JP5808538B2 - 前立腺癌治療後の再発に関する早期決定のための方法 - Google Patents

前立腺癌治療後の再発に関する早期決定のための方法 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、処置後の前立腺疾患の早期段階の再発の検出に有用な組成物および方法に関する。
本発明の背景および序論
世界中で、毎年、およそ670,000例の新たな前立腺癌の症例がみられる。英国前立腺癌発生数統計、http://info.cancerresearchuk.org/cancerstats/types/prostate/incidence/(2009年1月23日に最後にアクセス)。欧州では、2004年、新たに237,800例の症例が診断され、前立腺癌による死亡例は85,200例発生した。非特許文献1。癌の家族歴、喫煙状態、年齢および人種などの臨床的リスクファクターに加え、前立腺癌の最初の検出は、一般的に、正常、良性および悪性の前立腺上皮細胞によって産生される中性セリンプロテアーゼである前立腺特異的抗原(PSA)と称されるタンパク質の循環濃度が増大するという所見に基づく。前立腺細胞によって産生されるPSAは、遊離形態および複合体形成形態の両方で、精液、血清、血漿および尿中に存在しており、該体液中において測定され得る。遊離形態と複合体形成形態の同時の測定値は「総PSA」測定値と称され、正確には「tPSA」または「PSA」のいずれかで称され得る。血中PSA濃度は種々の前立腺疾患において、特に前立腺癌において増大し、この濃度増大は血清PSA測定値に反映される。非特許文献2。したがって、過去20年間、血清PSAに対する従来型イムノアッセイなどのアッセイが前立腺癌の初期検出に使用されてきた。非特許文献3。
一般的に、血清PSA濃度の増大が患者において観察された場合、癌の存在を確認するため、および癌の病態を特性評価するために前立腺の生検が行なわれる。前立腺癌が確認されたら、患者のおよそ3分の2は、根治的前立腺摘除術(RP、前立腺の完全な外科的除去)、あるいはさまざまな方法による放射線、ホルモンまたは化学療法で処置される。しかしながら、該処置患者のうち40%に至る患者に疾患が再発することがあり得る。非特許文献4参照。前立腺癌の再発は、生存に対する予後不良に関連する。しかしながら、予後は、再発が初期段階で検出され、サルベージ処置などの適切な管理法が開始され得るようになれば、改善され得る。残念ながら、再発の尤度を評価するための既存の方法は早期検出には不充分である。RP前またはRP時に得られる臨床病理学的観測結果、例えば、癌の病期、グリーソンスコア、診断時の年齢、外科的切除縁(surgical margin)の関与(外科的切除縁部の癌の存在)、癌の局所組織浸潤、癌の前立腺被膜浸潤、癌の精嚢浸潤、癌の膀胱頸部(bladder neck)浸潤、癌のリンパ節浸潤、および総腫瘍体積により、疾患再発尤度の評価において、いくらか情報は得られるが、必ずしも予測的であるとは限らず、再発の正確な時点を特定するためには使用され得ない。生検または種々の型の画像化法を用いて疾患の再発が確認され得るが、このような方法は感度が不充分であるという欠点を有する。一般的に、生検または画像化試験によって新たな腫瘍が検出される時点までに、再発は、予後が特に不良な後期段階になっている。したがって、このような方法は、早期検出および早期検出に基づいた集中的処置のためには不充分である。
疾患再発の根拠を臨床病理学的所見および生検または画像化試験とすることの不充分さに対処するため、疾患再発は、現在では、主に処置後の患者の血清PSA濃度が増大しているという所見を根拠にしている。例えば、根治的前立腺摘除術後、残存しているPSA分泌前立腺組織がなく、術前レベルのPSAの生理学的クリアランスに充分な時間が経過した場合、PSAの血清濃度は最下点(nadir)まで低下する。その最下点後に血清PSA濃度の上昇が開始した場合は、疾患再発の表示であり得る。この型の再発は、再発が局所または遠隔腫瘍の新たな所見ではなく、PSAの循環レベルの増大のみを反映しているため、「生化学的再発」(BCR)と称される。PSAの生化学的再発は、現在、RPなどの処置後の前立腺癌の医療的管理におけるケアの標準となっている。
生化学的再発が生じたとみなされる時点を確立するための種々の閾値が公表されている。非特許文献5。典型的には、PSAの最下点後の200pg/mL(0.2ng/ml)の値が生化学的再発点の規定に用いられる。同一著者。PSAに対する従来型アッセイは100pg/mlの範囲の検出限界を有し、場合によっては、より高い実効感度(functional sensitivity)を有する。100pg/mLの検出限界を有する従来型PSAアッセイを用いた生化学的再発の平均検出期間は38.4ヶ月以上である。非特許文献6。
Boyle,Pら Annals of Oncology 16:481−488(2005) Valsanenら、Prostate Cancer and Prostatic Disease 2:91−97(1999) Yuら、J.Urology 157:913−918(1997) Moul,J.Urology 163:1632−1642(2000) Cookson MSら、J Urology 177:540−545(2007) Vassilikosら、Clinical Biochemistry 33(2):115−123(2000)
発明の簡単な概要
本発明は、前立腺疾患の処置を受けた患者のモニタリング、ならびに前立腺癌の検出、および治療後、または臨床観測結果ならびに本発明のPSAの値およびPSAの指標に応じて前立腺摘除後治療を施さないと決定した後の癌再発または安定病態の検出に有用である。本発明は、従来型アッセイよりも優れたPSAの検出の限界(limit of detection)および実効感度を有する新規なアッセイを提供することにより、処置後の前立腺癌の生化学的再発の特定に対して、従来型血清PSAアッセイよりも利点を有する。したがって、本発明は、前立腺疾患の処置を受けた患者のモニタリングおよびRPなどの一次治療後の安定病態(再発なし)とは対照的な癌再発の検出に有用である。
また、本明細書に記載の方法は、例えば、前立腺癌の初期段階の再発の検出、または患者が前立腺癌の根治的前立腺摘除術後、安定であることを早期に判定するためにも有用である。本発明の改善された検出の限界および実効感度により、再発の早期検出が可能になり、適切な場合では、癌の再発に対するサルベージ治療の早期開始が可能になる。
前立腺癌に対する治療は、根治的前立腺摘除術、放射線治療、化学療法、または抗アンドロゲン処置であり得る。安定病態の早期検出により、切除縁およびグリーソンスコアが不良であり、安定病態が検出されなかった場合は別な方法で処置されることになるであろう比較的若年齢の患者において、不必要な補助的治療が回避され得る。他方で、本発明の方法を用いて初期段階の再発が検出された患者にはより早期に処置を施すことができる。したがって、低レベルのPSAを検出する能力により、PSAレベルが低いことからBRを有しないことがわかり得るため、逆戻り(relapse)の確率が高いために現状では処置を受けている一部の患者の治療を低減することが可能になり得る。また、BRのこの早期検出により早期治療がもたらされ得る。Nilssonら、Acta Oncologica Vol.43,No.4,pp316−381,2004。
一実施形態において、総PSA(tPSAまたはPSA)のレベル濃度は、治療後の患者において、治療後の患者から1つ以上の試料を採取し、少なくとも1pg/mLまで低値の検出限界および10pg/mLより低値の実効感度を有するPSAアッセイを用いて各試料中のPSAの量を測定することによりモニタリングされ得る。別の実施形態において、1pg/mLより低い検出限界および実効感度を有するPSAアッセイを使用し、PSAの値が、その対応するPSAの指標カットオフを超えているかどうかを判定することにより、治療後の患者における前立腺癌の再発を判定する。より好ましい実施形態では、PSAアッセイは、少なくとも0.2pg/mLまで低値の検出限界および0.5pg/mL以下の実効感度を有する。
本発明の方法において使用されるPSAアッセイの改善された検出の限界および実効感度により、早期段階での生化学的逆戻りまたは再発の検出が可能になる。この初期段階の生化学的再発の検出により、癌細胞は少ないが、かかる細胞が処置に対してより感受性である場合、早期段階でのサルベージ治療が可能になるはずである。サルベージ処置としては限局的放射線療法が挙げられ得、併用アンドロゲン枯渇とともに、またはなしで施され得る。例えば、サルベージ放射線療法は、6ヶ月より短いPSA倍加時間(血清PSA濃度の倍加が起こったときの日数または月数または年数単位の期間)を有する男性の処置に使用した場合、標準的な従来型アッセイを用いて判定された生化学的再発後<2年間のうちに処置を施すと、有益な効果を有することが示されている。Trockら、ASCO 2008 Urogenitary Cancers Symposium,Abstract No.85。また、初期段階の生化学的再発の検出により、安定病態を有する患者において、費用のかかるさらなる管理を行なう必要性が排除され得るか、または該患者において不必要な補助的治療およびサルベージ治療の必要性が回避され得る。
本発明の別の実施形態では、少なくとも1pg/mL未満の実効感度を有するPSAに対するアッセイを使用し、前立腺癌の治療後の初期段階の生化学的再発を検出する。PSA測定値に基づいた指標は、初期段階の生化学的再発の検出に使用される。このような指標としては、モニタリング中の観測された最大PSAレベル、最下点PSAレベル、最下点PSAレベルの乗数、最下点PSAレベルに対する観測された最大PSAレベルの比、または倍加数が挙げられる。PSA速度の指標、例えば、PSA増大速度 時間に対するLn[PSA]の傾き、第2の連続的増加(pg/mL/月)、および倍加時間などもまた使用され得る。このような指標はいずれも、単独または組合せで、患者が初期段階の生化学的再発(ES−BCR)を有するのか、または安定病態を有するのかを判定するのに使用され得る。
一態様において、本発明に実施形態を示すPSAアッセイは、患者が前立腺癌再発に対して早期のリスクを有するかどうかを判定するため、すなわち、初期段階の生化学的再発(ES−BCR)を検出するため、または患者が安定病態の特徴を示す傾向にあるかどうかを判定するため、すなわち、安定病態を検出するために使用される。例えば、観測された最大[PSA]が[PSA]の指標以上である場合、患者はES−BCRを有すると判定され、観測された最大[PSA]が[PSA]の指標より小さい場合、患者は安定病態を有すると判定される。
別の例として、PSAアッセイは、前立腺癌の根治的前立腺摘除術後の患者から採取された連続試料中のPSA濃度レベルを測定するために使用され得る。該測定値は、PSA速度の値を決定するために使用され得る。PSA速度の増大値がPSA速度の増大の指標以上であるかどうかを判定することにより、患者がES−BCRを有するのか、または安定病態を有するのかを検出することが可能である。PSAの増大速度が速度の指標以上である場合、患者はES−BCRを有すると判定され、PSAの増大速度が閾値を下回った場合、患者は安定病態と判定される。PSA速度の指標が倍加時間である場合、倍加時間の値が少なくとも倍加時間の指標まで低値である場合、倍加時間の値は倍加時間の指標以上である、すなわち、短い倍加時間は長い倍加時間よりも不良な予後と関連している。
別の態様において、1つ以上のPSAの指標に基づいたさらなる解析により、患者をさらなる亜型に分類することが可能になり、臨床医が、該亜型に適切な処置をあつらえること、およびこのような治療を現行の診療よりも早期の時点で使用することが可能になる。サルベージ処置の早期開始により患者の転帰が改善され得る。
本発明は例えば、以下の項目を提供する:
(項目1)
患者が初期段階の生化学的再発(ES−BCR)を有するかどうかを検出する方法であって、
a)前立腺癌の治療後の該患者から試料を採取する工程;
b)2.0pg/mL未満の検出の限界を有するPSAアッセイを使用し、該試料中のPSAレベルを測定する工程;
c)1つ以上の試料のPSAレベルを用いてPSAの値を決定する工程
を含み、
該PSAの値が少なくともPSAの指標であるか、または該PSAの指標を超えている場合はES−BCRが検出され、該PSAの値が該PSAの指標を超えていない場合は安定病態が検出される、方法。
(項目2)
前記PSAの指標が[PSA]である、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記検出の限界が少なくとも1.0pg/mLまで低値である、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記検出の限界が少なくとも0.5pg/mLまで低値である、項目1または14に記載の方法。
(項目5)
前記検出の限界が少なくとも0.2pg/mLまで低値である、項目1または14に記載の方法。
(項目6)
前記試料が前記患者からの一連の組の試料の1つであり、各試料中のPSAの量が決定される、項目1、4、または14いずれか1項に記載の方法。
(項目7)
前記PSAの指標が速度の指標である、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記速度の指標が倍加時間である、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記速度の指標が時間に対するLn[PSA]の傾きである、項目7に記載の方法。
(項目10)
前記速度の指標が[PSA]の増加速度である、項目7に記載の方法。
(項目11)
前記PSAの指標が観測されたPSA最大レベル/最下点PSAレベルである、項目6に記載の方法。
(項目12)
前記PSAの値が[PSA]である、項目6に記載の方法。
(項目13)
前記PSAの値が第2の連続的増加(pg/mL/月)である、項目6に記載の方法。
(項目14)
患者が初期段階の生化学的逆戻り(ES−BCR)を有するかどうかを検出する方法であって、
a)前立腺癌の治療後の該患者から試料を採取する工程;
b)2.0pg/mL未満の検出の限界を有するPSAアッセイを使用し、該試料中のPSAレベルを測定する工程;
c)1つ以上の試料の該PSAレベルを用いて2つ以上のPSAの値を決定する工程
を含み、
2つ以上のPSAの値の各々が少なくともそのそれぞれのPSAの指標であるか、または該そのそれぞれのPSAの指標を超えている場合はES−BCRが検出される、方法。
(項目15)
前記検出の限界が少なくとも1.0pg/mLまで低値である、項目14に記載の方法。
(項目16)
1つのPSAの指標が速度の指標である、項目14に記載の方法。
(項目17)
前記PSAの指標の1つが時間に対するLn[PSA]の傾きである、項目14に記載の方法。
(項目18)
前記速度の指標が倍加時間である、項目16に記載の方法。
(項目19)
前記速度の指標が[PSA]の増加速度である、項目16に記載の方法。
(項目20)
