以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施の形態における情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。図1の情報処理装置10は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置100、補助記憶装置102、メモリ装置103、CPU104、インタフェース装置105、表示装置106、及び入力装置107等を有する。
情報処理装置10での処理を実現するプログラムは、記録媒体101によって提供される。プログラムを記録した記録媒体101がドライブ装置100にセットされると、プログラムが記録媒体101からドライブ装置100を介して補助記憶装置102にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体101より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置102は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
メモリ装置103は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムを読み出して格納する。CPU104は、メモリ装置103に格納されたプログラムに従って情報処理装置10に係る機能を実現する。インタフェース装置105は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。表示装置106はプログラムによるGUI(Graphical User Interface)等を表示する。入力装置107はキーボード及びマウス等であり、様々な操作指示を入力させるために用いられる。
なお、記録媒体101の一例としては、CD−ROM、DVDディスク、又はUSBメモリ等の可搬型の記録媒体が挙げられる。また、補助記憶装置102の一例としては、HDD(Hard Disk Drive)又はフラッシュメモリ等が挙げられる。記録媒体101及び補助記憶装置102のいずれについても、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に相当する。
なお、情報処理装置10は、必ずしも、表示装置106及び入力装置107を備えていなくてもよい。例えば、情報処理装置10とネットワークを介して接続されるコンピュータが備える入力装置によって遠隔的に情報処理装置10が操作されてもよい。また、情報処理装置10とネットワークを介して接続されるコンピュータが備える表示装置に、情報処理装置10の処理結果等が表示されてもよい。
図2は、本発明の実施の形態における情報処理装置の機能構成例を示す図である。図2において、情報処理装置10は、スケルトンマップ生成部11、対応部品判定部12、キーワード位置付与部13、表示間隔決定部14、表示方向決定部15、及び表示制御部16等を有する。これら各部は、情報処理装置10にインストールされたプログラムが、CPU104に実行させる処理により実現される。
上記各部は、分析対象情報記憶部21、部品・キーワード対応情報記憶部22、製品情報記憶部23、又は視点情報記憶部24等を利用する。これら各記憶部は、補助記憶装置102、又は情報処理装置10にネットワークを介して接続される記憶装置等を用いて実現可能である。
分析対象情報記憶部21は、スケルトンマップ生成部11によって分析対象とされる文書情報を記憶する。当該文書情報を、以下「分析対象情報」という。本実施の形態では、物品に関する情報が分析対象情報とされる。物品に関する情報の一例として、或る製品に関してユーザより寄せられた苦情等がテキスト化された情報が挙げられる。以下において、単に、「製品」というとき、分析対象情報に係る製品をいう。また、「部品」というとき、当該製品の一部を構成する部品又はユニット等をいう。
スケルトンマップ生成部11は、分析対象情報をテキストマイニング技術等を利用して分析し、スケルトンマップを構成する情報を当該文書情報より抽出する。スケルトンマップを構成する情報とは、単語、該単語間の関係、該関係の強さ等を示す情報をいい、スケルトンマップの表示に必要とされる情報をいう。以下、スケルトンマップを構成する情報を、「スケルトンマップ情報」という。
