JP5791755B2 - 光造形装置および光造形方法 - Google Patents

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本発明は、光造形装置および光造形方法に関し、詳しくは光硬化性液体樹脂を用いて光源からの光を走査して3次元物体を形成する光造形装置および光造形方法に関し、特には高い形状精度と高速造形をともに実現することのできる光造形装置および光造形方法に関する。
3次元のCADシステムで設計された3次元形状データや3次元測定機で測定された3次元形状データを具象化するために、未硬化の液体状の光硬化性組成物を用いて3次元形状データによって定義される形状を造形する技術が開発されており、Rev.Sci.Instrum.52.NO.11 Nov.1981 page 1770〜に紹介されている。
近時、この造形方法を実現するために光造形装置が開発された。この装置は、未硬化の光硬化性組成物(以下、これを未硬化樹脂液ともいう)を露光して硬化層を形成するとともにその硬化層を順次積層して3次元物体にするものであり、前記3次元形状データから電子計算機等を併用して各層断面形状のデータを作成し、そのデータに基づいて未硬化樹脂液を選択的に露光することで、製品開発時の雛型や模型等のような複雑な3次元物体を造形することができる。
この種の光造形装置としては、例えば特開平3−227222号公報に記載されたものがある。この装置では、未硬化樹脂液を収容した造形槽の液面に対しレーザー光を走査してその液面近傍の未硬化樹脂液を所定形状に硬化させ、その硬化層を造形槽中に沈めた後、次の断面層をその上に接着しつつ積層するようになっている。そのレーザー光走査装置(スキャニング装置)は、例えばレーザー光源からのレーザー光を反射しつつ回動してレーザー光を第1の走査方向に走査する第1の反射鏡と、第1の反射鏡からの光を反射しつつ回動してレーザー光を第1の走査方向と直交する第2の走査方向に走査する第2の反射鏡とを有するものがあり、各反射鏡はそれぞれスキャニングモータにより各硬化層の造形パターンに対応して駆動制御されるようになっている。
より詳細には、前記光造形装置は、光硬化性組成物を収容する液体樹脂容器と、液体樹脂容器内に収容された樹脂の液面に近接および離隔方向に昇降機により移動される造形テーブルと、レーザー光を照射して造形テーブルおよび液面の間の光硬化性組成物を硬化させて硬化層を形成する光学系手段と、昇降機を制御して所定距離だけ造形テーブルを下方に移動して液面から層厚分だけ離隔させる制御手段と、造形面(液面)を所定に厚みに平坦化するためのリコータとを備えており、昇降機により造形テーブルを移動させることによってその造形テーブル上あるいは造形テーブルに積層された硬化層上に形成した層厚分の光硬化性組成物を光学系手段により選択的に露光する所謂、自由液面方式により硬化層を積層し立体物を造形する。
例えば、図1に示すように従来の光造形装置の構成は、放射線装置10(たとえば、レーザー)で放射ビーム12を発生する。放射ビーム12は変調器14を通り、この変調器は音響光学変調器(AOM)であると好ましい。変調された放射ビーム12‘は、次に偏向手段16を通る。この偏向手段は2つのミラー20、22を包含し、各ミラーはX方向、Y方向において面46に対してビームを反射させ得る軸(図示せず)を有する。ここで、X方向、Y方向とは互いに直角でありかつ面46に対して平行である。ミラー20、22はモータ24、26によってそれぞれ対応する軸線まわりに回転して、それぞれ、X、Y方向において容器44に入っている液状光硬化性組成物40の所定の位置に向って放射ビーム12を制御しながら偏向させるようになっている。ビームはほぼ一定の光硬化深度まで組成物の所定部分の光硬化を生じさせる。光硬化深度は、走査方向に対して直角の横断面で測って、面46と光硬化した薄い層の対向側面の間の最大厚さすなわちピーク厚さとして定義される。容器44内には、造形テーブル41と昇降機モータ42のような設定手段が設けてあり、この昇降機モータは造形テーブル41に動きを与えて容器44内で造形テーブルの位置を精密に制御するようになっている。ドクタ・ナイフ43のような層形成手段が容器44内で造形テーブル41の上方に設置してあり、これは液状光硬化性組成物の重なった薄い層を形成する。
従来の光像形装置では、図2に示す様に、造形テーブルを上下方向に動かすためのサーボモータやパソコン、配線等の電装部がA−A部より壁107側の筐体103内に固定されていたため、背面109と壁107との間及び左右後方にメンテナンススペースが必要であった。例えば、前記サーボモータが故障した際には図1のA−A部分で分割することにより筐体103を壁側の点線部分に移動させ、電装部の筐体103と本体の筐体105との間にできた隙間に人が入ることにより電装部の筐体103内に配置されている前記サーボモータを修理する必要があった。
また、輸送時には図1のA−A部で電装部の筐体103と本体の筐体105とを切り離す必要があった。切り離すためには、全ての配線を切り離す必要があり、装置設置時に、この配線を再び全て取り付ける必要があった。
従来、光学系配置室は密閉空間となっており、レーザー発信機、メカシャッター、AOM、反射ミラー、ダイナミックフォーカス、フォーカスレンズ、ガルバノスキャナ等の光学機器が配置されていた。
従来の光造形装置は一般的に造形室内灯として、蛍光管を用いている。
従来、造形室と光学系配置室との間には光学系配置室で調整されたレーザー光をガルバノスキャナにより造形室の造形面へ制御下に照射することにより1層分の液面を固化させるため窓が開いていた。該窓には光造形が完了して造形装置からモデルが形成された造形テーブルを外す際にガルバノスキャナのミラー等にモデル屑や液体樹脂等が付着しないように開閉自在のシャッターが取り付けられている。該シャッターは作業者が手動により開閉を行っていた。
また、造形開始時や造形中のレーザー強度を所定のレーザー強度に維持するため、造形エリア外の造形液面近くにレーザー光の強度を測るためのレーザーパワーモニターを配置してガルバスキャナによりレーザー光をレーザーパワーモニターの受光面に照射していた。レーザーパワーモニターはガルバノスキャナによるレーザー光の振り角に制約がある為、この位置に配置されていた。該パワーモニターにより測定されたレーザー強度が所定のレーザー強度よりも弱かったり強かったりした場合は、AOMやレーザー発生源を調整してレーザー強度が所定のレーザー強度になるように制御する。
従来、光造形装置において、液体樹脂の種類を交換する際には、異なる種類の樹脂が混合して、樹脂を損傷しないように、昇降機に取り付けられたアーム部分のうち樹脂層につかるZフレーム部分で分離するような構造としていた。
Zフレームは,Zフレームを最下位位置に移動させて作業者が取っ手部を持って取外し、人力により造形タンクの底に置き、造形タンク毎樹脂を交換していた。また、交換後のZフレームの取り付けについても作業者が取っ手部を持ってネジ止めすることにより取り付けていた。
従来、造形テーブルは、正確に位置決めして造形中も動かないように確実に固定する必要があるため、Z方向の昇降機のフレームに6角穴付きボルトで、固定していた。造形テーブルがずれた場合、精度のよい造形物ができないためである。
