JP5805021B2 - 内視鏡用予備洗浄装置 - Google Patents
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Description
前記内視鏡においては、通常、該内視鏡を介した院内感染を防止するために、使用後の徹底した洗浄及び消毒を行うことが義務付けられている。
具体的には、使用された内視鏡は、臨床医の手によって直ちに予備洗浄を施され、その後、既知の内視鏡洗浄消毒装置(例えば、「特許文献1」を参照。)によって、洗浄・消毒・すすぎ・乾燥などの各種処理が施される。そして、このような徹底した洗浄及び消毒が施された内視鏡は、その後、再び医療現場に投入されて用いられるのである。
ここで、予備洗浄においては、専用のスポンジや小型ブラシなどの小物類による、内視鏡の外部の洗浄作業と、専用の長尺の洗浄ブラシによる、内視鏡の内部(管路)の洗浄作業とが、所定の工程に従って順次行われるところ、病院内に設置されているシンクには、これらの小物類や洗浄ブラシなどを収納する場所が設けられていない。
従って、これらの小物類(より具体的には、スポンジや小型ブラシなど)や洗浄ブラシなどが、同一のシンク内の限られたスペースにおいて同時に放置された状況の中で、内視鏡50の予備洗浄が行われており、作業性の低下を引き起こす要因となっていた。
即ち、本発明における内視鏡用洗浄装置によれば、予備洗浄に関する作業性の向上を図ることができる。
[内視鏡用予備洗浄装置1の全体構成]
先ず、本発明を具現化する内視鏡用予備洗浄装置1の全体構成について、図1、図2、図5、及び図6を用いて説明する。
なお、以下の説明に関しては便宜上、図2、図5、及び図6の上下方向を内視鏡用予備洗浄装置1(或いは、内視鏡用予備洗浄装置201)の上下方向と規定して記述する。
また、図1、図2、図5、及び図6においては、矢印Aの方向、及び該矢印Aの対向方向を、それぞれ左側及び右側と規定して記述する。さらに、図1においては、平面視における矢印Aとの直交方向且つ右方を背面側と規定するとともに、前記矢印Aとの直交方向且つ左方を前面側と規定して記述する。
予備洗浄装置1は、図1に示すように、主に洗浄槽2やスタンド3や洗浄ブラシ4などにより構成される。
洗浄槽2は、下側槽21や、該下側槽21の内側に上方より嵌装される上側槽22などにより構成される。
下側槽21は、上側槽22を容易に嵌合可能な十分な内容積を有しつつ、該上側槽22の外観形状に基づいて形成される。
具体的には、例えば本実施形態において、下側槽21は、上方に開口される直方体形状の箱形状に形成される。
また、底面21aの四隅において、これら複数の突出部21b・21b・・・を避けた位置には、開口部21c・21c・・・(図2においては、断面正面図であるため、2個の開口部21c・21cを記載する)が形成される。
つまり、下側槽21の開口部21cが、シンク100によって塞がれる心配もない。
そして、洗浄槽2の外部に排水された汚水は、シンク100内に一旦集められ、その後、流し口100aを通って下水道へと排水されるのである。
例えば、図6に示すように、別実施形態における内視鏡用予備洗浄装置301のような、下側槽321の底面321aの裏面に、該底面321aの外縁に沿って形成される帯状凸部321bを設けることとしてもよい。
このような底面視矩形環状の帯状凸部321bであれば、下側槽321の底面321aの裏面が、シンク100の上面に密接されることを十分に防ぐことができ、前記下側槽321の開口部321cが、シンク100によって塞がれる心配もないためである。
上側槽22は、本体部22Aや鍔部22Bなどにより一体的に形成される。
本体部22Aは、例えば本実施形態においては、上方に開口される略直方体形状の箱状に形成される。
