JP5796718B2 - 温度センサ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フィルム型サーミスタ温度センサに好適な温度センサ及びその製造方法に関する。
温度センサ等に使用されるサーミスタ材料は、高精度、高感度のために、高いB定数が求められている。従来、このようなサーミスタ材料には、Mn,Co,Fe等の遷移金属酸化物が一般的である(特許文献1及び2参照)。また、これらのサーミスタ材料では、安定なサーミスタ特性を得るために、600℃以上の焼成が必要である。
また、上記のような金属酸化物からなるサーミスタ材料の他に、例えば特許文献3では、一般式:M(但し、MはTa,Nb,Cr,Ti及びZrの少なくとも1種、AはAl,Si及びBの少なくとも1種を示す。0.1≦x≦0.8、0<y≦0.6、0.1≦z≦0.8、x+y+z=1)で示される窒化物からなるサーミスタ用材料が提案されている。また、この特許文献3では、Ta−Al−N系材料で、0.5≦x≦0.8、0.1≦y≦0.5、0.2≦z≦0.7、x+y+z=1としたものだけが実施例として記載されている。このTa−Al−N系材料では、上記元素を含む材料をターゲットとして用い、窒素ガス含有雰囲気中でスパッタリングを行って作製されている。また、必要に応じて、得られた薄膜を350〜600℃で熱処理を行っている。
特開2003−226573号公報 特開2006−324520号公報 特開2004−319737号公報
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
近年、樹脂フィルム上にサーミスタ材料を形成したフィルム型サーミスタセンサの開発が検討されており、フィルムに直接成膜できるサーミスタ材料の開発が望まれている。すなわち、フィルムを用いることで、フレキシブルなサーミスタセンサが得られることが期待される。さらに、0.1mm程度の厚さを持つ非常に薄いサーミスタセンサの開発が望まれているが、従来はアルミナ等のセラミックス材料を用いた基板材料がしばしば用いられ、例えば、厚さ0.1mmへと薄くすると非常に脆く壊れやすい等の問題があったが、フィルムを用いることで非常に薄いサーミスタセンサが得られることが期待される。
従来、TiAlNからなる窒化物系サーミスタを形成した温度センサでは、フィルム上に電極とTiAlNからなるサーミスタ材料層とを積層して形成する場合、フィルムと電極材料のAu等の貴金属との接合性が低いため、フィルム上に、CrやNiCrの接合層を成膜し、その上にAu等の貴金属を成膜し、櫛型等にパターニングしている。そして、さらにサーミスタ材料層を成膜し、所定形状にパターニングしている。しかしながら、上記電極構造の温度センサでは、高B定数のサーミスタ特性を得るためにTiAlNのTiの組成比を少なくしているため(すなわち、Alリッチ)、Au等の貴金属と前記TiAlNとの接合性が低いという問題があった。このため、フィルムを曲げたときなど、Au等の貴金属の電極層とサーミスタ材料層との剥離により、電気特性が劣化する場合があった。
また、樹脂材料で構成されるフィルムは、一般的に耐熱温度が150℃以下と低く、比較的耐熱温度の高い材料として知られるポリイミドでも200℃程度の耐熱性しかないため、サーミスタ材料の形成工程において熱処理が加わる場合は、適用が困難であった。上記従来の酸化物サーミスタ材料では、所望のサーミスタ特性を実現するために600℃以上の焼成が必要であり、フィルムに直接成膜したフィルム型サーミスタセンサを実現できないという問題点があった。そのため、非焼成で直接成膜できるサーミスタ材料の開発が望まれているが、上記特許文献3に記載のサーミスタ材料でも、所望のサーミスタ特性を得るために、必要に応じて、得られた薄膜を350〜600℃で熱処理する必要があった。また、このサーミスタ材料では、Ta−Al−N系材料の実施例において、B定数:500〜3000K程度の材料が得られているが、耐熱性に関する記述がなく、窒化物系材料の熱的信頼性が不明であった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、TiAlNのサーミスタ材料層と電極層との高い接合性が得られ、さらにフィルム等に非焼成で直接成膜することができ、高い耐熱性を有して信頼性が高い温度センサ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係る温度センサは、絶縁性基材と、該絶縁性基材上に互いに対向した一対の対向電極部を有して形成された一対のパターン電極と、前記絶縁性基材上に一対の前記対向電極部を覆って形成された薄膜サーミスタ部とを備え、該薄膜サーミスタ部が、TiAlNのサーミスタ材料で形成され、前記パターン電極の少なくとも前記対向電極部が、前記絶縁性基材上に形成されたCr又はNiCrの第1接合層と、該第1接合層上に貴金属で形成された電極層と、該電極層上に直接又はCr層を介して形成されたCrNの第2接合層とを有していることを特徴とする。