また、造形終了後に造形物を造形テーブルから取り外す際、造形室内で造形物を造形テーブルから外すとサポート屑などが液体樹脂タンク内に落ちてしまい、樹脂の増粘の影響や次の造形物に対するごみとなる恐れがあるため造形テーブルを取り外して光造形装置の外で造形物を造形テーブルから外している。
従来、造形室の液体樹脂タンクの液面高さは、測定の都度、液体樹脂タンクにゴミ除けを装着して造形室内に配置された液面センサにより測定し、測定終了後にはゴミ除けを取外していた。
このような光硬造形装置において、硬化層の一回あたりの沈降量が大きいと、硬化層を沈降させるだけで周囲から未硬化液が硬化層上に導入される。しかしながら、1回あたりの沈降量が小さいと、未硬化液の粘性ないしは表面張力によって硬化層を沈降させるだけでは硬化層上に未硬化液が導入されなくなる。あるいは、硬化層上に未硬化液が導入されるのに長時間を要することもある。そこで、硬化層を一旦大きく沈降させることによって硬化層上に未硬化液を導入し、ついで硬化層を上昇させることによって未硬化液の厚みを減少させる技術がある。しかしながら、この技術によると、硬化層の下降・上昇によって液面が波立ってしまい、液面が平静になるまでに時間を要するため、リコ−ト時間を短縮化することが難しい。
このような問題点を解決するために、硬化層を沈降させた後、硬化層上をリコ−タを走行させることによってリコ−タの全面で未硬化液を押し出し、これによって未硬化液を硬化層上に導入する技術が開発されている。リコ−タとしては、平滑板を用いたものが知られている。リコ−タの下面と硬化層上面との間の間隙に未硬化液が進入してゆく現象(吸入作用)、リコ−タの走行により末硬化液がリコ−タ下面との間の粘性抵抗によってひきずられる現象(ひきずり作用)によって未硬化液が硬化層上面に導入される。しかしながら、この方式によると、十分な量の未硬化液を硬化層上面に導入することが難しく、硬化層が大きく広がっているとリコ−トされない部分、すなわちリコ−ト残り面が発生する。これを防止しようとすると、平滑板あるいはブラシを何往復もさせなくてはならず、やはりリコ−トに時間を要してしまう。
このような問題点を解決するために、リコ−タの下面に凹部を設ける技術が開発されている。このようなリコ−タを用いると、リコ−タの凹部に未硬化液が貯留されることになり、吸入作用とひきずり作用の他、リコ−タ下面と硬化層上面との間の間隙に貯留された貯留分が減少する作用によっても未硬化液が硬化層上面に導入されるので、多量の未硬化液を硬化層上面に導入することができる。
従来、光造形用液体脂造は使用日数が経過すると樹脂内の水分が空気中へ逃げて減っていくもしくは空気中の水分を吸収して増加して、光造形をした際に、所定の条件で固まらなかったり固まりすぎ過ぎるというような問題があった。
例えば、光硬化性の液体樹脂を、高湿度下で使用していると、樹脂中の水分量が上昇し、造形物が柔らかく出来てしまうという問題があった。また、光硬化性の液体樹脂を、高乾燥下で使用していると、樹脂中の水分量が減少し、形物の表面がざらざらになってしまう問題もあった。
そこで、未使用の液体樹脂は紫外線があたらない様に保護するとともに液体樹脂の水分濃度を所定の値に保つための保管庫で保管する必要があった。
特開平3−227222号公報
Rev.Sci.Instrum.52.NO.11 Nov.1981
しかし、メンテナンスの際には図1に示すように光造形装置の周囲に広くメンテナンススペース102を取る必要があり無駄な設置スペースを必要としていた。さらに、動作試験完了後、出荷の為に配線を全て外すので、納入先で配線ミス、接触不良などで正常動作しないことがあった。
しかし、密閉空間にレーザー発信機やガルバノスキャナ等の発熱機器が配置されているので、光学系配置室内が高温になりそれと共に光学機器も高温になるため精度が悪化するという問題が発生した。
さらに、密閉空間とはいえ光学系配置室と造形室との間にレーザー光を通すための貫通空洞が形成されているので、造形室内で空気中に飛散した液体樹脂(液状光硬化性組成物)成分を含んだ浮遊物やコンタミなどが光学系配置室内に前記貫通空洞を通って流れ込み、光学系機器に付着して悪影響を及ぼす可能性があった。例えば、ガルバノミラーや反射ミラーに付着するとミラーで反射されるレーザー光の強度が落ちていくという問題が発生した。
蛍光管を造形室内で使用すると、蛍光管から発する紫外線により光硬化性樹脂が硬化してしまう問題がある。そのため、蛍光管に紫外線カット用フィルムを巻いたり、紫外線カット用アクリル板を蛍光管直下へ配置して紫外線を浴槽内の光硬化性樹脂に接触させない対策を施した。しかし前記対策を施す結果、造形室内灯がフィルムやアクリル板の色を反映しオレンジ色や黄色といった造形室内灯となり、色彩や形状の確認が困難であった。
また、蛍光管は寿命が短いため、度々交換をしなくてはならず人的工数及び対策費含むコスト面で問題があった。
従って、本発明の目的は、安価で造形室内の色彩及び形状が瞬時に確認可能な光造形装置を提供する。
しかし、作業者が手動により開閉作業を行っていたため。度々シャッターを閉め忘れて作業者が造形室内で作業を始め、ガルバノミラーを汚してしまうというトラブルが発生していた。そのため、ミラーの交換等の無駄な作業時間・費用が生じていた。
また、作業中にシャッターを閉めていたとしても、作業終了後にシャッターを開け忘れて、再造形する際にレーザーが照射されないというような作業ミスも生じていた。さらに、レーザーパワーモニターを造形室内の液面付近に配置していたので、モデルを外す作業などで、パワーモニターに樹脂屑や液体樹脂が付着することが多々発生し、液体樹脂等によりレーザーパワーモニター受光面が汚れレーザーパワーを測定できなくなるという問題もあった。
しかし、Zフレームは取外す際にはタンクの底よりも上に位置しており、非常に重いので、作業者が支えきれずに液体樹脂タンクを傷つけたりZフレーム及びZフレームに取り付けた造形テーブルを傷つけたりする恐れがあった。さらに、重量のあるZフレームを人力で支え、取外しをしていたので、取外し時間がかかるという問題もあった。
また、着脱頻度の多い造形テーブルをボルトで固定すると、造形テーブルの着脱作業に時間がかかってしまうという問題があった。
しかし、ゴミ除けには樹脂が付着しており、樹脂が手についたり、垂れたり扱いづらく、置き場所に困るという問題があった。
しかしながら、このような下面に凹部を有するリコ−タを用いても、光硬化性液の粘度が高くなるとリコ−タの凹部内の貯留分が減少し、また、凹部内に未硬化液が補充されるのに時間を要するため、リコートに要する時間が長くなる。そこで、本発明は、リコ−タの凹部内への未硬化液の補充のための時間を短縮できるリコ−タを備えた光硬化造形装置を提供することを目的とする。また、本発明は、リコ−タの凹部内への未硬化液の補充のための時間を短縮できるリコ−ト工程を備えた光硬化造形方法を提供することを目的とする。
しかし、このように紫外線の防御のみではなく、一定湿度の保管庫を維持するにはコストがかかるという問題があった。
