JP5812640B2 - ペット用使い捨ておむつ - Google Patents

Description

本発明は、ペット用使い捨ておむつに関するものである。

最近では、犬や猫等における使用を前提としたペット用使い捨ておむつが提案されている。例えば特許文献１に記載のものは、背中を覆うための背側部分と、腹部から股間をとおり尻尾の付根近傍までを覆うための本体部分とを備えており、本体部分の両側部から突出するファスニングテープを、背側部分の外面に設けられたターゲットテープに着脱可能に係止することで装着を行う止着式のものである。本体部分は、機能的に見て、尻尾の付根より下側における肛門及びその下側近傍を覆うための臀部被覆部分と、この臀部被覆部分より前側の腹部を覆うための腹側部分とに分けることができる。

ペット用使い捨ておむつにおいて特徴的な部分の一つは、尻尾付根対向部位に形成された表裏に貫通する尻尾通し部である。装着に際しては、必要に応じてこの尻尾通し部に尻尾を通して装着を行う。従来、尻尾通し部としては、予め所定位置に所定寸法の尻尾通し孔が開口されている開口タイプ（特許文献１、２参照）の他、ミシン目を切り離すことにより位置、寸法を変化可能であるミシン目タイプ（特許文献３参照）、及び予め尻尾付根対向部位から背側部分の前端までにわたるスリットが形成され、装着に際してスリットの両側の部分を尻尾の両脇を通して尻尾の前方に持ち込み、尻尾の前側で交差させてファスニングテープを固定する（クロス止め）スリットタイプ（特許文献４、５参照）が提案されている。

特開２００４−１５９５９１号公報 特許３７７３６２２号公報 特開平１０−７５６７９号公報 特開２００９−２７３４０７号公報 特許４２０１７９８号公報

しかしながら、従来の尻尾通し部は、ミシン目タイプのように寸法を変更可能なものであっても、個々のペットの尻尾の太さに完全にフィットできるものではなく、設計よりも尻尾の細い犬の場合、尻尾通し部と尻尾の付根における肛門側の縁との間に隙間を生じ、この隙間から排泄物が漏れる可能性がある。

この問題点を解決するものとして、特許文献１には、おむつとは別体の巻付け部材を尻尾通し孔の周縁部に巻き付け、尻尾通し孔の周縁部を絞って尻尾外周に密着させるものが提案されているが、別体の巻き付け部材が必要になるだけでなく、巻き付け部材が別体であるため、位置がずれやすい等、巻き付け作業が困難であるという問題点が残されている。

そこで、本発明の主たる課題は、別体の部材を要せずに、尻尾通し部と尻尾の付根における肛門側の縁との間に隙間を生じ難くし、もって尻尾通し部からの排泄物の漏れを防止することにある。

上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
＜請求項１記載の発明＞
尻尾の付根における肛門側の縁から股間をとおり腹部までを覆うように縦方向一方側に延在する本体部分と、
この本体部分から縦方向他方側に延在する巻付け部分形成領域とを備え、
この巻付け部分形成領域は、前記本体部分から連続する付根部と、この付根部から幅方向少なくとも一方側に延在するフラップ部と、当該巻付け部分を任意直径の筒状態で固定するための連結手段と、前記付け根部を切り残しつつ当該巻付け部分形成領域を切り離して、前記本体部分から縦方向他方側に延在する巻付け部分を形成するための巻付け部分形成用ミシン目とを有し、
この巻付け部分形成用ミシン目を切り離して形成される巻付け部分の付根部を前記尻尾の付根における肛門側の縁に合わせ、前記フラップ部を尻尾に巻き付けた状態で前記連結手段により連結するように構成した、
ことを特徴とするペット用使い捨ておむつ。

（作用効果）
本発明においては、尻尾の付根における肛門側の縁から股間をとおり腹部までを覆うように縦方向一方側に延在する本体部分から縦方向他方側に延在する部分、つまり使い捨ておむつの一部として巻付け部分を設け、巻付け部分の付根部を尻尾の付根における肛門側に合わせ、フラップ部を尻尾に巻き付けた状態で連結手段により連結するように構成したことにより、肛門及びその周囲を被覆する部分が、そこから連続する巻付け部分を介して尻尾により支持され、ずり落ち難くなる。よって、別体の部材を要せずに、尻尾通し部と尻尾の付根における肛門側の縁との間に隙間を生じ難くすることができ、もって尻尾通し部からの排泄物の漏れを防止することができるようになる。

