JP5810680B2 - 指針式時計 - Google Patents

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本発明は指針式時計に関するものである。
近年、無線通信機能を備える腕時計等の電子機器間において、無線方式によってデータのやり取りをしたり、情報の同期を取ったりする等、各種データの送受信(通信)を行う手法が浸透しつつある。
こうした無線通信によって送受信されるデータには個人情報も多く含まれる可能性がある。このため、個人のプライバシー等を保護するためにも、データの送受信は特定の電子機器から特定の電子機器に対して正確に行われる必要がある。
しかし、身の回りに複数の電子機器がある場合、他の電子機器との干渉が起こって目的の電子機器との間で正確に無線通信を行うことができないおそれがある。特にBluetooth(登録商標)など波長の長い電波を取り扱う際には、障害物等に強く電波が遮断されにくいという性質があるために、他の電子機器との干渉を起こしやすい。
従来、無線通信システムにおいて、他の電子機器との干渉を避けて、通信を行いたい電子機器同士を適切にペアリング(すなわち、初期の認識作業)する方法として、ペアリングしたい電子機器(電子デバイス)を互いに近傍となる位置に配置するとともに、一方の電子機器から、無線通信システムにおける標準の信号出力電力レベルよりも小さい電力レベルに制限された問い合わせ信号を送信し、他方の電子機器がこの問い合わせ信号を検出すると、これに対する応答信号を送信する。そして、当該電子機器が問い合わせ信号に応答する最初の電子機器であることに基づいて、双方の電子機器間で、ポイントツーポイント接続を開始するという手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような手法でペアリングを行った場合には、他の電子機器との干渉を避けて目的とする電子機器間でのみ通信を成立させ、適切にペアリングを行うことができる。
特表2007−536852号公報
しかしながら、電子機器間でデータの送受信を行う目的は様々であり、ペアリングを行う場合のように電子機器同士を接触させる程度に近接させて通信を行う場合の他、例えばユーザ自身が身に着けている携帯端末装置と腕時計等の電子機器との間で各種データの送受信を行う場合のように多少離れた位置にある電子機器間でデータの送受信を行う場合や、ユーザが手元から離してしまった電子機器の所在を捜索する場合のようにある程度離れた場所にあると想定される電子機器との間で送受信を行う必要がある場合もある。
このため、電子機器間でデータの送受信する際の電波の送受信感度は、その目的・用途・状況等に応じて適宜切り替えられることが求められる。
この点、携帯電話やパーソナルコンピュータ(personal computer)等では、受信回路等、通信関連モジュールにおいて送受信感度の切り替えを行っている。
しかし、通信関連モジュールにおいて送受信感度の切り替えを行う場合、通信関連モジュールの制御構成が複雑化する等の問題がある。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、簡易な機構により、用途に応じた感度となるようにアンテナの送受信感度を調整することのできる指針式時計を提供することを目的とするものである。
本発明は、
外部の機器との間で無線信号を送受信するアンテナと、
感度レベルを入力する入力手段を備え、
指針駆動手段によって前記アンテナの上方を回転動作される複数の指針と、
この複数の指針を、前記指針駆動手段によって移動させて、前記アンテナとの重なり具合を調整して前記アンテナの電波送受信感度を調整する感度調整手段と、
を備え
前記感度調整手段は、前記入力手段によって入力された感度レベルに応じて、前記指針駆動手段によって前記複数の指針を移動させて前記アンテナとの重なり具合を調整する指針式時計である。
感度調整にあたり、既存の指針駆動手段により同じく既存の指針を回転動作させるだけで済むので、その構成が簡易なものとなる。
また、指針と前記電波入出口との重なり具合は外部から視認可能であるので、現在の感度レベルを簡単に確認することができる。
本実施形態に係る腕時計の腕時計本体の正面図である。 図1の腕時計におけるII−II線断面図である。 図1の腕時計の内部回路構成を示すブロック図である。 図4(A)は感度レベル5の場合の指針位置を示す図、図4(B)は感度レベル5の場合の電波の受信状態を示す図である。 図4(A)は感度レベル4の場合の指針位置を示す図、図5(B)は感度レベル4の場合の電波の受信状態を示す図である。 図6(A)は感度レベル3の場合の指針位置を示す図、図6(B)は感度レベル3の場合の電波の受信状態を示す図である。 図7(A)は感度レベル2の場合の指針位置を示す図、図7(B)は感度レベル2の場合の電波の受信状態を示す図である。 図8(A)は感度レベル1の場合の指針位置を示す図、図8(B)は感度レベル1の場合の電波の受信状態を示す図である。 針の重ね具合と感度レベルとの関係のイメージを示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る腕時計(指針式時計)の腕時計本体の正面図、図2は、図1におけるII−II線断面図である。
