[0001]本開示は、一般に電子機器に関し、より詳細には、改善された性能を有する増幅器に関する。
[0002]ワイヤレス通信システムにおけるワイヤレスデバイス(たとえば、セルラーフォンまたはスマートフォン)は、双方向通信のためのデータを送信および受信し得る。ワイヤレスデバイスは、データ送信のための送信機と、データ受信のための受信機とを含み得る。データ送信では、送信機は、無線周波(RF)キャリア信号をデータで変調して変調されたRF信号を取得し、変調されたRF信号を増幅して、適切な出力電力レベルを有する出力RF信号を取得し、アンテナを介して出力RF信号を基地局に送信し得る。データ受信では、受信機は、アンテナを介して受信RF信号を取得し得、受信RF信号を調整し処理して、基地局によって送られたデータを復元し得る。
[0003]送信機は、電力増幅器などの様々な回路を含み得る。電力増幅器の性能は、電力増幅器の回路設計、電力増幅器を実装するために使用されるトランジスタなど、様々なファクタの影響を受けることがある。電力増幅器の性能は、性能に大きい影響を及ぼし得る、寄生(parasitic)などの他のファクタの影響を受けることもある。
[0004]ワイヤレスデバイスのブロック図。
[0005]電力増幅器の概略図。
[0006]電力増幅器に結合されたインピーダンス整合回路を示す図。
[0007]低減されたソースディジェネレーションインダクタンス(reduced source degeneration inductance)をもつ電力増幅器を示す図。
[0008]電力増幅器およびインピーダンス整合回路の実装形態を示す図。
[0009]図5に示した実装形態についての、低減されたソースディジェネレーションインダクタンスをもつ電力増幅器を示す図。
[0010]2段インピーダンス整合回路(a two-stage impedance matching circuit)についての、低減されたソースディジェネレーションインダクタンスをもつ電力増幅器を示す図。
[0011]低減されたソースディジェネレーションインダクタンスをもたない電力増幅器の例示的な部分レイアウトを示す図。
低減されたソースディジェネレーションインダクタンスをもつ電力増幅器の例示的な部分レイアウトを示す図。
[0012]ソースディジェネレーションインダクタンスの異なる低減量に対する電力増幅器の利得のプロット。
[0013]ソースディジェネレーションインダクタンスを低減するためのプロセスを示す図。
詳細な説明
[0014]以下に示す発明を実施するための形態は、本開示の例示的な設計を説明するものであり、本開示が実施され得る唯一の設計を表すものではない。「例示的」という用語は、本明細書では、「例、事例、または例示の働きをすること」を意味するために使用する。「例示的」として本明細書で説明するいかなる設計も、必ずしも他の設計よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。詳細な説明は、本開示の例示的な設計の完全な理解を与えるための具体的な詳細を含む。本明細書で説明する例示的な設計はこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることが当業者には明らかであろう。いくつかの事例では、本明細書で提示する例示的な設計の新規性を不明瞭にしないように、よく知られている構造およびデバイスをブロック図の形式で示す。
[0015]本明細書では、増幅器および他の能動回路(active circuits)の不要なソースディジェネレーションインダクタンス(undesired source degeneration inductance)を低減するための技法について説明する。ソースディジェネレーションインダクタンスは、トランジスタのソース/エミッタと回路接地(circuit ground)との間のインダクタンスである。ソースディジェネレーションインダクタンスは、線形性を改善し、雑音を低減し、および/または他の利益を得るために、いくつかの増幅器(たとえば、低雑音増幅器)において望まれることがある。そのような増幅器では、ソースディジェネレーションインダクタンスを得るために、好適な値のインダクタがトランジスタのソース/エミッタと回路接地との間に意図的に結合され得る。しかしながら、ソースディジェネレーションインダクタンスは、増幅器利得を低減し、および/または性能を劣化させることがあるので、いくつかの増幅器(たとえば、電力増幅器)において不要であることがある。不要なソースディジェネレーションインダクタンスは、寄生および/または他の現象から生じ得、以下で説明するように緩和され得る。
[0016]本明細書で説明する不要なソースディジェネレーションインダクタンスを低減するための技法は、電力増幅器、駆動増幅器、可変利得増幅器など、様々なタイプの増幅器のために使用され得る。本技法はまた、ミキサ、発振器など、他の能動回路のためにも使用され得る。明快のために、本技法について、電力増幅器に関して以下で説明する。本技法はまた、セルラーフォン、スマートフォン、タブレット、携帯情報端末(PDA)、ハンドヘルドデバイス、ワイヤレスモデム、ラップトップコンピュータ、スマートブック、ネットブック、コードレスフォン、ワイヤレスローカルループ(WLL)局、Bluetooth(登録商標)デバイス、コンシューマー電子デバイスなど、様々なタイプのワイヤレスデバイスのためにも使用され得る。
[0017]図1に、ワイヤレスデバイス100の例示的な設計のブロック図を示す。この例示的な設計では、ワイヤレスデバイス100は、データプロセッサ/コントローラ110と、トランシーバ120と、アンテナ154とを含む。トランシーバ120は、双方向ワイヤレス通信をサポートする送信機130と受信機160とを含む。ワイヤレスデバイス100は、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)、符号分割多元接続(CDMA)1Xまたはcdma2000、広帯域CDMA(WCDMA(登録商標))、モバイル通信用グローバルシステム(GSM(登録商標):Global System for Mobile Communications)、IEEE802.11などをサポートし得る。
