JP5792639B2 - アレーアンテナ - Google Patents

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Description

本発明は、アレー状に配列された複数のアンテナにより通信するアレーアンテナに関する。
近年、無線LAN(Local Area Network)、携帯電話、地上デジタル放送のモバイル受信機等、アダプティブアレーアンテナを応用した無線機器の使用が日常化してきている傾向にあり、結果、これら無線機器の低コスト化の必要性が益々高まってきている。しかし、アダプティブアレーアンテナは、原理的に、フィルタ、アンプ、ダウンコンバータ、A/Dコンバータ等のアナログ回路がアンテナ数分必要となるので、例えば単一アンテナの無線機器と比較すると、高コストになるという問題があった。
そこで、これを解決する方法として、例えばスイッチによる時分割多重を用いて、アナログ回路を削減する方式(C-TDM-AAA:Conventional Time-Division Multiplexing Adaptive Array Antenna)のアダプティブアレーアンテナが過去に提案されている(非特許文献1参照)。非特許文献1では、無線機器が使用する帯域幅とスイッチ切換速度、フィルタ帯域幅、サンプリング速度が満たすべき条件に関して詳細に検討がなされ、適切なタイミングでスイッチ切り換え、サンプリングを行った場合、各アンテナの受信信号が完全に再生可能であることが示されている。
A CMA Adaptive Array Antenna System with a Single Receiver Using Time-Division Multiplexing,(IEICE Trans. Commun., vol. E84-B, no. 6, pp. 1637-1646, June 2001.)
このような受信回路共用型のアダプティブアレーアンテナでは、取得した受信信号に対し、種々の適宜演算を加えて、アダプティブ処理に必要なデータを取り込む必要が生じてくる。このとき、演算に必要となる所望信号が、演算で定義されたタイミングからずれてしまうと、正確に演算を行うことができなくなり、ひいては電波到来方向を精度よく求めることができない問題に繋がる懸念があった。
本発明の目的は、演算の精度を確保することができるアレーアンテナを提供することにある。
前記問題点を解決するために、本発明では、複数のアンテナの特定の1つをスイッチによって選択的に受信回路に接続することにより、複数の前記アンテナで1つの前記受信回路を共用し、前記スイッチによる時分割多重によって電波を受信する時分割多重式のアレーアンテナにおいて、前記受信回路で取り込んだ信号を複数の前記アンテナの信号として並び替え、この並び替え信号を処理する信号処理回路を備え、前記並び替え信号が前記信号処理回路での処理に必要なタイミングをとるように、当該並び替え信号の受信タイミングを補正するタイミング補正部を、更に備え、前記タイミング補正部は、前記並び替え信号をアップサンプリング周期によってサンプリングするアップサンプリング部と、アップサンプリング後の信号をフィルタするフィルタ部とを備え、前記アップサンプリング部は、前記並び替えの複数の各信号系列に対し、異なるレートでアップサンプリングすることを要旨とする。
本発明の構成によれば、複数のアンテナで1つの受信回路を共用した時分割多重式のアレーアンテナにおいて、各アンテナから受信回路を経て取り込んだ信号を、各アンテナの信号として並び替え、これら信号を処理することで電波受信する。このとき、並び替え信号をタイミング補正部によって補正するので、並び替え信号が信号処理に必要な好適なタイミングに調整される。よって、並び替え信号の精度が向上し、ひいては電波の受信精度も確保される。
の構成によれば、並び替え信号のタイミング補正にアップサンプリングを使用するので、並び替え信号を精度よくタイミング補正することが可能となる。
この構成によれば、アップサンプリング部において各信号系列のレートが必要最低限のレートに設定されるので、アップサンプリングにかかる処理負荷を軽減することが可能となる。
本発明では、前記タイミング補正部は、前記フィルタ部を通過した後の信号を間引きして、信号を簡素化するデシメーション部を備えたことを要旨とする。この構成によれば、タイミング補正後の信号のデータ量が軽くなるので、タイミング補正後の信号を使用する以降の処理の負荷を低く抑えることが可能となる。
本発明では、前記フィルタ部は、コサインロールオフフィルタであることを要旨とする。この構成によれば、フィルタ部を簡素に構成することが可能となる。
本発明では、前記並び替えの複数の信号系列のうち、タイミング補正を行う必要のない信号系列を遅延し、当該信号を前記タイミング補正後の信号に同期させて出力する遅延部を備えたことを要旨とする。この構成によれば、最低限必要な信号系列のみタイミング補正するので、タイミング補正にかかる処理負荷を軽減することが可能となる。また、ひいてはアンテナの消費電力削減や回路構成の簡素化にも寄与する。
本発明では、前記遅延部は、前記並び替えの複数の各信号系列において、最後に並び替えられる信号系列に対してタイミング補正を実行させないことを要旨とする。この構成によれば、複数の信号系列において最後の並び替え信号を取り込む信号系列を遅延することになるので、データ遅延を最小にすることが可能となる。
本発明では、Kをアンテナ数、Tをアップサンプリング前のサンプリング周期、nを0,1,…,K−1とし、タイミング補正を行わない信号系列と、その他の各信号系列とのタイミングのズレ時間をnT/Kとし、nとKの最大公約数をrとすると、各信号系列のアップサンプリングのレートがK/rにより設定されていることを要旨とする。この構成によれば、各信号系列のアップサンプリングのレートを上記の式を満たすように設定すれば、各信号系列のレートを必要なレートに適宜設定することが可能となる。
