以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図6は本発明をいわゆる1種2種複合機と呼ばれるパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、正面視矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に左右一側、例えば左側のヒンジ3により開閉自在に枢着された前枠4とを備えている。前枠4の前側には、ガラス扉5と前面板6とが上下に隣接するように配置され、夫々ヒンジ3と同じ側のヒンジ7により前枠4に開閉自在に枢支されている。
前面板6の前側には、払い出し手段(図示省略)から払い出された遊技球を貯留して発射手段(図示省略)に供給する上皿8が上部側に配置され、またその上皿8の下側には、例えば上皿8が満杯のときにその余剰球を貯留する下皿9が左端側に、発射手段を作動させるための発射ハンドル10が右端側に夫々配置されている。更に、上皿8等を前側から覆う上皿カバー11上には、演出用の操作ボタン12,13、球貸し操作部14等が配置されている。
前枠4には、ガラス扉5の後側に対応して遊技盤15(図2)が着脱自在に装着されている。遊技盤15の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール16が環状に装着されると共に、そのガイドレール16の内側の遊技領域17に、センターケース18、普通図柄始動手段19、第1特別図柄始動手段(第1始動手段)20、第2特別図柄始動手段(第2始動手段)21、第1大入賞手段(第1開閉式入賞手段)22、第2大入賞手段(第2開閉式入賞手段)23、普通入賞手段24等の各種遊技部品が配置されている。
センターケース18は、例えば遊技領域17の左右方向略中央における上部側に配置されており、遊技盤15の裏側に固定される液晶式、その他の画像表示手段25に対応して遊技盤15の前側に着脱自在に固定されている。画像表示手段25は、第1演出図柄表示手段26、第2演出図柄表示手段27、第1特別保留個数表示手段28、第2特別保留個数表示手段29等を構成している。
センターケース18は、遊技盤15の前面側に当接し且つ固定ねじ等により遊技盤15に固定される前面装着板32と、画像表示手段25等に対応する内部領域18aを略取り囲むように例えば前面装着板32の前側に突設される表示枠33とを例えば一体に備えており、発射手段により遊技領域17の上部側に打ち込まれた遊技球は、表示枠33の頂部で左右に振り分けられ、センターケース18の左側の左流下経路34aと右側の右流下経路34bとの何れかを流下するようになっている。
また、例えば表示枠33上には、普通図柄表示手段35、普通保留個数表示手段36、第1特別図柄表示手段(第1図柄表示手段)37、第2特別図柄表示手段(第2図柄表示手段)38等の表示手段の他、例えば左側部には左流下経路34aを流下する遊技球が入球可能なワープ入口39が、画像表示手段25の前側下部には、ワープ入口39に入球した遊技球を左右方向に自由に転動させて左右方向中央の中央落下部40又はその左右両側から落下させるステージ41が夫々設けられている。
普通図柄始動手段19は、普通図柄表示手段35による図柄変動を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲートにより構成され、遊技球の通過を検出する遊技球検出手段19aを備えている。この普通図柄始動手段19は例えばセンターケース18の右側に配置されており、左流下経路34aを流下してきた遊技球よりも右流下経路34bを流下してきた遊技球の方が圧倒的に高い確率で通過可能となっている。
普通図柄表示手段35は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、普通図柄始動手段19が遊技球を検出すること、即ち遊技球が普通図柄始動手段19を通過し、その遊技球を遊技球検出手段19aが検出することを条件に2個の発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段19による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様(所定態様)に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
また、普通図柄表示手段35の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段19が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段36がその発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数という)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
第1特別図柄始動手段(第1始動手段)20は、第1特別図柄表示手段(第1図柄表示手段)37による図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段を有しない非開閉式の入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する遊技球検出手段20aを備えている。この第1特別図柄始動手段20は、例えばセンターケース18の中央落下部40の下側に上向き開口状に配置されており、左流下経路34a側のワープ入口39からステージ41を経て入賞するルートが存在すること等により、右流下経路34bを流下してきた遊技球よりも左流下経路34aを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。
第2特別図柄始動手段(第2始動手段)21は、第2特別図柄表示手段(第2図柄表示手段)38による図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段42の作動によって遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能(又は開状態よりも入賞困難)な閉状態とに変化可能な開閉式入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する遊技球検出手段21aを備えており、普通図柄表示手段35の変動後の停止図柄が当たり態様(所定態様)となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段42が所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するようになっている。この第2特別図柄始動手段21は、例えば第2特別図柄始動手段21の下側に配置されており、釘配置等により、左流下経路34aを流下してきた遊技球よりも右流下経路34bを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。
第1特別図柄表示手段(第1図柄表示手段)37は、1個又は複数個、例えば1個の第1特別図柄(第1図柄)を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第1特別図柄始動手段20が遊技球を検出すること、即ち遊技球が第1特別図柄始動手段20に入賞し、その遊技球を遊技球検出手段20aが検出することを条件に第1特別図柄を所定時間変動表示して、第1特別図柄始動手段20による遊技球検出時に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には一又は複数種類の大当たり態様(第1特別態様)の何れかで、小当たり判定値と一致する場合には一又は複数種類の小当たり態様(第1所定態様)の何れかで、それ以外の場合には一又は複数種類の外れ態様の何れかで夫々停止するようになっている。
