JP5797150B2 - リン酸マグネシウムアンモニウム生成抑制システム及びメタン発酵システム - Google Patents

リン酸マグネシウムアンモニウム生成抑制システム及びメタン発酵システム Download PDF

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Description

本発明は、リン酸マグネシウムアンモニウム生成抑制システム及びメタン発酵システムに係り、特に、畜糞メタン発酵システムのアンモニア放散塔に好適なリン酸マグネシウムアンモニウム生成抑制システムとメタン発酵システムに関する。
家畜の排泄物、食品廃棄物等の有機性廃棄物をメタン生成菌のような微生物によりメタン発酵処理してメタンガスを含む有用なバイオガスを生成する技術が広く提案されている。また、メタン発酵後の消化液の処理として過剰分のアンモニアを除去する技術や、メタン発酵の阻害となるアンモニアを事前に除去する技術が種々提案されている。
例えば、アンモニア除去技術として、特許文献1(特開2009-66557号公報)では、メタン発酵後の消化液の処理のために、メタン発酵槽から抜き出される消化液をアンモニアストリッピング装置に導入しアンモニア除去を行い、アンモニア除去された消化液(脱窒消化液)を、貯蔵タンクに移し、貯蔵タンクに設けたドレンバルブから有機性排水として排出する技術を提案している。また、アンモニア回収工程では、ガス状あるいはミスト状となったアンモニアを凝縮器に蓄えた水に吸収させてアンモニア水として回収している。回収されたアンモニア水は脱窒処理されて一部が凝縮器に戻され再びアンモニア吸収水として利用されるようにしている。
また、特許文献2(特開2001-113265号公報)では、メタン発酵槽の前段において廃水中からアンモニアを効率良く安価に除去するため、窒素含量の高い有機性排水・汚泥からアンモニアを除去するアンモニアストリッピング工程と、アンモニアストリッピング工程において前処理した有機性排水・汚泥をメタン発酵させるメタン発酵工程とを有し、アンモニアストリッピング工程において、熱交換器を通して70〜99℃に温度調整した有機性排水・汚泥に、pH調整剤として電気分解装置で生成した電解水からなる強アルカリ液を添加することによりpH9〜13にpH調整してアンモニアストリッピングすることが提案されている。
特開2009-66557号公報 特開2001-113265号公報
本出願人は、先に、メタン生成原料が高濃度窒素含有の家畜排出物等であっても、アンモニア除去の処理効率を高め、特にアンモニア除去の処理時間の短縮化とメタン発酵槽の排水量の低減を図ることができ、さらにアンモニアストリッピング方式を採用した場合であっても、脱酸素手段を不要とする技術を提案している(特願2010-194594号、2010年8月31日出願)。
この提案では、アンモニア転換処理された原料を第1の閉鎖循環系アンモニア除去装置に導入して嫌気雰囲気の下で該装置にて循環させながら原料中に含まれるアンモニアをメタン発酵の最終目標の濃度に至らない濃度レベルでガス化除去し、第1段階のアンモニア除去工程で処理された原料をメタン発酵槽に送り、メタン発酵工程と並行して、メタン発酵槽に送られた原料の一部を、メタン発酵槽外の第2の閉鎖循環系アンモニア除去装置に取り出して、嫌気雰囲気の下で該装置にて循環させながら原料中に含まれるアンモニアを最終目標濃度になるまでガス化除去した後、メタン発酵槽に戻すようにしている。
この提案によれば、メタン生成原料が高濃度窒素含有の家畜排出物等の有機廃棄物であっても、アンモニア除去をメタン発酵前処理とメタン発酵工程で並行処理することが可能となり、アンモニア除去処理の時間短縮、コスト低減を図ることができる。しかも原料を無加水(無希釈)或いは希釈率を低くしても、許容の濃度レベルまでアンモニアを除去でき、メタン発酵槽の排水量の低減を図ることができる。さらにアンモニア除去手段として、アンモニアストリッピング方式を採用した場合であっても、閉鎖循環系による嫌気性雰囲気でのアンモニア除去を可能にするので、脱酸素手段を不要とし、設備コストの低減を図ることができる。
しかしながら、本発明者等の更なる検討によれば、メタン発酵消化液中に含まれるリン酸マグネシウムアンモニウム(以下、MAPと称する)に起因してスケールが生成し、配管を閉塞する等して機械的トラブルの主要な原因となることが判明した。このMAPに起因するスケールの生成は、避けられないという認識のもとに、装置などを洗浄しやすい構造とすることも考えられる。しかし、本出願人が提案したシステムでは、アンモニア除去装置でアンモニアを除去したメタン発酵消化液をメタン発酵槽に戻す構成としているため、MAPに起因するスケールが生成しやすく、スケール除去の頻度が多くなる。
