JP5790408B2 - ハロゲン化物水溶液から銀を回収する方法 - Google Patents
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Description
銀をはじめとする貴金属は、銅鉱石や硅石等の脈石成分に存在する。銅鉱石は、黄銅鉱、輝銅鉱、斑銅鉱及び銅藍等の硫化銅鉱物とともに黄鉄鉱やその他の脈石成分が共存する。これらの中で黄銅鉱は、銅、鉄及び硫黄を主成分とし、CuFeS2で表される。黄銅鉱は、銅、鉄及び硫黄のほか、金、銀、錫及び亜鉛等も含む。黄銅鉱は、銅鉱石の中で最も一般的なものであり、酸に対する耐浸出性がある。そして、輝銅鉱、斑銅鉱、銅藍等は、黄銅鉱が自然酸化することにより生じたものであり、黄銅鉱と比較して硫黄品位が低く、酸に対する溶解性は良好である。
ハロゲン化物水溶液は、塩化物水溶液、臭化物水溶液又はヨウ化物水溶液から選択される。ハロゲン化物水溶液は、水に酸化剤及びハロゲン化物(塩化物、臭化物又はヨウ化物)の混合物を溶解させたものであればよい。フッ化物水溶液であると、銀/ハロゲン化銀電極に対する好適な酸化還元電位が、フッ素錯体形成により本願発明での好適な値と大きく異なるため、好ましくない。また、鉄のフッ化物錯体は安定であるため、ジャロサイトの生成そのものが妨げられる。ハロゲン化物イオン濃度は、銅鉱石等に対して2倍モル以上10倍モル以下であることが好ましい。ハロゲン化物イオン濃度が銅鉱石等に対して1倍モル未満であると、ハロゲン化物水溶液に銅鉱石等を適切に溶解できない可能性がある点で好ましくない。ハロゲン化物イオン濃度が銅鉱石等に対して10倍モルを超えると、飽和濃度を越え、結晶析出する点で好ましくない。また、排水処理の負担が増大し得る点でも好ましくない。
本発明では、銀を含有するハロゲン化物水溶液に、銀に対して3倍モル以上の鉄イオン及び銀に対して2倍モル以上の硫酸イオンを共存させることが好適である。一般に、銅鉱石は、銅鉱石に含まれる銀に対して過剰な鉄及び硫黄を含むため、銅鉱石を上記ハロゲン化物水溶液に添加すれば、銀に対して3倍モル以上の鉄イオン及び銀に対して2倍モル以上の硫酸イオンを共存させたことになる。ところで、銅鉱石は、銀のほか鉄も含むため、ハロゲン化物水溶液を用いて銅精鉱から銅を浸出する手法ではなく、硫酸塩を含む硫酸水溶液と酸化剤とを用いて銅精鉱から銅を浸出する手法によって銅鉱石の湿式製錬を行う場合、銀は浸出液中の鉄と結合し、銀鉄明礬石Ag(Fe3+)3(SO4)2(OH)6の形態で沈殿する。一般的に、いったん銀鉄明礬石が生成すると、この銀鉄明礬石を溶解させることは難しく、銀鉄明礬石から銀を回収することは難しいと考えられている。そのため、上記手法による湿式製錬においては、銀鉄明礬石がいかに生成しないようにするか、また、生成した場合は、いかにして分解するかが最大の課題であると考えられている。
本発明により銀を回収する場合、水溶液中の鉄(III)イオン/鉄(II)イオンの値が0.9を超えると、銀を回収する際に銀だけでなく鉄も沈殿し、回収される銀の純度が低下してしまう。そこで、上記銅鉱石等を含有するハロゲン化物水溶液に鉄イオンを加えた後、鉄(III)イオンと鉄(II)イオンとの割合を調整する必要がある。
上記ハロゲン化物水溶液に銅鉱石、鉄イオン及び硫酸イオン濃度を添加し、銅鉱石由来の銅、銀等を浸出させた後の浸出液の温度は、室温程度であってもよいが、40℃以上80℃以下に維持することが好ましい。浸出液の温度が室温未満であると、鉄イオンの加水分解反応が円滑に進まない可能性があるため、好ましくない。浸出液の温度が80℃を超えると、設備に必要な費用が高額になる可能性がある点、浸出液が蒸発する可能性がある点、設備のハンドリング性が劣る可能性がある点で好ましくない。
銀を濃縮物として回収するため、上記ORPを200mV以上400mV以下に調整した後、上記浸出液のpHを1以上6以下に調整する。銀を効率的に回収するには、pHを4前後に調整することが好ましい。pHが1未満であると、鉄明礬石を生成できない点で好ましくない。pHが6を超えると、銀だけでなく不純物である針鉄鉱FeOOH等の鉄化合物も沈殿する点で好ましくない。
ORPは、KCl飽和銀/塩化銀電極式ORP計(装置名:HM−30S,東亜ディーケーケー社製)を用いて測定した。
塩化物水溶液中の銀濃度は、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−AES法)にしたがい、STS3000(セイコーインスツル社製)を用いて測定した。
塩素濃度が150g/Lの塩化物水溶液を入れ、銅濃度が9.6g/L、鉄濃度が48.2g/L、銀濃度が6mg/L、硫酸イオン濃度が35g/Lとなるように各種金属を溶解した。このときのpHは2であった。その後、ORPを350mVに調整した。続いて、ガラスビーカーの中に上記水溶液を100mL入れ、常温にてマグネットスターラーで攪拌を行いながら1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液をpHが3.0になるように添加した。水酸化ナトリウム水溶液の添加は、60分間行った。
