以下、図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。
図1は、実施形態のモデル計測装置の機能的構成例を示している。図1のモデル計測装置101は、記憶部111、計測部112、及び出力部113を含む。
記憶部111は、第1の3次元モデルに含まれる第1の形状を計測する計測操作の特徴を示す計測操作特徴情報と、第2の3次元モデルの形状データとを記憶する。計測部112は、記憶部111に記憶されている計測操作特徴情報と形状データとを用いて、実施形態に係る処理を実行する機能的なユニットである。
図2は、図1のモデル計測装置101が行うモデル計測処理の例を示すフローチャートである。まず、計測部112は、記憶部111を参照し、第2の3次元モデルの形状データを用いて、第2の3次元モデルから第1の形状と類似する第2の形状を抽出する(ステップ201)。次に、計測部112は、記憶部111を参照し、計測操作特徴情報に基づいて第2の形状を計測する(ステップ202)。そして、出力部113は、第2の形状の計測結果を出力する(ステップ203)。
このようなモデル計測装置101によれば、3次元モデルの計測において安定した計測結果を得ることができる。また、3次元モデルの形状変更や構成変更があった場合でも、計測対象となる形状を再度指定することなく一定の計測結果が得られるため、作業者の負荷が軽減される。
図3は、図1のモデル計測装置101の具体例を示している。図3のモデル計測装置101は、記憶部111、計測部112、出力部113、及び入力部301を含み、計測部112は、抽出部311、検索部312、及び再現部313を含む。モデル計測装置101は、例えば、作業者がチェックリスト等に基づいて製品の構造設計を検証する際に、CAD上で3次元モデルを計測しながら検証条件が満たされるか否かを確認する場合に用いられる。
図4は、図3の記憶部111が記憶する情報の例を示している。図4の記憶部111は、形状データ401、計測操作情報402、計測操作情報403、特徴定義情報404、検証条件405、及び計測操作特徴情報406を記憶する。
形状データ401は、3次元モデルに含まれる1つ以上の形状を規定するデータであり、例えば、複数の頂点の位置と、それらの頂点の間のエッジの情報を含む。形状データ401は、複数のエッジで囲まれる面の情報を含むこともある。3次元モデルは、単一の形状である場合もあり、アセンブリモデルのように、2つ以上の形状の組み合わせである場合もある。
計測操作情報402及び計測操作情報403は、3次元モデルに含まれる形状を計測する作業者の計測操作を示す情報である。計測操作情報402は、例えば、第1の3次元モデルに含まれる第1の形状を計測する計測操作を示し、計測操作情報403は、例えば、第2の3次元モデルに含まれる第2の形状を計測する計測操作を示す。
特徴定義情報404は、計測操作の特徴を定義するために用いられる情報である。特徴定義情報404は、例えば、計測種別テーブル、要素テーブル、要素関係テーブル、及び配置条件テーブルを含むことができる。
計測種別テーブルは、計測対象の形状の計測対象量の種別である計測種別を定義するテーブルであり、例えば、図5に示すような情報を含む。図5の計測種別テーブルは、項目番号と計測種別を含む。計測種別としては、“最短距離”、“投影距離”、“半径”、“角度”、“面積”、“体積”等が用いられる。例えば、項目番号“1”の計測種別は“最短距離”である。
要素テーブルは、形状に含まれる構成要素を定義するテーブルであり、例えば、図6に示すような情報を含む。図6の要素テーブルは、項目番号と要素名を含む。要素名としては、“重心”、“面”、“エッジ”、“軸”、“頂点”、“幾何学中心”等が用いられる。例えば、項目番号“2”の要素名は“面”である。
要素関係テーブルは、2つの要素の間の相対的な位置関係を定義するテーブルであり、例えば、図7に示すような情報を含む。図7の要素関係テーブルは、項目番号、要素の関係、要素1、及び要素2を含む。要素1及び要素2は、図6の要素テーブルにおける項目番号を表し、要素の関係は、要素1及び要素2が示す2つの要素名の間の相対的な位置関係を表す。相対的な位置関係には、2つの要素名の間の姿勢の関係も含まれる。例えば、項目番号“1”の要素の関係は“法線が真逆”であり、項目番号“4”の要素の関係は“最も近い面”である。要素名が“面”の場合、法線は面の法線に対応する。
配置条件テーブルは、3次元モデルにおける要素の配置を定義するテーブルであり、例えば、図8に示すような情報を含む。図8の配置条件テーブルは、項目番号、配置条件、及び要素を含む。要素は、図6の要素テーブルにおける項目番号を表し、配置条件は、3次元モデルにおける要素の配置を表す。例えば、項目番号“1”の配置条件は“モデルの外周部分に要素がある”であり、項目番号“3”の配置条件は“モデルの内部に要素がある”である。モデルの外周部分は、3次元モデルの外部から観察される表面部分を表し、モデルの内部は、3次元モデルの外部から観察されない隠れた部分を表す。
検証条件405は、計測対象量に対して適用される検証条件を表し、例えば、図9に示すような検証項目テーブルを含む。図9の検証項目テーブルは、項目番号と検証項目を含む。例えば、項目番号“1”の検証項目は“外周部分の隙間の寸法を5mm以上にする”である。
計測操作特徴情報406は、計測操作の特徴を示す情報であり、抽出部311により計測操作情報402から抽出される。計測操作特徴情報405は、例えば、図10に示すような計測操作特徴テーブルを含む。図10の計測操作特徴テーブルは、検証項目と特徴を含み、特徴は、計測種別、要素の組み合わせ、要素の関係、形状の組み合わせ、配置条件、及び計測値を含む。
検証項目は、図9の検証項目テーブルにおいて、計測操作に対応する検証項目の項目番号を表し、計測種別は、図5の計測種別テーブルにおいて、計測操作により選択された計測種別に対応する項目番号を表す。要素の組み合わせは、図7の要素関係テーブルにおいて、計測操作により選択された2つの要素の組み合わせに対応する、要素1と要素2の組み合わせを表す。
要素の関係は、図7の要素関係テーブルにおいて、計測操作により選択された2つの要素の関係に対応する項目番号を表し、形状の組み合わせは、計測操作により選択された形状の組み合わせの形状データを表す。配置条件は、図8の配置条件テーブルにおいて、計測操作により選択された要素の配置条件に対応する項目番号を表し、計測値は、計測操作により計測された計測対象量の計測値を表す。
計測操作特徴情報406は、さらに、形状間の干渉を示す情報や、形状に対応する部品の属性情報(硬さ、導電性等)を含むことができる。
入力部301は、外部から入力される3次元モデルの形状データ401、計測操作情報402、計測操作情報403、及び検証項目を記憶部111に格納する。計測部112は、計測操作情報402又は計測操作情報403に従って、3次元モデルに含まれる形状を計測し、計測値を記憶部111に格納する。
