本発明に係る物品搬送設備の実施形態について、図面を参照して説明する。ここでは、図1及び図2に示すように、本発明に係る物品搬送設備を、スタッカークレーン10により物品2を搬送する物品搬送設備1に適用した場合を例として説明する。本実施形態では、スタッカークレーン10が本発明における「移動装置」に相当する。
1.物品搬送設備の全体構成
物品搬送設備1は、図1に示すように、物品収納棚20と、スタッカークレーン10と、第一位置検出装置81と、管理装置30と、を備えている。物品搬送設備1は、更に、図3に示すように、手動操作式の手動指令装置40を備えている。本実施形態では、物品2は、パレット2aの上部に載置された状態でスタッカークレーン10により搬送され、パレット2aの上部に載置された状態で物品収納棚20に収納される。
物品収納棚20は、図1及び図2に示すように、物品2を収納する収納部21が複数配列されて構成されている。複数の収納部21は、少なくとも一方向(第一方向D1)に沿って配列される。本実施形態では、第一方向D1に加えて当該第一方向D1に対して交差する第二方向D2にも沿って、複数の収納部21が配列されている。すなわち、本実施形態では、互いに交差する二方向(第一方向D1及び第二方向D2)に沿って複数の収納部21が配列されている。本実施形態では、図2に示すように、第一方向D1と第二方向D2とは互いに直交する方向に設定されており、具体的には、第一方向D1が水平方向に設定され、第二方向D2が鉛直方向に設定されている。本実施形態では、第一方向D1が本発明における「基準方向」に相当する。
収納部21は、区画部材22により、第一方向D1及び第二方向D2のそれぞれの方向に区画されている。本実施形態では、物品収納棚20は、収納部21を第一方向D1に区画する区画部材22としての支柱23を、複数備えていると共に、収納部21を第二方向D2に区画する区画部材22としての腕木24を、複数備えている。図2に示すように、支柱23は、第二方向D2に延びる直線状に形成されている。そして、図1に示すように、同じ物品収納棚20を構成する複数の支柱23は、第三方向D3における互いに異なる2つの位置のそれぞれにおいて、第一方向D1に沿って間隔を空けて並ぶように配置されている。本実施形態では、複数の支柱23は、第三方向D3に沿って等間隔で並ぶように配置されている。ここで、第三方向D3は、第一方向D1及び第二方向D2の双方に対して直交する方向であり、図1に示すように、本実施形態では、第三方向D3は、第一方向D1と同様に、水平方向に設定されている。言い換えれば、第一方向D1は棚横幅方向と一致し、第三方向D3は棚前後方向と一致する。
図2に示すように、複数の支柱23のそれぞれに、複数の腕木24が、第二方向D2に沿って間隔を空けて並ぶように固定されている。本実施形態では、複数の腕木24は、第二方向D2に沿って等間隔で並ぶように配置されている。物品2は、図2に示すように、第一方向D1に隣接する一対の腕木24により第一方向D1の両端部を下側から支持される状態で、収納部21に収納される。
物品収納棚20は、第三方向D3の一方側である物品2を出し入れする側(前面側)が、スタッカークレーン10の走行経路側と一致するように、物品搬送設備1の床面に固定されている。本実施形態では、図1に示すように、物品搬送設備1は、複数の物品収納棚20を備えている。具体的には、第一物品収納棚20aと第二物品収納棚20bとの2つの物品収納棚20が設けられ、第一物品収納棚20aと第二物品収納棚20bとは、スタッカークレーン10の走行経路を挟んだ第三方向D3の両側に分かれて配置されている。
物品搬送設備1は、図1に示すように、載置台5を備える。本実施形態では、載置台5は、物品収納棚20に対して第一方向D1に隣接する位置に設けられ、物品収納棚20に入庫する物品2を載置支持すると共に、物品収納棚20から出庫する物品2を載置支持する。本実施形態では、載置台5は複数設けられており、具体的には、第一物品収納棚20aの側脇に設けられる載置台5と、第二物品収納棚20bの側脇に設けられる載置台5との2つの載置台5が設けられている。このように複数の載置台5が設けられる場合には、一部の載置台5を物品収納棚20に入庫する物品2を載置支持する入庫用の載置台とし、一部の載置台5を物品収納棚20から出庫する物品2を載置支持する出庫用の載置台としても良い。
スタッカークレーン10は、図2に示すように、第一方向D1に沿って走行する走行体11と、走行体11に固定されると共に移載装置13を第二方向D2に移動可能に案内支持する昇降マスト12とを備えている。移載装置13は、収納部21との間で物品2を移載する装置である。本実施形態では、移載装置13は、第一物品収納棚20aの収納部21及び第二物品収納棚20bの収納部21のそれぞれとの間で物品2を移載することが可能に構成されていると共に、載置台5との間でも物品2を移載することが可能に構成されている。本実施形態では、移載装置13は、スライドフォーク式の移載装置であり、物品2を載置支持するフォーク部と、当該フォーク部を第三方向D3に移動させるスライド機構とを備えている。スタッカークレーン10は、フォーク部を移載対象の収納部21側に突出させた状態で移載装置13を第二方向D2に沿って移動(すなわち、昇降移動)させることにより、収納部21から移載装置13への物品2の移載処理(掬い処理)や、移載装置13から収納部21への物品2の移載処理(降ろし処理)を行う。
スタッカークレーン10は、移載装置13を第一方向D1に沿って移動させることが可能に構成されている。具体的には、スタッカークレーン10は、走行体11を第一方向D1に沿って移動させることにより、当該走行体11に固定された昇降マスト12と、当該昇降マスト12に支持された移載装置13とを、走行体11と共に第一方向D1に沿って移動させる。本実施形態では、スタッカークレーン10の走行経路を形成する走行レール3が、物品搬送設備1の床面に敷設されており、走行体11は、当該走行レール3上を走行する走行台車として構成されている。具体的には、走行体11の第一方向D1における両端部のそれぞれに、走行レール3上を回転する走行車輪11aが設けられている。第一方向D1における一方側(図2における右側)の端部に設けられた走行車輪11aは、走行体11に備えられた走行モータ18により回転駆動される駆動車輪であり、第一方向D1における他方側(図2における左側)の端部に設けられた走行車輪11aは、遊転自在な従動車輪である。本実施形態では、走行体11は、走行レール3上を往復移動するように構成されている。また、本実施形態では、走行レール3は、第一方向D1に沿って延びる直線状に形成されており、第一方向D1の両側に端部を有する。本実施形態では、走行モータ18が本発明における「走行駆動装置」に相当する。
