以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図12は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の左右一側、例えば左側のヒンジ3を介して縦軸心廻りに開閉及び着脱自在に枢着された内枠4とを備えている。
内枠4には、その上部側に遊技盤5等が、下部側に発射手段6等が夫々配置されており、その内枠4の前側には、遊技盤5の前側を覆うガラス扉7と、そのガラス扉7の下側で発射手段6等の前側を覆う下部開閉扉8とがヒンジ3と同じ側のヒンジ9により開閉及び着脱自在に枢着されている。ガラス扉7には、遊技盤5の前面側に設けられた遊技領域15に対応するガラス窓10が設けられ、また下部開閉扉8には、払い出し手段(図示省略)から払い出された遊技球を貯留して発射手段6に供給する上皿11、その上皿11が満杯のときに余剰球を貯留する下皿12、発射手段6を作動させるために操作する発射ハンドル13等が設けられている。
遊技盤5には、発射手段6から発射された遊技球を案内するガイドレール14が環状に装着されると共に、そのガイドレール14の内側の遊技領域15に、センターケース16の他、普通図柄始動手段17、第1,第2特別図柄始動手段(図柄始動手段)18a,18b、大入賞手段(開閉入賞手段)19、普通入賞手段20等の遊技球検出手段を含む各種遊技部品が配置されている。
センターケース16は、例えば遊技盤5の裏側に固定される液晶式等の画像表示手段21に対応して遊技領域15内の略中央に配置されており、遊技盤5の前面側に沿って設けられ且つ固定ねじ等により遊技盤5に固定される前面装着板22と、画像表示手段21の表示画面21aを取り囲む表示枠部23とを一体に備えている。表示枠部23は、例えばその略全体が前面装着板22から前側に突出しており、その内側、即ち画像表示手段21側への遊技球の侵入を阻止するようになっている。即ち、発射手段6により遊技領域15の上部側に打ち込まれた遊技球は、この表示枠部23の上部側で左右に振り分けられ、センターケース16の左側の左流下経路(非特定流下経路)24aと右側の右流下経路(特定流下経路)24bとの何れかを流下する。
センターケース16の例えば表示枠部23上には、普通図柄表示手段31、第1,第2特別図柄表示手段(図柄表示手段)32a,32b、普通保留個数表示手段33等の表示手段の他、画像表示手段21の前側下部に、表示枠部23の例えば左側部に設けられた入球口34から入球した遊技球を左右方向に自由に転動させて左右方向中央の落下口35又はその左右両側から落下させるステージ36が設けられている。また画像表示手段21は、第1,第2演出図柄表示手段37a,37b、第1,第2特別保留個数表示手段38a,38b、発射誘導情報表示手段(発射誘導情報出力手段)39、発射警告情報表示手段(発射警告表示出力手段)40等を構成している。
普通図柄始動手段17は、普通図柄表示手段31による普通図柄の変動表示を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲート等により構成され、例えばセンターケース16の右側上部、即ち右流下経路24b上の上部側に配置されており、通過した遊技球を検出可能となっている。
普通図柄表示手段31は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、普通図柄始動手段17が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段17による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
また、普通図柄表示手段31の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段17が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段33がその発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
第1特別図柄始動手段18aは、第1特別図柄表示手段32aによる図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段等を有しない非作動式入賞手段により構成され、例えばセンターケース16の下側に配置されており、入賞した遊技球を検出可能となっている。なお、遊技領域15内の釘配置(図示省略)等により、この第1特別図柄始動手段18aへは左流下経路24aを流下してきた遊技球(センターケース16のステージ36を経た遊技球を含む)の入賞が可能であるのに対し、右流下経路24bを流下してきた遊技球については入賞不可能(又は入賞困難)となっている。
第2特別図柄始動手段18bは、第2特別図柄表示手段32bによる図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段41により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な作動式入賞手段により構成され、例えばセンターケース16の右側の右流下経路24b上で且つ普通図柄始動手段17よりも下流側に配置されており、入賞した遊技球を検出可能となっている。この第2特別図柄始動手段18bは、普通図柄表示手段31による普通図柄の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段41が所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するように構成されている。
第1,第2特別図柄表示手段(図柄表示手段)32a,32bは、夫々1個又は複数個、例えば各1個の特別図柄(遊技図柄)を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第1特別図柄表示手段32aは第1特別図柄始動手段18aが遊技球を検出することを条件に、また第2特別図柄表示手段32bは第2特別図柄始動手段18bが遊技球を検出することを条件に、夫々第1,第2特別図柄を所定時間変動表示して、それら第1,第2特別図柄始動手段18a,18bへの入賞時に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様で、それ以外の場合には外れ態様で夫々停止するようになっている。