計測部112の抽出部311は、形状データ401と計測操作情報402とから計測操作特徴情報406を抽出し、記憶部111に格納する。検索部312は、新たな計測対象の3次元モデルに含まれる形状の中から、計測操作特徴情報406の形状の組み合わせに含まれる形状と類似する形状を検索する。再現部313は、計測操作特徴情報406に基づいて、新たな計測対象の3次元モデルに含まれる類似する形状を計測することで、過去の作業者が行った計測操作を再現し、計測結果を記憶部111に格納する。
出力部113は、例えば、表示装置、プリンタ、又はネットワーク接続装置である。出力部113が表示装置である場合、出力部113は、計測結果を画面上に表示し、出力部113がプリンタである場合、出力部113は、計測結果を紙媒体に印刷して出力する。
出力部113がネットワーク接続装置である場合、出力部113は、計測結果を通信ネットワークに出力し、その通信ネットワークに接続された情報処理装置(コンピュータ)等へ計測結果が送信される。情報処理装置は、受信した計測結果を表示装置又はプリンタを介して表示又は印刷することができる。
例えば、熟練者の計測操作の特徴を示す計測操作特徴情報406を利用して、新たな計測対象の類似する形状を検出し、計測操作を再現することで、熟練者の観点に基づく安定した計測結果を得ることができる。また、3次元モデルの形状変更や構成変更があった場合でも、計測対象となる形状を再度指定することなく一定の計測結果が得られるため、作業者の負荷が軽減される。
次に、図11から図19までを参照しながら、図3のモデル計測装置101が行う特徴情報生成処理について説明する。
図11乃至図13は、特徴情報生成処理の例を示すフローチャートである。まず、作業者は、検証項目を入力部301に入力し、入力部301は、入力された検証項目を記憶部111に格納する(図11のステップ1101)。
次に、作業者は、計測対象の3次元モデルの形状データを入力部301に入力し、入力部301は、入力された形状データを形状データ401として記憶部111に格納する(ステップ1102)。
例えば、図14に示すような製品Aのアセンブリモデルが3次元モデルとして入力された場合、アセンブリモデルに含まれる複数の部品モデルの形状データが形状データ401として格納される。
次に、作業者は、3次元モデルに対する計測操作を入力部301に入力し、入力部301は、入力された計測操作に対応する計測操作情報402を記憶部111に格納する(ステップ1103)。
例えば、図15に示すように、作業者が、図14のアセンブリモデルに含まれる部品モデルXの面S1と、部品モデルYの面S2との最短距離を計測した場合、図16のような計測操作情報402が時系列に入力される。そして、計測部112は、計測操作情報402に従って、面S1と面S2との最短距離を計測し、最短距離の計測値“5mm”を計測操作情報402の一部として記憶部111に格納する。
次に、抽出部311は、入力された検証項目を検証条件405として記憶部111に格納し、その検証項目の情報を計測操作特徴テーブルに追加する(ステップ1104)。
例えば、“外周部分の隙間の寸法を5mm以上にする”という検証項目が入力された場合、抽出部311は、図17に示すように、検証項目テーブルの項目番号“1”の検証項目として、“外周部分の隙間の寸法を5mm以上にする”を格納する。そして、抽出部311は、図18に示すように、計測操作特徴テーブルの最下行の検証項目として、項目番号“1”を追加する。
次に、抽出部311は、計測操作情報402に基づいて、計測操作により選択された形状の組み合わせの形状データを計測操作特徴テーブルに追加する(ステップ1105)。
図16の計測操作情報402が入力された場合、抽出部311は、選択された形状の組み合わせが部品モデルXと部品モデルYであると判定し、形状データ401から部品モデルXと部品モデルYの形状データを抽出する。そして、抽出部311は、図18の計測操作特徴テーブルの最下行の形状の組み合わせとして、部品モデルXと部品モデルYの形状データを追加する。
次に、抽出部311は、計測操作情報402に基づいて、計測操作により選択された計測種別を計測操作特徴テーブルに追加する(ステップ1106)。
図16の計測操作情報402が入力された場合、抽出部311は、選択された計測種別が“最短距離”であると判定し、図5の計測種別テーブルから“最短距離”に対応する項目番号“1”を抽出する。そして、抽出部311は、図18の計測操作特徴テーブルの最下行の計測種別として、項目番号“1”を追加する。
次に、抽出部311は、計測操作情報402から、計測操作により選択された計測箇所を抽出し(図12のステップ1107)、形状データ401から、抽出した計測箇所に対応するジオメトリ情報を抽出する(ステップ1108)。そして、抽出部311は、抽出したジオメトリ情報に基づいて、計測箇所の要素の組み合わせを計測操作特徴テーブルに追加する(ステップ1109)。
ジオメトリ情報は、頂点、エッジ、面等の要素を、3次元空間の座標系で表現する情報である。例えば、頂点のジオメトリ情報は、頂点の座標を含み、エッジのジオメトリ情報は、エッジの両端の頂点の座標を含むことができる。また、面のジオメトリ情報は、周囲の複数の頂点の座標と、頂点間の接続情報と、面の法線方向を示す情報とを含むことができる。
図16の計測操作情報402が入力された場合、抽出部311は、計測箇所の識別情報として面S1と面S2を抽出し、形状データ401から面S1と面S2に対応するジオメトリ情報を抽出する。そして、抽出部311は、それらのジオメトリ情報に基づいて、計測箇所の要素が面であると判定し、図6の要素テーブルから“面”に対応する項目番号“2”を抽出する。そして、抽出部311は、図18の計測操作特徴テーブルの最下行の要素の組み合わせとして、項目番号“2,2”を追加する。
次に、抽出部311は、ジオメトリ情報に基づいて、要素と3次元モデルとの相対的な位置関係を求め(ステップ1110)、求めた位置関係に該当する配置条件が配置条件テーブルに存在するか否かをチェックする(ステップ1111)。そして、求めた位置関係に該当する配置条件が配置条件テーブルに存在する場合(ステップ1111,YES)、抽出部311は、その配置条件を計測操作特徴テーブルに追加する(ステップ1112)。
例えば、ステップ1109において計測箇所の要素が面であると判定した場合、抽出部311は、図8の配置条件テーブルから要素“2”に対応する配置条件として、“モデルの外周部分に要素がある”及び“モデルの内部に要素がある”を抽出する。そして、面S1及び面S2のジオメトリ情報を用いて、面S1及び面S2と3次元モデル全体との相対的な位置関係を計算し、抽出した配置条件と比較する。