なお本実施形態では、第1特別図柄表示手段37に関しては小当たり判定値を設けておらず、従って第1特別図柄表示手段37の変動後の停止図柄態様は大当たり態様と外れ態様との何れかとなり、小当たり態様となる確率は0%である。また、第1特別図柄表示手段37に関しては図4(a)に示す4種類の大当たり態様A1〜A4を設けており、大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致した場合に、例えば大当たり判定乱数値と共に取得された大当たり図柄乱数値に基づいてそれら大当たり態様A1〜A4のうちの何れかが図4(a)に示す選択率で選択されるようになっている。
第2特別図柄表示手段(第2図柄表示手段)38は、1個又は複数個、例えば1個の第2特別図柄(第2図柄)を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第2特別図柄始動手段21が遊技球を検出すること、即ち遊技球が第2特別図柄始動手段21に入賞し、その遊技球を遊技球検出手段21aが検出することを条件に第2特別図柄を所定時間変動表示して、第2特別図柄始動手段21による遊技球検出時に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には一又は複数種類の大当たり態様(第2特別態様)の何れかで、小当たり判定値と一致する場合には一又は複数種類の小当たり態様(第2所定態様)の何れかで、それ以外の場合には一又は複数種類の外れ態様の何れかで夫々停止するようになっている。
なお本実施形態では、第2特別図柄表示手段38に関しては、大当たり判定乱数値は大当たり判定値と一致しない場合は必ず小当たり判定値と一致するようになっており、従って第2特別図柄表示手段38の変動後の停止図柄態様は大当たり態様と小当たり態様との何れかとなり、外れ態様となる場合はない。また、第2特別図柄表示手段38に関しては図4(b)に示す5種類の大当たり態様B1〜B5と図4(c)に示す5種類の小当たり態様b1〜b5とを設けており、大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致した場合には、例えば大当たり判定乱数値と共に取得された大当たり図柄乱数値に基づいて大当たり態様B1〜B5のうちの何れかが図4(b)に示す選択率で選択され、大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致しなかった場合には、例えば大当たり図柄乱数値に基づいて小当たり態様b1〜b5のうちの何れかが図3(c)に示す選択率で選択されるようになっている。
なお、第1,第2特別図柄には数字図柄等を用いてもよいが、遊技者が停止図柄態様の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのような特別な意味を持たない図柄を用いることが望ましい。
また、第1,第2特別図柄の変動表示中、又は後述する大当たり状態(特別利益状態)中及び小当たり状態(所定利益状態)中に第1,第2特別図柄始動手段20,21が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された大当たり判定乱数値等がそれぞれ所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、第1,第2特別保留個数表示手段28,29が夫々大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、第1,第2特別保留個数という)を表示して、その時点での第1,第2特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
なお本実施形態では、大当たり状態中及び小当たり状態中には第1,第2特別図柄表示手段37,38の図柄変動を開始しない他、第1,第2特別図柄表示手段37,38の何れか一方の図柄変動中には他方の図柄変動を開始せず、両方が同時に変動中となることはないように制御される。更に、第1,第2特別図柄表示手段37,38が共に図柄変動を開始可能な状態となった場合には、第1特別図柄表示手段37の図柄変動よりも第2特別図柄表示手段38の図柄変動を優先して行うように制御される。
第1,第2演出図柄表示手段26,27は、第1,第2特別図柄表示手段37,38の図柄変動を演出するもので、それぞれ1個又は複数個、例えば左右方向に3個の第1,第2演出図柄を例えば各種の演出画像と共に画像表示手段25の表示画面25aに変動表示可能に構成されており、例えば第1,第2特別図柄表示手段37,38による第1,第2特別図柄の変動と時間的に同期して第1,第2演出図柄を変動させるようになっている。なお、第1,第2演出図柄表示手段26,27は第1,第2特別図柄の変動と同期することなく第1,第2演出図柄を独自に変動させ又はその他の演出画像を表示させる場合があってもよい。
第1,第2演出図柄には、例えば「0」〜「9」の10種類の数字図柄が用いられ、「6・6・6」「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり態様、例えば少なくとも1つの図柄が異なるものが小当たり態様又は外れ態様となっており、例えば第1,第2特別図柄の停止図柄態様が大当たり態様、小当たり態様、外れ態様のときは第1,第2演出図柄もそれに対応して大当たり態様、小当たり態様、外れ態様で停止するようになっている。
第1,第2特別保留個数表示手段28,29は、第1,第2特別保留個数を報知するもので、画像表示手段25の表示画面25a上の所定部分、例えば下部側に、第1,第2保留個数分の第1,第2保留表示画像28a,29aを例えば互いに上下に対応させて表示するようになっている。
第1大入賞手段(第1開閉式入賞手段)22は、開閉手段43の作動によって遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに変化可能な開閉式入賞手段により構成されており、第2特別図柄表示手段38の変動後の停止図柄態様が小当たり態様(第2所定態様)となって小当たり状態(所定利益状態)が発生したときに、開閉手段43が一又は複数種類の小当たり開放パターンの何れかに従って開放するようになっている。なお第1大入賞手段22は、例えば右流下経路34b上で且つ普通図柄始動手段19の下流側に配置されており、左流下経路34aを流下してきた遊技球よりも右流下経路34bを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。
第1大入賞手段22の開閉手段43は、例えば遊技領域17の中央側に向けて傾斜状に配置された板状体で、閉状態のときには遊技盤15の盤面よりも前側に突出して、上向き開口状の入賞口を閉鎖すると共にその上側に落下してきた遊技球を遊技領域17の中央側に向けて案内し、開状態のときには遊技盤15の盤面よりも後側に退避して入賞口の上側を遊技球入賞可能に開放するようになっている。
また第1大入賞手段22は、複数、例えば二つの特定領域44a及び通常領域44bと、第1大入賞手段22に入賞した遊技球を特定領域44aと通常領域44bとに振り分ける例えば可動式の振り分け手段45と、特定領域44aに流入した遊技球を検出する特定遊技球検出手段46aと、通常領域44bに流入した遊技球を検出する通常遊技球検出手段46bとを備え、第1大入賞手段22に入賞した遊技球は、振り分け手段45によって特定領域44aと通常領域44bとの何れかに案内され、特定遊技球検出手段46aと通常遊技球検出手段46bとの何れかによって検出された後、遊技盤15の裏側に案内されるようになっている。