第1,第2特別図柄は、例えば数字図柄等ではなく、それ自体としては特別な意味を持たない線と点の組み合わせ等よりなる複数種類の図柄で構成され、それらの図柄のうちの1又は複数が大当たり態様、それ以外が外れ態様に設定されている。
また、第1,第2特別図柄の変動表示中、又は後述する大当たり状態中に第1,第2特別図柄始動手段18a,18bが遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された大当たり判定乱数値等が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、第1,第2特別保留個数表示手段38a,38bが夫々大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、第1,第2特別保留個数)を表示して、その時点での第1,第2特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
なお本実施形態では、大当たり状態中には第1,第2特別図柄表示手段32a,32bの図柄変動を開始しない他、第1,第2特別図柄表示手段32a,32bの何れか一方の図柄変動中には他方の図柄変動を開始せず、両方が同時に変動中となることはないように制御される。更に、第1,第2特別保留個数が共に1以上である場合には、第1特別図柄表示手段32aの図柄変動よりも第2特別図柄表示手段32bの図柄変動を優先して行うように構成されている。
第1,第2演出図柄表示手段37a,37bは、例えば第1,第2特別図柄表示手段32a,32bによる第1,第2特別図柄の変動表示と時間的に同調して第1,第2演出図柄を変動表示するもので、夫々1個又は複数個、例えば左右方向に3個の第1,第2演出図柄を例えば各種の演出画像と共に画像表示手段21の表示画面21aに変動表示可能に構成されており、第1演出図柄表示手段37aは第1特別図柄始動手段18aが遊技球を検出することを条件に、また第2演出図柄表示手段37bは第2特別図柄始動手段18bが遊技球を検出することを条件に、夫々第1,第2特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って第1,第2演出図柄の変動を開始すると共に、第1,第2特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、第1,第2演出図柄を左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
なお、上述したように第1,第2特別図柄表示手段32a,32bは同時に変動することはないため、表示画面21a上で第1,第2演出図柄表示手段37a,37bが同時に図柄変動表示を行うことはない。また第1,第2演出図柄表示手段37a,37bは、第1,第2特別図柄の変動内容とは直接関係のない演出を行う場合があってもよい。
第1,第2演出図柄には、例えば「0」〜「9」の10種類の数字図柄が用いられ、
「6・6・6」「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが外れ態様となっている。また、第1,第2演出図柄表示手段37a,37bによる第1,第2演出図柄の変動後の停止図柄は、第1,第2特別図柄表示手段32a,32bによる第1,第2特別図柄が大当たり態様で停止する場合には大当たり態様となり、第1,第2特別図柄が外れ態様で停止する場合には任意の外れ態様となる。
また、第1,第2演出図柄の変動パターンには、リーチ状態を経て大当たり態様となる複数種類のリーチ大当たり変動パターン(例えばノーマルリーチ大当たり変動パターン、スーパーリーチ大当たり変動パターン等)と、リーチ状態を経て外れ態様となる複数種類のリーチ外れ変動パターン(例えばノーマルリーチ外れ変動パターン、スーパーリーチ外れ変動パターン等)と、リーチ状態を経ることなく外れ態様となる1又は複数種類のリーチなし外れ変動パターンとが設けられている。
第1,第2特別保留個数表示手段38a,38bは、第1,第2特別保留個数分の第1,第2シンボルX,Yの表示個数により第1,第2特別保留個数を表示するもので、同一の表示画面21a上の所定部分、例えば下部側に、第1,第2保留個数分の第1,第2シンボルX,Yを互いに上下に対応させて表示するようになっている。
発射誘導情報表示手段(発射誘導情報出力手段)39は、左流下経路(非特定流下経路)24aを狙って発射する「左打ち」の方が遊技者に有利な左打ち期間(非特定期間)中であるか、右流下経路(特定流下経路)24bを狙って発射する「右打ち」の方が遊技者に有利な右打ち期間(特定期間)中であるかに関する発射誘導情報を表示するもので、左打ち期間中には「←左へ」等の左打ち誘導情報を、右打ち期間中には「右へ→」等の右打ち誘導情報を画像表示手段21上に表示するように構成されており、例えば遊技状態が変化した場合に所定期間作動するようになっている。
発射警告情報表示手段(発射警告表示出力手段)40(図2,図12)は、遊技者が狙うべき流下経路と反対側の流下経路に遊技球が打ち込まれた場合に発射警告情報を表示するもので、例えば左打ち期間中に右流下経路24b上の普通図柄始動手段(特定検出手段)17等が検出した遊技球の個数が所定個数(例えば3個)以上となった場合に「←左を狙え!」等の右打ち警告情報を、右打ち期間中に左流下経路24a上の普通入賞手段20等が検出した遊技球の個数が所定個数(例えば3個)以上となった場合に「右を狙え!→」等の左打ち警告情報を画像表示手段21上に表示するように構成されている。
大入賞手段19は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板42を備えた開閉入賞手段で、例えばセンターケース16の右側の右流下経路
(特定流下経路)24b上で且つ第2特別図柄始動手段18bよりも下流側に配置されており、第1,第2特別図柄表示手段32a,32bの変動後の第1,第2特別図柄が大当たり態様となることに基づいて発生する大当たり状態中に、開閉板42が複数種類の開放パターンの何れかに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させると共に、その入賞した遊技球を検出するようになっている。
