JP5786785B2 - エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の膨張部を備えたエアバッグにおいて、乗員の拘束時等において、複数の膨張部の内圧を適正に保持することを可能とするエアバッグ装置に関する。
従来、複数の膨張部を備え、それぞれの膨張部は、主気室と副気室および主気室と副気室との間に設けられた小開口部を備え、インフレータから吐出された膨張用ガスは、複数の主気室を連通する連通部を介してそれぞれの主気室に流入するエアバッグ装置で、連通部内に、主気室内に流入した膨張用ガスが、一つの主気室の内圧の上昇によって、他の主気室への逆流を規制する逆止弁を配設させた構成のものが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
このエアバッグ装置によれば、車両が衝撃を受けると、インフレータから吐出された膨張用ガスは、連通部を介して、複数の主気室内へ流入する。次いで、一つの主気室が乗員の拘束によって押圧されると、その主気室の内圧が上昇する。この時、主気室内の膨張用ガスは、小開口部を介して副気室内へ流入するが、この時に、連通部内には逆止弁が設けられて、連通部内の膨張用ガスの流通が規制されているので、一つの主気室から、他の主気室への膨張用ガスの流出は、流出しないかあるいは流出したとしても極くわずかな量にすることができ、一つの主気室内の膨張用ガスは、小開口部を介して副気室内へ流出することとなる。
上記の構成によれば、複数の主気室間内の膨張用ガスは、小開口部を介して副気室内へ流出するので、一つの主気室内の圧力上昇が生じたとしても、この主気室とこの主気室とは小開口部を介して連通する副気室との容積によって主気室内の圧力を調整することが可能となり、この主気室内の圧力調整を略設計通りに行わせることができる。
特開2010−143528号公報
しかし、一般的に、車両がロールオーバーを起こすのは、車両が衝撃を受けて所定時間経過後であることが多く、この場合には、エアバッグ装置は、膨張初期では、複数の膨張部がそれぞれに乗員等の保護対象物を拘束でき、次いで起こるロールオーバーでは、乗員等の保護対象物が、車室内を移動させられることが考えられるため、エアバッグ装置の全体にわたって極力均一な内圧となることが好ましい。
こうした点を考慮すると、従来のエアバッグ装置では、複数の膨張部がそれぞれ独立に拘束性能を発揮することは可能であるが、連通部内に逆止弁が設けられて複数の膨張部間で膨張用ガスのやりとりをできる可能性が小さく、ロールオーバー時に、エアバッグ装置の複数の膨張部間の内圧差を小さくして、エアバッグ装置全体の膨張部の内圧を極力均一とするのには課題が生じていた。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、膨張初期においては、複数の膨張部が、乗員等の保護対象物に対する適確な拘束性能を発揮でき、次いで起こることが予想される車両のロールオーバーでは、複数の膨張部間の内圧差を極力小さくして、複数の膨張部の内圧を極力均一にすることが可能なエアバッグ装置を提供することを目的とする。
<請求項1の説明>
インフレーターと、該インフレーターから吐出される膨張用ガスにより膨らむエアバッグと、を備えて構成されるエアバッグ装置であって、 前記エアバッグが、折り畳み可能に可撓性を有して構成されるとともに、前記膨張用ガスを流入させて膨らむエアバッグ本体と、該エアバッグ本体内に配設されて、前記インフレーターからの膨張用ガスを前記エアバッグ本体の所定の膨張部位へ流出させるインナチューブと、を備えて構成され、前記エアバッグ本体が、前記膨張用ガスの非流入部である周縁部と区画部によって区画された複数の膨張部と複数の前記膨張部間を連通する筒状の分岐通路部と、を備え、前記インナチューブが、前記分岐通路部内で、インフレーターからの前記膨張用ガスのガス上流部となるガス上流部と、前記分岐通路部内で、前記エアバッグ本体の複数の前記膨張部側で開口して、複数の前記膨張部に前記膨張用ガスを流出させるガス流出部と、を備えるとともに、前記ガス流出部は、その先端側を、複数の前記膨張部の内、前記分岐通路部と接続された膨張部内に配置し、 前記ガス流出部は、前記インフレーターにおける前記膨張用ガスの吐出終了後において、前記膨張部の内圧により押し戻されて前記先端側のガス流出口を塞いで、前記インナチューブの内側への前記膨張用ガスの逆流を抑制するような逆止弁部を構成し、さらに、前記逆止弁部によって前記ガス流出口が閉塞された状態においては、前記インナチューブの外壁面と、前記分岐通路部の内壁面との間に、複数の前記膨張部内に流入した前記膨張用ガスが複数の前記膨張部間を互いに連通する補助連通路部が形成される、ことを特徴とする。
請求項1に係る発明のエアバッグ装置では、インフレーターが作動して膨張用ガスを吐出すれば、膨張用ガスが、インナチューブのガス上流部からガス流出部に到達し、そして、ガス流出部からエアバッグ本体の膨張部位に流出して、エアバッグ本体が膨張する。エアバッグ本体は、膨張用ガスの非流入部によって区画された複数の膨張部と、複数の膨張部間を連通する分岐通路部を備えており、インナチューブは、分岐通路部内でガス流出部が複数の膨張部に面して開口して、膨張用ガスが流入して複数の膨張部が膨張する。そして、インナチューブには、インフレーターの膨張用ガスの吐出終了後において、インナチューブの内側への膨張用ガスの逆流を抑制するような逆止弁が設けられている。さらに、インナチューブの内側が膨張用ガスで膨張した状態においては、インナチューブの外壁面と、分岐通路部の内壁面との間に、複数の膨張部内に流入した膨張用ガスが複数の膨張部間を互いに連通する補助連通路部が形成されている。
本発明のエアバッグ装置では、車両が衝撃を受けると、インフレーターから吐出された膨張用ガスによって複数の膨張部が膨張して、乗員等の保護対象物を拘束可能な状態となる。次いで、乗員等の保護対象物の拘束等によって、一つの膨張部が押圧されて内圧が上昇すると、膨張用ガスは、インナチューブ側へ逆流しようとするが、インナチューブには膨張用ガスの逆流を抑制するような逆止弁が設けられているので、膨張用ガスは、インナチューブ内には流れ込まないか、流れ込んだとしても極く少量に限られ、逆流しようとする膨張用ガスは、全量かあるいはほとんどが、インナチューブの外壁面と分岐通路部の内壁面との間に形成された補助連通路部内に流入し、補助連通路部を介して他の膨張部内に流入することとなる。従って、車両の衝撃の初期には、複数の膨張部がそれぞれ乗員等の保護対象物を拘束可能となり、拘束などによって、複数の膨張部間の内圧差が生じると、補助連通路部内を介して膨張用ガスが流通し、膨張部間の内圧差を小さくなり、エアバッグ本体部の膨張部位が、ほぼ均一な内圧となって、ロールオーバーのように、乗員等の保護対象物が車室内を移動させられても、適確な拘束を可能にすることができる。
<請求項2の説明>
本発明に係るエアバッグ装置では、請求項1の発明に加えて、前記膨張用ガスが流入して膨張した状態においては、前記インナチューブの外壁面は、前記分岐通路部内において、前記インフレーターに面した前記ガス上流部側が、前記分岐通路部の内壁面に当接していると共に、複数の前記膨張部に対向した前記外壁面が、前記分岐通路部の内壁面と離隔可能とすることにより前記補助連通路を形成した、ことを特徴とする。
