JP5794649B1 - 収納部材及びこれを備えた鞄 - Google Patents

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Abstract

【課題】既存の鞄に対して容易に装着でき、かつ装着後においても持ち運びが容易になる収納部材及びこれを備えた鞄を提供する。【解決手段】鞄1の把持部3を挿通させるための挿通孔12が形成され、当該挿通孔12に前記把持部3を挿通させて鞄1の表面に装着され得る収納部材10であって、前記鞄1に装着された状態で前記鞄1の表面を覆うカバー部14と、前記カバー部14に設けられ被収納物を収納可能な収納部18と、を有することを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、収納部材及びこれを備えた鞄に関する。
例えば、会社の勤務中に突然、お客様や上司等から出張を命ぜられることがある。この場合、シャツ、靴下、下着類のストックが会社にある場合でも、通勤用の薄い鞄しか持っていなければ、これらの衣類を収納する鞄を別途購入しなければならず、極めて不便である。
ここで、従来では、鞄やケースなどに着脱可能な収納部材が知られている(下記各特許文献参照)。
特開平10−28609号公報 実用新案登録第3009784号公報
ところで、上記従来の収納部材は、予め鞄やケースに取り付けられている状態を想定した設計であり、必要に応じて、収納部材を鞄やケースから取り外すことができるものである。
このため、従来の収納部材付きの鞄やケースでは、鞄やケースなどに収納部材を取り付けるための特殊な取付構造が予め施されており、部品点数が増加して、製造コストの上昇の原因となっていた。
また、上記収納部材を鞄やケースに取り付けた状態では、収納部材だけが鞄やケースから大きく出っ張った状態になり、意匠性が悪く、持ち運びに不便であった。換言すれば、出張の予定がわからない日々の勤務では、出張の予定が突然入ることを想定して、収納部材を常に取り付けた状態の鞄やケースを持って通勤しなければならず、持ち運びに適さず、極めて不便な鞄やケースになっていた。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、既存の鞄に対して容易に装着でき、かつ装着後においても持ち運びが容易になる収納部材及びこれを備えた鞄を提供することを目的とする。
本発明は、鞄の把持部を挿通させるための挿通孔が形成され、当該挿通孔に前記把持部を挿通させて前記鞄の表面に覆う収納部材であって、前記鞄の表面を覆うカバー部と、前記カバー部に設けられ被収納物を収納可能な収納部と、を有し、前記カバー部は、前記鞄を挿入可能なカバー部側開口部を有し、当該カバー部側開口部から挿入して収納した前記鞄の前記挿通孔から露出した部位を除く全表面を覆うことを特徴とする。

この場合、前記カバー部は、前記カバー部側開口部を開閉するためのカバー部側開閉部を有することを特徴とする。
この場合、前記カバー部側開閉部は、チャック部であることを特徴とする。
この場合、前記収納部は、前記被収納物を挿入可能な収納部側開口部と、前記収納部側開口部を開閉するための収納部側開閉部と、を有することを特徴とする。
この場合、前記収納部側開閉部は、チャック部であることを特徴とする。
また、本発明は、上記収納部材が表面に装着されている鞄であることを特徴とする。
本発明の収納部材によれば、収納部材の挿通孔に既存の鞄の把持部を挿通させて、収納部材を鞄の表面に被せるようにして鞄に装着する。そして、収納部材のカバー部が鞄の表面を覆う。これにより、収納部材を既存の鞄に対して容易に装着することができる。また、収納部材を鞄から容易に取り外すことも可能である。このように、既存の鞄に特殊な構造を一切施すことなく、既存の鞄に対して収納部材を容易に着脱することができる。
カバー部には、被収納物を収納可能な収納部が設けられている。このため、収納部に被収納物を収納することができる。収納部がカバー部側に設けられているため、既存の鞄に施すべき取付構造が不要になり、既存の鞄の携帯性に支障が生じることがない。
カバー部は、鞄を挿入可能なカバー部側開口部を有し、カバー部側開口部から挿入して収納した鞄の全表面を覆うことにより、鞄を収納した収納部材全体の外観がひとつの鞄として認識される。これにより、ひとつの鞄としてのデザインが形成され、デザイン性が向上するとともに、第三者に対して不自然な印象を与えることを防止できる。