図2は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図2において、51は主制御基板、52は演出制御基板で、これら各制御基板51,52は、遊技盤5に装着されたセンターケース16、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、内枠4及び遊技盤5を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
主制御基板51は、主に遊技盤5側の遊技動作に関わる制御を行うためのもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段61、普通始動口チェック処理手段62、普通乱数記憶手段63、普通図柄処理手段64、普通利益状態発生手段65、普通図柄表示制御手段66、第1,第2特別乱数作成処理手段71a,71b、第1,第2特別始動口チェック処理手段72a,72b、第1,第2特別乱数記憶手段(乱数記憶手段)73a,73b、第1,第2特別図柄処理手段74a,74b、大当たり状態発生手段75、第1,第2特別図柄表示制御手段76a,76b、特別遊技状態発生手段77、事前判定手段78、制御コマンド送信手段79等を備えている。
普通乱数作成処理手段61は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段62は、普通図柄始動手段17による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段17が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段61で作成された当たり判定乱数値を1個取得し、その当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として普通乱数記憶手段63に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段64は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段63に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段63に最も早く記憶された当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行う当たり判定機能、当たり/外れの判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択する普通停止図柄選択機能、普通図柄の変動時間を選択する変動時間選択機能等を備えている。
なお本実施形態では、図3に示すように、後述する特別遊技状態中(時短状態中及び確変状態中)の当たり確率(例えば1/1.3)がそれ以外の通常遊技状態中の当たり確率(例えば1/10)よりも高く設定され、また特別遊技状態中における変動時間(例えば2.7秒)が通常遊技状態中における変動時間(例えば27秒)よりも短くなるように設定されている。
普通利益状態発生手段65は、普通図柄処理手段64による判定結果が当たり判定となり、普通図柄表示手段31の変動後の停止図柄が当たり態様となったときに、第2特別図柄始動手段18bの開閉手段41を複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させるようになっている。本実施形態では、図3に示すように、通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)と、この通常開閉パターンよりも開放時間及び/又は開放回数が大となるように設定された延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)の2種類の開閉パターンが設定されており、通常遊技状態中は通常開閉パターンが、特別遊技状態中は延長開閉パターンが選択されるようになっている。
普通図柄表示制御手段66は、普通図柄処理手段64による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段31の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段63に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段31による普通図柄の変動を開始させ、普通図柄処理手段64で選択された変動時間が経過することに基づいて、同じく普通図柄処理手段64で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
第1,第2特別乱数作成処理手段71a,71bは、変動後の第1,第2特別図柄を大当たり態様とするか否かの判定に用いる大当たり判定乱数の他、変動後の特別図柄が大当たり態様となる場合の停止図柄、大入賞手段19の開放パターン等の選択に用いる大当たり図柄乱数(開放パターン選択乱数)、特別図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン選択乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
第1,第2特別始動口チェック処理手段72a,72bは、第1,第2特別図柄始動手段18a,18bへの遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、第1,第2特別図柄始動手段18a,18bに遊技球が入賞し、第1,第2特別図柄始動手段18a,18bがその入賞球を検出することに基づいて、第1,第2特別乱数作成処理手段71a,71bで作成された大当たり判定乱数値(判定乱数値)、大当たり図柄乱数値を1個ずつ取得し、それら大当たり判定乱数値及び大当たり図柄乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として第1,第2特別乱数記憶手段73a,73bに記憶させるように構成されている。
