JP5797693B2 - 圧電センサおよび圧力検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、荷重に応じた圧電信号を発生する圧電センサに関し、特に荷重が与えられた位置を検出できる圧電センサに関する。
与えられた荷重を検出するため、圧電層を用いた圧電センサが知られている。例えば、特許文献1には、透明感圧層と、一対の透明導電層からなる透明圧電センサが開示されている。
特開2004−125571号公報
しかし、特許文献1の透明圧電センサでは、与えられた荷重を検出できるものの、透明圧電センサ内において荷重がかかった位置を検出することはできない。。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の圧電センサは、圧電層が上部電極と下部電極に挟まれている。上部電極または下部電極の少なくとも一方の電極はパターン電極を複数備えている。
上記構成によると、圧電センサに荷重が与えられ、圧電層から電荷が発生したとき、複数あるパターン電極のうち、どの電極を経由して上記電荷を検出したか特定することによって、荷重のかかった位置を特定できる。
基準電極が、上部電極と下部電極の間に設けられていてもよい。かかる場合、上部電極と基準電極の間には第1圧電層が設けられてもよく、下部電極と基準電極の間には第2圧電層が設けられていてもよい。
そうすると、第1圧電層や第2圧電層で発生した電荷を上部電極と下部電極とで独立して検出できる。
第1パターン電極は、第1電極部と第1電極部どうしを電気的に接続する第1接続部を備えていてもよい。第2パターン電極も、第2電極部と第2接続部を備えていてもよい。また、第1電極部は第2電極部と重なるように圧電層の上に設けられていてもよい。
そうすると、圧電層から発生した電荷を第1電極部と第2電極部で検出が可能となり、荷重がかかった位置と荷重量の検出が可能となる。
第1電極部は圧電層を介して複数の第2電極部と重なるように配置されていてもよい。
そうすると、第1電極部と第2電極部が重畳する箇所の数が、上述の場合よりも増える。その結果、圧電センサ内の位置検出精度が向上する。
第1パターン電極は、電極の形状が帯状であってもよい。
第2パターン電極は、電極の形状が帯状であってもよい。
第1パターン電極の幅方向の大きさは、圧電層の周縁部に近づくにつれて大きくなっていてもよい。
そうすると、荷重が掛かったときの撓み量が少なく、荷重の検出感度が悪い圧電層の周縁部について、荷重の検出感度が向上する。
第2パターン電極の幅方向の大きさは、圧電層の周縁部に近づくにつれて大きくなっていてもよい。
そうすると、荷重が掛かったときの撓み量が少なく、荷重の検出感度が悪い圧電層の周縁部について、荷重の検出感度が向上する。
第1パターン電極のピッチ間隔は、一定であってもよい。
そうすると、周縁部の感度を一定に保ったまま、与えられた荷重に対して位置の検出精度が向上する。
第2パターン電極のピッチ間隔は、一定であってもよい。
そうすると、周縁部の感度を一定に保ったまま、与えられた荷重に対して位置の検出精度が向上する。
第1パターン電極は、凸部分と凹部分からなる凹凸形状を有し、第1パターン電極のピッチ間隔は、入力手段が前記圧電センサと接触したときに形成される接触面の短径の長さより短く設計されていてもよい。さらに、第1パターン電極の隣接する電極間は、上記凸部分と凹部分とが噛み合うように構成されていてもよい。
そうすると、圧電センサと対象物が接触したときに、第1パターン電極が対象物と接触する個数が増える。その結果、上記の場合よりも高い精度で荷重のかかった位置と荷重量を検出できる。
第2パターン電極は、凸部分と凹部分からなる凹凸形状を有し、第2パターン電極のピッチ間隔は、入力手段が前記圧電センサと接触したときに形成される接触面の短径の長さより短く設計されていてもよい。さらに、第2パターン電極の隣接する電極間は、上記凸部分と凹部分とが噛み合うように構成されていてもよい。
そうすると、圧電センサと対象物が接触したときに、対象物と第2パターン電極とが接触する個数が増える。その結果、上記の場合よりも高い精度で荷重のかかった位置と荷重量を検出できる。
圧電層は、活性圧電部と不活性圧電部を有し、活性圧電部の上には第1パターン電極が積層されていてもよい。
そうすると、クロストーク現象の発生を防止できる。その結果、圧電センサにかかった位置と荷重の検出精度が向上する。
圧電層は、活性圧電部と不活性圧電部を有し、活性圧電部の上には第2パターン電極が積層されていてもよい。
そうすると、クロストーク現象の発生を防止できる。その結果、圧電センサの位置検出精度が向上する。