スタッカークレーン10は、第一方向D1に加えて第二方向D2にも沿って移載装置13を移動させることが可能に構成されている。本実施形態では、図2に示すように、移載装置13は、昇降台15の、第二方向D2における走行体11とは反対側の面(上面)に固定されている。昇降マスト12は、第二方向D2に延びる柱状に形成されており、昇降台15を第二方向D2に移動可能に案内支持する。すなわち、本実施形態では、昇降マスト12は、昇降台15を介して、移載装置13を第二方向D2に移動可能に案内支持する。スタッカークレーン10は、昇降台15を昇降マスト12に沿って昇降移動させることにより、移載装置13を昇降台15と共に第二方向D2に沿って移動させる。本実施形態では、昇降台15は、ワイヤ16により吊り下げ支持された状態で昇降マスト12に沿って昇降する。具体的には、ワイヤ16は、滑車に巻回案内される状態で、昇降モータ17により回転駆動される巻取りドラムに連結されている。スタッカークレーン10は、ワイヤ16を巻き取る方向に昇降モータ17を回転駆動することにより、昇降台15を上昇移動させ、ワイヤ16を繰り出す方向に昇降モータ17を回転駆動することにより、昇降台15を下降移動させる。
本実施形態では、昇降マスト12は、走行体11の第一方向D1における両端部のそれぞれに1つずつ設けられ、昇降台15は、第一方向D1の両端部を昇降マスト12により案内支持される。すなわち、本実施形態では、走行体11には一対の昇降マスト12が固定されている。一対の昇降マスト12のそれぞれは、上部フレーム14により連結されており、上部フレーム14は、走行レール3の上方に設けられたガイドレール4により案内される。すなわち、スタッカークレーン10は、上部をガイドレール4により案内されながら、走行レール3上を走行する。
スタッカークレーン10は、第一方向D1に沿って離散的に配置される検出対象部材の存在を検出する存在検出装置60を備えている。存在検出装置60の検出情報は、後述する移動制御装置50に入力される。本実施形態では、この検出対象部材は、物品収納棚20の収納部21を区画する区画部材22であり、具体的には、収納部21を第一方向D1に区画する支柱23である。本実施形態では、存在検出装置60は、検知領域内に支柱23が存在することを検出する。存在検出装置60として、例えば、検知領域に向けて測定用光を投光する投光部と、測定用光の反射光を受光する受光部とを備えた反射型の光電センサを用いることができる。この場合、存在検出装置60は、反射光を受光した場合には、支柱23が存在するとの情報を出力し、反射光を受光しない場合には、支柱23が存在しないとの情報を出力する。
本実施形態では、存在検出装置60は、図2及び図6に示すように、昇降台15の第三方向D3の外側の端面に設けられている。なお、図6では、煩雑さを避けるため、スタッカークレーン10の図示を図1、図2に比べて簡略化している。図6に示すように、存在検出装置60は、指向方向が第三方向D3に平行となる向きで、配置されている。よって、存在検出装置60は、第三方向D3に沿って並ぶ一対の支柱23のうちのスタッカークレーン10に近い側(すなわち、棚前面側)の支柱23の存在を検出する。存在検出装置60の検知領域は、指向方向に対して直交する方向である第一方向D1に所定の広がりを有する領域となるが、図6等においては、各存在検出装置60の検知領域を、破線により簡略化して示している。本実施形態では、第一物品収納棚20aと第二物品収納棚20bとが走行レール3を挟んだ第三方向D3の両側に分かれて配置されている。そのため、検出対象部材としての支柱23は、スタッカークレーン10に対して第三方向D3の両側に配置されており、本実施形態では、図6に示すように、存在検出装置60は、昇降台15の第三方向D3の両側の端面のそれぞれに設けられている。
本実施形態では、図2に示すように、存在検出装置60は、第一方向D1に沿って複数設けられている。具体的には、図6に示すように、昇降台15の第三方向D3の両側の端面のそれぞれに、第一存在検出装置61と第二存在検出装置62とが第一方向D1に沿って間隔を空けて並ぶように設けられている。本実施形態では、図2に示すように、第一存在検出装置61と第二存在検出装置62とは、昇降台15における第二方向D2の同じ位置に設けられている。また、本実施形態では、後述する図11の構成とは異なり、第一存在検出装置61及び第二存在検出装置62の双方が、昇降台15における第一方向D1の中心位置に対して第一方向D1の同じ側(図2、図6における右側)に設けられている。
第一存在検出装置61と第二存在検出装置62とは、図6に示すように、それぞれの検知領域の第一方向D1に沿った離間距離が、支柱23の第一方向D1の幅よりも大きくなるように配置されている。これにより、移載装置13の第一方向D1の移動範囲には、第一存在検出装置61の検知領域と第二存在検出装置62の検知領域との第一方向D1における間に支柱23が配置される位置(図6、図9参照)が含まれ、この位置が、移載装置13が収納部21との間で物品2の移載を適正に行うための移載用位置Pに一致するように、第一存在検出装置61及び第二存在検出装置62の第一方向D1の位置が設定されている。なお、移載用位置Pは、複数の収納部21のそれぞれに対応して設定され、第一方向D1の位置と第二方向D2の位置とにより規定される。本実施形態では、掬い処理を行う際の移載装置13の第二方向D2の適正位置(掬い位置)は、降ろし処理を行う際の移載装置13の第二方向D2の適正位置(降ろし位置)よりも低い位置に設定される。そのため、本実施形態では、移載用位置Pとして規定される第二方向D2の位置には、掬い位置と、当該掬い位置よりも高い降ろし位置とが含まれる。移載用位置Pとして規定される第二方向D2の位置(本例では、掬い位置及び降ろし位置)は、設計上、第一方向D1に並ぶ複数の収納部21のそれぞれについて互いに同一となり、移載用位置Pとして規定される第一方向D1の位置は、設計上、第二方向D2に並ぶ複数の収納部21のそれぞれについて互いに同一となる。詳細は省略するが、載置台5についても同様に移載用位置Pが設定される。
