JP5809116B2 - 白板紙 - Google Patents

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本発明は、白板紙、特に中層に古紙パルプを使用した白板紙に関し、見た目の白色ムラの目立たない白紙外観を有する白板紙に関する。
白板紙は、印刷されパッケージ用として使用される。したがって、白板紙への印刷適性や、白板紙が白色であること共に、白色ムラがないことも重要な課題となる。ここで、白板紙は坪量150g/m以上の厚紙であり、一般的には3層〜9層の多層構造からなる。例えば、白層、白下層、中層と呼ばれる多層が合わされることによって製造される。具体的には、最表層は白層と呼ばれる白色度の高い晒パルプを使用した層、ついで白層に接する内側の白下層と呼ばれる比較的白色度の高い古紙を使用した層、更に内側には中層と呼ばれる古紙パルプを使用した層で構成されている。この構成により、古紙利用を図りつつも、白色の白板紙を得ることができる。しかしながら、白層又は白下層によっても中層古紙の暗灰色の隠蔽が十分でなく、見た目の白色ムラを生じるという問題があった。
そこで、白層、白下層の米坪範囲、及び白層白色度と白下層白色度の差を規定することにより白板紙の白色ムラを少なくする方法が開示されている(例えば、特許文献1)。しかし、パルプに比べて安価でより白色度の高い填料を白層に添加しづらくなるという、問題がある。又、白層に灰分として白色顔料を白層のパルプ量に対して10重量%以上抄き込む方法(例えば、特許文献2)も記載されている。しかし白層への多量な顔料添加は紙力の低下が顕著となり、印刷時に紙表面の粉落ち(ピッキング)や断裁面から紙粉が脱落する恐れがあるため、顔料の添加量は少量に限られてしまう。顔料として隠蔽効果の低いタルクを使用する場合には白板紙の白色ムラを改善する効果は限られたものとなってしまうという、問題がある。紙表面の粉落ちを改善するために通常原紙表面にサイズプレスやトランスファーロールコーター等の装置を用いて表面紙力剤が付与される。表面紙力剤の原紙への付与は紙表面の粉落ちに対して顕著な効果があるものの、一方で白層に紙力剤が浸透することで不透明性が低下し、見た目の白色ムラが助長されるという問題がある。また表面紙力剤の原紙への付与時に水分も同時に付与されるために乾燥工程の負荷が上がりより多くのエネルギーを必要とする。
印刷適性の付与、白紙表面の白色性・見た目の白色ムラを改善する目的で白板紙に顔料塗工層を設けた塗工白板紙が製造される。塗工液に高隠蔽性を有する酸化チタン等の無機顔料を使用する方法(例えば、特許文献3)が開示されている。しかし、高価な酸化チタンを多量に用いる必要があり、製造コストの問題がある。又、白板紙は米坪が高いためにその部分的な坪量変動も大きく、ブレード又はロッドコーター等の所謂平滑化コーターでの塗工では部分的な塗工量変動も起きやすく、酸化チタンを用いた高隠蔽性な塗料を用いても塗工白板紙の見た目の白色ムラを解消するには至らない場合もある。
特開2005−298998号公報 特開平6−41896号公報 特開2006−328574号公報
本発明は、表面の見た目の白色ムラを減少させた白板紙を提供することを課題とする。さらに詳しくは表面紙力剤を付与することなく、白色ムラを減少させた白板紙を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採る。即ち、本発明は重質炭酸カルシウムを白層のパルプ量に対して3質量%以上、10質量%未満内添して構成された白層であることを特徴とする白板紙である。
さらに、本発明においては、白層に内添する重質炭酸カルシウムは湿式粉砕処理され、粒子径2μm以下の粒子を70質量%以上〜95質量%未満含有する重質炭酸カルシウムであることを特徴とする白板紙である。さらに、本発明は、白板紙の原紙に表面紙力剤を付与することなく、顔料として湿式重質炭酸カルシウムを主体とした塗料を塗布乾燥してえられたことを特徴とする白板紙である。
