JP5990298B2 - 細胞移植用細胞構造体および細胞移植用細胞集合体 - Google Patents
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Description
間葉系幹細胞をシート状に培養した培養細胞シートと生分解性物質をシート状に形成した生分解シートとを積層してなる骨再生シート(特許文献1)が提案されている。また、多孔質シート上に間葉系細胞から分化させた間葉系組織前駆体細胞と細胞外基質とが付着している間葉系組織再生誘導用シートもある(特許文献2)。その後、特許文献3では、培養手法の開発・最適化によって、200μm以上の厚さのシートを形成できるとあるが、約210μmの皮質骨組織層が形成されていることを確認したと記載されている。
そこで、本発明は、細胞移植のために適した厚みを有することが可能であり、移植された細胞が壊死することを抑制し、移植後、移植部位に、血管を形成し得る細胞移植用細胞構造体を提供することを課題とした。
本発明において、高分子ブロックの大きさが1μm以上700μm以下であることが好ましく、10μm以上300μm以下であることがより好ましい。また、本発明の細胞移植用細胞構造体は、厚さ又は直径が400μm以上3cm以下であることが好ましく、720μm以上1cm以下であることが好ましい。更に、前記高分子ブロックと前記細胞との比率が、細胞1個当り0.0000001μg以上1μg以下であることが好ましい。更にまた、生体親和性を有する高分子ブロックと細胞含有培養液との混合物をインキュベートすることによって製造されることが好ましい。
また、好ましくは、生体親和性を有する高分子が架橋されているものであり、より好ましくは、架橋がアルデヒド類、縮合剤、又は酵素により施されるものである。
式:A−[(Gly−X−Y)n]m−B
(式中、Aは任意のアミノ酸又はアミノ酸配列を示し、Bは任意のアミノ酸又はアミノ酸配列を示し、n個のXはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示し、n個のYはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示し、nは3〜100の整数を示し、mは2〜10の整数を示す。なお、n個のGly-X-Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)で示されるものであり、より好ましくは、
式:Gly-Ala-Pro-[(Gly−X−Y)63]3−Gly
(式中、63個のXはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示し、63個のYはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示す。なお、63個のGly-X-Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)で示されるものである。また、好ましくは、リコンビナントペプチドが、(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列、又は(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列と80%以上の相同性を有し、生体親和性を有するアミノ酸配列を有するものである。また、本発明の細胞移植用細胞構造体は、血管新生因子を含むことが好ましい。
(1)細胞集合体の中心部の血管系の細胞の面積が、周辺部の血管系の細胞の面積より多い領域を有すること、および
(2)中心部の血管系の細胞密度が、1.0×10-4cells/μm3以上である領域を有すること、
のうち少なくとも一方の要件を満たすことを特徴とするものである。
本発明の細胞移植用細胞集合体は、前記(1)および(2)の両方の要件を満たすことが好ましく、前記中心部の血管系の細胞の割合が、血管系の細胞の全面積に対し、60%〜100%である領域を有することも好ましい。
本発明の細胞移植用細胞構造体は、生体親和性を有する高分子ブロックと少なくとも一種類の細胞とを含み、該複数個の細胞間の隙間に複数個の該高分子ブロックが配置されていることを特徴とするものである。実施態様として、生体親和性を有する、複数個の高分子ブロックと、複数個の細胞とを含み、該複数の細胞により形成される複数個の隙間の一部または全部に、一または複数個の前記高分子ブロックが配置されている細胞構造体が挙げられる。
なお、本明細書中、「構造体中で細胞が均一に存在する細胞3次元構造体」等、「均一に存在する」との表現を使用しているが、完全な均一を意味するものではなく、本発明の作用効果である、外部から細胞3次元構造体の内部への栄養送達を可能とすること、移植された細胞の壊死を防止すること、更に、移植後、移植部位に、血管を形成し得ることが可能となる範囲で、分布していることを意味するものである。
(1−1)高分子材料
本発明で用いる生体親和性を有する高分子は、生体に親和性を有するものであれば、生体内で分解されるか否かは特に限定されないが、生分解性材料で構成されることが好ましい。非生分解性材料として具体的には、PTFE、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエステル、塩化ビニル、ポリカーボネート、アクリル、ステンレス、チタン、シリコーン、および、MPC(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)の群から選択される少なくとも1つの材料である。生分解性材料としては、具体的にはポリペプチド、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、PLGA(ポリ乳酸−co−グリコール酸)、ヒアルロン酸、グリコサミノグリカン、プロテオグリカン、コンドロイチン、セルロース、アガロース、カルボキシメチルセルロース、キチン、および、キトサンの群から選択される少なくとも1つの材料である。上記の中でも、ポリペプチドが特に好ましい。尚、これら高分子材料には細胞接着性を高める工夫がなされていてもよく、具体的な方法としては1.「基材表面に対する細胞接着基質(フィブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニン)や細胞接着配列(アミノ酸一文字表記で現わされる、RGD配列、LDV配列、REDV配列、YIGSR配列、PDSGR配列、RYVVLPR配列、LGTIPG配列、RNIAEIIKDI配列、IKVAV配列、LRE配列、DGEA配列、及びHAV配列)ペプチドによるコーティング」、2.「基材表面のアミノ化、カチオン化」、3.「基材表面のプラズマ処理、コロナ放電による親水性処理」といった方法が利用され得る。
