JP5804221B2 - テレスコピックステアリング装置用アウタコラム - Google Patents

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Description


本発明は、ステアリングホイールの前後位置の調節が可能であるテレスコピックステアリング装置に用いられるアウタコラムに関する。

自動車の操舵輪(通常は前輪)に舵角を付与するためには、図12に示すようなステアリング装置が広く用いられている。このステアリング装置では、車体1に支持された円筒状のステアリングコラム2の内径側に、ステアリングシャフト3が回転可能に支持される。ステアリングコラム2の後端開口よりも後方に突出した、ステアリングシャフト3の後端部分に、ステアリングホイール4が固定される。ステアリングホイール4の回転は、ステアリングシャフト3、自在継手5a、中間シャフト6、自在継手5bを介して、ステアリングギヤユニット7の入力軸8に伝達される。入力軸8の回転により、ステアリングギヤユニット7の両側に配置された1対のタイロッド9が押し引きされて、操舵輪に、ステアリングホイール4の操作量に応じた舵角が付与される。

図12に示すステアリング装置では、運転者の体格や運転姿勢に応じて、ステアリングホイール4の前後位置を調節するためのテレスコピック機構が備えられている。テレスコピック機構は、ステアリングコラム2を、後側のアウタコラム10の前端部を前側のインナコラム29の後端部に軸方向に関する相対変位を可能に内嵌して、テレスコープ状に全長を伸縮可能とすると共に、ステアリングシャフト3を、アウタチューブ11aとインナシャフト11bとをスプライン係合などによってトルク伝達自在かつ伸縮自在に組み合わせることにより、構成される。

また、ステアリングコラム2およびステアリングシャフト3は、衝突事故の際に、衝撃エネルギを吸収しつつ、ステアリングホイール4を前方に変位させることが可能な構造を備える。すなわち、衝突事故の際には、自動車が他の自動車などに衝突する一次衝突に続いて、運転者の身体がステアリングホイール4に衝突する二次衝突が発生するが、この二次衝突の際に、運転者の身体に加わる衝撃を緩和して、運転者の保護を図るために、ステアリングホイール4を支持したステアリングシャフト3は、車体1に対して、二次衝突に伴う前方への衝撃荷重により前方に変位可能に支持されている。具体的には、アウタコラム10がステアリングコラム2の全長を縮めながら前方に変位し、かつ、アウタチューブ11aがステアリングシャフト3の全長を縮めながら前方に変位する。

近年、自動車の盗難対策として、各種盗難防止装置が自動車に備えつけられている。その一種として、正規の鍵を使用しない限り、ステアリングホイールの操作を不能にするステアリングロック装置が、広く実施されている。図13は、特開2008−265646号公報に記載されているステアリングロック装置の1例を示している。ステアリングロック装置12は、ステアリングコラム2aの一部にロックユニット13を設けると共に、ステアリングシャフト3aの一部で、ロックユニット13と軸方向に関する位相が一致する位置に、周方向の少なくとも1箇所に係合凹部14を形成した、キーロックカラー15を外嵌固定することにより、構成される。そして、作動時(キーロック時)にロックユニット13を構成するロックピン16の先端部を、ステアリングコラム2aの軸方向中間部に形成されたロック用透孔17を通じて、ステアリングコラム2aの内径側に向けて変位させ、係合凹部14と係合させることで、ステアリングシャフト3aの回転を実質的に不能にする。すなわち、イグニッションキーをOFFして、係合凹部14とロックピン16とを係合させた状態で、ステアリングホイール4を所定値(キーロックレギュレーションにより規定された値)を超える力で回転させた場合には、ステアリングシャフト3aはキーロックカラー15に対して回転する。ただし、ステアリングホイール4を通常に操作する程度の力では、ステアリングシャフト3aが回転することはない。なお、キーロックカラー15をステアリングシャフト3aに対し、相対回転しないように固定した構造や、キーロックカラー15をステアリングシャフト3aに一体成形した構造のステアリングロック装置も知られている。さらに、ステアリングホイール4が所定値を超える力で回転した場合にも、キーロックカラー15やステアリングシャフト3aの破損が防止される構造を備えたステアリングロック装置も存在する。

ステアリングロック装置12を、ステアリング装置に組み込む場合には、ステアリングコラム2aの外径側にロックユニット13が設けられ、かつ、ステアリングコラム2aの内径側にキーロックカラー15が設けられる。したがって、キーロックカラー15をステアリングコラム2aの内径側に回転可能に配置すると共に、ロックピン16のストロークを過大にすることなく、ロックピン16とキーロックカラー15とを確実に係脱させるために、少なくともステアリングロック装置12を組み込んだ部分におけるステアリングコラム2aの外径は小さく、その内径は大きくする、すなわち、当該部分のステアリングコラム2aの厚さを薄くする必要がある。