上部電極は、酸化インジウム錫、またはポリエチルジオキソチオフェンを含んでいてもよい。
そうすると、上部電極の透明性が高くなるので、液晶や有機ELなどの表示装置の上に圧電センサを配置できる。
下部電極は、酸化インジウム錫、またはポリエチルジオキソチオフェンを含んでいてもよい。
そうすると、下部電極の透明性が高くなるので、液晶や有機ELなどの表示装置の上に圧電センサを配置できる。
圧電層は、有機圧電材料から構成されていてもよい。
そうすると、圧電層の柔軟性が大きくなるので、圧電センサの耐屈曲性が向上する。その結果、上記圧電センサをR曲面などに配置できる。
有機圧電材料は、ポリフッ化ビニリデンまたはポリ乳酸を含んでいてもよい。
そうすると、圧電層の透明性が高くなるので、液晶や有機ELなどの表示装置の上に圧電センサを配置できる。
圧電層は、無機材料から構成されていてもよい。
そうすると、圧電定数が向上するため、荷重の検出感度が向上する。
圧力検出装置は、圧電センサとタッチパネルを備えていてもよい。
そうすると、圧電センサに対し荷重がほとんどかからないような場合でも、荷重の位置検出ができる。
上記タッチパネルが静電容量型のタッチパネルであってもよい。
そうすると、圧力検出装置全体の透明性が向上する。
圧力検出装置の概念図である。 図1のA-A’断面図である。 圧電センサの平面図である。 図3のB-B’断面図である。 圧電センサの平面図である。 図5のC-C’断面図である。 圧電センサの平面図である。 圧電センサの平面図である。 圧電センサの平面図である。 圧電センサの平面図である。 圧電センサの平面図である。 図7のD-D’断面図である。 圧電センサの平面図である。 図7のE-E’断面図である。 圧電センサの平面図である。 圧電センサの断面図である。 圧電センサと静電型タッチパネルを組合わせた圧力検出装置の断面図である。
下記で、本発明に係る実施形態を図面に基づいてさらに詳細に説明する。なお、本発明の実施例に記載した部位や部分の寸法、材質、形状、その相対位置などは、とくに特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例にすぎない。
1. 第1実施形態
(1)圧力検出装置の全体構造
図1、図2を用いて、本発明の第1実施形態に係る圧力検出装置の全体構造を説明する。図1は圧力検出装置の概略図である。図2は圧電センサの断面図である。
圧力検出装置は、与えられた荷重の量と位置を検出する機能を有している。
図1に示すように、圧力検出装置1は、圧電センサ10と、検出部20と、制御部30を有している。圧電センサ10は、与えられた荷重に応じて電荷を発生させる装置である。検出部20は、圧電センサ10で発生した電荷を検出する装置である。制御部30は、圧電センサ10に設置されたスイッチSを制御する装置である。以下で、圧力検出装置1の構成を詳細に説明する。
(2)圧電センサ
図2に示すように、圧電センサ10は、圧電層11が上部電極12と下部電極13に挟まれた構成からなる。上部電極12は圧電層11の上面に積層され、下部電極13は圧電層11の下面に積層されている。
再び図1に示すように、上部電極12は、帯状の第1パターン電極14を備えている。なお、第1パターン電極14は、Y軸方向に複数配列されている。なお、下部電極13は、平面状である。
このような圧電センサ10に荷重がかかると、かかった荷重に応じた電荷が圧電層11に発生する。発生した電荷は、荷重が負荷された付近に存在する第1パターン電極14や下部電極13を経由して検出部20で検出される。このとき、検出部20で検出された電荷量を測定することにより圧電センサ10に与えられた荷重量を特定できる。なお、荷重位置については、検出部20で検出された電荷が、複数存在する第1パターン電極14のうち、どの第1パターン電極14を経由して、検出部20で検出されたかを制御部30で検出することにより、特定できる。
(3)圧電層
圧電層11を構成する材料としては、無機圧電材料や有機圧電材料が挙げられる。
無機圧電材料としては、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムなどが挙げられる。
有機圧電材料としては、フッ化物重合体又はその共重合体、キラリティーを有する高分子材料などが挙げられる。フッ化物重合体又はその共重合体としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体などが挙げられる。キラリティーを有する高分子材料としては、L型ポリ乳酸や、R型ポリ乳酸などが挙げられる。