第1,第2特別図柄処理手段74a,74bは、第1,第2特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、第1,第2特別図柄表示手段32a,32bが変動表示可能な状態となり且つ第1,第2特別乱数記憶手段73a,73bに1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること(第1,第2特別保留個数が1以上であること)を条件に、第1,第2特別乱数記憶手段73a,73bに最も早く記憶された大当たり判定乱数値(判定乱数値)を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値(判定値)と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定を行う大当たり判定機能、大当たり/外れの判定結果と、第1,第2特別乱数記憶手段73a,73bに大当たり判定乱数値と共に記憶されている大当たり図柄乱数値とに基づいて、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄を選択する特別停止図柄選択機能、大当たり/外れの判定結果に基づいて、第1,第2特別図柄の変動パターンとして複数種類の特別図柄変動パターンの中から1つを選択する第1,第2変動パターン選択機能等を備えている。
本実施形態では、図4に示すように、大当たり判定値として、後述する確変状態中以外の通常確率状態中には例えば0〜349までの大当たり判定乱数値のうちの「7」が、確変状態中にはその「7」に加えて「17」,「27」等の複数個(例えば合計10個)が設定されている。
また、例えば大当たり状態中には第1,第2特別図柄表示手段32a,32bの図柄変動を開始しない他、第1,第2特別図柄表示手段32a,32bの何れか一方の図柄変動中には他方の図柄変動を開始せず、両方が同時に変動中となることはないように制御され、且つ第1,第2特別保留個数が共に1以上である場合には、第1特別図柄表示手段32aの図柄変動よりも第2特別図柄表示手段32bの図柄変動を優先するように制御される。
大当たり状態発生手段(利益状態発生手段)75は、遊技者に有利な大当たり状態(利益状態)を発生させるためのもので、第1,第2特別図柄処理手段74a,74bによる大当たり/外れの判定結果が大当たり判定となり、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様(所定態様)となることに基づいて、大入賞手段19を所定の開放パターンに従って開放する大当たり状態を発生させるように構成されている。大当たり状態における大入賞手段19の開放パターンは例えば複数種類用意されており、大当たり状態毎にそれらのうちの1つが選択されるようになっている。
本実施形態では、図4に示すように大入賞手段19の開放パターンとしてα,βの2種類が設けられており、大当たり状態発生手段75は、例えば大当たり図柄乱数値に応じて開放パターンα,βの何れかを選択するように構成されている。開放パターンαは、大入賞手段19を0.2秒開放する動作を2ラウンド行うように設定されている。この開放パターンα(遊技球が入賞困難な短時間だけ大入賞手段19を開放する短時間開放パターンの一例)は、1回の開放時間が0.2秒と僅かでしかもラウンド数も2ラウンドと少ないため、その開放中に遊技球が入賞する可能性は極めて小さい。
一方の開放パターンβ(通常開放パターンの一例)は、大入賞手段19を、開放してから所定時間(例えば28秒)経過するかそれまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に閉鎖する動作を、所定ラウンド数(例えば15ラウンド)行うように設定されている。この開放パターンβの場合、大入賞手段19への1個の入賞に対する賞球を15個とすると、遊技者が普通に発射動作を続けるだけで殆どの場合に9×15×15=2025個の出球が期待でき、開放パターンαに比べて遊技者が得られる直接的な利益は格段に大きくなっている。
また本実施形態では、図4に示すように、開放パターンβが選択される確率は第2特別図柄側の方が第1特別図柄側よりも高い値に設定されている。なお以下の説明では、開放パターンαによる大当たり状態を「2R大当たり状態」、開放パターンβによる大当たり状態を「15R大当たり状態」という。
第1,第2特別図柄表示制御手段76a,76bは、第1,第2特別図柄表示手段32a,32bの表示制御を行うもので、第1特別図柄処理手段74a又は第2特別図柄処理手段74bによる特別図柄処理に基づいて、第1特別図柄表示手段32a又は第2特別図柄表示手段32bによる第1,第2特別図柄の変動を開始させると共に所定の第1,第2変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて所定の停止図柄で第1,第2特別図柄の変動を停止させるようになっている。
特別遊技状態発生手段77は、大当たり状態の発生後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、例えば第1,第2特別乱数記憶手段73a,73bに記憶された大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致した場合の大当たり図柄乱数値に応じて、時短状態と確変状態との何れかの特別遊技状態を発生させるように構成されている。なお本実施形態では、図4に示すように、第1,第2特別図柄表示手段32a,32b共に、大当たり図柄乱数値が0〜4の場合に時短状態が、5〜9の場合に確変状態が夫々発生するように構成されている。このように、本実施形態では特別遊技状態(確変状態と時短状態)の振り分け確率については第1特別図柄側と第2特別図柄側とで同一であるのに対し、大当たり状態で開放パターンβが選択される確率は第2特別図柄側の方が第1特別図柄側よりも高くなっており、第1特別図柄側で大当たりとなるよりも第2特別図柄側で大当たりとなる方が遊技者にとって有利な設定となっている。
時短状態中は、第1,第2特別図柄に関して、第1,第2特別図柄表示手段32a,32bの変動時間が夫々通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、図3に示すように当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、第2特別図柄始動手段18bの開閉手段41の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、時短状態は例えばその開始後に第1,第2特別図柄が所定回数(例えば50回)変動した時点で終了するようになっている。
