JP5790553B2 - 二次電池のリサイクル処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、二次電池のリサイクル処理装置の技術に関する。
リチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池等の二次電池は、例えば、ハイブリッド車等の車両用部品として使用されている場合、車両が廃車等になった際には、二次電池が車両から取り外された後、解体され、有用な金属が回収される。
一般的に、自動車用部品として使用される二次電池は、高電圧を発生(例えば、300V以上)するものであり、車両が廃車となって取り外される際にも、高電圧を保っている場合が多い。通常、二次電池を解体する作業は、作業者が絶縁手袋等の保護具を着用して、手作業で行われるため、作業の安全性確保に十分な配慮が必要である。
また、二次電池の解体作業等の安全性を高めるために、二次電池を放電させることも考えられるが、この場合、二次電池を長期間保管して自然放電させるか、または抵抗器等を用いて強制的に放電させる必要があり、二次電池のリサイクル処理の作業が長時間化するか若しくは手間を要するため、リサイクル処理の作業を効率的に行うことができない。
従来から、二次電池から有価物を回収する様々な方法が提案され(例えば、特許文献1〜3参照)、リサイクル処理の作業効率化が図られている。
特開2005−26088号公報 特開2010−3512号公報 特開2010−165569号公報
ところで、特許文献1〜3のリサイクル処理方法では、二次電池を加熱処理するため、加熱処理の際には、加熱分解生成物のガスが排出される。加熱分解生成物は、液化して廃液としてタンクにより回収し、液化しなかったガスは廃ガスとして浄化装置により浄化することが望ましい。しかし、従来では、廃液、廃ガスの分別まで考慮されておらず、廃液の一部が浄化装置に流れ、廃ガスがタンクに流れ込む場合があり、廃液、廃ガスを効率的に回収、浄化することが困難となっていた。
そこで、本発明は、加熱処理の際に排出される加熱分解生成物を廃液、廃ガスとして効率的に回収することができる二次電池のリサイクル処理装置を提供することを目的とする。
本発明の二次電池のリサイクル処理装置は、二次電池を加熱する加熱処理槽と、加熱された二次電池から放出される加熱分解生成物を冷却する冷却部と、前記冷却された加熱分解生成物が流れる第1流路及び前記第1流路から分岐された第2流路と、前記第1流路の排出側に設置され、前記加熱分解生成物を貯留するタンクと、前記第2流路の排出側に設置され、前記加熱分解生成物を浄化する浄化装置と、を備え、前記第2流路の分岐位置と前記タンクの間の前記第1流路には、液体を保持する保持部が設けられ、前記保持部では、前記液体により第1流路が塞がれ、前記第1流路には、前記液体より比重の軽い加熱分解生成物を前記保持部に保持された前記液体の液面から引き抜く第3流路、及び前記加熱分解生成物の固形分を前記保持部に保持された前記液体の底面から引き抜く第4流路が設けられている。
また、前記二次電池のリサイクル処理装置において、前記第1流路に設けられる保持部はU字状の流路形状となっていることが好ましい。
本発明によれば、加熱処理の際に排出される加熱分解生成物を廃液、廃ガスとして効率的に回収することができる。
本実施形態に係る二次電池のリサイクル処理装置の構成の一例を示す模式図である。 本実施形態に係る二次電池のリサイクル処理装置の構成の他の一例を示す模式図である。 電池パックの解体及び有価物の回収工程を説明するためのフロー図である。
以下、電池パックをリサイクルする方法及び処理装置の一例を図面に基づいて説明する。ここで、「二次電池」なる用語は、ニッケル水素二次電池やリチウムイオン二次電池等の電池単体として電池セルに限定されるものではなく、電池セルを複数(例えば6個か8個程度)直列に接続して1つの部品単位とした電池モジュール、又は該電池モジュールを複数直列に接続して構成された組電池、又は該組電池と、電池モジュールの充電状態を監視制御する制御装置や電気回路を切断するためのリレーや機械的に回路を切断するためのセーフティプラグや組電池を冷却する冷却ブロア等の電子部品と、各部品を接続する信号線や動力線と、これらを密閉収納するケース等から構成される電池パック等も含まれる。