この温度センサでは、パターン電極の少なくとも対向電極部が、絶縁性基材上に形成されたCr又はNiCrの第1接合層と、該第1接合層上に貴金属で形成された電極層と、該電極層上に直接又はCr層を介して形成されたCrNの第2接合層とを有しているので、同じ窒化物であるTiAlNの薄膜サーミスタ部とCrNの第2接合層とで高い接合性が得られる。また、CrNの第2接合層と貴金属の電極層とも接合性が高い。したがって、薄膜サーミスタ部と第2接合層と電極層との各界面での隔離を防ぐことができ、高い信頼性が得られる。
第2の発明に係る温度センサは、第1の発明において、前記絶縁性基材が、絶縁性フィルムであることを特徴とする。
すなわち、この温度センサでは、絶縁性基材が、絶縁性フィルムであるので、薄型で全体がフィルム状の温度センサとなり、フレキシブルで凹凸が小さく、設置自由度を大幅に向上させることができる。また、絶縁性フィルムの曲げに対しても、薄膜サーミスタ部の剥離が生じ難く、曲面等への設置も可能になる。
第3の発明に係る温度センサは、第1又は第2の発明センサにおいて、前記薄膜サーミスタ部が、一般式:TiAl(0.70≦y/(x+y)≦0.95、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示される金属窒化物からなり、その結晶構造が、六方晶系のウルツ鉱型の単相であることを特徴とする。
本発明者らは、窒化物材料の中でもAlN系に着目し、鋭意、研究を進めたところ、絶縁体であるAlNは、最適なサーミスタ特性(B定数:1000〜6000K程度)を得ることが難しいため、Alサイトを電気伝導を向上させる特定の金属元素で置換すると共に、特定の結晶構造とすることで、非焼成で良好なB定数と耐熱性とが得られることを見出した。
したがって、本発明は、上記知見から得られたものであり、薄膜サーミスタ部が、一般式:TiAl(0.70≦y/(x+y)≦0.95、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示される金属窒化物からなり、その結晶構造が、六方晶系のウルツ鉱型の単相であるので、非焼成で良好なB定数が得られると共に高い耐熱性を有している。
なお、上記「y/(x+y)」(すなわち、Al/(Ti+Al))が0.70未満であると、ウルツ鉱型の単相が得られず、NaCl型相との共存相又はNaCl型相のみの相となってしまい、十分な高抵抗と高B定数とが得られない。
また、上記「y/(x+y)」(すなわち、Al/(Ti+Al))が0.95をこえると、抵抗率が非常に高く、きわめて高い絶縁性を示すため、サーミスタ材料として適用できない。
また、上記「z」(すなわち、N/(Ti+Al+N))が0.4未満であると、金属の窒化量が少ないため、ウルツ鉱型の単相が得られず、十分な高抵抗と高B定数とが得られない。
さらに、上記「z」(すなわち、N/(Ti+Al+N))が0.5を超えると、ウルツ鉱型の単相を得ることができない。このことは、ウルツ鉱型の単相において、窒素サイトにおける欠陥がない場合の正しい化学量論比は、N/(Ti+Al+N)=0.5であることに起因する。
第4の発明に係る温度センサの製造方法は、第1から第3のいずれかの発明の温度センサを製造する方法であって、前記絶縁性基材上に一対の前記パターン電極をパターン形成する電極形成工程と、前記絶縁性基材上に一対の前記対向電極部を覆って前記薄膜サーミスタ部をパターン形成する薄膜サーミスタ部形成工程とを有し、該薄膜サーミスタ部形成工程が、前記絶縁性基材上にTiAlNのサーミスタ材料層を成膜する成膜工程と、前記サーミスタ材料層上に前記薄膜サーミスタ部となる部分にレジストをパターン形成するレジスト工程と、前記レジストで覆われていない前記サーミスタ材料層だけをTiエッチャントでウェットエッチングすることで前記薄膜サーミスタ部を形成するエッチング工程と、該エッチング工程後に前記レジストを除去する工程とを有していることを特徴とする。
すなわち、この温度センサの製造方法では、レジストで覆われていないTiAlNのサーミスタ材料層だけをTiエッチャント(エッチング液)でウェットエッチングすることで薄膜サーミスタ部を形成するので、露出しているTiAiNのサーミスタ材料だけがエッチングされ、CrNのパターン電極はエッチングされず、容易に薄膜サーミスタ部をパターン形成することができる。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係る温度センサ及びその製造方法によれば、パターン電極の少なくとも対向電極部が、絶縁性基材上に形成されたCr又はNiCrの第1接合層と、該第1接合層上に貴金属で形成された電極層と、該電極層上に直接又はCr層を介して形成されたCrNの第2接合層とを有しているので、同じ窒化物であるTiAlNの薄膜サーミスタ部とCrNの第2接合層とが高い接合性を有することで、界面等での隔離を防ぐことができ、高い信頼性が得られる。
