JP5783877B2 - 電力測定装置および電力測定装置におけるベクトル図表示方法 - Google Patents

電力測定装置および電力測定装置におけるベクトル図表示方法 Download PDF

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Description

本発明は、三相の配電線の各相の交流電流についての各電流基本波成分を表示部の画面上にベクトル表示可能に構成されている電力測定装置および電力測定装置におけるベクトル図表示方法に関するものである。
この種の電力測定装置として、下記特許文献1に開示された電力測定装置(電力測定器)を本願出願人は既に提案している。この電力測定装置は、三相4線式の被測定電路からチャンネル別に取り出した測定電圧および測定電流の各基本波を取り出し、これらの基本波に基づいて算出した各測定電圧および各測定電流の位相と大きさとから、各測定電圧および各測定電流を演算して得られるそれぞれのベクトル線を表示部にベクトル図として表示する機能を有している。
具体的には、この電力測定装置では、ベクトル図は、基準点を始点とする角度が0度である第1チャンネルのベクトル線表示方向を定め、基準とする実効値に実効値変動許容幅を減じた半径と実効値変動許容幅を増加した半径とのそれぞれについて基準点を中心とした2つの円を描き、第1チャンネルのベクトル線表示方向に対する位相角許容幅を減じた角度と位相角許容幅を加えた角度方向へと基準点から直線を2本引いた後、2つの円と2本の直線とに囲まれた部分を塗りつぶして第1チャンネルのための扇形許容領域とし、第1チャンネルのベクトル線表示方向に120度を加えて第2チャンネルのベクトル線表示方向を定めた上で、同様の処理を行って第2チャンネルの扇形許容領域とし、第2チャンネルのベクトル線表示方向に120度を加えて第3チャンネルのベクトル線表示方向を定めた上で、同様の処理を行って第3チャンネルの扇形許容領域とすることで、チャンネル別にあらかじめ定めてある実効値変動許容幅と位相角許容幅とで画成される3つの扇形許容領域をそれぞれが有する電圧側ベクトル図と電流側ベクトル図とで各別に形成されている。
この電力測定装置によれば、各扇形許容領域と各扇形許容領域に対応する各ベクトル線との位置関係から、電圧側と電流側のそれぞれの結線状態を目視によって確認可能な状態で表示されるため、各扇形許容領域内に対応するベクトル線が入っていれば、結線が正しく行われていることを一目で判別することが可能となっている。
特許第4702726号公報(第3頁、第1図)
ところが、上記の電力測定装置には、以下の改善すべき課題が存在している。すなわち、この電力測定装置では、電流側ベクトル図は、位相角許容幅で画成される3つの扇形許容領域(第1チャンネルのための扇形許容領域、第2チャンネルの扇形許容領域および第3チャンネルの扇形許容領域)を有する構成となっているため、各扇形許容領域は最大で120度の範囲である。これにより、力率1のときの位相を基準として、電流が電圧に対して±60度の範囲内で位相が遅れたり、進んだりしているときには、各電流のベクトル線は、対応する扇形許容領域内に表示されるため、多くの場合には、各扇形許容領域内に対応するベクトル線が入っているか否かに基づいて、結線が正しく行われているか否かを判別することができる。
しかしながら、電流のベクトル線は、結線が正しく行われているときであっても、軽負荷で位相が非常に遅れる場合には、力率が1のときの電圧に対する位相を基準として、−90度付近まで位相が遅れる場合があり、また、進相コンデンサが大き過ぎて位相が非常に進む場合には、+90度付近まで位相が進む場合があることから、このような場合には、ベクトル線が対応する扇形許容領域内に表示されないこととなり、結線が正しく行われていないと誤判別される、つまり、結線状態を正確に判別することができないという改善すべき課題が存在している。
本発明は、かかる課題を改善すべくなされたものであり、結線状態をより正確に判別可能な状態で電流側のベクトル図を表示し得る電力測定装置および電力測定装置におけるベクトル図表示方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の電力測定装置は、三相4線式配電線の3つの相電圧を測定電圧としてそれぞれ測定する電圧測定部と、前記三相4線式配電線の3つの相電流を測定電流としてそれぞれ測定する電流測定部と、前記各測定電圧の電圧基本波成分および前記各測定電流の電流基本波成分をそれぞれ抽出する基本波抽出処理、および前記各電圧基本波成分のうちの1つの電圧基本波成分の位相を基準とした前記各電流基本波成分の位相関係を共通の基準点を始点とする3つのベクトル線と当該各ベクトル線についての変動許容範囲を示す前記基準点を中心とする3つの円弧形状の帯状領域とを重ね合わせた状態で表示部の画面上に表示させる表示処理を実行する処理部とを備え、前記処理部は、前記表示処理において、前記各帯状領域を、前記各測定電圧および前記各測定電流がそれぞれ平衡であり、前記相毎の力率が1であり、かつ前記電圧測定部および前記電流測定部の前記三相4線式配電線に対する配線並びに前記三相4線式配電線自体の配線が正常であるときに表示される前記3つのベクトル線のうちの対応するベクトル線を中心として±60度を超え±90度以下の角度範囲に規定して表示させると共に、第1帯状領域と、当該第1帯状領域の両端に連なる2つの第2帯状領域とに分けて表示させ、前記第1帯状領域については、前記各帯状領域における他の前記帯状領域についての前記角度範囲に含まれない領域として、当該他の帯状領域についての他の前記第1帯状領域とは異なる表示色で表示させ、前記第2帯状領域については、前記各帯状領域における他の前記帯状領域についての前記角度範囲に含まれる領域として、同じ前記帯状領域における前記第1帯状領域と同じ表示色で、かつ前記他の帯状領域における他の前記第2帯状領域の内周側および外周側のいずれか一方の側にそれぞれ表示させる。
また、請求項2記載の電力測定装置は、三相3線式配電線の2組の配電線間の各線間電圧を測定電圧としてそれぞれ測定する電圧測定部と、前記三相3線式配電線のうちの前記2組の配電線以外の他の1組の配電線についての各線電流を測定電流としてそれぞれ測定する電流測定部と、前記各測定電圧の電圧基本波成分および前記各測定電流の電流基本波成分をそれぞれ抽出する基本波抽出処理、および前記各電圧基本波成分のうちの1つの電圧基本波成分の位相を基準とした前記各電流基本波成分の位相関係を共通の基準点を始点とする2つのベクトル線と当該各ベクトル線についての変動許容範囲を示す前記基準点を中心とする2つの円弧形状の帯状領域とを重ね合わせた状態で表示部の画面上に表示させる表示処理を実行する処理部とを備え、前記処理部は、前記表示処理において、前記各帯状領域を、前記各測定電圧および前記各測定電流がそれぞれ平衡であり、前記相毎の力率が1であり、かつ前記電圧測定部および前記電流測定部の前記三相3線式配電線に対する配線並びに前記三相3線式配電線自体の配線が正常であるときに表示される前記2つのベクトル線のうちの対応するベクトル線を中心として±60度を超え±90度以下の角度範囲に規定して表示させると共に、第1帯状領域と、当該第1帯状領域の一端に連なる1つの第2帯状領域とに分けて表示させ、前記第1帯状領域については、前記各帯状領域における他の前記帯状領域についての前記角度範囲に含まれない領域として、当該他の帯状領域についての他の前記第1帯状領域とは異なる表示色で表示させ、前記第2帯状領域については、前記各帯状領域における他の前記帯状領域についての前記角度範囲に含まれる領域として、同じ前記帯状領域における前記第1帯状領域と同じ表示色で、かつ前記他の帯状領域における他の前記第2帯状領域の内周側および外周側のいずれか一方の側にそれぞれ表示させる。