本発明であれば、白板紙の原紙に酸化澱粉などの表面紙力剤を使用したサイズプレスなどの表面強度処理を行うことなく、印刷時に紙表面から紙粉が脱落する恐れが少なく、見た目の白色ムラのない白板紙が得られる。これにより、例えば白板紙の美粧性を向上させたり、顔料を主体とする塗工層を設けた白板紙を製造しても見た目の白色ムラを改善することができる。さらには製造時に白板紙の原紙に表面紙力剤を付与する工程を省略できることから、乾燥に要するエネルギーが減少し製造コストの低減とより環境負荷の少ない白板紙製品の提供が可能になる。また本発明によれば、抄紙時のpHは中性もしくは弱アルカリ性領域であるために古紙を多量に含有することができる。すなわち、紙や新聞紙の中性紙化がすすむ中でそれらに使用されている炭酸カルシウムは酸性抄紙では溶解するため多量の古紙使用には制限を受けるが、本願発明のように中性又は弱アルカリ性領域での抄紙であればこのような制限を受けることなく古紙を多量に使用することができる。さらに、本発明では古紙中に含有する炭酸カルシウムも填料として有効に使用できる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明の白板紙は、表層としてバージンパルプや白色度の高い漂白古紙パルプを含有する白層、その内側に白層のパルプよりも白色度の低い古紙パルプを含有する白下層、更に内側に古紙パルプを含有する中層と呼ばれる多層の抄合わせで構成される。具体的には米坪50g/m〜110g/mで白色度45%〜60%の中層、米坪50g/m〜80g/mで白色度55%〜75%の白下層、米坪20g/m〜60g/mで白色度70%〜85%の白層で構成される。裏層の構成は塗工白板紙の用途によって変更すればよいが、白下層又は白層と同様の構成とすることができる。白板紙は本の表紙、紙器と用途が広く、そのため米坪は150g/m〜600g/mと広範囲に及ぶ。白板紙の米坪を変更するには古紙の有効利用、製造コストの削減の観点から、主に中層の層数、米坪を変動させて対応すればよい。又、用途によっては表裏の白色度に差が無い白板紙や、表側の白色度は高いが裏側の白色度は低い白板紙等が要望され、通常、表側の白層米坪と裏側の白層米坪に差をつけたり、或いは表側と裏側への塗料塗工量を変えることで調整する。例えば、表側の白層米坪を25〜45g/m、裏側の白層米坪を20〜30g/mとすることができる。更には、裏側へは白層を設けずに、中層の白色度と同程度、若しくはそれ以下の白色度をもつ裏層を設け、顔料塗布を行う場合と行わない場合とがある。
一方、白板紙の白色度や見た目の白色ムラはその用途によってはその必要性がより高くなる。美粧な紙器に利用される場合は白色度が高く、また、視感による白色ムラの少ない白板紙が必要とされる。白色度や見た目の白色ムラを調整するには主に白層の米坪を調整することもできる。白層米坪を多くすることにより白色度の向上、白色ムラの改善がなされるが、一方では古紙が有効に利用できずコストも削減できない。白層の役割として、米坪を維持したままで白色度が高く、白色ムラを目立たなくすることを望まれる。
塗料を塗布する白板紙の場合において、最近では塗料を構成する顔料として高固形分化、ストリーク等の操業性改善やコスト改善を目指し、湿式重質炭酸カルシウムを多用する場合が多くなっている。従来のクレーを主体とした板紙塗料に比べて、湿式重質炭酸カルシウムを利用した塗料は白色度は高くなるものの隠蔽性が劣る傾向が有り、白板紙の白色ムラを改善することがより一層望まれている。
白色度を維持しながら紙の隠蔽性を高くするために、内添填料としてカオリン、タルク、炭酸カルシウム、チタン等を用いることが知られている。カオリンは隠蔽性が高いものの白色度が炭酸カルシウムには及ばず、又、コストも割高である。タルクは白色度が炭酸カルシウムに及ばず隠蔽性も劣る。チタンは白色、隠蔽性に最も優れているが、抄紙ワイヤー上での歩留りが低いことと高価である難点がある。炭酸カルシウムは白色度、隠蔽性の点から割安で利用しやすい内添填料である。
