JP2007180884A - 無線通信装置および無線通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】2つのアンテナの一方で受信する場合、他方で受信する場合の双方で、データ受信と衛星信号の受信が行えるようにする。
【解決手段】第1および第2のアンテナ2A,2Bと、第1のアンテナ2Aに接続され受信された無線信号の受信処理を行う第1受信回路6Aと、第2のアンテナ2Bに接続され受信された無線信号の受信処理を行う第2受信回路6Bと、第1のアンテナ2Aと第2のアンテナ2Bとを切り替える切替手段4と、切替手段を介して接続される一方のアンテナで受信された衛星信号の受信処理を行う衛星受信回路7と、受信回路からの信号を入力して信号処理を行い、衛星受信回路7からの衛星信号を入力して信号処理を行う手段(制御・処理回路8)とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、無線によるデータ受信と衛星からの衛星信号の受信とが可能な無線通信装置、および、当該無線通信装置と基地局を有する無線通信システムに関する。
一般的なGPS(global positioning system)信号の受信方式では、データや通話の通信(以下、単にデータ通信という)用の送受信アンテナとGPSアンテナが同一であるため、データ通信可能であればGPSアンテナも遮蔽はない。ただし、そのアンテナが遮蔽された場合、データ通信とGPS信号受信の双方が不可能となる。
このようなアンテナの遮蔽に対応し、あるいは、受信感度を良くするために複数のアンテナを装備し、用いるアンテナを切り替る技術として、ダイバーシチ受信方式が知られている。
ダイバーシチ受信方式は、データ通信中にGPS受信を行えない方式が一般的であるが、データ通信とGPS信号受信とを同時にまたは個別に行う高速データ通信に適した方式も存在する。
GPSによる位置検出可能なダイバーシチ方式の装置として、無線信号の送受信回路とGPS受信回路とに対し、2つのアンテナを相互に切り替えるアンテナ切替モジュールを有するGPS対応無線通信装置が知られている(たとえば特許文献1)。
このGPS対応無線通信装置は、指向性が異なる2つのアンテナとアンテナ切替モジュールとを装備し、アンテナ切替モジュールのアンテナ接続制御によって、2つのアンテナの一方が無線信号を受信しているときは他方がGPS信号を受信可能に構成されている。
この構成では、2つのアンテナの一方が人の手、その他の障害物によって電波受信妨害された場合でも、他方のアンテナに切り替えることによって無線信号と衛星信号の一方を受信可能である。
特表2005−518708(図1Aと、それに対応する記載参照)
ところが、例えば携帯端末など移動体通信の分野においては、衛星からの電波を受信して位置検出し、その検出位置を地図上に表示させるサービスが一般に行われている。その場合、迅速な現在位置の表示のためにはGPS信号(衛星信号)受信時にアンテナを切り替えることなく地図情報等のデータ受信を行う必要がある。
このような分野に特許文献1の技術を適用しようとすると、受信状態が良好なアンテナに切り替えることはできるが、衛星信号を受信しているときはデータ受信が行えないという不都合がある。したがって、GPS信号の受信時と、データ受信でアンテナを頻繁に切り替える必要があり、処理速度、処理負担が大きい。
本発明が解決しようとする課題は、2つのアンテナの一方で受信する場合、他方で受信する場合の双方で、データ受信と衛星信号の受信が行えるようにすることである。
本発明に係る無線通信装置は、第1および第2のアンテナと、前記第1のアンテナに接続されて前記第1のアンテナで受信された無線信号の受信処理を行う第1受信回路と、前記第2のアンテナに接続されて前記第2のアンテナで受信された無線信号の受信処理を行う第2受信回路と、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとの何れか一方への接続を切り替える切替手段と、前記切替手段を介して接続される前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとの前記何れか一方で受信された衛星信号の受信処理を行う衛星受信回路と、前記第1受信回路と前記第2受信回路との少なくとも一方にて処理された信号を入力して信号処理を行う信号処理手段と、前記衛星受信回路にて処理された衛星信号を入力して信号処理を行う衛星信号処理手段とを備えることを特徴とする。
本発明では好適に、前記第1アンテナと前記切替手段との間には前記第1アンテナにて受信された信号を分波する第1分波手段が設けられ、前記第2アンテナと前記切替手段との間には前記第2アンテナにて受信された信号を分波する第2分波手段が設けられていることを特徴とする。
本発明では好適に、複数の基準信号を出力可能な基準信号出力手段を備え、前記第2受信回路は、前記第2アンテナが受信した無線信号と当該基準信号出力手段から出力される1つの基準信号とをミキシングする第1ミキシング手段とを備え、前記衛星受信回路は、前記衛星信号と前記基準信号出力回路から出力される他の1つの前記基準信号とをミキシングする第2ミキシング手段とを備えることを特徴とする。
本発明では好適に、前記衛星受信回路は、前記切替手段を介して前記第1アンテナに接続される場合に、前記第1受信回路での無線信号の受信処理に関係なく前記衛星信号を受信処理することを特徴とする。
本発明では好適に、前記衛星信号処理手段は、前記切替手段にて前記衛星受信回路に接続されるアンテナが切り替えられた場合、前記衛星からの衛星信号の受信開始タイミングを切替前と同一タイミングとすることを特徴とする。
本発明では好適に、前記衛星信号処理手段は、前記切替手段にて前記衛星受信回路に接続されるアンテナが切り替えられた場合、前記衛星からの衛星信号の受信開始タイミングを切替前と独立に制御することを特徴とする。
