JP5798702B2 - リチウムマンガン含有複合酸化物の製造方法 - Google Patents

リチウムマンガン含有複合酸化物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リチウム二次電池の正極活物質として好適に利用可能なリチウムマンガン含有複合酸化物の製造方法に関する。
リチウム二次電池は、エネルギー密度が大きく、寿命が長いなどの特徴を有しており、ビデオカメラ等の家電製品や、ノート型パソコン、携帯電話機等の携帯型電子機器などの電源として広く用いられている。最近では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)などに搭載される大型電池への応用が期待されている。
リチウム二次電池は、充電時には正極からリチウムがイオンとして抜け出して負極へ移動して吸蔵され、放電時には逆に負極から正極へリチウムイオンが戻る構造の二次電池であり、その高いエネルギー密度は正極材料の電位に起因することが知られている。
リチウム二次電池の正極活物質としては、層構造をもつLiCoO2、LiNiO2、LiMnO2などのリチウム含有複合酸化物のほか、LiMn24、LiNi0.5Mn1.54などのマンガン系のスピネル構造(Fd−3m)を有するリチウムマンガン含有複合酸化物が知られている。
中でも、スピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物は、原料価格が安く、毒性がなく、また安全性が高いため、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)などの大型電池用の正極活物質として着目されている。また、EVやHEV用電池には優れた出力特性が特に求められるが、この点、層構造をもつLiCoO2などのリチウム含有複合酸化物に比べ、3次元的にLiイオンの挿入・脱離が可能なスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物は出力特性に特に優れている。
また、最近では、LiMn24におけるMnサイトの一部を他の遷移金属(Cr、Co、Ni、Fe、Cu)で置換することで、5V付近に作動電位を持つことが知られるようになり、現在、4.5V以上の作動電位を有する(5V級)スピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物の開発も行われている。
ところで、リチウムマンガン含有複合酸化物が、硫化物(硫酸根)やナトリウムなどを含有していると、リチウム二次電池の正極材として使用した際、サイクル特性や保存特性が低下するなど電池特性が低下すると言われている。そのため、リチウムマンガン含有複合酸化物の製造原料については、硫化物(硫酸根)やナトリウムなどの含有量が少ないものが好ましいとされていた。例えば特許文献1及び特許文献2では、マンガン化合物中の硫黄の含有量を制御することにより、充放電容量の低下を抑制することができる旨の発明が開示されている。
特にマンガン原料として電解二酸化マンガンを使用した場合、電解二酸化マンガンは、硫化物(硫酸根)及びナトリウムを比較的多く含むことがある。そのため、製造するリチウムマンガン含有複合酸化物の硫化物(硫酸根)やナトリウムの含有量を減らすために、従来、例えば、焼成して得られたリチウムマンガン含有複合酸化物を洗浄して、粒子表面の不純物を除去する方法が採られてきた(例えば特許文献3―5参照)。
特開平10−294099号公報 特開2008−156162公報 特開平10−340726号公報 特開平10−188979号公報 特開平10−302795号公報
近年、リチウムマンガン含有複合酸化物の原料として用いる二酸化マンガンの不純物量の変動が大きくなり、今後、リチウムマンガン含有複合酸化物の品質が不均一になる可能性がある。特に電解二酸化マンガンの場合、ナトリウムの含有量が大幅に変動する可能性があるため、そのような場合にも対応したリチウムマンガン含有複合酸化物の製造方法を確立する必要がある。例えば、電解二酸化マンガンのナトリウム含有量が高いと、リチウムマンガン含有複合酸化物の歪が大きくなり、電池特性が低下することが確認されているため、そのような場合にも、歪を小さく抑えることができるリチウムマンガン含有複合酸化物の製造方法を確立する必要がある。
そこで本発明は、原料として用いる二酸化マンガンのナトリウム含有量が多少多い場合でも、安定した品質のリチウムマンガン含有複合酸化物を製造することができ、例えばリチウムマンガン含有複合酸化物の歪を小さく抑えることができる、新たなリチウムマンガン含有複合酸化物の製造方法を提供せんとするものである。
本発明は、硫黄(S)元素を含有し、且つ、ナトリウム(Na)元素を0.1質量%以上含有するマンガン原料としての二酸化マンガンと、リチウム原料と、他の金属原料とを混合して原料混合組成物を調製すると共に該原料混合組成物に含有されるSとNaのモル比率(S/Na)が0.4よりも高くなるようにした後、該原料混合組成物を500℃以上で焼成することを特徴とするリチウムマンガン含有複合酸化物の製造方法を提案するものである。
従来は、二酸化マンガンにおけるNaの含有量が基準値以上である場合には、当該Naがリチウムマンガン含有複合酸化物中のLiと置換するため、そのような二酸化マンガンは原料として使用しない方法を採るのが通常であった。
これに対し、本発明が提案する製造方法によれば、前記原料混合組成物の焼成温度を500℃以上に設定することで、この焼成時において、S化合物とLiとの反応よりも、NaとS化合物との反応の方を促進させることができる。よって、該焼成前に、前記原料混合組成物に含有されるSとNaのモル比率(S/Na)を0.4よりも高くすることで、二酸化マンガン中のNa含有量が多少多くても、Naと反応するS化合物の必要量を確実に確保することができ、焼成時にLiが不足するのを防ぐことができる。
しかも、前記原料混合組成物に含有されるSとNaのモル比率(S/Na)が0.4よりも高くなるように調整することにより、リチウムマンガン含有複合酸化物の結晶格子内にNaが入り込むことを防いでいると思われる。
さらに、NaとS化合物との反応物である、SとNaを含有する化合物(「S・Na化合物」と称する)は、焼成時にリチウムマンガン含有複合酸化物の表面に生成するため、洗浄することにより、当該S・Na化合物をリチウムマンガン含有複合酸化物粉体から除去することができる。
このように、本発明が提案する製造方法によれば、二酸化マンガンの品質が不均一でNa含有量が多少多くても、リチウムマンガン含有複合酸化物の品質を安定化させることができ、例えばリチウムマンガン含有複合酸化物の歪を小さく抑えることができる。
実施例で使用した電気化学用セルの概略図である。 実施例1〜8及び比較例1、2で調製した原料混合組成物におけるS/Na比と、最終生成物であるスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物の歪との関係を示したグラフである。
次に、実施の形態例に基づいて本発明を説明する。但し、本発明が次に説明する実施形態に限定されるものではない。
<本製造方法>
本実施形態に係るリチウム二次電池用正極活物質の製造方法(「本製造方法」と称する)は、硫黄(S)元素を含有し、且つ、ナトリウム(Na)元素を0.10質量%以上含有するマンガン原料としての二酸化マンガンと、リチウム原料と、他の金属原料とを混合して原料混合組成物を調製すると共に、該原料混合組成物に含有されるSとNaのモル比率(S/Na)を0.40よりも高くした後、該原料混合組成物を焼成し、必要に応じてさらに他の処理を施すことにより、リチウムマンガン含有複合酸化物(「本リチウムマンガン含有複合酸化物」と称する)を製造する方法である。なお、本製造方法には、必要に応じてさらに磁選工程などの他の工程を追加することができる。
このように前記原料混合組成物に含有されるSとNaのモル比率(S/Na)を0.40よりも高くした後、該原料混合組成物を焼成することにより、リチウムマンガン含有複合酸化物が得られると共に、該リチウムマンガン含有複合酸化物粒子の表面に、SとNaを含有する化合物(「S・Na化合物」と称する)を生成させることができる。
<本リチウムマンガン含有複合酸化物>
リチウムマンガン含有複合酸化物の原料中にNaが多く含まれていることにより歪が生じる原因としては、Liと反応して生成するリチウムマンガン複合酸化物と、該Liの代わりにNaと反応して生成するナトリウムマンガン複合酸化物との結晶構造が異なる結果、リチウムマンガン複合酸化物の結晶中にこれとは結晶構造が異なるナトリウムマンガン複合酸化物が生じることになり、その結果、歪が増加するものと考えることができる。よって、Liと反応して生成するリチウムマンガン複合酸化物と、該Liの代わりにNaと反応して生成するナトリウムマンガン複合酸化物との結晶構造が異なるリチウムマンガン含有複合酸化物であれば、本製造方法の効果を享受することができる。