[0018]送信経路では、データプロセッサ110は、送信されるべきデータを処理(たとえば、符号化および変調)し、送信機130にアナログ出力信号を与える。送信機130内で、送信回路132は、アナログ出力信号を増幅し、フィルタ処理し、ベースバンドからRFにアップコンバートし、変調されたRF信号を与える。送信回路132は、増幅器、フィルタ、ミキサ、発振器、局部発振器(LO)生成器(a local oscillator (LO) generator)、位相ロックループ(PLL:phase locked loop)などを含み得る。電力増幅器(PA)140は、変調されたRF信号を受信し、増幅し、適切な出力電力レベルを有する増幅されたRF信号を与える。インピーダンス整合回路150は、電力増幅器140のための出力インピーダンス整合を実行する。整合回路150は、電力増幅器140から増幅されたRF信号を受信し、出力RF信号を与え、その出力RF信号は、スイッチ/デュプレクサ152を介してルーティングされ、アンテナ154を介して送信される。
[0019]受信経路では、アンテナ154は、基地局および/または他の送信機局から信号を受信し、受信RF信号を与え、その受信RF信号は、スイッチ/デュプレクサ152を介してルーティングされ、受信機160に与えられる。受信機160内で、インピーダンス整合回路162は、低雑音増幅器(LNA)164のための入力インピーダンス整合を実行する。LNA164は、整合回路162からの受信RF信号を増幅し、増幅された信号を与える。受信回路166は、増幅された信号を増幅し、フィルタ処理し、RFからベースバンドにダウンコンバートし、データプロセッサ110にアナログ入力信号を与える。受信回路166は、増幅器、フィルタ、ミキサ、発振器、LO生成器、PLLなどを含み得る。
[0020]図1は、送信機130および受信機160の例示的な設計を示す。送信機130および/または受信機160は、図1に示されていない、異なるおよび/または追加の回路を含み得る。たとえば、送信機130は、電力増幅器140より前に駆動増幅器を含み得る。トランシーバ120の全部または一部分は、1つまたは複数のアナログ集積回路(IC)、RF IC(RFIC)、混合信号ICなどの上に実装され得る。たとえば、送信回路132、電力増幅器140、LNA164、受信回路166、ならびに整合回路150および162は、RFIC上に実装され得る。電力増幅器140および場合によっては他の回路は、別々のICまたは回路モジュール上にも実装され得る。整合回路150および/または162ならびに場合によっては他の回路は、別々のICまたは回路モジュール上にも実装され得る。
[0021]データプロセッサ/コントローラ110は、ワイヤレスデバイス100のための様々な機能を実行し得る。たとえば、データプロセッサ110は、送信機130を介して送信され、受信機160を介して受信されるデータの処理を実行し得る。コントローラ110は、送信回路132、受信回路166、電力増幅器140、整合回路150および/または162、スイッチ/デュプレクサ152などの動作を制御し得る。メモリ112は、データプロセッサ/コントローラ110のためのプログラムコードおよびデータを記憶し得る。データプロセッサ/コントローラ110は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)および/または他のIC上に実装され得る。
[0022]ワイヤレスデバイス100内の電力増幅器140は、シングルエンド設計または差動設計(a single-ended design or a differential design)を用いて実装され得る。シングルエンド電力増幅器(single-ended power amplifier)がシングルエンド入力信号を受信し、シングルエンド出力信号を与える。差動電力増幅器(differential power amplifier)が差動入力信号(a differential input)を受信し、差動出力信号を与える。シングルエンド電力増幅器は、(i)アンテナを介した送信より前に出力信号を差動からシングルエンドに変換するために、トランスフォーマ(a transformer)が必要とされず、(ii)電力結合器(a power combiner)が必要とされないので、実装がより簡単であり得る。
[0023]図2に、図1のシングルエンド電力増幅器140の例示的な設計の概略図を示す。電力増幅器140は、スタック中で(in a stack)結合されたK個のNチャネル金属酸化膜半導体(NMOS:N-channel metal oxide semiconductor)トランジスタ210a〜210kを含み、Kは任意の整数値であり得る。最下部のNMOSトランジスタ(bottommost NMOS transistor)210aは、電力増幅器140のための利得トランジスタであり、(i)それのソースは接続216を介して回路接地に結合され、(ii)それのゲートは交流(AC)結合キャパシタ(an alternating current (AC) coupling capacitor)222を介して入力RF信号(RFin)を受信する。スタック中のより上の各NMOSトランジスタ210は、それのソースがスタック中の下の別のNMOSトランジスタのドレインに結合される。最上部のNMOSトランジスタ(topmost NMOS transistor)210kは、それのドレインが増幅されたRF信号(RFamp)を与える。負荷インダクタ214は、電源(Vdd)と最上部のNMOSトランジスタ210kのドレインとの間に結合され、電力増幅器140のための直流(DC)バイアス電流を与える。NMOSトランジスタ210a〜210kのゲートは、それぞれK個の抵抗器220a〜220kを介して、K個のバイアス電圧Vbias1〜VbiasKを受信する。バイアス電圧は、電力増幅器140が有効にされた(enabled)ときにそれをオンにし(turn on)、電力増幅器140が無効にされた(disabled)ときにそれをオフにする(turn off)ために生成され得る。