しかしながら、特に顔料としてクレーを主体とする塗料を塗布する従来の板紙の製造においては、板紙の白層に炭酸カルシウムを内添填料として利用することは従来から行われていなかった。この理由として、前述したようにクレーを主顔料とした塗工層の隠蔽性が高いことから内添に炭酸カルシウムを使う必要性が低かったこと、内添に炭酸カルシウムを含有させると、サイズ剤として従来から使用されている酸性ロジンサイズではサイズ性が低下しやすいこと、内添に炭酸カルシウムを使用すると歩留りが低下しやすいことなどが挙げられる。特に、古紙を利用する中層の白水が黒ずんでいるためその影響を受けやすく、白層に炭酸カルシウム、特に隠蔽性がタルクと同程度の重質炭酸カルシウムを使用しても白色度・白色ムラの改善が得られないと考えられていたことが挙げられる。本発明では白色度がタルク・クレーよりも高い重質炭酸カルシウムを白層に内添することで、白色度と白色ムラを改善するものである。さらに白層を中性から弱アルカリ性にすることで、紙層強度は高くなり、酸性抄紙の場合に比べより多くの填料の使用が可能になり、繊維原料の節減によるコストダウンも可能となる。
炭酸カルシウムとしては、石灰石を乾式又は湿式にて粉砕処理して得られる重質炭酸カルシウムと、石灰石をキルン等で一旦焼成して生石灰とし、次いで水に消和、炭酸ガスを吹き込んで炭酸化反応により合成される軽質炭酸カルシウムとに大別できる。その中でも、本発明の白板紙は、重質炭酸カルシウムを使用する。軽質炭酸カルシウムは重質炭酸カルシウムに比べて白色度及び隠蔽性が高く、ワイヤー磨耗性も低く好適な材料である。しかしながら、一方で軽質炭酸カルシウムは重質炭酸カルシウムに比べ紙力への影響が大きく、添加量に応じて強度は直線的に低下し、軽質炭酸カルシウムを使用する場合には表面紙力剤との併用が好ましい態様である。重質炭酸カルシウムは白色度及び隠蔽性においては軽質炭酸カルシウムに比べ劣るものの、タルク、カオリンクレーに比較すると白色度が高く、見た目の白色ムラの改善もなされる。又、ワイヤー磨耗性が高い填料ではあるが、湿式粉砕することと粒子径を小さくすることで摩耗性は改善され、抄造速度の比較的遅い白板紙抄紙機においては内添で十分利用することが可能である。
また前述したように本発明の白層を中性から弱アルカリ性にすることで、紙層強度は高くなり、酸性抄紙の場合には必要であった表面紙力剤の使用をなくすことが可能になる。
本発明の表面紙力剤を併用しない態様では重質炭酸カルシウムの使用が必須である。本発明においては表面紙力剤の使用はむしろ負の効果をもたらす恐れがある。すなわち表面紙力剤の使用により、白層の不透明度が低下し、また地合が不均一な場合には白層の不透明度ムラが助長され、結果として白色ムラが悪化する場合が起こる。すなわち、本発明の白板紙は、白層に重質炭酸カルシウムの白層のパルプ量に対して3質量%以上、10質量%未満の内添を必須条件とする。重質炭酸カルシウムが白層のパルプ量に対して3質量%未満である場合、重質炭酸カルシウムによる白色度の向上、見た目の白色ムラを改善することは出来ない。一方、重質炭酸カルシウムが白層のパルプ量に対して10質量%以上内添される場合、白色度の向上、見た目の白色ムラは顕著に改善されるものの、印刷時に紙表面から紙粉が脱落する恐れがある。古紙由来の無機物や必要に応じて炭酸カルシウム以外の填料の少量添加は強度が許される限り妨げないが、その場合であっても全填料は15%を超えないことが好ましい。
さらに、本発明で使用される炭酸カルシウムとしては、白層に内添する重質炭酸カルシウムは湿式粉砕処理され、粒子径2μm以下の粒子を70質量%以上〜95質量%未満含有する重質炭酸カルシウムであることが好ましい。白層に内添する重質炭酸カルシウムの粒子径2μm以下の割合が70質量%未満では白色度の向上が少なく白色ムラの改善も不十分となるおそれがある。95質量%以上では白色ムラは良好であるが粒径が細かくなり、紙層強度も低下することから印刷時に紙表面から紙粉が脱落するおそれがある。
本発明の白層で主に用いられる原料パルプは、特に限定されない。例えば、木材繊維、靭皮繊維、靭皮繊維等からなる天然パルプを主体とする広葉樹晒硫酸塩パルプ(L−BKP)を主成分として使用すれば良い。これ以外の木材パルプの具体例として、針葉樹晒硫酸塩パルプ(N−BKP)、針葉樹晒亜硫酸塩パルプ(N−BSP)、広葉樹晒亜硫酸塩パルプ(L−BSP)等がある。他に機械パルプ(GP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、脱墨パルプ(DIP)も用途に応じて任意の割合で配合することができる。本発明においては、例えば、全パルプ中、広葉樹晒硫酸塩パルプ(L−BKP)を70質量%以上、例えば、75〜98質量%含むことができる。また、パルプのフリーネス(カナダ標準濾水度、CSF)は250〜600ccに調整することが好ましい。