請求項2に係る発明のエアバッグ装置では、前記膨張用ガスが流入して膨張した状態においては、前記インナチューブの外壁面は、前記分岐通路部内において、前記インフレーターに面した前記ガス上流部側が、前記分岐通路部の内壁面に当接していると共に、複数の前記膨張部に対向した外壁面、前記分岐通路部の内周面と離隔可能とすることにより前記補助連通路部を形成する構成とした。膨張用ガスが流入した膨張状態においては、インナチューブの外壁面のインフレーターに面したガス上流部側のガス上流部面が、分岐通路部の内壁面に近接または当接して、複数の膨張部間を膨張用ガスが流通するのを抑制し、インナチューブの複数の膨張部に面したガス下流部面が、分岐通路部の内壁面から離隔して膨張用ガスの流通を可能とした補助連通路部とされている構成とした。こうすることにより、複数の膨張部内に流入した膨張用ガスは、一つの膨張部が乗員等の保護対象物に押圧されて内圧が上昇すると、膨張用ガスが逆流し、インナチューブの膨張部に面したガス下流部面と分岐通路部の内壁面とで形成された補助連通路部を経由して他の膨張部内に流入して、膨張部位全体がほぼ均一の内圧となる。
補助連通路部は、インナチューブの膨張部に面したガス下流部の内壁面と離隔した分岐通路部の内壁面との間に形成されているので、内圧の上昇した膨張部内の膨張用ガスが流入しやすく、膨張部位全体の内圧の均一化が円滑に行うことができる。ここで、補助連通路部は、インナチューブのインフレーターに面したガス上流部には、インナチューブがインフレーターから膨張用ガスが供給される通路である供給路が形成されているので、補助連通路部を、インナチューブのインフレーターに面したガス上流部の外壁面と分岐通路部の内壁面との間に形成すると、この供給路が抵抗となって、内圧の上昇した膨張部から逆流する膨張用ガスが流れにくくなるため、この部位に補助連通路部を形成することは好ましくない。
<請求項3の説明>
本発明に係るエアバッグ装置では、請求項1ないし請求項2に記載の発明に加え、
前記逆止弁が、前記インフレーターにおける膨張用ガスの吐出時において、膨張用ガスを前記エアバッグ本体の複数の前記膨張部に流出可能に、前記膨張用ガスに押されて複数の前記膨張部側に延びつつ開口する可撓性を有した略筒形状とし、かつ、前記インフレーターにおける膨張用ガスの吐出終了後において、前記エアバッグ本体における前記膨張部位の内圧により、前記略筒形状の状態から折り曲げられつつ前記インナチューブ側に押し戻されて前記ガス流出部を塞ぎ可能な長さ寸法を有して、前記インナチューブの複数の前記膨張部側で開口する複数の前記流出部に対応して設けられている、ことを特徴とする。
請求項3に係る発明のエアバッグ装置では、逆止弁の構成を、インフレーターの膨張用ガス吐出時において、膨張用ガスをエアバッグ本体の複数の膨張部に流出可能に、膨張用ガスに押されて複数の膨張部側に延びつつ開口する可撓性を有した略筒状とし、かつ、インフレーターの膨張用ガス吐出終了後において、エアバッグ本体の膨張部位の内圧で、略筒状の状態からおりまげられつつインナチューブ側に押し戻されてガス流出部を塞ぎ可能な長さ寸法を有して、インナチューブの複数の膨張部で開口する複数の流出部に対応して設けられている構成とした。従って、膨張用ガスが流入して膨張した複数の膨張部の一つが、乗員等の保護対象物の拘束によって押圧され、内圧が上昇して膨張用ガスが逆流しようとすると、この逆流する膨張用ガスによって、インナチューブのガス流出部が押し戻されてガス流出部を塞いで、インナチューブ内への膨張用ガスの逆流が規制されて、逆流した膨張用ガスは、円滑に補助連通路部内に流入することが可能となる。
<請求項4の説明>
本発明に係るエアバッグ装置では、請求項1ないし請求項4の発明に加え、複数の前記膨張部は、それぞれの前記膨張部に対応して調圧室と、前記膨張部と前記調圧室とを連通する連絡路と、が設けられており、複数の前記膨張部に対応して設けられた複数の前記連絡路の前記膨張用ガスが流入した膨張時における開口面積は、前記補助連通路部の断面積より大きい、ことを特徴とする。
請求項4に係るエアバッグ装置では、複数の膨張部には、それぞれの膨張部に対応して調圧室と複数の膨張部と調圧室を連通する連絡路が設けられており、膨張用ガスが流入した膨張状態においては、連通路の開口面積は、補助連通路部の断面積より大きく構成とした。膨張用ガスが流入して膨張した膨張部が、乗員等の保護対象物に押圧されて内圧が上昇した際には、膨張用ガスは、膨張部から補助連通路部の断面積より大きい開口を有する連絡路を介して調圧室へ優先して流出することとなる。こうすることにより、エアバッグ本体の膨張初期においての複数の膨張部の拘束性能をより向上させることが可能となる。
本発明のエアバッグ装置では、複数の膨張部を備えており、膨張用ガスが流入した膨張初期においては、インフレーターから吐出された膨張用ガスが、それぞれの膨張部内に流入して、エアバッグ本体部が展開膨張し、乗員等の保護対象物が拘束可能となり、次いで所定時間経過後にロールオーバー等が起こると、乗員等の保護対象物を拘束して押圧された膨張部の内圧が高くなり、この膨張部内の膨張用ガスが、補助連通部を経由して他の膨張部内に流入し、エアバッグ本体部の複数の膨張部間の内圧差が小さくなり、車室内を移動させられる、乗員等の保護対象物を広い領域で拘束可能にすることができる。
本発明の第1実施形態の頭部保護エアバッグ装置が搭載された車両の車内側から見た正面図である。 第1実施形態の頭部保護エアバッグ装置に使用されるエアバッグ(カーテンエアバッグ)を平らに展開させた状態を示す正面図である。 第1実施形態のエアバッグのエアバッグ本体を示す正面図である。 第1実施形態のエアバッグに使用するインナチューブを説明する図であり、 インナチューブ用シートと、インナチューブ用シートを折ってインナチューブを形成した状態と、を示す図である。 第1実施形態のエアバッグの膨張状態を示す概略断面図であり、図2のV−V部位に対応する。 第1実施形態のエアバッグの膨張状態を示す概略断面図であり、図2のVI−VI位に対応する。 第1実施形態のエアバッグの膨張状態を示す概略断面図であり、図2のVII −VII部位に対応する。 第1実施形態のエアバッグの膨張状態を示す概略断面図であり、図2のVIII−VIII部位に対応する。 第1実施形態のエアバッグの膨張状態を示す概略断面図であり、図2のIX−IX部位に対応し、さらに、二点鎖線で調圧室が膨張した状態を示す。 第1実施形態のエアバッグにおけるインナチューブの逆止弁部が、膨張用ガスを流出させている状態とガス流出部を閉塞する状態とを説明する部分破断斜視図である。 第1実施形態のエアバッグが、ガス流出部を逆止弁部によって閉塞された状態の正面図である。 第1実施形態の頭部保護エアバッグ装置が、エアバッグの膨張を完了させた状態を示す車内側から見た正面図である。 第1実施形態のエアバッグの変形例を示す正面図である。 図13に示すエアバッグが、前ガス流出部と後ガス流出部とを閉塞させた状態を説明する図である。 第2実施形態のエアバッグ装置のエアバッグが膨張した状態と、インナチューブの逆止弁部が下ガス流出部を閉塞した状態と、を説明する正面図である。 第2実施形態のエアバッグ装置に使用するエアバッグを製造する工程を順に説明する図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明すると、第1実施形態のエアバッグ装置は、図1に示すように、頭部保護エアバッグ装置S1であり、カーテンエアバッグ(以下、単にエアバッグとする)20と、膨張用ガスGを吐出するインフレーターとしてのインフレーター16と、エアバッグカバー11と、取付ブラケット13,17と、を備えて構成されている。エアバッグ20は、車両Vの車内側における前席や後席の側方で前後に並設される窓(サイドウインド)W1,W2の上縁WU側において、フロントピラー部FPの下縁側から、中間ピラー部CPの上方を経て、リヤピラー部RPの上方まで、の範囲に、折り畳まれて収納されている。さらに、エアバッグ20は、窓W1,W2を覆うように膨張するエアバッグ本体21と、エアバッグ本体21内に挿入されるように配設されるインナチューブ60と、を備えて構成されている。
