JP2003152587A - 複合システム共用端末 - Google Patents

複合システム共用端末

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JP2003152587A
JP2003152587A JP2002245800A JP2002245800A JP2003152587A JP 2003152587 A JP2003152587 A JP 2003152587A JP 2002245800 A JP2002245800 A JP 2002245800A JP 2002245800 A JP2002245800 A JP 2002245800A JP 2003152587 A JP2003152587 A JP 2003152587A
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signal
frequency
transmission
mixer
filter
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JP2002245800A
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English (en)
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Hiroshi Tsurumi
博史 鶴見
Shoji Otaka
章二 大高
Shuichi Sekine
秀一 関根
Hiroshi Yoshida
弘 吉田
Hiroyuki Kayano
博幸 加屋野
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変調方式、伝送速度、アクセス方式、無線周
波数、信号帯域が異なるシステムに対応できる、小形で
簡便な構成の複数システム共用無線機の提供。 【解決手段】 複数の無線周波数に対応しつつシンセサ
イザの共用化を図るため、RF信号をベースバンド信号
にダウンコンバートするするミキサ対1307、ベース
バンド信号をRF信号にアップコンバートするミキサ対
1309、RF信号を中間周波信号にダウンコンバート
するミキサ1308および中間周波信号をRF信号にア
ップコンバートするミキサ1310に、第1のシンセサ
イザ1316の出力を供給している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話やPHS
等の無線通信システムで使用される無線通信端末に関
り、特に複数の無線通信システムで共用できる複合シス
テム共用端末に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、PHS(Personal Ha
ndyphone System)、PDC(Pers
onal Digital Celler)、ポケットベ
ル(登録商標)等の複数の移動通信システムのサービス
が提供されている。今後、これら複数のシステムで共有
できる端末(マルチメディア端末)への要求が高まるも
のと予想される。これらのシステムでは、使用される変
調方式、伝送速度、アクセス方式、無線周波数、信号帯
域が異なっているため、対応する無線機のハードウエア
も異なったものとなっている。
【0003】例えば、PHSでは伝送速度384kbps 、無
線周波数帯1.9GHz帯が採用されており、PDCでは伝送
速度21kbps、無線周波数帯は1.5GHz帯である。これら複
数の無線システムで通信を行うことができる無線端末と
しては、図15に示すように、それぞれのシステムを別
々に内蔵するものが想定される。
【0004】図16に想定される複合システム共用端末
(この例では2システム共用)の具体例を示す。ここ
で、受信系は、受信用ローノイズアンプ1が共用であ
り、その後段は、第1のシステムに用いる受信系とし
て、RFフィルタ3、RF信号を中間周波数にダウンコ
ンバートするセカンドミキサ7、ミキサ7出力から不要
な帯域の信号を削除するフィルタ11、フィルタ11の
出力信号をディジタル信号処理部18で取扱える周波数
へさらにダウンコンバートするセカンドミキサ20から
構成される。第2のシステムに用いる受信系は、第1の
システムに用いる受信系と同様に、RFフィルタ4、ミ
キサ8、フィルタ12、セカンドミキサ14から構成さ
れる。
【0005】一方の送信系は、最終段の送信電力増幅器
2が共用であり、その前段は、第1のシステムに用いる
送信系として、ディジタル信号処理部18の出力信号を
第1中間周波数へアップコンバートするミキサ21、ミ
キサ21出力から不要な帯域の信号を削除するフィルタ
19、IF信号をRF信号にアップコンバートするミキ
サ9、送信用RFフィルタ5から構成されている。第2
のシステムに用いる送信系も、第1のシステムに用いる
送信系と同様に、ミキサ15、フィルタ13、ミキサ1
0、送信用RFフィルタ6から構成されている。
【0006】また、第1のシンセサイザ22は、ミキサ
7、9に対してローカル信号を供給する。第2のシンセ
サイザ16はミキサ8、10に対してローカル信号を供
給する。第3のシンセサイザ17はミキサ20、14、
21、15に対してローカル信号を供給する。ディジタ
ル信号処理部18は、低周波に周波数変換された受信信
号の復調を行い、送信信号を変調し変調信号を出力す
る。
【0007】次に、このように構成された従来の複合シ
ステム共用端末の動作について説明する。
【0008】従来の複合システム共用端末においては、
送信系と受信系を2つのシステム用に各々2系統予め用
意しておき、利用するシステムに応じてスイッチを切り
替えることでそれぞれのシステムに対応していた。例え
ばここで第1のシステムをPHS(1.9GHz帯)と
し、第2のシステムをディジタル携帯電話(1.5GH
z帯)と想定する。PHSはTDD方式であり、送信周
波数と受信周波数は同一である。携帯電話はFDD方式
であり、送信周波数と受信周波数は約50MHz離調し
ている。PHSを利用する場合は、上記第1のシンセサ
イザ22を動作させて例えば1.65GHzの信号を受
信用ミキサ7および送信用ミキサ9に供給することによ
り所望の信号を得る。受信信号はフィルタ11を通して
ミキサ20で再度周波数変換されディジタル信号処理部
18へ入力され復調される。
【0009】また、送信系では、ディジタル信号処理部
18で変調された信号はミキサ21で中間周波数に周波
数変換され、フィルタ19を通してミキサ9に入力され