この例では、図19に示すように、面S1の1つ以上の頂点と面S2の1つ以上の頂点がモデルの外周部分に存在するため、“モデルの外周部分に要素がある”という配置条件に該当すると判定される。そこで、抽出部311は、図18の計測操作特徴テーブルの最下行の配置条件として、“モデルの外周部分に要素がある”に対応する項目番号“1”を追加する。
次に、抽出部311は、ジオメトリ情報に基づいて、2つの要素の間の相対的な位置関係を計測操作特徴テーブルに追加する(図13のステップ1113)。
抽出部311は、例えば、図19の面S1及び面S2のジオメトリ情報から、面S1と面S2の間の相対的な位置関係を求める。この場合、面S1の法線方向1901と面S2の法線方向1902とが逆方向であり、面S1に最も近い面が面S2であり、面S2に最も近い面が面S1であることが分かる。
そこで、抽出部311は、図7の要素関係テーブルの要素の関係のうち、要素1及び要素2がともに面に対応する項目番号“2”であるものを参照し、該当する要素の関係として“法線方向が真逆”及び“最も近い面”を抽出する。そして、抽出部311は、図18の計測操作特徴テーブルの最下行の要素の関係として、“法線方向が真逆”に対応する項目番号“1”と“最も近い面”に対応する項目番号“4”とを追加する。
次に、抽出部311は、計測操作情報402に基づいて、計測操作により計測された計測値を計測操作特徴テーブルに追加する(ステップ1114)。
図16の計測操作情報402が入力された場合、抽出部311は、計測操作情報402から計測値“5mm”を抽出し、図18の計測操作特徴テーブルの最下行の計測値として“5mm”を追加する。こうして、図18の計測操作特徴テーブルの最下行のエントリが生成される。
ステップ1111において位置関係に該当する配置条件が配置条件テーブルに存在しない場合(ステップ1111,NO)、抽出部311は、配置条件を計測操作特徴テーブルに追加することなく、ステップ1113以降の処理を行う。
次に、図20から図33までを参照しながら、図3のモデル計測装置101が行うモデル計測処理について説明する。
図20乃至図23は、モデル計測処理の例を示すフローチャートである。まず、作業者は、計測対象の3次元モデルの形状データを入力部301に入力し、入力部301は、入力された形状データを形状データ401として記憶部111に格納する(図20のステップ2001)。
例えば、図24に示すような製品Bのアセンブリモデルが3次元モデルとして入力された場合、アセンブリモデルに含まれる部品モデルVと部品モデルWの形状データが形状データ401として格納される。
次に、作業者は、3次元モデルに対する計測操作を入力部301に入力し、入力部301は、入力された計測操作に対応する計測操作情報403を記憶部111に格納する(ステップ2002)。
例えば、作業者が、図24のアセンブリモデルに含まれる部品モデルVの面S3と、部品モデルWの面S4との最短距離を計測した場合、図25のような計測操作情報403が時系列に入力される。そして、計測部112は、計測操作情報403に従って、面S3と面S4との最短距離を計測し、最短距離の計測値“6mm”を計測操作情報403の一部として記憶部111に格納する。
次に、再現部313は、形状データ401から、入力された3次元モデルの形状データを抽出し(ステップ2003)、計測操作特徴テーブルから形状の組み合わせを抽出する(ステップ2004)。そして、再現部313は、抽出した3次元モデルの形状データと形状の組み合わせとを、検索部312に転送する(ステップ2005)。検索部312は、3次元モデルに含まれる形状の中から、形状の組み合わせと類似する形状を検索して、検索結果を再現部313に転送する(ステップ2006)。
検索部312は、例えば、特許文献2に記載された情報検索方法を用いて、ある形状と類似する形状を検索することができる。この場合、検索部312は、3次元モデルに含まれる形状の特徴量と、計測操作特徴テーブルに含まれる形状の特徴量との類似度を計算し、類似度が所定値以上であるとき、2つの形状が類似すると判定する。
図24の3次元モデルが入力された場合、再現部313は、その3次元モデルの形状データと、図18の計測操作特徴テーブルに含まれる形状の組み合わせとを、検索部312に転送する。そして、検索部312は、図24の3次元モデルに含まれる形状の中から、図18の計測操作特徴テーブルの最下行の形状の組み合わせと類似する、部品モデルV及び部品モデルWの組み合わせを抽出し、検索結果として再現部313に転送する。この場合、検索結果には、部品モデルV及び部品モデルWの組み合わせとともに、図18の計測操作特徴テーブルの最下行のエントリを示す情報が含まれる。
次に、再現部313は、計測操作特徴テーブルから、検索結果に対応する要素の組み合わせを抽出し(ステップ2007)、抽出した要素の組み合わせに対応する要素名を含む要素名リストを生成する(ステップ2008)。
検索結果が図18の計測操作特徴テーブルの最下行のエントリを示している場合、再現部313は、そのエントリから要素の組み合わせ“2,2”を抽出し、図6の要素テーブルから項目番号“2”に対応する要素名“面”を抽出する。そして、再現部313は、図26に示すような要素名リストを生成する。図26の要素名リストは、抽出された要素の組み合わせに対応する、図6の要素テーブルの項目番号“2”と要素名“面”とを含む。
次に、再現部313は、3次元モデルの形状データに含まれるジオメトリ情報のうち、要素名リストに含まれる要素名に対応するジオメトリ情報を抽出し、抽出したジオメトリ情報を含む要素抽出リストを生成する(ステップ2009)。そして、再現部313は、要素名リストに含まれる要素名に対応するすべての要素のジオメトリ情報を抽出したか否かをチェックし(ステップ2010)、未抽出の要素がある場合(ステップ2010,NO)、ステップ2009の処理を繰り返す。
図26の要素名リストが生成された場合、再現部313は、3次元モデルの形状データに含まれるすべての面のジオメトリ情報を含む、図27に示すような要素抽出リストを生成する。図27の要素抽出リストの各エントリは、図6の要素テーブルの項目番号“2”と各面のジオメトリ情報とを含み、各面のジオメトリ情報は、複数の頂点の座標と、頂点間の接続情報と、面の法線方向とを含む。
すべての要素のジオメトリ情報を抽出した場合(ステップ2010,YES)、再現部313は、計測操作特徴テーブルから、検索結果に対応する1つ以上の配置条件を抽出する(図21のステップ2011)。そして、再現部313は、抽出した配置条件を含む配置条件リストを生成する(ステップ2012)。
検索結果が図18の計測操作特徴テーブルの最下行のエントリを示している場合、再現部313は、そのエントリから配置条件“1”を抽出する。次に、再現部313は、図8の配置条件テーブルから、項目番号“1”に対応する配置条件“モデルの外周部分に要素がある”及び要素“2”を抽出する。そして、再現部313は、配置条件“モデルの外周部分に要素がある”及び要素“2”を含む、図28のような配置条件リストを生成する。