本発明で用いる高分子の「1/IOB」値を上記範囲とすることにより、親水性が高く、かつ、吸水性が高くなることから、栄養成分の保持に有効に作用し、結果として、本発明の細胞3次元構造体(モザイク細胞塊)における細胞の安定化・生存しやすさに寄与するものと推定される。
本発明で用いる高分子のGRAVY値を上記範囲とすることにより、親水性が高く、かつ、吸水性が高くなることから、栄養成分の保持に有効に作用し、結果として、本発明の細胞3次元構造体(モザイク細胞塊;モザイク状になっている細胞塊)における細胞の安定化・生存しやすさに寄与するものと推定される。
本発明で用いる生体親和性を有する高分子材料は、架橋されているものでもよいし、架橋されていないものでもよいが、架橋されているものが好ましい。架橋方法としては、熱架橋、化学架橋、アルデヒド類(例えば、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドなど)による架橋、縮合剤(カルボジイミド、シアナミドなど)による架橋、酵素架橋、光架橋、UV架橋、疎水性相互作用、水素結合、イオン性相互作用など公知の方法を用いることができるが、グルタルアルデヒドを用いた架橋法、熱架橋法が好ましい。
本発明にかかるリコンビナントペプチドとは遺伝子組み換え技術により作られたゼラチン類似のアミノ酸配列を有するポリペプチドもしくは蛋白様物質を意味する。本発明で用いることができるリコンビナントペプチドは、コラーゲンに特徴的なGly-X-Yで示される配列(X及びYはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示す)の繰り返しを有するものが好ましい(複数個のGly-X-Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよい)。好ましくは、細胞接着シグナルを一分子中に2配列以上含まれている。本発明で用いるリコンビナントペプチドとしては、コラーゲンの部分アミノ酸配列に由来するアミノ酸配列を有するリコンビナントペプチドを用いることができ、例えばEP1014176、US6992172、WO2004/85473、WO2008/103041等に記載のものを用いることができるが、これらに限定されるものではない。本発明で用いるリコンビナントペプチドとして好ましいものは、以下の態様のリコンビナントペプチドである。
好ましくは、リコンビナントペプチドはテロペプタイドを有さない。
好ましくは、リコンビナントペプチドは天然コラーゲンをコードする核酸により調製された実質的に純粋なコラーゲン用材料である。
(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列;又は
(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列と80%以上(さらに好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上)の相同性を有し、生体親和性を有するアミノ酸配列;
を有するリコンビナントペプチドである。
本発明では、上記した生体親和性を有した高分子材料を含有する塊を使用する。高分子ブロックの製造方法は特に限定されないが、例えば、高分子からなる固形物を粉砕機(ニューパワーミルなど)を用いて粉砕した後に、ふるいでサイズ分けすることにより所望のサイズのブロックを取得することができる。
また、本発明の細胞移植用細胞構造体が、血管新生因子を含むことが好ましい。ここで、血管新生因子としては、塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)、血管内皮増殖因子(VEGF)、肝細胞増殖因子(HGF)などを好適に挙げることができる。血管新生因子を含む細胞移植用細胞構造体の製造方法は、特に制限されないが、例えば、血管新生因子を含浸させた高分子ブロックを使用することにより、製造することができる。
本発明で用いる細胞は、本発明の細胞構造体の目的である、細胞移植を行えるものであれば、適宜使用することができ、その種類は特に限定されない。また、使用する細胞は1種でも、複数種の組合せて用いてもよい。また、使用する細胞として、好ましくは、動物細胞であり、より好ましくは脊椎動物由来細胞、特に好ましくはヒト由来細胞である。脊椎動物由来細胞(特に、ヒト由来細胞)の種類は、万能細胞、体性幹細胞、前駆細胞、又は成熟細胞の何れでもよい。万能細胞としては、例えば、ES細胞、GS細胞、又はiPS細胞を使用することができる。体性幹細胞としては、例えば、間葉系幹細胞(MSC)、造血幹細胞、羊膜細胞、臍帯血細胞、骨髄由来細胞、心筋幹細胞、脂肪由来幹細胞、又は神経幹細胞を使用することができる。前駆細胞及び成熟細胞としては、例えば、皮膚、真皮、表皮、筋肉、心筋、神経、骨、軟骨、内皮、脳、上皮、心臓、腎臓、肝臓、膵臓、脾臓、口腔内、角膜、骨髄、臍帯血、羊膜、又は毛に由来する細胞を使用することができる。ヒト由来細胞としては、例えば、ES細胞、iPS細胞、MSC、軟骨細胞、骨芽細胞、骨芽前駆細胞、間充織細胞、筋芽細胞、心筋細胞、心筋芽細胞、神経細胞、肝細胞、ベータ細胞、線維芽細胞、角膜内皮細胞、血管内皮細胞、角膜上皮細胞、羊膜細胞、臍帯血細胞、骨髄由来細胞、又は造血幹細胞を使用することができる。また、細胞の由来は、自家細胞又は他家細胞の何れでも構わない。
細胞構造体の中心を通る任意の断面において、当該断面の外延に沿って、半径Xの円の中心を一周動かし、動かした円と断面の重複部分を除いた部分の面積が、前記断面の断面積の64%となるような半径Xを求める。当該半径Xの円の中心を一周動かし、動かした円と断面の重複部分を除いた部分を細胞構造体の中心部とする。このとき、断面積が一番大きくなる断面が最も好ましい。なお、細胞構造体の中心とは、断面積が最大となる断面において、当該断面の外延に沿って、半径Yの円の中心を一周動かし、動かした円と断面の重複部分を除いた部分が、一点に決まるような半径Yを求める。当該半径Yの円の中心を一周動かし、動かした円と断面の重複部分を除いた一点を細胞構造体の中心とする。一点に決まらず線分になる場合、またはその線分が複数個存在する場合は、それぞれの線分について、その長さを二等分する点を中心とする。
