本出願は、シアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を含む徐放性薬学的製剤、ならびに徐放性薬学的製剤を利用してシアル酸欠乏症を治療および予防する方法を提供する。本発明は、多様な遺伝子型にわたり、また複数の組織における高濃度の急上昇を伴うことなく、シアル酸欠乏症を有する個人に安定かつ一定した昼夜の置換を提供する基質置換へのアプローチの設計に関する。本発明は、徐放性製剤および代謝物の組み合わせを含む1つ以上の代謝物の使用の組み合わせを介して、この基質置換および治療利益を最適に達成することができる。
本記述は、表題「治療薬」下に含まれる化合物を含むが、それらに限定されない、本明細書に提供される化合物等の有効な量の活性剤を指し、かつそれを含むことが理解される。したがって、本明細書に詳述される徐放性製剤のいずれも、有効な量のシアル酸等の有効な量の治療薬、またはその薬学的に許容される塩を含み得ることが理解される。
定義
「経口投与」および「経口摂取」という用語は、個人への薬学的組成物の経口送達のためであり、患者の消化管(消化管の胃部分、すなわち、腹部を含む)への薬学的製剤の沈着をもたらす、全ての従来の形態を指す。したがって、経口投与および経口摂取は、一例として、固体または液体の薬学的組成物の実際の摂取、強制経口投与等を含む。
本明細書で使用される「治療する」および「治療」という用語は、臨床結果を含む有益な結果または所望の結果を得るためのアプローチを指す。本発明の目的上、有益な臨床結果または所望の臨床結果は、以下のうちの1つ以上を含むが、それらに限定されない:疾患に起因する1つ以上の症状の重症度および/または発症頻度を減少させる、疾患の程度を軽減する、疾患を安定化させる(例えば、疾患を予防するか、または疾患の悪化を遅延させる)、疾患の進行を遅延させるか、または遅らせる、病状を改善する、シアル酸の産生を増加させる、前駆体CMP−シアル酸のシアリル化(例えば、シアル酸の細胞内産生を増加させる)、ならびに筋肉および他のタンパク質中のシアリル化のレベルを回復させる、疾患を治療するために必要とされる1つ以上の他の薬物の用量を減少させる、かつ/または生活の質を高める。本明細書に記載の製剤を用いて患者を「治療する」ことは、個人の管理を含み、疾患または状態を阻害するか、またその後退を引き起こす。
「予防法」または「予防的治療(prophylactic treatment)」または「予防的治療(preventive treatment)」は、症状および/またはそれらの根本原因の発生の予防、例えば、疾患もしくは状態を発症しやすい患者における疾患もしくは状態の予防を指す(例えば、危険性の高い、遺伝性素因、環境要因、素因疾患もしくは障害等の結果として)。予防法は、筋肉内での慢性疾患の変化が不可逆的であり、かつ動物モデルのデータが予防法における治療利益を示唆するHIBMミオパチーを含む。
本明細書で使用される、疾患の進行を「遅延させる」とは、疾患の発症を引き延ばす、妨げる、遅らせる、妨害する、安定化させる、かつ/または延期することを意味する。この遅延は、病歴および/または治療される個人に応じて異なる時間の長さであり得る。
本明細書で使用される「危険性のある」個人とは、シアル酸欠乏症を発症する危険性のある個人である。「危険性のある」個人は、検出可能な疾患を有する場合もあり、または有さない場合もあり、本明細書に記載の治療法の前に検出可能な疾患を呈しているかもしれず、または呈していないかもしれない。「危険性のある」とは、個人が本明細書に記載のシアル酸欠乏症の発症と相関する測定可能なパラメータである1つ以上のいわゆる危険因子を有することを意味する。これらの危険因子のうちの1つ以上を有する個人は、これらの危険因子(複数を含む)を有しない個人よりもシアル酸欠乏症を発症する可能性が高い。
「有効な量」という用語は、所望の治療結果にするのに十分な量でシアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物を提供するシアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物を含む薬学的製剤の量を指す。有効な量を、1つ以上の用量内に含むことができ、すなわち、単回投与または複数回投与が、所望の治療エンドポイントを達成するのに必要とされ得る。
「治療的に有効な量」は、所望の治療結果(例えば、疾患もしくは状態の重症度の減少)を生成するのに十分なシアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物を含む薬学的製剤の量を指す。「予防的に有効な量」は、疾患もしくは状態にかかりやすく、および/またはそれを発症し得る個人に投与されるとき、将来の疾患もしくは状態を予防するか、またはその重症度を減少させるのに十分なシアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物を含む薬学的製剤の量を指す。
「徐放」という用語は、薬物放出が即時ではない薬物含有製剤またはその画分を指し、すなわち、「徐放」製剤を用いると、投与は、吸収プールへの即時の薬物放出をもたらさない。概して、本明細書で使用される「徐放」という用語は、制御放出、持続放出、および遅延放出製剤を含む。
「薬学的に許容される」とは、生物学的ではない物質、またはさもなければ望ましくない物質を意味し、すなわち、その物質は、任意の有意な望ましくない生物学的作用を引き起こすことなく、または有害な様式でそれが含有される組成物の他の成分のうちのいずれとも相互作用することなく、患者に投与される薬学的組成物に組み込まれ得る。薬学的担体または賦形剤を指すために「薬学的に許容される」という用語が使用されるとき、担体または賦形剤が、毒物学的試験および製造試験の必要な基準を満たしていること、またはアメリカ食品医薬品局によって作成された非活性成分ガイド(Inactive Ingredient Guide)に含まれることを示唆する。
本明細書で同義に使用される「障害」または「疾患」という用語は、身体またはその臓器および/もしくは組織のうちの1つの状態における、臓器機能および/もしくは組織機能の働きを妨害するか、または乱し(例えば、臓器機能不全を引き起こす)、かつ/または疾患に苦しむ対象に不快感、機能不全、苦痛等の症状、またはさらには死を引き起こす、任意の変化を指す。
「個人(個体)」という用語は、動物、例えば、哺乳動物を指し、ヒト、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、齧歯動物、または霊長類を含むが、それらに限定されない。好ましくは、個人は、ヒトである。
本明細書で使用される「誘導体」という用語は、誘導体、類似体、プロドラッグ、および非天然前駆体を含む。
「薬学的に許容される塩」という用語は、化合物の生物学的有効性を保持し、生物学的に、または他の点で望ましくないことがない塩を指す。
本明細書において、「約」値またはパラメータの言及は、それ自体がその値またはパラメータを対象とした変化を含む(かつ説明する)。例えば、「約X」に言及する記述は、「X」の記述を含む。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される、単数形「a」、「または(or)」、および「the」は、文脈が別途明確に定めない限り、複数指示対象を含む。本明細書に記載の本発明の実施形態、態様、および変形例が、実施形態、態様、および変形例を「含む」、それらで「構成される」、および/または、それらから「基本的に構成される」ことを含むことが理解される。
徐放性製剤
治療薬として、シアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物もしくはその誘導体または前述の薬学的に許容される塩を含む徐放性薬学的製剤が、本明細書に提供される。一実施形態において、徐放性薬学的製剤は、本明細書で詳述される治療薬およびポリマーを含む。治療薬およびポリマーを含む徐放性製剤はさらに、1つ以上のさらなる成分、例えば、希釈剤、賦形剤、抗酸化剤、滑沢剤、着色剤、結合剤、錠剤分解剤等のうちのいずれか1つ以上を含み得る。以下のシアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を含む徐放性薬学的製剤への言及およびその記述が例示的であり、この記述が、シアル酸生合成経路中の任意の1つ以上の化合物を含む徐放性薬学的製剤に同等に適用され、かつそれを含むことが理解される。以下のシアル酸生合成経路中の化合物のうちのいずれか1つ以上の誘導体を含む徐放性薬学的製剤への言及およびその記述が例示的であり、シアル酸生合成経路中の任意の1つ以上の誘導体、類似体、プロドラッグ、および/または非天然前駆体化合物を含む徐放性薬学的製剤に同等に適用され、かつそれを含むことも理解される。
一変形例において、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、MaNAc、またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、およびMaNAc、またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸のプロドラッグ等のシアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物のプロドラッグ、またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩を含み、さらに、親水コロイドポリマー、アニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー、および水膨潤性のpH非依存性ポリマーを含み、任意でさらに、滑沢剤および/または賦形剤を含む。特定の変形例では、徐放性製剤は、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、およびヒプロメロースもしくはポリエチレンオキシドのいずれかを含む。さらなる変形例では、徐放性製剤は、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ヒプロメロースもしくはポリエチレンオキシドのいずれか、ステアリン酸マグネシウム、ならびに微結晶性セルロース、およびコロイド状二酸化ケイ素を含む。一態様において、徐放性製剤は、表Eの製剤である。さらに別の態様では、徐放性製剤は、表8の製剤である。
治療薬
シアル酸またはシアル酸生合成経路中の化合物もしくはその誘導体、または前述のうちのいずれかの薬学的に許容される塩の投与が、治療薬として(例えば、基質置換として)、シアル酸欠乏障害を有するか、またはそれを有する疑いのある個人に投与することができることが考えられる。治療薬として、そのような化合物またはその薬学的に許容される塩を含む徐放性製剤が、本明細書において提供される。一態様において、シアル酸またはシアル酸生合成経路中の化合物もしくはその誘導体、または前述のうちのいずれかの薬学的に許容される塩は、シアル酸またはその薬学的に許容される塩である。一態様において、本明細書に詳述される徐放性製剤のいずれかは、有効な量のシアル酸またはその薬学的に許容される塩等の有効な量の治療薬を含み得る。
一変形例におけるシアル酸生合成経路中の化合物またはその誘導体は、シアル酸生合成経路中のManNAcにあるか、またはその下流にある化合物もしくはその薬学的に許容される塩である。特定の変形例では、治療薬は、シアル酸生合成経路中のManNAcにあるか、またはその下流にあり、かつ図1に示される化合物もしくはその薬学的に許容される塩である。
別の変形例におけるシアル酸生合成経路中の化合物もしくはその誘導体は、シアル酸生合成経路中のCMP−シアル酸にあるか、またはその上流にある化合物もしくはその薬学的に許容される塩である。特定の変形例では、治療薬は、シアル酸生合成経路中のCMP−シアル酸にあるか、またはその上流にあり、かつ図1に示される化合物もしくその薬学的に許容される塩である。そのような一変形例では、シアル酸生合成経路中の化合物もしくはその誘導体は、グルコースまたはその薬学的に許容される塩を含まない。
特定の変形例では、一変形例におけるシアル酸生合成経路中の化合物もしくはその誘導体は、(i)シアル酸生合成経路中のManNAcにあるか、またはその下流にあり、かつ(ii)シアル酸生合成経路中のCMP−シアル酸にあるか、またはその上流にある化合物もしくはその薬学的に許容される塩である。そのような一変形例では、化合物は、図1に示される化合物またはその薬学的に許容される塩である。
シアル酸生合成経路中の化合物もしくはその誘導体は、マンノサミン、N−アセチルマンノサミン(ManNAc)、ManNac−6−リン酸塩(ManNAc−6−P)、UDP−GlcNAc、N−アセチルノイラミン酸(NeuAc)、NeuAc−9−リン酸塩(NeuAc−9−P)、シアル酸(すなわち、5−N−アセチルノイラミン酸)、CMP−シアル酸、および/もしくはその誘導体、または前述の薬学的に許容される塩を含むが、それらに限定されない。
いくつかの実施形態において、シアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、N−アセチルノイラミン酸(NeuAc)またはその誘導体を含む。そのようなNeuAcまたはその誘導体の構造は、以下の式によって定義される構造を含むが、それに限定されず、
式中、それぞれのR1、R2、R3、R5、R6、またはR7は、独立して、水素、低級アルカノイル、カルボン酸塩、または低級アルキルであり、R4は、低級アルキル、低級アルカノイルアルキル、または低級アルキルアルカノイルオキシである。