前記速度の指標が観測されたPSA最大レベル/最下点PSAレベルである、項目16に記載の方法。
(項目21)
前記PSAの値が第2またはそれ以降の連続的増加(pg/mL/月)である、項目14に記載の方法。
(項目22)
前記[PSA]がPSAの値であり、該[PSA]が少なくとも測定された最小の[PSA]の2倍であるか、または該測定された最小の[PSA]を超えている、項目2または12いずれか1項に記載の方法。
(項目23)
前記PSAレベルの測定が、さらに、
前記試料を、非核酸のPSA結合実体と核酸マーカーとを含むコンジュゲートと接触させる工程
を含む、項目1、14、45、または49〜60いずれか1項に記載の方法。
(項目24)
前記PSAレベルの測定が、さらに、
前記試料を、非核酸のPSA結合実体と核酸マーカーとを含むコンジュゲートと接触させる工程
を含む、項目6に記載の方法。
(項目25)
前記倍加時間の指標が150日間である、項目8または18いずれか1項に記載の方法。
(項目26)
前記倍加時間の指標が400日間である、項目8または18いずれか1項に記載の方法。
(項目27)
前記倍加時間の指標が550日間である、項目8または18いずれか1項に記載の方法。
(項目28)
前記倍加時間の指標が700日間である、項目8または18いずれか1項に記載の方法。
(項目29)
前記倍加時間の値が150〜400日間であり、2型ES−BCRが検出される、項目8または18いずれか1項に記載の方法。
(項目30)
前記時間に対するLn[PSA]の傾きの指標が少なくとも0.03である、項目9または17いずれか1項に記載の方法。
(項目31)
前記倍加時間の値が約150日間〜約400日間である、項目8または18いずれか1項に記載の方法。
(項目32)
前記倍加時間の値が約10ヶ月〜24ヶ月である、項目8または18いずれか1項に記載の方法。
(項目33)
前記観測された最大PSA/最下点が3〜11である、項目11または20いずれか1項に記載の方法。
(項目34)
前記観測された最大PSA/最下点が6である、項目11または20いずれか1項に記載の方法。
(項目35)
前記[PSA]の指標が10pg/mLである、項目2または12いずれか1項に記載の方法。
(項目36)
前記[PSA]の指標が15pg/mLである、項目2または12いずれか1項に記載の方法。
(項目37)
前記[PSA]の指標が20pg/mLである、項目2または12いずれか1項に記載の方法。
(項目38)
前記[PSA]の指標が25pg/mLである、項目2または12いずれか1項に記載の方法。
(項目39)
前記[PSA]の指標が50pg/mLである、項目2または12いずれか1項に記載の方法。
(項目40)
前記[PSA]の指標が10pg/mLである、項目22に記載の方法。
(項目41)
前記[PSA]の指標が15pg/mLである、項目22に記載の方法。
(項目42)
前記[PSA]の指標が20pg/mLである、項目22に記載の方法。
(項目43)
前記[PSA]の指標が25pg/mLである、項目22に記載の方法。
(項目44)
前記[PSA]の指標が50pg/mLである、項目22に記載の方法。
(項目45)
患者が高速、中速または低速の初期段階の生化学的再発(ES−BCR)を有するかどうかを検出する方法であって、
a)前立腺癌の治療後の該患者から一連の組の血液血清試料得る工程;
b)約0.5pg/mLの検出の限界を有するPSAアッセイを使用し、各試料中のPSAレベルを測定する工程;
c)倍加時間および観測された最大PSAレベルを決定する工程;
d)該倍加時間が倍加時間の指標より短いことを判定し、それによりES−BCRを検出する工程;ならびに
e)該倍加時間および観測された最大PSAに基づいて、ES−BCRを急速、中速、または低速に分類する工程
を含む、方法。
(項目46)
前記倍加時間が150日間より短い、項目45に記載の方法。
(項目47)
前記倍加時間が150〜400日間である、項目45に記載の方法。
(項目48)
前記倍加時間が400日間より長い、項目45に記載の方法。
(項目49)
患者が初期段階の生化学的逆戻り(ES−BCR)を有するかどうかを検出する方法であって、
a)前立腺癌の治療後の該患者から試料を採取する工程、ここで、該試料は該患者からの一連の組の試料の1つであり、各試料中のPSAの量が決定される;
b)2.0pg/mL未満の検出の限界を有するPSAアッセイを使用し、該試料中のPSAレベルを測定する工程;
c)1つ以上の試料の該PSAレベルを用いて、時間に対するLn[PSA]の傾きを決定する工程
を含み、
該時間に対するLn[PSA]の傾きの値が少なくとも時間に対するLn[PSA]の傾きの指標であるか、または該時間に対するLn[PSA]の傾きの指標を超えている場合はES−BCRが検出され、該時間に対するLn[PSA]の傾きの値が該時間に対するLn[PSA]の傾きの指標を超えない場合は安定病態が検出される、方法。
(項目50)
前記検出の限界が1.0pg/mL未満である、項目49に記載の方法。
(項目51)
前記検出の限界が少なくとも0.5pg/mLまで低値である、項目14または49いずれか1項に記載の方法。
(項目52)
前記検出の限界が少なくとも0.2pg/mLまで低値である、項目14または49いずれか1項に記載の方法。
(項目53)
患者が初期段階の生化学的逆戻り(ES−BCR)を有するかどうかを検出する方法であって、
a)前立腺癌の治療後の該患者から試料を採取する工程、ここで、該試料は該患者からの一連の組の試料の1つであり、各試料中のPSAの量が決定される;
b)2.0pg/mL未満の検出の限界を有するPSAアッセイを使用し、該試料中のPSAレベルを測定する工程;
c)1つ以上の該試料のPSAレベルを用いて[PSA]の増加速度を決定する工程
を含み、
該[PSA]の増加速度の値が少なくとも[PSA]の指標の増加速度であるか、または該[PSA]の指標の増加速度を超えている場合はES−BCRが検出され、該[PSA]の増加速度の値が該[PSA]の指標の増加速度を超えない場合は安定病態が検出される、方法。
(項目54)
前記検出の限界が1.0pg/mL未満である、項目53に記載の方法。
(項目55)
前記検出の限界が少なくとも0.5pg/mLまで低値である、項目53に記載の方法。
(項目56)
前記検出の限界が少なくとも0.2pg/mLまで低値である、項目53に記載の方法。
(項目57)
患者が初期段階の生化学的逆戻り(ES−BCR)を有するかどうかを検出する方法であって、
a)前立腺癌の治療後の該患者から試料を採取する工程、ここで、該試料は該患者からの一連の組の試料の1つであり、各試料中のPSAの量が決定される;
b)2.0pg/mL未満の検出の限界を有するPSAアッセイを使用し、該試料中のPSAレベルを測定する工程
を含み、
[PSA]の値が少なくとも[PSA]の指標であるか、または該[PSA]の指標を超えている場合はES−BCRが検出され、該PSAの値が該PSAの指標を超えていない場合は安定病態が検出される、方法。
(項目58)
前記検出の限界が1.0pg/mL未満である、項目57に記載の方法。
(項目59)
前記検出の限界が少なくとも0.5pg/mLまで低値である、項目57に記載の方法。
(項目60)
前記検出の限界が少なくとも0.2pg/mLまで低値である、項目57に記載の方法。
(項目61)
患者が高速、中速または低速の初期段階の生化学的再発(ES−BCR)を有するかどうかを検出する方法であって、
a)前立腺癌の治療後の患者から一連の組の血液血清試料を得る工程;
b)約0.5pg/mLの実効感度を有するPSAアッセイを使用し、各試料中のPSAレベルを測定する工程;
c)PSA速度の値を決定する工程;
d)該PSA速度の値がPSA速度の指標以下であることを判定し、それによりES−BCRを検出する工程;および
e)ES−BCRを、該PSA速度の指標に基づいて急速、中速または低速に分類する工程
を含む、方法。
(項目62)
ES−BCRが検出された場合、抗アンドロゲン療法、放射線治療および化学療法から選択される治療が施されることになる、項目1、10、14、19、45、または49〜60、92いずれか1項に記載の方法。
(項目63)
安定病態が検出された場合、その後ES−BCRが検出されないときはさらなる治療がもたらされない、項目1、10、14、19、45、または49〜60、93、94いずれか1項に記載の方法。
(項目64)
ES−BCRが検出され、ES−BCRが高速と分類された場合、抗アンドロゲン療法、放射線治療および化学療法から選択される治療が施されることになる、項目61に記載の方法。
(項目65)
ES−BCRが検出され、ES−BCRが中速と分類された場合、さらに(f)臨床パラメータを得る工程を含み、グリーソンスコアカットオフを超えるグリーソンスコアを有し、カットオフ年齢より若い患者は抗アンドロゲン療法、放射線治療および化学療法から選択される治療が施されることになる、項目61に記載の方法。
(項目66)
ES−BCRが検出され、ES−BCRが低速と分類された場合、さらに(f)臨床パラメータを得る工程を含み、グリーソンスコアカットオフを超えるグリーソンスコアを有し、カットオフ年齢より若い患者は抗アンドロゲン療法、放射線治療および化学療法から選択される治療が施されることになる、項目61に記載の方法。
(項目67)
安定病態が検出された場合、その後ES−BCRが検出されないときはさらなる治療がもたらされない、項目61に記載の方法。
(項目68)
第2のPSAの指標が[PSA]であり、該[PSA]のカットオフが15pg/mlである、項目17に記載の方法。
(項目69)
第2のPSAの指標が[PSA]であり、該[PSA]のカットオフが10pg/mlである、項目17に記載の方法。
(項目70)
第2のPSAの指標が[PSA]であり、該[PSA]のカットオフが5pg/mlである、項目17に記載の方法。
(項目71)
第1のPSAの指標が[PSA]であり、該[PSA]のカットオフが5pg/mlである、項目14に記載の方法。
(項目72)
第1のPSAの指標が[PSA]であり、該[PSA]のカットオフが10pg/mlである、項目14に記載の方法。
(項目73)
第1のPSAの指標が[PSA]であり、該[PSA]のカットオフが15pg/mlである、項目14に記載の方法。
(項目74)
前記[PSA]のカットオフより小さい[PSA]の値、および時間に対するLn[PSA]の傾きが時間に対するLn[PSA]の傾きの指標より小さい場合、その後ES−BCRが検出されないときはさらなる治療がもたらされない、項目68、69または70いずれか1項に記載の方法。
(項目75)
前記[PSA]のカットオフより小さい[PSA]の値、および前記第2のPSAの値が前記第2のPSAの指標より小さい場合、その後ES−BCRが検出されないときはさらなる治療がもたらされない、項目68、69または70いずれか1項に記載の方法。
(項目76)
前記[PSA]の値が5pg/mlの前記[PSA]のカットオフより小さく、第2のPSAの値が前記PSAの指標より小さい場合、その後ES−BCRが検出されないときはさらなる治療がもたらされない、項目71に記載の方法。
(項目77)
前記[PSA]の値が10ng/mlの前記[PSA]のカットオフより小さく、第2のPSAの値が前記PSAの指標より小さい場合、その後ES−BCRが検出されないときはさらなる治療がもたらされない、項目72に記載の方法。
(項目78)
前記[PSA]の値が15ng/mlの前記[PSA]のカットオフより小さく、第2のPSAの値が前記PSAの指標より小さい場合、その後ES−BCRが検出されないときはさらなる治療がもたらされない、項目73に記載の方法。
(項目79)
さらに、患者をES−BCRについてモニタリングする工程を含む、項目74および75いずれか1項に記載の方法。
(項目80)
a)PCRシグナル検出を用いてPSAに対するサンドイッチイムノアッセイを行なうのに適した核酸−抗PSAコンジュゲートを備えるキットであって、該アッセイが少なくとも0.2pg/mLまで低値の検出限界および少なくとも0.5pg/mLまで低値の検出の限界を有する、キット。
(項目81)
a)PCRシグナル検出を用いてPSAに対するサンドイッチイムノアッセイを行なうのに適した核酸−抗PSAコンジュゲートを備えるキットであって、該アッセイが少なくとも0.2pg/mLまで低値の検出限界および少なくとも1.0pg/mLまで低値の検出の限界を有する、キット。
(項目82)
a)PCRシグナル検出を用いてPSAに対するサンドイッチイムノアッセイを行なうのに適した核酸−抗PSAコンジュゲートを備えるキットであって、該アッセイが少なくとも0.2pg/mLまで低値の検出限界および少なくとも2.0pg/mLまで低値の検出の限界を有する、キット。
(項目83)
前記該核酸−抗PSAコンジュゲートが、さらに、第1の核酸−抗PSAコンジュゲートと第2の核酸(nucleic)−抗PSAコンジュゲートを含み、該第2の核酸−抗PSAコンジュゲートが固相支持体に結合されている、項目80、81または82いずれか1項に記載のキット。
(項目84)
さらに、1つ以上のPSAの値を決定するためのソフトウェアを備える、項目80、81または82いずれか1項に記載のキット。
(項目85)
さらに、1つ以上のPSAの値を決定するためのソフトウェアを備える、項目46、47または48いずれか1項に記載の方法。
(項目86)
患者が初期段階の生化学的逆戻り(ES−BCR)を有するかどうかを検出する方法の記載を含むラベルであって、
a)前立腺癌の治療後の該患者から試料を採取する工程;
b)1pg/mL未満の検出の限界を有するPSAアッセイを使用し、該試料中のPSAレベルを測定する工程;
c)1つ以上の試料の該PSAレベルを用いてPSAの値を決定する工程
を含み、
該PSAの値がPSAの指標を超えている場合はES−BCRが検出され、該PSAの値が該PSAの指標を超えていない場合は安定病態が検出される、ラベル。
(項目87)
前立腺癌のサルベージ治療後の患者が初期段階の生化学的再発(ES−BCR)を有しているかどうかを検出する方法であって、
a)サルベージ治療後の該患者から試料を採取する工程;
b)約0.5pg/mLの検出の限界を有するPSAアッセイを使用し、該試料中のPSAレベルを測定する工程;
c)1つ以上の試料の該PSAレベルを用いてPSAの値を決定する工程;
を含み、
該PSAの値がPSAの指標を超えている場合はES−BCRが検出され、該PSAの値が該PSAの指標を超えていない場合は安定病態が検出される、方法。
(項目88)
前記[PSA]の値が測定された最小の[PSA]の少なくとも4倍を超えている、項目2または12いずれか1項に記載の方法。
(項目89)
前記PSAアッセイが、PSAに対するサンドイッチイムノアッセイを行なうのに適した2種類の核酸−抗PSAコンジュゲートを使用するサンドイッチイムノアッセイであり、さらに、PCRシグナル検出の使用を含む、項目1、14、45、49、53、57、61または87いずれか1項に記載の方法。
(項目90)