[0024]増幅されたRF信号は、各NMOSトランジスタ210の破壊電圧を超え得る大きい電圧スイング(voltage swing)を有し得る。増幅されたRF信号の大きい電圧スイングは、K個のNMOSトランジスタ210a〜210kにわたって、ほぼ等しく分割または分散され得る。次いで、各NMOSトランジスタ210は、高い信頼性を実現するために、各NMOSトランジスタの破壊電圧よりも小さくなり得る、増幅されたRF信号のわずかな電圧スイング(a fraction of the voltage swing of the amplified RF signal)のみを観測し得る。K個のバイアス電圧Vbias1〜VbiasKは、たとえば、各NMOSトランジスタが電圧スイングの約1/Kを観測するように、増幅されたRF信号の所望の電圧分割を行う(provide the desired voltage splitting)ように選択され得る。
[0025]図2は、シングルエンド電力増幅器の例示的な設計を示すが、シングルエンド電力増幅器は他の方法でも実装され得る。たとえば、シングルエンド電力増幅器は、他のタイプのトランジスタ、または他の回路トポロジーなどを用いて実装され得る。
[0026]図3に、図1のインピーダンス整合回路150の例示的な設計であるインピーダンス整合回路150aの概略図を示す。この例示的な設計では、整合回路150aは直列インダクタ(a series inductor)252とシャントキャパシタ(a shunt capacitor)254とを含む。インダクタ252は、整合回路150aの入力と出力との間に結合される。キャパシタ254は、整合回路150aの出力と接続256を介した回路接地との間に結合される。
[0027]電力増幅器140は、接続216を介して回路接地に結合される。電力増幅器140はまた、接続212を介してVdd電源に結合される。バイパスキャパシタ218は、Vdd電源と回路接地との間に結合され、Vdd電源上で高周波雑音のフィルタ処理を行う。
[0028]再び図2を参照すると、電力増幅器140は利得トランジスタ210aを含み、利得トランジスタ210aのソースは、接続216を介して回路接地に接続される。接続216は、接続216を実装するために使用されるルーティングトレース(routing traces)、スルービア(thru-via)、および/またはボンドワイヤ(bond wires)から生じ得る寄生インダクタンス(parasitic inductance)を本質的に含む。寄生インダクタンスは、電力増幅器140の利得を低減することができるソースディジェネレーションインダクタンスとして働く。
[0029]概して、増幅器(たとえば、図2の電力増幅器140)は、利得トランジスタ(たとえば、図2のNMOSトランジスタ210a)のソースにおいて何らかのソースディジェネレーションインダクタンスを本質的に有する。利得トランジスタのソースとそれの回路接地との間の0オーム接続を実現することが物理的に不可能であるので、ソースディジェネレーションインダクタンスが生じる。ソースディジェネレーションインダクタンスの量は、利得トランジスタのソースと回路接地との間の相互接続(interconnection)に依存する。この相互接続は、ルーティングトレース、スルービア、ボンドワイヤなどから構成され得る。
[0030]図4に、低減されたソースディジェネレーションインダクタンスをもつ電力増幅器140の例示的な設計の概略図を示す。図4に示す例示的な設計では、接地接続(a ground connection)216aは、電力増幅器140のための接地接続216の例示的な一実装形態であり、接地接続256aは、図3の整合回路150a内のキャパシタ254のための接地接続256の例示的な一実装形態である。接地接続216aは、電力増幅器140のソースディジェネレーションインダクタンスとして働く寄生インダクタンス416を含む。接地接続256aは、寄生インダクタンス416に磁気的に結合された寄生インダクタンス456を含む。
[0031]図4に示すように、低減されたソースディジェネレーションインダクタンスを有する電力増幅器140は、電力増幅器140の接地接続216aの不要なソースディジェネレーションインダクタンス416をインピーダンス整合回路150aの接地接続256aの寄生インダクタンス456に磁気的に結合することによって得られ得る。電力増幅器140は整合回路150aに増幅されたRF信号を与え得、増幅されたRF信号の大部分は、整合回路150aの接地接続256aの寄生インダクタンス456を流れ得る。電力増幅器140の不要なソースディジェネレーションインダクタンス416を整合回路150aの寄生インダクタンス456に磁気的に結合することによって、電力増幅器140の不要なソースディジェネレーションインダクタンス416は効果的に低減され得、電力増幅器140の利得は改善され得る。
[0032]例示的な設計では、キャパシタ254の接地接続256は、電力増幅器140の接地接続216の所定の距離内に位置し得る。所定の距離は回路適用例に依存し得る。電力増幅器140がソースディジェネレーションによってかなり制限される回路適用例では、キャパシタ254の接地接続256は、電力増幅器140の接地接続216のできるだけ近くに位置し得る。電力増幅器140がソースディジェネレーションにあまり敏感でない回路適用例では、接地接続216と256との間の距離はより大きくなり得る。磁気結合(magnetic coupling)の後に残されたソースディジェネレーションの量は、
Ldegen_with_coupling = (1-kfactor)* Ldegen_without_coupling , 式(1)
のように近似され得る。上式で、Ldegen_without_couplingは、結合のないディジェネレーションインダクタンスであり、Ldegen_with_couplingは、結合のあるディジェネレーションインダクタンスであり、kfactorは、接地接続256と接地接続216との間の結合係数(coupling factor)である。
