JP5447744B1 - 熱間圧延鋼板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コイルつぶれを十分抑制して生産性を向上させる熱間圧延鋼板の製造方法を提供することにある。
【解決手段】熱間圧延鋼板を、圧延機での熱間圧延後にランアウトテーブル上で冷却し、その後に巻取機でコイル形状に巻き取るに際し、熱間圧延鋼板の長手方向の複数箇所がそれぞれ巻取機に到達した時点におけるそれらの箇所の相変態率が当該熱間圧延鋼板の先端部から尾端部に向かうにつれて単調増加するように、中間温度の制御により熱間圧延鋼板の相変態率を制御することを特徴とする熱間圧延鋼板の製造方法である。
【選択図】図4

Description

本発明は、鋼板を熱間圧延ラインで製造し、巻取機でコイル状に巻き取ったその鋼板を、巻取軸穴を水平に向けたダウンエンド状態で、コイル置き場に保持し、あるいは搬送する際に、コイル状鋼板が自重でつぶれることを防止するための熱間圧延(熱延)鋼板の製造方法に関するものである。
図1に示すように、熱延鋼板を製造するには、加熱炉1においてスラブを所定温度に加熱し、加熱したスラブを粗圧延機2で圧延して粗バーとなし、ついでこの粗バーを複数基の圧延スタンドからなる連続熱間仕上圧延機3において所定の厚みの熱間圧延(熱延)鋼板4となす。そして、この熱延鋼板4を、ランアウトテーブルに設置した冷却装置5で上方および下方から冷却水を供給することによって冷却した後、巻取機6で巻き取り、コイル状熱延鋼板7とする。
巻取機6によって熱延鋼板4を巻き取る際に鋼板4にその長手方向に付与される張力は、巻取後のコイル状熱延鋼板(以後、単に「コイル」とも呼ぶ。)7内では半径方向の面圧として作用し、鋼板層間に摩擦力を発生させる。それにより、鋼板のすべりを抑制し、コイル7の剛性を高めている。
ところで、巻取時に鋼板の相変態が完了していない場合には、巻取後に鋼板に相変態による体積膨張が生じる。この体積膨張がコイル外周で大きい場合、半径方向の面圧が小さくなり、鋼板層間の摩擦力も小さくなる。それにより、鋼板がすべりやすくなり、コイル7の剛性が低下する。コイル7の剛性が大幅に低下した場合、ダウンエンド状態でコイル7が自重でつぶれる、いわゆる「コイルつぶれ」と呼ばれる現象が生じ、場合によっては巻取軸穴の変形が過大になって、コイル7が次工程のマンドレルに装入できないことがあり、その場合にはコイルを巻き直す工程が追加され、生産能率が低下する。このコイルつぶれは特に、質量%でC:0.05%〜0.3%、Mn:1.0%〜2.7%、Si:0.2%〜1.5%およびその他不可避的不純物を添加した熱延鋼板の場合に発生し易い傾向がある。
そこで従来、巻取後の鋼板の相変態を制御して、ダウンエンド状態でのコイルつぶれを抑制するための方法として、例えば特許文献1に記載のように、保温カバーを用いてコイルを徐冷する方法が知られている。
特開2010−89107号公報 特開2011−240354号公報
特許文献1記載の方法は、巻取後の温度制御により相変態の挙動を制御するものであるが、相変態はランアウトテーブル上での温度履歴の影響を大きく受けるので、その後の温度制御では相変態の挙動制御が十分にできない場合がある。このため、特許文献1記載の方法では、コイルつぶれを十分抑制できるとはいえないという問題がある。
また、特許文献2記載の方法は、巻取温度の長手方向制御によりコイル内外周の相変態の挙動を制御するものであるが、品質管理指標である巻取温度を長手方向で変化させることで巻取温度が目標温度から外れ、材質不良が発生したり、長手方向で材質が変動したりする場合がある。このため、特許文献2記載の方法では、例えコイルつぶれを抑制できたとしても、品質不良のため製品として出荷することができない場合があるという問題がある。
それゆえ本発明は、仕上圧延機から巻取機までの間のランアウト上での鋼板の温度を制御することによりコイルつぶれを十分抑制し、生産性を向上させる熱間圧延鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