前記核酸−抗PSAコンジュゲートが、さらに、第1の核酸−抗PSAコンジュゲートと第2の核酸−抗PSAコンジュゲートを含み、該第2の核酸−抗PSAコンジュゲートが固相支持体に結合されている、項目89に記載の方法。
(項目91)
前記PSAに対するサンドイッチイムノアッセイが均一系アッセイである、項目89に記載の方法。
(項目92)
前記[PSA]の増加速度が前記[PSA]の指標の増加速度を超えており、ES−BCRが検出される、項目10、19、53、54、55または56いずれか1項に記載の方法。
(項目93)
前記[PSA]の増加速度が前記[PSA]の指標の増加速度を超えておらず、安定病態が検出される、項目10、19、53、54、55または56いずれか1項に記載の方法。
(項目94)
前記[PSA]の増加速度が前記[PSA]の指標の増加速度を超えておらず、その後ES−BCRが検出されないときはさらなる治療がもたらされない、項目10、19、53、54、55または56いずれか1項に記載の方法。
(項目95)
さらに、患者をES−BCRについてモニタリングする工程を含む、項目94に記載の方法。
(項目96)
前記[PSA]の指標の増加速度が約1.5pg/mL/月である、項目92に記載の方法。
(項目97)
前記[PSA]の指標の増加速度が約1.5pg/mL/月である、項目93に記載の方法。
(項目98)
前記[PSA]の指標の増加速度が約1.5pg/mL/月である、項目94に記載の方法。
(項目99)
前記[PSA]の指標の増加速度が約1.5pg/mL/月である、項目95に記載の方法。
(項目100)
前記[PSA]の指標の増加速度が約0.5pg/mL/月である、項目92に記載の方法。
(項目101)
前記[PSA]の指標の増加速度が約0.5pg/mL/月である、項目93に記載の方法。
(項目102)
前記[PSA]の指標の増加速度が約0.5pg/mL/月である、項目94に記載の方法。
(項目103)
前記[PSA]の指標の増加速度が約0.5pg/mL/月である、項目95に記載の方法。
(項目104)
前記[PSA]の指標の増加速度が約2.0pg/mL/月である、項目92に記載の方法。
(項目105)
前記[PSA]の指標の増加速度が約2.0pg/mL/月である、項目93に記載の方法。
(項目106)
前記[PSA]の指標の増加速度が約2.0pg/mL/月である、項目94に記載の方法。
(項目107)
前記[PSA]の指標の増加速度が約2.0pg/mL/月である、項目95に記載の方法。
(項目108)
前記[PSA]の指標の増加速度が約1.0pg/mL/月である、項目92に記載の方法。
(項目109)
前記[PSA]の指標の増加速度が約1.0pg/mL/月である、項目93に記載の方法。
(項目110)
前記[PSA]の指標の増加速度が約1.0pg/mL/月である、項目94に記載の方法。
(項目111)
前記[PSA]の指標の増加速度が約1.0pg/mL/月である、項目95に記載の方法。
(項目112)
前記核酸−抗PSAコンジュゲートが、さらに、第1の核酸−抗PSAコンジュゲートと第2の核酸−抗PSAコンジュゲートを含み、該第2の核酸−抗PSAコンジュゲートが固相支持体に結合されている、項目80、81または82いずれか1項に記載のキット。
(項目113)
前記サンドイッチイムノアッセイが均一系アッセイである、項目80、81または82いずれか1項に記載のキット。
次に、本発明を、添付の図面および実施例に関してさらに充分に説明する。図面および実施例は、本概要、詳細説明、ならびに具体的に論考あるいは開示した任意の好ましいおよび/または具体的な実施形態とともに関連させて読まれたい。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態の実施形態で示され得、本明細書に示した実施形態に限定されると解釈されるべきでない;むしろ、本明細書に示した実施形態は例として示したものであるにすぎない。したがって、本開示は、当業者に対して充分で完全であり、本発明の充分な範囲を充分に伝達するものである。
図1は、本発明の一実施形態の結果を示し、指数関数フィットによる再発患者番号11の核酸検出イムノアッセイ、NADIA(登録商標)[PSA](PSA濃度)(pg/mL)の根治的前立腺摘除術後の日数に対するプロットを具体的に示す。NADIA(登録商標)アッセイ[PSA]は、詳細説明に記載のNADIA(登録商標)アッセイ試験において測定された[PSA]であった。 図2は、再発患者番号31の根治的前立腺摘除術後の日数に対するNADIA(登録商標)[PSA](pg/mL)のプロットを示す。 図3は、再発患者番号38の根治的前立腺摘除術後の日数に対するNADIA(登録商標)[PSA](pg/mL)のプロットを示す。 図4は、安定患者番号86の根治的前立腺摘除術後の日数に対するNADIA(登録商標)[PSA](pg/mL)のプロットを示す。 図5は、安定患者番号120の根治的前立腺摘除術後の日数に対するNADIA(登録商標)[PSA](pg/mL)のプロットを示す。 図6は、安定患者番号126の根治的前立腺摘除術後の日数に対するNADIA(登録商標)[PSA](pg/mL)のプロットを示す。 図7は、図に示された全43名の再発患者の根治的前立腺摘除術後の日数に対するプロット(pg/mL)を示す。 図8は、PSAレベルの範囲を1000pg/mlまでに限定した、43名の再発患者の前立腺摘除後の期間に対する[PSA]pg/mlのオーバーレイプロットを示す。 図9は、患者部分母集団(前立腺癌の再発(1)または安定病態を有する(0))に対する第1の前立腺摘除後総[PSA]のプロットを示す。 図10は、患者部分母集団(前立腺癌の再発(1)または安定病態を有する(0))に対する最下点総[PSA]のプロットを示す。 図11は、患者部分母集団(前立腺癌の再発(1)または安定病態を有する(0))に対する観測された最大[PSA]レベル(pg/mL)のプロットを示す。 図12は、患者部分母集団(前立腺癌の再発(1)または安定病態を有する(0))に対する最大[PSA]レベル/最下点レベル[PSA]のプロットを示す。 図13は、患者部分母集団(前立腺癌の再発(1)または安定病態を有する(0))に対する[PSA]レベルの第2の連続的増加(pg/mL/月)のプロットを示す。 図14は、患者部分母集団(前立腺癌の再発(1)または安定病態を有する(0))に対する倍加時間データ(日間)のプロットを示す。 図15A〜Cは、それぞれ、<150日間、150〜400日間、または>400日間の倍加時間を有する再発患者のオーバーレイプロットを示す。図15Aは、範囲を1000pg/mLまでに限定した、<150の倍加時間を有する再発患者の術後の日数に対する[PSA]pg/mlのオーバーレイプロットを示す。 図15A〜Cは、それぞれ、<150日間、150〜400日間、または>400日間の倍加時間を有する再発患者のオーバーレイプロットを示す。図15Bは、範囲を1000pg/mLまでに限定した、150〜400の倍加時間を有する再発患者の術後の日数に対する[PSA]pg/mlのオーバーレイプロットを示す。 図15A〜Cは、それぞれ、<150日間、150〜400日間、または>400日間の倍加時間を有する再発患者のオーバーレイプロットを示す。図15Cは、範囲を1000pg/Mlまでに限定した、>400の倍加時間を有する再発患者の術後の日数に対する[PSA]pg/mlのオーバーレイプロットを示す。 図16A〜Dは、それぞれ、倍加時間による、範囲を1000pg/mLまでに限定した再発患者のサブクラスのオーバーレイプロットを示す。>400日間の倍加時間を有する再発患者を、さらに、観測された最大PSAが200pg/mLより上であるか下であるかに細分した。図16Aは、<150日間の倍加時間を有する再発患者の術後の日数に対する[PSA]pg/mlのオーバーレイプロットを示す。 図16A〜Dは、それぞれ、倍加時間による、範囲を1000pg/mLまでに限定した再発患者のサブクラスのオーバーレイプロットを示す。>400日間の倍加時間を有する再発患者を、さらに、観測された最大PSAが200pg/mLより上であるか下であるかに細分した。図16Bは、<150〜400日間の倍加時間を有する再発患者の術後の日数に対する[PSA]pg/mlのオーバーレイプロットを示す。 図16A〜Dは、それぞれ、倍加時間による、範囲を1000pg/mLまでに限定した再発患者のサブクラスのオーバーレイプロットを示す。>400日間の倍加時間を有する再発患者を、さらに、観測された最大PSAが200pg/mLより上であるか下であるかに細分した。図16Cは、>400日間の倍加時間を有する再発患者の術後の日数に対する最大[PSA]>200pg/mLのオーバーレイプロットを示す。 図16A〜Dは、それぞれ、倍加時間による、範囲を1000pg/mLまでに限定した再発患者のサブクラスのオーバーレイプロットを示す。>400日間の倍加時間を有する再発患者を、さらに、観測された最大PSAが200pg/mLより上であるか下であるかに細分した。図16Dは、再発患者の術後の日数に対する[PSA]pg/mlのオーバーレイプロットを示す。 図17は、術後の日数に対する[PSA]pg/mlのオーバーレイプロットを示すが、ほんの少数の例外を除いて、安定病態患者が概ね15pg/mLを超えないPSA最大を有する。 図18は、患者部分母集団(前立腺癌の再発(1)または安定病態を有する(0))に対するモニタリング中の倍加数を示すデータのモザイクプロットを示す。 図19は、前立腺癌の再発(1)または安定病態を有する(0)の患者部分母集団に対する連続倍加数を示すデータのモザイクプロットを示す。 図20Aおよび20Bは、NADIA(登録商標)の観測された最大[PSA]レベルに関する単変量ROC曲線と比較した多変量ROC曲線を示す。図20Aは多変量ROC曲線を示す。図20Bは、多変量ROC曲線(点線)に対するNADIA(登録商標)の観測された最大[PSA]レベル(黒線)の単変量ROC曲線を示す。 図21Aおよび21Bは、NADIA(登録商標)の最大総[PSA]/最下点[PSA]レベルに関する単変量ROC曲線と比較した多変量ROC曲線を示す。図21Aは多変量ROC曲線を示す。図21Bは、多変量ROC曲線(点線)に対するNADIA(登録商標)の最大総[PSA]/最下点[PSA]レベル(黒線)の単変量ROC曲線を示す。 図22Aおよび22Bは、[PSA]の第2の上昇(pg/mL/月)に関する単変量ROC曲線と比較した多変量ROC曲線を示す。図22Bは多変量ROC曲線を示す。図22Aは、多変量ROC曲線(点線)に対するNADIA(登録商標)の[PSA]の第2の上昇(pg/mL/月)(黒線)の単変量ROC曲線を示す。表22は、ロジスティック回帰およびROCコンピュータ計算の結果を示す。 図23A〜Cは、最大総[PSA]、第2の上昇(pg/mL/月)指標、および最大総[PSA]/最下点総[PSA]の単変量解析を示す。 図23A〜Cは、最大総[PSA]、第2の上昇(pg/mL/月)指標、および最大総[PSA]/最下点総[PSA]の単変量解析を示す。 図23A〜Cは、最大総[PSA]、第2の上昇(pg/mL/月)指標、および最大総[PSA]/最下点総[PSA]の単変量解析を示す。 図24は、安定患者のおよそ8年間の期間にわたる時間(ヶ月)に対する[PSA]のレベル(pg/mL)の線形曲線フィットを示す。 図25は、再発患者のおよそ5年間の期間にわたる時間(ヶ月)に対する[PSA]のレベル(pg/mL)の線形曲線フィットを示す。
発明の詳細な説明
本発明によれば、少なくとも1pg/mLまで低値の検出限界および10pg/mL未満の実効感度を有する総血清PSA(総血清PSAは、血清中のPSAの遊離形態と複合体形成形態の両方の同時の測定値である)に対するアッセイが、前立腺癌の治療後の患者をモニタリングするために使用され、術後の安定病態とは対照的な治療後の初期段階の生化学的再発を検出するために使用され得る。
しかしながら、PSAに対する従来型アッセイを使用した場合は、前立腺癌再発の指標として生化学的再発を使用しても限界がある。根治的前立腺摘除術後の血清PSAの最低値は、従来型アッセイを用いてPSAを測定した場合、たいてい検出の限界未満である。Junkerら、Anticancer Research 19:2625−2658(1999)参照。したがって、RP後の血清PSAの値は、従来型アッセイでは、PSAが循環中に実際に存在しない場合であるゼロナノグラム/ミリリットル(ng/ml)と報告され得る。Stamey,Clin.Chem.42(6):849−852参照。PSAの値が従来型アッセイの検出限界より上である場合であってもなお、この濃度は、該アッセイの「実効感度」(正確性および精密性を伴って低レベルの血清PSAの濃度を定量できる能力)より低いことがある。これは、従来型アッセイでは血清PSAの真の最下点濃度が検出できないか、または正確性および精密性を伴って報告できないかのいずれかであることを意味する。これは、最下点濃度自体が、最下点濃度が低いほど再発の尤度が低い可能性があるために再発の予測量であり得、残念なことである。さらに、血清PSAレベルが上昇し始めた場合、従来型アッセイでは、再発が再び予後不良となり得る段階になる時点まで該レベルが検出可能でないことがあり得る。
急速進行性の(aggressive)癌は、はるかにより急速に再発することがあり得るが、従来型アッセイでは、その検出の限界および不充分な実効感度のため、このような再発が検出できないであろう。急速進行性でない癌であっても、従来型アッセイでは検出可能でない血清PSAの上昇を示し始めることがあり得る。したがって、血清PSAに対する従来型アッセイでは、前立腺癌再発の早期検出において医師を補助し得るものではない。
FDAに承認された現行の従来型PSAアッセイのほとんどは、およそ100pg/mLまで測定され、該検出の限界は、American Urological Association Prostate Cancer Guideline Panelによって最近推奨されている生化学的再発の定義に反映されている(0.2ng/mL(200pg/mL)より高い[PSA]、0.2ng/mLより高いPSAの第2の確認レベルを伴う)。Cooksonら、J.Urology 177:540−545(2007)参照。実効感度の限界のため、従来型PSAアッセイでは、アッセイの実効感度より低い[PSA]を有する試料中のPSAは非存在と示される。例えば、Stamey(1996);Vassilikosら、Clinical Biochemistry 33(2):115−123(2000)。
治療後の初期段階の再発の検出のためには、治療後の試料中のPSAがアッセイの実効感度の範囲内であるかどうかがわかることが臨床的に重要である。そうでなければ、臨床医および患者は、陰性結果が、PSAの「非存在」を反映しているのか、あるいはPSA産生細胞の存在にもかかわらずアッセイの検出の限界であるのかがわからない。
