JP2004033002A - L−アラビノースの製造方法およびl−アラビノース含有酵素処理物の製造方法 - Google Patents
L−アラビノースの製造方法およびl−アラビノース含有酵素処理物の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】L−アラビノースならびにL−アラビノース含有酵素処理物を安価に、単純な工程で、高収率に製造する方法を提供する。
【解決手段】アラビナン、アラビノキシランまたはアラビノガラクタンを含有する天然物に酵素を作用させてL−アラビノースを得るに際し、該天然物を予め熱処理することを特徴とするL−アラビノースの製造方法およびアラビナン、アラビノキシランまたはアラビノガラクタンを含有する天然物に酵素を作用させてL−アラビノース含有酵素処理物を得るに際し、該天然物を予め熱処理することを特徴とするL−アラビノース含有酵素処理物の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】アラビナン、アラビノキシランまたはアラビノガラクタンを含有する天然物に酵素を作用させてL−アラビノースを得るに際し、該天然物を予め熱処理することを特徴とするL−アラビノースの製造方法およびアラビナン、アラビノキシランまたはアラビノガラクタンを含有する天然物に酵素を作用させてL−アラビノース含有酵素処理物を得るに際し、該天然物を予め熱処理することを特徴とするL−アラビノース含有酵素処理物の製造方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、L−アラビノースの製造方法ならびにL−アラビノース含有酵素処理物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
L−アラビノースは、シュクロースに近い味質を持ち、難吸収性を示すノンカロリーの糖質である。自然界では、高等植物のヘミセルロース中にアラビナン、アラビノキシラン等多糖体の構成糖等として存在している。単糖の状態では、微量ではあるが味噌や酒等の発酵食品、インスタントコーヒー等に含まれている。また、シュクロース等、二糖の加水分解酵素を阻害する、すなわちα−グルコシダーゼ阻害活性を持つことから、シュクロース等摂取時の血糖値の上昇を抑制するという効果も知られている。
【0003】
L−アラビノースのα−グルコシダーゼ阻害の作用機序については、檜作進氏の報文(J.Appl.Glucosci.,Vol.46,N0.2,p.159−165(1999))に詳述されている。これによれば、L−アラビノースは十二指腸、小腸粘膜の微絨毛膜表面(粘膜刷毛縁)に局在するスクラーゼやマルターゼ等の二糖類分解酵素を不拮抗型で阻害する。その結果、摂取した炭水化物のD−グルコースやD−フルクトースへの分解が緩やかに起こるようになるため、十二指腸や空腸上部での吸収が少なくなり、小腸中部、下部で消化吸収するようになる。すなわち、小腸全体を使って単糖の吸収がゆっくりと行なわれるため、食後の急峻な血糖値上昇(過血糖)を抑制、満腹感が持続し、食欲を抑えられることから、ダイエット効果を示すというものである。
【0004】
従来、L−アラビノースは、コーンファイバーやアラビアガム、ビートパルプに含まれるヘミセルロースをアルカリ抽出し、これを酸分解することにより製造されている。しかし、アルカリ抽出操作は煩雑でありコストがかかる。また、酸分解操作は、食品、医薬品原料として不適当な発がん性物質が生じる可能性が高い上、特殊な反応装置が必要であり、また、中和の際に多量の塩が生成し後処理が煩雑となる。以上の点から良好かつ安価なL−アラビノースの製造方法とは言えない。
【0005】
また、L−アラビノースの原料としてビートパルプを利用し、アルカリ加熱処理の後、エタノールによりアラビナンを沈殿として得、これを酸分解、または酵素分解を行なう方法が報告されている(特開平9−299093号公報、農芸化学会誌49巻、6号、295−305、1975年)。しかし、この方法では天然物からアラビナンを抽出する操作が煩雑であり、また、L−アラビノースの収率が非常に低く、安価に工業生産する点で現実的とは言えない。
【0006】
スパグヌロ(Spagnuolo)らの報告(Biotechnology and Bioengineering、4巻、6号、685−691、1999年)では、L−アラビノースが高収率で得られているが、この方法は、ビートパルプにプロテアーゼを作用させて濾過するという脱蛋白処理とオートクレーブ処理(121℃で20分間)の2種の前処理を行なっているため、操作が煩雑となり、大量生産を目的とするには問題が有った。
【0007】