また、MAPに起因するスケールの生成は、メタン発酵システムに限らず、排水処理設備などでの脱窒処理においても起こり得る。
なお、特許文献1や特許文献2では、MAP生成に起因するスケールの生成について考慮されていない。
本発明の目的は、MAPに起因するスケールの生成を抑制することができるリン酸マグネシウムアンモニウム生成抑制システム及びメタン発酵システムを提供することにある。
本発明は、メタン発酵消化液に炭酸ガスを溶解させて冷却してからメタン発酵槽に戻すようにすることを特徴とする。
炭酸ガスをメタン発酵消化液に溶解させる方法としては、脱アンモニアの過程で発生した炭酸ガスを再利用してメタン発酵消化液に溶解させる方法、炭酸ガスボンベからの炭酸ガスを溶解させる方法、メタン発酵槽からのバイオガスの一部を導入してバイオガスに含まれる炭酸ガスを溶解させる方法などがある。
本発明によれば、メタン発酵消化液に炭酸ガスを溶解させて冷却してからメタン発酵槽に戻すようにしているので、pHが低下し、MAP析出の要因の一つであるPO43−が減少し、その結果、MAP析出(MAPスケール生成)を抑制することができる。
本発明が適用されるメタン発酵システムの一例を示す全体概要図。 図1のシステムにおける第1段階アンモニア除去工程を実行する第1の閉鎖循環系アンモニア除去装置を示す概要図。 図1のシステムにおける第2段階アンモニア除去工程を実行する第2の閉鎖循環系アンモニア除去装置を示す概要図。 本発明の実施例1のMAP生成抑制システムの概要図。 本発明の実施例2のMAP生成抑制システムの概要図。 本発明の実施例3のMAP生成抑制システムの概要図。
本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
先ず、本発明のMAP生成抑制システムの実施例を詳細説明する前に、本発明が適用されるメタン発酵システム(畜糞メタン発酵システム)について説明する。このメタン発酵システムは、本出願人が特願2010-194594号で提案したシステムと基本的に同一である。
図1は、メタン発酵システムの一例を示す全体概要図、図2は、そのシステムにおける第1段階アンモニア除去工程を実行する第1の閉鎖循環系アンモニア除去装置の概要図、図3は、そのシステムにおける第2段階アンモニア除去工程を実行する第2の閉鎖循環系アンモニア除去装置の概要図である。
本システムは、大別すると、図1に示すように、メタン生成原料となる有機性廃棄物を投入する原料投入装置1と、第1段階アンモニア除去工程を実行するシステム101と、第2段階アンモニア除去工程を実行するシステム102と、周辺装置(12〜17)よりなる。
本実施例に係るアンモニア除去システムでは、メタン生成原料として、鶏糞などの家畜排泄物のように高窒素濃度有機物を使用する場合であっても、アンモニア除去効率を高め(アンモニア除去工程の時間短縮化)且つ全体システムの水処理量(希釈水量)や排水量を効果的に減少させ、しかも熱エネルギーなどのコストの低減化を図ることを意図して、次のような処理がなされる。
第1段階のアンモニア除去システム101では、まずアンモニア転換工程が実行される。アンモニア転換工程では、メタン生成原料である高窒素含有の有機性廃棄物は、メタン発酵槽7に送る前の処理の段階で、アンモニア発酵槽2にて原料は分解が進行して液状化(可溶化)する。
可溶化された原料に含まれる窒素成分は、アンモニア発酵槽2にて、アンモニア生成を行う性質を有する嫌気性の微生物等によりアンモニアに転換される。微生物については、既に多くの文献で開示され周知であるので、説明を省略する。アンモニア転換工程では、適切な転換温度(例えば室温〜80℃程度)と攪拌条件を維持することにより、pH調整等の薬品を使用しないで、24時間以内でのアンモニア転換が可能である。
高濃度窒素含有の有機廃棄物のアンモニア除去及びメタン発酵の処理効率を高めるために、本実施例では、メタン発酵処理前の第1段階アンモニア除去システム(原料アンモニア除去システム)101と後述のメタン発酵工程における第2段階のアンモニア除去システム(発酵液/消化液アンモニア除去システム)102とを併用する。このように二段階のアンモニア除去システムを組合わせることで効率化と熱エネルギーなどのコスト低減化を図る。
すなわち、
(イ)第1段階アンモニア除去システム101は、アンモニア発酵槽2でアンモニア転換処理された原料を、第1の閉鎖循環系アンモニア除去装置(3、4)に導入して嫌気雰囲気の下で循環させながら原料中に含まれるアンモニアを、メタン発酵の最終目標の濃度レベルに至らない濃度レベル(第1段階濃度レベル)でガス化除去する。例えば、材料が鶏糞のように含有窒素濃度が非常に高く、転換された当初アンモニア濃度が 9000mg/L程度ある場合には、6000mg/L程度になるまでアンモニア除去を行う。第1の閉鎖循環系アンモニア除去装置(3、4)の構成については、後述するが、それは嫌気性雰囲気の下、メタン発酵槽温度〜80℃の温度で実行される。
