JP5791257B2 - 遮水型護岸の開口部締切工法 - Google Patents
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Description
そこで、護岸12を自然石等を用いた傾斜堤にて築造する場合には、護岸12の開口部14についても、自然石等を用いた傾斜堤により締め切ることとすれば、堤体の全体にわたる工法の共通化が図られ、種々の利点を有することとなる。一方、鋼製の矢板16やコンクリート製の構造物18を設置する手法に比べ、施工水域での工期が長くなることから、この間の潮位差に起因して、次のような問題が生じることとなる。
ここで、護岸12が自然石等を用いた傾斜堤として構築される場合には、図16に示されるように、その内部構造として遮水構造体20が設けられるが、開口部14を塞ぐ護岸12の完成前の、遮水構造体20が堤内側斜面に露出した状態では、裏面に静水圧や波力等の揚圧力Pが作用することで、遮水構造体20が浮き上がり、護岸12の遮水性を損なう恐れがある。
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
開口部に隣接する自然石等を用いた傾斜堤の基礎マウンドと、共通の断面を有する基礎マウンドを造成し、
該基礎マウンドの天端面上に、施工水域の潮位差を考慮して、満潮時の水位よりも低く堤外側と堤内側との通水断面を確保可能な第1の天端高を設定し、
該第1の天端高から堤内底面部に至る遮水層を造成し、
前記遮水層の表面に錘を配置し、
前記堤内底面部に位置する、前記遮水層の堤内先端部を覆う変形追随性遮水材層を打設し、
前記第1の天端高以深部へと砕石を投入して、
第1の遮水構造体を造成し、
前記第1の遮水構造体の上部に、施工水域の満潮時の水位よりも高位置の第2の天端高から堤内底面部に至る第2の遮水構造体を造成する、各工程を含む遮水型護岸の開口部締切工法(請求項1)。
又、基礎マウンドの天端面上に、施工水域の潮位差を考慮して、満潮時の水位よりも低く堤外側と堤内側との通水断面を確保可能な第1の天端高を設定し、該第1の天端高から堤内底面部に至る第1の遮水構造体を先行造成することで、時間が長く必要な底面遮水工施工時に、堤外と堤内との水交換を可能とし、潮位差を小さくしつつ、堤外から基礎マウンドを浸透して遮水層の裏面に作用する揚圧力の影響を、可能な限り小さく抑えるものである。
従って、堤内底面部に位置する、遮水層の堤内先端部を覆う変形追随性遮水材層を打設する際に、遮水層の裏面に作用する揚圧力により、遮水層が破損することを防ぐことができる。以上の点を考慮し、第1の天端高は、施工水域の潮位差を考慮して、堤外水位が堤内水位よりも高い状態、すなわち、遮水層の裏面に揚圧力が作用する時間比率が可能な限り短くなるように、設定されるものである。
そして、遮水層の堤内先端部を覆うように、変形追随性遮水材層を打設することにより、第1の天端高から堤内底面部に至る範囲の遮水を完了し、以後の、施工水域の満潮時の水位よりも高位置の第2の天端高から堤内底面部に至る第2の遮水構造体を造成する工程では、堤外からの揚圧力の影響を排除するものである。
本項に記載の遮水型護岸の開口部締切工法は、遮水シートを前記第1の天端高から堤内底面部に向けて敷設し、該遮水シートの敷設作業の進行に合わせて、前記錘を、前記第1の天端高から堤内底面部へと複数配置することで、遮水シートの敷設中に、遮水シートを錘によって基礎マウンドの傾斜法面に確実に押え付ける。そして、遮水シートの裏面に揚圧力が作用することがあっても、錘によってそれに対抗し、遮水シートの浮き上がりを防ぐものである。
開口部に隣接する自然石等を用いた傾斜堤の基礎マウンドと、共通の断面を有する基礎マウンドを造成し、
該基礎マウンドの天端面上に、施工水域の潮位差を考慮して、満潮時の水位よりも低く堤外側と堤内側との通水断面を確保可能な第1の天端高を設定し、