本発明に係る無線通信システムは、上記何れかの特徴を有する無線通信装置が、さらに、前記衛星受信回路の受信処理にて取得されたデータを基地局に送信する送信回路と、前記切替手段にて前記衛星受信回路に接続されるアンテナが切り替えられた場合、前記送信回路からの前記データの送信開始タイミングを制御する送信制御手段とを備え、前記送信回路にて送信された前記データを受信して、当該データに基づき位置情報を算出する位置情報算出手段を備えた前記基地局をさらに有することを特徴とする。
本発明に係る無線通信装置は、2つのアンテナの一方で受信する場合、他方で受信する場合の双方で、データ受信と衛星信号の受信が同時に行えるという利点がある。
また、本発明に係る無線通信装置は、上記利点を有する無線通信装置と基地局とを有することから、基地局を経由した位置情報を算出できるという利点がある。
以下、本発明の無線通信装置および無線受信制御方法の実施形態を説明する。
本発明の特徴はGPS受信を行っているアンテナの信号処理経路(パス)で、地図データ等のデータ受信が可能なことである。
そのための構成として、本発明に係る無線通信装置は、第1および第2のアンテナと、第1アンテナに接続されている第1受信回路と、第2アンテナに接続されている第2受信回路と、アンテナの切替手段と、切替手段によって第1アンテナまたは第2アンテナの一方に切り替え可能に接続されている衛星受信回路と、第1受信回路と前記第2受信回路との少なくとも一方にて処理された信号を入力して信号処理を行う信号処理手段と、衛星受信回路にて処理された衛星信号を入力して信号処理を行う衛星信号処理手段とを有する。これらの具体的な実施態様は、下記の説明で明らかにする。
図1に、データ受信処理経路を常に確保可能な無線通信装置の構成例を示す。なお、本発明の無線通信装置は図1の構成に限定されない。
図1に示す無線通信装置(無線通信端末)1は、第1アンテナとしてのメインアンテナ2Aと、第2アンテナとしてのサブアンテナ2Bと、3つの分波器(分波手段)3a1,3a2および3bと、切替手段4と、送信回路5と、第1および第2受信回路としての2つのCDMA受信回路6A,6Bと、衛星受信回路としてのGPS受信回路7と、信号処理手段および衛星信号処理手段の機能を持つ制御・処理回路8とを有する。
CDMA受信回路6A,6Bの各々は、第1増幅器61と、フィルタ62と、第2増幅器63と、CDMAダウンコンバータ64と、局部発振器を含むローカル関連回路65Aまたは65Bとを含む。
GPS受信回路7は、第1増幅器(LNA:ローノイズアンプ)71と、フィルタ72と、第2増幅器73と、GPSダウンコンバータ74とを有する。
本例では、CDMA受信回路6Bに含まれるローカル関連回路65Bは、CDMA受信回路6Aに含まれるローカル関連回路65Aと異なり、GPS受信と通常(地上波無線)受信との周波数の発振機能が切り替え可能に構成され、このため両受信に共用される。これにより回路規模の増大が抑えられ低コスト化が図られている。
なお、この共用は任意であり、GPS受信回路7とCDMA受信回路6Bの各々にローカル関連回路を設けてもよい。その場合、サブアンテナ2Bが地上波無線信号とGPS信号とを同時に受信する可能性があり、取得した双方の信号を並列処理可能に制御・処理回路8が構成されている。
このような構成の無線通信端末1は、GPS受信回路7に対し、メインアンテナ2Aからの受信処理経路と、サブアンテナ2Bからの受信処理経路のいずれかを切替手段4で切り替えて接続できる。このアンテナ切替を以下、ダイバーシチ切替動作(または、単にダイバーシチ)という。
ダイバーシチを行う前の初期状態では、GPS受信回路7がサブアンテナ2B側に接続され、CDMA受信回路6Aがメインアンテナ2A側に接続されている。これは、送信回路5を有するCDMA受信回路6A側に接続されるメインアンテナは、送信帯域及び受信帯域の両帯域に対応しなければならず、このメインアンテナよりも、受信帯域のみに対応しているサブアンテナでGPS対応を行ったほうがGPS位置検出時のアンテナ特性が出しやすいためである。また、自身が送出する送信波による妨害を緩和するためにも、サブアンテナでGPS対応を行った方がよい。
この初期状態では、CDMA受信回路6Aがメインアンテナ2Aから地上波無線信号により搬送されるデータを受信でき、かつ、CDMA受信回路6Bがサブアンテナ2Bからのデータ受信が可能である。ただし一旦GPS受信が始まると、ローカル関連回路65Bが共用されている図示例の場合、GPS受信中におけるデータ受信は、CDMA受信回路6A側では可能であるが、ローカル関連回路65BがGPS受信に対応すべく切り替えられるため、CDMA受信回路6B側では不可能となる。これに対し、ローカル関連回路65Bが共用されていない場合は、ダイバーシチ後のGPS受信中も、引き続き両方のアンテナ(メインアンテナ2Aとサブアンテナ2B)でデータ受信が可能である。
なお、本明細書でデータとは、携帯電話等の通話を含む音声データ、画像データ、テキストデータの少なくとも1つを含む。
以上より、図1の構成では、初期状態ではメインアンテナ2Aが接続されているCDMA受信回路6A側と、初期状態ではサブアンテナ2Bに接続されているCDMA受信回路6B側において、CDMA受信回路6A側のみ送信回路5を有することによって簡易な構成となっている。また、そのような簡易構成においても、メインアンテナ2Aとサブアンテナ2Bの任意の一方でGPS受信が可能となっている。そして、メインアンテナ2Aを用いてGPS受信を行っているときは、当該GPS受信を行っているメインアンテナ2Aで地上波無線信号のデータ受信が可能である。
この複数のアンテナのうちの1つであるメインのアンテナ2AでGPS受信とデータ受信の双方が可能な点は重要であり、以下、この点について説明する。
図1の無線通信端末1は携帯端末であるか、自動車等に搭載される移動体端末であるか等の用途を問わないが、以下、携帯電話等の携帯端末の場合を考える。