特定領域44aと通常領域44bとは例えば左右に隣接して配置されている。振り分け手段45は、例えば特定領域44aと通常領域44bとの間に対応してその上側に配置された爪状部材で、図示しない駆動手段の駆動により例えば前後方向の回転軸廻りに所定のパターンで揺動することにより、通常領域44b側への流入を阻止しつつ特定領域44a側へ遊技球を案内する特定案内状態と、特定領域44a側への流入を阻止しつつ通常領域44b側へ遊技球を案内する通常案内状態とに切り換え可能となっている。なお、振り分け手段45による振り分け率は特定案内状態と通常案内状態との時間比によって決まるが、本実施形態では、第1大入賞手段22に入賞した遊技球は特定領域44aと通常領域44bとに1:9の割合で振り分けられるものとする。従って、第1大入賞手段22に入賞した遊技球が特定領域44a側に案内される確率は1/10である。
第2大入賞手段(第2開閉式入賞手段)23は、開閉手段47の作動によって遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに変化可能な開閉式入賞手段により構成されており、第1,第2特別図柄表示手段37,38の変動後の停止図柄態様が大当たり態様(第1,第2特別態様)となるか、第1大入賞手段22に入賞した遊技球が特定領域44a側に案内されて特定遊技球検出手段46aがその遊技球を検出することによって大当たり状態が発生したときに、開閉手段47が一又は複数種類の大当たり開放パターンの何れかに従って開放するようになっている。
第2大入賞手段23の開閉手段47は、例えば前向き開口状の入賞口に対応する横長矩形状の板状体で、下部側に設けられた左右方向の回転軸廻りに揺動可能となっており、閉状態のときには遊技盤15の盤面に沿って入賞口を閉鎖し、開状態のときには上部側が遊技盤15の盤面よりも前側に突出することにより後ろ下がりの傾斜状となってその上側に落下してきた遊技球を入賞口内に案内するようになっている。なお第2大入賞手段23は、入賞した遊技球を検出する遊技球検出手段48を備えている。
図3は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図3において、51は主制御基板、52は演出制御基板で、これら各制御基板51,52は、遊技盤15に装着されたセンターケース18、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠4及び遊技盤15を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
主制御基板51は、遊技動作を統括的に制御するもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段61、普通始動検出処理手段62、普通乱数記憶手段63、普通図柄処理手段64、普通利益状態発生手段65、第1,第2特別乱数作成処理手段71a,71b、第1,第2特別始動検出処理手段72a,72b、第1,第2特別乱数記憶手段73a,73b、第1,第2特別図柄処理手段74a,74b、小当たり状態発生手段(所定利益状態発生手段)75、大当たり状態発生手段(特別利益状態発生手段)76、特別遊技状態発生手段77、制御コマンド送信手段78等を備えている。
普通乱数作成処理手段61は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動検出処理手段62は、普通図柄始動手段19による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段19が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段61で作成された当たり判定乱数値等を1個ずつ取得し、その当たり判定乱数値等を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として先入れ先出し式の普通乱数記憶手段63に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段64は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄表示手段35が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段63に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段63に記憶されている当たり判定乱数値の待ち行列からその先頭の当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行うと共に普通図柄表示手段35による普通図柄を所定時間変動させ、当たり判定の場合には当たり態様に対応する「○」で、外れ判定の場合には外れ態様に対応する「×」で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
普通利益状態発生手段65は、第2特別図柄始動手段21が開状態に変化する普通利益状態を発生させるもので、普通図柄処理手段64による判定結果が当たり判定となり、普通図柄表示手段35の変動後の停止図柄態様が当たり態様となった場合に、第2特別図柄始動手段21の開閉手段42を複数種類の開閉パターンの何れかに従って所定時間開状態に変化させるようになっている。
第1,第2特別乱数作成処理手段71a,71bは、変動後の第1,第2特別図柄を大当たり態様、小当たり態様、外れ態様の何れにするかの判定に用いる大当たり判定乱数の他、変動後の特別図柄が大当たり態様、小当たり態様となる場合の停止図柄態様の選択に用いる大当たり図柄乱数、特別図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン選択乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
第1,第2特別始動検出処理手段72a,72bは、第1,第2特別図柄始動手段20,21による遊技球の検出(入賞)に基づく処理を行うもので、第1,第2特別図柄始動手段20,21が遊技球を検出することに基づいて、第1,第2特別乱数作成処理手段71a,71bで作成された大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値を1個ずつ取得し、それら大当たり判定乱数値及び大当たり図柄乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として先入れ先出し式の第1,第2特別乱数記憶手段73a,73bに記憶させるように構成されている。