本発明の方法では、本明細書に記載のような低値実効感度限界を有するアッセイを使用し、女性の血清試料において0.2〜0.5pg/mL範囲までのPSAレベルが測定された。該アッセイの0.5pg/mLの実効感度により、女性の血清中のPSAのレベルが、通常ゼロとみなされていたのがゼロではなく0.5〜3pg/mLの範囲であることを決定することが可能となった。根治的前立腺摘除術後、男性は、女性で見られるレベルと少なくとも同等のPSAレベルを有することが予測される。したがって、0.5pg/mLまでの実効感度を有するアッセイは、根治的前立腺摘除術後の男性に見られることが予測されるPSAの最低レベルを測定することができる。
0.5pg/mL未満の実効感度を有するPSAアッセイを用いてPSAレベルを測定することにより、治療後の前立腺癌患者において、その低いPSAレベルの精密な測定が可能になった。核酸検出イムノアッセイ(NADIA(登録商標)試験)を用いた[PSA]の測定では、根治的前立腺摘除術後、多くの患者が安定な低いPSAレベルを有することが示され、これは、該患者が非常に低速で増殖する癌を有するか、または治癒したことを示す。時間とともに血清PSAレベルの増大を示す患者では、PSAレベルは正確であった。患者のPSA血清レベルは、PSA増加の傾きを決定するのに充分正確であり、および以前では現行のアッセイの実効感度未満であったPSAレベルを含む試料に関する再現性のあるデータの取得のために充分正確であった。PSAのレベルを測定するとは、総PSAあるいはtPSAのレベルを測定することをいう。
より感度のよいPSAアッセイの使用により、RP後の最下点の後、PSAレベルが指数関数的に増大することが確立された。NADIA(登録商標)PSAアッセイの結果により、癌細胞は、[PSA]レベルが200pg/mLに達するときよりはるか以前から存在しており、指数関数的に増殖していることが示された。データセットの遡及的解析の結果では、前立腺癌細胞が、PSA血清レベルが現行の生化学的再発点である200pg/mLに達する前から存在しており、相当長い期間をかけて増殖していることを示している。
本発明の一態様において、少なくとも0.5pg/mLまで低値の実効感度および/または0.2pg/mLの検出限界を有するPSAアッセイを使用し、初期段階で前立腺癌の再発を測定する。また、それによって、初期段階の再発を検出するのに必要とされる期間が、従来型アッセイの場合よりも例えば30ヶ月も短縮される。また、このようなPSAアッセイを用いた0.5〜100pg/mL範囲のPSAの精密な測定により、初期段階の生化学的再発の認識および現行の診療に基づいたものよりずっと早期での処置の開始が可能になる。
初期段階の再発前立腺癌に対するサルベージ処置の必要性をより早く検出することにより、患者のフォローアップ処置(これは、現在、一般的にはPSAレベルが200pg/mLを超えた後でのみ行なわれる)を開始するのに必要とされる期間が短くなる。本明細書に記載のように、0.5pg/mlの実効感度を有するPSAアッセイを用いて患者をモニタリングすることで、さらなる治療に対する評価が、生化学的再発の現行の尺度を使用したときよりも少なくとも30ヶ月も早くにもたらされ得る。これにより、細胞がより局在している可能性がある場合および/または治療に対して感受性である場合、早期処置を提供する手助けとなる。
一態様において、本発明の方法により、疾患進行のリスクのある男性および初期処置の不奏功患者をより早期に、より正確に特定することが可能になる。また、本発明の方法は、患者が再発を有していないことを早期に判定するために使用され得る。したがって、より感度のよいPSAアッセイが利用可能になると、患者を安定であるか、または初期段階の生化学的再発を有するとして、より早期に分類することが可能になり、システムコストおよび患者の不安が軽減される。
一部の態様において、本発明の高感度で早期検出の方法は、根治的前立腺摘除術後の処置選択肢の評価に使用され得る。一部の実施形態において、本発明は、患者が安定病態を有するかどうか、患者を再発に関してモニタリングすべきかどうか、どの程度の頻度でモニタリングすべきか、およびサルベージ処置(抗アンドロゲン処置、放射線療法または化学療法など)を施すべきかどうか、いつ施すべきかを検出するために使用され得る。
前立腺摘除後処置は、主にはグリーソンスコア、診断時の年齢、外科的切除縁、T−病期、組織浸潤、被膜浸潤、精嚢浸潤、膀胱頸部浸潤、リンパ節浸潤、および腫瘍体積などの臨床観測結果に基づいて決定されている。再発の予測価を有する臨床パラメータとしては、高いグリーソンスコア、現行のアッセイで使用される高いPSA(現行のアッセイで測定したとき200ng/mlより高い)、pT3疾患、陽性外科的切除縁および精嚢浸潤が挙げられる。Nilssonの346頁参照。
前立腺癌を有する患者は高率でRPでは治癒されず、27〜53%は10年以内に[PSA]の上昇を示す。Nilssonら、“A systematic overview of radiation therapy effects in prostate cancer,” Acta Oncologica,43(4):316−381(2004)。しかしながら、現在補助的治療を受けている患者の30%〜70%は再発しない。したがって、年齢、グリーソンスコアおよび外科的切除縁などの臨床観測結果のみに基づいて前立腺摘除後患者に補助的治療を施すことは、安定病態を有する相当な割合の患者に対して不必要な費用のかかる処置および合併症の可能性に晒されることになり得る。
一例として、補助的処置は不良な臨床徴候を示す患者に施され得る。このような患者としては、不良な切除縁およびグリーソンスコアを有する比較的若年の患者が挙げられる。例えば、不良な切除縁および>7のグリーソンスコアを有する50代の患者は、通常、体外放射線療法(RT)などの治療を受ける。病期pT3疾患を有する患者における体外照射放射線療法を伴う前立腺摘除後処置では、生化学的疾患なしで生存期間が長くなり、遅れてサルベージ治療を施すのではなく処置を早期に施した場合、RPでは治癒しない患者において安定病態が得られる尤度が高くなる。Nilssonら、316頁参照。
しかしながら、本発明の高感度のアッセイおよび[PSA]の値および指標の使用は、単独で使用しても、臨床観測結果と組み合わせて使用しても、安定病態の早期検出がもたらされ得、現在施されている不必要な補助的治療が回避され得る。例えば、安定病態の早期検出がなされなければ処置を受けているであろう比較的若年齢の患者における安定病態の早期検出により、不必要な処置の必要性および副作用のリスクの付随が回避され得る。前立腺摘除後治療の副作用としては、失禁、頻尿、夜間多尿、膀胱炎、下痢、直腸出血、性欲減退および/または性的不能が挙げられ得る。したがって、一部の態様において、本発明の検出方法を用いて安定病態の早期検出することにより、現行では臨床観測結果に基づいて常套的に補助的治療を受ける患者において不必要な補助的治療が回避され得る。他方、従来法を用いて得られた[PSA]が200pg.mLに達するまでサルベージ処置が遅れることにより、安定病態が得られる尤度が低下する。Nilsson345頁参照。
したがって、一部の態様において、本発明のPSAの値およびPSAの指標を臨床観測結果と組み合わせて使用し、補助的治療および/またはサルベージ治療を施すべきかどうかを判定する。例えば、通常であれば臨床観測結果に基づいて患者に補助的および/またはサルベージ治療が施され得るが、1つ以上の(one of more)PSAの値がPSAの指標を超えておらず、安定病態が検出されたならば、不必要な処置は回避され得る。このような方法に使用され得るPSAの値および指標については、本文中の至る箇所で記載している。一例として、[PSA]が15pg/ml未満であり、時間に対するLn[PSA]の傾きが時間に対するLn[PSA]の傾きの指標よりも小さい場合は、比較的若年齢の患者が不良な切除縁および>7のグリーソンスコアを有する場合であっても、補助的処置は回避され得、患者は、1つ以上の[PSA]の値が[PSA]の指標を超えるまでモニタリングされ得る。
他の態様において、本発明の方法を臨床観測結果と組み合わせて使用し、初期段階の再発を検出する場合、ES−BCRを有する患者に早期の処置を施すことができ、予後の向上がもたらされる。放射線および化学療法は、当業者に公知の方法およびプロトコルに従って行なわれ得る。抗アンドロゲン処置は、前立腺摘除後患者の処置における補助的治療またはサルベージ治療のための当業者に公知の薬物および生物製剤の薬物組成物、併用剤、剤形および投薬量を用いて行なわれ得る。
約0.5pg/mLの実効感度および0.2pg/mLの検出限界を有する本発明によるPSAアッセイの一例は、シグナル生成のためにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用するサンドイッチ形式イムノアッセイである。本発明の方法において血清または血漿試料中のPSAを検出するのに有用なかかるアッセイの一例を後述する。タンパク質のアッセイのためのイムノPCR形式は、米国特許第5,665,539号(引用によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。少なくとも指定値まで低値の実効感度を有する任意のPSAアッセイが本発明の方法において使用され得る。タンパク質の検出およびタンパク質アッセイにおけるシグナル生成のための方法は当業者に公知である。例えば、本発明の方法では、他のアッセイ形式(例えば、サンドイッチイムノアッセイ形式)、および本発明の方法における使用のために必要とされる実効感度がもたらされ得る任意のシグナル生成方法が使用され得る。例えば、シグナル生成方法としては、デオキシリボ核酸(DNA)アレイ、生物発光、放射能、化学蛍光、ナノ粒子、またはオリゴナノ粒子を、単独または組合せのいずれかで使用することが挙げられ得る。
また、より詳細に後述するように、倍加時間および/または観測された最大PSA濃度などのPSAの値は、初期段階再発患者を多数の群にさらに分類するために使用され得る。このような分類は、潜在的に、異なる亜群の患者に対して異なる治療を推奨するために使用され得る。したがって、本発明の方法の使用により、臨床医および患者に、処置不奏功または初期段階の生化学的再発の正確な表示が提供され、疾患を抑制するために、よりタイムリーで適切な治療の選択が可能になる。また、早期検出の結果としての早期の処置治療により、患者転帰が改善され、安定病態を有する患者に対して、より費用のかかる管理の必要性が回避され得る。
一実施形態において、本発明は、患者が初期段階の生化学的再発(ES−BCR)を有するかどうかを検出する方法であって、
a)前立腺癌の治療後の患者から試料を採取する工程;
b)少なくとも20pg/mLまで低値の実効感度を有するPSAアッセイを使用し、該試料中のPSAレベルを測定する工程、
c)1つ以上の試料のPSAレベルを用いてPSAの値を決定する工程を含み、
PSAの値が1つ以上の試料においてPSAの指標を超えている場合はES−BCRが検出される、方法である。
該PSAのアッセイは、前立腺癌の処置後の患者から採取された試料中のPSAレベルを測定するために使用され得る。PSAレベルとしては、試料中のPSAの量または濃度が挙げられ得る。試料は、血漿または血清試料であり得る。PSAレベルの測定値は、前立腺癌の治療によって該障害が有効に処置されたかどうかをモニタリングおよび評価するために使用され得る。好ましくは、PSAアッセイは、少なくとも0.5pg/mLまで低値の実効感度および0.2pg/mLまで低値の検出限界を有する。
「PSAの値」は、観測PSAレベルの関数であるパラメータである。PSAの値としては、例えば、最下点PSAレベル後に測定された観測PSAレベル、最下点PSAレベルに対する観測PSAレベルもしくは観測された最大PSAレベルの比、時間に対するLn[PSA]の傾き、PSAレベルの増加速度、PSAレベルの倍加時間、またはPSAレベルの第2の連続的増加が挙げられ得る。観測PSAレベルは濃度または量であり得る。
「PSAの指標」は、統計学的有意性を伴って安定病態を有する患者の部分母集団と、生化学的再発および/または疾患再発を有している患者、または有するであろう患者の部分母集団を識別する所定のカットオフ、閾値または数値である。
「初期段階の生化学的再発」は、少なくとも1pg/mLまで低値の実効感度を有するPSAアッセイ用いて得られた1つ以上の選択されたPSAの値が、対応するPSAの指標を超えた場合に検出される。該値および対応する指標は、単独または組合せで、患者がES−BCRを有するのか、または安定病態を有するのか、の判定に使用され得る。
疾患の再発は、生化学的に、または画像化もしくは生検などの臨床観測結果に基づいて判定され得るが、該方法は、再発に対して感度が不充分であるという欠点を有する。また、本発明の方法を用いて得られた1つ以上のPSAの値およびPSAの指標は、患者に対する処置選択肢を助長または決定するために、臨床観測結果と組み合わせて使用され得る。例えば、本発明の方法を用いたES−BCRの検出により、さらなる治療、例えば、放射線治療、化学療法または抗アンドロゲン療法が施されることになり得る。場合によっては、さらなる治療は、[PSA]の値に早期で急速な増大がみられる場合、および/または早期のPSA速度の測定値がPSA速度の指標を超えた場合に正当とされ得る。別の例として、早期であまり急速でない[PSA]速度の増大により、他の患者パラメータ(例えば、臨床観測結果)に応じてさらなる治療が施されることになることもあり、ならないこともある。臨床観測結果としては、グリーソンスコア、診断時の年齢、外科的切除縁、T−病期、組織浸潤、被膜浸潤、精嚢浸潤、膀胱頸部浸潤、リンパ節浸潤、生検、または腫瘍体積が挙げられ得る。一部の実施形態において、さらなる治療を支持するパラメータとしては、カットオフ年齢未満の年齢、グリーソンスコアカットオフを超えるグリーソンスコア、本発明の方法を用いた高いPSA、陽性外科的切除縁および精嚢浸潤が挙げられる。年齢カットオフ(cuttoff)は、例えば、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59または60、65、70、75または80歳であり得る。グリーソンスコアカットオフは、例えば、4、5、6、7、8、9、10であり得る。
別の例として、[PSA]速度の値の低速増加では、臨床観測結果で再発がないことが示された場合(低いグリーソンスコアなど)、または高齢(例えば、70歳もしくは80歳超)でもある場合、さらなる治療は施されないことがあり得る。また、本発明の方法で安定病態が検出された場合、さらなる治療は施されない。さらなる治療が施されない任意の場合において、単独または臨床観測結果を組合せるかのいずれかで本発明の方法を使用して、1つ以上のPSAの値をさらにモニタリングし、後の時点でさらなる治療を施すべきかどうかを判定することが望ましいことがある。
