JP5808631B2 - 血管新生用足場、及び再生医療用の血管の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、血管内皮細胞遊走用足場、血管新生用足場、及び再生医療用の血管の製造方法に関する。
現在、機能障害や機能不全に陥った生体組織・臓器の再生を計る再生医療の実用化が進められている。再生医療は、生体が持っている自然治癒能力だけでは回復できなくなった生体組織において、細胞、足場及び成長因子の三因子を使って元の組織と同じような形態や機能を再び作り出す新たな医療技術である。
再生医療という組織再生の成否において、最も重要な要因となるのが血管導入、障害部位への血管誘導の成否であることがよく知られている。組織再生には栄養分の送達が重要であり、生体内で栄養を送達する手段である血管が新生されるかどうかが重要と考えられている。
血管の新生を誘導するために、血管新生を誘導する増殖因子(以下、「血管新生因子」という。)を投与することが提案されており、その有効成分としては血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)、肝細胞増殖因子(HGF)などが挙げられている(例えば、非特許文献1参照)。これらの血管誘導因子群は血管内皮細胞を直接的に誘引する作用を示す液性因子(成長因子)である。
一方で、液性因子(成長因子)だけでは所望の血管を十分に誘導、血管新生させることは難しいことが知られている。より効果的に血管を新生するために、誘引した血管内皮細胞の足場について検討されている。
生体内では、通常、細胞外マトリックス(「ECM」)と呼ばれる細胞を取り囲む構造的に安定な物質が存在し、足場を提供している。主要な細胞外マトリックスとして知られているI型コラーゲン、フィブロネクチンは、組織修復、胚発生、血液凝固、及び血管内皮細胞の接着に関与する。血管新生においてもこれらECMが足場として用いられている(例えば、非特許文献2、参照)。
特にフィブロネクチンについては、現状得られる素材の中では良好なECMであるという認識から、血管内皮細胞の接着・遊走に有効な配列に向けた多くの研究がなされている。このような研究の中から、例えば、RGD(アルギニン-グリシン-アスパラギン酸)配列とIGD(イソロイシン-グリシン-アスパラギン酸)配列が血管内皮細胞の遊走に寄与するといった報告がなされている(例えば、非特許文献3及び4、特許文献1)。
また、特許文献2には、血管再生に応用可能な化合物として、所定のピリミジン化合物等の幹細胞及び/又は内皮前駆細胞の分化促進剤が開示されており、この化合物を血管内皮細胞に暴露することにより血管内皮細胞の遊走が促進されると記載されている。
特表2005−518409号公報 特開2006−83095号公報
J.Mol.Cell Cardiol. 33(3): 379-393 (2001) Microvascular Research Volume 66, Issue 2, September 2003, Pages 102-112) American Journal of Pathology vol.156, No.5 pp1673-1682 American journal of Pathology, vol155, No.3, pp887-895
しかし、上記先行技術に開示されているこれらの低分子ペプチドや低分子化合物は、遊走を促進するものの、血管内皮細胞の足場とはならない。
また、ある素材の血管新生の評価としては、血管内皮細胞が接着しやすいこと、血管内皮細胞の遊走が促進すること、血管内皮細胞による管腔形成が生じやすいこと、という評価基準があり、このうち、血管を組織へ導引する足場材という観点では、特に(1)血管内皮細胞が良好に接着し、かつ(2)血管内皮細胞の遊走を促進させる足場材であることが強く求められている。上記ECMをこの基準に照らしてみると、血管新生の足場材として用いられるI型コラーゲン、フィブロネクチンでは(1)の細胞接着性は良好であるものの、(2)の遊走能が不十分であることが知られている。また、RGDやIGDのような個々のペプチドとして血管内皮細胞の遊走に寄与する配列が見出されたとしても、血管内皮細胞を効果的に遊走するには充分とは言えず、実際の足場材として用いることは容易ではない。このように、確実に血管を組織に導引するために高い遊走能を示す足場用材料が依然として求められている。
本発明は、従来よりも効果的に血管内皮細胞の遊走を促進可能な血管内皮細胞遊走用足場を提供することを目的とする。また、本発明は、血管新生を促進可能な血管新生用足場を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
[1] 下記(A)及び(C)の少なくともいずれかの遺伝子組換えゼラチンを主として含有する三次元の多孔質体と、前記三次元の多孔質体に浸潤させた塩基性線維芽細胞増殖因子とを含む血管新生用足場。
(A) 配列番号1で示されるポリペプチド、
(C) 前記(A)のアミノ酸配列に対して1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、血管内皮細胞遊走能を有するポリペプチド。
[2] 前記遺伝子組換えゼラチンが前記(A)である[1]に記載の血管新生用足場。
前記三次元の多孔質体が前記遺伝子組換えゼラチンの架橋物である[1]又は[2]に記載の血管新生用足場。
] 生体から単離した血管内皮細胞を、[1]〜[]のいずれかに記載の血管新生用足場に接触させること、前記血管新生用足場と接触している前記血管内皮細胞を、血管新生に必要な時間にわたって培養することを含む再生医療用の血管の製造方法。
本発明によれば、従来よりも効果的に血管内皮細胞の遊走を促進可能な血管内皮細胞遊走用足場を提供することができる。また、本発明によれば、血管新生を促進可能な血管新生用足場を提供することができる。