図1は、本実施形態に係る二次電池のリサイクル処理装置の構成の一例を示す模式図である。図1に示すリサイクル処理装置1は、加熱処理槽12、置換ガス供給装置14、冷却装置18、廃液タンク20、浄化装置24、配管22a,22b,22c,22dを備える。図1において、配管22c,22d及び浄化装置24については、断面図で表している。
加熱処理槽12は、主に、二次電池10を加熱処理するためのものであり、本実施形態の加熱処理槽12内には電気ヒータ26、二次電池10を載置する載置台28、を備える。二次電池10を加熱する熱源としては電気ヒータ26に制限されるものではなく、ラジアントチューブ等の間接加熱型のガスヒータ等でもよい。
置換ガス供給装置14は、例えば、水蒸気(以下、単に蒸気と呼ぶ)を発生させる貫流ボイラー等の蒸気ボイラー、不活性ガスを充填したガスボンベ等が挙げられる。
冷却装置18は、主に二次電池10から放出された加熱分解生成物等を冷却するためのものであり、例えば、シェルアンドチューブタイプ等の間接式水冷型熱交換器、プレートフィンタイプ等の表面式熱交換器等が挙げられる。
廃液タンク20は、主に冷却装置18により冷却され、凝縮・液化した加熱分解生成物を貯留するためのものである。また、浄化装置24は、主に冷却装置18により凝縮されなかったガス状の加熱分解生成物を浄化するためのものである。
配管22aの一端は置換ガス供給装置14に接続され、配管22aの他端は加熱処理槽12の供給管12aに接続されている。配管22bの一端は、加熱処理槽12の排出管12bに接続され、配管22bの他端は冷却装置18の供給口(不図示)に接続されている。配管(第1流路)22cの一端は冷却装置18の排出口(不図示)に接続され、配管22cの他端は、廃液タンク20の廃液入口(不図示)に接続されている。配管22d(第2流路)の一端は、後述する保持部30より、加熱分解生成物の流れの上流側(以下、単に上流側と呼ぶ場合がある)の配管22cに接続され、配管22dの他端は、浄化装置24の供給口(不図示)に接続されている。
配管22cには、液体を保持する保持部30が設けられている。保持部30は、配管22dより加熱分解生成物の流れの下流側(以下、単に下流側と呼ぶ場合がある)の配管22cに配置、すなわち、配管22dの分岐位置と廃液タンク20との間の配管22cに配置されている。本実施形態の保持部30は、U字状の流路形状となっており、このU字部分に液体30aが溜められ、保持部30において配管22cの流路が塞がれている。本実施形態では、U字状の保持部30より下流側の配管22cは、後述するように保持部30から越流した液体30aが廃液タンク20に流れるようにU字状に折り返された形状になっている。また、本実施形態では、保持部30に溜められた液体30aの液面及び底面から液体30aを引き抜くための配管22e,22fが配管22cに接続されている。
次に、本実施形態に係る処理装置1の動作を説明する。
まず、加熱処理槽12の開閉扉12cを開け、二次電池10を槽内の載置台28にセットし、開閉扉12cを閉めて密閉し、電気ヒータ26のスイッチを入れ、二次電池10を加熱する。なお、加熱処理槽12内の温度制御は、槽内に温度センサ(不図示)等を設置して、槽内の温度を検出し、検出した温度に基づいて電気ヒータ26の出力を調節することにより行われる。
加熱処理槽12内で二次電池10を加熱し、二次電池10の温度が、二次電池10を構成する電池セル内の電解液の沸点以上に達すると、電池セル内部の圧力が上昇して、電池セルに設けられる安全弁等から電解液等の加熱分解生成物がガスとして放出され、電圧が変動し始める。そして、さらに加熱を続けると、電圧がゼロになり電池機能が破壊される。例えば、有機系電解液を使用するリチウムイオン二次電池及び水系電解液を使用するニッケル水素二次電池では、150℃以上で加熱することにより、二次電池10の電池機能を破壊し電圧をゼロにすることが可能となる。このような加熱処理後の二次電池10は電圧ゼロのスクラップとして安全に取り扱うことができるため、後工程である二次電池10の解体等を安全に容易に実施することも可能となる。