第1段階のアンモニア除去システム101は、アンモニア転換工程とアンモニア除去工程を2つの工程で行うが、同時に実施することも可能である。
(ロ)前記第1段階のアンモニア除去工程(システム101)で処理された原料は、メタン発酵槽7に導入され、可溶化が進行した状態にある原料(メタン発酵液)の一部が、メタン発酵槽外の第2の閉鎖循環系アンモニア除去装置(10、11)に取り出される。取り出されたメタン発酵液は、アンモニア除去装置(10、11)にて嫌気雰囲気の下で循環し、その循環過程でメタン発酵液に含まれるアンモニアがメタン発酵を阻害しない許容濃度レベル(例えば3000mg/L以下)に至るまでガス化除去される。アンモニア除去処理されたメタン発酵液は、メタン発酵槽7に戻される。第2の閉鎖循環系アンモニア除去装置(10、11)の構成については、後述するが、それは第1の閉鎖循環系アンモニア除去装置同様に嫌気性雰囲気の下でメタン発酵槽温度〜80℃の温度で運転される。
また、本実施例では、第2の閉鎖循環系アンモニア除去装置に、さらに、炭酸ガス溶解装置200と冷却装置300を設けている。詳細については後述する。
両アンモニア除去システム101、102は、当初は第1段階のシステム101が必然的に運転され、その後に第2段階のシステム102に第1段階のアンモニア除去工程で処理された原料が送られ、さらに第1段階のシステム101にアンモニア発酵槽2から原料が供給されれば、以後、両システムを並行に運転可能であり、このようにすれば、アンモニア除去処理効率を高めることができる。
ここで、第1、第2段階のアンモニア除去システムの具体的構成を、図1および図2、図3にしたがって説明する。
第1段階のアンモニア除去システム101に用いる第1の閉鎖循環系アンモニア除去装置は、アンモニア放散塔3とアンモニアスクラバー4とを有する。可溶化した原料に含まれるアンモニアをガス化する放散塔3としては、モレタナ、充填塔、スプレー方式が有力であるが、その中でもスプレー方式が好ましい。ここでは、スプレー方式を一例として説明する。
スプレー方式では、前もってアンモニア発酵槽2にて含有窒素がアンモニア転換された可溶化原料が、配管20、開弁制御された原料供給弁21、配管23を介して且つポンプ22の駆動によりアンモニア放散塔3に供給され、アンモニア放散塔3の下部に貯留する。このとき、発酵槽7に通じる原料供給弁25は閉じた状態にある。
アンモニア放散塔3の下部に原料が貯留すると、弁21が閉じ、弁24が開き操作或いは制御がなされる。この状態で、ポンプ22を駆動させ、またアンモニアスクラバー4の駆動ポンプ26を駆動させ、アンモニアスクラバー4から硫安タンク5に通じる弁27は閉状態になるよう操作される。この状態で、アンモニア放散塔3の下部に貯留された可溶化原料(アンモニア転換済原料)40は、図2に示すように、ポンプ22、配管23を介して放散塔3の上部から内部にシャワー状に放出(有機廃棄物シャワー)されるとともに、アンモニア放散塔3の下からは、スクラバー4からファン28、配管29を介して送り込まれる嫌気性雰囲気ガス(このガスは、当初は空気であり酸素も含まれるが、閉鎖系の放散塔3とスクラバー4との間で循環するので、循環していくうちに炭酸ガス、アンモニアガス、水蒸気が主流となり、嫌気性雰囲気ガスとなる)が送り込まれる。それによりシャワー状(液滴状:飛沫状、粒状)の原料と嫌気性雰囲気ガスが気液接触することで、気液接触表面積が拡大することによりアンモニアを効率良くガス化する。ガス化したアンモニアは、アンモニアススクラバー4に送られ、スクラバー4でアンモニアが除去された後の嫌気性雰囲気ガスがアンモニア放散塔3へファン28及びガス循環系配管29を介して送られ、このようにして、嫌気性雰囲気ガスが2塔間を循環する。
アンモニアスクラバー4は、アンモニアを中和するための酸性液(例えば硫酸)41が入れ替え可能に貯留し、ポンプ26及び配管32を介して循環する酸性液41のシャワー(酸性洗浄)でアンモニアを捕集する。アンモニアスクラバー4で捕集した酸性液41は薬液注入ユニット(図示省略)で例えばpH3〜4またはそれ以下にコントロールされる。アンモニア除去によりアンモニア転換済原料中のアンモニア濃度が前述の第1段階濃度レベルまで低下した段階で、第1のアンモニア除去工程は完了し、メタン発酵槽7に通じる弁25が開き、ポンプ22の駆動によりアンモニア放散塔3内の原料がメタン発酵槽7に送られる。また、スクラバー4の下部の硫安液を交換する場合には下部に設けた弁27が開き、硫安は、ポンプ30を介して硫安タンク5に送られて貯蔵され、肥料等の原料にされる。