本発明では、前記信号処理回路は、次信号のON時間と重複しない範囲で前記スイッチのON時間を長くとることにより、前記スイッチの切り換えによる電力損失を抑制し、この処理によって各アンテナの受信信号が混ざり合ってしまっても、受信回路内のフィルタを通過する際の波形なまりを信号から取り除くことができる計算式により重畳信号に演算を施すことによって、当該重畳信号を各アンテナの受信信号に分離する演算処理部を備えたことを要旨とする。この構成によれば、複数のアンテナの特定の1つをスイッチにて受信回路に接続する際、スイッチのON時間を長くとるので、スイッチの切り換えによる電力損失を抑制することが可能となる。ところで、スイッチのON時間を長くとると、その背反として、各アンテナの受信信号が混ざり合ってしまい、これが受信特性の劣化に繋がってしまう。しかし、本構成の場合には、この重畳信号に演算を施すことにより、重畳信号を各アンテナの受信信号に分離するので、各アンテナの受信信号を取得することが可能となる。よって、時分割多重式のアレーアンテナの受信特性の劣化も抑制することが可能となる。
本発明では、複数の前記アンテナをアダプティブ処理することによって通信するアダプティブ方式であることを要旨とする。この構成によれば、アレーアンテナをアダプティブアレーアンテナとしたので、アンテナの指向性を受信電波に応じた向きに設定することが可能となる。
前記問題点を解決するために、本発明では、複数のアンテナの特定の1つをスイッチによって選択的に受信回路に接続することにより、複数の前記アンテナで1つの前記受信回路を共用し、前記スイッチによる時分割多重によって電波を受信する時分割多重式のアレーアンテナにおいて、前記受信回路で取り込んだ信号を複数の前記アンテナの信号として並び替え、この並び替え信号を処理する信号処理回路を備え、前記並び替え信号が前記信号処理回路での処理に必要なタイミングをとるように、当該並び替え信号の受信タイミングを補正するタイミング補正部と、当該タイミング補正部に設けられ、前記並び替え信号をアップサンプリング周期によってサンプリングするアップサンプリング部と、前記並び替えの複数の信号系列のうち、タイミング補正を行う必要のない信号系列を遅延し、当該信号を前記タイミング補正後の信号に同期させて出力する遅延部とを、更に備え、Kをアンテナ数、T をアップサンプリング前のサンプリング周期、nを0,1,…,K−1とし、タイミング補正を行わない信号系列と、その他の各信号系列とのタイミングのズレ時間をnT /Kとし、nとKの最大公約数をrとすると、各信号系列のアップサンプリングのレートがK/rにより設定されていることを要旨とする。
前記問題点を解決するために、本発明では、複数のアンテナの特定の1つをスイッチによって選択的に受信回路に接続することにより、複数の前記アンテナで1つの前記受信回路を共用し、前記スイッチによる時分割多重によって電波を受信する時分割多重式のアレーアンテナにおいて、前記受信回路で取り込んだ信号を複数の前記アンテナの信号として並び替え、この並び替え信号を処理する信号処理回路を備え、前記並び替え信号が前記信号処理回路での処理に必要なタイミングをとるように、当該並び替え信号の受信タイミングを補正するタイミング補正部を、更に備え、前記信号処理回路は、次信号のON時間と重複しない範囲で前記スイッチのON時間を長くとることにより、前記スイッチの切り換えによる電力損失を抑制し、この処理によって各アンテナの受信信号が混ざり合ってしまっても、受信回路内のフィルタを通過する際の波形なまりを信号から取り除くことができる計算式により重畳信号に演算を施すことによって、当該重畳信号を各アンテナの受信信号に分離する演算処理部を備えたことを要旨とする。
本発明によれば、時分割多重式のアレーアンテナにおいて、演算の精度を確保することができる。
第1実施形態の時分割多重アダプティブアレーアンテナの回路構成図。 スイッチ制御信号の時間波形図。 スイッチ制御信号のr番目の時間波形図。 第2バンドパスフィルタ通過後の出力信号の振幅スペクトル。 サンプリング信号の時間波形図。 タイミング補正の具体的な処理内容を示す説明図。 第2実施形態の時分割多重アダプティブアレーアンテナの回路構成図。 タイミング補正の具体的な処理内容を示す説明図。 第3実施形態のタイミング補正の具体的な処理内容を示す説明図。
(第1実施形態)
以下、本発明を時分割多重アダプティブアレーアンテナに具体化した第1実施形態を図1〜図6に従って説明する。
図1に示すように、アダプティブアレーアンテナ1は、複数のアンテナ(アンテナ素子)2を備え、各アンテナ2の重み付けを伝播環境に応じてアダプティブ制御することにより、目的の希望波の到来方向に指向性を向けたり、不要な電波の到来方向にヌル点を向けて除去したりすることで、高い通信特性を持つアンテナとして機能する。本例のアダプティブアレーアンテナ1は、信号を時間単位で区切り、1つの伝送路で通信する時分割多重式でもある。
このアダプティブアレーアンテナ1において、アンテナ2の個数をK(Kは任意の奇数)とすると、k番目のアンテナ2の受信信号は、次式(1)のように表される。
ここで、f(t)は、k番目のアンテナ2における受信ベースバンド信号である。また、cos(ωt)は、搬送波の角周波数を表す。
各アンテナ2には、通過帯域がWの第1バンドパスフィルタ3が各々接続されている。これら第1バンドパスフィルタ3は、アンテナ2で受信した受信信号f(t)cos(ωt)を通過帯域幅Wでフィルタし、Wに準じた周波数のみ通過させる。本例のアダプティブアレーアンテナ1では、各アンテナ2に必要とされるのは第1バンドパスフィルタ3のみであり、その他の回路ブロック、つまりアナログ回路からなる受信回路4は複数のアンテナ2で共用されている。
受信ベースバンド信号f(t)の周波数帯域幅W"は、第1バンドパスフィルタ3の通過帯域幅Wよりも小さい。よって、受信信号f(t)cos(ωt)は、第1バンドパスフィルタ3をそのまま通過する。