PSAの指標は、観測された最大PSAレベルの所定のカットオフまたは閾値、最下点PSAレベルの乗数、観測された最大PSAレベル、最下点PSAレベル、時間に対するLn[PSA]の傾き、PSAの増加速度、またはPSAの倍加時間であり得る。倍加時間は(Ln(2)/K)であり、式中、Kは、時間に対するPSAレベルのプロットの指数関数フィットの傾きである。倍加時間の場合、PSAの値は、倍加時間の値がPSAの指標以下である場合、PSAの指標を「超えている」。PSAの指標は、本明細書に記載のものなどの標準的な統計学的方法を用いて決定される。一例として、PSAレベル指標は、少なくとも約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60pg/mLの[PSA]の指標であり得る。より好ましくは、PSAレベル指標は、少なくとも約15pg/mL、20pg/mLまたは25pg/mLの[PSA]の指標であり得る。また、PSAレベル指標の範囲は、指定されたものであり得る。[PSA]の指標の範囲は、例えば、15〜25pg/mL、15〜22pg/mLまたは20〜25pg/mLであり得る。PSAレベル指標は、単独または他のPSAの指標と組み合わせてもしくは臨床指標と組み合わせて使用され、患者が安定病態を有するか、またはES−BCRを有するかが判定され得る。
「PSA最下点」は、根治的前立腺摘除術などの治療後の患者由来の試料中のPSAの最低測定量を意味する。PSA最下点は、処置中に除去された、または死滅した増殖前立腺組織による、産生されたPSAのクリアランスの結果である。PSAは、2.2日間〜3.5日間の半減期を有し、3〜4週間または6〜8週間までかけて血流から排除され得る。Ellisら、Adult Urology,50(4),573−579,(1997)。根治的前立腺摘除術などの処置後、増殖性前立腺細胞を除去するかまたは死滅させる処置の後に、血清PSAレベルは最下点まで減少する。安定病態を有する患者では、PSAレベルは、低い点に達した後、横ばい状態のままであり得る。試料は、PSAレベルが測定される一連の組の血液血清試料のうちの1つであり得る。一連の組の血液血清試料は、根治的前立腺摘除術またはサルベージ処置などの治療後の同じ患者から異なる時点で採取された2つ以上の試料である。
治療は、前立腺疾患の臨床管理における1つ以上の処置をいう。前立腺疾患に対する処置は、好ましくは、前立腺癌の処置である。前立腺癌の処置は、好ましくは根治的前立腺摘除術である。また、前立腺癌に対する処置としては、放射線治療(例えば、サルベージ放射線治療)ならびにホルモン療法または化学療法が挙げられ得る。
総PSAに対するアッセイは、好ましくは、少なくとも10pg/mLまで低値の検出限界および少なくとも20pg/mLまで低値の実効感度を有する。PSAアッセイは、好ましくは、少なくとも約15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.9、0.8、0.7、0.6、または0.5pg/mLまで低値の実効感度を有するものであり得る。PSAアッセイは、好ましくは、0.2pg/mLまで低値の検出限界および/または約0.5pg/mLの実効感度を有するものであり得る。あるいはまた、検出限界(detection limit)は、本明細書において、機能的検出限界または検出の限界(limit of detection)と称する。検出の限界(LOD)は、5%に設定したI型およびII型のエラー率で検出され得る試料中の被検物質の最低量である。
一部の実施形態において、検出の限界は、少なくとも15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5または0.2pg/mLまで低値であり得る。また、PSAアッセイは0.5pg/mLまで低値の検出限界を有するものであり得、実効感度は1、2、3、4、または5pg/mLまで低値である。一部の実施形態において、PSAアッセイは、0.2pg/mLの機能的検出限界および0.5pg/mLの実効感度を有し、さらに、非核酸のPSA結合実体と核酸マーカーとを含み、PCRシグナルを生成させるために使用され得るコンジュゲートと、該試料を接触させることを含む。
生化学的再発の最も一般的な定義は、最近では、0.2ng/mL(200pg/mL)より大きい[PSA]であるが、100〜2000pg/mLの範囲のレベルが使用されている。Dohertyら、J.Cancer 83(11):1432−1436(2000)。少なくとも1.0pg/mLまで低値の実効感度を有するPSAアッセイでは、初期段階の生化学的再発が起こっているか否かを判定することが可能である。初期段階の生化学的再発の検出は、従来型PSAアッセイを用いた慣用的に定義された生化学的再発の検出より早期である。
本発明の一態様において、PSAレベルに基づいたES−BCRは、観測された最大PSAレベルとPSAレベル指標との比較によって検出され得る。少なくとも10〜60pg/mLの間の任意のレベル、好ましくは10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、または60pg/mL、より好ましくは10、15、20、25、または30pg/mLのPSAレベルが、ES−BCRを判定するためのPSAの指標として使用され得る。例えば、観測された最大PSAレベル指標が15pg/mLである場合、15pg/mLより大きい観測された最大PSAレベルとPSAの指標との比較により、ES−BCRが検出される。
別の態様において、最下点PSAに対する観測された最大PSAの比が、ES−BCRが起こっているかどうか判定するためのPSAの指標として使用され得る。例えば、観測された最大PSA/最下点PSAは、3〜11の間の任意の数値、好ましくは3、4、5、6、7、8、9、10、または11、より好ましくは6であり得る。最下点PSAレベルの乗数は、2倍、4倍または8倍、好ましくは4倍であり得る。
本発明の別の実施形態において、PSAに対するアッセイは、治療後の患者から採取された連続試料中のPSAを測定するために使用され得る。経時的に採取された連続試料のPSA測定値は、PSAの変化の速度、時間に対するLn[PSA]の傾き、またはPSAの増加の倍加時間を示すPSA速度の値を計算するために使用され得る。このようなPSA速度の1つ以上(or one or more)の値と、その対応する速度の指標との比較により、ES−BCRが起こっているかどうかの判定が可能になる。
この実施形態において、本発明は、例えば、患者が初期段階の生化学的逆戻り(ES−BCR)を有するかどうかの判定方法であって、
a)患者から連続試料を採取する工程;
b)少なくとも1pg/mLまで低値の実効感度を有するPSAアッセイを使用し、各試料中のPSAレベルを測定する工程;
c)該PSA速度の値がPSA速度の指標を超えていることを判定し、それによりES−BCRを検出する工程;または
該PSA速度の値が速度の指標を超えていないことを判定し、それにより疾患が安定であることを検出する工程
を含む方法である。
PSAの値の測定における使用のための最初の試料は、治療後の任意の時点で、治療前PSAレベルのクリアランスの時点およびPSA最下点の時点で、または治療前PSAレベルのクリアランス後の任意の時点およびPSA最下点後の任意の時点で採取され得る。一般的に、最初の試料は、処置後2週間〜8週間の間の任意の時点で採取される。試料は、前立腺疾患の臨床的モニタリングで使用されている任意の間隔の組で採取され得る。好ましくは、最初の試料は処置の30日または45日後に採取され、その後の試料は、好ましくは3ヶ月間隔で採取される。このタイムコースは、試料のPSAの値によってES−BCRが起こっていることが示された場合、または処置不奏功が示された場合には修正され得る。
PSAレベルの上昇速度は、PSA最下点から測定すべきである。PSAの増加速度が指標レベルより上まで上昇している患者は、初期段階の生化学的再発が起こっていると特性評価され得る。速度の指標は、統計学的解析を用いて、例えば、単変量ロジスティック回帰および受信者動作特性(ROC)解析、二変量解析もしくは多変量解析、または安定病態を有する患者部分母集団とES−BCRを有する患者部分母集団との良好な識別がもたらされる指標値を得るための他の適切な統計学的方法を使用することにより取得、評価または測定され得る。
さらに後述するように、経時的なPSAレベルの上昇速度は、患者がES−BCRを有するのか、または安定病態を有するのかの良好な指標である。また、第2の連続的上昇などの速度の指標は、患者がES−BCRを有するのか、または安定病態を有するのかの指標として使用され得る。[PSA]の変化の速度の指標または第2の連続的上昇の指標は、0.2〜2.5pg/mL/月の任意の量、好ましくは0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.2、3.4、3.6、3.8、または4.0pg/mL/月、より好ましくは0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0または2.0pg/mL/月、または該量のいずれかの前後であり得る。別の例として、時間に対するLn[PSA]の傾きの指標は、約0.015〜約0.0425の任意のレベル、好ましくは0.015、.0175、0.020、0.0225、0.025、0.0275、0.030、0.0325、0.035、0.0375、0.040、0.0425、または0.045、より好ましくは0.03より上であり得る。
また、一実施形態において、患者がES−BCRを有するかどうかの倍加時間の指標は、400〜800日間の任意の日数、より好ましくは400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775または800日間、最も好ましくは550日間であり得る。PSA速度の値がPSA速度の指標を超えない場合、疾患が安定であるという判定が行われる;PSA速度の値がPSA速度の指標以上である場合、ES−BCRが検出される。倍加時間の指標の場合、PSA倍加時間が倍加時間の指標以下の日数であれば、ES−BCRと判定される。倍加時間の値および指標について、倍加時間の値が倍加時間の指標より小さい場合、倍加時間の値は倍加時間の指標を超えていると判定される。
他の実施形態において、観測された最大PSAの指標および時間に対するLn[PSA]の傾きの指標を組み合わせて使用し、患者が安定病態を有するのか、またはES−BCRを有するのかを判定する。例えば、該方法は、さらに、c)ES−BCRを検出するために、PSAレベルが15pg/mLであるPSAの指標より上であること、および時間に対するLn[PSA]の傾きの値が、時間に対するLn[PSA]の傾きの指標である約0.03より上であることを判定することを含み得る。他方で、PSAレベルが15pg/mL未満であるか、またはPSAレベルの上昇速度が約0.03未満である場合、安定病態が検出される。この例では、PSAレベルの増大速度が速度の指標以上、および観測PSAの値が観測された最大PSAの指標以上の両方の場合、ES−BCRであると判定される。
別の態様において、本発明は、患者が高速、中速または低速の初期段階の生化学的再発(ES−BCR)を有するかどうかを検出する方法であって、
a)前立腺癌の治療後の患者から一連の組の血液血清試料を得る工程;
b)約0.5pg/mLの実効感度を有するPSAアッセイを使用し、各試料中のPSAレベルを測定する工程;
c)PSA速度の値を決定する工程;
d)PSA速度の値がPSA速度の指標以下であることを判定し、それによりES−BCRを検出する工程;および
e)ES−BCRを、PSA速度の指標に基づいて急速、中速または低速に分類する工程
を含む方法である。
PSA倍加時間の値が速度の閾値以上である患者は、倍加時間に基づいて、高速、中速または低速の初期段階の生化学的再発(ES−BCR)を有すると分類され得る。一例として、一部の実施形態において、約10ヶ月以下の倍加時間は、高速または急速な再発を示す;約10ヶ月より長く約24ヶ月までの倍加時間は中速ES−BCRを示し、約24ヶ月より長い倍加時間は、低速再発を示す。
別の態様において、本発明は、患者が高速、中速または低速の初期段階の生化学的再発(ES−BCR)を有するかどうかを検出する方法であって、
a)前立腺癌の治療後の患者から一連の組の血液血清試料を得る工程;
b)約0.5pg/mLの実効感度を有するPSAアッセイを使用し、各試料中のPSAレベルを測定する工程;
c)倍加時間の値および観測された最大PSAの値を測定する工程;
d)倍加時間が倍加時間の指標以下であることを判定し、それによりES−BCRを検出する工程;および
e)該倍加時間および観測された最大PSAに基づいて、ES−BCRを急速、中速、または低速に分類する工程
を含む方法である。
他の態様において、PSA倍加時間の値が倍加時間の閾値以上である患者は、倍加時間および/または観測された最大PSAに基づいて、ES−BCRの4つのサブクラスに分類され得る。1型の再発患者は150日間未満の倍加時間を有する。2型の再発患者は150〜400日間の倍加時間を有し、3型の再発患者および4型の再発患者は、400日間より長いPSA倍加時間を有する。3型の患者は、観測された最大PSAが200pg/mLを超えているが、4型の患者は、400日間より長い長期期間に200pg/mLを超えない観測された最大PSAの値を有する。
別の態様において、本発明は、前立腺癌のサルベージ治療後、患者が初期段階の生化学的再発(ES−BCR)を有するかどうかを検出する方法であって、
a)サルベージ治療後の患者から試料を採取する工程;
b)約0.5pg/mLの実効感度を有するPSAアッセイを使用し、該試料中のPSAレベルを測定する工程;
c)1つ以上の試料のPSAレベルを用いてPSAの値を決定する工程;
を含み、
PSAの値がPSAの指標を超えている場合はES−BCRが検出され、PSAの値がPSAの指標を超えていない場合は安定病態が検出される、方法である。
別の態様において、本発明は、PCRシグナル検出を用いてPSAに対するサンドイッチイムノアッセイを行なうのに適した核酸−抗PSAコンジュゲートを備えるキットであって、該アッセイが少なくとも0.2pg/mLまで低値の検出限界および少なくとも0.5pg/mLまで低値の実効感度を有するキットである。該キットは、さらに、1つ以上のPSAの値を決定するためのソフトウェアを備えるものであってもよい。
別の態様において、本発明は、患者が初期段階の生化学的逆戻り(ES−BCR)を有するかどうかを検出する方法の記載を含むラベルであって、
a)前立腺癌の治療後の患者から試料を採取する工程;
b)1pg/mL未満の実効感度を有するPSAアッセイを使用し、該試料中のPSAレベルを測定する工程;
c)1つ以上の試料からのPSAレベルを用いてPSAの値を求める工程
を含み、
PSAの値がPSAの指標以上である場合はES−BCRが検出され、PSAの値がPSAの指標を超えていない場合は安定病態が検出される、ラベルである。
実施例
総PSA(tPSA)に対する高感度アッセイを用いた臨床試験において、該高感度アッセイを用いて血清PSAの変化をモニタリングすることにより、生化学的再発が早期に検出できることが示された。対照的に、既報の従来型アッセイの実効感度は限定的であり、約0.01ng/mL(10pg/mL)未満のPSAレベルは信頼性のある報告は不可能である。したがって、高感度[PSA]アッセイの使用により、より信頼性のある早期のBCR検出がもたらされる。
実施例1:非常に低いレベルの前立腺特異的抗原(PSA)の検出のための核酸検出イムノアッセイ(NADIA(登録商標)アッセイ)