図14は、特開2007−223383号公報に記載されたアウタコラム10aを示している。アウタコラム10aは、アルミニウム系合金あるいはマグネシウム系合金などの軽合金製で、鋳造により一体に形成されている。また、アウタコラム10aの軸方向端部に、円筒状のインナコラムの端部を軸方向に相対変位可能に内嵌するための嵌合保持部分30が設けられており、アウタコラム10aの軸方向中間部に、ステアリングロック装置12を組み込むための、ロック用透孔17aが設けられている。このような構造のアウタコラム10aでは、ステアリングロック装置12を作動した状態で必要とされる強度が十分に確保されない可能性がある。すなわち、ロック用透孔17aを通じて前記アウタコラム10aの内径側に突出させたロックピン16をキーロックカラー15の係合凹部14に係合させた状態で、ステアリングホイール4を大きな力で回転させようとした場合に、ロック用透孔17aが過度に大きな力に起因して、変形する可能性がある。したがって、このような変形を防止するためには、アウタコラム10aの強度を十分に確保する必要がある。そのためには、アウタコラム10aの肉厚を大きくしたり、このアウタコラム10aを鉄系材料により製造したりすることが考えられるが、この場合、ステアリングコラム全体の重量が増大するなどの問題を生じる。

特開2008−265646号公報 特開2007−223383号公報

本発明は、上述のような事情に鑑みて、盗難防止用のキーロックシステムが組み込まれた場合にも十分な強度を確保され、かつ、ステアリングホイールの前後位置を調節可能にしたり、調節後の位置に保持したりする作業の円滑性が十分に確保される、テレスコピックステアリング装置用アウタコラムを提供することを目的としている。

本発明のテレスコピックステアリング装置用アウタコラムは、内径を拡縮可能にするために、軸方向一端部に形成されたスリットと、該スリットを幅方向両側から挟む位置に設けられた1対の被挟持板部と、該1対の被挟持板部から軸方向に離れ、かつ、周方向に関する位相が前記スリットの中心軸から外れた部分に、内外両周面同士を連通する状態で形成されたロック用透孔とを備える。また、前記1対の被挟持板部の互いに整合する部分には、軸方向に伸長する長孔が形成されている。

特に、本発明のテレスコピックステアリング装置用アウタコラムにおいては、 前記軸方向一端部で、少なくとも、軸方向に関して前記ロック用透孔に最も近く、かつ、周方向に関して前記ロック用透孔に最も近い部分の前記スリットの幅を拡縮する方向に関する剛性が、軸方向に関して前記ロック用透孔に最も近く、かつ、周方向に関して前記ロック用透孔から最も離れた部分、軸方向に関して前記ロック用透孔から最も離れ、かつ、周方向に関して前記ロック用透孔に最も近い部分、並びに、軸方向に関して前記ロック用透孔から最も離れ、かつ、周方向に関して前記ロック用透孔から最も離れた部分の前記スリットの幅を拡縮する方向に関する剛性よりも、高くなっている。好ましくは、前記軸方向に関して前記ロック用透孔に最も近く、かつ、周方向に関して前記ロック用透孔に最も近い部分の前記スリットの幅を拡縮する方向に関する剛性と共に、軸方向に関して前記ロック用透孔から最も離れ、かつ、周方向に関して前記ロック用透孔に最も近い部分、および、軸方向に関して前記ロック用透孔から最も離れ、かつ、周方向に関して前記ロック用透孔から最も離れた部分のうちの何れかの部分の前記スリットの幅を拡縮する方向に関する剛性が、前記4つの部分のうちの残りの部分の前記スリットの幅を拡縮する方向に関する剛性よりも高くなっている。

より具体的には、本発明のテレスコピックステアリング装置用アウタコラムにおいては、前記スリットは、径方向から見て略H字形の形状を有し、軸方向に形成された主スリット部と、該主スリット部の軸方向両端部に周方向に形成され、その周方向中間部に前記主スリット部の軸方向端部をそれぞれ連続させた1対の副スリット部とにより構成される。そして、前記1対の副スリット部を構成する4つの端部のうち、少なくとも、軸方向に関して前記ロック用透孔に近い側に存在する一方の副スリット部を構成し、周方向に関して前記ロック用透孔に近い部分に存在する最近接端部の前記主スリット部からの周方向長さが、前記1対の副スリット部を構成するその他の端部の前記主スリット部からの周方向長さよりも短くなっている。この構成により、前記最近接端部が形成されている部分の前記スリットの幅を拡縮する方向に関する剛性が、前記1対の副スリット部を構成するその他の端部が形成されている部分の前記スリットの幅を拡縮する方向に関する剛性よりも高くなっている。

好ましくは、前記1対の被挟持板部のうちで、周方向に関して前記ロック用透孔に近い側に設けられた一方の被挟持板部と、前記ロック用透孔との間部分に、前記最近接端部が位置しないように、すなわち、前記一方の被挟持板部およびロック用透孔と該最近接端部とが軸方向に重畳しないように、前記最近接端部の前記主スリット部からの周方向長さが規制される。

