JP5792219B2 - 屋外構築物および屋外構築物の設置構造 - Google Patents
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Description
また、このような屋外構築物によれば、網目から見える石が持つ風合いにより、デザイン的に優れた外構やエクステリアを提供することができる。
ところが、礫体は一つ一つの形状が異なるため、強く水を撒くと周囲に水が飛び散ってしまう場合がある。一方、それを防ぐために少量ずつ水を撒くと、容器内の中央側まで水が染み渡りにくく、効率が良くない場合がある。
前記網状容器2内に充填される多数の礫体3…と、
前記多数の礫体3…への灌水を行う灌水手段4と、を備えており、
前記灌水手段4は、
前記網状容器2の上下方向に沿って配置されるとともに水の供給源40側に位置する本管41と、
前記本管41から分岐され、前記網状容器2内において前記多数の礫体3…内に埋設されるようにして当該網状容器2の幅方向両端部間に配置される分岐管42と、を有することを特徴とする。
前記分岐管42は、前記本管41の上下方向に間隔を空けて複数設けられていることを特徴とする。
前記網状容器2の上端部に植栽容器6が設けられており、
前記灌水手段4は、前記本管41から分岐され、端部が前記植栽容器6内に配置される植栽用分岐管43を有することを特徴とする。
前記植栽容器6内には、保水性能を有する保水材7が設けられていることを特徴とする。
前記植栽容器6の底部(底面6a)に排水孔6fが形成されていることを特徴とする。
前記屋外構築物1は、前記敷地のうち、前記建物10の開口部11aが形成された外壁11に面する場所(例えばスペース12,13,14)に配置されていることを特徴とする。
前記屋外構築物1と前記外壁11との間に、保水性能を有する保水材からなる保水床部15が設けられており、
前記保水床部15には、前記本管41から分岐される床部用分岐管44が設けられていることを特徴とする。
前記敷地のうち前記屋外構築物1よりも、前記外壁11に面する場所とは反対側に位置する屋外側の場所に、保水性能を有する保水材からなる保水床部16が設けられており、
前記保水床部16には、前記本管41から分岐される床部用分岐管45が設けられていることを特徴とする。
図1等に示す屋外構築物1は、例えば門柱、門袖、塀、門柱、花壇、ベンチなど、住宅等における外構やエクステリアとして使用されるものであり、特に本実施の形態においては塀として使用されている。
屋外構築物1は、図1〜図3に示すように、網状容器2と、多数の礫体3…と、灌水手段4と、支柱5と、を備える。
また、その形状やサイズは、屋外構築物1をどのような種類の外構やエクステリアとして使用するかによって任意である。
また、本実施の形態においてカゴ状部2aは上下四段に積層されている。なお、最上段のカゴ状部2aには後述する植栽容器6が設けられるため、本実施の形態においては多数の礫体3…が充填されないものとする。
なお、本実施の形態のカゴ状部2aは略直方体状に形成されるが、これに限られるものではなく、湾曲状やその他の形状に形成されていてもよい。また、本実施の形態では底面2bを備えるものとしたが、カゴ状部2aが四角筒状となるように下面を開口していてもよい。
網状容器2はこの支柱5に沿って設けられるとともに連結されている。支柱5は、地表に表れる部分の高さが網状容器2の高さよりも高く設定されている。
なお、この支柱5は、網状容器2の幅方向両端部に設けられていてもよい。また、網状容器2が自立できる場合には、支柱5を省略してもよい。
なお、ここで「礫」とは、粒状のものよりも大きく、かつブロック等の塊状のものよりも小さく形成されたものを指している。また、本実施の形態の礫体3は、一つ一つの形状が異なるものとしたが、人工的に略同形状に加工したものを用いてもよい。
供給源40については後述するが、例えば水道や生活排水、雨水等を始め様々な種類の水を採用することができる。
この本管41のうち、前記網状容器2の上下方向に沿って配置される部分(地上管41a)が地上に設けられている。すなわち、この本管41の地上管41aは下方から上方に向かって伸びるように配管されている。
なお、この地上管41aの上端部にはソケット41bが設けられる。また、この地上管41aの途中にはT字状の複数の継手41cが設けられる。
また、この地上管41aは、網状容器2の幅方向一端部側(支柱5側、カゴ状部2aの一方の側面2d側)に配置されている。
すなわち、網状容器2の幅方向一端部に前記地上管41aが配管されており、分岐管42は、地上管41aから横方向に、網状容器2の幅方向他端部(カゴ状部2aの他方の側面2d側)まで配管されている。
分岐管42には、当該分岐管42の長さ方向に間隔を空けて複数の吐出部42aが設けられている。これら複数の吐出部42aには、水を吐出(または噴出)する吐出口42bがそれぞれ形成されている。各吐出部42aに形成される吐出口42bは、少なくとも下方向きに一つ設けられているものとするが、上向きの吐出口や横向きの吐出口が適宜形成されていてもよいものとする。
これに伴って、灌水手段4は、前記本管41から分岐され、端部43aが前記植栽容器6内に配置される前記植栽用分岐管43を有している。