白下層には白層のパルプよりも白色度の低い古紙パルプ、中層には更に白色度の低い古紙パルプが使用されるが、パルプのフリーネスは特に制限されない。また、特に填料添加についても紙層強度が低下しない範囲の添加であれば特に制限されるものではない。
白層、白下層、中層及び裏層には本発明の効果を損なわない範囲内で凝集助剤、紙力増強剤、色味付け染・顔料、サイズ剤を使用できる。また、抄紙時の操業性を向上させるために歩留り向上剤、濾水向上剤、消泡剤を適宜用いることができる。これらは、本発明においては、例えば、白層のパルプ量に対して0.001〜5質量%添加することができる。具体的には、凝集助剤としては、硫酸バンドが挙げられ、本発明においては、例えば、白層のパルプ量に対して0.01〜2質量%添加することができる。紙力増強剤としては、ポリアクリルアマイドが挙げられ、本発明においては、例えば、白層のパルプ量に対して0.01〜2質量%添加することができる。サイズ剤としては、中性ロジンが挙げられ、例えば、白層のパルプ量に対して0.01〜2質量%添加することができる。
白層、白下層、中層及び裏層がそれぞれ抄紙され、そして、抄合わせされて白板紙が製造される。この白板紙には印刷適性の付与等の目的で顔料塗工層が設けられる場合もある。この際、中性又は弱アルカリ性領域、例えば、pH6.8〜8.5で抄紙を行うことが好ましい。抄紙方法としては長網式、丸網式など公知の抄紙方法を用いることができる。顔料塗工層は顔料と接着剤からなる塗料を塗工・乾燥することにより形成される。
顔料塗工層中の無機顔料としては重質炭酸カルシウムが主原料として含まれることが好ましい。さらに、顔料としてはクレー、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、プラスチックピグメント等の公知公用の顔料が組み合わせて適宜使用されるが、主として重質炭酸カルシウムを使用することが好ましい。固形分64%以上でも流動性が優れストリークの発生が抑制されるように、重質炭酸カルシウムを少なくとも顔料中60質量%以上用いることができ、好ましくは、65〜95質量%用いると良い。ここで用いる重質炭酸カルシウムとしては、乾式粉砕処理がなされた重質炭酸カルシウムよりも粒度分布がシャープで扱いやすいことから湿式粉砕処理がなされた重質炭酸カルシウムを用いることが好ましい。
顔料塗工層中の接着剤としてはスチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(SBRラテックス)、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体などの共役ジエン系重合体ラテックス、ポリビニルアルコール、酸化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体が上げられ、単独、又は二種以上混合して使用される。接着剤の使用量は、例えば、顔料100質量部に対して5〜30質量部とすることができる。
その他、必要に応じて、顔料塗工層に使用される塗料中には分散剤、苛性ソーダ、アンモニア水などのpH調整剤、消泡剤、着色染・顔料、耐水化剤、流動改質剤等を適宜使用することもできる。
白板紙への顔料塗工層の形成は一般に下塗り層、上塗り層の二層が形成される。通常下塗り層では乾燥質量で5g/m〜15g/m、上塗り層で5g/m〜13g/mの範囲で塗工される。また、片面塗工白板紙の場合には、塗工層を二層形成した反対面にも印刷適性付与の目的、及び製品のカール防止の目的により乾燥質量で5g/m〜15g/mの塗工層が一層設けられるのが一般的である。