携帯端末の場合、たとえば図2に示すようなアンテナ配置が可能である。この図2では、図1のメインアンテナ2Aを、GPSアンテナ2Agとデータ通信用メインアンテナ2Amとに分けて構成し、サブアンテナ2Bを、GPSアンテナ2Bgとデータ通信用サブアンテナ2Bsとに分けて構成している場合がある。図2には他の主な構成として、分波回路3a2、送信回路5、CDMA受信回路6AおよびGPS受信回路7を図示し、図1の他の構成は省略している。
携帯端末では、図2(A)に示すように、メインアンテナ2A(GPSアンテナ2Agおよびデータ通信用メインアンテナ2Am)が手100により覆われることもあるし、また、図2(B)に示すように、サブアンテナ2B(GPSアンテナ2Bgおよびデータ通信用サブアンテナ2Bs)が手100により覆われることもある。このように手100によりアンテナが覆われると、位置測位ができない、あるいは、位置検出精度が低下する。また、携帯端末では、その持ち方によってどちらのアンテナで受信特性がよいかが決まることがあり、その状況が頻繁に変わる可能性が高い。このため、たとえば任意の一方のアンテナが手100で覆われている等の理由によって受信特性が悪い場合、他の一方のアンテナにてGPS受信を行うとともに、EZナビウォーク(商標)など、地図データ等を受信して現在の位置に関する情報を表示部に表示させる必要がある。図1の構成は、この要請に答えるものである。
つぎに、GPS受信方式について説明する。
まず、GPS受信方式を、図3に4つ示す。このうち図3(C),(D)に示すSimultaneous方式が、上述したようにGPS受信時にもデータ受信処理を実施できる点で最も望ましい。そして、図1の構成は、これら図3(C),(D)に示す方式でのGPS受信が可能である。また、データ受信を適宜休止とし、あるいは、サーバを介した位置検出を行わないモードにすることで、図1の構成でも図3(A),(B)に示す方式をモード選択等によって実行可能である。
図3(A)〜図3(D)に、各方式の処理について説明する。ここでは、時間を所定時間ごとに区切ったタイムスロットを用いて説明する。しかし、CDMA通信方式のようにタイムスロットといった概念がない通信方式においても同様のタイミングにて各処理を実施することにより同様のGPS受信処理を行うことができる。
ここで「(タイム)スロット」とは、ある処理のために用いる一連のデータ群の大きさまたは処理時間を表す単位である。したがって処理に応じてスロット長(データ長または処理時間)も様々である。ただし、図3では見易さ向上の意味で、スロット長を一定にして示している。また、ここでの説明では図1を適宜参照する。なお、無線通信端末1は、位置検出サーバに対して、不図示の無線通信網(ネットワーク)を介して通信可能に接続できるようになっている。
ここで処理経路(Path)について定義する。以下「パス1」というとき、メインアンテナ2Aの信号処理経路(パス)を意味する。また、以下「パス2」というとき、サブアンテナ2Bの信号処理経路(パス)を意味する。したがって、GPS受信回路7は、ダイバーシチに伴い接続されるアンテナに応じて信号処理経路(パス)も変更される。つまり、図1のGPS受信回路7は、切替手段4の動作によって、メインアンテナ2A側の処理経路(パス1)に属することもできるし、サブアンテナ2B側の処理経路(パス2)に属することもできる。
図3(A)に示す方式は「MS-Assisted方式」と称され、パス1(Path1)とパス2(Path2)で、同時にデータ受信が可能であるが、パス1でのみ間欠的にGPS受信を行う方式である。
具体的に、図1のGPS受信経路7は、切替手段4の動作によってメインアンテナ2Aに接続された状態にあり、図3(A)に示すように、スロットS1のタイミングにてパス1にてGPS受信回路7(図1)にて衛星からの衛星信号(GPS信号)を受信処理する。次のスロットS2のタイミングにて、取得した衛星データをサーバ(基地局)へ無線により送信し、位置算出をサーバに行わせ、算出された位置データを端末が基地局から無線により受信処理する。その後、つぎの位置検出タイミング(スロットS5の開始時)となるまでは、パス1のCDMA受信回路6Aを用いたデータ受信(たとえばEVDO(Evolution Data Only)受信)を行う(スロットS3,S4)。なお、図で「データ受信(EVDO受信)」とのみ記載しているが、このスロットでデータ送信(たとえばEVDO送信)を行ってもよい。このようにMS-Assisted方式のパス1は、GPS受信、位置検出のためのサーバとの通信、通常のデータ送受信を繰り返している。
一方、図3(A)のパス2では、パス1でのGPS受信期間(スロットS1,S5,S9,…)およびサーバとの送受信期間(スロットS2,S6,S10,…)は受信の休止状態に規定され、休止状態間の残りの期間で通常の、すなわち地上波無線によるデータ受信を行う。この休止状態の設定は、GPS受信回路7とCDMA受信回路6Bがローカル関連回路65Bを共用しているとの理由による。
図3(B)に示す方式は「MS-Based方式」と称され、パス1(Path1)でのみ間欠的にGPS信号受信を行う点で、図3(A)の方式と共通する。また、スロットS1〜S4により示す最初の位置検出処理はサーバにより正確な位置計算を行わせるものであり、この処理は図3(A)のMS-Assisted方式と同じである。
ただし、その後は上記サーバを介する位置検出処理を繰り返すのではなく、当該無線通信装置内で簡易的な検出位置補正を行う。つまり、つぎにスロットS5のタイミングにてパス1にてGPS受信を行うと、その衛星データを基に当該端末内で位置を補正する処理を実行する。この簡易補正を数回行うと誤差が大きくなることから、本例ではスロットS5〜S10までに簡易補正を2回行った後(この回数は任意である)、最初のスロットS1〜S4と同様にしてサーバで位置計算を実行させることにより、誤差が小さい正確な位置を取得する。一方、パス1でのGPS受信と位置検出のためのサーバとの通信との両方のタイミングにおけるパス2でのデータ受信を休止状態とすることはMS-Assisted方式と同様である。