図2に中炭素鋼および中炭素・高Mn鋼のTTT線図の一例を、また図3に仕上圧延後の冷却設備の一例を示す。図2中、曲線Aは中炭素鋼のフェライト変態開始温度と時間との関係、曲線Bは中炭素・高Mn鋼のフェライト変態開始温度と時間との関係、曲線Cは中炭素鋼のベイナイト変態開始温度と時間との関係、曲線Dは中炭素・高Mn鋼のベイナイト変態開始温度と時間との関係を示す。なお、この明細書では、中炭素鋼とは質量%でC:0.3%〜0.7%を含有する炭素鋼、高Mn鋼とは質量%でMn:1.0%以上を含有する炭素鋼をいう。一般的に相変態には、フェライト変態、ベイナイト変態、パーライト変態およびマルテンサイト変態があるが、本発明が対象とする鋼種では、仕上圧延後から巻取までの時間が10〜20s(秒)、巻取温度が500℃〜650℃であり、その条件で生じる相変態はフェライト変態(γ→α変態)が主であるため、本発明ではフェライト変態に着目する。
図2において、中炭素鋼については、フェライト変態の開始が1s以内であるため巻取時間に対して十分短く、仕上圧延後から巻取までに相変態がほぼ完了する。一方、中炭素・高Mn鋼については、フェライト変態の開始が10s(秒)前後であり、また、最も早く相変態が開始する温度(フェライトノーズ温度)でない場合には、相変態の進行がさらに遅くなり、仕上圧延後から巻取までに相変態があまり進行しない。
コイルつぶれを十分抑制するためには、巻取後の相変態によるコイル外周部の体積膨張を抑制する必要がある。また、巻取前にコイル外周部になる部分の相変態をコイル内周部になる部分よりも進行させれば、コイル外周側よりもコイル内周側の方が巻取後の体積膨張量が大きくなり、コイルが巻き締まるため、コイルつぶれを効果的に抑制することが可能である。したがって、コイルつぶれを十分抑制するためには、コイル外周側の相変態率をコイル内周側よりも高めることが重要である。
かかる本発明者の知見に鑑み、前記課題を解決する本発明の熱間圧延鋼板の製造方法は、
熱間圧延鋼板を、熱間圧延後にランアウトテーブル上で冷却し、その後に巻取機でコイル形状に巻き取るに際し、
熱間圧延鋼板の長手方向の複数箇所がそれぞれ巻取機に到達した時点におけるそれらの箇所のフェライト変態の相変態率が当該熱間圧延鋼板の先端部から尾端部に向かうにつれて単調増加するように、中間温度の制御により熱間圧延鋼板のフェライト変態の相変態率を制御することを特徴としている。
ここで、「中間温度」とは、ランアウトテーブル上で、圧延機から巻取機までの距離の圧延機側1/5〜1/2の位置での熱間圧延鋼板の温度である。
本発明の熱間圧延鋼板の製造方法によれば、熱間圧延鋼板の尾端部側であるコイル外周側の相変態率を、熱間圧延鋼板の先端部側であるコイル内周側よりも高めることができるので、コイルつぶれの十分な抑制が可能となり、生産性を向上させて鋼板を製造することができる。
なお、本発明の熱間圧延鋼板の製造方法では、圧延機から巻取機までの距離の圧延機側1/5〜1/2の位置において、熱間圧延鋼板の先端部をフェライトノーズ温度よりも30〜80℃高い温度にするとともに、その熱間圧延鋼板の尾端部をフェライトノーズ温度から±20℃以内にし、それら先端部と尾端部との間の温度を先端部から尾端部に向かうにつれて単調減少させる温度制御を行い、巻取温度を一定にすると好ましい。
また、本発明の熱間圧延鋼板の製造方法では、圧延機から巻取機までの距離の圧延機側1/5〜1/2の位置において、熱間圧延鋼板の先端部をフェライトノーズ温度よりも30℃からベイナイト変態の生じない下限(例えば60℃)まで低い温度にするとともに、その熱間圧延鋼板の尾端部をフェライトノーズ温度から±20℃以内にし、それら先端部と尾端部との間の温度を先端部から尾端部に向かうにつれて単調増加させる温度制御を行い、巻取温度を一定にしても好ましい。
さらに、本発明の熱間圧延鋼板の製造方法では、圧延機から巻取機までの距離の圧延機側1/5〜1/2の位置において、熱間圧延鋼板の先端部をフェライトノーズ温度よりも30〜80℃高い温度にするとともに、その熱間圧延鋼板の尾端部をフェライトノーズ温度から±20℃以内にするに際し、熱間圧延鋼板の先端部を660℃〜710℃にするとともにその熱間圧延鋼板の尾端部を610℃〜650℃にすると好ましい。