次に、再現部313は、配置条件リストから1つのエントリを抽出し(ステップ2013)、要素抽出リストから、抽出したエントリの要素に対応するジオメトリ情報を抽出する(ステップ2014)。
次に、再現部313は、抽出したジオメトリ情報のうち、抽出したエントリの配置条件に対応するジオメトリ情報を抽出し(ステップ2015)、対応するジオメトリ情報が抽出されたか否かをチェックする(ステップ2016)。そして、対応するジオメトリ情報が抽出された場合(ステップ2016,YES)、再現部313は、そのジオメトリ情報を配置条件一致リストに追加する(ステップ2017)。
図28の配置条件リストが生成された場合、再現部313は、配置条件“モデルの外周部分に要素がある”及び要素“2”を抽出し、図27の要素抽出リストから、項目番号“2”に対応するジオメトリ情報を抽出する。次に、再現部313は、抽出したジオメトリ情報と3次元モデルとの相対的な位置関係を求め、配置条件“モデルの外周部分に要素がある”に対応するジオメトリ情報を抽出する。そして、抽出したジオメトリ情報を含む、図29に示すような配置条件一致リストを生成する。
次に、再現部313は、配置条件リストのすべてのエントリを抽出したか否かをチェックし(ステップ2018)、未抽出のエントリがある場合(ステップ2018,NO)、ステップ2013以降の処理を繰り返す。また、配置条件に対応するジオメトリ情報が抽出されなかった場合(ステップ2016,NO)、再現部313は、ステップ2018以降の処理を行う。
配置条件リストのすべてのエントリを抽出した場合(ステップ2018,YES)、再現部313は、計測操作特徴テーブルから、検索結果に対応する要素の関係を抽出する(図22のステップ2019)。そして、再現部313は、要素関係テーブルから、抽出した要素の関係に対応する要素の関係と要素とを抽出し、抽出した要素の関係と要素とを含む要素関係リストを生成する(ステップ2020)。
検索結果が図18の計測操作特徴テーブルの最下行のエントリを示している場合、再現部313は、そのエントリから要素の関係“1,4”を抽出する。次に、再現部313は、図7の要素関係テーブルから、項目番号“1”に対応する要素の関係“法線が真逆”と、要素1“2”と、要素2“2”とを抽出する。また、再現部313は、図7の要素関係テーブルから、項目番号“4”に対応する要素の関係“最も近い面”と、要素1“2”と、要素2“2”とを抽出する。そして、抽出した要素の関係、要素1、及び要素2を含む、図30に示すような要素関係リストを生成する。
次に、再現部313は、要素関係リストから1つのエントリを抽出し(ステップ2021)、配置条件一致リストから、抽出したエントリの要素1及び要素2に対応するジオメトリ情報を抽出する(ステップ2022)。そして、再現部313は、抽出したジオメトリ情報の組み合わせを含むジオメトリ情報組み合わせリストを生成する。
次に、再現部313は、ジオメトリ情報組み合わせリストに含まれるジオメトリ情報の組み合わせを、抽出したエントリの要素の関係に対応する組み合わせに絞り込む(ステップ2023)。
図30の要素関係リストが生成された場合、再現部313は、1番目のエントリの要素の関係“法線が真逆”と、要素1“2”と、要素2“2”とを抽出し、図29の配置条件一致リストから、項目番号“2”に対応するジオメトリ情報を抽出する。この場合、図29の配置条件一致リストのすべてのジオメトリ情報が抽出される。そして、再現部313は、項目番号“2”に対応するジオメトリ情報の組み合わせを含むジオメトリ情報組み合わせリストを生成する。
次に、再現部313は、要素の関係“法線が真逆”に対応するジオメトリ情報の組み合わせを残し、“法線が真逆”に対応しないジオメトリ情報の組み合わせを削除して、ジオメトリ情報の組み合わせを絞り込む。これにより、図31に示すようなジオメトリ情報組み合わせリストが生成される。
次に、再現部313は、絞り込まれたジオメトリ情報組み合わせリストが空であるか否かをチェックし(ステップ2024)、ジオメトリ情報組み合わせリストが空である場合(ステップ2024,YES)、処理を終了する。一方、ジオメトリ情報組み合わせリストが空でない場合(ステップ2024,NO)、再現部313は、要素関係リストのすべてのエントリを抽出したか否かをチェックする(ステップ2025)。
未抽出のエントリがある場合(ステップ2025,NO)、再現部313は、要素関係リストから次のエントリを抽出する(ステップ2026)。次に、再現部313は、ジオメトリ情報組み合わせリストに含まれるジオメトリ情報の組み合わせを、抽出したエントリの要素1及び要素2に対応する組み合わせに絞り込む(ステップ2027)。そして、再現部313は、ステップ2023以降の処理を繰り返す。
図30の要素関係リストの2番目のエントリが未抽出である場合、再現部313は、2番目のエントリの要素の関係“最も近い面”と、要素1“2”と、要素2“2”とを抽出する。そして、再現部313は、図31のジオメトリ情報組み合わせリストを、項目番号“2”と項目番号“2”の組み合わせに絞り込む。この場合、図31のジオメトリ情報組み合わせリストのすべてのジオメトリ情報の組み合わせが残される。
そして、再現部313は、要素の関係“最も近い面”に対応するジオメトリ情報の組み合わせを残し、“最も近い面”に対応しないジオメトリ情報の組み合わせを削除して、ジオメトリ情報の組み合わせをさらに絞り込む。
このような処理を繰り返し、要素関係リストのすべてのエントリを抽出した場合(ステップ2025,YES)、再現部313は、計測操作特徴テーブルから、検索結果に対応する計測種別を抽出する(図23のステップ2028)。そして、再現部313は、計測種別テーブルから、抽出した計測種別に対応する計測種別を抽出する(ステップ2029)。
検索結果が図18の計測操作特徴テーブルの最下行のエントリを示している場合、再現部313は、そのエントリから計測種別“1”を抽出し、図5の計測種別テーブルから、項目番号“1”に対応する計測種別“最短距離”を抽出する。
次に、再現部313は、ジオメトリ情報組み合わせリストから1つのエントリを抽出し(ステップ2030)、抽出したエントリのジオメトリ情報の組み合わせを用いて、抽出した計測種別の計測対象量を計測する(ステップ2031)。そして、再現部313は、計測操作情報403に基づく計測結果と計測操作特徴テーブルに基づく計測結果との差異を表示するか否かを問い合わせる情報を、出力部113を介して出力する。
ここで、計測操作情報403に基づく計測結果は、ステップ2002において、計測操作情報403に従って行われた計測の結果を表す。一方、計測操作特徴テーブルに基づく計測結果は、ステップ2031において、計測操作特徴テーブルに基づいて再現された計測操作に従って行われた計測の結果を表す。再現部313は、問い合わせに対して作業者が入力した指示が、差異を表示する旨の指示であるか否かをチェックする(ステップ2032)。