本発明の実施例1にかかる各種足場の細胞遊走速度を説明するグラフである。 本発明の実施例1にかかる細胞遊走評価の結果を示すグラフである。 (A)本発明の実施例3にかかるCBE3スポンジ及びbFGFを含有する足場を生体内に移植したときの染色像、(B)は(A)の枠内の拡大図である。 (A)本発明の実施例3にかかるCBE3スポンジのみを含む足場を生体内に移植したときの染色像、(B)は(A)の枠内の拡大図である。 (A)本発明の実施例3にかかる動物ゼラチン及びbFGFを含有する足場を生体内に移植したときの染色像、(B)は(A)の枠内の拡大図である。
本発明の血管内皮細胞用遊走用足場は、コラーゲンの部分アミノ酸配列に由来するアミノ酸配列を有する遺伝子組み換えゼラチンを含む血管内皮細胞遊走用足場である。
本発明によれば、コラーゲンの部分アミノ酸配列に由来するアミノ酸配列を有する遺伝子組み換えゼラチンを含む血管内皮細胞遊走用足場とすることにより、血管内皮細胞を従来よりも効果的に遊走させることができる。
即ち、本発明の血管内皮細胞遊走用足場に含まれる前記遺伝子組換えゼラチンには、血管内皮細胞の遊走を著しく促進する作用が見出された。この結果、本発明の血管内皮細胞遊走用足場を用いることにより、所定の部位に確実に血管内皮細胞を遊走し、血管を新生することが可能となった。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても本工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
また、本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
また、本発明において、組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
以下、本発明について説明する。
本発明に係る組換えゼラチンは、コラーゲンの部分アミノ酸配列に由来するアミノ酸配列を有する遺伝子組換えゼラチンである。
前記遺伝子組換えゼラチンは、コラーゲンの部分アミノ酸配列に由来するアミノ酸配列を有する遺伝子組換えゼラチンを用いることができ、例えば、EP1014176A2、US6992172、WO2004/85473及びWO2008/103041等に開示されているものを用いることができる。また、前記遺伝子組換えゼラチンは、2kDa以上100kDa以下の分子量であることが好ましく、5kDa以上90kDa以下であることがより好ましく、10kDa以上90kDa以下であることがより好ましい。
前記遺伝子組換えゼラチンは、前記コラーゲンの部分アミノ酸配列に由来するアミノ酸配列として、好ましくは、Gly−X−Yで示される配列の繰り返しを有する。この配列の繰り返しはコラーゲンに特徴的な配列を意味する。複数個のGly−X−Yは、それぞれ同一であってもよく、異なってもよい。Gly−X−YにおいてGlyはグリシン残基、X及びYは、グリシン以外の任意のアミノ酸残基を表す(なお、本発明においてゼラチンを構成するアミノ酸残基又は具体的なアミノ酸の残基を、特に断らない限り、単に「アミノ酸」又はその具体的なアミノ酸残基に相当するアミノ酸名により表記する)。X及びYとしては、イミノ酸、即ちプロリン又はオキシプロリンが多く含まれることが好ましい。このようなイミノ酸の含有率は、前記遺伝子組換えゼラチン全体の10%〜45%を占めることが好ましい。前記遺伝子組換えゼラチン中のGly−X−Yの含有率としては、全体の80%以上であることが好ましく、95%以上であることが更に好ましく、99%以上であることが最も好ましい。
前記遺伝子組換えゼラチンは、生体親和性の点で好ましくは、細胞接着シグナルを含むものであり、一分子中に2つ以上有することがより好ましい。このような細胞接着シグナルとしては、RGD配列、LDV配列、REDV配列、YIGSR配列、PDSGR配列、RYVVLPR配列、LGTIPG配列、RNIAEIIKDI配列、IKVAV配列、LRE配列、DGEA配列、及びHAV配列の各配列を挙げることができ、好ましくは、RGD配列、YIGSR配列、PDSGR配列、LGTIPG配列、IKVAV配列及びHAV配列を挙げることができ、RGD配列であることが特に好ましい。RGD配列のうち、ERGD配列であることが更に好ましい。
前記遺伝子組換えゼラチンにおけるRGD配列の配置としては、RGD間のアミノ酸残基数が0〜100であることが好ましく、25〜60であることが更に好ましい。また、RGD配列は、このようなアミノ酸残基数の範囲内で不均一に配置されていることが好ましい。
また、前記遺伝子組換えゼラチンにおけるアミノ酸の総数に対するRGD配列の割合は、少なくとも0.4%であることが好ましく、遺伝子組換えゼラチンが350以上のアミノ酸を含む場合、350アミノ酸の各ストレッチが少なくとも1つのRGD配列を含むことが好ましい。
前記遺伝子組換えゼラチンは、250のアミノ酸あたり少なくとも2つのRGD配列を含むことが好ましく、少なくとも3つRGD配列を含むことがより好ましく、少なくとも4つのRGD配列を含むことが更に好ましい。ただし、前記遺伝子組換えゼラチンの配列は、以下の態様であることが好ましい:(1)セリン及びスレオニンを含まない、(2)セリン、スレオニン、アスパラギン、チロシン、及びシステインを含まない、(3)Asp-Arg-Gly-Aspで示されるアミノ酸配列を含まない。前記遺伝子組換えゼラチンは、この好ましい配列の態様(1)〜(3)を単独で備えたものであってよく、2つ以上の態様を組み合わせて備えたものものであってもよい。
また、前記遺伝子組換えゼラチンは部分的に加水分解されていてもよい。
前記遺伝子組換えゼラチンは、A−[(Gly−X−Y)−Bの繰り返し構造を有することが好ましい。mは、2〜10を表し、3〜5を表すことが好ましい。A及びBは、任意のアミノ酸又はアミノ酸配列を表す。nは3〜100を表し、15〜70を表すことが好ましく、50〜60を表すことがより好ましい。
好ましくは、遺伝子組み換えゼラチンは、式:Gly−Ala−Pro−[(Gly−X−Y)63−Gly(式中、63個のXはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示し、63個のYはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示す。なお、3個の(Gly−X−Y)63はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)で示される。
