JP5796643B2 - 積層型セラミック電子部品 - Google Patents

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Description

この発明は、積層型セラミック電子部品に関するもので、特に、外部端子電極が内部電極と電気的に接続されるようにして直接めっきにより形成された積層型セラミック電子部品に関するものである。
図3に示すように、積層セラミックコンデンサに代表される積層型セラミック電子部品101は、一般に、たとえば誘電体セラミックからなる積層された複数のセラミック層102と、セラミック層102間の界面に沿って形成された複数の層状の内部電極103および104とを含む、積層構造の部品本体105を備えている。部品本体105の一方および他方端面106および107には、それぞれ、複数の内部電極103および複数の内部電極104の各端部が露出していて、これら内部電極103の各端部および内部電極104の各端部を、それぞれ、互いに電気的に接続するように、外部端子電極108および109が形成されている。
外部端子電極108および109の形成にあたっては、一般に、金属成分とガラス成分とを含む金属ペーストを部品本体105の端面106および107上に塗布し、次いで焼き付けることにより、ペースト電極層110がまず形成される。次に、ペースト電極層110上に、たとえばニッケルを主成分とする第1のめっき層111が形成され、さらにその上に、たとえば錫または金を主成分とする第2のめっき層112が形成される。すなわち、外部端子電極108および109の各々は、ペースト電極層110、第1のめっき層111および第2のめっき層112の3層構造より構成される。
外部端子電極108および109に対しては、積層型セラミック電子部品101がはんだを用いて基板に実装される際に、はんだとのぬれ性が良好であることが求められる。同時に、外部端子電極108に対しては、互いに電気的に絶縁された状態にある複数の内部電極103を互いに電気的に接続し、かつ、外部端子電極109に対しては、互いに電気的に絶縁された状態にある複数の内部電極104を互いに電気的に接続する役割が求められる。はんだぬれ性の確保の役割は、上述した第2のめっき層112が果たしており、内部電極103および104相互の電気的接続の役割は、ペースト電極層110が果たしている。第1のめっき層111は、はんだ接合時のはんだ喰われを防止する役割を果たしている。
しかし、ペースト電極層110は、その厚みが数十μm〜数百μmと大きい。したがって、この積層型セラミック電子部品101の寸法を一定の規格値に収めるためには、このペースト電極層110の体積を確保する必要が生じる分、不所望にも、静電容量確保のための実効体積を減少させる必要が生じる。一方、めっき層111および112はその厚みが数μm程度であるため、仮に第1のめっき層111および第2のめっき層112のみで外部端子電極108および109を構成できれば、静電容量確保のための実効体積をより多く確保することができる。
たとえば国際公開第2008/059666号パンフレット(特許文献1)には、外部端子電極となるめっき層を部品本体の端面上に直接形成することが記載されている。さらに、特許文献1では、めっき層を形成した後、熱処理を行なうことによって、内部電極とめっき層との境界部分に相互拡散領域を形成することも記載されている。
よって、この先行技術を適用すると、相互拡散領域においては、金属の体積膨張が起こるため、セラミック層と内部電極および外部端子電極の各々との界面に存在し得る隙間を効果的に埋めることができ、その後に実施されることのあるめっき処理でのめっき液や他の水分が部品本体中に浸入することを有利に防止し得る。
また、この先行技術を適用すると、部品本体において、内部電極を介在させて積層されるセラミック層を構成するセラミックとめっき層との界面での固着力の向上も期待される。そして、この固着力向上を求める場合には、めっき層を構成する金属の共晶温度である1000℃以上の温度で熱処理することが望ましいと考えられる。たとえば銅めっき層が形成される場合には、銅の共晶温度に近い1000℃以上の温度で熱処理することが望ましいと考えられる。
しかし、1000℃以上の温度での熱処理を行なうと、銅の一部に溶融が生じるという問題に遭遇することがある。その結果、当該積層型セラミック電子部品を回路基板にはんだを用いて実装する際、回路基板に対する固着力が低下するおそれがある。
