JP5788376B2 - 金属含有粒子集合体及びその製造方法 - Google Patents
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[第1の実施の形態:金属含有粒子集合体]
(金属含有粒子集合体)
本実施の形態の金属含有粒子集合体は、粒子の中心を成すコア部と、該コア部の少なくとも一部の表面を被覆する被覆層(シェル層)を備えたコア−シェル型の粒子が複数集合した集合体である。
上記金属含有粒子のコア部は、Fe,Co,Niからなる第1の群から選ばれる少なくとも1種類の磁性金属元素(第1の群の金属元素)と、Mg,Al,Si,Ca,Zr,Ti,Hf,Zn,Mn,希土類元素、BaおよびSrからなる第2の郡から選ばれる少なくとも1種類の金属元素(第2の群の金属元素)とを含有する。
coupled plasma)発光分析、TEM−EDX(Energy
Dispersive X-ray Fluorescence Spectrometer)、XPS、SIMS(Secondary
Ion Mass Spectrometry)などの方法を挙げることができる。ICP発光分析によれば、弱酸などにより溶解した磁性金属粒子部分(コア部)と、アルカリや強酸などにより溶解した残留物(シェル層)、および粒子全体との分析結果を比較することにより、コア部の組成を確認し、すなわちコア部中の非磁性金属の量を分離測定できる。また、TEM−EDXによれば電子ビームをコア部またはシェル層に絞って照射し、各部位の構成元素比を定量することができる。更に、XPSによればコア部またはシェル層を構成する各元素の結合状態を調べることもできる。
上記シェル層は、前述の通り、上記コア部の少なくとも一部を被覆するものであり、酸化物層を少なくとも含んでいる。さらに炭素含有材料層を含んでいても良い。
上記酸化物層は、上記コア部の構成成分である第2の群の元素のうちの少なくとも1種類の元素を含む。すなわち、コア部と酸化物層は共通の第2の群の元素を有する。酸化物層においては、このコア部と共通の元素が酸化物を形成している。上記酸化物層は、コア部の第2の群の元素を酸化させて得た層であることが好ましい。
シェル層の一部を構成する炭素含有材料層としては、炭化水素ガス反応生成物、金属炭化物、あるいは、有機化合物などを採用することができる。
この層が存在することによって、コア部の金属材料の酸化をより効果的に抑制することができ、耐酸化性が向上する。
一方、炭素含有材料層の厚さが10nmを超えると、炭素含有材料層で覆われたコア−シェル型粒子を一体化して所望の部材を作製する際、シェル層の厚さ分だけ部材中に含まれるコア部の充填率が低下して、部材の飽和磁化の低下、それによる透磁率の低下を招くおそれがある。
また、炭素含有材料層の膜厚はTEM観察によって求めることが可能である。
上記炭化水素ガスとしては、例えばアセチレンガス、プロパンガス、メタンガス等が挙げられる。この反応生成物は、確定的ではないが、炭素の薄膜を含有しているものと考えられる。
この炭素含有材料層としては、適度な結晶性を有するものであることが好ましい。
有機化合物からなるシェル層は、2nm以上の厚さを有することが好ましい。
本実施の形態の金属含有粒子集合体の製造方法について説明する。金属含有粒子集合体の製造方法は、以下の各工程からなる。
1)Fe,Co,Niからなる第1の群から選ばれる少なくとも一種類の磁性金属元素と、Mg,Al,Si,Ca,Zr,Ti,Hf,Zn,Mn,希土類元素、BaおよびSrからなる第2の群より選ばれる少なくとも一種類の金属元素をプラズマ中に投入し合金粒子を形成する工程(合金粒子形成工程)。
2)上記合金粒子表面に炭素含有材料を被覆する工程(炭素被覆工程)。
3)上記炭素被覆合金粒子を酸素含有雰囲気下で酸化する工程(酸化工程)。
4)さらに、必要に応じて採用される上記炭素被覆工程で形成した炭素被覆を除去する工程(脱炭素工程)。
コア部となる合金粒子の製造には、熱プラズマ法等を利用することが好ましい。以下、熱プラズマ法を利用したコア部の製造方法を説明する。
