JP5807273B2 - 単糖の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、単糖の製造方法に関するものであり、さらに詳しくはヘミセルロースに酵素を作用させて得られる単糖、特にマンノースの製造方法に関する。
マンノース等の単糖類は、様々な生理活性作用が報告されており、機能性糖質として注目されている。例えば、マンノースには、マクロファージの活性化による傷の治癒の促進や細菌感染阻害、乳がん細胞の増殖抑制といった様々な機能が存在することが細胞レベルで解明されてきている。最近では、マンノースの経口投与により、糖尿病性白内障の進行を抑制したり先天的糖化障害において症状が改善するという報告もある。従って、今後、マンノース等の単糖類は、ヒトやその他の動物に対して、機能性成分として重要な役割を果たすと予想されるものである。
一方、食品加工工場から排出される食品廃棄物等の産業廃棄物による環境汚染の問題は、社会問題となって久しく、各方面の努力にもかかわらず解決の糸口はなかなか見えてこないもどかしさがある。
食品廃棄物は、食品原料中の特定の有効成分を取り出した後の残留物であるが、タンパク質、脂肪分、繊維素等が数多く含まれているため、有効な機能性糖質の原料となり得る。
しかしながら、例えば、ビール粕、豆腐粕、フスマ、ミカンジュース粕等の食品廃棄物の多くは、水分含量が高いため腐敗し易いという欠点がある。また、食品廃棄物であるヤシ油抽出残渣粉砕物のコプラミールやパーム核油抽出残渣粉砕物のパーム核ミールについても、国内では一部飼料として用いられているものの、十分に有効利用されるには至ってはいない。
従来の検討において、食品廃棄物を原料としたマンノースの製造方法としては、ゾウゲヤシの種子から得られるマンナンを酸加水分解する方法(例えば、非特許文献1参照)、コプラミール又はパーム核ミールにヘミセルラーゼを作用させる方法(例えば、特許文献1参照)が報告されている。
しかしながら、ゾウゲヤシの種子に存在するマンナンを単に酸加水分解のみ行う方法では、酸加水分解を過酷な条件(硫酸濃度75%)下で行わなければならず、しかも工程が繁雑であり、収率が低い等の問題もあった。さらに原料であるゾウゲヤシの供給量には限度があるため、得られるマンノースは極めて高価なものとなる問題があった。
さらにコプラミール又はパーム核ミールにヘミセルラーゼを作用させる方法(例えば、特許文献1参照)においても、ヘミセルラーゼからのマンノース遊離量が不十分であり、高価なヘミセルラーゼ等の酵素を大量に用いなければならない等の問題があるため、原料や酵素の特質等を踏まえると更なる改良の余地があった。
特開2002−51795号公報
H.S. Isbell,Method in Carbohydrate Chemistry, R.L.Wistler, M.L.Wolfrom Eds(Academic Press, New York,1962)pp 145−147
本発明の目的は、ヘミセルロースから単糖を効率的に遊離させることによって、安価かつ簡便に単糖を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、このような課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、ヘミセルロースに酵素を作用させる前に、特定の条件下で加水分解処理をすることにより、酵素処理時にヘミセルロースの構成成分を分解する反応が効率的に進み、最終的に単糖の遊離量が増加することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)ヘミセルロースの酵素処理を含む単糖の製造方法であって、前記酵素処理の前にpH0.5〜2.5、反応温度60〜120℃の条件下、加水分解処理を行うことを特徴とする単糖の製造方法。
(2)前記ヘミセルロースが、マンナン、グルコマンナン、ガラクトマンナンから選ばれる少なくとも1種を構成成分とすることを特徴とする(1)記載の単糖の製造方法。
(3)ヘミセルロースを含有する植物を加水分解処理に供することを特徴とする(1)記載の単糖の製造方法。
(4)前記ヘミセルロースを含有する植物が、コプラミール、パーム核ミール、こんにゃく芋、グアーガムから選ばれる少なくとも1種である(3)記載の単糖の製造方法。
(5)前記酵素処理に用いられる酵素が、マンナナーゼ、ガラクトマンナナーゼ、グルコマンナナーゼ、β―マンノシダーゼ、α―キシロシダーゼ、キシログルカナーゼ、アラビナナーゼ、β―キシロシダーゼ、キシラナーゼ、α―アラビノフラノシダーゼである(1)〜(4)いずれかに記載の単糖の製造方法。
(6)前記加水分解処理に用いる酸が、塩酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、クエン酸、フマル酸から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(1)〜(5)いずれかに記載の単糖の製造方法。
(7)前記単糖がマンノースであることを特徴とする(1)〜(6)いずれかに記載の単糖の製造方法。
本発明によれば、原料ヘミセルロースを特定の条件下で加水分解処理をした後、酵素を作用させることにより、ヘミセルロースから単糖を効率的に遊離させ、安価かつ簡便に単糖を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるヘミセルロースとは、植物細胞壁に含まれるもののうちセルロースを除いた多糖類をいい、具体的には、キシラン、アラビナン、キシログルカン、マンナン等を構成成分とするものである。その中でも、マンノース等の単糖を多く含有する観点から、マンナン、グルコマンナン、ガラクトマンナン等を構成成分とするものが好ましい。