＜請求項２記載の発明＞
尻尾の付根における肛門側の縁から背中側を覆うように縦方向他方側に延在する背側部分と、前記本体部分の両側部に設けられた、前記背側部分に対する係止部とを備え、
本体部分の両側部の係止部を、背側部分の外面に係止することで装着を行うように構成した、ペット用止着式使い捨ておむつであって、
前記背側部分は、尻尾の付根と対向する部分を含みかつその幅方向少なくとも一方側に側縁までは達しない程度に延在する帯状の巻付け部分形成領域を有するとともに、この巻付け部分形成領域の周縁のうち前記尻尾の付根における肛門側の縁と対向する切り残し部を除いて巻付け部分形成用ミシン目を形成し、
この巻付け部分形成用ミシン目を切り離すことにより、尻尾通し部とともにその縁から連続する前記巻付け部分を形成するように構成した、
請求項１記載のペット用使い捨ておむつ。

（作用効果）
このように、背側部分に巻付け部分形成用ミシン目を設けることにより、本体部分及び背側部分を有する一般的な構造の止着式使い捨ておむつを、必要に応じて尻尾通し部及び巻付け部分を形成可能なものとすることができる。しかも、所定のパターンでミシン目を入れただけの簡素な構造であり、製造も極めて容易である。

＜請求項３記載の発明＞
前記巻付け部分形成用ミシン目から縦方向他方側の縁まで幅方向中央線に沿って延在するスリット形成用ミシン目を設けた、請求項２記載のペット用使い捨ておむつ。

（作用効果）
このようなスリット形成用ミシン目を設けると、使用者が必要に応じてスリット形成用ミシン目を全て切り離すことにより、背側部分を左右両側に分割するスリットを形成することができ、装着に際してスリットの両側の部分を尻尾の両脇を通して尻尾の前方に持ち込み、尻尾の前側で交差させて腹側部分の左側の係止部を背側部分の右側に、及び腹側部分の右側の係止部を背側部分の左側に固定する（クロス止め）ことができるようになり、従来の尻尾通し孔への尻尾の通し難さを改善することができるようになる。また、多種多様なペットの種類、寸法に対応できるものとなる。

＜請求項４記載の発明＞
前記巻付け部分が幅方向に弾性伸縮するように構成した、請求項１〜３のいずれか１項に記載のペット用使い捨ておむつ。

（作用効果）
これにより、巻付け部分を尻尾に巻付けて筒状にしたとき、当該筒状の巻付け部分が尻尾を弾力的に締め付けてフィットするため、尻尾の毛が多くても巻付け部分がずれ難い等、多種多様なペットの種類、寸法に対応できるものとなる。

＜請求項５記載の発明＞
前記巻付け部分における前記縦方向一方側の縁が、幅方向外側に向かうにつれて前記縦方向他方側に向かう形状に形成されている、請求項１〜４のいずれか１項に記載のペット用使い捨ておむつ。

（作用効果）
本発明の巻付け部分の形状は適宜設計すれば良く、例えば矩形状にすると製造容易性やトリム（端材）を発生させない観点からは好ましいが、尻尾の背中側への動きを阻害するおそれがある、あるいは尻尾の付根近傍において巻付け部分に不要な皺が寄るおそれがある。これに対して、本項記載のような形状をなしていると、尻尾の動きが阻害され難く、また不要な皺も寄りにくくなる。

＜請求項６記載の発明＞
前記巻付け部分の付け根部の前記縦方向一方側近傍に、表面から突出する尻尾通し部漏れ防止立体ギャザーを幅方向に沿って延在させた、請求項１〜５のいずれか１項に記載のペット用使い捨ておむつ。

（作用効果）
このような尻尾通し部漏れ防止立体ギャザーを設けることにより、尻尾通し部の隙間からの漏れを効果的に防止することができる。

以上のとおり、本発明によれば、別体の部材を要せずに、尻尾通し部と尻尾の付根における肛門側の縁との間に隙間を生じ難くし、もって尻尾通し部からの排泄物の漏れを防止できるようになる、等の利点がもたらされる。

ペット用使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 ペット用使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図１の６−６線断面図である。 図１の７−７線断面図である。 図１の８−８線断面図である。 図１の９−９線断面図である。 ペットへの装着状態を示す概略図である。 ペットへの装着状態を示す概略図である。 巻付け部分の固定状態を示す、平面図である。 ペットへの装着状態を示す概略図である。 他のペット用使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 他のペット用使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 ペットへの装着状態を示す概略図である。

以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。なお、「縦方向（前後方向）」とは展開状態において腹側（前側）と背側（後側）を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは縦方向（前後方向）と直交する方向（左右方向）を意味する。また、用語「伸長率」は自然長を１００％としたときの値を意味する。