次に、コア部に炭素含有材料層で覆う工程について説明する。
この工程としては、(1)コア部表面で、炭化水素ガスを反応させる方法、(2)コア部表面で、コア部を構成する金属元素と炭素を反応させ、炭化物とする方法、(3)炭化水素からなる主鎖を有する有機化合物を用いて、コア部表面を被覆する方法などがあげられる。
上記工程で得られる炭素で被覆したコア部を、酸素存在下で酸化する工程について説明する。酸化物層は、コア部と炭素含有材料層との界面で形成されるか、または、炭素含有材料層が部分的に酸化分解して酸化物層を形成する。
上記工程までによって得られた金属粒子集合体を、例えば水素雰囲気中で、数百度で加熱すると、コア−シェル型粒子の炭素含有材料層が除去される。従って、コア部の少なくとも一部の表面を酸化物層が被覆するコア−シェル型粒子を含む金属含有粒子集合体が得られる。
また、前述の有機ポリマー類やオリゴマー類といった有機化合物を除去する場合には、酸素もしくは水素存在下で熱分解し、分解除去することもできる。
上記実施の形態によって製作された金属含有粒子集合体は、樹脂や無機材料などのバインダーと混合・成形され、所要の形状の複合部材として用いられる。この複合部材は、磁性材料としてデバイスなどに用いるのに適している。
この複合部材の形状は用途に応じて、粉末、バルク(ペレット状、リング状、矩形状など)、シートを含む膜状等の形態をとり得る。この複合部材は、コア−シェル型粒子同士が凝集しにくいため複合部材中にコア−シェル型粒子が均一に存在するので、複合部材の特性、特に磁気特性において優れている。
図2は、本実施の形態のアンテナ装置の構成図である。本実施の形態のアンテナ装置は、配線基板26と、配線基板26に設けられた給電端子22に接続される螺旋状のアンテナエレメント30と、螺旋状のアンテナエレメント30の内側に設けられる磁性体16を備えている。そして、この磁性体16が、第1の実施形態における第1複合部材で形成されている。したがって、第1の実施の形態と重複する内容については記載を省略する。
図3は、本実施の形態におけるアンテナエレメントにアンテナカバーが設けられた場合の詳細説明図である。
高周波誘導熱プラズマ装置のチャンバー内にプラズマ発生用ガスとしてアルゴンを40L/分で導入し、プラズマを発生させる。このチャンバー内のプラズマに原料である平均粒径10μmのFe粉末と平均粒径10μmのCo粉末と、平均粒径3μmのAl粉末をFe:Co:Alが質量比で69:31:5になるようにアルゴン(キャリアガス)と共に3L/分で噴射する。
コア部の平均粒径は9.29nm、酸素量は3.4質量%である。酸素分析は、LECO社製ガス分析装置(TC−600)を用い、Heガス雰囲気にてカーボン容器内に2〜3mgに秤量した測定試料を、助燃剤としてSnカプセル用いて、高周波加熱により2000℃程度に加熱して行った。酸素測定は、高温加熱により試料中の酸素とカーボン容器とが反応し、生成する二酸化炭素を検出する事で酸素量を算出した。
実施例1の樹脂混合前コア−シェル粒子を、引き続き電気炉内に導入し、500mL/分、濃度99%の水素フロー下、650℃にて炭素含有材料層分解処理を行い、室温まで冷却し、酸素含有雰囲気中にて取り出して酸化することにより、コア−シェル型粒子の集合体を製造する。
実施例1の樹脂混合前コア−シェル粒子を引き続き、電気炉内に導入し、500mL/分、酸素濃度5%の酸素−アルゴン混合ガスフロー下、100℃にて炭素含有材料層分解・酸化物被覆処理を行い、室温まで冷却し、コア−シェル型粒子の集合体を製造する。
得られるコア−シェル型粒子は、コア部の平均粒径が15.00nmである。
TEMによるとFeCoAlコア表面に炭素含有材料層とFeCoAlO酸化物層が確認される。
このようなコア−シェル型磁性材料と樹脂とを100:10の割合で混合し、厚膜化して評価用材料とする。