本実施形態に係る腕時計100は、電気的な駆動により秒針11a、分針11b、時針11cを回転させて時刻を表示するものである。
この腕時計100は、中空の短柱形状に形成された本体ケース1を備えている。この本体ケース1の上下両端部(図2及び図3において上下端部)、つまり時計の12時方向側端部及び6時方向側端部には、時計バンド(図示せず)が取り付けられるバンド取付部2が形成されている。また、本体ケース1の外周部には、時刻合わせの指示、送受信感度の調節等を行うための種々の操作指示が入力される複数の操作ボタン3が設けられている。
本体ケース1には、上面側の開口部と、本体ケース1の下面側の開口部とを有している。そして、本体ケース1の上面側開口部には、透明なガラス等の材料で形成された風防ガラス4が上面側開口部を閉塞するように取り付けられ、一方、本体ケース1の下面側開口部には、裏蓋部材5が下面側開口部を閉塞するように取り付けられている。
本体ケース1の内部には、例えば樹脂等によって形成されたハウジング6が設けられている。ハウジング6には、指針11である秒針11a、分針11b、時針11cを回転動作させるためのステップモータ208a、208b、208c及び輪列機構209a,209b,209cと、チップ状のアンテナ13やマイクロコンピュータその他の回路部品等を実装した回路基板12とが設けられている。
また、本体ケース1において、ハウジング6と上記風防ガラス4との間には文字板15が配置されている。この文字板15は、上文字板15aと下文字板15bとによって構成されている。上文字板15aは、時計の9時方向側部分が切り欠かれている。この切欠きの縁は上文字板15aの中心に向けて膨らむように円弧状となっている。そして、この切欠き部15a−1からは下文字板15bが露出している。この文字板15の表面には、時字16が、円周方向にほぼ等間隔で12箇所に設けられている。
なお、風防ガラス4と文字板15との間には、文字板15の周縁部に沿って見切り部材17が配設されている。
次に、腕時計100の内部の回路構成を説明する。
この腕時計100は、図3に示すように、操作ボタン3等で操作されるスイッチからなる入力部200、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、計時回路部205、発振回路部206、ステップモータ208a、208b、208cを駆動するためのモータ駆動回路207、アンテナ13を備えている。ステップモータ208a、208b、208cの回転は、輪列機構209a,209b,209cを介して、秒針11a、分針11b、時針11cに伝達され、秒針11a、分針11b、時針11cは回転動作される。
ここで、入力部200は、腕時計100が有する各種モードの選択、各種モードの中の諸機能を選択するための入力手段である。実施形態の場合、この入力部200から、電波送受信モードの選択や感度レベルの指定が行えるようになっている。
また、ROM202には、各種プログラムが記憶されているが、実施形態の場合、感度調整プログラムや、当該感度調整プログラムを実行する際に必要とされるデータも記憶されている。
また、CPU201は、ROM202が記憶する各種プログラムを実行することで、腕時計100の各種モード及び機能を実現する。
実施形態の場合、CPU201は、電波の送受信の前に、入力部200から入力された感度レベルに基づき、感度調整プログラムを実行することで、モータ駆動回路207を制御し、電波送受信感度を調整するようになっている。
また、モータ駆動回路207は、ステップモータ208a、208b、208c及び輪列機構209a,209b,209cと共に指針駆動手段を構成する。
次に、上記腕時計100に組み込まれている感度調整装置30について説明する。
この感度調整装置30は、電波の感度調整に貢献する要素の総体である。具体的には、この感度調整装置100は、上記した指針11、感度調整プログラム及びCPU201の他、アンテナ13の配置位置及び配置構造を含んでいる。
そこで、以下では、上記では説明をしなかったアンテナ13の配置位置及び配置構造について説明する。
指針11の動作エリアの下方位置には、文字板11及びハウジング6に亘る凹部からなる電波入出路31が形成されている。この電波入出路31の上端は電波入出口31aとなっており、文字板16に開口している。
この電波入出口31aは矩形の開口であり、文字板16における秒針11a、分針11b及び時針11cの全てが上方を通過する位置に形成されている。具体的には、電波入出口31aは、文字板16における指針軸と0時を表示する時字との間に形成されている。