かかる観点から、本リチウムマンガン含有複合酸化物は、空間群Fd-3mに属する結晶構造を有するスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物であっても、その他のリチウムマンガン含有複合酸化物、例えば層構造を備えたリチウムマンガン含有複合酸化物であってもよいし、オリビン構造を備えたリチウムマンガン含有複合酸化物であってもよいし、又、これら2種類以上の混合物であってもよい。
なお、上記スピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物は、金属Li基準電位で4.5V以上の作動電位を有する5V級スピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物を包含するものである。
<原料>
出発原料としては、マンガン原料、リチウム原料、他の金属原料、その他の原料を挙げることができる。
(二酸化マンガン原料)
本製造方法では、マンガン原料として、硫黄(S)元素を含有し、且つ、ナトリウム(Na)元素を0.10質量%以上、中でも0.20質量%以上含有する二酸化マンガン原料を使用することができる。
二酸化マンガン原料としては、例えば天然二酸化マンガン、化学合成二酸化マンガン、電解二酸化マンガンなどを挙げることができる。
(リチウム原料)
リチウム原料は、特に限定するものではなく、リチウム塩、例えば水酸化リチウム(LiOH)、炭酸リチウム(LiCO)、硝酸リチウム(LiNO3)、硫酸リチウム(Li2SO4)、LiOH・H2O、酸化リチウム(Li2O)、その他脂肪酸リチウムやリチウムハロゲン化物等を挙げることができる。中でも、リチウムの水酸化物塩、炭酸塩、硝酸塩が好ましい。
(他の金属原料)
他の金属原料としては、本リチウムマンガン含有複合酸化物が、例えば層構造を備えたリチウムマンガン含有複合酸化物の場合、例えばニッケル(Ni)原料を挙げることができる。
また、本リチウムマンガン含有複合酸化物がスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物の場合、例えばLiMn24のMnの一部と置換する元素の原料として、マグネシウム、アルミニウム、ニッケル、チタン、コバルトなどの原料を挙げることができる。
例えばマグネシウム原料としては、特に限定するものではなく、例えば酸化マグネシウム(MgO)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、フッ化マグネシウム(MgF2)、硝酸マグネシウム(Mg(NO32)などを用いることができ、中でも酸化マグネシウムが好ましい。
アルミニウム原料としては、特に限定するものではない。例えば水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、フッ化アルミニウム(AlF)などを用いることができ、中でも水酸化アルミニウムが好ましい。
ニッケル原料としては、制限はなく、例えば炭酸ニッケル、硝酸ニッケル、塩化ニッケル、オキシ水酸化ニッケル、水酸化ニッケル、酸化ニッケルなどを用いることができ、中でも炭酸ニッケル、水酸化ニッケル、酸化ニッケルが好ましい。
チタン原料としては、制限はなく、例えばチタンの炭酸塩、硝酸塩、塩化物、オキシ水酸化塩、水酸化物、酸化物などを用いることができる。例えば酸化チタン(アナターゼ型)などを挙げることができる。
コバルト原料としては、例えば炭酸塩、硝酸塩、塩化物、オキシ水酸化塩、水酸化物、酸化物などを用いることができる。例えばオキシ水酸化コバルト、酸化コバルト、炭酸コバルトなどを挙げることができる。
(その他の原料)
その他、リチウムマンガン含有複合酸化物の出発原料として知られている物質を原料として配合することが可能である。
例えば、本リチウムマンガン含有複合酸化物がスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物の場合には、ホウ素化合物を原料として配合することができる。
ホウ素化合物を原料に添加して焼成することで、スピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物の結晶粒子が集合した微粒子の焼結を促進でき、緻密な凝集微粒子(2次粒子)を形成できるため、充填密度(タップ密度)を高めることができる。同時に、スピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物の結晶の生成および成長を促進できるため、スピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物の結晶子サイズを大きくすることができ、一次粒子内の界面の数を減らして高負荷放電(3C)での放電容量を高めることができる。
この際、ホウ素化合物は、ホウ素(B元素)を含有する化合物であればよい。焼成前に添加したホウ素化合物は焼成によって形態が変化するものと考えられるが、その形態を正確に特定することは困難である。但し、当該ホウ素(B元素)は、水で溶出される状態で存在していることから、当該B元素はスピネル構成元素ではなく、何らかの形態のホウ素化合物としてスピネルの外に存在していることが確認されている。よって、スピネル中にホウ素(B元素)は存在せず、結晶粒子の表面と内部においてホウ素(B元素)の明確な濃度勾配が存在することもない。
ホウ素化合物は、上記の如くスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物を焼成する際にホウ素化合物を添加して焼成することで、スピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物の焼結を促進する役割を果たす。そのため、ホウ素化合物と同様に、融点が焼成温度以下の物質、例えばバナジウム化合物(V25)、アンチモン化合物(Sb23)、リン化合物(P25)などの化合物も、ホウ素化合物と同様の効果を得ることができるものと考えられる。
<S/Na比率の調整>
上記原料を混合して得られる原料混合組成物のS量及びNa量を測定し、原料混合組成物に含有されるSとNaのモル比率(S/Na)が0.40よりも高いか否かを測定し、該モル比率が0.40以下である場合には、該モル比率が0.40よりも高くなるように調整する。
原料混合組成物に含有されるSとNaのモル比率(S/Na)を0.40よりも高くする調整方法としては、原料又は原料混合組成物中のNaの含有量を低減して、該モル比率を0.40よりも高くすることもできるし、また、原料又は原料混合組成物にSを加えて、該モル比率を0.40よりも高くすることもできる。
従来は、NaもSも少ない方が好ましいと考えられていたため、後者の方法を採用することは考えられなかった。しかし、Naを含有する二酸化マンガンであっても、SとNaのモル比率(S/Na)を0.40よりも高くすることにより、リチウムマンガン含有複合酸化物が得られると共に、該リチウムマンガン含有複合酸化物粒子の表面に、SとNaを含有する化合物(「S・Na化合物」と称する)を生成させることができることが判明した。よって、付随的にSと反応するLiを低減することができるため、リチウムマンガン含有複合酸化物のLi組成変動に起因する電池性能への影響を抑制することができる効果も期待できるため、本発明では後者の方法を採用するに至った。
よって、入手した二酸化マンガンのS量及びNa量を測定し、SとNaのモル比率(S/Na)が0.40以下であった場合には、マンガン原料としての二酸化マンガンに含まれるNaを低減する処理をするのではなく、当該二酸化マンガンにS、すなわちSを含む物質を加えることにより、前記原料混合組成物に含有されるSとNaのモル比率(S/Na)が0.40より高くなるように調整するか、或いは、前記原料混合組成物に対して、Sを含む物質を加えることにより、前記原料混合組成物に含有されるSとNaのモル比率(S/Na)が0.40より高くなるように調整するようにすればよい。
中でも、原料混合組成物に含有されるSとNaのモル比率(S/Na)は、0.40より高く2.00以下の範囲内であるのが好ましく、その中でも1.4以下であるのがより一層好ましい。すなわち、焼成後のリチウムマンガン含有複合酸化物粒子の表面に存在する酸化物は、吸湿しやすい性質を有するので、付着水分量をより一層低減するためには、原料混合組成物に含有されるSとNaのモル比率(S/Na)を1.40以下とするのがより一層好ましいと言える。
この場合、入手した二酸化マンガンのS量及びNa量を測定し、SとNaのモル比率(S/Na)が上記の好ましい範囲(0.40より高く2.00以下の範囲)よりも低かった場合には、当該二酸化マンガンに、Sを含む物質を加えることにより、前記原料混合組成物のNa含有量に対するS含有量の比率が高くなるように調整するか、或いは、前記原料混合組成物に対して、Sを含む物質を加えることにより、前記原料混合組成物のNa含有量に対するS含有量の比率が高くなるように調整すればよい。