前記遺伝子組換えゼラチンの繰り返し単位には、天然に存在するコラーゲンの配列単位を複数結合することが好ましい。ここで言う天然に存在するコラーゲンとしては、好ましくはI型、II型、III型、IV型及びV型が挙げられる。より好ましくは、I型、II型又はIII型とすることができる。コラーゲンの由来としては、好ましくは、ヒト、ウマ、ブタ、マウス、ラットを挙げることができ、ヒトであることがより好ましい。
前記遺伝子組換えゼラチンの等電点は、好ましくは5〜10であり、より好ましくは6〜10であり、更に好ましくは7〜9.5とすることができる。
前記遺伝子組換えゼラチンの好ましい態様としては以下のものを挙げることができる:(1)脱アミン化されていない、(2)プロコラーゲンを有さない、(3)テロペプタイドを有さない、(4)天然コラーゲンをコードする核酸により調製された実質的に純粋なコラーゲン用材料である。前記遺伝子組換えゼラチンは、この好ましい態様(1)〜(4)を単独で備えたものであってよく、2つ以上の態様を組み合わせて備えたものものであってもよい。
前記遺伝子組換えゼラチンは、遊走能の高さから、好ましくは、以下(A)〜(C)のいずれかとすることができる。
(A) 下記配列番号1で示されるポリペプチド、
GAP(GAPGLQGAPGLQGMPGERGAAGLPGPKGERGDAGPKGADGAPGAPGLQGMPGERGAAGLPGPKGERGDAGPKGADGAPGKDGVRGLAGPIGPPGERGAAGLPGPKGERGDAGPKGADGAPGKDGVRGLAGPIGPPGPAGAPGAPGLQGMPGERGAAGLPGPKGERGDAGPKGADGAPGKDGVRGLAGPP)3G(配列番号1)
(B) 前記(A)のアミノ酸配列と80%以上の相同性を有すると共に、血管内皮細胞遊走能を有するポリペプチド、
(C) 前記(A)のアミノ酸配列に対して1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、血管内皮細胞遊走能を有するポリペプチド。
前記(B)において、相同性としては、遺伝子組換えゼラチンの遊走促進能の観点から、より好ましくは90%以上とすることができ、更に好ましくは95%以上とすることができる。
前記(C)において欠失、置換若しくは付加されるアミノ酸数としては、1個又は数個であればよく、遺伝子組換えゼラチンの総アミノ酸数によって異なるが、例えば、2〜15個、好ましくは2〜5個とすることができる。
前記遺伝子組み換えゼラチンは、当業者に公知の遺伝子組み換え技術によって製造することができ、例えばEP1014176A2、US6992172、WO2004/85473、WO2008/103041等に記載の方法に準じて製造することができる。具体的には、所定の遺伝子組み換えゼラチンのアミノ酸配列をコードする遺伝子を取得し、これを発現ベクターに組み込んで、組み換え発現ベクターを作製し、これを適当な宿主に導入して形質転換体を作製する。得られた形質転換体を適当な培地で培養することにより、遺伝子組み換えゼラチンが産生されるので、培養物から産生された遺伝子組み換えゼラチンを回収することにより、本発明で用いる遺伝子組み換えゼラチンを調製することができる。
ここで、血管内皮細胞遊走能は、所定の血管内皮細胞株を用いた既知の細胞遊走試験により評価することができる。本発明に適用可能な細胞遊走試験としては、例えば、後述するセルカルチャーインサートを用いた遊走試験が挙げられる。
上述したような本発明に適用可能な遺伝子組換えゼラチンとしては、特表2010−519293、特表2010−519252、特表2010−518833、特表2010−519251、WO2010/128672及びWO2010/147109等に開示されている遺伝子組換えゼラチンを特に好ましく用いることができる。
前記血管内皮細胞遊走用足場(以下、本明細書において、単に「足場」ということがある)は、前記遺伝子組換えゼラチンを含むものである。
足場表面における前記遺伝子組換えゼラチンの割合としては、当該足場表面に血管内皮細胞をより効率的に遊走させるために、30μg/cm以上であることが好ましく、100μg/cm以上であることが好ましい。好ましい遺伝子組換えゼラチンとして前述した(A)〜(C)の遺伝子組換えゼラチンとした場合も同様である。一方、遺伝子組換えゼラチンを効率よく活用するとの観点から、3000μg/cm以下の割合とすることができる。
前記足場の形状については、特に制限はなく、血管内皮細胞の遊走が所望される領域の状態、大きさ、遊走させるべき部位等によって適宜選択することができ、例えば、シート状、矩形状、及び円盤状等とすることができる。特定の形状の足場とするために、支持体を用いてもよい。また、特定の形状に拘泥されず、血管内皮細胞を遊走すべき領域の表面に、所定の厚みで塗布すること等によって、簡便に足場を形成してもよい。
所望される大きさや形状の血管を形成しやすい等の観点から、前記足場の形状は所定の厚みを有する矩形状又は円盤状であることが好ましい。前記足場の厚みとしては、特に制限されないが、例えば、0.1mm〜50cmとすることができ、0.5mm〜10cmとすることが好ましく、1mm〜1cmとすることがより好ましい。
前記足場の幅及び長さについては適宜設定が可能であり、適切な大きさの血管を形成するなどの観点から、特に制限されないが、例えば、円盤状では、直径10cmとしてもよく、直径8mmであることが好ましい。
前記足場は、血管内皮細胞の遊走能及び血管新生形成能の観点から、三次元の多孔質体であることが好ましく、三次元のスポンジ(状)であることがより好ましい。三次元の多孔質体とすることにより、足場の表面だけでなく足場内部にも細胞の遊走がより促進されて、足場内部により多くの血管内皮細胞を案内することができ、足場内部での細胞密度を高くすることができる。これにより、足場内部に遊走した血管内皮細胞による血管新生を一層促進させることができる。
三次元多孔質体としての足場は、前記遺伝子組換えゼラチンによる血管内皮細胞の遊走能を損なわなければ、他の材料を含有してもよいが、主として前記遺伝子組換えゼラチンを含有することにより、形態が維持されていることが好ましい。