いくつかの実施形態において、シアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、ManNAcまたはその誘導体を含む。そのようなManNAcおよびその誘導体の構造は、以下の式によって定義される構造を含むが、それに限定されず、:
式中、それぞれのR1、R3、R4、またはR5は、独立して、水素、低級アルカノイル、カルボン酸塩、または低級アルキルであり、R2は、低級アルキル、低級アルカノイルアルキル、または低級アルキルアルカノイルオキシである。
低級アルキルという用語は、(C1−C6)アルキルを指す。低級アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、3−ペンチル、ヘキシル、ならびに(C3−C6)シクロアルキル部分(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、もしくはシクロヘキシル)、(C3−C6)シクロアルキル(C1−C6)アルキル(例えば、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、2−シクロプロピルエチル、2−シクロブチルエチル、2−シクロペンチルエチル、もしくは2−シクロヘキシルエチル)、(C1−C6)アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、ペントキシ、3−ペントキシ、もしくはヘキシルオキシ)、(C2−C6)アルケニル(例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、もしくは5−ヘキセニル)、(C2−C6)アルキニル(例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、もしくは5−ヘキシニル)、(C1−C6)アルカノイル(例えば、アセチル、プロパノイル、もしくはブタノイル)、ハロ(C1−C6)アルキル(例えば、ヨードメチル、ブロモメチル、クロロメチル、フルオロメチル、トリフルオロメチル、2−クロロエチル、2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、もしくはペンタフルオロエチル)、ヒドロキシ(C1−C6)アルキル(例えば、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1−ヒドロキシペンチル、5−ヒドロキシペンチル、1−ヒドロキシヘキシル、もしくは6−ヒドロキシヘキシル)、(C1−C6)アルコキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、もしくはヘキシルオキシカルボニル)、(C1−C6)アルキルチオ(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、ペンチルチオ、もしくはヘキシルチオ)、および/または(C2−C6)アルカノイルオキシ(例えば、アセトキシ、プロパノイルオキシ、ブタノイルオキシ、イソブタノイルオキシ、ペンタノイルオキシ、もしくはヘキサノイルオキシ)を含む。
いくつかの実施形態において、R2は、メチルであり、R1、R3、R4、およびR5はそれぞれ、水素である。いくつかの実施形態において、ManNAcまたはその誘導体は、N−アセチルマンノサミン(ManNAc)である。いくつかの実施形態において、ManNAcまたはその誘導体は、N−レブリノイルマンノサミン(ManLev)またはN−アジドアセチルマンノサミン(ManNAz)である。
一変形例において、シアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、シアル酸生合成経路中の化合物のエステルである。一態様において、シアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、シアル酸またはMaNAcのエステルである。特定の変形例では、シアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、シアル酸のエステルである。一態様において、シアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、シアル酸のプロドラッグである。シアル酸生合成経路中の化合物の誘導体について、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、具体的には、その中で詳述される化合物(例えば、シアル酸生合成経路中の化合物の誘導体)に関する、2010年11月18日に公開された国際公開第WO2010/131712号も参照されたい。
一態様において、シアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物の誘導体(例えば、シアル酸もしくはMaNAcの誘導体)は、シアル酸欠乏障害を有するか、またはそれを有する疑いのある個人等におけるシアル酸の効果的な基質置換である。シアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物の誘導体(例えば、シアル酸もしくはMaNAcの誘導体)、またはシアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物の誘導体を含む徐放性製剤(例えば、シアル酸もしくはMaNAcの誘導体)は、以下の特徴のうちのいずれか1つ以上を呈し得る:(i)約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24時間のうちのいずれかを超える期間にわたって、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができること、(ii)約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24時間のうちのいずれかを超える期間にわたって、実質的に一定の治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができること、(iii)約2〜4時間、3〜4時間、6〜8時間、6〜12時間、6〜15時間、12〜18時間、または18〜24時間のうちのいずれかのTmaxで、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができること、(iv)約0.5〜100μg/mLのCmaxで、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができること、(v)約0.1〜20μg/mLのトラフ濃度で、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができること、(vi)約10%未満、20%未満、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満、または70%未満のうちのいずれかが1時間後に排出される、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができること、(vii)約0.01〜750mg/kg/日、0.5〜500mg/kg/日、1〜250mg/kg/日、2.5〜100mg/kg/日、または5〜50mg/kg/日のうちのいずれかのシアル酸経路中の1つ以上の化合物または前述の薬学的に許容される塩もしくはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができること、(viii)約0.01〜750mg/kg/日、0.5〜500mg/kg/日、1〜250mg/kg/日、2.5〜100mg/kg/日、または5〜50mg/kg/日のシアル酸経路中のうちのいずれかの1つ以上の化合物もしくはその誘導体または前述の薬学的に許容される塩を、それを必要とする個人に送達することができること、(ix)約1〜約50%の絶対的バイオアベイラビリティを有すること、(x)約0.5〜約100%の尿中のシアル酸レベルに基づくバイオアベイラビリティを有すること、および(xi)少なくとも約3.5時間の平均滞留時間(MRT)を有すること。
いくつかの実施形態において、シアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、シアル酸またはその誘導体を含む。いくつかの実施形態において、シアル酸またはその誘導体は、シアル酸である。いくつかの実施形態において、シアル酸またはその誘導体は、N−レブリノイルシアル酸(SiaLev)またはN−アジドアセチルシアル酸(SiaNAz)等のシアル酸類似体である。いくつかの実施形態において、シアル酸は、糖複合体として結合される。いくつかの実施形態において、シアル酸またはその誘導体は、シアリルラクトース等の非天然前駆体である。
いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約1つ、2つ、3つ、または4つのうちのいずれかのシアル酸生合成経路中の化合物またはその誘導体を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、シアル酸生合成経路中の2つの化合物またはその誘導体を含む。したがって、例えば、徐放性製剤は、ManNAcまたはその誘導体、およびシアル酸またはその誘導体を含み得る。より具体的には、徐放性製剤は、ManNAcおよびシアル酸を含み得る。
徐放性製剤のいずれかの実施形態において、徐放性製剤中のシアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体の量は、シアル酸産生を増加させ、かつ/またはシアリル化を増加させる(例えば、シアリル化を最大限に回復させる)のに有効な量である。
いくつかの実施形態において、シアル酸生合成経路中の2つ以上の化合物またはその誘導体の比率は、シアル酸生合成経路のフィードバック阻害を最小限に抑える比率である。いくつかの実施形態において、シアル酸生合成経路中の2つ以上の化合物またはその誘導体の比率は、シアル酸生合成経路中の2つ以上の化合物またはその誘導体の筋肉細胞への効率的な送達を可能にする比率である。いくつかの実施形態において、シアル酸生合成経路中の2つ以上の化合物またはその誘導体の比率は、シアル酸生合成経路のフィードバック阻害を最小限に抑え、かつシアル酸生合成経路中の2つ以上の化合物またはその誘導体の筋肉細胞への効率的な送達を可能にする比率である。いくつかの実施形態において、シアル酸生合成経路中の2つ以上の化合物またはその誘導体は、ManNAcまたはその誘導体、およびシアル酸またはその誘導体である。例えば、いくつかの実施形態において、ManNAcおよびシアル酸の比率は、シアル酸生合成経路のフィードバック阻害を最小限に抑え、かつManNAcおよび/またはシアル酸の筋肉細胞への効率的な送達を可能にする比率である。その組み合わせは、中間体の置換を最適に展開し、異なる代謝で全ての細胞型への最適な分布を高め得る。シアリル化の回復を試験し、生体外HIBM筋肉細胞を用いてシアル酸生合成経路中の2つ以上の化合物またはその誘導体の最良の比率を決定する方法は、当技術分野において既知である。例えば、Noguchi S.et al.,J.Bio.Chem.279(12):11402−7(2004)を参照されたい。これは、最適なシアリル化のために神経細胞接着分子(NCAM)の可溶形態等の筋肉由来のタンパク質を評価すること(Ricci et al.,Neurology 66:755−758(2006)、シアル酸代謝物もしくは組織試料中のCMP−シアル酸レベルを評価すること、または筋肉もしくは他の細胞の表面上のシアリル化タンパク質を評価することを含み得る。Noguchi S.et al.,J.Bio.Chem.279(12):11402−7(2004)。
徐放性製剤がシアル酸生合成経路中の2つの化合物またはその誘導体を含む実施形態において、徐放性製剤中の2つの化合物は、約5%〜95%:95%〜5%、5%〜50%:95%〜50%、または10%〜40%:90%〜60%のうちのいずれかの重量対重量パーセンテージで存在し得る。徐放性製剤中の2つの化合物は、約90%:10%、80%:20%、70%:30%、60%:40%、50%:50%、40%:60%、30%:70%、20%:80%、または10%:90%のうちのいずれかの重量対重量パーセンテージで存在し得る。いくつかの実施形態において、徐放性製剤中の2つの化合物は、約50%:50%の重量対重量パーセントである。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。したがって、例えば、徐放性製剤は、ManNAcおよびシアル酸を含み得、ManNAc:シアル酸の重量対重量パーセンテージは、約90%:10%、80%:20%、70%:30%、60%:40%、50%:50%、40%:60%、30%:70%、20%:80%、または10%:90%のうちのいずれかである。
ポリマー
本明細書に記載のシアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を含む徐放性製剤は、1つ以上のポリマーを含み得る。ポリマーは、天然ポリマー(例えば、多糖類もしくはタンパク質)、改質天然ポリマー、および/または合成ポリマーであり得る。ポリマーは、例えば、疎水性ポリマー、親水性ポリマー、ヒドロゲル、可溶性ポリマー、生分解性ポリマー、非生分解性ポリマー、および/または粘膜付着性ポリマーであり得る。
いくつかの実施形態において、ポリマーは、疎水性ポリマーである。疎水性ポリマーの例として、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、エチルセルロース、またはアクリレートポリマーおよびそれらのコポリマーが挙げられる。