第1,第2特別図柄処理手段74a,74bは、第1,第2特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、第1,第2特別図柄表示手段37,38が変動表示可能な状態となり且つ第1,第2特別乱数記憶手段73a,73bに1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること(第1,第2特別保留個数が1以上であること)を条件に、第1,第2特別乱数記憶手段73a,73bに記憶されている大当たり判定乱数値の待ち行列からその先頭の大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値、小当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/小当たり/外れの判定を行う大当たり判定機能、大当たり/小当たり/外れの判定結果と、第1,第2特別乱数記憶手段73a,73bに大当たり判定乱数値と共に記憶されている大当たり図柄乱数値等とに基づいて、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄態様を選択する特別停止図柄態様選択機能、大当たり/小当たり/外れの判定結果に基づいて、第1,第2演出図柄に対応する変動パターンとして複数種類の中から1つを選択する変動パターン選択機能、第1,第2特別図柄表示手段37,38による第1,第2特別図柄の変動を開始させ、選択された変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、選択された停止図柄態様で第1,第2特別図柄の変動を停止させる第1,第2特別図柄変動制御機能等を備えている。
本実施形態では、第1特別図柄表示手段37に関して大当たり判定となった場合には、図4(a)に示すように4種類の大当たり態様A1〜A4がそれぞれ50,20,20,10%の確率で選択され、第2特別図柄表示手段38に関して大当たり判定となった場合には、図4(b)に示すように5種類の大当たり態様B1〜B5がそれぞれ50,20,10,10,10%の確率で選択され、第2特別図柄表示手段38に関して小当たり判定となった場合には、図4(c)に示すように5種類の小当たり態様b1〜b5がそれぞれ50,20,10,10,10%の確率で選択される。なお、第1,第2特別図柄表示手段37,38で大当たり態様となる確率(大当たり確率)は同じ(例えば1/200)である。また、上述したように本実施形態では第1特別図柄表示手段37に関しては大当たり/外れ判定のみで小当たり判定となることはなく、また第2特別図柄表示手段38に関しては大当たり/小当たり判定のみで外れ判定となることはない。
また、例えば大当たり状態中及び小当たり状態中には第1,第2特別図柄表示手段37,38の図柄変動を開始しない他、第1,第2特別図柄表示手段37,38の何れか一方の図柄変動中には他方の図柄変動を開始せず、両方が同時に変動中となることはないように制御され、また第1,第2特別図柄表示手段37,38が共に図柄変動を開始可能な状態となった場合には、第1特別図柄表示手段37の図柄変動よりも第2特別図柄表示手段38の図柄変動を優先して行うように制御される。
小当たり状態発生手段(所定利益状態発生手段)75は小当たり状態(所定利益状態)を発生させるためのもので、第1,第2特別図柄処理手段74a,74bによる大当たり/小当たり/外れの判定結果が小当たり判定となり(本実施形態では小当たり判定の可能性があるのは第2特別図柄処理手段74bのみ)、第1,第2特別図柄表示手段37,38による第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄態様が小当たり態様となった場合に、第1大入賞手段22を所定の小当たり開放パターンに従って開放する小当たり状態を発生させるようになっている。本実施形態では小当たり開放パターンは1種類(例えば0.5秒×1回)とするが、複数種類設けてもよい。
大当たり状態発生手段(特別利益状態発生手段)76は大当たり状態(特別利益状態)を発生させるためのもので、第1,第2特別図柄処理手段74a,74bによる大当たり/小当たり/外れの判定結果が大当たり判定となることに基づいて第1,第2特別図柄表示手段37,38による第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄態様が大当たり態様(第1,第2特別態様)となるか、小当たり状態中に第1大入賞手段22に入賞した遊技球が特定領域44aに案内された場合に、第2大入賞手段23を所定の大当たり開放パターンに従って開放する大当たり状態を発生させるようになっている。
本実施形態の大当たり開放パターンは、第2大入賞手段23を開放してから所定時間(例えば28秒)経過するかそれまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に閉鎖する動作を所定ラウンド数行うようになっており、そのラウンド数の違いによって例えば5R,10R,15Rの3種類が設けられている。
なお複数種類の大当たり開放パターンのうちの少なくとも一つにおいて、上記のような通常ラウンドに加えて、遊技球の入賞がほとんど期待できない程度の短時間だけ開放する短時間ラウンドを1又は複数回行うように構成してもよい。この場合、通常ラウンド数と短時間ラウンド数との合計は同じでその配分が異なる複数種類の開放パターンを設けることで、仕様上は同じラウンド数であっても遊技者から見た実質的なラウンド数を異ならせることができる。例えば、通常ラウンド×5+短時間ラウンド×10に設定された5R開放パターンと、通常ラウンド×10+短時間ラウンド×5に設定された10R開放パターンと、通常ラウンド×15に設定された15R開放パターンとの3種類の開放パターンを設けた場合、実質的なラウンド数はそれぞれ5R,10R,15Rであるにも拘わらず仕様上のラウンド数は全て同じ15Rとすることができる。なお、短時間ラウンドのみを一又は複数回行う大当たり開放パターンを設けてもよい。
また大当たり開放パターンは、例えば図4に示すように、大当たり態様、小当たり態様の種類に応じて選択される。即ち、第1特別図柄が大当たり態様となった場合に発生する大当たり状態については、図4(a)に示すように、その大当たり態様の種類に応じて大当たり態様A1に対応する5R開放パターンと大当たり態様A2〜A4に対応する10R開放パターンとが共に50%の確率で選択され、第2特別図柄が大当たり態様となった場合に発生する大当たり状態については、図4(b)に示すように、その大当たり態様の種類に応じて大当たり態様B1に対応する15R開放パターンと大当たり態様B2に対応する5R開放パターンと大当たり態様B3〜B5に対応する10R開放パターンとがそれぞれ50,20,30%の確率で選択される。また、小当たり状態中に第1大入賞手段22に入賞した遊技球が特定領域44aに案内された場合に発生する大当たり状態については、図4(c)に示すように、小当たり状態が発生したときの小当たり態様の種類に応じて小当たり態様b1に対応する15R開放パターンと小当たり態様b2に対応する5R開放パターンと小当たり態様b3〜b5に対応する10R開放パターンとがそれぞれ50,20,30%の確率で選択される。
以上のように、第1特別図柄表示手段37は小当たり態様となることはないのに対し、第2特別図柄表示手段38は大当たり態様とならない場合には必ず小当たり態様となって小当たり状態が発生することから、小当たり状態の発生に関しては第1特別図柄始動手段20が遊技球を検出する場合よりも第2特別図柄始動手段21が遊技球を検出する場合の方が遊技者が得られる平均利益は大きいと言える。また、変動後の停止図柄態様が大当たり態様となった場合に選択される大当たり開放パターンについては、第1特別図柄表示手段37に比べて第2特別図柄表示手段38の方がよりラウンド数の多い開放パターンがより高い確率で選択され(図4)、また第2特別図柄表示手段38が変動する場合は小当たり状態を経由して大当たり状態が発生する可能性があるため、大当たり状態の発生に関しても第1特別図柄始動手段20が遊技球を検出する場合よりも第2特別図柄始動手段21が遊技球を検出する場合の方が遊技者が得られる平均利益は大きいと言える。
特別遊技状態発生手段77は、大当たり状態の終了後に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、特別遊技状態の一例としての開放延長状態を発生させる開放延長状態発生手段77aを備えている。開放延長状態発生手段77aは、大当たり状態が終了したときに所定の確率で開放延長状態を開始させると共に、一又は複数の特別遊技状態終了条件の何れかが満たされた場合に開放延長状態を終了させるようになっている。
