JP5778007B2 - 内燃機関のヘッドカバー構造 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の燃焼室に先端部が挿入される部材を保持する保持部がシリンダヘッドカバーの中央部にて気筒配列方向に沿って設けられた内燃機関のヘッドカバー構造に関する。
自動車等に搭載されるレシプロエンジン(以下、単にエンジンと記す)では、その圧縮行程や膨張行程において、シリンダとピストンとの間隙からブローバイガスがクランクケース内に漏出することが避けられない。ブローバイガスは未燃焼混合気(すなわち、HC)や酸、水分等を含むため、エンジンオイルの劣化や大気汚染を抑制すべく、クランクケースから吸気系に導入して新気とともに燃焼させる必要がある。しかし、ブローバイガスにはクランクケース内に浮遊する霧状のエンジンオイル(オイルミスト)が混入しているため、そのまま吸気系に導入した場合、エンジンオイルによって吸気系部品が汚損される他、エンジンオイルの消費量が増大する問題があった。
そこで、近年のエンジンでは、クランクケース内に発生したブローバイガスを絞弁の下流側の吸気負圧によって吸気系に流入させるとともに、新気を吸気系からクランクケース内に導入するブローバイシステムを採用し、ブローバイガスの排出流路においてブローバイガスからエンジンオイルを分離するブリーザチャンバ(以下、ブローバイ排出室と称する。)をシリンダヘッドカバーに設け、分離したエンジンオイルをエンジン内部に還流させるブリーザ装置が備えられている。
ところが、高速高負荷での運転時には、絞弁の上下流間の圧力差が小さくなり、しかもブローバイガスの発生量が大きくなることから、ブローバイガスが新気の導入通路を逆流し、吸気系の絞弁上流側へ排出されて吸入空気とともに燃焼室に送り込まれる状態となることがある。そこで、シリンダヘッドカバーとアンダーカバーとにより形成される空間を気筒列方向に2室に分割し、一方をブローバイ排出室として利用し、他方を、新気をクランク室に導入する流路に設けるべきチャンバ(以下、新気導入室と称する。)として利用し、両室をシリンダヘッドカバーに並設したヘッドカバー構造が提案されている(特許文献1)。このヘッドカバー構造では、点火プラグ挿入孔の周囲に設けた円筒壁の周りがブローバイ排出室とされるとともに、ブローバイ排出室に通じるブローバイガス導入部が新気導入室から延びる新気通路の下方に設けられている。
登録実用新案第2511862号公報
ところで近年では、コンパクトで低燃費かつ低炭素排出量のエンジンへ市場ニーズが移行しているため、ブローバイ排出室(および新気導入室)の容量の拡大には限度がある。また、特許文献1のヘッドカバー構造ではブローバイ排出室の流路長が短いため、高負荷運転が長時間継続したような場合にブローバイガスを十分に気液分離することができない。一方、新気導入室内にブローバイガスが逆流した場合にも新気導入室内でブローバイガスを十分に気液分離する必要があるため、シリンダヘッドカバー内部の空間の有効利用が求められている。
本発明は、このような従来技術に含まれる課題を解消するべく案出されたものであり、高負荷運転が長時間継続したような場合にもブローバイガスを十分に気液分離でき、新気導入室内に逆流したブローバイガスをも十分に気液分離できる内燃機関のヘッドカバー構造を提供することを目的とする。
このような課題を解決するために、本発明の一側面によれば、内燃機関の燃焼室に先端部が挿入される部材を保持する保持部(4、5)がシリンダヘッドカバー(1)の中央部にて気筒配列方向に沿って設けられた内燃機関のヘッドカバー構造であって、前記保持部を挟んで前記シリンダヘッドカバーの気筒配列方向に沿う両側部(1f、1r)に配置された1対の長手部分(21f、21r)と、前記両長手部分を気筒配列方向に直交する方向に連結する連結部分(21c)とを含むチャンバ(21)が前記シリンダヘッドカバーに形成され、前記チャンバが、機関内部で生じたブローバイガスからオイル分を除去するブローバイ排出室(23)と、前記ブローバイガスを掃気すべく機関内部に空気を送り込む新気導入室(22)とに区画され、前記両室の一方(23)が前記長手部分の一方(21r)に形成され、前記両室の他方(22)が前記長手部分の他方(21f)及び前記連結部分(21c)に渡って形成され、前記両室の前記他方吸気系とを連通すべく前記シリンダヘッドカバーに形成されたポート(24)が、前記連結部分から前記両室の前記一方(23)の上方を横切るように延出し、前記両室の前記一方(23)の天井面が、前記ポートが横切る部分において他の部分に比べて低くなっている構成とする。