他方、入手した二酸化マンガンのS量及びNa量を測定し、SとNaのモル比率(S/Na)が、上記の好ましい範囲(0.40より高く2.00以下の範囲)よりも高かった場合には、当該二酸化マンガンに、Naを含む物質を加えることにより、前記原料混合組成物のNa含有量に対するS含有量の比率が低くなるように調整するか、或いは、前記原料混合組成物に対して、Naを含む物質を加えることにより、前記原料混合組成物のNa含有量に対するS含有量の比率が低くなるように調整すればよい。
なお、上記の前記二酸化マンガンに、S又はNaを加える方法としては、原料混合組成物を調製する前の工程において、二酸化マンガンに、S又はNaを加えるようにすればよい。例えば二酸化マンガンの中和処理やその後の処理工程において、二酸化マンガンに、S又はNaを加えるようにすればよい。
この際、Sを含む物質としては、例えば硫酸、硫酸リチウム、硫酸アンモニウムなどを挙げることができる。
Naを含む物質としては、例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどを挙げることができる。
<原料の混合>
原料の混合は、均一に混合できれば、その方法を特に限定するものではない。例えばミキサー等の公知の混合機を用いて各原料を同時又は適当な順序で加えて湿式又は乾式で攪拌混合すればよい。置換し難い元素、例えばアルミニウムなどを添加する場合には湿式混合を採用するのが好ましい。
乾式混合としては、例えば高速で混合粉を回転させる精密混合機を使用した混合方法を例示することができる。
他方、湿式混合としては、水や分散剤などの液媒体を加えて湿式混合してスラリー化させ、得られたスラリーを湿式粉砕機で粉砕する混合方法を例示することができる。特にサブミクロンオーダーまで粉砕するのが好ましい。サブミクロンオーダーまで粉砕した後、造粒及び焼成することにより、焼成反応前の各粒子の均一性を高めることができ、反応性を高めることができる。
<造粒>
上記の如く混合した原料は、必要に応じて所定の大きさに造粒した後、焼成してもよい。但し、造粒は必ずしもしなくてもよい。
造粒方法は、前工程で粉砕された各種原料が分離せずに造粒粒子内で分散していれば湿式でも乾式でもよく、押し出し造粒法、転動造粒法、流動造粒法、混合造粒法、噴霧乾燥造粒法、加圧成型造粒法、或いはロール等を用いたフレーク造粒法でもよい。但し、湿式造粒した場合には、焼成前に充分に乾燥させることが必要である。
この際の乾燥方法としては、噴霧熱乾燥法、熱風乾燥法、真空乾燥法、フリーズドライ法などの公知の乾燥方法によって乾燥させればよく、中でも噴霧熱乾燥法が好ましい。噴霧熱乾燥法は、熱噴霧乾燥機(スプレードライヤー)を用いて行なうのが好ましい。熱噴霧乾燥機(スプレードライヤー)を用いて造粒することにより、粒度分布をよりシャープにすることができるばかりか、丸く凝集してなる凝集粒子(2次粒子)を含むように2次粒子の形態を調製することができる。
<焼成>
焼成は、例えば大気雰囲気下で、500℃以上、特に700〜1050℃、中でも710℃以上或いは920℃以下、その中でも720℃以上或いは950℃以下、その中でも特に750℃以上或いは940℃以下の焼成温度を保持するように加熱するのが好ましい。
なお、この焼成温度とは、焼成炉内の焼成物に熱電対を接触させて測定される焼成物の品温を意味する。
焼成時間、すなわち上記焼成温度を保持する時間は、焼成温度にもよるが、0.5時間〜90時間、中でも1時間以上或いは80時間以下、その中でも5時間以上或いは30時間以下とするのが好ましい。
焼成炉の種類は特に限定するものではない。例えばロータリーキルン、静置炉、その他の焼成炉を用いて焼成することができる。
<アニール>
必要に応じて、上記焼成に引き続いて、焼成と同一焼成炉内で、500℃まで降温することによりアニールを行うようにしてもよい。
この際、500℃までの降温速度は、焼成温度にもよるが、10℃/min以下、中でも5℃/min以下、その中でも3℃/min以下、その中でも2℃/min以下とするのが好ましい。
なお、この際の温度とは、焼成炉内の焼成物に熱電対を接触させて測定される焼成物の品温を意味する。
<解砕若しくは粉砕>
焼成後は、必要に応じて、得られた本リチウムマンガン含有複合酸化物を解砕若しくは粉砕するのが好ましい。
この際、解砕若しくは粉砕の程度は一次粒子を崩壊させないようにするのが好ましい。
<洗浄>
上記のようにして得られた本リチウムマンガン含有複合酸化物の粉末(「本リチウムマンガン含有複合酸化物粉末」とも称する)は、必要に応じて、極性溶媒と接触させて、濾過することにより、当該粉末に含まれる不純物、特に焼成によってリチウムマンガン含有複合酸化物の表面に生成されたS・Na化合物を除去することが好ましい。
本リチウムマンガン含有複合酸化物粉末には、5V級スピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物の粉末も包含される。
但し、層構造を備えたリチウムマンガン含有複合酸化物の場合、水分を含むと性能が低下するため、洗浄、特に水洗は行わない方が好ましい。
洗浄方法としては、例えば本リチウムマンガン含有複合酸化物粉末と極性溶媒とを混合し攪拌してスラリーとし、得られたスラリーを濾過することによって固液分離して不純物を除去するようにすればよい。この際、固液分離は後工程で行ってもよい。
なお、スラリーとは、極性溶媒中に本リチウムマンガン含有複合酸化物が分散した状態を意味する。
洗浄に用いる極性溶媒としては、水を用いるのが好ましい。
水としては、市水でもよいが、フィルターまたは湿式磁選機を通過させた市水やイオン交換水や純水を用いるのが好ましい。
水のpHは5〜9であるのが好ましい。
洗浄時の液温に関しては、液温が低ければ電池特性がより良好になることが確認されているため、かかる観点から、5〜70℃であるのが好ましく、中でも60℃以下であるのがより一層好ましく、その中でも特に45℃以下であるのがより一層好ましい。さらには特に30℃以下であるのがより一層好ましい。
洗浄時の液温が低ければ電池特性がより良好になる理由は、液温が高過ぎると、本リチウムマンガン含有複合酸化物中のリチウムの一部がイオン交換水のプロトンとイオン交換してリチウムが抜けて高温特性に影響するためであると考えられる。
本リチウムマンガン含有複合酸化物粉末と接触させる極性溶媒の量については、極性溶媒に対する本リチウムマンガン含有複合酸化物粉末の質量比(「スラリー濃度」とも称する)が10〜70wt%となるように調整するのが好ましく、中でも20wt%以上或いは60wt%以下、その中でも30wt%以上或いは50wt%以下となるように調整するのがより一層好ましい。極性溶媒の量が10wt%以上であれば、SO4などの不純物を溶出させることが容易であり、逆に60wt%以下であれば、極性溶媒の量に見合った洗浄効果を得ることができる。
<磁選工程>
本製造方法では、必要に応じて、磁選すなわち磁石に磁着する不純物を本リチウムマンガン含有複合酸化物粉末から除去する処理を行うのが好ましい。磁選を行うことによって短絡の原因となる不純物を除去することができる。
このような磁選は、本製造方法のいずれのタイミングで行ってもよい。例えば洗浄工程後や、最後の解砕乃至粉砕後に行うのが好ましい。最後の解砕乃至粉砕後に行うことで、解砕機や粉砕機が破損して混入する鉄なども最終的に除去することができる。
磁選方法としては、乾燥した状態の本リチウムマンガン含有複合酸化物粉末を磁石と接触させる乾式磁選法、本リチウムマンガン含有複合酸化物粉末のスラリーを磁石と接触させる湿式磁選法のいずれでもよい。
磁選効率の観点からは、より分散した状態、言い換えれば凝集してない状態の本リチウムマンガン含有複合酸化物粉末を磁石と接触させることができる点で、湿式磁選法の方が好ましい。
なお、洗浄後に磁選を行う場合は、洗浄工程と組み合わせることができる点で、湿式磁選法を選択し、その後に濾過するのが好ましい。逆に、最後の解砕乃至粉砕後に行う場合は、その後に乾燥させる必要がない点で、乾式磁選法を採用するのが好ましい。
上記洗浄工程と組み合わせて湿式磁選法を一連の工程で行う場合、洗浄工程において本リチウムマンガン含有複合酸化物粉末と極性溶媒とを混合してスラリーとした後、攪拌によって洗浄し、得られたスラリーを湿式磁選器に投入して磁選し、その後に濾過することにより、洗浄工程及び磁選工程で分離した不純物を本リチウムマンガン含有複合酸化物粉末から分離除去することができる。
湿式磁選器の構造は任意である。例えばパイプ内にフィルター或いはフィン状の磁石を配設してなる構成を備えたような磁選器を例示することができる。