また、前記1対の副スリット部のうち、軸方向に関して前記ロック用透孔に近い側に存在する他方の副スリット部の2つの端部のうち、一方の端部の前記主スリット部からの周方向長さが、他方の端部の前記主スリット部からの周方向長さよりも短くなっていることが好ましい。この構成により、前記他方の副スリット部の前記一方の端部が形成されている部分の前記スリットの幅を拡縮する方向に関する剛性が、前記他方の副スリット部の前記他方の端部が形成されている部分の前記スリットの幅を拡縮する方向に関する剛性よりも高くなる。好ましくは、前記他方の副スリット部の前記一方の端部を、前記他方の副スリット部の2つの端部のうち、前記最近接端部に対し対角線位置に存在し、前記ロック用透孔から最も離れた位置に存在する最遠隔端部とする。代替的に、前記他方の副スリット部の前記一方の端部を、前記他方の副スリット部の2つの端部のうち、周方向に関して前記ロック用透孔に近い側の端部とすることもできる。

好ましくは、前記最近接端部を囲む部分に補強リブが設けられる。さらに好ましくは、前記補強リブが、前記最近接端部を軸方向に直線的に通過する状態で設けられる。

また、本発明のアウタコラムは、軽合金製で端部を有する本体部分と、鉄系材料製で、軸方向中間部および該軸方向中間部よりも小さい内径寸法の端部を有する円筒状部材とが、前記本体部分の端部に、前記円筒状部材の端部を内嵌固定して軸方向に結合することにより構成されていることが好ましい。そして、前記スリットおよび前記1対の被挟持板部は、前記本体部分に設けられ、かつ、前記ロック用透孔は、前記円筒状部材に設けられる。

本発明によれば、テレスコピックステアリング装置用アウタコラムの強度および剛性の確保と、柔軟性の確保とを高次元で両立させることができる。このため、ステアリングロック装置を作動させたままステアリングホイールを回転させた場合に、アウタコラムのうちでインナコラムを内嵌保持した嵌合保持部分に生じる応力を軽減でき、しかも、この嵌合保持部分の内径を拡縮するために要する力を小さく抑えることができる。この結果、ステアリングロック装置を設けた構造で、前記アウタコラムの耐久性を十分に確保しつつ、前記ステアリングホイールの前後位置調節を可能としたり、前後位置を調節後の位置に保持したりするための、前記嵌合保持部分の内径を拡縮する作業を円滑性が十分に確保されるため、調節レバーの操作感の向上を図ることができる。

図1は、本発明の実施の形態の第1例を示す、アウタコラムを斜め下方から見た斜視図である。 図2は、第1例のアウタコラムを下方から見た正投影図である。 図3(A)は、図2の上方から見た側面図であり、図3(B)は、図2の下方から見た側面図である。 図4(A)〜図4(C)は、第1例のアウタコラムの製造方法を工程順に示す断面図である。 図5は、第1例のアウタコラムを組み込んだステアリング装置の1例を示す側面図である。 図6は、図5の上方から見た平面図である。 図7は、第1例の各部に加わる力の状態を説明するための、図2と同様の図である。 図8は、本発明の実施の形態の第2例を示す、図1と同様の図である。 図9は、第2例についての図2に相当する図である。 図10は、本発明の実施の形態の第3例を示す、図7(A)に相当する図である。 図11は、本発明の実施の形態の第4例を示す、図7(A)に相当する図である。 図12は、従来の自動車用ステアリング装置の1例を示す、部分切断側面図である。 図13は、従来のステアリングロック装置を組み込んだ自動車用ステアリング装置の1例を示す、部分切断略側面図である。 図14は、従来の軽合金製のアウタコラムの1例を示す側面図である。

[実施の形態の第1例]

図1〜図5は、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の特徴は、アウタコラム10bに設けたスリット31の形状、および、スリット31の周辺部の構造を工夫した点にある。その他の部分の構成、作用および効果については、電動式パワーステアリング装置の構造を含めて、従来構造と同様である。したがって、以下、本例の特徴部分を中心に説明を行う。

本例のアウタコラム10bは、アルミニウム系合金、マグネシウム系合金などの軽合金製の本体部分18と、炭素鋼などの鉄系材料製の円筒状部材19とを軸方向に結合することにより構成される。具体的には、図4(A)に示すように、円筒状部材19の前端部(車体への組み付け状態で車体の前後方向前側の端部)絞り加工を施すことにより、円筒状部材19の前端部内径寸法を、円筒状部材19のうち、本体部分18の後端面(車体への組み付け状態で車体の前後方向後側の端面、図4(A)の右端面)が形成される部分の内径側に位置する部分の内径寸法よりも小さくする。また、円筒状部材19の前端部の外周面の複数箇所(図示の例では4箇所)には、プレス加工により、凹部20が設けられる。そして、円筒状部材19の前端寄り部分を、図4(A)に示すように、金型21の端面22に開口した挿入孔23に挿通し、金型21内に突出させる。