る。第3のシンセサイザ17は上記ミキサ20および2
1に対してローカル信号を供給することで受信系では2
50MHzのIF信号を10MHzの信号に、送信系で
は10MHzの変調信号を250MHzのIF信号に変
換する。一方、携帯電話を利用する場合は、上記シンセ
サイザ16を動作させて例えば1.2GHzの信号を受
信用ミキサ8および送信用ミキサ10に供給することに
より、所望の信号を得る。受信信号はフィルタ12を通
してミキサ14で再度周波数変換されディジタル信号処
理部18へ入力され復調される。また、ディジタル信号
処理部18で変調された信号はミキサ15で中間周波数
に周波数変換され、フィルタ13を通してミキサ10に
入力される。第3のシンセサイザ17は上記ミキサ14
および15に対してローカル信号を供給することで、受
信系では250MHzのIF信号を40MHzの信号
に、送信系では10MHzの変調信号を250MHzの
IF信号に変換する。
【0010】ここで、送信電力増幅器2に着目して、従
来の複合システム共用端末の問題点について説明する。
【0011】複合システム共用端末で送信電力増幅器2
を共用する場合におて、それぞれの出力が同じで近い周
波数帯域を使用するときには、整合回路の帯域を調整す
ることで対応できる。しかし、第1のシステムと第2の
システムの出力電力が異なる場合は、出力電力が決めら
れた規格値以内になるように電力を合わせる必要があ
る。このときに、アッテネータを付加することは、電力
効率を下げることとなる。また、送信出力はシステム仕
様により帯域内・外の不要輻射電力が規定されており、
仕様に基づいて増幅器を線形動作、飽和動作等異なるバ
イアス条件で使用する場合等がある。従って、他のシス
テム仕様に合わせて送信電力増幅器2を使用することは
一般に難しい。
【0012】次に、シンセサイザに着目した場合には、
従来の複合システム共用端末には次のような欠点があ
る。
【0013】すなわち、第1のシステムを動作させるた
めの第1のシンセサイザ及び第2のシステムを動作させ
るたの第2のシンセサイザの2つのシンセサイザが必要
となる。第3の第2ローカルを発生するシンセサイザ1
7については第1、第2のシステムで共用することは可
能であるが、第1ローカルの発振周波数は2つのシステ
ム間の周波数差(例ではPHSと携帯電話の周波数差)
によってそれぞれのシステムに応じたシンセサイザが2
つ必要となる。また、このような問題を避けるために、
第1IFを2つのシステムで異なる周波数を用いること
で、第1ローカルを発振するシンセサイザを1台にする
ことが可能である。しかし、この場合、第2ローカルを
発振させるシンセサイザの発振周波数が異なるものとな
る。そのため、第2ローカル用のシンセサイザが2つの
システム用に2系統必要となり、やはり同様の問題点を
生じる。
【0014】従来、特開昭61−236204号公報に
示されるように、受信側についてのみダイレクトコンバ
ージョン方式を使用して、特にディジタル信号処理部で
ディジタルフィルタの帯域、クロック速度を可変とし
て、複数のシステムに対応しようとした例はあった。し
かし、上記発明は受信系の構成しか与えられておらず、
さらに、ディジタルフィルタ帯域とクロック速度の可変
だけでは、伝送速度の異なる複数の無線通信システムに
対応できるものではない。すなわち、A/D変換器及び
D/A変換器の後段及び前段にエリアジング防止用のア
ナログフィルタが必要となるが、この帯域特性について
も可変とする必要があるからである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
従来の複合システム共用端末には種々の問題点があつ
た。そのため、複数の無線通信システムのサービスを受
けようとする場合、使用者はシステムの数だけ無線機を
持たなければならず、携帯性の観点から現実的ではなか
った。
【0016】本発明は、この様な従来の問題に鑑みて成
されたもので、その目的とするところは、変調方式、伝
送速度、アクセス方式、無線周波数、信号帯域が異なる
システムに対応できる、小形で簡便な構成の複数システ
ム共用無線機を提供することである。
【0017】具体的には以下のような課題を解決できる
複合システム共用端末を提供する。すなわち、複合シス
テム共用端末を設計する際、無線部の回路設計において
は、容積を小さくしようとすることで、消費電流が大き
くなることや、設計が困難になるという課題があった。
【0018】本発明では、比較的容易に設計可能で低消
費電力化が図れる、複合システム共用端末を提供するこ
とを目的とする。
【0019】また、従来の複合システム共用端末では複
数のシステムごとに送受信のための無線部を載せること
によって端末自身が大形化するという問題点があった。
さらに、電力増幅器を共通化してシステムごとの送信電
力が異なる場合に低い送信電力を送信する時に電力効率
が悪い状況で送信しなければならないという問題点があ
った。また、増幅器の歪みの問題から、初段の増幅器と
次の増幅器で増幅する場合、初段で直接送信するときと
同じ歪みが発生した電力分も含めて次段で増幅してしま
うため大きな歪みとなってしまう問題点があった。
【0020】本発明では、上記の様な従来技術の欠点を
除去し、複数システムに対して線形性を保ちつつ増幅器
を共用し増幅器自身をシステムに合わせて効率よく増幅
する手段を提供することを目的とするものである。
【0021】さらに、シンセサイザの共用化という観点
からは、2つのシステムに対応するためには、第1ロ−
カル用のシンセサイザが2つ必要となる。または第2ロ
−カルを発生するシンセサイザが2つ必要となるという
問題点を有していた。これは端末の消費電力を増加さ
せ、端末の容積を増す結果を招いていた。
【0022】本発明による複合システム共用端末では、
シンセサイザの数を増さずに2つのシステムに対応可能
な複合システム共用端末を提供することを目的としてい
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】このような従来の課題を
解決するために、本発明における複合システム共用端末
は、第1及び第2の基準信号を発生するクロック発生手
段と、前記第1の基準信号と混合して第1の周波数帯域
の受信信号をベースバンド信号に変換する受信ミキサ
と、前記第1の基準信号と混合して前記ベースバンド信
号を第1の周波数帯域の送信信号に変換する送信ミキサ
とを具備する第1の送受信系と、前記第1の基準信号と
混合して第2の周波数帯域の受信信号を中間周波数信号