また、本体部22Aの底面222は、第一底面部222Aと、該第一底面部222Aの右側(平面視において左側面221との対向側。以下、同じ。)において前記第一底面部222Aに比べて低い位置(即ち、第一底面部222Aに比べて下方の位置)に配設される第二底面部222Bとにより一体的に形成される。
そして、底面223aには、排水用の複数の貫通孔223b・223b・・・が穿孔される。
そして、後述するように、前記開口部222bには通常、栓26が嵌設されており、例えば、洗浄槽2(より具体的には、上側槽22)内の汚水を外部に排水するなどのような特別な場合においてのみ、栓26を脱着させて、開口部222bを開放するようになっている。
そして、吸引用ホース24の他端部は、図示せぬポンプの吸入口と連結されている。つまり、前記ポンプと上側槽22内とは、吸引用ホース24によって連通されており、後述するように、上側槽22内に貯溜される洗浄液やすすぎ水が、前記ポンプによって循環されるようになっている。
鍔部22Bは、本体部22Aの上端部の外縁に沿って水平状に配設され、該本体部22Aと一体的に形成される。
前記凹部226は、平面視にて右側に突出するようにして形成されており、その底面の位置は、第一底面222Aに比べて高い位置(即ち、第一底面部222Aに比べて上方の位置)となるように形成されている。
そして、後述するように、空間部27内に収納された洗浄ブラシ4は、前記開口部225aを介して、上側槽22の内側へと引き出されることとなる。
スタンド3は、内視鏡50の予備洗浄を行う際において、例えば、該内視鏡50のコネクター部52(図3を参照)を、洗浄槽2(より具体的には、上側槽22)の外部にて、着脱可能に保持するためのものである。
スタンド3は、保持部材31やガイドロッド32などにより構成される。
保持部材31は、図1に示すように、把持部31Aや支持部31Bなどにより構成される。
即ち、把持部31Aには、平面視略「C」字状の切欠部31aが形成されており、該切欠部31aの開口部が右側、且つ前面側にて示される斜方向に向くようにして、前記把持部31Aが配設される。
なお、前記切欠部31aの内径寸法は、内視鏡50のコネクター部52の外径寸法と、略同程度となっている。
ガイドロッド32は、例えば、本実施形態においては、中空の丸棒部材などによって構成され、上側槽22の鍔部22B上面の一箇所(例えば、本実施形態においては、鍔部22B上面における左側、且つ背面側(平面視において、矢印Aとの直交方向、且つ右方。以下同じ。)の箇所)に立設される。
こうして、保持部材31は、支持部31Bを介して、ガイドロッド32に沿って、上下方向に摺動可能に設けられるとともに、前記ガイドロッド32上の任意の位置にて堅固に固定可能となっている。
こうして、図5に示すように、内視鏡50のコネクター部52は、洗浄槽2の外部(上側槽22の上方)にて容易、且つ堅固に保持されるのである。
一方、保持部材31によって保持された内視鏡50のコネクター部52を、該保持部材31より離脱させる場合は、把持部31Aの切欠部31a(図1を参照)の開口部を介して、前記コネクター部52を引き出すことによって、容易に行うことができるのである。
洗浄ブラシ4は、内視鏡50の内部に形成される、複数の管路(図示せず)内に付着した汚物を取り除くために、内視鏡50に予め付属されている既知の部品である。
洗浄ブラシ4は、図2に示すように、ワイヤー部4aや、該ワイヤー部4aの一端に設けられるブラシ部4bや、該ワイヤー部4aの他端に設けられる取手部4cなどにより構成される。
具体的には、洗浄ブラシ4は、ワイヤー部4aの大部分、及び取手部4cが前記空間部27に収納されるとともに、ブラシ部4bが、上側槽22の右側面225の開口部225aを貫通し、本体部22Aの内側に突出した状態によって保持されている。
この際、引き出された洗浄ブラシ4の長さ寸法が所定の寸法にまで達すると、取手部4cが上側槽22の右側面225に当接され、前記洗浄ブラシ4を引き出すことが、もはや不可能な状態となる。