開放延長状態中は、普通利益状態における第2特別図柄始動手段21の開放時間が通常開放時間(例えば0.2秒×1回)から延長開放時間(例えば2.7秒×2回)へ切り換えられる他、第1,第2特別図柄及び普通図柄の変動時間が通常よりも短縮され、また普通図柄に関する当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へと切り換えられる。
また本実施形態では、特別遊技状態終了条件として、次の大当たり状態が発生した時点で開放延長状態を終了させるための基本的終了条件の他、第1,第2終了条件が設けられている。第1終了条件は、第1,第2特別図柄表示手段37,38による図柄変動回数の合計についてその上限値を規定するもので、例えばこの第1終了条件が「100」に設定されている場合には、第1,第2特別図柄の変動回数の合計が100回に達した時点で開放延長状態は終了する。なお、遊技機規則上、開放延長状態に関してはこの第1終了条件を100以下に設定する必要がある。
第2終了条件は、小当たり状態の発生回数の上限値を規定するもので、例えばこの第2終了条件が「3」に設定されている場合には、小当たり状態の発生回数が3回に達した時点で開放延長状態は終了する。なお、本実施形態では開放延長状態を発生させない場合には第1,第2終了条件の少なくとも一方に「0」が設定されるものとする。
これら第1,第2終了条件の組み合わせは、大当たり開放パターンと同様、例えば図4に示すように大当たり態様,小当たり態様の種類に応じて選択される。即ち、第1特別図柄が大当たり態様となった場合の大当たり状態終了後に開始される開放延長状態については、例えば図4(a)に示すように、大当たり態様A1(選択率50%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「100」にそれぞれ設定され、大当たり態様A2(選択率20%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「2」にそれぞれ設定され、大当たり態様A3(選択率20%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「1」にそれぞれ設定され、大当たり態様A4(選択率10%)の場合には第1終了条件が「0」、第2終了条件が「0」にそれぞれ設定される。これにより、第1特別図柄に関する大当たり状態終了後に開放延長状態が発生する確率は90%となる。
このように、大当たり態様A1の場合には、第1終了条件が遊技機規則上の最大値である「100」に設定されているのに対し、第2終了条件も「100」に設定されているが、小当たり状態の発生回数は必ず第1,第2特別図柄の変動回数以下であるため、第2終了条件が満たされる前に必ず第1終了条件が満たされる。なお本実施形態の場合、小当たり状態が発生し且つ開放した第1大入賞手段22に遊技球が入賞した場合には1/10の確率で大当たり状態が発生するため、大当たり態様A1の場合の開放延長状態については第1,第2終了条件ではなく基本的終了条件によって終了する場合が多いと考えられる(図5参照)。一方、大当たり態様A2,A3の場合には、第1終了条件は同じく「100」に設定されているのに対し、第2終了条件はその第1終了条件の値よりも格段に小さい「2」,「1」に設定されているため、この場合の開放延長状態は高い確率で第1終了条件ではなく第2終了条件によって終了する(図6参照)。
また、第2特別図柄が大当たり態様となった場合の大当たり状態終了後に開始される開放延長状態については、例えば図4(b)に示すように、大当たり態様B1,B2(選択率70%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「100」にそれぞれ設定され、大当たり態様B3(選択率10%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「3」にそれぞれ設定され、大当たり態様B4(選択率10%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「2」にそれぞれ設定され、大当たり態様B5(選択率10%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「1」にそれぞれ設定される。
このように、大当たり態様B1,B2の場合には、第1終了条件が遊技機規則上の最大値である「100」に設定されているのに対し、第2終了条件が同じ「100」に設定されているため、大当たり態様A1の場合と同様、第2終了条件が満たされる前に必ず第1終了条件が満たされるが、本実施形態の場合には第1,第2終了条件ではなく基本的終了条件によって終了する場合が多いと考えられる(図5参照)。一方、大当たり態様B3〜B5の場合には、第1終了条件は同じく「100」に設定されているのに対し、第2終了条件はその第1終了条件の値よりも格段に小さい「3」,「2」,「1」に設定されているため、この場合の開放延長状態は高い確率で第1終了条件ではなく第2終了条件によって終了する(図6参照)。
また、小当たり状態中に第1大入賞手段22に入賞した遊技球が特定領域44aに案内された場合の大当たり状態終了後に開始される開放延長状態については、例えば図4(c)に示すように、小当たり態様b1,b2(選択率70%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「100」にそれぞれ設定され、小当たり態様b3(選択率10%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「3」にそれぞれ設定され、小当たり態様b4(選択率10%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「2」にそれぞれ設定され、小当たり態様b5(選択率10%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「1」にそれぞれ設定される。このように、小当たり態様b1〜b5の場合の第1,第2終了条件の組み合わせは大当たり態様B1〜B5の場合と同じである。
以上のように、大当たり状態の終了後に発生する特別遊技状態については、第1特別図柄表示手段37で大当たり態様となった場合よりも第2特別図柄表示手段38で大当たり態様となった場合の方が遊技者に有利な特別遊技状態終了条件がより高い確率で選択され、また第2特別図柄表示手段38が変動する場合は小当たり状態を経由して大当たり状態が発生し、それによって特別遊技状態が発生する可能性があるため、特別遊技状態の発生に関しても第1特別図柄始動手段20が遊技球を検出する場合よりも第2特別図柄始動手段21が遊技球を検出する場合の方が遊技者が得られる平均利益は大きいと言える。
制御コマンド送信手段78は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板52等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、第1,第2特別図柄処理手段74a,74bによる第1,第2特別図柄処理に基づいて、第1,第2特別図柄の変動開始時に、第1,第2特別保留個数の減少を指定する第1,第2保留減少コマンド、第1,第2演出図柄の変動パターンを指定する第1,第2変動パターン指定コマンド、第1,第2特別図柄の停止図柄態様を指定する第1,第2停止図柄態様指定コマンドをこの順序で演出制御基板52側に送信し、第1,第2特別図柄の変動終了時に第1,第2演出図柄の変動停止を指示する第1,第2変動停止指定コマンドを演出制御基板52側に送信する機能、第1,第2特別保留個数が増加したときに第1,第2特別保留個数の増加を指定する第1,第2保留増加コマンドを演出制御基板52側に送信する機能、特別遊技状態発生手段77による特別遊技状態の発生時及び終了時に特別遊技状態発生コマンド、特別遊技状態終了コマンド等を演出制御基板52側に送信する機能等を備えている。