に変換する第1段受信ミキサと、前記第2の基準信号と
混合して前記中間周波数信号を所定周波数信号に変換す
る第2段受信ミキサと、前記第2の基準信号と混合して
所定周波数信号を中間周波数信号に変換する第1段送信
ミキサと、前記第1の基準信号と混合して前記中間周波
数信号を前記第2の周波数帯域の送信信号に変換する第
2段送信ミキサとを具備する第2の送受信系とを具備す
る。
【0024】上記発明の好ましい実施形態においては、
前記第一の周波数可変な信号発生器と、第二の周波数可
変な信号発生器に供給される基準信号は、共通の基準信
号発生器から供給されていることを特徴とする。
【0025】本発明における複合システム共用端末の別
の発明では、伝送速度が異なる複数の無線通信システム
で使用される複合システム共用端末であって、送信系ベ
ースバンド信号処理系が、伝送速度が最大の無線通信シ
ステムを基準としたサンプリングクロックを用いたオー
バサンプリングD/A変換器とローパスフィルタとによ
って構成されていることを特徴とする。この発明は、上
記発明のうちのクロック系統をやや簡略化したものであ
る。すなわち、D/A変換器に入力されるクロックは、
第一のシステムの伝送速度と第二のシステムの伝送速度
の高い方を基準にオーバーサンプルの比を決定し、クロ
ック周波数を決定する。従って、いずれのシステムを選
択したかに関わらず、クロック周波数を固定して共用す
ることができる。そのため、D/A変換器後段に接続さ
れるフィルタカットオフ周波数はシステムによらず同じ
ものが使える。従って、フィルタの選択や可変フィルタ
を使用せずにフィルタを実現出来、設計が簡単化できる
という効果がある。
【0026】本発明における複合システム共用端末の別
の発明では、異なる無線システム端末を複合した複合シ
ステム共用端末の送信系において、第1の周波数と直流
を含む第1と異なる周波数の乗算を行うことで、ローカ
ル信号を発生させることを特徴とする。
【0027】上記発明の好ましい形態においては、乗算
したローカル信号に対し、第1の周波数と直流を含む第
1と異なる周波数の乗算を行った結果生ずる第1の周波
数と第1と異なる周波数を加算した周波数を通す帯域通
過フィルタを異ったシステムの数だけ並列接続したフィ
ルタに入力し、その出力を変調器に入力することを特徴
とする。
【0028】また、上記発明の好ましい形態において
は、異なる無線通信システム毎に用意された電力増幅器
とアンテナとを用いることを特徴とする。
【0029】また、上記発明の好ましい形態において
は、電力増幅器の電源の導通・遮断動作に基づいて、使
用する電力増幅器とアンテナとを選択することを特徴と
する。本発明における複合システム共用端末の別の発明
は、端末の送信出力が異なる2つの無線通信システムで
使用される複合システム共用端末であって、端末の送信
出力が最も低い第1の無線通信システムに対応した第1
の出力レベルを出力しかつ第2の無線通信システムの帯
域に渡って利得を持つ第1の電力増幅器と、前記第1の
出力レベルよりも大きな第2の出力レベルを出力しかつ
第2の無線通信システムみの帯域に対して利得を持つ電
力増幅器とを備え、第1と第2の電力増幅器との間から
第1の電力増幅器出力を取り出せるように構成したこと
を特徴とする。本発明においては、複数のシステムで増
幅器を共用化したうえで高効率の複数システム共用化送
信部を提供している。また、それぞれのシステムに合わ
せて共用増幅器の入力電力を調整し、線形システムに対
して歪みの少ない増幅器の実現を可能としている。その
ため、消費電力を少ない複合システム共用端末を実現で
きるという効果がある。
【0030】本発明における複合システム共用端末の別
の発明は、送受信周波数が同じである無線通信システム
と送受信周波数が異なる無線通信システムの2つの無線
通信システムで使用される複合システム共用端末であっ
て、送受信周波数が同じである無線通信システムで用い
られる無線方式はダイレクトコンバージョン方式であ
り、送受信周波数が異なる無線通信システムで用いられ
る無線方式はスーパーヘテロダイン方式であり、シンセ
サイザの発振周波数は前記送受信周波数が同じである無
線通信システムの送受信周波数に設定されていることを
特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
による複合システム共用端末の実施の形態について説明
する。
【0032】初めに、本発明による複合システム共用端
末の第1の発明、すなわち簡略な構成の無線部に関わる
実施の形態について図面を用いながら詳細に説明する。
【0033】図1は本発明における複合システム共用端
末の好ましい一実施形態を示す図である。
【0034】まず初めに受信部の構成及び動作原理に付
いて説明する。送受信共用のアンテナ101で受信され
た信号は、送受共用器(もしくは送受切替スイッチ)1
02通過後、ロ一カル発振器110から供給される受信
信号とほぼ同じ周波数の基準信号と受信ミキサ103で
ミキシングされ、直接ベースバンド信号に周波数変換さ
れる。ここで、受信ミキサ対103の各ミキサに供給さ
れる基準信号、もしくは各ミキサ対に入力される受信信
号にはπ/2の位相差が与えられている。受信ミキサ対
103でベースバンド信号に周波数変換されたI、Q出
力は、受信ベースバンドフィルタ対104によって帯域
制限される。このフィルタ対104は、後段のA/D変
換器105前段でのアンチエリアジング機能と、所望波
以外の干渉波によってA/D変換器105が飽和するこ
とを防ぐために設けられている。ディジタル信号処理部
106では、ディジタル変復調処理、チャネルコーデッ
ク、音声コーデック、TDMA処理等の信号処理を行
う。なお、図1には図示していないが、送受共用器10
2と受信ミキサ対103の段間に低雑音増幅器、高周波
フィルタが挿入されても良い。この低雑音増幅器、高周
波フィルタ、さらに送受共用器102については、本共
用端末で取り扱う全ての無線通信システムの周波数帯域
で通過域であるような周波数特性を備えている。
【0035】次に送信部の構成及び動作原理について説
明する。送信部は、ディジタル信号処理部106にて発
生するディジタルのI、Qベースバンド信号をD/A変
換器107にてアナログ信号に変換する。このD/A変
換器107は、通常のD/A変換器、ΔΣ型のオーバー
サンプリング型などが用いられる。D/A変換器107
後段のフィルタ108は、D/A変換器107で生じる
エリアジング雑音除去用で、低域通過特性のものを使用
すれば良い。一般にオーバーサンプリング型のD/A変
換器を使用すれば、エリアジング雑音成分は通常のD/
