JPWO2004002098A1 - 無線通信装置 - Google Patents
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Abstract
本発明はデジタル変調された信号を送受信する無線通信装置に係り、変調方式やシンボルレートの異なった変調信号を単一の送受信機で送受信するのに好適な構成を備えた無線通信装置に関する。
本発明が解決しようとする課題は、様々な帯域の信号を送受信でき、また、シンボルレートの異なった変調信号を単一の送受信機で送受信するよう構成して回路構成の簡略化に効果がある無線通信装置を提供することにある。
本発明は上記課題を解決するために、少なくとも2つの異なった変調方式のデジタル変調波を送受信する無線通信装置において、送信系に送信デジタル信号の位相成分と振幅成分をそれぞれ独立に帰還制御する同期ループを備え、前記デジタル変調波のシンボルレートに応じて位相および振幅同期ループのループ定数を切り換えることを特徴とした無線通信装置である。
本発明によれば、回路構成の簡略化に効果がある無線通信装置を得ることができる。
本発明が解決しようとする課題は、様々な帯域の信号を送受信でき、また、シンボルレートの異なった変調信号を単一の送受信機で送受信するよう構成して回路構成の簡略化に効果がある無線通信装置を提供することにある。
本発明は上記課題を解決するために、少なくとも2つの異なった変調方式のデジタル変調波を送受信する無線通信装置において、送信系に送信デジタル信号の位相成分と振幅成分をそれぞれ独立に帰還制御する同期ループを備え、前記デジタル変調波のシンボルレートに応じて位相および振幅同期ループのループ定数を切り換えることを特徴とした無線通信装置である。
本発明によれば、回路構成の簡略化に効果がある無線通信装置を得ることができる。
Description
本発明は、デジタル変調された信号を送受信する無線通信装置に係り、変調方式やシンボルレートの異なった変調信号を単一の送受信機で送受信するのに好適な構成を備えた無線通信装置に関するものである。
デジタル変調された信号を送受信する無線通信装置の例として、第1の文献である特開平10−322407“デュアルバンドデータ通信装置”がある。この文献では受信系においては受信信号を中間周波信号に周波数変換(ダウンコンバート)し、この中間周波信号を直交検波してI(Inphase),Q(Quadrature Phase)の複素信号に変換した後、I,Q信号それぞれをAD変換器でデジタル信号に変換するものである。一方、送信系においてはデジタルのI,Q信号をDA変換器でアナログI,Q信号に変換して、さらに直交変調器において中間周波信号に変換する。次にこの中間周波信号を周波数変換(アップコンバート)してパワーアンプ(PA)を介して送信する構成となっている.
また、デジタル変調された信号を送信するアーキテクチャの例として、第2の文献であるIEEE TRANSACTION ON COMMUNICATIONS,VOL.COM−29,NO.7,JULY 1981“GMSK Modulation for Digital Mobile Telephony”が、第3の文献であるIEE Electronics Letters,VOL.15,NO.10,MAY 1979“Polar−loop transmitter”がある。
第2の文献は包絡線一定のGMSK変調方式に適した送信アーキテクチャとして、送信系に位相同期ループを用いた方式である。第3の文献は位相、振幅が変動する変調方式に適した送信アーキテクチャとして位相同期ループと振幅同期ループを用いた方式であり、ポーラループ方式とも言われる。いずれの方式もループフィルタ内のLPFで雑音帯域を制限して、送信RF帯での雑音抑圧フィルタを不要とするものである。また、パワーアンプを介したループ構成として、送信信号の直線性改善を図るものである。
デジタル変調された信号を送受信する無線通信装置として携帯電話が世界的に市場を拡大しており、変調方式として様々な方式が提案、実用化されている。特に欧州等を中心に使用されているGSM方式は、送受信帯域がそれぞれ880−915MHz,935−960MHzの900MHz帯(以下GSM900)の他に、帯域拡張版としてDCS(送受信帯域がそれぞれ1710−1785MHz,1805−1880MHzの1.8GHz帯:以下DCS1800)や米国のPCS(送受信帯域がそれぞれ1850−1910MHz,1930−1990MHzの1.9GHz帯:以下PCS1900)等が規定されている。GSM方式に用いられる変調方式は、DCS,PCS帯域を含め、包絡線一定のGMSK変調方式が用いられている。また、GMSK変調方式の他に位相、振幅が変動する8PSK変調方式を用いたEDGE方式も同一の周波数帯域で運用されようとしている。このように、GSM方式は帯域が3バンド(GSM900、DCS1800、PCS1900)あり、また、EDGE方式も3バンドでの使用が考えられるが、いずれの方式、帯域においても伝送シンボルレートは、約270kHz/sの一定値となっている。
一方、第3世代方式としてWCDMA方式(送受信帯域がそれぞれ1920−1980MHz,2110−2170MHzの2GHz帯:以下WCDMA2000)も導入が計画されている。WCDMA方式は、変調方式がEDGE方式と同様、位相、振幅が変動する方式(QPSK変調)を用いているが、伝送シンボルレート(CDMA方式では、チップレートという表現が一般的であるが、ここではGSM/EDGE方式と比較するため、シンボルレートの表現を用いる)が3.84MHz/sと非常に高速である。また、送受信を同時に行う周波数分割多重方式を用いている。
このように、様々な変調方式やシンボルレートの送受信規格があり、これらに対応した送受信機が必須となっているが、従来技術においては変調方式やシンボルレートの異なった変調信号を単一の送受信機で送受信するアーキテクチャについては考慮されていない。また、送受信を同時に行うアーキテクチャについても十分考慮されていない。
また、デジタル変調された信号を送信するアーキテクチャの例として、第2の文献であるIEEE TRANSACTION ON COMMUNICATIONS,VOL.COM−29,NO.7,JULY 1981“GMSK Modulation for Digital Mobile Telephony”が、第3の文献であるIEE Electronics Letters,VOL.15,NO.10,MAY 1979“Polar−loop transmitter”がある。
第2の文献は包絡線一定のGMSK変調方式に適した送信アーキテクチャとして、送信系に位相同期ループを用いた方式である。第3の文献は位相、振幅が変動する変調方式に適した送信アーキテクチャとして位相同期ループと振幅同期ループを用いた方式であり、ポーラループ方式とも言われる。いずれの方式もループフィルタ内のLPFで雑音帯域を制限して、送信RF帯での雑音抑圧フィルタを不要とするものである。また、パワーアンプを介したループ構成として、送信信号の直線性改善を図るものである。
デジタル変調された信号を送受信する無線通信装置として携帯電話が世界的に市場を拡大しており、変調方式として様々な方式が提案、実用化されている。特に欧州等を中心に使用されているGSM方式は、送受信帯域がそれぞれ880−915MHz,935−960MHzの900MHz帯(以下GSM900)の他に、帯域拡張版としてDCS(送受信帯域がそれぞれ1710−1785MHz,1805−1880MHzの1.8GHz帯:以下DCS1800)や米国のPCS(送受信帯域がそれぞれ1850−1910MHz,1930−1990MHzの1.9GHz帯:以下PCS1900)等が規定されている。GSM方式に用いられる変調方式は、DCS,PCS帯域を含め、包絡線一定のGMSK変調方式が用いられている。また、GMSK変調方式の他に位相、振幅が変動する8PSK変調方式を用いたEDGE方式も同一の周波数帯域で運用されようとしている。このように、GSM方式は帯域が3バンド(GSM900、DCS1800、PCS1900)あり、また、EDGE方式も3バンドでの使用が考えられるが、いずれの方式、帯域においても伝送シンボルレートは、約270kHz/sの一定値となっている。
一方、第3世代方式としてWCDMA方式(送受信帯域がそれぞれ1920−1980MHz,2110−2170MHzの2GHz帯:以下WCDMA2000)も導入が計画されている。WCDMA方式は、変調方式がEDGE方式と同様、位相、振幅が変動する方式(QPSK変調)を用いているが、伝送シンボルレート(CDMA方式では、チップレートという表現が一般的であるが、ここではGSM/EDGE方式と比較するため、シンボルレートの表現を用いる)が3.84MHz/sと非常に高速である。また、送受信を同時に行う周波数分割多重方式を用いている。
このように、様々な変調方式やシンボルレートの送受信規格があり、これらに対応した送受信機が必須となっているが、従来技術においては変調方式やシンボルレートの異なった変調信号を単一の送受信機で送受信するアーキテクチャについては考慮されていない。また、送受信を同時に行うアーキテクチャについても十分考慮されていない。
本発明が解決しようとする課題は、様々な帯域の信号を送受信でき、また、変調方式やシンボルレートの異なった変調信号を単一の送受信機で送受信するアーキテクチャを提供することにある。
上記課題を解決するために、送信系アーキテクチャとしては送信パワーアンプ出力を位相同期ループおよび振幅同期ループにより帰還するポーラループ方式を用いる。送信シンボルレートが異なった変調信号を送信するため、位相同期ループおよび振幅同期ループのループ定数をシンボルレートに応じて切り換える手段を設ける。また、ループ定数を切り換えた場合でもループ特性が安定となるように、ループフィルタの極、ゼロ点も同時に切り換える手段を設ける。さらに、DCS1800,PCS1900,WCDMA2000は周波数帯域が近いことから、位相同期ループ内のVCO(電圧制御発振器)をDCS1800,PCS1900,WCDMA2000動作時で共用化し、回路構成の簡略化を図る。
一方、受信系アーキテクチャとしては、受信RF信号を直接ベースバンド帯に周波数変換するダイレクトコンバージョン方式を用い、受信シンボルレートが異なった変調信号を受信するため、ベースバンド帯フィルタの帯域幅をシンボルレートに応じて切り換える手段を設ける。また、DCS1800,PCS1900,WCDMA2000は周波数帯域が近いことから、LNA(低雑音増幅器)、ダイレクトコンバージョンミクサをDCS1800,PCS1900,WCDMA2000動作時で共用化し、回路構成の簡略化を図る。
上記課題を解決するために、送信系アーキテクチャとしては送信パワーアンプ出力を位相同期ループおよび振幅同期ループにより帰還するポーラループ方式を用いる。送信シンボルレートが異なった変調信号を送信するため、位相同期ループおよび振幅同期ループのループ定数をシンボルレートに応じて切り換える手段を設ける。また、ループ定数を切り換えた場合でもループ特性が安定となるように、ループフィルタの極、ゼロ点も同時に切り換える手段を設ける。さらに、DCS1800,PCS1900,WCDMA2000は周波数帯域が近いことから、位相同期ループ内のVCO(電圧制御発振器)をDCS1800,PCS1900,WCDMA2000動作時で共用化し、回路構成の簡略化を図る。