本発明における原料ヘミセルロースを得る方法は特に限定されないが、パーム(アブラヤシ)、ココヤシ、ゾウゲヤシ、コーヒー、サイハイラン、こんにゃく芋、グアーガム等から抽出する方法が挙げられ、なかでも、マンノース等の単糖を多く含有する観点や低コストの観点から、こんにゃく芋、グアーガム、食品産業廃棄物であるコプラミール、パーム核ミールを用いることが好ましく、特にパーム核ミールがより好ましい。このような食品廃棄物を原料として用いることは、安価に製造する目的に則するだけでなく、廃棄物の有効利用という環境保護的側面からも非常に望ましい。
本発明における単糖の製造方法においては、ヘミセルロースに酵素を作用させ単糖を遊離させるが、前記酵素処理を効率的に進めるために、前記酵素処理の前に特定の条件下で加水分解処理を行なうことが必要である。
本発明における酵素処理前の加水分解条件としては、比較的穏やかな条件下で加水分解処理を行うことが必要であり、具体的にはpH0.5〜2.5、反応温度60〜120℃の条件下、加水分解処理を行うことが必要である。pH条件としては、pH0.5〜2.0が好ましく、pH0.5〜1.5がより好ましい。反応温度としては、80〜120℃が好ましく、90〜120℃がより好ましい。反応時間としては、特に限定されないが、0.1〜18時間が好ましく、反応時間と単糖遊離効果の観点から、1〜12時間がより好ましく、1.5〜6時間がいっそう好ましい。
本発明における加水分解条件が、pH0.5〜2.5、反応温度60〜120℃を外れた場合、例えば、より穏やかな条件、即ち、pHがより中性側の条件、反応温度がより低い条件となった場合には、ヘミセルロースの側鎖に存する単糖成分の分解が不十分となるため、それに引続く酵素処理において、効率的に単糖を遊離させることができず好ましくない。例えば、より厳しい条件、即ち、pHがより酸性側の条件、反応温度がより高い条件となった場合には、ヘミセルロースの縮合等が起こるため、それに引続く酵素処理において、効率的に単糖を遊離させることができず好ましくない。なお、反応時間が18時間を超えた場合は、引続く酵素処理において、単糖の遊離効果が頭打ちとなるため、経済的な観点から好ましくない。
本発明における加水分解処理に用いる酸は特に限定されるものではなく、塩酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、フマル酸、クエン酸等を用いることができるが、単糖遊離後の精製負荷の観点から、使用量を少なくできる塩酸、硫酸、シュウ酸がより好ましい。
本発明において、酵素処理前に前記の加水分解処理を行うことにより、酵素処理時にヘミセルロースから効率的に単糖を遊離させことができる理由は明らかではないが、比較的穏やかな条件下で加水分解処理をすることにより、ヘミセルロースの側鎖に存する単糖成分が優先的に分解するため、それに引続く酵素処理において、ヘミセルロース主鎖が容易に分解し易くなり、結果として効率的に単糖が遊離するものと考えられる。
本発明における酵素処理に用いる酵素としては、ヘミセルラーゼに作用して単糖を遊離する活性を有する酵素であれば特に限定されないが、例えば、マンナナーゼ、ガラクトマンナナーゼ、グルコマンナナーゼ、β―マンノシダーゼ、α―キシロシダーゼ、キシログルカナーゼ、アラビナナーゼ、β―キシロシダーゼ、キシラナーゼ、α―アラビノフラノシダーゼ等のヘミセルロースの主鎖に作用する酵素が好ましい。その中でも、マンナン、グルコマンナン、又はガラクトマンナンに作用するマンナナーゼ、マンノシダーゼ等のマンノース分解酵素が好ましい。
本発明においてヘミセルロースの主鎖に作用する酵素が特に好ましい理由は明らかではないが、前記の穏やかな条件下での加水分解前処理において、ヘミセルロースの分岐した側鎖が分解されることから、ヘミセルロースの主鎖に選択的に作用する酵素がより好ましいものと推測している。
なお、必要に応じて、ヘミセルロースの分岐した側鎖に存在するグルコースやガラクトース等を遊離する酵素であるグルコシダーゼ、ガラクトシダーゼ等を主鎖に作用する酵素と合わせて用いることもできる。さらに、これら異なる活性を有する2種類以上の酵素を混合することにより単糖収量を上げることができる。また、使用する酵素はその酵素の起源である菌株の培養物のうち、単糖を遊離する活性を有するいかなる画分を用いてもよく、また必要に応じてこれらの酵素を含有する画分を常法により精製あるいは部分精製して使用することもできる。
本発明における酵素処理においては、酵素処理時のpHを酵素の至適pHに調製するために、有機酸、無機酸を添加することができる。有機酸としては、シュウ酸、酢酸、プロピオン酸、蟻酸、酢酸、乳酸、フマル酸、クエン酸等が挙げられ、無機酸としては、塩酸、硫酸、リン酸等を挙げられる。
本発明においては、特定条件下での加水分解処理後に酵素を作用させることにより、ヘミセルロースが効率的に分解され、マンノース、グルコース、ガラクトース、フルクトース、アラビノース等の単糖が遊離した単糖液を得ることができる。得られた単糖液は、必要に応じて精製を行い、単糖の含有率をさらに高めることが可能である。精製法としては、骨炭、活性炭、炭酸飽充法、吸着樹脂、マグネシア法などで脱色を行い、イオン交換樹脂、イオン交換膜、電気透析等で脱塩、脱酸を行うなど、公知の方法により行なうことができる。精製法の組み合わせおよび精製条件としては、単糖を含む反応液中の色素、塩、および酸等の量およびその他の要因に応じて適宜選択すればよい。