酸分解法によるL−アラビノースの製造方法として特開平11−313700号公報記載の方法が知られているが、100℃以上で酸処理を行なうための装置は必要であり、中和操作も必要であるため、操作が煩雑でかつ経済性も低かった。
【0008】
本発明者らは、L−アラビノースならびにL−アラビノース含有酵素処理物を安価に、単純な工程で、高収率に製造することができる方法として、アラビナン、アラビノキシランまたはアラビノガラクタンを含有する天然物に作用してL−アラビノースを遊離する活性を有する酵素を、アラビナン、アラビノキシランまたはアラビノガラクタンを含有する天然物からアラビナン、アラビノキシランまたはアラビノガラクタンを分離抽出することなく直接作用させるL−アラビノースの製造方法を発明し既に特許出願している(特開2001−286294号公報)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の方法においてもL−アラビノースの遊離量(収率)はまだ十分でなく、より高収率での製造方法の開発が求められていた。
【0010】
本発明は、L−アラビノースならびにL−アラビノース含有酵素処理物を製造する際の、アラビナン、アラビノキシランまたはアラビノガラクタンを含有する天然物からのL−アラビノース遊離量の向上を目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、アラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタンを含有する天然物を直接酵素処理する際、天然物を予め熱処理することで直接酵素処理によるL−アラビノースの遊離量(収率)が飛躍的に向上するという新知見を得、本発明に至った。
【0012】
すなわち本発明は、アラビナン、アラビノキシランまたはアラビノガラクタンを含有する天然物に酵素を作用させてL−アラビノースを得るに際し、該天然物を予め熱処理することを特徴とするL−アラビノースの製造方法を要旨とするものである。
また、他の本発明は、アラビナン、アラビノキシランまたはアラビノガラクタンを含有する天然物に酵素を作用させてL−アラビノース含有酵素処理物を得るに際し、該天然物を予め熱処理することを特徴とするL−アラビノース含有酵素処理物の製造方法を要旨とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられるアラビナン、アラビノキシランまたはアラビノガラクタンを含有する天然物としては、ビートパルプ、ビートファイバーのほか、オレンジファイバー、みかんジュース粕、アップルファイバー、りんごジュース粕、さらに、落花生粕、米ぬか、とうもろこし粕または大豆粕等が挙げられる。ビートパルプはビートからビート糖液を搾取した後の残渣であり、約12〜18%のL−アラビノースをアラビナンなどの形で含んでいる。このアラビナンはL−アラビノースが連なった直鎖構造を有することを特徴としており、酵素作用を受けL−アラビノース生成が起こるが、ビートパルプからは比較的容易にl−アラビノースの生成が起こるため好ましい。
【0014】
本発明では、前述のアラビナン、アラビノキシランまたはアラビノガラクタンを含有する天然物に、水、アルコール類またはそれらの混合溶媒を天然物重量に対し0〜20倍量、好ましくは2〜15倍量、さらに好ましくは3〜10倍量添加し、熱処理を行なう。
アルコール類としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等の低級アルコールが好ましく、さらに好ましくは、エタノールである。
【0015】
熱処理の条件として、温度は80〜121℃が適当であり、好ましくは80〜115℃、さらに好ましくは80〜100℃であり、また時間は15分〜15時間が適当であり、好ましくは20分〜10時間、さらに好ましくは1〜5時間である。
また、熱処理の間、連続的にあるいは断続的に攪拌を行なっても良い。
熱処理を終えた後、熱処理を施したアラビナン、アラビノキシランまたはアラビノガラクタンを含有する天然物はそのまま、あるいは一旦水洗、固液分離した後、酵素処理反応に供することができる。
【0016】
その後、熱処理を施したアラビナン、アラビノキシランまたはアラビノガラクタンを含有する天然物に対して、先に本発明者らが開発したL−アラビノースの製造方法およびL−アラビノース含有酵素処理物の製造方法(特開2001−286294号公報)に詳述されている方法で酵素処理を行なうことによりL−アラビノースを遊離させることができる。具体的には以下の通りである。
【0017】
