以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図12は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の左右一側、例えば左側のヒンジ3を介して縦軸心廻りに開閉及び着脱自在に枢着された内枠4とを備えている。
内枠4には、その上部側に遊技盤5等が、下部側に発射手段6等が夫々配置されており、その内枠4の前側には、遊技盤5の前側を覆うガラス扉7と、そのガラス扉7の下側で発射手段6等の前側を覆う下部開閉扉8とがヒンジ3と同じ側のヒンジ9により開閉及び着脱自在に枢着されている。ガラス扉7には、遊技盤5の前面側に設けられた遊技領域15に対応するガラス窓10が設けられ、また下部開閉扉8には、払い出し手段(図示省略)から払い出された遊技球を貯留して発射手段6に供給する上皿11、その上皿11が満杯のときに余剰球を貯留する下皿12、発射手段6を作動させるために操作する発射ハンドル13等が設けられている。
遊技盤5には、発射手段6から発射された遊技球を案内するガイドレール14が環状に装着されると共に、そのガイドレール14の内側の遊技領域15に、センターケース16の他、普通図柄始動手段17、第1,第2特別図柄始動手段(図柄始動手段)18a,18b、大入賞手段19、普通入賞手段20等の遊技球検出手段を含む各種遊技部品が配置されている。
センターケース16は、例えば遊技盤5の裏側に固定される液晶式等の画像表示手段21に対応して遊技領域15内の略中央に配置されており、遊技盤5の前面側に沿って設けられ且つ固定ねじ等により遊技盤5に固定される前面装着板22と、画像表示手段21の表示画面21aを取り囲む表示枠部23とを一体に備えている。表示枠部23は、例えばその略全体が前面装着板22から前側に突出しており、その内側、即ち画像表示手段21側への遊技球の侵入を阻止するようになっている。即ち、発射手段6により遊技領域15の上部側に打ち込まれた遊技球は、この表示枠部23の上部側で左右に振り分けられ、センターケース16の左側の左流下経路24aと右側の右流下経路24bとの何れかを流下する。
センターケース16の例えば表示枠部23上には、普通図柄表示手段31、第1,第2特別図柄表示手段32a,32b、普通保留個数表示手段33等の表示手段の他、画像表示手段21の前側下部に、表示枠部23の例えば左側部に設けられたワープ口34に入球した遊技球を左右方向に自由に転動させて左右方向中央の中央落下口35又はその左右両側から落下させるステージ36が設けられている。また画像表示手段21は、第1,第2図柄変動演出表示手段37a,37b、第1,第2特別保留個数表示手段(保留個数情報表示手段)38a,38b等を構成している。
普通図柄始動手段17は、普通図柄表示手段31による普通図柄の変動表示を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲート等により構成され、例えばセンターケース16の右側上部、即ち右流下経路24b上の上部側に配置されており、ゲート内を通過する遊技球を検出可能となっている。
普通図柄表示手段31は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、普通図柄始動手段17が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段17による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
また、普通図柄表示手段31の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段17が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段33がその発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
第1特別図柄始動手段18aは、第1特別図柄表示手段32aによる図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段等を有しない非作動式入賞手段により構成され、例えばセンターケース16の下側に、ステージ36の中央落下口35の真下に対応して配置されており、入賞した遊技球を検出可能となっている。なお、遊技領域15内の釘配置(図示省略)等により、この第1特別図柄始動手段18aへは左流下経路24aを流下してきた遊技球(ステージ36を経た遊技球を含む)の入賞が可能であるのに対し、右流下経路24bを流下してきた遊技球については入賞困難(又は入賞不可能)となっている。
第2特別図柄始動手段18bは、第2特別図柄表示手段32bによる図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段41により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉式入賞手段により構成され、例えばセンターケース16の右側の右流下経路24b上で且つ普通図柄始動手段17よりも下流側に配置されており、入賞した遊技球を検出可能となっている。この第2特別図柄始動手段18bは、普通図柄表示手段31による普通図柄の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段41が所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するように構成されている。
第1,第2特別図柄表示手段(図柄表示手段)32a,32bは、夫々1個又は複数個、例えば各1個の特別図柄(図柄)を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第1特別図柄表示手段32aは第1特別図柄始動手段18aが遊技球を検出することを条件に、また第2特別図柄表示手段32bは第2特別図柄始動手段18bが遊技球を検出することを条件に、夫々第1,第2特別図柄を所定時間変動表示して、それら第1,第2特別図柄始動手段18a,18bへの入賞時に取得された大当たり判定乱数値(特定判定乱数値)が予め定められた大当たり判定値(特定判定値)と一致する場合には所定の大当たり態様(特定態様)で、それ以外の場合には外れ態様で夫々停止するようになっている。
第1,第2特別図柄は、例えば数字図柄等ではなく、それ自体としては特別な意味を持たない線と点の組み合わせ等よりなる複数種類の図柄で構成され、それらの図柄のうちの1又は複数が大当たり態様、それ以外が外れ態様に設定されている。