上記の第1段階のアンモニア除去工程において、閉鎖循環系アンモニア除去装置を構成するアンモニア放散塔3とアンモニアスクラバー4は、ヒータ及び温度センサ(いずれも図示省略)を備え、両者間は、温度制御装置31でメタン発酵槽温度〜80℃の等温で制御されている。また、アンモニア放散塔3とアンモニアスクラバー4とは、外気から閉鎖された閉鎖循環系を構成するほかに、各塔内が気液平衡状態に保たれている。したがって、閉鎖循環系は、等温・気液平衡状態にあるので、放散塔3・スクラバー4の両者間での熱交換(蒸発、凝縮)が抑制されている。したがって、アンモニア放散塔3での水分の蒸発或いは凝縮を抑えて可溶化原料の水分の変動を抑え、アンモニアスクラバー4での水分の蒸発或いは凝縮を抑え、中和水濃度の変動を抑えることができる。すなわち、放散塔・スクラバー間のエネルギー消費を抑える。
なお、メンテナンスなどで系内のガスを排気する場合には臭気対策のため、アンモニアスクラバー4を通過したガスの一部を、脱臭装置6を介して大気開放することにより、脱臭装置の容量を小さくする。
第1段階のアンモニア除去システム101で原料をメタン発酵槽温度~80℃で高温にすることで、原料の可溶化が進み、副次的にメタン発酵の高効率化が図れる。
前述したように、例えば6000 mg/L程度までアンモニア除去された原料は、次に発酵槽7に送られ、嫌気性でメタン生成する働きを有する微生物を用いてメタン発酵処理に供される。メタン発酵槽7内でのメタン生成のためには、上記アンモニア濃度では未だメタン生成の阻害要因となり得るので、メタン発酵槽7の可溶化原料(メタン発酵液)の一部をメタン発酵槽外に取り出して、第2の閉鎖循環系アンモニア除去装置(アンモニア放散塔10、アンモニアスクラバー11)を用いて第2段階目のアンモニア除去工程が実行される。
本実施例では、メタン発酵槽7のメタン発酵液の一部は、ポンプ33の駆動により、配管34、開弁状態の弁56、熱交換器9、加熱器8を介してアンモニア放散塔10に供給される。この場合、メタン発酵槽の後段(凝集槽12)に通じる弁55と、放散塔10の出口側とメタン発酵槽7間の戻り配管52に設けた弁54は閉じた状態にあり、戻り配管52に設けたポンプ53は、停止状態にある。熱交換器9、加熱器8の働きについては後述する。
第2段階アンモニア除去システム102に用いるアンモニア放散塔10としては、モレタナ、充填塔、スプレーの方式が有力で、いずれでも良いが、その中でもモレタナ方式が好ましいので、ここでは、それを一例にして説明する。
モレタナ方式は、図3に示すように、アンモニア放散塔10内に気液接触用の多孔の棚段44を設けるが、多孔棚段に代えて通気性を有する充填剤を用いることも可能である。
メタン発酵槽7から一部取り出したメタン発酵液は、放散塔10の下部に貯留し(符号42で示す)、このメタン発酵液42は、放散塔10の上部からポンプ35及び配管36を介して多孔棚段44の上面に滴下される。放散塔10の下から塔内にアンモニアスクラバー11側からの嫌気性雰囲気ガスが送り込まれる。この嫌気性雰囲気ガスは、第1段階のアンモニア除去システム101で用いたものと同様に、当初は空気であり酸素も含まれるが、閉鎖系の放散塔10とスクラバー11との間で循環するので、循環していくうちに炭酸ガス、アンモニアガス、水蒸気が主流となり、嫌気性雰囲気ガスとなるものである。
この多孔棚段44の領域で、上方から滴下されてくるメタン発酵液が下方から送り込まれてくる嫌気性雰囲気ガスと接触(気液接触)することで、メタン発酵液の液滴表面から嫌気性雰囲気ガス(循環ガス)中にアンモニアがガス化して放散される。放散塔10内で放散されるアンモニアガスは、循環ガス配管38及びファン39を介してアンモニアススクラバー11に供給され、酸性液43の酸性洗浄によりアンモニアガスが酸性液中に吸収されアンモニア除去が行われる。アンモニアが除去された嫌気性雰囲気ガスはスクラバー11に戻され、既述したように気液接触(酸性液とアンモニアガスの気液接触によるアンモニアストリッピング)に供される。
本実施例では、アンモニアスクラバー11もモレタナ方式を採用するものであり、多孔棚段45がスクラバー11の塔内に装填されている。棚段45は、通気性充填材を使用してもよい。スクラバー11としてはモレタナ、充填塔、スプレー方式が有効で、そのいずれでも良い。第2段階のアンモニア除去時において、pH調整用の薬品を使用せず、メタン発酵液のpH(7〜8付近)でアンモニア除去を行う。