本実施形態では、更に、第一存在検出装置61と第二存在検出装置62との間に第三存在検出装置63が設けられている。すなわち、本実施形態では、存在検出装置60は、第一方向D1に沿って3つ設けられている。第三存在検出装置63は、図6に示すように、当該第三存在検出装置63の検知領域と第一存在検出装置61の検知領域との間の第一方向D1に沿った離間距離が、支柱23の第一方向D1の幅よりも小さく、且つ、当該第三存在検出装置63の検知領域と第二存在検出装置62の検知領域との間の第一方向D1に沿った離間距離が、支柱23の第一方向D1の幅よりも小さくなるように配置されている。本実施形態では、第三存在検出装置63は、第一存在検出装置61及び第二存在検出装置62のそれぞれから、第一方向D1に互いに等しい距離だけ離れた位置に設けられている。そして、図6及び図9に示すように、移載装置13が移載用位置Pに位置する状態では、第一存在検出装置61の検知領域と第二存在検出装置62の検知領域との第一方向D1における間に配置された支柱23が、第三存在検出装置63の検知領域に配置される状態となる。図2に示すように、本実施形態では、第三存在検出装置63は、昇降台15における第一存在検出装置61及び第二存在検出装置62と同じ第二方向D2の位置に設けられている。
本実施形態では、設計位置からの誤差を含み得る各収納部21の実際の位置を学習するための存在検出装置を、第三存在検出装置63として用いている。この学習処理についての詳細は省略するが、例えば、スタッカークレーン10を第一方向D1に沿って走行させた際に第三存在検出装置63により順次検出される支柱23の第一方向D1の位置に基づき、移載用位置Pとして規定される第一方向D1の位置を、各収納部21について学習する処理とすることができる。なお、支柱23の第一方向D1の位置は、例えば、第三存在検出装置63が支柱23を検出しない非検出状態から支柱23を検出する検出状態に切り替わった時点の走行体11の走行位置と、第三存在検出装置63が当該支柱23を検出する検出状態から当該支柱23を検出しない非検出状態に切り替わった時点の走行体11の走行位置との間の中心位置として求めることができる。本実施形態では、このような学習処理に基づき設定された移載用位置Pが、管理装置30がスタッカークレーン10の作動を制御する際に用いられる。
スタッカークレーン10は、図2に示すように、走行体11の第一方向D1における一端部に制御ボックス19を備えている。制御ボックス19の内部には、移載装置13の移動を制御する移動制御装置50(図5参照)が設けられている。本実施形態では、移動制御装置50は、走行体11の走行作動を制御することにより、移載装置13の第一方向D1に沿った移動を制御すると共に、昇降台15の昇降作動を制御することにより、移載装置13の第二方向D2に沿った移動を制御する。スタッカークレーン10は、基本的に、管理装置30からの制御指令に基づき、収納部21と載置台5との間で物品2を搬送する。この際、スタッカークレーン10に備えられた移動制御装置50が、管理装置30からの制御指令に基づき、走行体11の走行作動及び昇降台15の昇降作動を制御すると共に、移載装置13の移載作動を制御する。管理装置30の詳細な構成については、後の「2.管理装置の構成」の項で説明し、移動制御装置50の詳細な構成については、後の「3.移動制御装置の構成」の項で説明する。
物品搬送設備1には、移載装置13の第一方向D1に沿った位置を検出する第一位置検出装置81が設けられている。本実施形態では、第一位置検出装置81は、移載装置13と共に第一方向D1に沿って移動する走行体11の、第一方向D1に沿った位置を検出する。具体的には、図2に示すように、第一位置検出装置81は、第一距離計81aと第一反射体81bとを備えた光学式の距離検出装置である。第一距離計81aは、第一反射体81bに向けて測定用光を投光すると共に当該測定用光の第一反射体81bからの反射光を受光し、当該反射光の情報に基づき第一距離計81aと第一反射体81bとの間の距離を検出する。具体的には、第一距離計81aは、第一反射体81bに向けて投光した測定用光(例えばレーザ光)が第一反射体81bにより反射されて戻ってくるまでの時間に基づき、第一距離計81aと第一反射体81bとの間の距離を検出する。第一距離計81a及び第一反射体81bの一方は床面に固定され、他方は走行体11に固定される。なお、「固定」には、直接的に固定される場合と、他の部材を介して間接的に固定される場合との双方が含まれる。本実施形態では、図2に示すように、第一距離計81aが床面に固定され、第一反射体81bが走行体11に固定されている。本実施形態では、第一位置検出装置81が本発明における「位置検出装置」に相当する。
本実施形態では、物品搬送設備1には、第一位置検出装置81に加えて、移載装置13の第二方向D2に沿った位置を検出する第二位置検出装置82が設けられている。本実施形態では、第二位置検出装置82は、移載装置13と共に第二方向D2に沿って移動する昇降台15の、第二方向D2に沿った位置を検出する。具体的には、第二位置検出装置82は、第一位置検出装置81と同様に、光学式の距離検出装置である。すなわち、図2に示すように、第二位置検出装置82は、第一距離計81aに対応する第二距離計82aと、第一反射体81bに対応する第二反射体82bとを備えている。第二距離計82a及び第二反射体82bの一方は床面或いは走行体11に固定され、他方は昇降台15に固定される。本実施形態では、図2に示すように、第二距離計82aが走行体11に固定され、第二反射体82bが昇降台15に固定されている。なお、第二距離計82a及び第二反射体82bの一方が床面に固定される場合には、第一位置検出装置81の検出情報と第二位置検出装置82の検出情報との双方に基づき、昇降台15の第二方向D2に沿った位置が導出される構成とすることができる。第二位置検出装置82を、ロータリーエンコーダにより昇降台15の第二方向D2に沿った位置を検出する装置とすることも可能である。