いくつかの実施形態において、ポリマーは、親水性ポリマーである。親水性ポリマーの例として、a)メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチル−セルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース(HPMC)、またはカルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース誘導体、b)寒天、カロブガム、アルギン酸塩、糖蜜、マンノースおよびガラクトースの多糖類、またはキトサンおよび改質デンプン等の天然または半合成の非セルロースポリマー、ならびにc)カルボポールポリマー等のアクリル酸のポリマーが挙げられる。
いくつかの実施形態において、ポリマーは、ヒドロゲルである。ヒドロゲルの例として、ポリヒドロキシエチルメチルアクリレート(PHEMA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキシド(PEO)、またはポリアクリルアミド(PA)が挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、ポリエチレンオキシド(例えば、Polyox(商標)水溶性樹脂、Dow Chemical Company,Mich.,USA)である。
いくつかの実施形態において、ポリマーは、可溶性ポリマーである。可溶性ポリマーの例として、ポリエチレングリコール(PEG)、PVA、PVP、またはHPMCが挙げられるが、それらに限定されない。
いくつかの実施形態において、ポリマーは、生分解性ポリマーである。生分解性ポリマーの例として、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(乳酸/グリコール酸)(PLGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ無水物、またはポリオルトエステルが挙げられるが、それらに限定されない。
いくつかの実施形態において、ポリマーは、非生分解性ポリマーである。非生分解性ポリマーの例として、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリジメチルシロキサン(PDS)、ポリエーテルウレタン(PEU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、酢酸セルロース(CA)、またはエチルセルロース(EC)が挙げられるが、それらに限定されない。
いくつかの実施形態において、ポリマーは、粘膜付着性ポリマーである。粘膜付着性ポリマーの例として、ポリカルボフィル、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸、トラガカント、メチルセルロース、ペクチン、天然ガム、キサンタンガム、グアガム、またはカラヤガムが挙げられるが、それらに限定されない。
いくつかの実施形態において、徐放性薬学的製剤は、2つのポリマーを含む。いくつかの実施形態において、ポリマーは、ポリラクチドではない。いくつかの実施形態において、ポリマーは、PLGA等のポリラクチドコポリマーではない。
いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、a)水膨潤性のpH非依存性ポリマー、b)アニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー、c)カチオン性ポリマー、およびd)親水コロイドポリマーからなる群から選択される1つ以上のポリマーを含む。一変形例において、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、MaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩、およびMaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸プロドラッグ等のシアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物のプロドラッグまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含み、さらに、親水コロイドポリマー、アニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー、および水膨潤性のpH非依存性ポリマーを含み、任意でさらに、滑沢剤および/または賦形剤を含む。特定の変形例では、徐放性製剤は、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、およびヒプロメロースもしくはポリエチレンオキシドのいずれかを含む。さらなる変形例では、徐放性製剤は、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ヒプロメロースもしくはポリエチレンオキシドのいずれか、ステアリン酸マグネシウム、ならびに微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素を含む。一態様において、徐放性製剤は、表Eの製剤である。さらに別の態様では、徐放性製剤は、表8の製剤である。
水膨潤性のpH非依存性ポリマーの例として、例えば、(以前はヒドロキシプロピルメチルセルロースのファミリーとして既知の)ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、または他の構成物質等の炭水化物ベースのポリマーが挙げられるが、それらに限定されない。典型的に本発明とともに使用されるこれらのヒプロメロースコポリマーのグレードには、例えば、Dow Chemical Company(Midland,Mich.USA)またはAqualon(北米ではWilmington,Del.に所在する)のE4M、E10M、K100LV、K4M、K15M、K25M、K100M、K200M等のEおよびKシリーズ、ならびに様々な分子量およびグレードの混合物が含まれる。ヒドロキシエチルセルロースのグレードには、例えば、AqualonのNatrasolポリマーHHX(分子量1,300,000)、HX(分子量1,000,000)、H(分子量1,000,000)、M(分子量720,000)、およびG(分子量1,150,000)、ならびにそれらの混合物が含まれる。ヒドロキシプロピルセルロースのグレードには、例えば、AqualonのHPCポリマーMFおよびMXF(分子量580,000)、ならびにKFおよびHXF(分子量1,150,000)、ならびにそれらの混合物が含まれる。エチルセルロースのグレードには、例えば、Dow Chemical CompanyのEthocelポリマー7FP、10FP、および100FP、ならびにAqualonのポリマーT10EC、N7、N10、N17、N22、N50、N100、およびN200、ならびにそれらの混合物が含まれる。いくつかの実施形態において、水膨潤性のpH非依存性ポリマーは、ヒプロメロース(例えば、2208型ヒプロメロース)である。いくつかの実施形態において、水膨潤性のpH非依存性ポリマーは、Methocel(登録商標)(例えば、Methocel(登録商標)K100MPremium CR,Colorcon)である。
アニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマーの例として、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、もしくはアルギン酸アンモニウム、またはそれらの組み合わせ等の一価アルギン酸塩、およびカルボキシメチルセルロースナトリウム等、または1つ以上のアルギン酸塩およびカルボキシメチルセルロース等の混合物が挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの実施形態において、アニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマーは、アルギン酸ナトリウム(例えば、Protanal(登録商標)、FMC BioPolymer)である。
カチオン性ポリマーの例として、例えば、トリメチルキトサンおよび四級化(quartermised)キトサンを含む、例えば、キトサンまたはその誘導体、ならびに例えば、米国特許第5,747,475号に教示される物質を含むキトサン由来物質が挙げられる。高分子量または低分子量のいずれかのキトサン生成物は、本発明の薬学的製剤中で使用されてもよく、薬学的グレードで世界中にある供給業者から容易に入手可能である。
本発明の製剤中で使用される親水コロイドポリマーは、カラギーナンであり得る。カラギーナンは、イオタ、カッパ、およびラムダカラギーナンとして利用可能であり、イオタが使用される頻度が最も高く、ラムダが使用される頻度は最も低い。例えば、カラギーナンナトリウムを含むカラギーナンの様々な塩形態も利用可能である。イオタカラギーナンの典型的に使用されるグレードには、制限なく、カラギーナンNF AEPブランドコロイド(Hadley,N.Y.USA)FD433(1%の粘度、300〜400cps)およびFD384(1%の粘度、約100cps)が含まれる。他のカラギーナン生成物の粘度は、約50〜約4000cpsに及ぶ。いくつかの実施形態において、カラギーナンは、ラムダカラギーナン(例えば、Viscarin GP−209、FMC BioPolymer)である。いくつかの実施形態において、カラギーナンは、約1500〜2000cPsの粘度を有する。いくつかの実施形態において、カラギーナンは、約1600cPsの粘度を有する。
製剤および徐放性製剤において有用なポリマーは、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれ、具体的には、本明細書その中で提供されるポリマーに関する、2010年6月24日に公開された米国特許出願第2010/0160363号、および2010年6月24日に公開された米国特許出願第2010/0159001号においてさらに説明されている。
いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、水膨潤性のpH非依存性ポリマー(例えば、ヒプロメロース)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤はさらに、アニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤はさらに、親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、水膨潤性のpH非依存性ポリマー(例えば、ヒプロメロース)、アニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)、および親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、ヒプロメロース(例えば、2208型ヒプロメロースまたはMethocel K100M)、アルギン酸ナトリウム(例えば、Protanal)、およびラムダカラギーナン(例えば、Viscarin GP−209)を含む。一変形例において、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、MaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩、およびMaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸のプロドラッグ等のシアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物のプロドラッグ、またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含み、さらに、親水コロイドポリマー、アニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー、および水膨潤性のpH非依存性ポリマーを含み、任意でさらに、滑沢剤および/または賦形剤を含む。特定の変形例では、徐放性製剤は、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、およびヒプロメロースもしくはポリエチレンオキシドのいずれかを含む。さらなる変形例では、徐放性製剤は、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ヒプロメロースもしくはポリエチレンオキシドのいずれか、ステアリン酸マグネシウム、ならびに微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素を含む。一態様において、徐放性製剤は、表Eの製剤である。さらに別の態様では、徐放性製剤は、表8の製剤である。
いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、ヒドロゲル(例えば、ポリエチレンオキシド)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤はさらに、アニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤はさらに、親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、ヒドロゲル(例えば、ポリエチレンオキシド)、アニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)、および親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、ポリエチレンオキシド(例えば、Polyox WSR)、アルギン酸ナトリウム(例えば、Protanal)、およびラムダカラギーナン(例えば、Viscarin GP−209)を含む。一変形例において、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、MaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩、およびMaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸のプロドラッグ等のシアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物のプロドラッグ、またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含み、さらに、親水コロイドポリマー、アニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー、および水膨潤性のpH非依存性ポリマーを含み、任意でさらに、滑沢剤および/または賦形剤を含む。特定の変形例では、徐放性製剤は、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、およびヒプロメロースもしくはポリエチレンオキシドのいずれかを含む。さらなる変形例では、徐放性製剤は、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ヒプロメロースもしくはポリエチレンオキシドのいずれか、ステアリン酸マグネシウム、ならびに微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素を含む。一態様において、徐放性製剤は、表Eの製剤である。さらに別の態様では、徐放性製剤は、表8の製剤である。
一変形例における、徐放性製剤は、(i)親水コロイドポリマー、(ii)アニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー、および(iii)水膨潤性のpH非依存性ポリマーまたはヒドロゲルのいずれかを含む。一変形例において、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、MaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩、およびMaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸のプロドラッグ等のシアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物のプロドラッグ、またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含み、さらに、親水コロイドポリマー、アニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー、および水膨潤性のpH非依存性ポリマーを含み、任意でさらに、滑沢剤および/または賦形剤を含む。特定の変形例では、徐放性製剤は、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、およびヒプロメロースもしくはポリエチレンオキシドのいずれかを含む。さらなる変形例では、徐放性製剤は、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ヒプロメロースもしくはポリエチレンオキシドのいずれか、ステアリン酸マグネシウム、ならびに微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素を含む。一態様において、徐放性製剤は、表Eの製剤である。さらに別の態様では、徐放性製剤は、表8の製剤である。一変形例における徐放性製剤は、本明細書に詳述される治療薬(例えば、シアル酸)、ならびに(i)親水コロイドポリマー、(ii)アニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー、および(iii)水膨潤性のpH非依存性ポリマーまたはヒドロゲルのいずれかを含む。例示的な徐放性製剤は、表Aに列記される製剤を含み、治療薬およびポリマーのそれぞれかつ全ての組み合わせまたはポリマーの組み合わせが具体的かつ個別に列記されるかのように同様に、徐放性製剤が、ポリマー1、2、3A、または3Bのいずれかのうちの少なくとも1つと組み合わせて、列記される治療薬のうちのいずれかを含み得ることが理解される。特定の製剤が、表Aの治療薬および表Aのポリマー1、2、および3(Aおよび/またはB)から選択されるポリマーのうちのいずれか1つ以上を含み得るが、特定の変形例では、徐放性製剤は、治療薬およびポリマーのそれぞれかつ全ての組み合わせが具体的かつ個別に列記されるかのように同様に、表Aの治療薬、表Aのポリマー1、表Aのポリマー2、および表Aのポリマー3Aまたは表Aのポリマー3Bのいずれかを含む。例えば、一態様において、徐放性製剤が、シアル酸、カラギーナン(例えば、Viscarin GP−209等のラムダカラギーナン)、アルギン酸塩(例えば、Protanal(登録商標)LF 120M等のアルギン酸ナトリウム)、および(i)ヒプロメロース(例えば、2208型ヒプロメロース)もしくは(ii)ポリエチレンオキシド(例えば、Polyox)のいずれか、または前述のうちのいずれかの薬学的に許容される塩を含むことが理解される。
一変形例における、徐放性製剤は、表Aの治療薬、表Aのポリマー1、表Aのポリマー2、および表Aのポリマー3Aまたはポリマー3Bのいずれかを含み、組成物は、表Bに示される重量パーセント範囲のうちのいずれか1つの治療薬およびポリマーを含む。
別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬(表Aを含む、本明細書に詳述される化合物のうちのいずれか等のシアル酸生合成経路中の化合物もしくはその誘導体または前述のうちのいずれかの塩)、およびポリマーを含み、ポリマーは、(i)親水コロイドポリマー、(ii)アニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー、および(iii)水膨潤性のpH非依存性ポリマーまたはヒドロゲルのいずれかを含み、ポリマー(i):(ii):(iii)の重量パーセント比は、約1:5:5または約1:5:6である。
(i)親水コロイドポリマー、(ii)アニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー、および(iii)水膨潤性のpH非依存性ポリマーまたはヒドロゲルのいずれかの組み合わせは、(i)強力な製剤(例えば、錠剤製剤)を提供すること、(i)pH非依存性であること、および(iii)溶解特性に影響を及ぼさずに造粒に役立つことのうちのいずれか1つ以上をもたらすという点で、経口剤形の調製に特に有益な特有の組み合わせを提供する。
徐放性製剤および製剤成分のさらなる記述は、全体および以下で見出される。
相対重量パーセンテージの参照は、製剤中の全ての成分を合わせた全重量パーセンテージが合計100になることが前提とされることが理解される。組成物中の成分の重量パーセントが合計100になるように、1つ以上の成分の相対重量パーセンテージを上方調整または下方調整してもよいことがさらに理解される。一態様において、本明細書に詳述される重量パーセンテージは、製剤ブレンドの重量パーセンテージ(例えば、錠剤コーティングを加えることによってさらに改変することができる、例えば、錠剤等の単位投与量への製剤化の前)を指す。別の態様では、本明細書に詳述される重量パーセンテージは、個人への投与用の形態であり、かつ/またはそのためにパッケージ化されている(例えば、コーティングを有する錠剤)製剤の単位投与量の重量パーセンテージを指す。
ポリマーは、100重量部のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体と比較して、5〜40重量部、10〜20重量部の量で徐放性製剤中に存在し得る。いくつかの実施形態において、そのような製剤中のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、製剤の約0.1〜99.9重量%を含む。いくつかの実施形態において、そのような製剤中のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、約20%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、または20%〜50%のうちのいずれかを含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、ポリマーの約40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、または50%〜70重量%のうちのいずれかを含む。
いくつかの実施形態において、徐放性製剤中のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体の薬物負荷は、約20%〜80w/w%を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤中のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体の薬物負荷は、約20%〜60w/w%、20%〜50w/w%、20%〜40w/w%、15%〜60w/w%、15%〜50w/w%、15%〜40w/w%、25%〜60w/w%、25%〜50w/w%、25%〜40w/w%、30%〜60w/w%、30%〜50w/w%、30%〜45w/w%、35%〜60w/w%、35%〜50w/w%、または35%〜45w/w%のうちのいずれか1つを含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤中のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体の薬物負荷は、約25w/w%、30w/w%、35w/w%、40w/w%、45w/w%、または50w/w%のうちの少なくともいずれか1つを含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤中のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体の薬物負荷は、約33w/w%を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤中のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体の薬物負荷は、約43w/w%を含む。
いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約20〜約50または約20〜約40または約20〜約30w/w%の水膨潤性のpH非依存性ポリマー(例えば、ヒプロメロース)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約25w/w%の水膨潤性のpH非依存性ポリマー(例えば、ヒプロメロース)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤はさらに、約20〜25w/w%のアニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤はさらに、約21w/w%のアニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤はさらに、約1〜5w/w%の親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤はさらに、約4w/w%の親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約20〜30w/w%の水膨潤性のpH非依存性ポリマー(例えば、ヒプロメロース)、約20〜25w/w%のアニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)、および約1〜5w/w%の親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約20〜30w/w%のヒプロメロース(例えば、2208型ヒプロメロースまたはMethocel K100M)、約20〜25w/w%のアルギン酸ナトリウム(例えば、Protanal)、および約1〜5w/w%のラムダカラギーナン(例えば、Viscarin GP−209)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約25w/w%の水膨潤性のpH非依存性ポリマー(例えば、ヒプロメロース)、約21w/w%のアニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)、および約4w/w%の親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約25w/w%のヒプロメロース(例えば、2208型ヒプロメロースまたはMethocel K100M)、約21w/w%のアルギン酸ナトリウム(例えば、Protanal)、および約4w/w%のラムダカラギーナン(例えば、Viscarin GP−209)を含む。
いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約20〜約50または約20〜約40または約20〜約20〜30w/w%のヒドロゲル(例えば、ポリエチレンオキシド、Polyox WSR)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約25w/w%のヒドロゲル(例えば、ポリエチレンオキシド、Polyox WSR)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤はさらに、約20〜25w/w%のアニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤はさらに、約21w/w%のアニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤はさらに、約1〜5w/w%の親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤はさらに、約4w/w%の親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約20〜30w/w%のヒドロゲル(例えば、ポリエチレンオキシド)、約20〜25w/w%のアニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)、および約1〜5w/w%の親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約20〜30w/w%のポリエチレンオキシド(例えば、Polyox WSR)、約20〜25w/w%のアルギン酸ナトリウム(例えば、Protanal)、および約1〜5w/w%のラムダカラギーナン(例えば、Viscarin GP−209)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約25w/w%のヒドロゲル(例えば、ポリエチレンオキシド)、約21w/w%のアニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)、および約4w/w%の親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約25w/w%のポリエチレンオキシド(例えば、Polyox WSR)、約21w/w%のアルギン酸ナトリウム(例えば、Protanal)、および約4w/w%のラムダカラギーナン(例えば、Viscarin GP−209)を含む。
さらなる製剤成分
本明細書に記載のシアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を含む徐放性薬学的製剤はさらに、希釈剤、賦形剤、抗酸化剤、滑沢剤、着色剤、結合剤、錠剤分解剤等を含み得る。表題「徐放性製剤」下に列記される製剤(例えば、表AまたはBの任意の製剤)を含むが、それらに限定されない本明細書に詳述される徐放性製剤のいずれかがさらに、そのような成分をさらに含むそれぞれかつ全ての徐放性製剤が具体的かつ個別に列記されるかのように同様に、本明細書に詳述される希釈剤、賦形剤、抗酸化剤、滑沢剤、着色剤、結合剤、錠剤分解剤等を含み得ることが理解される。一変形例において、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、MaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩、およびMaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸のプロドラッグ等のシアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物のプロドラッグ、またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含み、さらに、親水コロイドポリマー、アニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー、および水膨潤性のpH非依存性ポリマーを含み、任意でさらに、滑沢剤および/または賦形剤を含む。特定の変形例では、徐放性製剤は、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウムおよびヒプロメロースもしくはポリエチレンオキシドのいずれかを含む。さらなる変形例では、徐放性製剤は、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ヒプロメロースもしくはポリエチレンオキシドのいずれか、ステアリン酸マグネシウム、ならびに微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素を含む。一態様において、徐放性製剤は、表Eの製剤である。さらに別の態様では、徐放性製剤は、表8の製剤である。
希釈剤は、その組み合わせの生物学的活性に影響を及ぼさないように選択される。そのような希釈剤の例には、蒸留水、緩衝水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、リンガー溶液、デキストロース溶液、およびハンクス溶液がある。薬学的製剤は、生理学的状態に近づけるために、pH調整剤および緩衝剤、毒性調整剤、湿潤剤、ならびに洗剤等のさらなる物質も含み得る。薬学的製剤は、様々な安定剤のうちのいずれかも含み得る。様々な種類の投与に好適な薬学的製剤についてのさらなるガイダンスを、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition.Baltimore,MD:Lippincott Williams & Wilkins,2000において見出すことができる。
賦形剤を、ラクトース、微結晶性セルロース、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、小麦デンプン、ショ糖、D−マンニトール、沈降炭酸カルシウム、デキストリン、予ゼラチン化デンプン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択することができる。存在する場合、賦形剤は、錠剤の全重量に基づいて、約10〜約90重量部の量で含有され得る。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、または50%〜70重量%の賦形剤のうちのいずれかを含む。いくつかの実施形態において、賦形剤は、微結晶性セルロースである。いくつかの実施形態において、賦形剤は、微結晶性セルロースおよびコロイド二酸化ケイ素(例えば、ProSolv(登録商標)SMCC HD90)である。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約1〜10w/w%の微結晶性セルロースおよびコロイド二酸化ケイ素(例えば、ProSolv(登録商標)SMCC HD90)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約5w/w%の微結晶性セルロースおよびコロイド二酸化ケイ素(例えば、ProSolv(登録商標)SMCC HD90)を含む。
結合剤を、ヒドロキシプロピルセルロース、直接錠剤化微結晶性セルロース、HPMC、MC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、および他のセルロース誘導体、PVP、PVA、ペースト、アラビアガム、デキストリン、ゼラチン、アルギン酸塩、およびそれらの組み合わせからなる群から選択することができる。存在する場合、結合剤を、錠剤の全重量に基づいて、約2〜約60重量部の量で使用することができる。
錠剤分解剤を、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択することができる。存在する場合、錠剤分解剤を、錠剤組成物の全重量に基づいて、約0.1〜約32重量部の量で含有することができる。
滑沢剤を、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、滑石、軽質無水ケイ酸、および固体ポリエチルグリコール、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択することができる。存在する場合、滑沢剤を、錠剤の全重量に基づいて、約0.1〜約20重量部の量で含有することができる。いくつかの実施形態において、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム(例えば、HyQual(登録商標))である。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約0.1〜1w/w%のステアリン酸マグネシウム(例えば、HyQual(登録商標))を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約0.5w/w%のステアリン酸マグネシウム(例えば、HyQual(登録商標))を含む。
着色剤について、二酸化チタン、酸化鉄、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、アルミニウムレーキ、例えば、青色1号アルミニウムレーキ、赤色40号アルミニウムレーキ等から選択することができる少なくとも1つの種を、錠剤中に含有することができる。
別の変形例では、表題「徐放性製剤」下に列記される製剤(例えば、表AおよびBの任意の製剤)を含むが、それらに限定されない本明細書に詳述される徐放性製剤はさらに、賦形剤を含む。特定の変形例では、賦形剤は、微結晶性セルロースを含む。さらなる変形例では、賦形剤は、微結晶性セルロースおよびコロイド二酸化ケイ素を含む。任意のそのような変形例では、賦形剤(例えば、微結晶性セルロースおよびコロイド二酸化ケイ素を含む賦形剤)をさらに含む徐放性製剤は、約1〜約20もしくは約1〜約15もしくは約1〜約10もしくは約1〜約5もしくは約5〜約20もしくは約5〜約15もしくは約5〜約10重量パーセント、または約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10重量パーセントのうちのいずれか1つの賦形剤を含む。一変形例において、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、MaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩、およびMaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸のプロドラッグ等のシアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物のプロドラッグ、またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含み、さらに、親水コロイドポリマー、アニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー、および水膨潤性のpH非依存性ポリマーを含み、任意でさらに、滑沢剤および/または賦形剤を含む。特定の変形例では、徐放性製剤は、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、およびヒプロメロースもしくはポリエチレンオキシドのいずれかを含む。さらなる変形例では、徐放性製剤は、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ヒプロメロースもしくはポリエチレンオキシドのいずれか、ステアリン酸マグネシウム、ならびに微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素を含む。一態様において、徐放性製剤は、表Eの製剤である。さらに別の態様では、徐放性製剤は、表8の製剤である。
別の変形例では、表題「徐放性製剤」下に列記される製剤(例えば、表AおよびBの任意の製剤)を含むが、それらに限定されない本明細書に詳述される徐放性製剤はさらに、滑沢剤を含む。特定の変形例では、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸塩を含む。任意のそのような変形例では、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸塩)をさらに含む徐放性製剤は、約0.1〜約2もしくは約0.1〜約1.5もしくは約0.1〜約1.0もしくは約0.1〜約.09-5もしくは約0.1〜約0.8もしくは約0.1〜約0.7もしくは約0.1〜約0.6もしくは約0.1〜約0.5もしくは約0.2〜約0.8もしくは約0.3〜約0.7もしくは約0.4〜約0.6重量パーセント、または約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、もしくは1.0重量パーセントのうちのいずれか1つの滑沢剤を含む。一変形例において、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、MaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩、およびMaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸のプロドラッグ等のシアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物のプロドラッグ、またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含み、さらに、親水コロイドポリマー、アニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー、および水膨潤性のpH非依存性ポリマーを含み、任意でさらに、滑沢剤および/または賦形剤を含む。特定の変形例では、徐放性製剤は、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、およびヒプロメロースもしくはポリエチレンオキシドのいずれかを含む。さらなる変形例では、徐放性製剤は、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ヒプロメロースもしくはポリエチレンオキシドのいずれか、ステアリン酸マグネシウム、ならびに微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素を含む。一態様において、徐放性製剤は、表Eの製剤である。さらに別の態様では、徐放性製剤は、表8の製剤である。