また、請求項3記載の電力測定装置は、請求項1または2記載の電力測定装置において、前記処理部は、前記表示処理において、前記各第1帯状領域については、前記基準点を中心とする円環形状の帯状領域内に当該帯状領域の幅全体に亘る幅で表示させると共に、前記各第2帯状領域については、円環形状の前記帯状領域内に、前記第1帯状領域の幅の1/2の幅で表示させる。
請求項4記載の電力測定装置におけるベクトル図表示方法は、三相4線式配電線の3つの相電圧を測定電圧としてそれぞれ測定する電圧測定処理と、前記三相4線式配電線の3つの相電流を測定電流としてそれぞれ測定する電流測定処理と、前記測定した各測定電圧の電圧基本波成分および前記測定した各測定電流の電流基本波成分をそれぞれ抽出する基本波抽出処理と、前記各電圧基本波成分のうちの1つの電圧基本波成分の位相を基準とした前記各電流基本波成分の位相関係を共通の基準点を始点とする3つのベクトル線と当該各ベクトル線についての変動許容範囲を示す前記基準点を中心とする3つの円弧形状の帯状領域とを重ね合わせた状態で表示部の画面上に表示させる表示処理とを実行すると共に、当該表示処理において、前記各帯状領域を、前記各測定電圧および前記各測定電流がそれぞれ平衡であり、前記相毎の力率が1であり、かつ前記電圧測定部および前記電流測定部の前記三相4線式配電線に対する配線並びに前記三相4線式配電線自体の配線が正常であるときに表示される前記3つのベクトル線のうちの対応するベクトル線を中心として±60度を超え±90度以下の角度範囲に規定して表示させると共に、第1帯状領域と、当該第1帯状領域の両端に連なる2つの第2帯状領域とに分けて表示させ、前記第1帯状領域については、前記各帯状領域における他の前記帯状領域についての前記角度範囲に含まれない領域として、当該他の帯状領域についての他の前記第1帯状領域とは異なる表示色で表示させ、前記第2帯状領域については、前記各帯状領域における他の前記帯状領域についての前記角度範囲に含まれる領域として、同じ前記帯状領域における前記第1帯状領域と同じ表示色で、かつ前記他の帯状領域における他の前記第2帯状領域の内周側および外周側のいずれか一方の側にそれぞれ表示させる。
また、請求項5記載の電力測定装置におけるベクトル図表示方法は、三相3線式配電線の2組の配電線間の各線間電圧を測定電圧としてそれぞれ測定する電圧測定処理と、前記三相3線式配電線のうちの前記2組の配電線以外の他の1組の配電線についての各線電流を測定電流としてそれぞれ測定する電流測定処理と、前記各測定電圧の電圧基本波成分および前記各測定電流の電流基本波成分をそれぞれ抽出する基本波抽出処理と、前記各電圧基本波成分のうちの1つの電圧基本波成分の位相を基準とした前記各電流基本波成分の位相関係を共通の基準点を始点とする2つのベクトル線と当該各ベクトル線についての変動許容範囲を示す前記基準点を中心とする2つの円弧形状の帯状領域とを重ね合わせた状態で表示部の画面上に表示させる表示処理とを実行すると共に、当該表示処理において、前記各帯状領域を、前記各測定電圧および前記各測定電流がそれぞれ平衡であり、前記相毎の力率が1であり、かつ前記電圧測定部および前記電流測定部の前記三相3線式配電線に対する配線並びに前記三相3線式配電線自体の配線が正常であるときに表示される前記2つのベクトル線のうちの対応するベクトル線を中心として±60度を超え±90度以下の角度範囲に規定して表示させると共に、第1帯状領域と、当該第1帯状領域の一端に連なる1つの第2帯状領域とに分けて表示させ、前記第1帯状領域については、前記各帯状領域における他の前記帯状領域についての前記角度範囲に含まれない領域として、当該他の帯状領域についての他の前記第1帯状領域とは異なる表示色で表示させ、前記第2帯状領域については、前記各帯状領域における他の前記帯状領域についての前記角度範囲に含まれる領域として、同じ前記帯状領域における前記第1帯状領域と同じ表示色で、かつ前記他の帯状領域における他の前記第2帯状領域の内周側および外周側のいずれか一方の側にそれぞれ表示させる。
請求項1記載の電力測定装置および請求項4記載の電力測定装置におけるベクトル図表示方法では、三相4線式配電線についての電流側のベクトル線の表示処理において、3つのベクトル線についての各帯状領域の表示の際に、各帯状領域を、第1帯状領域と、各第1帯状領域の両端に連なる2つの第2帯状領域とに分けて表示させ、第1帯状領域については、各帯状領域における他の帯状領域についての角度範囲に含まれない領域として、他の帯状領域についての他の第1帯状領域とは異なる表示色で表示させ、第2帯状領域については、各帯状領域における他の帯状領域についての角度範囲に含まれる領域として、同じ帯状領域における第1帯状領域と同じ表示色で、かつ他の帯状領域における他の第2帯状領域の内周側および外周側のいずれか一方の側にそれぞれ表示させる。
したがって、この電力測定装置および電力測定装置におけるベクトル図表示方法によれば、軽負荷で位相が非常に遅れる場合や、逆に、進相コンデンサが大き過ぎて位相が非常に進む場合においても、各測定電圧および各測定電流がそれぞれ平衡であり、かつ電圧測定部および電流測定部の三相4線式配電線に対する配線並びに三相4線式配電線自体の配線が正常であるときには、各相電流についてのベクトル線を、それぞれの変動許容範囲を示す各帯状領域の角度範囲内に表示させることができるため、各ベクトル線が対応する各帯状領域内に位置することを目視にて確認することで、電圧測定部および電流測定部の三相4線式配電線に対する配線、並びに三相4線式配電線自体の配線、つまり、三相4線式配電線に関する配線状態が正常であることを正確に判別することができる。
請求項2記載の電力測定装置および請求項5記載の電力測定装置におけるベクトル図表示方法では、三相3線式配電線についての電流側のベクトル線の表示処理において、2つのベクトル線についての各帯状領域の表示の際に、各帯状領域を、第1帯状領域と、各第1帯状領域の一端に連なる第2帯状領域とに分けて表示させ、第1帯状領域については、各帯状領域における他の帯状領域についての角度範囲に含まれない領域として、他の帯状領域についての他の第1帯状領域とは異なる表示色で表示させ、第2帯状領域については、各帯状領域における他の帯状領域についての角度範囲に含まれる領域として、同じ帯状領域における第1帯状領域と同じ表示色で、かつ他の帯状領域における他の第2帯状領域の内周側および外周側のいずれか一方の側にそれぞれ表示させる。
したがって、この電力測定装置および電力測定装置におけるベクトル図表示方法によれば、軽負荷で位相が非常に遅れる場合や、逆に、進相コンデンサが大き過ぎて位相が非常に進む場合においても、各測定電圧および各測定電流がそれぞれ平衡であり、かつ電圧測定部および電流測定部の三相3線式配電線に対する配線並びに三相3線式配電線自体の配線が正常であるときには、各線電流についてのベクトル線を、それぞれの変動許容範囲を示す各帯状領域の角度範囲内に表示させることができるため、各ベクトル線が対応する各帯状領域内に位置することを目視にて確認することで、電圧測定部および電流測定部の三相3線式配電線に対する配線、並びに三相3線式配電線自体の配線、つまり、三相3線式配電線に関する配線状態が正常であることを正確に判別することができる。