本実施の形態では、予めキーワード群が設定され、キーワードごとに、当該文書情報内において当該キーワードに関係を有する単語が抽出される。したがって、キーワードと当該キーワードに関係を有する単語間との関係及び関係の強さ等が抽出される。なお、本実施の形態において、「キーワード」とは、製品又は製品を構成する部品を示す用語として、例えば、予めユーザによって設定されている単語をいう。通常、キーワードは、複数設定されるが、一つのキーワードのみが設定されてもよい。「単語」とは、分析対象情報よりキーワードとの関係が抽出された単語をいう。但し、予めキーワードが設定されずに、単語間の関係が分析対象情報より抽出されてもよい。
また、スケルトンマップを生成するための、文書情報の分析処理は、公知技術に従えばよい。本実施の形態において適用可能な公知技術は、特定のものに限定されない。また、キーワードと関係する全ての単語を抽出対象とするとスケルトンマップの表示態様が煩雑となる可能性がある場合は、一定の基準に基づいて、抽出対象とされる単語が限定されてもよい。一定の基準として、キーワードとの関係の強さが所定値以下であることが挙げられる。
部品・キーワード対応情報記憶部22は、各部品とキーワードとの対応情報を記憶する。対応部品判定部12は、スケルトンマップ生成部11によって生成されるスケルトンマップ情報に含まれる各キーワードに関して、対応する部品を判定する。当該判定には、部品・キーワード対応情報記憶部22が記憶する対応情報が利用される。
製品情報記憶部23は、製品情報を記憶する。本実施の形態において、製品情報には、製品の形状情報や、製品における各部品の位置情報等が含まれる。製品情報の一例として、CAD情報が挙げられる。3次元によって形状が表現される製品に関しては、3次元CAD情報が、製品情報として好適である。但し、製品の形状や、製品における各部品の位置等を把握可能な情報であれば、製品情報は、必ずしもCAD情報でなくてもよい。
キーワード位置付与部13は、対応部品判定部12による判定結果と、製品情報とに基づいて、各キーワードに対して、対応する部品の位置情報を付与する。「付与」とは、例えば、キーワードに関連付けて、位置情報をメモリ装置103又は補助記憶装置102に記憶することをいう。
表示間隔決定部14は、スケルトンマップの視認性を考慮して、スケルトンマップの表示時におけるキーワード間の表示間隔の推奨値を決定する。より詳しくは、表示間隔決定部14は、関係を有する単語の数が多いキーワードに関しては、他のキーワードと出来るだけ離れるように、表示間隔の推奨値を決定する。また、表示間隔決定部14は、関係を有する単語の数の少ないキーワードに関しては、他のキーワードに近接することを許容して、表示間隔の推奨値を決定する。すなわち、表示間隔の推奨値は、キーワードごとに決定される。
表示方向決定部15は、表示間隔決定部14において決定されたキーワード間の表示間隔を参考にして、製品の表示方向を決定する。製品の表示方向は、製品を見る方向若しくは角度、又は製品の姿勢であるともいえる。製品を2次元平面上に表示した場合の各部品間の表示間隔は、製品の表示方向によって変化する。このことは、各部品に対応するキーワード間の表示間隔は、製品の表示方向に依存することを意味する。そこで、表示方向決定部15は、表示間隔決定部14において決定されたキーワード間の表示間隔の推奨値に対する差が出来るだけ小さい状態において各キーワードが表示されるように、製品の表示方向を決定する。
但し、表示方向は、理論上、無限に存在する。したがって、本実施の形態では、視点情報記憶部24が記憶する視点情報の一覧に基づいて表示方向が決定される。視点情報とは、製品の形状情報の座標系において、製品に対する視点を示す座標値をいう。
表示制御部16は、スケルトンマップ情報に基づいて、スケルトンマップを表示装置106に表示させる。表示制御部16は、製品の形状図を表示させ、当該形状図に対してスケルトンマップを重畳させて表示させる。製品の形状図は、表示方向決定部15によって決定された表示方向において、当該製品の形状を示す図である。スケルトンマップに含まれる各キーワードは、製品の形状図上において、対応する部品の位置に表示される。
以下、情報処理装置10が実行する処理手順について説明する。図3は、情報処理装置が実行する処理手順の概要の一例を説明するためのフローチャートである。
ステップS101において、スケルトンマップ生成部11は、分析対象情報を分析し、スケルトンマップ情報を生成する。生成されたスケルトンマップ情報は、例えば、メモリ装置103又は補助記憶装置102に記憶される。
図4は、分析対象情報の一例を示す図である。図4において、分析対象情報の各レコードは、番号、車名、及び苦情情報等を含む。
