JP5779853B2 - 熱延鋼帯の製造方法及び熱延鋼帯の冷却設備 - Google Patents
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Description
ここで、熱延鋼帯は、組織の多くに未変態相(例えば、未変態オーステナイト)が存在した状態でコイラーに巻き取られると、未変態相の相変態時に発生する発熱(以下、変態発熱)によりコイルが膨張して巻き緩みが発生する。このように巻き緩みが発生したコイルをコイラーのマンドレルから抜き出すと、自重によって卵型に潰れてしまう。
また、例えば非特許文献1に記載されているように、コイルの巻き取りが完了した後、マンドレルに巻き付けたまま低速で3分間程度回転させて空冷し、コイルの変態発熱を抑制して潰れを防止する技術も知られている(第2のコイル潰れ防止技術)。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、歩留り率及び生産性を向上させながらコイルの潰れ発生を抑制することができる熱延鋼帯の製造方法及び熱延鋼帯の冷却設備を提供することを目的としている。
前記冷却工程は、前記熱延鋼帯を50℃/秒以上の冷却速度で急速に冷却する急速冷却工程と、この急速冷却工程の後に実施され、前記熱延鋼帯を前記急速冷却工程よりも緩やかな温度勾配で目標巻取温度まで冷却する緩冷却工程とからなり、さらに、前記緩冷却工程の後に、前記コイラーに巻き取られた前記コイルを所定時間の間、冷却保持するコイル冷却工程を有し、前記熱延鋼帯が高Mn系熱延鋼帯であり、前記急速冷却工程は、フェライトノーズ温度まで前記高Mn系熱延鋼帯を冷却し、前記緩冷却工程は、フェライト変態が促進するように緩やかな温度勾配で前記高Mn系熱延鋼帯を冷却する第1緩冷却工程と、ベイナイト生成領域に相変態する温度まで前記第1緩冷却工程より急な温度勾配で前記高Mn系熱延鋼帯を冷却する第2緩冷却工程と、を備えた方法である。
この発明によると、仕上圧延機で仕上げ圧延された後の熱延鋼帯が急速冷却工程及び緩冷却工程で冷却され、コイラーに巻き取られた前記コイルがコイル冷却工程で所定時間冷却保持されることで、コイラーに巻き取られたコイルは、変態(発熱)に起因する膨張による巻き緩みがほとんど発生しない。
この発明によると、コイル冷却工程においてコイルの剛性が高められているので、コイラーのマンドレルから抜き出したコイルが卵型に潰れるのが防止される。
この発明によると、冷却水の噴射によりコイルを冷却する従来の冷却方法と比較して、コイルの最外周の材料不良率が低下し、歩留り率が向上する。
この発明によると、コイルの潰れ防止が可能な熱延鋼帯の冷却設備となる。
また、本発明に係る熱延鋼帯の冷却設備によると、コイラーから抜き出したコイルの潰れを防止できる冷却設備を提供することができる。
図1は、本発明に係る熱延鋼帯の冷却設備の1実施形態を示す概略構成図である。
本実施形態の熱延鋼帯の冷却設備は、粗圧延機(不図示)で所定の厚みに圧延された粗バー(不図示)を所定厚みの熱延鋼帯1に仕上げ圧延する仕上圧延機2の出側に設置されて熱延鋼帯1を冷却する第1の冷却装置3と、第1の冷却装置2の下流側に設置されて熱延鋼帯1を冷却する第2の冷却装置4aと、第2の冷却装置4aの下流側に設置されて熱延鋼帯1を冷却する第3の冷却装置4bと、第3の冷却装置4bから搬送されてきた熱延鋼帯1を巻き取ってコイル5を製造するコイラー6と、コイラー6を内部に収容し、コイラー6に巻き取られているコイル5を冷却する第4の冷却装置7と、仕上圧延機2の出側の熱延鋼板1の表面温度を測定する温度計(所謂、仕上温度計)8と、第1の冷却装置3を通過した熱延鋼板1の表面温度を測定する温度計9と、第2の冷却装置4bを通過してコイラー6に巻き取られる直前の熱延鋼板1の表面温度を測定する温度計(所謂、巻取温度計)10と、第4の冷却装置7内の温度を測定する温度計11とを備えている。