この構成によれば、ブローバイ排出室および新気導入室がともにシリンダ列方向に沿った長手部分に形成されることで流路長が長く確保され、両室の他方が連結部分に渡って形成されることでその流路長がさらに長くなるため、高負荷運転が長時間継続した場合のブローバイガスおよび新気導入室内に逆流したブローバイガスを十分に気液分離できる。また、両室の他方吸気系とを連通させるポートが両室の一方の上方に設けられたことにより、分離したオイルがこのポートから吸気系へ流れることを抑制できる。加えて、両室の他方吸気系とを連通させるポートが両室の一方側に配置されるため、吸気系に連通する両ポートが同一の側に位置することになり、吸気系との配管長を短縮するとともに配管作業を容易にすることができる。
また、本発明の一側面によれば、前記両室の前記一方(23)のオイル戻し孔(30)は、前記天井面が低い部分に設けられている構成とすることができる。
の構成によれば、オイル戻し孔から両室の一方にブローバイガスが流入したときに天井面によってオイルの流入を阻止することができる。
また、本発明の一側面によれば、前記両室の一方が前記ブローバイ排出室(23)をなし、前記両室の他方が前記新気導入室(22)をなす構成とすることができる。
この構成によれば、新気導入室が連結部分に渡って形成されることでその流路長が長くなるため、高負荷運転時にブローバイガスが逆流した際にもブローバイガスを十分に気液分離することができる。
また、本発明の一側面によれば、前記連結部分が気筒配列方向の一端部に設けられている構成とすることができる。
保持部には内燃機関の燃焼室に先端部が挿入される部材が設けられるため、連結部分の断面積の確保が困難であるが、この構成によれば、連結部分の断面積を容易に確保することができる。また、連結部分と長手部分の他方とがL字状となるため、流路形状を単純なものにすることができる。
また、本発明の一側面によれば、前記オイル戻し孔は、これを通って前記両室の一方に流入するブローバイガスの流入路を屈曲させる段部(30a)を有する構成とすることができる。
この構成によれば、流路抵抗が大きくなることで、流入するブローバイガスの流速を低下させるとともに、ブローバイガスが両室の一方にオイルを引き込みにくくなるため、分離したオイルを速やかに排出することができる。
また、本発明の一側面によれば、前記ブローバイ排出室吸気系とを連通すべく前記シリンダヘッドカバーに形成されたブローバイ排出ポート(26)は、前記新気導入室と吸気系とを連通すべく前記シリンダヘッドカバーに形成された新気導入ポート(24)と気筒配列方向において相反する側の端部に配置され、前記ブローバイ排出室(23)には、気筒配列方向に沿う前記シリンダヘッドカバーの側壁の内側面(23r)から延出する基端部(12a)と、前記ブローバイ排出室を気筒配列方向に直交する方向に2分するように気筒配列方向に沿って前記オイル戻し孔側に向けて延出する先端部(12b)とを有する区画壁(12)が形成され、前記ブローバイ排出室の機関内部に連通するブローバイ導入口(27)は、前記区画壁と前記側壁とにより挟まれた通路の前記基端部側の端部に配置された構成とすることができる。
この構成によれば、新気導入ポートがブローバイ排出ポートと気筒配列方向で相反する側に設けられることにより、ブローバイ排出ポートが新気導入ポートと干渉してブローバイ排出室の流路長が短くなることを回避できる。また、長手部分の一方のみに形成されたブローバイ排出室の流路長を区画壁によって長くすることで、ブローバイ排出室においてもブローバイガスを十分に気液分離することができる。
また、本発明の一側面によれば、前記新気導入室(22)には、隣接する前記保持の間にて前記ブローバイ排出室へ向けて突出する突出部(28)と、気筒配列方向に沿う側面(22f)から前記突出部に向けて延出する障壁(11)とが形成された構成とすることができる。
この構成によれば、新気導入室の容量を大きくするとともに、突出部によって新気導入室の流路長を長くすることができ、且つ新気導入室を逆流したブローバイガスのオイルを突出部により効果的に捕捉することができる。