このMS-Based方式は上記MS-Assisted方式と比べて、サーバとの通信回数が減ることから、その分、地図などを取得するために通常の(すなわち地上波無線による)データ受信(およびデータ送信)が可能である。
以上の2つの方式は、図3(A)および図3(B)を見れば明らかなように休止状態の発生頻度が高く、そのために地図データ等の高速受信に限界がある。この2つの方式に対して、以下の2つの方式である。
図3(C)に示す方式は「Simultaneous方式」と称され、簡易的な検出位置補正を行う点では図3(B)の方式と共通する。
Simultaneous方式がMS-Based方式と異なる点は、GPS受信(衛星データ受信)中にも同じタイミング(タイムスロット)にてデータ受信が可能なことである。つまり、図3(B)と同様にパス1側でGPS受信を行ってもよいし、図3(C)に示すようにパス1側でGPS受信を行ってもよく、かつ、どちらか一方側でGPS受信を行っても、そのどちらか他方側でデータ受信が行えることが、Simultaneous方式の大きな特徴である。そのためにはGPS受信処理とデータ送受信を並列処理可能な信号処理回路(制御・処理回路8)を備える必要がある。
具体的には、図1のGPS受信回路7は、切替手段4の動作によってサブアンテナ2Bに接続された状態にあり、図3(C)のパス2でGPS受信を行っているスロットS1,S5,S9,…の残りの期間に、同じパス2でデータ受信が可能となっている。このときGPS受信回路7は切替手段4の制御によってサブアンテナ2Bに接続され、パス2に属するように制御されている。
なお、本例のスロット構成例では、パス1にのみデータ送信機能を備える関係で、パス2でGPS受信して得られた衛星データはパス1の次のスロット、すなわち上記例ではスロットS2,S6,S10,…のタイミングでパス1を介してサーバに送信し、サーバによる位置計算の結果をパス1の信号受信回路で受信するようになっている。図3(C)中の矢印は、そのためのデータ転送を表している。このスロットS2,S6,S10,…の期間にパス2でデータ受信も可能であるが、データが地図等の場合を想定していることから、その期間は休止状態とし位置計算結果を見てデータ受信を開始するようにしている。
このSimultaneous方式は、上記MS-Based方式と比較すると、一方側のパスでのGPS受信と他方側のパスでのデータ受信の双方が同時に可能であるという利点がある。具体的に、初期状態でメインアンテナ2Aの受信状態が悪いときは、初期状態のパス2において、サブアンテナ2Bを用いたパスでのGPS受信とメインアンテナ2Aを用いたパス1でのデータ受信の双方が可能である。
またSimultaneous方式は、休止回数期間が少ない分、よりデータ受信が可能な回数が増え、地図などのデータを高速受信することができる。
以上の3方式は、GPS受信ごとにサーバによる位置計算を行うか、または、GPS受信の数回に1回の割合でサーバ経由の位置計算を行い、他のGPS受信時には簡易補正を行うことを前提としている。
これに対し、図3(D)に示す方式は、衛星から取得したデータを端末にて処理し位置を端末内で算出するものである。この方式を「Stand Alone方式」と称する。
Stand Alone方式では、具体的に図3(D)に示すように、スロットS1,S4,S7,…の各々でGPS受信に続いて端末内で位置検出計算を実行し、それらのスロット間に存在する他のスロットではデータ受信が可能である。一方、パス1ではパス2のGPS処理とは無関係にデータ(GPS表示のためのデータ等でもよい)を受信(または送信)可能である。この方式では、他の方式でサーバにて行っていた位置算出処理を端末で行うものであることから、端末内での位置計算は正確な精度が要求される。
このStand Alone方式は、上記Simultaneous方式と比較すると、「サーバへ衛星データを送信する」ための通信が不要であることから、その分、さらに地図などのデータを受信可能な回数(スロット数)が増えているが、端末の処理負担は比較的大きい。
なお、4つのGPS受信方式を受信処理経路(パス)が2つの場合で説明したが、3以上でもよい。
そして図1に示されるこの無線通信装置1は図3(C)のデータ受信とGPS受信とを同時に実施可能なSimultaneous方式において、GPS受信を行うためのアンテナを切り替えるダイバーシチ方式に最も適した構成である。
また、図1の切替手段4およびこれを制御する制御・処理回路8内の制御部が行うアンテナ切り替え制御は、たとえば各アンテナでのGPS帯域の電界強度、各アンテナからのGPS信号を用いて実際に測位を行った結果(例えば位置検出精度等)などを用いてもよいが、各アンテナでの衛星数の捕捉数を制御部で求めて、これが大きい方のアンテナに切り替える方法が、より望ましい。衛星数の捕捉数算出に関し、たとえばC/Aコードと称される衛星ごとに独自なコードを制御部内でGPS信号に乗算し、その結果の差異、例えば当該乗算結果がハイレベルとなるGPS信号が何種類あるかによって衛星数を検出するとよい。その他、各衛星から各々送出される衛星信号の送出時間情報と衛星の現在位置情報とから衛星数を識別する方法も採用可能である。
判断基準が電界強度の場合、電界強度がより強いGPS信号が得られるアンテナをGPS受信回路7に接続するように切替手段4を制御する。また、判断基準が位置検出精度の場合、検出した位置精度がより高いほうのアンテナをGPS受信回路7に接続するように切替手段4を制御する。また、判断基準が衛星数の場合、捕捉衛星数がより多いアンテナをGPS受信回路7に接続するように切替手段4を制御する。
特に、捕捉衛星数を基に判断を行う場合は、初期状態の捕捉衛星数、すなわちサブアンテナ2Bの捕捉衛星数が予め決められた所定数以上ならアンテナ切換制御を行わないで、その数が上記所定数未満の場合のみアンテナ切り替えを行うようにすることが望ましい。この方法は、アンテナを一旦切り替えて両方の捕捉衛星数を確認する場合に比べると、必要以上にアンテナ切り替えを行わなくて済む場合があり、制御速度、処理負担の低減ができるため、より望ましい。普通に携帯端末を手で持っている場合、手で隠れる位置にはGPSアンテナを配置しないことから、ある程度見晴らしがよい場所では捕捉衛星数が上記所定数以上の条件を満たすことも多い。このため、この所定数を用いた比較の結果に応じてアンテナ切り替えの有無を判断する方法は有効で、効果が大きい。
