JP5802708B2 - 光ファイバ巻き取り用の光ファイバ端末固定具および光ファイバ巻き取り方法 - Google Patents
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Description
すなわち、大径の第2の鍔部(中間鍔部)25Bの外周側に位置する横移動部材15を矢印26の方向へ移動させて光ファイバ11を押したとしても、光ファイバ11が第2の鍔部25Bを乗り越えて移行し得る状態(第2の鍔部25Bに対する角度が一定以上となる状態)となる前に、光ファイバ11が、第2の鍔部25の角部に当接(図25中の丸囲い部分24において当接)してしまって、小径の第1の鍔部25と大径の第2の鍔部25Bとの間では、光ファイバ11がそれより先へは動けなくなって、外側の第1の鍔部25Aと中間の第2の鍔部25Bとの間の幅狭巻取部21に光ファイバ11を落とし込むことができなくなるためである。
巻取機の回転軸に装着されて、光ファイバ巻き取り用ボビンの外側の第1の鍔部との間で、巻き取るべき光ファイバの巻き始め側の端末部分を挟持し、その端末部分を固定するための光ファイバ巻き取り用の光ファイバ端末固定具において、
全体として円盤状をなす基体からなり、
かつ前記円盤状基体の盤面には、ボビンの前記第1の鍔部との間で光ファイバの端末部分を挟む挟持面を有し、
さらに前記円盤状基体におけるボビン側の盤面の外周側の部位には、ボビンに向かって突出しかつボビンの第1の鍔部の外径よりも大きい径で周方向に連続する隆起部が形成されており、
前記円盤状基体の半径方向における前記隆起部の断面形状が、略三角形状とされていることを特徴とするものである。
前記挟持面の延長面からの前記隆起部の突出高さが、ボビンの前記第1の鍔部の厚みより大きいことを特徴とするものである。
巻取機の回転軸に装着されて、光ファイバ巻き取り用ボビンの外側の第1の鍔部との間で、巻き取るべき光ファイバの巻き始め側の端末部分を挟持し、その端末部分を固定するための光ファイバ巻き取り用の光ファイバ端末固定具であって、全体として円盤状をなす基体からなり、かつ前記円盤状基体の盤面には、ボビンの前記第1の鍔部との間で光ファイバの端末部分を挟む挟持面を有し、さらに前記円盤状基体におけるボビン側の盤面の外周側の部位には、ボビンに向かって突出しかつボビンの第1の鍔部の外径よりも大きい径で周方向に連続する隆起部が形成されている光ファイバ端末固定具と、
前記第1の鍔部とその第1の鍔部の隣の第2の鍔部との間に第1の巻取部が区画形成されたボビンと
を用い、
光ファイバの巻き始め側の端末部分を、前記光ファイバ端末固定具の挟持面と前記ボビンの前記第1の鍔部との間に挟んで固定するとともに、光ファイバの一部を、前記隆起部によってボビン側に押しやり、続いて光ファイバ端末固定具とボビンとを一体に回転させて、光ファイバの一部を、前記第1の鍔部を乗り越えさせ、前記第1の巻取部に光ファイバを巻き取ることを特徴とするものである。
また本発明の第4の態様の光ファイバ巻き取り方法は、前記第3の態様の光ファイバ巻き取り方法において、
前記光ファイバ端末固定具として、前記挟持面の延長面からの前記隆起部の突出高さが、ボビンの前記第1の鍔部の厚みより大きい光ファイバ端末固定具を用いることを特徴とするものである。
また本発明の第5の態様の光ファイバ巻き取り方法は、前記第3、第4のいずれかの態様の光ファイバ巻き取り方法において、
前記光ファイバ端末固定具として、前記円盤状基体の半径方向における前記隆起部の断面形状が、略三角形状とされている光ファイバ端末固定具を用いることを特徴とするものである。
前記ボビンとして、第1の鍔部の外周縁から内側に切り込まれた導入溝を有するボビンを用い、光ファイバの巻き始め側の端末部分を、光ファイバ端末固定具の挟持面とボビンの第1の鍔部との間に挟んで固定するとともに、光ファイバの一部を、前記隆起部によってボビン側に押しやり、続いて前記光ファイバ端末固定具とボビンとを一体に回転させて、光ファイバの一部を、前記第1の鍔部を乗り越えさせるに当たり、その光ファイバの一部を、前記導入溝の側縁に係合させて、その導入溝内を通すことを特徴とするものである。
前記ボビンおよび前記光ファイバ端末固定具の各部位の寸法を、
A:ボビンの第1の巻取部の幅、
B:ボビンの前記第1の鍔部の厚み、