[0033]式(1)はいくつかの仮定に基づく。特に、式(1)では、接地接続216および256を流れる電流は大きさが同じであり、寄生インダクタンス416と寄生インダクタンス456とは同じであると仮定する。式(1)は、より一般的な場合、たとえば、上記の仮定のうちのいずれか1つが成り立たない場合に変更され得る。
[0034]図5に、図1の電力増幅器140およびインピーダンス整合回路150の例示的な設計を示す。この例示的な設計では、電力増幅器140および整合回路150はICチップ510上に実装される。ICチップ510は、フリップチップ技術(flip-chip technology)を使用してICパッケージ520上に実装される(mounted)。ICパッケージ520は回路基板(a circuit board)530上に実装される。
[0035]メイン/基準接地平面(main/reference ground plane)560は回路基板530上に形成される。電力増幅器140は、ICパッケージ520を通る電気的接続542と回路基板530上の電気的接続544とを介してメイン/基準接地平面560に接続される。電力増幅器140のための接地接続216bは、電気的接続542および544と、場合によっては他の電気的接続とを含む。接地接続216bは、図2および図3の接地接続216の別の例示的な実装形態である。インピーダンス整合回路150は、ICパッケージ520を通る電気的接続552と回路基板530上の電気的接続554とを介してメイン/基準接地平面560に接続される。整合回路150のための接地接続256bは、電気的接続552および554と、場合によっては他の電気的接続とを含む。接地接続256bは、図3の接地接続256の別の例示的な実装形態である。
[0036]概して、回路(たとえば、電力増幅器またはインピーダンス整合回路)は、オンチップ電気的接続、オンパッケージ電気的接続、および/またはオンボード電気的接続を介して回路接地に接続され得る。電気的接続は、ルーティングトレース、スルービア、ボンドワイヤなどを含み得る。各電気的接続は、本質的に誘導性であり得る一定のインピーダンスに関連する。
[0037]電力増幅器140は、接続216に関連する寄生インダクタンスによる不要なソースディジェネレーションインダクタンスを本質的に含み得る。ソースディジェネレーションインダクタンスは、電力増幅器140の利得をかなり低減し得、増幅器性能を著しく制限し得る。したがって、ソースディジェネレーションインダクタンスは、利用可能な増幅器利得がほとんど設計要件を満たさない、利得敏感適用例(gain sensitive applications)においておよび/またはIC技術において大いに望ましくないことがある。
[0038]図6に、低減されたソースディジェネレーションインダクタンスをもつ電力増幅器140の別の例示的な設計の概略図を示す。図6に示す例示的な設計では、電力増幅器140は、ICパッケージ520と回路基板530とを通る接地接続216bを介して回路接地に結合される。接地接続216bは、(i)寄生インダクタンス642によってモデル化される、ICパッケージ520を通る電気的接続542(たとえば、スルービア)と、(ii)寄生インダクタンス644によってモデル化される、回路基板530を通る電気的接続544(たとえば、別のスルービア)とを含む。寄生インダクタンス642および644は、電力増幅器140の不要なソースディジェネレーションインダクタンスとして働く。整合回路150a中のキャパシタ254は、ICパッケージ520と回路基板530とを通る接地接続256bを介して回路接地に結合される。接地接続256bは、(i)寄生インダクタンス652によってモデル化される、ICパッケージ520を通る電気的接続552(たとえば、スルービア)と、(ii)寄生インダクタンス654によってモデル化される、回路基板530を通る電気的接続554(たとえば、別のスルービア)とを含む。フリップチップ技術では、寄生インダクタンスは、ICチップ510上の接地平面を回路基板530上のメイン/基準接地平面560に接続するICパッケージ520において見つけられる垂直構造、または回路設計者によって回路接地として定義される何らかのパッケージ内側層(package inner layer)によって形成され得る。
[0039]ICパッケージ520内で、寄生インダクタンス646が、電力増幅器140とキャパシタ254との間の接地接続をモデル化する。回路基板530内で、寄生インダクタンス648が、電力増幅器140とキャパシタ254との間の接地接続をモデル化する。
[0040]図6に示すように、寄生インダクタンス652は、ICパッケージ520上で寄生インダクタンス642に磁気的に結合され得る。寄生インダクタンス654は、回路基板530上で寄生インダクタンス644に磁気的に結合され得る。寄生インダクタンス642、644、652および654は、ICパッケージ520および回路基板530上で接地スルービア(ground thru-vias)によって形成され得る。したがって、ICパッケージ520のみ、または回路基板530のみ、またはICパッケージ520と回路基板530の両方の上での寄生インダクタンスの磁気結合は、接地スルービアの適切な配置によって達成され得る。
[0041]図6に示すように、低減されたソースディジェネレーションインダクタンスを有する電力増幅器140は、電力増幅器140の接地接続216bの不要なソースディジェネレーションインダクタンス642および644を電力増幅器140に結合されたインピーダンス整合回路150aの接地接続256bの寄生インダクタンス652および654に磁気的に結合することによって得られ得る。電力増幅器140は整合回路150aに増幅されたRF信号を与え得、増幅されたRF信号の大部分は、整合回路150aの接地接続256bの寄生インダクタンス652および654を流れ得る。電力増幅器140の不要なソースディジェネレーションインダクタンス642および644を整合回路150aの寄生インダクタンス652および654に磁気的に結合することによって、電力増幅器140の不要なソースディジェネレーションインダクタンス642および644は効果的に低減され得、電力増幅器140の利得は改善され得る。