図１〜図６はペット用使い捨ておむつの一例を示している。図３及び図４は、図１における６−６線断面及び７−７線断面をそれぞれ示した図であり、図５は、図１における８−８線断面を示した図である。このペット用使い捨ておむつは、尻尾の付根における肛門側の縁から股間をとおり腹部までを覆うように縦方向一方側に延在する本体部分１０と、尻尾の付根における肛門側の縁から背中側を覆うように縦方向他方側に延在する背側部分Ｂと、本体部分１０の両側部に設けられた、背側部分Ｂに対する係止部としてのファスニングテープ１３とを備えている。本体部分１０は、尻尾の付根より下側における肛門及びその下側近傍を覆うための臀部被覆部分Ｍと、この臀部被覆部分Ｍより前側の腹部を覆うための腹側部分Ｆとに分けることができる。

また、この使い捨ておむつは、身体側表面を形成する透液性表面シート３０と、外面側に位置する液不透過性シート１１との間に吸収要素５０が介在する吸収保持部分と、その前後両側及び左右両側にそれぞれ延出する部分であって、且つ吸収要素５０を有しない部分であるエンドフラップ部ＥＦ及びサイドフラップ部ＳＦとを有しており、本例では、本体部分１０内に吸収保持部分が設けられ、背側部分Ｂには設けられていない。

積層構造としては、使い捨ておむつの外面全体が外装シート１２により形成されており、吸収要素５０を有する吸収保持部分においては、外装シート１２の内面側に液不透過性シート１１がホットメルト接着剤等の接着剤により固定され、さらにこの液不透過性シート１１の内面側に吸収要素５０、中間シート４０、および表面シート３０がこの順に積層されている。表面シート３０および液不透過性シート１１は図示例では長方形であり、吸収要素５０よりも縦方向および幅方向において若干大きい寸法を有しており、表面シート３０における吸収要素５０の側縁より食み出る周縁部と、液不透過性シート１１における吸収要素５０の側縁より食み出る周縁部とがホットメルト接着剤などにより固着されている。また液不透過性シート１１は透湿性のポリエチレンフィルム等からなり、表面シート３０よりも若干幅広に形成されている。

さらに、この吸収性本体部１０の両側には、ペットの肌側に突出（起立）する側部立体ギャザー６０，６０が設けられており、この側部立体ギャザー６０，６０を形成するギャザーシート６２，６２が、表面シート３０の両側部上からサイドフラップ部ＳＦの内面全体にわたり延在されている。

以下、各部の素材および特徴部分について順に説明する。
（外装シート）
外装シート１２は吸収要素５０を支持し、ペットに装着するための部分である。外装シート１２は、両側部の縦方向中間部が括れた砂時計形状とされており、ここがペットの脚周りに沿う部位となる。
外装シート１２としては不織布が好適であるが、これに限定されない。不織布の種類は特に限定されず、素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができ、加工法としてはスパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法等を用いることができる。ただし、肌触り及び強度を両立できる点でスパンボンド不織布やＳＭＳ不織布、ＳＭＭＳ不織布等の長繊維不織布が好適である。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布１２相互をホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。不織布を用いる場合、その繊維目付けは１０〜５０ｇ／ｍ²、特に１５〜３０ｇ／ｍ²のものが望ましい。

（液不透過性シート）
液不透過性シート１１の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に液不透過性を確保した不織布（この場合は、防水フィルムと不織布とで液不透過性シートが構成される。）などを例示することができる。もちろん、このほかにも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この液不透過性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。さらに、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート１１として用いることができる。

（表面シート）
表面シート３０は液透過性を有するものであれば足り、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを用いることができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、表面シート３０は、１枚のシートからなるものであっても、２枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、表面シート３０は、平面方向に関して、１枚のシートからなるものであっても、２枚以上のシートからなるものであってもよい。

（中間シート）
表面シート３０を透過した排泄物を吸収体へ移動させ、逆戻りを防ぐために、表面シート３０と吸収要素５０との間に中間シート（セカンドシートもいわれる）４０を設けることができる。この中間シート４０は、排泄物を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した排泄物の吸収体からの逆戻りを防止し、表面シート３０表面を肌触りを良くするものである。中間シート４０は省略することもできる。
中間シート４０としては、表面シート３０と同様の素材を用いることができる。中間シート４０は表面シート３０に接合するのが好ましく、その接合にヒートエンボスや超音波溶着を用いる場合は、中間シート４０の素材は表面シート３０と同程度の融点をもつものが好ましい。また、表面シート３０に有孔シートを用いる場合において、便中の固形分を透過させることを考慮するならば中間シート４０に用いる繊維の繊度は５．０〜７．０ｄｔｅｘであるのが好ましいが、表面シート３０における液残りが多くなる。これに対して、中間シート４０に用いる繊維の繊度が１．０〜２．０ｄｔｅｘであると、表面シート３０の液残りは発生し難いが、便の固形分が透過し難くなる。よって、中間シート４０に用いる不織布の繊維は繊度が２．０〜５．０ｄｔｅｘ程度とするのが好ましい。
図示の形態の中間シート４０は、吸収要素５０の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート４０の長手方向長さは、おむつの全長と同一でもよいし、吸収要素５０の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。