また、本発明の一側面によれば、前記シリンダヘッドカバーは、前記内燃機関の搭載姿勢において、前記新気導入室側が前記ブローバイ排出室側よりも高くなる向きに傾斜し、前記新気導入室のオイル戻し孔(29)が前記突出部に設けられている構成とすることができる。
この構成によれば、逆流したブローバイガスから分離したオイルを新気導入室に貯めることなく速やかに排出することができる。
このように本発明によれば、高負荷運転が長時間継続したような場合にもブローバイガスを十分に気液分離でき、新気導入室内に逆流したブローバイガスをも十分に気液分離できる内燃機関のヘッドカバー構造を提供することができる。
実施形態に係るシリンダヘッドカバーの上面図 図1に示すヘッドカバー下部の上面図 図1中のIII−III断面図 図1中のIV−IV断面図
以下、図面を参照して、本発明に係るシリンダヘッドカバー1を、DOHC4バルブ型の直列4気筒自動車用ガソリンエンジン(以下、単にエンジンと記す。)に適用した実施形態について詳細に説明する。以下、図1中に示す矢印、すなわちエンジンが横置きとされた状態を規準として方向を示すものとする。なお本実施形態では、エンジンは後傾姿勢で自動車に搭載される。
シリンダヘッドカバー1は、図1に示すように、シリンダヘッドの上端に結合されてシリンダヘッドとの間に動弁室20(図3参照)を画成するヘッドカバー下部2と、ヘッドカバー下部2の上端に結合されてヘッドカバー下部2との間にチャンバ21(図3参照)を画成するヘッドカバー上部3とにより構成されている。このチャンバ21は、後述するように、絞弁の下流側の吸気負圧によってエンジン内部で発生したブローバイガスを吸気系に流入させるとともに、絞弁の上流側の吸気系から新気をエンジン内部に導入するブリーザ装置の一部をなすものである。
ヘッドカバー下部2は、下向きに開口する空間(動弁室20の上部)を画成する箱形とされ、気筒列方向が長手となる略直方体形状を呈している。エンジンの搭載姿勢においては、ヘッドカバー下部2は、下面の前縁を後縁よりも高くする向きに傾斜する。ヘッドカバー下部2には、エンジンの燃焼室に先端部が挿入される点火プラグを挿入するための4つのプラグ挿入孔4が、前後方向の中央部にて気筒列方向に沿って等間隔に形成されている。プラグ挿入孔4は、その周囲に設けられた円筒壁5によって画成されており、点火プラグは円筒壁5によりプラグ挿入孔4に保持される。
ヘッドカバー下部2の右端部2rは、シリンダヘッドの右方に設けられるカムチェーン室の上部を覆うべく、シリンダヘッドから右方へ突出するとともに前後方向に拡幅された形状とされている。このヘッドカバー下部2の右端部2rの前側には、エンジンオイルを給油するための給油孔6が形成されている。
ヘッドカバー上部3は、下方に開口する空間(チャンバ21の上部)を内部に有する箱形とされている。ヘッドカバー上部3は、4つの円筒壁5を挟んでシリンダヘッドカバー1の気筒配列方向に沿う前側部1fおよび後側部1rにそれぞれ配置された前長手部3fおよび後長手部3rと、左端の円筒壁5の左方にて前長手部3fおよび後長手部3rの端部同士を前後方向に連結する連結部3cとから構成されており、平面視において右方に開口したコ字状を呈している。したがって、円筒壁5が設けられたシリンダヘッドカバー1の前後方向中央部は、ヘッドカバー上部3が設けられたその3方(前方、後方および左方)に比べて上面が低くなっており、右方が開放した凹部7を形成している。この凹部7は、点火プラグなどを収容するスペースとして利用される。
図2に示すように、ヘッドカバー下部2の上面には、ヘッドカバー上部3の輪郭に沿ったコ字状を呈し、ヘッドカバー上部3を接合させる環状の接合面2aが形成されている。ヘッドカバー下部2における接合面2aの内側の部分は、接合面2aよりも下方へ凹んでおり(図3および図4参照)、これによってチャンバ21の容積拡大が図られている。チャンバ21は、ヘッドカバー上部3の前長手部3f、後長手部3rおよび連結部3cに対応して、これらとヘッドカバー下部2とにより画成される前長手部分21f、後長手部分21rおよび連結部分21cを含む。