カバー部側開閉部によりカバー部側開口部を閉じることにより、鞄を収納した後に鞄がカバー部側開口部から抜け落ちることを防止できる。また、カバー部側開口部をカバー部側開閉部により閉じることにより、カバー部の内部に収納された鞄を隠すことができる。さらに、カバー部側開口部をカバー部側開閉部により閉じることにより、カバー部側開口部を目立たなくすることができる。これらにより、収納部材の高いデザイン性を維持することができる。
カバー部側開閉部がチャック部であることにより、カバー部側開口部を確実に閉じることができ、かつカバー部側開口部を目立たなくすることができる。また、チャック部でカバー部側開口部を閉じることによりカバー部側開口部の近傍が型崩れしない。これにより、収納部材の高いデザイン性を維持することができる。
収納部側開閉部により収納部側開口部を閉じることにより、被収納物を確実に収納することができる。また、収納部側開口部を目立たなくすることができ、収納部材の高いデザイン性を維持することができる。
また、収納部側開閉部がチャック部であることにより、収納部側開口部を容易に開閉することができ、かつ被収納物を収納した状態において収納部側開口部の近傍の型崩れを防止できる。また、チャック部により収納部側開口部を閉じることにより、収納部側開口部の近傍を目立たなくすることができる。これらにより、収納部材の高いデザイン性を維持することができる。
収納部材の挿通孔に既存の鞄の把持部を挿通させて、収納部材を鞄の表面に被せるようにして鞄に装着したときに、収納部材の第1カバー部が鞄の一方側表面を覆い、第2カバー部が鞄の他方側表面を覆う。収納部が第1カバー部と第2カバー部のいずれか一方又は両方に設けることができるため、収納部材の設計自由度を高めることができる。
第1カバー部側と第2カバー部側とを相対的に固定する固定部をさらに備えているため、第1カバー部側と第2カバー部側とを相対的に固定することができる。これにより、収納部材を鞄に装着した後に、収納部材が鞄から容易にはがれてしまうことを防止できる。
カバー部には取付部が接続され、この取付部には被収納物を収納可能な収納部がさらに設けられているため、被収納物の収納量を増大させることができる。
本発明の鞄によれば、既存の鞄に対して容易に装着できる収納部材に被収納物を収納することができるため、荷物が増えた場合でも、新しい鞄が不要になる。この結果、出張や旅行に便利である。
また、特殊な構造を備えていない既存の鞄に対して収納部材を装着できるため、鞄に対して特殊な構造を予め設ける必要がなくなり、日々の通勤時においても、鞄の持ち運びに支障が生じることがない。
本発明の第1実施形態に係る鞄に装着した収納部材の斜視図である。 (A)は本発明の第1実施形態に係る収納部材の第1カバー部と第2カバー部とが180度開いた状態の正面図であり、(B)はその左側面図である。 本発明の第1実施形態に係る収納部材の第1カバー部と第2カバー部とが180度開いた状態の背面図である。 (A)は本発明の第1実施形態に係る収納部材の第1カバー部と取付部とが略180度開いた状態における正面図であり、(B)はその右側面図である。 本発明の第1実施形態に係る収納部材(被収納物が収納されていない状態の収納部材)を鞄に装着した状態の左側面図である。 本発明の第1実施形態に係る収納部材(被収納物が収納されている状態の収納部材)を鞄に装着した状態の左側面図である。 図2(A)のX−X間で切断した断面図である。 本発明の第2実施形態に係る鞄に装着した収納部材の斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る鞄に装着した収納部材の正面図である。 本発明の第2実施形態に係る鞄に装着した収納部材の平面図である。 本発明の第2実施形態に係る鞄に装着した収納部材の底面図である。 本発明の第2実施形態に係る鞄に装着した収納部材の側面図である。 本発明の第2実施形態に係る収納部材に鞄を挿入するときの状態を示した図である。 本発明の第2実施形態に係る収納部材に鞄と被収納物を収納した後の状態を示した図である。
次に、本発明の第1実施形態に係る収納部材及びこれを備えた鞄について、図面を参照して説明する。
図1乃至図7に示すように、第1実施形態の収納部材10は、主として、鞄1の把持部3を挿通させるための挿通孔12と、鞄1に装着された状態で鞄1の表面を覆うカバー部14と、カバー部14に設けられ被収納物を収納可能なカバー部側収納部18と、を有している。
収納部材10は、挿通孔12に鞄1の把持部3を挿通させて、既存の鞄1の表面に装着するものである。既存の鞄1に対して容易に装着することができる点が本実施形態の収納部材10の特徴の一つである。