この植栽容器6は、最上段のカゴ状部2aに収容されるようにして網状容器2の上端部に設けられている。この時、前記側面6bは、最上段のカゴ状部2aの側面2cの内側に配置されることになり、前記側面6cは、最上段のカゴ状部2aの側面2dの内側に配置されることになる。
また、側面6b,6cの高さは、カゴ状部2aの側面2c,2dの高さよりも低く形成されている。すなわち、植栽容器6は、カゴ状部2aに比して浅底に形成されている。
これにより、植栽容器6を、前記底面6aを、最上段のカゴ状部2aの底面2bから間隔を空けて、すなわち浮かせた状態で最上段のカゴ状部2aに設置することができる。
貫通孔6eには、植栽用分岐管43が、当該植栽用分岐管43の上端部43aが植栽容器6の中央付近に位置するようにして貫挿されている。
排水孔6fは、余剰水を排出するための孔である。なお、前記植栽容器6に植栽用土6gを直接入れる場合、この排水孔6fには、土の流出を防ぐための膜や網が設けられるものとする。
より詳細に説明すると、この保水材7は厚み(植栽容器6の深さの3分の1程度)のある板状体として形成されており、その底面が前記植栽容器6の底面6aと略等しい面積とされている。
このような保水材7としては、例えば砂を混入することなく、かつ強度を補う添加剤を添加することなく、粒度3〜20mmの軽石(乾燥比重が0.4)50〜62重量%とポルトランドセメント50〜38重量%との配合物に、水40〜50重量%を散布して混練した状態の生コンクリート10aを固めたものが採用されている。
また、この他に、アスファルトを骨材同士の結合材として用いて固めたものも挙げられる。すなわち、保水性能および透水性能を有するものであればよい。
また、この保水材7の中央には、前記貫通孔6eに対向する貫通孔7aが形成されており、この貫通孔7aには植栽用分岐管43の上端部43aを挿通することができる。
上端部43aは、上述のように植栽容器6内に挿入される部分であり、貫通孔6e,7aに挿通され、その上端が前記植栽容器6の中央に位置している。また、この上端部43aには図示しない吐出口が形成されており、この吐出口には土の流入を防ぐために適宜、網等が設けられている。
複数の継手43bはL字状に形成されており、前記上端部43aとホース43cとを通水可能に接続し、前記本管41とホース43cとを通水可能に接続している。本管41とホース43cとを接続する継手43bは、前記本管41の上端部に設けられたソケット41bに連結される。
ホース43cはフレキシブルホース(可撓性を有するホース)であり、前記複数の継手43b,43bとともに前記本管41と前記上端部43aとを接続している。これにより、ホース43cによって本管41と上端部43aとを接続した状態で、植栽容器6を持ち上げることができる。
また、植栽用分岐管43は、植栽容器6の底面6aと最上段のカゴ状部2aの底面2bとの間の空間内に収容することができる。
より詳細に説明すると、貯水タンク40には、水道管40aと、生活排水が通る排水管40bと、竪樋から分岐する樋分岐管40cとが接続されている。
水道管40aからは、任意のタイミングで水道水を貯水タンク40内に貯留することができる。
排水管40bには、ポンプ40dが接続されている。また、このポンプ40dにはタイマー40eが接続されており、このタイマー40eで管理しながら生活排水を貯水タンク40に貯留することができる。なお、生活排水としては、例えば洗濯機や浴槽から排出される水が採用される。
樋分岐管40cからは、雨天時に雨水を貯水タンク40内に貯留することができる。竪樋は、樋分岐管40cの部位で、当該樋分岐管40c(貯水タンク40)側と、下端排水側に分岐している。
さらに、フィルターポンプ40fの先にはタイマー付きの電磁弁40gが接続されており、タイマーによって時間管理をしながら水を屋外構築物1へと送ることができる。
さらに、この灌水システムには、屋外構築物1の周囲の温度や湿度等をセンシングするセンサーや、センサーによるセンシング結果に基づいて前記電磁弁40gやポンプ40d,40f等を制御する制御手段等を適宜設けてもよいものとする。
すなわち、屋外構築物1は、図3〜図5に示すように、住宅等の建物10が構築される敷地のうち、前記建物10の開口部11aが形成された外壁11に面する場所に配置されている。
また、このようなスペース12,13,14は、建物10の開口部11aが形成された外壁11に面して設けられている。
庭であるスペース12は、前記屋外構築物1と前記外壁11との間に位置しており、さらに当該庭12には、保水性能を有する保水材からなる保水床部15が設けられている。保水材は、前記保水材7と同様の材料が採用されており、保水床部15は、人が歩いたり、重量物が載置されたりしても破損しない厚みおよび強度に設定されている。
第一床部用分岐管44は、図示しない継手を介して本管41に接続されている。また、保水床部15に対して広範に水が行き渡るように、第一床部用分岐管44は、平面視において保水床部15の縦横に配管されている。すなわち、この第一床部用分岐管44は、本管41側に位置する縦管44aと、この縦管44aの長さ方向間に間隔を空けて、かつ継手を介して縦管44aに通水可能に接続される複数の横管44bとを有する。