（側部立体ギャザー）
表面シート３０上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を阻止し、横漏れを防止するために、製品の両側に、使用面側に突出（起立）する側部立体ギャザー６０、６０を設けるのは好ましい。
この側部立体ギャザー６０は、実質的に幅方向に連続するギャザーシート６２と、このギャザーシート６２に縦方向に沿って伸張状態で固定された細長状弾性伸縮部材６３とにより構成されている。このギャザーシート６２としては撥水性不織布を用いることができ、また弾性伸縮部材６３としては糸ゴム等を用いることができる。弾性伸縮部材は、図１及び図２に示すように各複数本設ける他、各１本設けることができる。
ギャザーシート６２の内面は、表面シート３０の側部上に幅方向の固着始端を有し、この固着始端から幅方向外側の部分は、液不透過性シート１１の側部およびその幅方向外側に位置する外装シート１２の側部にホットメルト接着剤などにより固着されている。
脚周りにおいては、側部立体ギャザー６０の固着始端より幅方向内側は、製品縦方向両端部では表面シート３０上に固定されているものの、その間の部分は非固定の自由部分であり、この自由部分が糸ゴム６３の収縮力により起立するようになる。おむつの、装着時には、おむつが舟形に体に装着されるので、そして糸ゴム６３の収縮力が作用するので、糸ゴム６３の収縮力により側部立体ギャザー６０が起立して脚周りに密着する。その結果、脚周りからのいわゆる横漏れが防止される。
図示形態と異なり、ギャザーシート６２の幅方向内側の部分における縦方向両端部を、幅方向外側の部分から幅方向内側に延在する基端側部分とこの基端側部分の幅方向中央側の端縁から身体側に折り返され幅方向外側に延在する先端側部分とを有する二つ折り状態で固定し、その間の部分を非固定の自由部分とすることもできる。

（側縁部弾性伸縮部材）
各サイドフラップ部ＳＦに側縁部弾性伸縮部材６４が縦方向に沿って伸長された状態で固定されている。より詳細には、ギャザーシート６２の固着部分のうち固着始端近傍の幅方向外側において、ギャザーシート６２と外装シート１２とが対向する部分のシート間に、側縁部弾性伸縮部材６４としての細長状弾性伸縮部材が縦方向に沿って、かつ幅方向に間隔を空けて複数本挟持されている。

（吸収要素）
吸収要素５０は、尿や軟便などの液を吸収保持する部分である。吸収要素５０は、吸収体５６と、この吸収体５６の少なくとも裏面及び側面を包む包装シート５８とを有している。包装シート５８は省略することもできる。吸収要素５０は、その裏面においてホットメルト接着剤等の接着剤を介して液不透過性シート１１の内面に接着することができる。

（吸収体）
吸収体５６は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ（繊維束）を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば１００〜３００ｇ／ｍ²程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば３０〜１２０ｇ／ｍ²程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、１〜１６ｄｔｅｘ、好ましくは１〜１０ｄｔｅｘ、さらに好ましくは１〜５ｄｔｅｘである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、１インチ当たり５〜７５個、好ましくは１０〜５０個、さらに好ましくは１５〜５０個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。なお、図中の符号５６Ｗ及び５６Ｌは、吸収体の縦方向長さ及び幅をそれぞれ示している。

（高吸収性ポリマー粒子）
吸収体５６は、高吸収性ポリマー粒子を含むのが好ましく、特に、少なくとも液受け入れ領域において、繊維の集合体に対して高吸収性ポリマー粒子（ＳＡＰ粒子）が実質的に厚み方向全体に分散されているものが望ましい。
吸収体５６の上部、下部、及び中間部にＳＡＰ粒子が無い、あるいはあってもごく僅かである場合には、「厚み方向全体に分散されている」とは言えない。したがって、「厚み方向全体に分散されている」とは、繊維の集合体に対し、厚み方向全体に「均一に」分散されている形態のほか、上部、下部及び又は中間部に「偏在している」が、依然として上部、下部及び中間部の各部分に分散している形態も含まれる。また、一部のＳＡＰ粒子が繊維の集合体中に侵入しないでその表面に残存している形態や、一部のＳＡＰ粒子が繊維の集合体を通り抜けて包装シート５８上にある形態も排除されるものではない。
高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、１０００μｍ以下、特に１５０〜４００μｍのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が４０ｇ／ｇ以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸（塩）グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸（塩）重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が４０秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が４０秒を超えると、吸収体５６内に供給された液が吸収体５６外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体５６の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、５０〜３５０ｇ／ｍ²とすることができる。ポリマーの目付け量が５０ｇ／ｍ²未満では、吸収量を確保し難くなる。３５０ｇ／ｍ²を超えると、効果が飽和するばかりでなく、高吸収性ポリマー粒子の過剰によりジャリジャリした違和感を与えるようになる。