磁選に用いる磁石の磁力(:本リチウムマンガン含有複合酸化物粉末と接触する場所の磁力)は、8000G〜17000G(ガウス)であるのが好ましく、特に10000G以上或いは17000G以下であるのがさらに好ましく、中でも特に12000G以上或いは17000G以下であるのがさらに好ましい。磁石の磁力が8000G以上であれば、所望の磁選効果を得ることができる一方、磁石の磁力が17000G以下であれば、必要な物までも除去されてしまうことを防ぐことができる。
洗浄工程において本リチウムマンガン含有複合酸化物粉末と極性溶媒とを混合攪拌してスラリーとし、磁選工程で得られたスラリーを湿式磁選器に投入して磁選する場合、磁選に供するスラリーの供給速度は、磁選効率を高める観点から、0.005〜3.0m/secであるのが好ましく、中でも0.01m/sec以上或いは2.0m/sec以下、その中でも0.02m/sec以上或いは1.5m/sec以下とするのが好ましい。
<乾燥および結合水(残留プロトン)除去工程>
乾燥および結合水除去工程では、上記のように濾過した後、酸素を含有する雰囲気、例えば空気中において、300〜700℃(加熱乾燥機の設定温度)に加熱することにより、付着水及び結合水を除去するのが好ましい。
本リチウムマンガン含有複合酸化物粉末を上記のように洗浄した場合、従来のような200℃程度の乾燥では、付着水を除去することはできても、リチウムとイオン交換した結合水(残留プロトン)を除去することはできないため、該結合水(残留プロトン)の影響で寿命特性をさらに高めることが困難であった。そこで、スピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物の粉末を洗浄して濾過した後に、300℃以上に加熱する過程で、付着水分除去を高速に行うと共に、300℃以上での加熱によって結合水除去を行うことにより、寿命特性をより一層高めることができるようにするのがより一層好ましい。
このように300℃以上に加熱する過程で、付着水分除去を高速に行うと共に、300℃以上での加熱によって結合水除去を行うためには、例えば、強制排気手段と送風手段とを備えた電気炉を使用して、「電気炉出力/1時間当たりの水分蒸発熱量」が1.5以上になるようにヒーター出力を設定すると共に、加熱到達温度を300〜700℃に設定し、且つ送風手段による送風量を調整することにより、「含水率減少速度」を、0.1%/min〜50%/min、中でも0.5%/min以上或いは50%/min以下、その中でも1.0%/min以上或いは30%/min以下に制御するようにして、処理を行うのが好ましい。
このように、強制排気手段と送風手段とを備えた電気炉を使用して、「電気炉出力/1時間当たりの水分蒸発熱量」が1.5以上になるようにヒーター出力を設定すると共に、加熱到達温度を300〜700℃に設定し、且つ、「含水率減少速度」を0.2%/min〜50%/minに制御することで、付着水分と本リチウムマンガン含有複合酸化物との反応抑制を効果的に抑制することができると共に、突沸現象を効果的に抑制することができる。特に、本リチウムマンガン含有複合酸化物粉末が、水分とともに存在して温度上昇すると、乾燥中にLi溶出が起こるため、溶出の原因である水を早く排出させるのが好ましい。この点からも、水分を強制排気させながら乾燥させるのが好ましい。
この際、リチウムマンガン含有複合酸化物粉末の付着水分の含水率が0.1%未満となるまで乾燥させるのが好ましい。
ここで、「電気炉出力」とは、電気炉に設置されたヒーターの熱容量(kW)であり、電気炉使用時に各値に設定可能である。また、「水分蒸発熱量」とは、水の蒸発熱(kcal/kg)に水量(kg)をかけた熱量である。
ちなみに、電気炉出力/1時間当たりの水分蒸発熱量=kW/((kcal/kg*kg)/hr)=kW/kWとなる。
また、「含水率減少速度」とは、乾燥機内にリチウムマンガン含有複合酸化物粉末が存在する時間内に、乾燥前すなわち濾過後のリチウムマンガン含有複合酸化物粉末の含水率が0.1%未満となるまで排出される、単位時間当たりの水分量(%)である。
「含水率減少速度」の測定方法は、乾燥前のリチウムマンガン含有複合酸化物粉末(すなわち濾過後のリチウムマンガン含有複合酸化物粉末)と乾燥後のリチウムマンガン含有複合酸化物粉末との付着水分量をそれぞれ測定し、乾燥前と乾燥後の付着水分量の差を乾燥時間で除すことで求めることができる。
この際、乾燥前後のリチウムマンガン含有複合酸化物粉末の付着水分量は、水分測定器(A&D Company,Limitted製 MOISTURE ANALYZER)において、測定モード=標準加熱、温度設定=110℃、リチウムマンガン含有複合酸化物粉末量=5.0±0.5gの条件で測定することができる。
「含水率減少速度」の調整方法としては、強制排気手段と送風手段とを備えた乾燥機における送風の方向や風量を調整する方法などが挙げられる。
なお、電気炉の設定温度(加熱到達温度)は、上記のように300〜700℃に設定するのが好ましく、中でも340℃以上、或いは、第1次酸素放出温度よりも低温領域に至るまで加熱するのが特に好ましい。
ここで、「第1次酸素放出温度」とは、本リチウムマンガン含有複合酸化物粉末を加熱した際に最初に酸素を放出する温度の意味であり、例えば本リチウムマンガン含有複合酸化物粉末を加熱して600℃〜900℃の範囲で重量減少する開始温度(℃)として求めることができる。
第1次酸素放出温度よりも低温領域に加熱するのが好ましいのは、それ以上の温度に加熱すると酸素欠損が生じるからである。
<分級>
乾燥後、必要に応じて解砕乃至粉砕した後、分級するのが好ましい。
そして、上述したように、その後、磁選、特に乾式磁選法を行うのが好ましい。
<その他>
本製造方法において、洗浄後は700℃以上に加熱する熱処理を行わないことが好ましい。洗浄後に700℃以上に加熱をしないことで、再焼結して電池特性に悪影響を及ぼす可能性をなくすことができるからである。
<特性・用途>
本製造方法で得られたリチウムマンガン含有複合酸化物は、リチウム電池の正極活物質として有効に利用することができる(よって、「本正極活物質」と称する)。
例えば、本正極活物質と、カーボンブラック等からなる導電材と、テフロン(登録商標)バインダー等からなる結着剤とを混合して正極合剤を製造することができる。そしてそのような正極合剤を正極に用い、例えば負極にはリチウムまたはカーボン等のリチウムを吸蔵・脱蔵できる材料を用い、非水系電解質には六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)等のリチウム塩をエチレンカーボネート−ジメチルカーボネート等の混合溶媒に溶解したものを用いてリチウム2次電池を構成することができる。但し、このような構成の電池に限定する意味ではない。
<語句の説明>
本発明において、「リチウム電池」とは、リチウム一次電池、リチウム二次電池、リチウムイオン二次電池、リチウムポリマー電池など、電池内にリチウム又はリチウムイオンを含有する電池を全て包含する意である。
また、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
さらにまた、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であるのが好ましい」旨の意図も包含する。
次に、実施例及び比較例に基づいて、本発明について更に説明する。但し、本発明が以下に示す実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
Na量0.03wt%、S量0.82wt%の電解二酸化マンガンAを入手した。この電解二酸化マンガンAを水酸化ナトリウムによって中和を行い、中和処理後の電解二酸化マンガンAのNa量を0.21wt%、S量を0.38wt%とした。
中和処理後の電解二酸化マンガンA5500gと、炭酸リチウム1320gと、酸化マグネシウム6.5gと、水酸化アルミニウム200.3gと、四ホウ酸リチウム21.8gとを秤量し、精密混合機で混合して原料混合組成物を得た。この際、原料混合組成物のNa量0.17wt%、S量0.29wt%、SとNaのモル比率(S/Na)は1.285であった。
得られた原料混合組成物を、焼成容器(アルミナ製のルツボ大きさ=たて*よこ*たかさ=10*10*5(cm))内に、開放面積と充填高さの比(開放面積cm/充填高さcm)が100となるように充填した。この際の原料見掛密度は1.1g/cm3であった。電気炉内にて、840℃(品温)で10時間焼成し、続いて同じ電気炉内にて、500℃(品温)まで5時間かけて降温するようにアニール(降温速度1.1℃/min)し、続いて同じ電気炉内にて常温まで自然冷却させた後、せん断式破砕機で解砕して分級機によって分級を行い、325メッシュアンダーのスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物粉末(サンプル)を得た。