2.管理装置の構成
管理装置30は、スタッカークレーン10と通信可能に設けられ、スタッカークレーン10の作動を管理する装置である。図1に示すように、本実施形態では、管理装置30は、物品収納棚20に対して第一方向D1の一方側(図1における右側)の床面に固定されている。管理装置30は、図5に示すように、スタッカークレーン10が備える移動制御装置50と通信可能である。本実施形態では、管理装置30と移動制御装置50とのそれぞれに無線通信装置(図示せず)が備えられ、管理装置30と移動制御装置50との間のデータの送受信は、無線通信(例えば、光伝送、フィーダ線を用いた無線通信等)により行われる。
管理装置30は、制御指令部31とモード切替制御部32とを備えている。本実施形態では、制御指令部31及びモード切替制御部32はソフトウェア(プログラム)により構成されており、管理装置30は、当該ソフトウェアを記憶する記憶装置と、当該記憶装置を参照可能な演算処理装置(例えばCPU等)とを備えている。
管理装置30には、第一位置検出装置81の検出情報が入力される。本実施形態では、図5に示すように、第一位置検出装置81が備える第一距離計81aから管理装置30に対して、直接、第一位置検出装置81の検出情報が入力される。すなわち、移動制御装置50に対しては第一位置検出装置81の検出情報は入力されない。管理装置30は、第一位置検出装置81の検出情報に基づき、移載装置13の第一方向D1の位置(言い換えれば、走行体11の走行位置)を管理する。第一距離計81aから管理装置30へのデータの送信は、無線通信(例えば、赤外線通信等)により行われる構成とすることができる。本実施形態では、管理装置30には、第二位置検出装置82の検出情報も入力される。本実施形態では、図5に示すように、第二位置検出装置82が備える第二距離計82aから管理装置30に対して、移動制御装置50を介して、第二位置検出装置82の検出情報が入力される。管理装置30は、第二位置検出装置82の検出情報に基づき、移載装置13の第二方向D2の位置(言い換えれば、昇降台15の昇降位置)を管理する。
管理装置30に対して入庫作業又は出庫作業を指令する運転指令が入力されると、制御指令部31は、当該運転指令にて指定される搬送元及び搬送先に移載装置13を移動させるための制御指令を、スタッカークレーン10(具体的には、移動制御装置50)へ出力する。管理装置30に対する運転指令は、例えば、管理装置30よりも上位の管理装置から入力され、或いは、管理装置30或いは管理装置30に接続された入力装置を介して作業者により入力される。運転指令により指定される搬送元や搬送先は、収納部21又は載置台5に対応する移載用位置Pである。スタッカークレーン10は、制御指令部31からの制御指令に基づき、搬送元の移載用位置Pを目標位置として現在位置から当該目標位置まで移載装置13を移動させた後、搬送先の移載用位置Pを新たな目標位置として現在位置(搬送元の移載用位置P)から当該目標位置まで移載装置13を移動させる。この際、スタッカークレーン10は、搬送元の移載用位置Pにおいて移載装置13の移載作動を制御して、収納部21又は載置台5から移載装置13に物品2を移載すると共に、搬送先の移載用位置Pにおいて移載装置13の移載作動を制御して、移載装置13から収納部21又は載置台5に物品2を移載する。このように、制御指令部31は、移載装置13をいずれかの収納部21に対応する移載用位置Pへ移動させる制御を行うための制御指令をスタッカークレーン10へ出力する機能部であり、本実施形態では、制御指令部31が出力する制御指令には、移載装置13をいずれかの載置台5に対応する移載用位置Pへ移動させる制御を行うための制御指令も含まれる。
制御指令部31は、移動制御装置50を介して走行モータ18の作動を制御することで、移載装置13の第一方向D1における移動を制御し、移動制御装置50を介して昇降モータ17の作動を制御することで、移載装置13の第二方向D2における移動を制御する。この際、制御指令部31は、第一位置検出装置81の検出情報に基づき取得される移載装置13の第一方向D1の位置と、第二位置検出装置82の検出情報に基づき取得される移載装置13の第二方向D2の位置とに基づき、移載装置13が目標の移載用位置Pまで移動するように走行モータ18の作動及び昇降モータ17の作動を制御する。
具体的には、制御指令部31は、目標位置に移載装置13を移動させるための、走行体11の走行速度パターン(図4参照)を生成する。ここで、走行速度パターンは、各時点での走行速度の目標値を規定し、目標位置に移載装置13を移動させるために必要な走行体11の走行距離、加減速度、上限速度等に基づき生成される。図4の破線は、制御指令部31により生成される走行速度パターンの一例を示しており、走行速度の時間積分値が走行体11の走行距離と一致する。図4に破線で示す走行速度パターンは、一定の加速度で加速走行する加速期間、上限速度である第一設定速度V1で定速走行する定速期間、一定の減速度で減速走行する減速期間、及び、微速度で定速走行する微速期間を、順に規定している。第一設定速度V1は、例えば、走行体11の定格走行速度とすることができる。
制御指令部31は、生成した走行速度パターンに従って、移動制御装置50に対して走行モータ18の回転速度指令を出力する。この際、制御指令部31は、走行体11の現在の走行速度が走行速度パターンに従って変化するように、走行体11の走行速度をフィードバック制御し、走行モータ18の回転速度指令を制御周期毎に更新生成して移動制御装置50に対して出力する。なお、走行体11の現在の走行速度は、第一位置検出装置81の検出情報に基づく走行体11の走行位置の時間変化率から求まる。