以下に、実施例を掲げて更に具体的に本発明の方法を説明するが、本発明の技術的範囲は以下の例に制限されるものではない。
<単糖の分析>
単糖の濃度はHPLCにより分析した。分析条件を以下に示す。
(1)ガラクトース、マンノース、フルクトースの分析条件
HPLC分析条件カラム:Aminex HPX87P(7.8×300mm、BI O RAD製)、移動相:水、流速:0.6mL/min、カラム温度:60℃、 検出:示差屈折計(RI)。
(2)グルコース、アラビノースの分析条件
HPLC分析条件カラム:Aminex HPX87H(7.8×300mm、BI O RAD製)、移動相:0.005N 硫酸、流速:0.6mL/min、カラ ム温度:60℃、検出:示差屈折計(RI)。
標準物質 グルコース: 商品名「D−(+)−グルコース」(ナカライテクス製)
ガラクトース: 商品名「D−(+)−ガラクトース」(ナカライテクス製)
アラビノース: 商品名「L−(+)−アラビノース」(ナカライテクス製)
マンノース: 商品名「D−(+)−マンノース」(ナカライテクス製)
フルクトース: 商品名「D−(−)−フルクトース」(ナカライテクス製)
実施例1
パーム核ミール(カーギル社製)1gに、水4.8mL、1M塩酸1.2mLを加え、pH1.3に調整した後、100℃、2時間の加水分解処理を行った。放冷後、1M水酸化ナトリウム0.4mL、水4.6mLを添加してpH3.6に調整後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.003gを加え、60℃で48時間振とうし、酵素処理を行なった後、100℃10分で酵素失活を行った。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
実施例2
パーム核ミール(カーギル社製)1gに、水5.52mL、1M硫酸0.48mLを加え、pH1.3に調整した後、100℃、2時間の加水分解処理を行った。放冷後、1M水酸化ナトリウム0.67mL、水4.33mLを添加してpH3.6に調整後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.003gを加え、60℃で48時間振とうし、酵素処理を行なった後、100℃10分の酵素失活を行った。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
実施例3
パーム核ミール(カーギル社製)1gに、水4.0mL、1Mシュウ酸2.0mLを加え、pH1.3に調整した後、100℃、2時間の加水分解処理を行った。放冷後、1M水酸化ナトリウム2.1mL、水2.9mLを添加してpH3.6に調整後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.003gを加え、60℃で48時間振とうし、酵素処理を行なった後、100℃10分の酵素失活を行った。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
比較例1
パーム核ミール(カーギル社製)1gに水10.8mL、1Mシュウ酸0.2mLを加え、pH3.6に調整した後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.003gを加え、60℃で48時間振とうし、酵素処理を行なった後、100℃10分の酵素失活を行った。なお、酵素処理前の加水分解処理は行わなかった。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
比較例2
パーム核ミール(カーギル社製)1gに水6.0mL加え、pH7.0にて、100℃、2時間の加水分解処理を行った。放冷後、1Mシュウ酸0.17mL、水4.83mLを添加して、pH3.6に調整した後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.003gを加え、60℃で48時間振とうし、酵素処理を行なった後、100℃10分の酵素失活を行った。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
比較例3
パーム核ミール(カーギル社製)1gに水5.85mL、1Mシュウ酸0.15mLを加え、pH4.0に調整した後、100℃、2時間の加水分解処理を行った。放冷後、1Mシュウ酸0.02mL、水4.98mLを添加してpH3.6に調整後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.003gを加え、60℃で48時間振とうし、酵素処理を行なった後、100℃10分の酵素失活を行った。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
比較例4
パーム核ミール(カーギル社製)1gに水1.45mL、1M硫酸4.21mLを加え、pH0に調整した後、100℃、2時間の加水分解処理を行った。放冷後、1M水酸化ナトリウム1.78mL、水4.21mLを添加してpH3.6に調整後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.003gを加え、60℃で48時間振とうし、酵素処理を行なった後、100℃10分の酵素失活を行った。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
比較例5
実施例3と同様の条件にて、酵素処理前の加水分解処理のみを行ったのち、実施例3のろ液量と同様とするため、水5mLを加えた。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