以下、ダイバーシチ前後で、無線通信端末1内で行われる処理のタイミング制御について説明する。なお、図4〜7では、説明の便宜上、タイムスロットを用いているが、CDMA通信方式のようにタイムスロットの概念がない場合には処理タイミングを同様にすることにより同様に処理することができる。
本発明では、ダイバーシチ後のGPS受信をダイバーシチ前と同じタイミングで行っても良く、異なるタイミングで行ってもよい。
図4は、異なるタイミングでGPS受信を行う場合の処理をタイムスロットを用いて示した図である。図4(A)はダイバーシチ前、すなわちアンテナ切り替え前(初期状態)を示し、図4(B)はダイバーシチ後(アンテナ切り替え後)を示す。また、図4(C)に、パス1での処理の他の例を示す。
図4(A)のダイバーシチ前において、パス1の時間T0以後のスロット群を符号“Sa1,Sb1,…,Sd1,…,Sh1,…”により示し、パス2の時間T0以後のスロット群を符号“Sa2,Sb2,…,Sd2,…,Sg2,Sh2,…”により示す。また、図4(B)のダイバーシチ後において、パス1の時間T0以後のスロット群を符号“SA1,…,SC1,SD1,…,SF1,…,SH1,SI1,…”により示し、パス2の時間T0以後のスロット群を符号“SA2,…,SC2,…,SF2,…,SH2,SI2,…”により示す。
なお、図4では便宜上、時間幅が同じスロット毎に処理内容を設定して、各処理の開始タイミングを合わせるようにしているが、CDMA通信方式のようにタイムスロットの概念がない通信方式でも、各処理の開始タイミングを合わせるように制御すればよい。
図4(A)に示すダイバーシチ前は、すでに説明した図3(C)のSimultaneous方式の制御と同じであり、GPS受信回路7はサブアンテナ2Bに接続された状態にある。
図4(B)の時間T0から時間T1の間にアンテナ切り替え動作(ダイバーシチ)の指示があると、スロットSA2でGPS受信した後は、図1の切替手段4がGPS受信回路7に接続するアンテナをサブアンテナ2Bからメインアンテナ2Aに切り替える。このためGPS受信処理機能がパス1側に変更され、以後、パス2ではGPS受信処理が行われなくなる。
本例ではパス1でどのタイミングで次のGPSを開始するかは、図4(A)のダイバーシチ前のGPS受信タイミングに対し独立に決められる。したがって、矢印20で示すタイミング(スロットSD1)とは異なるタイミング、すなわち1スロット前のスロットSC1にてGPS受信がパス1側で実行される。このGPS受信期間(スロットSC1)、パス2では図1のローカル関連回路65Bが共用されている関係上、データ受信が行えない(スロットSC2)。
ここで図4(B)のスロットSC1では、メインアンテナ2Aを介して受信された信号が分波器3a1により地上波無線信号の周波数帯信号とGPS信号の周波数帯信号とに分波されて、当該地上波無線信号の周波数帯信号が分波器3a2を介してCDMA受信回路6Aに入力されるとともに、GPS信号の周波数帯信号がGPS受信回路7に入力されることにより、図1のCDMA受信回路6AとGPS受信回路7とを用いて、データ受信とGPS受信が並行に行われる。
その後、3スロットに1回の割合で同様にGPS受信が繰り返される(スロットSF1,SI1,…)。このため矢印21に示すように、ダイバーシチ前後でGPS受信タイミングがずれることがある。その他のスロットに関しては、ダイバーシチ前後で同じタイミング(時間T3)にてサーバ・データ送受信(Server Tx/Rx)が行われ(スロットSH1)、残りのスロットでデータ受信が行われる。このように、GPS受信後のサーバ・データ送受信(Server Tx/Rx)をダイバーシチ前後で同じタイミングにて行うようにすることにより、サーバ側での処理タイミングを同一とすることができ、サーバ側での負荷が増大することを抑制できる。
このときパス2において、パス1でのGPS受信タイミングに対応するスロットSF2,SI2,…では休止状態をとり、サーバ・データ送受信タイミングに対応するスロットSH2でもここでは休止状態となっている。ただし、後者の休止状態は任意であり、データ受信としてもよい。
図4(C)に、図4(B)の時間T2からT4の変更例を示す。
この変更例では、パス1のGPS受信スロットSF1でデータ受信は行われずにGPS受信のみが行われる。
つぎに、再びダイバーシチを元の初期状態に戻した場合の処理を説明する。
図5(A)および図5(B)は、ダイバーシチを元に戻した後のタイムスロット図である。これらの図は、図4(A)の時間T2から時間T4までを示すものであり、この処理は他のスロットでも同様である。
図5(A)は完全に元に処理を戻す場合であり、ダイバーシチによりGPS受信回路7が再びサブアンテナ2Bに接続されて、パス2でGPS受信している間のパス1ではスロットSd1,Sg1においてデータ受信を行う。これに対し、図5(B)では、このパス1のスロットSd1,Sg1を休止状態としている。例えば、受信すべきデータ量が多い場合は図5(A)の処理を行い、少ない場合は図5(B)の処理を行うように設定するとよい。
つぎに、ダイバーシチ後でスロットの再編を行う例を説明する。
図6に、その場合のタイムスロット図を示す。ここで図6(A)および図6(B)は、図4(A)と図4(B)と同じ図を参照のため示すものであり、図6(B)がダイバーシチ後のスロット図(その1)である。
図6(C)は、スロット再編を行う場合のダイバーシチ後(その2)のタイムスロット図を示す。パス1でGPS受信を行うスロットSF1の直後のスロットSG1で、サーバ・データ送受信(Server Tx/Rx)を実行している。