また、電波入出路31の底部にはチップ状のアンテナ13が回路基板12に直付けされた状態で設置されている。
さらに、電波入出路31を構成する周壁面は電波遮蔽体31bによって構成されている。これによって、電波の送受信方向が上下方向に限定されている。
次に、指針11について説明する。
実施形態の場合、指針11として、秒針11a、分針11b及び時針11cを備えている。そして、秒針11a、分針11b及び時針11cは電波遮蔽体として構成されている。
例えば、秒針11a、分針11b及び時針11cは、合成樹脂などの電波透過性材料からなる基材に磁性シート等を貼付することによって形成されるか、合成樹脂などの電波透過性材料に磁性粉を含有させることによって形成されている。
次に、上記腕時計100における感度調整方法を説明する。
図4から図8にはこの感度調節の例が示されている。感度レベルは数値が高くなるに連れて高くなる。図4から図8は感度レベル5から感度レベル1にそれぞれに対応している。
図4(A)は感度レベル5の場合の指針位置を示し、図4(B)は感度レベル5の場合の電波の受信状態を示している。
この感度レベル5の場合、指針11は10時10分30秒を指す。この状態では、指針11全てが電波入出口31aとは重ならない。
そのため、指針11によって電波が遮蔽されることはないので、電波の送受信感度が最大となる。
図5(A)は感度レベル4の場合の指針位置を示し、図5(B)は感度レベル4の場合の電波の受信状態を示している。
この感度レベル4の場合、指針11は0時10分30秒を指す。この状態では、時針11cが電波入出口31aと重なり、分針11b及び秒針11aは電波入出口31aとは重ならない。
そのため、時針11cによって電波が遮蔽されるので、感度レベル5の場合よりも感度レベルが低くなる。
図6(A)は感度レベル3の場合の指針位置を示し、図6(B)は感度レベル3の場合の電波の受信状態を示している。
この感度レベル3の場合、指針11は0時10分00秒を指す。この状態では、時針11c及び秒針11aが電波入出口31aと重なり、分針11bは電波入出口31aとは重ならない。
そのため、重なり合った時針11c及び秒針11a双方によって電波が遮蔽されるので、感度レベル4の場合よりも感度レベルが低くなる。
図7(A)は感度レベル2の場合の指針位置を示し、図7(B)は感度レベル2の場合の電波の受信状態を示している。
この感度レベル2の場合、指針11は0時00分30秒を指す。この状態では、時針11c及び分針11bが電波入出口31aと重なり、秒針11aは電波入出口31aとは重ならない。
そのため、重なり合った時針11c及び分針11bによって電波が遮蔽されるので、感度レベル3の場合よりも感度レベルが低くなる。
その理由について説明する。
分針11bは時針11cの直上位置で回転動作し、秒針11aは時針11cの上方位置で且つ当該時針11cから離れて回転動作する。しかも、分針11bは秒針11aよりも幅が広い。
そのため、時針11c及び分針11bが重なった場合の方が、時針11c及び秒針11aが重なった場合よりも、遮蔽度が高い。
その結果、時針11c及び分針11bが重なった場合の方が、時針11c及び秒針11aが重なった場合よりも、感度レベルが低くなる。
図8(A)は感度レベル1の場合の指針位置を示し、図8(B)は感度レベル1の場合の電波の受信状態を示している。
この感度レベル1の場合、指針11は0時00分00秒を指す。この状態では、時針11c、分針11b及び秒針11aの全てが電波入出口31aと重なる。
そのため、重なり合った時針11c、分針11b及び秒針11aの全てによって電波が遮蔽されるので、感度レベル2の場合よりも感度レベルは低くなる。
図9は、図4から図8で示した送受信感度レベルの推移のイメージを示すグラフである。
このように、上記感度調整装置30によれば、指針11の位置を変化させることで、送受信感度を5段階に変化させることができる。
なお、この実施形態では、送受信感度を5段階に変化させているが、それ以上とすることも可能である。すなわち、時針11cを電波入出口31aに重ね合わせないで分針11b又は秒針11aだけを電波入出口31aに重ね合わせる形体、時針11cを電波入出口31aに重ね合わせないで分針11b及び秒針11aの双方を電波入出口31aに重ね合わせる形体を加えることもできる。
以上の腕時計100によれば次のような効果を得ることができる。
第1に、感度調整にあたり、既存の指針駆動手段により同じく既存の指針11を回転動作させるだけで済むので、その構成が簡易なものとなる。
第2に、指針と前記電波入出口31aとの重なり具合は外部から視認可能であるので、現在の感度レベルを簡単に確認することができる。