さらに、薄膜サーミスタ部を、一般式:TiAl(0.70≦y/(x+y)≦0.95、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示される金属窒化物からなり、その結晶構造が、六方晶系のウルツ鉱型の単相である材料とすることで、非焼成で良好なB定数が得られると共に高い耐熱性が得られる。
したがって、本発明の温度センサによれば、絶縁性基材を絶縁性フィルムとすることで、フレキシブルで凹凸が少なく、非接触給電装置やバッテリー等の狭い隙間に挿入して設置することや、曲面に設置することも可能になる。
本発明に係る温度センサ及びその製造方法の一実施形態において、温度センサを示すパターン電極に沿った断面図である。 本実施形態において、温度センサを示す斜視図である。 本実施形態において、サーミスタ用金属窒化物材料の組成範囲を示すTi−Al−N系3元系相図である。 本実施形態において、温度センサの製造方法を工程順に示す斜視図である。 本発明に係る温度センサ及びその製造方法の比較例(a)及び実施例(b)において、屈曲試験後の薄膜サーミスタ部とパターン電極との界面における断面SEM写真である。 本発明に係る温度センサ及びその製造方法の実施例において、サーミスタ用金属窒化物材料の膜評価用素子を示す正面図及び平面図である。 本発明に係る実施例及び比較例において、25℃抵抗率とB定数との関係を示すグラフである。 本発明に係る実施例及び比較例において、Al/(Ti+Al)比とB定数との関係を示すグラフである。 本発明に係る実施例において、Al/(Ti+Al)=0.84としたc軸配向が強い場合におけるX線回折(XRD)の結果を示すグラフである。 本発明に係る実施例において、Al/(Ti+Al)=0.83としたa軸配向が強い場合におけるX線回折(XRD)の結果を示すグラフである。 本発明に係る比較例において、Al/(Ti+Al)=0.60とした場合におけるX線回折(XRD)の結果を示すグラフである。 本発明に係る実施例において、a軸配向の強い実施例とc軸配向の強い実施例とを比較したAl/(Ti+Al)比とB定数との関係を示すグラフである。 本発明に係る実施例において、c軸配向が強い実施例を示す断面SEM写真である。 本発明に係る実施例において、a軸配向が強い実施例を示す断面SEM写真である。
以下、本発明に係る温度センサ及びその製造方法における一実施形態を、図1から図4を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる図面の一部では、各部を認識可能又は認識容易な大きさとするために必要に応じて縮尺を適宜変更している。
本実施形態の温度センサ1は、フィルム型サーミスタセンサであって、図1及び図2に示すように、絶縁性基材2と、該絶縁性基材2上に互いに対向した一対の対向電極部3aを有して形成された一対のパターン電極3と、絶縁性基材2上に一対の対向電極部3aを覆って形成された薄膜サーミスタ部4とを備えている。
上記絶縁性基材2は、絶縁性フィルムであり、例えばポリイミド樹脂シートで帯状に形成されている。なお、絶縁性フィルムとしては、他にPET:ポリエチレンテレフタレート,PEN:ポリエチレンナフタレート等でも構わない。
上記薄膜サーミスタ部4は、TiAlNのサーミスタ材料で形成されている。特に、薄膜サーミスタ部4は、一般式:TiAl(0.70≦y/(x+y)≦0.95、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示される金属窒化物からなり、その結晶構造が、六方晶系のウルツ鉱型の単相である。
上記パターン電極3の少なくとも対向電極部3aは、絶縁性基材2上に形成されたCr又はNiCrの第1接合層5と、該第1接合層5上にAu等の貴金属で形成された電極層6と、該電極層6上に形成されたCrNの第2接合層7とを有している。なお、該第2接合層7は、電極層6上に直接形成してもCr層を介して形成しても構わない。
一対のパターン電極3は、互いに対向状態に配した櫛形パターンの一対の櫛形電極部である上記対向電極部3aと、これら対向電極部3aに先端部が接続され基端部が絶縁性基材2の端部に配されて延在した一対の直線延在部3bとを有している。