一方、受信系アーキテクチャとしては、受信RF信号を直接ベースバンド帯に周波数変換するダイレクトコンバージョン方式を用い、受信シンボルレートが異なった変調信号を受信するため、ベースバンド帯フィルタの帯域幅をシンボルレートに応じて切り換える手段を設ける。また、DCS1800,PCS1900,WCDMA2000は周波数帯域が近いことから、LNA(低雑音増幅器)、ダイレクトコンバージョンミクサをDCS1800,PCS1900,WCDMA2000動作時で共用化し、回路構成の簡略化を図る。
図1は本発明の第1の実施の形態における無線通信装置の構成を示すブロック図である。
図2は本発明の第2の実施の形態における無線通信装置の構成を示すブロック図である。
図3は本発明の第3の実施の形態における無線通信装置の構成を示すブロック図である。
図4は本発明の実施の形態における位相、振幅同期ループの開ループ利得と極、ゼロ点を説明する特性図である。
図5は本発明の第4の実施の形態における無線通信装置の構成を示すブロック図である。
図6は本発明の第5の実施の形態における無線通信装置の構成を示すブロック図である。
図7は本発明の第6の実施の形態における無線通信装置の構成を示すブロック図である。
図2は本発明の第2の実施の形態における無線通信装置の構成を示すブロック図である。
図3は本発明の第3の実施の形態における無線通信装置の構成を示すブロック図である。
図4は本発明の実施の形態における位相、振幅同期ループの開ループ利得と極、ゼロ点を説明する特性図である。
図5は本発明の第4の実施の形態における無線通信装置の構成を示すブロック図である。
図6は本発明の第5の実施の形態における無線通信装置の構成を示すブロック図である。
図7は本発明の第6の実施の形態における無線通信装置の構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図7を用いて説明する。
本発明の第1の実施の形態を図1を用いて説明する。図1はデジタル変調された信号を送受信する無線通信装置の送信系のブロック図を示すもので、I(In−phase)/Q(Quadrature−phase)信号入力端子8,9、直交変調器6、位相ループ構成ブロック4、振幅ループ構成ブロック5、VCO(Voltage Control Oscillator 電圧制御発振器)3、振幅変調器16、PA(Power Amplifier)2、制御部としてのCPU7、アンテナ端子1より構成される。CPU7からの制御信号10,11は、図1に破線で示されるように、それぞれ位相ループ構成ブロック4および振幅ループ構成ブロック5に供給され、これにより位相ループ構成ブロック4と振幅ループ構成ブロック5とはCPU7により制御される。
直交変調器6には信号入力端子8,9よりベースバンド信号I、Qが入力される。本発明の送信系は、送信信号の振幅および位相を変える方式であるため、直交変調器6から出力された中間周波数帯の信号97は位相ループ構成ブロック4および振幅ループ構成ブロック5に入力される。位相ループ構成ブロック4から出力された位相誤差信号98はVCO3に供給され、VCO3から出力された位相変調信号99は振幅変調器16に供給され、振幅変調器16から出力された位相変調信号100はPA2に供給される。PA2の出力はアンテナ1に供給されるとともに、高周波出力信号15として位相ループ構成ブロック4に、高周波出力信号12として振幅ループ構成ブロック5にそれぞれフィードバックされる。振幅ループ構成ブロック5からは振幅誤差信号13が振幅変調器16に供給される。位相ループ構成ブロック4は、通常の位相同期ループを構成する例えば位相比較器、ループアンプの他、高周波信号15のレベル制御や周波数変換を行う手段を含むものである。また、振幅ループ構成ブロック5は、通常の振幅同期ループを構成する例えば振幅比較器、ループアンプの他、高周波信号12のレベル制御や周波数変換を行う手段を含むものである。
以下、本実施の形態の動作について説明する。信号入力端子8,9より入力されるI、Qのベースバンド信号は、直交変調器6によって変調され、中間周波数帯の信号97に変換された後、位相ループ構成ブロック4および振幅ループ構成ブロック5に入力される。また、位相ループ構成ブロック4には中間周波数帯の信号97のほかに、PA2出力の高周波出力信号15も位相ループ構成ブロック4にフィードバック入力され、レベル制御および周波数変換が行われる。位相ループ構成ブロック4内ではさらに、高周波出力信号15のレベル制御や周波数変換された信号と中間周波数帯信号97との位相比較を行い、位相誤差信号98を出力する。VCO3はこの位相誤差信号98により位相制御されて位相変調信号99を出力する。PA2から出力された高周波出力信号15が位相ループ構成ブロック4にフィードバックされることで、位相ループ構成ブロック4、VCO3、振幅変調器16、PA2による位相同期ループが構成される。
一方、振幅ループ構成ブロック5には中間周波数帯信号97およびPA2から出力された高周波出力信号12がフィードバック入力され、振幅ループ構成ブロック5でレベル制御および周波数変換が行われる。さらに、振幅ループ構成ブロック5は高周波出力信号12を用いたレベル制御や周波数変換された信号と中間周波数帯信号97との振幅比較による振幅誤差信号13の出力が行われる。振幅変調器16は、この振幅誤差信号13により位相変調信号99を振幅変調し、PA2を介してアンテナ端子1よりデジタル変調された高周波信号を出力する。ここではPA2から出力された高周波出力信号12が振幅変調器16にフィードバックされることにより、振幅ループ構成ブロック5、振幅変調器16、PA2による振幅同期ループが構成される。
次にCPU7による位相ループ構成ブロック4および振幅ループ構成ブロック5の制御について説明する。送信の変調方式として、シンボルレートの異なった複数の方式に対応するため、シンボルレートに応じてCPU7からの制御信号10,11により位相ループ構成ブロック4および振幅ループ構成ブロック5のループ定数を切り換える。CPU7はシンボルレートが高い場合にはループ定数を上げ、シンボルレートが低い場合にはループ定数を下げるよう制御を行う。具体的には、ループ定数の切換えとしては、ループ利得の切換えやループ帯域の切換えが行われる。ループ定数の切換えをするとき、シンボルレートが高くなり、位相ループ構成ブロック4のループ利得やループ帯域が増加する方向に切換える場合は、同様に振幅ループ構成ブロック5のループ利得やループ帯域も増加する方向に切換える。ループ定数の切り換えとしてはこの他に制御信号10,11を用いてVCO3の感度や振幅変調器16の変調度を切り換えることもできる。例としてシンボルレートの低いEDGE方式とシンボルレートの高いWCDMA方式を送信する場合、CPU7からの制御信号10,11に基づいてEDGE方式の場合はループ利得、ループ帯域を低く設定し、WCDMA方式の場合はループ利得、ループ帯域を高く設定する。例として、EDGE方式の場合はループ帯域として2MHz以下、WCDMAの場合は10MHz以下程度の帯域幅となる。
本実施の形態によれば、デジタル変調された信号を送受信する無線通信装置の送信系に位相同期ループと振幅同期ループを用い、これら同期ループのループ利得を送信信号のシンボルレートに応じて切り換えることにより、単一の送信アーキテクチャで変調方式やシンボルレートの異なる信号を伝送することができる効果がある。
本発明の第2の実施の形態を図2を用いて説明する。図1に示した第1の実施の形態と重複するところは説明を省略する。本実施の形態では、位相同期ループが位相ループ構成ブロック4、VCO3、PA2により構成され、振幅同期ループが振幅ループ構成ブロック5、PA2により構成される。本実施の形態では、振幅変調器16は用いられず、振幅同期ループにおいて振幅ループ構成ブロック5が直接PA2を変調する。そのためPA2にはVCO3からの位相変調信号99が供給されるとともに、振幅ループ構成ブロック5からの振幅誤差信号13が供給され、PA2はこの振幅誤差信号13により位相変調信号99を振幅変調してアンテナ端子1にデジタル変調された高周波信号を出力する。他の構成および機能は第1の実施の形態と同様である。本実施の形態においても、シンボルレートに応じてCPU7からの制御信号10,11により位相ループ構成ブロック4および振幅ループ構成ブロック5のループ定数を切り換えることにより、シンボルレートの異なった複数の方式に対応している。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態同様、デジタル変調された信号を送受信する無線通信装置の送信系に位相同期ループと振幅同期ループを用い、これら同期ループのループ利得を送信信号のシンボルレートに応じて切り換えることにより、単一の送信アーキテクチャで変調方式やシンボルレートの異なる信号を伝送することができる効果がある。また、振幅変調器としてPA2を用いることで回路構成の簡略化、低消費電力化等にも効果がある。
本発明の第3の実施の形態を図3を用いて説明する。図3はデジタル変調された信号を送受信する無線通信装置の送信系のブロック図を示す。本実施の形態では、無線通信装置は送信系として、I(In−phase)/Q(Quadrature−phase)信号入力端子8,9、直交変調器6、位相検波器17、チャージポンプ19、20、LPF(低域通過フィルタ)21,22、VCO(Voltage Control Oscillator 電圧制御発振器)3、振幅検波器18、PA(Power Amplifier)2、レベルおよび周波数変換ブロック23,24、CPU7、アンテナ端子1を有している。CPU7からは、図3に破線で示されるように、制御信号28,29,31,34,43がそれぞれチャージポンプ19、チャージポンプ20、VCO3、LPF21、LPF22に供給される。信号入力端子8,9からはI,Qのベースバンド信号が直交変調器6に入力される。直交変調器6から出力された中間周波数帯の信号27は位相検波器17および振幅検波器18に供給される。位相検波器17の出力はチャージポンプ19を介してLPF21に供給され、LPF21からは位相誤差信号98がVCO3に供給され、VCO3は位相変調信号100をPA2に供給する。PA2の出力はアンテナ1に供給されるとともに、高周波出力信号25,32としてそれぞれ周波数変換ブロック24、周波数変換ブロック23に供給される。周波数変換ブロック23の出力は中間周波信号に変換された信号33として位相検波器17にフィードバックされ、周波数変換ブロック24の出力は中間周波信号に変換された信号26として振幅検波器18にフィードバックされる。一方、振幅検波器18の出力はチャージポンプ20を介してLPF22に供給され、LPF22からは振幅誤差信号30がPA2に供給される。