収納部材10の材質は、ナイロンやポリエステルなどの他に、麻、革、綿、絹、ゴムなどで構成可能であり、特定の材質に限られるものではない。
カバー部14は、鞄1に装着された状態で鞄1の一方側表面のみを覆う片側タイプのものと、鞄1に装着された状態で鞄1の両側表面を覆う両側タイプのものと、がある。
なお、第1実施形態では、両側タイプを一例として説明するが、これに限られる趣旨ではない。
両側タイプのカバー部14は、鞄1に装着された状態で鞄1の一方側表面5Aを覆う第1カバー部14Aと、鞄1に装着された状態で鞄1の他方側表面5Bを覆う第2カバー部14Bと、で構成されている。
図2(A)及び図3に示すように、第1カバー部14Aと第2カバー部14Bとが180度開いた状態の平面視では、収納部材全体として略長方形状に形成されている。
なお、収納部材全体として略長方形状に形成されているが、この形状に限られる趣旨ではなく、正方形などの角形状、円や楕円などの丸形状なども採用できる。
収納部材10の略中央側には、前記挿通孔12が形成されている。挿通孔12は、収納部材10を厚み方向に貫通する貫通孔である。挿通孔12の形状は、例えば、長方形状に形成されているが、特に限定されるものではない。挿通孔12の寸法は、鞄1の把持部3の大きさとの関係で決定され、把持部3が挿通できる程度であればよい。
なお、挿通孔12には開口面積を調整するための開口面積調整機構を設けてもよい。開口面積調整機構として、例えば、スリット、チャック等が一例にあげられるが、これらに限定されるものではない。このように、開口面積調整機構を設けることにより、把持部3の大きさが鞄1の種類によって異なる場合でも、全ての種類の鞄1の把持部3を挿通孔12に挿通させることができる。
挿通孔12の近傍には、係合部16が設けられている。係合部16は、例えば、挿通孔12の内縁側に設けられた係合片16Aと、係合片16Aと第1カバー部14A又は第2カバー部14Bとの係合を維持するための係合維持手段16Bと、を有している。
係合維持手段16Bとして、例えば、係合片16A側に設けられた第1係合維持部と、第1カバー部14A側又は第2カバー部14B側に設けられ第1係合維持部と係合する第2係合維持部と、で構成されている。
さらに詳細には、第1係合維持部と第2係合維持部とは面ファスナで構成されている。この構成では、第1係合維持部がフック状に起毛されたフック側又はループ状に密集して起毛されたループ側の一方で構成され、第2係合維持部がフック状に起毛されたフック側又はループ状に密集して起毛されたループ側の他方で構成されている。
なお、係合維持手段16Bとは面ファスナに限られるものではなく、チャック、ボタン、紐、磁石、ベルトなど双方を相互に結び付け、あるいは相互に固定できる構成であればよい。
このように、係合部16が設けられていることにより、既存の鞄1の把持部3が挿通孔12を抜け出た状態を維持でき、収納部材10が鞄1からはがれてしまうことを防止できる。
図4乃至図7に示すように、第1カバー部14Aには、カバー部側収納部18が設けられている。図1等では、カバー部側収納部18は、第1カバー部14Aの内側に設けられている構成を示すが、これに限られる趣旨ではない。
ここで、第1実施形態では、第1カバー部14Aの内側とは、収納部材10を鞄1に装着した状態で外観からカバー部側収納部18に視認できない位置と定義する。
当然ながら、カバー部側収納部18は、第1カバー部14Aの外側、換言すれば、収納部材10を鞄1に装着した状態で外観からカバー部側収納部18に視認できる位置に設けられていてもよい。また、カバー部側収納部18は、第1カバー部14Aの外側と内側の両方に設けられている構成でもよい。
カバー部側収納部18は、全体として袋状に形成された袋状部で構成されている。換言すれば、カバー部側収納部18は、ポケット部であると定義することも可能である。
カバー部側収納部18の入口近傍には、被収納物を収納するときの入口を塞ぐための蓋部20が設けられている。この蓋部20は、係合維持手段22(図4(A)参照)によりカバー部側収納部18の表面側に係合して、入口を封鎖する。
なお、係合維持手段22として、例えば、面ファスナ等で構成されているが、チャック、ボタン、ベルト、紐、磁石等でもよい。
カバー部側収納部18には、被収納物の収納量を調整するためのマチ部を適宜設けてもよい。
なお、上記カバー部側収納部18は、第2カバー部14B側に設けられていてもよく、あるいは、第1カバー部14Aと第2カバー部14Bとの両方にそれぞれ設けられている構成でもよい。