ここで「主として」とは、単数又は複数の材料で構成された前記三次元多孔質体の全質量に対して最大の質量比を占めることを意味する。前記足場における前記遺伝子組換えゼラチンの質量比は、好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上、最も好ましくは100%、即ち遺伝子組換えゼラチンのみによって形状を維持することができる。
なお、「遺伝子組換えゼラチンのみによって形状を維持」とは、前記足場を構成する遺伝子組換えゼラチンの他に、形状の維持に関与しない他の成分、例えば、各種増殖因子などの液性因子を前記足場に含めてもよいことを意味する。
前記三次元多孔質体としての足場は、前記遺伝子組換えゼラチン以外にも、形状の維持に寄与しうる他の骨格材料(支持体)を含むことができる。このような骨格材料としては、例えばシリコーンを挙げることができる。
前記足場は、架橋されているものでもよいし、架橋されていないものでもよい。構造物の安定性の点から、前記足場は、遺伝子組換えゼラチンの架橋物であることが好ましい。前記遺伝子組換えゼラチンの架橋物とすることにより、遺伝子組換えゼラチンのみで三次元多孔質体の形状を適切に維持することができ、足場に占める遺伝子組換えゼラチンの割合を高くして、血管内皮細胞に対する遊走能を一層高くすることができる。
架橋方法としては、熱架橋、化学架橋、アルデヒド類(例えば、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドなど)による架橋、縮合剤(カルボジイミド、シアナミドなど)による架橋、酵素架橋、光架橋、UV架橋、疎水性相互作用、水素結合、イオン性相互作用など公知の方法を用いることができる。
化学架橋剤としては、例えば、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、カルボジイミド、シアナミド等を挙げることができる。光架橋としては、光反応性基を導入した高分子への光照射、あるいは光増感剤の存在化での光照射によるものが挙げられる。光反応性基としては、例えば、シンナミル基、クマリン基、ジチオカルバミル基、キサンテン色素、及びカンファキノンが挙げられる。
酵素による架橋を行う場合、酵素としては、高分子材料間の架橋作用を有するものであれば特に限定されないが、好ましくはトランスグルタミナーゼ及びラッカーゼ等を挙げることができ、最も好ましくはトランスグルタミナーゼを用いて架橋を行うことができる。トランスグルタミナーゼで酵素架橋するタンパク質の具体例としては、前記遺伝子組換えゼラチンと、リジン残基及びグルタミン残基を有するその他のタンパク質を挙げることができる。
トランスグルタミナーゼは、哺乳類由来のものであっても、微生物由来のものであってもよく、具体的には、味の素(株)製アクティバシリーズ、試薬として発売されている哺乳類由来のトランスグルタミナーゼ、例えば、オリエンタル酵母工業(株)製、Upstate USA Inc.製、Biodesign International製などのモルモット肝臓由来トランスグルタミナーゼ、ヤギ由来トランスグルタミナーゼ、ウサギ由来トランスグルタミナーゼなど、ヒト由来の血液凝固因子(Factor XIIIa、Haematologic Technologies, Inc.社)などが挙げられる。
架橋の方法としては、化学架橋剤を用いた架橋法又は熱架橋法であることが好ましい。化学架橋剤を用いた架橋法の場合には、グルタルアルデヒドを化学架橋剤として用いた架橋であることがより好ましい。
遺伝子組み換えゼラチンの架橋方法としては、例えば、遺伝子組み換えゼラチンの溶液と架橋剤を混合する工程と、混合することにより得られた均一溶液において前記遺伝子組換えゼラチンと架橋剤とを反応させる工程の2つの工程を有する方法が挙げられる。
前記遺伝子組み換えゼラチンの溶液と架橋剤とを混合する際に温度は、溶液を混合できる限り特に限定されないが、好ましくは、0℃〜100℃であり、より好ましくは0℃〜40℃であり、更に好ましくは0℃〜30℃であり、更に好ましくは3℃〜25℃であり、更に好ましくは3℃〜15℃であり、更に好ましくは3℃〜10℃であり、特に好ましくは3℃〜7℃である。
前記遺伝子組み換えゼラチンの溶液と架橋剤の反応過程では、温度を上昇させることができる。前記混合することにより得られた均一溶液における反応温度としては、架橋が進行する限りは特に限定はないが、高分子材料の変性や分解を考慮すると実質的には−100℃〜200℃であり、より好ましくは0℃〜60℃であり、より好ましくは0℃〜40℃であり、より好ましくは3℃〜25℃であり、より好ましくは3℃から15℃であり、さらに好ましくは3℃〜10℃であり、特に好ましくは3℃〜7℃である。
また、架橋剤を使用しなくても、高分子材料の架橋を行うことができる。当該架橋剤を使用しない架橋法としては、特に限定されるものではないが、具体的には熱架橋法が挙げられる。
架橋剤を使用しない架橋法を実施する際の反応温度は、架橋物が得られる限り特に限定されないが、好ましくは、−100℃〜500℃であり、より好ましくは0℃〜300℃であり、更に好ましくは50℃〜300℃であり、更に好ましくは100℃〜250℃であり、更に好ましくは120℃〜200℃である。
また、前記足場が三次元多孔質体の場合、足場の平均気孔サイズとしては、細胞が足場内部に遊走可能な大きさであれば特に制限されないが、好ましくは10μm〜400μmであり、さらに好ましくは50μm〜300μmであり、より好ましくは70μm〜200μmである。
また、足場の気孔率は、細胞が足場内部に所定の密度で存在可能であれば特に制限されないが、好ましくは81%以上99.99%以下であり、さらに好ましくは95.01%以上99.9%以下である。なお、足場の気孔率は、嵩密度(ρ)と真密度(ρc)より、気孔率(P=(1−ρ/ρc)×100(%))として求めることができる。
なお、本発明において、「三次元多孔質体」とは、複数の気孔を有する三次元構造を有する足場を意味する。