本発明によれば、未硬化の光硬化性樹脂の薄層を選択的に光照射し、光照射域に対応する断面硬化層を造形する工程を繰返すことで該断面硬化層が積層された立体的光硬化造形物を造形する光造形装置であって、造形テーブルの一端面に、位置決めのための水平方向に伸びる少なくとも1箇所の第1ピン部を設け、前記造形テーブルを乗せるための昇降フレームに、前記第1ピン部を受けるための第1凹もしくは穴部を設け、前記造形テーブルの前記第1ピン部とは反対側の他端部に、昇降方向下方に伸びる少なくとも1つの第2ピン部と磁石部を設け、前記昇降フレームに、前記第2ピン部を受けるための第2凹もしくは穴部を設けた、ことを特徴とする光造形装置が提供される。
さらに、本発明によれば、未硬化の光硬化性樹脂の薄層を選択的に光照射し、光照射域に対応する断面硬化層を造形する工程を繰返すことで該断面硬化層が積層された立体的光硬化造形物を造形する光造形方法であって、造形テーブルの一端面に設けられた位置決めのための水平方向に伸びる少なくとも1箇所の第1ピン部を、前記造形テーブルを乗せるための昇降フレームに設けられた第1凹もしくは穴部により受け、前記造形テーブルの前記第1ピン部とは反対側の他端部に設けられた昇降方向下方に伸びる少なくとも1つの第2ピン部と磁石部を、前記昇降フレームに設けられた第2凹もしくは穴部により受ける、ことを特徴とする光造形方法も提供される。
液状光硬化性組成物を一層ずつ露光することにより、順次硬化させ積層して三次元物体を製作する光造形装置において、液状光硬化性組成物を満たした造形容器と、前記造形容器内に設置され上下方向に移動可能な造形テーブルと、前記造形容器内の液状光硬化性組成物を前記造形テーブル上に供給するための供給手段と、前記供給手段によって前記造形テーブル上に供給された液状光硬化性組成物表面を平滑化して液状光硬化性組成物層を形成するための水平方向に移動可能なリコータと、前記液状光硬化性組成物表面を選択的に露光するための露光手段とを具備した光造形装置において、光造型装置の平面状の最背面に該平面に平行に移動するスライド式もしくは最背面側の側面に開閉戸式の電装関連機器装着部を設けた。
そこで本願発明では、未硬化の光硬化性樹脂の薄層を走査線に沿って移動する光ビームで走査することで選択的に光照射し、光照射域に対応する断面硬化層を造形する工程を繰返すことで該断面硬化層が積層された立体的光硬化造形物を造形する方法において、
光学系機器を配置する光学系配置室内に空気を送り込むための送風機構を設けた。
本発明にかかる光造形装置は、光硬化性樹脂を用いて3次元形状モデルを作成し、筐体とその内部に造形室を備え、前記造形室に内灯として光源が固体発光素子であるLEDを備え、その固体発光素子は白色である事が望ましい。
前記固体発光素子は紫外線を発しない光源であれば使用する事が出来る。
そこで本願発明では、2本のレールに固定された板状のシャッターをモータにより造形室に作業者がアクセスするためのドアと連動させ、該ドアが開いた際にはシャッターを閉位置に移動し、該ドアが閉じた際にはシャッターが開位置へ移動するようにした。ドアの開閉は、電気的なスイッチにより判断する。さらに、本願発明では、レーザーパワーモニターをシャッターの光学系配置室側に固定して、シャッターを所定の位置へ移動させてレーザー強度を測定する。
そこで本願発明では、未硬化の光硬化性樹脂の薄層を走査線に沿って移動する光ビームで走査することで選択的に光照射し、光照射域に対応する断面硬化層を造形する工程を繰返すことで該断面硬化層が積層された立体的光硬化造形物を造形する方法において、
造形テーブルを昇降させるための昇降機のフレームに取り付けられたZフレームを長尺のボルトで固定した。
そこで本願発明では、未硬化の光硬化性樹脂の薄層を走査線に沿って移動する光ビームで走査することで選択的に光照射し、光照射域に対応する断面硬化層を造形する工程を繰返すことで該断面硬化層が積層された立体的光硬化造形物を造形する方法において、
液体樹脂タンク内にゴミよけ液溜を液面に付け、該ゴミよけ液溜内の液面を測定するように液面センサを配置した。
そこで本願発明では、未硬化の光硬化性樹脂の薄層を走査線に沿って移動する光ビームで走査することで選択的に光照射し、光照射域に対応する断面硬化層を造形する工程を繰返すことで該断面硬化層が積層された立体的光硬化造形物を造形する方法において、
下部に開口した空間を持つリコータのブレードと平行な液体樹脂溜を有し、該液樹脂溜の上部には該液樹脂溜を液体樹脂に沈めると閉じ込められた内部の空気を排気し、該液樹脂溜を液体樹脂から持ち上げると外気が該液樹脂溜内に入り樹脂が抜けるのを防止するために閉じる逆止弁が設けた。
そこで本願発明では、未硬化の光硬化性樹脂の薄層を走査線に沿って移動する光ビームで走査することで選択的に光照射し、光照射域に対応する断面硬化層を造形する工程を繰返すことで該断面硬化層が積層された立体的光硬化造形物を造形する方法において、液体樹脂内の水分割合を維持するために液体樹脂タンク内に水分供給機構を設けた。
このような構成にすることにより、光造型装置の配置スペースを大幅に削減することができる。さらに、電装部を集約して上下方向に電装機器を配置することによりコンパクトにすることができる。
本願発明によれば、光学系配置室内に常に空気を送り込んでいるので、光学系機器を空冷することができる。さらに、光学系配置室から造形室内への空気に流れができ、造形室内で飛散している液体樹脂成分を含んだ浮遊物が光学系配置室へ侵入するのを防止することができる。さらに、外気からのコンタミなどの浮遊物が光学系配置室へ侵入するのを防止することができる。
上記のこと故に、造形室内灯の光源には紫外線を発する蛍光管を用いる必要がなく、LEDのような固体発光素子を用いる事が可能である。
結果として交換頻度が少なく紫外線対策が不要となり安価な光造形装置が提供できる。
本願発明によれば、作業者のシャッターの開閉忘れによる作業ミスを無くすことができる。さらに、レーザーパワーモニターもシャッターの光学系配置室側に固定に取り付けているので、レーザーパワーモニターの受光面の汚れによる故障を防ぐことができると共に、レーザーパワーの測定時に造形室内へレーザー光を照射しないので、漏れたレーザー光により無駄に液体樹脂を硬化させて液体樹脂を劣化させるということを防ぐことができる。
本願発明によれば、作業者の負担なく迅速に昇降機のフレームに取り付けられたZフレームを液体樹脂タンク内に取外すことができ、迅速に光造形装置の液体樹脂タンクの交換を行うことが出来るようになる。
本願発明によれば、造形テーブルを迅速に交換することができ、次の造形を始めるまでの時間を大幅に短縮することができる。
本願発明によれば、ゴミ除けに付着した液体樹脂による汚れを防止することができる。
本発明は、以上のような構成としたので、粘度が高い光硬化性液を使用した場合でもリコ−タ内部への未硬化液の補充のための時間を短縮することができる。また、リコ−タ内部の空気を外部へ排出する機構を設けたので、リコ−タ内部への未硬化液の補充が不十分になることはない。
本願発明によれば、高湿・乾燥状態に関わらず、液体樹脂の水分量を液体樹脂の所定の性能をはっ喫するのに最適な水分量に長期間維持することができ、光造形物の品質を落とさずに造形することができる。