（包装シート）
包装シート５８を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のＳＭＭＳ（スパンボンド／メルトブローン／メルトブローン／スパンボンド）不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン／ポリプロピレンなどを使用できる。繊維目付けは、５〜４０ｇ／ｍ²、特に１０〜３０ｇ／ｍ²のものが望ましい。
この包装シート５８は、図３に示すように、吸収体５６の全体を包む形態のほか、その層の裏面及び側面のみを包装するものでもよい。また図示しないが、吸収体５６の上面及び側面のみをクレープ紙や不織布で覆い、下面をポリエチレンなどの液不透過性シートで覆う形態、吸収体５６の上面をクレープ紙や不織布で覆い、側面及び下面をポリエチレンなどの液不透過性シートで覆う形態などでもよい（これらの各素材が包装シートの構成要素となる）。必要ならば、吸収体５６を、上下２層のシートで挟む形態や下面のみに配置する形態でもよいが、高吸収性ポリマー粒子の移動を防止でき難いので望ましい形態ではない。

（ファスニングテープ）
図１及び図２に示されるように、ファスニングテープ１３は、不織布、プラスチックフィルム、ポリラミ不織布、紙やこれらの複合素材からなるシート基材１３Ｃの基部がおむつに取り付けられており、おむつから突出する先端側部分に腹側に対する係止部として、メカニカルファスナーのフック材１３Ａが設けられている。フック材１３Ａはシート基材１３Ｃに接着剤により剥離不能に接合されている。

通常の場合、ファスニングテープ１３の取り付け部分の寸法のうち、おむつの幅方向の長さは１０〜５０ｍｍ、特に２０〜４０ｍｍであるのが好ましく、縦方向長さは、２０〜１００ｍｍ、特に４０〜８０ｍｍであるのが好ましい。また、ファスニングテープ１３の先端側部分の寸法のうち、おむつの幅方向の長さは３０〜８０ｍｍ、特に４０〜６０ｍｍであるのが好ましく、縦方向の長さ（高さ）は２０〜７０ｍｍ、特に２５〜５０ｍｍであるのが好ましい。なお、ファスニングテープ１３の一部または全部が例えば略テーパ形状をなし、縦方向長さや幅方向長さが一定でない場合は、上記数値範囲は平均値にて定める。ファスニングテープ１３の形状は、矩形形状などの左右対称形状でもよいが、幅広の取り付け部分と細長状の先端側部分からなる凸型形状であると、先端側部分の摘み部が摘みやすく、かつ左右の基部間の張力が広範囲に作用するため、好ましい。フック材１３Ａは、その外面側に多数の係合突起を有する。係合突起の形状としては、（Ａ）レ字状、（Ｂ）Ｊ字状、（Ｃ）マッシュルーム状、（Ｄ）Ｔ字状、（Ｅ）ダブルＪ字状（Ｊ字状のものを背合わせに結合した形状のもの）等が存在するが、いずれの形状であっても良い。フック材１３Ａに代えて、ファスニングテープ１３の係止部として粘着材層を設けることもできる。

おむつの装着に際しては、図７に示すように、腹側部分Ｆのサイドフラップ部ＳＦを背側部分Ｂのサイドフラップ部ＳＦの外側に重ねた状態で、ファスニングテープ１３を背側部分Ｂ外面の適所に係止する。ファスニングテープ１３の係止箇所の位置及び寸法は任意に定めることができる。通常の場合、係止箇所は、縦方向２０〜８０ｍｍ、幅方向１５０〜３００ｍｍの矩形範囲とし、その上端縁と腹側上縁との高さ方向離間距離を０〜６０ｍｍ、特に２０〜５０ｍｍとし、かつ製品の幅方向中央とするのが好ましい。

ファスニングテープ１３は、その取付部分が吸収要素５０の腹側端縁と縦方向において重なるように取り付けられていると、おむつ装着時に左右のファスニングテープ１３の取り付け部分間に働く張力により、吸収要素５０の腹側端部がしっかりと体に押し当てられるため、好ましい。また、ファスニングテープ１３の取り付け部分が、おむつの腹側端部（後端部）と離れすぎていると、おむつ装着時に左右のファスニングテープ１３の取り付け部分間に働く張力がおむつの腹側端部にまで及ばないため、おむつの腹側端部と身体表面との間に隙間が生じやすい。従って、腹側部分ＦにおけるエンドフラップＥＦの縦方向長さは、ファスニングテープ１３の基部の縦方向長さと同じか又は短いことが好ましい。この観点から、腹側部分ＦにおけるエンドフラップＥＦの縦方向長さは、おむつ全長Ｌの５〜２０％程度とするのが好ましく、特に１０〜６０ｍｍ、特に２０〜５０ｍｍとするのが適当である。