高周波誘導熱プラズマ装置のチャンバー内にプラズマ発生用ガスとしてアルゴンを40L/分で導入し、プラズマを発生させる。このチャンバー内のプラズマに原料である平均粒径10μmのFe粉末と平均粒径10μmのCo粉末と、平均粒径5μmのSi粉末をFe:Co:Siが質量比で69:31:4になるようにアルゴン(キャリアガス)と共に3L/分で噴射する。同時に、チャンバー内に炭素被覆の原料としてメタンガスをArキャリアガスと共に導入し、ガス温度と粉末温度を制御して、FeCoSi合金粒子を炭素で被覆された磁性金属粒子の集合体を得る。
TEMによるとFeCoSiコア表面に炭素含有材料層と一部炭化珪素と酸化物層が観察される。
コア部の平均粒径は9.21nm、酸素量は3.8質量%である。
また、本試料の炭素含有材料層の熱的安定性を、TG−MSを使い、大気圧、純度99%以上の水素ガスを流量200mL/分で流し、20℃/分で昇温すると、炭化水素気化温度が520℃付近に現れる。
このようなコア−シェル型磁性材料と樹脂とを100:10の割合で混合し、厚膜化して評価用材料とする。
実施例4の樹脂混合前コア−シェル粒子を引き続き、電気炉内に導入し、500mL/分、濃度99%の水素フロー下、650℃にて炭素含有材料層分解処理を行い、室温まで冷却し、酸素含有雰囲気中にて取り出して酸化することにより、コア−シェル型粒子の複合体を製造する。
TEMによるとFeCoSiコア表面にFeCoSiO酸化物層が確認される。
また、磁性金属粒子間に、Si−Oで構成された(一部FeCo固溶)、平均粒径10±3nm程度の酸化物粒子が存在している。酸化物粒子中のSi/(Fe+Co)は、酸化物被覆相中のSi/(Fe+Co)よりも大きくなっている。酸化物粒子数は、酸化物被覆コア−シェル型粒子数の50%程度である。
このようなコア−シェル型磁性材料と樹脂とを100:10の割合で混合し、厚膜化して評価用材料とする。
実施例1と同様、高周波誘導熱プラズマ装置のチャンバー内にプラズマ発生用ガスとしてアルゴンを40L/分で導入し、プラズマを発生させる。このチャンバー内のプラズマに原料である平均粒径10μmのFe粉末と平均粒径10μmのCo粉末と、平均粒径3μmのAl粉末をFe:Co:Alが質量比で69:31:5になるようにアルゴン(キャリアガス)と共に3L/分で噴射することで、磁性ナノ粒子を作成する。
得られた酸化物−金属粒子集合体は、コア部と酸化物層から成り、コア−シェル型粒子に含まれるコア部の平均粒径が19.0nmである。
TEMによるとFeCoAlコア表面にFeCoAlO酸化物層が確認された。
このようなコア−シェル型磁性材料と樹脂とを100:10の割合で混合し、厚膜化して評価用材料とする。
高周波誘導熱プラズマ装置のチャンバー内にプラズマ発生用ガスとしてアルゴンを40L/分で導入し、プラズマを発生させる。このチャンバー内のプラズマに原料である平均粒径10μmのFe粉末と平均粒径10μmのCo粉末と、平均粒径3μmのAl粉末およびSi粉末をFe:Co:Al:Siが質量比で69:31:5.6:2.4になるようにアルゴン(キャリアガス)と共に3L/分で噴射する。
実施例7の樹脂混合前コア−シェル粒子を、引き続き電気炉内に導入し、500mL/分、濃度99%の水素フロー下、650℃にて炭素含有材料層分解処理を行い、室温まで冷却し、酸素含有雰囲気中にて取り出して酸化することにより、コア−シェル型粒子の集合体を製造する。
高周波誘導熱プラズマ装置のチャンバー内にプラズマ発生用ガスとしてアルゴンを40L/分で導入し、プラズマを発生させる。このチャンバー内のプラズマに原料である平均粒径10μmのFe粉末と平均粒径10μmのCo粉末と、平均粒径5μmのSi粉末をFe:Co:Alが質量比で69:31:10になるようにアルゴン(キャリアガス)と共に3L/分で噴射する。同時に、チャンバー内に炭素被覆の原料としてメタンガスをArキャリアガスと共に導入し、ガス温度と粉末温度を制御して、FeCoAl合金粒子を炭素で被覆された磁性金属粒子の集合体を得る。
TEMによるとFeCoAlコア表面に炭素含有材料層と一部酸化物層が観察される。
コア部の平均粒径は9.1nm、酸素量は3.4質量%である。