第3に、入力部200から感度レベルを入力できるので、所望の感度レベルを確実且つ迅速に得ることができる。また、必要な感度レベルが予め分かる場合には、一度で必要な感度レベルを設定できるため、電力消費量を抑制することができる。
第4に、周壁面が電波遮蔽体31bで構成された電波入出路31によって電波の送受信方向が限定されているので、送受信感度の制御精度を高めることができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。例えば、上記実施形態では、指針式時計として腕時計を説明したが、腕時計に限定されず、指針式の時計であればよい。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
外部の機器との間で無線信号を送受信するアンテナと、
指針駆動手段によって前記アンテナの上方を回転動作される複数の指針と、
この複数の指針を、前記指針駆動手段によって移動させて、前記アンテナとの重なり具合を調整して前記アンテナの電波送受信感度を調整する感度調整手段と、
を備えていることを特徴とする指針式時計。
<請求項2>
感度レベルを入力する入力手段を備え、
前記感度調整手段は、前記入力手段によって入力された感度レベルに応じて、前記指針駆動手段によって前記複数の指針を移動させて前記アンテナとの重なり具合を調整することを特徴とする請求項1記載の指針式時計。
<請求項3>
前記複数の指針として時針及び分針を備え、
前記感度調整手段は、電波の送受信の前に、前記指針駆動手段を制御し、前記時針及び前記分針の全てを前記アンテナと重ならない位置と、前記時針及び前記分針の少なくとも1つが前記アンテナと重なる位置とを前記時針及び前記分針に選択的に取らせることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の指針式時計。
<請求項4>
前記複数の指針として時針、分針及び秒針を備え、
前記感度調整手段は、電波の送受信の前に、前記指針駆動手段を制御し、前記時針、前記分針及び秒針の全てが前記アンテナと重ならない位置と、前記時針、前記分針及び前記秒針の少なくとも1つが前記アンテナと重なる位置とを前記時針、前記分針及び前記秒針に選択的に取らせることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の指針式時計。
<請求項5>
前記複数の指針と前記アンテナとの間に文字板が配置され、
この文字板に開口された電波入出口を有すると共に、周壁が電波遮蔽部で構成され、底部に前記アンテナが設置された電波入出路を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の指針式時計。
1 本体ケース
11 指針
11a 秒針
11b 分針
11c 時針
13 アンテナ
15 文字板
30 感度調整装置
31 電波入出路
31a 電波入出口
31b 電波遮蔽体
100 腕時計

Claims (4)

  1. 外部の機器との間で無線信号を送受信するアンテナと、
    感度レベルを入力する入力手段を備え、
    指針駆動手段によって前記アンテナの上方を回転動作される複数の指針と、
    この複数の指針を、前記指針駆動手段によって移動させて、前記アンテナとの重なり具合を調整して前記アンテナの電波送受信感度を調整する感度調整手段と、
    を備え
    前記感度調整手段は、前記入力手段によって入力された感度レベルに応じて、前記指針駆動手段によって前記複数の指針を移動させて前記アンテナとの重なり具合を調整することを特徴とする指針式時計。
  2. 前記複数の指針として時針及び分針を備え、
    前記感度調整手段は、電波の送受信の前に、前記指針駆動手段を制御し、前記時針及び前記分針の全てを前記アンテナと重ならない位置と、前記時針及び前記分針の少なくとも1つが前記アンテナと重なる位置とを前記時針及び前記分針に選択的に取らせることを特
    徴とする請求項に記載の指針式時計。
  3. 前記複数の指針として時針、分針及び秒針を備え、
    前記感度調整手段は、電波の送受信の前に、前記指針駆動手段を制御し、前記時針、前記分針及び前記秒針の全てが前記アンテナと重ならない位置と、前記時針、前記分針及び前記秒針の少なくとも1つが前記アンテナと重なる位置とを前記時針、前記分針及び前記秒針
    に選択的に取らせることを特徴とする請求項に記載の指針式時計。
  4. 前記複数の指針と前記アンテナとの間に文字板が配置され、
    この文字板に開口された電波入出口を有すると共に、周壁が電波遮蔽部で構成され、底部に前記アンテナが設置された電波入出路を備えることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の指針式時計。
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