以下、本実施の形態の動作について説明する。信号入力端子8,9より入力されるI,Qのベースバンド信号は、直交変調器6によって変調され、中間周波数帯の信号27に変換された後、位相検波器17に入力される。また、PA2出力の高周波出力信号32もレベルおよび周波数変換ブロック23で中間周波数信号33に変換され、位相検波器17に入力される。位相検波器17では、フィードバックされた中間周波数信号33と中間周波信号27との位相比較を行い、後段のチャージポンプ回路19で位相誤差に応じた電流を生成させる。この位相誤差電流は、LPF21で電圧変換されるとともに雑音成分を抑圧して位相誤差信号98としてVCO3に供給される。VCO3はこの位相誤差信号98により位相制御が行われ、位相変調信号100を出力する。本構成においては、位相検波器17、チャージポンプ回路19、LPF21、VCO3、PA2、レベルおよび周波数変換ブロック23により位相同期ループを構成している。
一方、中間周波信号27は、振幅検波器18にも入力される。また、PA2出力の高周波出力信号25もレベルおよび周波数変換ブロック24で中間周波数信号26に変換され、振幅検波器18に入力される。振幅検波器18では、フィードバックされた中間周波数信号26と中間周波信号27との振幅比較を行い、後段のチャージポンプ回路20で振幅誤差に応じた電流を生成させる。この振幅誤差電流は、LPF22で電圧変換されるとともに雑音成分を抑圧して振幅誤差信号30としてPA2に供給される。PA2は振幅誤差信号30を用いて位相変調信号100を振幅変調し、その出力をアンテナ端子1に供給する。アンテナ1はPA2の出力を受けてデジタル変調された高周波信号を電波として出力する。ここでは振幅検波器18、チャージポンプ回路20、LPF22、PA2、レベルおよび周波数変換ブロック24により振幅同期ループを構成している。
次にCPU7による位相同期ループおよび振幅同期ループの制御について説明する。送信の変調方式として、シンボルレートの異なった複数の方式に対応するため、シンボルレートに応じてCPU7からの制御信号28,29により位相同期ループのチャージポンプ回路19の位相感度および振幅同期ループのチャージポンプ回路19の振幅感度を切り換える。送信の変調方式としてシンボルレートが高い場合にはチャージポンプ回路19の振幅感度を高くし、シンボルレートが低い場合には振幅感度を低く設定する。各チャージポンプ回路の電流、振幅感度を切り換えることにより、位相同期ループと振幅同期ループのループ利得が切り換わり、シンボルレートが高い場合にはループ利得が高くなり、シンボルレートが低い場合にはループ利得が下がる。各チャージポンプ回路の感度切り換えと合わせて、CPU7からの制御信号34,43によりLPF21,22のゼロ点および極の位置も切り換える。このようにループ利得の切り換えに合わせてループの極、ゼロ点も切り換えることでループの位相余裕を確保できるため、位相同期ループおよび振幅同期ループの動作安定化が可能である。
ここで、本発明の第1〜第6の実施の形態におけるループ利得、ループの極、ゼロ点の切り換えについて図4を用いて説明する。横軸に周波数を、縦軸に例えば位相同期ループの開ループ利得をとった図であり、横軸との交差点はループ利得0のユニテイゲインである。図4においてループ利得カーブ76はシンボルレートの低い方式で伝送する場合のループ利得であり、ループ帯域ω0(ループ利得がほぼ0となる周波数)(図4の79)に対してゼロ点ω1(図4の78)と極ω2(図4の80)がループ特性が安定となるように配置されている。また、図4においてループ利得カーブ77はシンボルレートの高い方式で伝送する場合のループ利得であり、ループ利得カーブ76と比べてループ利得が高くなっており、ループ帯域ω0に対して高いループ帯域ω0’(図4の82)が得られる。この状態でループのゼロ点、極がω1とω2のままであると、ループ性能が不安定となるため、ω0’に対してゼロ点ω1’(図4の81)と極ω2’(図4の83)がループ特性が安定となるように切り換えられる。以上述べたループ利得の切り換えはチャージポンプ回路19,20の感度切り換えで行い、ゼロ点や極はLPF21,22のゼロ点、極の切り換えにより行うものである。なお、ループの極、ゼロ点の数や配置は図4に示したものだけではなく、様々なものが考えられる。
また、位相同期ループや振幅同期ループのループ利得切り換えはチャージポンプ回路19,20の感度切り換えだけではなく、VCO3の感度(図3では制御信号31により制御)やPA2の変調感度等、ループ内の他の構成要素の切り換えによっても実現できる。VCO3の感度を切換える場合は、送信の変調方式としてシンボルレートが高い場合にはVCO3の感度を高くし、シンボルレートが低い場合にはVCO3の感度を低く設定する。PA2の変調感度を切換える場合は、送信の変調方式としてシンボルレートが高い場合にはPA2の変調感度を高くし、シンボルレートが低い場合にはPA2の変調感度を低く設定する。
第3の実施の形態においては、第1、第2の実施の形態同様、デジタル変調された信号を送受信する無線通信装置の送信系に位相同期ループと振幅同期ループを用い、これら同期ループのループ利得を送信信号のシンボルレートに応じて切り換えることにより、単一の送信アーキテクチャで変調方式やシンボルレートの異なる信号を伝送することができる効果がある。また、ループ利得の切り換えと同時にループの極、ゼロ点の周波数も切り換えることにより、位相同期ループ、振幅同期ループのループ特性安定化が可能である。
本発明の第4の実施の形態を図5を用いて説明する。本図はデジタル変調された信号を送受信する無線通信装置の送信系および受信系のブロック図を示すもので、送受信が異なった周波数帯域を用いて同時に行われるシステム(例えばWCDMA方式)を基本としたものである。送信系はI(In−phase)/Q(Quadrature−phase)信号入力端子8,9からそれぞれI信号とQ信号が入力され、I信号はミクサ108で、Q信号はミクサ109でそれぞれを中間周波数にアップコンバートされてフィルタ113に供給される。ミクサ108、109には90度移相器110からの中間周波信号が供給される。90度移相器110には局部発振信号を供給する局部発振器111が接続され、局部発信器111にはCPU7に制御されたシンセサイザ112が接続される。ミクサ108、109からの中間周波信号はフィルタ113で高調波成分等が除去されて位相検波器17および振幅検波器18に供給される。
位相検波器17に供給された信号はチャージポンプ19、LPF(低域通過フィルタ)21、VCO94を介してPA93に供給される。一方、振幅検波器18に供給された信号はチャージポンプ20、LPF(低域通過フィルタ)22を介してPA93に供給される。LPF21の出力信号は位相誤差信号98としてVCO94に供給され、VCO94の出力は位相変調信号100としてPA93に供給される。一方、LPF22の出力は振幅誤差信号30としてPA93に供給される。PA93の出力はブロック114、118およびデュプレクサ45に供給される。
ブロック114はPAの出力を分配するカップラ、減衰器、増幅器等を含み、PA出力信号は中間周波数信号に変換するミクサ115を介してフィルタ116に供給されて、ここで高調波成分等が除去されて中間周波数信号が出力される。この中間周波数信号はレベル制御器117に供給されて中間周波数信号のレベル等が制御され中間周波数信号26として位相検波器17にフィードバックされる。ブロック118はPAの出力を分配するカップラ、減衰器、増幅器等を含み、PA出力信号は中間周波数信号に変換するミクサ119を介してフィルタ120に供給されて、ここで高調波成分等が除去されて中間周波数信号が出力される。この中間周波数信号はレベル制御器121に供給されて中間周波数信号のレベル等が制御され中間周波数信号33として振幅検波器18にフィードバックされる。
図5に破線で示されるように、シンセサイザ112、フィルタ113、フィルタ116、フィルタ120にはそれぞれCPU7からの制御信号122,124,126,125が供給される。デュプレクサ45には送受信用のアンテナ端子1が接続される。
次に受信系の構成と信号の流れを説明する。アンテナ1で受信された信号はデュプレクサ45で受信帯域と送信帯域に分離され、受信帯域の信号はデュプレクサ45の出力を増幅するLNA(Low Noise Amplifier)74に供給される。LNA74の出力はI信号とQ信号に分けられ、I信号はミクサ103を介してベースバンド信号を増幅する増幅器52に供給され、LPF50で不要波を除去された後、I信号出力端子55から出力される。一方、Q信号はミクサ104を介してベースバンド信号を増幅する増幅器53に供給され、LPF51で不要波を除去された後、Q信号出力端子556から出力される。90度移相器105にはシンセサイザ107で周波数制御された発信器106からの発振信号が供給される。発信器106からの発振信号はミクサ115および119にも供給される。図5に破線で示されるように、シンセサイザ107にはCPU7からの制御信号123が供給される。
以下、本実施の形態の動作について説明する。信号入力端子8,9より入力されるI,Qのベースバンド信号は、I信号を中間周波数にアップコンバートするミクサ108、Q信号を中間周波数にアップコンバートするミクサ109、90度移相器110、局部発振器、シンセサイザ112、中間周波信号を通過させ、高調波成分等を除去するフィルタ113からなる直交変調器によって変調され、中間周波数帯の信号27に変換された後、位相検波器17に入力される。また、PA93出力の高周波出力信号もブロック114を介して、シンセサイザ107で周波数制御される発振器106からの発振信号とミクサ115で混合され中間周波数信号に変換され、高調波成分等を除去するフィルタ116、レベル制御器117を介して位相検波器17に入力される。位相検波器17では、フィードバックされた中間周波数信号33と中間周波信号27との位相比較を行い、後段のチャージポンプ回路19で位相誤差に応じた電流を生成させる。この位相誤差電流は、LPF21で電圧変換するとともに雑音成分を抑圧して位相誤差信号98としてVCO94を位相制御し、位相変調信号100を出力するものである。本実施の形態においては、位相検波器17、チャージポンプ回路19、LPF21、VCO3、PA93、ブロック114、ミクサ115、フィルタ116、レベル制御器117より位相同期ループを構成している。
一方、中間周波信号27は、振幅検疲器18にも入力される。また、PA93出力の高周波出力信号もブロック118を介して、発振器106からの発振信号とミクサ119で混合され中間周波数信号に変換され、高調波成分等を除去するフィルタ120、レベル制御器121を介して振幅検波器18に入力される。振幅検波器18では、フィードバックされた中間周波数信号33と中間周波信号27との位相比較を行い、後段のチャージポンプ回路20で振幅誤差に応じた電流を生成させる。この振幅誤差電流は、LPF22で電圧変換するとともに雑音成分を抑圧して振幅誤差信号30としてPA93を振幅変調し、高周波信号を出力するものである。本構成においては、振幅検波器18、チャージポンプ回路20、LPF22、PA93、ブロック118、ミクサ119、フィルタ120、レベル制御器121より振幅同期ループを構成している。