請求項3記載の電力測定装置では、処理部は、電流側のベクトル線の表示処理において、ベクトル線(三相4線式配電線では3つ、三相3線式配電線では2つ)についての各帯状領域(三相4線式配電線では3つ、三相3線式配電線では2つ)の表示の際に、各第2帯状領域(三相4線式配電線では6つ、三相3線式配電線では2つ)について、円環状の帯状領域内に、各第1帯状領域の幅の1/2の幅で表示させる。
したがって、この電力測定装置によれば、すべての各帯状領域についての各第2帯状領域が同一の幅で表示されるため、互いの幅が相違する態様で表示させる構成と比較して、各第2帯状領域を目視にて同程度で見易く表示させることができる。
電力測定装置1の構成図である。 電力測定装置1で算出される三相4線式配電線に関する各電圧基本波成分のベクトル線U1,U2,U3と、各電流基本波成分のベクトル線I1,I2,I3との位相関係を示すベクトル図である。 三相4線式配電線に関する電圧側ベクトル図F1の表示部7への表示例を示す説明図である。 三相4線式配電線に関する電流側ベクトル図F2の表示部7への表示例を示す説明図である。 電力測定装置1で算出される三相3線式配電線に関する各電圧基本波成分のベクトル線U1,U2と、各電流基本波成分のベクトル線I1,I2との位相関係を示すベクトル図である。 三相3線式配電線に関する電圧側ベクトル図F1の表示部7への表示例を示す説明図である。 三相3線式配電線に関する電流側ベクトル図F2の表示部7への表示例を示す説明図である。
以下、添付図面を参照して、電力測定装置1および電力測定装置1におけるベクトル図表示方法の実施の形態について説明する。
まず、電力測定装置1の構成について、図1を参照して説明する。
電力測定装置1は、図1に示すように、電圧測定部2、電流測定部3、設定部4、処理部5、記憶部6および表示部7を備え、三相式配電線の電力を測定可能に構成されている。
電圧測定部2は、一例として、4本の電圧プローブ11,12,13,14と、不図示の3つのA/D変換器とを備え、各A/D変換器において、A/D変換器毎に予め設定された2つの電圧プローブを介して入力される交流電圧を測定電圧としてサンプリングして、電圧データDv1,Dv2,Dv3に変換して処理部5に出力する。
電流測定部3は、一例として、3本の電流プローブ(電線貫通型の電流センサを備えた電流プローブ)21,22,23と、不図示の3つのA/D変換器とを備えている。各電流プローブ21,22,23は、検出した交流電流を電圧に変換して対応するA/D変換器に出力する。各A/D変換器は、対応する電流プローブを介して入力される電圧を測定電流としてサンプリングして、電流データDi1,Di2,Di3に変換して処理部5に出力する。
設定部4は、不図示の設定キーを複数備え、オペレータによって操作されることにより、測定に必要な各種の設定データ、例えば、三相式配電線の種別(三相3線式や三相4線式)を設定するデータや、測定する交流電圧および交流電流の値に応じた適切な電圧測定レンジや電流測定レンジを設定するデータなどの設定データD1を生成して、処理部5に出力する。
処理部5は、CPUなどを備えて構成されて、電圧測定部2および電流測定部3に対する制御処理、電圧データDv1,Dv2,Dv3および電流データDi1,Di2,Di3についての記憶処理、電力値Wを算出する電力算出処理、各測定電圧の電圧基本波成分および各測定電流の電流基本波成分を抽出する基本波成分抽出処理、並びに表示処理を実行する。この表示処理では、処理部5は、三相4線式配電線の電力値Wについての測定の際には、図2に示す各電圧基本波成分のベクトル線U1,U2,U3および各電流基本波成分のベクトル線I1,I2,I3を表示部7に図3,4に示すようにベクトル図(電圧側ベクトル図F1、電流側ベクトル図F2)として表示させ、三相3線式配電線の電力値Wについての測定の際には、図5に示す各電圧基本波成分のベクトル線U1,U2および各電流基本波成分のベクトル線I1,I2を表示部7に図6,7に示すようにベクトル図(電圧側ベクトル図F1、電流側ベクトル図F2)として表示させる。また、処理部5は、表示処理において、算出した電力値Wについても表示部7に表示させる。
記憶部6は、ROMやRAMなどの半導体メモリや、HDD(Hard Disk Drive )を備えて構成されて、電圧データDv1,Dv2,Dv3および電流データDi1,Di2,Di3などを記憶する。
表示部7は、例えば液晶ディスプレイなどの表示装置で構成されて、電圧側ベクトル図F1、電流側ベクトル図F2および電力値Wを画面上に表示する。
次に、電力測定装置1の動作について図面を参照して説明すると共に、電力測定装置1におけるベクトル図表示方法についても併せて説明する。まず、三相式配電線の一例として、三相4線式配電線の電力値Wを測定する例について説明する。
最初に、オペレータは、電圧測定部2の電圧プローブ11,12,13を三相4線式のR相、S相、T相の各配電線(不図示)に接続し、電圧プローブ14を三相4線式の中性線(不図示)に接続する。また、オペレータは、電流測定部3の電流プローブ21,22,23をR相、S相、T相の各配電線に取り付ける(クランプする)。次いで、オペレータは、設定部4に対する操作を実行して、三相式配電線の種別を「三相4線式」に設定し、電圧測定レンジおよび電流測定レンジを適切な範囲にそれぞれ設定する(例えば、電圧測定レンジについてはAC150Vの電圧測定レンジに設定し、電流測定レンジについてはAC5Aの電流測定レンジに設定する)。設定部4は、設定された内容を示す設定データD1を処理部5に出力する。
この状態において、処理部5は、入力した設定データD1で示される三相式配電線の種別(「三相4線式」)に基づいて、電圧測定部2に対する制御処理を実行して、電圧測定部2に対して、電圧プローブ14を基準として各電圧プローブ11,14間に発生する交流電圧(R相の相電圧)を1つのA/D変換器に測定電圧として入力させ、電圧プローブ14を基準として各電圧プローブ12,14間に発生する交流電圧(S相の相電圧)を他の1つのA/D変換器に他の測定電圧として入力させ、電圧プローブ14を基準として各電圧プローブ13,14間に発生する交流電圧(T相の相電圧)を他の1つのA/D変換器に他の測定電圧として入力させる。
これにより、電圧測定部2は、R相の相電圧をサンプリングして得られる電圧データを電圧データDv1として、またS相の相電圧をサンプリングして得られる電圧データを電圧データDv2として、またT相の相電圧をサンプリングして得られる電圧データを電圧データDv3として、処理部5にそれぞれ出力する(ベクトル図表示方法における電圧測定処理の実行)。
一方、処理部5は、電流測定部3に対しては、電流プローブ21によって検出されるR相を流れる交流電流(相電流)を電圧に変換して1つのA/D変換器に出力させ、電流プローブ22によって検出されるS相を流れる交流電流(相電流)を電圧に変換して他の1つのA/D変換器に出力させ、電流プローブ23によって検出されるT相を流れる交流電流(相電流)を電圧に変換して他の1つのA/D変換器に出力させる。
これにより、電流測定部3は、電圧に変換されたR相の相電流をサンプリングして得られる電圧データを電流データDi1として、また電圧に変換されたS相の相電流をサンプリングして得られる電圧データを電流データDi2として、また電圧に変換されたT相の相電流をサンプリングして得られる電圧データを電流データDi3として、処理部5にそれぞれ出力する(ベクトル図表示方法における電流測定処理の実行)。
処理部5は、この状態において、まず、記憶処理を実行して、各電圧データDv1,Dv2,Dv3および各電流データDi1,Di2,Di3を、電力測定に必要な数(例えば、相電圧の1周期分以上)だけ取得して、記憶部6に記憶させる。