複数のこれら第1バンドパスフィルタ3には、第1バンドパスフィルタ3の接続を選択的に切り換えるスイッチ回路5が接続されている。スイッチ回路5は、受信回路4の1構成要素であって、第1バンドパスフィルタ3ごとにスイッチ6を複数有する。これらスイッチ6は、クロック回路7から入力するスイッチ制御信号g(t)にてスイッチ制御される。
ここで、図2及び図3に示すように、k番目のスイッチ6を、矩形波状のON時間τ、周期Tで切換えを行うとすると、スイッチ制御信号g(t)は、次式(2)により表される。なお、次式のrは、任意の整数である。
ここで、スイッチ切換周波数をW’(W’=1/T)とすると、スイッチ切換周期Tは、W’>Wを満たすように適切に設定する必要がある。式(2)は、フーリエ級数展開の形式により、次式(3)〜(5)のように表すことが可能である。なお、次式のnは、スイッチ切換周波数W’のn倍高調波成分を表す整数であり、Ψは、スイッチ6のON時間比率である。
各アンテナ2の受信信号f(t)cos(jωt)は、スイッチ通過時にスイッチ制御信号g(t)を乗算された後、K個のアンテナ2からの信号が合成される。この合成信号h(t)は、次式(6)のように表される。
受信回路4には、周波数帯域幅がKW’の第2バンドパスフィルタ8が設けられている。第2バンドパスフィルタ8は、1つのみ設けられ、複数のスイッチ6において共用されている。本例の場合、第2バンドパスフィルタ8は、図4に示すように、理想的な周波数特性B(ω)を有するフィルタとする。
合成信号h(t)は、第2バンドパスフィルタ8を通過すると、出力信号h’(t)として出力される。出力信号h’(t)は、次式(7),(8)のように表される。
なお、第2バンドパスフィルタ8の出力信号h’(t)が式(7)で表される理由は、本願出願人が平成23年8月31日付けで出願した特願2011−189760にて詳細を開示しているので、ここでは説明を省略する。
図1に示すように、受信回路4には、出力信号h’(t)を増幅するアンプ9と、増幅後の出力信号h’(t)をIF(Intermediate Frequency)周波数にダウンコンバートするコンバータ10と、IF周波数の信号を通過させるIFバンドパスフィルタ11と、IF周波数を直交ダウンコンバートする一対のコンバータ12,12とが設けられている。各コンバータ12,12には、各コンバータ12,12からの出力をフィルタリングするローパスフィルタ13,13が接続されている。各ローパスフィルタ13,13には、フィルタリングされた信号をA/D変換するA/Dコンバータ14,14が各々接続されている。
A/Dコンバータ14が出力するベースバンド信号h"(t)は、アンプの増幅やフィルタの損失を無視すれば、次式(9)のように表される。
ベースバンド信号h"(t)は、A/Dコンバータ14において、周期Tでサンプリングされる。このサンプリング信号z(t)は、次式(10)のように表される。
図5に示すように、サンプリング信号z(t)は、それぞれT/Kずつタイミングのずれた信号である。実際には、A/Dコンバータ14は、次式(11)で表されるz(t)でサンプリングを行う。
図1に示すように、受信回路4には、A/Dコンバータ14から出力されたサンプリング信号z(t)をアンテナ2ごとの信号として並べ替える並び替え部15が設けられている。並び替え部15は、同一の時間軸に並ぶサンプリング信号z(t)を、各アンテナ2の受信信号に並べ替えるものであって、複数のスイッチ16,16…としてイメージできる。並び替え部15は、サンプリング信号z(t)の信号がどのアンテナ2からの信号かを区分けし、これを各スイッチ16,16…からの並び替え信号x’(t)として出力する。なお、並び替え部15が信号処理回路を構成する。
受信回路4には、並び替え部15から出力される並び替え信号x’(t)のタイミングを補正するタイミング補正部17が設けられている。ここで、例えば各スイッチから出力される並び替え信号x’(t)は、演算で定義されたタイミングに揃っていないと、計算に誤差が生じ、これが電波到来方向の測定悪化に影響する。よって、タイミング補正部17は、各並び替え信号x’(t)が演算の定義に準じた規則正しいタイミングで並ぶ信号群となるように、並び替え信号x’(t)の受信タイミングを補正する。
タイミング補正部17には、並び替え信号x’(t)を各々の信号系列(データ系列)においてアップサンプリングするアップサンプリング部18と、アップサンプリング後の信号をフィルタするコサインロールオフフィルタ部19と、フィルタリング後の信号を所定間隔で間引きするデシメーション部20とが設けられている。コサインロールオフフィルタ部19は、ナイキストフィルタの一種である。なお、コサインロールオフフィルタ部19がフィルタ部を構成する。
図6に示すように、アップサンプリング部18は、それぞれの並び替え信号x’(t)、つまり各信号系列に対し、サンプリング周期において信号を受けていないタイミングの箇所に「0」を入れることにより、サンプリング周波数を上げ、これをアップサンプリング信号Sspとしてコサインロールオフフィルタ部19に出力する。コサインロールオフフィルタ部19は、アップサンプリング信号Sspの「0」の箇所を補完データで埋めて、これをフィルタ通過信号Sftとしてデシメーション部20に出力する。デシメーション部20は、フィルタ通過信号Sftを所定ブロックの間隔で間引きし、これをタイミング補正後のサンプル信号x(t)として出力する。なお、サンプル信号x(t)が重畳信号に相当する。
ベースバンド信号h"(t)を並び替え部15においてサンプリング信号z(t)でサンプルし、タイミング補正部17を経て出力されたサンプル信号x(t)は、次式(12),(13)のように表される。