そして、中子24の先端部25を円筒状部材19の前端部の内径側に挿通し、中子24の先端部25と基端部26との間に設けた段差面27を、円筒状部材19の前端面に突き当てる。この状態で、アルミニウム系合金、マグネシウム系合金などの溶湯を、金型21内に送り込むことにより、本体部分18を形成する。溶湯の一部を、円筒状部材19の凹部20に入り込ませることで、本体部分18の後端部内周面に凸部28を形成する。図4(B)に示すように、金型21から取り出した後に、図4(C)に示すように、円筒状部材19のうちで、本体部分18の内周面よりも径方向内方に突出した前端部内周縁に切削加工を施して、円筒状部材19の少なくとも前端寄り部分の内径を、本体部分18のうち、円筒状部分19との嵌合部から軸方向に外れた部分の内径以上とする。この際、必要に応じて、本体部分18の内周面後端寄り部分にも、切削加工を施し、インナコラム29を挿通する本体部分18の内周面と円筒状部材19の前端縁との間に、二次衝突時にアウタコラム10bの前方への円滑な変位に支障を来す可能性がある、前方を向いた段差面を存在させないようにしている。なお、円筒状部材19の前端部内周面で、それぞれの凹部20に対応する部分に存在する突起の内接円の直径は、本体部分18のうち、円筒状部材19との嵌合部分から軸方向に外れた部分の内径以上として、これらの突起の先端が、本体部分18の非嵌合部分の内周面よりも径方向内方に突出しないようにする。

本例のアウタコラム10bでは、その後端寄り部分が、強度を確保しやすい、鉄系材料製の円筒状部材19により構成されているため、ロックユニット13(図13参照)やキーロックカラー15を取り付けるために、当該部分の厚さを薄くしたり、ロックピン16を挿通するために、ロック用透孔17bを設けたりしても、アウタコラム10b全体の強度を確保することができる。また、円筒状部材19の前端部外周面に形成した凹部20と、本体部分18の後端部内周面に形成した凸部28とを係合させているため、本体部分18と円筒状部材19との軸方向の結合強度が、十分に確保される。さらに、ロックピン16をキーロックカラー15の係合凹部14に係合させた状態で、ステアリングホイール4を大きな力で回転させようとした場合にも、凹部20と凸部28との係合より、本体部分18と円筒状部材19との結合部において高い捩り剛性が確保される。

調節レバー38の操作に伴って、アウタコラム10bの内周面とインナコラム29の外周面との当接圧を十分に高く確保する必要性から、アウタコラム10bのうち、インナコラム29の後端部に外嵌され、インナコラム29との嵌合部である前端部にスリット31が設けられている。本例では、スリット31は、本体部分18に設けられる。さらに、本例では、スリット31は、径方向から見て略H字形の形状を有する。具体的には、スリット31は、主スリット部39と1対の副スリット部40a、40bとにより構成される。主スリット部39は、アウタコラム10bの軸方向(中心軸と平行)に形成されており、アウタコラム10bを構成する1対の被挟持板部32a、32bの間の中央位置に設けられている。副スリット部40a、40bは、主スリット部39の前後方向両端部に周方向に形成されており、それぞれの周方向中間部に、主スリット部39の前後方向端部を連続させている。なお、副スリット部40a、40bのうち、軸方向に関してロック用透孔17bに近い側である後側(図1〜図7の右側)に設けられた副スリット部40aの後端縁は、この後端縁を円筒状部材19と径方向に重畳させた場合に、本体部分18をダイキャスト成形する際の溶湯の漏れ出しや嵌合長さ不足により強度が不足する可能性があることを考慮して、円筒状部材19と径方向に重畳しない位置に存在するように規制されている。すなわち、副スリット部40aの後端縁は、円筒状部材19の前端面より前方に位置する。

1対の被挟持板部32a、32bは、本体部分18の外周面のうちで、スリット31を幅方向両側から挟む位置に、互いに平行に設けられており、本体部分18と一体に形成されている。また、被挟持板部32a、32bの互いに整合する部分には、それぞれアウタコラム10bの軸方向に伸長する前後方向長孔33が形成されている。ステアリング装置を組み立てた状態で、1対の被挟持板部32a、32bは、車体側ブラケット34を構成する1対の挟持板35同士の間に挟持される。1対の挟持板35の互いに整合する部分に通孔36が形成されている。前後方向長孔33および通孔36に、調節ロッド37が挿通されている。調節ロッド37の両端部で、1対の挟持板35の外側面から突出する部分には、1対の挟持板35の外側面に対向する状態で1対の押圧部が設けられている。調節ロッド37および1対の押圧部は、調節レバー38の操作に伴って、押圧部同士の間隔を拡縮し、1対の挟持板35により、1対の被挟持板部32a、32bを互いに近づく方向に押圧する力の大きさを加減できるように構成されている。押圧部同士の間隔を拡げ、1対の被挟持板部32a、32bを互いに近づく方向に押圧する力を小さくすると、嵌合保持部分30aの内径が拡がり、嵌合保持部分30aの内周面とインナコラム29の外周面との当接圧が低くなる。これにより、調節ロッド37が前後方向長孔33内で変位できる範囲で、ステアリングシャフト3の後端部に支持固定したステアリングホイール4(図12参照)の前後位置の調節が可能となる。押圧部同士の間隔を縮め、1対の被挟持板部32a、32bを互いに近づく方向に押圧する力を大きくすると、嵌合保持部分30aの内径が縮まり、嵌合保持部分30aの内周面とインナコラム29の外周面との当接圧が高くなる。これにより、ステアリングホイール4の前後位置が調節後の位置に保持される。なお、1対の被挟持板部32a、32bの形状は、スリット31(主スリット部39)の中心軸を挟んで対称とすることもできるし、互いに異ならせる(非対称とする)こともできる。