ここで、カバー部側収納部18が第2カバー部側に設けられている態様では、第1カバー部側に設けられている構成と同様にして、カバー部側収納部18が第2カバー部14Bの外側(外部から視認できる部位)又は内側(外部から視認できない部位)のいずれか一方又は両方に設けられる。
第1カバー部14Aには、取付部24が接続されている。なお、取付部24の第1カバー部14Aに対する接続方法として、例えば、縫い付け等により実現されているが、これに限られるものではなく、チャック、ベルト、ボタン等でもよい。
詳細には、第1カバー部14Aの内側、換言すれば図5及び図6においてカバー部側収納部18が設けられている側には、取付部24が接続されている。そして、この取付部24の一部が前記蓋部20を構成している。このため、取付部24が蓋部20の機能を兼ねることにより、部品点数を削減することができる。なお、取付部24の一部とは、縫い付け部に関して一方側に延びた部位と定義する。
図4乃至図7に示すように、取付部24の本体には、取付部側収納部26が形成されている。なお、取付部24の本体とは、縫い付け部に関して他方側に延びた部位と定義する。第1実施形態では、取付部24の本体側が一部側より長くなるように設定されている。
取付部側収納部26は、カバー部側収納部18と同様にして、全体として袋状に形成された袋状部で構成されている。換言すれば、取付部側収納部26は、ポケット部と定義することも可能である。
取付部側収納部26の入口には、係合維持手段28(図4(A)参照)が設けられている。係合維持手段28として、例えば、面ファスナ等で構成されているが、チャック、ボタン、ベルト等で構成してもよい。係合維持手段28が設けられていることにより、取付部側収納部26の入口を閉塞又は開放することが可能になる。
取付部側収納部26には、カバー部側収納部18と同様にして、蓋部やマチ部を適宜設けてもよい。
ここで、図5及び図6に示すように、収納部材10が鞄1に装着された状態では、カバー部側収納部18と取付部側収納部26が鞄1の一方側表面5A側に位置する。そして、カバー部側収納部18が取付部側収納部26と対面する。詳細には、収納部材10が装着された鞄1の側面方向から見て、カバー部側収納部18と鞄1の一方側表面5Aとの間に、取付部側収納部26が位置している。
これにより、カバー部側収納部18と取付部側収納部26との両方を配置した構成においても、鞄1の側面方向のデッドスペースを利用することができるため、全体としてコンパクトに調整することができる。この結果、鞄1が歪な形になって持ち運び難くなることがない。
収納部材10が鞄1に装着された状態では、カバー部側収納部18の端部と取付部側収納部26の端部とが略一致するように設定されている。これにより、収納部材10を鞄1に装着したときの意匠性が向上する。
なお、当然ながら、カバー部側収納部18の端部と取付部側収納部26の端部とが略一致する構成に限定されるものではなく、いずれか一方の長さが他方よりも長くなるように設計してもよい。
取付部24は、第1カバー部14Aと第2カバー部14Bとの間に配置されている構成に限られず、第1カバー部14Aの外側表面又は第2カバー部14Bの外側表面に位置している構成でもよい。
また、取付部24には、ベルト通し部(図示省略)を適宜設け、ベルト通し部にショルダーベルトを通してもよい。ベルト通し部として、例えば、リング状部等が挙げられるが、これに限定される趣旨ではない。さらには、ベルト通し部は、取付部24以外の部位に設けられている構成でもよい。
このように、ベルト通し部を設け、これにショルダーベルトを通すことにより、鞄1が重い場合でも、肩にかけることができる。この結果、収納部材10及び鞄1の携帯性を高めることができる。
図2乃至図6に示すように、第1カバー部14A側と第2カバー部14B側とを相対的に固定するための固定部30が設けられている。
固定部30は、第1カバー部14A側と第2カバー部14B側とを相対的に固定できる構成であれば、特に構成が限定されるものではない。
第1実施形態では、図3乃至図6に示すように、固定部30は、第1カバー部14A側に含まれる取付部24の端部、換言すれば取付部側収納部26の端部に設けられたリング状部30Aと、第2カバー部14Bの端部に設けられた紐状部30Bと、で構成されている。
収納部材10の第1カバー部14Aを鞄1の一方側表面5Aに被せ、第2カバー部14Bを鞄1の他方側表面5Bに被せた後、紐状部30Bをリング状部30Aに通して結びつけることにより、第1カバー部14A側と第2カバー部14B側とを相対的に固定することができる。そして、紐状部30Bが鞄1の底面を横断する状態になるため、収納部材10が鞄1からはがれてしまうことを防止できる。