サンプル信号x(t)は、式(13)からも分かる通り、各アンテナ2の受信ベースバンド信号f(t)が混在された形で得られる。ここで、一見、スイッチ6のON時間τを、τ<(T/K)とすれば、2つのスイッチ6が同時に接続されることはなく、受信ベースバンド信号f(t)の混合は生じないように思われるが、実際にはフィルタを通過する際の波形なまりにより、受信ベースバンド信号f(t)の混合が生じてしまう。よって、この混合信号から各アンテナ2の受信ベースバンド信号f(t)を抽出する必要がある。
そこで、本例のアダプティブアレーアンテナ1には、サンプル信号x(t)から受信ベースバンド信号f(t)を分離抽出する演算処理部21が設けられている。本例の演算処理部21は、サンプル信号x(t)を入力すると、次式(14)〜(16)を用いて演算を行うことにより、サンプル信号x(t)から受信ベースバンド信号f(t)を分離し、アンテナ2ごとにI相信号及びQ相信号を出力する。なお、演算処理部21が信号処理回路を構成する。
なお、式(14)〜(16)に記載の各記号は、次式(17)〜(23)により表される。
なお、式(14)〜式(16)を導き出す原理は、前述の特願2011−189760にて詳細を開示しているので、ここでは説明を省略する。
アダプティブアレーアンテナ1には、アダプティブ処理を行い、アダプティブアレーアンテナ1の機能(動作状態)を設定するアダプティブプロセッサ22が設けられている。アダプティブプロセッサ22は、演算処理部21から入力したアンテナ2ごとのI相信号及びQ相信号を基に、アダプティブ処理にて希望波や不要な電波を検出し、アダプティブアレーアンテナ1の機能を設定する。なお、アダプティブプロセッサ22が信号処理回路を構成する。
次に、本例の時分割多重アダプティブアレーアンテナ1の動作を、図6を用いて説明する。なお、本例の場合、並び替え信号x’(t)のタイミングを補正する点に特徴があるので、この部を主に説明する。また、図6の場合、アンテナ数は3とする。
図6に示すように、A/Dコンバータ14は、ベースバンド信号h"(t)を周期Tでサンプリングし、これをサンプリング信号z(t)として並び替え部15に出力する。ここでは、x(0)〜x(6)の6つのデータが出力されるとする。並び替え部15は、このサンプリング信号z(t)を、3つのスイッチ16a,16b,16cを順に繰り返しオンするイメージで分けることにより、各アンテナ2における並び替え信号x’(t)として出力する。
アップサンプリング部18は、並び替え部15から入力した各並び替え信号x’(t)をアップサンプリングする。このとき、アップサンプリング部18は、各並び替え信号x’(t)に対し、サンプリング周波数のタイミングにおいてデータのない箇所に「0」のデータを挿し込むことにより、周期を上げたアップサンプリング信号Sspを生成し、これをコサインロールオフフィルタ部19に出力する。
アップサンプリング部18は、並び替え部15のスイッチ16aから入力した信号を第1アップサンプリング信号Ssp1に変換し、並び替え部15のスイッチ16bから入力した信号を第2アップサンプリング信号Ssp2に変換し、並び替え部15のスイッチ16cから入力した信号を第3アップサンプリング信号Ssp3に変換する。第1アップサンプリング信号Ssp1は、入力の時系列順に紙面右から「x(0),0,0,x(3),0,0,x(6)」のデータが並ぶ信号である。第2アップサンプリング信号Ssp2は、入力の時系列順に紙面右から「0,x(1),0,0,x(4),0,0」のデータが並ぶ信号である。第3アップサンプリング信号Ssp3は、入力の時系列順に紙面右から「0,0,x(2),0,0,x(5),0」のデータが並ぶ信号である。これらアップサンプリング信号Ssp1〜Ssp3は、時間軸方向(周期ごと)に並ぶ各データがアップサンプリング周期で並ぶので、演算の定義にかかるタイミングが揃った信号として出力される。
コサインロールオフフィルタ部19は、アップサンプリング部18から入力した各アップサンプリング信号Ssp1〜Ssp3をフィルタリングする。このとき、コサインロールオフフィルタ部19は、各アップサンプリング信号Ssp1〜Ssp3の「0」の箇所に補完データを入れることにより、フィルタ通過信号Sftを生成する。補完データは、図中に示すx−1(t)、x(t)、x(t)であって(t=0,1…)、同一ブロック内において存在する実データに関係する情報値である。
コサインロールオフフィルタ部19は、第1アップサンプリング信号Ssp1を第1フィルタ通過信号Sft1に変換し、第2アップサンプリング信号Ssp2を第2フィルタ通過信号Sft2に変換し、第3アップサンプリング信号Ssp3を第3フィルタ通過信号Sft3に変換する。第1フィルタ通過信号Sft1は、入力の時系列順に紙面右から「x(0),x−1(1),x−1(2),x(3),x−1(4),x−1(5),x(6)」のデータが並ぶ信号である。第2フィルタ通過信号Sft2は、入力の時系列順に紙面右から「x(0),x(1),x(2),x(3),x(4),x(5),x(6)」のデータが並ぶ信号である。第3フィルタ通過信号Sft3は、入力の時系列順に紙面右から「x(0),x(1),x(2),x(3),x(4),x(5),x(6)」のデータが並ぶ信号である。
デシメーション部20は、コサインロールオフフィルタ部19から入力した各フィルタ通過信号Sft1〜Sft3を所定のブロック間隔で間引くことにより、各フィルタ通過信号Sft1〜Sft3を簡素化する。本例の場合、紙面右から3列目と6列目のブロックが抽出され、これがタイミング補正後のサンプル信号x(t)として生成される。そして、デシメーション部20は、このタイミング補正のサンプル信号x(t)を演算処理部21に出力する。