また、銅めっき層の上に、ニッケルなどのめっき層を形成する場合、銅めっき層との密着力が若干低下するおそれもある。
国際公開第2008/059666号パンフレット
この発明の目的は、上記のような問題点を解決し得る積層型セラミック電子部品を提供しようとすることである。
この発明は、積層された複数のセラミック層と、セラミック層間の界面に沿って形成された複数の層状の内部電極とを備え、複数の内部電極の各端部が一方または他方端面に露出している、部品本体と、内部電極と電気的に接続され、かつ部品本体の上記一方および他方端面上に形成される、外部端子電極とを備え、外部端子電極は、部品本体における内部電極の露出面上に形成された銅を主成分とするめっき層を備える、積層型セラミック電子部品に向けられる。この発明に係る積層型セラミック電子部品は、上記めっき層の中央部近辺における50μm×50μmの領域において、タッピングAFMで評価した表面積率が1.011以上であることを特徴としている。なお、このような表面積率を有するめっき層は、複数のめっき層が積層状に形成される場合には、部品本体上に形成される最も下地となるめっき層のことである。
上記表面積率は、表面積率=三次元面積/二次元面積で表わされるものである。ここで、二次元面積は、測定領域の面積であり、三次元面積は、測定領域の奥行き(言い換えると、凹凸)を加味した表面積のことである。よって、表面積率が1であるということは、表面粗さのない完全な平面の状態にあることを指し、他方、表面積率が大きくなるほど、表面の凹凸が激しくなる。
この発明によれば、めっき層の表面積率が1.011以上と高く保たれるので、これをもって、めっき層と部品本体との固着力を保ちながら、めっき層の熱処理による溶融をほぼ完全に防ぐことができたことの確認とすることができる。また、めっき層の表面積率が高いまま保たれるため、さらにその上のめっき層との密着力も高めることができる。
また、この発明によれば、めっき層の主成分を銅としているので、銅は、本来、セラミックに対して良好な固着性を示す金属であるので、めっき層と部品本体との固着力をより高めることができる。
この発明において、めっき層と内部電極との境界部分に、めっき層に含まれるおよび内部電極に含まれる金属成分の双方が検出され得る相互拡散領域が形成されていて、この相互拡散領域が、めっき層側および内部電極側の双方にまで延びるように形成され、内部電極側においては、部品本体における内部電極の露出面から2μm以上離れた位置まで達していると、固着力向上のために、前述したように、めっき層が形成された部品本体を1000℃以上の温度で熱処理する効果が十分に発揮されていることの確認とすることができる。
この発明の一実施形態による積層型セラミック電子部品1を示す断面図である。 図1に示した積層型セラミック電子部品1の製造過程の途中であって、外部端子電極を形成するため、第1のめっき層10を部品本体2上に形成し、次いで、熱処理を施した後の部品本体2の一部を示す拡大断面図である。 従来の積層型セラミック電子部品101の断面図である。
図1および図2を参照して、この発明の一実施形態による積層型セラミック電子部品1について説明する。
積層型セラミック電子部品1は、積層構造の部品本体2を備えている。部品本体2は、その内部に複数の内部電極3および4を形成している。より詳細には、部品本体2は、積層された複数のセラミック層5と、セラミック層5間の界面に沿って形成された複数の層状の内部電極3および4とを備えている。内部電極3および4は、たとえば、ニッケルを主成分としている。
積層型セラミック電子部品1が積層セラミックコンデンサを構成するとき、セラミック層5は、誘電体セラミックから構成される。なお、積層型セラミック電子部品1は、その他、インダクタ、サーミスタ、圧電部品などを構成するものであってもよい。したがって、積層型セラミック電子部品1の機能に応じて、セラミック層5は、誘電体セラミックの他、磁性体セラミック、半導体セラミック、圧電体セラミックなどから構成されてもよい。
部品本体2の一方および他方端面6および7には、それぞれ、複数の内部電極3および複数の内部電極4の各端部が露出していて、これら内部電極3の各端部および内部電極4の各端部を、それぞれ、互いに電気的に接続するように、外部端子電極8および9が形成されている。