血清試料中の総PSA(tPSA)を、0.5pg/mLの実効感度を有する核酸検出イムノアッセイ(NADIA(登録商標)アッセイ)を用いて測定した。Clin Chem 53(6)補遺、2007,#C−15参照。NADIA(登録商標)アッセイはサンドイッチイムノアッセイ形式で行なわれる。
PSA上の異なるエピトープに対する2種類の抗体を、根治的前立腺摘除術を受けた男性の患者試料中のpg/mLレベルのPSAが検出されるように設計されたアッセイにおいて使用した。
実施例1A:シグナル核酸−抗PSAコンジュゲートの作製
一次抗体を60塩基のオリゴヌクレオチドに、JablonskiおよびAdamsによるIVD Technology(2006年11月)に記載のようにしてコンジュゲート(化学的に連結)させる。次いで、このレポーター抗体を、ウシ血清アルブミン(BSA)および界面活性剤を含有する緩衝希釈剤中でおよそ10〜30ピコモル(pM)濃度まで希釈し、7.0〜7.5のpH範囲での非特異的結合を低減させる。
実施例1B:捕捉核酸−抗PSAコンジュゲートの作製
二次抗体を、直径がおよそ1ミクロンの常磁性粒子上に固定化させる。捕捉抗体は、EZ−Link Sulfo−NHS−LC−Biotin(スルホスクシンイミジル−6−(ビオチンアミド)ヘキサノエート,カタログ番号21335,Pierceによって供給)を用い、カタログに記載の方法を使用して、化学的に結合させたビオチンを有しており、続いて、製造業者Seradynによって常磁性粒子に結合されたストレプトアビジンリンカー(カタログ番号3015−2104)を介して該磁性粒子に結合させる。
実施例1C:NADIA(登録商標)アッセイのための条件
75マイクロリットル(μl)のレポーター抗体を20μlの患者血清試料と、室温で2時間反応させる。次いで、不均質形式において、常磁性粒子上に固定化させた捕捉抗体をレポーター抗体および試料溶液に添加する。この混合物を、穏やかに攪拌して常磁性粒子を懸濁状態で維持しながら30分間反応させる。
このインキュベーションの終了時、該粒子を磁気によって残余の溶液から分離する。該溶液を注意深く除去すると、磁性粒子がウェル側に残る。次いで、磁性粒子を3〜5回洗浄して非結合レポーター抗体を除去する。この溶液を、界面活性剤(Tween 20など)を含む中性pHで緩衝化する。その結果、捕捉抗体とDNAで標識されたレポーター抗体にサンドイッチされたPSAのみ(存在するならば)を含む洗浄粒子がもたらされる。
次いで、該DNAに対する相補プライマーとTaqポリメラーゼを含むPCR試薬を、この洗浄常磁性粒子に添加し、リアルタイムPCRを行なう。このPCR増幅工程では、標準的な市販試薬を使用する。レポーター抗体に結合されたDNAを含む免疫複合体の存在下で、DNA鋳型の増幅がおこる。
次いで、既知のtPSA濃度5、25および100pg/mLの較正物質で作成した標準曲線から、未知試料を読み取る。また、各96ウェルプレートに0.0、10.0、および80.0pg/mLのPSAの対照を含ませ、PCR増幅工程が各プレートでの実行で適正な制御下にあることをさらに確実にする。
JablonskiおよびAdamsのIVD Technology(2006年11月)に記載のように、該アッセイはまた均質形式で実行することもできる。例えば、一次抗PSAモノクローナル抗体をオリゴヌクレオチド配列(a)で標識し、二次抗体をオリゴヌクレオチド配列(b)または(c)にコンジュゲートさせた。オリゴヌクレオチド配列(a)は、それぞれ、配列(b)および(c)の3’末端の最後の9塩基および15塩基に相補的であった。このコンジュゲートペアを、0.1%のウシ血清アルブミン(BSA)を含有する10mmolのTris(pH8.0)中で10〜100pmolまで希釈し、PSAの存在下で2時間結合させた。次いで、この溶液をTris/BSAを用いて希釈し、バルクコンジュゲート濃度を1pmol未満まで低下させ、52℃で1分間保持し、未結合コンジュゲートを充分融解させた。Taqポリメラーゼと下流プライマーを含むPCR試薬混合物を添加し、反応液を密封した。免疫複合体と会合しているDNA鎖に充分ハイブリダイズさせるため、および最初の鎖伸長を開始させるために温度を23℃まで低下させた。遊離MAb−DNAは、希釈溶液中では、最初の伸長の時間枠内で同程度にハイブリダイズすることができず、その後の指数関数的増幅に参与し得ない。PSA免疫複合体と会合したオーバーラップDNA標識を5分間伸長させ、温度を3分間で85℃まで上昇させることにより終了させた。形成された鋳型のリアルタイムPCR増幅は即時に開始され、免疫複合体が破壊されて、もはや必要でなくなった。アッセイの感度は約100fg/mLであると決定された。
NADIA(登録商標)PSAアッセイの性能を実証するため、Eleftherios Diamandis M.D.Ph.D.の研究所(University Health Network and Toronto Medical Laboratories,トロント,ON,カナダ)からIMDで患者試料を採取した。このような試料には、以前にDiamandis博士によって安定であると特性評価された42名の患者、および上昇PSAの値を有し、生化学的再発を有すると分類された43名の患者を含めた。試料は前立腺摘除後に採取されたものであり、術後のPSAの値が100pg/mL未満に低下した場合に組み入れた。生化学的再発は、いくつかの基準を用いて規定し、試験期間中に得た時点の値に基づいた。Yu,He;Diamandis,Eleftherios,P.Wong,Pui−Yuen;Nam,Robert;Trachtenberg,John “Detection of Prostate Cancer Relapse with Prostate Specific Antigen Monitoring at Levels of .001 to 0.1ug/L” J.Urology 157:913−18(1997)参照。
NADIA(登録商標)PSAアッセイは、すべての女性試料のtPSAの値および男性集団の試料で観察された最低値を、遡及的臨床試験において、バックグラウンド値から精密に識別するのに充分感度のよいものであった。
実施例2:疾患の転帰の指標を評価するための遡及的試験
NADIA(登録商標)アッセイを使用し、根治的前立腺摘除術後の前立腺癌患者由来の連続血清試料におけるtPSAレベルを測定した。結果を、蛍光免疫測定(IFM)アッセイに基づいた研究アッセイを用いて、血清試料中の先のPSAレベルの測定値と比較した。Vassilikosら、Clin.Biochem.33:115−123(2000)。次いで、NADIA(登録商標)アッセイの結果を解析し、患者の臨床転帰との一致を調べた。
試料
先の公表された試験(J Urol 157:913−8,1997)後に保存しておいた血清試料(N=435)をこの試験に使用した。試料は1993年および1994年に収集したものであり、PSAレベルはAbbott Laboratories IMxアッセイを用いて測定し、試料は−40℃で凍結保存した。また、試料は、VassilikosらによってIFMアッセイを用いてtPSAレベルを測定した試験でも使用された。IFMアッセイは、Clin Chem 39:2108-14,1993にさらに記載されている。Vassilikosらの試験で使用された血清試料は、RP後のベースラインtPSA<100pg/mL(IMxアッセイを用いて測定)を有し、それぞれRP後に採取された3つより多くの連続試料(平均値5.0、中央値5、範囲3〜6)を有する85名の患者から採取されたものであった。中央値(範囲)年齢は63歳(49〜73歳)であり、RP前tPSAは7.1ng/mL(0.1〜49.0)であり、グリーソンスコアは7(5〜9)であり、腫瘍関与%(% tumor involvement)は25%(1〜90%)であった。臨床病期はT1a−c(16)、T2a−b(35)および未知(33)であった。4名の患者はRP前治療(ホルモン=1;放射線療法=2)を受けていた。Journal of Urologyの試験では、tPSAの値をAbbott IMxアッセイで最初に決定した血清試料を、IFM法によって再解析したが、元の値と比べて有意差は示されなかった。Journal of Urologyの論文では、BCRは、≧2個の連続tPSAの増大が≧100pg/mLに達すること、逆戻りは最初のtPSA増大に遡ることと定義された。
根治的前立腺摘除術(RP)後の患者由来の血清試料を、RP後のPSAレベルが、現在FDAに承認されている従来型PSAアッセイを用いて検出可能限界未満の場合、NADIA(登録商標)アッセイのPSA試験に含めた。従来型アッセイの多くでは、患者が術後ゼロまたは<0.1ng/mL(<100pg/mL)の値を有すると報告されている。NADIA(登録商標)PSAアッセイでは、FDA承認PSAアッセイよりも、およそ200倍低いレベルのPSAを検出することができる。したがって、高感度PSAアッセイの使用により、前立腺摘除後患者におけるPSAの真のレベルの測定が初めて可能になった。より感度がよく精密なPSAレベルの測定により、患者を2つの群−安定病態および初期段階の生化学的逆戻りに配することが可能になった。
試験における患者の記述統計
7名の患者は、NADIA(登録商標)アッセイデータが入手可能でなかったため、または手術データが入手可能でなかったため、プロスペクティブにこの解析から除外した。この試験に含めた患者の最終人数は85名であった。試験に含めた各患者の試料採取の時点までに取得した[PSA]の測定値(pg/mL)を以下の表1に示す。
Figure 0005808538
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Diamandis研究アッセイに基づき、43名は再発と分類され、42名は安定病態と分類された。Yuら、J.Urology 157:913−18(1997)。患者集団に関する臨床病理学的変量の記述統計を得た。再発分類患者と安定病態分類患者間の臨床変量の分布における差の有意性を以下の表2にまとめる(p<0.05は、再発集団と安定病態集団間の変量の分布における有意差を示した)。
Figure 0005808538
本試験では、84名(98.8%)の患者が、tPSAを測定するためにNADIA(登録商標)アッセイを使用する生化学的評価で評価可能であり、60〜70%が臨床病理学的に評価可能であった。NADIA(登録商標)を用いたtPSAの測定により、RP後の最下点の中央値(範囲)または第1のtPSAの値は4.1pg/mL(0.2〜167.9pg/mL)であることが示された。
また、再発分類と安定病態分類間の臨床変量の分布における差の有意性の上記の表に示されるように、グリーソン、外科的切除縁、前立腺周囲浸潤、被膜浸潤、および腫瘍体積はすべて、部分母集団間に有意差を示し、転帰の予測量となり得る。
実施例3:疾患の転帰の指標(1つまたは複数)としての[PSA]に基づいた測定値の評価
該試料の組で収集されたデータの解析により、種々のPSA測定値の指標によって疾患の転帰が予測されるという仮説の評価が可能となり、前立腺癌の治療後の患者のモニタリングに有用であり得る。このような指標には、患者由来の連続試料中のtPSAのNADIA(登録商標)アッセイでの測定値に基づいた以下の値:tPSA倍加時間(NADIA(登録商標)アッセイのPSAの値が指数関数フィット可能な患者のみから計算);第1の前立腺摘除後レベル(最下点値は、常に第1の前立腺摘除後の値と同じとは限らない);最下点後に観察された最大tPSAレベル(モニタリング中の任意の点であり得る);最下点に対する最大tPSAレベルの比(再発の可能性を示すためには、最下点後のある時点での見かけの最下点レベルよりも高い少なくとも1つの値を必要とする);第2の連続的増加(pg/mL/月);増大速度;モニタリング期間中の倍加数;モニタリング中の連続倍加数が含まれた。
この試験で解析した各患者について、NADIA(登録商標)アッセイを用いて測定したtPSA(pg/mL)を、手術後の日数の関数としてプロットした。例えば、図1は、指数関数フィットによる再発患者番号11の、根治的前立腺摘除術後の日数に対するNADIA(登録商標)のt[PSA](pg/mL)のプロットを示す。図2は、指数関数フィットによる再発患者番号31の、根治的前立腺摘除術後の日数に対するNADIA(登録商標)のt[PSA](pg/mL)のプロットを示す。図3は、指数関数フィットによる再発患者番号38の、根治的前立腺摘除術後の日数に対するNADIA(登録商標)のt[PSA](pg/mL)のプロットを示す。図4は、指数関数フィットによる安定患者番号86の、根治的前立腺摘除術後の日数に対するNADIA(登録商標)のt[PSA](pg/mL)のプロットを示す。図5は、指数関数フィットによる安定患者番号120の、根治的前立腺摘除術後の日数に対するNADIA(登録商標)のt[PSA](pg/mL)のプロットを示す。図6は、指数関数フィットによる安定患者番号126の、根治的前立腺摘除術後の日数に対するNADIA(登録商標)[PSA](pg/mL)のプロットを示す。
全患者に対するプロットを、患者が再発カテゴリーに分類されるか、安定病態カテゴリーに分類されるかによって分けた。図7は、43名の全再発患者の根治的前立腺摘除術後の日数に対するNADIA(登録商標)のt[PSA](pg/mL)のプロットを示す。図8は、範囲を1000pg/mlまでに限定した(意味なし)、43名の再発患者の前立腺摘除後の期間に対するNADIA(登録商標)のt[PSA]のオーバーレイプロットを示す。
倍加時間の解析では、プロットが指数関数的にフィットされ得ない安定病態患者を試験から除外した。42名のうち10名の安定病態患者を倍加時間の解析に含めた。他の解析(観測された最大PSAレベル、第1の前立腺摘除後PSAレベル、最下点PSAレベル、観測された最大PSAレベル/最下点レベル比、倍加数、連続倍加数、および第2の上昇(pg/mL/月))ではすべて、43名の全再発患者および42名の全安定病態患者のデータを使用した、すなわち除外は行わなかった。
実施例4:疾患の転帰の潜在的指標の解析
再発または安定病態に対する各PSA可能性指標(第1の前立腺摘除後PSAレベル、最下点PSAレベル、観測された最大PSAレベル、観測された最大PSAレベル/最下点レベル比、倍加数、連続倍加数、第2の上昇pg/m./月、倍加時間(指数関数フィットが可能であった場合))の解析を行ない、再発の予測量(predictor)としての各転帰に対する相対的有用性を評価した。患者は安定である、または疾患再発を有するという臨床的分類を、参照転帰として使用した。使用した統計学的検定は、連続的変量ではウィルコクソン順位和検定、およびカテゴリー別変量ではピアソンカイ2乗検定とした。
この解析により、計算[PSA]パラメータはすべて、臨床転帰(再発または安定病態)の有意な予測量である(ウィルコクソン順位和またはピアソンカイ2乗p<0.05)ことが示された。観測された最大tPSAレベル、第2の連続的増加(pg/mL/月)、および倍加時間は、患者部分母集団の識別において最良であった。また、最下点レベルに対する最大PSAレベルの比および倍加数でも、公正な識別が示された。