また、第1,第2特別図柄の変動表示中、又は後述する特別利益状態(利益状態)中に第1,第2特別図柄始動手段18a,18bが遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された大当たり判定乱数値等(変動記憶情報)が夫々所定の上限個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、第1,第2特別保留個数表示手段38a,38bが夫々大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、第1,第2特別保留個数)を表示して、その時点での第1,第2特別保留個数(保留個数)を遊技者に報知するようになっている。
なお本実施形態では、特別利益状態中には第1,第2特別図柄表示手段32a,32bの図柄変動を開始しない他、第1,第2特別図柄表示手段32a,32bの何れか一方の図柄変動中には他方の図柄変動を開始せず、両方が同時に変動中となることはないように制御される。更に、第1,第2特別保留個数が共に1以上である場合には、第1特別図柄表示手段32aの図柄変動よりも第2特別図柄表示手段32bの図柄変動を優先して行うように構成されている。
第1,第2図柄変動演出表示手段37a,37bは、例えば第1,第2特別図柄表示手段32a,32bによる第1,第2特別図柄の変動表示と時間的に同調して図柄変動演出を行うもので、夫々1個又は複数個、例えば左右方向に3個の第1,第2演出図柄を各種の演出画像と共に画像表示手段21の表示画面21aに変動表示可能に構成されており、第1図柄変動演出表示手段37aは第1特別図柄始動手段18aが遊技球を検出することを条件に、また第2図柄変動演出表示手段37bは第2特別図柄始動手段18bが遊技球を検出することを条件に、夫々第1,第2特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って第1,第2演出図柄の変動を開始すると共に、第1,第2特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように第1,第2演出図柄を左、右、中等の所定の順序で停止・確定させるようになっている。
なお、上述したように第1,第2特別図柄表示手段32a,32bは同時に変動することはないため、表示画面21a上で第1,第2図柄変動演出表示手段37a,37bが同時に図柄変動表示を行うことはない。また第1,第2図柄変動演出表示手段37a,37bは、第1,第2特別図柄の変動内容とは直接関係のない演出を行う場合があってもよい。
第1,第2演出図柄には、例えば「0」〜「9」の10種類の数字図柄が用いられ、 「6・6・6」「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが外れ態様となっている。また、第1,第2図柄変動演出表示手段37a,37bによる第1,第2演出図柄の変動後の停止図柄は、第1,第2特別図柄表示手段32a,32bによる第1,第2特別図柄が大当たり態様で停止する場合には大当たり態様となり、第1,第2特別図柄が外れ態様で停止する場合には任意の外れ態様となる。
第1,第2演出図柄の変動パターンには、リーチ状態を経て大当たり態様又は外れ態様となる複数種類のリーチ変動パターンと、リーチ状態を経ることなく外れ態様となる1又は複数種類のリーチなし変動パターンとが設けられている。なお、リーチ状態とは、残り1つの図柄が揃えば大当たり態様となる状態であり、本実施形態の場合には、左右の図柄が揃って中図柄のみが変動中の状態である。
またリーチ変動パターンは、図3に示すように、リーチ状態が成立するまでのリーチ前シナリオと、リーチ状態が成立してから変動停止するまでのリーチシナリオと、変動停止から確定までの確定シナリオとで構成され、それらリーチ前シナリオ、リーチシナリオ、確定シナリオが夫々1又は複数種類設けられており、それら各シナリオの組み合わせによって複数種類のリーチ変動パターンが形成されている。
ここで、リーチシナリオは、1又は複数種類のノーマルリーチシナリオと、1又は複数種類のスーパーリーチシナリオとの中から選択された1又は複数によって組み立てられており、例えば図3に示すリーチ変動パターン1のリーチシナリオはノーマルリーチシナリオ1のみで構成され、リーチ変動パターン2のリーチシナリオはスーパーリーチシナリオ1のみで構成され、リーチ変動パターン3のリーチシナリオはノーマルリーチシナリオ2とスーパーリーチシナリオ2との結合によって構成されている。なお、スーパーリーチシナリオが含まれるリーチ変動パターンによる図柄変動で大当たり態様となる確率は、スーパーリーチシナリオが含まれないリーチ変動パターンによる図柄変動で大当たり態様となる確率よりも高く設定されている。
第1,第2特別保留個数表示手段(保留個数情報表示手段)38a,38bは、第1,第2特別保留個数分の第1,第2保留個数報知画像X,Yの表示個数により第1,第2特別保留個数を表示するもので、同一の表示画面21a上の所定部分、例えば下部側に、第1,第2保留個数分の第1,第2保留個数報知画像X,Yを互いに上下に対応させて表示するようになっている。即ち、第1,第2特別保留個数表示手段38a,38bは、第1,第2保留個数報知画像X,Yの表示数によって保留個数情報を表示するようになっている。
大入賞手段19は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板42を備えた開閉式入賞手段で、例えばセンターケース16の右側の右流下経路24b上で且つ第2特別図柄始動手段18bよりも下流側に配置されており、第1,第2特別図柄表示手段32a,32bの変動後の第1,第2特別図柄が大当たり態様となることに基づいて発生する特別利益状態中に、開閉板42が複数種類の開放パターンの何れかに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させると共に、その入賞した遊技球を検出するようになっている。
図2は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図2において、51は主制御基板、52は演出制御基板で、これら各制御基板51,52は、遊技盤5に装着されたセンターケース16、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、内枠4及び遊技盤5を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
主制御基板51は、遊技動作を統括的に制御するもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段61、普通始動口チェック処理手段62、普通乱数記憶手段63、普通図柄処理手段64、普通利益状態発生手段65、普通図柄表示制御手段66、第1,第2特別乱数作成処理手段71a,71b、第1,第2特別始動口チェック処理手段72a,72b、第1,第2特別乱数記憶手段(情報記憶手段)73a,73b、第1,第2特別図柄処理手段74a,74b、特別利益状態発生手段75、第1,第2特別図柄表示制御手段76a,76b、特別遊技状態発生手段77、先読み判定手段78、制御コマンド送信手段79等を備えている。