従来の光造形装置の概略図である。 従来の光造形装置の配置図である。 本願発明の光造形装置の第一の実施例の概観図である。 図3の上面図である。 図3の側面図である。 図3の正面図である。 本願発明の光造型装置100の第三実施例の側面図である。 本願発明の光造型装置100の第三実施例の背面図である。 本願発明の光造型装置100の第三実施例の光造形装置の配置上面図である。 テーブル127を上面から見た図である。 テーブル127が装着された状態のリニアガイド129部のみを図示したものである。 送風機構を設けた光学系配置室の第四実施例の概略図である。 送風機構を設けた光学系配置室の第五実施例の概略図である。 送風機構を設けた光学系配置室の第六実施例の概略図である。 送風機構を設けた光学系配置室の第七実施例の概略図である。 本願発明の造形室内の照明を造形室の正面から見た図である(第八実施例)。 本願発明の造形室内の照明の配置を示す図16のB−B断面図である(第八実施例)。 本発明のスライドシャッターを光学系配置室から見た概念図である。 スライドシャッターを閉じた状態を示す概念図である。 スライドシャッターを開いた状態を示す概念図である。 スライドシャッターをレーザー光の強度を測定位置に配置した状態を示す概念図である。 本発明の昇降機を示す正面図である。 図22のH−H断面図である。 図23のI−I断面図である。 図22のLMガイドとZフレームとを接続するフレームのJ方向から見た側面図である。 図22のLMガイドとZフレームとを接続するフレームのD方向から見た側面図である。 図22のLMガイドとZフレームとを接続するフレームのE方向から見た側面図である。 図27のF−F断面図である。 図27のG−G断面図である。 従来の昇降機と液体樹脂タンクとの関係を示す概略図である。 本実施例の交換式Zフレーム(長)を示す概略図である。 本実施例の交換式Zフレーム(短)を示す概略図である。 本実施例の交換式Zフレームを光造形装置の造形室内で昇降機に取り付けた概略図である。 造形テーブル601を昇降機フレーム603に固定した際の上面図である。 図34のK部の拡大図で造形テーブル601を昇降機フレーム603に位置決め精度良く固定するための一端側固定部の拡大図である。 図34のL部の拡大図で造形テーブル601を昇降機フレーム603に位置決め精度良く固定するための他端側固定部の拡大図である。 図36を側面から見た矢視図である。 本願発明の造形テーブル601を取外すための器具を示す図である。 図38の器具を造形テーブルを取外すために取り付けた概略図である。 図38の器具で造形テーブルを取外した状態を示す概略図である。 本発明の液体樹脂タンクを示す概略図である。 ゴミ除け機構705を液体樹脂に沈めている状態を示す図である。 ゴミ除け機構705を液体樹脂から完全に揚げている状態を示す図である。 ゴミ除け機構705を液体樹脂に漬けている状態での液面センサの相対位置を透視した図である。 液体樹脂から完全に揚げている状態での液面センサの相対位置を透視した図である。 液面センサ703によりリコータ751の液面との相対的な位置を測定するための装置を示す図である。 液体樹脂タンクのデッドスペース用ブロックの配置概略図である。 本願発明のリコータの側面断面図である。 本願発明のリコータの上面断面図である。 本願発明の可動ブレードの鉛直維持機構の拡大図である。 リコータの逆支弁部での縦断面図である(ブレード降下時)。 リコータの逆支弁部での縦断面図である(ブレード上昇時)。 本願発明の逆止弁部の断面図である。 本願発明の逆止弁部の水平断面図である。 本願発明の逆止弁部の弁の水平断面図である。 本発明の水分調整装置の第一実施例の概略図である。 本発明の水分調整装置の第二実施例の概略図である。
図3に本願発明の光造形装置の第一の実施例の概観図を示す。図4は図3の上面図を示す。図5は図3の側面図を示す。図6は図3の正面図を示す。
121は制御コンピュータのモニターである。123は制御コンピュータのキーボードである。該モニター121及びキーボード123は一体で上下動と水平方向で回転できる。125は光造形装置の操作スイッチである。
以下に本発明の第三実施例について詳細に説明する。
図7は本願発明の光造型装置100の第三実施例の側面図である。図8は本願発明の光造型装置の背面から見たスライド式電装部の装着状態とメンテナンス状態を示す透視図である。図9は第三実施例の光造形装置の配置上面図である。図7,8に示すように、電装部の筐体103が背面の壁面に対して平行にスライドして点線部分に移動させて電装部の筐体103の壁面とは反対側に電装機器が露出するような構造とすることにより、図9に示すように光造型装置100の背面と隔面との間にメンテナンススペース151を設ける必要がない。また、従来はレーザーの電源を安定して固定するため直方体形状のレーザーの電源の最も面積が大きい面を地面に対して平行に配置していた。さらに、モニターを制御コンピュータ本体の上面に配置するため直方体形状の制御コンピュータ本体の最も面積が大きい面を地面に対して平行に配置していた。しかし、本実施例ではスライド式のレーザーの電源やコンピュータの専用の縦長のスペース143及び145を設けることにより、電装部の筐体103の背面に対してレーザーの電源143及び制御コンピュータ本体145の最も面積が大きい面を向かい合わせにして電装部の筐体103内で上下に安定して固定配置でき、電装部の筐体103のスライド方向に垂直な方向の背面方向の長さを短くすることができ、さらに、メンテナンススペースを無くすことが出来る。ここで、図10はパソコン用のモニター121、キーボード123及びマウス125を載せるテーブル127を上面から見た図である。図11はテーブル127が装着された状態のリニアガイド129部のみを図示したものである。図7に示すように筐体103の側面に形成された上下方向へのスライドするためのリニアガイド129及び水平方向で回転するテーブル127上に配置することにより、作業者が作業しやすい位置に該テーブル127を自由に配置することができ、作業性が大幅に向上する。該テーブル127は反対側の筐体103の側面にも配置できる構成とすることにより光造型装置の配置の自由度も上がる。
以上より、光造型装置100自体の奥行きを短くすることができるので設置スペースを従来と比較して大幅に少なくできる。さらに、スライド方向とは反対側の電装部の筐体103に液面調整用のバルーンのポンプ109やサーボモータ等の電装機器を配置し、スライド方向とは反対側の電装部の筐体103の側壁が開閉する扉117とすることにより、ポンプ109やサーボモータ等の前記電装機器を配置した空間を外部に容易に露出することができ、従来のようにA−A部で分断してポンプ109やサーボモータ等の電装機器にアクセスする必要がなくなるので、メンテナンス性がさらに向上する。
以上のように、前記電装部は奥行きの狭いコンパクトな構造となっていると共にメンテナンスの際に光造型装置を分断しないで電装機器に容易にアクセスできるようになっているので、本体と電装部を分離する必要の無い一体の筐体とでき、輸送やメンテナンスなどで従来機のように電装部と本体を切り離す必要性がなくなり、搬出、搬入、メンテナンス時の配線の時間を大幅削減できると共に再配線時の配線ミスを無くすこともできる。