本体部分18の外周面のうちの前後方向両端部には、それぞれが下方に向けて突出すると共に、先端面にねじ孔が形成された、ハーネスおよびコラムカバー固定用の取付部44が設けられている。本例の場合、取付部44は、被挟持板部32a、32bのうちで、周方向に関してロック用透孔17bから遠い側に設けられた一方の被挟持板部32aの前後方向両側部分に設けられている。

一方、円筒状部材19の一部には、円筒状部材19の内外両周面同士を連通する、矩形状のロック用透孔17bが形成されている。円筒状部材19と本体部分18とを結合固定した状態で、ロック用透孔17bは、被挟持板部32a、32bから軸方向に離れ、かつ、周方向に関する位相がスリット31(主スリット部39および後側の副スリット部40a)から外れた部分に存在する。なお、本例の場合、スリット31(主スリット部39)の中心軸からの位相のずれが90度以下の範囲(図示の例では約45度)に、ロック用透孔17bが配置されている。

本例の場合、後側の副スリット部40aの両端部である2つのスリット端部41a、41bのうち、周方向に関してロック用透孔17bに近い部分に存在する最近接端部41aの主スリット部39からの周方向長さは、残りのスリット端部41bの主スリット部39からの周方向長さよりも短くなっている。具体的には、被挟持板部32a、32bのうちで、周方向に関してロック用透孔17bに近い側に設けられた他方の被挟持板部32bと、ロック用透孔17bとの間部分に、最近接端部41aが位置しない、すなわち、他方の被挟持板部32bおよびロック用透孔17bと、最近接端部41aとが軸方向に重畳しないように、最近接端部41aの周方向長さが規制されている。これにより、アウタコラム10b(嵌合保持部分30a)のうちで、最近接端部41aが形成されている部分のスリット31の幅を拡縮する方向に関する剛性が、スリット端部41bが形成されている部分のスリット31の幅を拡縮する方向に関する剛性よりも高くなっている。

さらに、本例では、前側の副スリット部41bの両端部である2つのスリット端部42a、42bのうち、最近接端部41aに対し対角線位置に存在し、ロック用透孔17bから最も離れた位置に存在する最遠隔端部42aの主スリット部39からの周方向長さは、残りのスリット端部42bの主スリット部39からの周方向長さよりも短くなっている。これにより、アウタコラム10b(嵌合保持部分30a)のうちで、最遠隔端部42aが形成されている部分のスリット31の幅を拡縮する方向に関する剛性が、スリット端部42bが形成されている部分のスリット31の幅を拡縮する方向に関する剛性よりも高くなっている。

嵌合保持部分30aの外周面で、最近接端部41aを囲む隣接部分に、その他の部分に比べて肉厚が大きくなった、略L字形もしくは略J字形の補強リブ43が形成されている。本例の場合、他方の被挟持板部32bと、ロック用透孔17bとの間部分に、補強リブ43が存在する(軸方向に重畳する)ように、補強リブ43の位置および大きさが規制されている。このように、副スリット部40a、40bの周方向長さを、主スリット部39の幅方向(左右)両側で互いに異ならせると共に、部分的に補強リブ43を形成することにより、アウタコラム10bを構成する嵌合保持部分30aの剛性が調整される。

最近接端部41aが形成されている部分のスリット31の幅を拡縮する方向に関する剛性を、残りのスリット端部41bが形成されている部分のスリット31の幅を拡縮する方向に関する剛性よりも高くすることによる効果について、図7を参照しつつ説明する。

(1)捩り方向の剛性および強度:

捩り方向の剛性および強度は、ステアリングロック装置12(図13参照)を作動させた状態で、ステアリングホイール4を強く回転させた場合にも、嵌合保持部分30aに亀裂などの損傷が発生することを防止するためには、できる限り大きいことが好ましい。

(2)内径を拡縮すべく、被挟持板部32a、32b同士を遠近動させる方向の剛性:

被挟持板部32a、32b同士を遠近動させる方向の剛性は、ステアリングホイール4についての前後位置調節の可否を切り換えるための、嵌合保持部分30aの内径を拡縮する作業を円滑に行わせるためには、適度に低く設定されることが好ましい。

ステアリングロック装置12を作動させた状態で、ステアリングホイール4を強く回転させた場合には、ロック用透孔17bとロックピン16(図13参照)との係合に基づいて、アウタコラム10bの円筒状部材19に、図7(C)に太矢印で示すように、大きなトルクTが加わる。このトルクTは、円筒状部材19と本体部分18との結合部を介して、アウタコラム10cの嵌合保持部分30aに伝わるが、このように嵌合保持部分30aに大きなトルクTが伝わると、嵌合保持部分30aに形成されたスリット31の一部に大きな応力が発生する。このようにして発生する応力の大きさは、トルクTの発生部位である、ロック用透孔17bに近い部分ほど、あるいは、この部分のスリット31の幅を拡縮する方向に関する剛性が低いほど、それぞれ大きくなる。したがって、何らの対策も施さない場合には、嵌合保持部分30aに形成したスリット31のうちで、ロック用透孔17bに最も近い、最近接端部41a部分に大きな応力が発生し、この部分に亀裂などの損傷が発生しやすくなる。