詳細は省略するが、制御指令部31は、昇降モータ17についても走行モータ18と同様に制御する。すなわち、制御指令部31は、目標位置に移載装置13を移動させるための、昇降台15の昇降速度パターンを生成し、生成した昇降速度パターンに従って、移動制御装置50に対して昇降モータ17の回転速度指令を出力する。この際、制御指令部31は、昇降台15の現在の昇降速度が昇降速度パターンに従って変化するように、昇降台15の昇降速度をフィードバック制御し、昇降モータ17の回転速度指令を制御周期毎に更新生成して移動制御装置50に対して出力する。なお、昇降台15の現在の昇降速度は、第二位置検出装置82の検出情報に基づく昇降台15の昇降位置の時間変化率から求まる。
モード切替制御部32は、スタッカークレーン10の移動制御装置50に対して切り替え指令を出力する機能部である。後述するように、移動制御装置50は、第一制御モードと第二制御モードとに切り替え可能に構成されており、移動制御装置50は、モード切替制御部32が出力する切り替え指令に基づいて、第一移動制御モードと第二移動制御モードとの切り替えを行う。本実施形態では、移動制御装置50は、基本的に、第一制御モードで動作する。本実施形態では、モード切替制御部32を備える管理装置30が、本発明における「モード切替制御装置」として機能する。
モード切替制御部32は、第一モード切替条件が成立した場合に、移動制御装置50に対して第一制御モードから第二制御モードへの切り替え指令を出力する。本実施形態では、第一モード切替条件は、管理装置30或いは管理装置30に接続された入力装置に対して、第一制御モードから第二制御モードへ切り替えるための第一切替操作が作業者により行われた場合に成立する。また、本実施形態では、管理装置30と第一位置検出装置81との間の通信の障害が検出された場合、及び、各装置に故障や異常(例えば、第一位置検出装置81が移載装置13の位置を検出できない状態等)が検出された場合に、第一モード切替条件が成立する。スタッカークレーン10の走行経路、物品収納棚20、及び載置台5を囲むように安全柵を設け、当該安全柵に設けられた安全扉の開操作が検出された場合に、第一モード切替条件が成立する構成とすることもできる。
モード切替制御部32は、第二モード切替条件が成立した場合に、移動制御装置50に対して第二制御モードから第一制御モードへの切り替え指令を出力する。本実施形態では、第二モード切替条件は、管理装置30或いは管理装置30に接続された入力装置に対して、第二制御モードから第一制御モードへ切り替えるための第二切替操作が作業者により行われた場合に成立する。本実施形態では、第二モード切替条件は、基本的に、第二切替操作が作業者により行われた場合にのみ成立する。
3.移動制御装置の構成
移動制御装置50は、移載装置13の移動を制御する装置であり、図5に示すように、スタッカークレーン10に備えられている。移動制御装置50は、走行制御部51と、昇降制御部52と、第二移動制御実行部53とを備えている。本実施形態では、第二移動制御実行部53はソフトウェア(プログラム)により構成されており、移動制御装置50は、当該ソフトウェアを記憶する記憶装置と、当該記憶装置を参照可能な演算処理装置(例えばCPU等)とを備えている。
走行制御部51は、走行体11の走行作動(言い換えれば、移載装置13の第一方向D1に沿った移動)を制御する機能部である。本実施形態では、走行制御部51はインバータ装置として構成され、走行モータ18を速度制御モードにより制御することで、走行体11の走行作動を制御する。具体的には、走行制御部51は、走行モータ18に備えられたロータリエンコーダ(図示せず)が検出する回転量情報をフィードバック情報として出力電圧や出力周波数を制御することで、走行モータ18の回転速度をサーボ制御する。この際、管理装置30の制御指令部31から制御周期毎に入力される走行モータ18についての回転速度指令が、目標回転速度として用いられる。昇降制御部52は、昇降台15の昇降作動(言い換えれば、移載装置13の第二方向D2に沿った移動)を制御する機能部である。本実施形態では、昇降制御部52はインバータ装置として構成され、昇降モータ17を速度制御モードにより制御することで、昇降台15の昇降作動を制御する。昇降制御部52についての具体的構成は、走行モータ18が昇降モータ17に置き換わる点を除いて走行制御部51と同様であるため、説明は省略する。
移動制御装置50は、第一移動制御モードと第二移動制御モードとに切り替え可能に構成されている。上述したように、移動制御装置50は、管理装置30のモード切替制御部32が出力する切り替え指令に基づいて、第一移動制御モードと第二移動制御モードとの切り替えを行う。ここで、第一移動制御モードは、管理装置30からの制御指令に基づき移載装置13の移動を制御する制御モードである。すなわち、第一移動制御モードでは、収納部21と載置台5との間で物品2を搬送すべく、管理装置30からの制御指令に基づき、走行制御部51が走行体11の走行作動を制御すると共に、昇降制御部52が昇降台15の昇降作動を制御する。
第二移動制御モードは、手動指令装置40からの移動指令及び存在検出装置60の検出情報に基づき移載装置13の移動を制御する制御モードである。この第二移動制御モードでも、走行制御部51が走行体11の走行作動を制御するが、第一移動制御モードとは異なり、管理装置30からの制御指令に基づかずに、言い換えれば、第一位置検出装置81の検出情報に基づかずに、移載装置13の移動が制御される。以下では、第二移動制御モードで実行される移動制御を「第二移動制御」という。この第二移動制御は、第二移動制御実行部53により実行される。
図3に示すように、物品搬送設備1には、移載装置13を移動させる移動指令を移動制御装置50に対して出力する手動操作式の手動指令装置40が設けられている。本実施形態では、図2に示すように、移動制御装置50を収容する制御ボックス19に接続部19aが設けられており、手動指令装置40の接続端子41を当該接続部19aに接続することで、移動制御装置50と手動指令装置40とが通信可能に接続される。なお、移動制御装置50と手動指令装置40との間のデータの送受信が、無線通信(例えば、赤外線通信等)により行われる構成とすることも可能である。