本発明においては、上記した生体親和性を有する高分子ブロックと上記した細胞とを用いて、複数個の細胞間の隙間に複数個の該高分子ブロックをモザイク状に3次元的に配置させることによって、細胞移植のために適した厚みを有することが可能であり、かつ、生体親和性を有する高分子ブロックと細胞とがモザイク状に3次元配置されることにより、構造体中で細胞が均一に存在する細胞3次元構造体を形成され、外部から細胞3次元構造体の内部への栄養送達を可能となる。これにより、本発明の細胞移植用細胞構造体を用いて、細胞移植を行うと、移植された細胞の壊死を抑制し、移植が可能となる。なお、ここでいう「壊死の抑制」とは、本発明の細胞構造体とせず、細胞のみを移植した場合と比較して、壊死の程度が低いことを意味する。
本発明の細胞構造体は、生体親和性を有した高分子材料からなる塊(「ブロック」)と、細胞とを交互に配置することにより製造できる。製造方法は特に限定されないが、好ましくは高分子ブロックを形成したのち、細胞を播種する方法である。具体的には、生体親和性を有する高分子ブロックと細胞含有培養液との混合物をインキュベートすることによって、本発明の細胞構造体を製造することができる。例えば、容器中、容器に保持される液体中で、細胞と、予め作製した生体親和性を有する高分子ブロックをモザイク状に配置する。配置の手段としては、自然凝集、自然落下、遠心、攪拌を用いることで、細胞と生体親和性基材からなるモザイク状の配列形成を、促進、制御することが好ましい。
(1)別々に調整したモザイク状細胞塊同士を融合させる、又は
(2)分化培地又は増殖培地下でボリュームアップさせる、
などの方法により所望の大きさの細胞構造体を製造することができる。融合の方法、ボリュームアップの方法は特に限定されない。
(1)は非血管系の細胞を用いて前述の方法で細胞構造体を形成した後、血管系の細胞および高分子ブロックを加える工程を有する製造方法である。ここで、「血管系の細胞および高分子ブロック工程」とは、前述した、調整したモザイク状細胞塊同士を融合させる方法、および、分化培地又は増殖培地下でボリュームアップさせる方法、いずれも含むものである。この方法により、(i)細胞構造体の中心部では、血管系の細胞と比較して、非血管系の細胞の面積が多く、周辺部では、非血管系の細胞と比較して、血管系の細胞の面積が多い細胞構造体、(ii)細胞構造体の、中心部の非血管系の細胞の面積が、周辺部の非血管系の細胞の面積より多い細胞移植用細胞構造体、(iii) 細胞構造体の、中心部の血管系の細胞の面積が、周辺部の血管系の細胞の面積より少ない細胞移植用細胞構造体、を製造することが可能となる。
(2)は血管系の細胞を用いて前述の方法で細胞構造体を形成した後、非血管系の細胞および高分子ブロックを加える工程を有する製造方法である。ここで、「非血管系の細胞および高分子ブロック工程」とは、前述した、調整したモザイク状細胞塊同士を融合させる方法、および、分化培地又は増殖培地下でボリュームアップさせる方法、いずれも含むものである。この方法により、(i)細胞構造体の中心部では、非血管系の細胞と比較して、管系の細胞の面積が多く、周辺部では、血管系の細胞と比較して、非血管系の細胞の面積が多い細胞構造体、(ii)細胞構造体の、中心部の血管系の細胞の面積が、周辺部の血管系の細胞の面積より多い細胞移植用細胞構造体、(iii) 細胞構造体の、中心部の非血管系の細胞の面積が、周辺部の非血管系の細胞の面積より少ない細胞移植用細胞構造体、を製造することが可能となる。
(3)は、非血管系の細胞および血管系の細胞を実質的に同時に使用し、前述の方法で細胞構造体を形成させる製造方法である。この方法では、細胞構造体のいずれの部位も、非血管系の細胞および血管系の細胞のいずれかが、大きく偏在することのない細胞構造体を製造することが可能となる。
同様の理由で、血管系の細胞により細胞構造体を形成した後、非血管系の細胞および高分子ブロックを加える工程を有する製造方法が好ましい。そして、血管系の細胞数を多くすることがさらに好ましい。
(1)細胞集合体の中心部の血管系の細胞の面積が、周辺部の血管系の細胞の面積より多い領域を有すること、および
(2)中心部の血管系の細胞密度が、1.0×10-4cells/μm3以上である領域を有すること、
のうち少なくとも一方の要件を満たすことを特徴するものである。
ここで、本発明にかかる細胞移植用細胞集合体とは、構造成分に細胞を含む細胞移植物をいい、その他の成分を含有することを排除するものではない。本発明の細胞移植用細胞集合体は、前記本発明の細胞構造体にかかる高分子ブロックを含むものであっても、前記本発明の細胞構造体にかかる高分子ブロックを含まないものであってもよい。
細胞集合体の形状としては、特に限定されないが、シート状、球形の塊を好適に挙げることができる。具体的には、細胞シートや、細胞シートを複数枚積層化したもの、細胞塊(スフェロイド)や、その細胞塊が複数個融合したものを例示することができる。
また、非血管系細胞と血管系細胞は、前記したものと同様である。
細胞構造体の中心を通る任意の断面において、当該断面の外延に沿って、半径Xの円の中心を一周動かし、動かした円と断面の重複部分を除いた部分の面積が、前記断面の断面積の64%となるような半径Xを求める。当該半径Xの円の中心を一周動かし、動かした円と断面の重複部分を除いた部分を細胞集合体の中心部とする。このとき、断面積が一番大きくなる断面が最も好ましい。なお、細胞構造体の中心とは、断面積が最大となる断面において、当該断面の外延に沿って、半径Yの円の中心を一周動かし、動かした円と断面の重複部分を除いた部分が、一点に決まるような半径Yを求める。当該半径Yの円の中心を一周動かし、動かした円と断面の重複部分を除いた一点を細胞構造体の中心とする。一点に決まらず線分になる場合、またはその線分が複数個存在する場合は、それぞれの線分について、その長さを二等分する点を中心とする。
以上のように求めた中心部が、細胞集合体の最外郭から10μm以上の距離を有する細胞構造体を、本発明の対象の細胞集合体とする。