番号は、各レコードの識別情報である。車名は、苦情の対象とされた車の名前である。すなわち、本実施の形態では、車が製品の一例とされている。苦情情報は、苦情の内容がテキスト化された文書情報である。
なお、分析対象情報の形式は、図4に示されるものに限定されない。例えば、文の羅列であってもよい。
また、図5は、スケルトンマップ情報の構成例を示す図である。図5は、一つのキーワードに関するスケルトンマップ情報を示す。したがって、キーワードごとに、図5に示されるような情報が生成される。なお、一つのキーワードに関するスケルトンマップ情報を、以下、「キーワード情報」という。以下においてスケルトンマップ情報というとき、各キーワードのキーワード情報の集合をいう。
キーワード情報には、当該キーワードと、当該キーワードに対して関係を有する単語とが含まれる。各単語には、キーワードとの関係の強さが関連付けられている。関係の強さの一例としては、共起回数や「単語の連想関係によるテキストマイニング(情報処理学会第55回 情報学基礎研究会資料(1999)、渡部 勇、三木 和男)」における関連度等が挙げられる。但し、他の指標が関係の強さとして用いられてもよい。
なお、図5において、<>によって囲まれた部分は、実際に生成されるスケルトンマップ情報において、具体的なキーワード、単語、又は関係の強さを示す値等によって置き換えられる。車に関しては、例えば、ステアリング、ブレーキ等、車の各部品の名前がキーワードとされる。
続いて、対応部品判定部12は、部品・キーワード対応情報記憶部22を参照して、各キーワードに関して、対応する部品を判定する(S102)。
図6は、部品・キーワード対応情報記憶部の構成例を示す図である。図6において、部品・キーワード対応情報記憶部22は、部品ごとに、部品番号、部品名称、及び一以上のキーワード等を記憶する。
部品番号及び部品名称は、部品の識別情報である。部品番号又は部品名称以外の情報であって、製品情報記憶部23が記憶する製品情報において、各部品の識別情報として用いられている情報が、部品番号又は部品名称の代わりに記憶されてもよい。一以上のキーワードは、部品番号及び部品名称によって識別される部品を示すキーワードである。本実施の形態では、一つの部品が、複数の用語によって表現される可能性に鑑みて、一つの部品に対して一以上のキーワードが対応付けられている。
対応部品判定部12は、各キーワード情報に対して、当該キーワード情報に係るキーワードに対応する部品の部品名称を付与する。なお、部品名称の代わりに部品番号が付与されてもよい。
図7は、対応部品の判定処理後のキーワード情報の構成例を示す図である。図7に示されるように、キーワード情報には、部品名称が追加される。
続いて、キーワード位置付与部13は、製品情報記憶部23を参照して、図7に示される各キーワード情報に対して、位置情報を付与する(S103)。
図8は、製品情報記憶部が記憶する部品位置情報テーブルの構成例を示す図である。図8において、部品位置情報テーブル23Tは、部品ごとに、部品番号、部品名称、位置情報、及びサイズ情報等を記憶する。
部品番号及び部品名称は、上記した通りである。位置情報は、製品の形状情報の座標系における、部品の位置の座標値である。本実施の形態では、製品の形状情報が3次元である例を示す。したがって、部品の位置情報は、3次元の座標値とされている。サイズ情報は、部品の各部の寸法等を示す情報である。
キーワード位置付与部13は、例えば、各キーワード情報の部品名称を、当該部品名称に対応付けて部品位置情報テーブル23Tに記憶されている位置情報に置換することにより、各キーワード情報に対して位置情報を付与する。その結果、キーワード情報の構成は、図9に示されるように変化する。
図9は、位置情報の付与後のキーワード情報の構成例を示す図である。図9に示されるキーワード情報では、図7に示されるキーワード情報の部品名称が、位置情報に置換されている。
続いて、表示間隔決定部14は、キーワードごとに、他のキーワードとの表示間隔の推奨値を決定する(S104)。表示間隔決定部14は、各キーワードのキーワード情報に対して、当該キーワードに関して決定された推奨値を付与する。
図10は、表示間隔の付与後のキーワード情報の構成例を示す図である。図10に示されるキーワード情報には、推奨表示間隔が追加されている。推奨表示間隔は、他のキーワードとの表示間隔の推奨値である。
続いて、表示方向決定部15は、各キーワードの推奨表示間隔に基づいて、製品の表示方向を決定する(S105)。