このようにスロット再編を行う理由は、次に述べる。
図6(B)のスロットSF1のように、ダイバーシチ前と異なるタイミングでGPS受信を行い、このときサーバ・データ送受信(Server Tx/Rx)のスロットタイミングはダイバーシチ前と同じとすると、GPS受信からサーバ・データ送受信までにスロット間隔があいてしまい、その間、当該無線通信端末1が移動していると、サーバ経由で得られた検出結果と現在の位置とに誤差が生じる。その誤差を最小にするには、図6(A)と同様、GPS受信の直後にサーバ・データ送受信を行う必要がある。
本例は、この要請に応えてサーバ・データ送受信をGPS受信の次のスロットに再編している。これによってダイバーシチ後にも高い検出精度を維持できる。
以上の図4〜図6は、ダイバーシチ前後でGPS受信タイミングを独立に制御した。
これに対して、図7にダイバーシチ前後でGPS受信を同期させる場合のタイムスロット図を示す。図7(A)はダイバーシチ前、図7(B)はダイバーシチ後を示す。
図4(B)と同様に時間T0とT1との間にアンテナ切り替え指令があり、ダイバーシチが実行される。本例でダイバーシチ後のタイムスロットでは、パス1でのGPS受信が、ダイバーシチ前のGPS受信タイミングと同じ時間T2から始まる。このため、全てのGPS受信スロットにおいて、ダイバーシチ前後でGPS受信処理が同期している。したがって、図6のようにサーバ・データ送受信(Server Tx/Rx)の再編も不要である。
なお、図4および図5と同様に、ダイバーシチ後のGPS受信とデータ受信を並列に行うか、GPS受信単独で行うかは任意であり、どちらでもよい。
今までの説明では、タイムスロット長(処理時間長)が同じ図を用い、図4,図6および図7に示す1周期のスロット数(時間長)も同じにしていた。
ただし実際は、データ受信の時間も、そのデータやその時々で様々な場合が多い。また、GPSの受信時間、サーバ・データ送受信の時間も、受信環境や接続のしやすさ(ネットワークの込み具合)等の影響を受け変動する。
図8に、そのような場合のタイムスロット図を示す。図8(A)はダイバーシチ前、図8(B)はダイバーシチ後(その1:GPS受信が非同期(独立)の場合)、図8(C)はダイバーシチ後(その2:GPS受信が同期している場合)を示す。
図8(A)のパス2に示すように、GPS受信開始の時間幅Tが予め決められ、そのサイクルでGPS受信が繰り返される。GPS受信期間は、この時間幅Tを超えないと仮定する。その間にデータ受信が可能であるが、そのデータ受信の時間長や開始タイミングが任意に設定される。また、データ受信スロット間に空き時間も存在する場合もある。
このデータ受信の任意性はパス1でも同じである。
図8(B)のダイバーシチ後の制御は、GPS受信がダイバーシチ前後で非同期の場合であり、この例では、パス2でのGPS受信が終わった後すぐにパス1でGPS受信が開始されている。この場合も、最初のGPS受信を起点として、同じ時間幅TのGPS受信が定期的に繰り返される。この場合もデータ受信のスロットは、タイミング、長さ(時間幅)および数に任意性がある。
図8(C)のダイバーシチ後の制御は、GPS受信がダイバーシチ前後で同期している場合であり、図8(A)のダイバーシチ前のGPS受信タイミングと、図8(C)のGPS受信タイミングとが時間的にほぼ一致している。その制約下で可能なタイミング、時間幅にて、データ受信が行われている。
なお、図8(B)および図8(C)は、ダイバーシチ後にパス1でGPS受信とデータ受信が並行に実行されているが、このGPS受信時にデータ受信を行わないようにしてもよい。また、図1の構成を前提としていることから、パス1でGPS受信を行っている間はパス2ではデータ受信の休止状態としている。なお、パス1でのサーバ・データ送受信(Server Tx/Rx)時に、パス2でデータ受信可能なことは前述と同様である(図では行っていない)。
さらに、GPS受信とデータ受信の頻度の比を一定とすることもできる。例えば、GPS受信を1スロット分行ったら、次のGPS受信までにデータ受信を2スロット分行うことをルール化して、GPS受信とデータ受信のスロット数の比を1:2とするような制御が可能である。
上記例における制御を、図9のフローチャートに示す。なお、この制御は、図1の制御・処理回路8が実行し(この点は図4〜8の制御も同様)、この制御に用いるスロット検出手段は、制御・処理回路8内に設けられ、CDMA通信規格(またはGPS規格)で決められている無線信号(またはGPS信号)の、例えばパケット・ヘッダを検出するものであり、予め関連付けられたパケット群をスロットとして検出する。スロットカウンタも制御・処理回路8内に設けられている。また、ここでは衛星数を検出することを前提としている。この衛星数を検出してGPS受信パスを決定した後に実際にGPS受信を行った回数を保持するGPSカウンタも、制御・処理回路8内に設けられている。
図9のステップST1にて、アンテナ切り替え前の初期状態でパス2側のサブアンテナ2Bからの衛星信号を、図1のGPS受信回路7が受信処理し、制御・処理回路8内で衛星数検出を行う。検出後の衛星数αは、制御・処理回路8内で予め決められた所定値Aと比較され、α<Aならばアンテナ切り替えの必要ありと判断し、図1の切替手段4にアンテナ切り替えの指示を与え、アンテナを切り替える。一方、α<Aでないならば、アンテナ切り替えが必要でないと判断して、今まで行っていた処理を続行する(詳細省略)。
以後、制御・処理回路8内のスロット検出手段が、スロットの始まりまたは終わりを次々に検出する(ステップST2)。
一方、制御・処理回路8は、ステップST1以降の適当なスロットにて、ダイバーシチ後のアンテナ(メインアンテナ2A)で捕捉される衛星数βを検出する(ステップST3)。また、当該ステップST3では、制御・処理回路8が、この衛星数βがダイバーシチ前の衛星数αより大きいことを条件に、パス1側のメインアンテナ2AにてGPS受信を行うことを決定し、切替手段4に通知する。