インフレーター16は、図1に示すように、略円柱状のシリンダタイプとして、エアバッグ20における膨張用ガスGを流入させるための接続口部23に挿入され、エアバッグ20と連結されている。このインフレーター16は、取付ブラケット17により保持され、取付ブラケット17がボルト18止めされることにより、中間ピラー部CPの上方付近におけるルーフサイドレール部RRのインナパネル2に対し、ルーフヘッドライニング5の下縁5aに覆われて、取付固定されている。なお、インナパネル2は、車両Vのボディ(車体)1側の部材である。
また、このインフレーター16は、車両Vの側面衝突を検知した所定の制御装置により、作動されるものであり、その出力は、エアバッグ20(詳しくはエアバッグ本体21)の容量に対応し、エアバッグ本体21の後述する保護膨張部27が車両Vの側面衝突時からロールオーバー時にわたって、所定の内圧を維持できるように、設定されている。
各取付ブラケット13は、取付ボルト14によって、エアバッグ20の後述する取付部48をインナパネル2に取付固定している。なお、各取付ボルト14は、インナパネル2におけるナット等を設けたねじ孔に、締結されている。
エアバッグカバー11は、図1に示すように、フロントピラー部FPに配置されるフロントピラーガーニッシュ4の下縁4a側と、ルーフサイドレール部RRに配置されるルーフヘッドライニング5の下縁5a側と、から構成されている。
エアバッグ20は、折畳可能な可撓性を有して構成されて、図2〜4に示すように、膨張用ガスGを流入させて膨らむエアバッグ本体21と、エアバッグ本体21内に配設されて、インフレーター16からの膨張用ガスGをエアバッグ本体21の所定の膨張部位へ流出させるインナチューブ60と、を備えて構成されている。そして、エアバッグ本体21は、図1,12に示すように、インフレーター16からの膨張用ガスGを流入させて、折り畳み状態から展開して、窓W1,W2、中間ピラー部CP、及び、リヤピラー部RPの車内側を覆うように展開膨張する。さらに、エアバッグ本体21は、膨張完了時、下縁21bを、窓W1,W2の車内側における下縁WD側のベルトラインBLの車体側部材(図例ではドアトリム)DTに、支持されるように、構成されている。
また、エアバッグ本体21は、図2,3,5〜9に示すように、膨張用ガスGを流入させて対向する車内側壁部22aと車外側壁部22bとを離すように膨張するガス流入部22と、車内側壁部22aと車外側壁部22bとを結合させたような状態として膨張用ガスGを流入させない非流入部42と、を備えて構成されている。このエアバッグ本体21は、インフレーター16と接続される接続口部23付近と前端側の取付部48(48F)付近とを除いて、ポリアミドやポリエステル等の糸から袋織りして製造されている。
非流入部42は、周縁部43、取付部48、及び、閉じ部49、から構成されている。
周縁部43は、ガス流入部22の周囲を囲むように形成されて、エアバッグ本体21の上縁21a側に位置する上縁43aが、袋織りで形成される袋織り部45と、袋織り後の後加工の縫合により形成されるバッグ用結合部46と、から構成されている。袋織り部45は、前後方向の中央で、前部45aと後部45bとに分断されている。そして、分断部位45cには、エアバッグ20内に膨張用ガスGを流入させるように、インフレーター16と接続される接続口部23が、上方へ突出するように配設されている。実施形態の場合、接続口部23は、インナチューブ60の後述するガス上流部61から構成されている。
袋織り部45の前部45aと後部45bとの間の開口部位(分断部位)45cは、縫合糸80の縫合による車内側壁部22a,70aと車外側壁部22b,70bとの相互を結合させたバッグ用結合部46によって、塞がれている(図2,6,7参照)。このバッグ用結合部46は、前横線部46a、前斜線部46b、後斜線部46c、及び、後横線部46dから構成されている。前横線部46aは、袋織り部45の前部45aから前後方向に沿って後方に延びるように、エアバッグ本体21の車内側壁部22aと車外側壁部22bとを相互に結合させて形成されている。後横線部46dは、袋織り部45の後部45bから前後方向に沿って前方に延びるように、エアバッグ本体21の車内側壁部22aと車外側壁部22bとを相互に結合させて形成されている。
前斜線部46bは、接続口部23の前縁23aを結合させる部位であり、前横線部46aの後端から斜め後上方向に延びるように形成され、後斜線部46cは、接続口部23の後縁23bを結合させる部位であり、後横線部46dの前端から斜め後上方向に延びるように形成されている。これらの前斜線部46bと後斜線部46cとは、接続口部23を構成するインナチューブ60(インナチューブ用シート70)を折り重ねた際の車内側壁部70aと車外側壁部70bとの外周縁相互を、結合して形成されている。
なお、分断部位45cの前横線部46aと後横線部46dとの間の部位では、エアバッグ本体21とインナチューブ60との間からの膨張用ガスGの漏れが無いように、縫合糸80によるチューブ用結合部82が形成されて、エアバッグ本体21の車内側壁部22aとインナチューブ60の車内側壁部70aとが相互に結合され、かつ、エアバッグ本体21の車外側壁部22bとインナチューブ60の車外側壁部70bとが相互に結合されている(図2,7参照)。
取付部48は、エアバッグ本体21の上縁21a側における周縁部43の上縁43aから上方へ突出するように、複数(実施形態では6個)形成されている。各取付部48には、取付ボルト14を挿通させる取付孔48aが、形成されている。各取付部48には、既述したように、ボディ1側のインナパネル2に取り付けるための取付ブラケット13が固着され、そして、各取付孔48aを挿通する取付ボルト14がインナパネル2の各ねじ孔に締結されることにより、各取付部48が、インナパネル2に固定される。
前端の取付部48Fは、エアバッグ本体21の袋織りで形成された周縁部43の前縁43cに対して、ポリアミド等の織布から形成された別体の布材を縫合して、形成されている。また、この取付部48Fは、フロントピラー部FPの下部付近に固定されて、エアバッグ20の膨張完了時、エアバッグ20の下縁21b側、具体的には、取付部48Fとフロントピラー部FPから離れた取付部48(48B)とを結ぶライン上に、強い張力を発揮させ、エアバッグ20における乗員Mの室内側への拘束性を良好にするように、構成されている(図12参照)。
閉じ部(区画部)49は、ガス流入部22内に進入するように、袋織り時に形成されて、ガス流入部22内を区画するように配設されている。実施形態の場合、閉じ部49は、略T字状の中央区画部50、前下延設区画部55、及び、後下延設区画部56、を備えて構成されている。
中央区画部50は、略「T」の字の横棒部位の下縁区画部51と、下縁区画部51の前後方向の中央から下方に延びて、周縁部43の下縁43bに連なる前後区画部54と、を備えて構成されている。下縁区画部51は、後述する分岐通路部25の下縁側を区画している。前後区画部54は、膨張部位としての後述する前窓遮蔽膨張部28と後窓遮蔽膨張部33とを区画している。
また、下縁区画部51の前端には、下方に延びる前延設区画部52が配設され、下縁区画部51の後端には、下方に延びる後延設区画部53が配設されている。
前下延設区画部55は、前延設区画部52の下方の周縁部43の下縁43bから、前延設区画部52に接近するように上方に延び、後下延設区画部56は、後延設区画部53の下方の周縁部43の下縁43bから、後延設区画部53に接近するように上方に延びている。なお、前下延設区画部55と前延設区画部52との間は、後述する連通路30を構成し、後下延設区画部56と後延設区画部53との間は、後述する連通路35を構成している。