また、一対の直線延在部3bの基端部上には、リード線の引き出し部としてAuめっき等のめっき部3cが形成されている。このめっき部3cには、リード線の一端が半田材等で接合される。さらに、めっき部3cを含む絶縁性基材2の端部を除いて該絶縁性基材2上にポリイミドカバーレイフィルム8が加圧接着されている。なお、ポリイミドカバーレイフィルム8の代わりに、ポリイミドやエポキシ系の樹脂材料を印刷で絶縁性基材2上に形成しても構わない。
上記薄膜サーミスタ部4は、上述したように、金属窒化物材料であって、一般式:TiAl(0.70≦y/(x+y)≦0.95、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示される金属窒化物からなり、その結晶構造が、六方晶系の結晶系であってウルツ鉱型(空間群P6mc(No.186))の単相である。すなわち、この金属窒化物材料は、図3に示すように、Ti−Al−N系3元系相図における点A,B,C,Dで囲まれる領域内の組成を有し、結晶相がウルツ鉱型である金属窒化物である。
なお、上記点A,B,C,Dの各組成比(x、y、z)(原子%)は、A(15、35、50),B(2.5、47.5、50),C(3、57、40),D(18、42、40)である。
また、この薄膜サーミスタ部4は、膜状に形成され、前記膜の表面に対して垂直方向に延在している柱状結晶である。さらに、膜の表面に対して垂直方向にa軸よりc軸が強く配向していることが好ましい。
なお、膜の表面に対して垂直方向(膜厚方向)にa軸配向(100)が強いかc軸配向(002)が強いかの判断は、X線回折(XRD)を用いて結晶軸の配向性を調べることで、(100)(a軸配向を示すミラー指数)と(002)(c軸配向を示すミラー指数)とのピーク強度比から、「(100)のピーク強度」/「(002)のピーク強度」が1未満であることで決定する。
この温度センサ1の製造方法について、図4を参照して以下に説明する。
本実施形態の温度センサ1の製造方法は、絶縁性基材2上に一対のパターン電極3をパターン形成する電極形成工程と、絶縁性基材2上に一対の対向電極部3aを覆って薄膜サーミスタ部4をパターン形成する薄膜サーミスタ部形成工程とを有している。
上記薄膜サーミスタ部形成工程は、絶縁性基材2上にTiAlNのサーミスタ材料層を成膜する成膜工程と、サーミスタ材料層上に薄膜サーミスタ部4となる部分にレジストをパターン形成するレジスト工程と、レジストで覆われていないサーミスタ材料層だけをTiエッチャントでウェットエッチングすることで薄膜サーミスタ部4を形成するエッチング工程と、該エッチング工程後にレジストを除去する工程とを有している。
より具体的な製造方法の例としては、図4の(a)に示す厚さ50μmのポリイミドフィルムの絶縁性基材2上に、スパッタ法にて、Cr膜の第1接合層5を膜厚20nm形成し、さらにAu膜の電極層6を膜厚100nm形成する。さらに、反応性スパッタ法にて電極層6上にCrN膜の第2接合層7を膜厚20nm形成する。この第2接合層7のスパッタ条件は、到達真空度1×10−6Pa、スパッタガス圧0.67Pa、ターゲット投入電力(出力):300Wで、Arガス+窒素ガスの混合ガス雰囲気下において窒素ガス分率:75%とする。
次に、成膜した第2接合層7の上にレジスト液をバーコーターで塗布した後、110℃で1分30秒プリベークを行い、露光装置で感光後、現像液で不要部分を除去し、150℃5分のポストベークにてパターニングを行う。その後、不要な電極部分を市販のCrエッチャント、Auエッチャント、Crエッチャントの順番でウェットエッチングを行い、図4の(b)に示すように、レジスト剥離にて所望のパターン電極3を形成する。
なお、CrNの第2接合層7を形成する前に、Crの中間層を電極層6上にスパッタ法にて膜厚5〜20nm形成してもよい。この場合、電極層6のAuと中間層のCrとの接合性が高いと共に、CrNの第2接合層7とCrの中間層との界面は、Crが同一元素のため接合性が高い。
次に、パターン電極3が成膜された絶縁性基材2の上に、Ti−Al合金スパッタリングターゲットを用いて窒素含有雰囲気中で反応性スパッタ法にて、TiAl(x=9、y=43、z=48)のサーミスタ材料層を500nm成膜する。その時のスパッタ条件は、到達真空度5×10−6Pa、スパッタガス圧0.4Pa、ターゲット投入電力(出力)200Wで、Arガス+窒素ガスの混合ガス雰囲気下において、窒素ガス分率を20%で作製した。
さらに、サーミスタ材料層の上にレジスト液をバーコーターで塗布した後、110℃で1分30秒プリベークを行い、露光装置で感光後、現像液で不要部分を除去し、150℃5分のポストベークにてパターニングを行う。その後、不要なサーミスタ材料層を市販のTiエッチャントでウェットエッチングを行い、図4の(c)に示すように、レジスト剥離にて所望の薄膜サーミスタ部4にする。