このような多孔質体を形成する方法については、特に制限はなく、公知の方法を適用することが可能である。より簡便に所望の形態の足場を作成できる観点から、所定量の架橋剤を使用することが好ましい。例えば、グルタルアルデヒドを用いた場合には、前記遺伝子組換えゼラチンの濃度を変えることにより、多孔質体の気孔率を調整することができ、例えば、前記遺伝子組換えゼラチンの濃度を低くすれば、多孔質体の気孔率を上げることができる。
前記足場には、前記遺伝子組換えゼラチンに加えて、成長因子などの各種の液性因子、好ましくは血管新生因子を含んでもよい。これにより、遺伝子組換えゼラチンによって遊走が促進された血管内皮細胞に対して、選択された液性因子による相乗効果が期待可能となる。
前記足場において前記遺伝子組換えゼラチンと併用可能な液性因子としては、特に制限はなく、血管新生因子、神経成長因子(NGF)やアディポカイン、インターフェロン等を挙げることができる。なかでも、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、血小板由来成長因子(PDGF)などの血管新生因子であることが、血管内皮細胞の遊走促進および血管新生の点で好ましく、中でも、塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)が好ましい。
前記足場は、遺伝子組換えゼラチンと、血管新生因子のひとつである塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)とを含むことが、血管内皮細胞の遊走促進及び血管新生効果の観点から特に好ましい。
前記bFGFの形態は特に限定されず、天然由来のbFGFでもよいし、遺伝子組み換えbFGFでもよい。遺伝子組み換えbFGFとしては、例えばトラフェルミン(フィブラスト)(科研製薬株式会社)として市販されているものを使用してもよい。
前記足場がbFGFを含む場合、前記足場は、より効率的な血管新生の観点から、bFGFの含有量が、0.01〜10μg/mmであることが好ましく、0.1〜5μg/mmであることがより好ましく、0.3〜1μg/mmであることが更に好ましい。
前記遺伝子組換えゼラチンと、bFGFとを含む三次元多孔質体は、血管新生用足場としても好ましく用いることができる。前記血管新生用足場は、前述した遺伝子組換えゼラチンと、bFGFとを含み、且つ、三次元多孔質体とすることにより、血管内皮細胞に対する遊走促進能をより高くすることができ、足場内部で確実に血管内皮細胞による血管を新生することができる。
本血管新生用足場に適用される遺伝子組換えゼラチン及びbFGFについては、血管内皮細胞用遊走用足場について既述した事項をそのまま適用可能である。また、本血管新生用足場における三次元であること及び多孔質であることに関する事項は、血管内皮細胞用遊走用足場について既述した事項をそのまま適用可能である。
前記血管内皮細胞遊走用足場及び血管新生用足場はいずれも、上述のとおり、血管内皮細胞の遊走の促進作用が高いため、血管内皮細胞の遊走により症状が軽減する各種の疾患に対して有効である。このような疾患としては、例えば、虚血性疾患、糖尿病性皮膚潰瘍、難聴、心疾患、急性冠症候群、急性心筋梗塞、不安定狭心症等を挙げることができる。また、前記足場は、細胞・組織再生療法、細胞移植治療などの各治療に好ましく用いられる。
また本発明は、上記の各種疾患に対する治療方法も包含する。血管内皮細胞の遊走により症状が軽減可能な疾患の治療方法は、前記内皮細胞遊走用足場を、血管内皮細胞の遊走の標的となる部位に配置することを含む。
また本発明は、血管新生方法も包含する。当該血管新生方法は、前記血管内皮細胞遊走用足場又は血管新生用足場を、血管新生を必要とする部位に配置することを含む。
これらの治療方法及び血管新生方法において、前記足場を目的部位に配置する方法には特に制限はなく、前記血管内皮細胞遊走用足場及び血管新生用足場の治療効果又は血管新生効果を妨げない公知の方法により行うことができる。
また、前述した三次元多孔質体である前記足場は、血管新生用として好ましく適用可能である。このため、再生医療用の血管を製造する際に適用可能である。
本発明は、例えば、再生医療用の血管を作製する方法を包含する。当該再生医療用の血管製造方法は、生体から単離した血管内皮細胞を前記足場に接触させること、前記血管内皮細胞遊走用足場と接触している血管内皮細胞を、血管新生に必要な時間にわたって培養することを含む。
これにより、生体由来材料に基づく血管を生体外で作製することが可能となる。また、得られた再生医療用の血管は、当該血管を必要とする対象に移植することが可能である。特に、前記血管を作製する際に使用する血管内皮細胞を、当該血管を必要とする対象から採取した場合には、同一対象の血管内皮細胞による血管を作製するため、作製された血管を当該対象へ移植(即ち、自家移植)しても拒絶反応が起きる可能性が著しく低くなり、特に好ましい。
前記方法において、前記足場と血管内皮細胞との接触の維持は、できるだけ無菌状態で行うものとすることが好ましい。また、前記培養は、通常の培養条件をそのまま適用すればよい。
培養期間としては、所望される血管の大きさや長さ、使用される血管内皮細胞の細胞数又は状態等によって適宜調整すればよい。
培養に使用可能な培地としては、血管内皮細胞の培養に通常用いられる培地を使用することができ、例えば、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)や、RPMI1640などを挙げることができる。これらの培養液に対しては、通常、血清、各種ビタミン、各種抗生物質等、通常の細胞培養に適用可能な各種添加剤を添加してもよい。移植後の拒絶反応の発生を低減させるなどの観点から、他の動物由来成分を含まない培地を用いることが好ましい。
本方法により得られた再生医療用の血管は、管腔を有し、移植片として生体へ適用した場合に、例えば血流等の体液を通過させるために使用可能である。ただし、本発明により得られた血管は、血管壁としての機能を有するものであれば、管腔の有無に制限されず、所望される医療用移植片の条件に応じて使用可能である。