図12は、本願発明の送風機構を設けた光学系配置室261の第四実施例の概略図である。
レーザー発振器201から発したレーザー光は、AOM203に入射し、AOM203から所定の強度で出射される。レーザー発振器201とAOM203間にはメカシャッター205が配置されており、メカ的にレーザー光のオンオフができるようになっている。AOM203から出射したレーザー光は光学系配置室が狭いので2つの反射ミラー207で90度ずつ反射されて方向を反転し、ダイナミックフォーカス209に入射する。ダイナミックフォーカス209は液体樹脂液面でのレーザー光の径を制御している。ダイナミックフォーカス209に変えてカルバノスキャナ213の後にFθレンズを付けることもできる。ダイナミックフォーカス209から出射したレーザー光はフォーカスレンズ211により液体樹脂液面での焦点を調整された後にカルバノスキャナ213で制御下に液体樹脂液面に照射され、造形物を積層造形する。これらの光学系は通常は温度変化による変形の少ない石定板や光学機器専用のハニカム材でできた光学定盤231(石定板使用しなくてもよい)の上に配置される。光学系配置の筐体の対抗する壁面には外気を強制的に取り込むためのファン215、217が取り付けられており、該外気は光学系機器を空冷し、光学系配置室と造形室との間のレーザー光を通すための貫通空洞を通って造形室へ流れ込む。
次に、本願発明の第五の実施例を図13を用いて説明する。
図13において、図12と同じ構成については説明を省略する。本実施例では光学系機器のうち最も発熱量の大きいレーザー発振器201に最も近い位置の筐体壁面に外気を強制的に取り込むためのファン215が取り付けられており、該外気は光学系機器を空冷し、光学系配置室と造形室との間のレーザー光を通すための貫通空洞を通って造形室へ流れ込む。
次に、本願発明の第六の実施例を図14を用いて説明する。
図14において、図12と同じ構成については説明を省略する。本実施例では光学系機器のうち発熱量の大きいレーザー発振器201及びガルバノスキャナ213以外の光学系機器をダクト221で覆い、該ダクト221内にファン215からの外気を流入させてガルバノスキャナ213を通り造形室内に排気される。ダクト221のレーザー光の通り道には穴を開けてある。
次に、本願発明の第四の実施例を図4を用いて説明する。図15において、図12と同じ構成については説明を省略する。本実施例では光学系機器のうち発熱量の大きいレーザー発信機201及びガルバノスキャナ213以外の光学系機器をダクト221で覆い、該ダクト221内にファン215からの外気を流入させてガルバノスキャナ213を通り造形室内に排気される。ダクト221のレーザー光の通り道には穴を開けてある。
造形室内灯の光源は固体発光素子として紫外線領域の波長が無く、より鮮明に対象物の色彩を目視することが出来る白色を用いるのが望ましい。
また、光源は3次元対形状モデルを作成する浴槽の直上に配置されることが一層望ましい。
光源は、可視光領域のみの波長光を発するものが望ましく、特に紫外線領域の波長が無いことが望ましい。その観点から白色LEDを用いる。
光源は、発光管の中に所定の間隔で固体発光素子を複数個備えているのが望ましい。
図16及び図17は、本発明の一実施形態にかかる光造形装置の全体構成を示す。
図16は本願発明の造形室内の照明を造形室の正面から見た図である(第八実施例)。図17は本願発明の造形室内の照明の配置を示す図16のB−B断面図である(第八実施例)。
この光造形装置は筐体とその内部に造形室を備え、3次元形状モデルはその造形室301で作成される。
造形には光硬化性樹脂を用いて形成するため、樹脂を蓄えるための造形タンクがある。
以上の構成の中で、特に注目すべきものは、造形室内灯の光源である。
以下、この点に関して詳細に説明する。
造形室内灯の光源305は、できるだけ紫外線を発しない可視光のみを発するものが好ましく、この実施形態では、白色光LEDを用いている。
造形室の内灯LEDは特性として従来の蛍光灯よりも照射範囲が狭い事もあり、3次元形状モデルを作成する浴槽の直上に配置されることで、3次元形状モデルの形状及び色彩を容易に確認することが可能であるが本実施形態では浴槽の直上には3次元形状モデルを作成するためのガルバノスキャナ217が配置されているため、複数のLED固体発光素子を備えた発光管にし、造形室301内灯の照射範囲を広くして、造形室内の正面から見て上部奥角部から角度をつけて照射する。
以上、本発明の好適な一実施形態を説明したが、この実施形態は本発明の説明のための例示であって、本発明をこの実施形態にのみに限定する趣旨ではない。本発明は、それ以外の種々の形態でも実施することができる。
図18は、本願発明のスライドシャッター401を光学系配置室から見た概念図である。ガルバノスキャナ421(図18に図示なし。)等の光学系を固定する光学定盤403及び造形室と光学系配置室側とを仕切る天板405にはレーザー光を光学系配置室から造形室へ通すための貫通空洞407が空いている。造形室内のフレーム409にはスライドシャッター401を移動させる直線状のレール411を固定するための2本のレール用フレーム413がねじ415で固定されている。直線状のレール411は2本の前記レール用フレーム413の各下面にそれぞれ1本づつ固定されている。各レールはスライドシャッター401のガイド413と連結され、スライドシャッター401に固定されたモータ415によりレール411と平行な方向に駆動される。
スライドシャッター401にはレーザーパワーモニター417がねじ419で取り付けられている。
次に、スライドシャッター401の動作について図18のC−C断面にて図示した図19、20、21を用いて説明する。図19は、スライドシャッター401が閉じられた状態を示す。図20は、スライドシャッター401が開いた状態を示す。図21は、レーザーパワーモニター417が所定の測定位置に配置されるようスライドシャッター401を移動した状態を示す。スライドシャッター401は、光造形装置の作業者が作業するために開閉する扉が開状態となった時、自動的にモータ415により駆動されて、図19に示すように貫通空洞407を覆う位置に移動して固定される。これにより、従来のように作業者がスライドシャッター401を閉め忘れて作業を行い、作業中に液体樹脂や造形屑等が飛散し、ガルバノスキャナのミラーを汚すという作業ミスを無くすことができる。
次に、図20に示すようにスライドシャッター401は、光造形装置の作業者が作業するために開閉する扉が閉状態となった時、自動的にモータ415により駆動されて、貫通空洞407と重ならない位置に移動して固定される。これにより、従来のように作業者がスライドシャッター401を開け忘れて造形を開始するという作業ミスを無くすことができ、レーザー光を樹脂液面に照射できずガルバノミラーの位置やコンピュータの初期化等の再調整の無駄な時間を生じない。扉の開閉探知は接触式スイッチ方式や光学式方式等を用いることができる。