また、本発明の熱間圧延鋼板の製造方法では、圧延機から巻取機までの距離の圧延機側1/5〜1/2の位置において、熱間圧延鋼板の先端部をフェライトノーズ温度よりも30℃からベイナイト変態の生じない下限まで低い温度にするとともに、その熱間圧延鋼板の尾端部をフェライトノーズ温度から±20℃以内にするに際し、熱間圧延鋼板の先端部を550℃〜600℃にするとともにその熱間圧延鋼板の尾端部を610℃〜650℃にすると好ましい。
これらの温度制御によれば、熱間圧延鋼板の長手方向の複数箇所がそれぞれ巻取機に到達した時点におけるそれらの箇所の相変態率が当該熱間圧延鋼板の先端部から尾端部に向かうにつれて単調増加するように熱間圧延鋼板の相変態率を制御することができる。
通常の熱間圧延ラインの概略を示す構成図である。 中炭素鋼および中炭素・高Mn鋼の相変態の例を示す関係線図である。 本発明の熱間圧延鋼板の製造方法の実施例を適用する、図1に示す熱間圧延ラインのランアウト冷却設備を示す構成図である。 本発明の熱間圧延鋼板の製造方法の一実施例における中間温度の鋼板長手方向の変化を示す関係線図である。 本発明の熱間圧延鋼板の製造方法の他の一実施例における中間温度の鋼板長手方向の変化を示す関係線図である。
以下、この発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。ここに、図1は、この発明の熱間圧延鋼板の製造方法の一実施形態を適用する通常の熱間圧延ラインの概略を示す構成図であり、ここにおける熱間圧延ラインでも、加熱炉1において所定温度に加熱したスラブを粗圧延機2で圧延して粗バーとなし、ついでこの粗バーを複数基の圧延スタンドからなる連続熱間仕上圧延機3において所定の厚みの熱間圧延(熱延)鋼板4となす。そして、この熱延鋼板4を、ランアウトテーブルに設置した冷却装置5で上方および下方から冷却水を供給することによって冷却した後、巻取機6で巻き取り、コイル状熱延鋼板7とする。
ところで、コイルつぶれの発生が確認されている鋼の添加元素とは、質量%でC:0.05%〜0.3%、Mn:1.0%〜2.7%、Si:0.2%〜1.5%およびその他不可避的不純物であり、特に、Mnを1.0質量%以上と多量に添加している。これらは他の鋼種に比べて相変態の進行が遅く、コイルつぶれが発生しやすい条件となっている。
コイルつぶれを十分抑制するためには、前述のように巻取前の相変態制御によってコイル7の外周部の相変態を内周部よりも進行させることが重要であり、相変態率は、例えば本願出願人が先に特開平08−062181号や特開平09−049017号にて開示した、熱延鋼板の透磁率の変化を利用した変態率計等の変態率計により、オンラインでの測定が可能である。
そこで本実施形態では、熱間圧延ラインのランアウトテーブル上の巻取機前に変態率計を設置し、コイル外周部に相当する熱延鋼板尾端部の相変態率を、コイル内周部に相当する熱延鋼板先端部よりも高くし、熱延鋼板の先端部から尾端部にかけて、その先端部から尾端部に向かうにつれて相変態率が直線的あるいは曲線的に単調増加するようにする。このように熱延鋼板の相変態率を制御することにより、コイルつぶれを効果的に抑制することが可能である。
なお、ここでいう熱延鋼板の先端部とは熱延鋼板の最先端から全長の10%相当の長さ範囲の部位を意味し、熱延鋼板の尾端部とは熱延鋼板の最尾端から全長の10%相当の長さ範囲の部位を意味する。また、相変態率を測定する幅方向の位置は、板幅方向の温度偏差は無視できるため、特に限定しない。
コイル巻取時の相変態率を高くするには、鋼板温度をフェライトノーズ温度で長時間保持することが重要であり、そのためには、仕上圧延後に熱延鋼板を短時間でフェライトノーズ温度まで冷却し、その後、熱延鋼板の温度保持を行い、巻取直前にその熱延鋼板を長手方向で一定である所定の巻取温度まで急速冷却すれば良い。ここで、温度保持は可能な限り巻取の直前まで行うことが望ましい。ただし、一般的な熱間圧延ラインでは、加速圧延を行っているため、熱延鋼板の長手方向先端部では、尾端部と比べてランアウトの通過に要する時間が長くなる。そのため、鋼板長手方向の各部を同じ保持温度、特にフェライトノーズ温度で保持した場合には、先端部から尾端部にかけて相変態率が低下し、コイルがつぶれやすくなる。