本実施形態の加熱処理においては、図1に示すように、置換ガス供給装置14から配管22aを介して水蒸気又は不活性ガス等の置換ガスを加熱処理槽12内に供給して、加熱処理槽12内空間を水蒸気又は不活性ガス等の置換ガスにより置換し、無酸素状態にすることが好ましい。例えば、リチウムイオン二次電池に使用される電解液のうち、炭酸ジメチル等の有機電解質は可燃性材料であるが、加熱処理槽12内を置換ガスにより置換し、無酸素状態にすることにより、加熱処理によって有機電解質が二次電池10外へ放出されたとしても、加熱処理槽12内で燃焼することが抑制され、加熱処理槽12内から排出される。特に、加熱処理においては、蒸気を供給することが好ましい。例えば、リチウムイオン二次電池の電解液に使用される6フッ化リン酸リチウム等の電解質塩は、加熱処理によって、加熱分解してフッ化リチウムやフッ化水素等に変化するが、蒸気を加熱処理槽12内に供給することにより、フッ化水素(ガス)をフッ酸として容易に回収することができる。
次に、加熱処理により二次電池10から放出されるガス状の加熱分解生成物は、配管22bを通り冷却装置18に供給される。二次電池10から放出される加熱分解生成物には、二次電池10を構成する電解液、セパレータ等の樹脂等が挙げられる。例えば、リチウムイオン二次電池の場合には、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸エチルメチル(EMC)、炭酸エチレン(EC)、フッ化水素、フッ化リチウム等の電解液由来の加熱分解生成物、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等を材料とするセパレータ等の樹脂由来の加熱分解生成物等がガスとなって放出される。また、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸エチルメチル(EMC)、炭酸エチレン(EC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が放出されると、それらの構成元素であるH、C、O等から、水素(H)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO)等のガスも生成されるが、本明細書ではこれらも加熱分解生成物と呼ぶ。
これらの加熱分解生成物が冷却装置18に供給されると、加熱分解生成物が冷却され液化される。そして、冷却装置18から液化した加熱分解生成物が排出されると共に、冷却装置18で液化(凝縮)しなかったガス状の加熱分解生成物も排出される。なお、液化した加熱分解生成物は、例えば、リチウムイオン二次電池の場合には、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸エチルメチル(EMC)、炭酸エチレン(EC)、フッ化水素、フッ化リチウム等の電解液である。また、凝縮しなかったガス状の加熱分解生成物は、水素(H)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO)等であるが、凝縮できなかった上記の電解液も含まれる場合がある。
液化した加熱分解生成物は配管22cを通り、保持部30に溜められる。一方、ガス状の加熱分解生成物は、保持部30内の液体30aによって、保持部30より下流側の配管22cには流れず、配管22cから分岐した配管22dを通って、浄化装置24に供給され、そこで浄化される。浄化装置としては、例えば、活性炭等を充填したガス吸着フィルター等が用いられ、ガス状の加熱分解生成物が活性炭に吸着され、系外にガス状の加熱分解生成物が洩れることが抑制される。ガス状の加熱分解生成物が酸性雰囲気の場合には、本実施形態の浄化装置24のように、活性炭24aの前段に消石灰(水酸化カルシウム)24bを充填したガス吸着フィルター等を用いることが好ましい。このような浄化装置24によれば、酸性雰囲気のガス状の加熱分解生成物を中和した上で、加熱分解生成物を活性炭に吸着させることができる。