また、圧力検出装置1を、タッチパネルを備えた表示装置に適用する場合には、圧電部を透明な材料により構成するか、又は、光が十分に透過できる程度に薄く構成することが好ましい。
(4)電極
上部電極12、下部電極13は、導電性を有する材料により構成できる。導電性を有する材料としては、インジウム−スズ酸化物(Indium−Tin−Oxide、ITO)、スズ−亜鉛酸化物(Tin−Zinc−Oxide、TZO)などのような透明導電酸化物、ポリエチレンジオキシチオフェン(Polyethylenedioxythiophene、PEDOT)などの導電性高分子、などを用いることができる。この場合、上記の電極は、蒸着やスクリーン印刷などを用いて形成できる。
また、導電性を有する材料として、銅、銀などの導電性の金属を用いてもよい。この場合、上記の電極は、蒸着により形成してもよく、銅ペースト、銀ペーストなどの金属ペーストを用いて形成してもよい。
さらに、導電性を有する材料として、バインダー中に、カーボンナノチューブ、金属粒子、 金属ナノファイバーなどの導電材料が分散したものを用いてもよい。
(5)検出部
図1に示すように、検出部20は2つの入力を有している。1つの入力は、上部電極12に接続されている。もう1つの入力は、下部電極13に接続されている。
以上の構成により、検出部20は、圧電層11が押圧されたときに、上部電極12と下部電極13との間(すなわち、圧電層11の両主面間)に発生する電荷を検出できる。なお、検出部20は、ADコンバータとアンプを組み合わせた検出機器を用いることができる。
(6)制御部
制御部30は、上部電極12と検出部20を接続するスイッチS、および下部電極13と検出部20を接続するスイッチSに接続されている。制御部30は、上記スイッチSについて、ON-OFFの切替信号を出力できる機能を備えている。
制御部30は、例えば、圧力検出装置1のドライブシステムに含めることができる。当該ドライブシステムは、CPU(Central Processing Unit)、記憶部、及び圧電センサをドライブするためのインターフェースなどを備えたマイコンであってもよい。又は、当該ドライブシステムは、カスタムICなどにより1つのICに集約されていてもよい。
また、制御部の上記機能は、上記マイコンやカスタムICなどの記憶部に記憶されたプログラムを、CPUやカスタムICなどに実行させることにより実現してもよい。
上記のように、圧力検出装置1を構成すると、制御部30を用いて上部電極12と下部電極13の間で発生した電荷を検出できる。そうすると、検出した電荷から荷重のかかった位置と量を計算することができる。荷重のかかった箇所が複数に及んだ場合も同様に、各箇所の位置と荷重のかかった量を検出できる。すなわち、圧力検出装置1は、マルチフォース検出が可能な構成をとっている。
2. 第2実施形態
第1実施形態では、下部電極13は平面形状を有し、パターン形状を有していなかったが、下部電極13は第2パターン電極15を有していてもよい。
図3は、第2実施形態にかかる圧電センサの平面図である。図4は図3のB-B’断面図である。
図3に示すように、上記に加え、下部電極13は、帯状の第2パターン電極15を備えている。第1パターン電極14と第2パターン電極15は、Y軸方向に複数配列されている。第1パターン電極14は、圧電層11を介して第2パターン電極15の上に積層されている。なお、図3、図4に示すように第1パターン電極14は、第2パターン電極15の形状に沿うように圧電層11の上に積層されている。
このような圧電センサ10に荷重がかかると、かかった荷重に応じた電荷が圧電層11に発生する。発生した電荷は、荷重が負荷された付近に存在する第1パターン電極14や第2パターン電極15を経由して検出部20で検出される。このとき、検出部20で検出された電荷量を測定することにより圧電センサ10に与えられた荷重量を特定できる。なお、荷重位置については、検出部20で検出された電荷が、複数存在する第1パターン電極14と第2パターン電極15のうち、どの第1パターン電極14と第2パターン電極15を経由して、検出部20で検出されたかを制御部30で検出することにより、特定できる。これにより、荷重が負荷された箇所の位置と負荷された荷重の荷重量を検出できる。
上記のように構成すると、上部電極12に加え、下部電極13もパターン化されているので、上記より精度の高い位置検出と荷重検出が可能となる。
上記では、第1パターン電極14と第2パターン電極15が圧電層11のY軸方向に、配列された例を示したが、第1パターン電極14と第2パターン電極15はX軸方向に配列されていてもよい。
3.第3実施形態