移動制御装置50が第二移動制御モードに切り替えられている状態において、手動指令装置40から移動指令が出力されると、第二移動制御実行部53が第二移動制御を実行する。本実施形態では、図3に示すように、手動指令装置40には、移載装置13を第一方向D1の一方側に移動させる第一移動指令スイッチ42と、移載装置13を第一方向D1の他方側に移動させる第二移動指令スイッチ43とが設けられている。図3に示す例では、手動指令装置40には、更に、移載装置13を強制的に停止させる停止指令スイッチ44と、各種情報(例えば、移動指令スイッチ42,43により指定された移動方向の情報)を表示する表示画面45とが設けられている。手動指令装置40が移動制御装置50に接続された状態で、第一移動指令スイッチ42又は第二移動指令スイッチ43を作業者が操作することで、第二移動制御実行部53による第二移動制御の実行が開始される。以下、第二移動制御実行部53による第二移動制御の処理手順について、図10を参照して説明する。
ここでは、図10に示す手順を順に実行することで、移載装置13が図6に示す位置から図9に示す位置まで移動する場合を例として説明する。すなわち、ここで説明する例では、第二移動制御の実行前の状態(図6)において、移載装置13は収納部21に対応する移載用位置Pに停止しており、第二移動制御の実行により、移載装置13が、当該収納部21に対して第一方向D1における一方側(図6における右側)に隣り合う別の収納部21に対応する移載用位置Pまで移動する。
手動指令装置40から移動指令が出力されると(ステップ#01:Yes)、走行制御部51が走行体11を、図7に示すように、移動指令スイッチ42,43により指定された移動方向(以下、「指定移動方向」という。)に向けて、第二設定速度V2で移動させる(ステップ#02)。図4に示すように、本実施形態では、第二設定速度V2は、上述した第一設定速度V1よりも低い速度に設定される。すなわち、本実施形態では、第二移動制御モードの実行時における走行体11の最高速度は、第一移動制御モードの実行時における走行体11の最高速度よりも低い速度に設定される。例えば、第二設定速度V2を、第一設定速度V1の50%の速度や25%の速度に設定することができる。また、図4に示すように、本実施形態では、走行体11を第二設定速度V2で定速走行させるまでの間に、走行体11を一定の加速度で加速走行させる加速期間を設けている。この加速期間を設けない構成とすることも可能である。
本実施形態では、第一方向D1に沿って複数の存在検出装置60が設けられており、最も指定移動方向側に配置されている存在検出装置60(本例では第一存在検出装置61)により支柱23が検出されるまでの間、すなわち、第一存在検出装置61が非検出状態から検出状態に切り替わるまでの間は(ステップ#03:No)、走行体11の第二設定速度V2での指定移動方向側への移動を継続する。そして、図8に示すように、第一存在検出装置61により支柱23が検出されると(ステップ#03:Yes)、走行制御部51は、走行体11の減速を開始する(ステップ#04)。図4における時刻t1が、第一存在検出装置61により支柱23が検出された時点を表している。
第一存在検出装置61の検出状態が解除されるまでの間、すなわち、第一存在検出装置61が検出状態から非検出状態に切り替わるまでの間は(ステップ#05:No)、走行体11の減速走行を継続する。そして、第一存在検出装置61の検出状態が解除されると(ステップ#05:Yes)、走行制御部51は走行体11を停止させる(ステップ#06)。図4における時刻t2が、第一存在検出装置61の検出状態が解除された時点を表している。なお、本実施形態では、図4に示すように、走行体11が微速度で定速走行する微速期間を経て、走行体11を停止させる。この微速期間を設けない構成とすることも可能である。
走行体11を停止させた後、第二移動制御実行部53は、第一存在検出装置61、第二存在検出装置62、及び第三存在検出装置63のうちの第三存在検出装置63のみが支柱23を検出しているか否かを判定する(ステップ#07)。第二移動制御実行部53は、第三存在検出装置63のみが支柱23を検出している場合、すなわち、第三存在検出装置63が検出状態であると共に、第一存在検出装置61及び第二存在検出装置62の双方が非検出状態である場合には(ステップ#07:Yes)、図9に示すように移載装置13が収納部21に対応する移載用位置Pに停止していると判定し、第二移動制御の処理を終了する。一方、ステップ#07において「No」と判定される場合、すなわち、第三存在検出装置63が支柱23を検出していない場合、或いは、最も指定移動方向とは反対側に配置されている存在検出装置60(本例では第二存在検出装置62)が支柱23を検出している場合には、第二移動制御実行部53は、移載装置13が収納部21に対応する移載用位置Pに停止していないと判定し、エラー通知を行った後(ステップ#08)、第二移動制御の処理を終了する。このエラー通知は、例えば、手動指令装置40の表示画面45にエラーが発生したことを表示させることにより行われる。この第二移動制御を繰り返し実行することで、移載装置13を、収納部21の第一方向D1の配置間隔単位で、繰り返し第一方向D1に沿って移動させることができる。
以上のように、第二移動制御では、支柱23が存在検出装置60(本例では第一存在検出装置61)により検出されるまで移載装置13を第一方向D1における一方側に向けて移動させると共に、検出された支柱23に対応する移載用位置Pに移載装置13を停止させる。この際、少なくとも2つ(本例では3つ)の存在検出装置60の検出状態に基づいて、移載装置13が移載用位置Pにあるか否かが判定される。本実施形態では、存在検出装置60は、昇降台15の第三方向D3の両側の端面のそれぞれに設けられているが、第三方向D3の両側の存在検出装置60のうちの、移動目標とする移載用位置Pが位置する側の存在検出装置60を用いて、第二移動制御を実行する。