（ターゲットシート）
背側部分Ｂにおけるファスニングテープ１３の係止箇所には、係止を容易にするためのターゲット有するターゲットシート１２Ｔを設けるのが好ましい。ターゲットシート１２Ｔは、係止部がフック材１３Ａの場合、フック材の係合突起が絡まるようなループ糸がプラスチックフィルムや不織布からなるシート基材の表面に多数設けられたものを用いることができ、また粘着材層の場合には粘着性に富むような表面が平滑なプラスチックフィルムからなるシート基材の表面に剥離処理を施したものを用いることができる。
また、背側部分Ｂにおけるファスニングテープ１３の係止箇所が不織布からなる場合、例えば図示形態の外装シート１２が不織布からなる場合であって、ファスニングテープ１３の係止部がフック材１３Ａの場合には、ターゲットシート１２Ｔを省略し、フック材１３Ａを外装シート１２の不織布に絡ませて係止することもできる。この場合、ターゲットシート１２Ｔを外装シート１２と液不透過性シート１１との間に設けてもよい。

（巻付け部分及び尻尾通し部）
特徴的には、背側部分Ｂにおける本体部分１０側の端部に、尻尾１００の付根と対向する部分を含みかつその幅方向両側に両側縁には達しない程度に延在する帯状の巻付け部分形成領域７０が設けられるとともに、この巻付け部分形成領域７０の周縁のうち、尻尾１００の付根における肛門側の縁と対向する切り残し部（幅方向中央部）７１を除いて巻付け部分形成用ミシン目７２が形成されている。使用の際、必要に応じて図７に示すように、巻付け部分形成用ミシン目７２を切り離すことにより、尻尾通し部８１とともにその縁から連続する巻付け部分８０が形成される。さらに、本例では、巻付け部分形成用ミシン目７２から縦方向他方側の縁まで幅方向中央線に沿って延在するスリット形成用ミシン目７３も設けられており、使用の際、必要に応じて図８に示すように、スリット形成用ミシン目７３を全て切り離すことにより、背側部分Ｂを左右両側に分割することができる。

また、巻き付け部分形成領域７０の幅方向一端部には、他端部との連結のための連結手段７４が設けられている。この連結手段７４としては、粘着剤層やメカニカルファスナー（面ファスナー）のフックシート（オス材ともいう。）を好適に用いることができる。後者の場合において、巻き付け部分形成領域７０の他端部には、メカニカルファスナーのループシート（表面に多数のループが設けられたシート。メス材ともいう。）を貼りつけてもよいが、表面が不織布のようにメカニカルファスナーのフックシート（雄材）と係合可能な素材で形成されているときにはその素材に対して係合させることができる。この連結手段７４は、おむつ外面に設けるのが好ましいが、内面に設けることもできる。

そして使用の際には、図７に示すように、使用者が必要に応じて巻付け部分形成用ミシン目７２を切り離して尻尾通し部８１及び巻付け部分８０を形成し、この巻付け部分８０の付根部８２を尻尾１００の付根における肛門側の縁に合わせ、図８に示すように、巻付け部分８０の付け根部８２の幅方向両側に延在するフラップ部８３を尻尾１００に巻き付けた状態で、連結手段７４の連結により巻付け部分８０を任意直径の筒状態で固定する。これにより、肛門及びその周囲を被覆する部分が、そこから連続する巻付け部分８０を介して尻尾１００により支持され、ずり落ち難くなる。よって、別体の部材を要せずに、所定のパターンでミシン目を入れただけの簡素かつ製造容易な構造で、必要に応じて尻尾通し部８１及び巻付け部分８０を形成可能なものとすることができるとともに、尻尾通し部８１と尻尾１００の付根における肛門側の縁との間に隙間を生じ難くすることができ、もって尻尾通し部８１からの排泄物の漏れを防止することができるようになる。

連結手段７４による連結部分は、図９（ａ）に示すように両フラップ部８３を対向的に重ねて連結する他、図９（ｂ）に示すように合掌状に重ねあわせて連結することもできる。いずれにせよ、巻付け部分８０からなる筒状部を尻尾１００に合わせた直径とすることができる。

また、図１０に示すように、装着に際してスリット形成用ミシン目７３を全て切り離すことにより、背側部分Ｂを左右両側に分割し、スリットの両側の部分を尻尾１００の両脇を通して尻尾１００の前方に持ち込み、尻尾１００の前側で交差させて腹側部分Ｆの左側のファスニングテープ１３を背側部分Ｂの右側に、及び腹側部分Ｆの右側のファスニングテープ１３を背側部分の左側に固定する（クロス止め）こともでき、この場合、従来の尻尾通し孔への尻尾１００の通し難さが改善されるだけでなく、多種多様なペットの種類、寸法に対応できるようになる利点ももたらされる。