ガス流入部22は、インフレーター16と接続される接続口部23、分岐通路部25、及び、保護膨張部27を備えて構成されている。接続口部23は、インナチューブ60のガス上流部61の上端61a側の単体から構成されている。
分岐通路部25は、エアバッグ本体21の膨張完了時の前後方向の中央付近の上縁21a側で、前後方向に延びるように配設されている。具体的には、分岐通路部25は、周縁部43の上縁43aと中央区画部50の下縁区画部51との間に、配設されている。
保護膨張部27は、分岐通路部25の下方付近の前後両側に配置される前窓遮蔽膨張部28と後窓遮蔽膨張部33とを備えて構成されている。前窓遮蔽膨張部28と後窓遮蔽膨張部33とは、中央区画部50の前後区画部54により前後で区画され、前窓遮蔽膨張部28は、膨張完了時、車両Vの前席側方の窓(フロントサイドウインド)W1と中間ピラー部CPの一部との車内側を覆い、後窓遮蔽膨張部33は、膨張完了時、後席側方の窓(リヤサイドウインド)W2とリヤピラー部RPとの車内側を覆う(図1,12参照)。
さらに、前窓遮蔽膨張部28と後窓遮蔽膨張部33とは、それぞれ、窓W1,W2を大きく覆って乗員Mの頭部Hを受け止める膨張本体部29,34と、調圧室31,36と、を備えて構成されている。各調圧室31,36は、相互に接近するように配設されて、前後区画部54の前後に隣接して配設され、それぞれ、絞られた連通路30,35を介在させて膨張本体部29,34と連通している。そして、各調圧室31,36は、膨張本体部29,34の内圧上昇時に、その内圧上昇を抑制可能に膨張本体部29,34内の膨張用ガスGを連通路30,35を経て流入させることとなる。
インナチューブ60は、図2,4に示すように、ガス上流部61と、ガス上流部61からの膨張用ガスを流出させるガス流出部62と、を備えて構成されている。実施形態の場合、インナチューブ60は三又状の略逆T字状としており、ガス上流部61が、エアバッグ本体21の上縁21aにおける前後方向の中央付近から、円筒状に上方に延びて、上端61aを開口させ、また、ガス流出部62が、ガス上流部61の下端61bで前後両側に分岐して延びる前ガス流出部63と後ガス流出部64とから構成されている。ガス上流部61は、既述したように、上端61a側をインフレーター16と接続される接続口部23としており、インフレーター16の膨張用ガスGの吐出時、膨張用ガスGのガス上流部部位となる。
ガス流出部62の前ガス流出部63と後ガス流出部64とは、ガス上流部61の膨張用ガスGのガス下流部として構成されて、分岐通路部25内に配設されている。さらに、前ガス流出部63と後ガス流出部64とは、それぞれの先端側を、膨張用ガスGを流出させる流出口62aとし、各流出口62aを、下縁区画部51の前後端付近に位置する前窓遮蔽膨張部28と後窓遮蔽膨張部33との入口部28a,33aに配置させている。また、実施形態の場合、前ガス流出部63と後ガス流出部64とは、膨張用ガスGを流入させて膨らんだ際、下端84bが下縁区画部51から上方に離隔させた弁部用結合部84として、インナチューブ60をエアバッグ本体21の分岐通路部25の内周面25a側に結合させて形成されている。
なお、前ガス流出部63は、前端63aにかけて狭まるテーパ管状とし、下縁63bが周方向に連なっているものの、上縁63c側は、スリット状に分離されている。
また、前ガス流出部63は、その全体で、逆止弁部65を構成している。逆止弁部65近傍のガス上流部61側は、周方向をエアバッグ本体21の車内側壁部22aと車外側壁部22bとに縫合糸80を利用して結合して弁部用結合部84を形成するとともに、縫合糸による結合を、弁部用結合部84の下端84bを下縁区画部51から上方に離隔させて形成させている(図2,8参照)。
この弁部用結合部84から前端63aまでの長さ寸法CL(図10のA参照)は、インフレーター16が膨張用ガスGを吐出し終えた際、前窓遮蔽膨張部28の内圧により、逆止弁部65が折れ曲がりつつガス上流部61側に押し戻されて、前ガス流出部63を塞げる長さ寸法としている。
また、インナチューブ60は、膨張時の外径寸法GDを分岐通路部25の内周面25aの全周に圧接可能な寸法にするとともに、弁部用結合部84の部位においては、既述したように、下端84bを、下縁区画部51から上方に離隔させて、インナチューブ60をエアバッグ本体21の分岐通路部25の内周面25a側に結合させて形成されている。さらに、上端84aが、非流入部42の周縁部43と交差するように、縫合されている。なお、実施形態の場合、弁部用結合部84は、上端84aを下端84bより前方に配置させるように傾斜させた直線状に形成されている(図2参照)。
さらに、インナチューブ60のガス上流部61の下端61b付近では、既述したように、エアバッグ本体21の周縁部43の上縁43a側における前横線部46aと後横線部46dとの間から膨張用ガスGが漏れないように、エアバッグ本体21の車内側壁部22aとインナチューブ60の車内側壁部70aとの相互と、エアバッグ本体21の車外側壁部22bとインナチューブ60の車外側壁部70bとの相互と、が、それぞれ、縫合されて、チューブ用結合部82が形成されている(図2,7参照)。
このインナチューブ60は、図4のA、Bに示すように、ポリアミド等の織布から形成される三角板状のインナチューブ用シート70から構成されている。そして、インナチューブ60は、前後方向に延びる下縁60cの部位を折り目71として、平らに展開したインナチューブ用シート70を、車内側壁部70aと車外側壁部70bとを重ねるように二つ折りし、重ねた前上縁60aと後上縁60dとを、それぞれ、縫合糸80により結合(縫合)して形成している。なお、この縫合部位は、バッグ用結合部46の前斜線部46bと後斜線部46cとになる。
このインナチューブ60とエアバッグ20との製造について述べれば、まず、エアバッグ本体21が袋織り後に裁断されて、図3に示すように形成された後、分断部位45cを開いて、インナチューブ用シート70の折り目71付近の全域を分岐通路部25内に入れて、エアバッグ本体21の車内側壁部22aと車外側壁部22bとに対して、縫合糸80を使用し、インナチューブ用シート70の車内側壁部70aと車外側壁部70bとを結合して、チューブ用結合部82と弁部用結合部84とを形成する。
その後、インナチューブ用シート70を折り目71で折って車内側壁部70aと車外側壁部70bとを重ねつつ、分断部位45cを閉じて、エアバッグ本体21の車内側壁部22aと車外側壁部22bとを、相互に重ねて、それぞれ、平らに展開する。
ついで、縫合糸80を使用して、エアバッグ本体21の車内側壁部22aと車外側壁部22b相互と、インナチューブ60の車内側壁部70aと車外側壁部70b相互と、を縫合して、バッグ用結合部46の前横線部46a、前斜線部46b、後斜線部46c、及び、後横線部46dを形成すれば、エアバッグ20を製造することができる。
なお、前端の取付部48Fを備えた布材は、エアバッグ本体21の袋織り後の裁断直後に、エアバッグ本体21の前縁43cに結合させても良いし、あるいは、バッグ用結合部46を形成した後に、前縁43cに結合させてもよい。
そして、第1実施形態の頭部保護エアバッグ装置S1の車両Vへの搭載は、まず、平らに展開したエアバッグ20の下縁21b側を、取付部48を設けた上縁21a側に接近させるように折り畳み、ついで、破断可能な図示しない折り崩れ防止用のラッピング材により、エアバッグ20を巻く。なお、エアバッグ20の折り畳みは、分岐通路部25を含むエアバッグ20の上縁21a側のエリアを、蛇腹折りし、その下方のエリアをロール折りして、折り畳む。
そして、エアバッグ20を折り畳んだ後、取付ブラケット17を取り付けたインフレーター16を、エアバッグ20の接続口部23と接続させ、また、エアバッグ20の各取付部48に取付ブラケット13を取り付けてエアバッグ組付体を形成する。