本例の場合、スリット31のうちで、最近接端部41a部分の周方向長さを抑えて、最近接端部41a部分の剛性低下が抑えられている。また、最近接端部41aに隣接する部分に設けられた補強リブ43により、最近接端部41a部分のスリット31の幅を拡縮する方向に関する剛性が高くなっている。このため、嵌合保持部分30aのうちで、ステアリングロック装置12の作動に関連して強度および剛性が特に必要となる部分の強度および剛性が、十分に確保される。この結果、ステアリングロック装置12を作動させた状態で、ステアリングホイール4を強く回転させた場合に、嵌合保持部分30aに加わる大きな捩り応力にかかわらず、スリット31の一部に亀裂などの損傷が発生することが抑制される。

一方、ステアリングホイール4の前後位置を調節後の位置に保持するため、調節レバー38を操作すると、挟持板35から被挟持板部32a、32bに、図7(A)に白抜きの太矢印で示したように、被挟持板部32a、32bを近づけ合う方向の力が加わる。本例のアウタコラム10cの構造の場合、嵌合保持部分30aのうちで、被挟持板部32a、32bを設けた部分のうち、図7(A)に太線の波形で示した、最近接端部41aおよび最遠隔端部41aに対応する部分のスリット31の幅を拡縮する方向に関する剛性は高くなるが、図7(A)に細線の波形で示した、スリット端部41b、42bに対応する部分のスリット31の幅を拡縮する方向に関する剛性は低いままである。このため、嵌合保持部分30aの柔軟性をある程度確保することができるため、調節レバー38に加える操作力をいたずらに大きくしなくても、被挟持板部32a、32bのうちでスリット端部41b、42b側部分の弾性変形量を十分に確保でき、被挟持板部32a、32b同士を十分に近づけることができる。

また、調節レバー38の操作による前記白抜きの太矢印方向に加わる力に基づいて、被挟持板部32a、32bは、図7(B)に示す方向に弾性変形する。すなわち、アウタコラム10bの軸方向に関して、スリット31の幅を拡縮する方向に関する剛性が低い、スリット端部41b、42b側の弾性変形量が多く、スリット31の幅を拡縮する方向に関する剛性が高い、最近接端部41aおよび最遠隔端部42a側の弾性変形量が少なくなるので、被挟持板部32a、32bに関して、前記白抜きの太矢印方向に加わる力に基づく弾性変形量の大小関係は、アウタコラム10cの軸方向に関して互いに逆になる。したがって、前記白抜きの太矢印方向に加わる力に基づいて被挟持板部32a、32bが弾性変形した状態で、被挟持板部32a、32bの長さ方向とアウタコラム10bの軸方向とは不一致になるが、被挟持板部32a、32b同士については互いに平行な状態が維持される。この結果、嵌合保持部分30aの内周面とインナコラム29の外周面との当接部の面圧を、軸方向のほぼ全長にわたって、均一に高くすることができるため、アウタコラム10bの内径を拡縮する作業の円滑性が確保され、アウタコラム10bによるクランプ性を良好なものとすることができる。

以上の通り、本例のアウタコラム10bによれば、軽合金製の本体部分18と鉄系材料製の円筒状部材19を軸方向に結合することで、本体部分18の軸方向寸法を十分に大きくできずに、レイアウトスペースに制約のある中でも、アウタコラム10bの強度および剛性の確保と、その柔軟性の確保とを高次元で両立させることができる。このため、ステアリングロック装置12を作動させたままステアリングホイール4を回転させた場合でも、嵌合保持部分30aに生じる応力を軽減でき、しかも、嵌合保持部分30aの内径を拡縮するために要する力を小さく抑えることができる。この結果、ステアリングロック装置12を設けた構造で、アウタコラム10bの耐久性を十分に確保しつつ、ステアリングホイール4の前後位置調節を可能としたり、その前後位置を調節後の位置に保持したりするための、嵌合保持部分30aの内径を拡縮する作業の円滑性を確保することができるので、調節レバー38の操作感の向上を図ることができる。

また、嵌合保持部分30aの後端部の剛性を、最近接端部41a側で残りのスリット端部41b側よりも高くしたことに伴って、調節ロッド37を前後方向長孔33の後端部に位置させた状態での、調節レバー38の操作に必要な力が、最近接端部41a側のスリット31の幅を拡縮する方向に関する剛性を高くする以前に比べて大きくなる。ただし、嵌合保持部分30aの前端部の剛性についても、最遠隔端部42a側で残りのスリット端部42b側よりも高くしているため、調節ロッド37を前後方向長孔33の前端部に位置させた状態での、調節レバー38の操作に必要な力も同様に大きくなる。これにより、調節ロッド37の前後方向の変位に伴い調節レバー38の操作に必要な力が急激に変化することが防止される。