ここでは、第二移動制御の実行前の状態において、移載装置13が収納部21に対応する移載用位置Pに停止している場合を例として説明したが、第二移動制御の実行前の状態において、移載装置13が収納部21に対応する移載用位置Pとは異なる第一方向D1の位置(例えば、図7に示す位置)に位置している場合でも、同様に、第二移動制御を実行することができる。また、ここでは、移動指令スイッチ42,43により指定された移動方向が図6における右側である場合を例として説明したが、移動指令スイッチ42,43により指定された移動方向が図6における左側である場合でも、第一存在検出装置61と第二存在検出装置62とが置き換わる点を除いて、上記と同様に、第二移動制御を実行することができる。更に、ここでは、第一存在検出装置61が支柱23を検出すると(ステップ#03:Yes)、走行体11を減速走行させる(ステップ#04)場合を例として説明したが、ステップ#04の減速走行を行わない構成とすることも可能である。
本実施形態では、移動制御装置50が第二移動制御モードに切り替えられている状態において、管理装置30からの制御指令に基づかずに、昇降制御部52が昇降台15の昇降作動(すなわち、移載装置13の第二方向D2に沿った移動)を制御可能に構成されている。本実施形態では、図5に示すように、昇降制御部52が第二位置検出装置82の検出情報を取得可能に構成されており、昇降制御部52は、第二移動制御モードにおいて、第二位置検出装置82の検出情報に基づき昇降台15の昇降作動を制御する。図示は省略するが、手動指令装置40は、移載装置13の第二方向D2への移動指令を入力可能に構成されている。また、詳細は省略するが、手動指令装置40は、移載装置13のフォーク部を出退させる出退動作指令も入力可能に構成されている。よって、第二移動制御モードにおいても、手動指令により、走行体11の走行作動、昇降台15の昇降作動、及び移載装置13の移載作動を制御して、移載装置13と収納部21との間で物品2を移載することができる。
このように、本実施形態では、管理装置30からの制御指令に基づかずに、昇降制御部52が昇降台15の昇降作動を制御可能であるため、第二移動制御を実行する際に、昇降台15を特定の位置まで昇降移動させた後に、走行体11の移動を開始する構成とすることも可能である。この特定の位置は、例えば、昇降台15の昇降移動範囲における最も下方側の位置、いずれかの収納部21の移載用位置Pとして規定される第二方向D2の位置、或いは、収納部21に収納された物品2を存在検出装置60が支柱23と誤って検出しない位置等とすることができる。
4.その他の実施形態
最後に、本発明に係る物品搬送設備の、その他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能である。
(1)上記の実施形態では、第一存在検出装置61及び第二存在検出装置62の双方が、昇降台15における第一方向D1の中心位置に対して第一方向D1の同じ側に設けられている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、図11に示すように、第一存在検出装置61と第二存在検出装置62とが、昇降台15における第一方向D1の中心位置に対して第一方向D1の両側に分かれて設けられた構成とすることも可能である。この構成では、上記の実施形態とは異なり、第一存在検出装置61と第二存在検出装置62とは、それぞれの検知領域の第一方向D1に沿った離間距離が、支柱23の第一方向D1の配設ピッチよりも大きくなるように配置される。また、この構成では、上記の実施形態とは異なり、第三存在検出装置63は、当該第三存在検出装置63の検知領域と、第一存在検出装置61及び第二存在検出装置62の一方(図11に示す例では、第二存在検出装置62)の検知領域との間の第一方向D1に沿った離間距離が、支柱23の第一方向D1の幅よりも大きくなるように配置される。このような構成においても、上記の実施形態と同様に、第二移動制御を実行することができる。
(2)上記の実施形態では、第一存在検出装置61と第二存在検出装置62との間に第三存在検出装置63が設けられている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、存在検出装置60として第一存在検出装置61及び第二存在検出装置62のみが設けられた構成とすることも可能である。この場合、図10のステップ#07の工程を、第一存在検出装置61及び第二存在検出装置62の双方が支柱23を検出しないことを判定する工程とすることで、上記の実施形態と同様に、第二移動制御を実行することができる。すなわち、ステップ#06の実行後に、第一存在検出装置61及び第二存在検出装置62の双方が支柱23を検出していなければ、第二移動制御の処理は終了し、第一存在検出装置61及び第二存在検出装置62のうちの少なくともいずれかが支柱23を検出していれば、エラー通知(ステップ#08)が実行された後に、第二移動制御の処理が終了する。
(3)上記の実施形態では、第一存在検出装置61と第二存在検出装置62との双方が設けられた構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、第一存在検出装置61と第二存在検出装置62とのうちの何れか一方のみが設けられた構成とすることもできる。例えば、移動指令スイッチ42,43により指定される指定移動方向が第一方向D1における一方側に限定される場合に、このような構成とすることができる。具体的には、指定移動方向が図6における右側に限定される場合に、第二存在検出装置62が備えられず、第一存在検出装置61及び第三存在検出装置63のみが設けられた構成とすることができる。この場合においても、図10と同様に第二移動制御を実行することができる。また、この場合に、第三存在検出装置63も備えられず、第一存在検出装置61のみが設けられた構成、すなわち、複数ではなく単一の存在検出装置60が設けられた構成とすることも可能である。この場合、図10のステップ#07の工程を実行せず、ステップ#06の実行と共に第二移動制御の処理が終了する構成とすることができる。