前記基礎マウンドの天端面の堤内側端部から所定距離を空けて、前記第1の天端高へ到達する高さを有する第1の法先ブロックを据付け、
前記基礎マウンドの天端面の堤内側端部と前記第1の法先ブロックとの間に、前記第1の法先ブロックの高さに合わせて裏込石の投入・均しを行い、
該裏込石を合成樹脂製ジオグリッドで押え付けた後、前記第1の天端高から堤内底面部に至る範囲に切込砕石の投入・均しを行い、
前記堤内底面部に位置する、前記切込砕石の投入範囲の堤内先端部から、堤内側に所定距離を空けて、第2の法先ブロックを据付け、
堤内底面部の、前記第2の法先ブロックから前記切込砕石に至る範囲に、変形追随性遮水材を薄く打設し、
遮水シートを前記第1の天端高から堤内底面部に向けて敷設し、該遮水シートの敷設作業の進行に合わせて、複数の土のうを、前記第1の天端高から堤内底面部へと配置し、
前記第2の法先ブロックから前記遮水シートに至る範囲に、前記打設した変形追随性遮水材を覆うようにして変形追随性遮水材を追打設し、
前記第1の天端高から前記第2の法先ブロックに至る範囲に、前記第1の天端高まで中間砕石を投入して、前記遮水シートを前記土のうと共に埋設し、
前記第1の天端高から、施工水域の満潮時の水位よりも高位置の第2の天端高まで、前記遮水シートを接続・延長して、第1の遮水構造体を造成し、
該第1の遮水構造体を覆うようにして、前記第2の天端高から堤内底面部に至る第2の遮水構造体を造成する、各工程を含む遮水型護岸の開口部締切工法(請求項3)。
又、基礎マウンドの天端面上に、施工水域の潮位差を考慮して、満潮時の水位よりも低く堤外側と堤内側との通水断面を確保可能な第1の天端高を設定し、該第1の天端高から堤内底面部に至るように遮水シートを敷設し、更に、第1の天端高から、施工水域の満潮時の水位よりも高位置の第2の天端高まで、遮水シートを接続・延長して、第1の遮水構造体を造成することで、堤外と堤内との水交換を可能としつつ、堤外から基礎マウンドを浸透して第1の遮水構造体の裏面に作用する揚圧力の影響を、可能な限り小さく抑えるものである。
そして、第2の法先ブロックから遮水シートに至る範囲に、打設した変形追随性遮水材を覆うようにして変形追随性遮水材を追打設する間に、遮水シートの裏面に揚圧力が作用することがあっても、土のうにより遮水シートの表面を押え付け、遮水シートの裏面に作用する揚圧力により、遮水シートが破損することを防ぐことができる。
そして、第2の法先ブロックから遮水シートに至る範囲に、打設した変形追随性遮水材を覆うようにして、変形追随性遮水材層を追打設することにより、第1の天端高から堤内底面部に至る範囲の遮水を完了し、以後の、第1の天端高から、施工水域の満潮時の水位よりも高位置の第2の天端高までの遮水層の接続・延長、及び、第1の遮水構造体を覆い堤内底面部に至る第2の遮水構造体を造成する工程では、堤外からの揚圧力の影響を排除するものである。
前記遮水シートを前記土のうと共に埋設する工程において、前記遮水シートの予備部を除く、前記第1の天端高から前記第2の法先ブロックに至る範囲に中間砕石を投入した後、該中間砕石の上面に前記遮水シートの予備部を折り返し、
前記基礎マウンドの天端面の、前記第1の法先ブロックが据え付けられた場所よりも堤外側の位置に、前記第2の天端高へ到達する高さを有する方塊ブロックを据付け、
該方塊ブロック、前記第1の法先ブロック、及び、前記基礎マウンドの天端面の堤内側端部と前記第1の法先ブロックとの間に投入された裏込石とを覆うようにして、前記方塊ブロックの高さに合わせて裏込石の再投入・均しを行い、
該再投入された裏込石を合成樹脂製ジオグリッドで押え付け、これらの上面を、前記中間砕石の上面に折り返した前記遮水シートの予備部で覆い、