本発明に用いられる、アラビナン含有物に作用してL−アラビノースを遊離する活性を有する酵素としては、アラビナーゼ(アラバナーゼ)、アラビノフラノシダーゼ等のアラビナン分解酵素が挙げられる。アラビナン分解酵素の起源としては、細菌(Bacillus subtilis、Streptomyces sp.)、酵母(Rhodotorula sp.)、糸状菌(Aspergillus niger、A.oryae、A.pulverulentus、A.terreus、A.japonicus、A.flavus、Trichoderma reesei、T.viride、Trichosporon penicillatum、Rhizopus sp.)などが挙げられるが、Aspergillus由来の酵素が好適である。特にAspergillus niger由来の酵素が好ましい。
【0018】
これらの酵素は、上記の菌株を従来知られている方法により培養して得られた培養上清もしくは菌体中に生産されるが、本発明においては、これらの酵素を含有するいかなる画分を用いてもよい。また、必要に応じてこれらの酵素を含有する画分を常法により精製あるいは部分精製して使用することもできる。また、市販の酵素を使用してもよい。本発明では特に新日本化学工業株式会社製アラビナーゼ、スミチームARSを高活性の市販酵素として使用することが好ましい。
【0019】
市販のセルラーゼ、及びキシラナーゼ、ペクチナーゼ、ガラクタナーゼなどのヘミセルラーゼ酵素剤もまた、アラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン含有物に作用させるとL−アラビノースを遊離する活性を示す場合がある。これら酵素が標記されている活性に加えて幾分かはアラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン分解活性を有する場合や、主成分である酵素に加えて不純物としてアラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン分解酵素を含んでいる場合があるためである。本発明においては、このような通常はアラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン分解酵素以外の酵素として用いられる酵素であっても、アラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン含有物に作用してL−アラビノースを遊離させる活性を有していれば、用いることができる。本発明では特に新日本化学工業株式会社製ペクチナーゼ、スミチームPXを高活性の市販酵素として使用することが好ましい。
【0020】
上記の場合に、これら異なる活性を有する2種類以上の酵素を混合することによってL−アラビノース収量を上げることができる。とくに、アラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン分解酵素と、ペクチナーゼとを併用することによって高収量のL−アラビノースを得ることができる。
【0021】
また、上記のほかに、植物細胞を破壊させるマセレイションエンザイムを添加することによってL−アラビノース収量を上げることができるので添加することが望ましい。
【0022】
アラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン含有物に作用してL−アラビノースを遊離する活性を有する酵素の量としては、特に限定されず原料中のアラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタンを分解するのに必要な量であればよい。例えばアラビナーゼの場合、原料100gに対して0.4〜4000ユニットであることが望まれ、2〜2000ユニットであることが好ましく、さらに4〜1000ユニットであることが好ましい。この場合1ユニットは直鎖アラビナンから1分間に1μmolのL−アラビノースを遊離する酵素量とする。
【0023】
本発明の方法においては、かかる酵素をアラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン含有物に作用させる。直接作用させるためには、例えば上記の熱処理が施されたアラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン含有物を水性媒体に懸濁させ、ここへ酵素を加えて撹拌しながらもしくは静置して反応させればよい。アラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン含有物に作用させる条件としては、通常の酵素反応に用いられる条件であれば特に問題はなく、使用する酵素の最適作用条件及びその他の要因によって適宜選択すればよい。