ところで、実際には、フィルタを通過する際の波形なまりを原因として、サンプル信号x(t)には受信ベースバンド信号f(t)の混合が発生している。よって、演算処理部21は、サンプル信号x(t)に行列Φを乗算することにより、サンプル信号x(t)から各アンテナ2,2…の受信ベースバンド信号f(t)を抽出する。即ち、サンプル信号x(t)に行列Φを乗算する演算を実施することにより、サンプル信号x(t)に含まれる各アンテナ2,2…の受信ベースバンド信号f(t)を分離する。そして、アダプティブプロセッサ22は、各々分離された受信ベースバンド信号f(t)を基に、電波到来方向や、不要な電波を除去するための受信ベースバンド信号f(t)の重み付けを算出する。
ところで、行列Φは並び替え信号x’(t)のタイミングが揃っていることを条件として求まる計算式であるため、並び替え信号x’(t)のタイミングがずれると、その分だけ信号抽出の精度が悪化する懸念がある。そこで、本例においては、並び替え部15の下段にタイミング補正部17を設け、並び替え部15から出力される並び替え信号x’(t)の発生タイミングをタイミング補正部17によって補正するので、タイミングの揃った並び替え信号x’(t)にて電波到来方向等が演算される。よって、信号抽出の精度が確保され、ひいては電波到来方向等の正確な推定に効果が高くなる。
ここで、スイッチ制御信号g(t)のON時間(パルス幅)τにより、A/Dコンバータ14でサンプリングされたサンプル信号x(t)に含まれる受信ベースバンド信号f(Δt)がどのように変化するのかを考える。いま、スイッチ6のON時間τが非常に短い、つまりτ≒0の場合を考える。このとき、Ψ=τ/T≒0となるので、sinc{nπΨ}≒1により、行列S≒Iが導かれる。よって、式(19)は、次式(24)のように表される。
よって、τが非常に小さい場合には、サンプル信号であるベクトルX(t)、つまりサンプル信号x(t)を要素とするベクトルは、各アンテナ2の受信ベースバンド信号f(t) のベクトルF(Δt)のスカラー倍となる。即ち、サンプル信号x(t)は、それぞれ1種類の受信ベースバンド信号f(Δt)のみを含み、混合された状態ではないことが分かる。
ちなみに、背景技術に記載した非特許文献1は、スイッチ制御信号g(t)がデルタ関数であり、本検討におけるτ≒0の場合に相当する。即ち、非特許文献1では、サンプル信号のベクトルX(t)において、ベクトルF(Δt)が混合された状態とならないように、あえてτ≒0としていると考えられる。
しかし、式(24)を見てみると、ベクトルX(t)に含まれるベクトルF(Δt)の大きさは、τに比例することが分かる。このことから、スイッチ6の切り換えによる電力損失を抑制するには、τをなるべく大きくすること、つまりスイッチ6が常にいずれかのアンテナ2に接続されていることが望ましいと予測される。このため、本例のアダプティブプロセッサ22は、スイッチ制御信号g(t)のON時間τを、次信号のτと重複しない範囲で、なるべく長く設定している。このように、ON時間τ(或いはON時間比率Ψ)を任意に設定可能な点で、本例は有効であると考えられる。
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)並び替え部15と演算処理部21との間に、並び替え信号x’(t)のタイミングを補正するタイミング補正部17を設け、並び替え信号x’(t)が後段の演算処理部21の演算に必要なタイミングをとるように、並び替え信号x’(t)をタイミング補正部17でタイミング補正する。このため、並び替え信号x’(t)の抽出精度が向上し、ひいては電波到来方向等の推定精度も向上することができる。
(2)タイミング補正の処理にアップサンプリング(アップサンプリング部18)とフィルタ(コサインロールオフフィルタ部19)とを用いたので、並び替え信号x’(t)のタイミングを補正する際、データを変えてしまうことなく他のタイミングに変更することができる。よって、並び替え信号x’(t)を精度よくタイミング補正することができ、ひいては電波到来方向等の精度確保に寄与する。
(3)コサインロールオフフィルタ部19を通過したフィルタ通過信号Sftをデシメーション部20によって間引きする。このため、タイミング補正後のサンプル信号x(t)のデータ量が軽く済むので、以降の演算の負荷を低く抑えることができる。
(4)タイミング補正のフィルタとして、ナイキストフィルタの一種であるコサインロールフィルタを用いたので、フィルタ部を簡素に構成することができる。
(5)複数のアンテナ2の中の特定の1つをスイッチ6にて受信回路4に接続する際、スイッチ6のON時間τを長くとるので、スイッチ6の切り換え時における電力損失を抑制することができる。また、スイッチ6における電力損失抑制を狙ってスイッチ6のON時間τを長くとると、その背反として、各アンテナ2の受信信号f(t) cos(ωt)が混ざり合ってしまい、これが受信特性の劣化に繋がる。しかし、本例の場合は、サンプル信号x(t)に行列Φを乗算する演算を施すことにより、サンプル信号x(t)を各アンテナ2の受信信号f(t) cos(ωt)に分離するので、問題なく各アンテナ2の受信信号f(t) cos(ωt)も取得することができる。よって、SNRの劣化も最小限に抑えることが可能となるので、時分割多重アダプティブアレーアンテナ1の受信特性も確保することができる。
(6)第2バンドパスフィルタ8の周波数帯域幅KW’は、第1バンドパスフィルタ3の通過帯域幅Wではなく、スイッチ6の切換周波数W’に係数のKを乗算した値に設定されている。このため、スイッチ6の切り換え速度を、細かな値設定を行うことなしに任意に設定することができる。即ち、スイッチ6の切換周期が1値に限定されず、他の値でも許容可能となるので、この点で効果が高いと言える。