前記中間砕石の上面に、前記第2の天端高に至るまで中間砕石を追加投入し、前記遮水シートの予備部の、再投入された裏込石及び前記合成樹脂製ジオグリッドの上面を覆う部分を、前記追加投入した中間砕石により埋設する遮水型護岸の開口部締切工法(請求項4)。
又、遮水シートの予備部のうち、再投入された裏込石及び合成樹脂製ジオグリッドの上面を覆う部分を除く部分を、前記追加投入した中間砕石により埋設することで、遮水シートの予備部の裏面に作用する揚圧力により、遮水シートの予備部が破損することを防ぐことができる。
前記方塊ブロックの上面に上部コンクリートを打設し、
前記堤内底面部に位置する、前記中間砕石の投入範囲の堤内先端部から、堤内側に所定距離を空けて、第3の法先ブロックを据付け、
堤内底面部の、前記第3の法先ブロックから前記中間砕石に至る範囲に、変形追随性遮水材を打設し、
前記中間砕石を覆うようにして、前記方塊ブロックの上面から前記第3の法先ブロックに至るまで第2の遮水シートを敷設し、
前記第3の法先ブロックから前記第2の遮水シートに至る範囲に、前記打設した変形追随性遮水材を覆うようにして変形追随性遮水材を追打設し、
前記上部コンクリートから前記第3の法先ブロックに至る範囲を、砕石で被覆する遮水型護岸の開口部締切工法(請求項5)。
又、第3の法先ブロックから第2の遮水シートに至る範囲に、打設した変形追随性遮水材を覆うようにして変形追随性遮水材を追打設し、第2の天端高から堤内底面部に至る範囲の遮水を完了するものである。その後、上部コンクリートから前記第3の法先ブロックに至る範囲を、砕石で被覆することで、第2の遮水シートを安定保持するものである。
本項に記載の遮水型護岸の開口部締切工法は、前記遮水シートの予備部のうち、前記追加投入した中間砕石により埋設されていない部分に、第2の遮水シートの天端側端部を重ねるようにして敷設することで、第2の天端高において、二重の遮水シートが、堤体上方から二重の遮水シートの間への、堤内の保有水又は堤外の水の浸水を防ぐものである。
本項に記載の遮水型護岸の開口部締切工法は、予め、施工水域の潮位変動に起因する、堤外水位の変動と、堤内水位の変動とが最小となるように、開口部幅を設定することで、堤外と堤内との水交換を可能としつつ、堤外から基礎マウンドを浸透して第1の遮水構造体の裏面に作用する揚圧力を、可能な限り小さく抑えるものである。
図1、図2には、本発明の実施の形態に係る遮水型護岸の開口部締切工法の中間段階で、開口部に先行造成される、第1の遮水構造体24が模式的に示されている。第1の遮水構造体24は、施工水域の潮位差を考慮して、満潮時の水位よりも低く堤外側と堤内側との通水断面Wsを確保可能な天端高(第1の天端高)H1となるように、形成される。
なお、第1の遮水構造体24が造成される開口部14の開口幅Lは、施工水域の潮位変動に起因する、堤外水位の変動と、堤内水位の変動との差が最小となるように設定されている。
S0(図4(a)参照):基礎捨石(30〜100kg/個)の投入・均しを行い、開口部14に隣接する、自然石等を用いた傾斜堤の基礎マウンドと、共通の断面を有する基礎マウンド26を造成する。
S10(図4(b)参照):基礎マウンドの天端面上に、施工水域の潮位差を考慮して、満潮時の水位よりも低く堤外側と堤内側との通水断面Ws(図2(a)参照)を確保可能な第1の天端高H1を設定する。そして、基礎マウンド26の天端面の堤内側端部から所定距離を空けて、第1の天端高H1へ到達する高さを有する第1の法先ブロック28を据え付ける。第1の法先ブロック28は、1.3(m)×1.3(m)×2.0(m)の直方体であり、その据え付け作業には、図7(a)に示されるように、堤内に配置した起重機船30が用いられる。
法先ブロック28は、後工程(S20)にて施工する裏込石の捨石本均し面への飛散・こぼれ防止と、合成樹脂製ジオグリッド施工時(S30)の天端ロープ固定用に、複数設置されるものである。又、第1の法先ブロック28は、後工程(S90)において、基礎マウンド26の天端面に据え付けられる方塊ブロック70の設置位置を考慮して、それよりも基礎マウンド26の天端面の堤内側端部寄りに設置される。