A変換器を使用した場合よりも、オーバーサンプル周波
数分だけ高域周波数にできる。従って、オ−バ−サンプ
リング型D/A変換器の消費電流が問題とならなけれ
ば、エリアジング雑音除去用フィルタ108を次数の低
いもので構成できるオーバーサンプリング型のD/A変
換器が無線機全体の小形化に有利である。フィルタ10
8を通過した送信ベースバンド信号は、ミキサ対109
から構成される直交変調器によって、ベースバンド周波
数帯から直接無線周波数帯に周波数変換される。ここ
で、図示はしていないが、ミキサ対109に供給される
ローカル信号間、もしくはベースバンドIQ信号間にπ
/2の位相差が予め与えられる。無線搬送波帯に周波数
変換された送信信号は、送受共用器102通過後にアン
テナ101から空中に放射される。
【0036】複合システム共用端末においては、無線周
波数、信号帯域幅、伝送速度などがについて、異なる複
数のシステムに対応して可変とする必要がある。
【0037】本複合システム共用端末においては、アン
テナ101、送受共用器102、受信ミキサ対103は
広帯域特性であり、これらの帯域内に含まれる複数の無
線通信システムで使用可能であることを想定している。
【0038】複数の無線周波数に対応するためには、送
信及び受信の周波数変換器、すなわち受信ミキサ対10
3、送信ミキサ対109に供給する第一の信号発生器1
10からの基準搬送波信号を可変とする必要がある。本
複合システム共用端末は送受信系共にダイレクトコンバ
ージョン方式であるため、無線周波数と同じ周波数にロ
ーカル発振器110の発振周波数を合わせれば良い。ま
た、異なる伝送速度、異なるチャネル帯域信号に対応す
るためには、A/D変換器105、D/A変換器107
を含むディジタル系112に供給する第二の信号発生器
111の周波数、すなわち基準クロック周波数を可変と
する必要がある。
【0039】次に、図2を用いて発振周波数が可変であ
る第一の信号発生器110及び第二の信号発生器111
の構成について説明する。
【0040】図2は、第一の信号発生器110と第二の
信号発生器111のより詳細な構成を説明するための図
である。図2において、それぞれ点線で囲った部分が図
1に示す第一の信号発生器110と第二の信号発生器1
11に相当する。この構成例では、各信号発生器はPL
Lシンセサイザ構成となっている。すなわち、第一の信
号発生器110は、VCO(電圧制御発振器)203の
信号を分周器204で分周し、位相比較器205にて基
準信号発生器201との位相比較を行う。位相比較期2
05出力はループフィルタ206にて高域成分が除去さ
れ、VCO203の制御信号となる。本動作原理は、第
二の信号発生器111についても全く同様である。ここ
で、分周器210の分周比を、第一の信号発生器110
の分周器204と異なる値に設定すること、及び基準信
号発生器201の周波数を可変とすることによって、第
一の信号発生器110及ぴ第二の信号発生器111共に
所望の発振周波数を得ることができる。なお、この図2
に示した例では、信号の伝送速度が高く、第2の信号発
生器111のクロック周波数も比較的高いことを想定
し、第2の信号発生器111もPLLシンセサイザ構成
とした。しかし、第2の信号発生器のクロック周波数が
低く、一般の水晶発振器で自走可能な発振周波数である
ならば、PLL構成とする必要は無い。この場合には、
図2の基準信号発生器201をそのまま基準信号発生器
111として、図2の第二の信号発生器111を削除す
れば良い。この場合には、第二の信号発生器111用の
容積の大きなVCO209は削除することができる。こ
のときも、クロックを供給する基準信号発生器201す
なわち111のクロック速度を可変とすることで、可変
信号帯域、可変伝送速度に対応することができる。
【0041】さて、ダイレクトコンバージョン方式を応
用した無線機としては、従来、特開昭61−23620
4号公報に示されるように、受信側についてのみダイレ
クトコンバージョン方式を使用して、特にディジタル信
号処理部でディジタルフィルタの帯域、クロック速度を
可変として、複数のシステムに対応しようとした従来例
はあった。
【0042】これに対して、本発明による複合システム
共用端末では、受信部だけでなく送信部についても複数
システムに対応可能な構成となっている、さらに、受信
側A/D変換器105、及び送信側D/A変換器107
の各入力側出力側のエリアジング除去用のアナログフィ
ルタ104、108についても周波数特性を可変とする
要素が加わっている。従って、無線機の性能を損なうこ
と無く、より柔軟に複数のシステムに対応できるという
利点がある。すなわち、受信系については、A/D変換
器105に供給されるクロック周波数成分に所望波以外
の強電界レベル干渉波が存在するような場合について
も、周波数可変ベースバンドフィルタ104により、エ
リアジングの影響無く、受信感度の優れた複合システム
共用端末を提供することができる。また、送信系につい
ても、D/A変換器107にて生じた高域のエリアジン
グ成分を、周波数可変フィルタ107で削除し、変調精
度、帯域外輻射特性に優れた送信系を提供することが可
能となる。
【0043】次に、以下に図面を参照しながら本発明に
よる複合システム共用端末の第2の発明、すなわち無線
部の低消費電力化に関わる実施の形態について詳細に説
明する。
【0044】図3は異なる無線システムSYSTEM
1、SYSTEM2を共有した複合システム共用端末の
一例を示す図である。これは図15で示したSYSTE
M1、SYSTEM2を複合化したものを示している。
たとえば、SYSTEM1がPHSであり、SYSTE
M2がPDCである。このように無線システムを複合化
すると、各々の無線通信システムでは無線周波数が異な
るばかりでなく、帯域、伝送速度が異なるため、各々の
システムに合った無線回路、フィルタ、発振器、周波数
変換器等が必要である。そのため、上述したように、複
合システム共用端末においては、中間周波数に依存しな
い、ベースバンド信号とRF信号のみが存在する送受直
接変換(ダイレクトコンバージョン)方式が実用的であ
る。
【0045】図4は、本発明に関わるダイレクトコンバ
ージョン方式を採用した複合システム共用端末の送信系
の好ましい一実施形態を説明するための図である。まず
図4の送信系の動作原理について説明する。SYSTE
M1用ベースバンド信号発生装置410とSYSTEM
2用ベースバンド信号発生装置411は、SW1(切替
スイッチ)427を介してROM412に接続される。