【0024】
反応の温度としては酵素が失活しない温度であって、腐敗を防止するために微生物が増殖しにくい温度とすることが望ましい。具体的には、20〜90℃、好ましくは40〜80℃、さらに好ましくは50〜75℃がよい。反応液のpHとしては酵素の至適条件下で反応を行うのが望ましいことは言うまでもなく、pH2〜9、好ましくはpH2.5〜8、さらに好ましくはpH3〜6とするのがよい。反応時間は使用するアラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン含有物と酵素の量に依存するが、通常3〜48時間に設定するのが作業上好ましい。
【0025】
反応が進むにつれ、アラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン成分が加水分解され、L−アラビノースが生成、遊離する。これをそのまま、もしくはさらに100℃以上の熱処理をして、あるいはさらに乾燥させることにより、L−アラビノース含有酵素処理物とすることができる。また、反応後の懸濁液の上澄みを分取すればL−アラビノース糖液が得られる。このようにして得られるL−アラビノースを、イオン交換樹脂や活性炭等を用いた各種クロマトグラフィーを用いて定法に即して精製してもよい。また、得られたL−アラビノースを含む溶液に熱エタノールを添加することにより結晶L−アラビノースを得てもよい。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1、2、比較例1、2
ビートパルプ3gを水を用いて表1に示した各条件で熱処理を行なった。処理後、原料に対する水分添加量が総量で30mLになるように水を追加し、L−アラビノース遊離酵素としてスミチームARS(新日本化学製、液体)を15μL(ビートパルプに対し0.5重量%)、あるいはスミチームPX(同)を22.5μL(同0.75重量%)添加し、45℃で24時間L−アラビノース遊離反応を行なった。
【0027】
【表1】
【0028】
遊離してきたL−アラビノースの経時変化を図1に示したが、いずれのL−アラビノース遊離酵素を使用した場合でも反応24時間目のL−アラビノース遊離量は熱処理なしの条件(比較例1、2)に比べ、熱処理を行なった条件(実施例1、2)で多くなっていた。また、反応初期(3、6、9時間目)では熱処理を行なった条件で明らかにL−アラビノース遊離量が多く、熱処理によりL−アラビノース遊離量や遊離速度の向上が可能であることが明らかになった。また、熱処理はスミチームARSを用いた条件で比較的大きな効果が得られることが明らかになった。
【0029】
実施例3〜5、比較例3
ビートパルプ3gを水を用いて表2に示した各条件で熱処理を行なった。処理後、原料に対する水分添加量が総量で30mLになるように水を追加し、L−アラビノース遊離酵素としてスミチームPX(新日本化学製、液体)を22.5μL(ビートパルプに対し0.75重量%)添加し、45℃で24時間L−アラビノース遊離反応を行なった。
【0030】
【表2】
【0031】
遊離してきたL−アラビノースの経時変化を図2に示したが、24時間目のL−アラビノース遊離量は熱処理なしの条件(比較例3)に比べ、熱処理を行なった条件(実施例3〜5)で多くなっていた。また、反応初期(3、6時間目)では熱処理を行なった条件で明らかにL−アラビノース遊離量が多く、熱処理によりL−アラビノース遊離量や遊離速度の向上が可能であることが明らかになった。
【0032】
実施例6〜11、比較例4
ビートパルプ3gを水を用いて表3に示した各条件で熱処理を行なった。処理後、原料に対する水分添加量が総量で30mLになるように水を追加し、L−アラビノース遊離酵素としてスミチームARS(新日本化学製、液体)を3μL(ビートパルプに対し0.1重量%)添加し、45℃で24時間L−アラビノース遊離反応を行なった。
【0033】
【表3】
【0034】
遊離してきたL−アラビノースの経時変化が図3に示したが、反応24時間目のL−アラビノース遊離量は熱処理なしの条件(比較例4)に比べ、熱処理を行なった条件(実施例6〜11)で多くなっていた。また、反応初期(3、6、9時間目)では熱処理を行なった条件で明らかにL−アラビノース遊離量が多く、熱処理によりL−アラビノース遊離量や遊離速度の向上が可能であることが明らかになった。また、熱処理時間が長い条件ほど24時間目のL−アラビノース遊離量が多くなる傾向が観られた。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、L−アラビノースおよびL−アラビノース含有酵素処理物を安価に、単純な工程で、高収率に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1,2、比較例1,2で行なった反応におけるL−アラビノース遊離量の経時変化を示す図である。