コイル外周部の相変態率を内周部よりも高くするには、熱延鋼板の長手方向に沿って中間温度を変更すれは良い。コイル外周部となる尾端部でフェライトノーズ温度にするとともに、コイル内周部となる先端部でフェライトノーズ温度よりも高い温度にすることにより、コイル外周側の相変態率を内周側よりも高くすることが可能である。また、コイル外周部となる尾端部でフェライトノーズ温度にするとともに、コイル内周部となる先端部でフェライトノーズ温度よりも低い温度にしても、同様の効果を得ることができる。ただし、ベイナイト変態はフェライト変態よりも変態が進行する速度が速いため、先端部でベイナイト変態が生ずるとかえって変態の進行が速くなる。よって、ベイナイト変態が生じない温度の下限より温度を下げないことが望ましい。
このため本実施形態では、具体的には、コイルつぶれを十分抑制するために、仕上圧延後、熱延鋼板の先端部の中間温度をフェライトノーズ温度よりも30℃〜80℃高くするとともに、熱延鋼板の尾端部の中間温度をフェライトノーズ温度±20℃以内にし、それら先端部と尾端部との間の温度を先端部から尾端部に向けて単調減少させる。なお、「中間温度」とは、ランアウトテーブル上で、圧延機から巻取機までの距離の、圧延機側1/5〜1/2の位置の温度であり、圧延温度と巻取温度との間の中間保持時の温度である。ここで、尾端部の中間温度をフェライトノーズ温度から±20℃以内にする理由は、ハイテン鋼では温度制御が難しく、20℃以内の温度は制御が困難なためである。一方、先端部の中間温度をフェライトノーズ温度よりも30℃〜80℃高くする理由は、尾端部がフェライトノーズ温度+20℃の場合でも差がつくように30℃以上にし、また、80℃以上高くすると、目標の巻取温度をとることが困難になるためである。
また本実施形態では、具体的には、コイルつぶれを十分抑制するために、上記の条件に代えて、仕上圧延後、熱延鋼板の先端部の中間温度をフェライトノーズ温度よりも30℃〜60℃低くするとともに、熱延鋼板の尾端部の中間温度をフェライトノーズ温度±20℃以内にし、それら先端部と尾端部との間の温度を先端部から尾端部に向けて単調増加させても良い。ここで、尾端部の中間温度をフェライトノーズ温度から±20℃以内にする理由は、ハイテン鋼では温度制御が難しく、20℃以内の温度は制御が困難なためである。一方、先端部の中間温度をフェライトノーズ温度よりも30℃〜60℃低くする理由は、尾端部がフェライトノーズ温度−20℃の場合でも相変態率の差がつくように30℃以下にし、また、60℃より低くするとベイナイト変態に遷移しやすく、目的の組織を得にくいためである。すなわち、フェライトノーズ温度よりも60℃低い温度が、ベイナイト変態が生じない温度の下限となる。
フェライトノーズ温度は鋼の成分によって異なるが、コイルつぶれが発生し易い前述の成分の鋼種では560℃〜650℃である。また、コイル外周部の相変態率を内周部よりも高くするには、仕上圧延後、中間温度をコイル内周部となる先端部で660℃〜710℃、コイル外周部となる尾端部で560℃〜650℃にし、それらの間を先端部から尾端部に向けて単調減少させれば良く、このようにすることにより、コイル内周部から外周部に向けて相変態率を徐々に高くすることが可能である。また、仕上圧延後、中間温度をコイル内周部となる先端部で500℃〜550℃、コイル外周部となる尾端部で560℃〜650℃にし、それらの間を先端部から尾端部に向けて単調増加させることでも、コイル内周部から外周部に向けて相変態率を徐々に高くすることが可能である。