また、本試料の炭素含有材料層の熱的安定性を、TG−MSを使い、大気圧、純度99%以上の水素ガスを流量200mL/分で流し、20℃/分で昇温すると、炭化水素気化温度が567℃付近に現れる。
このようなコア−シェル型磁性材料と樹脂とを100:10の割合で混合し、厚膜化して評価用材料とする。
実施例9の樹脂混合前コア−シェル粒子を引き続き、電気炉内に導入し、500mL/分、濃度99%の水素フロー下、800℃にて炭素含有材料層分解処理を行い、室温まで冷却し、酸素含有雰囲気中にて取り出して酸化することにより、コア−シェル型粒子の複合体を製造する。
TEMによるとFeCoAlコア表面にFeCoAlO酸化物層が確認される。
また、磁性金属粒子間に、Al−Oで構成された(一部FeCo固溶)、平均粒径10±3nm程度の酸化物粒子が存在している。酸化物粒子中のAl/(Fe+Co)は、酸化物被覆相中のAl/(Fe+Co)よりも大きくなっている。酸化物粒子数は、酸化物被覆コア−シェル型粒子数の50%程度である。
このようなコア−シェル型磁性材料と樹脂とを100:10の割合で混合し、厚膜化して評価用材料とする。
高周波誘導熱プラズマ装置のチャンバー内にプラズマ発生用ガスとしてアルゴンを40L/分で導入し、プラズマを発生させる。このチャンバー内のプラズマに原料である平均粒径10μmのFe粉末と平均粒径10μmのCo粉末と、平均粒径3μmのAl粉末および平均粒径1μmのY2O3粉末をFe:Co:Al:Yが質量比で69:31:9.4:1.1になるようにアルゴン(キャリアガス)と共に3L/分で噴射する。
実施例11の樹脂混合前コア−シェル粒子を、引き続き電気炉内に導入し、500mL/分、濃度99%の水素フロー下、800℃にて炭素含有材料層分解処理を行い、室温まで冷却し、酸素含有雰囲気中にて取り出して酸化することにより、コア−シェル型粒子の集合体を製造する。
高周波誘導熱プラズマ装置のチャンバー内にプラズマ発生用ガスとしてアルゴンを40L/分で導入し、プラズマを発生させる。このチャンバー内のプラズマに原料である平均粒径10μmのFe粉末と平均粒径10μmのCo粉末と、平均粒径5μmのSi粉末をFe:Co:Alが質量比で69:31:5になるようにアルゴン(キャリアガス)と共に3L/分で噴射する。同時に、チャンバー内に炭素被覆の原料としてメタンガスをArキャリアガスと共に導入し、ガス温度と粉末温度を制御して、FeCoAl合金粒子を炭素で被覆された磁性金属粒子の集合体を得る。
TEMによるとFeCoAlコア表面に炭素含有材料層と一部酸化物層が観察される。
コア部の平均粒径は9.1nm、酸素量は0.6質量%である。
また、本試料の炭素含有材料層の熱的安定性を、TG−MSを使い、大気圧、純度99%以上の水素ガスを流量200mL/分で流し、20℃/分で昇温すると、炭化水素気化温度が620℃付近に現れた。なお、炭素含有材料層の炭素分解が比較的高温で進行したことより、この炭素含有材料層は、実施例1、実施例4、実施例7、実施例9および実施例11の炭素含有材料層と比較して、高結晶化していることが推測される。
実施例13の樹脂混合前コア−シェル粒子を引き続き、プラズマ発生機構を具備する電気炉内に導入し、酸素分圧を1×102Paに制御した酸素含有アルゴン雰囲気下でプラズマ照射処理を行い、その後、500mL/分、濃度99%の水素フロー下、800℃にて炭素含有材料層分解処理を行い、室温まで冷却し、酸素含有雰囲気中にて取り出して酸化することにより、コア−シェル型粒子の複合体を製造する。この際、プラズマ照射処理は、炭素含有材料層を低結晶化し、炭素含有材料が分解し易くすることを目的に行っている。
このようなコア−シェル型磁性材料と樹脂とを100:10の割合で混合し、厚膜化して評価用材料とする。
高周波誘導熱プラズマ装置のチャンバー内にプラズマ発生用ガスとしてアルゴンを40L/分で導入し、プラズマを発生させる。このチャンバー内のプラズマに原料である平均粒径10μmのFe粉末と平均粒径10μmのCo粉末と、平均粒径3μmのAl粉末をFe:Coが原子比で70:30、FeCoに対してAlが5質量%になるようにアルゴン(キャリアガス)と共に3L/分で噴射する。