(7)スイッチ6の切換周波数W’とON時間τとを用いて求められた行列Φを用いて、サンプル信号x(t)から受信信号f(t) cos(ωt)を分離するので、サンプル信号x(t)を精度よく各アンテナ2の受信信号f(t) cos(ωt)に分離することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図7及び図8に従って説明する。なお、第2実施形態は、第1実施形態のタイミング補正のかけ方を変更したのみの構成であり、他の基本的な構成は同じである。よって、第1実施形態と同一部分には同じ符号を付して詳しい説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図7に示すように、本例の時分割多重アダプティブアレーアンテナ1は、複数の並び替え信号x’(t)のうち、1つの信号系列を除いてタイミング補正を行う実施例である。タイミング補正しない信号系列は、第1実施形態で説明したデシメーションにおいて、補完データではなく実データが含まれる信号系列を言う。受信回路4には、タイミング補正を行わない信号系列に遅延部(遅延素子)25が接続されている。本例の遅延部25は、並び替え部15の複数のスイッチ16,16…のうち、最後に並べ替えを行うスイッチ16zに接続されている。
さて、図8に示すように、例えばアンテナ2が3つの場合、並び替え部15から並び替え信号x’(t)が出力される際、並び替え信号x’(t)のうち、デシメーションで補完データが入る第1並び替え信号x’(t)及び第2並び替え信号x’(t)はタイミング補正部17に出力される。一方、デシメーションで補完データが入らず実データのみが含まれる第3並び替え信号x’(t)はそのまま遅延部25に出力される。ここで、どの並び替え信号x’(t)を遅延部25に通すのかは、どのブロックをデシメーションするかによって決まる。
タイミング補正部17は、入力した第1並び替え信号x’(t)及び第2並び替え信号x’(t)を、第1実施形態で説明した手順に沿い、アップサンプリングするとともにコサインロールオフフィルタに通し、第1フィルタ通過信号Sft1及び第2フィルタ通過信号Sft2に変換する。
一方、遅延部25は、並び替え部15から第3並び替え信号x’(t)を入力すると、この第3並び替え信号x’(t)の出力を遅延する。そして、遅延部25は、第1フィルタ通過信号Sft1及び第2フィルタ通過信号Sft2が生成されるタイミングで、第3並び替え信号x’(t)をデシメーション部20に出力する。続いて、デシメーション部20は、第1フィルタ通過信号Sft1、第2フィルタ通過信号Sft2及び第3並び替え信号x’(t)をデシメーションして、タイミング補正後のサンプル信号x(t)を生成する。
以上により、本例においては、複数の並び替え信号x’(t)のうち、アップサンプリング及びコサインロールオフフィルタの処理の必要がある信号系列をタイミング補正部17に接続し、これら必要のない信号系列を遅延部25に接続する。そして、複数の並び替え信号x’(t)のうち、特定の信号系列のみにおいてタイミング補正を行う。このため、無駄にタイミング補正の計算を行う必要がないので、タイミング補正に係る計算負荷を軽減することが可能となり、ひいては消費電力の軽減や回路規模の小型化に繋がる。
本実施形態の構成によれば、第1実施形態に記載の(1)〜(7)に加え、以下に記載の効果を得ることができる。
(8)並び替え信号x’(t)の各信号系列において、タイミング補正する必要のない信号系列に遅延部25を接続し、この信号系列を除いた系列でのみタイミング補正を行う。このため、最低限必要な信号系列のみタイミング補正するので、タイミング補正にかかる処理負荷を軽減することができる。また、ひいてはアダプティブアレーアンテナ1の消費電力削減や回路構成の簡素化にも寄与する。
(9)並び替え信号x’(t)の複数の信号系列のうち、最後に並び替えが行われる箇所に遅延部25が接続されるので、タイミング補正にかかるデータ遅延を最小に抑えることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態を図9に従って説明する。なお、第3実施形態においても、第1及び第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。なお、図9の例では、アンテナ数を8としている。
図9に示すように、本例のタイミング補正部17は、各信号系列(各データ系列)に対して、異なるレート(サンプリング周期)でアップサンプリングして、並び替え信号x’(t)をタイミング補正する。本例のアップサンプリング部18は、並び替え信号x’(t)において実データが出現するタイミングと、デシメーションで信号を抽出するタイミングとにサンプリング周期がくるレートで、並び替え信号x’(t)をアップサンプリングする。即ち、アップサンプリング部18は、各並び替え信号x’(t)において必要最小限のレートで各並び替え信号x’(t)をアップサンプリングする。
本例の場合、第8スイッチ16hの信号系列を基準(1周期)とすると、第1スイッチ16a、第3スイッチ16c、第5スイッチ16e及び第7スイッチ16gの信号系列が1/8周期に設定され、第2スイッチ16b及び第6スイッチ16fが1/4周期に設定され、第4スイッチ16dの信号系列が1/2周期に設定されている。また、本例の第8スイッチ16hの信号系列は、アップサンプリングしない信号系列、つまり並び替え信号x’(t)を遅延する信号系列となっている。
ここで、Kをアンテナ数とし、Tをアップサンプリング前のサンプリング周期とし、nを0,1,…,K−1とし、タイミング補正を行わない信号系列と、その他の各信号系列とのタイミングのズレ時間をnT/Kとすると、各信号系列のアップサンプリングのレートは、次式(25)により求まる。なお、次式のrは、nとKの最大公約数である。
このように、アップサンプリングのレートを、式(25)を満たす値に設定すれば、デシメーションの対象となるブロックに必ずデータが乗るようになる。図9の例では、紙面右から8番目のブロックと、紙面右から16番目のブロックとに、実データ若しくは「0」のデータが乗るようになる。よって、以降の処理において問題なくデシメーションを実施することが可能である。