ここで、入力信号によりIch用データとQch用デー
タがR0M412から引き出され、それがシグマデルタ
(ΣΔ)変調オーバサンプリングD/A変換器413に
入力される。
【0046】D/A変換器413から出力されたIch
データとQchデータは、ローパスフィルタ414に入
力され、オーバサンプリングによって高域に広がったノ
イズ成分を遮断する。変調器415はIch、Qchデ
ータと、バンドパスフィルタ421を介したローカル信
号をミキシングすることにより直交変調を行う。ここ
で、変調器の具体的構成は図示していないが、一般的な
90度移相回路とDBM(ダブルバランスミクサ)から
なる直交変調器が用いれば良い。
【0047】変調器415の出力は、SYSTEM1用
電力増幅器416とSYSTEM2用電力増幅器417
の入力端子に接続される。SYSTEM1用電力増幅器
416は電源VDD1によって駆動されており、電力増
幅器416出力はSYSTEM1用アンテナ419を介
して空中に放射される。また、SYSTEM2用電力増
幅器417は電源VDD2によって駆動されており、電
力増幅器417出力はSYSTEM2用アンテナ420
を介して空中に放射される。
【0048】一方、SYSTEM2用ローカル信号発生
装置LO1(424)は周波数f1[Hz]の信号を発
生し、周波数変換器425に供給する。SYSTEM1
用に用いられる発振周波数f2のローカル信号発生装置
はSW2(切替スイッチ)426に入力される。SW2
のもう一方の入力は所望の直流(DC)レベルを供給す
る信号発生装置423に接続されており、SW2はどち
らのSYSTEMを選択するかにより、LO2(42
2)とDC(423)の信号を選択し、周波数変換器4
25に入力する。周波数変換器425は、LO1(42
4)からの信号とLO2(422)またはDC(42
3)からの信号の乗算を行い、周波数f1+f2または
f1を含む出力信号を出力する。フィルタ421は、f
1及びf1+f2なる周波数を通過させる帯域フィルタ
であり、その出力は変調器415に入力される。ここ
で、SYSTEM1の送信周波数はf1+f2[Hz]
であり、SYSTEM2の送信周波数はf1[Hz]で
あるとすると、SW2がLO2(422)の信号を選択
した場合、SW1(427)はSYSTEM1用ベース
バンド信号発生装置410を選択し、SW2(427)
がDC(423)の信号を選択した場合、SW1(42
7)はSYSTEM2用ベースバンド信号発生装置41
1を選択する。
【0049】次に、本送信系のクロックについて詳細に
説明する。
【0050】D/A変換器413に入力されるクロック
fckは、SYSTEM1の伝送速度とSYSTEM2
の伝送速度で高い方を基準にオーバーサンプルの比を決
定し、fckを決める。このようにすることで、SYS
TEM1、2のいずれを選択したかに関わらず、fck
を変えずに共用することができる。また、D/A変換器
413の後段に接続されるフィルタ414のカットオフ
周波数はシステムによらず同じものが使えるので、フィ
ルタの選択や可変フィルタを使用せずにフィルタを実現
できる。このフィルタは、オーバーサンプリング信号の
フィルタであり、簡単なRC構成のフィルタで実現でき
るので、設計が簡単化できる利点もある。 次に本第2
の発明におけるロ−カル発振器の構成に関わる実施の形
態について説明する。
【0051】本発明では、異なった無線通信システムの
ロ−カル信号を発生させる必要がある。本発明では高周
波信号であるLO1(424)と、LO2(422)ま
たはDC(423)の乗算を使用している。この構成に
よれば、発振周波数f2[Hz]のLO2(422)は
一般に低周波のローカル発振器で実現出来る。このた
め、簡単な構成でLO2(422)を発生させることが
出来ると共に、消費電流を小さく出来る。また、フィル
タ421には、f1[Hz]もしくはf1+f2[H
z]のいずれかの周波数が入力され、その内のどちらか
を選択すればよいので、図14のような中心周波数f1
[Hz]の帯域通過フィルタと中心周波数f1+f2
[Hz]の帯域フィルタの並列回路によって構成でき
る。この構成によれば、高周波信号ローカル信号発生装
置である、f1[Hz]のローカル信号発生装置とf1
+f2[Hz]のローカル信号発生装置を二つ製造する
必要がなくなり、低消費電力化を図ることが出来る。さ
らに変調器415−つで複数のシステムの変調を行なう
ことが出来るので、端末の小形化が実現出来る。
【0052】次に、電力増幅器(416、417)とア
ンテナ(419、420)の一構成例について説明す
る。
【0053】ー般に、異なる無線通信システムにおいて
は、端末の送信出力電力、無線周波数も異なる。一般
に、増幅器は効率を高めるため所望の周波数で効率を最
大とするように設計されるので、異なる周波数で電力増
幅器を共通にするのは、消費電力が大きくなってしまう
恐れがある。また、アンテナでも、同様に所望の周波数
で最大利得が得られるように設計するので、共用にする
と損失が大きくなってしまう傾向がある。この様な場合
については、夫々の無線通信システムに対応した電力増
幅器(416、417)、送信アンテナ(419、42
0)を使用することも複合システム共用端末のーつの構
成方法である。この様な構成を採った場合には、電力増
幅器416と417の切替とアンテナ419と420の
切替は、各電力増幅器に供給する電源VDD1、VDD
2の導通、遮断により容易に行なうことが出来る。ここ
で、電源VDD1、VDD2は使用する無線通信システ
ムに対応して変えても良いが、一般に電源電圧が高い方
が高効率化が図れるため、高出力の電源に合わせて同じ
電源電圧を用いてもよい。
【0054】次に、以下に図面を参照しながら本発明に
よる複合システム共用端末の第3の発明、すなわち電力
増幅部の構成に関わる実施の形態について詳細に説明す
る。図5は本複合システム共用端末の送信部電力増幅部
の第1の構成例を示す図である。以下、本複合システム
共用端末は2つの無線通信システムに対応するものとし
て説明するが、構成部品を3つ以上に増やすことによ
リ、原理的には3つ以上の複数無線通信システムにも対
応できるものとなっている。本例では、2つのシステム
に対して、アンテナ501、505を持つ場合を想定し
ている。図5の送信部の動作は次の通りである。
【0055】ミキサ509によって無線周波数帯に周波
数変換された信号を、フィルタ508を通し、各無線通
信システム共用の増幅器507に入力する。その後、フ
ィルタ506により増幅器507の非線形性によって発