[0042]図7に、低減されたソースディジェネレーションインダクタンスをもつ電力増幅器140およびインピーダンス整合回路150bの例示的な設計の概略図を示す。整合回路150bは、図1の整合回路150の別の例示的な設計であり、2つのLセクション250および260を含む。第1のLセクション250は直列インダクタ252とシャントキャパシタ254とを含み、第2のLセクション260は直列インダクタ262とシャントキャパシタ264とを含む。インダクタ252は、整合回路150bの入力と中間ノードXとの間に結合される。キャパシタ254は、ノードXと接続256bを介した回路接地との間に結合される。インダクタ262は、ノードXと整合回路150bの出力との間に結合される。キャパシタ264は、整合回路150bの出力と接続266を介した回路接地との間に結合される。概して、整合回路は任意の数のセクションを含み得、各セクションは、(図7に示す)Lトポロジーまたは何らかの他の回路トポロジーを用いて実装され得る。
[0043]図7に示すように、電力増幅器140は、ICパッケージ520上の寄生インダクタンス642と回路基板530上の寄生インダクタンス644とを含む接地接続216bを介して回路接地に結合される。第1のLセクション250におけるキャパシタ254は、ICパッケージ520上の寄生インダクタンス652と回路基板530上の寄生インダクタンス654とを含む接地接続256bを介して回路接地に結合される。第2のLセクション260におけるキャパシタ264は、ICパッケージ520上の寄生インダクタンス662と回路基板530上の寄生インダクタンス664とを含む接地接続266を介して回路接地に結合される。
[0044]ICパッケージ520内で、寄生インダクタンス646は、電力増幅器140とキャパシタ254との間の接地接続をモデル化する。寄生インダクタンス656が、キャパシタ254とキャパシタ264との間の接地接続をモデル化する。回路基板530内で、寄生インダクタンス648は、電力増幅器140とキャパシタ254との間の接地接続をモデル化する。寄生インダクタンス658が、キャパシタ254とキャパシタ264との間の接地接続をモデル化する。
[0045]図7に示すように、寄生インダクタンス652は、ICパッケージ520上で寄生インダクタンス642に磁気的に結合され得る。寄生インダクタンス662も、ICパッケージ520上で寄生インダクタンス642に磁気的に結合され得る(図7に図示せず)。インダクタンス642とインダクタンス662との間の磁気結合は、インダクタンス642とインダクタンス652との間の磁気結合よりも少なくなり得る。図7に示すように、寄生インダクタンス654は、回路基板530上で寄生インダクタンス644に磁気的に結合され得る。寄生インダクタンス664も、回路基板530上で寄生インダクタンス644に磁気的に結合され得る(図7に図示せず)。インダクタンス644とインダクタンス664との間の磁気結合は、インダクタンス644とインダクタンス654との間の磁気結合よりも少なくなり得る。
[0046]電力増幅器140の出力インピーダンス(Zamp)は、一般に、インピーダンス整合回路150の出力における負荷インピーダンス(Zload)よりもはるかに低い。負荷インピーダンス(a load impedance)は、図1のアンテナ154またはデュプレクサ152のインピーダンスであり得る。増幅器出力インピーダンスが負荷インピーダンスよりもはるかに小さいので、インピーダンス整合回路150は、インピーダンスが整合回路の各Lセクションの後に増大するように設計され得る。図7に示す2段設計では、整合回路150bは、ノードX(Zx)におけるインピーダンスが増幅器出力インピーダンスよりも大きいが、負荷インピーダンスよりも小さくなる、すなわちZamp<Zx<Zloadとなるように設計され得る。たとえば、整合回路150bは、最大帯域幅を取得するために、ノードXにおけるインピーダンスが幾何学的にZampとZloadとの間にある、すなわち、
となるように設計され得る。いずれの場合も、ノードXにおけるインピーダンスが負荷インピーダンスよりも小さいので、電力増幅器140からの増幅されたRF信号の電流の大部分は、第1のLセクション250におけるインダクタ252およびキャパシタ254を流れ得る。キャパシタ254は、電力増幅器140から回路接地への接続216bのできるだけ近くに配置され得る接続256bを介して回路接地に接続され得る。電力増幅器140の接地接続216bの近くにキャパシタ254の接地接続256bを配置することによって、寄生インダクタンス642と寄生インダクタンス652との間で、また、寄生インダクタンス644と寄生インダクタンス654との間で、より高い磁気結合が達成され得る。より高い磁気結合は電力増幅器140のソースディジェネレーションインダクタンスを低減し得、それにより、電力増幅器の利得が改善され得る。
[0047]図8Aに、電力増幅器140およびインピーダンス整合回路150aまたは150bの例示的な部分レイアウトを示す。この例示的な部分レイアウトでは、電力増幅器140は、図2の接続216の一部であり得る、回路接地への電気的接続/接地スルービア816のセットを含む。インダクタ214は、(電力増幅器140の出力でもある)電力増幅器140中の最上部のトランジスタのドレインとVdd電源(図8Aに図示せず)との間に結合される。インピーダンス整合回路150aまたは150b内のインダクタ252は、電力増幅器140の出力と中間ノードとの間に結合される。キャパシタ254(図8Aに図示せず)は、インダクタ252の端部と、図4の接続256aまたは図6の接続256bの一部であり得る、回路接地への電気的接続/接地スルービア856との間に結合される。電力増幅器140のための電気的接続816によるソースディジェネレーション/寄生インダクタンスとキャパシタ254のための電気的接続856による寄生インダクタンスとの間の磁気結合は、電気的接続816と電気的接続856との間の比較的大きい距離により、比較的弱くなり得る。