C1:ボビンの前記第1の鍔部の高さ、
C2:ボビンの前記第1の鍔部の導入溝の深さ、
R:導入溝の側縁が面取りされている場合の面取り部分の曲率半径、
D:光ファイバ端末固定具における前記挟持面の延長面から前記隆起部の頂部までの高さ、
E:ボビンおよび光ファイバ端末固定具の半径方向における、ボビンの前記第1の鍔部の外周縁から光ファイバ端末固定具の隆起部の頂部までの距離、
L:ボビンの回転軸と平行な方向における、前記第1の鍔部と前記第2の鍔部との間の間隔、
と定義し、次の(1)式、(2)式および(3)式が満たされるように、前記ボビンおよび前記光ファイバ端末固定具の各部位の寸法を定めておくことを特徴とするものである。
前記ボビンとして、前記第1の鍔部および第2の鍔部のほか、第3の鍔部を有し、前記第1の鍔部と第3の鍔部が回転軸線に沿った方向の両端側に形成され、前記第2の鍔部が第1の鍔部と第3の鍔部との間に形成され、かつ前記第1の鍔部と第2の鍔部との間に、前記第1の巻取部が区画形成され、第2の鍔部と第3の鍔部との間に、第2の巻取部が区画形成され、しかも前記第1の巻取部は回転軸線に沿った方向の幅が、前記第2の巻取部の回転軸線に沿った方向の幅よりも小さく定められたものを用いることを特徴とするものである。
前記ボビンとして、前記第1の鍔部の外径が前記第2の鍔部の外径よりも小さいものを用いることを特徴とするものである。
なおまた、本発明では、光ファイバ端末固定具に、巻き取り開始時における巻き取り開始補助部材の機能(例えば従来法における横移動部材の機能など)を担わせているため、別に巻き取り開始補助部材を配置するためのスペースを省くことも可能であり、したがって巻取機周辺の省スペース化にも寄与しうるとともに、巻き始め端末の固定後に改めて巻取補助部材を作動させる必要がないため、巻取部に対する巻取開始までに要する時間も短くすることができる。
図1、図2には、本発明の光ファイバ端末固定具の一例の全体構成を示す。
図1、図2において、光ファイバ端末固定具30は、例えばABS樹脂などの比較的硬質な樹脂あるいはアルミなどの金属によって、全体として円盤状をなす基体(円盤状基体)32によって構成されている。その円盤状基体32の中央部には、図示しない巻取機の回転軸を挿通させるための軸孔34が、中心軸線Oに沿って貫通形成されている。さらにその円盤状基体32の一方の盤面32Aにおける外周縁に近い部分には、中心軸線Oと平行な方向に突出する隆起部36が形成されている。
このボビン20は、基本的には、図24に示したものと同様に、径がd1の小径の外側鍔部(第1の鍔部)25Aと、径がd2の大径の中間鍔部(第2の鍔部)25Bとの間に、中心軸線(回転軸線)Oに沿った方向への幅W1が小さい幅狭巻取部(第1の巻取部)21が形成され、中間鍔部(第2の鍔部)25Bと、径がD2の大径の外側鍔部(第3の鍔部)25Cとの間に、回転軸線に沿った方向への幅W2が大きい幅広巻取部(第2の巻取部)23が形成されている。また一般のボビンと同様に、巻取機の回転軸(巻き取り軸)が挿通される軸孔27が形成されている。そして、本例のボビン20においては、幅広巻取部(第2の巻取部)23の両側の大径鍔部(第2の鍔部25Bおよび第3の鍔部25C)に、外周側から切り込まれたスリット22が形成されている。また本例のボビン20においては、幅広巻取部(第2の巻取部)23の両側の大径鍔部(第2の鍔部25Bおよび第3の鍔部25C)の外面側に、補強用の複数条のリブ29が設けられている。これらのリブ27は必須のものではないが、鍔部の薄肉軽量化に伴う強度低下を補うために設けることが多い。
また図6、図7に示すように、外側鍔部25Aの外周縁面25Aaから、導入溝28における前述の境界領域28Fから、側縁部28A、境界領域28D、底縁部28A、境界領域28D、側縁部28B、および境界領域28Gを経て外側鍔部25Aの外周縁面25Aaに戻る部分は、厚み方向に沿った断面で見て、その角部が曲率半径Rで面取りされている。また、外側鍔部25Aの外周縁25Aaにおける導入溝28以外の部分も、その厚み方向の断面の角部が面取りされていることが望ましい。
なお上記のような導入溝28は、後に改めて説明するように、必ずしも必須のものではなく、鍔部25Aの外周縁が導入溝を持たない単純な円筒面状となっていても良いが、ここでは、導入溝28を有することとして説明を進める。