次いで、処理部5は、基本波抽出処理を実行する。この基本波抽出処理では、処理部5は、記憶部6に記憶されている各電圧データDv1,Dv2,Dv3に基づいて、フーリエ変換を実行して、R相の相電圧、S相の相電圧およびT相の相電圧についての各電圧基本波成分Vr,Vs,Vtをそれぞれ抽出する。また、処理部5は、各電圧データDv1,Dv2,Dv3と、現在の電圧測定レンジとに基づいて、各電圧基本波成分Vr,Vs,Vtの実効値を算出する。また、処理部5は、記憶部6に記憶されている各電流データDi1,Di2,Di3に基づいて、フーリエ変換を実行して、R相の相電流、S相の相電流およびT相の相電流についての各電流基本波成分Ir,Is,Itをそれぞれ抽出する。また、処理部5は、各電流データDi1,Di2,Di3と、現在の電流測定レンジとに基づいて、各電流基本波成分Ir,Is,Itの実効値を算出する。
このようにして抽出される各電圧基本波成分Vr,Vs,Vt、および各電流基本波成分Ir,Is,Itについての位相関係を、各電圧基本波成分Vr,Vs,Vtの各ベクトル線U1,U2,U3、および各電流基本波成分Ir,Is,Itの各ベクトル線I1,I2,I3を用いて、電圧基本波成分Vrの位相を基準とした(位相を0度とした)ベクトル図で表すと、図2に示すように表される。この場合、ベクトル線U1に対応するベクトル線I1のベクトル線U1に対する位相差θ1はR相の負荷状態によって変化する。また、ベクトル線U2に対応するベクトル線I2のベクトル線U2に対する位相差θ2はS相の負荷状態によって変化する。また、ベクトル線U3に対応するベクトル線I3のベクトル線U3に対する位相差θ3はT相の負荷状態によって変化する。
続いて、処理部5は、電力算出処理を実行する。この電力算出処理では、処理部5は、基本波抽出処理で抽出したR相についての相電圧および相電流の各基本波成分(電圧基本波成分および電流基本波成分)Vr,IrからR相においての力率を算出し、この力率と基本波抽出処理で算出したR相についての相電圧および相電流の各実効値とからR相についての電力値(例えば、有効電力値)を算出する。処理部5は、R相のときと同様にして、S相およびT相についての各電力値を算出する。最後に、処理部5は、R相、S相およびT相についての各電力値の総和を算出して、三相4線式配電線の電力値Wを測定すると共に、記憶部6に記憶させる。これにより、電力算出処理が完了する。
次いで、処理部5は、表示処理を実行する。この表示処理では、処理部5は、電圧側ベクトル図F1(図3参照)を表示部7に表示させる電圧ベクトル表示処理と、電流側ベクトル図F2(図4参照)を表示部7に表示させる電流ベクトル図表示処理と、算出した電力値Wを表示部7に表示させる電力表示処理とを実行する。
最初に、電圧ベクトル表示処理では、処理部5は、図3に示すように、表示部7の画面上における基準点Pを中心とする円形の表示領域A内に、各ベクトル線U1,U2,U3の変動許容範囲を示す3つの円弧形状の帯状領域A1,A2,A3と、各ベクトル線U1,U2,U3とを重ね合わせた状態で電圧側ベクトル図F1として表示させる。
具体的には、各ベクトル線U1,U2,U3については、各測定電圧(相電圧)が平衡であり、かつ電圧測定部2および電流測定部3の三相4線式配電線に対する配線並びに三相4線式配電線自体の配線が正常であるときには、図2に示すように、ベクトル線U2は、ベクトル線U1を基準として、共通の基準点Oを中心として時計回り方向に120度ずれた位置に現れ、ベクトル線U3は、ベクトル線U1を基準として、共通の基準点Oを中心として反時計回り方向に120度ずれた位置に現れる。
このため、各ベクトル線U1,U2,U3についての変動許容範囲の角度範囲をそれぞれ±α度としたときには、処理部5は、図3に示すように、ベクトル線U1が表示される線分Lv1を中心とした±α度の角度範囲Xv1内に帯状領域A1を表示させ、基準点Pを中心として線分Lv1から120度だけ時計回り方向にずれた線分Lv2を中心とした±α度の角度範囲Xv2内に帯状領域A2を表示させ、基準点Pを中心として線分Lv1から120度だけ反時計回り方向にずれた線分Lv3を中心とした±α度の角度範囲Xv3内に帯状領域A3を表示させる。一般的に、電圧についての各ベクトル線U1,U2,U3は、負荷状態によらず、位相のずれが少ない状態で安定しているため、αは例えば10度〜30度程度の小さい角度(本例では、10度)に規定される。
なお、本例では、各ベクトル線U1,U2,U3の長さで各電圧基本波成分Vr,Vs,Vtの実効値を表し、かつ基準点Pから各帯状領域A1,A2,A3における内周縁までの距離を各実効値の下限値に合わせると共に、基準点Pから各帯状領域A1,A2,A3における外周縁までの距離を各実効値の上限値に合わせることで、各帯状領域A1,A2,A3の幅で各実効値の許容電圧変動幅を表す構成を採用しているが、これに限定されるものではない。なお、この構成に関しては、後述する三相3線式配電線についての電圧側ベクトル図F1についても同様である。
また、処理部5は、各ベクトル線U1,U2,U3の始点を共通の基準点Pとした状態で、上記した表示領域A内に、各帯状領域A1,A2,A3と重ね合わせた状態で表示させる。これにより、電圧側ベクトル図F1の表示が完了する。
次いで、電流ベクトル表示処理では、処理部5は、図4に示すように、表示部7の画面上における基準点Qを中心とする円形の表示領域B内に、各ベクトル線I1,I2,I3の変動許容範囲を示す3つの円弧形状の帯状領域B1,B2,B3と、各ベクトル線I1,I2,I3とを重ね合わせた状態で電流側ベクトル図F2として表示させる。
具体的には、各ベクトル線I1,I2,I3については、各測定電流(相電流)が平衡であり、相毎の力率が1であり、かつ電圧測定部2および電流測定部3の三相4線式配電線に対する配線並びに三相4線式配電線自体の配線が正常であるときには、ベクトル線I1は、対応する電圧のベクトル線U1と位相が0となる線分Li1の位置(基準位置Li1ともいう)で現れ、ベクトル線I2は、ベクトル線I1を基準として、共通の基準点Qを中心として時計回り方向に120度ずれた線分Li2の位置(基準位置Li2ともいう)に現れ、ベクトル線I3は、線分Li1(ベクトル線I1)を基準として、共通の基準点Qを中心として反時計回り方向に120度ずれた線分Li3の位置(基準位置Li3ともいう)に現れる。
このため、処理部5は、図4に示すように、基準位置Li1を中心とした±β度の角度範囲Xi1内にベクトル線I1の変動許容範囲を示す帯状領域B1を表示させ、基準位置Li2を中心とした±β度の角度範囲Xi2内にベクトル線I2の変動許容範囲を示す帯状領域B2を表示させ、基準位置Li3を中心とした±β度の角度範囲Xi3内にベクトル線I3の変動許容範囲を示す帯状領域B3を表示させる。
ところで、電流のベクトル線I1,I2,I3は、電圧測定部2および電流測定部3の三相4線式配電線に対する配線並びに三相4線式配電線自体の配線が正しく行われているときであっても、軽負荷で位相が非常に遅れる場合には、力率が1のときの対応する電圧(電圧のベクトル線)に対する位相を基準として、従来の−60度を超えて−90度付近まで位相が遅れる場合があり、また、進相コンデンサが大き過ぎて位相が非常に進む場合には、従来の+60度を超えて+90度付近まで位相が進む場合がある。このため、βは、60度を超え90度以下の角度に規定されている。