次に、図21に示すようにスライドシャッター401は、所定の条件下でレーザー光の強度を測定するため、光学系配置室側に熱型、量子型等のパワーモニター417が取り付けられており、レーザーパワーを測定するための所定の位置へ移動して固定される。例えば、光造形開始前や造形中にレーザー光の強度が変化することがあり、異なる強度のレーザー光で造形物を作成すると、液体樹脂の固まる面積、深さ、硬さ等が変化し、精度の良い造形物ができない。そこで、造形開始前や、各層を造形する前等に所定の間隔でレーザー光の強度を測定し、所定のレーザー光の強度から外れている際にAOM、レーザー電源、スキャナ制御等によりレーザー光を所定の強度に保つことは重要である。
図22は、本願発明の昇降機を示す正面図である。図23は、図22のH−H断面図である。図24は図2のI−I断面図である。図25は、図22のLMガイドとZフレームとを接続するフレームのJ方向から見た側面図である。図26は、図22のLMガイドとZフレームとを接続するフレームのD方向から見た側面図である。図27は、図22のLMガイドとZフレームとを接続するフレームのE方向から見た側面図である。図28は、図27のF−F断面図である。図29は図27のG−G断面図である。
図22に示すように昇降機500は光造形装置の上方フレーム501と下方フレーム503との間にLMガイドのレール505が取り付けられ、該レールの可動子507とZフレームとを接続する可動フレーム509とが固定されている。該可動フレーム509は、ボールネジ511もしくはリニアモータに取り付けられており、上下方向(昇降方向)に駆動される。
前記可動フレーム509は図25〜図29に示すように、可動子507に対して24箇所でボルト513によりネジ止めされる。前記可動フレーム509はT字状の骨格515、Zフレーム取付ブロック517及びZフレーム側ブロック519により構成されている。T字状の骨格515は可動子507への装着部521に24箇所の貫通穴523が空けられており、ボルト525により可動子507に固着されている。さらに6箇所の補強リブ527によりZフレームを取り付けても、LMレール側に変形しないように強化されている。また、T字状の骨格515の水平部529の両端の2つの補強リブ527間には各々8つの貫通穴531が空けられており、各々Zフレームの取付ブロック517が8つのボルト533により取り付けられている。Zフレームの取付ブロック517にはZフレーム側ブロック519が取り付けられる。
T字状の骨格515及びZフレームの取付ブロック517には貫通孔535が開いており、Zフレーム側ブロック519の該貫通孔535の延長線上にはねじ穴537が開いている。Zフレームの取付ブロック517及びZフレーム側ブロック519は前記貫通孔535及び前記ねじ穴537を突き抜ける長尺のボルト539により固定される。Zフレーム側ブロック519に形成されたねじ穴537の深さ及びボルト539の長さは昇降機によりZフレームを最下位置まで下げ、Zフレームが液体樹脂層の底に付かない状態からボルト539を緩めZフレームが液体樹脂層の底についた状態でもZフレームを把持できる深さ及び長さとする。
また、Zフレームの中間アーム541の長さを変えることにより、異なる深さの液体樹脂タンクに対応することができる。543は541の長さを変えたものです。図31は本実施例で樹脂タンクが最も深い状態で高さのある増益物を作る際に長いZフレームを用いている概略図である。図32は本実施例の交換式Zフレームで樹脂層をバルーンで浅くして短い交換式Zフレームを用いている概略図である。図33は、本実施例の交換式Zフレームを光造形装置の造形室内で昇降機に取り付けた概略図である。
以下に本発明について詳細に説明する。
図34は造形テーブル601を昇降機フレーム603に固定した際の上面図である。図35は図34のA部の拡大図で造形テーブル601を昇降機フレーム603に位置決め精度良く固定するための一端側固定部の拡大図である。図36は図34のB部の拡大図で造形テーブル601を昇降機フレーム603に位置決め精度良く固定するための他端側固定部の拡大図である。図37は図36を側面から見たC方向矢視図である。
図34,35に示すように造形テーブル601は一端側に位置決用の凹部603が2箇所形成されている。昇降機のフレーム603には台座607上に固定され、水平方向に伸びた位置決用ピン605が台座607を介して2本のボルト609で造形テーブル601の凹部603に対応する位置に固定されている。ピン605は先端部及び凹部603はテーパ状に形成され、より精度良く位置決めされるようになっている。作業者は該2つの凹部603に対して605を挿入するだけで、容易に造形テーブル601の一端部の左右・上下及び回転方向の位置決めを精度良く行うことができる。
次に、図34、36,37に示すように造形テーブル601の他端側には位置決用の下向きの凹部611が形成された固定部材613が3本のボルト615で固定されている。前記固定部材613は磁性体でできているかもしくは凹部611の隣に磁性体が固定されている。該固定部材613の凹部611と対抗する昇降機のフレーム603には該凹部611に挿入される凸部材617を固定した第二の固定部材619が3本のボルト621で固定されている。第二の固定部材619の凸部材617の隣にはアルニコ磁石、KS鋼、MK鋼、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、ネオジム磁石等の永久磁石623が固定されており、凹部611と凸部材617とで昇降機のフレーム603と造形テーブル601とを位置決めし、前記永久磁石623に対抗面に位置する固定部材613と前記永久磁石623との吸引力により昇降機のフレーム603と造形テーブル601とが強く固定されて造形中に動かないようにする。該固定部材613は他端側の両端2箇所に配置することにより、バランス良く固定することができる。
このような構成にすることにより、図38に示すように、作業者は造形テーブル601に形成された造形テーブル601取外用穴631にL字状の工具633の一端を挿入し、L字状の工具633の屈曲部635を支点として他端を回転させて、造形テーブル601を磁力に反して容易に昇降機のフレーム603から取外すことができる。また、前記永久磁石623を電磁石とすることにより電流のオンで磁力を発生させ、造形テーブル601を動かないように固定し、電流をオフすることにより磁力を切り、造形テーブル601を容易に取外せるようにすることもできる。
本実施例では昇降機のフレーム603側にピンを形成したが、造形テーブル601側に形成しても良い。また、永久磁石についても昇降機のフレーム603側に固定したが、造形テーブル601側に固定してもよい。
次に、造形テーブル601の取外し方について図38〜図40を用いて説明する。
図38は本願発明の造形テーブル601を取外すための器具である。図39は図38の器具を造形テーブルを取外すために取り付けた概略図である。図40は図38の器具で造形テーブルを取外した状態を示す概略図である。
造形テーブル601の取外しには、まず図39に示すように、2つの器具645の一端部641側を造形テーブル601側の2つの穴643に各々挿入する。次に器具645の取っ手647を持って歯の字状の取っ手647が平行になるまで649を支点に回転させる。これにより器具645の支点から先の一端部641が重力方向に起き上がり、造形テーブル601とフレーム603とを磁力に反して離れる方向に移動させる。このような構成にすることにより、簡単な構成で、容易の造形テーブル601を取外すことができる。
