JP5812813B2 - 回路遮断器 - Google Patents
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従来の構成は低膨張側の発熱分も高膨張側に伝わり高膨張側を加熱させることに役立っていたものの、近年の回路遮断器の高遮断容量化によりバイメタルの溶断を防止させるためバイメタルの断面積を大きくせざるを得ず、バイメタルの断面積が大きい仕様では低膨張側の発熱が高膨張側に伝わりにくくなってきた。また省エネ化による回路遮断器本体の電気抵抗低減化や材料使用量削減化の流れからも、低膨張側にヒータを配置することは問題があった。
一方、上記問題を解決するためにヒータをバイメタルの高膨張側のみに配置する構成にすると、引外し装置のバイメタル湾曲前後においてヒータをバイメタルとが分離し、ヒータの発熱がバイメタルに伝わりにくくなる問題と、ヒータ長さが低膨張側に配置されていた部分がなくなり通電距離が短くなるため、熱動引外し装置に与えられた限られたスペース内で発熱できる量が小さくなる問題も発生する。
以下この発明の実施の形態1を図1〜図7により説明する。図1の(a)は回路遮断器の完成品の斜視図、(b)は回路遮断器の完成品を構成する回路遮断器カバー部Aと回路遮断器中枢部Bと回路遮断器ベース部Cとに分解して例示する斜視図である。図2は図1(b)における回路遮断器カバー部Aを外した状態での回路遮断器中枢部Bを構成する開閉機構部200と引外し装置300と回路遮断器中枢部ベース筐体400とに分解して例示する斜視図、図3は回路遮断器のオン状態での開閉機構部の一部と直傍形熱動引き外し装置とを例示する斜視図、図4は回路遮断器のトリップ状態での開閉機構部の一部と直傍形熱動引外し装置とを例示する斜視図である。図5は図3及び図4に例示の直傍形熱動引き外し装置の要部拡大図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。図6は図5に例示する直傍形熱動引き外し装置の絶縁シートを展開した状態で例示する図であり、(a)は側面図、(b)は正面図である。図7は図5及び図6に例示する直傍形熱動引き外し装置への組み込み前の絶縁シートを示す展開図である。
図5に示すように、この直傍形熱動引外し装置300の熱動部は、過負荷電流により湾曲しトリップバー60を駆動するバイメタル50と、このバイメタル50に沿って設けられ、通電電流によりバイメタル50を加熱するヒータ10と、ヒータ10とバイメタル50の間に設けられ、ヒータ10とバイメタル50とを絶縁するための絶縁シート1と、バイメタル50に接続され、バイメタル50を中間基板102に固定するバイメタル端子55と、可撓銅撚り線3の各部品から構成されている。
けないように固定される。
前記バイメタル50の高膨張側50Hが前記バイメタル50の低膨張側50Lと前記ヒータ10との間に位置している。
前記ヒータ10は、その前記一端10Aからその前記他端10Bに亘って連続したジグザグ形状に形成されている。
前記ジグザグ形状のヒータ10の、前記幅方向10DWの線幅Wwと前記延在方向10DEの線幅Weとがほぼ同一である。
絶縁シート1の熱伝導率が、前記ヒータ10の熱伝導率及び前記バイメタル50の熱伝導率の何れよりも小さい。
前記ヒータ10が前記絶縁シート1によって前記バイメタル50に固定されている。
バイメタル50が通電電流によって加熱され湾曲することで開閉機構部200のトリップバー60を駆動し引き外すが、ヒータ10はバイメタル50の高膨張側50Hにのみ配置されているので低膨張側50Lが膨張せず、限られた既存スペース範囲内で同じ通電電流でもより湾曲を大きくすることができるとともに、ヒータ10の材料使用量を削減することができる。また、バイメタル50とヒータ10が分離しないように絶縁シート1で巻回されているためヒータ10の熱をバイメタル50に効率的に伝えることができる。さらに、絶縁シート1同士を係合させて固定しているので、別途、固定具等を必要としない。
なお、各図中、同一符合は同一または相当部分を示す。
1A 絶縁シートの一端、 1B 絶縁シートの他端、
1C 絶縁シートの中間部、 2 可動鉄心、 3 可撓銅撚り線、
6 負荷側端子、 55 バイメタル端子、 8 固定接点、
10 ヒータ、 10A ヒータの一端、
10B ヒータの他端、 10DE ヒータの延在方向、
10DW ヒータの延在方向と直角を成す幅方向、
10WM ヒータの最大幅長、11 可動接点、
18 コイル、 40 基板筺体、 50 バイメタル、