下塗り層及び上塗り層を形成する塗工装置としては限定されるものではないが、例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、カーテンコーター及びゲートロールコーター、サイザーなどのロールコーターなどが適宜組み合わせて使用することができる。下塗り形成装置としてはロッドコーター、下塗り塗工層を設けた紙への上塗り形成装置としてはロッドコーター、ブレードコーターを使用することが好ましい。一例として、最下層となる塗工層をロッドコーターで、中間層となる2層目の塗工層をロッドコーターで、最表層となる3層目の塗工層をブレードコーターで、それぞれ塗工することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、もちろん本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において、部および%とあるのはそれぞれ固形分質量部、固形分質量%を示す。
重質炭酸カルシウムの粒子径の測定、白板紙の評価方法は次の方法による。
1)重質炭酸カルシウムの粒子径の測定
レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−920/堀場製作所製)を用いて、 粒子径2μm以下の積算質量%を測定した。
2)白色度の測定
JIS P−8148 2001に準拠し、白層の表面に設けた顔料塗工層面を測 定した。
3)白色ムラ
視感により白層の表面に設けた顔料塗工層面の白色ムラを以下の5段階で評価し た。
◎:白色ムラを感じず、合格
○:白色ムラを僅かに感じるが合格
○△:白色ムラを感じるが、合格
△:白色ムラがあり、不合格
×:白色ムラがひどく、不合格
4)印刷時の紙粉脱落評価
明製作所製 RI印刷試験機を用い、東洋インキ株式会社製 SMX−25タック インキを0.4cc用いて60rpmにて白層の表面に設けた顔料塗工層面に印刷 を行い、紙粉の脱落度合いを目視にて評価した。評価は以下の4段階で行った。 ○:紙粉が発生せず合格
○△:紙粉が僅かに発生するが合格
△:紙粉が発生し不合格
×:紙粉が著しく発生し、不合格
それぞれの実施例、比較例の評価結果を表1に示す。
Figure 0005809116
(実施例1)
白層に上質系古紙パルプ60%、広葉樹パルプ(L−BKP)30%と針葉樹パルプ(N−BKP)10%からなるCSF350ccに調整されたパルプと、白層のパルプ量に対して湿式粉砕重質炭酸カルシウム、カービタル90(イメリス社製 2μm以下90質量%)を7%混合したものを用い、白下層には新聞脱墨漂白古紙を未叩解で用い、中層には雑誌古紙パルプを用い、裏層には新聞古紙パルプを用いて白層/白下層/中層/裏層の構成となるよう短網組み合わせ型抄紙機によってpH7.5において表面紙力剤を使用せずに全米坪290g/mの白板紙を抄紙した。表側白層の米坪は35g/m、白色度は80%、白下層の米坪は50g/m、白色度は60%、中層の米坪は170g/m、白色度は50%で、裏側の米坪は35g/m、白色度は45%であった。白層には紙力増強剤としてポリアクリルアマイド(荒川化学工業株式会社製 ポリストロン619)を白層のパルプ量に対して0.2%、凝集助剤として硫酸バンドを白層のパルプ量に対して0.2%、サイズ剤として中性ロジン(星光PMC株式会社製 CC−1401)を白層のパルプ量に対して0.3%、歩留り向上剤(栗田工業株式会社製 HH220)を白層のパルプ量に対して300ppm、それぞれ内添にて添加した。この白板紙の白層の表面に、顔料塗工層の下塗り層用塗料として、カオリン(ケイミン社製 ハイドラスパース)20部、湿式重質炭酸カルシウム(株式会社イメリスミネラメズジャパン製 カービタル60)80部、スチレン・ブタジエン共重合ラテックス15部及びリン酸エステル化澱粉3部を水中に分散させ固形分濃度64質量%に調整した塗料を、ロッドコーターにて固形分10g/mとなるように塗布、乾燥した。次いで、顔料塗工層の上塗り層用塗料として、カオリン(カダム社製 アマゾンSB)30部、湿式重質炭酸カルシウム(株式会社イメリスミネラメズジャパン製 カービタル90)60部、酸化チタン(デュポン社製 RPS−Vantage)10部、スチレン・ブタジエン共重合ラテックス15部を水中に分散させて固形分濃度64%に調整した塗料を、ロッドコーターにて下塗り層の表面に固形分10g/mとなるように塗布、乾燥して顔料塗工層を設けて塗工白板紙を得た。
(実施例2)
白層への湿式粉砕重質炭酸カルシウムの添加率を9%とした以外は実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