また、第2の閉鎖循環系アンモニア放散塔10とアンモニアスクラバー11も、第1段階のアンモニア除去システム同様に、両者間が温度制御装置51を介して等温(メタン発酵槽温度〜80℃)制御され、且つ両者は、気液平衡状態に保たれている(等温・気液平衡状態)。等温・気液平衡状態の利点は、第1アンモニア除去システムで述べたのと同様であるので、説明を省略する。
アンモニア放散塔10に供給された発酵液42は、(1)最終目標濃度レベル(例えば3000mg/L以下)になるまで放散塔10と配管36の経路で循環してアンモニア除去が行われた後、戻り配管52を介してメタン発酵槽7に戻されるか、或いは(2)規定回数(一回以上)だけ放散塔10と配管36の経路で循環してアンモニア除去が行われた後、戻り配管52を介してメタン発酵槽7に戻される。
アンモニア放散塔10のメタン発酵液がメタン発酵槽7に戻される場合には、ポンプ33を停止させ、戻り配管52の弁54を開き、ポンプ53を駆動させる。この発酵液戻しの後に、弁54を閉じ、ポンプ53を停止させ、再度ポンプ33を駆動させてメタン発酵槽7からアンモニア放散塔10にメタン発酵液を供給し、その後、既述したアンモニア除去工程を行う。
このような一連の工程を繰り返すことにより、メタン発酵槽7のアンモニア濃度を最終目標濃度レベル(例えば3,000mg/L)以下に低減することができる。
また、第2段階目のアンモニア除去工程は、次の方法で連続運転するようにしても良い。即ち、メタン発酵槽7からアンモニア放散塔10へ供給するポンプ33は常時運転し、アンモニア放散塔10に通じる弁56も常時開いた状態とし、アンモニア放散塔10からメタン発酵槽7へ供給するポンプ53も常時運転する。そして、メタン発酵槽7の後段(凝集槽12)に通じる弁55は、通常、閉じた状態とし、消化液を抜き出す時だけ開くようにする。この方法によってアンモニア放散塔10を用いた第2段階目のアンモニア除去工程の連続運転が可能となる。このような連続運転でもメタン発酵槽7のアンモニア濃度を最終目標濃度レベル(例えば3,000mg/L)以下に低減することができる。
本実施例では、メタン発酵槽7から閉鎖循環系アンモニア除去機構の放散塔10へメタン発酵液を送る配管37には、上流側から下流に熱交換器9と加熱器8とが設けられ、放散塔10からメタン発酵槽7へメタン発酵液を戻す配管は、熱交換器9を経由してメタン発酵槽7に接続されている。第2段階のアンモニア除去システム(メタン発酵液アンモニア除去システム)102の熱効率向上をはかるため、メタン発酵槽7から抜き出したメタン発酵液は、再生熱交器9を経由して加熱器8を介して昇温された後に放散塔10へ導入される。また、放散塔10からメタン発酵槽7へ戻されるメタン発酵液は前述の再生熱交換器9にてメタン発酵槽7へ投入する温度まで下げられる。このようにすることで、アンモニア除去効率とメタン発酵槽7内の温度の上昇が抑えられる。
また、加熱器8及び熱交換器9で温度調節された発酵液の熱は、メタン発酵槽の温度維持に利用され、効率的なエネルギー利用を図ることができる。
メタン発酵液(いわゆる消化液)の一部は、メタン発酵液の含水率を適宜保つための加水として再利用されるが(消化液の発酵槽への戻しついては後述する)、消化液中にはメタン発酵時に生成されたアンモニアが含まれているため、第2の閉鎖循環系アンモニア除去システム102を利用してアンモニア除去が行われる。アンモニア濃度が希釈水として利用できるレベルのアンモニア濃度まで低下した後に、弁55を開くことで、メタン発酵槽7の消化液が、固液分離装置13を介して再利用のための水槽16に送られる。
この場合、メタン発酵槽7の原料の含水率が70%以下であれば、原料により持ち込まれる水分量は、固液分離装置17にて分離される固体残渣中に含まれる水分量とバランスし、外部へ排出される消化液の排水を極小化(ケースによっては、ほぼゼロ)することが可能となる。固液分離装置13で分離した脱離水は、水槽16に貯留し、再利用液としてメタン発酵槽7に戻され、再利用されない脱離液は、排水処理設備17等を経由して、系外に排出される。脱離液をメタン発酵槽に戻してもアンモニアの濃縮を防止できるため、脱離液の再利用が図られ、排水量を低減することができる。
固液分離装置13で繊維質の少ない消化液を処理した場合、固形分の回収率を向上するために、固液分離装置の前段に凝縮槽12を設置して、高分子凝集剤、もみがら、おが屑等を投入して、固形分の回収率向上を図ってもよい。
固液分離装置で分離した固形物は、ホッパ攪拌機を経由して炭化炉、または堆肥化設備で処理し、炭化物または、たい肥等とする。
このようなメタン発酵システムによれば、