なお、固定部30の構成は上記に限定されることはなく、例えば、ベルト、バックル、紐などの構成を採用してもよい。
第1実施形態によれば、図1及び図5に示すように、収納部材10の挿通孔12に鞄1の把持部3を挿通させ、第1カバー部14Aを鞄1の一方側表面5Aに被せ、第2カバー部14Bを鞄1の他方側表面5Bに被せる。そして、固定部30により第1カバー部側と第2カバー部側とを相対的に固定する。これにより、収納部材10が鞄1からはがれてしまうことを防止できる。
そして、カバー部側収納部18と取付部側収納部26とに被収納物を収納する。これにより、緊急の出張等においても、既存の鞄1に収納部材10を装着することにより、被収納物の収納量を増大させることができる。この結果、既存の鞄1をそのまま出張用鞄として利用することができ、着替え等の被収納物を収納するための新しい鞄をわざわざ購入する必要がない。
このように、緊急の出張時には、収納部材10を既存の鞄1に対して容易に装着することができるため、既存の鞄1に特殊な構造を一切施す必要がなく、鞄1の部品点数を削減できる。さらには、鞄1が大型化することを防止できる。これにより、日々の通勤時においては、たとえ緊急の出張の予定が入ることが予想できない場合でも、小型の鞄1を携帯することができ、鞄1の持ち運びに支障が生じることがない。
なお、収納部材10を使用しない場合には、収納部材10を丸めて小さくすることができる。そして、収納部材10を既存の鞄1の内部に収容するか、あるいは勤務先の机の引き出し等に収容しておくことにより、緊急の出張があった場合に利用することができ、便利である。
また、収納部材10を既存の鞄1に装着した状態では、各収納部18、26が鞄1の表面方向側に設けられたデッドスペースに位置する。これにより、図6に示すように、大量の被収納物を収納して各収納部18、26の容積が増えた場合でも、鞄1のデットスペースを有効に利用することができるため、鞄全体が歪な形に大きく膨らむことを防止できる。
また、第1カバー部14Aが鞄1の一方側表面5Aに被せられ、第2カバー部14Bが鞄1の他方側表面5Bに被せられることにより、鞄1の表面を収納部材10で覆うことができる。これにより、鞄1の表面が収納部材10に隠れることになり、鞄1の防水機能を高めることができる。この結果、雨天時において収納部材10を鞄1に装着することにより、鞄1が濡れたり、あるいは汚れたりすることを防止することができる。
さらに、第1実施形態では、収納部材10に第1カバー部14Aと第2カバー部14Bとを設けることにより、カバー部側収納部18を第1カバー部14A又は第2カバー部14Bのいずれかに設けることができる。この結果、カバー部側収納部18の設計自由度を高めることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る収納部材及びこれを備えた鞄について、図面を参照して説明する。なお、第1実施形態の構成と重複する構成の説明は、適宜省略する。
図8乃至図14に示すように、第2実施形態の収納部材100は、主として、鞄1の把持部3を挿通させるための挿通孔102と、鞄1に装着された状態で鞄1の表面を覆うカバー部104と、カバー部104に設けられ被収納物9(図14参照)を収納可能な一体型収納部106と、を有している。
収納部材100は、挿通孔102に鞄1の把持部3を挿通させて、既存の鞄1の表面に装着するものである。既存の鞄1に対して容易に装着することができる点、及び鞄1全体を包み込み鞄1の略全表面を覆う点が本実施形態の収納部材10の特徴の一つである。
収納部材100の材質は、ナイロンやポリエステルなどの他に、麻、革、綿、絹、ゴムなどで構成可能であり、特定の材質に限られるものではない。
カバー部104は、鞄1が収納され、鞄全体を包み込むタイプのものである。このため、カバー部104に収納された鞄1の全表面がカバー部104により覆われている。
カバー部104は、鞄1の厚みに対応した所定のマチ部を有し鞄全体を包み込むカバー部本体108と、カバー部本体108に形成された上記挿通孔102と、鞄1を挿入可能なカバー部側開口部110と、カバー部側開口部110を開閉するカバー部側開閉部112と、を有している。
挿通孔102は、カバー部本体108の略中央部に形成されており、カバー部本体108を厚み方向に貫通する貫通孔である。挿通孔102の形状は、例えば、長方形状に形成されているが、特に限定されるものではない。挿通孔102の寸法は、鞄1の把持部3の大きさとの関係で決定され、把持部3が挿通できる程度であればよい。