なお、図示した積層型セラミック電子部品1は、2個の外部端子電極8および9を備える2端子型のものであるが、この発明は多端子型の積層型セラミック電子部品にも適用することができる。
外部端子電極8および9の各々は、部品本体2における内部電極3および4の露出面、すなわち端面6および7上に直接めっきにより形成された第1のめっき層10および11と、その上に形成される第2のめっき層12および13とをそれぞれ備えている。
第1のめっき層10および11は、それぞれ、複数の内部電極3および4を互いに電気的に接続するためのものであり、銅を主成分としている。他方、第2のめっき層12および13は、積層型セラミック電子部品1の実装性を向上させ、または付与するためのものであり、それぞれ、たとえばニッケルを主成分とするめっき層からなるはんだバリア層14および15と、はんだぬれ性を付与するためにはんだバリア層14および15上に形成される、たとえば錫または金を主成分とするめっき層からなるはんだぬれ性付与層16および17とを備えている。なお、上述した錫を主成分とするめっきは、たとえばSn−Pbはんだめっきをも含む。また、ニッケルを主成分とするめっきは、無電解めっきによるNi−Pめっきをも含む。
上述したように、第1のめっき層10および11は、めっき処理時のつきまわり性が良好な銅を主成分としていると、めっき処理の能率化を図れ、かつ外部端子電極8および9の固着力を高めることができる。
第1のめっき層10および11ならびに第2のめっき層12および13を形成するためのめっき方法は、還元剤を用いて金属イオンを析出させる無電解めっき法であっても、あるいは、通電処理を行なう電解めっき法であってもよい。
次に、図1に示した積層型セラミック電子部品1の製造方法、特に、外部端子電極8および9の形成方法について説明する。
まず、周知の方法により、部品本体2が作製される。次に、外部端子電極8および9が、内部電極3および4と電気的に接続されるように、部品本体2の端面6および7上に形成される。
この外部端子電極8および9の形成にあたっては、まず、部品本体2の端面6および7上に、第1のめっき層10および11が形成される。めっき前の部品本体2においては、一方の端面6に露出している複数の内部電極3相互、ならびに他方の端面7に露出している複数の内部電極4相互が、電気的に絶縁された状態になっている。第1のめっき層10および11を形成するため、まず、内部電極3および4の各々の露出部分に対し、めっき液中の金属イオンを析出させる。そして、このめっき析出物をさらに成長させ、隣り合う内部電極3の各露出部および隣り合う内部電極4の各露出部のそれぞれにおけるめっき析出物を物理的に接続した状態とする。このようにして、均質で緻密な第1のめっき層10および11が形成される。
この実施形態では、積層型セラミック電子部品1の部品本体2は、上述した1対の端面6および7に加えて、互いに対向する1対の主面19および20、ならびに互いに対向する1対の側面(図1では図示されない。)を有する、実質的に直方体形状をなしている。そして、上述した第1のめっき層10および11は、それぞれ、1対の端面6および7上に形成されるとともに、その端縁が端面6および7に隣接する1対の主面19および20上ならびに1対の側面上に位置するように形成される。
上述したように、その端縁が1対の主面19および20上ならびに1対の側面上にまで達するように、第1のめっき層10および11を能率的に形成することを可能にするため、図示しないが、部品本体2の主面19および20の端面6および7に隣接する端部上ならびに/または部品本体2の外層部に、ダミー導体が形成されてもよい。このようなダミー導体は、電気的特性の発現に実質的に寄与するものではないが、第1のめっき層10および11の形成のための金属イオンの析出をもたらし、かつめっき成長を促進するように作用する。
上述しためっき工程の前に、端面6および7での内部電極3および4の露出を十分なものとするため、部品本体2の端面6および7に研磨処理を施しておくことが好ましい。この場合、内部電極3および4の各露出端が、端面6および7から突出する程度にまで研磨処理を施せば、各露出端が面方向に広がるため、めっき成長に要するエネルギーを低減することができる。