各[PSA]の指標の解析を以下に論考する。
実施例4A:患者部分母集団(再発または安定病態)に対する第1の前立腺摘除後レベルの解析
Figure 0005808538
Figure 0005808538
患者部分母集団(前立腺癌の再発(1)または安定病態を有する(0))に対する第1の前立腺摘除後tPSAレベルのプロットを図9に示す。疾患安定群(0)および再発群(1)の分位点(quintile)を表4に示す。疾患安定群(0)および再発群(1)の平均値および標準偏差を表5に示す。患者部分母集団(再発または安定病態)に対する第1の前立腺摘除後tPSAレベルのプロットのデータ解析によれば、このパラメータによって該2つの集団が有意に識別され、したがって転帰の予測量である。安定群の平均値(SEM)[PSA]の平均値+/−標準誤差は4.1pg/mL+/−0.58であり、一方、再発を有する群の[PSA]の平均値+/−SEMは28.2+/−5.72であった。pは<0.0001であった。しかしながら、安定集団は最大で中央値および中央値を超えると、再発集団とオーバーラップする。
実施例4B:患者部分母集団(再発または安定病態)に対する最下点tPSAレベルの解析
Figure 0005808538
Figure 0005808538
患者部分母集団(前立腺癌の再発(1)または安定病態を有する(0))に対する最下点t[PSA]レベル(pg/mL)のプロットを図10に示す。疾患安定群(0)および再発群(1)の分位点を表6に示す。疾患安定群(0)および再発群(1)の平均値および標準偏差を表7に示す。最下点[PSA]レベルのデータ解析によれば、このパラメータによって該2つの集団が有意に識別され、したがって転帰の予測量である。安定群の最下点[PSA]の平均値+/−SEMは2.4pg/mL+/−0.42であり、一方、再発を有する群の最下点[PSA]の平均値+/−SEMは27.2+/−5.8であった。pは<0.0001であった。しかしながら、安定集団は最大で中央値および中央値を超えると、再発集団とオーバーラップする。
実施例4C:患者部分母集団(再発または安定病態)に対する観測された最大tPSAレベルの解析
Figure 0005808538
Figure 0005808538
患者部分母集団(前立腺癌の再発(1)または安定病態を有する(0))に対する観測された最大[PSA]レベル(pg/mL)のプロットを図11に示す。疾患安定群(0)および再発群(1)の分位点を表8に示す。疾患安定群(0)および再発群(1)の平均値および標準偏差を表9に示す。患者部分母集団に対する観測された最大[PSA]レベルの解析により、最大tPSAレベルによって安定患者と再発患者の2つの集団が有意に識別され、したがって、転帰の予測量であることが示された。安定群の[PSA]の平均値+/−SEMは9.0pg/mL+/−3.11であり、一方、再発を有する群の平均値+/−SEM[PSA]は1295.9+/−403.91であった。pは<0.0001であった。安定集団は、10〜25%の一部の個所でのみ再発集団とオーバーラップし、したがって良好に識別された。この試験では、1名のみ、15pg/mLより高い観測PSAレベルを有する安定病態患者がみられた。
実施例4D:患者部分母集団(再発または安定病態)に対する最大tPSAレベル/最下点レベルの解析
Figure 0005808538
Figure 0005808538
患者部分母集団(前立腺癌の再発(1)または安定病態を有する(0))に対する最大[PSA]レベル(pg/mL)/最下点レベル[PSA](pg/mL)のプロットを図12に示す。疾患安定群(0)および再発群(1)の分位点を表10に示す。疾患安定群(0)および再発群(1)の平均値および標準偏差を表11に示す。患者部分母集団に対する最大PSAレベル/最下点レベルPSAの解析により、最下点[PSA]に対する最大PSAレベルの比によって該2つの集団が有意に識別され、したがって転帰の予測量であることが示された。pは<0.001であった。安定集団の平均値+/−SEMは3.6+/−0.6であり、一方、再発集団の平均値+/−SEMは87.5+/−20.3であった。しかしながら、安定集団は再発集団と中央値付近ではオーバーラップする。
実施例4E:患者部分母集団(再発または安定病態)に対する第2の連続増大(pg/mL/月)の解析
Figure 0005808538
Figure 0005808538
患者部分母集団(前立腺癌の再発(1)または安定病態を有する(0))に対する[PSA]レベルの第2の連続的増加(pg/mL/月)のプロットを図13に示す。疾患安定群(0)および再発群(1)の分位点を表12に示す。疾患安定群(0)および再発群(1)の平均値および標準偏差を表13に示す。第2の連続的増加(pg/mL/月)の解析により、このパラメータによって該2つの集団が有意に識別され、したがって転帰の予測量であることが示された。安定群の第2の連続的増加の平均値+/−SEMは0.15pg/mL/月+/−0.13であり、一方、再発を有する群の(or)平均値+/−SEMは63.5+/−36.78であった。pは<0.0001であった。安定集団は再発集団とおよそ25%オーバーラップし、したがって良好な識別力を示す。
実施例4F:患者部分母集団(再発または安定病態)に対する倍加時間(日間)の解析
Figure 0005808538
Figure 0005808538
患者部分母集団(前立腺癌の再発(1)または安定病態を有する(0))に対する倍加時間データ(日間)のプロットを図14に示す。疾患安定群(0)および再発群(1)の分位点を表14に示す。疾患安定群(0)および再発群(1)の平均値および標準偏差を表15に示す。このデータの解析により、倍加時間(日間)によって該2つの集団は有意に識別され、したがって転帰の予測量であることが示された。pは<0.0001であった。安定集団の平均値は1208+/142.9であり、一方、再発集団の平均は318.6+/−26.04であった。安定集団は、わずか10〜25%再発集団とオーバーラップし、したがって良好に識別される。
PSAアッセイを用いて観測した倍加時間に基づいた患者のさらなるカテゴリー化
患者の再発部分母集団のさらなるサブクラス間の識別を行なうために、倍加時間が使用され得るかどうかを判定するためのさらなる解析を行なった。PSA倍加時間の解析により、患者を、<150日間(急速再発)、150〜400日間(中速再発)、および>400日間(低速再発)にカテゴリー化される3つの群にさらに区分することが可能であった。速度は指数関数的増殖速度を反映しており、したがって、癌の増殖の急速進行性を反映していることが予測された。
図15A〜Cは、それぞれ、<150日間、150〜400日間、または>400日間の倍加時間を有する再発患者のオーバーレイプロットを示す。図15Aは、範囲を1000pg/mLまでに限定した、<150の倍加時間を有する再発患者の術後の日数に対する[PSA]pg/mlのオーバーレイプロットを示す。
図15Bは、範囲を1000pg/mLまでに限定した、150〜400の倍加時間を有する再発患者の術後の日数に対する[PSA]pg/mlのオーバーレイプロットを示す。
図15Cは、範囲を1000pg/Mlまでに限定した、>400の倍加時間を有する再発患者の術後の日数に対する[PSA]pg/mlのオーバーレイプロットを示す。
再発患者は、4つの類型、倍加時間が150日未満の第1群、倍加時間が150〜400日間の第2群、ともに400日間より長い倍加時間を有した第3群および第4群に分けられ得る。第3群では観測された最大PSAが200pg/mLを超えたが、第4群では観測された最大PSAは200pg/mLを超えなかった。
図16A〜Dは、それぞれ、倍加時間による、範囲を1000pg/mLまでに限定した再発患者のサブクラスのオーバーレイプロットを示す。>400日間の倍加時間を有する再発患者を、さらに、観測された最大PSAが200pg/mLより上であるか下であるかに細分した。
図16Aは、<150日間の倍加時間を有する再発患者の術後の日数に対する[PSA]pg/mlのオーバーレイプロットを示す。
図16Bは、<150〜400日間の倍加時間を有する再発患者の術後の日数に対する[PSA]pg/mlのオーバーレイプロットを示す。
図16Cは、>400日間の倍加時間を有する再発患者の術後の日数に対する最大[PSA]>200pg/mLのオーバーレイプロットを示す。
図16Dは、再発患者の術後の日数に対する[PSA]pg/mlのオーバーレイプロットを示す。
図17は、術後の日数に対する[PSA]pg/mlのオーバーレイプロットを示すが、安定病態患者は、ほんの少数例を除いて、概ね15pg/mLを超えないPSA最大を有する。
実施例4G:患者部分母集団(再発または安定病態)に対する倍加数の単変量解析
Figure 0005808538
上記の表16は、倍加数が、安定病態を有する42名の患者に対して前立腺癌の再発を有する43名の患者で増大していることを示す。差はp<0.0001(カイ2乗)で有意であった。部分母集団間には、1回の倍加と2回の倍加の領域において一部オーバーラップがみられる。オーバーラップの程度は集団全体のおよそ60%であるが、(a)再発では常に倍加が観察されること、および(b)安定病態では3回または4回の倍加を有する患者は見られないことは興味深い。前立腺癌の再発(1)または安定病態を有する(0)患者部分母集団に対するモニタリング中の倍加数を示すデータのモザイクプロットを図18に示す。
実施例4H:患者部分母集団(再発または安定病態)に対する連続倍加数の単変量解析
Figure 0005808538
上記の表17は、連続倍加数が、安定病態を有する42名の患者に対して前立腺癌の再発を有する43名の患者で増大していることを示す。差はp<0.0001(カイ2乗)で有意であった。オーバーラップの程度は集団全体のおよそ80%である。前立腺癌の再発(1)または安定病態を有する(0)患者部分母集団に対する連続倍加数を示すデータのモザイクプロットを図19に示す。
実施例5:単変量ロジスティック回帰および受信者動作特性(ROC)解析を用いた指標の評価
単変量ロジスティック回帰および受信者動作特性(ROC)曲線解析を、PSA測定値に基づいた種々の指標(第1の前立腺摘除後PSAレベル、最下点PSAレベル、観測されたPSA最大レベル、倍加数、連続倍加数、第2の上昇(pg/mL/月))によって疾患の転帰が予測されるかどうかの評価に使用した。患者は安定であるか、または疾患の再発を有するという臨床的分類を参照として使用した。また、倍加時間の計算では、統計学的解析により、指数関数フィットおよび他のフィットが、43名の再発患者のうち40名および42名の安定病態患者のうち10名で適切であることが示された。R2が少なくとも約0.5であれば、たとえ他のフィットがより良好なフィットを与えたとしても、指数関数的パラメータを倍加時間の計算に採用した。また、倍加時間の計算では、tPSAの値が経時的に上昇していたはずであった。
候補NADIA(登録商標)アッセイの指標によって前立腺癌の生化学的再発を予測する能力を評価するため、ロジスティック回帰およびROC解析を使用した。各候補指標を(その独自のモデルにおいて)、例えば、観測された最大値、倍加時間、観測されたPSA最大レベル/最下点レベル比、第2のpg/mL/月、および倍加数を個々に採用したロジスティック回帰モデルを使用し、オッズ比(処置群におけるある型の転帰の確率と対照群の転帰とを比較する処置効果の尺度;1.0の値から有意に外れるオッズ比が望ましい)およびワルド検定によるp値を得た。ROC解析により、ROC曲線下面積(100−特異性に対する感度としてプロット;1.0の面積が理想的である)の推定値、および関連する95%信頼区間(95%CI)、最良識別指標値、ならびに最良識別指標値における関連する感度および特異性を得た。結果を以下の表18および19にまとめる。
単変量解析の結果のまとめ
Figure 0005808538
Figure 0005808538
ROC曲線下面積は1.0の理想的な状態に近く、感度と特異性の組合せは、倍加数の指標以外で高かった。倍加時間および倍加数のロジスティック回帰モデルでは、観測結果の制限のため、収束しなかった。したがって、部分母集団(安定病態および初期段階の生化学的再発)の最強の指標は、観測された最大レベル、最大PSAレベル/最下点レベル比、およびNADIA(登録商標)アッセイのPSAレベルの第2の上昇(pg/mL/月)であった。これらの指標すべては、生化学的再発の有意な予測量であった(ワルドp値はすべて<0.05であった)。
実施例6:多変量ロジスティック回帰およびROCを用いた指標の評価
単変量解析において強力な予測量であることがわかった候補指標(観測された最大レベル、最大レベル/最下点比、および第2のNADIA(登録商標)アッセイのPSAの上昇(pg/mL/月))をさらに評価するため、多変量ロジスティック回帰およびROC解析を行なった。その意図は、モデルにおいて臨床病理学的予後指標が存在していても、NADIA(登録商標)アッセイの候補指標によって予測能力が維持され得るかどうかを判定することであった。このような臨床病理学的指標はすべて、再発の有意な予測量であることが以前に示されたものであり、外科的切除縁の罹患(involvement);癌の被膜浸潤;および癌の前立腺周囲組織浸潤が含まれた。
各モデルについて、NADIA(登録商標)アッセイの指標および臨床病理学的指標のオッズ比およびワルドp値を示す。また、ROCの全曲線下面積(AUC)およびその関連する95%CIも示す。さらに、NADIA(登録商標)アッセイの指標の変量モデルのAUCに対する多変量モデルのAUCとの間の差の有意性を統計学的に調べた。この統計学的解釈に関するp値が<0.05であるとした場合、多変量モデルがNADIA(登録商標)アッセイの指標単独よりも高い予測力を示すことが示され、逆に、p値>0.05では、NADIA(登録商標)アッセイの指標が強力で独立した予測量であること、および臨床病理学的指標をモデルに加えても前立腺癌再発の検出の予測能力は有意に改善されないことが示される。
以下の図および表は、NADIA(登録商標)アッセイの指標のみを使用した単変量ROC曲線と比較した多変量ROC曲線、ならびにロジスティック回帰およびROCコンピュータ計算の結果を示す。
実施例6A:多変量結果−観測された最大PSA:
Figure 0005808538
図20Aおよび20Bは、NADIA(登録商標)の観測された[PSA]最大レベルに関する単変量ROC曲線と比較した多変量ROC曲線を示す。図20Aは多変量ROC曲線を示す。図20Bは、多変量ROC曲線(点線)に対するNADIA(登録商標)の観測された[PSA]最大レベル(黒線)に対する単変量ROC曲線を示す。表20は、ロジスティック回帰およびROCコンピュータ計算の結果を示す。観測された[PSA]最大値に対するロジスティック回帰モデルを使用し、ワルド検定からオッズ比とp値を得た。ROC解析によって曲線下面積(AUC)の推定値を得、また、その関連95%CIも示す。