さらなる変形例では、表題「徐放性製剤」下に列記される製剤(例えば、表AおよびBの任意の製剤)を含むが、それらに限定されない本明細書に詳述される徐放性製剤はさらに、賦形剤および滑沢剤の両方を含む。任意のそのような変形例では、賦形剤および滑沢剤の両方をさらに含む製剤は、約1〜約20もしくは約1〜約15もしくは約1〜約10もしくは約1〜約5もしくは約5〜約20もしくは約5〜約15もしくは約5〜約10重量パーセント、または約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10重量パーセントのうちのいずれか1つの賦形剤(例えば、微結晶性セルロースおよびコロイド二酸化ケイ素を含む賦形剤)を含み、約0.1〜約2もしくは約0.1〜約1.5もしくは約0.1〜約1.0もしくは約0.1〜約.09-5もしくは約0.1〜約0.8もしくは約0.1〜約0.7もしくは約0.1〜約0.6もしくは約0.1〜約0.5もしくは約0.2〜約0.8もしくは約0.3〜約0.7もしくは約0.4〜約0.6重量パーセント、または約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、もしくは1.0重量パーセントのうちのいずれか1つの滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸塩)を含む。さらなる変形例では、賦形剤および滑沢剤の両方をさらに含む製剤は、賦形剤(例えば、微結晶性セルロースおよびコロイド二酸化ケイ素を含む賦形剤):滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸塩)の重量パーセント比が約1:10または1:11または1:9または1:10.5のうちのいずれかを含む。一変形例において、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、MaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩、およびMaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸のプロドラッグ等のシアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物のプロドラッグ、またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含み、さらに、親水コロイドポリマー、アニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー、および水膨潤性のpH非依存性ポリマーを含み、任意でさらに、滑沢剤および/または賦形剤を含む。特定の変形例では、徐放性製剤は、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、およびヒプロメロースもしくはポリエチレンオキシドのいずれかを含む。さらなる変形例では、徐放性製剤は、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ヒプロメロースもしくはポリエチレンオキシドのいずれか、ステアリン酸マグネシウム、ならびに微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素を含む。一態様において、徐放性製剤は、表Eの製剤である。さらに別の態様では、徐放性製剤は、表8の製剤である。
特定の徐放性製剤は、表Cに列記される製剤を含み、組成物は、治療薬、ポリマー1、ポリマー2、ポリマー3Aまたはポリマー3Bのいずれか、賦形剤、および滑沢剤を含み、それぞれかつ全ての組み合わせが具体的かつ個別に列記されるかのように同様に、そのような成分のそれぞれかつ全ての組み合わせが意図されることが理解される。
一変形例において、徐放性製剤は、表Cに詳述される組成物であり、組成物は、表Dに示される重量パーセント範囲のうちのいずれか1つの製剤成分を含む。成分および重量パーセンテージのそれぞれかつ全ての組み合わせが具体的かつ個別に列記されるかのように同様に、そのような成分および重量パーセンテージのそれぞれかつ全ての組み合わせが意図されることが理解される。
別の変形例では、徐放性製剤が提供され、製剤は、表Cの治療薬、表Cのポリマー1、表Cのポリマー2、表Cのポリマー3Aもしくはポリマー3B、表Cの賦形剤、および表Cの滑沢剤を含み、成分は、以下の重量パーセント比で組成物中に存在する。一態様において、滑沢剤:ポリマー1:賦形剤:ポリマー2:ポリマー3Aもしくは3B:治療薬の重量パーセント比は、約1:8:10:40:50:85または約1:8.5:10.5:42.5:51:86.5または約1:8.4:10.6:42.4:51:86.6である。
表A〜Dのうちのいずれかの製剤を含むが、それらに限定されない本明細書に詳述される式のうちのいずれかにおいて、一態様では、治療薬は、シアル酸もしくはManNAcまたはその薬学的に許容される塩、またはシアル酸もしくはManNAcの組み合わせである。表A〜Dのうちのいずれかの製剤を含むが、それらに限定されない本明細書に詳述される製剤のうちのいずれかの特定の態様において、治療薬は、シアル酸またはその薬学的に許容される塩である。
シアル酸の特定の徐放性製剤が表Eに提供される。一変形例において、ManNAcを、表Eの製剤においてシアル酸の代わりに使用することができる。
徐放性薬学的製剤を製剤化するために使用される成分は、好ましくは、高純度であり、有害な可能性のある汚染物質を実質的に含まない(例えば、少なくとも全国食品(NF)グレード、概して、少なくとも分析的グレード、より典型的には、少なくとも薬学的グレード)。さらに、生体内で使用する薬学的製剤は、通常、滅菌である。所定の化合物を使用前に合成しなければならない限り、結果として得られる生成物は、典型的には、合成または精製プロセス中に存在し得るいかなる潜在的に毒性の作用物質も実質的に含まない。非経口投与用の組成物も同様に滅菌であり、実質的に等張であり、GMP条件下で作製される。
徐放性製剤のブレンドは、粒子の大部分が45μmの篩寸法によって保持される粒径を有し得る。いくつかの実施形態において、徐放性製剤のブレンドは、10%、30%、40%、50%のうちの少なくともいずれか1つの粒子が45μmの篩寸法によって保持される粒径を有する。
本明細書に記載の徐放性薬学的製剤を、錠剤、カプセル、粉末、顆粒、軟膏、溶液、坐薬、注入剤、吸入剤、ゲル、ミクロスフェア、およびエアロゾル等の固体、半固体、液体、または気体形態の調製物に製剤化することができる。本明細書に記載の徐放性薬学的製剤のいずれかのいくつかの実施形態において、徐放性薬学的製剤は、経口、非経口(皮下、静脈内、筋肉内、および腹腔内を含む)、直腸、皮膚、経皮、胸腔内、肺内、ならびに鼻腔内(呼吸器)経路を含む、様々な経路による投与ために製剤化される。いくつかの実施形態において、徐放性薬学的製剤は、経口投与用に製剤化される。
本明細書に詳述される徐放性製剤のいずれかを、一変形例において、経口投与用に製剤化することができる。例えば、表A〜Eに記載の製剤のうちのいずれかを含むが、それらに限定されない表題「徐放性製剤」下で提供される製剤のうちのいずれかは、一変形例において、経口投与に好適な製剤である。経口投与に好適な製剤を、粉末製剤を含む錠剤またはカプセル等の固体経口剤形として製剤化することができる。一態様において、徐放性製剤の固体経口剤形が提供され、固体経口剤形は、錠剤形態の本明細書に提供される任意の製剤(表A〜Eのうちのいずれか1つに記載の製剤を含むが、それらに限定されない)を含み、錠剤はさらに、コーティング(例えば、Opadry−II White)を含む。一変形例において、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、MaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩、およびMaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸のプロドラッグ等のシアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物のプロドラッグ、またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含み、さらに、親水コロイドポリマー、アニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー、および水膨潤性のpH非依存性ポリマーを含み、任意でさらに、滑沢剤および/または賦形剤を含む。特定の変形例では、徐放性製剤は、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、およびヒプロメロースもしくはポリエチレンオキシドのいずれかを含む。さらなる変形例では、徐放性製剤は、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ヒプロメロースもしくはポリエチレンオキシドのいずれか、ステアリン酸マグネシウム、ならびに微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素を含む。一態様において、徐放性製剤は、表Eの製剤である。さらに別の態様では、徐放性製剤は、表8の製剤である。
経口投与について、本明細書に記載のシアル酸生合成経路またはその誘導体を、カプセル、錠剤、および粉末等の固体剤形で、またはエリキシル剤、シロップ、および懸濁液等の液体剤形で投与することができる。
いくつかの実施形態において、薬学的製剤は、腸溶性コーティングを含む。多数の種類の耐酸性の腸溶性コーティングが利用可能である。耐酸性のコーティングの例として、酢酸フタル酸セルロース、酢酸フタル酸ポリビニル、セラック、アクリル酸ホモポリマーもしくはコポリマー、メタクリル酸ホモポリマーもしくはコポリマー、酢酸トリメリット酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはそれらの組み合わせが挙げられる。メタクリル酸のいくつかのコポリマーが当技術分野において既知であり、市販されている。そのようなポリマーの例には、メチルメタクリレートおよびメタクリル酸のコポリマー、ならびにエチルアクリレートおよびメタクリル酸のコポリマーがあり、商標名Eudragit(Rohm GmbH & Co.KG)で販売されており、例として、Eudragit(登録商標)L100−55、Eudragit(登録商標)L30D−55、Eudragit(登録商標)L100、Eudragit(登録商標)S100−55、およびEudragit(登録商標)FS30Dが挙げられる。いくつかの実施形態において、腸溶性コーティングは、二酸化チタン、ポリデキストロース、ヒプロメロース、トリアセチン、およびマクロゴール/PEGのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態において、腸溶性コーティングは、Opadry(登録商標)II Whiteである。いくつかの実施形態において、腸溶性コーティング(例えば、Opadry(登録商標)II White)は、徐放性製剤の約1〜5w/w%を成す。いくつかの実施形態において、腸溶性コーティング(例えば、Opadry(登録商標)II White)は、徐放性製剤の約1〜5w/w%を成す。
腸溶性コーティングは、持続放出コーティングであってもよい。持続放出コーティングは、持続放出コーティングが破壊するように、コーティングが十分に溶解するまで比較的一定の速度で分解する。したがって、腸溶性コーティングの破壊に必要な時間は、高度に時間依存性(すなわち、厚さ)で、概してpH非依存性である。持続放出コーティング物質の例として、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、EC、ならびにEudragit(登録商標)RLおよびEudragit(登録商標)RSおよびEudragit(登録商標)NE30−D等の四級アンモニウム基を有するアクリレートおよびメタクリレートのコポリマーが挙げられる。
徐放性薬学的製剤をさらに、膜コーティングのプロセスに供することができる。膜コーティング剤について、腸溶性または非腸溶性膜コーティング剤を使用してもよく、腸溶性膜コーティング剤は、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、酢酸フタル酸ポリビニル(PVAP)、メタクリレートポリマー(Eudragit L、S)等であり得るが、非腸溶性膜コーティング剤は、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、MC、EC、HPMC、ポビドン、PVA、CA、セラック等である。コーティングのプロセスを、例えば、パンコーティング法、流動床コーティング法、圧縮コーティング法等によって実行することができる。