生した高調波成分を除去し、選択用スイッチ504によ
り送信アンテナを所望のシステムに応じて切り替える。
システムで規定された送信出力が、共用増幅器507出
力レベルで満足しているシステムに対して本端末を使用
する場合には、共通増幅器507出力をそのまま送信ア
ンテナ505から空中に放射する。
【0056】一方、より大きな出力レベルが規定されて
いるシステムに対しては、共用増幅器507の後段の増
幅器503によって信号をさらに増幅した後、フィルタ
502によって帯域外不要輻射電力を除去した後、アン
テナ501より送信する。
【0057】ここで、各経路でのフィルタは、各増幅器
507、503の非線形性によって発生した帯域外不要
輻射を除去できれば良く、通常ローパスフィルタで構成
できる。従って、各増幅器後段のマッチング回路等で所
望減衰量が得られるような場合には削除しても構わな
い。
【0058】次に、図6及び図7に増幅器の周波数特性
を示す。ここで、図5に示した送信機のアンテナ505
から送信される信号周波数はf2、アンテナ501から
送信される信号の周波数はf1としている。図6は、各
システム共用の増幅器506の周波数特性の一例であ
る。この例では、2つのシステムがf1とf2の周波数
を使用している場合であり、両方の周波数において利得
を持っている。
【0059】次に、図7は増幅器503の周波数特性の
一例である。f1の周波数において利得を持っているが
f2においては利得が小さくなっており、専用増幅器と
することで増幅する周波数範囲が狭帯域となるために利
得を大きくとることが可能となっている。
【0060】なお、各増幅器の増幅を行う能動素子部は
多段になってもよい。
【0061】図8及び図9は、本複合システム共用端末
の送信部電力増幅部の第2の構成例を示す図である。
【0062】図8は、各システムのアンテナを共用でき
る例であり、特に各システムが使用している周波数をf
1とf2とした場合、f1とf2が2倍以上離れている
場合、すなわち、2×f1<f2もしくは2×f2<f
1なる場合の例である。以下、f1<f2で2×f1<
f2が成立しており、f2なる周波数のシステムの送信
電力の方がf1なるシステムの送信電力よりも小さいと
する。
【0063】まず、共用増幅器807に、f1もしくは
f2なる周波数の信号を入力した場合、フィルタ806
で共通増幅器807の高調波出力のうち、2×f2なる
成分が除去される。この様子を図10(a)に示した。
ここで、1002がフィルタ806の周波数特性であ
る。f2なる周波数の信号は、スイッチ805よって増
幅器804を通さないパスに切り替えられ、このままア
ンテナ801から送信される。f1なる周波数の信号を
通す場合には、専用増幅器804を通すパスに切り替え
られ、専用増幅器で増幅後、2f1等の高調波成分をフ
ィルタ803で除去した後、スイッチ802を介してア
ンテナ801より送信する。ここで、図8(a)の10
01にフィルタ803の周波数特性を示している。
【0064】次に、f1とf2の周波数差が2倍以内
(2×f1>f2もしくは2×f2>f1)の周波数間
隔である場合には、送信機を図9に示す構成とする。以
下、f1<f2で2×f1>f2が成立しており、f2
なる周波数のシステムの送信電力の方がf1なるシステ
ムの送信電力よりも小さいとする。
【0065】f2なる周波数の信号は、共用増幅器90
6を通つた後、スイッチ905で切り替えられて、増幅
器904を通さないパスに切り替えられる。そして、ス
イッチ903通過後、フィルタ902を通してアンテナ
901から空中に放射される。 一方、f1なる周波数
の信号は、共用増幅器906を通った後、スイッチ90
5で専用増幅器904のあるパスに通され、スイッチ9
03通過後、フィルタ902を通してアンテナ901か
ら空中に放射される。この場合、f1の高調波周波数2
×f1がf2よりも高くなるため、f1とf2の高調波
成分を取り除くためのフィルタは、共通の低域通過フィ
ルタ902で共用できる。この時のフィルタ902の周
波数特性を図10(b)の1003に示す。すなわち、
この場合には、図8の806、803のように2つは必
要無く、高調波除去用のフィルタをフィルタ902の1
つで共用することが可能となる。
【0066】図11は、本複合システム共用端末の送信
部電力増幅部の第3の構成例を示す図である。
【0067】使用する複数の無線通信システムでは、一
般に定包絡線変調信号と線形変調信号が混在している場
合が存在する。ここで定包絡線変調信号に対しては飽和
増幅器が使用できるが、線形変調信号を飽和増幅させる
と信号スペクトラムが広がる。これは、帯域外漏洩電力
の増加、所望信号の変調精度の劣化を招くことになるの
で、複数システムの信号全てを一括して飽和増幅するこ
とは一般に困難である。このため、複合システム共用端
末で電力増幅器を共用するためには一般には線形増幅器
が必要となる。しかし、飽和増幅可能な信号についても
線形増幅器のみを使用していると動作効率が悪くなり、
バッテリー寿命が短縮するなどの問題が生じる。そのた
め、複合システム共用端末でも、定包絡線変調信号を増
幅する必要がある場合には極力飽和増幅することが望ま
しい。そこで、図11に示す例では、図5に示した送信
部の共用増幅器507に相当する共用増幅器1107に
飽和増幅と線形増幅を切り替える機能を持たせている。
これは、具体的には共用増幅器1107のバイアス電圧
を変調信号に応じて可変とすること、例えばFET増幅
器ではゲート印加電圧を可変にすることによって容易に
実現できる。
【0068】別の例としては、図12に示すように、図
5に示した送信部の共通増幅器507の前段にアッテネ
ータ1211を設け、共通増幅器507への入力電力を
制御する方法もある。この方法では、共用増幅器507
自身の動作条件を可変とするのではなく、入力電力をア
ッテネータ1211により可変とし、電力増幅器507
での動作を飽和増幅と線形増幅に使い分けるものであ
る。
【0069】以上、本発明における電力増幅器につい
て、2つの異なる無線通信システムに対応するための構
成について説明してきた。3つ以上の無線通信システム
に対して本発明を適用することは容易である。例えば図
12の例では、スイッチ505から後段に所望数の複数
系統やアンテナを設け、スイッチ505によって使い分
ける構成とすればよい。
【0070】次に、以下に図面を参照しながら本発明に
よる複合システム共用端末の第4の発明、すなわちシン
セサイザの構成に関わる実施の形態について詳細に説明
する。 図13は、本複合システム共用端末のシンセサ