リコンビナントペプチド(リコンビナントペプチド)として以下記載のCBE3を用意した(WO2008-103041に記載)。
CBE3
分子量:51.6kD
構造: GAP[(GXY)63]3G
アミノ酸数:571個
RGD配列:12個
イミノ酸含量:33%
ほぼ100%のアミノ酸がGXYの繰り返し構造である。CBE3のアミノ酸配列には、セリン、スレオニン、アスパラギン、チロシン及びシステインは含まれていない。CBE3はERGD配列を有している。
等電点:9.34、GRAVY値:-0.682、1/IOB値:0.323
GAP(GAPGLQGAPGLQGMPGERGAAGLPGPKGERGDAGPKGADGAPGAPGLQGMPGERGAAGLPGPKGERGDAGPKGADGAPGKDGVRGLAGPIGPPGERGAAGLPGPKGERGDAGPKGADGAPGKDGVRGLAGPIGPPGPAGAPGAPGLQGMPGERGAAGLPGPKGERGDAGPKGADGAPGKDGVRGLAGPP)3G
基材ブロックとして、リコンビナントペプチドCBE3を用いて、不定形のμブロックを作製した。1000mgのリコンビナントペプチドを9448μLの超純水に溶解し、1N HClを152μL添加後、終濃度1.0%となるように、25%グルタルアルデヒドを400μL添加し、50℃で3時間反応させ、架橋ゼラチンゲルを作製した。この架橋ゼラチンゲルを、1Lの0.2Mグリシン溶液へ浸漬し、40℃2時間振とうさせた。その後、架橋ゼラチンゲルを、5Lの超純水中で1時間振とう洗浄、超純水を新しい物へ置換し、再び洗浄1時間、を繰り返し、計6回洗浄した。洗浄後の架橋ゼラチンゲルを、−80℃で5時間凍結させた後、凍結乾燥機(EYELA、FDU−1000)で凍結乾燥を行った。得られた凍結乾燥体を、ニューパワーミル(大阪ケミカル、ニューパワーミルPM−2005)で粉砕した。粉砕は、最大回転数で1分間×5回、計5分間の粉砕で行った。得られた粉砕物について、ステンレス製ふるいでサイズ分けし、25〜53μm及び53〜106μmのリコンビナントペプチドμブロックを得た。
基材ブロックとして、天然ゼラチン(Nippi、ニッピゼラチン・ハイグレードゼラチンAPAT)を用いて、不定形のμブロックを作製した。1000mgの天然ゼラチンを9448μLの超純水に溶解し、1N HClを152μL添加後、終濃度1.0%となるように、25%グルタルアルデヒドを400μL添加し、50℃で3時間反応させ、架橋ゼラチンゲルを作製した。この架橋ゼラチンゲルを、1Lの0.2Mグリシン溶液へ浸漬し、40℃2時間振とうさせた。その後、架橋ゼラチンゲルを、5Lの超純水中で1時間振とう洗浄、超純水を新しい物へ置換し、再び洗浄1時間、を繰り返し、計6回洗浄した。洗浄後の架橋ゼラチンゲルを、−80℃で5時間凍結させた後、凍結乾燥機(EYELA、FDU−1000)で凍結乾燥を行った。得られた凍結乾燥体を、ニューパワーミル(大阪ケミカル、ニューパワーミルPM−2005)で粉砕した。粉砕は、最大回転数で1分間×5回、計5分間の粉砕で行った。得られた粉砕物について、ステンレス製ふるいでサイズ分けし、25〜53μm及び53〜106μmの天然ゼラチンμブロックを得た。
ヒト骨髄由来間葉系幹細胞(hMSC)を増殖培地(タカラバイオ:MSCGM-CDTMBulletKitTM)にて50万cells/mLに調整し、実施例3で作製した天然ゼラチンμブロックを1.0mg/mLとなるように加えた後、100μLをスミロンセルタイトX96Uプレートに播種し、18時間静置し、直径1mm程度の球状の、天然ゼラチンμブロックとhMSC細胞からなるモザイク細胞塊を作製した(細胞1個当たり0.002μgの高分子ブロック)。その後、培地を軟骨分化培地(タカラバイオ:hMSC DifferentiationBulletKitTM,Chondrogenic、TGF-β3)(200μL)へ置換した。Day7で、直径(=厚さ)1.34mmの球状に、モザイク細胞塊が形勢された(図2)。尚、本モザイク細胞塊は、U字型のプレート中で作製するため、球状に作製されている。
実施例4で作製したリコンビナントペプチドμブロックを用いたモザイク細胞塊について、組織切片を作製した。実施例4で作製した培地中のモザイク細胞塊に対して、培地を除去後、200μLのPBSを加え洗浄し、PBSを除去した。この洗浄工程を2回繰り返した後、洗浄したモザイク細胞塊を10%ホルマリンに浸漬し、2日間ホルマリン固定を行った。その後、パラフィンで包埋し、組織切片を作製した。切片はHE染色(ヘマトキシリン・エオシン染色)し、細胞とゼラチンμブロックの状態を解析した。結果を図3、図4及び図5に示す。これにより、ゼラチンμブロックと、細胞がモザイク状に配置された3次元構造体が作製されていること、さらに細胞が正常な状態でモザイク細胞塊中に存在していることが確認できた。また、この断面切片から、少なくとも厚さ720μm以上のモザイク細胞塊が作製できていることが示された。
実施例4で作製したモザイク細胞塊が、融合可能であるか、つまりモザイク細胞塊を並べていくことで、自然融合し、より大きな3次構造体を形成できるかについて実施した。実施例4で作製した6日目のモザイク細胞塊2個、3個、及び4個をスミロンセルタイトX96Uプレート中で並べ、5日間培養を行った。その結果、モザイク細胞塊同士の間を、外周部に配された細胞が結合させることで、モザイク細胞塊が自然に融合することが明らかになった。図6に実体顕微鏡で撮像した写真を示す。融合開始日(Day6と記載)のモザイク細胞塊では、モザイク細胞塊同士が隣り合って配置されているだけであるが、融合開始から5日目(Dya11と記載)には、モザイク細胞塊間に新たな層が形成され、融合されていっている様子がわかる。また、図7,8,9,10,11には、該融合モザイク細胞塊の断面について、組織切片を作製し、HE染色した結果を示す(固定は10%ホルマリン、包埋はパラフィン包埋)。細胞と、細胞により産生された細胞外基質で、モザイク細胞塊間に融合層が形成されており、モザイク細胞塊同士を融合、結合していることがわかる。これにより、本発明にて作製されるモザイク細胞塊は、自然に融合可能であり、融合させることで、より大きな構造体を形成できることが示された。従って、本発明を用いることで、厚さを有した細胞シート状に作製することも、より立体的な3次元構造体を作製することも可能であることが分かる。