確変状態中は、それ以外の通常確率状態中よりも大当たり判定値の数が例えば1個から10個へ増加されることにより、第1,第2特別図柄が大当たり態様となる確率が通常確率(例えば1/350)よりも高い高確率(例えば1/35)に切り換えられるようになっている。また、確変状態中は、原則として時短状態と同様の処理も併せて行われるが、特別遊技状態中以外の通常遊技状態中に2R大当たり状態が発生した場合には、その終了後に発生する確変状態については時短状態と同様の処理は行われない(いわゆる潜伏確変状態)ようになっている。なお、確変状態は例えば次の大当たり状態が発生した時点で終了する。
事前判定手段78は、第1,第2特別図柄始動手段18a,18bが遊技球を検出したときに取得される大当たり判定乱数値及び大当たり図柄乱数値の内容を、第1,第2特別図柄処理手段による判定よりも前の所定時点、例えばそれらの乱数値を取得した時点で事前に判定するもので、その大当たり判定乱数値が、確変状態中の大当たり判定値にのみ一致するもの(以下、「確変時大当たり保留記憶」という)、通常確率状態中の大当たり判定値と一致するもの(以下、「通常確率時大当たり保留記憶」という)、大当たり判定値とは一致しないもの(以下、「外れ保留記憶」という)の何れであるかを判定し、また
「確変時大当たり保留記憶」と「通常確率時大当たり保留記憶」との何れかであると判定された場合には、大当たり図柄乱数値に基づいて大当たり状態中の開放パターンの種類、即ち開放パターンα,βの何れであるかを判定するようになっている。
制御コマンド送信手段79は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板52等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、第1,第2特別図柄処理手段74a,74bによる第1,第2特別図柄処理に基づいて、第1,第2演出図柄の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、第1,第2演出図柄の停止図柄を指定する停止図柄指定コマンド、第1,第2演出図柄の変動停止を指定する変動停止指定コマンド等を演出制御基板52側に送信する機能、第1,第2特別保留個数を指定する第1,第2特別保留個数指定コマンドを演出制御基板52側に送信する機能、事前判定手段78による判定結果に基づいて、第1,第2特別保留個数を指定する第1,第2特別保留個数指定コマンドを演出制御基板52側に送信する機能、遊技状態が変化する際に遊技状態コマンドを演出制御基板52側に送信する機能、普通図柄始動手段(特定検出手段)17、普通入賞手段20等の遊技球検出手段が遊技球を検出することに基づいてそれら遊技球検出手段に対応する遊技球検出コマンドを演出制御基板52側に送信する機能等を備えている。
ここで、第1,第2特別保留個数指定コマンドは、例えば図5に示すように、保留1から保留4までの4つの保留記憶に対応する4種類のコマンドが、外れ保留記憶、通常確率時大当たり保留記憶−開放パターンα、通常確率時大当たり保留記憶−開放パターンβ、確変時大当たり保留記憶−開放パターンα、確変時大当たり保留記憶−開放パターンβの5種類に対応して5組設けられている。
また遊技状態コマンドは、例えば図6に示すように、大当たり状態の開始前に開放パターンの種類に応じて2R大当たり開始前演出コマンドと15R大当たり開始前演出コマンドとの何れかが、15R大当たり状態の開始時に15R大当たり開始コマンドが、大当たり状態の終了時にその後に発生する特別遊技状態の種類に応じて潜伏確変開始コマンド、確変開始コマンド、時短開始コマンドの何れかが、時短状態の終了時に時短終了コマンドが、夫々送信されるようになっている。
演出制御基板52は、第1,第2演出図柄表示手段37a,37b、第1,第2特別保留個数表示手段38a,38b、発射誘導情報表示手段39、音声出力手段81、ランプ手段82等の各種演出手段を制御するためのもので、特別保留個数表示制御手段83、演出図柄表示制御手段84、発射誘導情報制御手段85、発射警告情報制御手段86等を備えている。
特別保留個数表示制御手段83は、第1,第2特別保留個数表示手段38a,38bの表示制御を行うもので、主制御基板51から送信される第1,第2特別保留個数指定コマンド(図5)に基づいて、画像表示手段21の表示画面21a上の所定位置に第1,第2特別保留個数分の第1,第2シンボルX,Yを表示するようになっている。
演出図柄表示制御手段84は、第1,第2演出図柄表示手段37a,37bの表示制御及びそれに伴う音声出力手段81、ランプ手段82等の制御を行うもので、主制御基板51側から変動パターン指定コマンドを受信した場合に、その変動パターン指定コマンドに対応する変動パターンに基づいて画像表示手段21の表示画面21a上で第1演出図柄又は第2演出図柄の変動を開始させると共に、変動停止指定コマンドを受信したときに、停止図柄指定コマンドに基づいて選択された停止図柄態様で第1演出図柄又は第2演出図柄の変動を停止させ、またその第1,第2演出図柄の変動表示に合わせて音声出力手段81から所定の効果音を出力し、またランプ手段82を所定のパターンで発光させるようになっている。
発射誘導情報制御手段85は、発射誘導情報の出力制御を行うもので、図7に示す発射誘導情報制御処理を例えば定期割り込み毎に実行することにより、変化後の遊技状態に応じて左打ち誘導情報又は右打ち誘導情報の何れかを出力させるように構成されている。この発射誘導情報制御手段85による発射誘導情報制御処理(図7)では、遊技状態コマンド(図6)を受信したか否かが判定され、遊技状態コマンドを受信したと判定された場合には(S1:No)、図8に示す発射誘導情報出力開始処理が実行される(S2)。