続いて、表示制御部16は、製品情報記憶部23が記憶する製品の形状情報に基づいて製品の形状図を表示装置106に表示させ、更に、スケルトンマップ情報に基づくスケルトンマップを、当該形状図に重畳させて表示装置106に表示させる(S106)。
図11は、スケルトンマップの表示例を示す図である。図11において、製品の形状図は、表示方向決定部15によって決定された表示方向における製品の形状を示す。また、スケルトンマップに含まれる各キーワードは、当該キーワードのキーワード情報が含む位置情報を、当該形状図の座標系に対応させた位置に配置される。位置情報を当該形状図の座標系に対応させた位置とは、当該位置情報を、当該座標系の座標値に変換させた位置をいう。その結果、スケルトンマップの各キーワードは、当該キーワードに対応する部品上又は当該部品の近辺に表示される。したがって、ユーザは、或るキーワードが、どこに配置されているのかを、容易に予測することができる。例えば、ステアリングに関する問題又は苦情等を把握したいユーザは、キーワードとしての「ステアリング」の探索範囲を、形状図におけるステアリングの周辺に限定することができる。その結果、ユーザは、スケルトンマップを構成するキーワードを一つずつ目で追わなくても、注目するキーワードを迅速に見つけることができ、当該キーワードに関係する単語を把握することができる。
図11において、4方向への矢印を含む図形A1は、表示方向を変更させるためのものである。すなわち、図形A1におけるいずれかの矢印に対するマウスクリック等に応じ、当該矢印の方向に、表示方向が移動してもよい。この際、移動先の表示方向は、必ずしも視点情報記憶部24が記憶する視点情報に拘束されなくてもよい。すなわち、当該視点情報よりも細かい単位で、表示方向の移動が行われてもよい。
なお、製品の形状図は、必ずしも表示されなくてもよい。すなわち、スケルトンマップは、必ずしも当該形状図に重畳されなくてもよい。製品の形状図が表示されなくても、製品の表示方向が分かっていれば、ユーザは、製品における各部品の位置関係に照らして、スケルトンマップの各キーワードの位置を容易に予測することができるからである。
また、キーワードに関係を有する各単語の位置は、任意の方法によって決定されてよい。例えば、他の単語又はキーワードと重畳しない位置が選択されてもよいし、公知のスケルトンマップの生成方法において利用されている他の方法によって単語の位置が決定されてもよい。
続いて、ステップS102の詳細について説明する。図12は、キーワードに対応する部品の判定処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
ステップS201において、対応部品判定部12は、スケルトンマップ生成部11によって生成されたスケルトンマップ情報の中で、未処理の一つのキーワード情報を処理対象とする。未処理とは、ステップS203以降に関して処理対象とされていないことをいう。以下、処理対象とされたキーワード情報を、「対象キーワード情報」という。なお、この段階でのキーワード情報は、例えば、図5に示される構成を有する。
対象キーワード情報が取得された場合、すなわち、未処理のキーワード情報が残っていた場合(S202でYes)、対応部品判定部12は、対象キーワードに一致するキーワードを含むレコードを、図4の部品・キーワード対応情報記憶部22より検索する(S203)。該当するレコードが検索されない場合(S204でNo)、他の未処理のキーワード情報に関して、ステップ201以降が繰り返される。
該当するレコードが検索された場合(S204でYes)、対応部品判定部12は、当該レコードより部品名称を取得する(S205)。続いて、対応部品判定部12は、当該部品名称を、対象キーワード情報に付与する(S206)。その結果、対象キーワード情報の構成は、例えば、図7に示されるように変化する。
スケルトンマップ情報に含まれる全てのキーワード情報に関して処理が終了すると(S202でNo)、図12の処理は終了する。
続いて、図3のステップS103の詳細について説明する。図13は、キーワードに対する位置情報の付与処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
ステップS301において、キーワード位置付与部13は、対応部品判定部12によって部品名称が付与されたキーワード情報の中で、未処理の一つのキーワード情報を処理対象とする。未処理とは、ステップS303以降に関して処理対象とされていないことをいう。以下、処理対象とされたキーワード情報を、「対象キーワード情報」という。なお、この段階でのキーワード情報は、例えば、図7に示される構成を有する。