切込砕石42の投入・均し作業は、図8(b)に示されるように、堤外側に配置した起重機船30にガット船36を接舷し、切込砕石42をガット船36から起重機船30に積み込み、更に堤内側に配置したバックホウ台船44へと切込砕石42を積み替えて行う。更に、必要に応じ、潜水士により均し作業を行う。
この際、潮位が第1の天端高H1付近に近づくにつれ、遮水シート56の挙動は、以下のようになる。まず、下げ潮時は、潮流は堤内から堤外へ向けて発生し、遮水シート56は、傾斜堤の内側斜面に張り付くか、若しくはしわになる。一方、上げ潮時には、潮流は堤外から堤内へ向けて発生し、遮水シート56に揚圧力P(図16参照)が作用する。従って、敷設作業終了毎に、下げ潮時及び上げ潮時の潮流が遮水シート56に及ぼす影響を見極め、次の敷設作業開始までの間に遮水シート56が破損しないよう、仮養生を完了する必要がある。又、遮水シート56の敷設時以降は、遮水シート56の裏面に揚圧力Pが作用することから、これを押え付けるために、大型土のう58(有効水中重量400kg/m2)を一定ピッチ(2m間隔)で、遮水シート56の敷設を完了した範囲に配置する。以上の、遮水シート56の敷設作業は、具体的には図10に示されるサブルーチンとなる。
S602:幅広加工に続いて海上溶着を行う。この海上溶着は、遮水シート56の敷設箇所に海上運搬された、幅広加工した遮水シート56同士を接続するために、小型の作業台船を幅広加工した遮水シート56の間に差し込み、幅広加工した遮水シート56の端部を小型の作業台船上に人力等により引き上げ、水分を除去した後に、上記幅広加工と同様に、互いに熱溶着して接続するものである。
S609:傾斜堤の法尻及び堤内底面部まで遮水シート56を敷設する。又、後工程の変形追随性遮水材50の追打設時(S70)に、遮水シート56が浮き上がる事を防ぐために、大型土のう58を法尻部に密に(堤体の延長方向に隙間なく)設置する。
以上により、遮水シート56の敷設作業が完了する。
そして、基礎マウンド26の天端面上に押え付けられた山留材60、敷鉄板64、コンクリートブロック66及び大型土のう58を、中間砕石68の投入完了後に撤去し(図5(c)参照)、中間砕石68の上面に、遮水シート56の予備部56aを折り返す。そして、折り返された予備部56aの上に、図11(c)に示されるように、堤内に配置した起重機船30を用いて、大型土のう58を設置する。そして、遮水シート56の予備部56aを中間砕石68の上面に押し付けることにより、潮流による予備部56aの破損を防止する。
S100(図5(e)参照):方塊ブロック70、第1の法先ブロック28、及び、基礎マウンド26の天端面の堤内側端部と第1の法先ブロック28との間に投入された裏込石34を覆うようにして、方塊ブロック70の高さに合わせて、裏込石34の再投入・均しを行う。なお、裏込石34の再投入・均し作業手順は、図7(b)に示される裏込石34の投入作業と同様である。
更に、再投入された裏込石34を合成樹脂製ジオグリッド40で押え付ける(図5(f)参照)。合成樹脂製ジオグリッド40の設置作業は、図12(b)に示されるように、堤内に配置した起重機船30を用いて行われる。
そして中間砕石68の上面に、第2の天端高H2(図2(a)参照)に至るまで中間砕石68を追加投入し、遮水シート56の予備部56aを埋設する(図6(b)参照)。中間砕石68の再投入作業は、図12(d)に示されるように、堤外側に配置した起重機船30にガット船36を接舷し、中間砕石68をガット船36から起重機船30に積み込み、更に堤内側に配置したバックホウ台船44へと中間砕石68を積み替えて行う。