ヒト骨髄由来間葉系幹細胞(hMSC)を増殖培地(タカラバイオ:MSCGM-CDTMBulletKitTM)にて50万cells/mLに調整し、実施例2で作製したリコンビナントペプチドμブロックを1.0mg/mLとなるように加えた後、100μLをスミロンセルタイトX96Uプレートに播種し、18時間静置し、直径1mm球状のモザイク細胞塊を作製した(細胞1個当たり0.002μgの高分子ブロック)。その後、培地を200μLへ増やし、3日毎に培地を交換し培養した。Day7で、直径(=厚さ)1.34mmの球状に、モザイク細胞塊が形成された(尚、本モザイク細胞塊は、U字型のプレート中で作製するため、球状に作製される)。Day7のモザイク細胞塊の切片写真を図16、17に示す。この断面切片上で、厚さの薄い箇所でも、少なくとも624μm以上の厚みを達成していることが分かる。
実施例8で作製した3日目(Day3)のモザイク細胞塊について、培地交換の際、実施例2で作製した0.1mgのリコンビナントペプチドμブロックを、増殖培地(タカラバイオ:MSCGM-CDTM BulletKitTM)に懸濁して添加した。以後、Day7,10,14,17,21の培地交換に合わせ、0.1mgずつのリコンビナントペプチドμブロックを添加していった。
実施例4で作製した3日目(Day3)のモザイク細胞塊について、培地交換の際、実施例2で作製した0.1mgリコンビナントペプチドμブロック(0.1mg)を、軟骨分化培地(タカラバイオ:hMSC Differentiation BulletKitTM,Chondrogenic、TGF-β3)に懸濁して添加した。以後、Day7,10,14,17,21の培地交換に合わせ、0.1mgずつのリコンビナントペプチドμブロックを添加していった。
実施例4及び実施例5で作製したモザイク細胞塊(hMSC細胞+リコンビナントペプチド、hMSC細胞+天然ゼラチン)、及び細胞のみで作製した細胞塊(実施例4と同様の手法で、ゼラチンブロックを入れずに作製した)、について、モザイク細胞塊中のグリコサミノグリカン量を定量した。測定は、(Farndale et al., Improved quantitation and sulphated glycosaminoglycans by use of dimethylmethylene blue. Biochimica et Biophysica Acta 883 (1986) 173-177)のDimetylmethylene blue dyeを用いる方法で行い、試薬は硫酸化GAG定量キット(生化学バイオビジネス)を用いた。530nmの吸光を測定し、定量した。図21に示すように、該手法によって、特徴的な吸収ピークが525−530nmに見られることを確認している。
各モザイク細胞塊中の細胞が産生・保持しているATP(アデノシン三リン酸)量を定量した。ATPは生物全般のエネルギー源として知られ、ATP合成量・保持量を定量することで、細胞の代謝活性の状態、活動状態を知ることができる。測定には、CellTiter−Glo(Promega社)を用いた。比較は、実施例4及び実施例5で作製したモザイク細胞塊(hMSC細胞+リコンビナントペプチド、hMSC細胞+天然ゼラチン)、及び細胞のみで作製した細胞塊(実施例4と同様の手法で、ゼラチンブロックを入れずに作製した)、について、ともにDay7のもので、CellTiter−Gloを用いて、各モザイク細胞塊中のATP量を定量した。
PLGA(乳酸・グリコール酸共重合体: Wako、PLGA7520)0.3gをジクロロメタン(3mL)に溶解した。概PLGA溶解液を乾燥機(EYELA、FDU−1000)にて真空乾燥し、PLGAの乾燥体を得た。PLGA乾燥体を、ニューパワーミル(大阪ケミカル、ニューパワーミルPM−2005)で粉砕した。粉砕は、最大回転数で10秒×20回の粉砕で行った。得られた粉砕物について、ステンレス製ふるいでサイズ分けし、25〜53μm及び53〜106μmのPLGAμブロックを得た。
PLGA:「1/IOB」値:0.0552
ヒト骨髄由来間葉系幹細胞(hMSC)を増殖培地(タカラバイオ:MSCGM-CDTMBulletKitTM)にて50万cells/mLに調整し、実施例13で作製したPLGAμブロックを加えた(最終濃度で0.1mg/mL、0.2mg/mL、1.0mg/mL、2.0mg/mLとなるように条件を振って作成した)後、100μLをスミロンセルタイトX96Uプレートに播種し、18時間静置し、直径1mm弱・球状のモザイク細胞塊を作製した(細胞1個当たり0.0002、0.0004、0.002、0.004μgの高分子ブロック)。その後、培地を200μLへ増やし、3日毎に培地を交換し培養した。尚、本モザイク細胞塊は、U字型のプレート中で作製するため、球状に作製される。Day2のPLGAモザイク細胞塊の実体顕微鏡写真を図24に示す。
アガロース粉末5gを超純水(100mL)に加え、電子レンジを用いて加熱し溶解した。得られた5%アガロース溶解液を常温に戻すことで固形物にして、−80℃で5時間凍結させた後、凍結乾燥機(EYELA、FDU−1000)で凍結乾燥を行うことで、アガロースの凍結乾燥体を得た。アガロース凍結乾燥体を、ニューパワーミル(大阪ケミカル、ニューパワーミルPM−2005)で粉砕した。粉砕は、最大回転数で10秒×20回の粉砕で行った。得られた粉砕物について、ステンレス製ふるいでサイズ分けし、25〜53μm及び53〜106μmのアガロースμブロックを得た。
IOB値:3.18
ヒト骨髄由来間葉系幹細胞(hMSC)を増殖培地(タカラバイオ:MSCGM-CDTMBulletKitTM)にて50万cells/mLに調整し、実施例15で作製したアガロースμブロックを加えた(最終濃度で0.1mg/mL、1.0mg/mLとなるように条件を振って作成した)後、100μLをスミロンセルタイトX96Uプレートに播種し、18時間静置し、直径1mm弱・球状のモザイク細胞塊を作製した(細胞1個当たり0.0002、0.002μgの高分子ブロック)。その後、培地を200μLへ増やし、3日毎に培地を交換し培養した。尚、本モザイク細胞塊は、U字型のプレート中で作製するため、球状に作製された。