演出制御基板52は、第1,第2演出図柄表示手段26,27、第1,第2特別保留個数表示手段28,29、音声出力手段81、電飾手段82等の各種演出手段を制御するためのもので、演出図柄制御手段83、特別保留個数表示制御手段84等を備えている。
演出図柄制御手段83は、第1,第2演出図柄表示手段26,27の表示制御及びそれに伴う音声出力手段81、電飾手段82の制御を行うもので、主制御基板51から第1,第2変動パターン指定コマンドを受信した場合に、指定された変動パターンに基づいて第1,第2演出図柄表示手段26,27による演出図柄の変動及びそれに伴う音声出力、電飾発光を開始させると共に、第1,第2変動停止指定コマンドを受信したときに、第1,第2停止図柄態様指定コマンドと第1,第2変動パターン指定コマンドとに基づいて選択された停止図柄態様で第1,第2演出図柄の変動を停止させ、またそれに伴う音声出力、電飾発光を停止させるようになっている。
特別保留個数表示制御手段84は、第1,第2特別保留個数表示手段28,29の表示制御を行うもので、第1,第2特別図柄始動手段20,21により新たに遊技球が検出され、主制御基板51から第1,第2保留増加コマンドを受信したときに、その第1,第2保留増加コマンドに基づいて、画像表示手段25の表示画面25a上の所定位置に第1,第2特別保留個数分の保留表示画像28a,29aを表示し、例えば主制御基板51から第1,第2保留減少コマンドを受信することに基づいて、表示中の保留表示画像28a,29aの数を1個減少させて前側にシフトさせるようになっている。
以上のように構成された本実施形態のパチンコ機では、上述したように第1特別図柄表示手段37による第1特別図柄の変動に基づいて遊技者が得られる平均利益よりも第2特別図柄表示手段38による第2特別図柄の変動に基づいて遊技者が得られる平均利益の方が大きいため、遊技者は遊技球を第1特別図柄始動手段20に入賞させるよりも第2特別図柄始動手段21に入賞させる方が基本的に有利である。
しかしながら、開放延長状態中以外の通常遊技状態中は、普通図柄表示手段35で当たり態様となる確率は低く、しかも普通図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生しても、第2特別図柄の変動を開始させるための第2特別図柄始動手段21の開放時間は僅か(例えば0.2秒×1回)であるため、普通図柄始動手段19及び第2特別図柄始動手段21を狙って右打ちをしても第2特別図柄始動手段21への入賞の可能性は極めて低い。一方、非作動式の入賞手段である第1特別図柄始動手段20は入賞の難易度が遊技状態によって変動することがなく、通常遊技状態中であっても安定的な入賞が期待できる。従って、本実施形態のパチンコ機の場合には、通常遊技状態中からいきなり右流下経路34b側の普通図柄始動手段19及び第2特別図柄始動手段21を狙って右打ちをするのではなく、第1段階としてまずは開放延長状態を発生させるべく、左打ちをして左流下経路34a側から第1特別図柄始動手段20への入賞を狙う方が結局は大きな利益獲得への近道である。
遊技者が通常遊技状態中に左打ちをし、その遊技球が左流下経路34aから例えばワープ入口39、ステージ41を経て中央落下部40から第1特別図柄始動手段20に入賞するか、又はステージ41等を経ることなく遊技釘等に案内されて第1特別図柄始動手段20に入賞すると、その遊技球は遊技盤15の裏側に案内される際に遊技球検出手段20aによって検出され、それによって所定個数の賞球が上皿8に払い出されると共に、第1特別図柄表示手段37及び第1演出図柄表示手段26による第1特別図柄及び第1演出図柄の変動が行われる。
通常遊技状態中に第1特別図柄及び第1演出図柄が大当たり態様で停止した場合には大当たり状態が発生し、大当たり態様の種類に応じて選択された大当たり開放パターン(図4(a))に従って第2大入賞手段23が開放する。そしてその第2大入賞手段23の開放中に遊技球が入賞すると、所定個数の賞球が上皿8に払い出される。従って、遊技者は第2大入賞手段23を狙って例えば右打ちに切り換えることにより、大量の賞球を容易に得ることができる。
また、大当たり状態の終了後には、例えば90%の確率で開放延長状態が発生する(図4(a))。開放延長状態中は、普通図柄に関する当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へと切り換えられ、また普通利益状態における第2特別図柄始動手段21の開放時間が通常開放時間(例えば0.2秒×1回)から延長開放時間(例えば2.7秒×2回)へ切り換えられるため、遊技者は大当たり状態中に続いて右打ちをして、普通図柄始動手段19及び第2特別図柄始動手段21を狙うことにより、遊技者にとってより有利な第2特別図柄を変動させることができる。
ここで、第1特別図柄が大当たり態様となった場合に発生する開放延長状態は、第1,第2特別図柄の変動回数の合計についてその上限値を規定する第1終了条件についてはいずれも遊技機規則上の最大値である「100」に設定されると共に、小当たり状態の発生回数の上限値を規定する第2終了条件が設定されているため、例えば大当たり態様A2,A3の場合のように比較的短期間で終了する開放延長状態であっても、その終了までに遊技者にとってより有利な第2特別図柄表示手段38による図柄変動を一定回数以上確実に実行させることができる。
例えば、開放延長状態の第1終了条件を「1」に設定し、第1特別保留個数が1以上の状態でその開放延長状態が発生したと仮定した場合、その後に第2特別図柄始動手段21に遊技球が入賞すればその時点の第1特別保留個数が1以上であってもその次は第2特別図柄が変動するが、それまでに第1特別図柄が1回変動した時点で開放延長状態は終了するため、第2特別図柄が変動することなく開放延長状態が終了してしまう可能性がある。その点、本実施形態の大当たり態様A3の場合には第2終了条件として小当たり状態の発生回数を「1」に設定しており、また小当たり状態は第1特別図柄の変動では発生しないため、例えば第1特別保留個数が1以上の状態でその開放延長状態が発生した場合でも、小当たり状態が1回発生するまで第2特別図柄を1回以上確実に変動させることができる。
第2特別図柄が小当たり態様となった場合には小当たり状態が発生し、第1大入賞手段22が所定の小当たり開放パターンで開放する。そして、その第1大入賞手段22に入賞した遊技球が振り分け手段45によって特定領域44a側に案内された場合には大当たり状態が発生し、小当たり状態の発生に係る小当たり態様の種類に応じた大当たり開放パターン(図4(c))に従って第2大入賞手段23が開放する。また、第2特別図柄が大当たり態様となった場合にも大当たり状態が発生し、その大当たり態様の種類に応じた大当たり開放パターン(図4(b))に従って第2大入賞手段23が開放する。そしてその第2大入賞手段23の開放中に遊技球が入賞すると、所定個数の賞球が上皿8に払い出される。従って、遊技者は第2大入賞手段23を狙ってそのまま右打ちを継続することにより、大量の賞球を容易に得ることができる。