<実施例2>
実施例1で得られたスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物粉末2500gとイオン交換水(pH5.8)7.4Lとを混合し、10分間攪拌してスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物のスラリーとした(スラリー濃度34質量%)。この時の液温は25℃であった。このスラリーを湿式磁選器(スラリーが接触する箇所の磁石の磁力:17000G)内に1.0m/secの速度で流通させた後、減圧ろ過して洗浄及び磁選を行った。濾別したスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物粉末の含水率は15%であった。
続いて、強制排気手段と送風手段とを備えた電気炉(排気風量=18m/min)において「電気炉出力/1時間当たりの水分蒸発熱量」=2に設定すると共に最高到達温度を350℃に設定し、前記で濾別したスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物粉末を、アルミナ製るつぼに入れて当該電気炉内に置き、電気炉の送風手段による送風量を調整しつつ、大気雰囲気下で5時間加熱し、続いて同じ電気炉内にて常温まで送風冷却させた後、分級機によって分級を行い、325メッシュアンダーのスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物粉末(サンプル)を得た。
なお、本実施例で使用した強制排気機構付き電気炉の乾燥能力を確認するために、あらかじめ上記の濾別したスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物粉末を用いて温度設定350℃での付着水分含水率を測定した結果、60分経過時点で付着水分含水率は0.1%であった。
また、「含水率減少速度」は、乾燥前水分量に対する乾燥前後の水分量差を求め、その変化率を乾燥時間で割り算して求めると、(15.0−0.1)÷15.0×100÷60=1.7%/minであった。
付着水分量の測定は、水分測定器(A&D Company,Limitted製 MOISTURE ANALYZER)において、温度設定=110℃、サンプル量=5.0g、測定モード=標準加熱の条件で乾燥前後の水分量を乾燥時間で除して求めた。
<実施例3>
前記の電解二酸化マンガンAをナトリウム化合物で中和し、濾過、乾燥して、電解二酸化マンガンBを得た。得られた二酸化マンガン中のNa量は0.71wt%、S量0.35wt%であった。
電解二酸化マンガンB5500gと、炭酸リチウム1278gと、酸化マグネシウム6.5gと、水酸化アルミニウム200.3gと、四ホウ酸リチウム21.8gと、硫酸リチウム27.5gとを秤量し、精密混合機で混合して原料混合組成物を得た。この際、原料混合組成物のNa量0.48wt%、S量0.34wt%、SとNaのモル比率(S/Na)は0.523であった。
得られた原料混合組成物を、焼成容器(アルミナ製のルツボ大きさ=たて*よこ*たかさ=10*10*5(cm))内に、開放面積と充填高さの比(開放面積cm/充填高さcm)が100となるように充填した。この際の原料見掛密度は1.1g/cm3であった。電気炉内にて、840℃(品温)で10時間焼成し、続いて同じ電気炉内にて、500℃(品温)まで7時間で降温するようにアニール(降温速度0.8℃/min)し、続いて同じ電気炉内にて常温まで自然冷却させた後、せん断式破砕機で解砕して分級機によって分級を行い、325メッシュアンダーのスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物粉末(サンプル)を得た。
<実施例4>
電解二酸化マンガンB5500gと、炭酸リチウム1278gと、酸化マグネシウム6.5gと、水酸化アルミニウム200.3gと、四ホウ酸リチウム21.8gと、硫酸リチウム63.5gとを秤量し、精密混合機で混合して原料混合組成物を得た。この際、原料混合組成物のNa量0.40wt%、S量0.39wt%、SとNaのモル比率(S/Na)は0.705であった。
その他は、実施例1と同様にしてスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物粉末(サンプル)を得た。
<実施例5>
電解二酸化マンガンB5500gと、炭酸リチウム1265gと、酸化マグネシウム6.5gと、水酸化アルミニウム200.3gと、四ホウ酸リチウム21.8gと、硫酸リチウム127.5gとを秤量し、精密混合機で混合して原料混合組成物を得た。この際、原料混合組成物のNa量0.41wt%、S量0.61wt%、SとNaのモル比率(S/Na)は1.056であった。
その他は、実施例1と同様にしてスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物粉末(サンプル)を得た。
<実施例6>
実施例5で得られたスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物粉末2500gとイオン交換水(pH5.8)7.4Lとを混合し、10分間攪拌してスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物のスラリーとした(スラリー濃度34質量%)。この時の液温は25℃であった。このスラリーを湿式磁選器(スラリーが接触する箇所の磁石の磁力:17000G)内に1.0m/secの速度で流通させた後、減圧ろ過して洗浄及び磁選を行った。濾別したスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物粉末の含水率は15%であった。
続いて、強制排気手段と送風手段とを備えた電気炉(排気風量=25m/min)において「電気炉出力/1時間当たりの水分蒸発熱量」=2.5に設定すると共に最高到達温度を350℃に設定し、前記で濾別したスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物粉末を、アルミナ製るつぼに入れて当該電気炉内に置き、電気炉の送風手段による送風量を調整しつつ、大気雰囲気下で5時間加熱し、続いて同じ電気炉内にて常温まで送風冷却させた後、分級機によって分級を行い、325メッシュアンダーのスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物粉末(サンプル)を得た。
なお、本実施例で使用した強制排気機構付き電気炉の乾燥能力を確認するために、あらかじめ上記の濾別したスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物粉末を用いて温度設定350℃での付着水分含水率を測定した結果、45分経過時点で付着水分含水率は0.1%であった。
また、「含水率減少速度」は、乾燥前水分量に対する乾燥前後の水分量差を求め、その変化率を乾燥時間で割り算して求めると、(15.0−0.1)÷15.0×100÷45=2.2%/minであった。
付着水分量の測定は、水分測定器(A&D Company,Limitted製 MOISTURE ANALYZER)において、温度設定=110℃、サンプル量=5.0g、測定モード=標準加熱の条件で乾燥前後の水分量を乾燥時間で除して求めた。
<実施例7>
電解二酸化マンガンAをナトリウム化合物で中和し、濾過、乾燥して、電解二酸化マンガンCを得た。得られた電解二酸化マンガンC中のNa量は0.98wt%、S量0.35wt%であった。電解二酸化マンガンC5500gと、炭酸リチウム1141gと、酸化マグネシウム6.5gと、水酸化アルミニウム200.3gと、四ホウ酸リチウム21.8gと、硫酸リチウム127.5gとを秤量し、精密混合機で混合して原料混合組成物を得た。この際、原料混合組成物のNa量0.50wt%、S量0.51wt%、SとNaのモル比率(S/Na)は0.727であった。
その他は、実施例1と同様にしてスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物粉末(サンプル)を得た。
<実施例8>
電解二酸化マンガンC5500gと、炭酸リチウム1086gと、酸化マグネシウム6.5gと、水酸化アルミニウム200.3gと、四ホウ酸リチウム21.8gと、硫酸リチウム255.2gとを秤量し、精密混合機で混合して原料混合組成物を得た。この際、原料混合組成物のNa量0.57wt%、S量0.98wt%、SとNaのモル比率(S/Na)は1.24であった。
その他は、実施例1と同様にしてスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物粉末(サンプル)を得た。
<比較例1>