この構成により、図4に示すように、各ベクトル線I1,I2,I3についての各角度範囲Xi1,Xi2,Xi3(以下、特に区別しないときには「角度範囲Xi」ともいう)は、周方向の両端部側において、他の2つのベクトル線の角度範囲Xiと一部が重なる状態となっている。本例では、同図に示すように、βは、一例として最大の90度に規定されているため、各角度範囲Xi1,Xi2,Xi3は、周方向の両端部側において、他の2つのベクトル線の角度範囲と60度ずつ重なる状態となっている。
処理部5は、このように各角度範囲Xi1,Xi2,Xi3が周方向の両端部側において他の2つの角度範囲Xiと重なる状態において、各帯状領域B1,B2,B3(以下、特に区別しないときには「帯状領域B」ともいう)における他の帯状領域Bについての角度範囲Xiに含まれない第1帯状領域B1a,B2a,B3a(以下、特に区別しないときには「第1帯状領域Ba」ともいう)については、図4に示すように、基準点Qを中心とする円環状の帯状領域G内に、この帯状領域Gの幅全体に亘る幅で他の帯状領域Bについての第1帯状領域Baとは異なる表示色で表示させる。なお、各帯状領域B1,B2,B3に関して、異なるハッチングを付した領域については、異なる表示色で表示されていることを示している。
また、処理部5は、各帯状領域B1,B2,B3における第1帯状領域B1a,B2a,B3aの両側に連なって位置して他の帯状領域Bについての角度範囲Xiに含まれる2つの第2帯状領域B1b,B1c,B2b,B2c,B3b,B3c(以下、特に区別しないときには、「第2帯状領域Bb(Bc)」ともいう)については、図4に示すように、帯状領域G内に、対応する第1帯状領域Bと同じ表示色で、かつ他の帯状領域Bにおける第2帯状領域Bb(Bc)の内周側および外周側のいずれか一方の側に表示させる。
具体的には、処理部5は、図4に示すように、帯状領域B1における他の帯状領域B2の角度範囲Xi2に含まれる第2帯状領域B1bについては、同じ帯状領域B1における第1帯状領域B1aと同じ表示色で、かつ他の帯状領域B2における第2帯状領域B2cの外周側に表示させ、帯状領域B1における他の帯状領域B3の角度範囲Xi3に含まれる第2帯状領域B1cについては、同じ帯状領域B1における第1帯状領域B1aと同じ表示色で、かつ他の帯状領域B3における第2帯状領域B3bの内周側に表示させる。
また、処理部5は、図4に示すように、帯状領域B2における他の帯状領域B3の角度範囲Xi3に含まれる第2帯状領域B2bについては、同じ帯状領域B2における第1帯状領域B2aと同じ表示色で、かつ他の帯状領域B3における第2帯状領域B3cの外周側に表示させ、帯状領域B2における他の帯状領域B1の角度範囲Xi1に含まれる第2帯状領域B2cについては、同じ帯状領域B2における第1帯状領域B2aと同じ表示色で、かつ上記したように第2帯状領域B1bの内周側に表示させる。
また、処理部5は、図4に示すように、帯状領域B3における他の帯状領域B1の角度範囲Xi1に含まれる第2帯状領域B3bについては、同じ帯状領域B3における第1帯状領域B3aと同じ表示色で、かつ上記したように他の帯状領域B1における第2帯状領域B1cの外周側に表示させ、帯状領域B3における他の帯状領域B2の角度範囲Xi2に含まれる第2帯状領域B3cについては、同じ帯状領域B3における第1帯状領域B3aと同じ表示色で、かつ上記したように他の帯状領域B2における第2帯状領域B2bの内周側に表示させる。
さらに、本例では、処理部5は、図4に示すように、各第2帯状領域Bb(Bc)について、各第1帯状領域B1a,B2a,B3aの幅、つまり帯状領域Gの幅の1/2の幅で表示させる。これにより、帯状領域Gの全域に亘って、各帯状領域B1,B2,B3が隙間のない状態で表示される。
また、処理部5は、各ベクトル線I1,I2,I3の始点を共通の基準点Qとした状態で、上記した表示領域B内に、各帯状領域B1,B2,B3と重ね合わせた状態で表示させる。これにより、電流側ベクトル図F2の表示が完了する。
続いて、電力表示処理では、処理部5は、図示はしないが、一例として、表示部7の画面上における各表示領域A,Bと異なる表示領域に、算出した電力値Wを表示させる。
このように、この電力測定装置1および電力測定装置1におけるベクトル図表示方法では、三相4線式配電線についての電流側ベクトル図F2の表示処理において、ベクトル線I1,I2,I3についての各帯状領域B1,B2,B3の表示の際に、各帯状領域Bを、第1帯状領域Baと、各第1帯状領域Baの両端に連なる2つの第2帯状領域Bb(Bc)とに分けて表示させ、第1帯状領域Baについては、各帯状領域Bにおける他の帯状領域Bについての角度範囲Xiに含まれない領域として、他の帯状領域Bについての他の第1帯状領域Baとは異なる表示色で表示させ、第2帯状領域Bb(Bc)については、各帯状領域Bにおける他の帯状領域Bについての角度範囲Xiに含まれる領域として、同じ帯状領域Bにおける第1帯状領域Baと同じ表示色で、かつ他の帯状領域Bにおける他の第2帯状領域Bb(Bc)の内周側および外周側のいずれか一方の側にそれぞれ表示させる。
したがって、この電力測定装置1および電力測定装置1におけるベクトル図表示方法によれば、軽負荷で位相が非常に遅れる場合や、逆に、進相コンデンサが大き過ぎて位相が非常に進む場合においても、各測定電圧(相電圧)および各測定電流(相電流)がそれぞれ平衡であり、かつ電圧測定部2および電流測定部3の三相4線式配電線に対する配線並びに三相4線式配電線自体の配線が正常であるときには、各相電流についてのベクトル線I1,I2,I3を、それぞれの変動許容範囲を示す各帯状領域B1,B2,B3の角度範囲Xi1,Xi2,Xi3内に表示させることができるため、各ベクトル線I1,I2,I3が対応する各帯状領域B1,B2,B3内に位置することを目視にて確認することで、電圧測定部2および電流測定部3の三相4線式配電線に対する配線、並びに三相4線式配電線自体の配線、つまり、三相4線式配電線に関する配線状態が正常であることを正確に判別することができる。
次に、電力測定装置1の動作について、三相3線式配電線の電力値Wを測定する例について説明すると共に、この電力測定装置1におけるベクトル図表示方法についても併せて説明する。
最初に、オペレータは、電圧測定部2の電圧プローブ11,12を三相3線式のR相、S相の各配電線(不図示)に接続し、電圧プローブ14を三相3線式のT相(不図示)に接続する。また、オペレータは、電流測定部3の電流プローブ21,22をR相、S相の各配電線に取り付ける(クランプする)。次いで、オペレータは、設定部4に対する操作を実行して、三相式配電線の種別を「三相3線式」に設定し、電圧測定レンジおよび電流測定レンジを適切な範囲にそれぞれ設定する(例えば、電圧測定レンジについてはAC150Vの電圧測定レンジに設定し、電流測定レンジについてはAC5Aの電流測定レンジに設定する)。設定部4は、設定された内容を示す設定データD1を処理部5に出力する。
この状態において、処理部5は、入力した設定データD1で示される三相式配電線の種別(「三相3線式」)に基づいて、電圧測定部2に対する制御処理を実行して、電圧測定部2に対して、電圧プローブ14を基準として各電圧プローブ11,14間に発生する交流電圧(T相およびR相間の線間電圧)を1つのA/D変換器に測定電圧として入力させ、電圧プローブ14を基準として各電圧プローブ12,14間に発生する交流電圧(T相およびS相間の線間電圧)を他の1つのA/D変換器に他の測定電圧として入力させる。
これにより、電圧測定部2は、T相の配電線を基準としたR相の配電線についてのRT相間線間電圧(1組の配電線間の線間電圧)をサンプリングして得られる電圧データを電圧データDv1として、またT相の配電線を基準としたS相の配電線についてのST相間線間電圧(他の1組の配電線間の線間電圧)をサンプリングして得られる電圧データを電圧データDv2として、処理部5にそれぞれ出力する(ベクトル図表示方法における電圧測定処理の実行)。