入力された指示が差異を表示する旨の指示である場合(ステップ2032,YES)、再現部313は、計測操作情報403に基づく計測結果と計測操作特徴テーブルに基づく計測結果とを比較する(ステップ2034)。そして、再現部313は、2つの計測結果に差異がある場合、両方の計測結果を示す表示情報を生成し、2つの計測結果に差異がない場合、計測操作特徴テーブルに基づく計測結果を示す表示情報を生成する。このとき、再現部313は、計測操作特徴テーブルから、検索結果に対応する計測値を抽出して、その計測値を表示情報に含めてもよい。
一方、入力された指示が差異を表示しない旨の指示である場合(ステップ2032,NO)、再現部313は、計測操作特徴テーブルに基づく計測結果を示す表示情報を生成する(ステップ2033)。このとき、再現部313は、計測操作特徴テーブルから、検索結果に対応する計測値を抽出して、その計測値を表示情報に含めてもよい。
次に、再現部313は、ジオメトリ情報組み合わせリストのすべてのエントリを抽出したか否かをチェックし(ステップ2035)、未抽出のエントリがある場合(ステップ2035,NO)、ステップ2030以降の処理を繰り返す。そして、ジオメトリ情報組み合わせリストのすべてのエントリを抽出した場合(ステップ2035,YES)、再現部313は、生成した表示情報を出力部113へ出力する(ステップ2036)。これにより、表示情報が示す計測結果が画面上に表示される。
差異を表示する旨の指示が入力された場合、例えば、図32に示すような計測結果が表示される。図32は、図24の3次元モデルに対する計測結果を示しており、計測値3201及び計測値3203は、インロー部の隙間の計測値を表す。計測値3202は、肉厚の計測値を表し、計測値3204〜計測値3207は、ボスのピッチの計測値を表す。
計測値3201の“6mm”は、計測操作情報403に基づく計測結果に対応し、計測値3201の“5mm”は、計測操作特徴テーブルに基づく計測結果に対応する。例えば、計測操作特徴テーブルが熟練者の計測操作の特徴を示している場合、作業者は、自分が計測した計測値“6mm”が熟練者の計測操作に基づく計測値“5mm”と異なっていることを認識できる。
計測値3204及び計測値3205は、計測操作情報403に基づく計測結果に対応し、計測値3202、計測値3203、計測値3206、及び計測値3207は、計測操作特徴テーブルに基づく計測結果に対応する。したがって、作業者は、自分が計測した計測箇所が熟練者の計測操作に基づく計測箇所と異なっていることを認識できる。
一方、差異を表示しない旨の指示が入力された場合、例えば、図33に示すような計測結果が表示される。図33の計測値3301は、図32の計測値3201の“5mm”に対応する。この場合、計測操作特徴テーブルに基づく計測結果のみが表示され、計測操作情報403に基づく計測結果は表示されない。
ステップ2033及びステップ2034において、検証項目を問い合わせる情報を出力し、作業者が選択した検証項目に対応する計測結果のみを示す表示情報を生成することも可能である。
図20のステップ2006において、検索部312は、計測操作特徴テーブルに登録された形状と類似する形状を検索する代わりに、計測操作特徴テーブルに登録された形状の部分形状と類似する部分形状を含む形状を検索することも可能である。そこで、図34から図44までを参照しながら、図3のモデル計測装置101が部分形状を利用して3次元モデルを計測する処理について説明する。
図34及び図35は、部分形状の情報を計測操作特徴情報406として登録する部分形状登録処理の例を示すフローチャートである。この部分形状登録処理は、図11乃至図13の特徴情報生成処理において、図11のステップ1105の処理の代わりに行われる。
まず、抽出部311は、計測操作情報402から、1つの部品モデルの計測操作情報を抽出し(図34のステップ3401)、抽出した部品モデルの計測操作情報に基づいて、形状データ401から部品モデルの形状データを抽出する(ステップ3402)。
次に、抽出部311は、抽出した部品モデルの計測操作情報から、計測箇所の要素情報を抽出し(ステップ3403)、抽出した要素情報に基づいて、部品モデルの形状データから、計測箇所の要素を含む部分形状の形状データを抽出する(ステップ3404)。
例えば、図16の計測操作情報402が入力された場合、図36に示すように、抽出部311は、計測操作情報402から部品モデルXの計測操作情報3601を抽出し、計測操作情報3601から部品モデルXの形状データ3602を抽出する。そして、抽出部311は、計測操作情報3601から面S1を示す要素情報3603を抽出し、部品モデルXの形状データ3602から、面S1を含む部分形状の形状データ3604を抽出する。
このとき、抽出部311は、例えば、図37に示すように、部品モデルXの形状データ3602を破線3711により切断することで、部分形状の形状データ3604を抽出することができる。
次に、抽出部311は、部品モデルの形状データと部分形状の形状データとを、計測操作特徴情報406に含まれる形状テーブルに登録し(図35のステップ3405)、登録した形状データの情報を計測操作特徴テーブルに登録する(ステップ3406)。
部品モデルXの形状データ3602と部分形状の形状データ3604とが抽出された場合、抽出部311は、図38に示すような形状テーブルの項目番号“1”の全体形状として、部品モデルXの形状データ3602を登録する。そして、抽出部311は、項目番号“1”の部分形状として、部分形状の形状データ3604を登録し、図39に示すように、計測操作特徴テーブルの形状の組み合わせの情報として、形状テーブルの項目番号“1”を登録する。
次に、抽出部311は、計測操作情報402からすべての部品モデルの計測操作情報を抽出したか否かをチェックし(ステップ3407)、未抽出の部品モデルがある場合(ステップ3407,NO)、ステップ3401以降の処理を繰り返す。そして、すべての部品モデルの計測操作情報を抽出した場合(ステップ3407,YES)、抽出部311は、図11のステップ1106以降の処理を行う。
図16の計測操作情報402が入力された場合、抽出部311は、計測操作情報402から部品モデルYの計測操作情報を抽出し、抽出した計測操作情報から、図37に示すような部品モデルYの形状データ3701を抽出する。そして、抽出部311は、抽出した計測操作情報から面S2を示す要素情報を抽出し、部品モデルYの形状データ3701から、面S2を含む部分形状の形状データ3702を抽出する。このとき、抽出部311は、例えば、部品モデルYの形状データ3701を破線3712により切断することで、部分形状の形状データ3702を抽出することができる。