次に、図4の(d)に示すように、例えば厚さ50μmの接着剤付きのポリイミドカバーレイフィルム8を絶縁性基材2上に載せ、プレス機にて150℃,2MPaで10min加圧し接着させる。さらに、図4の(e)に示すように、直線延在部3bの端部を、例えばAuめっき液によりAu薄膜を2μm形成してめっき部3cを形成する。
なお、複数の温度センサ1を同時に作製する場合、絶縁性基材2の大判シートに複数の薄膜サーミスタ部4及びパターン電極3を上述のように形成した後に、大判シートから各温度センサ1に切断する。
このようにして、例えばサイズを25×3.6mmとし、厚さを0.1mmとした薄いフィルム型サーミスタセンサの温度センサ1が得られる。
このように本実施形態の温度センサ1では、パターン電極3が、絶縁性基材2上に形成されたCr又はNiCrの第1接合層5と、該第1接合層5上に貴金属で形成された電極層6と、該電極層6上に形成されたCrNの第2接合層7とを有しているので、同じ窒化物であるTiAlNの薄膜サーミスタ部4とCrNの第2接合層7とで高い接合性が得られる。また、CrNの第2接合層7と貴金属の電極層6とも接合性が高い。したがって、薄膜サーミスタ部4と第2接合層7と電極層6との各界面での隔離を防ぐことができ、高い信頼性が得られる。
また、絶縁性基材2が、絶縁性フィルムであるので、薄型で全体がフィルム状の温度センサとなり、フレキシブルで凹凸が小さく、設置自由度を大幅に向上させることができる。さらに、絶縁性フィルムの曲げに対しても、薄膜サーミスタ部4の剥離が生じ難く、曲面等への設置も可能になる。
また、温度センサ1の製造方法では、レジストで覆われていないTiAlNのサーミスタ材料層だけをTiエッチャントでウェットエッチングすることで薄膜サーミスタ部4を形成するので、露出しているTiAiNのサーミスタ材料だけがエッチングされ、CrNのパターン電極3はエッチングされず、容易に薄膜サーミスタ部をパターン形成することができる。
また、薄膜サーミスタ部4が、一般式:TiAl(0.70≦y/(x+y)≦0.95、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示される金属窒化物からなり、その結晶構造が、六方晶系の結晶系であってウルツ鉱型の単相であるので、非焼成で良好なB定数が得られると共に高い耐熱性を有している。
また、この金属窒化物材料では、膜の表面に対して垂直方向に延在している柱状結晶であるので、膜の結晶性が高く、高い耐熱性が得られる。
さらに、この金属窒化物材料では、膜の表面に対して垂直方向にa軸よりc軸を強く配向させることで、a軸配向が強い場合に比べて高いB定数が得られる。
なお、本実施形態のサーミスタ材料層(薄膜サーミスタ部4)の製造方法では、Ti−Al合金スパッタリングターゲットを用いて窒素含有雰囲気中で反応性スパッタを行って成膜するので、上記TiAlNからなる上記金属窒化物材料を非焼成で成膜することができる。
また、反応性スパッタにおけるスパッタガス圧を、0.67Pa未満に設定することで、膜の表面に対して垂直方向にa軸よりc軸が強く配向している金属窒化物材料の膜を形成することができる。
したがって、本実施形態の温度センサ1では、絶縁性基材2上に上記サーミスタ材料層で薄膜サーミスタ部4が形成されているので、非焼成で形成され高B定数で耐熱性の高い薄膜サーミスタ部4により、樹脂フィルム等の耐熱性の低い絶縁性基材2を用いることができると共に、良好なサーミスタ特性を有した薄型でフレキシブルなサーミスタセンサが得られる。
また、従来アルミナ等のセラミックスを用いた基板材料がしばしば用いられ、例えば、厚さ0.1mmへと薄くすると非常に脆く壊れやすい等の問題があったが、本発明においてはフィルムを用いることができるので、例えば、厚さ0.1mmの非常に薄いフィルム型サーミスタセンサを得ることができる。
次に、本発明に係る温度センサ及びその製造方法について、上記実施形態に基づいて作製した実施例により評価した結果を、図5から図14を参照して具体的に説明する。
<屈曲試験前後の電気特性変化>
上記実施形態に基づいて作製した実施例について、屈曲試験を行った際の抵抗値変化率及びB定数変化率について調べた。すなわち、作製した実施例の温度センサについて、薄膜サーミスタ部を直径20mmの曲率で凹と凸とに交互に100回ずつ屈曲試験を行い、試験前後における電気特性変化(抵抗値変化率、B定数変化率)を評価し、試験後の断面を観察した。なお、比較のためCrNの第2接合層のない温度センサも比較例として作製し、同様に上記評価及び観察を行った。これら本発明の実施例及び比較例について、屈曲試験後の断面観察したSEM像を、図5の(a)(b)に示す。
この評価の結果、比較例では、抵抗値変化率が8.6%であると共にB定数変化率が−2.0%であったのに対し、本発明の実施例では、抵抗値変化率が0.2%であると共にB定数変化率が0.1%と大幅に小さくなった。