徐放性製剤のコーティングされた錠剤を、様々な大きさに調製することができる。例えば、コーティングされた錠剤は、約16〜20mmの長さ、約7〜12mmの幅、および約5〜8mmの厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、コーティングされた錠剤は、約17.7mmの長さ、約9.1mmの幅、および約6.7mmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、コーティングされた錠剤は、約19.3mmの長さ、約9.7mmの幅、および約8.0mmの厚さを有する。
方法のうちのいずれかの実施形態において、徐放性製剤は、約30〜60%の薬物負荷(例えば、シアル酸および/またはManNAc)、約20〜30w/w%の水膨潤性のpH非依存性ポリマー(例えば、ヒプロメロース)、約20〜25w/w%のアニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)、約1〜5w/w%の親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)、約1〜10w/w%の微結晶性セルロースおよびコロイド二酸化ケイ素(例えば、Prosolv(登録商標)SMCC HD90)、約0.1〜1w/w%のステアリン酸マグネシウム(例えば、HyQual(登録商標))、ならびに約1〜5%の腸溶性コーティング(例えば、Opadry(登録商標)II White)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約30〜60%の薬物負荷(例えば、シアル酸および/またはManNAc)、約20〜30w/w%のヒプロメロース(例えば、2208型ヒプロメロースまたはMethocel K100M)、約20〜25w/w%のアルギン酸ナトリウム(例えば、Protanal)、約1〜5w/w%のラムダカラギーナン(例えば、Viscarin GP−209)、約1〜10w/w%の微結晶性セルロースおよびコロイド二酸化ケイ素(例えば、Prosolv(登録商標)SMCC HD90)、約0.1〜1w/w%のステアリン酸マグネシウム(例えば、HyQual(登録商標))、ならびに約1〜5%の腸溶性コーティング(例えば、Opadry(登録商標)II White)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約30〜60%の薬物負荷(例えば、シアル酸および/またはManNAc)、約25w/w%の水膨潤性のpH非依存性ポリマー(例えば、ヒプロメロース)、約21w/w%のアニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)、約4w/w%の親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)、約5w/w%の微結晶性セルロースおよびコロイド二酸化ケイ素(例えば、Prosolv(登録商標)SMCC HD90)、約0.5w/w%のステアリン酸マグネシウム(例えば、HyQual(登録商標))、ならびに約3.5%の腸溶性コーティング(例えば、Opadry(登録商標)II White)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約30〜60%の薬物負荷(例えば、シアル酸および/またはManNAc)、約25w/w%のヒプロメロース(例えば、2208型ヒプロメロースまたはMethocel K100M)、約21w/w%のアルギン酸ナトリウム(例えば、Protanal)、約4w/w%のラムダカラギーナン(例えば、Viscarin GP−209)、約5w/w%の微結晶性セルロースおよびコロイド二酸化ケイ素(例えば、Prosolv(登録商標)SMCC HD90)、約0.5w/w%のステアリン酸マグネシウム(例えば、HyQual(登録商標))、ならびに約3.5%の腸溶性コーティング(例えば、Opadry(登録商標)II White)を含む。
方法のうちのいずれかの実施形態において、徐放性製剤は、約30〜60%の薬物負荷(例えば、シアル酸および/またはManNAc)、約20〜30w/w%のヒドロゲル(例えば、ポリエチレンオキシド)、約20〜25w/w%のアニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)、約1〜5w/w%の親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)、約1〜10w/w%の微結晶性セルロースおよびコロイド二酸化ケイ素(例えば、Prosolv(登録商標)SMCC HD90)、約0.1〜1w/w%のステアリン酸マグネシウム(例えば、HyQual(登録商標))、ならびに約1〜5%の腸溶性コーティング(例えば、Opadry(登録商標)II White)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約30〜60%の薬物負荷(例えば、シアル酸および/またはManNAc)、約20〜30w/w%のポリエチレンオキシド(例えば、Polyox WSR)、約20〜25w/w%のアルギン酸ナトリウム(例えば、Protanal)、約1〜5w/w%のラムダカラギーナン(例えば、Viscarin GP−209)、約1〜10w/w%の微結晶性セルロースおよびコロイド二酸化ケイ素(例えば、Prosolv(登録商標)SMCC HD90)、約0.1〜1w/w%のステアリン酸マグネシウム(例えば、HyQual(登録商標))、ならびに約1〜5%の腸溶性コーティング(例えば、Opadry(登録商標)II White)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約30〜60%の薬物負荷(例えば、シアル酸および/またはManNAc)、約25w/w%のヒドロゲル(例えば、ポリエチレンオキシド)、約21w/w%のアニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)、約4w/w%の親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)、約5w/w%の微結晶性セルロースおよびコロイド二酸化ケイ素(例えば、Prosolv(登録商標)SMCC HD90)、約0.5w/w%のステアリン酸マグネシウム(例えば、HyQual(登録商標))、ならびに約3.5%の腸溶性コーティング(例えば、Opadry(登録商標)II White)を含む。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約30〜60%の薬物負荷(例えば、シアル酸および/またはManNAc)、約25w/w%のポリエチレンオキシド(例えば、Polyox WSR)、約21w/w%のアルギン酸ナトリウム(例えば、Protanal)、約4w/w%のラムダカラギーナン(例えば、Viscarin GP−209)、約5w/w%の微結晶性セルロースおよびコロイド二酸化ケイ素(例えば、Prosolv(登録商標)SMCC HD90)、約0.5w/w%のステアリン酸マグネシウム(例えば、HyQual(登録商標))、ならびに約3.5%の腸溶性コーティング(例えば、Opadry(登録商標)II White)を含む。
徐放性製剤の特徴
表題「徐放性製剤」および「さらなる製剤成分」下に詳述される製剤(例えば、表A〜Eの製剤のうちのいずれか)を含むが、それらに限定されない本明細書に詳述される徐放性製剤のいずれも、本明細書および以下に詳述される特徴のうちのいずれかを呈し得る。特定の変形例では、本明細書に詳述される徐放性製剤のいずれかは、以下の特徴のうちのいずれか1つ以上を呈し得る:(i)約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24時間のうちのいずれかを超える期間にわたって、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができること、(ii)約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24時間のうちのいずれかを超える期間にわたって、実質的に一定の治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができること、(iii)約2〜4時間、3〜4時間、6〜8時間、6〜12時間、6〜15時間、12〜18時間、または18〜24時間のうちのいずれかのTmaxで、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができること、(iv)約0.5〜100μg/mLのCmaxで、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができること、(v)約0.1〜20μg/mLのトラフ濃度で、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができること、(vi)約10%未満、20%未満、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満、または70%未満のうちのいずれかが1時間後に排出される、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができること、(vii)約0.01〜750mg/kg/日、0.5〜500mg/kg/日、1〜250mg/kg/日、2.5〜100mg/kg/日、または5〜50mg/kg/日のうちのいずれかのシアル酸経路中の1つ以上の化合物もしくはその誘導体または前述の薬学的に許容される塩を、それを必要とする個人に送達することができること、(viii)約0.01〜750mg/kg/日、0.5〜500mg/kg/日、1〜250mg/kg/日、2.5〜100mg/kg/日、または5〜50mg/kg/日のうちのいずれかのシアル酸経路中の1つ以上の化合物もしくはその誘導体または前述の薬学的に許容される塩を、それを必要とする個人に送達することができること、(ix)約1〜約50%の絶対的バイオアベイラビリティを有すること、(x)約0.5〜約100%の尿中のシアル酸レベルに基づくバイオアベイラビリティを有すること、(xi)少なくとも約3.5時間の平均滞留時間(MRT)を有すること。一変形例において、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、MaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩、およびMaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸のプロドラッグ等のシアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物のプロドラッグ、またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含み、さらに、親水コロイドポリマー、アニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー、および水膨潤性のpH非依存性ポリマーを含み、任意でさらに、滑沢剤および/または賦形剤を含む。特定の変形例では、徐放性製剤は、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、およびヒプロメロースもしくはポリエチレンオキシドのいずれかを含む。さらなる変形例では、徐放性製剤は、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ヒプロメロースもしくはポリエチレンオキシドのいずれか、ステアリン酸マグネシウム、ならびに微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素を含む。一態様において、徐放性製剤は、表Eの製剤である。さらに別の態様では、徐放性製剤は、表8の製剤である。
徐放性製剤のいずれかの実施形態において、徐放性製剤は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24時間のうちのいずれかを超える期間にわたって、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができる。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約12時間または約24時間を超える期間にわたって、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができる。徐放性製剤のいずれかの実施形態において、徐放性製剤は、約1〜24時間、4〜24時間、6〜24時間、8〜24時間、または12〜24時間のうちのいずれかの期間にわたって、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができる。徐放性製剤のいずれかの実施形態において、徐放性製剤は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24時間のうちのいずれかの期間にわたって、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができる。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約12時間または約24時間の期間にわたって、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができる。いくつかの実施形態において、治療的に有効な量は、個人の血流に送達される。いくつかの実施形態において、治療的に有効な量は、個人の筋肉組織に送達される。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。例えば、いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約1〜24時間、4〜24時間、6〜24時間、8〜24時間、または12〜24時間のうちのいずれかの期間にわたって、治療的に有効な量のManNAcおよび/またはシアル酸を、それを必要とする個人の筋肉組織に送達することができる。一変形例において、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、MaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩、およびMaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。