次に受信系について説明する。受信系ではアンテナ1で受信された受信信号は、受信帯域と送信帯域を分離するフィルタであるデュプレクサ45を介してLNA74に入力される。LNA74の出力信号はミキサ103,104に入力される。このミキサ103,104には高周波信号の他、シンセサイザ107で周波数制御される発振器106からの発振信号を90度移相器105で2分配した信号も入力される。ミキサ103,104では高周波信号を直接ベースバンド帯の信号に変換するダイレクトコンバージョンがおこなわれ、I/Qのベースバンド信号が出力される。I/Qのベースバンド信号は、それぞれ増幅器52,53で増幅、利得制御され、フィルタ50,51で不要波を除去された後、端子55,56より出力される。
本実施の形態では、受信系のダイレクトコンバージョンに用いる発振器106、シンセサイザ107および送信系の位相同期ループ、振幅同期ループ内の中間周波信号変換に用いる発振器、シンセサイザを共用している。本実施の形態の制御方式について説明する。今、受信信号周波数をf0とし、送信周波数をf1とする。受信系がダイレクトコンバージョン方式であることから、発振器106からミキサ103,104に供給される発振信号の発振周波数はf0となるようにシンセサイザ107はCPU7からの制御信号107で制御される。従って、送信系で用いるミキサ115,119にも発振周波数f0の信号が入力される。位相同期ループ、振幅同期ループにより、VCO94が送信周波数f1で発振するためには、直交変調器からの中間周波信号27の周波数をf0−f1または、f1−f0に設定すれば良い。従って、発振器111からミキサ108,109に供給される信号の周波数をf0−f1または、f1−f0となるようにシンセサイザ112はCPU7からの制御信号107で制御する。以上のように制御すると、中間周波信号27および中間周波数信号33,26の周波数はf0−f1となる。そこで、この周波数f0−f1にあわせ、フィルタ113,116,120のカットオフ周波数もCPU7からの制御信号124,125,126で制御する。
本実施の形態においては、受信周波数と送信周波数の差の周波数を送信系の中間周波数となるように送信系の直交変調器のシンセサイザを制御し、また、中間周波数にあわせて送信系の位相同期ループや振幅同期ループの高調波抑圧用のフィルタの帯域幅を制御することで、受信系のダイレクトコンバージョンに用いる発振器、シンセサイザおよび送信系の位相同期ループ、振幅同期ループ内の中間周波信号変換に用いる発振器、シンセサイザを共用することができる。
本発明の第5の実施の形態を図6を用いて説明する。図6はデジタル変調された信号を送受信する無線通信装置の送信系および受信系のブロック図を示し、4つの周波数帯域への対応を可能とするよう、4つのVCOを有するVCOブロック300、4つのPAを有するPAブロック200、4つのLNAを有するLNAブロック61を有している。
送信系はI(In−phase)/Q(Quadrature−phase)信号入力端子8,9からそれぞれI信号とQ信号が入力され、I信号はミクサ108で、Q信号はミクサ109でそれぞれを中間周波数にアップコンバートされてフィルタ113に供給される。ミクサ108、109には90度移相器110からの中間周波信号が供給される。90度移相器110には局部発振信号を供給する局部発振器111が接続され、局部発信器111にはCPU7に制御されたシンセサイザ112が接続される。ミクサ108、109からの中間周波信号はフィルタ113で高調波成分等が除去されて位相検波器17および振幅検波器18に供給される。位相検波器17に供給された信号はチャージポンプ19を介してLPF(低域通過フィルタ)21に供給される。
LPF21の出力は4つに分けられ、VCO40,41,42,94からなるVCO(Voltage Control Oscillator 電圧制御発振器)ブロック3に供給されて、VCO40,41,42,94の出力はそれぞれPA37,38,39,93からなるPA(Power Amplifier)ブロック2に供給される。一方、振幅検波器18に供給された信号はチャージポンプ20、LPF(低域通過フィルタ)22を介してPAブロック200に供給される。LPF21の出力信号は位相誤差信号98としてVCOブロック300に供給され、VCOブロック300の出力は位相変調信号100としてPAブロック200に供給される。一方、LPF22の出力は振幅誤差信号30としてPAブロック200に供給される。PAブロック200の出力はブロック114、118に供給され、PAブロック200の中でPA93の出力はブロック114、118だけでなくデュプレクサ45にも供給される。
ブロック114はPA93、37、38、39の出力が入力されて、PA出力を切り換える切り換え器、分配するカップラ、減衰器、増幅器等を含み、PA出力信号は中間周波数信号に変換するミクサ115を介してフィルタ116に供給されて、ここで高調波成分等が除去されて中間周波数信号が出力される。この中間周波数信号はレベル制御器117に供給されて中間周波数信号のレベル等が制御され中間周波数信号26として位相検波器17にフィードバックされる。ブロック118はPA93の出力101、PA37の出力65、PA38の出力66、PA39の出力67が入力されて、PA出力を切り換える切り換え器、分配するカップラ、減衰器、増幅器等を含み、PA出力信号は中間周波数信号に変換するミクサ119を介してフィルタ120に供給されて、ここで高調波成分等が除去されて中間周波数信号が出力される。この中間周波数信号はレベル制御器121に供給されて中間周波数信号のレベル等が制御され中間周波数信号33として振幅検波器18にフィードバックされる。
図5に破線で示されるように、シンセサイザ112、フィルタ113、フィルタ116、フィルタ120にはそれぞれCPU7からの制御信号122,124,126,125が供給される。デュプレクサ45にはアンテナスイッチ44を介して送受信用のアンテナ端子1が接続される。
次に受信系の構成と信号の流れを説明する。アンテナ1で受信された信号はデュプレクサ45で受信帯域と送信帯域に分離され、受信帯域の信号はデュプレクサ45の出力を増幅するLNAブロック61に供給される。LNAブロック61はLNA46,47,48,95の4つのLNAからなり、LNA46にはデュプレクサ45の信号が供給され、LNA47、LNA48、LNA95にはそれぞれアンテナスイッチ44の出力68、69、128が供給される。LNAブロック61の出力はI信号とQ信号に分けられ、I信号はミクサ103を介してベースバンド信号を増幅する増幅器52に供給され、LPF50で不要波を除去された後、I信号出力端子55から出力される。一方、Q信号はミクサ104を介してベースバンド信号を増幅する増幅器53に供給され、LPF51で不要波を除去された後、Q信号出力端子556から出力される。90度移相器105にはシンセサイザ107で周波数制御された発信器106からの発振信号が供給される。発信器106からの発振信号はミクサ115および119にも供給される。図5に破線で示されるように、シンセサイザ107およびアンテナスイッチ44にはそれぞれCPU7からの制御信号123、62が供給される。
以下、本実施の形態の動作について説明する。なお送信系の動作については、第4の実施の形態と重複するところは説明を省略する。送信系においては、発明の課題で述べた帯域GSM900、DCS1800、PCS1900、WCDMA2000に対応するため、位相同期ループ内のVCOブロック300に4つのVCO40,41,42,94を用いる。また、パワーアンプについても上記4つの帯域に対応するためPAブロック200に4つのPA37,38,39,93を用いる。例えばGSM900送信時にはCPU7からの制御信号127によりVCO42とPA39を選択し、DCS1800送信時にはVCO41とPA38を選択し、PCS1900送信時にはVCO40とPA37を選択し、WCDMA2000送信時にはVCO94とPA93を選択する。例として、WCDMA2000送信時は、PA93とVCO94を選択し、LPF21からの位相誤差信号98によりVCO94を位相制御し、PA93の高周波出力信号101は、デュプレクサ45、スイッチ44を介して送信信号としてアンテナ1より出力される。また、ブロック114,118によりPA93の高周波出力信号101が選択され、ミキサ115,119に入力される。位相同期ループ、振幅同期ループの動作については図5の実施の形態4と同一である。なお、GSM900、DCS1800、PCS1900送信時の場合はパワーアンプの出力が直接スイッチ44につながり、スイッチ44で帯域が選択された後アンテナ1より送信される。
送信系においては、GSM900、DCS1800、PCS1900で送信する場合に対し、WCDMA2000を送信する場合はチャージポンプ19,20によりループ利得を高く設定し、同時にLPF21,22により極、ゼロ点の周波数も移動させる制御を行う。送信系においては、第3図に示した第3の実施の形態の効果と同様の効果が得られる他、送信帯域に応じてVCOおよびPAを切り換えることで、送信帯域での最適な回路を使用でき、送信性能向上、低消費電力化に効果がある。
次に受信系について説明する。受信系でも送信系と同様、帯域GSM900、DCS1800、PCS1900、WCDMA2000に対応するためLNAブロック61に4つのLNA46,47,48,95を用いる。例えばGSM900受信時にはCPU7からの制御信号によりLNA95を選択し、DCS1800受信時にはLNA48を選択し、PCS1900受信時にはLNA47を選択し、WCDMA2000受信時にはLNA46を選択する。このように、受信帯域に応じてLNAを切り換えることにより受信帯域での最適な回路を使用でき、受信性能向上、低消費電力化に効果がある。
本実施の形態では、受信系のダイレクトコンバージョンに用いる発振器106、シンセサイザ107および送信系の位相同期ループ、振幅同期ループ内の中間周波信号変換に用いる発振器、シンセサイザを共用している。本実施の形態の制御方式について説明する。GSM900、DCS1800、PCS1900、で伝送される信号は送受信を時分割で行う方式であるため、発振器106およびシンセサイザ107は送受信時に発振周波数を切り換えて使用することが可能である。従って、送信系の中間周波信号27の周波数は送信帯域、送信信号周波数によらず一定でfgとすることができる。一方、WCDMA方式は送受信が同時に行われる周波数分割多重方式であるため、発振器106およびシンセサイザ107は送受信で同じ発振周波数を用いる。例えば、受信信号周波数と送信信号周波数の間に常に一定の周波数関係がある場合は、送信系の中間周波信号周波数を受信信号周波数−送信信号周波数=fwと設定することができる。
このような送受信システムの場合は、GSM900、DCS1800、PCS1900、とWCDMA2000切り換え時は、送信系の中間周波信号周波数に応じてフィルタ113,116,120の帯域幅とシンセサイザ112により制御される発振器111の発振周波数を制御信号124,125,126,122により切り換えて使用する。逆にWCDMA受信時に受信信号周波数と送信信号周波数の間に常に一定の周波数関係がない場合は図5の第4の実施の形態で述べたように受信信号周波数あるいは送信信号周波数に応じて、フィルタ113,116,120の帯域幅とシンセサイザ112により制御される発振器111の発振周波数を制御信号124,125,126,122により切り換えて使用する。