[0048]図8Bに、低減されたソースディジェネレーションインダクタンスをもつ電力増幅器140の例示的な部分レイアウトを示す。この例示的な部分レイアウトでは、電力増幅器140は、回路接地への電気的接続/接地スルービア816を含む。インピーダンス整合回路150aまたは150b内のインダクタ252は、電力増幅器140の出力と中間ノードとの間に結合される。キャパシタ254(図8Bに図示せず)は、インダクタ252の端部と、図4の接続256aまたは図6の接続256bの一部であり得る、回路接地への電気的接続/接地スルービア858との間に結合される。電力増幅器140のための電気的接続816によるソースディジェネレーション/寄生インダクタンスとキャパシタ254のための電気的接続858による寄生インダクタンスとの間の磁気結合は、電気的接続816と電気的接続858との間のより短い距離により、より強くなり得る。電力増幅器140の電気的接続816の近くにキャパシタ254(すなわち、整合回路150中の第1のシャント回路構成要素)の電気的接続858を配置することによって、電力増幅器140のソースディジェネレーションインダクタンスに対する寄与は著しく低減され得、それにより、電力増幅器140の利得が増加し得る。
[0049]図8Bに示すように、分離された接地スルービア/バンプス(separated ground thru-vias/bumps)、すなわち、電力増幅器140のための接地接続のための1つまたは複数の接地スルービア、およびキャパシタ254(または整合回路150の第1のシャント回路構成要素)のための接地接続のための1つまたは複数の他の接地スルービアが存在し得る。これらの接地スルービアは、電力増幅器140のソースディジェネレーションインダクタンスとキャパシタ254の寄生インダクタンスとの間の磁気結合を改善するために互いに近くに配置され得る。図8Bに示すように、整合回路150の回路構成要素は、比較的大きいエリアを占有し得、接地スルービアが互いにより近くに配置され得るように構成され得る。
[0050]キャパシタ254のための接地接続は、電力増幅器のソースディジェネレーションインダクタンスを低減するために、電力増幅器140のための接地接続のより近くに配置され得る。しかしながら、キャパシタ254のための接地接続のより近い配置はインダクタ252の値に影響を及ぼすことがある。インダクタ252、ならびにキャパシタ254のための接地接続256の寄生インダクタンスは、所望のインピーダンス整合を取得し、電力増幅器140のための所望の負荷線(load line)を実装するように設計され得る。概して、インダクタ252とキャパシタ254のための接地接続256による寄生インダクタンスとの間の相互結合を低減することが望ましいことがある。
[0051]明快のために、図8Aおよび図8Bは、電力増幅器140および整合回路150中のいくつかの回路構成要素のみの部分レイアウトを示す。インダクタ262およびキャパシタ264など、他の回路構成要素は、良好な性能を達成するためにレイアウト中の適切なロケーションにおいて形成され得る。
[0052]図9に、電力増幅器140のソースディジェネレーションインダクタンスとキャパシタ254のための接地接続の寄生インダクタンスとの間の異なる磁気結合量(different amounts of magnetic coupling)に対する電力増幅器140の利得のプロットを示す。図9において、水平軸は、周波数を示し、ギガヘルツ(GHz)の単位で与えられる。垂直軸は、電力増幅器140の利得を示し、デシベル(dB)の単位で与えられる。増幅器利得は電力増幅器140のS21伝達関数とも呼ばれる。磁気結合の量は、結合係数K_factorによって示される。
[0053]プロット912は、K_factor=0.001である、磁気結合がほとんどない場合の増幅器利得を示す。プロット914は、K_factor=0.201である、磁気結合が小さい場合の増幅器利得を示す。プロット916は、K_factor=0.401である場合の増幅器利得を示す。プロット918は、K_factor=0.601である場合の増幅器利得を示す。プロット920は、K_factor=0.801である、磁気結合がより多い場合の増幅器利得を示す。
[0054]図9のプロット912によって示すように、増幅器利得は、電力増幅器140の不要なソースディジェネレーションインダクタンスにより制限され得る。図9のプロット914〜920によって示すように、増幅器利得は、電力増幅器140のソースディジェネレーションインダクタンスとキャパシタ254のための接地接続の寄生インダクタンスとの間の漸進的に多くなる磁気結合を用いて改善され得る。図9は、ソースディジェネレーションインダクタンスを低減するための、本明細書で説明する技法を使用して、増幅器利得の(たとえば、最高12dBの)大幅な改善が達成され得ることを示す。
[0055]上記で説明したように、ソースディジェネレーションインダクタンスを低減するための技法は電力増幅器のために使用され得る。本技法は、オフチップ・メイン接地(off-chip main ground)への接地接続を有し得るシングルエンド電力増幅器に特に適用可能であり得、ICチップ、ICパッケージ、および/または回路基板を介した電気的接続により、大きい不要なソースディジェネレーションインダクタンスを観測する可能性がより高くなり得る。本技法は、より高い利得が望ましい、他のタイプの増幅器のためにならびに他の能動回路のためにも使用され得る。
[0056]例示的な設計では、装置(たとえば、ワイヤレスデバイス、IC、ICパッケージ、回路モジュール、回路基板など)は、第1の接続と第2の接続とを備え得る。第1の接続(たとえば、図4の接続216aまたは図6の接続216b)は、増幅器のソースディジェネレーションインダクタンスとして働く第1の寄生インダクタンスを含み得る。第2の接続(たとえば、図4の接続256aまたは図6の接続256b)は、増幅器のソースディジェネレーションインダクタンスを低減するために第1の寄生インダクタンスに磁気的に結合された第2の寄生インダクタンスを含み得る。増幅器(たとえば、図2の電力増幅器140)は第1の接続を介して回路接地に結合され得る。インピーダンス整合回路(たとえば、図3の整合回路150)は、増幅器に結合され得、第2の接続を介して回路接地に結合された回路構成要素(たとえば、図3のキャパシタ254)を備え得る。第1の寄生インダクタンスは、図4のインダクタンス416、または図6インダクタンス642および644などを含み得る。第2の寄生インダクタンスは、図4のインダクタンス456、または図6のインダクタンス652および654などを含み得る。