普通乱数作成処理手段61は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段62は、普通図柄始動手段17による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段17が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段61で作成された当たり判定乱数値を1個取得し、その当たり判定乱数値を予め定められた上限個数(例えば4個)を限度として普通乱数記憶手段63に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段64は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段63に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段63に最も早く記憶された当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行う当たり判定機能、当たり/外れの判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択する普通停止図柄選択機能、普通図柄の変動時間を選択する変動時間選択機能等を備えている。
なお本実施形態では、図4に示すように、後述する特別遊技状態中(時短状態中及び確変状態中)の当たり確率(例えば1/1.3)がそれ以外の通常遊技状態中の当たり確率(例えば1/10)よりも高く設定され、また特別遊技状態中における変動時間(例えば2.7秒)が通常遊技状態中における変動時間(例えば27秒)よりも短くなるように設定されている。
普通利益状態発生手段65は、普通図柄処理手段64による判定結果が当たり判定となり、普通図柄表示手段31の変動後の停止図柄が当たり態様となったときに、第2特別図柄始動手段18bの開閉手段41を複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させるようになっている。本実施形態では、図4に示すように、通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)と、この通常開閉パターンよりも開放時間及び/又は開放回数が大となるように設定された延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)の2種類の開閉パターンが設定されており、通常遊技状態中は通常開閉パターンが、特別遊技状態中は延長開閉パターンが選択されるようになっている。
普通図柄表示制御手段66は、普通図柄処理手段64による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段31の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段63に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段31による普通図柄の変動を開始させ、普通図柄処理手段64で選択された変動時間が経過することに基づいて、同じく普通図柄処理手段64で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
第1,第2特別乱数作成処理手段71a,71bは、変動後の第1,第2特別図柄を大当たり態様とするか否かの判定に用いる大当たり判定乱数の他、変動後の特別図柄が大当たり態様となる場合の停止図柄、大入賞手段19の開放パターン等の選択に用いる大当たり図柄乱数、特別図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン選択乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
第1,第2特別始動口チェック処理手段72a,72bは、第1,第2特別図柄始動手段18a,18bへの遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、第1,第2特別図柄始動手段18a,18bに遊技球が入賞し、第1,第2特別図柄始動手段18a,18bがその入賞球を検出することに基づいて、第1,第2特別乱数作成処理手段71a,71bで作成された大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値を1個ずつ取得し、それら大当たり判定乱数値及び大当たり図柄乱数値(変動記憶情報)を予め定められた上限個数(例えば各4個)を限度として第1,第2特別乱数記憶手段(情報記憶手段)73a,73bに記憶させるように構成されている。
第1,第2特別図柄処理手段74a,74bは、第1,第2特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、第1,第2特別図柄表示手段32a,32bが変動表示可能な状態となり且つ第1,第2特別乱数記憶手段73a,73bに1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること(第1,第2特別保留個数が1以上であること)を条件に、第1,第2特別乱数記憶手段73a,73bに最も早く記憶された大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値(特定判定乱数値)が予め定められた大当たり判定値(特定判定値)と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定を行う大当たり判定機能、大当たり/外れの判定結果と、第1,第2特別乱数記憶手段73a,73bに大当たり判定乱数値と共に記憶されている大当たり図柄乱数値とに基づいて、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄を選択する特別停止図柄選択機能、大当たり/外れの判定結果に基づいて、第1,第2特別図柄の変動パターンとして複数種類の特別図柄変動パターンの中から1つを選択する第1,第2変動パターン選択機能等を備えている。
本実施形態では、図5に示すように、大当たり判定値として、後述する確変状態中以外の通常確率状態中には例えば0〜349までの大当たり判定乱数値のうちの「7」が、確変状態中にはその「7」に加えて「17」,「27」等の複数個(例えば合計10個)が設定されている。
また、例えば特別利益状態中には第1,第2特別図柄表示手段32a,32bの図柄変動を開始しない他、第1,第2特別図柄表示手段32a,32bの何れか一方の図柄変動中には他方の図柄変動を開始せず、両方が同時に変動中となることはないように制御され、且つ第1,第2特別保留個数が共に1以上である場合には、第1特別図柄表示手段32aの図柄変動よりも第2特別図柄表示手段32bの図柄変動を優先するように制御される。