対象キーワード情報が取得された場合、すなわち、未処理のキーワード情報が残っていた場合(S302でYes)、キーワード位置付与部13は、対象キーワード情報に含まれている部品名称に対応付けられている位置情報を、図8に示される部品位置情報テーブル23Tより取得する(S303)。位置情報が取得されない場合(S304でNo)、他の未処理のキーワード情報に関して、ステップ301以降が繰り返される。
位置情報が取得された場合(S304でYes)、キーワード位置付与部13は、対象キーワード情報に対して当該位置情報を付与する(S305)。具体的には、対象キーワード情報の部品名称が、当該位置情報によって置換される。その結果、対象キーワード情報の構成は、例えば、図9に示されるように変化する。
処理対象とされうる全てのキーワード情報に関して処理が終了すると(S302でNo)、図13の処理は終了する。
続いて、図3のステップS104の詳細について説明する。図14は、キーワード間の推奨表示間隔の判定処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
ステップS401において、表示間隔決定部14は、キーワード位置付与部13によって位置情報が付与されたキーワード情報の中で、未処理の一つのキーワード情報を処理対象とする。未処理とは、ステップS403以降に関して処理対象とされていないことをいう。以下、処理対象とされたキーワード情報を、「対象キーワード情報」という。なお、この段階でのキーワード情報は、例えば、図9に示される構成を有する。
対象キーワード情報が取得された場合、すなわち、未処理のキーワード情報が残っていた場合(S402でYes)、表示間隔決定部14は、対象キーワード情報に含まれている単語の数を数える(S403)。すなわち、対象キーワード情報に係るキーワードに対して関係を有する単語の数が計数される。
続いて、表示間隔決定部14は、対象キーワード情報に係るキーワードに関して推奨表示間隔を算出する(S404)。推奨表示間隔は、例えば、以下の式(1)を利用して算出される。
推奨表示間隔=単語数×α ・・・(1)
ここで、単語数は、ステップS403において計数された単語数である。式(1)によれば、単語数が大きければ大きいほど、推奨表示間隔は大きくなる。スケルトンマップが表示された際において、関係を有する単語数が多いキーワードの近辺には、多くの単語が配置される可能性が高い。そのようなキーワードは、他のキーワードとの表示間隔を大きくした方が、各キーワードの視認性は向上すると考えられるからである。したがって、式(1)では、単語数に比例して推奨表示間隔が大きくなるようにされている。
αは、例えば、予め設定される係数である。係数αは、例えば、製品の形状情報が示すサイズに基づいて、表示間隔を、製品の形状図上において適切なスケールに調整するための係数である。
また、係数αは、表示装置106の解像度が考慮されて決定されてもよい。具体的には、キーワード又は単語を示す文字列のサイズの単位がドットである場合、解像度が高いほど、キーワード及び単語の表示サイズは小さくなる。そうすると、キーワードの表示間隔を小さくしたとしても、各キーワードが重なり合う可能性は小さくなる。そこで、解像度が高いほど、推奨表示間隔は小さくなり、解像度が低いほど、推奨表示間隔は大きくなるように係数αが調整されてもよい。
なお、本実施の形態では、推奨表示間隔の単位は、製品の形状情報の座標系における単位として算出される。但し、推奨表示間隔の単位は、ドット数であってもよい。
続いて、表示間隔決定部14は、対象キーワード情報に対して、算出された推奨表示間隔を付与する(S405)。その結果、対象キーワード情報の構成は、例えば、図10に示されるように変化する。
処理対象とされうる全てのキーワード情報に関して処理が終了すると(S402でNo)、図14の処理は終了する。
続いて、図3のステップS105の詳細について説明する。図15は、表示方向の決定処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
ステップS501において、表示方向決定部15は、視点情報記憶部24から、一つの視点情報を取得する。