なお、図示しないが、第1及び第2冷却装置4a,4b内にも温度計(所謂、中間温度計)を設けてもよい。また、仕上圧延機2で仕上げ圧延された熱延鋼帯1は、ランナウトテーブル12上で搬送されながら第1の冷却装置3,第2の冷却装置4a及び第3の冷却装置4bにより冷却される。
第2の冷却装置4aは、第1の冷却装置3を通過した熱延鋼帯1を、空冷(放冷)、または冷却水で冷却制御する装置である。
第3の冷却装置4bは、第2の冷却装置4aを通過した熱延鋼帯1を、後述する目標巻取温度まで空冷(放冷)、または冷却水で冷却制御する装置である。
図2のTTT線図において、塊状(初析)フェライト変態開始線aで囲まれた領域が塊状(初析)フェライト生成領域Fpであり、針状フェライト変態開始線cで囲まれた領域が針状フェライト生成領域Fwであり、パーライト変態開始線eで囲まれた領域がパーライト生成領域Pであり、ベイナイト変態開始線dで囲まれた領域がベイナイト生成領域Bであり、マルテンサイト変態開始線fより下方の領域がマルテンサイト生成領域Mである。
本実施形態の高Mn系熱延鋼帯1の冷却方法は、図2に示すように、先ず、870℃の温度で搬入されてきた高Mn系熱延鋼帯1を、第1の冷却装置3により、t1秒間、フェライトノーズ温度TF(670℃)まで水冷、即ち、50℃/秒以上の冷却速度で急速水冷する(急速冷却工程)。
次いで、塊状フェライト生成領域Fpの温度まで冷却された高Mn系熱延鋼帯1を、第3の冷却装置4bにより、塊状フェライト生成領域Fpに相変態する温度からベイナイト生成領域Bに相変態する約540℃の目標巻取温度まで、(t3−t2)秒間、第2の冷却装置4aより急な温度勾配で冷却する(第2緩冷却工程)。
ここで、本発明の緩冷却工程が、第1緩冷却工程及び第2緩冷却工程に相当し、本発明の急速冷却手段が、第1の冷却装置3に相当し、本発明の緩冷却手段が、第2の冷却装置4a及び第3の冷却装置4bに相当し、本発明のコイル冷却手段が、第4の冷却装置7に相当する。
仕上圧延機2から流れてきた高Mn系熱延鋼帯1は、第1の冷却装置3により50℃/秒以上の冷却速度でフェライトノーズ温度TFまで急速に冷却され(急速冷却工程)、次いで、第2の冷却装置4aにより塊状フェライト生成領域Fpの通過時間を出来るだけ長くし、ランナウトテーブル12上でのフェライト変態が促進するように緩やかな温度勾配で冷却され(第1緩冷却工程)、次いで、第3の冷却装置4bによりベイナイト生成領域Bに相変態する温度まで冷却され(第2緩冷却工程)、高Mn系熱延鋼帯1は冷却工程の前半でオーステナイト領域から塊状フェライト生成領域への変態が促進されるので、コイラー6にコイル5として巻き取られるまでの高Mn系熱延鋼帯1に相対的に存在する未変態オーステナイト量が少なくなる。
本実施形態の高Mn系熱延鋼帯1の冷却方法及び冷却設備によると、急速冷却工程、第1緩冷却工程、第2緩冷却工程及びコイル冷却工程を行なったコイル5は、未変態オーステナイトのベイナイト組織への相変態がほぼ完了して十分に冷却されているので、膨張による巻き緩みがほとんど発生せず、コイラー6のマンドレルを縮径した直後、或いはマンドレルからコイル5を抜き出した以降でも、コイル5は卵型に潰れることなく、コイル5の潰れを防止することができる。