1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液をpHが3.5になるように添加したこと以外は、実施例1と同様の方法にて行った。60分経過後の塩化物水溶液中の銀濃度は、1.5mg/Lであり、沈殿物中の銀品位は、0.05%であった。
1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液をpHが4.0になるように添加したこと以外は、実施例1と同様の方法にて行った。60分経過後の塩化物水溶液中の銀濃度は、1.1mg/Lであり、沈殿物中の銀品位は、0.05%であった。
塩素濃度が160g/Lの塩化物水溶液を入れ、銅濃度が13.6g/L、鉄濃度が68.3g/L、銀濃度が10mg/L、硫酸イオン濃度が53g/Lとなるように各種金属を溶解した。このときのpHは2であった。その後、ORPを350mVに調整した。続いて、ガラスビーカーの中に上記水溶液を200mL入れ、60℃にてマグネットスターラーで攪拌を行いながら中和剤として1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液をpHが4.5になるように添加するとともに、還元剤として50g/Lのアスコルビン酸水溶液を上記塩化物水溶液の濃度が100ppmになるように添加した。水酸化ナトリウム水溶液及びアスコルビン酸水溶液の添加は、60分間行った。
塩素濃度が150g/Lの塩化物水溶液を入れ、銅濃度が9.6g/L、鉄濃度が48.2g/L、銀濃度が6mg/L、硫酸イオン濃度が35g/Lとなるように各種金属を溶解した。このときのpHは2であった。その後、ORPを350mVに調整した。続いて、ガラス製のカラム(20mmφ)の中に貴金属、金属錯体吸着用のアクリル系キレート樹脂であるスミキレートMC800(住友ケムテックス株式会社製)を15mL入れた後、上記水溶液を常温にて流速75mL/hの速さで750mL(ベッド体積BV=50)通液した。
塩素濃度が170g/Lの塩化物水溶液を入れ、銅濃度が10.7g/L、鉄濃度が81.5g/L、銀濃度が24mg/L、硫酸イオン濃度が62g/Lとなるように各種金属を溶解した。このときのpHは2であった。その後、ORPを350mVに調整した。続いて、ガラスビーカーの中に上記水溶液50mLとともに椰子殻ベースの液相用活性炭クラレコールGW(クラレケミカル株式会社製)1gを入れ、常温にて60分マグネットスターラーで攪拌した。
Claims (4)
- 塩化物水溶液、臭化物水溶液又はヨウ化物水溶液から選択されるハロゲン化物水溶液から銀を回収する方法であって、
銀を含有する前記ハロゲン化物水溶液に、前記銀に対して3倍モル以上の鉄イオン及び前記銀に対して2倍モル以上の硫酸イオンを共存させる共存工程と、
前記共存工程の後、銀/ハロゲン化銀電極に対する酸化還元電位400mV以下に調整する酸化還元電位調整工程と、
前記酸化還元電位調整工程の後、pHを1〜6に調整し、沈殿物を回収するpH調整工程とを行い、
前記pH調整工程での前記ハロゲン化物水溶液の温度は40℃〜80℃である、方法。 - 塩化物水溶液、臭化物水溶液又はヨウ化物水溶液から選択されるハロゲン化物水溶液から銀を回収する方法であって、
銀を含有する前記ハロゲン化物水溶液に、前記銀に対して3倍モル以上の鉄イオン及び前記銀に対して2倍モル以上の硫酸イオンを共存させる共存工程と、
前記共存工程の後、銀/ハロゲン化銀電極に対する酸化還元電位400mV以下に調整する酸化還元電位調整工程と、
前記酸化還元電位調整工程の後、pHを1〜6に調整し、沈殿物を回収するpH調整工程とを行い、
前記pH調整工程において、鉄(III)イオンを鉄(II)イオンに還元する還元剤を前記ハロゲン化物水溶液の濃度が10ppm以上10,000ppm未満になるように添加する還元剤添加工程を併せて行う、方法。 - 塩化物水溶液、臭化物水溶液又はヨウ化物水溶液から選択されるハロゲン化物水溶液から銀を回収する方法であって、
銀を含有する前記ハロゲン化物水溶液に、前記銀に対して3倍モル以上の鉄イオン及び前記銀に対して2倍モル以上の硫酸イオンを共存させる共存工程と、
前記共存工程の後、前記ハロゲン化物水溶液に、前記銀に対して3倍モル以上の鉄イオン及び前記銀に対して2倍モル以上の硫酸イオンを共存させた状態で、銀/ハロゲン化銀電極に対する酸化還元電位350mV以上400mV以下に調整する酸化還元電位調整工程と、
前記酸化還元電位調整工程の後、pHを1〜6に調整し、沈殿物を回収するpH調整工程とを行う方法。 - 塩化物水溶液、臭化物水溶液又はヨウ化物水溶液から選択されるハロゲン化物水溶液から銀を回収する方法であって、
銀を含有する前記ハロゲン化物水溶液に、前記銀に対して3倍モル以上の鉄イオン及び前記銀に対して2倍モル以上の硫酸イオンを共存させる共存工程と、
前記共存工程の後、銀/ハロゲン化銀電極に対する酸化還元電位200mV以上400mV以下に調整してジャロサイトを生成する酸化還元電位調整工程と、
前記酸化還元電位調整工程の後、pHを1〜6に調整し、沈殿物を回収するpH調整工程とを行う方法。
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