液化した加熱分解生成物が保持部30に溜められていくと、比重の重い液化した加熱分解生成物は、保持部30の下流側に流れ、越流口31から溢れて、配管22cを介して廃液タンク20に供給され、廃液として回収される。また、比重の軽い液化した加熱分解生成物があれば、保持部30の上流側に留まるため、配管22eから排出させる。また、加熱分解生成物の中に固形分が含まれており、配管22cを通過し、保持部30に溜められた場合には、配管22fから排出させる。なお、装置の稼働前に保持部に充填される液体は特に制限されるものではないが、水等の揮発性の低い液体であることが好ましい。
廃液タンク20には、通気管32及び活性炭等を充填したガス吸着フィルター34等を設置することが好ましい。廃液タンク20内に廃液が溜まっていくと、廃液タンク20内の圧力が大気圧より高くなる場合がある。そして、廃液タンク20内の圧力が大気圧より高くなった場合には、廃液タンク20に設置された通気管32からガスを大気中へ排出させる。この際、ガスは、ガス吸着フィルター34を介して大気中へ排出されるため、臭気等が装置外部に洩れることが抑制される。
このように、上記説明した保持部30を配管22cに設置することにより、液化した加熱分解生成物は廃液タンク20へ、液化しなかったガス状の加熱分解生成物は浄化装置24へ送られるため、廃液、廃ガスを分別し、効率的に回収することができる。
従来では、液化した加熱分解生成物と共に、液化しなかったガス状の加熱分解生成物も廃液タンクに流れ込むため、廃液タンク内に溜まるガス状の加熱分解生成物は廃液タンクに設置したガス吸着フィルターにより浄化していた。したがって、従来では、廃液タンクの容積は、ガス状の加熱分解生成物が流れ込むことを想定して、大型化する必要があった。しかし、本実施形態では、液化した加熱分解生成物は廃液タンク20へ、ガス状の加熱分解生成物は浄化装置24へ分配され、廃液タンク20にガス状の加熱分解生成物が流れ込み難いため、廃液タンク20の容積をコンパクトにすることが可能となる。また、水素ガス等の可燃性ガスも、廃液タンク20に溜めることなく、浄化装置24により直接浄化させることができる。
図2は、本実施形態に係る二次電池のリサイクル処理装置の構成の他の一例を示す模式図である。図2に示す二次電池のリサイクル処理装置2において、図1に示すリサイクル処理装置1と同様の構成については同一の符号を付しその説明を省略する。図2の二次電池のリサイクル処理装置2の保持部は液体を溜める貯留部36とバルブ38とを備えるものである。
装置の稼働前に、配管22e等から貯留部36に液体30aが充填され、保持部(実質的には貯留部36)において配管22cの流路が液体により塞がれる。この際、貯留部36内の空間の全部又は一部が液体30aにより満たされる。装置の稼働後、前述したように、冷却装置18により液化した加熱分解生成物は配管22cを通り、保持部の貯留部36に溜められ、ガス状の加熱分解生成物は、貯留部36内の液体によって、保持部より下流側の配管22cには流れず、配管22cから分岐した配管22dを通り、浄化装置24に供給され、浄化される。
一方、液化した加熱分解生成物は保持部の貯留部36に溜められる。そして、装置稼働後から所定時間経過した後、或いは貯留部36の液面が所定水位を超えた段階で、バルブ38を開き、配管22cを介して貯留部36内の液体30aの一部を廃液タンク20に供給する。なお、貯留部36内の液体30aを完全に排出させてしまうと、ガス状の加熱分解生成物も廃液タンク20に流れ込んでしまうため、一定量の液体30aは貯留部36に残しておく必要がある。
保持部の構造は、配管22c内に液体を保持して、配管22c内の流路を液体により塞ぐことができる構造であれば、図1及び2に示す保持部の構造に限定されるものではないが、装置構成の簡略化、小型化、運転管理の容易化等の観点から、保持部は図1に示すU字状の配管構造として、その中に液体を充填して(保持して)、配管22cの流路を塞ぐことが好ましい。