イザを簡略化するための構成の好ましい一構成例を示す
図である。この例では、複合システム共用端末は、2つ
のシステムを対象としているものとする。
【0071】まず、最初に図13に基づき全体構成につ
いて説明する。
【0072】受信系は、受信用ローノイズアンプ130
1が2つのシステムに共用であり、その後段は、第1の
システムに用いる受信系として、RFフィルタ130
3、RF信号をべースバンドにダウンコンバート(ダイ
レクトコンバージョン)するIQ2系統のミキサ対13
07、ミキサ対1307出力から不要な帯域の信号を削
除するI、Q2系統のベースバンドフィルタ対1311
から構成される。
【0073】第2のシステムに用いる受信系は、第1の
システムに用いる受信系と構成が異なり、RFフィルタ
1304、RF信号を中間周波数にダウンコンバートす
るミキサ1308、ミキサ1308出力から不要な帯域
の信号を削除するフィルタ1312、フィルタ1312
の出力信号をディジタル信号処理部1318で取扱える
周波数へさらにダウンコンバートするセカンドミキサ1
314から構成される。 一方、送信系は、最終段の送
信用パワーアンプ1302が共用であり、その前段は、
第1のシステムに用いる送信系として、ディジタル信号
処理部1318の出力信号をベースバンド信号をRF信
号にアップコンバート(ダイレクトコンバージョン)す
るI、Q2系統のミキサ対1309、送信用RFフィル
タ1305から構成されている。
【0074】第2のシステムに用いる送信系は、第1の
システムに用いる送信系と構成が異なり、ディジタル信
号処理部1318の出力信号を第1中間周波数へアップ
コンバートするミキサ1315、ミキサ1315出力か
ら不要な帯域の信号を削除するフィルタ1313、中間
周波信号をRF信号にアップコンバートするミキサ13
10、送信用RFフィルタ1306から構成されてい
る。
【0075】また、第1のシンセサイザ1316は、ミ
キサ1307、1308、1309、1310に対して
ローカル信号を供給する。第2のシンセサイザ1317
は、ミキサ1314、1315に対してローカル信号を
供給する。ディジタル信号処理部1318は、低周波に
周波数変換された受信信号の復調を行い、また送信信号
を変調してベースバンド変調信号を出力する。
【0076】次に、このように構成された端末の動作を
説明する。
【0077】本例では、送信系と受信系を2つのシステ
ム用に各々2系統用意しておき、利用するシステムに応
じてスイッチを切り替えることでそれぞれのシステムに
対応しているのは従来例と同様である。本例の特徴は、
TDDシステムに対して送受ダイレクトコンバージョン
方式を採用し、FDDのシステムに対して送受スーパー
ヘテロダイン方式を用いることが特徴である、これによ
り第1局部発振器1316が1つでも複数の無線通信シ
ステムに対応する複合システム共用端末を実現してい
る。以下に具体例を挙げて説明する。
【0078】以下の例では、本発明が最も効果を発揮す
る2つの無線通信システムを取り扱うことを想定する。
すなわち、1つがTDMA/TDDシステム、もう1つ
がTDMA/FDDシステムであることを想定する。
【0079】すなわち、従来例で説明したのと同様に、
第1のシステムとして送受信周波数が同一周波数、すな
わちTDMA/TDDシステムのPHS(無線周波数
帯:1.9GHz)を想定し、第2のシステムとして送
受信周波数が別周波数、すなわちTDMA/FDDシス
テムのディジタル携帯電話(無線周波数帯:1.5GH
z)とする。
【0080】PHS端末として用いる場合、第1のシン
セサイザ1316の出力信号は第1のシステムPHSの
ミキサ対1307に入力される。このミキサ対1307
ではダイレクトコンバージョンを行うため、シンセサイ
ザの出力信号周波数は、PHS受信信号のキャリア周波
数(すなわち1.9GHz帯)と同一である。ミキサ対
1307の出力信号はベースバンド信号に変換され、こ
の信号がディジタル信号処理部1318に入力される。
【0081】送信の場合は、ディジタル信号処理部13
18から出力されるベースバンドの変調信号がミキサ対
1309に入力される。ミキサ1309はシンセサイザ
から送信周波数と同一のローカル信号を受け、変調信号
を直接1.9GHz帯の搬送波周波数へアップコンバー
ト(ダイレクトコンバージョン)する。
【0082】次に、携帯電話を利用する場合の動作を説
明する。シンセサイザの発振信号(周波数:1.9GH
z)は第1ローカルとして受信側のミキサ1308に入
力される。ミキサ1308に入力された1.5GHz帯
の信号は、1.9GHz帯のローカル信号により、差周
波数400MHz帯(第一中間周波数帯)に周波数変換
される。この信号はフィルタ1312を通してミキサ1
314でディジタル信号処理可能なより低い第二中間周
波数帯に周波数変換される。具体的には、ミキサ131
4に対して、第2のシンセサイザ1317から基準信号
が供給され、周波数変換されてからディジタル信号処理
部1318に入力され復調される。ここで、第2のシン
セサイザ1307の周波数を410MHzとすると、第
2中間周波数帯は約10MHz程度になる。
【0083】次に、送信系について説明する。ディジタ
ル信号処理部1318から出力される40MHzの被変
調信号はミキサ1315にて410MHzのローカル信
号とミキシングされ450MHzの中間周波数に変換さ
れる。この時、ミキサ1315に供給するローカル信
号、すなわち第2のシンセサイザ1317の発振周波数
は受信用と同じで良い。ミキサ1315の出力はフィル
タ1313を通してミキサ1310へ入力される。ミキ
サ1310の出力は1.9GHz帯の第1ローカル信号
である第1のシンセサイザ1316の出力を受けて送信
信号を1.45GHz帯へ周波数変換する。
【0084】以上のように、本複合システム共用端末に
おいては、TDMA/TDDシステムにダイレクトコン
バージョンを用い、TDMA/FDDシステムにスーパ
ーへテロダイン方式を用いる。そして、第1ローカルに
は第1のシステムの周波数を発生するように設定し、第
2のシステムには同一のローカルを用いてその中間周波
数を第1のシステムの周波数と第2のシステムの周波数
の差とする。この時、第2ローカルの周波数を適当に選
ぶことで、第1ローカルを共用することが可能となる。
従って、従来の複合システム共用端末では、単に2つの
無線機を組み合わせた場合には2台必要であったシンセ
サイザを1台削減できる。
【0085】また上の実施例において、第2中間周波数