その後、取付ブラケット13を組み付けた各取付部48を、ボディ1側のインナパネル2の対応する取付部位に配置させ、各取付孔48aに挿通させる等して、取付ボルト14をねじ孔に締結し、さらに、取付ブラケット17をボルト18止めし、インフレーター16をインナパネル2に固定して、エアバッグ組付体をボディ1に取り付ける。ついで、インフレーター16に、所定のインフレーター作動用の制御装置から延びる図示しないリード線を結線し、フロントピラーガーニッシュ4やルーフヘッドライニング5をボディ1に取り付け、さらに、中間ピラーガーニッシュ7やリヤピラーガーニッシュ8をボディ1に取り付ければ、頭部保護エアバッグ装置S1を、車両Vに搭載することができる。
第1実施形態の頭部保護エアバッグ装置S1の車両Vへの搭載後における車両Vの側面衝突時、インフレーター16が作動し膨張用ガスGを吐出させれば、膨張用ガスGが、図2の二点鎖線に示すように、エアバッグ20におけるインナチューブ60のガス上流部61からガス流出部62の前ガス流出部63と後ガス流出部64とに到達し、そして、前ガス流出部63と後ガス流出部64とからエアバッグ本体21の膨張部位である前窓遮蔽膨張部28と後窓遮蔽膨張部33とに流出して、エアバッグ本体21が膨張する。その際、ガス流出部62の前ガス流出部63は、逆止弁部65を配設させていても、逆止弁部65が、図2や図10のAに示すように、膨張用ガスGをエアバッグ本体21の前窓遮蔽膨張部28に流出可能に、膨張用ガスGに押されて前窓遮蔽膨張部28側に延びつつ開口する可撓性を有した略筒形状としており、円滑に、エアバッグ本体21の前窓遮蔽膨張部28側に膨張用ガスGを流出させることができる。
そしてその後、インフレーター16における膨張用ガスGの吐出終了後には、吐出を終了したインフレーター16側となるガス上流部61側に比べて保護膨張部27側が高圧となるため、図10のBや図11に示すように、エアバッグ本体21における前窓遮蔽膨張部28の内圧Pにより、逆止弁部65が、略筒形状の状態から折り曲げられつつインナチューブ60側に押し戻されて前ガス流出部63を塞いで、エアバッグ本体21の膨張した前窓遮蔽膨張部28からのインナチューブ60内側への膨張用ガスGの逆流が、抑制されることとなる。
すなわち、エアバッグ20のインナチューブ60が、エアバッグ本体21の前窓遮蔽膨張部28に膨張用ガスGを流出させる前ガス流出部63に、単に、可撓性を有した所定長さの略筒形状とする逆止弁部65を設けるだけで、簡便な構成で、逆止弁の機構を具備できる。そして、膨張用ガスGの流出時には、逆止弁部65は、単に、膨張部位としての前窓遮蔽膨張部28側に延びて開口する略筒形状となるだけであって、大きな流動抵抗となるように膨張用ガスGと干渉せず、円滑に、膨張用ガスGを前窓遮蔽膨張部28に流すことができる。
次に、インフレーター16が膨張用ガスGの吐出を終了させた時点で、前窓遮蔽膨張部28の内圧により、前窓遮蔽膨張部内の膨張用ガスGが、インナチューブ60側に逆流しようとするが、前ガス流出部63が逆止弁部65が塞がれることによって逆流を抑制されて、前窓遮蔽膨張部28内の膨張用ガスGは逆止弁部65がある部位においてはインナチューブ60内への膨張用ガスGの流れ込みが阻止される。
しかし、既述の通り、弁部用結合部84の下端84bは、下縁区画部51から離れて形成されている。従って、前窓遮蔽膨張部28内からインナチューブ60内へ流入圧によって、インナチューブ60の下縁60cが分岐通路部25内で、下縁区画部51から上方へ押し上げられることとなって、下縁60cと下縁区画部51との間、すなわち、インナチューブ60の外壁面60eと分岐通路部25の内壁面25bとの間には補助連通路部E1としての隙間が形成されることとなる。こうして、前窓遮蔽膨張部28内の膨張用ガスGが、補助連通路部E1を介して連通して、後窓遮蔽膨張部33内へ流入することができるようになる。
第1実施形態では、インフレーター16の膨張用ガスの吐出終了に伴って、逆止弁部65が前ガス流出部63を閉塞するようにインナチューブ60側に押し戻される際、逆止弁部65が、エアバッグ本体21との弁部用結合部84を基準として、その位置より大きくインナチューブ60側に押し戻されることなく、折れ曲がることとなり、逆流抑制位置を安定させることができて、膨張したエアバッグ本体21の前窓遮蔽膨張部28の容積や内圧を安定させることができる。すなわち、弁部用結合部84が、逆止弁部65の折れ曲がる際の位置を規制できる折れ規制部85として、機能する。
このような構成では、インフレーター16が膨張用ガスGの吐出を終了させた時点で、前窓遮蔽膨張部28の内圧により、前ガス流出部63の逆止弁部65が、前窓遮蔽膨張部28側に延びた状態から、押し戻されて折れ曲がり、前ガス流出部63を閉塞する。しかし、弁部用結合部84の下端84bが、下縁区画部51から離れており、インナチューブ60の下縁60cと分岐通路部25の内周面との間に、補助連通路部E1としての隙間が発生させる。そのため、分岐通路部25のこの補助連通路部E1を経て、前窓遮蔽膨張部28と後窓遮蔽膨張部33とが連通状態となり、インフレーターの膨張用ガスの吐出終了後における所定時間経過後、エアバッグ20は、前窓遮蔽膨張部28と後窓遮蔽膨張部33との内圧をほぼ均等にすることができる。(図10参照)
すなわち、このようなエアバッグ20では、補助連通路部E1としての隙間の調整により、車両の側面衝突時には、逆止弁部65の前ガス流出部63の閉鎖により、前窓遮蔽膨張部28が所定の内圧値を確保して、乗員の頭部を受け止め可能とし、その後、インフレーター16の膨張用ガスGの吐出終了後、例えば5〜6秒後において、エアバッグ20の全体の内圧を均等にして、窓W1,W2からの乗員の車外放出を抑制することができる。
さらに、このようなエアバッグ20では、インナチューブ60の下縁60cと下縁区画部51との間に形成される隙間を補助連通路部E1としている。すなわち、補助連通路部E1は、分岐通路部25内において、インナチューブ60は、図10Bに示すように、膨張用ガスGを吐出するインフレーター16に近い上流部側は、チューブ用結合部82と弁部用結合部84によって、その外周面が分岐通路部25の内周面に当接させられて、前窓遮蔽膨張部28内の膨張用ガスGがインナチューブ60の外周面と分岐通路部25との間に流入できない構成となっているが、膨張用ガスGの下流面側である前窓遮蔽膨張部28と分岐通路部25とを区画する下縁区画部51によって規定される分岐通路部25の内周面とインナチューブ60の外周面との間に形成された隙間を補助連通路部E1としているので、膨張用ガスGは、前窓遮蔽膨張部28に近い補助連通路部E1に円滑に流入し、前窓遮蔽膨張部28と後窓遮蔽膨張部33との内圧差の均等化を速やかに行うことができる。
すなわち、インナチューブ60の外周面側は、分岐通路部25内において、インフレーター16に面したガス上流部61側が、分岐通路部25の内周面に当接して間隙が形成されず、前窓遮蔽膨張部28内の流入はないが、ガス下流部に相当するインナチューブ60と、分岐通路部25の下縁区画部51とは、前窓遮蔽膨張部28内の膨張用ガスGによって逆止弁部65が押圧させると、補助連通路部E1が形成される。したがって、補助連通路部E1は、膨張用ガスGが抵抗なく、円滑に流入することができる、前窓遮蔽膨張部28に近い位置に形成されるので、前窓遮蔽膨張部28と後窓遮蔽膨張部33との内圧の均等化を円滑に行うことができる。
すなわち、このようなエアバッグ20では、車両の側面衝突時のみならず、その後の車両のロールオーバー時に、エアバッグ20の全体の内圧を均等にして、エアバッグ20を一体的な略板状で膨張させておくことができることから、良好な乗員の拘束性能を発揮できて、車両のロールオーバー時、好適に乗員を保護することができる。