巻付け部分８０の形状は適宜設計すれば良く、例えば矩形状にすると製造容易性やトリム（端材）を発生させない観点からは好ましいが、尻尾１００の背中側への動きを阻害するおそれがある、あるいは尻尾１００の付根近傍において巻付け部分８０に不要な皺が寄るおそれがある。そこで、図１１に示すように、巻付け部分８０（図１１ではミシン目７２を切り離す前であるため巻き付け部分形成領域７０がこれに相当。符号８０は図７参照。）における縦方向一方側（腹側）の縁７５が、幅方向外側に向かうにつれて縦方向他方側に向かう形状に形成されている形態も提案される。縦方向他方側（背側）の縁７６も同様の形状とするのが好ましい。このような形状をなしていると、尻尾１００の動きが阻害され難く、また不要な皺も寄りにくくなる。

巻付け部分８０の寸法は適宜設計することができるが、通常の場合、縦方向長さはおむつ全長Ｌの３〜４０％程度とするのが好ましく、幅はおむつ全幅Ｘの３０〜７５％程度とするのが好ましい。幅方向中央に位置する付け根部８２及びその両側に対称的に延在するフラップ部８３の寸法も適宜定めることができるが、付け根部８２の幅はおむつ全幅Ｘの５〜５０％程度とするのが好ましく、フラップ部８３の幅（片方）はおむつ全幅Ｘの３〜４０％程度とするのが好ましい。

図７に示す装着状態、並びに後述する図１２及び図１３に示す例では、本体部分１０の尻尾１００側に開放部分が形成されるため、この部分から排泄物が漏れるおそれがある。そこで、図１及び図６に示すように、巻付け部分８０の付け根部８２（図１及び図６ではミシン目７２を切り離す前であるため巻き付け部分形成領域７０が巻付け部分８０に相当し、切り残し部７１が付け根部に相当する。符号８０，８２は図７参照。）となる部位の縦方向一方側近傍に、表面から突出する尻尾通し部漏れ防止立体ギャザー９０を幅方向に沿って延在させることにより、尻尾通し部の隙間からの漏れを効果的に防止するのも好ましい形態である。図示例の尻尾通し部漏れ防止立体ギャザー９０は、側部立体ギャザー６０間に跨るように幅方向に延在する帯状のギャザーシート９１と、このギャザーシート９１の股間側端部に幅方向に沿って伸長状態で固定された弾性伸縮部材９２とから構成されている。この尻尾通し部漏れ防止立体ギャザー９０におけるギャザーシート９１及び弾性伸縮部材９２としては、側部立体ギャザー６０におけるギャザーシート６２及び弾性伸縮部材６３と同様の素材から選択することができる。そして、ギャザーシート９１における側部立体ギャザー６０の非起立部分（巻付け部分８０側の端部）と重なる幅方向両端部は、その縦方向全体が側部立体ギャザー６０の表面に接合され、これらの間の幅方向中間部のうち巻付け部分８０側の端部が表面シート３０の表面に接合され、股間側部分が表面シート３０に固定されずに自由部分とされており、この自由部分が弾性伸縮部材９２の収縮力により起立するようになっている。これらの接合部分は図１中に斜線で示されており、ホットメルト接着剤等の接合手段により形成することができる。この例では、尾通し部漏れ防止立体ギャザー９０を側部立体ギャザー６０の上に設けているが、側部立体ギャザー６０と表面シート３０との間に設けることもできる。

他方、尻尾１００の毛の量が多い場合や、尻尾１００の動きが大きい場合等には、巻付け部分８０がずれたり、緩んだり、あるいは外れたりするおそれもある。そこで、巻付け部分８０が幅方向に弾性伸縮するように構成するのも好ましい形態である。これにより、巻付け部分を尻尾１００に巻付けて筒状にしたとき、当該筒状の巻付け部分が尻尾１００を弾力的に締め付けてフィットするため、尻尾１００の毛が多くても巻付け部分がずれ難い等、多種多様なペットの種類、寸法に対応できるものとなる。巻付け部分を幅方向に弾性伸縮する構成とするためには、例えば巻付け部分形成領域７０にゴムシート等の弾性伸縮シートを幅方向に伸長した状態で貼りつけても良いが、巻付け部分形成領域７０が複数のシートの積層構造を有している場合には、それらのシートの間（図示例では外装シート１２と液不透過性シート１１との間）に、弾性伸縮部材８４を幅方向に伸長した状態で挟持固定するのが好ましい。この弾性伸縮部材８４としては、無孔ゴムシートであっても良いが、通気性等の点で、糸状、紐状等の細長状のもの（図示例）のや、網状、多孔シート状のものが好適である。