さて、本例の場合、並び替え部15が並び替え信号x’(t)を出力すると、アップサンプリング部18は、各並び替え信号x’(t)を信号系列ごとに各々異なるレートでアップサンプリングする。例えば、8番目のスイッチ16hの信号系列を基準の1周期とすると、第1スイッチ16a、第3スイッチ16c、第5スイッチ16e及び第7スイッチ16gの各信号系列は、1/8周期のレートで信号をアップサンプリングし、第2スイッチ16b及び第6スイッチ16fの各信号系列は、1/4周期のレートで信号をアップサンプリングし、第4スイッチ16dの信号系列は、1/2周期のレートで信号をアップサンプリングする。
以上により、本例においては、アップサンプリング部18は必要最小限のレートでアップサンプリングを行うだけで済むので、アップサンプリング部18の処理負荷を軽減することが可能となる。このため、時分割多重アダプティブアレーアンテナ1にタイミング補正を実施させる場合であっても、このときにかかる処理負荷を少なく抑えることが可能となり、ひいては消費電力の軽減や回路規模の小型化に一層効果が高くなる。
本実施形態の構成によれば、第1及び第2実施形態に記載の(1)〜(9)に加え、以下の効果を得ることができる。
(10)並び替え信号x’(t)の各信号系列に対し、異なるレートでアップサンプリングを行う。このため、アップサンプリングにおける各信号系列のレートが必要最小限のレートに設定されるので、アップサンプリングにかかる処理負荷を軽減することができる。
(11)各信号系列のアップサンプリングのレートを、上記式(25)を満たすように設定すれば、各信号系列のレートを必要なレートに適宜設定することができる。
なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・各実施形態において、タイミング補正部17は、アップサンプリングによりタイミング補正する方式に限定されず、例えば線形補完など、他の方式を採用可能である。
・各実施形態において、フィルタ部は、コサインロールオフフィルタに限定されず、他の種類に変更してもよい。
・各実施形態において、タイミング補正部17は、デシメーション部20を省略した構成でもよい。
・第2実施形態においては、複数の信号系列において、遅延する系列は適宜変更可能である。
・第3実施形態において、レートの基準となる信号系列は、信号が遅延される系列に限定されず、他と同じようにアップサンプリングされる系列としてもよい。
・各実施形態において、受信回路4の構成は、実施形態に述べた構成例に限定されず、他の回路構成に変更可能である。
・各実施形態において、受信回路4は、直交ダウンコンバータ12,12ではなく、通常のコンバータにて信号をダウンコンバートする回路でもよい。
・各実施形態において、受信回路4は、ベースバンド信号をA/Dコンバータ14でサンプルする構成に限らず、例えばIF信号をサンプルする構成や、第2バンドパスフィルタ8から出力される(Radio Frequency)信号をサンプルする構成でもよい。
・各実施形態において、アンテナ素子数Kは、任意の奇数に限らず、任意の偶数であってもよい。
・各実施形態において、スイッチ6のON時間τ(ON時間比率Ψ)は、実施形態に述べた例に限定されず、他の時間幅に適宜変更可能である。
・各実施形態において、サンプル信号x(t)から受信信号f(t) cos(ωt)を再生(分離)する演算は、サンプル信号x(t)に行列Φを乗算する方法に限定されない。要は、サンプル信号x(t)から受信信号f(t) cos(ωt)を分離できれば、他の演算方法に適宜変更可能である。即ち、演算処理部21は、式(14)〜(16)を用いた演算を行うものに限定されず、電波到来方向の推定等、アダプティブ処理に与える影響を低減するものであれば、他の演算に変更可能である。
・各実施形態において、第2バンドパスフィルタ8の周波数帯域幅は、例えば第1バンドパスフィルタ3の周波数帯域に係数のKを乗算した値でもよい。
・各実施形態において、アレーアンテナは、アダプティブ方式のアンテナに限定されず、例えば固定アンテナを使用したアレーアンテナでもよい。
・各実施形態において、時分割多重アダプティブアレーアンテナ1は、車両や電子キーの受信機として使用されることに限定されず、他の機器や装置に適宜応用可能である。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(イ)前記アレーアンテナにおいて、前記受信回路は、少なくともフィルタ及びA/Dコンバータを備えた回路である。この構成によれば、フィルタやA/Dコンバータ等の部品群を、アンテナごとに設ける必要がないので、装置構成の簡素化や部品コスト削減に効果が高いと言える。
(ロ)前記アレーアンテナにおいて、前記スイッチの接続状態を、次スイッチがONされる直前まで維持することにより、当該スイッチのON時間を長くとる。この構成によれば、スイッチのON時間を極力長くとるので、電力損失抑制に一層寄与する。
(ハ)前記アレーアンテナにおいて、前記受信回路のバンドパスフィルタの帯域幅は、前記アンテナのそれぞれに設けられたバンドパスフィルタの帯域幅ではなく、前記スイッチの切換周波数に係数を乗算した値に設定されている。この構成によれば、スイッチの切り換え速度を、細かい設定することなしに任意に設定することが可能となる。即ち、スイッチの切換周期が1値に限定されずに済み、他の値でも許容可能となるので、この点で効果が高いと言える。
(二)前記アレーアンテナにおいて、前記演算は、前記スイッチの切換周波数と当該スイッチのON時間とから求められた行列を用いて前記重畳信号に処理を加える演算である。この構成によれば、スイッチの切換周波数とON時間とから求められた行列で演算を行うので、重畳信号を精度よく各アンテナの受信信号に分離することが可能となる。