一方、処理部5は、電流測定部3に対しては、電流プローブ21によって検出されるR相およびT相の各配電線に流れる交流電流(R相についての線電流)を電圧に変換して1つのA/D変換器に出力させ、電流プローブ22によって検出されるS相およびT相の各配電線に流れる交流電流(S相についての線電流)を電圧に変換して他の1つのA/D変換器に出力させる。
これにより、電流測定部3は、電圧に変換されたR相についての線電流をサンプリングして得られる電圧データを電流データDi1として、また電圧に変換されたS相についての線電流をサンプリングして得られる電圧データを電流データDi2として、処理部5にそれぞれ出力する(ベクトル図表示方法における電流測定処理の実行)。
処理部5は、この状態において、まず、記憶処理を実行して、各電圧データDv1,Dv2および各電流データDi1,Di2を、電力測定に必要な数(例えば、相電圧の1周期分以上)だけ取得して、記憶部6に記憶させる。
次いで、処理部5は、基本波抽出処理を実行する。この基本波抽出処理では、処理部5は、記憶部6に記憶されている各電圧データDv1,Dv2に基づいて、フーリエ変換を実行して、RT相間線間電圧およびST相間線間電圧についての各電圧基本波成分Vrt,Vstをそれぞれ抽出する。また、処理部5は、各電圧データDv1,Dv2と、現在の電圧測定レンジとに基づいて、各電圧基本波成分Vrt,Vstの実効値を算出する。また、処理部5は、記憶部6に記憶されている各電流データDi1,Di2に基づいて、フーリエ変換を実行して、R相についての線電流およびS相についての線電流についての各電流基本波成分Ir,Isをそれぞれ抽出する。また、処理部5は、各電流データDi1,Di2と、現在の電流測定レンジとに基づいて、各電流基本波成分Ir,Isの実効値を算出する。
このようにして抽出される各電圧基本波成分Vrt,Vst、および各電流基本波成分Ir,Isについての位相関係を、各電圧基本波成分Vrt,Vstの各ベクトル線U1,U2、および各電流基本波成分Ir,Isの各ベクトル線I1,I2を用いて、電圧基本波成分Vrtの位相を基準とした(位相を0度とした)ベクトル図で表すと、図5に示すように表される。この図5は、各線間電圧および各線電流がそれぞれ平衡であり、かつ相毎の力率が1のときの状態を示しており、基準とする電圧基本波成分Vrtのベクトル線U1に対して、電圧基本波成分Vstのベクトル線U2は+60度だけ位相がずれて位置し、電流基本波成分Irのベクトル線I1は−30度だけ位相がずれて位置し、電流基本波成分Isのベクトル線I1は+90度だけ位相がずれて位置している。
続いて、処理部5は、電力算出処理を実行する。この電力算出処理では、処理部5は、基本波抽出処理で抽出したRT相間線間電圧およびR相についての線電流の各基本波成分(電圧基本波成分および電流基本波成分)Vrt,IrからR相についての力率を算出し、この力率と基本波抽出処理で算出したRT相間線間電圧およびR相についての線電流の各実効値とからR相についての電力値(例えば、有効電力値)を算出する。処理部5は、R相のときと同様にして、S相についての電力値を算出する。最後に、処理部5は、R相およびS相についての各電力値の総和を算出して、2電力計法により、三相3線式配電線の電力値Wを測定すると共に、記憶部6に記憶させる。これにより、電力算出処理が完了する。
次いで、処理部5は、表示処理を実行する。この表示処理では、処理部5は、電圧側ベクトル図F1(図6参照)を表示部7に表示させる電圧ベクトル表示処理と、電流側ベクトル図F2(図7参照)を表示部7に表示させる電流ベクトル図表示処理と、算出した電力値Wを表示部7に表示させる電力表示処理とを実行する。
最初に、電圧ベクトル表示処理では、処理部5は、図6に示すように、表示部7の画面上における基準点Pを中心とする円形の表示領域A内に、各ベクトル線U1,U2の変動許容範囲を示す2つの円弧形状の帯状領域A1,A2と、各ベクトル線U1,U2とを重ね合わせた状態で電圧側ベクトル図F1として表示させる。
具体的には、各ベクトル線U1,U2については、各測定電圧(線間電圧)が平衡であり、かつ電圧測定部2および電流測定部3の三相3線式配電線に対する配線並びに三相3線式配電線自体の配線が正常であるときには、図5に示すように、ベクトル線U2は、ベクトル線U1を基準として、ベクトル線U1の始点を中心として反時計回り方向に60度ずれた位置に現れる。
このため、各ベクトル線U1,U2についての変動許容範囲の角度範囲をそれぞれ±α度としたときには、処理部5は、図6に示すように、ベクトル線U1が表示される線分Lv1を中心とした±α度の角度範囲Xv1内に帯状領域A1を表示させ、基準点Pを中心として線分Lv1から60度だけ反時計回り方向にずれた線分Lv2を中心とした±α度の角度範囲Xv2内に帯状領域A2を表示させる。このαは、上記した三相4線式配電線のときと同様にして、例えば10度〜30度程度の小さい角度(本例では、10度)に規定される。
また、処理部5は、各ベクトル線U1,U2の始点を共通の基準点Pとした状態で、上記した表示領域A内に、各帯状領域A1,A2と重ね合わせた状態で表示させる。これにより、電圧側ベクトル図F1の表示が完了する。
次いで、電流ベクトル表示処理では、処理部5は、図7に示すように、表示部7の画面上における基準点Qを中心とする円形の表示領域B内に、各ベクトル線I1,I2の変動許容範囲を示す2つの円弧形状の帯状領域B1,B2と、各ベクトル線I1,I2とを重ね合わせた状態で電流側ベクトル図F2として表示させる。
具体的には、各ベクトル線I1,I2については、各測定電流(線電流)が平衡であり、相毎の力率が1であり、かつ電圧測定部2および電流測定部3の三相3線式配電線に対する配線並びに三相3線式配電線自体の配線が正常であるときには、ベクトル線I1は、対応する電圧のベクトル線U1に対して時計回り方向に30度だけ位相がずれた線分Li1の位置(基準位置Li1ともいう)に現れ、ベクトル線I2は、線分Li1(ベクトル線I1)を基準として、共通の基準点Qを中心として反時計回り方向に120度ずれた線分Li2の位置(基準位置Li2ともいう)に現れる。
このため、処理部5は、図7に示すように、基準位置Li1を中心とした±β度の角度範囲Xi1内にベクトル線I1の変動許容範囲を示す帯状領域B1を表示させ、基準位置Li2を中心とした±β度の角度範囲Xi2内にベクトル線I2の変動許容範囲を示す帯状領域B2を表示させる。
ところで、電流のベクトル線I1,I2は、上記した三相4線式配電線のときと同様に、電圧測定部2および電流測定部3の三相3線式配電線に対する配線並びに三相3線式配電線自体の配線が正しく行われているときであっても、軽負荷で位相が非常に遅れる場合には、力率が1のときの対応する電圧(電圧のベクトル線)に対する位相を基準として、従来の−60度を超えて−90度付近まで位相が遅れる場合があり、また、進相コンデンサが大き過ぎて位相が非常に進む場合には、従来の+60度を超えて+90度付近まで位相が進む場合がある。このため、βは、60度を超え90度以下の角度に規定されている。
この構成により、図7に示すように、各ベクトル線I1,I2についての各角度範囲Xi1,Xi2(以下、特に区別しないときには「角度範囲Xi」ともいう)は、周方向の一方の端部側において、他のベクトル線の角度範囲と一部が重なる状態となっている。本例では、同図に示すように、βは、一例として最大の90度に規定されているため、各角度範囲Xi1,Xi2は、他のベクトル線の角度範囲と60度ずつ重なる状態となっている。