第1パターン電極14と第2パターン電極15の積層方法は、第1パターン電極14が第2電極部18の形状に沿うように圧電層11の上に積層する場合に限定されない。以下で、他の配列方法について説明する。
図5は、第3実施形態にかかる圧電センサの平面図である。図6は、図5のC-C’断面図である。
図5に示すように、第1パターン電極14は、複数の第2パターン電極15に跨って圧電層11上に積層されている。上記のように構成することで、図6に示すように、圧電層11を介して第2パターン電極15の上に積層されている第1パターン電極14の数が増える(第2実施形態の場合、図4に示すように第1パターン電極14と第2パターン電極15の重なり部分の数は4つである。それに対し、第2実施形態の場合、図6に示すように第1パターン電極14と第2パターン電極15の重なり部分の数は8つとなる。)。その結果、入力手段を検出する検出箇所の個数が増えるので、入力手段が圧電センサ10に接触した場合の位置検出精度と荷重検出精度が向上する。
4.第4実施形態
第1、2実施形態では、第1パターン電極14や第2パターン電極15の幅方向の長さは一定であったが、上記長さは圧電層11の周縁部に近づくにつれて、長くなるように構成されていてもよい。
図7、図8、図9は、第3実施形態にかかる圧電センサの平面図である。
図7に示すように、上部電極12は、Y軸方向に複数配列された第1パターン電極14を備えている。圧電センサ10のY軸方向の両端部には、圧電センサ10を固定するための固定部材Wが設けられている。固定部材Wは、接着材料や固定枠から構成される。かかる場合、上部電極12は、上記両端部に近づくほど、電極の幅が広い第1パターン電極14が配置されるように構成されている。これは、下部電極13の第2パターン電極15(図7における点線部分)についても同様である。
図8に示すように、圧電センサ10のX軸方向の両端部は、圧電センサ10を固定するための固定部材Wが設けられていてもよい。かかる場合、上部電極12は、上記両端部に近づくにつれて電極の幅が広くなるクビレ形状の第1電極パターン14を備えている。これは、下部電極13の第2パターン電極15(図8における点線部分)についても同様である。
図9に示すように、圧電センサ10の周縁部には、圧電センサ10を固定するための固定部材Wが設けられていてもよい。かかる場合、上部電極12は、上記を組合わせた構造を備えていてもよい。すなわち、上部電極12は、X軸方向の両端部に近づくにつれて電極幅が広くなるクビレ形状の第1電極パターン14を備え、上記第1電極パターン電極14は、Y軸方向の両端部に近づくにつれて、電極の幅が広いものが配置された構成されていてもよい。これは、第2パターン電極15(図9における点線部分)についても同様である。
上記のように、圧電センサ10が固定部材Wなどで固定されていると、圧電センサ10に荷重が与えられたとき、固定部材Wが設けられた箇所、またはその付近の箇所には、撓みの力が伝わりにくくなる。そのため、上記のような箇所において荷重の検出は困難となる。
第4実施形態では、圧電センサ10のY軸方向の両端に固定部材Wが設けられた場合には、上部電極1は、Y軸方向の両端部に近づくにつれて電極幅の大きな第1電極パターン14を有するよう構成され、圧電センサ10のX軸方向の両端に固定部材Wが設けられた場合には、上部電極12は、X軸方向の両端部に近づくにつれて電極幅の大きくなるクビレ形状の第1電極パターン14を有するように構成されることで、電極の物理的な検出感度を向上させて、荷重の検出が難しい固定部材W付近の検出を可能にしている。
また、第4実施形態において、第1パターン電極14は、第1パターン電極14どうしのピッチ間隔Lが一定になるよう圧電層11の上に配列されていてもよい。なお、第2パターン電極15も、第2パターン電極15どうしのピッチ間隔lが一定になるよう圧電層11の上に配列されてもよい。このように構成すると、第1パターン電極14や第2パターン電極15は、等間隔に圧電層11の上に配置されるので、上記に加え正確な位置検出が可能となる。なお、ピッチ間隔とは、電極の中心部分から隣接する電極の中心部分までの距離のことである。
5.第5実施形態
第1パターン電極14と第2パターン電極15は、同一の方向に延在していれば、他に限定されない。よって、第1パターン電極14と第2パターン電極15の形状は、帯状には特に限定されない。以下、電極の形状について説明する。
図10は、第4実施形態にかかる圧電センサの平面図である。
図10に示すように、第1パターン電極14は、凹凸形状を有している。この凹凸形状は、凸部分と凹部分の繰返し形状からなる。凸部分と凹部分は、第1パターン電極14において、隣接する電極の間で噛み合うように、それぞれの第1パターン電極14が圧電層11上に配列されている。