この発射誘導情報出力開始処理(図8)では、まず受信した遊技状態コマンドの種類が判定される(S11〜S14)。そして、受信した遊技状態コマンドが15R大当たり開始コマンドであれば(S11:Yes)、右打ち期間中フラグが、右打ち期間中であることを示すONに設定される(S15)と共に、図11及び図12(a)に示すように、発射誘導情報表示手段39、即ち画像表示手段21の表示画面21a上に「右へ→」等の右打ち誘導情報の表示が開始され(S16)、また発射誘導情報出力中フラグがONに切り換えられ(S17)、発射誘導情報出力開始処理は終了する。15R大当たり開始コマンドが送信されると、その後に15R大当たり状態が開始され、右流下経路24b上にある大入賞手段19が開放されるため、遊技者は右流下経路24b側を狙って「右打ち」を行う方が有利(右打ち期間)となる。
なお、特別遊技状態中(潜伏確変状態を除く)は、右流下経路24b上にある第2特別図柄始動手段18bの開閉パターンが延長開閉パターンとなるため(図3)、遊技者にとって「右打ち」が有利な右打ち期間であり、この特別遊技状態中に大当たり状態が開始しても「右打ち」が有利な状態は変わらない。従って、15R大当たり開始コマンドを受信した場合(S11:Yes)であっても、それが特別遊技状態中(潜伏確変状態を除く)である場合、即ち右打ち期間中である場合には、右打ち誘導情報の表示を開始しないように制御してもよい。
また、受信した遊技状態コマンドが確変開始コマンドと時短開始コマンドとの何れかであった場合は(S12:Yes)、図11及び図12(c)に示すように、発射誘導情報表示手段39により、画像表示手段21の表示画面21a上で例えば変動表示中の第1,第2演出図柄表示手段37a,37bの前側に重なるように「右へ→」等の右打ち誘導情報の表示が開始され(S16)、発射誘導情報出力中フラグがONに切り換えられる(S17)。確変開始コマンド又は時短開始コマンドが送信されると、その後に確変状態(潜伏確変状態を除く)又は時短状態が開始され、右流下経路24b上にある第2特別図柄始動手段18bの開閉パターンが延長開閉パターンとなるため(図3)、遊技者は右流下経路24b側を狙って「右打ち」を行う方が有利(右打ち期間)となる。
なお、この確変/時短状態の開始前の大当たり状態中は「右打ち」が有利な右打ち期間であるため、確変/時短状態が開始しても「右打ち」が有利な状態は変わらない。従って、確変開始コマンドと時短開始コマンドとの何れかを受信した場合(S12:Yes)は右打ち誘導情報の表示を開始しないように制御してもよい。また、右打ち期間である大当たり状態と、同じく右打ち期間である確変/時短状態との間の大当たりエンディング期間中は、厳密には左打ち期間であるが、この期間は僅かであって必ずしも右打ちから左打ちに切り換えることが遊技者に有利になるとも言えないため、本実施形態では便宜上この期間もその前後と同じ右打ち期間とみなして制御する。従って、大当たり状態の終了時、及び確変/時短開始コマンドの受信時(S12:Yes)の何れの時点でも右打ち期間中フラグは変更していない。
また、受信した遊技状態コマンドが時短終了コマンドであれば(S13:Yes)、右打ち期間中フラグが左打ち期間中であることを示すOFFに設定され(S18)、また発射誘導情報の出力抑制中であるか否かを示す発射誘導情報抑制フラグがOFFに設定される(S19)と共に、第1,第2特別図柄の保留記憶中に通常確率時大当たりに対応するものが存在しないこと(S20:No)、また通常確率時大当たりに対応するものが存在してもそれが開放パターンαに対応するものであること(S21:Yes)を条件に、図11及び図12(e)に示すように、発射誘導情報表示手段39により、画像表示手段21の表示画面21a上で例えば変動表示中の第1,第2演出図柄表示手段37a,37bの前側に重なるように「←左へ」等の左打ち誘導情報の表示が開始され(S22)、発射誘導情報出力中フラグがONに切り換えられる(S17)。なお、保留記憶中に通常確率時大当たり、開放パターンα等に対応するものがあるか否かについては、主制御基板51から送信される第1,第2特別保留個数指定コマンドに基づいて判断できる。
時短終了コマンドが送信されると、それまでの時短状態が終了して通常遊技状態となり、右流下経路24b上にある第2特別図柄始動手段18bの開閉パターンが延長開閉パターンから通常開閉パターンに切り換わって入賞の可能性が極めて低くなるため(図3)、第1特別図柄始動手段18aを狙って「左打ち」を行う方が遊技者にとって有利(左打ち期間)となる。
また、受信した遊技状態コマンドが潜伏確変開始コマンドであった場合(S14:Yes)も同様に、右打ち期間中フラグが左打ち期間中であることを示すOFFに設定され
(S18)、また発射誘導情報の出力抑制中であるか否かを示す発射誘導情報抑制フラグがOFFに設定される(S19)と共に、第1,第2特別図柄の保留記憶中に通常確率時大当たりに対応するものが存在しないこと(S20:No)、また通常確率時大当たりに対応するものが存在してもそれが開放パターンαに対応するものであること(S21:Yes)を条件に、図12(e)に示すように発射誘導情報表示手段39に「←左へ」等の左打ち誘導情報の表示が開始され(S22)、発射誘導情報出力中フラグがONに切り換えられる(S17)。なお本実施形態の場合には、潜伏確変状態が開始されるのは通常遊技状態中に開始された2R大当たり状態の終了後であり(図4)、この2R大当たり状態では「右打ち」をしても入賞が殆ど期待できないことに鑑みれば、その前の通常遊技状態から「左打ち」が有利な状態は変わらないため、潜伏確変開始コマンドを受信した場合には左打ち誘導情報の表示を開始しないように制御してもよい。
受信した遊技状態コマンドが時短終了コマンド又は潜伏確変開始コマンドであった場合で、第1,第2特別図柄の保留記憶中に通常確率時大当たりに対応するものが存在し(S20:Yes)、且つその保留記憶が開放パターンαに対応するものでない場合には(S21:No)、発射誘導情報抑制フラグがONに設定され(S23)、左打ち誘導情報の表示が開始されることなく発射誘導情報出力開始処理は終了する。
このように、時短終了コマンド又は潜伏確変開始コマンドを受信した場合、即ち右打ち期間が終了して左打ち期間(非特定期間)が開始された場合であっても、その時点の保留記憶中に通常確率時大当たりに対応するものが存在する場合には、その左打ち期間は短期間で終了して再度右打ち期間(大当たり状態)が開始されることが明らかであるため、原則として左打ち誘導情報の出力は行わないようになっている。但し、保留記憶中に通常確率時大当たりに対応するものが存在する場合であっても、その保留記憶が開放パターンαに対応するものである場合には、その大当たり状態は極めて短く、右打ちをしても入賞は望めないため、通常通り左打ち誘導情報の出力が行われる。