次に、本実施形態における予備洗浄装置1によって、内視鏡50の予備洗浄を行う際の作業手順について、図2、図3、及び図4を用いて説明する。
なお、以下の説明に関しては便宜上、図3、及び図4における矢印Aの方向、及び該矢印Aの対向方向を、それぞれ左側及び右側と規定して記述する。また、図3、及び図4においては、平面視における矢印Aとの直交方向且つ右方を背面側と規定するとともに、前記矢印Aとの直交方向且つ左方を前面側と規定して記述する。
この際、洗浄ブラシ4(より具体的には、ワイヤー部4aの大部分、及び取手部4c。以下同じ。)は、洗浄槽2の空間部27に収納されている。また、上側槽22の開口部222bは、栓26によって閉塞された状態となっている。
ここで、洗浄槽2内に投入された内視鏡50は、所定の姿勢によって、所定の位置に載置されることとなる。
また、この際、コネクター部52は、上側槽22の第一底面部222A上において、操作部51やユニバーサルケーブル53となるべく干渉を避けた位置に載置される。
その後、所定量の水が洗浄槽2内に満たされ、計量カップなどを用いて必要量に計量された洗剤が、洗浄槽2内に投入される(なお、以下においては、この際に生成された水と洗剤との混合液(洗剤溶液)を、「洗浄液」と記載する)。
この際、第一底面部222A上に載置される内視鏡50の操作部51やコネクター部52は、洗浄槽2内に満たされた洗浄液に完全に水没した状態となっている。
この際、スタンド3を用いて、内視鏡50のコネクター部52を、適宜、上側槽22の外部に保持することとしており、これにより、該上側槽22の本体部22A内のスペースを、より一層効果的に利用することができるのである。
即ち、洗浄槽2内に注がれた所定量の水は、上側槽22の本体部22A内、且つ第一凸設部位223の外側の領域において略満たされることとなり、該第一凸設部位223の内側の領域に浸入してくることは殆どない。
従って、第一凸設部位223の底面223a上であれば、洗浄槽2内に注がれた水によって濡らされることも少なく、衛生的に小物類を保持することができるのである。
従って、底面223a上に載置することにより、小物類は、貫通孔223bを通過する洗浄液の泡によって洗浄されることから、衛生的に保持されるのである。
また、図4に示すように、第一底面222A上に載置されていた内視鏡50の操作部51は、凹部226へと移動され、該凹部226に先端部を凭れさせるようにして、改めて載置しなおされる。この際、操作部51は、洗浄槽2内に満たされた洗浄液の水面より、幾分か出た状態となっている。
そして、洗浄ブラシ4が洗浄槽2の空間部27(図2を参照)より引き出される。
そして、前記ブラシ部4bが、内視鏡50の管路内を通過して該内視鏡50の外部へと抜け出ると、洗浄ブラシ4は、該内視鏡50の管路内より引き抜かれる。
このようにして、内視鏡50の管路は、洗浄ブラシ4(より具体的には、ブラシ部4b)によってブラッシングされるのである。
そして、先端部のブラシ部4bが、内視鏡50の外部へと抜け出ると、洗浄ブラシ4は、再び内視鏡50の管路内より引き抜かれる。
こうして、内視鏡50の管路に対するブラッシング(即ち、内視鏡50の管路に対する、洗浄ブラシ4の挿通、及び抜脱)は、連続的に数回繰返される。
また、図3に示すように、凹部226を介して載置されていた内視鏡50の操作部51は、第二突出部位224の右側の側面に沿いつつ、ユニバーサルケーブル53の基部53aとともに該第二突出部位224を挟持するようにして、再び第一底面部222A上に載置される。この際、操作部51は、洗浄液に完全に水没した状態となっている。
つまり、サクションフィルター23、吸引用ホース24、ポンプ(図示せず)、洗浄用ホース25、内視鏡50の管路と、順に連結された状態となる。