以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。しかしながら、本発明はそれらに何ら限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は質量基準である。
[実施例1]
in vitro血管内皮細胞遊走能評価
リコンビナントペプチドCBE3がヒト血管内皮細胞の遊走を促進する能力を、本評価試験を行うことで評価した。遊走は血管新生に特徴的な過程であり、細胞遊走の促進は血管新生を促進する。本試験では、足場として基材を用いた場合と、培地に基材を添加した場合の2種の遊走試験を行った。
(1)基材
本発明に係る遺伝子組み換えゼラチンとして、以下記載のCBE3を用意した(WO2008−103041に記載)。
CBE3
分子量:51.6kD
構造: GAP[(GXY)63
アミノ酸数:571個
RGD配列:12個
イミノ酸含量:33%
ほぼ100%のアミノ酸がGXYの繰り返し構造である。
CBE3のアミノ酸配列には、セリン、スレオニン、アスパラギン、チロシン及びシステインは含まれていない。
CBE3はERGD配列を有している。
等電点:9.34
アミノ酸配列(配列番号1)
GAP(GAPGLQGAPGLQGMPGERGAAGLPGPKGERGDAGPKGADGAPGAPGLQGMPGERGAAGLPGPKGERGDAGPKGADGAPGKDGVRGLAGPIGPPGERGAAGLPGPKGERGDAGPKGADGAPGKDGVRGLAGPIGPPGPAGAPGAPGLQGMPGERGAAGLPGPKGERGDAGPKGADGAPGKDGVRGLAGPP)3G
(2)遊走評価1 −試料フィルター−
被検物質は、CBE3と、その比較対象となる他の基材としてウシ真皮由来アテロコラーゲン(高研 コラーゲン酸性溶液I−PC 5mg/mL)、ヒトフィブロネクチン(BD フィブロネクチン(ヒト))、ブタゼラチン(ニッピ ハイグレードゼラチン APAT)を使用した。各被検物質は注射用水(大塚蒸留水 大塚製薬)を用いて溶解した。
細胞遊走を評価するため、セルカルチャーインサート(BD Falcon フルオロブロック個別型セルカルチャーインサート、8μmフィルターメンブレン付き24ウェルプレート)を使用した。操作はすべて無菌状態で行った。プレートにインサートをセットし、被検物質の溶液をフィルターメンブレンに滴下し、16時間風乾したものを評価に使用した。
被検物質の溶液は、CBE3とブタゼラチンについては5μg/ml、50μg/ml、500μg/ml、5000μg/ml、50000μg/mlの濃度のものを、コラーゲンは5μg/ml、50μg/ml、500μg/ml、5000μg/mlの濃度のものを、フィブロネクチンは5μg/ml、50μg/ml、500μg/mlの濃度のものを使用した。各溶液は、それぞれ50μLでフィルターメンブレンに滴下した。なお、各試料とも、50000μg/mlは8333μg/cm、5000μg/mlは833μg/cm、500μg/mlは83.3μg/cm、50μg/mlは、8.33μg/cm、5μg/mlは0.83μg/cmの被覆量に相当する。
細胞はGFP発現ヒト臍帯静脈内皮細胞(AGP社 GFP−HUVEC)を使用した。培養は、増殖用に5v/v%血清培地EBM−2MV(Lonza社)を、評価試験用に無血清培地EBM−2(Lonza社)を用いた。本培地を24ウェルプレートのウェル下部に800μL加え、そこに、フィルターメンブレンの上部に細胞を播種したセルカルチャーインサートをセットした。細胞は、2.5×10cells/mlの濃度でフィルターメンブレン上に200μL加えた。セルカルチャーインサートをセットしたプレートは、37℃、5v/v%COの条件にて6時間培養した。
細胞の遊走能はフィルターメンブレンの上部から下部へ移動した細胞数を測定することで評価した。下方励起下方測光型蛍光プレートリーダー(EnVision−2103 Dispenser, PerkinElmer)でそれぞれのウェルの蛍光強度を測定することで、メンブレン下部の細胞のみの蛍光強度を測定した。結果を表1に示す。この表から、8333μg/cmのCBE3を被覆した場合に、最も高い遊走能促進効果が得られた。コラーゲンおよびフィブロネクチンでは、8.33μg/cmを被覆した場合に高い遊走能促進効果が見られた。
フィルター上に被覆した基材の残存量を定量するために、アミノ酸量の定量を行った。オルトフタルアルデヒド(OPA)とアミノ酸を反応させ、蛍光強度を測定し、アミノ酸量として算出した。
上記と同様の方法で基材を被覆したフィルターメンブレンを、検量線作成用とした。また、同一のフィルターメンブレンを、PBS(pH7.2)(Gibco)で37℃で6時間擬似培養し、培養後のフィルターメンブレンを定量用に用いた。擬似培養は、24ウェルプレートのウェルに800μLのPBSを加え、セルカルチャーインサートをセットし、インサート上部に200μLのPBSを加え、37℃、5%COの条件にて培養した。
フィルターメンブレン上の基材をアミノ酸に分解する反応には、以下の方法を用いた。
遊走能評価試験で用いたものと同じセルカルチャーインサートプレートに、0.4Mのホウ酸(試薬特級、和光純薬)バッファー(pH10)を376μLと、1N水酸化ナトリウム水溶液(容量分析用、和光純薬)を376μL加えた。その後、セルカルチャーインサートをプレートにセットした。滅菌済みアルミプレートシール(アズワン)をウェル上に貼り、プレートのふたをかぶせ、80℃、湿度90%で16時間反応させた。反応後に常温まで戻し、シールをはがしてセルカルチャーインサート上にある反応液をウェルに移し、セルカルチャーインサートを取り除いた。反応液を移したウェルに、更に、0.4Mホウ酸バッファー(pH10)を441μL加えた。
アミノ酸量の定量にはオルトフタルアルデヒド(OPA)(和光純薬)とN−アセチルシステイン(NAC)(和光純薬)を用いた。2mg/mlのNAC(160mg/ml OPA含有)294μLを加え、プレートシェーカーでウェルの溶液を攪拌し、37℃で15分反応させた。OPA溶液はNAC溶液の体積の1%含まれるように調製した。OPAはメタノール(和光純薬)に、NACは上記のホウ酸バッファーに溶かした。その後、すぐにプレートリーダー(EnVision−2103 Dispenser, PerkinElmer)で蛍光強度を測定した。