(1)メタン発酵阻害の要因となるアンモニア除去を、メタン発酵の前段階とメタン発酵段階にて、2段階アンモニア除去システムを併用することで行うので、高濃度窒素含有の有機性廃棄物を使用した場合でも、無加水或いは外部からの希釈水量を極力減らして、効率の良い(時間短縮、エネルギー消費の低減)、しかも余裕をもってアンモニア除去を実行することができ、しかも、今までメタン発酵普及に向けて大きな阻害要因であった排水量を大幅に低減することができ、実用化レベルの高濃度窒素含有の有機性廃棄物を使用したメタン生成設備を実現することができる。
なお、高窒素含有に限らず、低窒素含有の有機性廃棄物に適用できることはいうまでもない。
(2)さらにアンモニア除去手段として、アンモニアストリッピング方式を採用した場合であっても、閉鎖循環系による嫌気性雰囲気でのアンモニア除去を可能にするので、脱酸素手段を不要とし、設備コストの低減を図ることができる。
(3)しかもアンモニア放散塔とアンモニアスクラバーとの間を等温・気液平衡状態に保つことができるので、アンモニア除去工程において可溶化した原料の水分蒸発やアンモニア除去に用いたアンモニア搬送ガス(循環ガス)の凝縮を抑制してアンモニア除去時のエネルギー消費を抑えることができる。
(4)消化液は、メタン発酵槽へ戻して再生利用できるため、排水量を極力抑えることが可能となる。
(5)アンモニア除去工程で処理されたメタン発酵液をメタン発酵槽に戻す場合には、加熱器および再生熱交換器を用いてメタン発酵槽の温度を好ましい温度に維持できるので、メタン発酵の促進とエネルギー消費の両立を図ることができる。
このようなメタン発酵システムでは、メタン発酵消化液に含まれるMAPが析出しやすい。MAPとはリン酸マグネシウムアンモニウムの略で、Mg2+,NH ,PO 3−で構成されている。水溶液中にMg2+,NH ,PO 3−が共存し、各イオンの濃度の積がMAPの溶解度積を超えるとMAPが析出する。MAPはpH7.0〜8.5付近で析出しやすく、析出したMAPはスケールとなって配管の閉塞や装置の破損など機械的トラブルを起こす主要な原因となる。
上述の畜糞メタン発酵システムにおいて、アンモニア放散塔10を出たメタン発酵消化液の温度は低下するが、温度が低下することでpHが上昇する。畜糞中にはリン酸が多く含まれており、pHが上昇することで解離によりリン酸HPOがHPO → HPO 2− → PO 3−の順番にイオン化する。リン酸は畜糞中に多く含まれているので、PO 3−が多量に生成することになる。PO 3−が多量に生成することで、消化液中に元々存在するMg2+とNH と反応し、MAPの溶解度積を超えMAPが析出することになる。また、本発明のMAP生成抑制システムを備えない場合、MAPが生成(析出)しやすい条件となる。即ち、上述のメタン発酵システムにおいて、アンモニア放散塔10の前後のメタン発酵消化液のpHは7.0〜8.0程度になっており、MAPが析出しやすい条件となっている。
MAPが析出する原因はpHの上昇によるPO 3−の上昇なので、それを押さえることが効果的である。そこで、本発明では、メタン発酵消化液に炭酸ガスを溶解させてpH上昇を抑えてMAPの析出を抑制するようにしている。
以下、図4〜6を用いて、本発明のMAP生成抑制システムを詳細に説明する。
図4に本発明のMAP生成抑制システムの第1実施例を示す。本実施例は、アンモニア放散塔10で発生した炭酸ガスを再利用して、アンモニア放散塔10の後段で冷却された消化液に炭酸ガスを再溶解させることによりpH上昇を抑えてMAPの析出を抑制するようにしたものである。
メタン発酵槽7の消化液は、加熱器8で40℃から70℃へ昇温されてアンモニア放散塔10に供給される。アンモニア放散塔10で空気と混合させることでアンモニアがガス化される。硫酸を用いたアンモニアスクラバー11でアンモニア放散塔10からのアンモニアガスを硫酸と反応させてアンモニアガスを硫酸に吸収させる。アンモニア放散塔10とアンモニアスクラバー11によって消化液中のアンモニアが除去される。
また、アンモニア放散塔10では温度上昇により消化液からCOがガス化する。即ち、アンモニア放散塔10の消化液中にはCO 2−とCOガスが含まれていて、昇温することでCOガスが過飽和状態となり、飽和量よりも多い量は炭酸ガスとして放出される。またアンモニアを除去することでpHが下降するため、さらに炭酸ガスは放出されやすい状態となっている。
本実施例では、アンモニア放散塔10で発生したガスを再利用するため、アンモニア放散塔10およびアンモニアスクラバー11では、発生した炭酸ガスが外部に漏れないように密閉構造としている。
アンモニア放散塔10から消化液はポンプを駆動することにより液移送配管202を介して炭酸ガス溶解装置200に移送される。また、アンモニア放散塔10で発生した炭酸ガスを、炭酸ガス溶解装置200に移送させるために、アンモニア放散塔10と炭酸ガス溶解装置200を接続するガス配管201が設けられている。