[実施の形態の第2例]

図8および図9は、本発明の実施の形態の第2例を示している。実施の形態の第1例の場合には、嵌合保持部分30aの外周面のうち、最近接端部41aを囲む隣接部分に、最近接端部41aの輪郭に沿って、略L字形の補強リブ43が形成されている。これに対して、本例のアウタコラム10cでは、嵌合保持部分30aの外周面に、最近接端部41aを軸方向に直線的に通過する状態で、軸方向に伸長した直線状の補強リブ43aが形成されている。要するに、本例では、補強リブ43aの形成範囲が、実施の形態の第1例の場合に比べて広くなっている。また、補強リブ43aは、周方向に関してロック用透孔17bに近い側に設けられた被挟持板部32bと、ロック用透孔17bとの間部分に配置されている。そして、補強リブ43aの前端部を、前記被挟持板部32bの後端部に連続させると共に、補強リブ43aの後端部を、本体部分18の後端側の開口縁部に形成された厚肉部(周方向リブ部)45に連続させている。

本例の場合には、実施の形態の第1例の場合に比べて、最近接端部41aが形成されている部分およびその前後両側部分の剛性を高めることができる。このため、嵌合保持部分30aのうちで、ステアリングロック装置12(図13参照)の作動に関連して強度および剛性が特に必要となる部分の強度および剛性を、十分に向上させることができる。この結果、ステアリングロック装置12を作動させた状態でステアリングホイール4(図12および図13参照)を強く回転させた場合でも、嵌合保持部分30aに加わる大きな捩り応力にかかわらず、嵌合保持部分30aに形成したスリット31の一部に亀裂などの損傷が発生することが抑制される。その他の構成、作用および効果については、実施の形態の第1例の場合と同様である。

[実施の形態の第3例]

図10は、本発明の実施の形態の第3例を示している。実施の形態の第1例の場合には、略H字形のスリット31の対角線位置の端部同士の間で、その剛性を高くするか低くするかの傾向が同じになっている。これに対して、本例のアウタコラム10dでは、略H字形のスリット31aのうちで、幅方向(図10の上下方向)に関して同じ側に位置する端部同士の間で、その剛性を高くするか低くするかの傾向が同じになっている。

具体的には、実施の形態の第1例の場合と同様に、軸方向に関してロック用透孔17bに近い側に存在する副スリット部40aの2つのスリット端部41a、41bのうち、周方向に関してロック用透孔17bに近い部分に存在する最近接端部41aの主スリット部39からの周方向長さが、残りのスリット端部41bの主スリット部39からの周方向長さよりも短くなっている。また、軸方向に関してロック用透孔17bから遠い側に存在する副スリット部40bの2つのスリット端部42a、42bのうち、一方のスリット端部であって、幅方向に関して最近接端部41aと同じ側に設けられているスリット端部42bの主スリット部39からの周方向長さが、他方のスリット端部である、最遠隔端部42aの主スリット部39からの周方向長さよりも短くなっている。これにより、本例のアウタコラム10dでは、嵌合保持部分30bのうちで、最近接端部41aおよびスリット端部42bが形成されている部分のスリット31の幅を拡縮する方向に関する剛性が高くなっている。また、最近接端部41aを囲む部分に補強リブ43が形成されている。ただし、実施の形態の第2例と同様に、最近接端部41aを軸方向に直線的に通過する状態で、軸方向に伸長した直線状の補強リブ43aを形成することもできる。

本例の場合には、嵌合保持部分30bのうちで、ステアリングロック装置12(図13参照)の作動に関連して強度および剛性が特に必要となる部分の強度および剛性を、十分に向上させることができる。このため、ステアリングロック装置12を作動させた状態でステアリングホイール4(図12および図13参照)を強く回転させた場合に、嵌合保持部分30bに加わる大きな捩り応力にかかわらず、スリット31aの一部に亀裂などの損傷が発生することが抑制される。

ステアリングホイール4の前後位置を調節後の位置に保持すべく、調節レバー38(図5参照)を操作した場合には、図10の上側の被挟持板部32aを大きく弾性変形させることができ、ステアリングホイール4の前後位置を調節後の位置に保持する力が十分に大きくなる。このように、嵌合保持部分30bの柔軟性をある程度確保することができる。また、1対の副スリット部40a、40bごとに、一方のスリット端部41a、42bの周方向長さを他方のスリット端部41b、42aの周方向長さよりもそれぞれ短くしているため、調節ロッド37(図5および図12参照)を前後方向長孔33の後端部に位置させた場合と前端部に位置させた場合とで、調節レバー38の操作に必要な力が同じとなる。その他の構成、作用および効果については、実施の形態の第1例の場合と同様である。

[実施の形態の第4例]

図11は、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例のアウタコラム10eでは、略H字形のスリット31bの4つのスリット端部41a、41b、42a、42bのうちで、ロック用透孔17bに近い部分に存在する最近接端部41aの主スリット部39からの周方向長さのみが、残りのスリット端部41b、42a、42bの主スリット部39からの周方向長さよりも短くなっている。また、最近接端部41aの周囲に隣接する部分に補強リブ43が形成されている。ただし、実施の形態の第2例と同様に、最近接端部41aを軸方向に直線的に通過する状態で、軸方向に伸長した直線状の補強リブ43aを形成することもできる。