結果を表2に示す。コラーゲンおよびフィブロネクチンでは、被覆した量が6時間培養後もフィルターメンブレン上にほぼ残っているが、CBE3およびブタゼラチンでは、培養後はフィルターメンブレン上に被覆した量が残っていない結果となった。CBE3では、8333μg/cmを被覆した場合は2%、833μg/cmを被覆した場合は3.6%、83.3μg/cmを被覆した場合は10%のみ、フィルターメンブレン上に残存していた。だたし、同一の基材に関しては、被覆量に応じた残存量となっており、基材の培地への溶解速度は、被覆量によって異なることはなく均一であった。
ここで、フィルターにおける基材の残存量と蛍光強度による遊走促進能(傾き)の関係を図1に示した。なお、図1において黒三角はCBE3、黒菱形はコラーゲン、黒四角はフィブロネクチン、×はブタゼラチンをそれぞれ用いた場合の結果を表す。
図1に示されるように、各試料において最も高い促進速度については、CBE3は17887/h、コラーゲンは12214/h、フィブロネクチン9224/hであった。8333μg/cmのCBE3の際は8.33μg/cmコラーゲンの1.5倍、833μg/cmフィブロネクチンの1.9倍であった。また、CBE3では、残存量に依存して遊走促進能が上昇しているが、コラーゲン、フィブロネクチン、ブタゼラチンでは、残存量に依存しないことが確認できる。このことから、基材の残存量を増やしても、CBE3以外の基材の遊走促進能は大きくならないため、CBE3が最も高い遊走促進能を有していることが窺える。
(2)遊走評価2 −試料液−
被検物質は、CBE3と、その比較対象となる他の基材としてウシ真皮由来アテロコラーゲン(高研 コラーゲン酸性溶液I−PC 5mg/mL)、ヒトフィブロネクチン(BD フィブロネクチン(ヒト))、ブタゼラチン(ニッピ ハイグレードゼラチン APAT)を使用した。また、RGD配列の遊走促進効果について検証するため、サイクリックRGD(以下cRGDと記載)(Cyclo−RGDfK ANASPEC)も、被検物質として用いた。各被検物質は注射用水(大塚蒸留水 大塚製薬)を用いて溶解した。
細胞遊走を評価するため、セルカルチャーインサート(BD Falcon フルオロブロック個別型セルカルチャーインサート、8μmフィルターメンブレン付き24ウェルプレート)を使用した。操作はすべて無菌状態で行った。
細胞はGFP発現ヒト臍帯静脈内皮細胞(AGP社 GFP−HUVEC)を使用した。培養は、増殖用に5v/v%血清培地EBM−2MV(Lonza社)を、評価試験用に無血清培地EBM−2(Lonza社)を用いた。被検物質の溶液は、CBE3とブタゼラチンについては5μg/ml、50μg/ml、500μg/ml、5000μg/ml、50000μg/mlの濃度のものを、コラーゲンは5μg/ml、50μg/ml、500μg/ml、5000μg/mlの濃度のものを、フィブロネクチンは5μg/ml、50μg/ml、500μg/mlの濃度のものを、cRGDは0.7μg/ml、7μg/ml、70μg/ml、700μg/ml、7000μg/mlの濃度のものを用意し、被検物質溶液の量が10分の1の液量になるように無血清培地EBM−2と懸濁した。cRGDについては、上記の量とすることにより、等量の溶液中に含まれるRGD配列の数がCBE3と同数になっており、CBE3が5μg/mlの場合は、cRGDは0.7μg/mlに、CBE3が50000μg/mlの場合は、cRGDは7000μg/mlにそれぞれ対応している。
なお、各試料とも、50000μg/mlは5000μg、5000μg/mlは500μg、500μg/mlは50μg、50μg/mlは5μg、5μg/mlは0.5μgの含有量にそれぞれ相当する。cRGDは7000μg/mlは700μg、700μg/mlは70μg、70μg/mlは7μg、7μg/mlは0.7μg、0.7μg/mlは0.07μgの含有量にそれぞれ相当する。
この混合溶液を24ウェルプレートのウェル下部に800μL加え、そこに、フィルターメンブレンの上部に細胞を播種したセルカルチャーインサートをセットした。細胞は、それぞれ上記の基材混合溶液に懸濁し、2.5×10cells/mlの濃度で200μL、フィルターメンブレン上に加えた。セルカルチャーインサートをセットしたプレートは、37℃、5v/v%COの条件にて6時間培養した。
細胞の遊走能はフィルターメンブレンの上部から下部へ移動した細胞数を測定することで評価した。下方励起下方測光型蛍光プレートリーダー(EnVision−2103 Dispenser, PerkinElmer)でそれぞれのウェルの蛍光強度を測定することで、メンブレン下部の細胞のみの蛍光強度を測定した。結果を図2に示す。
5000μgのCBE3を使用した場合に、最も高い遊走能促進効果を示した。コラーゲンでは500μg、フィブロネクチンでは50μgの含有量の場合に、高い遊走能促進効果が見られた。5000μgのCBE3の際は、500μgのコラーゲンの1.6倍、50μgのフィブロネクチンの1.7倍であった。また、5000μgのCBE3と等量のRGD配列を含む700μgのcRGDの場合には、5000μgのCBE3ほどの遊走促進効果は得られなかった。遊走促進効果は、cRGDの含有量に依存しないことも窺える。このことから、CBE3による遊走促進効果は、RGD配列の効果では説明ができない要因によることが示された。
上記遊走評価(1)及び(2)により、CBE3を用いた場合、GFP−HUVEC細胞株の遊走が最も促進されることが分かった。また、CBE3によるGFP−HUVEC細胞株の遊走は、使用濃度に依存して促進されることが分かった。
[実施例2]
in vivo血管形成能評価
CBE3が生体内で血管を形成する足場と成り得るかを調べるために、本試験を行った。CBE3スポンジをマウス皮下に移植し、CBE3スポンジ中での血管形成を評価した。
CBE3スポンジは以下の方法で作製した。