次に、抽出部311は、図38の形状テーブルの項目番号“2”の全体形状として、部品モデルYの形状データ3701を登録し、項目番号“2”の部分形状として、部分形状の形状データ3702を登録する。そして、抽出部311は、図39の計測操作特徴テーブルの形状の組み合わせの情報として、形状テーブルの項目番号“2”を登録する。
図40乃至図42は、形状テーブルに登録された部分形状と類似する部分形状を検索する部分形状検索処理の例を示すフローチャートである。この部分形状検索処理は、図20乃至図23のモデル計測処理において、図20のステップ2006の処理の代わりに行われる。
まず、検索部312は、再現部313から転送された形状の組み合わせから、1つの項目番号を抽出し(図40のステップ4001)、形状テーブルから、抽出した項目番号に対応する全体形状と部分形状とを抽出する(ステップ4002)。そして、検索部312は、再現部313から転送された3次元モデルに含まれる形状の中から、抽出した全体形状と類似する1つ以上の類似形状を検索する(ステップ4003)。
次に、検索部312は、検索した1つ以上の類似形状から1つの類似形状を抽出し(図41のステップ4004)、抽出した類似形状から、抽出した部分形状と類似する類似部分形状を検索する(ステップ4005)。そして、検索部312は、得られた類似部分形状を、記憶部111内の部分形状リストに追加する(ステップ4006)。
検索部312は、例えば、特許文献2に記載された情報検索方法を用いて、ある部分形状と類似する部分形状を検索することができる。この場合、検索部312は、類似形状に含まれる部分形状の特徴量と、形状テーブルから抽出した部分形状の特徴量との類似度を計算し、類似度が所定値以上であるとき、2つの部分形状が類似すると判定する。
次に、検索部312は、1つ以上の類似形状からすべての類似形状を抽出したか否かをチェックし(ステップ4007)、未抽出の類似形状がある場合(ステップ4007,NO)、ステップ4004以降の処理を繰り返す。そして、すべての類似形状を抽出した場合(ステップ4007,YES)、検索部312は、形状の組み合わせからすべての項目番号を抽出したか否かをチェックする(図42のステップ4008)。
未抽出の項目番号がある場合(ステップ4008,NO)、検索部312は、ステップ4001以降の処理を繰り返し、すべての項目番号を抽出した場合(ステップ4008,YES)、検索部312は、部分形状リストを再現部313に転送する(ステップ4009)。
例えば、再現部313から、図24の3次元モデルの形状データと図39の形状の組み合わせ“1,2”とが転送された場合、検索部312は、形状の組み合わせ“1,2”から項目番号“1”及び項目番号“2”を1つずつ抽出する。
項目番号“2”を抽出した場合、検索部312は、図43に示すように、形状テーブルから、項目番号“2”に対応する全体形状である、部品モデルYの形状データ3701を抽出する。また、検索部312は、項目番号“2”に対応する部分形状の形状データ3702を抽出する。
次に、検索部312は、図24の3次元モデルの中から、部品モデルYの全体形状と類似する類似形状を検索し、部品モデルWを類似形状として抽出する。そして、検索部312は、部品モデルWの形状データ4301と部分形状の形状データ3702とを用いて、部品モデルWから部分形状と類似する類似部分形状を検索する。形状データ4311及び形状データ4312は、検索された2つの類似部分形状の形状データを表している。検索部312は、類似部分形状の形状データ4311及び形状データ4312を、図44に示すような部分形状リストに追加する。
同様にして、検索部312は、図24の3次元モデルの中から、項目番号“1”に対応する部品モデルXと類似する類似形状を検索し、類似形状から、項目番号“1”に対応する部分形状と類似する類似部分形状を検索する。そして、検索部312は、検索された類似部分形状の形状データを部分形状リストに追加する。
再現部313は、図20のステップ2009以降の処理において、3次元モデルの形状データの代わりに、検索部312から転送された部分形状リストに含まれる部分形状の形状データを使用することができる。例えば、ステップ2009において、再現部313は、部分形状リストに含まれる部分形状の形状データからジオメトリ情報を抽出し、抽出したジオメトリ情報を含む要素抽出リストを生成する。
このように、部分形状を利用して計測操作特徴テーブルに含まれる形状と類似する形状を検索することで、計測対象のジオメトリ情報をより詳細に絞り込むことが可能になり、作業者が計測結果の要否を判断する作業負荷が軽減される。
ところで、図20のステップ2004において、再現部313は、検証条件405を利用して計測操作特徴テーブルから形状の組み合わせを抽出することも可能である。そこで、図45から図52までを参照しながら、検証条件405を利用して3次元モデルを計測する構成及び動作について説明する。
図45は、検証条件405を利用して3次元モデルを計測するモデル計測装置101の具体例を示している。図45の計測部112は、図3の計測部112に判定部4501を追加した構成を有する。
図46は、図45の記憶部111が記憶する情報の例を示している。図46の記憶部111は、図44の記憶部111が記憶する情報に加えて、検証条件4601を記憶する。検証条件4601は、図20乃至図23のモデル計測処理において、作業者により入力される検証条件を表し、例えば、図49に示すような検証項目リストを含む。図49の検証項目リストは、複数の検証項目を含む。
判定部4501は、検証条件405と検証条件4601とを比較し、比較結果を再現部313に転送する。
図47及び図48は、検証条件405と検証条件4601とを比較して形状の組み合わせを抽出する形状抽出処理の例を示すフローチャートである。この形状抽出処理は、図20乃至図23のモデル計測処理において、図20のステップ2004の処理の代わりに行われる。
まず、作業者は、1つ以上の検証項目を含む検証項目リストを入力部301に入力し(図47のステップ4701)、入力部301は、入力された検証項目リストを、検証条件4601として記憶部111に格納する(ステップ4702)。そして、再現部313は、検証項目リストを判定部4501に転送する(ステップ4703)。
次に、判定部4501は、検証項目リストから1つの検証項目を抽出し(ステップ4704)、抽出した検証項目からキーワードを抽出する(ステップ4705)。判定部4501は、形態素解析等の技術を用いてキーワードを抽出することができる。
例えば、図49の検証項目リストが入力され、検証項目“外周の隙間寸法が3mm以上であること”が抽出された場合、図50に示すように、判定部4501は、その検証項目からキーワード“外周”、“隙間”、“寸法”、及び“以上”を抽出する。
次に、判定部4501は、検証条件405に含まれる検証項目テーブルから、抽出したキーワードを含む検証項目を抽出し(ステップ4706)、抽出検証項目リストに追加する(図48のステップ4707)。