なお、第1パターン電極のピッチ長さLは、入力手段(例えば、指やスタイラスペン)と圧力センサ10が接触した場合、その接触面の短径の長さよりも短くなるように設計されている。入力手段が指の場合、凸部分のピッチ長さLは1mm〜16mmであり、スタイラスペンの場合、0.5mm〜4mmである。
そうすると、入力手段と圧力センサ10が接触したとき、第1パターン電極14の形状が帯状である場合と比べて、入力手段はたくさんの第1パターン電極14と接触する。その結果、より正確な位置検出と荷重検出が可能となる。
なお、第2パターン電極15も同様に、凹凸形状を有していてもよい。かかる場合、第2パターン電極15の凸部分のピッチ長さlは、入力手段と圧力センサ10が接触した場合の接触面の短径の長さよりも短くなるように設計されていることが好ましい。
上記のように構成されていると、入力手段と圧力センサ10が接触した場合、入力手段がより多くの第1パターン電極14や第2パターン電極15と接触する。そのため、より正確な位置検出と荷重検出が可能となる。
6.第6実施形態
第1パターン電極14と第2パターン電極15の他のパターン形状について、以下で説明する。
図11は、第6実施形態にかかる圧電センサの平面図である。図12は、図11のD-D’断面図である。
図11に示すように、第1パターン電極14は、X軸方向に複数配置される第1電極部16と、第1電極部16どうしを電気的に接続する第1接続部17を備えている。
第2パターン電極15は、X軸方向に複数配置される第2電極部18(図11:ひし形点線部分)と、第2電極部18どうしを電気的に接続する第2接続部19(図11:点線部分)を備えている。なお、第1電極部16と第1電極部18の形状は、図9ではひし形形状で示したが、三角形や四角形などの多角形状や、円や楕円形状であってもよい。
また、図11、図12に示すように、第1電極部16は、第2電極部18の形状に沿うように圧電層11の上に積層されている。そうすると、第1電極部16に入力手段(例えば、指やスタイラスペン)が接触した場合、圧電層11で発生した電荷が第1電極部16と第2電極部18を経由して検出部20で検出される。このとき、検出部20で検出された電荷量を測定することにより圧電センサ10に与えられた荷重量を特定できる。なお、荷重位置については、検出部20で検出された電荷が、複数存在する第1パターン電極14と第2パターン電極15のうち、どの第1パターン電極14と第2パターン電極15を経由して、検出部20で検出されたかを制御部30で検出することにより、特定できる。
7.第7実施形態
第1パターン電極14と第2パターン電極15の積層方法は、第1電極部16が第2電極部18の形状に沿うように圧電層11の上に積層する場合に限定されない。以下で、他の配列方法について説明する。なお、基本的な構成については、第6実施形態と同様であるので、相違点のみ説明する。
図13は、第7実施形態にかかる圧電センサの平面図である。図14は、図13のE-E’断面図である。
図13に示すように、第1パターン電極14は、Y軸方向に複数配列されている。また、第1パターン電極14は、第1パターン電極14どうしで噛み合うように圧電層11上に配置されている。第2パターン電極も、隣接する第2パターン電極15どうしで噛み合うように圧電層11上に配置されている。
なお、上記において第1電極部16は、四方に配置された4つの第2電極部18上に跨るように配置されている。
上記のように圧電センサ10が構成されると、第2電極部18の上に積層される第1電極部16の数が増える(第6実施形態の場合、図12に示すように、第1電極部16と第2電極部18との重なり部分の個数は、3つであったのに対し、第7実施形態の場合、図14に示すように、6つとなっている)。その結果、検出箇所の個数が増えるので、入力手段が圧電センサ10に接触した場合の位置検出精度と荷重検出精度が向上する。
さらに、上記のように、第1パターン電極14が噛み合うように配置されることで、圧電層10の上に電極が隙間無く敷き詰められる。これは、第2パターン電極15が噛み合うように配置された場合も同じである。その結果、第1パターン電極14や第2パターン電極15パターン電極のパターン形状が見えにくい圧電センサ10となっている。
8.第8実施形態
上部電極12や下部電極13だけでなく、圧電層11は活性な部分と不活性な部分を有するようにパターニングされていてもよい。
図15は、第8実施形態にかかる圧電センサの断面図である。