【図2】実施例3〜5、比較例3で行なった反応におけるL−アラビノース遊離量の経時変化を示す図である。
【図3】実施例6〜11、比較例4で行なった反応におけるL−アラビノース遊離量の経時変化を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、L−アラビノースの製造方法ならびにL−アラビノース含有酵素処理物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
L−アラビノースは、シュクロースに近い味質を持ち、難吸収性を示すノンカロリーの糖質である。自然界では、高等植物のヘミセルロース中にアラビナン、アラビノキシラン等多糖体の構成糖等として存在している。単糖の状態では、微量ではあるが味噌や酒等の発酵食品、インスタントコーヒー等に含まれている。また、シュクロース等、二糖の加水分解酵素を阻害する、すなわちα−グルコシダーゼ阻害活性を持つことから、シュクロース等摂取時の血糖値の上昇を抑制するという効果も知られている。
【0003】
L−アラビノースのα−グルコシダーゼ阻害の作用機序については、檜作進氏の報文(J.Appl.Glucosci.,Vol.46,N0.2,p.159−165(1999))に詳述されている。これによれば、L−アラビノースは十二指腸、小腸粘膜の微絨毛膜表面(粘膜刷毛縁)に局在するスクラーゼやマルターゼ等の二糖類分解酵素を不拮抗型で阻害する。その結果、摂取した炭水化物のD−グルコースやD−フルクトースへの分解が緩やかに起こるようになるため、十二指腸や空腸上部での吸収が少なくなり、小腸中部、下部で消化吸収するようになる。すなわち、小腸全体を使って単糖の吸収がゆっくりと行なわれるため、食後の急峻な血糖値上昇(過血糖)を抑制、満腹感が持続し、食欲を抑えられることから、ダイエット効果を示すというものである。
【0004】
従来、L−アラビノースは、コーンファイバーやアラビアガム、ビートパルプに含まれるヘミセルロースをアルカリ抽出し、これを酸分解することにより製造されている。しかし、アルカリ抽出操作は煩雑でありコストがかかる。また、酸分解操作は、食品、医薬品原料として不適当な発がん性物質が生じる可能性が高い上、特殊な反応装置が必要であり、また、中和の際に多量の塩が生成し後処理が煩雑となる。以上の点から良好かつ安価なL−アラビノースの製造方法とは言えない。
【0005】
また、L−アラビノースの原料としてビートパルプを利用し、アルカリ加熱処理の後、エタノールによりアラビナンを沈殿として得、これを酸分解、または酵素分解を行なう方法が報告されている(特開平9−299093号公報、農芸化学会誌49巻、6号、295−305、1975年)。しかし、この方法では天然物からアラビナンを抽出する操作が煩雑であり、また、L−アラビノースの収率が非常に低く、安価に工業生産する点で現実的とは言えない。
【0006】
スパグヌロ(Spagnuolo)らの報告(Biotechnology and Bioengineering、4巻、6号、685−691、1999年)では、L−アラビノースが高収率で得られているが、この方法は、ビートパルプにプロテアーゼを作用させて濾過するという脱蛋白処理とオートクレーブ処理(121℃で20分間)の2種の前処理を行なっているため、操作が煩雑となり、大量生産を目的とするには問題が有った。
【0007】
酸分解法によるL−アラビノースの製造方法として特開平11−313700号公報記載の方法が知られているが、100℃以上で酸処理を行なうための装置は必要であり、中和操作も必要であるため、操作が煩雑でかつ経済性も低かった。
【0008】
本発明者らは、L−アラビノースならびにL−アラビノース含有酵素処理物を安価に、単純な工程で、高収率に製造することができる方法として、アラビナン、アラビノキシランまたはアラビノガラクタンを含有する天然物に作用してL−アラビノースを遊離する活性を有する酵素を、アラビナン、アラビノキシランまたはアラビノガラクタンを含有する天然物からアラビナン、アラビノキシランまたはアラビノガラクタンを分離抽出することなく直接作用させるL−アラビノースの製造方法を発明し既に特許出願している(特開2001−286294号公報)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の方法においてもL−アラビノースの遊離量(収率)はまだ十分でなく、より高収率での製造方法の開発が求められていた。