カバー部側開口部110は、例えば、鞄1をカバー部104の内部に挿入するときの挿入口である。カバー部側開口部110は、例えば、カバー部104の下側面に形成されているが、この位置に限定されるものではない。
カバー部側開閉部112は、カバー部側開口部110を開閉するものである。カバー部側開閉部112は、カバー部側開口部110を開放あるいは閉塞することが可能である。カバー部側開閉部112は、例えば、チャック部114を採用できる。
鞄1をカバー部本体108に収納するときにカバー部側開口部110を開いて鞄1をカバー部側開口部110からカバー部本体108の内部に挿入する。その後、カバー部側開閉部112によりカバー部側開口部110を閉じる。これにより、鞄1がカバー部本体108の内部に完全に収納された状態になる。このため、外部から鞄1を視認することができなくなり、内部に鞄1を収納した収納部材100が全体としてひとつの鞄1という印象を与える。
挿通孔102の近傍には、係合部116が設けられている。係合部116は、例えば、挿通孔102の内縁側に設けられた係合片118と、係合片118と係合する被係合片120と、を有している。係合片118は、被係合片120に対して重なり合い、その状態が維持される。
さらに詳細には、係合片118と被係合片120との間には、面ファスナ119が介在されている。例えば、面ファスナ119は、係合片118の上面に設けられている。面ファスナ119の構成については、第1実施形態と同様であり、説明を省略する。
なお、面ファスナ119に限られるものではなく、チャック、ボタン、紐、磁石、ベルトなど双方を相互に結び付け、あるいは相互に固定できる構成であればよい。
このように、挿通孔102から鞄1の把持部3を突出させた状態で挿通孔120の開口の一部を係合部116により塞ぐことが可能になり、既存の鞄1の把持部3が挿通孔102から抜け出た状態を維持できる。また、内部の鞄1の上面の一部を係合部116によって覆い隠すことができ、収納部材100の高いデザイン性を維持することができる。
カバー部104には、一体型収納部106が設けられている。図8乃至図14では、一体型収納部106は、カバー部104の両面側に設けられている構成を示すが、これに限られるものではない。
図12に示すように、一体型収納部106がカバー部104の両面側に設けられていることにより、収納部材100の側面視において収納部材100の高さ方向に延びる中心線を基準として一体型収納部106が対称位置に配置されることになる。これにより、収納部材100の向きによってデザインが変わることがなくなり、収納部材100のデザインの対称性を創出でき、ひいては高いデザイン性を維持できる。
カバー部104の厚み方向の中央部にカバー部側開口部110とカバー部側開閉部112が配置されているため、一体型収納部106との位置関係から、収納部材100の収納部材100の高さ方向に延びる中心線を基準としたデザインの対称性を創出できる。
一体型収納部106は、カバー部104に一体的に設けられたものであるが、これに限定されるものではない。例えば、一体型収納部106とカバー部104とが別個独立して設けられ、相互に着脱自在に取り付けられる構成でもよい。
ここで、一体型収納部106がカバー部104に一体的に設けられている構成においても、両者の収納スペースは区画形成されている。
一体型収納部106は、衣類や小物などの被収納物9を挿入可能な収納部側開口部122と、収納部側開口部122を開閉するための収納部側開閉部124と、を有する。
収納部側開口部122は、例えば、被収納物9を一体型収納部106の内部に挿入するときの挿入口である。収納部側開口部122は、例えば、一体型収納部106の上面側に形成されているが、この位置に限定されるものではない。
収納部側開閉部124は、収納部側開口部122を開閉するものである。収納部側開閉部124は、収納部側開口部122を開放あるいは閉塞することが可能である。収納部側開閉部124は、例えば、チャック部126が採用される。
例えば、被収納物9を一体型収納部106に収納するときに収納部側開口部122を開いて被収納物9を収納部側開口部122から一体型収納部106の内部に挿入する。その後、収納部側開閉部124により収納部側開口部106を閉じる。これにより、被収納物9が一体型収納部106の内部に完全に収納された状態になる。このため、外部から被収納物9を視認することができなくなる。また、一体型収納部106の内部に被収納物9を収納した状態でも、一体型収納部106が型崩れせず、デザイン性が低下することがない。