ただしその場合は、光ファイバ11が第1の鍔部25Aの外周縁面上に一定長巻き取られた後に、その一定長が、一斉に第1の鍔部25Aの内側の第1の巻取部(幅狭巻取部)21に落ち込んで、その巻取部21での巻き取りが開始されるため、時間を要するに加え、巻取不良が発生するおそれも若干あり、したがってボビン外側の第1の鍔部25Aには導入溝28を形成しておくことが望ましい。
各部の寸法を表す符号は、図12に示すように、以下の通りである。
A:第1の巻取部(幅狭巻取部)21の幅(=W1)。
B:第1の巻取部(幅狭巻取部)21の外側の第1の鍔部25Aの厚み。
C1:第1の巻取部(幅狭巻取部)21の外側の第1の鍔部25Aの高さ。
C2:第1の鍔部25Aに形成した導入溝28の深さ。
R:導入溝28の側縁が面取りされている場合の面取り部分の曲率半径(図16〜図18参照:面取りされていない場合はR=0)。
D:固定具30の隆起部36の高さ(挟持面38の延長面から隆起部36の頂部36Aまでの高さ)。
E:ボビン20および固定具20の半径方向における、第1の巻取部21の外側の第1の鍔部25Aの外周縁から、隆起部36の頂部36Aまでの距離。
L:ボビン20の回転軸と平行な方向における、第1の鍔部25Aと第2の鍔部(中間鍔部)25Bとの間の間隔(第2の鍔部25Bの外側にリブ29が形成されている場合には、第1の鍔部25Aの内面と、図12中に示すようにリブ29を含む第2の鍔部25Bの最外面側の面との間の間隔)。
H:第2の巻取部(幅広巻取部)23の外周面からの第2の鍔部(中間鍔部)25Bの高さ。
(4)式の左辺は、図13に模式的に示しているように、挟持面38に挟持された光ファイバ11を、導入溝28の底部の挟持面38側の箇所(面取りされていない縁)から第1の鍔部25Aの外周縁の位置(第2の鍔部25Bの側の縁)との間に光ファイバ11を張った場合の傾きを表している。一方、(4)式の右辺は、図14に模式的に示しているように、挟持面38から導入溝28の底部を経て、第2の鍔部25Bの外周縁部の角(第1の鍔部25Aの側の角)に、光ファイバ11を張った場合の傾きを表している。
ここで上記(4)式の左辺が右辺より大きければ、従来例のような横移動部材(例えば図21、図22の符号15)によって光ファイバ11を第2の鍔部25Bの角に接触するまでボビン20側へ押し込めば、光ファイバ11は、導入溝28を跨いで引っ掛かることにより、巻取部21に導かれる。その時のボビン20と光ファイバ11との位置関係は、導入溝28を真上から見れば、図15に示す状況となる。
まず、光ファイバ11が導入溝28を跨いで巻取部21に導入される条件は次の(7)式(既に示した(2)式と同じ)で表される。
さらに、光ファイバの巻き始め端末を固定具30とボビン鍔側面との間に挟んで固定するだけで、光ファイバを巻取部に導入する準備が完了する。従って巻き始め端末の固定後に、改めて光ファイバを誘導するための装置を動かす必要がないため、巻取開始までに要する時間も増加しない。
実験を行った2種類のボビンA、ボビンB及び1種類の光ファイバ端末固定具の各部位の寸法を下記の表1に示す。さらにそれらの各寸法が、(1)式、(2)式、(3)式を満たすことを検証した結果を表2に示す。
Claims (9)
- 巻取機の回転軸に装着されて、光ファイバ巻き取り用ボビンの外側の第1の鍔部との間で、巻き取るべき光ファイバの巻き始め側の端末部分を挟持し、その端末部分を固定するための光ファイバ巻き取り用の光ファイバ端末固定具において、
全体として円盤状をなす基体からなり、
かつ前記円盤状基体の盤面には、ボビンの前記第1の鍔部との間で光ファイバの端末部分を挟む挟持面を有し、
さらに前記円盤状基体におけるボビン側の盤面の外周側の部位には、ボビンに向かって突出しかつボビンの第1の鍔部の外径よりも大きい径で周方向に連続する隆起部が形成されており、
前記円盤状基体の半径方向における前記隆起部の断面形状が、略三角形状とされていることを特徴とする光ファイバ巻き取り用の光ファイバ端末固定具。 - 前記挟持面の延長面からの前記隆起部の突出高さが、ボビンの前記第1の鍔部の厚みより大きいことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ巻き取り用の光ファイバ端末固定具。