このような連結状態において、前記ポンプの運転が開始されると、上側槽22の本体部22A内に貯溜される洗浄液は、サクションフィルター23を介して吸引用ホース24内へと導かれ、その後、前記ポンプ、洗浄用ホース25、内視鏡50の管路と順に循環され、再び上側槽22の本体部22A内に放出される。
そして、下側槽21内へと送られた洗浄液の泡は、開口部21cを介して、洗浄槽2の外部へと排出されるのである。
ここで、上側槽22の第二底面部222Bに嵌設される栓26を、開口部222bより脱着させると、上側槽22の内部に貯溜された汚水は、該開口部222bを介して、下側槽21の内部(より具体的には、空間部27内)へと導かれ、その後、該下側槽21の開口部21cを介して、洗浄槽2の外部(より具体的には、シンク100)へと排水される。
そして、内視鏡50の外周面のすすぎが終了すると、上側槽22の第二底面部222Bの開口部222bに、栓26が再び嵌設される。
そして、上側槽22の本体部22A内に所定量の水が溜まると、前述したポンプの運転が開始され、前記水がすすぎ水として内視鏡50の管路内に循環される。
これにより、予備洗浄装置1による内視鏡50の予備洗浄が終了することとなる。
即ち、内視鏡50の予備洗浄の内容としては、以上に示した内容のほかに、エアポンプによる内視鏡50のリークチェックや、洗浄後の内視鏡50の乾燥作業などが含まれることは、言うまでもない。
但し、これらの作業については、予備洗浄装置1に対して別途設けられるエアポンプや乾燥装置(何れも図示せず)などにより行われることとなる。
また、本実施形態における予備洗浄装置1によれば、上側槽22の本体部22A内にて、内視鏡50と洗浄ブラシ4とが同時に放置されることを、極力避けることができるため、内視鏡50が洗浄ブラシ4によって傷付けられる心配もなく、該内視鏡50に対して安心して予備洗浄できるのである。
よって、第一凸設部位223の内側に、スポンジや小型ブラシなどの小物類を載置することとすれば、洗浄槽2内に注がれた水などによって濡らされることもなく、衛生的に前記小物類(スポンジや小型ブラシなど)を保持することができるのである。
また、第一底面部222Aに比べて下方に位置する第二底面部222Bに、開口部222bが形成されることにより、例えば、上側槽22の内部に貯溜された汚水を排水する際においても、該汚水の自重によって、容易に前記開口部222bを介して、外部に排水されることになるのである。
3 スタンド
4 洗浄ブラシ
21 下側槽
21a 底面
22 上側槽
27 空間部
50 内視鏡
51 操作部
52 コネクター部
222 底面
222A 第一底面部
222B 第二底面部
222b 開口部
223 第一凸設部位
226 凹部
Claims (4)
- 内視鏡の予備洗浄を行う内視鏡用予備洗浄装置であって、
前記内視鏡の洗浄スペースを確保する洗浄槽と、
前記内視鏡内部の管路に挿入可能な洗浄ブラシと、
を備え、
前記洗浄槽は、
下側槽と、
該下側槽の内側に、上方より嵌装される上側槽と、
を有し、
該上側槽の底面は、
前記下側槽の底面に対して、上方に離間して設けられ、
前記洗浄ブラシは、
前記上側槽の底面と前記下側槽の底面との間隙に収納される、
ことを特徴とする内視鏡用予備洗浄装置。 - 前記上側槽の底面は、
第一底面部と、
該第一底面部に比べて下方に位置する第二底面部と、
を有し、
前記第一底面部には、筒状の凸設部位が形成されるとともに、
前記第二底面部には、開口部が形成される、
ことを特徴とする、請求項1に記載の内視鏡用予備洗浄装置。 - 前記上側槽は、前記内視鏡を着脱可能に保持するスタンドを備える、
ことを特徴とする、請求項1、又は2に記載の内視鏡用予備洗浄装置。 - 前記上側槽の上端部には、前記内視鏡の端部の形状に即した凹部が形成される、
ことを特徴とする、請求項1、2、又は3に記載の内視鏡用予備洗浄装置。
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