チャンバ21の後長手部分21rの左端には、シリンダヘッドカバー1に一体に形成された隔壁8が設けられている。チャンバ21は、この隔壁8によって、前長手部分21fおよび連結部分21cに渡って形成された新気導入室22と、後長手部分21rに形成されたブローバイ排出室23とに分けられる。なお、図2には、ヘッドカバー下部2に形成された隔壁8の下部のみが現れているが、これに連続する隔壁8の上部がヘッドカバー上部3にも一体に形成されている(図3および図4参照)。以下で説明する障壁11、13や区画壁12も同様である。
ブローバイ排出室23は、ブリーザ装置のブローバイ排出流路においてブローバイガスからエンジンオイルを分離・除去するためのものである。一方、新気導入室22は、機関内部に空気を送り込んでブローバイガスを掃気するブリーザ装置の新気導入流路の一部をなすとともに、新気導入流路を逆流したブローバイガスからエンジンオイルを分離するためのものである。ブローバイ排出室23と新気導入室22とは、このようにしてシリンダヘッドカバー1に連設されている。
図1に示すように、ヘッドカバー上部3の後長手部3rの後壁には、新気導入室22に新気を導入するための新気導入ポート24(図2)を形成するとともに、新気導入室22と絞弁の上流側の吸気系とを連通させるホースの接続に供される新気接続部9と、ブローバイ排出室23からブローバイガスを排出するためのブローバイ排出ポート26(図2)を形成するとともに、ブローバイ排出室23と絞弁の下流側の吸気系とを連通させるホースの接続に供されるブローバイ接続部10とが形成されている。新気接続部9はヘッドカバー上部3の後長手部3rの左端に設けられており、ブローバイ接続部10は後長手部3rの右端に設けられている。
図2に戻り、新気導入室22の最後側面22r(チャンバ21の連結部分21cの後側面)には、新気接続部9に対応する位置に新気導入ポート24が開口している。つまり、新気導入ポート24は、チャンバ21の連結部分21cを経てブローバイ排出室23の上方を横切るように延出している。そのため、この部分ではブローバイ排出室23の天井面が他の部分に比べて低くなっている(図3、図4参照)。また、新気導入室22(前長手部分21f)の右端床面には、新気導入室22から新気を排出すべくエンジン内部に接続する新気排出口25が開口している。
新気導入室22には、隣接する円筒壁5の間にてブローバイ排出室23へ向けて突出する3つの突出部28が形成されており、これにより、新気導入室22の容量が拡大している。エンジンが後傾姿勢で搭載されることもあり、突出部28の床面は他の部分に比べて低位にある。3つのうち上流側2つの突出部28に対向する新気導入室22の前側面には、突出部28に向けて下流側(右方)へ傾斜するように延出する障壁11が形成されている。つまり、ブローバイガス流量増加時(逆流時)、新気導入室22内もブローバイガス流路とされるとき、新気導入室22でのブローバイガスの流路は、L字状となっているとともに、前長手部分21fでは、障壁11および突出部28によって複数回にわたって屈曲するようになっている。そして、新気が新気導入室22を流通する際の流路抵抗は比較的小さく、ブローバイガスが新気導入室22を逆流した際には、ガス流の上流側へ傾斜する障壁11によって効果的にオイルを分離できるようになっている。なお、障壁11によって気液分離されたオイルを動弁室20に戻すオイル戻し孔29が、上流側2つの突出部28の床面に設けられており、障壁11によって分離されたオイルが速やかに排出される。
一方、ブローバイ排出室23(後長手部分21r)の後側面23rの右端上部には、ブローバイ接続部10に対応する位置にブローバイ排出ポート26が開口している。また、ブローバイ排出室23の左右方向中間部において後側へ突出した床面には、エンジン内部のブローバイガスをブローバイ排出室23に導入すべくエンジン内部に接続するブローバイ導入口27が開口している。
ブローバイ排出室23には、その後側面23rにおけるブローバイ導入口27の右側部分から前方へ延出する基端部12aと、ブローバイ排出室23を前後方向に2分するように基端部12aから左方へ(後述するオイル戻し孔30に向けて)延出する先端部12bとを有する区画壁12が形成されている。したがって、区画壁12とブローバイ排出室23の後側面23rとにより挟まれた通路の最も奥(右端)にブローバイ導入口27が配置され、ブローバイ排出室23でのブローバイガスの流路が、長手方向に沿って左方へ延びた後にU字状に屈曲し、再び長手方向に沿って右方へ延びるU字状となっている。通路がこのようにU字状とされたことにより、このU字状部分にて慣性力によってオイル分が分離される。