本発明に係る光造形装置の樹脂槽内のゴミ除け機構の実施形態について説明する。まず、図41に基づいて光造形装置の樹脂槽の概略構成について説明する。700は、液体樹脂タンク721で、701が液面センサ703の為のゴミ除け機構705である。ゴミ除け機構705は液体樹脂タンク721のフレームの側面に固定ネジ707で固定される。723、725、727は造形テーブルの最降下位置に応じて樹脂の量を調整するためのバルーン固定用テーブルの配置位置である。該テーブル間にバルーンを配置して膨らませることにより深さのいらない造形物を造形する際に、浅い深さの別の樹脂タンクに交換する必要がなくなる。つまり、同じ樹脂タンクで深さの異なる造形物を液体樹脂の量を大幅に増減することなく造形することができる。727は該バルーンへの空気供給口であり、図示されていないポンプに接続される。また、728は液体樹脂タンク721内の樹脂を増減するための樹脂供給口である。
次に図42〜図45を基づいてゴミ除け機構705について説明する。図42はゴミ除け機構705を液体樹脂に漬けている状態を示す図である。図43はゴミ除け機構705を液体樹脂から完全に揚げている状態を示す図である。図44はゴミ除け機構705を液体樹脂に漬けている状態での液面センサの相対位置を透視した図である。図45はゴミ除け機構705を液体樹脂から完全に揚げている状態での液面センサの相対位置を透視した図である。
本実施例のゴミ除け機構705の底面は網状、空洞等の構成にすることによりゴミを取り除いて周面壁で囲まれたゴミ除け内の液面の他の液面と同じ高さとしている。
図42〜図45に示すようにゴミ除け機構705の液体樹脂タンク721との固定面131には固定位置を変えるため固定ねじ707に対して固定ネジ707を外さずにゴミ除け機構705を液面に浸している状態と完全に揚げている状態とを切り替えるための切欠733が形成されている。図42及び図44は切欠733の最上部でゴミ除け機構705が固定されており、液体樹脂に漬けている状態である。この状態から固定ネジ707を緩め、ゴミ除け機構705を上方に移動し、切欠733の最下点に達したところでゴミ除け機構705を少し右側へ移動し、切欠733の凹735に固定ねじ707を嵌めて再度固定することによりゴミ除け機構705は図44及び図45に示すように液体樹脂タンクに固定して液体樹脂から完全に揚げられた状態となる。従って、作業者がゴミ除け機構705の置き場所に困ることを無くし、着脱の煩雑な作業も無くすことができる。
図44、図45に示すように、液面センサは液体樹脂タンクに対して相対的に固定されており、ゴミ除け機構705が動いても固定されたままの状態である。これにより、液面センサ703を再調整する必要は無い。ゴミ除け機構705は、図44に示されているように固定ネジ707によりゴミ除け機構705と光造形装置のフレーム709とを固定している。ゴミ除け機構705は該固定ネジ707を緩めることにより上方右側に動かすことができる。固定ネジ707にはネジ外れ防止機構711があり固定ネジ707の紛失を防止している。
また、ゴミ除け機構705の他の機能としては、該液溜部713を樹脂内に沈めた時に該液溜部713内に液面上に浮遊したゴミや泡などの侵入を防止している。液面センサ703は、造形中など必要に応じて液面センサから液面までの距離を測定する。液面センサ703の具体的な実施例としては、発光素子から発した光がゴミ除け機構705の液溜部の液面で反射し、該反射した光を受光素子で受光するまでに時間で距離を計測する。ゴミ除け機構705を用いることにより、液面上に浮遊したゴミや泡などによって液面センサ703から液面までの距離の誤計測を防止できる。
図46は液面センサ703によりリコータ751の液面との相対的な位置を測定するための装置を示す。リコータ751にリコータの751の刃先753と同じ高さで水平方向に伸びる平板755を有するリコータの水平器757を装着し、該平板755のリコータの751の刃先753と同じ高さの上面を液面センサ703で計測することによりリコータの刃先753と液体樹脂面とが同じ高さになるように調整する。この場合、ゴミ除け機構705は平板755と干渉しないように液面から完全に揚げている状態で固定されている。
図47は液体樹脂タンク内でテーブル昇降機のアームが上下するための光造形には不要な液体樹脂タンク内のデッドスペースに前記アームと干渉しないようにブロック761を固定し、樹脂を節約するための構成の概略図である。これにより、光造形に寄与しない無駄な樹脂を無くすことができる。
図48は、本願発明のリコータの側面断面図である。図49は、本願発明のリコータの上面断面図である。図50は、本願発明の可動ブレードの鉛直維持機構の拡大図である。図51はリコータの逆支弁部での縦断面図である(ブレード降下時)。図52はリコータの逆支弁部での縦断面図である(ブレード上昇時)。図53は本願発明の逆止弁部の断面図である。図54は本願発明の逆止弁部の水平断面図である。図55は本願発明の逆止弁部の弁の水平断面図である。
図中801はブレードである。該ブレード801は水平方向に伸びていて、断面形状は図51.52に示すように逆コの字状の形状をしている。該ブレード801の内部には下に開口した空間が形成されており、該ブレード801を図51のように液体樹脂に沈めることにより前記。レード801の内部には下に開口した空間に液体樹脂が溜まり、該ブレード801を図52に示すようにリコート位置に戻した際に該空間に溜まった液体樹脂が抜けないようになっており、リコート中に液面に液体樹脂を供給しながら液面を平坦化する。
該ブレード801の駆動は図48,49に示すようにモータ803により駆動される。この際に、ブレード801が上下動してもブレードが水平を保って動くようにリコータの両端部で垂直方向のガイド805がリコータに設けられている。レール805は図50に示すようにブレード801に大きな径を持つ円柱状の部材807が固定されており、それをリコータの筐体809に固定されて中空円筒状のレール部材811に通すことにより水平を維持して上下動することが出来るようになっている。
ブレード801は液体樹脂内に沈めて再度持ち上げる際にブレード801内が液体樹脂で満たされて重くなりモータ803への負担を軽減し持ち上げるための時間を短縮するためにブレードを沈めた際に伸びるばね813がブレード801と筐体809との間に3つ取り付けられている。