本実施の形態においては、GSM900、DCS1800、PCS1900、とWCDMA2000切り換え時は、送信系の中間周波信号周波数に応じて送信系の高調波除去用のフィルタの帯域幅と直交変調器で用いる発振器の発振周波数をCPUからの制御信号により切り換えて使用することで、単一の送信アーキテクチャで変調方式やシンボルレートの異なる信号を伝送することができる効果がある。また、WCDMA2000受信時には受信周波数と送信周波数の差の周波数を送信系の中間周波数となるように送信系の直交変調器のシンセサイザを制御し、また、中間周波数にあわせて送信系の位相同期ループや振幅同期ループの高調波抑圧用のフィルタの帯域幅を制御することで、受信系のダイレクトコンバージョンに用いる発振器、シンセサイザおよび送信系の位相同期ループ、振幅同期ループ内の中間周波信号変換に用いる発振器、シンセサイザを共用することができる。
本発明の第6の実施の形態を図7を用いて説明する。本図はデジタル変調された信号を送受信する無線通信装置の送信系および受信系のブロック図を示すものである。本実施の形態は、図6の第5の実施の形態において、VCOブロック300、PAブロック200、LNAブロック61において、それぞれ含まれるVCO、PA、LNAの数を2個としたものである。具体的には、VCOブロック300はVCO94とVCO42を有し、PAブロック200はPA93とPA39を有し、LNAブロック61はLNA46とLNA95を有する。他の部分は第5の実施の形態と同一である。そのため第5の実施の形態と重複する部分は説明を省略する。なお、VCOブロック300、PAブロック200、LNAブロック61がそれぞれ集積回路化されていてそれぞれ4つのVCO,PA、LNAを含む場合は、それぞれについて4個のうちの2個だけを用いるようにしてもよい。
本実施の形態では、DCS1800、PCS1900とWCDMA2000の帯域が比較的近いことから、送信系においてはVCO73とPA72をDCS1800、PCS1900、WCDMA2000で共通に使用し、受信系においてはLNA46をDCS1800、PCS1900、WCDMA2000で共通に使用するものである。本実施の形態においては、送信系のVCO、PAと受信系のLNAを3つの帯域で共通使用する実施の形態としているが、VCOだけ、あるいはPAだけ、あるいはLNAだけを3つの帯域で共通使用することも可能である。また、DCS1800、PCS1900、WCDMA2000の3つの帯域のうちのどれか2つの帯域において送信系のVCO、PA、受信系のLNAのいずれかを共通使用することも可能である。
本実施の形態によれば、送信系のVCO、PA、受信系のLNAを比較的周波数帯域が近いDCS1800、PCS1900、WCDMA2000で共通に使用することで、回路構成の簡略化が可能であり、IC化する場合にはICのチップ面積低減に効果がある。
また、ループ定数を切り換えた場合にループフィルタの極、ゼロ点も同時に切り換えることによりループ特性が安定となる効果がある。さらに、DCS1800,PCS1900,WCDMA2000は周波数帯域が近いことから、送信系のVCO(電圧制御発振器)、PA(パワーアンプ)および受信系のLNA(低雑音増幅器)、ダイレクトコンバージョンミクサをDCS1800,PCS1900,WCDMA2000動作時で共用化することで回路構成の簡略化およびIC化した場合のチップ面積の低減に効果がある。
本発明の第1の実施の形態を図1を用いて説明する。図1はデジタル変調された信号を送受信する無線通信装置の送信系のブロック図を示すもので、I(In−phase)/Q(Quadrature−phase)信号入力端子8,9、直交変調器6、位相ループ構成ブロック4、振幅ループ構成ブロック5、VCO(Voltage Control Oscillator 電圧制御発振器)3、振幅変調器16、PA(Power Amplifier)2、制御部としてのCPU7、アンテナ端子1より構成される。CPU7からの制御信号10,11は、図1に破線で示されるように、それぞれ位相ループ構成ブロック4および振幅ループ構成ブロック5に供給され、これにより位相ループ構成ブロック4と振幅ループ構成ブロック5とはCPU7により制御される。
直交変調器6には信号入力端子8,9よりベースバンド信号I、Qが入力される。本発明の送信系は、送信信号の振幅および位相を変える方式であるため、直交変調器6から出力された中間周波数帯の信号97は位相ループ構成ブロック4および振幅ループ構成ブロック5に入力される。位相ループ構成ブロック4から出力された位相誤差信号98はVCO3に供給され、VCO3から出力された位相変調信号99は振幅変調器16に供給され、振幅変調器16から出力された位相変調信号100はPA2に供給される。PA2の出力はアンテナ1に供給されるとともに、高周波出力信号15として位相ループ構成ブロック4に、高周波出力信号12として振幅ループ構成ブロック5にそれぞれフィードバックされる。振幅ループ構成ブロック5からは振幅誤差信号13が振幅変調器16に供給される。位相ループ構成ブロック4は、通常の位相同期ループを構成する例えば位相比較器、ループアンプの他、高周波信号15のレベル制御や周波数変換を行う手段を含むものである。また、振幅ループ構成ブロック5は、通常の振幅同期ループを構成する例えば振幅比較器、ループアンプの他、高周波信号12のレベル制御や周波数変換を行う手段を含むものである。
以下、本実施の形態の動作について説明する。信号入力端子8,9より入力されるI、Qのベースバンド信号は、直交変調器6によって変調され、中間周波数帯の信号97に変換された後、位相ループ構成ブロック4および振幅ループ構成ブロック5に入力される。また、位相ループ構成ブロック4には中間周波数帯の信号97のほかに、PA2出力の高周波出力信号15も位相ループ構成ブロック4にフィードバック入力され、レベル制御および周波数変換が行われる。位相ループ構成ブロック4内ではさらに、高周波出力信号15のレベル制御や周波数変換された信号と中間周波数帯信号97との位相比較を行い、位相誤差信号98を出力する。VCO3はこの位相誤差信号98により位相制御されて位相変調信号99を出力する。PA2から出力された高周波出力信号15が位相ループ構成ブロック4にフィードバックされることで、位相ループ構成ブロック4、VCO3、振幅変調器16、PA2による位相同期ループが構成される。
一方、振幅ループ構成ブロック5には中間周波数帯信号97およびPA2から出力された高周波出力信号12がフィードバック入力され、振幅ループ構成ブロック5でレベル制御および周波数変換が行われる。さらに、振幅ループ構成ブロック5は高周波出力信号12を用いたレベル制御や周波数変換された信号と中間周波数帯信号97との振幅比較による振幅誤差信号13の出力が行われる。振幅変調器16は、この振幅誤差信号13により位相変調信号99を振幅変調し、PA2を介してアンテナ端子1よりデジタル変調された高周波信号を出力する。ここではPA2から出力された高周波出力信号12が振幅変調器16にフィードバックされることにより、振幅ループ構成ブロック5、振幅変調器16、PA2による振幅同期ループが構成される。
次にCPU7による位相ループ構成ブロック4および振幅ループ構成ブロック5の制御について説明する。送信の変調方式として、シンボルレートの異なった複数の方式に対応するため、シンボルレートに応じてCPU7からの制御信号10,11により位相ループ構成ブロック4および振幅ループ構成ブロック5のループ定数を切り換える。CPU7はシンボルレートが高い場合にはループ定数を上げ、シンボルレートが低い場合にはループ定数を下げるよう制御を行う。具体的には、ループ定数の切換えとしては、ループ利得の切換えやループ帯域の切換えが行われる。ループ定数の切換えをするとき、シンボルレートが高くなり、位相ループ構成ブロック4のループ利得やループ帯域が増加する方向に切換える場合は、同様に振幅ループ構成ブロック5のループ利得やループ帯域も増加する方向に切換える。ループ定数の切り換えとしてはこの他に制御信号10,11を用いてVCO3の感度や振幅変調器16の変調度を切り換えることもできる。例としてシンボルレートの低いEDGE方式とシンボルレートの高いWCDMA方式を送信する場合、CPU7からの制御信号10,11に基づいてEDGE方式の場合はループ利得、ループ帯域を低く設定し、WCDMA方式の場合はループ利得、ループ帯域を高く設定する。例として、EDGE方式の場合はループ帯域として2MHz以下、WCDMAの場合は10MHz以下程度の帯域幅となる。
本実施の形態によれば、デジタル変調された信号を送受信する無線通信装置の送信系に位相同期ループと振幅同期ループを用い、これら同期ループのループ利得を送信信号のシンボルレートに応じて切り換えることにより、単一の送信アーキテクチャで変調方式やシンボルレートの異なる信号を伝送することができる効果がある。
本発明の第2の実施の形態を図2を用いて説明する。図1に示した第1の実施の形態と重複するところは説明を省略する。本実施の形態では、位相同期ループが位相ループ構成ブロック4、VCO3、PA2により構成され、振幅同期ループが振幅ループ構成ブロック5、PA2により構成される。本実施の形態では、振幅変調器16は用いられず、振幅同期ループにおいて振幅ループ構成ブロック5が直接PA2を変調する。そのためPA2にはVCO3からの位相変調信号99が供給されるとともに、振幅ループ構成ブロック5からの振幅誤差信号13が供給され、PA2はこの振幅誤差信号13により位相変調信号99を振幅変調してアンテナ端子1にデジタル変調された高周波信号を出力する。他の構成および機能は第1の実施の形態と同様である。本実施の形態においても、シンボルレートに応じてCPU7からの制御信号10,11により位相ループ構成ブロック4および振幅ループ構成ブロック5のループ定数を切り換えることにより、シンボルレートの異なった複数の方式に対応している。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態同様、デジタル変調された信号を送受信する無線通信装置の送信系に位相同期ループと振幅同期ループを用い、これら同期ループのループ利得を送信信号のシンボルレートに応じて切り換えることにより、単一の送信アーキテクチャで変調方式やシンボルレートの異なる信号を伝送することができる効果がある。また、振幅変調器としてPA2を用いることで回路構成の簡略化、低消費電力化等にも効果がある。