（その他）
（ａ） 上記例では、巻付け部分形成用ミシン目７２により尻尾通し部が形成され、またスリット形成用ミシン目７３によりスリットが形成されるが、従来のように予め孔やスリットが形成されていても良い。
（ｂ） 上記例と異なり、図１２及び図１３に示すように、背側部分及び尻尾通し部を省略した形態も採用することができる。図１２及び図１３に示す例では、本体部分１０の縦方向他方側に巻付け部分形成領域１７０のみを設け、本体部分１０と巻付け部分形成領域１７０との境界のうち幅方向中央部を切り残し部１７１とし、その幅方向両側全体にわたり巻付け部分形成用ミシン目１７２を形成している。また、本体部分１０の一方の側部と他方の側部とペットの背側に回してファスニングテープ１１３及びターゲットシート１１２Ｔにより相互連結するように構成している。この形態では、図１３に示すように、本体部分１０のうち腹側部分Ｆをファスニングテープ１１３により筒状にして胴部に巻き付けて支える一方、巻付け部分形成用ミシン目１７２を切り離して巻付け部分８０を形成し、この巻付け部分８０の付根部８２を尻尾１００の付根における肛門側の縁に合わせ、巻付け部分８０の付け根部８２の幅方向両側に延在するフラップ部８３を尻尾１００に巻き付けた状態で、連結手段１７４の連結により巻付け部分８０を任意直径の筒状態で固定することにより、臀部被覆部分Ｍを尻尾１００により支える構造となる。この形態は、素材使用量を抑えることができるとともに、おむつにより被覆されない露出部分が多くなり、通気性に優れるようになる利点がある。

本発明は、上記例のような止着式のものに限られず、パンツタイプ等、ペット用使い捨ておむつ全般に利用可能なものである。

１１…液不透過性シート、１２…外装シート、１２Ｔ…ターゲットシート、３０…表面シート、４０…中間シート、５０…吸収要素、５６…吸収体、５８…包装シート、６０…側部立体ギャザー、６２…ギャザーシート、７０…巻付け部分形成領域、７１…切り残し部、７２…巻付け部分形成用ミシン目、７３…スリット形成用ミシン目、８０…巻付け部分、８１…尻尾通し部、１００…尻尾。

Claims (6)

1. 尻尾の付根における肛門側の縁から股間をとおり腹部までを覆うように縦方向一方側に延在する本体部分と、
   この本体部分から縦方向他方側に延在する巻付け部分形成領域とを備え、
   この巻付け部分形成領域は、前記本体部分から連続する付根部と、この付根部から幅方向少なくとも一方側に延在するフラップ部と、当該巻付け部分を任意直径の筒状態で固定するための連結手段と、前記付け根部を切り残しつつ当該巻付け部分形成領域を切り離して、前記本体部分から縦方向他方側に延在する巻付け部分を形成するための巻付け部分形成用ミシン目とを有し、
   この巻付け部分形成用ミシン目を切り離して形成される巻付け部分の付根部を前記尻尾の付根における肛門側の縁に合わせ、前記フラップ部を尻尾に巻き付けた状態で前記連結手段により連結するように構成した、
   ことを特徴とするペット用使い捨ておむつ。
2. 尻尾の付根における肛門側の縁から背中側を覆うように縦方向他方側に延在する背側部分と、前記本体部分の両側部に設けられた、前記背側部分に対する係止部とを備え、
   本体部分の両側部の係止部を、背側部分の外面に係止することで装着を行うように構成した、ペット用止着式使い捨ておむつであって、
   前記背側部分は、尻尾の付根と対向する部分を含みかつその幅方向少なくとも一方側に側縁までは達しない程度に延在する帯状の巻付け部分形成領域を有するとともに、この巻付け部分形成領域の周縁のうち前記尻尾の付根における肛門側の縁と対向する切り残し部を除いて巻付け部分形成用ミシン目を形成し、
   この巻付け部分形成用ミシン目を切り離すことにより、尻尾通し部とともにその縁から連続する前記巻付け部分を形成するように構成した、
   請求項１記載のペット用使い捨ておむつ。
3. 前記巻付け部分形成用ミシン目から縦方向他方側の縁まで幅方向中央線に沿って延在するスリット形成用ミシン目を設けた、請求項２記載のペット用使い捨ておむつ。
4. 前記巻付け部分が幅方向に弾性伸縮するように構成した、請求項１〜３のいずれか１項に記載のペット用使い捨ておむつ。
5. 前記巻付け部分における前記縦方向一方側の縁が、幅方向外側に向かうにつれて前記縦方向他方側に向かう形状に形成されている、請求項１〜４のいずれか１項に記載のペット用使い捨ておむつ。
6. 前記巻付け部分の付け根部の前記縦方向一方側近傍に、表面から突出する尻尾通し部漏れ防止立体ギャザーを幅方向に沿って延在させた、請求項１〜５のいずれか１項に記載のペット用使い捨ておむつ。

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