【0010】
本発明は、L−アラビノースならびにL−アラビノース含有酵素処理物を製造する際の、アラビナン、アラビノキシランまたはアラビノガラクタンを含有する天然物からのL−アラビノース遊離量の向上を目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、アラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタンを含有する天然物を直接酵素処理する際、天然物を予め熱処理することで直接酵素処理によるL−アラビノースの遊離量(収率)が飛躍的に向上するという新知見を得、本発明に至った。
【0012】
すなわち本発明は、アラビナン、アラビノキシランまたはアラビノガラクタンを含有する天然物に酵素を作用させてL−アラビノースを得るに際し、該天然物を予め熱処理することを特徴とするL−アラビノースの製造方法を要旨とするものである。
また、他の本発明は、アラビナン、アラビノキシランまたはアラビノガラクタンを含有する天然物に酵素を作用させてL−アラビノース含有酵素処理物を得るに際し、該天然物を予め熱処理することを特徴とするL−アラビノース含有酵素処理物の製造方法を要旨とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられるアラビナン、アラビノキシランまたはアラビノガラクタンを含有する天然物としては、ビートパルプ、ビートファイバーのほか、オレンジファイバー、みかんジュース粕、アップルファイバー、りんごジュース粕、さらに、落花生粕、米ぬか、とうもろこし粕または大豆粕等が挙げられる。ビートパルプはビートからビート糖液を搾取した後の残渣であり、約12〜18%のL−アラビノースをアラビナンなどの形で含んでいる。このアラビナンはL−アラビノースが連なった直鎖構造を有することを特徴としており、酵素作用を受けL−アラビノース生成が起こるが、ビートパルプからは比較的容易にl−アラビノースの生成が起こるため好ましい。
【0014】
本発明では、前述のアラビナン、アラビノキシランまたはアラビノガラクタンを含有する天然物に、水、アルコール類またはそれらの混合溶媒を天然物重量に対し0〜20倍量、好ましくは2〜15倍量、さらに好ましくは3〜10倍量添加し、熱処理を行なう。
アルコール類としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等の低級アルコールが好ましく、さらに好ましくは、エタノールである。
【0015】
熱処理の条件として、温度は80〜121℃が適当であり、好ましくは80〜115℃、さらに好ましくは80〜100℃であり、また時間は15分〜15時間が適当であり、好ましくは20分〜10時間、さらに好ましくは1〜5時間である。
また、熱処理の間、連続的にあるいは断続的に攪拌を行なっても良い。
熱処理を終えた後、熱処理を施したアラビナン、アラビノキシランまたはアラビノガラクタンを含有する天然物はそのまま、あるいは一旦水洗、固液分離した後、酵素処理反応に供することができる。
【0016】
その後、熱処理を施したアラビナン、アラビノキシランまたはアラビノガラクタンを含有する天然物に対して、先に本発明者らが開発したL−アラビノースの製造方法およびL−アラビノース含有酵素処理物の製造方法(特開2001−286294号公報)に詳述されている方法で酵素処理を行なうことによりL−アラビノースを遊離させることができる。具体的には以下の通りである。
【0017】
本発明に用いられる、アラビナン含有物に作用してL−アラビノースを遊離する活性を有する酵素としては、アラビナーゼ(アラバナーゼ)、アラビノフラノシダーゼ等のアラビナン分解酵素が挙げられる。アラビナン分解酵素の起源としては、細菌(Bacillus subtilis、Streptomyces sp.)、酵母(Rhodotorula sp.)、糸状菌(Aspergillus niger、A.oryae、A.pulverulentus、A.terreus、A.japonicus、A.flavus、Trichoderma reesei、T.viride、Trichosporon penicillatum、Rhizopus sp.)などが挙げられるが、Aspergillus由来の酵素が好適である。特にAspergillus niger由来の酵素が好ましい。
【0018】
これらの酵素は、上記の菌株を従来知られている方法により培養して得られた培養上清もしくは菌体中に生産されるが、本発明においては、これらの酵素を含有するいかなる画分を用いてもよい。また、必要に応じてこれらの酵素を含有する画分を常法により精製あるいは部分精製して使用することもできる。また、市販の酵素を使用してもよい。本発明では特に新日本化学工業株式会社製アラビナーゼ、スミチームARSを高活性の市販酵素として使用することが好ましい。