本発明の第3の実施の形態を図3を用いて説明する。図3はデジタル変調された信号を送受信する無線通信装置の送信系のブロック図を示す。本実施の形態では、無線通信装置は送信系として、I(In−phase)/Q(Quadrature−phase)信号入力端子8,9、直交変調器6、位相検波器17、チャージポンプ19、20、LPF(低域通過フィルタ)21,22、VCO(Voltage Control Oscillator 電圧制御発振器)3、振幅検波器18、PA(Power Amplifier)2、レベルおよび周波数変換ブロック23,24、CPU7、アンテナ端子1を有している。CPU7からは、図3に破線で示されるように、制御信号28,29,31,34,43がそれぞれチャージポンプ19、チャージポンプ20、VCO3、LPF21、LPF22に供給される。信号入力端子8,9からはI,Qのベースバンド信号が直交変調器6に入力される。直交変調器6から出力された中間周波数帯の信号27は位相検波器17および振幅検波器18に供給される。位相検波器17の出力はチャージポンプ19を介してLPF21に供給され、LPF21からは位相誤差信号98がVCO3に供給され、VCO3は位相変調信号100をPA2に供給する。PA2の出力はアンテナ1に供給されるとともに、高周波出力信号25,32としてそれぞれ周波数変換ブロック24、周波数変換ブロック23に供給される。周波数変換ブロック23の出力は中間周波信号に変換された信号33として位相検波器17にフィードバックされ、周波数変換ブロック24の出力は中間周波信号に変換された信号26として振幅検波器18にフィードバックされる。一方、振幅検波器18の出力はチャージポンプ20を介してLPF22に供給され、LPF22からは振幅誤差信号30がPA2に供給される。
以下、本実施の形態の動作について説明する。信号入力端子8,9より入力されるI,Qのベースバンド信号は、直交変調器6によって変調され、中間周波数帯の信号27に変換された後、位相検波器17に入力される。また、PA2出力の高周波出力信号32もレベルおよび周波数変換ブロック23で中間周波数信号33に変換され、位相検波器17に入力される。位相検波器17では、フィードバックされた中間周波数信号33と中間周波信号27との位相比較を行い、後段のチャージポンプ回路19で位相誤差に応じた電流を生成させる。この位相誤差電流は、LPF21で電圧変換されるとともに雑音成分を抑圧して位相誤差信号98としてVCO3に供給される。VCO3はこの位相誤差信号98により位相制御が行われ、位相変調信号100を出力する。本構成においては、位相検波器17、チャージポンプ回路19、LPF21、VCO3、PA2、レベルおよび周波数変換ブロック23により位相同期ループを構成している。
一方、中間周波信号27は、振幅検波器18にも入力される。また、PA2出力の高周波出力信号25もレベルおよび周波数変換ブロック24で中間周波数信号26に変換され、振幅検波器18に入力される。振幅検波器18では、フィードバックされた中間周波数信号26と中間周波信号27との振幅比較を行い、後段のチャージポンプ回路20で振幅誤差に応じた電流を生成させる。この振幅誤差電流は、LPF22で電圧変換されるとともに雑音成分を抑圧して振幅誤差信号30としてPA2に供給される。PA2は振幅誤差信号30を用いて位相変調信号100を振幅変調し、その出力をアンテナ端子1に供給する。アンテナ1はPA2の出力を受けてデジタル変調された高周波信号を電波として出力する。ここでは振幅検波器18、チャージポンプ回路20、LPF22、PA2、レベルおよび周波数変換ブロック24により振幅同期ループを構成している。
次にCPU7による位相同期ループおよび振幅同期ループの制御について説明する。送信の変調方式として、シンボルレートの異なった複数の方式に対応するため、シンボルレートに応じてCPU7からの制御信号28,29により位相同期ループのチャージポンプ回路19の位相感度および振幅同期ループのチャージポンプ回路19の振幅感度を切り換える。送信の変調方式としてシンボルレートが高い場合にはチャージポンプ回路19の振幅感度を高くし、シンボルレートが低い場合には振幅感度を低く設定する。各チャージポンプ回路の電流、振幅感度を切り換えることにより、位相同期ループと振幅同期ループのループ利得が切り換わり、シンボルレートが高い場合にはループ利得が高くなり、シンボルレートが低い場合にはループ利得が下がる。各チャージポンプ回路の感度切り換えと合わせて、CPU7からの制御信号34,43によりLPF21,22のゼロ点および極の位置も切り換える。このようにループ利得の切り換えに合わせてループの極、ゼロ点も切り換えることでループの位相余裕を確保できるため、位相同期ループおよび振幅同期ループの動作安定化が可能である。
ここで、本発明の第1〜第6の実施の形態におけるループ利得、ループの極、ゼロ点の切り換えについて図4を用いて説明する。横軸に周波数を、縦軸に例えば位相同期ループの開ループ利得をとった図であり、横軸との交差点はループ利得0のユニテイゲインである。図4においてループ利得カーブ76はシンボルレートの低い方式で伝送する場合のループ利得であり、ループ帯域ω0(ループ利得がほぼ0となる周波数)(図4の79)に対してゼロ点ω1(図4の78)と極ω2(図4の80)がループ特性が安定となるように配置されている。また、図4においてループ利得カーブ77はシンボルレートの高い方式で伝送する場合のループ利得であり、ループ利得カーブ76と比べてループ利得が高くなっており、ループ帯域ω0に対して高いループ帯域ω0’(図4の82)が得られる。この状態でループのゼロ点、極がω1とω2のままであると、ループ性能が不安定となるため、ω0’に対してゼロ点ω1’(図4の81)と極ω2’(図4の83)がループ特性が安定となるように切り換えられる。以上述べたループ利得の切り換えはチャージポンプ回路19,20の感度切り換えで行い、ゼロ点や極はLPF21,22のゼロ点、極の切り換えにより行うものである。なお、ループの極、ゼロ点の数や配置は図4に示したものだけではなく、様々なものが考えられる。
また、位相同期ループや振幅同期ループのループ利得切り換えはチャージポンプ回路19,20の感度切り換えだけではなく、VCO3の感度(図3では制御信号31により制御)やPA2の変調感度等、ループ内の他の構成要素の切り換えによっても実現できる。VCO3の感度を切換える場合は、送信の変調方式としてシンボルレートが高い場合にはVCO3の感度を高くし、シンボルレートが低い場合にはVCO3の感度を低く設定する。PA2の変調感度を切換える場合は、送信の変調方式としてシンボルレートが高い場合にはPA2の変調感度を高くし、シンボルレートが低い場合にはPA2の変調感度を低く設定する。
第3の実施の形態においては、第1、第2の実施の形態同様、デジタル変調された信号を送受信する無線通信装置の送信系に位相同期ループと振幅同期ループを用い、これら同期ループのループ利得を送信信号のシンボルレートに応じて切り換えることにより、単一の送信アーキテクチャで変調方式やシンボルレートの異なる信号を伝送することができる効果がある。また、ループ利得の切り換えと同時にループの極、ゼロ点の周波数も切り換えることにより、位相同期ループ、振幅同期ループのループ特性安定化が可能である。
本発明の第4の実施の形態を図5を用いて説明する。本図はデジタル変調された信号を送受信する無線通信装置の送信系および受信系のブロック図を示すもので、送受信が異なった周波数帯域を用いて同時に行われるシステム(例えばWCDMA方式)を基本としたものである。送信系はI(In−phase)/Q(Quadrature−phase)信号入力端子8,9からそれぞれI信号とQ信号が入力され、I信号はミクサ108で、Q信号はミクサ109でそれぞれを中間周波数にアップコンバートされてフィルタ113に供給される。ミクサ108、109には90度移相器110からの中間周波信号が供給される。90度移相器110には局部発振信号を供給する局部発振器111が接続され、局部発信器111にはCPU7に制御されたシンセサイザ112が接続される。ミクサ108、109からの中間周波信号はフィルタ113で高調波成分等が除去されて位相検波器17および振幅検波器18に供給される。
位相検波器17に供給された信号はチャージポンプ19、LPF(低域通過フィルタ)21、VCO94を介してPA93に供給される。一方、振幅検波器18に供給された信号はチャージポンプ20、LPF(低域通過フィルタ)22を介してPA93に供給される。LPF21の出力信号は位相誤差信号98としてVCO94に供給され、VCO94の出力は位相変調信号100としてPA93に供給される。一方、LPF22の出力は振幅誤差信号30としてPA93に供給される。PA93の出力はブロック114、118およびデュプレクサ45に供給される。
ブロック114はPAの出力を分配するカップラ、減衰器、増幅器等を含み、PA出力信号は中間周波数信号に変換するミクサ115を介してフィルタ116に供給されて、ここで高調波成分等が除去されて中間周波数信号が出力される。この中間周波数信号はレベル制御器117に供給されて中間周波数信号のレベル等が制御され中間周波数信号26として位相検波器17にフィードバックされる。ブロック118はPAの出力を分配するカップラ、減衰器、増幅器等を含み、PA出力信号は中間周波数信号に変換するミクサ119を介してフィルタ120に供給されて、ここで高調波成分等が除去されて中間周波数信号が出力される。この中間周波数信号はレベル制御器121に供給されて中間周波数信号のレベル等が制御され中間周波数信号33として振幅検波器18にフィードバックされる。
図5に破線で示されるように、シンセサイザ112、フィルタ113、フィルタ116、フィルタ120にはそれぞれCPU7からの制御信号122,124,126,125が供給される。デュプレクサ45には送受信用のアンテナ端子1が接続される。
次に受信系の構成と信号の流れを説明する。アンテナ1で受信された信号はデュプレクサ45で受信帯域と送信帯域に分離され、受信帯域の信号はデュプレクサ45の出力を増幅するLNA(Low Noise Amplifier)74に供給される。LNA74の出力はI信号とQ信号に分けられ、I信号はミクサ103を介してベースバンド信号を増幅する増幅器52に供給され、LPF50で不要波を除去された後、I信号出力端子55から出力される。一方、Q信号はミクサ104を介してベースバンド信号を増幅する増幅器53に供給され、LPF51で不要波を除去された後、Q信号出力端子556から出力される。90度移相器105にはシンセサイザ107で周波数制御された発信器106からの発振信号が供給される。発信器106からの発振信号はミクサ115および119にも供給される。図5に破線で示されるように、シンセサイザ107にはCPU7からの制御信号123が供給される。
以下、本実施の形態の動作について説明する。信号入力端子8,9より入力されるI,Qのベースバンド信号は、I信号を中間周波数にアップコンバートするミクサ108、Q信号を中間周波数にアップコンバートするミクサ109、90度移相器110、局部発振器、シンセサイザ112、中間周波信号を通過させ、高調波成分等を除去するフィルタ113からなる直交変調器によって変調され、中間周波数帯の信号27に変換された後、位相検波器17に入力される。また、PA93出力の高周波出力信号もブロック114を介して、シンセサイザ107で周波数制御される発振器106からの発振信号とミクサ115で混合され中間周波数信号に変換され、高調波成分等を除去するフィルタ116、レベル制御器117を介して位相検波器17に入力される。位相検波器17では、フィードバックされた中間周波数信号33と中間周波信号27との位相比較を行い、後段のチャージポンプ回路19で位相誤差に応じた電流を生成させる。この位相誤差電流は、LPF21で電圧変換するとともに雑音成分を抑圧して位相誤差信号98としてVCO94を位相制御し、位相変調信号100を出力するものである。本実施の形態においては、位相検波器17、チャージポンプ回路19、LPF21、VCO3、PA93、ブロック114、ミクサ115、フィルタ116、レベル制御器117より位相同期ループを構成している。