アンモニア放散塔10を出た消化液の温度は後段の炭酸ガス溶解装置200において低下する。アンモニア放散塔10内の消化液は炭酸ガスが飽和状態となっているが、炭酸ガス溶解装置200に移送され温度が下がることで炭酸ガスの溶解度が大きくなり、アンモニア放散塔10で放出された炭酸ガスを炭酸ガス溶解装置200において消化液に溶解させることができる。また、消化液が冷却されることでpHが上昇するため、さらに炭酸ガスが溶けやすい状態となっている。また、炭酸ガスを消化液に効率的に溶解させるため、配管203を介して炭酸ガス溶解装置200内の消化液を循環させている。
また、炭酸ガス溶解装置200を出た消化液は配管204を介して冷却装置300に移送される。冷却装置で消化液を冷却することにより炭酸ガスの放出を抑えることができる。冷却装置の冷熱源としては、メタン発酵槽7から加熱器8に移送される前の消化液を冷却装置の冷媒として供給するようにしても良い。冷却装置で熱交換した消化液は加熱器8に供給され、加熱装置で用いる熱エネルギーを少なくすることができる。なお、配管203は冷却装置300の出た後の配管52に接続し、冷却装置300で冷却した消化液の一部を炭酸ガス溶解装置200に循環させるようにしても良い。消化液の温度がさらに下がって炭酸ガスの溶解度が大きくなり、アンモニア放散塔で放出された炭酸ガスを消化液に多く溶解させることができる。
炭酸ガス溶解装置200を用いて、炭酸ガスを消化液へ溶解させることで、pHが下降し、PO 3−はHPO 2− → HPO → HPOと移り、PO 3−が減少する。従って、MAPの生成(析出)を抑制することができる。
MAPの発生を抑えることで、メタン発酵槽およびアンモニアストリッピングの一種であるアンモニア放散塔における機械的トラブルの主要な原因(MAPスケールの生成)が小さくなり、安定してメタン発酵の運転を実施することができる。また、スケールの除去作業の頻度を少なくすることができる。
また、本実施例では、アンモニア放散塔で発生した炭酸ガスを再利用しているので、pH調整するために新たな薬剤を追加することなく、ランニングコストを抑えることができる。
上述の実施例では、MAP生成抑制システムを、養豚場や養鶏場から出る畜糞を原料とする畜糞メタン発酵システムに適用した場合について説明したが、畜糞以外の高窒素含有廃棄物(例えば下水汚泥)のメタン発酵システムにも適用できる。
図5に本発明のMAP生成抑制システムの他の実施例(実施例2)を示す。本実施例は、炭酸ガスボンベ400から配管205を介して炭酸ガスを炭酸ガス溶解装置200に供給するようにしたものである。その他は、実施例1と同様である。本実施例においてもメタン発酵消化液に炭酸ガスを溶解させているので、pHが低下し、MAP析出の要因の一つであるPO 3−が減少し、その結果、MAP析出(MAPスケール生成)を抑制することができる。
本実施例における炭酸ガスボンベを用いた炭酸ガス溶解装置は、メタン発酵消化液に含まれるMAP析出抑制以外に、例えば、畜糞や下水汚泥などの排水処理設備での脱窒処理に適用できる。即ち、排水処理における脱窒処理は、例えば、脱窒槽と間欠曝気槽とを組み合わせ、排水を循環させて脱窒処理されるが、曝気の際に炭酸ガスが抜けることでMAPが生成しやすい。そこで、曝気槽の代わりに本実施例のMAP生成抑制システムを用い(脱窒槽と本実施例のMAP生成抑制システムを組合せ)、排水処理設備におけるMAP生成を抑制する。具体的には、図5におけるメタン発酵槽7の代わりに、排水処理設備における脱窒槽が設置され、脱窒処理排水に炭酸ガスを溶解させる。排水処理設備では、メタン発酵システムのように、アンモニア放散塔10では、炭酸ガスが発生しないので、炭酸ガスボンベ400を用いた炭酸ガス溶解装置が有効となる。このように排水処理設備に本実施例のMAP生成抑制システムを適用しても効果的にMAP生成を抑制することができる。
図6に本発明のMAP生成抑制システムの他の実施例(実施例3)を示す。本実施例は、メタン発酵槽7からのバイオガスの一部若しくは全部を炭酸ガス溶解装置200に供給するようにしたものである。その他は、実施例1と同様である。
メタン発酵槽7から発生するバイオガスには約40%程度COが含まれている。従って、配管206を介してこのバイオガスを炭酸ガス溶解装置200に送ることにより、バイオガスに含まれるCO2を溶解させることができる。その結果、本実施例においてもメタン発酵消化液に炭酸ガスを溶解させているので、pHが低下し、MAP析出の要因の一つであるPO 3−が減少し、その結果、MAP析出(MAPスケール生成)を抑制することができる。
また、本実施例では、バイオガス中のCO2が減少して相対的にメタンガス濃度が上昇する。つまり、メタンの濃縮も同時に達成するメリットがある。濃縮されたメタンは燃焼炉またはガスエンジンに供給される。