(実施例3)
白層への湿式粉砕重質炭酸カルシウムの添加率を4%とした以外は実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
(実施例4)
白層へ内添する湿式粉砕重質炭酸カルシウムを試作品A(2μm以下75質量%)とした以外は実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
(実施例5)
白層へ内添する湿式粉砕重質炭酸カルシウムを試作品B(2μm以下93質量%)とした以外は実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
(実施例6)
下塗り塗料を塗布する前に、表面紙力剤として酸化澱粉(日本食品化工(株)製 MS3800)を固形分6%としたサイズ液を、2本ロールサイズプレスにより付着量を両面当たり40cc/mとして処理した以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
(実施例7)
白層へ湿式粉砕重質炭酸カルシウム試作品C(2μm以下65質量%)を7%添加した以外は実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
(実施例8)
白層へ湿式粉砕重質炭酸カルシウム試作品D(2μm以下95質量%)を7%添加した以外は実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
(比較例1)
白層の原料に配合する湿式粉砕重質炭酸カルシウム、カービタル90(イメリス社製 2μm以下90質量%)をタルクに変更してパルプ量に対して7%添加し、サイズ剤として中性ロジン(星光PMC株式会社製 CC−1401)を酸性ロジンサイズ剤(星光PMC株式会社 AL1212)に変更してパルプ量に対して0.3%添加し、更に硫酸バンドをパルプ量に対して1%添加した以外は実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
(比較例2)
白層へ内添する湿式粉砕重質炭酸カルシウム(カービタル90)を2%とした以外は実施例1と同様にして得た。
(比較例3)
白層へ内添する湿式粉砕重質炭酸カルシウム(カービタル90)を11%とした以外は実施例1と同様にして得た。

Claims (6)

  1. 少なくとも白層、白下層、中層及び裏層を有する多層抄構造の白板紙の白層が、湿式粉砕処理がなされた重質炭酸カルシウムを白層のパルプ量に対して3質量%以上、10質量%未満内添して構成されていることを特徴とする白板紙。
  2. 白層に内添する湿式粉砕処理がなされた重質炭酸カルシウムが、粒子径2μm以下の粒子を70質量%以上〜95質量%未満含有する重質炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項1に記載の白板紙。
  3. 白板紙の少なくとも一方の面に顔料を含有する顔料塗工層がさらに設けられ、顔料塗工層中には顔料として湿式重質炭酸カルシウムが主原料として含まれ、
    白板紙の原紙に表面紙力剤を付与することがないことを特徴とする請求項1又は2に記載の白板紙。
  4. 白層、白下層、中層及び裏層の多層抄構造となるように抄紙する白板紙の製造方法であって、湿式粉砕処理がなされた重質炭酸カルシウムを白層のパルプ量に対して3質量%以上10質量%未満の量で白層に内添することを特徴とする前記方法。
  5. 白層に内添する湿式粉砕処理がなされた重質炭酸カルシウムが、粒子径2μm以下の粒子を70質量%以上〜95質量%未満含有する重質炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項4に記載の白板紙の製造方法。
  6. 白板紙の少なくとも一方の面に顔料を含有し顔料として湿式重質炭酸カルシウムが主原料として含まれる顔料塗工層をさらに設けることを特徴とする請求項4または5に記載の白板紙の製造方法。
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