また、本試料の炭素含有材料層の熱的安定性を、TG−MSを使い、大気圧、純度99%以上の水素ガスを流量200mL/分で流し、20℃/分で昇温すると、炭化水素ガスに由来する、質量数16が検出され、そのピークが630℃付近に現れる。
このようなコア−シェル型磁性材料と樹脂とを100:10の割合で混合し、厚膜化して評価用材料とする。
比較例1のコア−シェル型粒子を引き続き、電気炉内に導入し、500mL/分、濃度99%の水素フロー下、650℃にて炭素含有材料層分解処理を行い、室温まで冷却し、酸素含有雰囲気中にて取り出して酸化することにより、酸化物被覆コア−シェル型磁性材料を製造する。
このようなコア−シェル型磁性材料と樹脂とを100:10の割合で混合し、厚膜化して評価用材料とする。
高周波誘導熱プラズマ装置のチャンバー内にプラズマ発生用ガスとしてアルゴンを40L/分で導入し、プラズマを発生させる。このチャンバー内のプラズマに原料である平均粒径10μmのFe粉末と平均粒径10μmのCo粉末と、平均粒径3μmのAl粉末をFe:Coが原子比で70:30、FeCoに対してAlが5質量%になるようにアルゴン(キャリアガス)と共に3L/分で噴射する。
また、本試料の炭素含有材料層の熱的安定性を、TG−MSを使い、大気圧、純度99%以上の水素ガスを流量200mL/分で流し、20℃/分で昇温すると、炭化水素ガスに由来する、質量数16が検出され、そのピークが660℃付近に現れる。
比較例3のコア−シェル型粒子を引き続き、電気炉内に導入し、500mL/分、濃度99%の水素フロー下、700℃にて炭素含有材料層分解処理を行い、室温まで冷却し、酸素含有雰囲気中にて取り出して酸化することにより、酸化物被覆コア−シェル型磁性材料を製造する。
このようなコア−シェル型磁性材料と樹脂とを100:10の割合で混合し、厚膜化して評価用材料とする。
高周波誘導熱プラズマ装置のチャンバー内にプラズマ発生用ガスとしてアルゴンを40L/分で導入し、プラズマを発生させる。このチャンバー内のプラズマに原料である平均粒径10μmのFe粉末と平均粒径10μmのCo粉末をFe:Coが原子比で70:30になるようにアルゴン(キャリアガス)と共に3L/分で噴射する。
また、本試料の炭素含有材料層の熱的安定性を、TG−MSを使い、大気圧、純度99%以上の水素ガスを流量200mL/分で流し、20℃/分で昇温すると、炭化水素ガスに由来する、質量数16が検出され、そのピークが470℃付近に現れる。
比較例5のコア−シェル型粒子を引き続き、電気炉内に導入し、500mL/分、濃度99%の水素フロー下、700℃にて炭素含有材料層分解処理を行い、室温まで冷却し、酸素含有雰囲気中にて取り出して酸化することにより、酸化物被覆コア−シェル型磁性材料を製造する。
このようなコア−シェル型磁性材料と樹脂とを100:10の割合で混合し、厚膜化して評価用材料とする。
本実施形態にあるコア−シェル型粒子、及びその製造方法により得たコア−シェル型ナノ粒子の集合体は、ナノ粒子の分散状態が良好で、粒子の凝集・粒成長が抑制される事から、透磁率が高く、かつ損失が低い材料である。ナノ粒子の凝集・粒成長が抑制できれば、ナノ粒子を高密度に充填させても低損失を維持する事ができるため、高透磁率を容易に実現でき好ましい。実際、表2の結果から分かるように、炭化水素気化温度が300℃〜650℃の範囲にある炭素含有材料層を有し、且つ酸素量が0.5〜10質量%の範囲にあるコア−シェル型ナノ粒子を用いた実施例1乃至13の材料においては、比較例1乃至6の材料に比べて、透磁率が高くなっている。また、実施例7と実施例1を比較すると、実施例の7の方が透磁率が大きく、実施例8と実施例2を比較すると、実施例8の方が透磁率が大きい。これは、第2の群に属する元素として、AlとSiを同時に含有する事によってコア−シェル型粒子の凝集・粒成長が抑制されることによって、高周波透磁率を大きくできるからである。同様に、実施例11と実施例9を比較すると、実施例の11の方が透磁率が大きく、実施例12と実施例10を比較すると、実施例12の方が透磁率が大きい。これは、第2の群に属する元素として、Al、第2の群に属する希土類添加元素とYを含有する事によって、コア−シェル型粒子の凝集・粒成長が抑制され、高周波透磁率を大きくできるからである。