電解二酸化マンガンB5500gと、炭酸リチウム1284gと、酸化マグネシウム6.5gと、水酸化アルミニウム200.3gと、四ホウ酸リチウム21.8gとを秤量し、精密混合機で混合して原料混合組成物を得た。この際、原料混合組成物のNa量0.48wt%、S量0.25wt%、SとNaのモル比率(S/Na)は0.381であった。
その他は、実施例1と同様にしてスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物粉末(サンプル)を得た。
<比較例2>
電解二酸化マンガンC5500gと、炭酸リチウム1259gと、酸化マグネシウム6.5gと、水酸化アルミニウム200.3gと、四ホウ酸リチウム21.8gとを秤量し、精密混合機で混合して原料混合組成物を得た。この際、原料混合組成物のNa量0.56wt%、S量0.24wt%、SとNaのモル比率(S/Na)は0.333であった。
その他は、実施例1と同様にしてスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物粉末(サンプル)を得た。
<化学分析測定>
実施例及び比較例で原料混合組成物の硫黄(S)量及びNa量をICP発光分光分析法で測定した。
<結晶構造の解析>
X線回折パターンの測定には、Cu‐Kα線を用いたX線回折装置(ブルカー・エイエックスエス株式会社製D8 ADVANCE)を使用した。回折角2θ=10〜120°の範囲より得られたX線回折パターンのピークについて解析用ソフトウエア(製品名「Topas Version3」)を用いて結晶構造を解析し、歪を求めた。パラメータBeq.を1と固定し、酸素の分率座標を変数として、表に示す通り観測強度と計算強度の一致の程度を表す指標Rwp<3.0、GOF<2.0を目安に収束するまで繰り返し計算を行った。なお、解析にはガウス関数を用いた。
線源:CuKα、操作軸:2θ/θ、測定方法:連続、計数単位:cps
開始角度:10°、終了角度:120°、
Detector:PSD
Detector Type:VANTEC−1
High Voltage:5585V
Discr. Lower Level:0.25V
Discr. Window Width:0.15V
Grid Lower Level:0.075V
Grid Window Width:0.524V
Flood Field Correction:Disabled
Primary radius:250mm
Secondary radius:250mm
Receiving slit width:0.1436626mm
Divergence angle:0.3°
Filament Length:12mm
Sample Length:25mm
Recieving Slit Length:12mm
Primary Sollers:2.623°
Secondary Sollers:2.623°
Lorentzian,1/Cos:0.004933548Th
<電池評価>
(電池の作製)
実施例及び比較例で得たリチウムマンガン含有複合酸化物(サンプル)8.80gと、アセチレンブラック(電気化学工業製)0.60g及びNMP(N-メチルピロリドン)中にPVDF(キシダ化学製)12wt%溶解した液5.0gとを正確に計り取り、そこにNMPを5ml加え十分に混合し、ペーストを作製した。このペーストを集電体であるアルミ箔上にのせ、250μmのギャップに調整したアプリケーターで塗膜化し、120℃一昼夜真空乾燥した後、φ16mmで打ち抜き、4t/cmでプレス厚密し、正極とした。電池作製直前に120℃で120min以上真空乾燥し、付着水分を除去し電池に組み込んだ。また、予めφ16mmのアルミ箔の重さの平均値を求めておき、正極の重さからアルミ箔の重さを差し引き正極合材の重さを求め、また正極活物質とアセチレンブラック、PVDFの混合割合から正極活物質の含有量を求めた。
負極は、φ20mm×厚み0.5mmの金属リチウムとし、これらの材料を使用して図1に示す電気化学評価用セルTOMCEL(登録商標)を作製した。
図1の電気化学用セルは、耐有機電解液性のステンレス鋼製の下ボディ1の内側中央に、前記正極合材からなる正極3を配置した。この正極3の上面には、電解液を含浸した微孔性のポリプロピレン樹脂製のセパレータ4を配置し、テフロン(登録商標)スペーサー5によりセパレータを固定した。更に、セパレータ上面には、下方に金属リチウムからなる負極6を配置し、負極端子を兼ねたスペーサー7を配置し、その上に上ボディ2を被せて螺子で締め付け、電池を密封した。
電解液は、ECとDMCを3:7体積混合したものを溶媒とし、これに溶質としてLiPF6を1mol/L溶解させたものを用いた。
(初期放電容量)
上記のようにして準備した電気化学用セルを用いて次に記述する方法で初期放電容量を求めた。すなわち、20℃にて4.3Vまで0.1Cで充電した状態で、正極中の正極活物質の含有量から、0.1C放電レートになるように電流値を算出した。定電流放電した時の3.0Vまでの放電容量(mAh/g)を測定した。
(高温サイクル寿命評価)
上記のようにして準備した電気化学用セルを用いて下記に記述する方法で充放電試験し、高温サイクル寿命特性を評価した。
電気化学用セルを充放電する環境温度を45℃となるように設定した環境試験機内に前記セルを入れ、充放電できるように接続し、前記セル温度が環境温度になるように一昼夜静置した後、充放電範囲を、リチウムマンガン含有複合酸化物粉体(サンプル)について3.0V〜4.3Vとし、初回の充電は0.1C定電流、放電は0.1C定電流で1サイクル充放電行った後、1.0C定電流にて充放電を9回行い、10サイクル目は容量確認の為、充放電レート0.1Cにて充放電を行った。
前記の要領で充放電サイクルを50サイクル分まで実施して、50サイクル目の放電容量を初回の放電容量で割り算して求めた数値の百分率(%)を高温サイクル寿命特性値として求めた。
実施例の結果、硫黄(S)元素を含有し、且つ、ナトリウム(Na)元素を0.1質量%以上含有する二酸化マンガンをマンガン原料として用いる場合であっても、原料混合組成物に含有されるSとNaのモル比率(S/Na)を0.40よりも高くなるように調整すると共に、該原料混合組成物を500℃以上で焼成することで、生成物であるリチウムマンガン含有複合酸化物の歪を抑えることができるなど、品質を安定化させることができることが分かった。
これは、前記原料混合組成物の焼成温度を500℃以上に設定することで、この焼成時において、SO4とLiとの反応よりも、NaとSO4との反応の方を促進させることができるため、該焼成前に、前記原料混合組成物に含有されるSとNaのモル比率(S/Na)を0.40よりも高くすることで、二酸化マンガン中のNa含有量が多少多くても、Naと反応するSO4を確実に確保することができ、焼成時にLiが不足するのを防ぐことができると同時に、リチウムマンガン含有複合酸化物の結晶格子内にNaが入り込むことも防ぐことができるものと推察することができる。
さらに、NaとSO4との反応物である、SとNaを含有する化合物(「S・Na化合物」と称する)は、焼成時にリチウムマンガン含有複合酸化物の表面に生成するものと推察される。リチウムマンガン含有複合酸化物を洗浄することにより、S・Na化合物を除去することができる。これにより歪が小さくなることがわかった。これは表面のS・Na化合物による影響がなくなり、活物質本来の歪を確度高く測定することができるようになった結果と推察することができる。
電池評価として、実施例1、2及び比較例1の原料混合組成物から生成したリチウムマンガン含有複合酸化物を使用し、初期容量(mAh/g)、高温サイクル維持率(%)を測定した。実施例1の初期容量は102mAh/g、実施例2の初期容量は103mAh/g、比較例1の初期容量は101mAh/gであった。高温サイクル維持率は、実施例1では95.3%、実施例2では97.5%、比較例1では90.1%であった。以上の結果より、本発明が提案する製造方法によるリチウムマンガン含有複合酸化物は電池特性を向上させるものであることが確認できた。
<実施例9>
Na量0.02wt%、S量0.87wt%の電解二酸化マンガンDを入手した。この電解二酸化マンガンDを水酸化ナトリウムによって中和を行った。中和処理後の電解二酸化マンガンDのNa量は0.19wt%、S量0.37wt%であった。
イオン交換水へ分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム塩水溶液(サンノプコ(株)製SNディスパーサント5468)を添加した。分散剤の添加量は後述するNi原料、Mn原料、Co原料、Li原料などの合計量に対して、6wt%となるようにし、イオン交換水中へ十分に溶解混合させた。