また、比較例では、図5の(a)に示すように、屈曲試験後の断面観察でTiAlNの薄膜サーミスタ部と電極との界面で剥離が生じているのに対し、本発明の実施例では、図5の(b)に示すように、屈曲試験後の断面観察でもTiAlNの薄膜サーミスタ部と電極との界面で剥離が生じていない。このように、本発明の実施例は、電気特性変化が小さいと共に薄膜サーミスタ部の剥離が生じず、曲げ性に対して優れていることが分かる。
<膜評価用素子の作製>
本発明のサーミスタ材料層(薄膜サーミスタ部4)の評価を行う実施例及び比較例として、図6に示す膜評価用素子21を次のように作製した。
まず、反応性スパッタ法にて、様々な組成比のTi−Al合金ターゲットを用いて、Si基板Sとなる熱酸化膜付きSiウエハ上に、厚さ500nmの表1に示す様々な組成比で形成された金属窒化物材料の薄膜サーミスタ部4を形成した。その時のスパッタ条件は、到達真空度:5×10−6Pa、スパッタガス圧:0.1〜1Pa、ターゲット投入電力(出力):100〜500Wで、Arガス+窒素ガスの混合ガス雰囲気下において、窒素ガス分率を10〜100%と変えて作製した。
次に、上記薄膜サーミスタ部4の上に、スパッタ法でCr膜を20nm形成し、さらにAu膜を200nm形成した。さらに、その上にレジスト液をスピンコーターで塗布した後、110℃で1分30秒プリベークを行い、露光装置で感光後、現像液で不要部分を除去し、150℃で5分のポストベークにてパターニングを行った。その後、不要な電極部分を市販のAuエッチャント及びCrエッチャントによりウェットエッチングを行い、レジスト剥離にて所望の櫛形電極部23aを有するパターン電極23を形成した。そして、これをチップ状にダイシングして、B定数評価及び耐熱性試験用の膜評価用素子21とした。
なお、比較としてTiAlの組成比が本発明の範囲外であって結晶系が異なる比較例についても同様に作製して評価を行った。
<膜の評価>
(1)組成分析
反応性スパッタ法にて得られた薄膜サーミスタ部4について、X線光電子分光法(XPS)にて元素分析を行った。このXPSでは、Arスパッタにより、最表面から深さ20nmのスパッタ面において、定量分析を実施した。その結果を表1に示す。なお、以下の表中の組成比は「原子%」で示している。
なお、上記X線光電子分光法(XPS)は、X線源をMgKα(350W)とし、パスエネルギー:58.5eV、測定間隔:0.125eV、試料面に対する光電子取り出し角:45deg、分析エリアを約800μmφの条件下で定量分析を実施した。なお、定量精度について、N/(Ti+Al+N)の定量精度は±2%、Al/(Ti+Al)の定量精度は±1%ある。
(2)比抵抗測定
反応性スパッタ法にて得られた薄膜サーミスタ部4について、4端子法にて25℃での比抵抗を測定した。その結果を表1に示す。
(3)B定数測定
膜評価用素子21の25℃及び50℃の抵抗値を恒温槽内で測定し、25℃と50℃との抵抗値よりB定数を算出した。その結果を表1に示す。
なお、本発明におけるB定数算出方法は、上述したように25℃と50℃とのそれぞれの抵抗値から以下の式によって求めている。
B定数(K)=ln(R25/R50)/(1/T25−1/T50)
R25(Ω):25℃における抵抗値
R50(Ω):50℃における抵抗値
T25(K):298.15K 25℃を絶対温度表示
T50(K):323.15K 50℃を絶対温度表示
これらの結果からわかるように、TiAlの組成比が図3に示す3元系の三角図において、点A,B,C,Dで囲まれる領域内、すなわち、「0.70≦y/(x+y)≦0.95、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1」となる領域内の実施例全てで、抵抗率:100Ωcm以上、B定数:1500K以上のサーミスタ特性が達成されている。
上記結果から25℃での抵抗率とB定数との関係を示したグラフを、図7に示す。また、Al/(Ti+Al)比とB定数との関係を示したグラフを、図8に示す。これらのグラフから、Al/(Ti+Al)=0.7〜0.95、かつ、N/(Ti+Al+N)=0.4〜0.5の領域で、結晶系が六方晶のウルツ鉱型の単一相であるものは、25℃における比抵抗値が100Ωcm以上、B定数が1500K以上の高抵抗かつ高B定数の領域が実現できている。なお、図8のデータにおいて、同じAl/(Ti+Al)比に対して、B定数がばらついているのは、結晶中の窒素量が異なるためである。
表1に示す比較例3〜12は、Al/(Ti+Al)<0.7の領域であり、結晶系は立方晶のNaCl型となっている。また、比較例12(Al/(Ti+Al)=0.67)では、NaCl型とウルツ鉱型とが共存している。このように、Al/(Ti+Al)<0.7の領域では、25℃における比抵抗値が100Ωcm未満、B定数が1500K未満であり、低抵抗かつ低B定数の領域であった。