[0057]第1の接続は、第1の寄生インダクタンスと第2の寄生インダクタンスとの間の所望の磁気結合を得るために、第2の接続の十分に近くに位置し得る。例示的な設計では、第1の接続は第2の接続の所定の距離内に位置し得る。
[0058]1つの例示的な設計では、増幅器は、シングルエンド入力信号を受信し、シングルエンド出力信号を与えるように構成されたシングルエンド電力増幅器(たとえば、図2の電力増幅器140)を備え得る。シングルエンド電力増幅器は、シングルエンド電力増幅器のための利得を与え且つ第1の接続を介して回路接地に結合されたソースを有するトランジスタ(たとえば、図2のNMOSトランジスタ210a)を備え得る。
[0059]インピーダンス整合回路は、増幅器に結合された第1のセクションを備え得る。第1のセクションは、回路接地への第2の接続を介して回路接地に結合された回路構成要素を備え得る。1つの例示的な設計では、第1のセクションは直列インダクタとシャントキャパシタとを備え得る。直列インダクタ(たとえば、図4または図7のインダクタ252)は、増幅器とノード(たとえば、図4の整合回路の出力または図7のノードX)とに結合され得る。シャントキャパシタ(たとえば、図4または図7のキャパシタ254)は、ノードと回路接地への第2の接続とに結合され得る。回路構成要素はシャントキャパシタを備え得る。インピーダンス整合回路は、第1のセクションと直列に結合された少なくとも1つの追加のセクション(たとえば、図7のセクション260)をさらに備え得る。第1のセクションの出力におけるインピーダンスは、増幅器の出力インピーダンスよりも大きくなり得、負荷インピーダンスよりも小さくなり得る。
[0060]例示的な設計では、増幅器は、たとえば、図5に示したフリップチップ技術を用いて、または直接基板実装(direct board mounting)のためのパッケージルーティング層、および、はんだボール(solder balls)などを用いて、ICパッケージ上に実装された(mounted)ICチップ上に作製され(fabricated)得る。第1の接続は、回路接地へのICパッケージおよびICチップ上の電気的接続を含み得る。ICパッケージは回路基板上に実装され得る。第1の接続は、回路接地への回路基板上の電気的接続をさらに含み得る。第2の寄生インダクタンスは、ICチップ、ICパッケージ、および/または回路基板を介して第1の寄生インダクタンスに磁気的に結合され得る。
[0061]図10に、ソースディジェネレーションインダクタンスを低減するためのプロセス1000の例示的な設計を示す。増幅器のソースディジェネレーションインダクタンスとして働く第1の寄生インダクタンスを含む第1の接続を介して第1の信号が受け渡され得る(ブロック1012)。増幅器のソースディジェネレイションインダクタンスを低減するために第1の寄生インダクタンスに磁気的に結合された第2の寄生インダクタンスを含む第2の接続を介して第2の信号が受け渡され得る(ブロック1014)。増幅器は、シングルエンド電力増幅器であり得、第2の接続を介して回路接地に結合された回路構成要素を備えるインピーダンス整合回路を用いてインピーダンス整合され得る。
[0062]本明細書で説明する低減されたソースディジェネレーションインダクタンスをもつ増幅器は、IC、アナログIC、RFIC、混合信号IC、ASIC、プリント回路基板(PCB)、電子デバイスなどの上に実装され得る。低減されたソースディジェネレーションインダクタンスをもつ増幅器は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS:complementary metal oxide semiconductor)、NチャネルMOS(NMOS)、PチャネルMOS(PMOS)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT:bipolar junction transistor)、バイポーラCMOS(BiCMOS)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ガリウムヒ素(GaAs)、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT:heterojunction bipolar transistor)、高電子移動度トランジスタ(HEMT:high electron mobility transistor)、シリコンオンインシュレータ(SOI:silicon-on-insulator)など、様々なICプロセス技術を用いて作製され得る。
[0063]本明細書で説明する低減されたソースディジェネレーションインダクタンスをもつ増幅器を実装する装置は、スタンドアロンデバイスであり得るか、またはより大きいデバイスの一部であり得る。デバイスは、(i)スタンドアロンIC、(ii)データおよび/または命令を記憶するためのメモリICを含み得る1つまたは複数のICのセット、(iii)RF受信機(RFR)またはRF送信機/受信機(RTR)などのRFIC、(iv)移動局モデム(MSM)などのASIC、(v)他のデバイス内に埋め込まれ得るモジュール、(vi)受信機、セルラーフォン、ワイヤレスデバイス、ハンドセット、またはモバイルユニット、(vii)その他であり得る。