新生児SDラット心筋細胞(rCMC)を心筋細胞用培地(Primary Cell Co., Ltd:CMCM 心筋細胞用培養メディウム)にて50万cells/mLに調整し、実施例2で作製したリコンビナントペプチドμブロックを0.5、1.0、3.0mg/mLとなるように加えた後、それぞれ100μLをスミロンセルタイトX96Uプレート(住友ベークライト、底がU字型)に播種し、18時間静置し、直径1〜2mm程度のリコンビナントペプチドμブロックとrCMC細胞からなるモザイク細胞塊を作製した(細胞1個当たり0.001、0.002、0.006μgの高分子ブロック)。培地交換は、Day3、7、10、14、17、21で行った。
GFPを発現しているヒト臍帯静脈内皮細胞(GFP−HUVEC:Angio−Proteomie社)を内皮細胞用培地(クラボウ:Medium200S、LSGS、抗菌剤GA溶液)にて50万cells/mL調整し、実施例2で作製したリコンビナントペプチドμブロックを0.3、1.0、3.0mg/mLとなるように加えた後、それぞれ100μLをスミロンセルタイトX96Uプレート(住友ベークライト、底がU字型)に播種した(細胞1個当たり0.0006、0.002、0.006μgの高分子ブロック)。また、同様にして、細胞を150万cells/mLに調整し、実施例2で作製したリコンビナントペプチドμブロックを1.0mg/mLとなるように加えた後、100μL、200μLをスミロンセルタイトX96Uプレート(住友ベークライト、底がU字型)に播種したものも作製した。全てについて、18時間静置し、直径1〜2mm程度のリコンビナントペプチドμブロックとGFP−HUVEC細胞からなるモザイク細胞塊を作製した。培地交換は、Day3、7、10、14、17、21で行った。
ヒト骨髄由来間葉系幹細胞(hMSC)を増殖培地(タカラバイオ:MSCGM BulletKitTM)にて10万cells/mLに調整し、実施例2で作製したリコンビナントペプチドμブロックを0.1mg/mLとなるように加えた後、200μLをスミロンセルタイトX96Uプレート(住友ベークライト、底がU字型)に播種し、卓上プレート遠心機で遠心(600g、5分)し、24時間静置し、直径1mm程度の球状の、リコンビナントペプチドμブロックとhMSC細胞からなるモザイク細胞塊を作製した(細胞1個当たり0.001μgの高分子ブロック)。なお、U字型のプレート中で作製したため、本モザイク細胞塊は、球状であった。
実施例19−(1)で作製したモザイク細胞塊が、融合可能であるか、つまりモザイク細胞塊を並べていくことで、自然融合し、より大きな3次構造体を形成できるかについて実施した。まず、PrimeSurface 90mm dishにぴったりと合う大きさの四角のシリコンシート(3mm厚)を作成し、真ん中を1.5cm四方にくり貫いた。シリコンシートはエタノールで消毒し、PBSで洗浄して用いた。それを、PrimeSurface 90mm dishにはめ、実施例19−(1)で作製したモザイク細胞塊を1500個、1.5cm四方の中に並べるように置いた。増殖培地(タカラバイオ:MSCGM BulletKitTM)を50ml静かに入れ、2日培養した。その結果、1.5cm四方、厚さ2mmのモザイク細胞塊の融合体を作成することができた。図27に実体顕微鏡で撮像した写真を示す。また、この融合体の断面のHE染色切片から、内部の細胞が生存していることも確認できた。これにより、モザイク細胞塊は、自然に融合可能であり、融合させることで、cmオーダーの大きな構造体を形成できることが示された。従って、モザイク細胞塊を細胞移植に用いられるような厚さを有した細胞シート状に作製することも、より立体的な3次元構造体を作製することも可能であることが分かる。
実施例20−(1):ヒト骨髄由来間葉系幹細胞(hMSC)を増殖培地(タカラバイオ:MSCGM BulletKitTM)にて10万cells/mLに調整し、実施例2で作製したリコンビナントペプチドμブロックを0.1mg/mLとなるように加えた後、200μLをスミロンセルタイトX96Uプレートに播種し、卓上プレート遠心機で遠心(600g、5分)し、24時間静置し、直径1mm程度の球状の、リコンビナントペプチドμブロックとhMSC細胞からなるモザイク細胞塊を作製した。その後、培地を除去し、ヒト血管内皮前駆細胞(hECFC)を増殖培地(Lonza:EGM−2+ECFC serum supplement)にて10万cells/mLに調整し、実施例2で作製したリコンビナントペプチドμブロックを0.025mg/mLとなるように加えた後、hMSC細胞のモザイク細胞塊のある200μLをスミロンセルタイトX96Uプレートに播種し、卓上プレート遠心機で遠心(600g、5分)し、24時間静置し、直径1mm程度の球状の、リコンビナントペプチドμブロックとhMSC細胞からなるモザイク細胞塊の周辺部にhECFCとリコンビナントペプチドμブロックの層ができているモザイク細胞塊を作製した。なお、U字型のプレート中で作製したため、本モザイク細胞塊は、球状であった。
ヒト骨髄由来間葉系幹細胞(hMSC)を増殖培地(タカラバイオ:MSCGM BulletKitTM)にて37.5万cells/mLに調整し、200μLをスミロンセルタイトX96Uプレート(住友ベークライト、底がU字型)に播種し、卓上プレート遠心機で遠心(600g、5分)し、24時間静置し、直径1mm程度の球状の、hMSC細胞からなる細胞塊を作製した。なお、U字型のプレート中で作製したため、本モザイク細胞塊は、球状であった。
ヒト血管内皮前駆細胞(hECFC)を増殖培地(Lonza:EGM−2 +ECFC serum supplement)にて10万cells/mLに調整し、200μLをスミロンセルタイトX96Uプレートに播種し、卓上プレート遠心機で遠心(600g、5分)し、24時間静置し、hECFCの細胞塊を作製した。その後、培地を除去し、ヒト骨髄由来間葉系幹細胞(hMSC)を増殖培地(タカラバイオ:MSCGM BulletKitTM)にて30万cells/mLに調整し、hECFCモザイク細胞塊がある200μLをスミロンセルタイトX96Uプレートに播種し、卓上プレート遠心機で遠心(600g、5分)し、24時間静置し、直径1mm程度の球状のhECFCとhMSCからなる球形の細胞塊を作製した(ここで得られた細胞塊をAとする)。また、ヒト血管内皮前駆細胞(hECFC)を増殖培地(Lonza:EGM−2 +ECFC serum supplement)にて20万cells/mLに調整し、200μLをスミロンセルタイトX96Uプレートに播種し、卓上プレート遠心機で遠心(600g、5分)し、24時間静置し、hECFCの細胞塊を作製した。その後、培地を除去し、ヒト骨髄由来間葉系幹細胞(hMSC)を増殖培地(タカラバイオ:MSCGM BulletKitTM)にて20万cells/mLに調整し、hECFCモザイク細胞塊がある200μLをスミロンセルタイトX96Uプレートに播種し、卓上プレート遠心機で遠心(600g、5分)し、24時間静置し、直径1mm程度の球状のhECFCとhMSCからなる球形の細胞塊を作製した(ここで得られた細胞塊をBとする)。