炭酸リチウムと、前述の中和処理後の電解二酸化マンガンDと水酸化ニッケル(Na量160ppm)と、オキシ水酸化コバルトとを、モル比でLi:Mn:Ni:Co=1.01:0.20:0.59:0.20となるように秤量し、予め分散剤を溶解させた前述のイオン交換水中へ投入し、混合攪拌して固形分濃度50wt%のスラリーを調製した。湿式粉砕機で1300rpm、40分間粉砕してD50:を0.63μmとした。
得られた粉砕スラリーを熱噴霧乾燥機(スプレードライヤー、大川原化工機(株)製OC−16)を用いて造粒乾燥させた。この際、噴霧には回転ディスクを用い、回転数24000rpm、スラリー供給量3kg/hr、乾燥塔の出口温度100℃となるように温度を調節して造粒乾燥を行った。得られた造粒粉(原料混合組成物)のNa量0.05wt%、S量0.29wt%、SとNaのモル比率(S/Na)は4.14であった。
得られた造粒粉を、静置式電気炉を用いて、大気中700℃で仮焼を行った。次いで仮焼粉を静置式電気炉を用いて、870℃で20時間焼成した。
焼成して得られた焼成塊を乳鉢に入れて乳棒で解砕し、目開き53μmの篩で分級し、層構造を備えたリチウムマンガン含有複合酸化物粉体(サンプル)を篩下として回収した。
<実施例10>
Na量0.02wt%、S量0.87wt%の電解二酸化マンガンDを入手した。この電解二酸化マンガンEを水酸化ナトリウムによって中和を行った。中和処理後の電解二酸化マンガンEのNa量は0.19wt%、S量0.37wt%であった。
イオン交換水へ分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム塩水溶液(サンノプコ(株)製SNディスパーサント5468)を添加した。分散剤の添加量は後述するNi原料、Mn原料、Co原料、Li原料などの合計量に対して、8wt%となるようにし、イオン交換水中へ十分に溶解混合させた。
炭酸リチウムと、前述の中和処理後の電解二酸化マンガンDと水酸化ニッケル(Na量160ppm)と、オキシ水酸化コバルトとを、モル比でLi:Mn:Ni:Co=1.01:0.20:0.59:0.20となるように秤量し、予め分散剤を溶解させた前述のイオン交換水中へ投入し、混合攪拌して固形分濃度60wt%のスラリーを調製した。湿式粉砕機で1300rpm、60分間粉砕してD50:を0.55μmとした。
得られた粉砕スラリーを熱噴霧乾燥機(スプレードライヤー、大川原化工機(株)製OC−16)を用いて造粒乾燥させた。この際、噴霧には回転ディスクを用い、回転数24000rpm、スラリー供給量3kg/hr、乾燥塔の出口温度100℃となるように温度を調節して造粒乾燥を行った。得られた造粒粉(原料混合組成物)のNa量0.05wt%、S量0.29wt%、SとNaのモル比率(S/Na)は4.14であった。
得られた造粒粉を、静置式電気炉を用いて、大気中720℃で仮焼を行った。次いで仮焼粉を静置式電気炉を用いて、870℃で20時間焼成した。
焼成して得られた焼成塊を乳鉢に入れて乳棒で解砕し、目開き53μmの篩で分級し、篩下のリチウム金属複合酸化物粉体を回収した。
回収したリチウム金属複合酸化物粉体を、分級機構付衝突式粉砕機(ホソカワミクロン製カウンタージェットミル「100AFG/50ATP」)を用いて、分級ローター回転数:14900rpm、粉砕空気圧力:0.6MPa、粉砕ノズルφ:2.5×3本使用、粉体供給量:4.5kg/hの条件で粉砕を行い、層構造を備えたリチウムマンガン含有複合酸化物粉体(サンプル)を得た。
<実施例11>
Na量0.02wt%、S量0.87wt%の電解二酸化マンガンDを入手した。この電解二酸化マンガンEを水酸化ナトリウムによって中和を行った。中和処理後の電解二酸化マンガンEのNa量は0.19wt%、S量0.37wt%であった。
イオン交換水へ分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム塩水溶液(サンノプコ(株)製SNディスパーサント5468)を添加した。分散剤の添加量は後述するNi原料、Mn原料、Co原料、Li原料などの合計量に対して、6wt%となるようにし、イオン交換水中へ十分に溶解混合させた。
炭酸リチウムと、前述の中和処理後の電解二酸化マンガンDと水酸化ニッケル(Na量160ppm)と、オキシ水酸化コバルトとを、モル比でLi:Mn:Ni:Co=1.01:0.33:0.33:0.33となるように秤量し、予め分散剤を溶解させた前述のイオン交換水中へ投入し、混合攪拌して固形分濃度50wt%のスラリーを調製した。湿式粉砕機で1300rpm、40分間粉砕してD50:を0.58μmとした。
得られた粉砕スラリーを熱噴霧乾燥機(スプレードライヤー、大川原化工機(株)製OC−16)を用いて造粒乾燥させた。この際、噴霧には回転ディスクを用い、回転数24000rpm、スラリー供給量3kg/hr、乾燥塔の出口温度100℃となるように温度を調節して造粒乾燥を行った。得られた造粒粉(原料混合組成物)のNa量0.07wt%、S量0.35wt%、SとNaのモル比率(S/Na)は3.78であった。
得られた造粒粉を、静置式電気炉を用いて、大気中700℃で仮焼を行った。次いで仮焼粉を静置式電気炉を用いて、960℃で20時間焼成した。
焼成して得られた焼成塊を乳鉢に入れて乳棒で解砕し、目開き53μmの篩で分級し、層構造を備えたリチウムマンガン含有複合酸化物粉体(サンプル)を篩下として回収した。
<実施例12>
Na量0.02wt%、S量0.87wt%の電解二酸化マンガンDを入手した。この電解二酸化マンガンDを水酸化ナトリウムによって中和を行った。中和処理後の電解二酸化マンガンDのNa量は0.19wt%、S量0.37%であった。
イオン交換水へ分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム塩水溶液(サンノプコ(株)製SNディスパーサント5468)を添加した。分散剤の添加量は後述するNi原料、Mn原料、Co原料、Li原料などの合計量に対して、8wt%となるようにし、イオン交換水中へ十分に溶解混合させた。
炭酸リチウムと、前述の中和処理後の電解二酸化マンガンDと水酸化ニッケル(Na量160ppm)と、オキシ水酸化コバルトとを、モル比でLi:Mn:Ni:Co=1.01:0.20:0.59:0.20となるように秤量し、予め分散剤を溶解させた前述のイオン交換水中へ投入し、混合攪拌して固形分濃度60wt%のスラリーを調製した。湿式粉砕機で1300rpm、60分間粉砕してD50:を0.54μmとした。
得られた粉砕スラリーを熱噴霧乾燥機(スプレードライヤー、大川原化工機(株)製OC−16)を用いて造粒乾燥させた。この際、噴霧には回転ディスクを用い、回転数24000rpm、スラリー供給量3kg/hr、乾燥塔の出口温度100℃となるように温度を調節して造粒乾燥を行った。得られた造粒粉(原料混合組成物)のNa量0.07wt%、S量0.35wt%、SとNaのモル比率(S/Na)は3.78であった。
得られた造粒粉を、静置式電気炉を用いて、大気中720℃で仮焼を行った。次いで仮焼粉を静置式電気炉を用いて、960℃で20時間焼成した。
焼成して得られた焼成塊を乳鉢に入れて乳棒で解砕し、目開き53μmの篩で分級し、篩下のリチウム金属複合酸化物粉体を回収した。
回収したリチウム金属複合酸化物粉体を、分級機構付衝突式粉砕機(ホソカワミクロン製カウンタージェットミル「100AFG/50ATP」)を用いて、分級ローター回転数:14900rpm、粉砕空気圧力:0.6MPa、粉砕ノズルφ:2.5×3本使用、粉体供給量:4.5kg/hの条件で粉砕を行い、層構造を備えたリチウムマンガン含有複合酸化物粉体(サンプル)を得た。
<比較例3>
Na量0.02wt%、S量0.87wt%の電解二酸化マンガンDを入手した。この電解二酸化マンガンEを水酸化ナトリウムによって中和を行った。中和処理後の電解二酸化マンガンEのNa量は0.19wt%、S量0.37wt%であった。
イオン交換水へ分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム塩水溶液(サンノプコ(株)製SNディスパーサント5468)を添加した。分散剤の添加量は後述するNi原料、Mn原料、Co原料、Li原料などの合計量に対して、5wt%となるようにし、イオン交換水中へ十分に溶解混合させた。
炭酸リチウム(Na量0.92wt%)と、前述の中和処理後の電解二酸化マンガンDと水酸化ニッケル(Na量1.10wt%)と、オキシ水酸化コバルト(Na量0.85wt%)とを、モル比でLi:Mn:Ni:Co=1.01:0.20:0.59:0.20となるように秤量し、予め分散剤を溶解させた前述のイオン交換水中へ投入し、混合攪拌して固形分濃度40wt%のスラリーを調製した。湿式粉砕機で1300rpm、40分間粉砕してD50:を0.72μmとした。
得られた粉砕スラリーを熱噴霧乾燥機(スプレードライヤー、大川原化工機(株)製OC-16)を用いて造粒乾燥させた。この際、噴霧には回転ディスクを用い、回転数24000rpm、スラリー供給量3kg/hr、乾燥塔の出口温度100℃となるように温度を調節して造粒乾燥を行った。得られた造粒粉(原料混合組成物)のNa量0.88wt%、S量0.29wt%、SとNaのモル比率(S/Na)は0.24であった。
