、この平衡信号の形態の送信信号を増幅する平衡入力型の電力増幅器に対して出力するバランと
    を備えたことを特徴とする高周波電子部品。
  2. 更に、前記電力増幅器を備えたことを特徴とする請求項1記載の高周波電子部品。
  3. 更に、前記複数の入力ポートのそれぞれに接続された信号経路のうちの少なくとも1つに設けられたバンドパスフィルタを備えたことを特徴とする請求項1または2記載の高周波電子部品。
  4. 更に、前記複数の入力ポートのそれぞれに接続された信号経路のうちの少なくとも1つに設けられ、平衡信号の形態の送信信号を不平衡信号の形態の送信信号に変換する第2のバランを備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の高周波電子部品。
  5. 更に、前記出力ポートと複数の入力ポートのそれぞれに接続された信号経路のうちの少なくとも1つに設けられたキャパシタを備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の高周波電子部品。
  6. 更に、積層された複数の誘電体層を含む積層基板を備え、前記バランは、前記積層基板内に設けられた複数の導体層を用いて構成され、前記スイッチは、前記積層基板に搭載されていることを特徴とする請求項1記載の高周波電子部品。
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