実施例19−(1)、20および比較例1で作製したリコンビナントペプチドμブロックを用いたモザイク細胞塊について、組織切片を作製した。切片厚は2μmとした。作製した培地中のモザイク細胞塊に対して、培地を除去後、200μLのPBSを加え洗浄し、PBSを除去した。この洗浄工程を2回繰り返した後、洗浄したモザイク細胞塊を10%ホルマリンに浸漬し、ホルマリン固定を行った。その後、パラフィンで包埋し、組織切片を作製した。実施例19−(1)と比較例1では、切片はHE染色(ヘマトキシリン・エオシン染色)し、細胞とリコンビナントペプチドμブロックの状態を解析した。結果を図28と図29に示す。これにより、モザイク細胞塊ではリコンビナントペプチドμブロックと、細胞がモザイク状に配置された3次元構造体が作製されていること、さらに細胞が正常な状態でモザイク細胞塊中に存在していることが確認できた。また、この断面切片から、少なくとも厚さ500μmのモザイク細胞塊および細胞塊が作製できていることが示された。
その結果、実施例20−(1)の本モザイク細胞塊の中心部のhECFC(血管系の細胞)の面積の割合は24%、実施例20−(2)の本モザイク細胞塊の中心部のhECFCの面積の割合は、A、B共に91%、実施例20−(3)の本モザイク細胞塊の中心部のhECFCの面積の割合は、67%であった。
その結果、実施例20−(1)の本モザイク細胞塊の中心部のhECFC(血管系の細胞)の細胞数は1.58×10-5cells/μm3、実施例20−(2)のAの本モザイク細胞塊の中心部のhECFCの細胞数は1.12×10-4cells/μm3、実施例20−(3)の本モザイク細胞塊の中心部のhECFCの細胞数は1.06×10-4cells/μm3であった。実施例20−(2)のBで細胞数とブロック重量を2倍にした場合では、中心部のhECFCの細胞数は1.72×10-4cells/μm3であった。
マウスの体内において、モザイク細胞塊中心のhMSCが生存していることを確認する試験を行った。
マウスはBalb/c Nude(チャールズリバー)のオス、5週齢を5週ほど飼育し、約10週齢のものを用いた。まず、麻酔下で、マウスの足先端から1つ目と2つ目の足関節の間(以後、下腿部と表記)の皮膚をはさみで切開し、皮膚をめくった。その後、下腿部筋肉をメスで5mmほど切開し、ピンセットを用いて、実施例19−(1)で作成したhMSCモザイク細胞塊および比較例1で作成したhMSC細胞塊を切開部に埋めた。筋肉の切開部を縫合糸で縫合し、さらに皮膚を縫合した。
さらに、もうひとつの手法として、下腿部に筋肉注射する移植方法についても行った。実施例19−(1)で作成したhMSCモザイク細胞塊10個または比較例1で作成したhMSC細胞塊10個をhMSCの増殖培地(タカラバイオ:MSCGM BulletKitTM)200μlと共に1mmシリンジに入れ、18Gの注射針(テルモ)で下腿部の筋肉に注射した。
解剖は移植後2日、5日、8日、13日に行った。筋肉切開移植の場合は、マウス下腿部の皮膚をはがし、下腿部の筋肉の縫合糸を取り除き、切開部をメスで切り開いた。移植したhMSCモザイク細胞塊およびhMSC細胞塊を目視で確認後、大腿部を骨ごとはさみで切断し、さらに足首から先を切断した。
筋肉注射移植の場合は、マウス下腿部の皮膚をはがし、下腿部の筋肉をメスで切開した。移植したhMSCモザイク細胞塊およびhMSC細胞塊を目視で確認後、それぞれが付着している筋肉を切り出した。
モザイク細胞塊または細胞塊を含む下腿部、hMSCモザイク細胞塊およびhMSC細胞塊が付着した筋肉および移植前のモザイク細胞塊と細胞塊について組織切片を作製した。大腿部を4%パラホルムアルデヒドに浸漬し、ホルマリン固定を行った。その後、パラフィンで包埋し、hMSCモザイク細胞塊およびhMSC細胞塊を含む下腿部の組織切片を作製した。切片はHE染色(ヘマトキシリン・エオシン染色)およびhMSC細胞の染色用として、CD29抗体とDAB発色法の免疫染色し、細胞の分布を解析した。移植後5日目のHE染色切片図を示す(図34、35)。
モザイク細胞塊の移植
マウスはNOD/SCID(チャールズリバー)のオス、4週齢を8週ほど飼育し、約12週齢のものを用いた。麻酔下でマウス腹部の体毛を除去し、上腹部の皮下に切れ込みを入れ、切れ込みからはさみを差し込み、皮膚を筋肉からはがした後、実施例20(1)〜(3)で作成した3種類のhMSC+hECFCのモザイク細胞塊をピンセットですくい、切れ込みから1.5cmほど下腹部寄りの皮下に移植し、皮膚の切れ込み部を縫合した。
解剖は移植から5日、14日、28日後に行った。腹部の皮膚をはがし、モザイク細胞塊が付着した皮膚を、約1平方cmの正方形の大きさに切り取った。モザイク細胞塊が腹部の筋肉にも付着している場合は、筋肉と共に採取した。
モザイク細胞塊の移植
マウスはNOD/SCID(チャールズリバー)のオス、4週齢を用いた。麻酔下でマウス腹部の体毛を除去し、上腹部の皮下に切れ込みを入れ、切れ込みからはさみを差し込み、皮膚を筋肉からはがした後、実施例20(2)で作成したA,Bの2パターンのhMSC+hECFCのモザイク細胞塊とおよび比較例2のA,Bの2パターンのhMSC+hECFCの細胞塊をピンセットですくい、切れ込みから1.5cmほど下腹部寄りの側腹部皮下に移植し、皮膚の切れ込み部を縫合した。
解剖は移植から6日、14日、28日後に行った。腹部の皮膚をはがし、モザイク細胞塊が付着した皮膚を、約1平方cmの正方形の大きさに切り取った。モザイク細胞塊が腹部の筋肉にも付着している場合は、筋肉と共に採取した。