処理部5は、このように各角度範囲Xi1,Xi2が周方向の一方の端部側において他の角度範囲Xiと重なる状態において、各帯状領域B1,B2(以下、特に区別しないときには「帯状領域B」ともいう)における他の帯状領域Bについての角度範囲Xiに含まれない第1帯状領域B1a,B2a(以下、特に区別しないときには「第1帯状領域Ba」ともいう)については、図7に示すように、基準点Qを中心とする円環状の帯状領域G内に、この帯状領域Gの幅全体に亘る幅で他の帯状領域Bについての第1帯状領域Baとは異なる表示色で表示させる。なお、各帯状領域B1,B2に関して、異なるハッチングを付した領域については、異なる表示色で表示されていることを示している。
また、処理部5は、各帯状領域B1,B2における第1帯状領域B1a,B2aの一端に連なると共に、第1帯状領域B1a,B2a間に位置して他の帯状領域Bについての角度範囲Xiに含まれる第2帯状領域B1b,B2b(以下、特に区別しないときには「第2帯状領域Bb」ともいう)については、図7に示すように、帯状領域G内に、対応する第1帯状領域Baと同じ表示色で、かつ他の帯状領域Bにおける第2帯状領域Bbの内周側および外周側のいずれか一方の側に表示させる。
具体的には、処理部5は、図7に示すように、帯状領域B1における他の帯状領域B2の角度範囲Xi2に含まれる第2帯状領域B1bについては、同じ帯状領域B1における第1帯状領域B1aと同じ表示色で、かつ他の帯状領域B2における第2帯状領域B2bの外周側に表示させる。また、処理部5は、同図に示すように、帯状領域B2における他の帯状領域B1の角度範囲Xi1に含まれる第2帯状領域B2bについては、同じ帯状領域B2における第1帯状領域B2aと同じ表示色で、かつ他の帯状領域B1における第2帯状領域B1bの内周側に表示させる。
さらに、本例では、処理部5は、図7に示すように、各第2帯状領域B1b,B2bについて、各第1帯状領域B1a,B2aの幅、つまり帯状領域Gの幅の1/2の幅で表示させる。これにより、帯状領域Gにおける各角度範囲Xi1,Xi2に含まれる領域の全体に亘って、各帯状領域B1,B2が隙間のない状態で表示される。
また、処理部5は、各ベクトル線I1,I2の始点を共通の基準点Qとした状態で、上記した表示領域B内に、各帯状領域B1,B2と重ね合わせた状態で表示させる。これにより、電流側ベクトル図F2の表示が完了する。
続いて、電力表示処理では、処理部5は、図示はしないが、一例として、表示部7の画面上における各表示領域A,Bと異なる表示領域に、算出した電力値Wを表示させる。
このように、この電力測定装置1および電力測定装置1におけるベクトル図表示方法では、処理部5は、三相3線式配電線についての電流側ベクトル図F2の表示処理において、ベクトル線I1,I2についての各帯状領域B1,B2の表示の際に、各帯状領域Bを、第1帯状領域Baと、各第1帯状領域Baの一端に連なる第2帯状領域Bbとに分けて表示させ、第1帯状領域Baについては、各帯状領域Bにおける他の帯状領域Bについての角度範囲Xiに含まれない領域として、他の帯状領域Bについての他の第1帯状領域Baとは異なる表示色で表示させ、第2帯状領域Bbについては、各帯状領域Bにおける他の帯状領域Bについての角度範囲Xiに含まれる領域として、同じ帯状領域Bにおける第1帯状領域Baと同じ表示色で、かつ他の帯状領域Bにおける他の第2帯状領域Bbの内周側および外周側のいずれか一方の側にそれぞれ表示させる。
したがって、この電力測定装置1および電力測定装置1におけるベクトル図表示方法によれば、軽負荷で位相が非常に遅れる場合や、逆に、進相コンデンサが大き過ぎて位相が非常に進む場合においても、各測定電圧(線間電圧)および各測定電流(線電流)がそれぞれ平衡であり、かつ電圧測定部2および電流測定部3の三相3線式配電線に対する配線並びに三相3線式配電線自体の配線が正常であるときには、各線電流についてのベクトル線I1,I2を、それぞれの変動許容範囲を示す各帯状領域B1,B2の角度範囲Xi1,Xi2内に表示させることができるため、各ベクトル線I1,I2が対応する各帯状領域B1,B2内に位置することを目視にて確認することで、電圧測定部2および電流測定部3の三相3線式配電線に対する配線、並びに三相3線式配電線自体の配線、つまり、三相3線式配電線に関する配線状態が正常であることを正確に判別することができる。
また、この電力測定装置1および電力測定装置1におけるベクトル図表示方法では、処理部5は、電流側ベクトル図F2の表示処理において、ベクトル線(三相4線式配電線ではI1,I2,I3、三相3線式配電線ではI1,I2)についての各帯状領域(三相4線式配電線ではB1,B2,B3、三相3線式配電線ではB1,B2)の表示の際に、各第2帯状領域(三相4線式配電線ではB1b,B1c,B2b,B2c,B3b,B3c、三相3線式配電線ではB1b,B2b)について、帯状領域G内に、各第1帯状領域(三相4線式配電線ではB1a,B2a,B3a、三相3線式配電線ではB1a,B2a)の幅の1/2の幅で表示させる。
したがって、この電力測定装置1および電力測定装置1におけるベクトル図表示方法によれば、すべての各帯状領域(三相4線式配電線ではB1,B2,B3、三相3線式配電線ではB1,B2)についての各第2帯状領域(三相4線式配電線ではB1b,B1c,B2b,B2c,B3b,B3c、三相3線式配電線ではB1b,B2b)が同一の幅で表示されるため、互いの幅が相違する態様で表示させる構成と比較して、各第2帯状領域(三相4線式配電線ではB1b,B1c,B2b,B2c,B3b,B3c、三相3線式配電線ではB1b,B2b)を目視にて同程度で見易く表示させることができる。また、各第2帯状領域(三相4線式配電線ではB1b,B1c,B2b,B2c,B3b,B3c、三相3線式配電線ではB1b,B2b)の幅を相違させて表示させることに起因して、幅狭の第2帯状領域を含む帯状領域Bに対応するベクトル線のこの第2帯状領域に含まれる確率が、幅広の第2帯状領域を含む帯状領域Bに対応するベクトル線のこの第2帯状領域に含まれる確率よりも低いとオペレータに誤認識させる事態の発生を回避することができる。
なお、上記の電力測定装置1および電力測定装置1におけるベクトル図表示方法では、各第2帯状領域(三相4線式配電線ではB1b,B1c,B2b,B2c,B3b,B3c、三相3線式配電線ではB1b,B2b)について、各第1帯状領域(三相4線式配電線ではB1a,B2a,B3a、三相3線式配電線ではB1a,B2a)の幅の1/2の幅で表示させる構成を採用しているが、これに限定されるものではない。例えば、図4,7において破線で示すように、各第2帯状領域について、対応する第1帯状領域側から離間するに従い、幅を徐々に狭める構成を採用することもできる。
1 電力測定装置
2 電圧測定部
3 電流測定部
5 処理部
7 表示部
B1,B2,B3 帯状領域
B1a,B2a,B3a 第1帯状領域
B1b,B1c,B2b,B2c,B3b,B3c 第2帯状領域
I1,I2,I3 ベクトル線
Q 基準点
Xi1,Xi2,Xi3 角度範囲

Claims (5)

  1. 三相4線式配電線の3つの相電圧を測定電圧としてそれぞれ測定する電圧測定部と、
    前記三相4線式配電線の3つの相電流を測定電流としてそれぞれ測定する電流測定部と、