また、エアバッグ20において、既述の通り、前窓遮蔽膨張部28と後窓遮蔽膨張部33には、それぞれ、窓W1,窓W2を大きく覆って乗員Mの頭部Hを受け止める膨張本体部29,34と、調圧室31,36とを備えて構成されている。
そのため、逆止弁部65によって前ガス流出部63が塞がれた後、既述の補助連通路部E1によって、前窓遮蔽膨張部28と後窓遮蔽膨張部33とが互いに連通させられるが、膨張本体部29,34が、乗員Mの頭部Hを受け止める際、急激に内圧が上昇することがあるが、このような場合においては、図14に示すように、調圧室31,36が、連通路30,35を介して膨張本体部29,34に隣接して配置されており、膨張本体部29,34内の膨張用ガスGは、補助連通路部E1に流入するのに優先して連通路30,35から調圧室31,36内に速やかに流入することとなり、クッション性よく、乗員Mの頭部Hを受け止めることができる。
また、膨張本体部29,34と調圧室31,36とを連通する連通路30,35の膨張用ガスGが通過する時の膨張用ガスGの流動方向に略直行する断面積を、前窓遮蔽膨張部28と後窓遮蔽膨張部33とを連通する補助連通路部E1の膨張用ガスGの流動方向に略直行する断面積より、大きくすることが好ましい。こうすることにより、乗員Mの頭部Hを受け止めた膨張本体部29,34の急激な内圧上昇に対応して、補助連通路部E1の断面積より大きい連通路30,35を経由して、より円滑に調圧室31,36内に流入することができ、さらにクッション性よく、乗員Mの頭部Hを受け止めることができる。
そしてさらに、第1実施形態のエアバッグ装置S1では、エアバッグ20を車両Vの前後に並設された窓W1,W2の車内側を覆うカーテンエアバッグとした頭部保護エアバッグ装置として構成している。そして、エアバッグ本体21が、膨張完了時の前後方向の中央付近の上縁21a側に、分岐通路部25を前後方向に延びるように配設させるとともに、分岐通路部25の前後に、前後の窓W1,W2をそれぞれ覆う膨張部位としての前窓遮蔽膨張部28と後窓遮蔽膨張部33とを、分岐通路部25に連通させて、配設させ、インナチューブ60が、エアバッグ本体21の前後方向の中央付近の上縁21a側で上方に延びるように配設されて、インフレーター16に接続されるガス上流部61と、ガス上流部61の下端61bで前後に分岐して、分岐通路部25内に配設されるガス流出部62としての前ガス流出部63及び後ガス流出部64と、を備えて構成されている。
このような構成では、前後に膨張部位としての前窓遮蔽膨張部28と後窓遮蔽膨張部33とを配置させた状態のエアバッグ20における前後方向の中央付近の上方に、インフレーター16を配設させたタイプ、すなわち、インフレーター16のセンター置きタイプとし、そして、インナチューブ60が、インフレーター16に接続されるガス上流部61から下方に延びた下端61bを分岐通路部25内に進入させて、前後に分岐させるように前ガス流出部63と後ガス流出部64とを設けている。
従って、インフレーター16から前後の前窓遮蔽膨張部28や後窓遮蔽膨張部33までの膨張用ガスGの流路が短いことから、エアバッグ20の膨張開始から膨張完了までの時間を極力短くでき、そして、インナチューブ60が、逆止弁部65を備えていても、膨張用ガスGの流動抵抗を増加させる構成でないことから、エアバッグ20の膨張開始から膨張完了までを短時間に達成できるカーテンエアバッグに好適となる。さらに、インナチューブ60も、前後方向の長さ寸法を短くできることから、極力、エアバッグ20の折畳収納時、コンパクトに収納できる。
なお、第1実施形態では、インナチューブ60の前ガス流出部63だけに逆止弁部65を設けた場合を示したが、図13,14に示すエアバッグ20Aのように、インナチューブ60Aの後ガス流出部64Aにも、逆止弁部65Aを設けても良い。この逆止弁部65Aは、第1実施形態のインナチューブ60の前ガス流出部63に設けた逆止弁部65と前後で対称的に形成されており、また、弁部用結合部84と同様な弁部用結合部84Aを設けて、エアバッグ本体21の分岐通路部25の内周面25a側に結合されている。
なお、このエアバッグ20Aでは、後ガス流出部64Aが、弁部用結合部84Aを設けてエアバッグ本体21に結合される逆止弁部65Aを備えて構成されている点を、エアバッグ20と異ならせているだけであり、他の部位はエアバッグ20と同様に構成され、さらに、エアバッグ20と同様に、インフレーター16等と組み付けられて頭部保護用のエアバッグ装置に使用される。
そして、このようなエアバッグ20Aを使用するエアバッグ装置では、エアバッグ20Aが、インナチューブ60Aの前ガス流出部63と後ガス流出部64Aとに、共に逆止弁部65,65Aを配設させていることから、インフレーター16の膨張用ガスの吐出終了後において、図14に示すように、前窓遮蔽膨張部28と後窓遮蔽膨張部33とが、それぞれ、逆止弁部65,65Aにより閉塞されると共に、下縁区画部51とインナチューブ60の下縁60cとの間には補助連通路部E1としての隙間が形成することができ、膨張用ガスGの吐出終了後に、前窓遮蔽膨張部28と後窓遮蔽膨張部33とが連通させられて、乗員Mの頭部Hをクッション性よく受け止めることができ、さらに、ロールオーバー時には、乗員の車外への放出を極力抑制することができる。
そしてさらに、このエアバッグ20Aでは、前窓遮蔽膨張部28と後窓遮蔽膨張部33とが、それぞれ、膨張本体部29,34の他に、連通路30,35を介して連通された調圧室31,36を備えている。そして、連通路30,35の断面積は、補助連通路部E1の断面積より小さく設定されている。従って、各膨張本体部29,34の内圧上昇により、膨張用ガスGは、先ず、31,36内に流入し、その後、補助連通路部E1を経由して、他の膨張部位である、後窓遮蔽膨張部33側や前窓遮蔽膨張部28側に流出することとなり、各膨張本体部29,34によって乗員Mの頭部を受け止める際の内圧管理を好適に行えるとともに、ロールオーバー時においては、前窓遮蔽膨張部28と後窓遮蔽膨張部33との内圧差を均等化して、乗員の車外への放出を極力抑制することができる。
勿論、上記のように構成せずに、第1実施形態のエアバッグ20のように構成すれば、
インフレーター16の膨張用ガスGの吐出終了後、逆止弁部65の閉鎖により、前窓遮蔽膨張部28が、内圧を維持できることから、例えば、インフレーター16の膨張用ガスGの流量が、後窓遮蔽膨張部33に比べて、前窓遮蔽膨張部28を多くするように、前ガス流出部63と後ガス流出部64との開口面積を調整すれば、インフレーター16の膨張用ガスGの吐出中から吐出終了を経過しても、前窓遮蔽膨張部28が、後窓遮蔽膨張部33より高い内圧値を維持して、前席に着座した乗員Mの頭部Hを受け止めることも可能となる。
つぎに、図15,16に示すように、第2実施携帯のエアバッグ装置S2について説明すると、このエアバッグ装置S2は、車両用シート90の背もたれ部91の側面に搭載されるサイド用のものである。このサイド用エアバッグ装置S2は、インフレーターとしてのインフレーター100とエアバッグ110とを備えて構成されている。
インフレーター100は、エアバッグ110内に収納され、略円柱状の本体101と、
本体101を保持して背もたれ部91に取り付ける図示しないボルトを備えた円筒状のリテーナ102と、を備えて構成されている。本体101には、下端側に、図示しないガス噴出口が配設され、リテーナ102には、ガス噴出口からの膨張用ガスを吐出する二つの吐出口103,104が開口されている。
エアバッグ110は、上下方向に長い略長円形状に膨らむエアバッグ本体111と、エアバッグ本体111内に配設されるインナチューブ130と、を備えて構成されている。