得られた造粒粉を、静置式電気炉を用いて、大気中700℃で仮焼を行った。次いで仮焼粉を静置式電気炉を用いて、830℃で20時間焼成した。
焼成して得られた焼成塊を乳鉢に入れて乳棒で解砕し、目開き53μmの篩で分級し、篩下のリチウム金属複合酸化物粉体を回収した。
回収したリチウム金属複合酸化物粉体を、分級機構付衝突式粉砕機(ホソカワミクロン製カウンタージェットミル「100AFG/50ATP」)を用いて、分級ローター回転数:14900rpm、粉砕空気圧力:0.6MPa、粉砕ノズルφ:2.5×3本使用、粉体供給量:4.5kg/hの条件で粉砕を行い、層構造を備えたリチウムマンガン含有複合酸化物粉体(サンプル)を得た。
<化学分析測定>
実施例及び比較例で原料混合組成物の硫黄(S)量及びNa量をICP発光分光分析法で測定した。
<結晶構造の解析>
層構造を備えたリチウムマンガン含有複合酸化物粉体(サンプル)の場合は、下記の手順で結晶構造の解析を行った。
X線回折パターンの測定には、Cu‐Kα線を用いたX線回折装置(ブルカー・エイエックスエス株式会社製D8 ADVANCE)を使用した。回折角2θ=10〜120°の範囲より得られたX線回折パターンのピークについて解析用ソフトウエア(製品名「Topas Version3」)を用いて解析することにより歪を求めた。なお、結晶構造は、空間群R−3mの六方晶に帰属され、その3aサイトにLiが存在し、3bサイトにNi、Co、Mnなどの遷移元素や置換元素(例えば、Mg、Ti及びFe)、さらには過剰なLi分xが存在し、6cサイトをOが占有していると仮定し、パラメータBeq.を1と固定し、酸素の分率座標を変数として、表に示す通り観測強度と計算強度の一致の程度を表す指標Rwp<10.0、GOF<2.0を目安に収束するまで繰り返し計算を行った。なお、解析にはガウス関数を用いた。
XRD測定条件については、上記実施例1などと同様とした。
(結果・考察)
実施例9〜12及び比較例3及びこれまで発明が行ってきた試験結果から、層構造を備えたリチウムマンガン含有複合酸化物粉体の製造においても、硫黄(S)元素を含有し、且つ、ナトリウム(Na)元素を0.1質量%以上含有する二酸化マンガンをマンガン原料として用いる場合であっても、原料混合組成物に含有されるSとNaのモル比率(S/Na)を0.40よりも高くなるように調整すると共に、該原料混合組成物を500℃以上で焼成することで、生成物であるリチウムマンガン含有複合酸化物の歪を抑えることができるなど、品質を安定化させることができることが分かった。
なお、層構造を備えたリチウムマンガン含有複合酸化物の場合、水分を含むと性能が低下するため、スピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物と同じような方法での洗浄、特に水洗は行わない方が好ましい。
<実施例13>
Na量0.03wt%、S量0.82wt%の電解二酸化マンガンAを入手した。この電解二酸化マンガンAを水酸化ナトリウムによって中和を行った。中和処理後の電解二酸化マンガンAのNa量は0.21wt%、S量を0.38wt%であった。
炭酸リチウムと、中和処理後の電解二酸化マンガンと、水酸化ニッケルと、酸化チタンと、四硼酸リチウム(Li247)とを、Li:4.1wt%、Mn:39.6wt%、Ni:15.9wt%、Ti:5.0wt%、B:0.13wt%となるように秤量し、水を加えて混合攪拌して固形分濃度10wt%のスラリーを調製した。
この際、スラリー(原料混合組成物)のNa量0.10wt%、S量0.27wt%、SとNaのモル比率(S/Na)は1.98であった。
得られたスラリー(原料粉500g)に、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム塩(サンノプコ(株)製 SNディスパーサント5468)を前記スラリー固形分の6wt%添加し、湿式粉砕機で1300rpm、20分間粉砕して平均粒径(D50)を0.5μm以下とした。
得られた粉砕スラリーを熱噴霧乾燥機(スプレードライヤー、大川原化工機(株)製「i−8」)を用いて造粒乾燥させた。この際、噴霧には回転ディスクを用い、回転数24000rpm、スラリー供給量12kg/hr、乾燥塔の出口温度100℃となるように温度を調節して造粒乾燥を行った。
得られた造粒粉を、静置式電気炉を用いて、大気中950℃で70時間焼成した後、大気中700℃で70時間熱処理した。熱処理して得られた焼成粉を目開き75μmの篩で分級し、篩下粉を回収してスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物粉末(サンプル)を得た。
得られたスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物粉末1kgを、pH6〜7、温度20℃、容量2000mLの水を入れた取っ手付きプラビーカ(容量:2000mL)の中に投入し、撹拌機(プロペラ面積24cm)を用いて200〜250rpmの回転で10分間撹拌し、撹拌を停止して撹拌機を水中から取り出し、2分間静置させた。そして、デカンテーションにより、5/12高さまでの上澄み液を除去し、残りを吸引ろ過機(ろ紙131)を使用して沈降物を回収し、回収した沈降物を120℃環境下で24時間静置して乾燥させた後、さらに品温が500℃となるように加熱した状態で24時間静置して乾燥させて、5V級スピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物の粉末(サンプル)を得た。
<化学分析測定>
実施例で原料混合組成物の硫黄(S)量及びNa量をICP発光分光分析法で測定した。
<結晶構造の解析>
5V級スピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物の場合は、実施例1などと同様の手順及び条件で結晶構造の解析を行った。
(結果・考察)
実施例13及びこれまで発明が行ってきた試験結果から、5V級スピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物の製造においても、硫黄(S)元素を含有し、且つ、ナトリウム(Na)元素を0.1質量%以上含有する二酸化マンガンをマンガン原料として用いる場合であっても、原料混合組成物に含有されるSとNaのモル比率(S/Na)を0.40よりも高くなるように調整すると共に、該原料混合組成物を500℃以上で焼成することで、生成物であるリチウムマンガン含有複合酸化物の歪を抑えることができるなど、品質を安定化させることができることが分かった。

Claims (4)

  1. スピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物、層構造を備えたリチウムマンガン含有複合酸化物、又は、オリビン構造を備えたリチウムマンガン含有複合酸化物の製造方法において、
    硫黄(S)元素を含有し、且つ、ナトリウム(Na)元素を0.1質量%以上含有するマンガン原料としての二酸化マンガンと、リチウム原料と、他の金属原料とを混合して原料混合組成物を調製すると共に該原料混合組成物に含有されるSとNaのモル比率(S/Na)が0.4よりも高くなるようにした後、該原料混合組成物を500℃以上で焼成することを特徴とするリチウムマンガン含有複合酸化物の製造方法。
  2. 前記原料混合組成物のS含有量及びNa含有量を測定し、原料混合組成物に含有されるSとNaのモル比率(S/Na)が0.4以下である場合には、当該二酸化マンガンに、Sを含む物質を加えることにより前記原料混合組成物に含有されるSとNaのモル比率(S/Na)が0.4より高くなるように調整するか、或いは、前記原料混合組成物にSを加えることにより前記原料混合組成物に含有されるSとNaのモル比率(S/Na)が0.4より高くなるように調整することを特徴とする、請求項1に記載のリチウムマンガン含有複合酸化物の製造方法。
  3. 層構造を有するリチウムマンガン含有複合酸化物以外のリチウムマンガン含有複合酸化物の製造方法において、前記の焼成をした後、リチウムマンガン含有複合酸化物を洗浄することを特徴とする、請求項1又は2に記載のリチウムマンガン含有複合酸化物の製造方法。
  4. 前記他の金属原料の金属元素が、Al、Mg、Ca、Ti、Ba、Cr、Fe、Co、Ni、Cu及びZnからなる群から選ばれた一種又は二種以上の元素であることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載のリチウムマンガン含有複合酸化物の製造方法。
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