一方、中間周波信号27は、振幅検疲器18にも入力される。また、PA93出力の高周波出力信号もブロック118を介して、発振器106からの発振信号とミクサ119で混合され中間周波数信号に変換され、高調波成分等を除去するフィルタ120、レベル制御器121を介して振幅検波器18に入力される。振幅検波器18では、フィードバックされた中間周波数信号33と中間周波信号27との位相比較を行い、後段のチャージポンプ回路20で振幅誤差に応じた電流を生成させる。この振幅誤差電流は、LPF22で電圧変換するとともに雑音成分を抑圧して振幅誤差信号30としてPA93を振幅変調し、高周波信号を出力するものである。本構成においては、振幅検波器18、チャージポンプ回路20、LPF22、PA93、ブロック118、ミクサ119、フィルタ120、レベル制御器121より振幅同期ループを構成している。
次に受信系について説明する。受信系ではアンテナ1で受信された受信信号は、受信帯域と送信帯域を分離するフィルタであるデュプレクサ45を介してLNA74に入力される。LNA74の出力信号はミキサ103,104に入力される。このミキサ103,104には高周波信号の他、シンセサイザ107で周波数制御される発振器106からの発振信号を90度移相器105で2分配した信号も入力される。ミキサ103,104では高周波信号を直接ベースバンド帯の信号に変換するダイレクトコンバージョンがおこなわれ、I/Qのベースバンド信号が出力される。I/Qのベースバンド信号は、それぞれ増幅器52,53で増幅、利得制御され、フィルタ50,51で不要波を除去された後、端子55,56より出力される。
本実施の形態では、受信系のダイレクトコンバージョンに用いる発振器106、シンセサイザ107および送信系の位相同期ループ、振幅同期ループ内の中間周波信号変換に用いる発振器、シンセサイザを共用している。本実施の形態の制御方式について説明する。今、受信信号周波数をf0とし、送信周波数をf1とする。受信系がダイレクトコンバージョン方式であることから、発振器106からミキサ103,104に供給される発振信号の発振周波数はf0となるようにシンセサイザ107はCPU7からの制御信号107で制御される。従って、送信系で用いるミキサ115,119にも発振周波数f0の信号が入力される。位相同期ループ、振幅同期ループにより、VCO94が送信周波数f1で発振するためには、直交変調器からの中間周波信号27の周波数をf0−f1または、f1−f0に設定すれば良い。従って、発振器111からミキサ108,109に供給される信号の周波数をf0−f1または、f1−f0となるようにシンセサイザ112はCPU7からの制御信号107で制御する。以上のように制御すると、中間周波信号27および中間周波数信号33,26の周波数はf0−f1となる。そこで、この周波数f0−f1にあわせ、フィルタ113,116,120のカットオフ周波数もCPU7からの制御信号124,125,126で制御する。
本実施の形態においては、受信周波数と送信周波数の差の周波数を送信系の中間周波数となるように送信系の直交変調器のシンセサイザを制御し、また、中間周波数にあわせて送信系の位相同期ループや振幅同期ループの高調波抑圧用のフィルタの帯域幅を制御することで、受信系のダイレクトコンバージョンに用いる発振器、シンセサイザおよび送信系の位相同期ループ、振幅同期ループ内の中間周波信号変換に用いる発振器、シンセサイザを共用することができる。
本発明の第5の実施の形態を図6を用いて説明する。図6はデジタル変調された信号を送受信する無線通信装置の送信系および受信系のブロック図を示し、4つの周波数帯域への対応を可能とするよう、4つのVCOを有するVCOブロック300、4つのPAを有するPAブロック200、4つのLNAを有するLNAブロック61を有している。
送信系はI(In−phase)/Q(Quadrature−phase)信号入力端子8,9からそれぞれI信号とQ信号が入力され、I信号はミクサ108で、Q信号はミクサ109でそれぞれを中間周波数にアップコンバートされてフィルタ113に供給される。ミクサ108、109には90度移相器110からの中間周波信号が供給される。90度移相器110には局部発振信号を供給する局部発振器111が接続され、局部発信器111にはCPU7に制御されたシンセサイザ112が接続される。ミクサ108、109からの中間周波信号はフィルタ113で高調波成分等が除去されて位相検波器17および振幅検波器18に供給される。位相検波器17に供給された信号はチャージポンプ19を介してLPF(低域通過フィルタ)21に供給される。
LPF21の出力は4つに分けられ、VCO40,41,42,94からなるVCO(Voltage Control Oscillator 電圧制御発振器)ブロック3に供給されて、VCO40,41,42,94の出力はそれぞれPA37,38,39,93からなるPA(Power Amplifier)ブロック2に供給される。一方、振幅検波器18に供給された信号はチャージポンプ20、LPF(低域通過フィルタ)22を介してPAブロック200に供給される。LPF21の出力信号は位相誤差信号98としてVCOブロック300に供給され、VCOブロック300の出力は位相変調信号100としてPAブロック200に供給される。一方、LPF22の出力は振幅誤差信号30としてPAブロック200に供給される。PAブロック200の出力はブロック114、118に供給され、PAブロック200の中でPA93の出力はブロック114、118だけでなくデュプレクサ45にも供給される。
ブロック114はPA93、37、38、39の出力が入力されて、PA出力を切り換える切り換え器、分配するカップラ、減衰器、増幅器等を含み、PA出力信号は中間周波数信号に変換するミクサ115を介してフィルタ116に供給されて、ここで高調波成分等が除去されて中間周波数信号が出力される。この中間周波数信号はレベル制御器117に供給されて中間周波数信号のレベル等が制御され中間周波数信号26として位相検波器17にフィードバックされる。ブロック118はPA93の出力101、PA37の出力65、PA38の出力66、PA39の出力67が入力されて、PA出力を切り換える切り換え器、分配するカップラ、減衰器、増幅器等を含み、PA出力信号は中間周波数信号に変換するミクサ119を介してフィルタ120に供給されて、ここで高調波成分等が除去されて中間周波数信号が出力される。この中間周波数信号はレベル制御器121に供給されて中間周波数信号のレベル等が制御され中間周波数信号33として振幅検波器18にフィードバックされる。
図5に破線で示されるように、シンセサイザ112、フィルタ113、フィルタ116、フィルタ120にはそれぞれCPU7からの制御信号122,124,126,125が供給される。デュプレクサ45にはアンテナスイッチ44を介して送受信用のアンテナ端子1が接続される。
次に受信系の構成と信号の流れを説明する。アンテナ1で受信された信号はデュプレクサ45で受信帯域と送信帯域に分離され、受信帯域の信号はデュプレクサ45の出力を増幅するLNAブロック61に供給される。LNAブロック61はLNA46,47,48,95の4つのLNAからなり、LNA46にはデュプレクサ45の信号が供給され、LNA47、LNA48、LNA95にはそれぞれアンテナスイッチ44の出力68、69、128が供給される。LNAブロック61の出力はI信号とQ信号に分けられ、I信号はミクサ103を介してベースバンド信号を増幅する増幅器52に供給され、LPF50で不要波を除去された後、I信号出力端子55から出力される。一方、Q信号はミクサ104を介してベースバンド信号を増幅する増幅器53に供給され、LPF51で不要波を除去された後、Q信号出力端子556から出力される。90度移相器105にはシンセサイザ107で周波数制御された発信器106からの発振信号が供給される。発信器106からの発振信号はミクサ115および119にも供給される。図5に破線で示されるように、シンセサイザ107およびアンテナスイッチ44にはそれぞれCPU7からの制御信号123、62が供給される。
以下、本実施の形態の動作について説明する。なお送信系の動作については、第4の実施の形態と重複するところは説明を省略する。送信系においては、発明の課題で述べた帯域GSM900、DCS1800、PCS1900、WCDMA2000に対応するため、位相同期ループ内のVCOブロック300に4つのVCO40,41,42,94を用いる。また、パワーアンプについても上記4つの帯域に対応するためPAブロック200に4つのPA37,38,39,93を用いる。例えばGSM900送信時にはCPU7からの制御信号127によりVCO42とPA39を選択し、DCS1800送信時にはVCO41とPA38を選択し、PCS1900送信時にはVCO40とPA37を選択し、WCDMA2000送信時にはVCO94とPA93を選択する。例として、WCDMA2000送信時は、PA93とVCO94を選択し、LPF21からの位相誤差信号98によりVCO94を位相制御し、PA93の高周波出力信号101は、デュプレクサ45、スイッチ44を介して送信信号としてアンテナ1より出力される。また、ブロック114,118によりPA93の高周波出力信号101が選択され、ミキサ115,119に入力される。位相同期ループ、振幅同期ループの動作については図5の実施の形態4と同一である。なお、GSM900、DCS1800、PCS1900送信時の場合はパワーアンプの出力が直接スイッチ44につながり、スイッチ44で帯域が選択された後アンテナ1より送信される。
送信系においては、GSM900、DCS1800、PCS1900で送信する場合に対し、WCDMA2000を送信する場合はチャージポンプ19,20によりループ利得を高く設定し、同時にLPF21,22により極、ゼロ点の周波数も移動させる制御を行う。送信系においては、第3図に示した第3の実施の形態の効果と同様の効果が得られる他、送信帯域に応じてVCOおよびPAを切り換えることで、送信帯域での最適な回路を使用でき、送信性能向上、低消費電力化に効果がある。
次に受信系について説明する。受信系でも送信系と同様、帯域GSM900、DCS1800、PCS1900、WCDMA2000に対応するためLNAブロック61に4つのLNA46,47,48,95を用いる。例えばGSM900受信時にはCPU7からの制御信号によりLNA95を選択し、DCS1800受信時にはLNA48を選択し、PCS1900受信時にはLNA47を選択し、WCDMA2000受信時にはLNA46を選択する。このように、受信帯域に応じてLNAを切り換えることにより受信帯域での最適な回路を使用でき、受信性能向上、低消費電力化に効果がある。