次に、上記のように第1のめっき層10および11が形成された部品本体2が熱処理される。熱処理温度としては、1000℃以上の温度が採用される。この熱処理後の状態が図2に示されている。図2では、内部電極3と第1のめっき層10とが図示されている。図2では図示されない内部電極4および第1のめっき層11側の構成は、図2に示した内部電極3および第1のめっき層10側の構成と実質的に同様であるので、その説明を省略する。
図2を参照して、内部電極3と第1のめっき層10との間で相互拡散領域25が形成される。この相互拡散領域25は、内部電極3と第1のめっき層10との境界から2μm以上の長さLの領域に存在していることが好ましい。言い換えると、上記長さLが2μm以上となるような条件で熱処理を施すことが好ましい。相互拡散領域25においては、金属の体積膨張が起こるため、セラミック層5と内部電極3および第1のめっき層10の各々との界面に存在し得る隙間を有利に埋めることができ、その結果、部品本体2の内部への水分の浸入を防止する効果が奏される。
また、上述した熱処理が、第1のめっき層10および11を構成する金属の共晶温度である1000℃以上の温度で実施されるので、部品本体2において、内部電極3および4を介在させて積層されるセラミック層5を構成するセラミックと第1のめっき層10および11との界面での固着力を向上させることもできる。このことから、熱処理にあたっては、1000℃以上のトップ温度でキープする工程が実施される。
しかし、1000℃以上の温度での熱処理を行なうと、銅を主成分とする第1のめっき層10および11を構成する金属の一部に溶融が生じるおそれがある。その結果、当該積層型セラミック電子部品1を回路基板(図示せず。)にはんだを用いて実装する際、回路基板に対する固着力が低下するおそれがある。また、第1のめっき層10および11の上に形成される第2のめっき層12および13の、第1のめっき層10および11に対する密着力が若干低下するおそれもある。
そこで、上記1000℃以上の温度での熱処理工程において、室温から1000℃以上のトップ温度までの平均昇温速度が100℃/分以上とされ、トップ温度でのキープ時間が1分間とされる。これによって、第1のめっき層10および11と部品本体2との固着力を保ちながら、第1のめっき層10および11を構成する金属の溶融をほぼ完全に防ぐことができる。よって、後述する実験例からわかるように、第1のめっき層10および11の表面積率を1.011以上と高いまま保つことができ、そのため、以下に説明する第2のめっき層12および13との密着力も大きくすることができる。
次に、第2のめっき層12および13が形成される。第2のめっき層12および13は、第1のめっき層10および11が形成された後であるので、通常の方法にて容易に形成されることができる。なぜなら、第2のめっき層12および13を形成しようとする段階では、めっきすべき場所が導電性を有する連続的な面となっているためである。
この実施形態では、第2のめっき層12および13を形成するため、たとえばニッケルからなるはんだバリア層14および15の形成工程、および、たとえば錫または金からなるはんだぬれ性付与層16および17の形成工程が順次実施される。
以下、この発明の範囲を決定するため、およびこの発明による効果を確認するために実施した実験例について説明する。
試料となる積層型セラミック電子部品の部品本体として、長さ0.94mm、幅0.47mmおよび高さ0.47mmの積層セラミックコンデンサ用部品本体であって、セラミック層がチタン酸バリウム系誘電体セラミックからなり、内部電極がニッケルを主成分とするものを用意した。この部品本体において、セラミック層の積層数は220層であり、セラミック層の各厚みは1.5μmであった。また、完成品としての積層セラミックコンデンサは、静電容量が2.2μF、定格電圧が6.3Vである設計のものであった。
次に、上記部品本体500個を、容積300ミリリットルの水平回転バレル中に投入し、それに加えて、直径0.7mmのメディアを100ミリリットル投入した。そして、回転バレルを、pHを8.7に調整した浴温25℃の銅めっき浴に浸漬させ、バレル周速2.6m/分にて回転させながら、電流密度0.5A/dmにて通電して、内部電極の露出する部品本体の端面に、直接、膜厚約1μmの銅めっき層を形成した。なお、上記銅めっき浴は、14g/リットルのピロリン酸銅、120g/リットルのピロリン酸、および10g/リットルの蓚酸カリウムを含むものであった。