1…時分割多重アダプティブアレーアンテナ、2…アンテナ、4…受信回路、6…スイッチ、15…信号処理回路を構成する並び替え部、17…タイミング補正部、18…アップサンプリング部、19…フィルタ部及びコサインロールオフフィルタを構成するコサインロールオフフィルタ部、20…デシメーション部、21…信号処理回路を構成する演算処理部、22…信号処理回路を構成するアダプティブプロセッサ、25…遅延部、x’(t)…並び替え信号、f(t) cos(ωt)…受信信号、τ…ON時間、x(t)…重畳信号としてのサンプル信号。

Claims (10)

  1. 複数のアンテナの特定の1つをスイッチによって選択的に受信回路に接続することにより、複数の前記アンテナで1つの前記受信回路を共用し、前記スイッチによる時分割多重によって電波を受信する時分割多重式のアレーアンテナにおいて、
    前記受信回路で取り込んだ信号を複数の前記アンテナの信号として並び替え、この並び替え信号を処理する信号処理回路を備え、
    前記並び替え信号が前記信号処理回路での処理に必要なタイミングをとるように、当該並び替え信号の受信タイミングを補正するタイミング補正部を、更に備え
    前記タイミング補正部は、
    前記並び替え信号をアップサンプリング周期によってサンプリングするアップサンプリング部と、
    アップサンプリング後の信号をフィルタするフィルタ部とを備え、
    前記アップサンプリング部は、前記並び替えの複数の各信号系列に対し、異なるレートでアップサンプリングする
    ことを特徴とするアレーアンテナ。
  2. 前記タイミング補正部は、
    前記フィルタ部を通過した後の信号を間引きして、信号を簡素化するデシメーション部を備えた
    ことを特徴とする請求項に記載のアレーアンテナ。
  3. 前記フィルタ部は、コサインロールオフフィルタである
    ことを特徴とする請求項又はに記載のアレーアンテナ。
  4. 前記並び替えの複数の信号系列のうち、タイミング補正を行う必要のない信号系列を遅延し、当該信号を前記タイミング補正後の信号に同期させて出力する遅延部を備えた
    ことを特徴とする請求項1〜のうちいずれか一項に記載のアレーアンテナ。
  5. 前記遅延部は、前記並び替えの複数の各信号系列において、最後に並び替えられる信号系列に対してタイミング補正を実行させない
    ことを特徴とする請求項に記載のアレーアンテナ。
  6. Kをアンテナ数、Tをアップサンプリング前のサンプリング周期、nを0,1,…,K−1とし、タイミング補正を行わない信号系列と、その他の各信号系列とのタイミングのズレ時間をnT/Kとし、nとKの最大公約数をrとすると、各信号系列のアップサンプリングのレートがK/rにより設定されている
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載のアレーアンテナ。
  7. 前記信号処理回路は、
    次信号のON時間と重複しない範囲で前記スイッチのON時間を長くとることにより、前記スイッチの切り換えによる電力損失を抑制し、この処理によって各アンテナの受信信号が混ざり合ってしまっても、受信回路内のフィルタを通過する際の波形なまりを信号から取り除くことができる計算式により重畳信号に演算を施すことによって、当該重畳信号を各アンテナの受信信号に分離する演算処理部を備えた
    ことを特徴とする請求項1〜のうちいずれか一項に記載のアレーアンテナ。
  8. 複数の前記アンテナをアダプティブ処理することによって通信するアダプティブ方式である
    ことを特徴とする請求項1〜のうちいずれか一項に記載のアレーアンテナ。
  9. 複数のアンテナの特定の1つをスイッチによって選択的に受信回路に接続することにより、複数の前記アンテナで1つの前記受信回路を共用し、前記スイッチによる時分割多重によって電波を受信する時分割多重式のアレーアンテナにおいて、
    前記受信回路で取り込んだ信号を複数の前記アンテナの信号として並び替え、この並び替え信号を処理する信号処理回路を備え、
    前記並び替え信号が前記信号処理回路での処理に必要なタイミングをとるように、当該並び替え信号の受信タイミングを補正するタイミング補正部と、
    当該タイミング補正部に設けられ、前記並び替え信号をアップサンプリング周期によってサンプリングするアップサンプリング部と、
    前記並び替えの複数の信号系列のうち、タイミング補正を行う必要のない信号系列を遅延し、当該信号を前記タイミング補正後の信号に同期させて出力する遅延部とを、更に備え、
    Kをアンテナ数、T をアップサンプリング前のサンプリング周期、nを0,1,…,K−1とし、タイミング補正を行わない信号系列と、その他の各信号系列とのタイミングのズレ時間をnT /Kとし、nとKの最大公約数をrとすると、各信号系列のアップサンプリングのレートがK/rにより設定されている
    ことを特徴とするアレーアンテナ。
  10. 複数のアンテナの特定の1つをスイッチによって選択的に受信回路に接続することにより、複数の前記アンテナで1つの前記受信回路を共用し、前記スイッチによる時分割多重によって電波を受信する時分割多重式のアレーアンテナにおいて、
    前記受信回路で取り込んだ信号を複数の前記アンテナの信号として並び替え、この並び替え信号を処理する信号処理回路を備え、
    前記並び替え信号が前記信号処理回路での処理に必要なタイミングをとるように、当該並び替え信号の受信タイミングを補正するタイミング補正部を、更に備え、
    前記信号処理回路は、
    次信号のON時間と重複しない範囲で前記スイッチのON時間を長くとることにより、前記スイッチの切り換えによる電力損失を抑制し、この処理によって各アンテナの受信信号が混ざり合ってしまっても、受信回路内のフィルタを通過する際の波形なまりを信号から取り除くことができる計算式により重畳信号に演算を施すことによって、当該重畳信号を各アンテナの受信信号に分離する演算処理部を備えた
    ことを特徴とするアレーアンテナ。
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