次に、本実施形態に基づく実施例を、図1に示す熱間圧延鋼板の製造ラインの図3に示すランアウト冷却設備において、熱延鋼板4の冷却を行う場合について説明する。このランアウト冷却設備では、仕上温度計8を仕上圧延機3の出口近傍に、また中間温度計9を仕上圧延機3から巻取機6までの距離の圧延機側1/5〜1/2の位置のうち、冷却装置5を設けたランアウトテーブルのテーブル長の仕上圧延機3側1/3の位置に、そして巻取温度計10を巻取機6の近傍にそれぞれ設置しており、さらに変態率計11を、巻取温度計10と同じ場所に設置している。この変態率計11は上述のように、例えば熱延鋼板4の透磁率の変化を利用したものとすることができる。
このランアウト冷却設備を用い、その冷却装置5の作動条件(熱延鋼板4に供給する冷却水の温度や水量等)を制御することにより、以下の比較例1〜3および実施例1〜3の製造方法でそれぞれ、仕上板厚3.0mm、横幅1000mm、全長800mの熱延鋼板を製造した。その結果を表1に示す。ただし、製造する鋼板の添加元素はC:0.15質量%、Mn:2質量%、Si:0.3質量%であり、その他の元素は相変態挙動に影響を与えない程度の微小量である。また、コイル内径は750mm、相変態率は変態率計11で測定した値である。
比較例1の温度履歴は、仕上温度計8で870℃、中間温度計9で660℃、巻取温度計10で590℃である。比較例2の温度履歴は、仕上温度計8で870℃、中間温度計9で600℃、巻取温度計10で590℃である。比較例3の温度履歴は、仕上温度計8で870℃、中間温度計9で630℃、巻取温度計10で590℃である。比較例4の温度履歴は、熱延鋼板4の先端部では、仕上温度計8で870℃、中間温度計9で660℃、巻取温度計10で660℃であり、尾端部では、仕上温度計8で870℃、中間温度計9で660℃、巻取温度計10で630℃である。
実施例1は、変態率計11の指示値が熱延鋼板4の先端部で50%、長手方向中央部で60%、尾端部で70%である。実施例2の温度履歴は、熱延鋼板4の先端部では、仕上温度計8で870℃、中間温度計9で660℃、巻取温度計10で550℃であり、尾端部では、仕上温度計8で870℃、中間温度計9で630℃、巻取温度計10で550℃である。ただし、中間温度計9で計測した熱延鋼板4の長手方向温度変化は図4に示す通りであり、図中左方が先端部側、右方が尾端部側である。実施例3の温度履歴は、熱延鋼板4の先端部では、仕上温度計8で870℃、中間温度計9で600℃、巻取温度計10で550℃であり、尾端部では、仕上温度計8で870℃、中間温度計9で630℃、巻取温度計10で550℃である。ただし、中間温度計9で計測した熱延鋼板4の長手方向温度変化は図5に示す通りであり、図中左方が先端部側、右方が尾端部側である。
表1に示すように、比較例1では、先端部の相変態率が36%、尾端部の相変態率が14%であり、コイル7は大きくつぶれ、内径は750mmから720mmとなった。このコイル7は次工程でそのまま使うことができないため、コイル巻き直し工程が追加され、生産性が低下した。また、比較例2では、先端部の相変態率が47%、尾端部の相変態率が20%であり、コイル7は大きくつぶれ、内径は750mmから715mmとなった。このコイル7は次工程でそのまま使うことができないため、コイル巻き直し工程が追加され、生産性が低下した。そして比較例3では、先端部の相変態率が96%、尾端部の相変態率が72%であり、コイル7は大きくつぶれ、内径は750mmから715mmとなった。このコイル7は次工程でそのまま使うことができないため、コイル巻き直し工程が追加され、生産性が低下した。比較例4では、コイル7につぶれは発生しなかったが、巻取目標温度590℃±50℃に対し、先端側2/3の巻取温度が外れたため、品質不良となり、コイル7はスクラップとなった。
これらに対して、実施例1では、先端部の相変態率が60%、尾端部の相変態率が80%であり、コイル7のコイルつぶれは発生しなかった。このコイル7は次工程でそのまま使うことができた。また、実施例2では、先端部の相変態率が36%、尾端部の相変態率が72%であり、コイル7のコイルつぶれは発生しなかった。このコイル7は次工程でそのまま使うことができた。そして実施例3では、先端部の相変態率が47%、尾端部の相変態率が72%であり、コイル7のコイルつぶれは発生しなかった。このコイル7は次工程でそのまま使うことができた。また、実施例1〜3は、全て巻取温度が目標範囲内で、品質不良による切捨は発生しなかった。