(4)上記の実施形態では、第一方向D1が本発明における「基準方向」に相当する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、第二方向D2のみが本発明における「基準方向」に相当する構成や、第一方向D1及び第二方向D2の双方が本発明における「基準方向」に相当する構成とすることができる。この場合、第二位置検出装置82のみ、或いは、第一位置検出装置81及び第二位置検出装置82の双方が、本発明における「位置検出装置」に相当する。例えば、存在検出装置60が、検知領域内に腕木24が存在することを検出する構成とし、第二移動制御モードにおいて、昇降制御部52が、腕木24が存在検出装置60により検出されるまで移載装置13を第二方向D2における一方側に向けて移動させると共に、検出された腕木24に対応する移載用位置Pに移載装置13を停止させる構成とすることができる。この際の昇降制御部52による第二移動制御の具体的内容については、走行体11が昇降台15に置き換わる点を除いて、上記実施形態に係る走行制御部51が実行する第二移動制御と同様であるため、説明は省略する。このような構成では、上記の実施形態とは異なり、第二位置検出装置82の検出情報が、移動制御装置50に対して入力されずに、管理装置30に対して直接入力される構成とすることもできる。
(5)上記の実施形態では、存在検出装置60が、昇降台15の第三方向D3の両側の端面のそれぞれに設けられている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、第二移動制御において移動目標とする移載用位置Pが、第一物品収納棚20aと第二物品収納棚20bのうちの何れか一方の収納部21に対応する移載用位置Pに限定される場合、或いは、物品収納棚20がスタッカークレーン10の走行経路に対して第三方向D3の一方側のみに設けられる場合等において、存在検出装置60が、昇降台15の第三方向D3の一方側の端面のみに設けられる構成とすることも可能である。また、上記の実施形態では、存在検出装置60が昇降台15に設けられた構成を例として説明したが、存在検出装置60が、昇降台15以外の部位(例えば、昇降マスト12や走行体11等)に設けられる構成とすることも可能である。
(6)上記の実施形態では、本発明における「検出対象部材」が収納部21を区画する区画部材22(具体的には支柱23)である構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、区画部材22とは別の部材を検出対象部材とすることも可能である。例えば、区画部材22に検出対象部材としての磁気マークを取りつけ、存在検出装置60が当該磁気マークの存在を検出する磁気センサである構成とすることも可能である。
(7)上記の実施形態では、モード切替制御部32を備える管理装置30が、本発明における「モード切替制御装置」として機能する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、管理装置30とは別の装置を、モード切替制御装置とすることも可能である。例えば、移動制御装置50と管理装置30との間の通信の障害、或いは、各装置の故障や異常(例えば、移載装置13における荷崩れ等)を検出する検出装置を、モード切替制御装置として、スタッカークレーン10に設け、当該検出装置が上記の障害、故障、或いは異常を検出した場合に、移動制御装置50に対して第一制御モードから第二制御モードへの切り替え指令を出力する構成とすることができる。また、移動制御装置50と手動指令装置40との間のデータの送受信が無線通信により行われる構成では、手動指令装置40がモード切替制御装置としても機能する構成、すなわち、手動指令装置40に、移動制御装置50に対して切り替え指令を出力するための操作部を設ける構成とすることも可能である。
(8)上記の実施形態では、移動制御装置50が、第一移動制御モードと第二移動制御モードとに切り替え可能な構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、移動制御装置50が、第一移動制御モードと第二移動制御モードとに加えて、更に、単一又は複数の別の移動制御モードに切り替え可能に構成されていても良い。別の移動制御モードは、例えば、手動指令装置40からの移動指令に基づき移載装置13の移動を制御する移動制御モード、具体的には、手動指令装置40から移動指令が出力されている間、移載装置13を基準方向における一方側に向けて継続して移動させる移動制御モードとすることができる。
(9)上記の実施形態では、走行体11に一対の昇降マスト12が固定されている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、走行体11に1つの昇降マスト12のみが固定され、昇降台15が、第一方向D1の一端部のみを昇降マスト12により案内支持される構成とすることもできる。
(10)上記の実施形態では、物品搬送設備1に一台のスタッカークレーン10が設けられた構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、物品搬送設備1に複数台(例えば、二台)のスタッカークレーン10が設けられる構成とすることも可能である。
(11)上記の実施形態では、スタッカークレーン10が本発明における「移動装置」に相当する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、収納部21が第一方向D1に沿ってのみ配列されている場合には、本発明における「移動装置」として、昇降台15を備えない自動搬送台車を用いることも可能である。
(12)その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、本願の特許請求の範囲に記載されていない構成に関して、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。