S130(図6(c)参照):中間砕石68の投入範囲の堤内先端部から堤内側に所定距離を空けて、第3の法先ブロック74を据付ける。第3の法先ブロック74は、第1の法先ブロック28と同じく、1.3(m)×1.3(m)×2.0(m)の直方体である。その据え付け作業は、図8(c)と同様に、堤内側の起重機船30にて、潜水士の指示のもとで作業を行う。
なお、この時点では、第1の遮水構造体24が完成していることから堤内に揚圧力P(図16)が第2の遮水シート56に及ぶことはない。(図6(d)参照)。
なお、砕石76は、中間砕石68と同じ物を用いることが出来る。又、その投入作業は、図12(d)に示されるのと同様に、外側に配置した起重機船30にガット船36を接舷し、砕石76ををガット船36から起重機船30に積み込み、更に堤内側に配置したバックホウ台船44へと砕石76を積み替えて行う。
S180:必要に応じ、第2の遮水構造体78の天端面に舗装を施し、遮水型護岸の開口部14の締切工が完了する。
本発明の実施の形態に係る、遮水型護岸の開口部締切工法は、開口部14においても、それと隣接する自然石等を用いた傾斜堤の基礎マウンドと、共通の断面を有する基礎マウンド26を造成することで、堤体構造の一部共通化を図ることができる。
又、基礎マウンド26の天端面上に、施工水域の潮位差を考慮して、満潮時の水位(H.W.L.)よりも低く堤外側と堤内側との通水断面Ws(図2(a)参照)を確保可能な第1の天端高H1を設定し、第1の天端高H1から堤内底面部に至る第1の遮水構造体24を造成することで、この通水断面Wsを通じて、堤外と堤内との水交換を可能としつつ、堤外から基礎マウンド26を浸透して第1の遮水構造体24の裏面に作用する揚圧力Pの影響を、可能な限り小さく抑えることができる。また、通水断面Wsを通じて、堤内作業に供する工事用船舶の出入りも、一部可能となる。
従って、第1の遮水構造体24の堤内先端部を覆う変形追随性遮水材層50を打設する際に、第1の遮水構造体24の裏面に作用する揚圧力Pにより、第1の遮水構造体24が破損することを防ぐことができる。以上の点を考慮し、第1の天端高H1は、施工水域の潮位差を考慮して、堤外水位が堤内水位よりも高い状態、すなわち、第1の遮水構造体24の裏面に揚圧力Pが作用する時間比率が可能な限り短くなるように、設定されることが望ましい。
そして、変形追随性遮水材層50の打設により(S70:図5(a)参照)、第1の天端高H1から堤内底面部に至る範囲の遮水を完了し、以後の、施工水域の満潮時の水位よりも高位置の第2の天端高H2から堤内底面部に至る第2の遮水構造体78(図6(f)参照)を造成する工程では、堤外からの揚圧力Pの影響を排除することができる。
Claims (5)
- 遮水型護岸の開口部締切工法であって、
開口部に隣接する自然石等を用いた傾斜堤の基礎マウンドと、共通の断面を有する基礎マウンドを造成し、
該基礎マウンドの天端面上に、施工水域の潮位差を考慮して、満潮時の水位よりも低く堤外側と堤内側との通水断面を確保可能な第1の天端高を設定し、
該第1の天端高から堤内底面部に至る遮水層を造成し、
前記遮水層の表面に錘を配置し、
前記堤内底面部に位置する、前記遮水層の堤内先端部を覆う変形追随性遮水材層を打設し、
前記第1の天端高以深部へと砕石を投入して、
第1の遮水構造体を造成し、
前記第1の遮水構造体の上部に、施工水域の満潮時の水位よりも高位置の第2の天端高から堤内底面部に至る第2の遮水構造体を造成する、各工程を含むことを特徴とする遮水型護岸の開口部締切工法。 - 前記遮水層を造成する工程において、遮水シートを前記第1の天端高から堤内底面部に向けて敷設し、該遮水シートの敷設作業の進行に合わせて、前記錘を、前記第1の天端高から堤内底面部へと複数配置することを特徴とする請求項1記載の遮水型護岸の開口部締切工法。
- 遮水型護岸の開口部締切工法であって、
開口部に隣接する自然石等を用いた傾斜堤の基礎マウンドと、共通の断面を有する基礎マウンドを造成し、