50A バイメタルの一端、 50B バイメタルの他端、
50L バイメタルの低膨張側、 50H バイメタルの高膨張側、
50WM バイメタルの最大幅長、 60 トリップバー、
100 回路遮断器、 101 基板、 102 中間基板、
111 カバー、 200 開閉機構部、 300 引き外し装置、
300A 熱動引き外し装置、300B 電磁引き外し装置。
Claims (12)
- 負荷電流が流れるヒータとバイメタルとによって構成された熱動引外し装置を備え前記負荷電流が過電流状態となれば前記バイメタルの湾曲によって開閉機構部が駆動されることにより可動接点が固定接点から開離される回路遮断器において、
前記ヒータと前記バイメタルとを絶縁する絶縁シートが、前記ヒータと前記バイメタルとに跨って巻回され前記ヒータのその周囲の雰囲気への放熱と前記バイメタルのその周囲の雰囲気への放熱とを抑制するように前記ヒータと前記バイメタルとを覆っている
ことを特徴とする回路遮断器。 - 請求項1に記載の回路遮断器において、
前記ヒータはその一端が可撓銅撚り線を介して負荷側端子に接続されその他端が前記バイメタルの一端に接続され、
前記バイメタルの他端は前記固定接点に接続され、
前記負荷電流は、前記固定接点から前記バイメタルの他端へ、前記バイメタルの他端から前記バイメタルを通って前記バイメタルの一端へ、前記バイメタルの一端から前記ヒータの他端へ、前記ヒータの他端から前記ヒータを通って前記ヒータの一端へ、前記ヒータの一端から前記可撓銅撚り線を通って前記負荷側端子へと流れ、
前記ヒータが前記負荷側端子と前記バイメタルとの間に位置して配設されている
ことを特徴とする回路遮断器。 - 請求項2に記載の回路遮断器において、
前記バイメタルの高膨張側が前記バイメタルの低膨張側と前記ヒータとの間に位置している
ことを特徴とする回路遮断器。 - 請求項1に記載の回路遮断器において、
前記負荷電流が短絡電流状態となれば動作し前記駆動に応動して可動接点を固定接点から開離させる電磁引外し装置を備え、
前記電磁引外し装置が前記開閉機構部の下側に隣接して配設されると共に、前記可動接点及び前記固定接点と前記熱動引外し装置との間に位置して配設され、
前記熱動引外し装置の前記バイメタルの低膨張側が前記ヒータより前記電磁引外し装置側に位置し、前記バイメタルの高膨張側が前記バイメタルの低膨張側と前記ヒータとの間に位置している
ことを特徴とする回路遮断器。 - 請求項1〜請求項4の何れか一に記載の回路遮断器において、
絶縁シートが一シートからなり、その一端が前記ヒータと前記バイメタルとの間に介在して前記ヒータと前記バイメタルとを絶縁し、その他端が前記ヒータと前記バイメタルとに跨って巻回され前記ヒータのその周囲の雰囲気への放熱と前記バイメタルのその周囲の雰囲気への放熱とを抑制する
ことを特徴とする回路遮断器。 - 請求項5に記載の回路遮断器において、前記絶縁シートの前記他端に凸部が形成されると共に、前記絶縁シートの前記一端と前記他端との中間部に切り込みが設けられ、前記凸部が前記切り込みに差し込まれており、この指し込みによって、前記ヒータと前記バイメタルとに跨って巻回された前記絶縁シートの前記他端が前記絶縁シートの中間部に留められている
ことを特徴とする回路遮断器。 - 請求項5に記載の回路遮断器において、
前記ヒータは、前記バイメタルの一端から前記バイメタルの他端に亘って延在し、
前記ヒータは、前記延在の方向及び当該延在の方向と直角を成す幅方向の何れの方向にも前記バイメタルからはみ出さないように配設されている
ことを特徴とする回路遮断器。 - 請求項7に記載の回路遮断器において、
前記ヒータは、その前記一端からその前記他端に亘って連続したジグザグ形状に形成されている
ことを特徴とする回路遮断器。 - 請求項8に記載の回路遮断器において、
前記ヒータの前記幅方向の、前記ヒータの最大幅長が前記バイメタルの最大幅長以下である
ことを特徴とする回路遮断器。 - 請求項9に記載の回路遮断器において、
前記ジグザグ形状のヒータの、前記幅方向の線幅と前記延在の方向の線幅とがほぼ同一である
ことを特徴とする回路遮断器。 - 請求項5に記載の回路遮断器において、
絶縁シートの熱伝導率が、前記ヒータの熱伝導率及び前記バイメタルの熱伝導率の何れよりも小さい
ことを特徴とする回路遮断器。 - 請求項5に記載の回路遮断器において、
前記ヒータが前記絶縁シートによって前記バイメタルに固定されている
ことを特徴とする回路遮断器。
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