図16は、視点情報記憶部の構成例を示す図である。図16において、視点情報記憶部24は、視点ごとに、当該視点の座標値を記憶する。座標値は、製品の形状情報の座標系の座標値である。ステップS501では、一つの視点の座標値が視点情報として取得される。以下、取得された視点情報を、「対象視点情報」という。なお、視点の位置は、製品の外側であってもよいし、内側であってもよい。また、視点情報には、視点の座標値とともに、視線の方向を示すベクトルが含まれてもよい。この場合、後述されるベクトルには、当該視線の方向を示すベクトルが用いられればよい。
対象視点情報が取得された場合、すなわち、未処理の視点情報が残っていた場合(S502でYes)、表示方向決定部15は、視点情報を始点とし、所定の位置を終点とするベクトルに直交する2次元平面を、製品の形状情報の投影面とする。表示方向決定部15は、各キーワード情報の位置情報が示す位置が、当該投影面に投影された場合の座標値を算出する(S503)。すなわち、製品の形状情報の3次元座標系における位置情報の座標値が、当該投影面の2次元座標系における座標値に変換される。なお、ベクトルの終点としては、例えば、製品の形状情報の3次元座標系の原点又は製品の重心位置等、当該3次元座標系において、所定の位置が選択されればよい。
続いて、表示方向決定部15は、一つのキーワード情報を処理対象として取得する(S504)。以下、処理対象とされたキーワード情報を、「対象キーワード情報」という。対象キーワード情報が取得された場合、すなわち、ステップS506及びS507に関して未処理のキーワード情報が残っていた場合(S505でYes)、表示方向決定部15は、対象キーワード情報に係るキーワードと、他のキーワード情報に係るキーワードとの、上記投影面上における距離を算出する(S506)。すなわち、当該距離の算出には、上記投影面上における座標値が用いられる。
図17は、投影面上におけるキーワード間の距離を説明するための図である。図17には、車c1に対して、キーワードが配置されている。これは、各キーワードに対して、それぞれに対応する部品の位置情報が付与されている状態を、概念的に示すものである。
図17ではまた、車c1の左側に位置する視点p1を視点とするベクトルv1の方向から、車c1の右側の投影面s1に車c1が投影された場合の、各キーワードの位置が示されている。ここでいう「左側」及び「右側」は、図中における左右方向ではなく、車c1を基準とした左右方向である。
図17において、対象キーワード情報に係るキーワードは、「ブレーキ」であるとする。この場合、投影面s1上における、「ブレーキ」と「右タイヤ」との距離r1、「ブレーキ」と「油圧」との距離r2、「ブレーキ」と「ハンドル」との距離r3とが算出される。なお、他にもキーワードが有る場合は、「ブレーキ」と他のキーワードとの距離が算出される。
表示方向決定部15は、算出された各距離を、対象キーワード情報に付与する。その結果、対象キーワード情報の構成は、例えば、図18に示されるように変化する。
図18は、他のキーワードとの距離の算出後のキーワード情報の構成例を示す図である。図18に示されるように、キーワード情報には、他の各キーワードとの距離が追加される。図18では、当該距離は、r1,r2,r3、・・・・rnによって表現されている。nの値は、他のキーワードの数によって決まる。
続いて、表示方向決定部15は、対象視点情報に係る視点に関して、対象キーワード情報の推奨表示間隔に対する適合度を算出する(S507)。すなわち、投影面上における、対象キーワード情報に係るキーワードと他のキーワードとの距離が、対象キーワード情報の推奨表示間隔に適合する度合いが、所定の算出方法によって、当該適合度として算出される。
ステップS506及びS507が、処理対象とされうる全てのキーワード情報に関して実行されると(S505でNo)、表示方向決定部15は、キーワード情報ごとに算出された適合度の総和を算出し、算出結果を、対象視点情報に付与する(S508)。
続いて、未処理の次の視点情報が対象視点情報とされて(S501)、ステップS502以降が実行される。その結果、視点情報ごとに適合度が付与される。
全ての視点情報に関して処理が完了すると(S502でNo)、表示方向決定部15は、視点情報ごとの適合度を比較して、視点情報を選択する(S509)。続いて、表示方向決定部15は、選択された視点情報を、例えば、メモリ装置103又は補助記憶装置102等に記憶する(S510)。
図3のステップS106では、記憶された視点情報に基づいて定まる表示方向において、製品の形状情報及びスケルトンマップが表示される。すなわち、当該視点情報が示す視点を始点とし、所定の位置を終点とするベクトルと直交する投影面に対して投影された状態で、製品の形状情報及びスケルトンマップが、図11に例示したように表示される。