以上のような加熱処理によって、電池機能が破壊され、電解液が放出された二次電池は、二次電池の解体及び有価物の回収工程に搬送される。特に、電池セルと共に電子部品、信号線、動力線、ケース等から構成されている電池パックの場合でも、電池機能は破壊され、また電解液が放出されるため、後述するように、電池パックの解体から有価物の回収までの全行程を、作業者による危険な手作業(電池パックの解体作業)を不要とし、自動化することができる。その結果、安全で安価な二次電池のリサイクルが可能となる。
図3は、電池パックの解体及び有価物の回収工程を説明するためのフロー図である。ここでは、リチウムイオン二次電池の電池パックを例に説明するが、ニッケル水素二次電池の電池パック等でも同様に適用することが可能である。また、以下に説明する有価物の回収工程は、主に、リチウムイオン二次電池の集電体として使用される電極箔(Al,Cu)、正極材料として使用される遷移金属(Ni,Mn,Co等)、正極材料中及び負極材料中に存在するリチウムを回収するものである。また、図3に示すフローは電池パックの解体及び有価物の回収工程の一例であって、これに制限されるものではない。
図3に示すように、ステップS10では、前述した加熱処理を実施した電池パックを破砕処理する。なお、電池パックを加熱処理すると、電池パックの構成材料である熱可塑性樹脂が熱分解して、原型とは大きく異なった状態となるが、電池セルの電解液等は外部に放出され電池機能は破壊された安全な状態であるため、破砕処理においては、作業者による手解体より、シュレッダーマシン(大型ハンマーミル等)に電池パックを直接投入して破砕処理する方が、処理時間、安全性の点で好ましい。また、シュレッダーマシン等で電池パックを破砕する前に、電池パックを水中に浸漬させ、電池セルを放電させる等の処理を行ってもよい。なお、このシュレッダーマシン等は廃自動車や廃家電製品の処理において一般的に使用されるものを用いることができる。
シュレッダーマシンを用いて電池パックを破砕処理することにより、樹脂等の無価物はシュレッダーダストとして排出される。一方、電池パック内の電池セルのうち、電池セルの外装であるアルミケース等は、比重の大きな金属片となり、電極箔(正極材料及び負極材料も含む)等は、比重の小さな金属屑となる。シュレッダーダストは廃棄法にしたがって管理型埋め立て処分する。また、埋め立てる条件としては、管理型埋め立て基準を満たす必要がある。
次に、ステップS12では、前述した比重の大きな金属片と比重の小さな金属屑とを、風力選別し、比重の大きな金属片を回収する。なお、風力選別に代えて、磁力選別により比重の大きな金属片を回収してもよい。
次に、ステップS14では、電極箔(正極材料及び負極材料も含む)等の比重の小さな金属屑を水で洗浄して、負極材料中のリチウムや正極材料中のリチウムを水酸化リチウムに、正極材料中の遷移金属を水酸化物に変化させる。以下に、正極材料としてニッケル酸リチウムを用いた場合の反応を示す。
3LiNiO+4.5HO→3LiOH+3Ni(OH)+4/3O
水酸化リチウムは水に容易に溶解するため水溶液となり、水酸化ニッケル等の遷移金属の水酸化物は水への溶解度が非常に低いためほとんど溶解せず、固形分となる。なお、水酸化ニッケルの溶解度は0.0013g/100cmである。
次に、ステップS16では、振動篩装置等によって、前述した水酸化リチウム等の水溶液と水酸化ニッケル等の固形分とに篩い分けられる。そして、ステップS18では、水酸化リチウム水溶液に炭酸ガスを導入して中和し、炭酸リチウムとし、この炭酸リチウムを沈殿ろ過して回収する。
ステップS20では、水酸化ニッケル等の遷移金属の水酸化物等の固形分を浸出槽に投入し、塩酸等の酸を添加して、遷移金属の水酸化物を水溶性の金属塩化物に変化させる。ニッケル塩化物等の金属塩化物溶液を抽出し、後述するステップS30に進み、既存の精錬工程によって、例えば、ニッケル原料として、金属や硫酸ニッケル等の製品にリサイクルされる。