上述した結果から明らかなように本実施形態の熱間圧延鋼板の製造方法によれば、熱延鋼板4の長手方向の3箇所(先端部、中間部、尾端部)がそれぞれ巻取機6に到達した時点におけるそれらの箇所の相変態率が当該熱延鋼板4の先端部から尾端部に向かうにつれて単調増加するようにしたので、熱延鋼板4の尾端部からなるコイル外周部の相変態率を、熱延鋼板4の先端部からなるコイル内周部よりも高くすることができ、これによりコイルつぶれの十分な抑制が可能となり、生産性を向上させることができた。
Figure 0005447744
以上、図示例に基づき説明したが、本発明は上述の例の限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変更し得るものであり、例えば、上記実施例では中間温度を熱延鋼板の長手方向に沿って直線的に変化させている(図4、図5)が、直線的でなく、単調減少あるいは単調増加するものであれば曲線的に変化させてもよい。
かくして本発明の熱間圧延鋼板の製造方法によれば、熱間圧延鋼板の尾端部側であるコイル外周側の相変態率を、熱間圧延鋼板の先端部側であるコイル内周側よりも高めることができるので、コイルつぶれの十分な抑制が可能となり、生産性を向上させて鋼板を製造することができる。
1 加熱炉
2 粗圧延機
3 仕上圧延機
4 熱延鋼板
5 冷却装置
6 巻取機
7 コイル状熱延鋼板(コイル)
8 仕上温度計
9 中間温度計
10 巻取温度計
11 変態率計

Claims (6)

  1. 熱間圧延鋼板を、圧延機での熱間圧延後にランアウトテーブル上で冷却し、その後に巻取機でコイル形状に巻き取るに際し、
    熱間圧延鋼板の長手方向の複数箇所がそれぞれ巻取機に到達した時点におけるそれらの箇所のフェライト変態の相変態率が当該熱間圧延鋼板の先端部から尾端部に向かうにつれて単調増加するように、中間温度の制御により熱間圧延鋼板のフェライト変態の相変態率を制御することを特徴とする熱間圧延鋼板の製造方法。
  2. 圧延機から巻取機までの距離の圧延機側1/5〜1/2の位置において、熱間圧延鋼板の先端部をフェライトノーズ温度よりも30〜80℃高い温度にするとともに、その熱間圧延鋼板の尾端部をフェライトノーズ温度から±20℃以内にし、それら先端部と尾端部との間の温度を先端部から尾端部に向かうにつれて単調減少させる温度制御を行い、巻取温度を一定にすることを特徴とする、請求項1記載の熱間圧延鋼板の製造方法。
  3. 圧延機から巻取機までの距離の圧延機側1/5〜1/2の位置において、熱間圧延鋼板の先端部をフェライトノーズ温度よりも30〜60℃低い温度にするとともに、その熱間圧延鋼板の尾端部をフェライトノーズ温度から±20℃以内にし、それら先端部と尾端部との間の温度を先端部から尾端部に向かうにつれて単調増加させる温度制御を行い、巻取温度を一定にすることを特徴とする、請求項1記載の熱間圧延鋼板の製造方法。
  4. 圧延機から巻取機までの距離の圧延機側1/5〜1/2の位置において、熱間圧延鋼板の先端部を660℃〜710℃にするとともに、その熱間圧延鋼板の尾端部を610℃〜650℃にし、巻取温度を一定にすることを特徴とする、請求項2記載の熱間圧延鋼板の製造方法。
  5. 圧延機から巻取機までの距離の圧延機側1/5〜1/2の位置において、熱間圧延鋼板の先端部を550℃〜600℃にするとともに、その熱間圧延鋼板の尾端部を610℃〜650℃にし、巻取温度を一定にすることを特徴とする、請求項3記載の熱間圧延鋼板の製造方法。
  6. 前記熱間圧延鋼板は、質量%でC:0.05%〜0.3%、Mn:1.0%〜2.7%、Si:0.2%〜1.5%およびその他不可避的不純物を添加したものであることを特徴とする、請求項1から5までの何れか1項記載の熱間圧延鋼板の製造方法。
JP2013538384A 2012-03-12 2013-03-05 熱間圧延鋼板の製造方法 Active JP5447744B1 (ja)

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