なお本実施形態の場合、第2特別図柄の変動後の停止図柄態様は大当たり態様と小当たり態様との何れかとなり、また小当たり態様となって小当たり状態が発生し且つそれによって開放した第1大入賞手段22に遊技球が入賞した場合には1/10の確率で大当たり状態が発生し、また第2特別図柄に関する大当たり状態の終了後には必ず開放延長状態が発生すると共にその開放延長状態は70%の確率で第1終了条件が「100」、第2終了条件が「100」に設定されるため、開放延長状態が一度発生すると、その後は高い確率で大当たり状態を短い間隔で発生させることができる。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、特別遊技状態終了条件が、小当たり状態(所定利益状態)の発生回数で規定される第2終了条件を含んでいるため、特別遊技状態中における第1,第2特別図柄の変動割合に拘わらず、特別遊技状態中に遊技者が一定以上の利益を安定的に得ることが可能となる。特に本実施形態の場合、小当たり状態は第2特別図柄が小当たり態様となった場合にのみ発生するため、特別遊技状態中に、遊技者にとってより有利な第2特別図柄を一定回数以上安定的に変動させることができる。
図7〜図9は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、特別遊技状態終了条件のうちの第2終了条件を、第2特別図柄表示手段38による図柄変動回数で規定した例を示している。なお、本実施形態の構成は第2終了条件の内容以外は第1の実施形態と同じである。
本実施形態の特別遊技状態終了条件は、第1の実施形態と同様、基本的終了条件、第1終了条件及び第2終了条件で構成されている。そして、基本的終了条件及び第1終了条件の内容については第1の実施形態と同様であるが、第2終了条件については、小当たり状態の発生回数ではなく、第2特別図柄表示手段38による図柄変動回数の上限値が規定されている。例えば第2終了条件が「3」に設定されている場合には、第2特別図柄表示手段38の変動回数が3回に達した時点で開放延長状態は終了する。
図7(a)に示すように、第1特別図柄が大当たり態様となった場合の大当たり状態終了後に開始される開放延長状態については、大当たり態様A1(選択率50%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「100」にそれぞれ設定され、大当たり態様A2(選択率20%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「2」にそれぞれ設定され、大当たり態様A3(選択率20%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「1」にそれぞれ設定され、大当たり態様A4(選択率10%)の場合には第1終了条件が「0」、第2終了条件が「0」にそれぞれ設定される。これにより、第1特別図柄に関する大当たり状態終了後に開放延長状態が発生する確率は90%となる。
このように、大当たり態様A1の場合には、第1終了条件が遊技機規則上の最大値である「100」に設定されているのに対し、第2終了条件も「100」に設定されているが、第2特別図柄の変動回数は必ず第1,第2特別図柄の合計変動回数以下であるため、第2終了条件が満たされる前に必ず第1終了条件が満たされる。なお本実施形態の場合、第2特別図柄の変動後には大当たり状態と小当たり状態との何れかが発生し、また小当たり状態が発生し且つ開放した第1大入賞手段22に遊技球が入賞した場合には1/10の確率で大当たり状態が発生するため、大当たり態様A1の場合の開放延長状態については第1,第2終了条件ではなく基本的終了条件によって終了する場合が多いと考えられる(図8参照)。一方、大当たり態様A2,A3の場合には、第1終了条件は同じく「100」に設定されているのに対し、第2終了条件はその第1終了条件の値よりも格段に小さい「2」,「1」に設定されているため、この場合の開放延長状態は高い確率で第1終了条件ではなく第2終了条件によって終了する(図9参照)。
また、第2特別図柄が大当たり態様となった場合の大当たり状態終了後に開始される開放延長状態については、例えば図7(b)に示すように、大当たり態様B1,B2(選択率70%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「100」にそれぞれ設定され、大当たり態様B3(選択率10%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「3」にそれぞれ設定され、大当たり態様B4(選択率10%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「2」にそれぞれ設定され、大当たり態様B5(選択率10%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「1」にそれぞれ設定される。
このように、大当たり態様B1,B2の場合には、第1終了条件が遊技機規則上の最大値である「100」に設定されているのに対し、第2終了条件が同じ「100」に設定されているため、大当たり態様A1の場合と同様、第2終了条件が満たされる前に必ず第1終了条件が満たされるが、本実施形態の場合には第1,第2終了条件ではなく基本的終了条件によって終了する場合が多いと考えられる(図8参照)。一方、大当たり態様B3〜B5の場合には、第1終了条件は同じく「100」に設定されているのに対し、第2終了条件はその第1終了条件の値よりも格段に小さい「3」,「2」,「1」に設定されているため、この場合の開放延長状態は高い確率で第1終了条件ではなく第2終了条件によって終了する(図9参照)。
また、小当たり状態中に第1大入賞手段22に入賞した遊技球が特定領域44aに案内された場合の大当たり状態終了後に開始される開放延長状態については、例えば図7(c)に示すように、小当たり態様b1,b2(選択率70%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「100」にそれぞれ設定され、小当たり態様b3(選択率10%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「3」にそれぞれ設定され、小当たり態様b4(選択率10%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「2」にそれぞれ設定され、小当たり態様b5(選択率10%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「1」にそれぞれ設定される。このように、小当たり態様b1〜b5の場合の第1,第2終了条件の組み合わせは大当たり態様B1〜B5の場合と同じである。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、特別遊技状態終了条件が、第2特別図柄表示手段38による図柄変動回数で規定される第2終了条件を含んでいるため、特別遊技状態中における第1,第2特別図柄の変動割合に拘わらず、特別遊技状態中に遊技者にとってより有利な第2特別図柄を一定回数安定的に変動させることができる。
図10〜図12は本発明の第3の実施形態を例示し、第1,第2の実施形態を一部変更して、特別遊技状態終了条件のうちの第2終了条件を、普通利益状態の発生回数で規定した例を示している。なお、本実施形態の構成は第2終了条件の内容以外は第1,第2の実施形態と同じである。
本実施形態の特別遊技状態終了条件は、第1,第2の実施形態と同様、基本的終了条件、第1終了条件及び第2終了条件で構成されている。そして、基本的終了条件及び第1終了条件の内容については第1,第2の実施形態と同様であるが、第2終了条件については、第1,第2の実施形態とは異なり、普通利益状態の発生回数の上限値が規定されている。例えば第2終了条件が「3」に設定されている場合には、普通利益状態の発生回数が3回に達した時点で開放延長状態は終了する。