図39は、実施例20−(2)のAのモザイク細胞塊を用いたいもののHE染色切片図、図40は、実施例20−(2)のBのモザイク細胞塊を用いたいもののHE染色切片図である。いずれの図からも、移植後14日目のモザイク細胞塊内部で血管が形成されていることが窺えるが、実施例20−(2)のBのモザイク細胞塊の方が、Aのモザイク細胞塊よりも、血管の形成が多く見られた。モザイク細胞塊中では、hECFCを内部に存在させることに加え、hECFCの数が多い方が血管形成能が高くなることが証明された。一方、図41は、比較例2のBを用いたもののHE染色切片図である。比較例2のAの細胞塊では、移植後14日目では採取できなかった。一方、比較例2のBの細胞塊では、細胞塊が小さくなり、血管は見られず、細胞も死んでいるのが観察された。これにより、hECFCを同様に含んでいても、ブロックがない細胞塊では血管を形成できず、細胞が死ぬことが確認できた。
Claims (24)
- 生体親和性を有する高分子ブロックと、少なくとも一種類の細胞と、を含み、該複数個の細胞間の隙間に複数個の該高分子ブロックが配置されている細胞移植用細胞構造体であって、
前記高分子ブロックの大きさが20μm以上150μm以下であり、
前記高分子ブロックの形状が不定形であり、
前記高分子ブロックと前記細胞との比率が、細胞1個当り0.0000001μg以上1.0μg以下であり、
前記高分子ブロックが、高分子からなる固形物を粉砕して得られたものであり、前記固形物が凍結乾燥により得られたものである細胞移植用細胞構造体。 - 厚さ又は直径が400μm以上3cm以下である、請求項1に記載の細胞移植用細胞構造体。
- 厚さ又は直径が500μm以上2cm以下である、請求項1に記載の細胞移植用細胞構造体。
- 厚さ又は直径が720μm以上1cm以下である、請求項2又は3に記載の細胞移植用細胞構造体。
- 生体親和性を有する高分子ブロックと細胞含有培養液との混合物をインキュベートすることによって製造される、請求項1から4の何れか1項に記載の細胞移植用細胞構造体。
- 生体親和性を有する高分子が、生分解性材料である、請求項1から5の何れか1項に記載の細胞移植用細胞構造体。
- 生体親和性を有する高分子が、ポリペプチド、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、PLGA、ヒアルロン酸、グリコサミノグリカン、プロテオグリカン、コンドロイチン、セルロース、アガロース、カルボキシメチルセルロース、キチン、又はキトサンである、請求項1から6の何れか1項に記載の細胞移植用細胞構造体。
- 生体親和性を有する高分子が、ゼラチン、コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、プロネクチン、ラミニン、テネイシン、フィブリン、フィブロイン、エンタクチン、トロンボスポンジン、又はレトロネクチンである、請求項1から7の何れか1項に記載の細胞移植用細胞構造体。
- 生体親和性を有する高分子が架橋されている、請求項1から8の何れか1項に記載の細胞移植用細胞構造体。
- 架橋がアルデヒド類、縮合剤、又は酵素により施される、請求項9に記載の細胞移植用細胞構造体。
- 生体親和性を有する高分子が、リコンビナントペプチドである、請求項1から10の何れか1項に記載の細胞移植用細胞構造体。
- 前記生体親和性を有する高分子が、細胞接着性シグナルを一分子中に2以上有する請求項11に記載の細胞移植用細胞構造体。
- リコンビナントペプチドが、
式:A−[(Gly−X−Y)n]m−B
(式中、Aは任意のアミノ酸又はアミノ酸配列を示し、Bは任意のアミノ酸又はアミノ酸配列を示し、n個のXはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示し、n個のYはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示し、nは3〜100の整数を示し、mは2〜10の整数を示す。なお、n個のGly-X-Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)で示される、請求項11に記載の細胞移植用細胞構造体。 - リコンビナントペプチドが、
式:Gly-Ala-Pro-[(Gly−X−Y)63]3−Gly
(式中、63個のXはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示し、63個のYはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示す。なお、63個のGly-X-Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)で示される、請求項11又は13に記載の細胞移植用細胞構造体。 - リコンビナントペプチドが、(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列、又は(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列と80%以上の相同性を有し、生体親和性を有するアミノ酸配列を有する、請求項11から14の何れか1項に記載の細胞移植用細胞構造体。
- 血管新生因子を含む請求項1から15の何れか1項に記載の細胞移植用細胞構造体。
- 前記細胞が、万能細胞、体性幹細胞、前駆細胞および成熟細胞からなる群から選択される細胞である請求項1から16の何れか1項に記載の細胞移植用細胞構造体。
- 前記細胞が、非血管系の細胞を含む請求項17に記載の細胞移植用細胞構造体。
- 前記細胞が、非血管系の細胞のみである請求項17に記載の細胞移植用細胞構造体。
- 前記細胞が二種類以上であり、非血管系の細胞および血管系の細胞の両方を含む請求項18に記載の細胞移植用細胞構造体。
- 細胞構造体の、中心部の血管系の細胞の面積が、周辺部の血管系の細胞の面積より多い領域を有する請求項20に記載の細胞移植用細胞構造体。
- 前記中心部の血管系の細胞の割合が、血管系の細胞の全面積に対し、60%〜100%である領域を有する請求項21に記載の細胞移植用細胞構造体。
- 細胞構造体の、中心部の血管系の細胞密度が、1.0×10-4cells/μm3以上である領域を有する、請求項20から22の何れか1項に記載の細胞移植用細胞構造体。
- 請求項20から23の何れか1項に記載の細胞移植用細胞構造体を用いて、血管形成された細胞移植用細胞構造体。
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