なお本実施形態では、第1,第2特別保留個数が共に1以上である場合には、第1特別図柄表示手段32aの図柄変動よりも第2特別図柄表示手段32bの図柄変動を優先して行うように構成されているため、第1特別図柄側の保留記憶と第2特別図柄側の保留記憶とが記憶された順序で消化されていくとは限らず、従って各保留記憶の消化時(図柄変動開始時)に確変状態であるか否かが流動的であるから、確変時大当たりの保留記憶については実際の図柄変動時には大当たりとならない可能性がある。従って、本実施形態では、通常確率時大当たりに対応する保留記憶と確変時大当たりに対応する保留記憶とのうち、大当たりとなることが保証されている通常確率時大当たりに対応する保留記憶が存在することを条件に、左打ち期間(非特定期間)が開始された場合に左打ち誘導情報の出力を行わないようにしたが、例えば通常確率時大当たりに対応する保留記憶と確変時大当たりに対応する保留記憶との何れかに対応する保留記憶が存在することを条件に、左打ち期間
(非特定期間)が開始された場合に左打ち誘導情報の出力を行わないようにしてもよい。
また、図7の発射誘導情報制御処理において、発射誘導情報出力中フラグがONであると判定された場合には(S3:Yes)、図9に示す発射誘導情報出力終了処理が実行される(S4)。この発射誘導情報出力終了処理(図9)では、まず予め定められた発射誘導情報の出力終了時期が到来したか否かが判定される(S31)。ここで、発射誘導情報の出力終了時期は任意に設定することができ、例えば出力開始から所定時間経過時点としてもよいし、遊技者に有利な発射位置が変化した時点としてもよい。
発射誘導情報の出力終了時期が到来したと判定された場合には(S31:Yes)、その時点で発射誘導情報表示手段39、即ち画像表示手段21の表示画面21a上への発射誘導情報の表示が停止され(S32)、発射誘導情報出力中フラグがOFFに切り換えられ、発射誘導情報出力終了処理は終了する。
発射警告情報制御手段86は、発射警告情報の出力制御を行うもので、図10に示す発射警告情報制御処理を例えば定期割り込み毎に実行することにより、左打ち期間中であるにも拘わらず右流下経路24b側に所定個数の遊技球が打ち込まれ、右打ち期間中であるにも拘わらず左流下経路24a側に所定個数の遊技球が打ち込まれた場合に発射警告情報を出力させるように構成されている。
この発射警告情報制御手段86による発射警告情報制御処理(図10)では、まず右打ち期間中フラグの値の変化状態が判定される(S41〜S43)。そして、右打ち期間中フラグがOFFからONに変化したと判定された場合(S41:Yes)、即ち右打ち期間が開始された場合には左打ちカウンタの値がクリアされ(S44)、右打ち期間中フラグがONからOFFに変化したと判定された場合(S42:Yes)、即ち左打ち期間が開始された場合には右打ちカウンタの値がクリアされ(S45)、発射警告情報制御処理は終了する。
一方、右打ち期間中フラグがONのまま変化なしと判定された場合(S43:Yes)、即ち右打ち期間が継続中の場合には、発射誘導情報出力中フラグがONであるか否かが判定され(S46)、発射誘導情報出力中フラグがONであれば(S46:Yes)、即ち発射誘導情報の出力中であればその時点で発射警告情報制御処理は終了する。発射誘導情報出力中フラグがONでなければ(S46:No)、即ち発射誘導情報の出力が既に終了している場合には、左流下経路24a上に存在する所定の遊技球検出手段、例えば普通入賞手段20が遊技球を検出したか否かが判定され(S47)、検出したと判定された場合(S47:Yes)には左打ちカウンタに1が加算される(S48)。なお、普通入賞手段20が遊技球を検出したか否かについては、主制御基板51から送信される普通入賞手段20に関する遊技球検出コマンドに基づいて判断される。
そして、加算後の左打ちカウンタの値が所定個数N(例えば3個)以上であれば(S49:Yes)、図12(d)に示すように発射警告情報表示手段40、即ち画像表示手段21の表示画面21a上に「右を狙え!→」等の左打ち警告情報が所定期間表示され(S50)、左打ちカウンタの値がクリアされて(S51)、発射警告情報出力開始処理は終了する。
また、右打ち期間中フラグがOFFのまま変化なしと判定された場合(S43:No)、即ち左打ち期間が継続中の場合には、発射誘導情報抑制フラグがONであるか否かが判定される(S52)。そして、発射誘導情報抑制フラグがONでないと判定された場合
(S52:No)、即ち発射誘導情報表示手段39がこの左打ち期間における左打ち誘導情報の表示を回避しなかった場合には、発射誘導情報出力中フラグがONであるか否かが判定され(S53)、発射誘導情報出力中フラグがONであれば(S53:Yes)、即ち発射誘導情報の出力中であればその時点で発射警告情報制御処理は終了する。
発射誘導情報出力中フラグがONでなければ(S53:No)、即ち発射誘導情報の出力が既に終了している場合には、右流下経路24b上に存在する所定の遊技球検出手段、例えば普通図柄始動手段(特定検出手段)17が遊技球を検出したか否かが判定され(S54)、検出したと判定された場合(S54:Yes)には右打ちカウンタに1が加算される(S55)。そして、加算後の右打ちカウンタの値が所定個数N(例えば3個)以上であれば(S56:Yes)、図12(f)に示すように発射警告情報表示手段40、即ち画像表示手段21の表示画面21a上に「←左を狙え!」等の右打ち警告情報が所定期間表示され(S57)、右打ちカウンタの値がクリアされて(S58)、発射警告情報出力開始処理は終了する。なお、普通図柄始動手段17が遊技球を検出したか否かについては、主制御基板51から送信される普通図柄始動手段17に関する遊技球検出コマンドに基づいて判断される。