本実施の形態では、受信系のダイレクトコンバージョンに用いる発振器106、シンセサイザ107および送信系の位相同期ループ、振幅同期ループ内の中間周波信号変換に用いる発振器、シンセサイザを共用している。本実施の形態の制御方式について説明する。GSM900、DCS1800、PCS1900、で伝送される信号は送受信を時分割で行う方式であるため、発振器106およびシンセサイザ107は送受信時に発振周波数を切り換えて使用することが可能である。従って、送信系の中間周波信号27の周波数は送信帯域、送信信号周波数によらず一定でfgとすることができる。一方、WCDMA方式は送受信が同時に行われる周波数分割多重方式であるため、発振器106およびシンセサイザ107は送受信で同じ発振周波数を用いる。例えば、受信信号周波数と送信信号周波数の間に常に一定の周波数関係がある場合は、送信系の中間周波信号周波数を受信信号周波数−送信信号周波数=fwと設定することができる。
このような送受信システムの場合は、GSM900、DCS1800、PCS1900、とWCDMA2000切り換え時は、送信系の中間周波信号周波数に応じてフィルタ113,116,120の帯域幅とシンセサイザ112により制御される発振器111の発振周波数を制御信号124,125,126,122により切り換えて使用する。逆にWCDMA受信時に受信信号周波数と送信信号周波数の間に常に一定の周波数関係がない場合は図5の第4の実施の形態で述べたように受信信号周波数あるいは送信信号周波数に応じて、フィルタ113,116,120の帯域幅とシンセサイザ112により制御される発振器111の発振周波数を制御信号124,125,126,122により切り換えて使用する。
本実施の形態においては、GSM900、DCS1800、PCS1900、とWCDMA2000切り換え時は、送信系の中間周波信号周波数に応じて送信系の高調波除去用のフィルタの帯域幅と直交変調器で用いる発振器の発振周波数をCPUからの制御信号により切り換えて使用することで、単一の送信アーキテクチャで変調方式やシンボルレートの異なる信号を伝送することができる効果がある。また、WCDMA2000受信時には受信周波数と送信周波数の差の周波数を送信系の中間周波数となるように送信系の直交変調器のシンセサイザを制御し、また、中間周波数にあわせて送信系の位相同期ループや振幅同期ループの高調波抑圧用のフィルタの帯域幅を制御することで、受信系のダイレクトコンバージョンに用いる発振器、シンセサイザおよび送信系の位相同期ループ、振幅同期ループ内の中間周波信号変換に用いる発振器、シンセサイザを共用することができる。
本発明の第6の実施の形態を図7を用いて説明する。本図はデジタル変調された信号を送受信する無線通信装置の送信系および受信系のブロック図を示すものである。本実施の形態は、図6の第5の実施の形態において、VCOブロック300、PAブロック200、LNAブロック61において、それぞれ含まれるVCO、PA、LNAの数を2個としたものである。具体的には、VCOブロック300はVCO94とVCO42を有し、PAブロック200はPA93とPA39を有し、LNAブロック61はLNA46とLNA95を有する。他の部分は第5の実施の形態と同一である。そのため第5の実施の形態と重複する部分は説明を省略する。なお、VCOブロック300、PAブロック200、LNAブロック61がそれぞれ集積回路化されていてそれぞれ4つのVCO,PA、LNAを含む場合は、それぞれについて4個のうちの2個だけを用いるようにしてもよい。
本実施の形態では、DCS1800、PCS1900とWCDMA2000の帯域が比較的近いことから、送信系においてはVCO73とPA72をDCS1800、PCS1900、WCDMA2000で共通に使用し、受信系においてはLNA46をDCS1800、PCS1900、WCDMA2000で共通に使用するものである。本実施の形態においては、送信系のVCO、PAと受信系のLNAを3つの帯域で共通使用する実施の形態としているが、VCOだけ、あるいはPAだけ、あるいはLNAだけを3つの帯域で共通使用することも可能である。また、DCS1800、PCS1900、WCDMA2000の3つの帯域のうちのどれか2つの帯域において送信系のVCO、PA、受信系のLNAのいずれかを共通使用することも可能である。
本実施の形態によれば、送信系のVCO、PA、受信系のLNAを比較的周波数帯域が近いDCS1800、PCS1900、WCDMA2000で共通に使用することで、回路構成の簡略化が可能であり、IC化する場合にはICのチップ面積低減に効果がある。
また、ループ定数を切り換えた場合にループフィルタの極、ゼロ点も同時に切り換えることによりループ特性が安定となる効果がある。さらに、DCS1800,PCS1900,WCDMA2000は周波数帯域が近いことから、送信系のVCO(電圧制御発振器)、PA(パワーアンプ)および受信系のLNA(低雑音増幅器)、ダイレクトコンバージョンミクサをDCS1800,PCS1900,WCDMA2000動作時で共用化することで回路構成の簡略化およびIC化した場合のチップ面積の低減に効果がある。
送信系アーキテクチャとして送信パワーアンプ出力を位相同期ループおよび振幅同期ループにより帰還する方式を用い、位相同期ループおよび振幅同期ループのループ定数をシンボルレートに応じて切り換えることにより、送信シンボルレートが異なった変調信号の場合でも単一の送信アーキテクチャで送信することができ、回路構成の簡略化に効果がある。
また、ベースバンドブロックの通過帯域幅をシンボルレートに応じて切り換えることにより、受信シンボルレートが異なった変調信号を単一のベースバンドブロックにより受信することが可能となり、回路構成の簡略化に効果がある。
また、ベースバンドブロックの通過帯域幅をシンボルレートに応じて切り換えることにより、受信シンボルレートが異なった変調信号を単一のベースバンドブロックにより受信することが可能となり、回路構成の簡略化に効果がある。
Claims (10)
- 少なくとも2つの異なった変調方式のデジタル変調波を送受信するための送信系と受信系とを備えた無線通信装置において、上記送信系は、送信系に設けられて送信デジタル信号の位相成分と振幅成分をそれぞれ独立に帰還制御する同期ループと、前記デジタル変調波のシンボルレートに応じて位相および振幅同期ループのループ定数を切り換える制御部とを有することを特徴とする無線通信装置。
- 少なくとも2つの異なった変調方式のデジタル変調波を送受信するための送信系と受信系とを備えた無線通信装置において、上記送信系は、I/Qベースバンド信号を変調する直交変調器と、電圧制御発振器と、パワーアンプと、位相同期ループ構成ブロックと、振幅同期ループ構成ブロックと、振幅変調器と、上記デジタル変調波のシンボルレートに応じて上記位相同期ループ構成ブロックおよび上記振幅同期ループ構成ブロックのループ定数を切り換える制御部を備え、上記位相同期ループは上記電圧制御発振器、上記パワーアンプ、上記位相同期ループ構成ブロック、上記振幅変調器で構成され、上記振幅同期ループは上記パワーアンプ、上記振幅同期ループ構成ブロック、上記振幅変調器で構成されたことを特徴とする無線通信装置。
- 少なくとも2つの異なった変調方式のデジタル変調波を送受信するための送信系と受信系とを備えた無線通信装置において、上記送信系は、I/Qベースバンド信号を変調する直交変調器と、電圧制御発振器と、パワーアンプと、位相同期ループ構成ブロックと、振幅同期ループ構成ブロックと、上記デジタル変調波のシンボルレートに応じて上記位相同期ループ構成ブロックおよび上記振幅同期ループ構成ブロックのループ定数を切り換える制御部を備え、上記位相同期ループは上記電圧制御発振器、上記パワーアンプ、上記位相同期ループ構成ブロック、上記振幅変調器で構成され、上記振幅同期ループは上記パワーアンプ、上記振幅同期ループ構成ブロックで構成されたことを特徴とする無線通信装置。
- 上記位相同期ループ構成ブロックは少なくとも位相検波器、第1のチャージポンプ回路、第1の低域通過フィルタを備え、上記振幅同期ループは少なくとも振幅検波器、第2のチャージポンプ回路、第2の低域通過フィルタを備え、上記制御部は上記デジタル変調波のシンボルレートに応じて上記第1、第2のチャージポンプ回路の定数および上記第1、第2の低域通過フィルタの定数を切り換えることを特徴とする請求項2および3記載の無線通信装置。
- デジタル変調波を同時に送受信するための送信系と受信系とを備えた無線通信装置において、上記送信系は、I/Qベースバンド信号を変調して中間周波信号に変換する直交変調器と、中間周波フィルタと、直交変調用発振器と、電圧制御発振器と、パワーアンプと、位相同期ループ構成ブロックと、振幅同期ループ構成ブロックと、を備え、上記送受信周波数に応じて上記位相同期ループおよび上記振幅同期ループ内の妨害除去フィルタの帯域幅、中間周波フィルタの帯域幅、直交変調用発振器の発振周波数を切り換える制御部を有することを特徴とする無線通信装置。
- 少なくとも2つの異なった変調方式のデジタル変調波を送受信するための送信系と受信系とを備えた無線通信装置において、上記送信系は、I/Qベースバンド信号を変調して中間周波信号に変換する直交変調器と、中間周波フィルタと、直交変調用発振器と、電圧制御発振器と、パワーアンプと、位相同期ループ構成ブロックと、振幅同期ループ構成ブロックと、変調方式に応じて上記位相同期ループおよび上記振幅同期ループ内の妨害除去フィルタの帯域幅、中間周波フィルタの帯域幅、直交変調用発振器の発振周波数を切り換える制御部を有することを特徴とする無線通信装置。
- 少なくとも2つの異なった変調方式のデジタル変調波を含む、複数の異なった周波数帯域のデジタル変調波を送受信するための送信系と受信系と上記送信系および受信系を制御する制御部を備えた無線通信装置において、上記送信系は複数のVCOおよびパワーアンプを備え、上記受信系は複数のLNAを備え、上記複数のVCOおよびパワーアンプの1つ以上を少なくとも2つの周波数帯域の送信に共用化し、上記複数のLNAの1つ以上を少なくとも2つの周波数帯域の受信に共用化し、上記制御部は受信周波数帯域に応じて上記送信系のVCO、パワーアンプ、上記受信系のLNAを切り換えることを特徴とする無線通信装置。
- 少なくとも2つの異なった伝送シンボルレートのデジタル変調波は、EDGE変調波とWCDMA変調波であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の無線通信装置。
- 複数の異なった周波数帯域のデジタル変調波は、送受信帯域がほぼ900MHz帯のGSM、ほぼ1.8GHz帯のDCS、ほぼ1.9GHz帯のPCS、ほぼ2GHz帯のWCDMA変調波であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の無線通信装置。
- 上記制御部はシンボルレートが高くなると上記位相同期ループおよび上記振幅同期ループのループ定数を増加させるよう制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の無線通信装置。
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