特別利益状態発生手段(利益状態発生手段)75は、遊技者に有利な特別利益状態(利益状態)を発生させるためのもので、第1,第2特別図柄処理手段74a,74bによる大当たり/外れの判定結果が大当たり判定となり、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様(特定態様)となることに基づいて、大入賞手段19を所定の開放パターンに従って開放する特別利益状態を発生させるように構成されている。特別利益状態における大入賞手段19の開放パターンは例えば複数種類用意されており、特別利益状態毎にそれらのうちの1つが選択されるようになっている。
本実施形態では、図5に示すように大入賞手段19の開放パターンとしてα,βの2種類が設けられており、特別利益状態発生手段75は、例えば大当たり図柄乱数値に応じて開放パターンα,βの何れかを選択するように構成されている。開放パターンαは、遊技球が入賞困難な短時間だけ大入賞手段19を開放するもので、大入賞手段19を0.2秒開放する動作を2ラウンド行うように設定されている。この開放パターンαは、1回の開放時間が0.2秒と僅かでしかもラウンド数も2ラウンドと少ないため、その開放中に遊技球が入賞する可能性は極めて小さい。
一方の開放パターンβは、大入賞手段19を、開放してから所定時間(例えば28秒)経過するかそれまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に閉鎖する動作を、所定ラウンド数(例えば15ラウンド)行うように設定されている。この開放パターンβの場合、大入賞手段19への1個の入賞に対する賞球を15個とすると、遊技者が普通に発射動作を続けるだけで殆どの場合に9×15×15=2025個の出球が期待でき、開放パターンαに比べて遊技者が得られる直接的な利益は格段に大きくなっている。
また本実施形態では、図5に示すように、開放パターンβが選択される確率は第2特別図柄側の方が第1特別図柄側よりも高い値に設定されている。なお以下の説明では、開放パターンαによる特別利益状態を「2R大当たり状態」、開放パターンβによる特別利益状態を「15R大当たり状態」という。
第1,第2特別図柄表示制御手段76a,76bは、第1,第2特別図柄表示手段32a,32bの表示制御を行うもので、第1特別図柄処理手段74a又は第2特別図柄処理手段74bによる特別図柄処理に基づいて、第1特別図柄表示手段32a又は第2特別図柄表示手段32bによる第1,第2特別図柄の変動を開始させると共に所定の第1,第2変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて所定の停止図柄で第1,第2特別図柄の変動を停止させるようになっている。
特別遊技状態発生手段77は、特別利益状態の開始後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、例えば第1,第2特別乱数記憶手段73a,73bに記憶された大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致した場合の大当たり図柄乱数値に応じて、時短状態と確変状態との何れかの特別遊技状態を発生させるように構成されている。なお本実施形態では、図5に示すように、第1,第2特別図柄表示手段32a,32b共に、大当たり図柄乱数値が0〜4の場合に時短状態が、5〜9の場合に確変状態が夫々発生するように構成されている。このように、本実施形態では特別遊技状態(確変状態と時短状態)の振り分け確率については第1特別図柄側と第2特別図柄側とで同一であるのに対し、特別利益状態で開放パターンβが選択される確率は第2特別図柄側の方が第1特別図柄側よりも高くなっており、第1特別図柄側で大当たりとなるよりも第2特別図柄側で大当たりとなる方が遊技者にとって有利な設定となっている。
時短状態中は、第1,第2特別図柄に関して、第1,第2特別図柄表示手段32a,32bの変動時間が夫々通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、図4に示すように当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、第2特別図柄始動手段18bの開閉手段41の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、時短状態は例えばその開始後に第1,第2特別図柄が所定回数(例えば50回)変動した時点で終了するようになっている。
確変状態中は、それ以外の通常確率状態中よりも大当たり判定値の数が例えば1個から10個へ増加されることにより、第1,第2特別図柄が大当たり態様となる確率が通常確率(例えば1/350)よりも高い高確率(例えば1/35)に切り換えられるようになっている。また、確変状態中は、原則として時短状態と同様の処理も併せて行われるが、特別遊技状態中以外の通常遊技状態中に2R大当たり状態が発生した場合には、その終了後に発生する確変状態については時短状態と同様の処理は行われない(いわゆる潜伏確変状態)ようになっている。なお、確変状態は例えば次の特別利益状態が発生した時点で終了する。
先読み判定手段78は、第1,第2特別図柄始動手段18a,18bが遊技球を検出したときに取得される大当たり判定乱数値(変動記憶情報)の内容を、第1,第2特別図柄処理手段74a,74bによる判定よりも前の所定時点、例えばそれらの乱数値を取得した時点で事前に判定するもので、例えばその大当たり判定乱数値が、確変状態中の大当たり判定値にのみ一致するもの(以下、「確変時大当たり保留記憶」という)、通常確率状態中の大当たり判定値と一致するもの(以下、「通常確率時大当たり保留記憶」という)、大当たり判定値とは一致しないもの(以下、「外れ保留記憶」という)の何れであるかを判定するようになっている。
制御コマンド送信手段79は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板52等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、第1,第2特別図柄処理手段74a,74bによる第1,第2特別図柄処理に基づいて、第1,第2特別図柄の変動開始時に、第1,第2特別保留個数の減少を指定する第1,第2保留減少コマンド、図柄変動演出における第1,第2演出図柄の変動パターンを指定する第1,第2変動パターン指定コマンド、第1,第2演出図柄の変動後の停止図柄の抽選を指示する停止図柄コマンドをこの順序で演出制御基板52側に送信し、第1,第2特別図柄の変動終了時に第1,第2演出図柄の変動停止(図柄変動演出の終了)を指示する変動停止コマンドを演出制御基板52側に送信する機能、第1,第2特別保留個数の増加を指定する第1,第2保留増加コマンドを演出制御基板52側に送信する機能、遊技状態が変化する際に遊技状態コマンドを演出制御基板52側に送信する機能等を備えている。