一方、S52において発射誘導情報抑制フラグがONであると判定された場合(S52:Yes)、即ち発射誘導情報表示手段39がこの左打ち期間における左打ち誘導情報の表示を回避した場合には、S53以下の処理をスキップして発射警告情報出力開始処理を終了するため、その左打ち期間中に右流下経路24b側に遊技球が打ち込まれても右打ち警告情報が出力されることはない。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、第1,第2特別乱数記憶手段73a,73bに記憶されている大当たり判定乱数値の中に大当たり判定値と一致するものが含まれていることを条件に、発射誘導情報表示手段39による左打ち期間(非特定期間)に関する発射誘導情報の出力を行わないように構成しているため、遊技者を左打ちに誘ったにも拘わらず短期間で右打ち期間に戻ってしまい、逆に遊技者の利益を損ねてしまうような事態を防止できる。
また、発射誘導情報表示手段39による左打ち期間(非特定期間)に関する発射誘導情報の出力を行わないのは、第1,第2特別乱数記憶手段73a,73bに記憶されている大当たり判定乱数値の中に大当たり判定値と一致するものが含まれており、且つその大当たり判定値に対応する開放パターン選択乱数値が開放パターンβ(通常開放パターン)に対応するものである場合であって、大当たり判定値に対応する開放パターン選択乱数値が開放パターンα(短時間開放パターン)に対応するものである場合には左打ち期間(非特定期間)に関する発射誘導情報の出力を行うようになっているため、入賞の望めない2R大当たり状態に惑わされることなく左打ちに誘うことで遊技者の利益を確保できる。
更に、左打ち期間(非特定期間)に関する発射誘導情報の出力を行わない場合には、その左打ち期間中は発射警告情報表示手段40による発射警告情報の出力も行わないように構成しているため、発射誘導情報を抑制しているにも拘わらず発射警告情報によって遊技者の利益を損ねてしまう事態を防止できる。
図13は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、第1,第2特別乱数記憶手段73a,73bに記憶されている一又は複数の大当たり判定乱数値のうち、図柄変動に供される順位の早い方から上限個数未満の所定個数分の中に大当たり判定値と一致するものが含まれていることを条件に、非特定期間に関する発射誘導情報の出力を行わないように構成した例を示している。
図13に示すように、本実施形態の発射誘導情報出力開始処理では、受信した遊技状態コマンドが時短終了コマンドと潜伏確変開始コマンドとの何れかであった場合(S13又はS14:Yes)に、第1,第2特別図柄の保留記憶中に通常確率時大当たりに対応するものが存在しないこと(S20:No)、また通常確率時大当たりに対応するものが存在してもそれが開放パターンαに対応するものであること(S21:Yes)に加えて、その通常確率時大当たりに対応する保留記憶が保留1,2の何れか、即ち図柄変動に供される順位の早い方から2番目まででないこと(S21a:No)を条件に、左打ち誘導情報の出力開始処理(S22)を実行し、第1,第2特別図柄の保留記憶中に通常確率時大当たりに対応するものが存在し(S20:Yes)、その保留記憶が開放パターンβ(通常開放パターン)に対応するものであり(S21:No)、更にその保留記憶が保留1,2の何れか、即ち図柄変動に供される順位の早い方から2番目までに含まれている場合には(S21a:Yes)、左打ち誘導情報の出力は開始されない。
このように、通常確率時大当たりに対応する保留記憶が、図柄変動に供される順位の早い方から上限個数(ここでは4個)未満の所定個数(ここでは2個)分の中に含まれていることを条件に左打ち期間(非特定期間)に関する発射誘導情報の出力を行わないように構成することで、発射誘導情報の出力の抑制を、より短期間で右打ち期間(特定期間)に戻ってしまう場合、即ち発射誘導情報を出力することが遊技者の不利益になる蓋然性が極めて高い場合に限定することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では大入賞手段(開閉入賞手段)19を遊技領域15の左右方向中央よりも右側に配置した例を示したが、遊技領域15の左右方向中央、或いはそれよりも左側に配置した場合であっても、釘配置等により、右流下経路(特定流下経路)24bを流下した遊技球の方が左流下経路24aを流下した遊技球に比べて入賞確率が高い場合には、その配置位置は右流下経路24b上であると言える。
実施形態では、普通図柄始動手段17を、右流下経路(特定流下経路)24bを流下する遊技球を検出する特定検出手段としたが、特定検出手段は右流下経路24b上の検出手段であればよく、また1つであっても複数であってもよい。また、右流下経路24bの上流側に、普通図柄始動手段17等とは別の専用の特定検出手段を配置してもよい。この専用の特定検出手段は、右流下経路24b側に振り分けられた全ての遊技球を検出可能とすることが望ましい。同様に、非特定流下経路である左流下経路24aを流下する遊技球を検出する非特定検出手段についても、普通入賞手段20に限らず左流下経路24a上の検出手段であればよく、また1つであっても複数であってもよい。また、左流下経路24aの上流側に、普通入賞手段20等とは別の専用の非特定検出手段を配置してもよい。
第2の実施形態のように、乱数記憶手段に記憶されている一又は複数の大当たり判定乱数値のうち、図柄変動に供される順位の早い方から上限個数未満の所定個数分の中に大当たり判定値と一致するものが含まれていることを条件に非特定期間に関する発射誘導情報の出力を行わないように構成する場合、所定個数は上限個数未満であれば例えば1個でもよい。
また、各保留記憶について大当たりか否かと併せて図柄変動時間を事前に判定するように構成すれば、その大当たり状態の発生までに要する時間が所定時間以下であることを条件に非特定期間に関する発射誘導情報の出力を行わないように構成することも可能である。
実施形態では、画像表示手段21に発射誘導情報を画像により表示する発射誘導情報出力手段の例を示したが、発射誘導情報出力手段は音声やランプ等により発射誘導情報を出力するものであってもよいし、それらを組み合わせた複合的手段により発射誘導情報を出力するものであってもよい。発射警告情報出力手段についても同様である。
実施形態では特別図柄とその始動手段とを2組搭載したパチンコ機の場合を例示したが、本発明は特別図柄とその始動手段とを1組しか搭載していないパチンコ機等であっても同様に実施可能であり、またパチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種の弾球遊技機においても同様に実施することが可能である。