図15に示すように、圧電層11は、活性圧電部110と不活性圧電部111からなる。活性圧電部110は、圧電センサ10に荷重が与えられたときに電荷が発生する部分である。反対に不活性圧電部111は、荷重が与えられても電荷が発生しない部分である。
図15の例では、活性圧電部110の上下に第1パターン電極14と第2パターン電極15が配置されている。このように構成されていると、第1パターン電極14付近で発生した電荷が漏れて、他の第1パターン電極14に混入するのを防止できる(クロストーク現象を防止できる)。その結果、位置検出精度と荷重検出精度が向上する。また上記では、活性圧電部110の上に第1パターン電極14や第2パターン電極15が直接積層された例を示したが、活性圧電部110と第1パターン電極14の間、または活性圧電部110と第2パターン電極15の間には、接着剤やフィルムなどの絶縁材料が積層されていてもよい。
9.第9実施形態
上記では、上部電極と下部電極に圧電層が挟まれた構成について説明してきたが、上部電極と下部電極の間に基準電極が設けられていてもよい。
図16は、第9実施形態にかかる圧電センサの断面図である。
図16に示すように、第9実施形態の圧電センサ10は、上部電極12と下部電極13の間に基準電極40を備えている。上部電極12と基準電極40の間には、第1圧電層11aが設けられている。下部電極13と基準電極40の間には、第2圧電層11bが設けられている。第1圧電層11aと第2圧電層11bの材質は、圧電層11と同じである。基準電極40の材質も、上部電極12や下部電極13と同じである。
このように、上部電極12と下部電極13との間に基準電極40が設けられると、第1圧電層11aや第2圧電層11bで発生した電荷を上部電極12と下部電極13とで独立して検出できる。その結果、検出回路の設計が簡易になる。
10.その他の実施形態
上記では、与えられた荷重の位置と量を圧電センサ10で検出する例を示した。しかし、図17に示すように、圧電センサ10の上にタッチパネル50を積層することで、与えられた荷重の位置と量を検出してもよい。
圧電センサ10の上にタッチパネル50を積層することにより、与えられた荷重が圧電センサ10で検出できないほど小さい場合(フェザータッチの場合)でも、圧電センサ10の上にタッチパネル50を積層することで荷重が与えられた箇所を検出できる。なお、タッチパネルの中でも、静電容量型タッチパネルを用いることが特に好ましい。
1:圧力検出装置
10:圧電センサ
11:圧電層
11a :第1圧電層
11b:第2圧電層
12:上部電極
13:下部電極
14:第1パターン電極
15:第2パターン電極
16:第1電極部
17:第1接続部
18:第1電極部
19:第2接続部
20:検出部
30:制御部
40:基準電極
50:静電型タッチパネル
110:活性圧電部
111:不活性圧電部
S:スイッチ
L:第1パターン電極のピッチ間隔
l:第1パターン電極のピッチ間隔

Claims (6)

  1. 圧電層が上部電極と下部電極に挟まれた圧電センサであって、
    前記上部電極が、
    一の方向に延在する第1パターン電極を複数備え、
    前記下部電極が、
    前記第1パターン電極と同一方向に延在する第2パターン電極を複数備え、
    前記第1パターン電極が、
    前記圧電層の上に間隔をあけて積層される複数の第1電極部と、
    隣接する前記第1電極部の間に形成され、前記第1電極部どうしを電気的に接続する第1接続部とを備え、
    前記第2パターン電極が、
    前記第1電極部と重なるように前記圧電層の下に積層される複数の第2電極部と、
    前記第2電極部どうしを電気的に接続する第2接続部とを備え、
    前記第1電極部が、前記圧電層を介して複数の前記第2電極部と重なるように配置された圧電センサ。
  2. 前記圧電層が、
    前記上部電極と接する第1圧電層と、
    前記下部電極と接する第2圧電層とを備え、
    前記第1圧電層と前記第2圧電層の間に基準電極を備える請求項1の圧電センサ。
  3. 前記圧電層が活性圧電部と不活性圧電部とからなり、前記第1パターン電極は前記活性
    圧電部の上に積層された請求項1又は請求項2のいずれかの圧電センサ。
  4. 前記圧電層が活性圧電部と不活性圧電部とからなり、前記第2パターン電極は前記活性
    圧電部の上に積層された請求項1又は請求項2のいずれかの圧電センサ。
  5. 請求項1〜4のいずれかの圧電センサとタッチパネルを備える圧力検出装置。
  6. 前記タッチパネルが静電容量型タッチパネルである請求項5の圧力検出装置。
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