さらに制御・処理回路8は、GPSカウンタ値Jを初期値をJ=3より1つ少ないJ=2に設定し(ステップST4)、スロットカウンタ値Kの初期値をK=2に設定する(ステップST5)。
このカウンタ値設定以後が、カウンタ計数を伴うパス1のデータ受信となる。つまり、図4を参照すると、時間T0から時間T2までの間に上記ステップST1からST5の処理を行い、次のスロットSD1からが正式なアンテナ切り替え後のスロットとして計数される。それまではアンテナ切り替え前のカウンタ計数が続行されている。なお、上記ステップST4にてJ=2とするのは、図4に示すようにアンテナ切り替え直後にGPS受信が既に1回実行されるからである。
ステップST6のデータ受信ステップで、制御・処理回路8のスロット検出手段が最初のスロットを検出すると、次のステップST7にてスロットカウンタ値KをK−1(=1)にデクリメントする。このステップST6とST7を、次のステップST8でK=0と判断されるまで繰り返す。
なお、図9に示される制御ではタイムスロットを用いた制御について説明したが、タイムスロットの概念を用いない場合には同様のタイミングや時間長などを用いて同様に制御すればよい。
ステップST8でK=0と判断されると、次のステップST9にて、制御・処理回路8の制御によりGPS受信回路7がGPS受信を実施する(図4のスロットSF1に対応)。
GPS受信が終了すると、次のステップST10で、制御・処理回路8がGPSカウンタ値Jをデクリメントする。制御・処理回路8およびGPS受信回路7は、上記ステップST5からST11までの処理を、次のステップST11でJ=0と判断されるまで繰り返す。この間、GPS受信ごとに制御・処理回路8による簡易位置検出補正が実行される。
ステップST11でJ=0と判断すると、制御・処理回路8はサーバ・データ送受信(Server Tx/Rx)が必要と判断する。
この判断を受けて次のステップST12の処理が実行される。この処理では、まず、制御・処理回路8が、衛星信号から取得されたデータをサーバへ図1の送信回路5を介して送信する。その後、サーバで位置計算が行われ、その計算結果がメインアンテナ2A、CDMA受信回路6Aを介して制御・処理回路8に入力されると、その計算結果を基に正確な位置検出を実行する。
このような位置検出および上記簡易位置検出補正は、データ受信による地図データの現在位置表示に適宜反映され、ユーザーに現在の位置を知らせることが行われる。
ステップST13では制御・処理回路8が通信終了を常時監視しており、終了が検出されると処理が終了する。一方、終了でない場合は、ステップST14にて、制御・処理回路8はGPSカウンタ値を初期値J=3に設定し、ステップST5以降の処理をステップST13で終了と判断されるまで繰り返す。
なお、図9に示される制御ではタイムスロットを用いた制御について説明したが、タイムスロットの概念を用いない場合には同様のタイミングや時間長などを用いて同様に制御すればよい。
本実施形態の無線通信端末1、無線通信端末1と基地局とを含む無線通信システムによれば、以下の利点および特徴がある。
本実施形態の無線通信端末1は、図1に示すように第1のアンテナ(メインアンテナ2A)に接続されているCDMA受信回路6Aと、第2のアンテナ(サブアンテナ2B)に接続されているCDMA受信回路6Bと、GPS受信回路7とを有し、GPS受信回路7に接続するアンテナを制御・処理回路8の制御により動作する切替手段4によって切替可能な構成を有することから、前述した図4〜図9に示すように、GPS受信回路7がメインアンテナ2Aに接続されている場合、サブアンテナ2Bに接続されている場合の双方で、衛星信号と無線信号(データ信号)の両方を受信可能である。また、ローカル関連回路65BがCDMA受信回路6BとGPS受信回路7で共用されていることから、その分回路面積、コストが節約できている。
また、いわゆるSimultaneous方式を用いたダイバーシチGPS受信処理のアルゴリズムを新たに提案している。このアルゴリズムは以下の特徴がある。
(1)第1の特徴:GPS受信処理を行うアンテナを切替えるために、例えば衛星数の検出を行う際、及び/又は、GPS受信処理を行うアンテナを切替えることが決まった際に、元々GPS受信処理を行っていたGPS受信開始タイミング(初期状態でサブアンテナ2Bに接続されていたときのGPS受信タイミング)とは周期的に異なるタイミングにてGPS受信を行う。
(2)第2の特徴:第2のアンテナでのGPS受信から第1のアンテナでのGPS受信へ切替える際に、第1のアンテナでの通常データ受信と第1のアンテナを用いて行うGPS受信とを同一タイミングにて行う。あるいは、当該タイミングでGPS受信を行うときはデータ受信を行わない。
(3)切替後のGPS受信タイミングの(時間的に)次に続くタイミングのうちの全て、もしくは特定間隔ごとのスロットを「GPSデータを含むデータのサーバ(基地局)への送信/GPSデータを含むデータのサーバ(基地局)からの受信」などの動作に割り当てるよう、処理構成を再編(変更)する。
(4)ダイバーシチ受信切替検出のためのGPS受信、及び/又は、切替後のGPS受信の周期タイミング(タイムスロットのタイミング)をもとのアンテナを用いて行っていた周期タイミングにあわせる。あるいは、ダイバーシチ前後で、GPS受信開始タイミングを時間的に独立して割り当てる。したがって、GPS受信開始のタイミングが同じになる場合もあるし、異なる場合もある。
本実施形態の無線通信端末または無線通信システムは以上の特徴を有することから、以下の利点がある。
(1)2つのアンテナにGPS対応を行わせたので、手などによる遮蔽による位置計測不能となるリスクが減る。また、GPS受信機が1つのままで高速データ通信対応のダイバーシチ受信を実現できる。