エアバッグ本体111は、可撓性を有したポリアミド等の織布からなる本体用シート125(図16参照)を、中央の折り目126で二つ折りして、外周縁を縫合して形成されている。そして、エアバッグ本体111は、膨張用ガスGにより車内側壁部112aと車外側壁部112bと離すように膨らむガス流入部112と、膨張用ガスを流入させない非流入部120と、を備えて構成されている。
ガス流入部112は、分岐通路部114と保護膨張部116とを備えて構成されている。分岐通路部114は、折り目126付近の後端側における上下方向の中央付近に配置されている。保護膨張部116は、下膨張部117と上膨張部118とを備えて構成され、分岐通路部114の上下に、下膨張部117と上膨張部118とを配設させている。
そして、非流入部120は、二つ折りした本体用シート125の外周縁を縫合した周縁部121と、エアバッグ本体111を上下に分断するように縫合する閉じ部(区画部)122と、を備えて構成されている。閉じ部122は、エアバッグ本体111の外周縁から分岐通路部114付近まで延びるように配設され、膨張部位としての下膨張部117と上膨張部118とを区画している。
なお、分岐通路部114は、閉じ部122の先端122aと折り目126との間に配設されており、第2実施形態の場合、後述するように、その内周面が、弁部用結合部154により、インナチューブ130の後述するガス上流部131付近の外周面が結合されているとともに、弁部用結合部154は、後述する補助連通路部E2を形成するために、折り目126から閉じ部122の先端122aまで到達させない途中までの間を分岐通路部114と共縫いされている。但し、膨張用ガスGが流入した膨張状態では、分岐通路部114は、その内径寸法をインナチューブ130におけるガス上流部131付近の外形寸法と一致させることとなる。
そして、インナチューブ130は、図16に示すように、可撓性を有したポリアミド等の織布からなるインナチューブ用シート140を、筒状に縫合したテーパ管状に形成されている。図15に示すように、このインナチューブ130は、上下方向の中間部位付近をインフレーター100を配置させるガス上流部131とし、上下両端を、流出口132aを開口させて膨張用ガスGを流出するガス流出部132としている。下方側の下ガス流出部133は、上方側の上ガス流出部134に比べて、先細り状としており、その下端側を逆止弁部135としている。そして、既述したように、ガス上流部131付近が、通路閉塞用結合部156を構成する弁部用結合部154により、閉じ部122の先端122aの後方側において、エアバッグ本体111の分岐通路部114の内周面に対し、周方向が結合されるとともに、結合されていない部位が、補助連通路部E2を形成することとなる。すなわち、補助連通路部E2は、インナチューブ130の外壁面130aと分岐通路部114の内壁面114aとの間に形成される隙間によって形成されることとなる。
逆止弁部135は、インフレーター100が膨張用ガスGの吐出を終了した際、下膨張部117の内圧に押されて、インナチューブ130のガス上流部131側に押し戻されて折れ曲がり、インフレーター100の下端に当たりつつ、下ガス流出部133を閉塞する。なお、第2実施形態の場合、インフレーター100の下端は、逆止弁部135の折れ曲がり時の位置規制を行なうことから、逆止弁部135の折れ規制部160を構成することとなる。
こうして、逆止弁部135が分岐通路部114を塞ぐと、膨張用ガスGは、分岐通路部114を介して、下膨張部117と上膨張部118とは連通しなくなるが、弁部用結合部154は、折り目126から閉じ部122へ至る途中までしかインナチューブ130と分岐通路部114を結合していないので、既述の通り、弁部用結合部154の先端と、閉じ部122との間には、膨張用ガスGが流入して、補助連通路部E2としての隙間が形成され、下膨張部117と上膨張部118は、この補助連通路部E2を介して連通させられることとなる。
また、第2実施形態のエアバッグ110は、下膨張部117が、着座した乗員の腰部を受け止めるものであり、上膨張部118が、着座した乗員の胸部を受け止めるものである。そして、下膨張部117が、重量のある腰部を的確に受け止めることができるように、上膨張部118より内圧を高めて膨張する。この内圧調整は、閉じ部122の内側へ向かう先端122aがインフレーター100に接近するように配設されるとともに、インフレーター100が、吐出口103,104側を閉じ部122より下膨張部117側の下方に配置させることにより、下膨張部117と上膨張部118とを連通する分岐通路部114において、インナチューブ130のガス上流部131に配置されるインフレーター100が、膨張用ガスGを、下ガス流出部133を経て下膨張部117側に多く流すことにより、達成している。
このエアバッグ110の製造について述べれば、図16のA,Bに示すように、平らに展開した本体用シート125の中央に、平らに展開したインナチューブ用シート140を載せて、縫合糸150の縫合による通路閉塞用結合部156となる弁部用結合部154を形成しつつ、本体用シート125にインナチューブ用シート140を固定する。ついで、インフレーター100のリテーナ102における図示しないボルト用の二つの取付孔110aと、エアバッグ110内へのインフレーター100の挿入用のスリット状の挿入孔110bとを、インナチューブ用シート140と本体用シート125とに貫通するように、形成する。なお、これらの取付孔110aと挿入孔110bとは、通路閉塞用結合部156より上ガス流出部134側に、形成される。
その後、インナチューブ用シート140を二つ折りして、重ねた外周縁相互を縫合糸150を利用して縫合し、テーパ管状のインナチューブ130を形成する。
ついで、本体用シート125を折り目126で折り、重ねた外周縁相互を縫合して周縁部121を形成するとともに、閉じ部122を形成すれば、エアバッグ110を製造することができる。なお、閉じ部122は、補助連通路部E2を形成するように、分岐通路部114の端部までで止めることとする。
このように製造したエアバッグ110内に、挿入孔110bを経てインフレーター100を挿入し、各取付孔110aからリテーナ102の図示しないボルトを突出させた後、エアバッグ110を折り畳めば、エアバッグ装置S2を組み立てることができる。そして、車両用シート90の背もたれ部91への搭載時には、リテーナ102の図示しないボルトを利用して、背もたれ部91のフレームにエアバッグ装置S2を取り付け、インフレーター100の本体101に所定の作動用リード線を結線しつつ、背もたれ部91に所定のクッション材を配設し、そして、車両用シート90を車両に取り付ければ、サイド用エアバッグ装置S2を車両に搭載することができる。
このサイド用エアバッグ装置S2でも、作動時、インフレーター100が作動して膨張用ガスGを吐出すれば、膨張用ガスGが、エアバッグ110におけるインナチューブ130のガス上流部131からガス流出部132の下ガス流出部133と上ガス流出部134に到達し、そして、下ガス流出部133は、逆止弁部135を配設させていても、逆止弁部135が、膨張用ガスGをした下膨張部117に流出可能に、膨張用ガスGに押されて下膨張部117側に延びつつ開口する可撓性を有した略筒形状としておえい、円滑に、エアバッグ本体111の下膨張部117側に膨張用ガスGを流出させることができる。
そしてその後、インフレーター100における膨張用ガスGの吐出終了後には、エアバッグ本体111における下膨張部117の内圧により、逆止弁部135が、略筒形状の状態から折り曲げられつつインナチューブ130のガス上流部131側に押し戻されて下ガス流出部133を塞いで、エアバッグ本体111の膨張した下膨張部117からのインナチューブ130側への膨張用ガスGの逆流が、抑制されることとなる。そして、逆止弁部135が、下ガス流出部を塞ぐと、下膨張部117の内圧がインナチューブ130を押圧して補助連通路部E2が、閉じ部122と弁部用結合部154との間に形成されることとなる。