- 巻取機の回転軸に装着されて、光ファイバ巻き取り用ボビンの外側の第1の鍔部との間で、巻き取るべき光ファイバの巻き始め側の端末部分を挟持し、その端末部分を固定するための光ファイバ巻き取り用の光ファイバ端末固定具であって、全体として円盤状をなす基体からなり、かつ前記円盤状基体の盤面には、ボビンの前記第1の鍔部との間で光ファイバの端末部分を挟む挟持面を有し、さらに前記円盤状基体におけるボビン側の盤面の外周側の部位には、ボビンに向かって突出しかつボビンの第1の鍔部の外径よりも大きい径で周方向に連続する隆起部が形成されている光ファイバ端末固定具と、
前記第1の鍔部とその第1の鍔部の隣の第2の鍔部との間に第1の巻取部が区画形成されたボビンと
を用い、
光ファイバの巻き始め側の端末部分を、前記光ファイバ端末固定具の挟持面と前記ボビンの前記第1の鍔部との間に挟んで固定するとともに、光ファイバの一部を、前記隆起部によってボビン側に押しやり、続いて光ファイバ端末固定具とボビンとを一体に回転させて、光ファイバの一部を、前記第1の鍔部を乗り越えさせ、前記第1の巻取部に光ファイバを巻き取ることを特徴とする光ファイバ巻き取り方法。 - 前記光ファイバ端末固定具として、前記挟持面の延長面からの前記隆起部の突出高さが、ボビンの前記第1の鍔部の厚みより大きい光ファイバ端末固定具を用いることを特徴とする請求項3に記載の光ファイバ巻き取り方法。
- 前記光ファイバ端末固定具として、前記円盤状基体の半径方向における前記隆起部の断面形状が、略三角形状とされている光ファイバ端末固定具を用いることを特徴とする請求項3、請求項4のいずれかの請求項に記載の光ファイバ巻き取り方法。
- 前記ボビンとして、第1の鍔部の外周縁から内側に切り込まれた導入溝を有するボビンを用い、光ファイバの巻き始め側の端末部分を、光ファイバ端末固定具の挟持面とボビンの第1の鍔部との間に挟んで固定するとともに、光ファイバの一部を、前記隆起部によってボビン側に押しやり、続いて前記光ファイバ端末固定具とボビンとを一体に回転させて、光ファイバの一部を、前記第1の鍔部を乗り越えさせるに当たり、その光ファイバの一部を、前記導入溝の側縁に係合させて、その導入溝内を通すことを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれかの請求項に記載の光ファイバ巻き取り方法。
- 前記ボビンおよび前記光ファイバ端末固定具の各部位の寸法を、
A:ボビンの第1の巻取部の幅、
B:ボビンの前記第1の鍔部の厚み、
C1:ボビンの前記第1の鍔部の高さ、
C2:ボビンの前記第1の鍔部の導入溝の深さ、
R:導入溝の側縁が面取りされている場合の面取り部分の曲率半径、
D:光ファイバ端末固定具における前記挟持面の延長面から前記隆起部の頂部までの高さ、
E:ボビンおよび光ファイバ端末固定具の半径方向における、ボビンの前記第1の鍔部の外周縁から光ファイバ端末固定具の隆起部の頂部までの距離、
L:ボビンの回転軸と平行な方向における、前記第1の鍔部と前記第2の鍔部との間の間隔、
と定義し、次の(1)式、(2)式および(3)式が満たされるように、前記ボビンおよび前記光ファイバ端末固定具の各部位の寸法を定めておくことを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれかの請求項に記載の光ファイバ巻き取り方法。
- 前記ボビンとして、前記第1の鍔部および第2の鍔部のほか、第3の鍔部を有し、前記第1の鍔部と第3の鍔部が回転軸線にそった方向の両端側に形成され、前記第2の鍔部が第1の鍔部と第3の鍔部との間に形成され、かつ前記第1の鍔部と第2の鍔部との間に、前記第1の巻取部が区画形成され、第2の鍔部と第3の鍔部との間に、第2の巻取部が区画形成され、しかも前記第1の巻取部は回転軸線に沿った方向の幅が、前記第2の巻取部の回転軸線に沿った方向の幅よりも小さく定められたものを用いることを特徴とする請求項3〜請求項7のいずれかの請求項に記載の光ファイバ巻き取り方法。
- 前記ボビンとして、前記第1の鍔部の外径が前記第2の鍔部の外径よりも小さいものを用いることを特徴とする請求項8に記載の光ファイバ巻き取り方法。
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