また、ブローバイ排出室23には、区画壁12の基端部12aとブローバイ排出ポート26との間において、前側面から左方(上流側)へ傾斜する向きに延出する障壁13が形成されている。したがって、ブローバイガスのオイル分が障壁13に捕捉されやくなっている。ブローバイガスから分離したオイルを動弁室20に戻すオイル戻し孔30は、ブローバイ排出室23の左端(Uターン部の先端)であって新気導入ポート24の下方の床面に設けられている。
図3に示すように、ブローバイ排出室23のオイル戻し孔30は、ブローバイ排出室23の後側壁23Rをえぐって床面と後側面23rとに開口するとともに、下方へ向けて後方に拡幅するヘッドカバー下部2の後壁2Rと離間して動弁室20内に延出する略半割円筒状の延長壁14により延長されている。このように、オイル戻し孔30がブローバイ排出室23の後側面23rにも開口するように形成されたことにより、オイル戻し孔30には前後方向に段差30aが形成され、オイル戻し孔30を通ってブローバイ排出室23に流入するブローバイガスの流入路が屈曲するようになっている。
また、図4に示すように、ブローバイ排出室23のオイル戻し孔30は、ブローバイ排出室23の左側壁23Lをえぐって床面と左側面23lとに開口し、延長壁14によって下向きに延びるように形成されている。これにより、オイル戻し孔30には左右方向にも段差30aが形成され、オイル戻し孔30を通ってブローバイ排出室23に流入するブローバイガスの流入路が屈曲するようになっている。
このように、ブローバイ排出室23がチャンバ21の後長手部分21rに形成されたことにより、ブローバイ排出室23の流路長が長く確保され、新気導入室22がチャンバ21の前長手部分21fおよび連結部分21cに形成されたことにより、新気導入室22の流路長がより長くされている。したがって、高負荷運転が長時間継続した場合や、ブローバイ排出室23内にブローバイガスが逆流した場合であっても、ブローバイガスからオイル分が十分に分離される。また、チャンバ21の連結部分21cが前長手部分21fの左端に接続しているため、新気導入室22の流路が比較的単純なL字状とされている。
また、図3に示すように、新気導入室22の新気導入ポート24がブローバイ排出室23の上方に設けられたことにより、新気導入室22で分離したオイルが新気導入ポート24から吸気系へ流れることが抑制される。この構成に伴い、新気導入ポート24が横切る部分では、ブローバイ排出室23の天井面の高さが低くなっており、この部分(新気導入ポート24の下方)にブローバイ排出室23のオイル戻し孔30が配置されたことで、オイル戻し孔30からブローバイ排出室23にブローバイガスが流入したときにも、天井面によってオイルの流入が阻止される。さらに、ブローバイ排出室23のオイル戻し孔30が段部30aを備えることにより、ブローバイ排出室23に流入するブローバイガスの流入路が屈曲するようになり、オイル戻し孔30からオイルが吸い込まれにくくなる。
加えて、新気導入ポート24がブローバイ排出室23側、つまりブローバイ排出ポート26と同じ側に配置されるため、両ポート24、26と吸気系との配管長が短縮されるとともに配管作業が容易になっている。
また、ブローバイ排出ポート26が新気導入ポート24と気筒配列方向で相反する側に設けられているため、ブローバイ排出ポート26が新気導入ポート24と干渉してブローバイ排出室23の流路長が短くなることもない。そしてブローバイ排出室23に区画壁12が設けられたことにより、ブローバイ排出室23の流路長がより長くなり、流路がU字状であることも相まってブローバイガスが十分に気液分離される。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態では、本発明のシリンダヘッドカバー1を直列4気筒ガソリンエンジンに適用したが、その他の内燃機関に適用することも可能である。また、上記実施形態では、新気導入室22のオイル戻し孔29を2箇所の突出部28にのみ設けたが、最も下流側の突出部28に設けたり、新気導入ポート24の近傍に設けたりしてもよい。この他、各装置や部材の具体的構成や配置、数量など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。一方、上記実施形態に示した本発明に係るシリンダヘッドカバー1の各構成要素は必ずしも全てが必須ではなく、少なくとも本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