第二床部用分岐管45は、図示しない継手を介して本管41に接続されている。また、保水床部16に対して広範に水が行き渡るように、第二床部用分岐管45は、平面視において保水床部16の縦横に配管されている。すなわち、この第二床部用分岐管45は、本管41側に位置する縦管45aと、この縦管45aの長さ方向間に間隔を空けて、かつ継手を介して縦管45aに通水可能に接続される複数の横管45bとを有する。縦管45aは、図示しないT字状の継手によって本管41と接続されており、当該継手を介して前記地上管41aとも接続されている。
さらに、保水床部16の表面には、芝等の植物が植栽されている。
さらに、屋外構築物1によっても、気化熱により当該屋外構築物1の周囲の温度が下げられ、その温度の低い空気を、前記開口部11aを介して前記建物10内に流入させることができる。
図4においては、三つの屋外構築物1,1,1が、テラス14を挟んで前記外壁11に対向して配置されている。また、これら三つの屋外構築物1,1,1は互いに間隔を空けて配置されている。
前記灌水手段4により前記屋外構築物1,1,1に灌水を行えば、その気化熱により当該屋外構築物1,1,1周囲の温度が相乗的に下げられることになる。このような状態で、三つの屋外構築物1,1,1の間を風が通り抜けるので、その温度の低い空気を、前記開口部11aを介して前記建物10内に流入させることができる。
また、テラス14の両側にも屋外構築物1を配置してもよい。すなわち、テラス14の両側それぞれに屋外構築物1,1を配置すれば、当該両側の屋外構築物1,1と前記三つの屋外構築物1,1,1とによってテラス14を取り囲むことができる。なお、両側の屋外構築物1,1は、平面視において前記三つの屋外構築物1,1,1と直交する方向に配置される。このように複数の屋外構築物1…によってテラス14を取り囲むことによって、テラス14内の温度をより効果的に下げることができるので、建物10内に流入する空気もより低いものとなる。
前記灌水手段4により前記屋外構築物1,1に灌水を行えば、その気化熱により当該屋外構築物1,1周囲の温度が相乗的に下げられることになる。このような状態で、二つの屋外構築物1,1の間を風が通り抜けるので、その温度の低い空気を、前記開口部11aを介して前記建物10内に流入させることができる。
この時、これら二つの屋外構築物1,1は、開口部11aに向かって徐々に細くなるようにして斜めに配置されているので、外壁11に向かって吹く風を集めやすくなっているため、当該屋外構築物1,1によって温度が下げられた空気を、建物10内に勢いよく流入させることができる。これによって、建物10の奥まで温度の低い空気を送ることができる。
なお、図5に示す例においても、テラス14の両側に屋外構築物1を配置してもよい。
2 網状容器
3 礫体
4 灌水手段
6 植栽容器
40 供給源
41 本管
42 分岐管
Claims (8)
- 網目状に形成された網状容器と、
前記網状容器内に充填される多数の礫体と、
前記多数の礫体への灌水を行う灌水手段と、を備えており、
前記灌水手段は、
前記網状容器の上下方向に沿って配置されるとともに水の供給源側に位置する本管と、
前記本管から分岐され、前記網状容器内において前記多数の礫体内に埋設されるようにして当該網状容器の幅方向両端部間に配置される分岐管と、を有することを特徴とする屋外構築物。 - 請求項1に記載の屋外構築物において、
前記分岐管は、前記本管の上下方向に間隔を空けて複数設けられていることを特徴とする屋外構築物。 - 請求項1または2に記載の屋外構築物において、
前記網状容器の上端部に植栽容器が設けられており、
前記灌水手段は、前記本管から分岐され、端部が前記植栽容器内に配置される植栽用分岐管を有することを特徴とする屋外構築物。 - 請求項3に記載の屋外構築物において、
前記植栽容器内には、保水性能を有する保水材が設けられていることを特徴とする屋外構築物。 - 請求項3または4に記載の屋外構築物において、
前記植栽容器の底部に排水孔が形成されていることを特徴とする屋外構築物。 - 住宅等の建物が構築される敷地内に、請求項1〜5のいずれか一項に記載の屋外構築物が設置されてなる屋外構築物の設置構造であって、
前記屋外構築物は、前記敷地のうち、前記建物の開口部が形成された外壁に面する場所に配置されていることを特徴とする屋外構築物の設置構造。 - 請求項6に記載の屋外構築物の設置構造において、
前記屋外構築物と前記外壁との間に、保水性能を有する保水材からなる保水床部が設けられており、
前記保水床部には、前記本管から分岐される床部用分岐管が設けられていることを特徴とする屋外構築物の設置構造。 - 請求項6または7に記載の屋外構築物の設置構造において、
前記敷地のうち前記屋外構築物よりも、前記外壁に面する場所とは反対側に位置する屋外側の場所に、保水性能を有する保水材からなる保水床部が設けられており、
前記保水床部には、前記本管から分岐される床部用分岐管が設けられていることを特徴とする屋外構築物の設置構造。
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