が40MHz程度のものを直接ディジタル信号処理部へ
入力する構成となっているが、実際の応用においては、
40MHzの信号をディジタル信号処理するためにもう
一度さらに低い周波数へ周波数変換する場合がある。こ
のときさらにシンセサイザが1台必要になるが、これは
従来例でも同様であり、本発明の効果を失うものではな
い。
【0086】また同様の理由によって、第2中間周波数
を低くする必要のため、第2ローカルに別のシンセサイ
ザ(あるいは固定発振器)を用意する必要がある場合が
あるが、これも同じことが従来例でも同様であるため、
本発明の効果を何ら失うものではない。
【0087】また本実施例では、1つがTDD方式であ
り、他方がFDD方式である2つのシステムに対応する
デュアルモ−ド無線機について述べた。しかし、他の方
式、例えば、1つがTDD方式、残りの二つがFDD方
式である3つのシステムに対応するトリプルモード無線
機や、あるいは1つがTDD方式であり、残りがFDD
方式である様な複数のシステムに対応するマルチモード
無線機においても同様の効果が得られることは明らかで
ある。
【0088】
【発明の効果】以上に説明したように、第1の発明で
は、受信部だけでなく送信部についてもダイレクトコン
バージョン方式を使用することにより複数システムに対
応可能な構成となっている。さらに、受信側A/D変換
器及び送信側D/A変換器の各入力側出力側のエリアジ
ング除去用のアナログフィルタについても周波数特性を
可変とする要素が加わっている。従って、無線機の性
能、すなわち受信感度、変調精度、帯域外輻射特性を損
なうこと無く、より柔軟に複数のシステムに対応できる
という利点がある。
【0089】また、第2の発明においては、例えば一方
のシステムがTDMA/TDD方式、もう一方のシステ
ムがTDMA/FDD方式である場合に、TDMA.T
DD方式にダイレクトコンバージョン方式を用い、シン
セサイザの発振周波数をTDMA/TDD方式に合せた
ものとすることによって、シンセサイザの削減が可能と
なる。このため端末の大幅なコスト削減、小形化、低消
費電力化が可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における複合システム共用端末の好まし
い一実施形態を示す図である。
【図2】図1に示した第一の信号発生器及び第二の信号
発生器の構成を示す図である。
【図3】異なる無線システムを共有した複合システム共
用端末の一例を示す図である。
【図4】本発明に関わるダイレクトコンバージョン方式
を採用した複合システム共用端末の送信系の好ましい一
実施形態を説明するための図である。
【図5】本発明に関わる複合システム共用端末の送信部
電力増幅部の第1の構成例を示す図である。
【図6】図5に示した増幅器の周波数特性を示す図であ
る。
【図7】図5に示した増幅器の周波数特性を示す図であ
る。
【図8】本発明に関わる複合システム共用端末の送信部
電力増幅部の第2の構成例を示す図である。
【図9】本発明に関わる複合システム共用端末の送信部
電力増幅部の第2の構成例を示す図である。
【図10】図8及び図9に示すフィルタの周波数特性を
示す図である。
【図11】本発明に関わる複合システム共用端末の送信
部電力増幅部の第3の構成例を示す図である。
【図12】図11に示した送信部電力増幅部の別の構成
例を示す図である。
【図13】本発明に関わる複合システム共用端末のシン
セサイザを簡略化するための構成の好ましい一構成例を
示す図である。
【図14】本発明に関わる2つの信号発生器の一構成例
である。
【図15】2つの異なる無線通信システムを備えた従来
の複合システム共用端末の概略構成図である。
【図16】従来の複合システム共用端末の無線部の構成
図である。
【符号の説明】
101…送受信共用のアンテナ、102…送受共用器、
103…受信ミキサ、104…フィルタ、105…A/
D変換器、106…ディジタル信号処理部、107…D
/A変換器、108…フィルタ、109…ミキサ
フロントページの続き (72)発明者 大高 章二 神奈川県川崎市幸区神奈川県川崎市幸区小 向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発セ ンター内 (72)発明者 関根 秀一 神奈川県川崎市幸区神奈川県川崎市幸区小 向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発セ ンター内 (72)発明者 吉田 弘 神奈川県川崎市幸区神奈川県川崎市幸区小 向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発セ ンター内 (72)発明者 加屋野 博幸 神奈川県川崎市幸区神奈川県川崎市幸区小 向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発セ ンター内 Fターム(参考) 5K011 BA01 BA03 DA03 DA06 JA01 KA02 5K067 AA22 BB04 BB08 DD02 DD25 EE04 GG01 GG11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1及び第2の基準信号を発生するクロ
    ック発生手段と、 前記第1の基準信号と混合して第1の周波数帯域の受信
    信号をベースバンド信号に変換する受信ミキサと、前記
    第1の基準信号と混合して前記ベースバンド信号を第1
    の周波数帯域の送信信号に変換する送信ミキサとを具備
    する第1の送受信系と、 前記第1の基準信号と混合して第2の周波数帯域の受信
    信号を中間周波数信号に変換する第1段受信ミキサと、
    前記第2の基準信号と混合して前記中間周波数信号を所
    定周波数信号に変換する第2段受信ミキサと、前記第2
    の基準信号と混合して所定周波数信号を中間周波数信号
    に変換する第1段送信ミキサと、前記第1の基準信号と
    混合して前記中間周波数信号を前記第2の周波数帯域の
    送信信号に変換する第2段送信ミキサとを具備する第2
    の送受信系とを具備することを特徴とする複合システム
    共用端末。
  2. 【請求項2】 前記第1の送受信系は、送受信周波数が
    同一周波数であり、 前記第2の送受信系は、送受信周波数が別周波数である
    ことを特徴とする請求項1に記載の複合システム共用端
    末。
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