図10(a)に示すように、第1特別図柄が大当たり態様となった場合の大当たり状態終了後に開始される開放延長状態については、大当たり態様A1(選択率50%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「100」にそれぞれ設定され、大当たり態様A2(選択率20%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「2」にそれぞれ設定され、大当たり態様A3(選択率20%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「1」にそれぞれ設定され、大当たり態様A4(選択率10%)の場合には第1終了条件が「0」、第2終了条件が「0」にそれぞれ設定される。これにより、第1特別図柄に関する大当たり状態終了後に開放延長状態が発生する確率は90%となる。
このように、大当たり態様A1の場合には、第1終了条件が遊技機規則上の最大値である「100」に設定されているのに対し、第2終了条件も「100」に設定されているが、この場合は第2終了条件が満たされる前に第1終了条件が満たされる場合がほとんどであると考えられる。なお本実施形態の場合、第2特別図柄の変動後には大当たり状態と小当たり状態との何れかが発生し、また小当たり状態が発生し且つ開放した第1大入賞手段22に遊技球が入賞した場合には1/10の確率で大当たり状態が発生するため、大当たり態様A1の場合の開放延長状態については第1,第2終了条件ではなく基本的終了条件によって終了する場合が多いと考えられる(図11参照)。一方、大当たり態様A2,A3の場合には、第1終了条件は同じく「100」に設定されているのに対し、第2終了条件はその第1終了条件の値よりも格段に小さい「2」,「1」に設定されているため、この場合の開放延長状態は高い確率で第1終了条件ではなく第2終了条件によって終了する(図12参照)。
また、第2特別図柄が大当たり態様となった場合の大当たり状態終了後に開始される開放延長状態については、例えば図10(b)に示すように、大当たり態様B1,B2(選択率70%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「100」にそれぞれ設定され、大当たり態様B3(選択率10%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「3」にそれぞれ設定され、大当たり態様B4(選択率10%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「2」にそれぞれ設定され、大当たり態様B5(選択率10%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「1」にそれぞれ設定される。
このように、大当たり態様B1,B2の場合には、第1終了条件が遊技機規則上の最大値である「100」に設定されているのに対し、第2終了条件が同じ「100」に設定されているため、大当たり態様A1の場合と同様、第2終了条件が満たされる前に第1終了条件が満たされる場合がほとんどであると考えられるが、本実施形態の場合には第1,第2終了条件ではなく基本的終了条件によって終了する場合が多いと考えられる(図11参照)。一方、大当たり態様B3〜B5の場合には、第1終了条件は同じく「100」に設定されているのに対し、第2終了条件はその第1終了条件の値よりも格段に小さい「3」,「2」,「1」に設定されているため、この場合の開放延長状態は高い確率で第1終了条件ではなく第2終了条件によって終了する(図12参照)。
また、小当たり状態中に第1大入賞手段22に入賞した遊技球が特定領域44aに案内された場合の大当たり状態終了後に開始される開放延長状態については、例えば図10(c)に示すように、小当たり態様b1,b2(選択率70%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「100」にそれぞれ設定され、小当たり態様b3(選択率10%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「3」にそれぞれ設定され、小当たり態様b4(選択率10%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「2」にそれぞれ設定され、小当たり態様b5(選択率10%)の場合には第1終了条件が「100」、第2終了条件が「1」にそれぞれ設定される。このように、小当たり態様b1〜b5の場合の第1,第2終了条件の組み合わせは大当たり態様B1〜B5の場合と同じである。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、特別遊技状態終了条件が、普通利益状態の発生回数で規定される第2終了条件を含んでいるため、特別遊技状態中における第1,第2特別図柄の変動割合に拘わらず、特別遊技状態中に遊技者にとってより有利な第2特別図柄を一定回数安定的に変動させることができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では第1特別図柄表示手段37による変動後の停止図柄態様が小当たり態様となって小当たり状態が発生する確率を0%に設定したが、第2特別図柄表示手段38だけでなく、第1特別図柄表示手段37による変動後の停止図柄態様が小当たり態様(第1所定態様)となって小当たり状態が発生する確率を0%よりも大きな値に設定してもよい。この場合、第1特別図柄表示手段37による変動後の停止図柄態様が小当たり態様(第1所定態様)となる確率を、第2特別図柄表示手段38による変動後の停止図柄態様が小当たり態様(第2所定態様)となる確率よりも低くすることが望ましい。
特別遊技状態終了条件が、第1〜第3の実施形態における3種類の第2終了条件のうちの複数を同時に含むように構成してもよい。例えば、特別遊技状態終了条件が、小当たり状態(所定利益状態)の発生回数で規定される第2終了条件と、第2特別図柄表示手段38による図柄変動回数で規定される第3終了条件と、普通利益状態の発生回数で規定される第4終了条件とを含むように構成してもよい。この場合、大当たり,小当たり態様の種類によっては第2〜第4終了条件の何れかを設定しない場合があってもよい。また特別遊技状態終了条件を複数種類設け、それらを切り換えて使用してもよい。
実施形態では、第1,第2特別図柄表示手段37,38の両方が同時に変動中となることはなく、また第1,第2特別図柄表示手段37,38が共に図柄変動を開始可能な状態となった場合には第2特別図柄表示手段38の図柄変動を優先して行うように構成した例を示したが、第1,第2特別図柄表示手段37,38の何れか一方の変動中であっても他方の変動を開始可能に構成してもよい。但しこの場合も、第1特別図柄表示手段37が変動する場合(第1始動手段が遊技球を検出した場合)よりも第2特別図柄表示手段38が変動する場合(第2始動手段が遊技球を検出した場合)の方が遊技者が得られる平均利益が大きくなるように設定する。
特別遊技状態は、遊技者に有利な状態であればいわゆる開放延長状態に限られず、例えば大当たり確率を通常よりも高くするいわゆる確変状態等でもよいが、普通利益状態における第2特別図柄始動手段21の開放時間を通常遊技状態中に比べて長くするものであることが望ましい。
また本発明は、パチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種の遊技機においても同様に実施することが可能である。