第2実施形態によれば、カバー部104の内部に鞄1を完全に収納することができる。これにより、鞄1が把持部103を除き、外部から視認されず、収納部材100全体として一つの鞄1というデザインを創出できる。これにより、外部から見ても違和感がないどころか、デザイン性の高い鞄1という印象を与えることができる。
カバー部104は、カバー部側開口部110を開閉するためのカバー部側開閉部112を有することにより、カバー部側開口部110がカバー部側開閉部112により閉じられる。これより、鞄1を収納した後に鞄1がカバー部側開口部110から抜け落ちることを防止できる。また、カバー部側開口部110をカバー部側開閉部112により閉じることにより、収納部材100の内部に収納された鞄1を完全に隠すことができ、デザイン性を高めることができる。
カバー部側開閉部112がチャック部114であることにより、カバー部側開口部110を容易に開閉することができ、かつ、カバー部側開口部110を確実に閉じることができる。これにより、収納部材100の内部の鞄1を確実に隠すことができる。
カバー部側開閉部112がチャック部114で構成されていることにより、カバー部側開口部110を確実に閉じることができ、かつ外部からカバー部側開口部110が視認されない程度にカバー部側開口部100を目立たなくすることができる。
一体型収納部106は、衣類や小物等の被収納物9を挿入可能な収納部側開口部122と、収納部側開口部122を開閉するための収納部側開閉部124と、を有するため、収納部側開閉部124により収納部側開口部122を閉じることにより、被収納物9を確実に収納することができるとともに、一体型収納部106の型崩れを防止できる。これにより、衣類や小物等の被収納物9を収納したことにより一体型収納部106が膨らんだ状態になっても、収納部材100のデザイン性が低下することを防止できる。
収納部側開閉部124がチャック部126で構成されていることにより、収納部側開口部122を容易に開閉することができ、かつ収納部側開口部122を確実に閉じることができる。また、チャック部126が鞄1の一機能として認識され易くなり、高いデザイン性を維持しつつ、全体として鞄1の自然な印象を与えることができる。
1 鞄
3 把持部
5A 一方側表面
5B 他方側表面
9 被収納物
10 収納部材
12 挿通孔
14 カバー部
14A 第1カバー部
14B 第2カバー部
16 係合部
18 カバー部側収納部(収納部)
20 蓋部
22 係合手段
24 取付部
26 取付部側収納部(収納部)
28 係合維持手段
30 固定部
30A リング状部
30B 紐状部
100 収納部材
102 挿通孔
104 カバー部
106 一体型収納部(収納部)
108 カバー部本体
110 カバー部側開口部
112 カバー部側開閉部
114 チャック部
116 係合部
118 係合片
120 被係合片
122 収納部側開口部
124 収納部側開閉部
126 チャック部

Claims (6)

  1. 鞄の把持部を挿通させるための挿通孔が形成され、当該挿通孔に前記把持部を挿通させて前記鞄の表面に覆う収納部材であって、
    前記鞄の表面を覆うカバー部と、
    前記カバー部に設けられ被収納物を収納可能な収納部と、
    を有し、
    前記カバー部は、前記鞄を挿入可能なカバー部側開口部を有し、当該カバー部側開口部から挿入して収納した前記鞄の前記挿通孔から露出した部位を除く全表面を覆うことを特徴とする収納部材。
  2. 前記カバー部は、前記カバー部側開口部を開閉するためのカバー部側開閉部を有することを特徴とする請求項1に記載の収納部材。
  3. 前記カバー部側開閉部は、チャック部であることを特徴とする請求項2に記載の収納部材。
  4. 前記収納部は、前記被収納物を挿入可能な収納部側開口部と、前記収納部側開口部を開閉するための収納部側開閉部と、を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の収納部材。
  5. 前記収納部側開閉部は、チャック部であることを特徴とする請求項に記載の収納部材。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の収納部材が表面に装着されていることを特徴とする鞄。
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