以下の組成で試料溶液を調製し、グルタルアルデヒドを添加後、4℃にてホモジナイザー(AM−11、NIHONSEIKI製)で17,000rpmで4分間攪拌し、そのまま−80℃で3時間急冷した。
試料溶液
組成:5%スポンジ10mL分(CBE3:500mg、超純水:9424μL、
1N HCl:76μL、3%グルタルアルデヒド:500μL)
その後、4℃で16時間静置して得られた物を、十分量の37℃の0.2Mグリシン溶液中で4時間、振盪した。その後、10Lの超純水での洗浄を8回(計4時間)繰り返してから、−80℃で2時間凍結させた。その後、凍結乾燥機にて4日間凍結乾燥を行い、CBE3スポンジを得た。
平均気孔サイズは、内部断面構造を走査型電子顕微鏡で観察することで求めたところ、100μmであった。
気孔率は、嵩密度(ρ)と真密度(ρc)より、気孔率(P=(1−ρ/ρc)×100(%))を求めた。嵩密度(ρ)を乾燥重量と体積から算出し、真密度(ρc)をハバード型の比重瓶法により求めたところ、気孔率Pは95%以上であった。
また、CBE3スポンジに対する比較例として、動物ゼラチンスポンジ(アステラス製薬(製)、スポンゼル)を用いた。
スポンジの成形は以下のように行った。各スポンジを、直径8mm、厚さ3mmの円盤状にくり貫き、セラムチューブ(住友ベークライト)に1個ずつ入れ、袋(elk bag コスモ・バイオ)にシールし、eogelk SA−N160(エルクコーポレーション)でEOG滅菌を行った。
移植するスポンジは、bFGF(フィブラストスプレー 科研製薬)又は生理食塩水(大塚製薬)を浸潤させたものを使用した。bFGFはPBS(pH7.2 GIBCO)で1mg/mlの濃度に調製した。24ウェルプレート(ノントリートメントタイプ、BD)上にスポンジを置き、bFGF又は生理食塩水80μLを滴下し、プレートにふたをして蒸発しないようラップで包み、4℃で18時間インキュベートした。
移植用マウスには、ddY(SLC)のオス5週齢を用いた。
移植方法は以下の手順で行った。まず、マウスをイソフルラン吸引麻酔下で、背部の首の位置に、はさみで約2cmの切れ込みを入れた。その切れ込みから、はさみを入れ、尾部から約2cm〜3cmの位置まで、筋肉に付着している皮膚をはがした。インキュベートしたスポンジをピンセットでつまみ、ピンセットを首の切れ込み部から皮膚を這うようにして、尾部から約2cm〜3cmの位置にスポンジを置いた。首の切れ込み部はサージカルホッチキス(夏目製作所)で止め、傷口をイソジン(明治製菓)で拭いた。移植後のマウスは、2週間飼育した。
評価対象となるスポンジを、移植後2週間のマウスから取り出した。剖検方法は以下の方法で行った。まず、首の傷口の下の部分からはさみで尾部まで皮膚をはがした。皮膚にスポンジが付着している部分を1.5cm平方の正方形にメスで切り、4%パラホルムアルデヒド(和光純薬)に浸し、スポンジの真ん中半分の断面をパラフィン切片にした。背部を横に切断する方向に切断した。切片の染色はHE染色を行った。結果を図3から図5に示す。各図において(A)におけるバーは2.0mmを示し、(B)におけるバーは200μmを示す。また各図(A)における左上方に皮膚が認められ、右下方に各スポンジが認められる。図3に示されるように、bFGF存在下でCBE3スポンジ中に、管腔の中に赤血球、および管腔の周囲に血管壁細胞が見られることから血管が形成されたことが確認できた(図3(B)、円内参照)。一方、bFGF非存在下でのCBE3スポンジ(図4参照)、bFGF存在下の動物ゼラチンスポンジ(図5参照)では、スポンジ内に血管形成は見られなかった。
評価は以下の方法で行った。
まず、HE染色切片のスポンジ側部の上方部分、中央部分、下方部分の3箇所をそれぞれランダムに選び、顕微鏡(オリンパスIX71IX81)で画像を撮影した。その画像中における、血管数および血管部分の面積を定量した。血管数は画像中の血管の数をカウントし、血管の面積はImageJを用いて算出した。結果を表3に示す。血管数は括弧内に示した。
それぞれのスポンジにおいて、3箇所で血管の有無に関しては一致した結果となり、bFGF存在下でCBE3スポンジ中に血管形成が確認でき、bFGF存在下の動物ゼラチンスポンジ、bFGF非存在下でのCBE3スポンジでは、スポンジ内に血管形成は見られなかった。平均すると、bFGF存在下のCBE3スポンジでは、血管0本で面積も0μm、bFGF存在下の動物ゼラチンスポンジでは、血管0本で面積も0μm、bFGF存在下のCBE3スポンジでは、血管は4.2本で面積は2079μmであった。bFGF存在下のCBE3スポンジ中では、有意に血管が形成されていることが窺える。
このように本発明の実施例にかかる遺伝子組換えゼラチンを含む足場では、血管内皮細胞の遊走を促進することができ、また、bFGFを含む三次元多孔質体の足場とした場合には、足場内部に血管新生を促進することができる。
従って、本発明によれば、血管内皮細胞を従来よりも効果的に遊走可能な血管内皮細胞遊走用足場を提供することができる。

Claims (4)

  1. 下記(A)及び(C)の少なくともいずれかの遺伝子組換えゼラチンを主として含有する三次元の多孔質体と、
    前記三次元の多孔質体に浸潤させた塩基性線維芽細胞増殖因子と
    を含む血管新生用足場。
    (A) 配列番号1で示されるポリペプチド、
    (C) 前記(A)のアミノ酸配列に対して1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、血管内皮細胞遊走能を有するポリペプチド。
  2. 前記遺伝子組換えゼラチンが前記(A)である請求項1記載の血管新生用足場。
  3. 前記三次元の多孔質体が前記遺伝子組換えゼラチンの架橋物である請求項1又は請求項2記載の血管新生用足場。
  4. 生体から単離した血管内皮細胞を、請求項1〜請求項のいずれか一項記載の血管新生用足場に接触させること、
    前記血管新生用足場と接触している前記血管内皮細胞を、血管新生に必要な時間にわたって培養すること
    を含む再生医療用の血管の製造方法。
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