    前記各測定電圧の電圧基本波成分および前記各測定電流の電流基本波成分をそれぞれ抽出する基本波抽出処理、および前記各電圧基本波成分のうちの1つの電圧基本波成分の位相を基準とした前記各電流基本波成分の位相関係を共通の基準点を始点とする3つのベクトル線と当該各ベクトル線についての変動許容範囲を示す前記基準点を中心とする3つの円弧形状の帯状領域とを重ね合わせた状態で表示部の画面上に表示させる表示処理を実行する処理部とを備え、
    前記処理部は、前記表示処理において、
    前記各帯状領域を、前記各測定電圧および前記各測定電流がそれぞれ平衡であり、前記相毎の力率が1であり、かつ前記電圧測定部および前記電流測定部の前記三相4線式配電線に対する配線並びに前記三相4線式配電線自体の配線が正常であるときに表示される前記3つのベクトル線のうちの対応するベクトル線を中心として±60度を超え±90度以下の角度範囲に規定して表示させると共に、第1帯状領域と、当該第1帯状領域の両端に連なる2つの第2帯状領域とに分けて表示させ、
    前記第1帯状領域については、前記各帯状領域における他の前記帯状領域についての前記角度範囲に含まれない領域として、当該他の帯状領域についての他の前記第1帯状領域とは異なる表示色で表示させ、
    前記第2帯状領域については、前記各帯状領域における他の前記帯状領域についての前記角度範囲に含まれる領域として、同じ前記帯状領域における前記第1帯状領域と同じ表示色で、かつ前記他の帯状領域における他の前記第2帯状領域の内周側および外周側のいずれか一方の側にそれぞれ表示させる電力測定装置。
  2. 三相3線式配電線の2組の配電線間の各線間電圧を測定電圧としてそれぞれ測定する電圧測定部と、
    前記三相3線式配電線のうちの前記2組の配電線以外の他の1組の配電線についての各線電流を測定電流としてそれぞれ測定する電流測定部と、
    前記各測定電圧の電圧基本波成分および前記各測定電流の電流基本波成分をそれぞれ抽出する基本波抽出処理、および前記各電圧基本波成分のうちの1つの電圧基本波成分の位相を基準とした前記各電流基本波成分の位相関係を共通の基準点を始点とする2つのベクトル線と当該各ベクトル線についての変動許容範囲を示す前記基準点を中心とする2つの円弧形状の帯状領域とを重ね合わせた状態で表示部の画面上に表示させる表示処理を実行する処理部とを備え、
    前記処理部は、前記表示処理において、
    前記各帯状領域を、前記各測定電圧および前記各測定電流がそれぞれ平衡であり、前記相毎の力率が1であり、かつ前記電圧測定部および前記電流測定部の前記三相3線式配電線に対する配線並びに前記三相3線式配電線自体の配線が正常であるときに表示される前記2つのベクトル線のうちの対応するベクトル線を中心として±60度を超え±90度以下の角度範囲に規定して表示させると共に、第1帯状領域と、当該第1帯状領域の一端に連なる1つの第2帯状領域とに分けて表示させ、
    前記第1帯状領域については、前記各帯状領域における他の前記帯状領域についての前記角度範囲に含まれない領域として、当該他の帯状領域についての他の前記第1帯状領域とは異なる表示色で表示させ、
    前記第2帯状領域については、前記各帯状領域における他の前記帯状領域についての前記角度範囲に含まれる領域として、同じ前記帯状領域における前記第1帯状領域と同じ表示色で、かつ前記他の帯状領域における他の前記第2帯状領域の内周側および外周側のいずれか一方の側にそれぞれ表示させる電力測定装置。
  3. 前記処理部は、前記表示処理において、前記各第1帯状領域については、前記基準点を中心とする円環形状の帯状領域内に当該帯状領域の幅全体に亘る幅で表示させると共に、前記各第2帯状領域については、円環形状の前記帯状領域内に、前記第1帯状領域の幅の1/2の幅で表示させる請求項1または2記載の電力測定装置。
  4. 三相4線式配電線の3つの相電圧を測定電圧としてそれぞれ測定する電圧測定処理と、
    前記三相4線式配電線の3つの相電流を測定電流としてそれぞれ測定する電流測定処理と、
    前記測定した各測定電圧の電圧基本波成分および前記測定した各測定電流の電流基本波成分をそれぞれ抽出する基本波抽出処理と、
    前記各電圧基本波成分のうちの1つの電圧基本波成分の位相を基準とした前記各電流基本波成分の位相関係を共通の基準点を始点とする3つのベクトル線と当該各ベクトル線についての変動許容範囲を示す前記基準点を中心とする3つの円弧形状の帯状領域とを重ね合わせた状態で表示部の画面上に表示させる表示処理とを実行すると共に、
    当該表示処理において、
    前記各帯状領域を、前記各測定電圧および前記各測定電流がそれぞれ平衡であり、前記相毎の力率が1であり、かつ前記電圧測定部および前記電流測定部の前記三相4線式配電線に対する配線並びに前記三相4線式配電線自体の配線が正常であるときに表示される前記3つのベクトル線のうちの対応するベクトル線を中心として±60度を超え±90度以下の角度範囲に規定して表示させると共に、第1帯状領域と、当該第1帯状領域の両端に連なる2つの第2帯状領域とに分けて表示させ、
    前記第1帯状領域については、前記各帯状領域における他の前記帯状領域についての前記角度範囲に含まれない領域として、当該他の帯状領域についての他の前記第1帯状領域とは異なる表示色で表示させ、
    前記第2帯状領域については、前記各帯状領域における他の前記帯状領域についての前記角度範囲に含まれる領域として、同じ前記帯状領域における前記第1帯状領域と同じ表示色で、かつ前記他の帯状領域における他の前記第2帯状領域の内周側および外周側のいずれか一方の側にそれぞれ表示させる電力測定装置におけるベクトル図表示方法。
  5. 三相3線式配電線の2組の配電線間の各線間電圧を測定電圧としてそれぞれ測定する電圧測定処理と、
    前記三相3線式配電線のうちの前記2組の配電線以外の他の1組の配電線についての各線電流を測定電流としてそれぞれ測定する電流測定処理と、
    前記各測定電圧の電圧基本波成分および前記各測定電流の電流基本波成分をそれぞれ抽出する基本波抽出処理と、
    前記各電圧基本波成分のうちの1つの電圧基本波成分の位相を基準とした前記各電流基本波成分の位相関係を共通の基準点を始点とする2つのベクトル線と当該各ベクトル線についての変動許容範囲を示す前記基準点を中心とする2つの円弧形状の帯状領域とを重ね合わせた状態で表示部の画面上に表示させる表示処理とを実行すると共に、
    当該表示処理において、
    前記各帯状領域を、前記各測定電圧および前記各測定電流がそれぞれ平衡であり、前記相毎の力率が1であり、かつ前記電圧測定部および前記電流測定部の前記三相3線式配電線に対する配線並びに前記三相3線式配電線自体の配線が正常であるときに表示される前記2つのベクトル線のうちの対応するベクトル線を中心として±60度を超え±90度以下の角度範囲に規定して表示させると共に、第1帯状領域と、当該第1帯状領域の一端に連なる1つの第2帯状領域とに分けて表示させ、
    前記第1帯状領域については、前記各帯状領域における他の前記帯状領域についての前記角度範囲に含まれない領域として、当該他の帯状領域についての他の前記第1帯状領域とは異なる表示色で表示させ、
    前記第2帯状領域については、前記各帯状領域における他の前記帯状領域についての前記角度範囲に含まれる領域として、同じ前記帯状領域における前記第1帯状領域と同じ表示色で、かつ前記他の帯状領域における他の前記第2帯状領域の内周側および外周側のいずれか一方の側にそれぞれ表示させる電力測定装置におけるベクトル図表示方法。
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