表1に示す比較例1,2は、N/(Al+Ti+N)が40%に満たない領域であり、金属が窒化不足の結晶状態になっている。この比較例1,2は、NaCl型でも、ウルツ鉱型でもない、非常に結晶性の劣る状態であった。また、これら比較例では、B定数及び抵抗値が共に非常に小さく、金属的振舞いに近いことがわかった。
(4)薄膜X線回折(結晶相の同定)
反応性スパッタ法にて得られた薄膜サーミスタ部4を、視斜角入射X線回折(Grazing Incidence X-ray Diffraction)により、結晶相を同定した。この薄膜X線回折は、微小角X線回折実験であり、管球をCuとし、入射角を1度とすると共に2θ=20〜130度の範囲で測定した。一部のサンプルについては、入射角を0度とし、2θ=20〜100度の範囲で測定した。
その結果、Al/(Ti+Al)≧0.7の領域においては、ウルツ鉱型相(六方晶、AlNと同じ相)であり、Al/(Ti+Al)<0.65の領域においては、NaCl型相(立方晶、TiNと同じ相)であった。また、0.65< Al/(Ti+Al)<0.7においては、ウルツ鉱型相とNaCl型相との共存する結晶相であった。
このようにTiAlN系においては、高抵抗かつ高B定数の領域は、Al/(Ti+Al)≧0.7のウルツ鉱型相に存在している。なお、本発明の実施例では、不純物相は確認されておらず、ウルツ鉱型の単一相である。
なお、表1に示す比較例1,2は、上述したように結晶相がウルツ鉱型相でもNaCl型相でもなく、本試験においては同定できなかった。また、これらの比較例は、XRDのピーク幅が非常に広いことから、非常に結晶性の劣る材料であった。これは、電気特性により金属的振舞いに近いことから、窒化不足の金属相になっていると考えられる。
次に、本発明の実施例は全てウルツ鉱型相の膜であり、配向性が強いことから、Si基板S上に垂直な方向(膜厚方向)の結晶軸においてa軸配向性が強いか、c軸配向性が強いかであるかについて、XRDを用いて調査した。この際、結晶軸の配向性を調べるために、(100)(a軸配向を示すミラー指数)と(002)(c軸配向を示すミラー指数)とのピーク強度比を測定した。
その結果、スパッタガス圧が0.67Pa未満で成膜された実施例は、(100)よりも(002)の強度が非常に強く、a軸配向性よりc軸配向性が強い膜であった。一方、スパッタガス圧が0.67Pa以上で成膜された実施例は、(002)よりも(100)の強度が非常に強く、c軸配向よりa軸配向が強い材料であった。
なお、同じ成膜条件でポリイミドフィルムに成膜しても、同様にウルツ鉱型相の単一相が形成されていることを確認している。また、同じ成膜条件でポリイミドフィルムに成膜しても、配向性は変わらないことを確認している。
c軸配向が強い実施例のXRDプロファイルの一例を、図9に示す。この実施例は、Al/(Ti+Al)=0.84(ウルツ鉱型、六方晶)であり、入射角を1度として測定した。この結果からわかるように、この実施例では、(100)よりも(002)の強度が非常に強くなっている。
また、a軸配向が強い実施例のXRDプロファイルの一例を、図10に示す。この実施例は、Al/(Ti+Al)=0.83(ウルツ鉱型、六方晶)であり、入射角を1度として測定した。この結果からわかるように、この実施例では、(002)よりも(100)の強度が非常に強くなっている。
さらに、この実施例について、入射角を0度として、対称反射測定を実施した。この場合も、やはり(002)よりも(100)の強度が非常に強く、基板面に対して垂直な方向(膜厚方向)に対して、c軸配向よりもa軸配向が強かった。なお、グラフ中(*)は装置由来のピークであり、サンプル本体のピーク、もしくは、不純物相のピークではないことを確認している(なお、対称反射測定において、そのピークが消失していることからも装置由来のピークであることがわかる。)。
なお、比較例のXRDプロファイルの一例を、図11に示す。この比較例は、Al/(Ti+Al)=0.6(NaCl型、立方晶)であり、入射角を1度として測定した。ウルツ鉱型(空間群P6mc(No.186))として指数付けできるピークは検出されておらず、NaCl型単独相であることを確認した。
次に、ウルツ鉱型材料である本発明の実施例に関して、さらに結晶構造と電気特性との相関を詳細に比較した。
表2及び図12に示すように、Al/(Ti+Al)比がほぼ同じ比率のものに対し、基板面に垂直方向の配向度の強い結晶軸がc軸である材料(実施例5,7,8,9)とa軸である材料(実施例19,20,21)とがある。