ここで、第1,第2保留増加コマンドは、例えば図6に示すように、増加後の保留個数を示す保留1〜保留4に対応する4種類のコマンドが、外れ保留記憶、通常確率時大当たり保留記憶、確変時大当たり保留記憶の3種類に対応して3組設けられている。また、第1,第2保留減少コマンドは、例えば減少後の保留個数を示す保留0〜保留3に対応する4種類が設けられている(図示省略)。
演出制御基板52は、第1,第2図柄変動演出表示手段37a,37b、第1,第2特別保留個数表示手段38a,38b、音声出力手段81、ランプ手段82等の各種演出手段を制御するためのもので、図柄変動演出制御手段83、特別保留個数表示管理手段84、特別保留個数表示制御手段85等を備えている。
図柄変動演出制御手段83は、第1,第2図柄変動演出表示手段37a,37bの表示制御及びそれに伴う音声出力手段81、ランプ手段82等の制御を行うもので、主制御基板51側から第1,第2変動パターン指定コマンドを受信し、その後所定時間内に停止図柄コマンドを受信することを条件に、第1,第2演出図柄の変動後の停止図柄を抽選により決定すると共に第1,第2変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに基づいて所定の演出画像と共に第1,第2演出図柄の変動演出を開始させ、変動停止指定コマンドを受信したときに、抽選により決定された停止図柄で第1演出図柄又は第2演出図柄の変動を停止させ、またその第1,第2演出図柄の変動表示に合わせて音声出力手段81から所定の効果音を出力し、ランプ手段82を所定のパターンで発光させるようになっている。
特別保留個数表示管理手段84は、第1,第2特別保留個数表示手段38a,38bによる第1,第2保留個数報知画像X,Yの表示/非表示の切り換え制御を行うもので、例えば図7に示す特別保留個数表示管理処理を、微少時間間隔(例えば4msec毎)で行われる定期割り込み毎に実行するようになっている。なお、特別保留個数表示管理手段84は、主制御基板51から送信される第1,第2保留増加コマンド、第1,第2保留減少コマンドに基づいて第1,第2特別保留個数の情報を取得・保持しているものとする。
図7に示す特別保留個数表示管理処理では、まず図柄変動演出中であるか否か、即ち第1演出図柄又は第2演出図柄の変動中であるか否かが判定される(S1)。図柄変動演出中でない場合、即ち第1,第2演出図柄の何れも変動中でない場合には(S1:No)、ここで特別保留個数表示管理処理は終了する。
図柄変動演出中であった場合、即ち第1,第2演出図柄の何れかが変動中であった場合には(S1:Yes)、保留非表示フラグのON/OFF状態が判定される(S2)。ここで、保留非表示フラグは、第1,第2保留個数報知画像X,Yの表示/非表示の状態を示すもので、第1,第2保留個数報知画像X,Yを表示する保留表示期間中はOFFに設定され、第1,第2保留個数報知画像X,Yを表示しない保留非表示期間中はONに設定されるようになっている。
S2において保留非表示フラグがOFFである、即ち保留表示期間中であると判定された場合には、リーチシナリオを実行中であるか否かが判定される(S3)。リーチシナリオを実行中でないと判定された場合、即ちリーチなし変動パターンによる変動中であるか、又はリーチ変動パターンにおけるリーチ前シナリオ若しくは確定シナリオを実行中である場合には(S3:No)、ここで特別保留個数表示管理処理は終了する。
S3においてリーチシナリオを実行中であると判定された場合には(S3:Yes)、保留非表示フラグがONに切り換えられ(S4)、保留表示から保留非表示に設定変更される(S5)。
一方、S2において保留非表示フラグがONである、即ち保留非表示期間中であると判定された場合には、確定シナリオを実行中であるか否か、即ちリーチシナリオの実行が終了したか否かが判定され(S6)、確定シナリオを実行中でない(未だリーチシナリオ実行中である)と判定された場合には(S6:No)、ここで特別保留個数表示管理処理は終了する。
S6において確定シナリオを実行中である(リーチシナリオの実行は終了した)と判定された場合には(S6:Yes)、保留非表示フラグがOFFに切り換えられ(S7)、保留非表示から保留表示に設定変更される(S8)。
以上の特別保留個数表示管理処理により、リーチ変動パターンにおけるリーチシナリオ実行中は保留非表示期間となり、それ以外、即ちリーチ変動パターンにおけるリーチ前シナリオ、確定シナリオ実行中、及びリーチなし変動パターンによる変動中は保留表示期間となる(図12)。
特別保留個数表示制御手段85は、第1,第2特別保留個数表示手段38a,38bの表示制御を行うもので、例えば図8に示す特別保留個数表示制御処理を例えば定期割り込み毎に実行するようになっている。図8に示すように、特別保留個数表示制御手段85による特別保留個数表示制御処理では、例えば保留増加時処理(S11)、保留表示制御処理(S12)及び保留減少時処理(S13)が順次実行されるようになっている。
まず、図9に示す保留増加時処理(図8のS11)について説明する。この保留増加時処理では、まず第1,第2保留増加コマンドの何れかを受信したか否かが判定され(S21)、何れも受信していない場合(S21:No)にはここで保留増加時処理は終了する。S21において第1,第2保留増加コマンドの何れかを受信したと判定された場合には(S21:Yes)、先読み演出禁止期間中であるか否か、先読み演出フラグがONであるか否かが夫々判定される(S22,S23)。
ここで、先読み演出禁止期間は、先読み演出を行うことができないものと特別に定められた期間であって、例えば遊技機規則、その他に基づいて予め設定されているものとする。なお、この先読み演出禁止期間の開始/終了に関する情報は、第1,第2保留増加コマンド等に組み込んで送信してもよいし、専用のコマンドを設けてもよい。また、先読み演出フラグは、後述する先読み演出を行うか否かの抽選(S24)に当選した場合に、その当選に係る保留記憶が図柄変動に供されるまでの期間中、ONに設定されるようになっている。
先読み演出禁止期間中でなく(S22:No)、先読み演出フラグがONでもない(S23:No)場合には、先読み演出を行うか否かの抽選が行われ(S24)、これに当選した場合には(S25:Yes)、先読み演出フラグがONに設定される(S26)と共に、当該保留記憶に対応する先読み表示態様が抽選により選択される(S27)。なお、第1,第2特別図柄始動手段18a,18bに遊技球が入賞し、その保留記憶について先読み演出抽選に当選することが、所定の先読み演出実行条件成立の一例である。