NADIA(登録商標)の観測されたPSA最大レベルは、独立した有意な転帰の予測量であり(p=0.0497)、多変量モデルでは、該パラメータ単独の使用と比べて、AUCは有意に改善されない(p=0.797)。
実施例6B:多変量結果−最大tPSA/最下点比:
Figure 0005808538
図21Aおよび21Bは、NADIA(登録商標)の最大総[PSA]/最下点[PSA]レベルに関する単変量ROC曲線と比較した多変量ROC曲線を示す。図21Aは多変量ROC曲線を示す。図21Bは、多変量ROC曲線(点線)に対するNADIA(登録商標)の最大総[PSA]/最下点[PSA]レベル(黒線)の単変量ROC曲線を示す。表21は、ロジスティック回帰およびROCコンピュータ計算の結果を示す。最大総[PSA]/最下点[PSA]レベルのロジスティック回帰モデルを使用し、ワルド検定からオッズ比とp値を得た。ROC解析によって曲線下面積(AUC)の点推定値を得、また、その関連する95%CIも示す。
最下点PSAレベルに対する観測されたPSA最大レベルの比は、独立した転帰の予測量であり(p=0.0051)、多変量モデルでは、観測された最大PSA/最下点単独の使用と比べて、AUCは有意に改善されない(p=0.191)。
実施例6C:多変量結果−第2の上昇(pg/mL/月)
Figure 0005808538
図22Aおよび22Bは、[PSA]の第2の上昇(pg/mL/月)に関する単変量ROC曲線と比較した多変量ROC曲線を示す。図22Bは多変量ROC曲線を示す。図22Aは、多変量ROC曲線(点線)に対するNADIA(登録商標)の[PSA]の第2の上昇(pg/mL/月)(黒線)の単変量ROC曲線を示す。表22は、ロジスティック回帰およびROCコンピュータ計算の結果を示す。[PSA]の第2の上昇(pg/mL/月)のロジスティック回帰モデルを使用し、ワルド検定からオッズ比とp値を得た。ROC解析によって曲線下面積(AUC)の点推定値を得、また、その関連する95%CIも示す。
第2の上昇(pg/mL/月)は独立した転帰の予測量であり(p=0.0023)、多変量モデルでは、第2の上昇単独の使用と比べて、AUCは有意に改善されない(p=0.701)。
実施例7:バイナリーカテゴリー別表示としての[PSA]の指標の評価
バイナリーカテゴリー別表示としての観測されたPSA最大レベル、最大レベル/最下点レベル比、および第2の上昇(pg/mL/月)の効果を評価するための単変量ロジスティック回帰およびROC解析もまた行なった。結果を表23に示す。バイナリーカテゴリー別表示の指標カットオフは、観測された最大レベルでは25pg/mL、第2の上昇では0.6pg/mL/月の値、および観測されたPSA最大レベル/最下点レベル比では6であった。各患者を、これらのカットオフを超えているか、または超えていないかのいずれかにカテゴリー化した。
Figure 0005808538
図23A〜Cに示されるように、各[PSA]の指標の単変量解析によって、これらの[PSA]の指標のバイナリー表示はすべて非常に強力であることが示され、p値は<0.0001であり、AUC値は1.0に近かった。
試験に対する結論:
少なくとも0.2pg/mLまで低値の検出限界および少なくとも0.5pg/mLまで低値の実効感度を有するNADIA(登録商標)のtPSAアッセイにより、0.5pg/mLまで低値のtPSA濃度の信頼性のある測定が可能となり、精密なPSA最下点の結果およびPSA−倍加時間の計算がもたらされる。NADIA(登録商標)アッセイなどの、少なくとも0.5pg/mLまで低値の低値実効感度を有するPSAアッセイを用いたtPSAの測定により、安定病態患者群は、低くて一定レベルのPSAを有し、おおよその平均値は3.5PG/ML(0.0035ng/Ml)であることが示された。安定病態を有する患者と、生化学的再発を有する患者間の差は統計学的有意性が高い。
また、平均して、NADIA(登録商標)アッセイでは、tPSAの値が100pg/mL(0.1ng/mL)に達する34ヶ月前にtPSAの上昇が検出された。
観測された最大PSAレベルは、安定病態部分母集団または生化学的再発部分母集団の非常に強力な指標である。少なくとも0.5pg/mLまで低値の実効感度を有するPSAアッセイを用いて得られた観測された最大PSAレベルは、早期の生化学的逆戻りを検出するために使用され得る。また、pg/mL/月の増大も、安定病態を有する部分母集団または生化学的再発部分母集団の非常に強力な指標である。また、最下点レベルに対する観測された最大PSAレベルの比も、安定病態を有する部分母集団または生化学的再発を有する部分母集団の非常に強力な指標である。
NADIA(登録商標)アッセイ試験により、部分母集団(安定病態および初期段階の生化学的再発)の最も識別力のある指標として供されるtPSAパラメータは、観測された最大レベル、第2の連続増大速度(pg/mL/月)、および倍加時間であることが示された。
実施例8:以前のデータが入手可能でなかった患者での差の有意性の計算
試料の組に対してNADIA(登録商標)アッセイを用いてtPSAを測定したとき、10、25、100および200pg/mLの[PSA]が達成されるのに必要とされる日数の計算を、40名の再発患者および10名の安定病態患者の指数関数フィットに基づいて行なった。この型の解析により、根治的前立腺摘除術後、非常に早期の時点での再発集団と安定病態集団の比較が可能である。この遡及的試験では、利用可能なデータの指数関数的フィットに基づいた外挿では、再発患者のPSAが10pg/mLに達するのに必要とされる時間に関連する低値の決定ではエラー率が大きくなった。しかしながら、25、100および200pg/mlに達するのに必要とされる時間の結果では、信頼性の増大が示された。ウィルコクソン順位和解析を使用し、該2つの部分母集団間の差の有意性を調べた。以下の表24に示されるように、[PSA]は、安定病態集団よりも再発疾患集団において、有意に早期に指定レベルに達した。
Figure 0005808538
種々の時点(3、6、9、12および18ヶ月)でのNADIA(登録商標)アッセイのPSA(pg/mL)の計算は、40名の再発患者および10名の安定病態患者の指数関数フィットを基にした。ウィルコクソン順位和解析を使用し、該2つの部分母集団間の差の有意性を調べた。以下の表25に示されるように、これらの値はすべて、所与の時点で、安定病態部分母集団よりも再発部分母集団において高かった。この差の有意性は経時的に増大し、最終的に18ヶ月目にp<0.001に達する。これは、これらの集団が時間が経過しても一貫して相違していることを示す。
Figure 0005808538
実施例9:EC−BCRの指標としての速度の使用
16名の安定患者および13名の再発患者について、時間に対する根治的前立腺摘除術後の[PSA]の線形プロットを比較する遡及的試験は、8年間までの期間で終了した。この試験では、NADiAアッセイを使用し、実施例1〜6に記載のようにして総[PSA]を測定した。安定患者は、患者が試験期間中に前立腺癌の再発の徴候を有しなかった場合、安定であると規定した。患者が前立腺癌再発に対して陽性骨スキャンおよびまたは前立腺癌による死亡のいずれかを有した場合は、再発と規定した。[PSA]のレベルは、NADiAアッセイを用いて、およそ8年間の期間にわたって測定した。線形曲線フィットを各患者について計算した。線形曲線フィットの一例を、安定患者(番号1002)(図24)および再発患者(番号2001)(図25)について示す。
各患者での傾きを決定し、以下の表26に示す。
Figure 0005808538
安定患者群(pg/ml−月)の最大傾きの値は0.472、すなわち、再発患者群の傾きの最小値6.58よりも13倍超小さい。このデータにより、この高感度アッセイを使用すると、患者が根治的前立腺摘除術後に前立腺癌の再発を有していないと仮定される場合、時間に対する[PSA]の傾きが1未満であれば、安定患者と前立腺癌の再発患者との100%の識別がもたらされることが示された。また、各患者群の平均値間に有意差がみられたことにも注目されたい。
実施例10:高速、中速または低速のES−BCRの決定に基づいた前立腺摘除後治療の施行
前立腺摘除後患者の[PSA]の値は、上記のようにして得られる。PSA速度の値(倍加時間など)は、患者の再発部分母集団のさらなるサブクラス間の識別を行なうために測定される。
PSA倍加時間の解析により、患者を、(1)約10ヶ月以下の倍加時間(これは、高速または急速再発を示す);(2)約10ヶ月より長く約24ヶ月までの倍加時間(これは、中速ES−BCRを示す)、および(3)約24ヶ月より長いことを特徴とする倍加時間(これは、低速ES−BCRを示す)によって特性評価される3つの群に、さらに区分することが可能になる。
高速再発を示す患者には、体外放射線治療を使用する前立腺摘除後治療を施す。
中速または低速再発を示す患者では、グリーソンスコアおよび創傷切除縁の臨床観測結果を取得する。60歳より若く、>7のグリーソンスコアおよび不良な切除縁を有し、中速または低速再発を示す患者には、体外放射線治療を使用する前立腺摘除後治療を施す。
80歳を超え、低速再発を示す患者には、さらなる治療を施さない。
他の患者は、生化学的再発についてモニタリングする。
本明細書に記載の発明の具体的な実施形態の記載は、本発明の範囲に含まれる他の実施形態を制限または排除することを意図しない。

Claims (14)

  1. 患者が初期段階の生化学的再発(ES−BCR)を有するか、または、安定病態を有するかを検出する方法であって、
    a)前立腺癌の治療後18ヶ月以内の該患者から得られた2つ以上の試料を提供する工程;
    b)2.0pg/mL未満の検出の限界を有するPSAに対する不均質なサンドイッチ形式のイムノアッセイを使用し、該試料中のPSAレベルを測定する工程であって、該サンドイッチ形式のイムノアッセイが、シグナル生成のためにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いる、工程;
    c)該試料のPSAレベルを用いてPSAの値を決定する工程
    を含み、
    該PSAの値が少なくともPSAの指標であるか、または該PSAの指標を超えている場合はES−BCRが検出され、該PSAの値が該PSAの指標を超えていない場合は安定病態が検出され、該PSAの指標は、2.0pg/mL/月の[PSA]の増加速度である、方法。
  2. 前記検出の限界が少なくとも1.0pg/mLまで低値である、請求項1に記載の方法。
  3. 患者が初期段階の生化学的再発(ES−BCR)を有するか、または、安定病態を有するかを検出する方法であって、
    a)前立腺癌の治療後18ヶ月以内の該患者から得られた2つ以上の試料を提供する工程;
    b)2.0pg/mL未満の検出の限界を有するPSAに対する不均質なサンドイッチ形式のイムノアッセイを使用し、該試料中のPSAレベルを測定する工程であって、該サンドイッチ形式のイムノアッセイが、シグナル生成のためにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いる、工程;
    c)該試料の該PSAレベルを用いてPSAの値を決定する工程
    を含み、
    該PSAの値が少なくともPSAの指標であるか、または該PSAの指標を超えている場合はES−BCRが検出され、該PSAの値が該PSAの指標を超えていない場合は安定病態が検出され、該PSAの指標は、4.0pg/mL/月の[PSA]の増加速度である、方法。
  4. 前記検出の限界が少なくとも1.0pg/mLまで低値である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記検出の限界が少なくとも0.5pg/mLまで低値である、請求項1または3に記載の方法。
  6. 前記検出の限界が少なくとも0.2pg/mLまで低値である、請求項1または3に記載の方法。
  7. 前記試料が前記患者からの一連の組の試料の1つであり、各試料中のPSAの量が決定される、請求項1、3、または5いずれか1項に記載の方法。
  8. 患者が初期段階の生化学的再発(ES−BCR)を有するか、または、安定病態を有するかを検出する方法であって、
    a)前立腺癌の治療後18ヶ月以内の該患者から得られた2つ以上の試料を提供する工程;
    b)2.0pg/mL未満の検出の限界を有するPSAに対する不均質なサンドイッチ形式のイムノアッセイを使用し、該試料中のPSAレベルを測定する工程であって、該サンドイッチイムノアッセイが、シグナル生成のためにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いる、工程;
    c)該試料のPSAレベルを用いて[PSA]の増加速度を決定する工程
    を含み、
    該[PSA]の増加速度の値が少なくとも[PSA]の増加速度の指標であるか、または該[PSA]の増加速度の指標を超えている場合はES−BCRが検出され、該[PSA]の増加速度の値が該[PSA]の増加速度の指標を超えない場合は安定病態が検出され、該[PSA]の指標は、6.58pg/mL/月の[PSA]の増加速度である、方法。
  9. 前記検出の限界が1.0pg/mL未満である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記検出の限界が少なくとも0.5pg/mLまで低値である、請求項8に記載の方法。
  11. 前記検出の限界が少なくとも0.2pg/mLまで低値である、請求項8に記載の方法。
  12. 前記PSAレベルの測定が、さらに、
    前記試料を、非核酸のPSA結合実体と核酸マーカーとを含むコンジュゲートと接触させる工程
    を含む、請求項1〜11いずれか1項に記載の方法。
  13. 前立腺癌のサルベージ治療後の患者が初期段階の生化学的再発(ES−BCR)または安定病態を有しているかどうかを検出する方法であって、
    a)サルベージ治療後の該患者から得られた2つ以上の試料を提供する工程;
    b)0.5pg/mLの検出の限界を有するPSAに対する不均質なサンドイッチ形式のイムノアッセイを使用し、該試料中のPSAレベルを測定する工程であって、該サンドイッチ形式のイムノアッセイが、シグナル生成のためにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いる、工程;
    c)該試料の該PSAレベルを用いてPSAの値を決定する工程;
    を含み、
    該PSAの値がPSAの指標を超えている場合はES−BCRが検出され、該PSAの値が該PSAの指標を超えていない場合は安定病態が検出され、該PSAの指標は、2.0pg/mL/月の[PSA]の増加速度である、方法。
  14. 前記核酸−抗PSAコンジュゲートが、さらに、第1の核酸−抗PSAコンジュゲートと第2の核酸−抗PSAコンジュゲートを含み、該第2の核酸−抗PSAコンジュゲートが固相支持体に結合されている、請求項1〜12いずれか1項に記載の方法。
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