【0019】
市販のセルラーゼ、及びキシラナーゼ、ペクチナーゼ、ガラクタナーゼなどのヘミセルラーゼ酵素剤もまた、アラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン含有物に作用させるとL−アラビノースを遊離する活性を示す場合がある。これら酵素が標記されている活性に加えて幾分かはアラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン分解活性を有する場合や、主成分である酵素に加えて不純物としてアラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン分解酵素を含んでいる場合があるためである。本発明においては、このような通常はアラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン分解酵素以外の酵素として用いられる酵素であっても、アラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン含有物に作用してL−アラビノースを遊離させる活性を有していれば、用いることができる。本発明では特に新日本化学工業株式会社製ペクチナーゼ、スミチームPXを高活性の市販酵素として使用することが好ましい。
【0020】
上記の場合に、これら異なる活性を有する2種類以上の酵素を混合することによってL−アラビノース収量を上げることができる。とくに、アラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン分解酵素と、ペクチナーゼとを併用することによって高収量のL−アラビノースを得ることができる。
【0021】
また、上記のほかに、植物細胞を破壊させるマセレイションエンザイムを添加することによってL−アラビノース収量を上げることができるので添加することが望ましい。
【0022】
アラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン含有物に作用してL−アラビノースを遊離する活性を有する酵素の量としては、特に限定されず原料中のアラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタンを分解するのに必要な量であればよい。例えばアラビナーゼの場合、原料100gに対して0.4〜4000ユニットであることが望まれ、2〜2000ユニットであることが好ましく、さらに4〜1000ユニットであることが好ましい。この場合1ユニットは直鎖アラビナンから1分間に1μmolのL−アラビノースを遊離する酵素量とする。
【0023】
本発明の方法においては、かかる酵素をアラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン含有物に作用させる。直接作用させるためには、例えば上記の熱処理が施されたアラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン含有物を水性媒体に懸濁させ、ここへ酵素を加えて撹拌しながらもしくは静置して反応させればよい。アラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン含有物に作用させる条件としては、通常の酵素反応に用いられる条件であれば特に問題はなく、使用する酵素の最適作用条件及びその他の要因によって適宜選択すればよい。
【0024】
反応の温度としては酵素が失活しない温度であって、腐敗を防止するために微生物が増殖しにくい温度とすることが望ましい。具体的には、20〜90℃、好ましくは40〜80℃、さらに好ましくは50〜75℃がよい。反応液のpHとしては酵素の至適条件下で反応を行うのが望ましいことは言うまでもなく、pH2〜9、好ましくはpH2.5〜8、さらに好ましくはpH3〜6とするのがよい。反応時間は使用するアラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン含有物と酵素の量に依存するが、通常3〜48時間に設定するのが作業上好ましい。
【0025】