例えば、記憶部111が図9の検証項目テーブルを記憶している場合、判定部4501は、抽出されたキーワード“外周”、“隙間”、“寸法”、及び“以上”をすべて含む検証項目“外周部分の隙間の寸法を5mm以上にする”を抽出する。図51は、図9の検証項目テーブルの項目番号及び検証項目と、キーワードとの対応関係を示している。
そして、判定部4501は、図52に示すような抽出検証項目リストに、抽出した検証項目“外周部分の隙間の寸法を5mm以上にする”と、その検証項目の項目番号“1”とを追加する。
次に、判定部4501は、検証項目リストからすべての検証項目を抽出したか否かをチェックし(ステップ4708)、未抽出の検証項目がある場合(ステップ4708,NO)、ステップ4704以降の処理を繰り返す。そして、すべての検証項目を抽出した場合(ステップ4708,YES)、判定部4501は、抽出検証項目リストを再現部313に転送する(ステップ4709)。
図50に示すように、図9の検証項目テーブルの検証項目“ツメ部分の隙間が3mm以上であること”からは、キーワード“ツメ”、“隙間”、及び“以上”が抽出される。また、検証項目“パッキンのつぶし量が5mm確保されていること”からは、キーワード“パッキン”、“つぶし”、“量”、及び“確保”が抽出される。さらに、検証項目“ネジの嵌め合い長さが10mm以上確保されていること”からは、キーワード“ネジ”、“嵌め合い”、“長さ”、及び“確保”が抽出される。そして、図51の対応関係に基づいて、図52の抽出検証項目リストが生成され、再現部313に転送される。
次に、再現部313は、計測操作特徴テーブルから、抽出検証項目リストに含まれる検証項目に対応する特徴を抽出し(ステップ4710)、抽出した特徴から形状の組み合わせを抽出する(ステップ4711)。
図52の抽出検証項目リストが転送された場合、再現部313は、図18の計測操作特徴テーブルから、検証項目“1”及び検証項目“2”に対応する特徴を抽出し、それらの特徴から形状の組み合わせを抽出する。
再現部313は、図20のステップ2005以降の処理において、計測操作特徴テーブルに含まれるすべての形状の組み合わせの代わりに、抽出検証項目リストに対応する形状の組み合わせを使用することができる。
このように、検証条件405と検証条件4601とを比較して形状の組み合わせを抽出することで、計測対象の形状の組み合わせをより詳細に絞り込むことが可能になり、作業者が計測結果の要否を判断する作業負荷が軽減される。
図1、図3、及び図45のモデル計測装置101の構成は一例に過ぎず、モデル計測装置101の用途や条件に応じて一部の構成要素を省略又は変更してもよい。例えば、形状データ401、計測操作情報402、計測操作情報403、特徴定義情報404、検証条件405、及び検証条件4601があらかじめ記憶部111に格納されている場合は、入力部301を省略することができる。また、計測操作特徴情報406があらかじめ生成されて記憶部111に格納されている場合は、抽出部311を省略することができる。
図14及び図24の3次元モデルは一例に過ぎず、モデル計測装置101の用途や条件に応じて変更してもよい。例えば、図14又は図24のアセンブリモデルの代わりに、3つ以上の部品モデルを含むアセンブリモデルを3次元モデルとして用いてもよく、単一の部品モデルを3次元モデルとして用いてもよい。
図4〜図10、図16〜図18、図25〜図31、図38、図39、図44、図46、及び図49〜図52の各種情報は一例に過ぎず、モデル計測装置101の用途や条件に応じて省略又は変更してもよい。例えば、図5の計測種別テーブル、図6の要素テーブル、図7の要素関係テーブル、図8の配置条件テーブル、又は図9の検証項目テーブルのうち、いずれか1つ以上のテーブルを省略してもよい。また、これらのテーブル又は図49の検証項目リストに登録される情報の一部を省略又は変更してもよい。
図16及び図25の計測操作情報は、計測対象の3次元モデルと作業者による計測操作とに応じて変化する。
図10、図18、又は図39の計測操作特徴テーブルにおいて、検証項目を省略してもよく、特徴に含まれる計測種別、要素の組み合わせ、要素の関係、形状の組み合わせ、配置条件、又は計測値のうち、いずれか1つ以上の情報を省略してもよい。
図2、図11〜図13、図20〜図23、図34、図35、図40〜図42、図47、及び図48のフローチャートは一例に過ぎず、モデル計測装置101の構成や条件に応じて一部の処理を省略又は変更してもよい。例えば、計測操作特徴テーブルから検証項目を省略する場合は、図11のステップ1101及びステップ1104の処理を省略することができる。
計測操作特徴テーブルから計測種別を省略する場合は、図11のステップ1106と図23のステップ2028及びステップ2029の処理を省略することができる。計測操作特徴テーブルから要素の関係を省略する場合は、図13のステップ1113と図22のステップ2019〜ステップ2027の処理を省略することができる。計測操作特徴テーブルから配置条件を省略する場合は、図12のステップ1110〜ステップ1112と図21のステップ2011〜ステップ2018の処理を省略することができる。計測操作特徴テーブルから計測値を省略する場合は、図13のステップ1114の処理を省略することができる。
図20〜図23のモデル計測処理において、作業者が3次元モデルの計測操作を行わない場合は、図20のステップ2002と図23のステップ2032及びステップ2034の処理を省略することができる。計測操作特徴情報406があらかじめ生成されて記憶部111に格納されている場合は、図11〜図13の特徴情報生成処理を省略することができる。
図1、図3、及び図45のモデル計測装置101は、例えば、図53に示すような情報処理装置を用いて実現可能である。
図53の情報処理装置は、Central Processing Unit(CPU)5301、メモリ5302、入力装置5303、出力装置5304、補助記憶装置5305、媒体駆動装置5306、及びネットワーク接続装置5307を備える。これらの構成要素はバス5308により互いに接続されている。
メモリ5302は、例えば、Read Only Memory(ROM)、Random Access Memory(RAM)、フラッシュメモリ等の半導体メモリであり、処理に用いられるプログラム及びデータを格納する。メモリ5302は、記憶部111として用いることができる。
CPU5301(プロセッサ)は、例えば、メモリ5302を利用してプログラムを実行することにより、図1、図3、及び図45の計測部112、抽出部311、検索部312、再現部313、及び判定部4501として動作する。
入力装置5303は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス等であり、ユーザ又は作業者からの指示や情報の入力に用いられる。出力装置5304は、例えば、表示装置、プリンタ、スピーカ等であり、ユーザ又は作業者への問い合わせや処理結果の出力に用いられる。処理結果には3次元モデルの計測結果を示す情報が含まれ、出力装置5304は、出力部113として用いることができる。