また、塩酸を添加した場合(ステップS20)、浸出槽では、未反応の水酸化ニッケル等の金属水酸化物(正極材料)、セパレータ、アルミ(電極箔)は浮上し、負極材料(カーボン)及び銅(電極箔)は沈降するため、これらを分離することができる。なお、以下では、浸出槽に浮上した浮上物を浮上分電極材と称し、浸出槽に沈降した沈降物を沈降分電極材と称する。なお、ステップS20において、塩酸の代わりに硫酸を添加すると、未反応の水酸化ニッケル等の金属水酸化物、セパレータ、アルミ(電極箔)、負極材料(カーボン)及び銅(電極箔)は全て沈降してしまう。塩酸を添加することによって浮上分電極材と沈降分電極材に分離させることができる理由としては、銅とアルミの比重差に加え、塩酸を添加した場合には、アルミを腐食する過程で発生する水素ガスの発生速度が硫酸を添加した場合に比べて大きいため、アルミの見かけ上の比重が1より低くなるためであると考えられる。したがって、その後に行う銅の回収において、銅の純度を上げてリサイクル材としての付加価値を高くすることができる点で、塩酸を添加することが好ましい。なお、硫酸を添加した場合でも、その後の工程において、Ni等の有価金属の回収を行うことはできる。
次に、ステップS22では、浸出槽から分離した浮上分電極材を洗浄槽に投入し、塩酸を添加して攪拌洗浄する。これにより、アルミやセパレータに付着していた水酸化ニッケル等の遷移金属の水酸化物を水溶性の金属塩化物に変化させる。そして、ステップS24では、振動篩装置等によって、アルミやセパレータ等の固形分とニッケル塩化物等の金属塩化物溶液とに篩い分けられる。篩い分けられたアルミやセパレータはリサイクル材として回収してもよいし、廃棄処分してもよい。一方、ニッケル塩化物等の金属塩化物溶液は、ステップS30に進み、既存の精錬工程により精錬され、例えば、ニッケル原料として、金属や硫酸ニッケル等の製品にリサイクルされる。
ステップS26では、浸出槽から分離した沈降分電極材を、上記同様に洗浄槽に投入し、塩酸を添加して攪拌洗浄する。これにより、銅に付着していた水酸化ニッケル等の遷移金属の水酸化物を水溶性の金属塩化物に変化させる。そして、ステップS28では、振動篩装置等によって、銅等の固形分とニッケル塩化物等の金属塩化物溶液とに篩い分けられる。篩い分けられた銅はリサイクル材として回収される。一方、ニッケル塩化物等の金属塩化物溶液は、上記同様に、ステップS30に進み、既存の精錬工程により精錬され、例えば、ニッケル原料として、金属や硫酸ニッケル等の製品にリサイクルされる。
1,2 リサイクル処理装置、10 二次電池、12 加熱処理槽、12a 供給管、12b 排出管、12c 開閉扉、14 置換ガス供給装置、18 冷却装置、20 廃液タンク、22a〜22f 配管、24 浄化装置、24a 活性炭、24b 消石灰、26 電気ヒータ、28 載置台、30 保持部、30a 液体、31 越流口、32 通気管、34 ガス吸着フィルター、36 貯留部、38 バルブ。

Claims (2)

  1. 二次電池を加熱する加熱処理槽と、
    加熱された二次電池から放出される加熱分解生成物を冷却する冷却装置と、
    前記冷却された加熱分解生成物が流れる第1流路及び前記第1流路から分岐された第2流路と、
    前記第1流路の排出側に設置され、前記加熱分解生成物を貯留するタンクと、
    前記第2流路の排出側に設置され、前記加熱分解生成物を浄化する浄化装置と、を備え、
    前記第2流路の分岐位置と前記タンクの間の前記第1流路には、液体を保持する保持部が設けられ、前記保持部では、前記液体により第1流路が塞がれ
    前記第1流路には、前記液体より比重の軽い加熱分解生成物を前記保持部に保持された前記液体の液面から引き抜く第3流路、及び前記加熱分解生成物の固形分を前記保持部に保持された前記液体の底面から引き抜く第4流路が設けられていることを特徴とする二次電池のリサイクル処理装置。
  2. 前記第1流路に設けられる保持部はU字状の流路形状であることを特徴とする請求項1記載の二次電池のリサイクル処理装置。
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