1 シリンダヘッドカバー
1f 前側部
1r 後側部
4 プラグ挿入孔
5 円筒壁
11 障壁
12 区画壁
12a 基端部
12b 先端部
21 チャンバ
21c 連結部分
21f 前長手部分
21r 後長手部分
22 新気導入室
23 ブローバイ排出室
24 新気導入ポート
25 新気排出口
26 ブローバイ排出ポート
27 ブローバイ導入口
28 突出部
29 オイル戻し孔
30 オイル戻し孔
30a 段部

Claims (7)

  1. 内燃機関の燃焼室に先端部が挿入される部材を保持する保持部がシリンダヘッドカバーの中央部にて気筒配列方向に沿って設けられた内燃機関のヘッドカバー構造であって、
    前記保持部を挟んで前記シリンダヘッドカバーの気筒配列方向に沿う両側部に配置された1対の長手部分と、前記両長手部分を気筒配列方向に直交する方向に連結する連結部分とを含むチャンバが前記シリンダヘッドカバーに形成され、
    前記チャンバが、機関内部で生じたブローバイガスからオイル分を除去するブローバイ排出室と、前記ブローバイガスを掃気すべく機関内部に空気を送り込む新気導入室とに区画され、
    前記両室の一方が前記長手部分の一方に形成され、前記両室の他方が前記長手部分の他方及び前記連結部分に渡って形成され、
    前記両室の前記他方と吸気系とを連通すべく前記シリンダヘッドカバーに形成されたポートが、前記連結部分の側面に開口すると共に前記連結部分の前記側面から前記両室の前記一方の上方を横切るように延出し、
    前記両室の前記一方の天井面が、前記ポートが横切る部分において気筒列方向の他の部分に比べて低くなっており、
    前記両室の前記一方のオイル戻し孔は、前記天井面が低い部分の床面に設けられていることを特徴とする内燃機関のヘッドカバー構造。
  2. 前記両室の前記一方が前記ブローバイ排出室をなし、前記両室の前記他方が前記新気導入室をなすことを特徴とする、請求項に記載の内燃機関のヘッドカバー構造。
  3. 前記連結部分が気筒配列方向の一端部に設けられていることを特徴とする、請求項に記載の内燃機関のヘッドカバー構造。
  4. 前記オイル戻し孔は、これを通って前記両室の前記一方に流入する前記ブローバイガスの流入路を屈曲させる段部を有することを特徴とする、請求項に記載の内燃機関のヘッドカバー構造。
  5. 前記ブローバイ排出室と吸気系とを連通すべく前記シリンダヘッドカバーに形成されたブローバイ排出ポートは、前記新気導入室と吸気系とを連通すべく前記シリンダヘッドカバーに形成された新気導入ポートと気筒配列方向において相反する側の端部に配置され、
    前記ブローバイ排出室には、気筒配列方向に沿う前記シリンダヘッドカバーの側壁の内側面から延出する基端部と、前記ブローバイ排出室を気筒配列方向に直交する方向に2分するように気筒配列方向に沿って前記オイル戻し孔側に向けて延出する先端部とを有する区画壁が形成され、
    前記ブローバイ排出室の機関内部に連通するブローバイ導入口は、前記区画壁と前記側壁とにより挟まれた通路の前記基端部側の端部に配置されたことを特徴とする、請求項に記載の内燃機関のヘッドカバー構造。
  6. 前記新気導入室には、隣接する前記保持部の間にて前記ブローバイ排出室へ向けて突出する突出部と、気筒配列方向に沿う前記シリンダヘッドカバーの側壁から前記突出部に向けて延出する障壁とが形成されたことを特徴とする請求項または請求項に記載の内燃機関のヘッドカバー構造。
  7. 前記シリンダヘッドカバーは、前記内燃機関の搭載姿勢において、前記新気導入室側が前記ブローバイ排出室側よりも高くなる向きに傾斜し、
    前記新気導入室の前記オイル戻し孔が前記突出部に設けられていることを特徴とする、請求項に記載の内燃機関のヘッドカバー構造。
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