反応が進むにつれ、アラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン成分が加水分解され、L−アラビノースが生成、遊離する。これをそのまま、もしくはさらに100℃以上の熱処理をして、あるいはさらに乾燥させることにより、L−アラビノース含有酵素処理物とすることができる。また、反応後の懸濁液の上澄みを分取すればL−アラビノース糖液が得られる。このようにして得られるL−アラビノースを、イオン交換樹脂や活性炭等を用いた各種クロマトグラフィーを用いて定法に即して精製してもよい。また、得られたL−アラビノースを含む溶液に熱エタノールを添加することにより結晶L−アラビノースを得てもよい。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1、2、比較例1、2
ビートパルプ3gを水を用いて表1に示した各条件で熱処理を行なった。処理後、原料に対する水分添加量が総量で30mLになるように水を追加し、L−アラビノース遊離酵素としてスミチームARS(新日本化学製、液体)を15μL(ビートパルプに対し0.5重量%)、あるいはスミチームPX(同)を22.5μL(同0.75重量%)添加し、45℃で24時間L−アラビノース遊離反応を行なった。
【0027】
【表1】
【0028】
遊離してきたL−アラビノースの経時変化を図1に示したが、いずれのL−アラビノース遊離酵素を使用した場合でも反応24時間目のL−アラビノース遊離量は熱処理なしの条件(比較例1、2)に比べ、熱処理を行なった条件(実施例1、2)で多くなっていた。また、反応初期(3、6、9時間目)では熱処理を行なった条件で明らかにL−アラビノース遊離量が多く、熱処理によりL−アラビノース遊離量や遊離速度の向上が可能であることが明らかになった。また、熱処理はスミチームARSを用いた条件で比較的大きな効果が得られることが明らかになった。
【0029】
実施例3〜5、比較例3
ビートパルプ3gを水を用いて表2に示した各条件で熱処理を行なった。処理後、原料に対する水分添加量が総量で30mLになるように水を追加し、L−アラビノース遊離酵素としてスミチームPX(新日本化学製、液体)を22.5μL(ビートパルプに対し0.75重量%)添加し、45℃で24時間L−アラビノース遊離反応を行なった。
【0030】
【表2】
【0031】
遊離してきたL−アラビノースの経時変化を図2に示したが、24時間目のL−アラビノース遊離量は熱処理なしの条件(比較例3)に比べ、熱処理を行なった条件(実施例3〜5)で多くなっていた。また、反応初期(3、6時間目)では熱処理を行なった条件で明らかにL−アラビノース遊離量が多く、熱処理によりL−アラビノース遊離量や遊離速度の向上が可能であることが明らかになった。
【0032】
実施例6〜11、比較例4
ビートパルプ3gを水を用いて表3に示した各条件で熱処理を行なった。処理後、原料に対する水分添加量が総量で30mLになるように水を追加し、L−アラビノース遊離酵素としてスミチームARS(新日本化学製、液体)を3μL(ビートパルプに対し0.1重量%)添加し、45℃で24時間L−アラビノース遊離反応を行なった。
【0033】
【表3】
【0034】
遊離してきたL−アラビノースの経時変化が図3に示したが、反応24時間目のL−アラビノース遊離量は熱処理なしの条件(比較例4)に比べ、熱処理を行なった条件(実施例6〜11)で多くなっていた。また、反応初期(3、6、9時間目)では熱処理を行なった条件で明らかにL−アラビノース遊離量が多く、熱処理によりL−アラビノース遊離量や遊離速度の向上が可能であることが明らかになった。また、熱処理時間が長い条件ほど24時間目のL−アラビノース遊離量が多くなる傾向が観られた。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、L−アラビノースおよびL−アラビノース含有酵素処理物を安価に、単純な工程で、高収率に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1,2、比較例1,2で行なった反応におけるL−アラビノース遊離量の経時変化を示す図である。
【図2】実施例3〜5、比較例3で行なった反応におけるL−アラビノース遊離量の経時変化を示す図である。
【図3】実施例6〜11、比較例4で行なった反応におけるL−アラビノース遊離量の経時変化を示す図である。
Claims (2)
- アラビナン、アラビノキシランまたはアラビノガラクタンを含有する天然物に酵素を作用させてL−アラビノースを得るに際し、該天然物を予め熱処理することを特徴とするL−アラビノースの製造方法。
- アラビナン、アラビノキシランまたはアラビノガラクタンを含有する天然物に酵素を作用させてL−アラビノース含有酵素処理物を得るに際し、該天然物を予め熱処理することを特徴とするL−アラビノース含有酵素処理物の製造方法。
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