その後、下膨張部117内の膨張用ガスGは、補助連通路部E2を経由して、上膨張部118内に流入し、作動開始後から所定時間(3〜5秒)経過後に下膨張部117と上膨張部118との内圧差を極力小さくして、ガス流入部112全体を、ほぼ均等な内圧にすることができる。
すなわち、エアバッグ110のインナチューブ130が、エアバッグ本体111の下膨張部117に膨張用ガスGを流出させる下ガス流出部133に、単に、可撓性を有した所定長さの略筒形状とする逆止弁部135を設けるだけで、簡便な構成で、逆止弁の機構を具備できる。そして、膨張用ガスGの流出時には、逆止弁部135は、単に、下膨張部117側に延びて開口する略筒形状となるだけであって、大きな流動抵抗となるように膨張用ガスGと干渉せず、円滑に、膨張用ガスGを下膨張部117に流すことができる。
したがって、第2実施形態のサイド用エアバッグ装置S2でも、エアバッグ110を迅速に膨張させることができ、かつ、膨張用ガスGの逆流を円滑に抑制することができるとともに、補助連通路部E2によって、下膨張部117と上膨張部118とが連通させられ、膨張終了後の所定時間経過後に、内圧をほぼ均等化するころが可能になり、膨張初期には、より高圧な下膨張部117で、乗員の腰部を拘束することができ、その後、下膨張部117と上膨張部118とがほぼ均等な内圧となった状態で、乗員の胸部から腰部の全体にわたって、適切に拘束することが可能とすることができる。
以上、第1実施形態と第2実施形態では、膨張完了状態では、インナチューブ60,130の外径を分岐通路部25,114の内径とをほぼ等しくする構成とし、膨張用ガスGが、円滑に複数の膨張部(前窓遮蔽膨張28と後窓遮蔽膨張部33,下膨張部117と上膨張部118)に流入可能としたが、複数の膨張部(前窓遮蔽膨張28と後窓遮蔽膨張部33,下膨張部117と上膨張部118)の内圧差を速やかに均等化したい場合には、分岐通路部25,114の内径をインナチューブ60,130の外径より大きくすれば、インフレーター16,100からの膨張用ガスGの吐出の比較的初期の段階で、補助連通路部E1,E2が形成されることになり、複数の前窓遮蔽膨張部28と後窓遮蔽膨張部33,下膨張部117と上膨張部118)の内圧を速やかに均等化することが可能となる。
複数の膨張部を備えたエアバッグ装置で、膨張完了後の所定時間経過後において、複数の膨張部の内圧を均等化して、特に、ロールオーバー時等における乗員の拘束を適格に行うことを可能にすることができる。
16…(インフレーター)インフレーター、20,20A,20B,20C…(カーテン)エアバッグ、21,21C…エアバッグ本体、22,22C…ガス流入部、22a…車内側壁部、22b…車外側壁部、25…分岐通路部、27C…(膨張部位)保護膨張部、28…(膨張部位)前窓遮蔽膨張部、29,34…膨張本体部、30,35…連通路、31,36…調圧室、33…(膨張部位)後窓遮蔽膨張部、42…非流入部、60,60A,60C…インナチューブ、61,61C…ガス上流部、62,62C…ガス流出部、63…前ガス流出部、64,64A…後ガス流出部、65,65A,65B,65C…逆止弁部、84,84A,84C…弁部用結合部、85…折れ規制部、100…(インフレーター)インフレーター、110…エアバッグ、111…エアバッグ本体、112…ガス流入部、112a…車内側壁部、112b…車外側壁部、114…分岐通路部、117…(膨張部位)下膨張部、118…(膨張部位)上膨張部、120…非流入部、130…インナチューブ、131…ガス上流部、132…ガス流出部、133…下ガス流出部、134…上ガス流出部、135…逆止弁部、154…弁部用結合部、156…通路閉塞用結合部、160…折れ規制部、
V…車両、W1…(前)窓、W2…(後)窓、E1,E2…補助連通路部,G…膨張用ガス、CL…(逆止弁部の)長さ寸法、GD…(ガス流出部の)外径寸法、M…乗員、H…頭部、S1…頭部保護エアバッグ装置、S2…サイド用エアバッグ装置、S3…頭部保護エアバッグ装置。

Claims (4)

  1. インフレーターと、該インフレーターから吐出される膨張用ガスにより膨らむエアバッグと、を備えて構成されるエアバッグ装置であって、
    前記エアバッグが、折り畳み可能に可撓性を有して構成されるとともに、
    前記膨張用ガスを流入させて膨らむエアバッグ本体と、
    該エアバッグ本体内に配設されて、前記インフレーターからの膨張用ガスを前記エアバッグ本体の所定の膨張部位へ流出させるインナチューブと、
    を備えて構成され、
    前記エアバッグ本体が、
    前記膨張用ガスの非流入部である周縁部と区画部によって区画された複数の膨張部と複数の前記膨張部間を連通する筒状の分岐通路部と、
    を備え、
    前記インナチューブが、
    前記分岐通路部内で、インフレーターからの前記膨張用ガスのガス上流部となるガス上流部と、
    前記分岐通路部内で、前記エアバッグ本体の複数の前記膨張部側で開口して、複数の前記膨張部に前記膨張用ガスを流出させるガス流出部と、
    を備えるとともに、
    前記ガス流出部は、その先端側を、複数の前記膨張部の内、前記分岐通路部と接続された膨張部内に配置し、
    前記ガス流出部は、前記インフレーターにおける前記膨張用ガスの吐出終了後において、前記膨張部の内圧により押し戻されて前記先端側のガス流出口を塞いで、前記インナチューブの内側への前記膨張用ガスの逆流を抑制するような逆止弁部を構成し、
    さらに、前記逆止弁部によって前記ガス流出口が閉塞された状態においては、前記インナチューブの外壁面と、前記分岐通路部の内壁面との間に、複数の前記膨張部内に流入した前記膨張用ガスが複数の前記膨張部間を互いに連通する補助連通路部が形成される、ことを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 前記膨張用ガスが流入して膨張した状態においては、
    前記インナチューブの外壁面は、前記分岐通路部内において、前記インフレーターに面した前記ガス上流部側が、前記分岐通路部の内壁面に当接していると共に、複数の前記膨張部に対向した前記外壁面が、前記分岐通路部の内壁面と離隔可能とすることにより前記補助連通路を形成した、ことを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  3. 前記逆止弁が、
    前記インフレーターにおける膨張用ガスの吐出時において、膨張用ガスを前記エアバッグ本体の複数の前記膨張部に流出可能に、前記膨張用ガスに押されて複数の前記膨張部側に延びつつ開口する可撓性を有した略筒形状とし、かつ、
    前記インフレーターにおける膨張用ガスの吐出終了後において、前記エアバッグ本体における前記膨張部位の内圧により、前記略筒形状の状態から折り曲げられつつ前記インナチューブ側に押し戻されて前記ガス流出部を塞ぎ可能な長さ寸法を有して、前記インナチューブの複数の前記膨張部側で開口する複数の前記流出部に対応して設けられている、ことを特徴とする請求項1ないし請求項2のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  4. 複数の前記膨張部は、それぞれの前記膨張部に対応して調圧室と、前記膨張部と前記調圧室とを連通する連通路と、が設けられており、複数の前記膨張部に対応して設けられた複数の前記連通路の前記膨張用ガスが流入した膨張時における開口面積は、前記補助連通路部の断面積より大きい、ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
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