これら両者を比較すると、Al/(Ti+Al)比が同じであると、a軸配向が強い材料よりもc軸配向が強い材料の方が、B定数が100K程度大きいことがわかる。また、N量(N/(Ti+Al+N))に着目すると、a軸配向が強い材料よりもc軸配向が強い材料の方が、窒素量がわずかに大きいことがわかる。理想的な化学量論比:N/(Ti+Al+N)=0.5であることから、c軸配向が強い材料のほうが、窒素欠陥量が少なく理想的な材料であることがわかる。
<結晶形態の評価>
次に、薄膜サーミスタ部4の断面における結晶形態を示す一例として、熱酸化膜付きSi基板S上に成膜された実施例(Al/(Ti+Al)=0.84,ウルツ鉱型、六方晶、c軸配向性が強い)の薄膜サーミスタ部4における断面SEM写真を、図13に示す。また、別の実施例(Al/(Ti+Al)=0.83,ウルツ鉱型六方晶、a軸配向性が強い)の薄膜サーミスタ部4における断面SEM写真を、図14に示す。
これら実施例のサンプルは、Si基板Sをへき開破断したものを用いている。また、45°の角度で傾斜観察した写真である。
これらの写真からわかるように、いずれの実施例も高密度な柱状結晶で形成されている。すなわち、c軸配向が強い実施例及びa軸配向が強い実施例の共に基板面に垂直な方向に柱状の結晶が成長している様子が観測されている。なお、柱状結晶の破断は、Si基板Sをへき開破断した際に生じたものである。
<耐熱試験評価>
表3に示す実施例及び比較例において、大気中,125℃,1000hの耐熱試験前後における抵抗値及びB定数を評価した。その結果を表3に示す。なお、比較として従来のTa−Al−N系材料による比較例も同様に評価した。
これらの結果からわかるように、Al濃度及び窒素濃度は異なるものの、Ta−Al−N系である比較例と同じB定数で比較したとき、耐熱試験前後における電気特性変化でみたときの耐熱性は、Ti−Al−N系のほうが優れている。なお、実施例5,8はc軸配向が強い材料であり、実施例21,24はa軸配向が強い材料である。両者を比較すると、c軸配向が強い実施例の方がa軸配向が強い実施例に比べて僅かに耐熱性が向上している。
なお、Ta−Al−N系材料では、Taのイオン半径がTiやAlに比べて非常に大きいため、高濃度Al領域でウルツ鉱型相を作製することができない。TaAlN系がウルツ鉱型相でないがゆえ、ウルツ鉱型相のTi−Al−N系の方が、耐熱性が良好であると考えられる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
1…温度センサ、2…絶縁性基材、3…パターン電極、3a…対向電極部、4…薄膜サーミスタ部、5…第1接合層、6…電極層、7…第2接合層

Claims (4)

  1. 絶縁性基材と、
    該絶縁性基材上に互いに対向した一対の対向電極部を有して形成された一対のパターン電極と、
    前記絶縁性基材上に一対の前記対向電極部を覆って形成された薄膜サーミスタ部とを備え、
    該薄膜サーミスタ部が、TiAlNのサーミスタ材料で形成され、
    前記パターン電極の少なくとも前記対向電極部が、前記絶縁性基材上に形成されたCr又はNiCrの第1接合層と、
    該第1接合層上に貴金属で形成された電極層と、
    該電極層上に直接又はCr層を介して形成されたCrNの第2接合層とを有していることを特徴とする温度センサ。
  2. 請求項1に記載の温度センサにおいて、
    前記絶縁性基材が、絶縁性フィルムであることを特徴とする温度センサ。
  3. 請求項1又は2に記載の温度センサにおいて、
    前記薄膜サーミスタ部が、一般式:TiAl(0.70≦y/(x+y)≦0.95、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示される金属窒化物からなり、その結晶構造が、六方晶系のウルツ鉱型の単相であることを特徴とする温度センサ。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の温度センサを製造する方法であって、
    前記絶縁性基材上に一対の前記パターン電極をパターン形成する電極形成工程と、
    前記絶縁性基材上に一対の前記対向電極部を覆って前記薄膜サーミスタ部をパターン形成する薄膜サーミスタ部形成工程とを有し、
    該薄膜サーミスタ部形成工程が、前記絶縁性基材上にTiAlNのサーミスタ材料層を成膜する成膜工程と、
    前記サーミスタ材料層上に前記薄膜サーミスタ部となる部分にレジストをパターン形成するレジスト工程と、
    前記レジストで覆われていない前記サーミスタ材料層だけをTiエッチャントでウェットエッチングすることで前記薄膜サーミスタ部を形成するエッチング工程と、
    該エッチング工程後に前記レジストを除去する工程とを有していることを特徴とする温度センサの製造方法。
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