本例の場合には、嵌合保持部分30cのうちで、ステアリングロック装置12(図13参照)の作動に関連して強度および剛性が特に必要となる部分のみの強度および剛性を、十分に向上させることができる。このため、ステアリングロック装置12を作動させた状態でステアリングホイール4(図12および図13参照)を強く回転させた場合に、嵌合保持部分30cに加わる大きな捩り応力にかかわらず、スリット31bの一部に亀裂などの損傷が発生することが抑制される。

また、本例では、スリット31bの4つのスリット端部41a、41b、42a、42bのうちで、ロック用透孔17bに最も近い部分に存在する最近接端部41aの主スリット部39からの周方向長さのみが、残りのスリット端部41b、42a、42bの主スリット部39からの周方向長さよりも短くなっている。このため、嵌合保持部分30cの柔軟性を十分に確保することができて、調節レバー38(図5参照)に加える操作力をいたずらに大きくしなくても、被挟持板部32a、32b同士を十分に近づけることができる。なお、調節レバー38の操作力は、そのままでは調節ロッド37(図5および図12参照)を前後方向長孔33の後端部に位置させた場合に、前端部に位置させた場合よりも大きくなるが、組み合わせて使用する車体側ブラケット34の挟持板35の剛性を前後方向で異ならせる(挟持板35の前端部で剛性を高くし、挟持板35の後端部で剛性を低くする)ことにより、調節ロッド37を前後方向長孔33の前端部に位置させた場合と後端部に位置させた場合とでほぼ同じにすることができる。その他の構成、作用および効果については、実施の形態の第1例の場合と同様である。

本発明は、チルト機構の設置の有無にかかわらず、ステアリングホイールの前後位置を調節するためのテレスコピック機構を備えた、テレスコピックステアリング装置に対して広く適用することができる。

1 車体

2、2a ステアリングコラム

3、3a ステアリングシャフト

4 ステアリングホイール

5a、5b 自在継手

6 中間シャフト

7 ステアリングギヤユニット

8 入力軸

9 タイロッド

10、10a〜10e アウタコラム

11a アウタチューブ

11b インナシャフト

12 ステアリングロック装置

13 ロックユニット

14 係合凹部

15 キーロックカラー

16 ロックピン

17、17a、17b ロック用透孔

18 本体部分

19 円筒状部材

20 凹部

21 金型

22 端面

23 挿入孔

24 中子

25 先端部

26 基端部

27 段差面

28 凸部

29 インナコラム

30、30a〜30c 嵌合保持部分

31、31a、31b スリット

32a、32b 被挟持板部

33 前後方向長孔

34 車体側ブラケット

35 挟持板

36 通孔

37 調節ロッド

38 調節レバー

39 主スリット部

40a、40b 副スリット部

41a、41b スリット端部 (41a 最近接端部)

42a、42b スリット端部 (42a 最遠隔端部)

43、43a 補強リブ

44 取付部

45 厚肉部

Claims (3)

  1. 軸方向一端部に形成されたスリットと、
    該スリットを幅方向両側から挟む位置に設けられ、互いに整合する部分に軸方向に伸長する長孔が形成されている、1対の被挟持板部と、
    該1対の被挟持板部から軸方向に離れ、かつ、周方向に関する位相が前記スリットの中心軸から外れた部分に形成されたロック用透孔と、
    を備え、
    前記スリットが、径方向から見て略H字形の形状を有し、軸方向に形成された主スリット部と、該主スリット部の軸方向両端部に周方向に形成され、その周方向中間部に前記主スリット部の軸方向端部をそれぞれ連続させた1対の副スリット部とにより構成され、
    前記1対の副スリット部を構成する4つの端部のうち、少なくとも、軸方向に関して前記ロック用透孔に近い側に存在する一方の副スリット部を構成し、周方向に関して前記ロック用透孔に近い部分に存在する最近接端部の前記主スリット部からの周方向長さは、前記1対の副スリット部を構成するその他の端部の前記主スリット部からの周方向長さよりも短くなっており、
    前記1対の副スリット部のうち、軸方向に関して前記ロック用透孔から遠い側に存在する他方の副スリット部の2つの端部のうち、一方の端部の前記主スリット部からの周方向長さは、他方の端部の前記主スリット部からの周方向長さよりも短くなっている、
    テレスコピックステアリング装置用アウタコラム。
  2. 前記他方の副スリット部の前記一方の端部が、前記他方の副スリット部の2つの端部のうち、前記最近接端部に対し対角線位置に存在し、前記ロック用透孔から最も離れた位置に存在する最遠隔端部である、請求項1に記載のテレスコピックステアリング装置用アウタコラム。
  3. 前記他方の副スリット部の前記一方の端部が、前記他方の副スリット部の2つの端部のうち、周方向に関して前記ロック用透孔に近い側の端部である、請求項1に記載のテレスコピックステアリング装置用アウタコラム。
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