該基礎マウンドの天端面上に、施工水域の潮位差を考慮して、満潮時の水位よりも低く堤外側と堤内側との通水断面を確保可能な第1の天端高を設定し、
前記基礎マウンドの天端面の堤内側端部から所定距離を空けて、前記第1の天端高へ到達する高さを有する第1の法先ブロックを据付け、
前記基礎マウンドの天端面の堤内側端部と前記第1の法先ブロックとの間に、前記第1の法先ブロックの高さに合わせて裏込石の投入・均しを行い、
該裏込石を合成樹脂製ジオグリッドで押え付けた後、前記第1の天端高から堤内底面部に至る範囲に切込砕石の投入・均しを行い、
前記堤内底面部に位置する、前記切込砕石の投入範囲の堤内先端部から、堤内側に所定距離を空けて、第2の法先ブロックを据付け、
堤内底面部の、前記第2の法先ブロックから前記切込砕石に至る範囲に、変形追随性遮水材を薄く打設し、
遮水シートを前記第1の天端高から堤内底面部に向けて敷設し、該遮水シートの敷設作業の進行に合わせて、複数の土のうを、前記第1の天端高から堤内底面部へと配置し、
前記第2の法先ブロックから前記遮水シートに至る範囲に、前記打設した変形追随性遮水材を覆うようにして変形追随性遮水材を追打設し、
前記第1の天端高から前記第2の法先ブロックに至る範囲に、前記第1の天端高まで中間砕石を投入して、前記遮水シートを前記土のうと共に埋設し、
前記第1の天端高から、施工水域の満潮時の水位よりも高位置の第2の天端高まで、前記遮水シートを接続・延長して、第1の遮水構造体を造成し、
該第1の遮水構造体を覆うようにして、前記第2の天端高から堤内底面部に至る第2の遮水構造体を造成する、各工程を含むことを特徴とする遮水型護岸の開口部締切工法。 - 前記遮水シートを前記第1の天端高から堤内底面部に向けて敷設する工程において、前記遮水シートの前記第1の天端高側端部に所定幅の予備部を設け、
前記遮水シートを前記土のうと共に埋設する工程において、前記遮水シートの予備部を除く、前記第1の天端高から前記第2の法先ブロックに至る範囲に中間砕石を投入した後、該中間砕石の上面に前記遮水シートの予備部を折り返し、
前記基礎マウンドの天端面の、前記第1の法先ブロックが据え付けられた場所よりも堤外側の位置に、前記第2の天端高へ到達する高さを有する方塊ブロックを据付け、
該方塊ブロック、前記第1の法先ブロック、及び、前記基礎マウンドの天端面の堤内側端部と前記第1の法先ブロックとの間に投入された裏込石とを覆うようにして、前記方塊ブロックの高さに合わせて裏込石の再投入・均しを行い、
該再投入された裏込石を合成樹脂製ジオグリッドで押え付け、これらの上面を、前記中間砕石の上面に折り返した前記遮水シートの予備部で覆い、
前記中間砕石の上面に、前記第2の天端高に至るまで中間砕石を追加投入し、前記遮水シートの予備部の、再投入された裏込石及び前記合成樹脂製ジオグリッドの上面を覆う部分を、前記追加投入した中間砕石により埋設することを特徴とする請求項3記載の遮水型護岸の開口部締切工法。 - 前記第2の遮水構造体を造成する工程において、
前記方塊ブロックの上面に上部コンクリートを打設し、
前記堤内底面部に位置する、前記中間砕石の投入範囲の堤内先端部から、堤内側に所定距離を空けて、第3の法先ブロックを据付け、
堤内底面部の、前記第3の法先ブロックから前記中間砕石に至る範囲に、変形追随性遮水材を打設し、
前記中間砕石を覆うようにして、前記方塊ブロックの上面から前記第3の法先ブロックに至るまで第2の遮水シートを敷設し、
前記第3の法先ブロックから前記第2の遮水シートに至る範囲に、前記打設した変形追随性遮水材を覆うようにして変形追随性遮水材を追打設し、
前記上部コンクリートから前記第3の法先ブロックに至る範囲を、砕石で被覆することを特徴とする請求項3又は4記載の遮水型護岸の開口部締切工法。
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