本実施例は、実施例1と同様に、畜糞以外の高窒素含有廃棄物のメタン発酵システムにも適用できる。
本発明は、養豚場や養鶏場から出る畜糞を原料とする畜糞メタン発酵システムの他に、下水汚泥の排水処理やメタン発酵、その他の廃液処理などの高リン含有汚泥処理に応用できる。
2…アンモニア発酵槽、3,4…第1の閉鎖循環系アンモニア除去装置(アンモニア放散塔、アンモニアスクラバー)、7…メタン発酵槽、8…加熱器、9…熱交換機、10,11…第2の閉鎖循環系アンモニア除去装置(アンモニア放散塔、アンモニアスクラバー)、31…温度制御装置、51…温度制御装置、101…第1段階のアンモニア除去システム、102…第2段階のアンモニア除去システム、200…炭酸ガス溶解装置、300…冷却装置、400…炭酸ガスボンベ。

Claims (8)

  1. メタン発酵槽と前記メタン発酵槽からのメタン発酵消化液に含まれるアンモニアを除去するアンモニア除去装置を備えたメタン発酵システムにおけるリン酸マグネシウムアンモニウム生成抑制システムであって、
    前記メタン発酵システムは前記アンモニア除去装置でアンモニアを除去したメタン発酵消化液を前記メタン発酵槽に戻すように構成され、
    前記アンモニア除去装置からのメタン発酵消化液に炭酸ガスを溶解させる炭酸ガス溶解装置を設け、
    前記炭酸ガス溶解装置の後段にメタン発酵消化液を冷却する冷却装置を備え、前記冷却装置で冷却したメタン発酵消化液を前記メタン発酵槽に戻すようにしたことを特徴とするリン酸マグネシウムアンモニウム生成抑制システム。
  2. 請求項において、前記アンモニア除去装置はアンモニア放散塔を含み、前記アンモニア放散塔で発生した炭酸ガスを前記炭酸ガス溶解装置に供給するようにしたことを特徴とするリン酸マグネシウムアンモニウム生成抑制システム。
  3. 請求項において、前記メタン発酵槽と前記アンモニア放散塔との間にメタン発酵消化液を加熱する加熱器を設けたことを特徴とするリン酸マグネシウムアンモニウム生成抑制システム。
  4. 請求項2又は3において、前記アンモニア放散塔は該アンモニア放散塔に接続する配管を除いて密閉構造としたことを特徴とするリン酸マグネシウムアンモニウム生成抑制システム。
  5. 請求項において、前記炭酸ガス溶解装置に炭酸ガスボンベから炭酸ガスを供給するようにしたことを特徴とするリン酸マグネシウムアンモニウム生成抑制システム。
  6. 請求項において、前記メタン発酵槽で発生したバイオガスを前記炭酸ガス溶解装置に供給するようにしたことを特徴とするリン酸マグネシウムアンモニウム生成抑制システム。
  7. メタン発酵槽と、前記メタン発酵槽からのメタン発酵消化液に含まれるアンモニアを除去するアンモニア除去装置と、前記アンモニア除去装置からのメタン発酵消化液に炭酸ガスを溶解させる炭酸ガス溶解装置と、前記炭酸ガス溶解装置からのメタン発酵消化液を冷却する冷却装置を備え、前記冷却装置で冷却したメタン発酵消化液を前記メタン発酵槽に戻すようにしたことを特徴とするメタン発酵システム。
  8. メタン発酵槽と、
    前記メタン発酵槽にメタンガス生成用原料となる有機性廃棄物を送る前に、この原料に含まれる窒素成分をアンモニアに転換するアンモニア発酵槽と、アンモニア転換処理された原料を嫌気雰囲気の下で循環させながら原料中に含まれるアンモニアを第1段階の濃度レベルでガス化除去する第1の閉鎖循環系アンモニア除去装置とを有する第1のアンモニア除去システムと、
    前記第1のアンモニア除去システムから前記メタン発酵槽に前記原料が送られ、前記メタン発酵槽で前記原料の可溶化が進行したメタン発酵消化液の一部を、メタン発酵槽外に取り出して嫌気雰囲気の下で循環させながら前記メタン発酵消化液中に含まれるアンモニアをガス化除去し、その後、前記メタン発酵槽に戻し、このようなメタン発酵消化液の一部のメタン発酵槽外取り出し、アンモニア除去、およびメタン発酵槽内戻しを繰り返して、メタン発酵槽内の原料のアンモニアを前記第1段階の濃度レベルよりも濃度が低い第2段階の濃度レベルまで除去する第2の閉鎖循環系アンモニア除去装置を有する第2のアンモニア除去システムと、
    前記第2の閉鎖循環系アンモニア除去装置でアンモニアが除去されたメタン発酵消化液を前記メタン発酵槽に戻す前に炭酸ガスをアンモニアが除去されたメタン発酵消化液に溶解させる炭酸ガス溶解装置と
    前記炭酸ガス溶解装置の後段に設けられ、メタン発酵消化液を冷却する冷却装置とを備え、前記冷却装置で冷却したメタン発酵消化液を前記メタン発酵槽に戻すようにしたことを特徴とするメタン発酵システム。
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