ここで、第4の冷却装置7がコイラー6に巻き取られているコイル5を冷却する時間は、コイル5のテール合せ(最外周の尾端合せ)の微調整時間(数秒〜10秒程度)の後に、更に数秒〜10数秒程度を足した時間のことである。
したがって、このコイル5を冷却する時間は、コイルを3分間程度コイラー内部に待機しておく従来のコイル潰れ防止技術と比較して、大幅に時間短縮がなされているので、高張力熱延鋼帯1の生産性を向上させることができる。
なお、Mnの含有量が1.6mass%を下回る高Mn系熱延鋼帯1(図3の符号K1〜K5)は、コイル5の巻取り温度が高くても(例えばK4の巻取り温度は600℃、K5の巻取り温度は620℃)、コイル5の潰れが発生しない。
Claims (4)
- 熱間圧延ラインにおける仕上圧延機で仕上げ圧延された熱延鋼帯を冷却工程で冷却した後にコイラーにコイルとして巻き取る熱延鋼帯の製造方法であって、
前記冷却工程は、前記熱延鋼帯を50℃/秒以上の冷却速度で急速に冷却する急速冷却工程と、この急速冷却工程の後に実施され、前記熱延鋼帯を前記急速冷却工程よりも緩やかな温度勾配で目標巻取温度まで冷却する緩冷却工程とからなり、さらに、前記緩冷却工程の後に、前記コイラーに巻き取られた前記コイルを所定時間の間、冷却保持するコイル冷却工程を有し、
前記熱延鋼帯が高Mn系熱延鋼帯であり、前記急速冷却工程は、フェライトノーズ温度まで前記高Mn系熱延鋼帯を冷却し、
前記緩冷却工程は、フェライト変態が促進するように緩やかな温度勾配で前記高Mn系熱延鋼帯を冷却する第1緩冷却工程と、ベイナイト生成領域に相変態する温度まで前記第1緩冷却工程より急な温度勾配で前記高Mn系熱延鋼帯を冷却する第2緩冷却工程と、を備えていることを特徴とする熱延鋼帯の製造方法。 - 前記コイル冷却工程の前記所定時間が、前記コイルが潰れない剛性を確保する時間であることを特徴とする請求項1記載のコイルの熱延鋼帯の製造方法。
- 前記コイル冷却工程は、前記コイルを空冷する、或いは前記コイルにミストを吹き付けて冷却することを特徴とする請求項1又は2記載の熱延鋼帯の製造方法。
- 熱間圧延ラインにおける仕上圧延機で仕上げ圧延された熱延鋼帯をコイラーにコイルとして巻取るまでに冷却する冷却設備であって、
前記仕上圧延機の下流に配置され、前記仕上圧延機で仕上げ圧延された後の前記熱延鋼帯を50℃/秒以上の冷却速度で急速に冷却する急速冷却手段と、
この急速冷却手段の下流に配置され、前記熱延鋼帯を前記急速冷却手段よりも緩やかな温度勾配で目標巻取温度まで冷却する緩冷却手段と、
この緩冷却手段の下流に配置され、前記コイラーのマンドレルに巻き取った前記コイルの巻取り径を保持しながら当該コイルを冷却するコイル冷却手段と、を備え、
前記熱延鋼帯は高Mn系熱延鋼帯であり、前記急速冷却手段は、フェライトノーズ温度まで前記高Mn系熱延鋼帯を冷却し、
前記緩冷却手段は、フェライト変態が促進するように緩やかな温度勾配で前記高Mn系熱延鋼帯を冷却する第1緩冷却手段と、ベイナイト生成領域に相変態する温度まで前記第1緩冷却手段の温度勾配より急な温度勾配で前記高Mn系熱延鋼帯を冷却する第2緩冷却手段と、を備えていることを特徴とする熱延鋼帯の冷却設備。
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