次に、上述のように銅めっき層が形成された部品本体を、酸素濃度100ppmの雰囲気下で、表1に示すような昇温速度にて、室温から1065℃のトップ温度まで昇温し、このトップ温度で1分間キープした。
Figure 0005796643
表1において、試料1〜9が昇温速度100℃/分以上であり、試料10〜13が昇温速度100℃/分未満である。
以上のようにして得られた各試料に係る積層セラミックコンデンサについて、表面積率および固着力を評価した。
表面積率(S ratio)については、SIIナノテクノロジー製装置「SPA400」を用い、タッピングAFMに従って評価し、測定領域における三次元面積/二次元面積の比を表面積率とした。測定視野は、試料に係る積層セラミックコンデンサの幅方向寸法と厚み方向寸法とによって規定される断面の中央部近辺における50μm×50μmの領域とした。
固着力については、試料に係る積層セラミックコンデンサに対して、せん断破壊を生じさせる荷重を加えて評価した。すなわち、各試料に係る積層セラミックコンデンサをはんだ付けにより基板に実装し、加重速度0.5mm/秒にて、破壊が生じるまで両外部端子電極に平行に荷重を加え、破壊が生じたときの破壊モード(破壊箇所)を観察した。
以上の結果が表2に示されている。
Figure 0005796643
昇温速度が100℃/分以上である試料1〜9では、部品本体と銅めっき層との界面で破壊が生じず、破壊箇所が部品本体にあり、部品本体に対する銅めっき層の固着力を十分に確保することができた。これは、銅めっき層において、適度な共晶状態を保持することができたためであると推測される。また、試料1〜9では、1.011以上の表面積率を保つことができた。これは、銅めっき層の溶融が極力防がれたためであると推測される。
他方、昇温速度が100℃/分未満である試料10〜13では、部品本体と銅めっき層との界面で破壊が生じ、部品本体に対する銅めっき層の固着力が劣っていた。また、試料10〜13では、表面積率が1.011未満と1に近い値となった。これらは、共晶温度付近でキープされる時間が長くなり、銅めっき層の溶融が進行したためであると推測される。
さらに、上述の熱処理によって生じた内部電極と銅めっき層との境界部分での相互拡散の状態を確認するため、この発明の範囲内の試料1〜9について、WDXのマッピング分析を行い、金属元素の2次元的な拡散状態を分析した。この分析において、装置として、日本電子製「JXA8500F」を用い、加速電圧を15kVとし、照射電流を50nAとし、走査型電子顕微鏡(SEM)の倍率を5000倍とし、積算時間を40msとし、NiおよびCuの検出特性X線とし、Kα特性X線の1次線を用いた。このようにして分析された拡散状態から、相互拡散領域が、銅めっき層側および内部電極側の双方にまで延びるように形成され、内部電極側においては、部品本体における内部電極の露出面から2μm以上離れた位置まで達していることが確認された。
1 積層型セラミック電子部品
2 部品本体
3,4 内部電極
5 セラミック層
6,7 端面
8,9 外部端子電極
10,11 第1のめっき層
12,13 第2のめっき層
25 相互拡散領域

Claims (2)

  1. 積層された複数のセラミック層と、前記セラミック層間の界面に沿って形成された複数の層状の内部電極とを備え、複数の前記内部電極の各端部が一方または他方端面に露出している、部品本体と、
    前記内部電極と電気的に接続され、かつ前記部品本体の前記一方および他方端面上に形成される、外部端子電極と
    を備え、
    前記外部端子電極は、前記部品本体における前記内部電極の露出面上に形成された銅を主成分とするめっき層を備え、前記めっき層の中央部近辺における50μm×50μmの領域において、タッピングAFMで評価した表面積率が1.011以上である、
    積層型セラミック電子部品。
  2. 前記めっき層と前記内部電極との境界部分には、前記めっき層に含まれるおよび前記内部電極に含まれる金属成分の双方が検出され得る相互拡散領域が形成されていて、前記相互拡散領域は、前記めっき層側および前記内部電極側の双方にまで延びるように形成され、前記内部電極側においては、前記部品本体における前記内部電極の露出面から2μm以上離れた位置まで達している、請求項1に記載の積層型セラミック電子部品。
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