20…シェル層
21…酸化物層
22…炭素含有材料層
25…酸化物粒子
Claims (9)
- Fe,Co,Niからなる第1の群より選ばれる少なくとも1種類の磁性金属元素と、Mg,Al,Si,Ca,Zr,Ti,Hf,Zn,Mn,希土類元素、BaおよびSrからなる第2の群より選ばれる少なくとも1種類の金属元素とを含むコア部と、
前記コア部の少なくとも一部を被覆し、前記コア部に含まれる少なくとも1種類の前記第2の群の金属元素を含む酸化物層と、炭素、水素、酸素、窒素の何れかを含む主鎖からなる有機ポリマー類または有機オリゴマー類である炭素含有材料層とを有するシェル層と、
を有するコア−シェル型粒子を複数有する金属含有粒子集合体であって、
前記金属含有粒子集合体に含有される酸素量が、前記金属含有粒子集合体の量に対して0.5質量%以上10質量%以下である金属含有粒子集合体。 - 前記金属含有粒子集合体に含有される酸素量が、前記金属含有粒子集合体の量に対して2質量%以上7質量%以下である請求項1に記載の金属含有粒子集合体。
- 前記有機化合物からなる炭素含有材料層の酸素透過係数が、酸素透過係数≧1×10−17[cm3(STP)cm/cm2・s・Pa]である請求項1または2に記載の金属含有粒子集合体。
- 前記金属含有粒子集合体が、前記コア部に含まれる少なくとも1種類の前記第2の群に属する元素を含む酸化物粒子を更に有しており、
前記酸化物粒子中の前記第2の群に属する元素/前記第1の群に属する元素(原子数比)が、前記酸化物層中の前記第2の群に属する元素/前記第1の群に属する元素(原子数比)よりも大きい請求項1ないし3のいずれか1項に記載の金属含有粒子集合体。 - Fe,Co,Niからなる第1の群より選ばれる少なくとも一種類の磁性金属元素と、Mg,Al,Si,Ca,Zr,Ti,Hf,Zn,Mn,希土類元素、BaおよびSrからなる第2の群より選ばれる少なくとも一種類の金属元素とから合金粒子であるコア部を形成する工程と、
前記合金粒子表面に炭素含有材料層を形成して炭素被覆合金粒子とする工程と、
前記炭素被覆合金粒子を酸素含有雰囲気下で酸化する工程とを少なくとも備える金属含有粒子集合体の製造方法であって、
前記金属含有粒子集合体に含有される酸素量が、前記金属含有粒子集合体の量に対して0.5質量%以上10質量%以下であり、
前記炭素含有材料層の形成工程が、前記合金粒子表面に炭素、水素、酸素、窒素の何れかを含む主鎖からなる有機ポリマー類または有機オリゴマー類である有機化合物を被覆する工程である金属含有粒子集合体の製造方法。 - 前記コア部の形成工程が、Fe,Co,Niからなる第1の群より選ばれる少なくとも一種類の磁性金属元素と、Mg,Al,Si,Ca,Zr,Ti,Hf,Zn,Mn,希土類元素、BaおよびSrからなる第2の群より選ばれる少なくとも一種類の金属元素をプラズマ中に投入し合金粒子であるコア部を形成する工程である請求項5に記載の金属含有粒子集合体の製造方法。
- 前記炭素被覆合金粒子を酸化する工程の後に、さらに、炭素含有材料層を除去する工程を備えている請求項5または6に記載の金属含有粒子集合体の製造方法。
- 前記酸化工程と、炭素含有材料層除去工程の間に、前記金属含有粒子集合体に、酸素原子を含むガス雰囲気中にて、プラズマ、電子ビーム、イオンビームからなる群から選ばれる少なくとも1つのエネルギー線を照射した後、前記炭素含有材料層を水素熱処理または水素プラズマにより除去する工程を含む請求項7に記載の金属含有粒子集合体の製造方法。
- 前記酸素を含むガス雰囲気の酸素分圧が、10Pa以上103Pa以下であること請求項8に記載の金属含有粒子集合体の製造方法。
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