続いて、図15のステップS507の詳細について説明する。図19は、推奨表示間隔に対する視点の適合度の算出処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
ステップS601において、表示方向決定部15は、対象キーワード情報より、他のキーワードとの距離を一つ取得する。例えば、図10の例では、まず、r1が取得される。取得された距離を、以下「対象距離」という。対象距離が取得された場合、すなわち、未処理の距離が残っていた場合(S602でYes)、表示方向決定部15は、対象キーワード情報の推奨表示間隔よりも対象距離が小さいか否かを判定する(S603)。
対象キーワード情報の推奨表示間隔よりも対象距離が小さい場合(S603でYes)、表示方向決定部15は、対象距離に関して、当該推奨表示間隔に対する適合度f1を算出する(S605)。適合度f1は、例えば、当該推奨表示間隔と対象距離との差分の絶対値が大きければ大きいほど、小さい値となるように算出される。例えば、当該差分の絶対値の逆数が、適合度f1とされてもよい。
続いて、表示方向決定部15は、変数Nの値に1を加算する(S605)。変数Nは、対象キーワード情報の推奨表示間隔よりも小さな距離の数を格納するための変数であり、図19の処理の開始時において「0」に初期化される。続いて、表示方向決定部15は、変数F1に対して適合度f1を加算する(S606)。変数F1は、対象キーワード情報の推奨表示間隔よりも小さな距離に関する適合度f1の総和を格納するための変数であり、図19の処理の開始時において「0」に初期化される。
一方、対象距離が、対象キーワード情報の推奨表示間隔以上である場合(S603でNo)、表示方向決定部15は、対象距離に関して、当該推奨表示間隔に対する適合度f2を算出する(S607)。適合度f2は、例えば、当該推奨表示間隔と対象距離との差分の絶対値が大きければ大きいほど、小さい値となるように算出される。例えば、当該差分の絶対値の逆数が、適合度f2とされてもよい。
続いて、表示方向決定部15は、変数F2に対して適合度f2を加算する(S606)。変数F2は、対象キーワード情報の推奨表示間隔以上の距離に関する適合度f2の総和を格納するための変数であり、図19の処理の開始時において「0」に初期化される。
対象キーワード情報に含まれている、他のキーワードとの距離の全てに関して処理が終了すると(S602でNo)、表示方向決定部15は、適合度F1、適合度f1の個数N、及び適合度F2を対象キーワード情報に付与する(S609)。その結果、対象キーワード情報の構成は、例えば、図20に示されるように変化する。
図20は、適合度の付与後のキーワード情報の構成例を示す図である。図6に示されるように、対象キーワード情報には、適合度F1、適合度f1の個数N、及び適合度F2が追加される。
なお、図15のステップS508においては、適合度F1、適合度f1の個数N、及び適合度F2ごとに、総和が算出され、対象視点情報に付与される。それぞれの総和を、以下、「適合度F1総和」、「個数N総和」、「適合度F2総和」という。
続いて、図15のステップS509の詳細について説明する。図21は、視点情報の選択処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
ステップS701において、表示方向決定部15は、適合度F1総和等が付与された視点情報の中から、個数N総和の小さい順にn個の視点情報を抽出する。その結果、単語同士が重なる可能性が相対的に小さい視点に係る視点情報が抽出される。すなわち、個数N総和は、推奨表示間隔よりも小さい距離の数である。斯かる数が小さい視点は、当該視点におけるキーワード間の距離のうち、推奨表示間隔よりも近い距離が少ない視点であるといえる。したがって、当該視点によれば、狭い領域に多くの単語が密集する可能性が少ない視点であるといえる。よって、当該視点は、単語同士が重なる可能性の小さい視点であるといえる。なお、nの値は、任意の値でよい。例えばn=10でもよい。
続いて、表示方向決定部15は、抽出されたn個の視点情報の中から、適合度F1総和の大きい順にm個の視点情報を抽出する(S702)。その結果、キーワードが重なる可能性が相対的に小さい視点に斯かる視点情報が抽出される。すなわち、適合度F1総和は、推奨表示間隔よりも小さい距離に関する適合度の総和である。したがって、適合度F1総和が大きい視点は、キーワード間の距離に関して、推奨表示間隔よりも近い度合いが小さい視点であるといえる。よって、当該視点は、キーワードが重なる可能性が相対的に小さい視点であるといえる。なお、mの値は、m<nの条件を満たす任意の値でよい。例えばm=5でもよい。