補助記憶装置5305は、例えば、磁気ディスク装置、光ディスク装置、光磁気ディスク装置、テープ装置等である。この補助記憶装置5305には、ハードディスクドライブも含まれる。情報処理装置は、補助記憶装置5305にプログラム及びデータを格納しておき、それらをメモリ5302にロードして使用することができる。補助記憶装置5305は、記憶部111として用いることができる。
媒体駆動装置5306は、可搬型記録媒体5309を駆動し、その記録内容にアクセスする。可搬型記録媒体5309は、メモリデバイス、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク等である。この可搬型記録媒体5309には、Compact Disk Read Only Memory(CD−ROM)、Digital Versatile Disk(DVD)、Universal Serial Bus(USB)メモリ等も含まれる。ユーザ又は作業者は、この可搬型記録媒体5309にプログラム及びデータを格納しておき、それらをメモリ5302にロードして使用することができる。
このように、処理に用いられるプログラム及びデータを格納するコンピュータ読み取り可能な記録媒体には、メモリ5302、補助記憶装置5305、及び可搬型記録媒体5309のような、物理的な(非一時的な)記録媒体が含まれる。
ネットワーク接続装置5307は、Local Area Network(LAN)、インターネット等の通信ネットワークに接続され、通信に伴うデータ変換を行う通信インタフェースである。ネットワーク接続装置5307は、出力部113として用いることができる。
情報処理装置は、ネットワーク接続装置5307を介して、ユーザ端末から処理要求を受信し、処理結果である3次元モデルの計測結果を示す情報をユーザ端末へ送信することができる。情報処理装置は、プログラム及びデータを外部の装置からネットワーク接続装置5307を介して受け取り、それらをメモリ5302にロードして使用することもできる。
なお、情報処理装置が図53のすべての構成要素を含む必要はなく、用途や条件に応じて一部の構成要素を省略することも可能である。例えば、情報処理装置がユーザ端末から通信ネットワーク経由で処理要求を受信する場合は、入力装置5303及び出力装置5304を省略してもよい。
開示の実施形態とその利点について詳しく説明したが、当業者は、特許請求の範囲に明確に記載した本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更、追加、省略をすることができるであろう。
図1乃至図53を参照しながら説明した実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
第1の3次元モデルに含まれる第1の形状を計測する計測操作の特徴を示す計測操作特徴情報と、第2の3次元モデルの形状データとを記憶する記憶部と、
前記第2の3次元モデルの形状データを用いて、前記第2の3次元モデルから前記第1の形状と類似する第2の形状を抽出し、前記計測操作特徴情報に基づいて前記第2の形状を計測する計測部と、
前記第2の形状の計測結果を出力する出力部と、
を備えることを特徴とするモデル計測装置。
(付記2)
前記計測操作特徴情報は、前記第1の形状の計測対象量の種別を含み、前記計測部は、前記計測対象量の種別に対応する前記第2の形状の計測対象量を計測することを特徴とする付記1記載のモデル計測装置。
(付記3)
前記計測操作特徴情報は、前記第1の形状と前記第1の3次元モデルに含まれる第3の形状との組み合わせを示す情報を含み、前記計測部は、前記第1の形状と前記第3の形状との組み合わせに対応する、前記第2の形状と前記第2の3次元モデルに含まれる第4の形状との組み合わせを抽出し、前記第2の形状と前記第4の形状との間の計測対象量を計測することを特徴とする付記1記載のモデル計測装置。
(付記4)
前記計測操作特徴情報は、前記第1の形状と前記第3の形状との間の位置関係を示す情報をさらに含み、前記計測部は、前記第2の形状と前記第4の形状との間の位置関係が前記第1の形状と前記第3の形状との間の位置関係に対応するとき、前記第2の形状と前記第4の形状との組み合わせを抽出することを特徴とする付記3記載のモデル計測装置。
(付記5)
前記計測部は、前記第2の形状を計測する計測操作に基づいて前記第2の形状を計測し、前記出力部は、前記計測操作特徴情報に基づいて前記第2の形状を計測した計測結果とともに、前記第2の形状を計測する計測操作に基づいて前記第2の形状を計測した計測結果を出力することを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載のモデル計測装置。
(付記6)
前記記憶部は、前記第1の形状の一部を表す第1の部分形状の形状データをさらに記憶し、前記計測部は、前記第2の3次元モデルから前記第1の形状と類似する複数の形状を抽出し、前記第1の部分形状の形状データを用いて、前記複数の形状の中から前記第1の部分形状と類似する第2の部分形状を含む前記第2の形状を抽出することを特徴とする付記1乃至5のいずれか1項に記載のモデル計測装置。
(付記7)
前記計測操作特徴情報は、前記第1の形状の計測対象量に対して適用される第1の検証条件を含み、前記計測部は、前記第2の形状の計測対象量に対して適用される第2の検証条件が前記第1の検証条件に対応するとき、前記第2の形状を抽出することを特徴とする付記1乃至6のいずれか1項に記載のモデル計測装置。
(付記8)
前記計測部は、前記第2の検証条件に含まれるキーワードが前記第1の検証条件に含まれるキーワードに対応するとき、前記第2の形状を抽出することを特徴とする付記7記載のモデル計測装置。
(付記9)
コンピュータによって実行されるモデル計測方法であって、
第1の3次元モデルに含まれる第1の形状を計測する計測操作の特徴を示す計測操作特徴情報と、第2の3次元モデルの形状データとを記憶する記憶部を参照し、
前記第2の3次元モデルの形状データを用いて、前記第2の3次元モデルから前記第1の形状と類似する第2の形状を抽出し、
前記計測操作特徴情報に基づいて前記第2の形状を計測し、
前記第2の形状の計測結果を出力する、
ことを特徴とする図面生成方法。
(付記10)
第1の3次元モデルに含まれる第1の形状を計測する計測操作の特徴を示す計測操作特徴情報と、第2の3次元モデルの形状データとを記憶する記憶部を参照し、
前記第2の3次元モデルの形状データを用いて、前記第2の3次元モデルから前記第1の形状と類似する第2の形状を抽出し、
前記計測操作特徴情報に基づいて前記第2の形状を計測し、
前記第2の形状の計測結果を出力する、
処理をコンピュータに実行させるプログラム。