(2)元々のGPS受信の周期(タイミング)とは異なる独立したタイミングでGPS受信できることから、例えば一方のアンテナにてGPS受信が厳しいと判断された際に、次のGPS受信タイミングまで待つことなく、すぐ次のタイミングで他方のアンテナにてGPS受信(検出)が可能となる。このため電波の受信状態の変化に応じて直ぐにダイバーシチ受信動作を実行することができる。またアンテナ切替後も、今までのGPS受信周期にとらわれることなくGPS受信タイミングを決定できるので、測位精度を保ちつつ、高速データ通信が可能となる。
(3)通常データ受信とGPSデータ受信を同一タイミングで行う場合、高速データ通信を保ちつつ、GPS測位精度も保つことができる。一方、通常データ受信とGPSデータ受信を別タイミングで行うようにすると、データ受信量が少ない場合に対応できる。
(4)ダイバーシチ受信を行うことによりGPS受信開始タイミングが変わっても、GPS受信を行った次のタイミングにて基地局とのやり取りを行うようにしたことにより、測位精度が保てるようになる。すなわち、衛星データのみで測位を行うことが不可能になった場合でも、基地局データなどを使用するモードに随時切替えることができるので、精度ある測位が行える時間・地域が拡大し、ユーザーに有意なサービスを提供できる。
(5)処理編成を行う場合、GPS受信タイミングをダイバーシチ受信の前後で同じとしていることから、「基地局とのやり取りのスロットをGPS受信スロットの後に持ってくる」などのスロット調整が不要となる。
本発明の実施形態に係る無線通信装置のブロック図である。 (A)および(B)は、無線通信端末のアンテナ配置と、その遮蔽の説明図である。 (A)〜(D)は、ダイバーシチ受信におけるGPS受信方式のタイムスロット図である。 (A)〜(C)は、異なるタイミングでGPS受信を行う場合のタイムスロット図である。 (A)および(B)は、ダイバーシチを元に戻した後のタイムスロット図である。 (A)〜(C)は、ダイバーシチ後にスロットの再編を行う場合のタイムスロット図である。 (A)および(B)は、ダイバーシチ前後でGPS受信を同期させる場合のタイムスロット図である。 (A)〜(C)は、タイムスロット長を実際に即して示す図である。 スロット制御のフローチャートである。
符号の説明
1…無線通信端末、2A…メインアンテナ、2B…サブアンテナ、3a1,3a2,3b…分波回路、4…切替手段、5…送信回路、6A,6B…CDMA受信回路、7…GPS受信回路、8…制御・処理回路

Claims (7)

  1. 第1および第2のアンテナと、
    前記第1のアンテナに接続されて前記第1のアンテナで受信された無線信号の受信処理を行う第1受信回路と、
    前記第2のアンテナに接続されて前記第2のアンテナで受信された無線信号の受信処理を行う第2受信回路と、
    前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとの何れか一方への接続を切り替える切替手段と、
    前記切替手段を介して接続される前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとの前記何れか一方で受信された衛星信号の受信処理を行う衛星受信回路と、
    前記第1受信回路と前記第2受信回路との少なくとも一方にて処理された信号を入力して信号処理を行う信号処理手段と、
    前記衛星受信回路にて処理された衛星信号を入力して信号処理を行う衛星信号処理手段と、
    を備えることを特徴とする無線通信装置。
  2. 前記第1アンテナと前記切替手段との間には前記第1アンテナにて受信された信号を分波する第1分波手段が設けられ、
    前記第2アンテナと前記切替手段との間には前記第2アンテナにて受信された信号を分波する第2分波手段が設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 複数の基準信号を出力可能な基準信号出力手段を備え、
    前記第2受信回路は、前記第2アンテナが受信した無線信号と当該基準信号出力手段から出力される1つの基準信号とをミキシングする第1ミキシング手段とを備え、
    前記衛星受信回路は、前記衛星信号と前記基準信号出力回路から出力される他の1つの前記基準信号とをミキシングする第2ミキシング手段とを備える
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信装置。
  4. 前記衛星受信回路は、前記切替手段を介して前記第1アンテナに接続される場合に、前記第1受信回路での無線信号の受信処理に関係なく前記衛星信号を受信処理する
    ことを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
  5. 前記衛星信号処理手段は、前記切替手段にて前記衛星受信回路に接続されるアンテナが切り替えられた場合、前記衛星からの衛星信号の受信開始タイミングを切替前と同一タイミングとする
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の無線通信装置。
  6. 前記衛星信号処理手段は、前記切替手段にて前記衛星受信回路に接続されるアンテナが切り替えられた場合、前記衛星からの衛星信号の受信開始タイミングを切替前と独立に制御する
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の無線通信装置。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の無線通信装置が、
    前記衛星受信回路の受信処理にて取得されたデータを基地局に送信する送信回路と、
    前記切替手段にて前記衛星受信回路に接続されるアンテナが切り替えられた場合、前記送信回路からの前記データの送信開始タイミングを制御する送信制御手段とを備え、
    前記送信回路にて送信された前記データを受信して、当該データに基づき位置情報を算出する位置情報算出手段を備えた前記基地局を
    さらに有することを特徴とする無線通信システム。
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