本実施形態では、第1,第2保留個数報知画像X,Yの表示態様として、先読み表示態様と先読み非表示態様とが設けられている。先読み表示態様は、先読み演出の抽選に当選した保留記憶に使用される表示態様で、図6に示すように、外れ保留記憶に対応する例えば緑色(図面上では斜線)の外れ表示態様と、通常確率時大当たり保留記憶に対応する例えば黄色(図面上では網掛け)の通常確率時大当たり表示態様と、確変時大当たり保留記憶に対応する例えば赤色(図面上では黒塗り)の確変時大当たり表示態様との3種類設けられている。また、先読み非表示態様は、先読み演出の抽選に当選していない保留記憶に使用される表示態様で、図6に示すように、例えば先読み表示態様の何れとも異なる白色(図面上では白抜きで示す)の表示態様となっている。即ち、第1,第2特別保留個数表示手段38a,38bは、第1,第2保留個数報知画像X,Yの表示色によって先読み判定情報を表示するようになっている。
S27では、3種類の先読み表示態様、即ち外れ表示態様、通常確率時大当たり表示態様、確変時大当たり表示態様の何れかが、予め定められた選択率(図6)に基づいて抽選により選択される。本実施形態では、外れ保留記憶に対しては、真の表示である外れ表示態様の選択率が49/50と高確率に設定されている一方、偽の表示である通常確率時大当たり表示態様、確変時大当たり表示態様の選択率が夫々1/100,1/100に設定されている。また、通常確率時大当たり保留記憶、確変時大当たり保留記憶に対しては、通常確率時大当たり表示態様又は確変時大当たり表示態様と非予告表示態様との選択率が夫々1/2,1/2に設定されており、通常確率時大当たり保留記憶又は確変時大当たり保留記憶であっても、大当たりに対応する予告演出が出現するのは1/2の確率となっている。
このように、外れ保留記憶の場合でも僅かながら通常確率時大当たり表示態様等が選択される可能性があり、また通常確率時保留記憶等の場合でも一定の確率で外れ表示態様が選択されるようになっている。
一方、S22において先読み演出禁止期間中であると判定された場合(S22:Yes)、S23において先読み演出フラグがONであると判定された場合(S23:Yes)、又はS24の先読み演出抽選に当選しなかった場合(S25:No)には、当該保留記憶に対して先読み非表示態様が選択される(S28)。
そして、保留非表示期間中であり(S29:Yes)、且つ先読み演出フラグがONであることを条件に(S30:Yes)、表示変更待機フラグがONに設定され(S31)、保留増加時処理は終了する。
続いて、図10に示す保留表示制御処理(図8のS12)について説明する。この保留表示制御処理では、まず保留表示/保留非表示の各期間の変化状態(図7のS5,S8)が判定される(S41,S43,S45)。そして、保留表示期間から保留非表示期間に変化したと判定された場合には(S41:Yes)、第1,第2保留個数報知画像X,Yが共に画像表示手段21の表示画面21aから消去される(S42)。また、保留非表示期間中のまま変化なしと判定された場合には(S43:Yes)、第1,第2保留個数報知画像X,Yの非表示状態が維持される(S44)。
保留非表示期間から保留表示期間に変化したと判定された場合には(S45:Yes)、表示変更待機フラグがONであるか否かが判定され(S46)、表示変更待機フラグがOFFであると判定された場合には、非表示状態であった第1,第2保留個数報知画像X,Yが画像表示手段21の表示画面21aに通常表示状態で表示される(S47)。この通常表示状態は、保留個数情報と先読み判定情報とを共に表示するもので、先読み演出抽選に当選した保留記憶については先読み表示態様で、それ以外の保留記憶については先読み非表示態様で、夫々第1,第2保留個数報知画像X,Yが表示される。
一方、S46において表示変更待機フラグがONであると判定された場合には、非表示状態であった第1,第2保留個数報知画像X,Yが画像表示手段21の表示画面21aに先読み非表示状態で表示される(S48)。この先読み非表示状態は、先読み判定情報を表示することなく保留個数情報のみを表示するもので、先読み演出抽選に当選した保留記憶であるか否かに拘わらず、その時点の全ての保留記憶に対応する第1,第2保留個数報知画像X,Yが先読み非表示態様で表示される。
また、保留表示期間中のまま変化なしと判定された場合には(S45:No)、表示変更待機フラグがONであるか否かが判定され(S49)、表示変更待機フラグがOFFであると判定された場合には、第1,第2保留個数報知画像X,Yの通常表示状態(S47)が維持される(S50)。
一方、S49において表示変更待機フラグがONであると判定された場合には、第1,第2保留減少コマンドの何れかを受信したか否かが判定され(S51)、何れも受信していない場合には(S51:No)、第1,第2保留個数報知画像X,Yの先読み非表示状態(S48)が維持される(S52)。
S51において第1,第2保留減少コマンドの何れかを受信したと判定された場合には(S51:Yes)、表示変更待機フラグがOFFに設定されると共に(S53)、第1,第2保留個数報知画像X,Yの表示が先読み非表示状態から通常表示状態に変更される(S54)。即ち、先読み演出抽選に当選した保留記憶に対応する第1,第2保留個数報知画像X,Yが、先読み非表示態様から先読み表示態様に切り換えられる。
続いて、図11に示す保留減少時処理(図8のS13)について説明する。この保留減少時処理では、まず第1,第2保留減少コマンドの何れかを受信したか否かが判定され (S61)、何れも受信していない場合(S61:No)にはここで保留減少時処理は終了する。S61において第1,第2保留減少コマンドの何れかを受信したと判定された場合には(S61:Yes)、新たに図柄変動に供される保留記憶が先読み演出抽選で当選したものであることを条件に先読み演出フラグがOFFに設定され(S62,S63)、第1保留減少コマンドを受信した場合には第1保留個数報知画像Xが、第2保留減少コマンドを受信した場合には第2保留個数報知画像Yが、画像表示手段21の表示画面21a上で前側にシフトされる(S64)。
以上説明した特別保留個数表示管理手段84による特別保留個数表示管理処理(図7)及び特別保留個数表示制御手段85による特別保留個数表示制御処理(図8〜図11)における、第1,第2保留個数報知画像X,Yの表示状態の変化の具体例を図12に示す。図12(a)(b)において、第2演出図柄がリーチ変動パターン3で変動を開始した段階では保留表示期間中であるため、画像表示手段21の表示画面21a上に第1,第2保留個数報知画像X,Yが通常表示状態で表示された状態となっている。
その後、リーチが成立してリーチシナリオの実行が開始されると、保留表示期間から保留非表示期間に変化するため(S5,S41)、第1,第2保留個数報知画像X,Yが共に画像表示手段21の表示画面21aから消去される(S42)。この保留非表示期間中に例えば第2特別図柄始動手段18bに遊技球が入賞すると、第2特別保留個数が例えば1から2に増加し、第2保留増加コマンドが主制御基板51から演出制御基板52に送信されるが(S21)、保留非表示期間中であるため、この時点では第1,第2保留個数報知画像X,Yは非表示のままである。