続いて、表示方向決定部15は、抽出されたm個の視点情報の中から、適合度F2総和が最大である視点情報を選択する(S703)。ステップS703において選択された視点情報は、図15のステップS510において記憶され、図3のステップS106において、製品及びスケルトンマップの表示に用いられる。
ステップS703の結果、キーワード間の間隔が大きくなり過ぎない視点に係る視点情報が選択される。すなわち、適合度F2総和は、推奨表示間隔以上の距離に関する適合度の総和である。したがって、適合度F2総和が大きい視点は、キーワード間の距離に関して、推奨表示間隔よりも遠い度合いが小さい視点であるといえる。よって、当該視点は、キーワード間の間隔が大きくなり過ぎない視点であるといえる。
但し、キーワード間の距離が遠い状態は、キーワード間の距離が近い状態に比べて、スケルトンマップのキーワード及び単語の視認性の劣化に対する影響は小さい。したがって、ステップS703は実行されなくてもよい。この場合、ステップS702において、適合度F1総和が最大である視点情報が選択されればよい。
また、最終的に選択される視点情報は一つに限定されなくてもよい。所定数の視点情報が選択され、当該所定数の視点情報に係る視点の中から、ユーザの操作によって、視点が変更可能とされてもよい。
また、視点情報の選択方法は、上記に限定されない。例えば、キーワード同士又は単語同士が重なる数が視点ごとに算出され、当該数が最も小さい視点情報が選択されてもよい。
更に、当初から、視点の自動選択は実行されなくてもよい。例えば、製品の形状が表示されている状態において、ユーザの操作に応じて製品を回転させつつ、視点が選択されてもよい。この場合、当該視点に基づく表示方向において製品の形状情報が投影される投影面に対して、スケルトンマップを構成する各キーワードの位置情報が変換されればよい。
また、視点情報記憶部24が記憶する視点情報ごとに、ユーザの操作によって視点が選択されてもよい。この場合も、当該視点に基づく表示方向において製品の形状情報が投影される投影面に対して、スケルトンマップを構成する各キーワードの位置情報が変換されればよい。
また、一つの視点情報が予め設定され、当該視点情報に基づく表示方向が採用されてもよい。
但し、キーワード及び単語の視認性を考慮して表示方向が自動的に決定されることにより、ユーザの操作負担を軽減することができる。
なお、視点情報記憶部24が記憶する視点情報を用いる場合、視点情報ごとに、投影面に投影された状態の製品の形状図を示すデータが予め生成され、補助記憶装置102等に記憶されていてもよい。この場合、記憶装置の容量の消費量は増加するが、製品の形状図の表示処理の高速化を期待することができる。
上述したように、本実施の形態によれば、スケルトンマップを構成する各キーワードの表示位置は、当該スケルトンマップの抽出元である文書情報が対象とする物品を構成する部品の中で当該キーワードに対応する部品の位置に基づいて決定される。したがって、スケルトンマップ上において、各キーワードの配置位置の予測性を高めることができる。その結果、ユーザは、注目するキーワードを迅速に見つけ出すことができ、当該キーワードに関する分析結果を迅速に把握することができる。
また、表示方向が自動選択又は手動選択されることにより、スケルトンマップを構成するキーワード及び単語を見易い状態で、スケルトンマップを表示させることができる。すなわち、本実施の形態では、各キーワードの表示位置は、対応する部品の位置によって拘束される。したがって、一般的なスケルトンマップに比べて、各キーワードの表示位置に関する自由度は小さくなってしまう。このことは、キーワードや単語が重なる可能性が増加することを意味する。本実施の形態では、キーワードの位置を部品に対応させることによって生じる斯かる不都合についても、解消できる可能性を高めることができる。
なお、本実施の形態において、対応部品判定部12は、判定部の一例である。部品・キーワード対応情報記憶部22は、対応情報記憶部の一例である。部品位置情報テーブル23Tは、位置情報記憶部の一例である。キーワード位置付与部13は、付与部の一例である。表示制御部16は、表値位置決定部の一例である。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。