また、ブレード801の上面には図51〜図55に示すように逆止弁815が取り付けられている。逆止弁815は図51に示すように第一の弁部821によりリコート位置で閉じられている。第一の弁部821はバネ823のバネ力により弁体825をブレード801内の空間に通じた孔827に形成された弁受829に密着することにより閉弁される。次に図51のリコート位置から図52の液体樹脂に沈められる際に第一の弁部821が開弁状態となり、次いで図51〜図55に示す第二の弁体831が開弁状態となりブレード801内の残留空気が大気中に抜けるようになっている。第二の弁体831の詳細は図53〜55に示すように、ピン833が円筒内に設けられピン833に支持されるように第二の弁体837が挿入され、閉弁時は重力により第二の弁体837が落下し、孔827を塞いだ状態となり、開弁時はブレード801内の圧力が上昇することにより内部の空気により押し上げられて空気が抜ける構成となっている。さらにブレード801を図52の状態から図51のリコート位置にブレード801を戻す際はブレード801内の圧力が負圧となるため、大気圧により弁体837が孔827を塞ぐ力が働きブレード801内の液体樹脂が漏れないようにしている。
ピン833の上端には第二の弁体837が抜けないように抜け防止部材841が取付けられている。
図56は、本願発明の第一の実施例を示す。
液体樹脂用タンク901内の液体樹脂903内に耐腐食性の容器、例えばガラスの容器内に水もしくは水溶液905を入れ、容器の口907を水のみを通す特殊な膜111で覆う。特殊な膜としては半透膜を用いる。該容器を特殊な膜に常に容器内の水もしくは水溶液905が接するように容器の口907が下向きになるように液体樹脂内に沈める。このようにすることにより、特殊な膜から所定量の水が所定の割合で液体樹脂内に流れ込むので、乾燥状態でも特殊な定湿層を設けずに液体樹脂の水分濃度を所定の水分濃度に維持することができる。さらに、特殊な水溶液を用いることにより乾燥状態だけではなく高湿状態で液体樹脂内の水分濃度が上がっても、樹脂層の水分を除去することができ、液体樹脂の水分濃度を所定の水分濃度に維持することができる。
半透膜としては再生セルロース(セロファン)、アセチルセルロース、ポリアクリロニトリル、テフロン(登録商標),ポリエステル系ポリマーアロイ、ヴィスキング、ミリポアあるいはポリスルホン等の多孔質膜が用いられる。本実施例の特性としては、湿度約20%RHの雰囲気で、200ccのビーカー中に4.5gの純水を入れ、多孔質膜の表面積を0.74cm2としたところ多孔質膜の孔径が大きいほど水分の移動量が大きい傾向が認められた。比較的大きめの孔径としてはφ=0.2μm〜10.0μmを用いた。
また、孔径が約2nm程度の小さい多孔質膜を用いると、水分の流量は減るが、樹脂中の成分が多孔質膜を通過してビーカー内の純粋に入ることはほとんどない。したがって、浸透圧に影響が出ない。従って、膜の表面積で水分の移動量を調整する。
図57は本願発明の第二実施例である。
951は造形テーブルの昇降機でありアーム953により矢印の上下方向に昇降される。955は水もしくは水溶液の平板状タンク957で注入口959がある。該タンク207の下面にはタンク957の底面として浸透膜961で覆われており、外浸透膜961からタンク内の水が液体樹脂内に浸透もしくは液体樹脂内の水分がタンク内に浸透する。該タンクは造形テーブルの直下に配置されることにより、造形テーブルの昇降動作で液体樹脂内の水分も濃度のむらなく攪拌されるという利点もある。
本発明の光学的立体造形装置は、寸法精度および外観に優れ、しかも高い強度を有する高品質の立体造形物を、速い造形速度および高い造形精度で、生産性良く製造するのに有効に使用することができる。
そして、本発明の光学的立体造形装置は、小型から大型に至る各種の立体造形物の製造に有効に使用することができる。
本発明の光学的立体造形装置による場合は、精密部品、電気・電子部品、家具、建築構造物、自動車用部品、各種容器類、鋳物、金型、母型などのためのモデルや加工用モデル、複雑な熱媒回路の設計用の部品、複雑な構造の熱媒挙動の解析企画用の部品、その他の複雑な形状や構造を有する各種の立体造形物を、高い造形速度および寸法精度で円滑に製造することができる。
10 放射線装置
12 放射ビーム
12‘ 変調された放射ビーム
14 変調器
16 偏向手段
20、22 ミラー
24、26 モータ
40 液状光硬化性組成物
41 造形テーブル
42 昇降機モータ
43 ドクタ・ナイフ
44 容器
100 光造型装置
103 電装部の筐体
105 本体の筐体
107 壁
109 背面、ポンプ
111 膜
117 扉
121 制御コンピュータのモニター
123 制御コンピュータのキーボード
125 光造形装置の操作スイッチ、マウス
127 テーブル
129 リニアガイド
131 固定面
143 レーザーの電源
145 制御コンピュータ本体
151 メンテナンススペース
201 レーザー発振器
203 AOM
205 メカシャッター
207 反射ミラー
209 ダイナミックフォーカス
211 フォーカスレンズ
213 カルバノスキャナ
215、217 ファン
221 ダクト

Claims (5)

  1. 未硬化の光硬化性樹脂の薄層を選択的に光照射し、光照射域に対応する断面硬化層を造形する工程を繰返すことで該断面硬化層が積層された立体的光硬化造形物を造形する光造形装置であって
    造形テーブル一端面に位置決めのための水平方向に伸びる少なくとも1箇所の第1ピン部を設け、
    前記造形テーブルを乗せるための昇降フレームに、前記第1ピン部を受けるための第1凹もしくは穴部を設け、
    前記造形テーブルの前記第1ピン部とは反対側の他端部に昇降方向下方に伸びる少なくとも1つの第2ピン部と磁石部を設け、
    前記昇降フレームに、前記第2ピン部を受けるための第2凹もしくは穴部を設けた
    ことを特徴とする光造形装置。
  2. 前記磁石部は、永久磁石である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光造形装置。
  3. 前記磁石部は、電磁石であり、
    前記電磁石の電流をオンして磁力を発生させ、前記昇降フレームに対して前記造形テーブルを固定し、
    前記電磁石の電流をオフして磁力を切り、前記昇降フレームから前記造形テーブルを取り外す、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光造形装置。
  4. 未硬化の光硬化性樹脂の薄層を選択的に光照射し、光照射域に対応する断面硬化層を造形する工程を繰返すことで該断面硬化層が積層された立体的光硬化造形物を造形する光造形方法であって、
    造形テーブルの一端面に設けられた位置決めのための水平方向に伸びる少なくとも1箇所の第1ピン部を、前記造形テーブルを乗せるための昇降フレームに設けられた第1凹もしくは穴部により受け、
    前記造形テーブルの前記第1ピン部とは反対側の他端部に設けられた昇降方向下方に伸びる少なくとも1つの第2ピン部と磁石部を、前記昇降フレームに設けられた第2凹もしくは穴部により受ける、
    ことを特徴とする光造形方法。
  5. 前記磁石部を、電磁石で構成し、
    前記昇降フレームに対して前記造形テーブルを固定するときは、前記電磁石の電流をオンして磁力を発生させ、
    前記昇降フレームから前記造形テーブルを容易に取り外すときは、前記電磁石の電流をオフして磁力を切るようにした、
    ことを特徴とする請求項4に記載の光造形方法。
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