なお、この始動入賞時の先読み演出抽選(S24)で当選しなかった場合には、表示変更待機フラグはOFFのまま、その保留記憶に対して先読み非表示態様が選択され(S28)、図12(a)に示すように、確定シナリオの開始時、即ち保留非表示期間から保留表示期間に変化した時点で、非表示状態であった第1,第2保留個数報知画像X,Yがその時点での第1,第2特別保留個数分だけ画像表示手段21の表示画面21aに通常表示状態により表示される(S47)。そして、次の図柄変動の開始時には、新たな図柄変動に係る第2特別保留個数が1減少し、第2保留個数報知画像Yが、画像表示手段21の表示画面21a上で前側にシフトされる(S64)。
一方、保留非表示期間中の始動入賞時の先読み演出抽選(S24)で当選した場合には、その保留記憶に対して先読み表示態様が抽選により選択されると共に(S27)、表示変更待機フラグはONとなり(S31)、図12(b)に示すように、確定シナリオの開始時、即ち保留非表示期間から保留表示期間に変化した時点で、非表示状態であった第1,第2保留個数報知画像X,Yがその時点での第1,第2特別保留個数分だけ画像表示手段21の表示画面21aに先読み非表示状態で表示される(S48)。即ち、先読み演出抽選に当選した保留記憶であるか否かに拘わらず、その時点の全ての保留記憶に対応する第1,第2保留個数報知画像X,Yが先読み非表示態様で表示される。
そして、次の図柄変動の開始時に主制御基板51から演出制御基板52に第2保留減少コマンドが送信されると(S51:Yes)、第1,第2保留個数報知画像X,Yが先読み非表示状態から通常表示状態に変更される(S54)。即ち、保留非表示期間中に先読み演出抽選に当選した保留記憶に対応する第2保留個数報知画像Yが、先読み非表示態様から先読み表示態様に切り換えられる。続いて、新たな図柄変動に係る第2特別保留個数が1減少し、第2保留個数報知画像Yが、画像表示手段21の表示画面21a上で前側にシフトされる(S64)。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、保留非表示期間中に第1,第2特別図柄始動手段18a,18bに遊技球が入賞し、その保留記憶について先読み演出抽選に当選した場合(先読み演出実行条件が成立した場合)には、その後に保留非表示期間が終了して第1,第2特別保留個数表示手段38a,38bによる保留個数情報の表示が開始された時点では先読み判定情報を表示させず、その後に主制御基板51から第1,第2保留減少コマンドを受信した時点で先読み判定情報を表示させるように構成されているため、保留非表示期間が設けられているにも拘わらず、遊技者がその保留非表示期間中の先読み判定情報等の変化を容易に認識することが可能である。
図13〜図15は本発明の第2の実施形態を例示し、保留非表示期間中に先読み演出実行条件が成立した場合には、その時点から保留個数情報を所定期間表示させ、その所定期間開始後の所定のタイミングで更に先読み判定情報の表示を開始させるように構成した例を示している。なお、本実施形態が第1の実施形態と異なるのは、保留増加時処理及び保留表示制御処理の夫々一部のみであるため、それら第1の実施形態との相違部分を中心に説明する。
まず本実施形態の保留増加時処理(図13)では、保留非表示期間中に先読み演出抽選(S24)に当選した場合の設定処理の内容のみが第1の実施形態の保留増加時処理(図9)と異なっている。即ち、S29において保留非表示期間中であると判定され(S29:Yes)、S30において先読み演出フラグがONであると判定された場合には(S30:Yes)、先読み演出実行フラグがONに設定され(S31a)、また表示切替時間T1,T2に所定値が設定される(S31b)。
ここで、表示切替時間T1には、保留個数情報の表示が開始されてから先読み判定情報の表示が開始されるまでの時間t1に対応する値が、表示切替時間T2には、先読み判定情報の表示が開始されてから保留個数情報及び先読み判定情報の表示が終了するまでの時間t2に対応する値が、夫々設定されるようになっている。なお、後述するように表示切替時間T1,T2の値は例えば保留表示制御処理が実行される度に1ずつ減算され、その減算の開始からt1,t2が経過した時点で夫々0となるように設定されている。
続いて、本実施形態の保留表示制御処理(図14)について説明する。この保留表示制御処理では、まず保留表示/保留非表示の各期間の変化状態(図7のS5,S8)が判定される(S71,S73,S84)。そして、保留表示期間から保留非表示期間に変化したと判定された場合には(S71:Yes)、第1,第2保留個数報知画像X,Yが共に画像表示手段21の表示画面21aから消去される(S72)。
また、保留非表示期間中のまま変化なしと判定された場合には(S73:Yes)、先読み演出実行フラグの状態が判定され(S74)、先読み演出実行フラグがOFFであれば、即ち先読み演出抽選(S24)に当選していない場合には、第1,第2保留個数報知画像X,Yの非表示状態がそのまま維持される(S75)。
一方、S74において先読み演出実行フラグがONであれば、即ち先読み演出抽選(S24)に当選した場合には、表示切替時間T1が0であるか否か、即ち先読み演出抽選に当選してから時間t1が経過したか否かが判定され(S76)、表示切替時間T1が0でなければ、即ち先読み演出抽選に当選してから未だ時間t1が経過していなければ(S76:Yes)、表示切替時間T1が1減算されると共に(S77)、第1,第2保留個数報知画像X,Yが先読み非表示状態(先読み判定情報を表示することなく保留個数情報のみを表示する状態)で表示される(S78)。即ち、先読み演出抽選に当選した保留記憶であるか否かに拘わらず、その時点の全ての保留記憶に対応する第1,第2保留個数報知画像X,Yが先読み非表示態様で表示される。
S76において表示切替時間T1が0であれば、即ち先読み演出抽選に当選してから時間t1が経過した場合には(S76:No)、表示切替時間T2が0であるか否か、即ち第1,第2保留個数報知画像X,Yの先読み非表示状態での表示開始(S78)から時間t2が経過したか否かが判定され(S79)、表示切替時間T2が0でなければ、即ち第1,第2保留個数報知画像X,Yの先読み非表示状態での表示開始(S78)から未だ時間t2が経過していなければ(S79:Yes)、表示切替時間T2が1減算されると共に(S80)、第1,第2保留個数報知画像X,Yが通常表示状態(保留個数情報と先読み判定情報とを共に表示する状態)で表示される(S81)。即ち、先読み演出抽選に当選した保留記憶については先読み表示態様で、それ以外の保留記憶については先読み非表示態様で、夫々第1,第2保留個数報知画像X,Yが表示される。