実施例1〜3、比較例1〜5について得られた糖成分の分析結果を表1に示す。
表1に示したように、本発明の条件下加水分解処理を行った後に酵素処理を行なった実施例1〜3においては、前記加水分解処理を行わなかった比較例1、前記加水分解処理条件を外れた加水分解処理を行った比較例2〜4、前記加水分解処理のみを行った比較例5と比べて、単糖の遊離量が顕著に増大し、本発明の単糖の製造方法が、安価かつ簡便な単糖の製造方法として極めて有効であることが明らかとなった。
実施例4
こんにゃく芋精粉(商品名「手作りこんにゃくの精粉」、JA全農ぐんま社製)30gに、水580mL、1M塩酸20mLを加え、pH1.3に調整した後、100℃、2時間の加水分解処理を行った。放冷後、1M水酸化ナトリウム6.3mL、水13.3mLを添加してpH3.6に調整した後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.15gを加え、60℃で48時間振とうし、酵素処理を行なった後、100℃10分の酵素失活を行った。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
実施例5
こんにゃく芋精粉(商品名「手作りこんにゃくの精粉」、JA全農ぐんま社製)30gに、水593mL、1M硫酸7mLを加え、pH1.3に調整した後、100℃、2時間の加水分解処理を行った。放冷後、1M水酸化ナトリウム12mL、水8mLを添加し、pH3.6に調整した後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.15gを加え、60℃で48時間振とうし、酵素処理を行なった後、100℃10分の酵素失活を行った。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
実施例6
こんにゃく芋精粉(商品名「手作りこんにゃくの精粉」、JA全農ぐんま社製)30gに、水566mL、1Mシュウ酸34mLを加え、pH1.3に調整した後、100℃、2時間の加水分解処理を行った。放冷後、1M水酸化ナトリウム20mL添加し、pH3.6に調整した後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.15gを加え、60℃で48時間振とうし、酵素処理を行なった後、100℃10分の酵素失活を行った。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
比較例6
こんにゃく芋精粉(商品名「手作りこんにゃくの精粉」、JA全農ぐんま社製)30gに、水615mL、1M硫酸5mLを加え、pH3.6に調整した後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.15gを加え、60℃で48時間振とうし、酵素処理を行なった後、100℃10分の酵素失活を行った。なお、酵素処理前の加水分解処理は行わなかった。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
比較例7
こんにゃく芋精粉(商品名「手作りこんにゃくの精粉」、JA全農ぐんま社製)30gに、水600mL加え、pH7.0にて、100℃、2時間の加水分解処理を行った。放冷後、1M硫酸5mL、水15mLを加え、pH3.6に調整した後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.15gを加え、60℃で48時間振とうし、酵素処理を行なった後、100℃10分の酵素失活を行った。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
比較例8
実施例6と同様の条件にて、酵素処理前の加水分解処理のみを行った後、実施例6のろ液量と同様とするため、水20mLを加えた。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
実施例4〜6、比較例6〜8について得られた糖成分の分析結果を表2に示す。
表2に示したように、本発明の条件下加水分解処理を行った後に酵素処理を行なった実施例4〜6においては、前記加水分解処理を行わなかった比較例6、前記加水分解処理条件を外れた加熱処理を行った比較例7、前記加水分解処理のみを行った比較例8と比べて、単糖の遊離量が顕著に増大し、本発明の単糖の製造方法が、安価かつ簡便な単糖の製造方法として極めて有効であることが明らかとなった。

Claims (3)

  1. マンナン、グルコマンナン又はガラクトマンナンを構成成分とするヘミセルロースを含有する植物に前記ヘミセルロースの主鎖に作用する酵素を作用させるマンノースの製造方法であって、前記植物がコプラミール又はパーム核ミールであり、前記酵素処理の前にpH0.5〜2.5、反応温度60〜120℃の条件下、前記植物の加水分解処理を行うことを特徴とするマンノースの製造方法。
  2. 前記酵素が、マンナナーゼ、マンノシダーゼ又はガラクトマンナナーゼである請求項に記載のマンノースの製造方法。
  3. 前記加水分解処理に用いる酸が、塩酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、クエン酸、フマル酸から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマンノースの製造方法。
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