[0064]1つまたは複数の例示的な設計では、説明した機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。ソフトウェアで実装した場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶されるか、あるいはコンピュータ可読媒体を介して送信され得る。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を可能にする任意の媒体を含む通信媒体と、コンピュータ記憶媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM(登録商標)、CD−ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態の所望のプログラムコードを搬送または記憶するために使用され得、コンピュータによってアクセスされ得る、任意の他の媒体を備えることができる。また、いかなる接続もコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザーディスク(登録商標)(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)およびblu−ray(登録商標)ディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザーで光学的に再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
[0065]本開示についての以上の説明は、いかなる当業者も本開示を作成または使用することができるように与えたものである。本開示への様々な修正は当業者には容易に明らかとなり、本明細書で定義した一般原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の変形形態に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書で説明した例および設計に限定されるものではなく、本明細書で開示した原理および新規の特徴に合致する最も広い範囲を与えられるべきである。
なお、本願の出願当初の請求項と同一の記載を以下に付記する。
[C1] 増幅器のソースディジェネレーションインダクタンスとして働く第1の寄生インダクタンスを含む第1の接続と、
前記増幅器の前記ソースディジェネレーションインダクタンスを低減するために前記第1の寄生インダクタンスに磁気的に結合された第2の寄生インダクタンスを含む第2の接続と
を備える装置。
[C2] 前記増幅器が電力増幅器を備える、C1に記載の装置。
[C3] 前記増幅器が、シングルエンド入力信号を受信し、シングルエンド出力信号を与えるように構成されたシングルエンド電力増幅器を備える、C1に記載の装置。
[C4] 前記シングルエンド電力増幅器が、前記シングルエンド電力増幅器のための利得を与え且つ前記第1の接続を介して回路接地に結合されたソースを有するトランジスタを備える、C3に記載の装置。
[C5] 前記増幅器に結合され、前記第2の接続を介して回路接地に結合された回路構成要素を備えるインピーダンス整合回路であって、前記増幅器が、前記第1の接続を介して回路接地に結合された、インピーダンス整合回路
をさらに備える、C1に記載の装置。
[C6] 前記回路構成要素がキャパシタを備える、C5に記載の装置。
[C7] 前記インピーダンス整合回路が、前記増幅器に結合された第1のセクションを備え、前記第1のセクションが、前記第2の接続を介して回路接地に結合された前記回路構成要素を含む、C6に記載の装置。
[C8] 前記第1のセクションが、
前記増幅器と中間ノードとに結合された直列インダクタと、
前記中間ノードと前記第2の接続を介した回路接地とに結合されたシャントキャパシタと
を備える、C7に記載の装置。
[C9] 前記インピーダンス整合回路が、前記第1のセクションと直列に結合された少なくとも1つの追加のセクションをさらに備え、前記第1のセクションの出力におけるインピーダンスが、前記増幅器の出力インピーダンスよりも大きく、負荷インピーダンスよりも小さい、C7に記載の装置。
[C10] 前記第1の接続が前記第2の接続の所定の距離内に位置する、C1に記載の装置。
[C11] 前記増幅器が、集積回路(IC)パッケージ上に実装されたICチップ上に作製され、前記第1の接続が、回路接地への前記ICチップおよび前記ICパッケージ上の電気的接続を含む、C1に記載の装置。
[C12] 前記ICパッケージが回路基板上に実装され、前記第1の接続が、回路接地への前記回路基板上の電気的接続をさらに含む、C11に記載の装置。
[C13] 前記第2の寄生インダクタンスが、前記ICチップ、前記ICパッケージ、または前記回路基板のうちの少なくとも1つを介して前記第1の寄生インダクタンスに磁気的に結合された、C12に記載の装置。
[C14] 前記ICチップが、フリップチップ技術を用いて前記ICパッケージ上に実装された、C11に記載の装置。
[C15] 増幅器のソースディジェネレーションインダクタンスとして働く第1の寄生インダクタンスを含む第1の接続を介して第1の信号を受け渡すことと、
前記増幅器の前記ソースディジェネレーションインダクタンスを低減するために前記第1の寄生インダクタンスに磁気的に結合された第2の寄生インダクタンスを含む第2の接続を介して第2の信号を受け渡すことと
を備える方法。
[C16] 前記増幅器がシングルエンド電力増幅器を備える、C15に記載の方法。
[C17] 前記第1の接続が前記第2の接続の所定の距離内に位置する、C15に記載の方法。
[C18] 増幅するための手段のソースディジェネレーションインダクタンスとして働く第1の寄生インダクタンスを含む第1の接続を介して第1の信号を受け渡すための手段と、
増幅するための前記手段の前記ソースディジェネレーションインダクタンスを低減するために前記第1の寄生インダクタンスに磁気的に結合された第2の寄生インダクタンスを含む第2の接続を介して第2の信号を受け渡すための手段と
を備える装置。
[C19] 増幅するための前記手段が、シングルエンド出力信号を取得するためにシングルエンド入力信号を増幅するための手段を備える、C18に記載の装置。
[C20] 前記第1の接続が前記第2の接続の所定の距離内に位置する、C18に記載の装置。