S79において表示切替時間T2が0であれば、即ち第1,第2保留個数報知画像X,Yの先読み非表示状態での表示開始(S78)から時間t2が経過した場合には(S79:No)、先読み演出実行フラグがOFFに設定されると共に(S82)、第1,第2保留個数報知画像X,Yが共に画像表示手段21の表示画面21aから消去される(S83)。
保留非表示期間から保留表示期間に変化した場合には(S84:Yes)、第1,第2保留個数報知画像X,Yが通常表示状態で表示される(S86)。なお、S79において表示切替時間T2が0であると判定されるよりも前に保留非表示期間が終了した場合、即ちS85において先読み演出実行フラグがONであると判定された場合には、S86の処理と合わせて、先読み演出実行フラグがOFFに設定される(S87)と共に表示切替時間T1,T2が0クリアされる(S88)。また、保留表示期間のまま変化がない場合には(S84:No)、第1,第2保留個数報知画像X,Yの通常表示状態での表示が維持される(S89)。
本実施形態における第1,第2保留個数報知画像X,Yの表示状態の変化の具体例を図15に示す。図15の例は、図12(b)と同じ条件設定となっており、保留非表示期間中に先読み演出抽選(S24)で当選するまでの第1,第2保留個数報知画像X,Yの表示状態の変化は図12(b)と同じである。
保留非表示期間中に先読み演出抽選(S24)で当選すると、本実施形態の場合には、図15に示すようにその時点で第1,第2保留個数報知画像X,Yが画像表示手段21の表示画面21aに先読み非表示状態で表示され(S78)、その先読み非表示状態での表示開始から時間t1が経過した時点で第1,第2保留個数報知画像X,Yが先読み非表示状態から通常表示状態に変更され(S81)、更にその通常表示状態による表示開始から時間t2経過した時点で第1,第2保留個数報知画像X,Yが画像表示手段21の表示画面21aから消去される(S83)。
以上のように、保留非表示期間中に先読み演出実行条件が成立した場合には、その時点から保留個数情報を所定期間表示させ、その所定期間開始後の所定のタイミングで更に先読み判定情報の表示を開始させるように構成しても、第1の実施形態と同様、保留非表示期間が設けられているにも拘わらず、遊技者がその保留非表示期間中の先読み判定情報等の変化を容易に認識することが可能である。
図16〜図18は本発明の第3の実施形態を例示し、保留非表示期間中に先読み演出実行条件が成立した場合には、その時点で第1,第2特別保留個数表示手段(保留個数情報表示手段)38a,38b以外の報知手段、例えば音声出力手段81によって先読み判定情報を報知するように構成した例を示している。なお、本実施形態が第2の実施形態と異なるのは、保留増加時処理及び保留表示制御処理の夫々一部のみであるため、それら第2の実施形態との相違部分を中心に説明する。
まず本実施形態の保留増加時処理(図16)では、第2の実施形態の保留増加時処理 (図13)からS31bが省略されている。
続いて、本実施形態の保留表示制御処理(図17)について説明する。この保留表示制御処理では、まず保留表示/保留非表示の各期間の変化状態(図7のS5,S8)が判定される(S71,S73,S84)。そして、保留表示期間から保留非表示期間に変化したと判定された場合には(S71:Yes)、第1,第2保留個数報知画像X,Yが共に画像表示手段21の表示画面21aから消去される(S72)。
また、保留非表示期間中のまま変化なしと判定された場合には(S73:Yes)、第1,第2保留個数報知画像X,Yの非表示状態がそのまま維持されるが(S75)、先読み演出実行フラグがONの場合には(S74)、先読み判定情報が音声により出力され (S74a)、先読み演出実行フラグがOFFに設定される(S74b)。
また保留非表示期間から保留表示期間に変化した場合には(S84:Yes)、第1,第2保留個数報知画像X,Yが通常表示状態で表示され(S86)、保留表示期間のまま変化がない場合には(S84:No)、第1,第2保留個数報知画像X,Yの通常表示状態での表示が維持される(S89)。
本実施形態における第1,第2保留個数報知画像X,Yの表示状態の変化等の具体例を図18に示す。図18の例は、図15と同じ条件設定となっているが、第2の実施形態に係る図15の場合には、保留非表示期間中に先読み演出抽選(S24)で当選すると、第1,第2保留個数報知画像X,Yが一時的に表示されるのに対し、本実施形態に係る図18の場合には、保留非表示期間中に先読み演出抽選(S24)で当選すると、第1,第2保留個数報知画像X,Yは非表示のままで音声により先読み判定情報、例えば「大当たりかな?」が出力される。
以上のように、保留非表示期間中に先読み演出実行条件が成立した場合には、その時点で第1,第2特別保留個数表示手段(保留個数情報表示手段)38a,38b以外の報知手段、例えば音声出力手段81によって先読み判定情報を報知するように構成しても、第1の実施形態と同様、保留非表示期間が設けられているにも拘わらず、遊技者がその保留非表示期間中の先読み判定情報等の変化を容易に認識することが可能である。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、第1の実施形態では、主制御基板51から第1,第2保留減少コマンドを受信した時点で先読み非表示状態から通常表示状態に変更するように構成したが、先読み非表示状態から通常表示状態に変更するためのトリガーは第1,第2保留減少コマンドに限られるものではなく、その他の特定のコマンド(例えば第1,第2変動パターン指定コマンド、停止図柄コマンド等)であってもよいし、先読み非表示状態から通常表示状態に変更された後に最初に受信するコマンドであってもよい。
第1,第2の実施形態のように、まず先読み非表示状態で表示した後に通常表示状態に変更する場合、例えば増加前の保留個数に基づいて先読み非表示状態で表示し、通常表示状態に変更する時点で増加後の保留個数に基づく表示に変更してもよい。
第3の実施形態のように、保留非表示期間中に先読み演出実行条件が成立したときにその時点で第1,第2特別保留個数表示手段(保留個数情報表示手段)38a,38b以外の報知手段による報知を行う場合、その報知手段は音声出力手段の他、ランプ手段、可動体等でもよいし、それらを組み合わせて使用してもよい。
また、保留非表示期間中は先読み判定手段78による判定を行わないようにしてもよい。この場合、例えば第1,第2保留増加コマンドは、例えば先読み判定結果の情報を有しないコマンドを別途一組設ければよい。
実施形態では、本発明を特別図柄表示手段等を2組備えた弾球遊技機に適用した例を示したが、特別図柄表示手段を1つしか備えていない弾球遊技機についても同様に適用可能である。また、パチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種の弾球遊技機においても同様に実施することが可能である。