徐放性製剤のいずれかの実施形態において、徐放性製剤は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24時間のうちのいずれかを超える期間にわたって、実質的に一定した(すなわち、血液および/または目的とする組織(例えば、筋肉組織)に対する薬物利用能の増大および薬物利用能の欠乏なく)治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができる。徐放性製剤のいずれかの実施形態において、徐放性製剤は、約1〜24時間、4〜24時間、6〜24時間、8〜24時間、または12〜24時間のうちのいずれかの期間にわたって、実質的に一定した治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができる。徐放性製剤のいずれかの実施形態において、徐放性製剤は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24時間のうちのいずれかの期間にわたって、実質的に一定した治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができる。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。例えば、いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約1〜24時間、4〜24時間、6〜24時間、8〜24時間、または12〜24時間のうちのいずれかの期間にわたって、実質的に一定した治療的に有効な量のManNAcおよび/またはシアル酸を、それを必要とする個人の筋肉組織に送達することができる。一変形例において、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、MaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩、およびMaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。
徐放性製剤のいずれかの実施形態において、徐放性製剤は、約2〜4時間、3〜4時間、6〜8時間、6〜12時間、6〜15時間、12〜18時間、または18〜24時間のうちのいずれかのTmaxで、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができる。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約2〜4時間のTmaxで、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができる。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約4〜6時間のTmaxで、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができる。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約2〜約8時間のTmaxで、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができる。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、ManNAcおよび/またはシアル酸を含む。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物は、シアル酸である。一変形例において、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、MaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩、およびMaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。
徐放性製剤のいずれかの実施形態において、徐放性製剤は、約0.5〜100μg/mLのCmaxで、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができる。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約0.5〜80μg/mL、0.5〜60μg/mL、0.5〜40μg/mL、または0.5〜20μg/mLのうちのいずれかのCmaxで、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができる。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約0.5〜40μg/mLのCmaxで、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができる。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約0.5〜35μg/mL、0.5〜30μg/mL、0.5〜25μg/mL、1〜40μg/mL、2.5〜40μg/mL、5〜40μg/mL、0.5〜35μg/mL、1〜35μg/mL、2.5〜35μg/mL、5〜35μg/mL、0.5〜30μg/mL、1〜30μg/mL、2.5〜30μg/mL、5〜30μg/mL、0.5〜25μg/mL、1〜25μg/mL、2.5〜25μg/mL、または5〜25μg/mLのうちのいずれか1つのCmaxで、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができる。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約0.5〜20μg/mLのCmaxで、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができる。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約0.5〜15μg/mL、0.5〜10μg/mL、1〜20μg/mL、2.5〜20μg/mL、5〜20μg/mL、0.5〜15μg/mL、1〜15μg/mL、2.5〜15μg/mL、5〜15μg/mL、0.5〜10μg/mL、1〜10μg/mL、2.5〜10μg/mL、または5〜10μg/mLのうちのいずれか1つのCmaxで、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができる。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、ManNAcおよび/またはシアル酸を含む。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、シアル酸を含む。一変形例において、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、MaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩、およびMaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。
徐放性製剤のいずれかの実施形態において、徐放性製剤は、約0.1〜20μg/mLのトラフ濃度で、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができる。徐放性製剤のいずれかの実施形態において、徐放性製剤は、約0.1〜15μg/mL、0.1〜10μg/mL、0.1〜5μg/mL、0.5〜20、μg/mL、0.5〜15μg/mL、0.5〜10μg/mL、0.5〜5μg/mL、1〜20μg/mL、1〜15μg/mL、1〜10μg/mL、もしくは1〜5μg/mLのうちのいずれか1つ、または約0.1、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、もしくは15μg/mLのうちのいずれか1つのトラフ濃度で、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができる。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、ManNAcおよび/またはシアル酸を含む。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、シアル酸を含む。一変形例において、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、MaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩、およびMaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。
徐放性製剤のいずれかの実施形態において、徐放性製剤は、約10未満%、20未満%、30未満%、40未満%、50未満%、60未満%、または70%未満のうちのいずれかが1時間後に排出される、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができる。徐放性製剤のいずれかの実施形態において、徐放性製剤は、約10未満%、20未満%、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満、70%未満、80%未満、または90%未満のうちのいずれかが4時間後に排出される、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができる。徐放性製剤のいずれかの実施形態において、徐放性製剤は、約2、3、4、または5%未満のうちのいずれか1つが12時間後に排出される、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができる。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、ManNAcおよび/またはシアル酸を含む。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、シアル酸を含む。一変形例において、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、MaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩、およびMaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。
徐放性製剤のいずれかの実施形態において、徐放性製剤は、約0.1〜50g/日、0.5〜25g/日、1〜15g/日、1〜10g/日、または2〜5g/日のうちのいずれかのシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができる。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約2g/日〜5g/日のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができる。徐放性製剤のいずれかの実施形態において、徐放性製剤は、約0.01〜750mg/kg、0.5〜500mg/kg、1〜250mg/kg、2.5〜100mg/kg、または5〜50mg/kgのうちのいずれかのシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができる。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約5mg/kg〜50mg/kgのシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができる。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。例えば、いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約5mg/kg〜50mg/kgのManNAcおよび/またはシアル酸を、それを必要とする個人に送達することができる。一変形例において、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、MaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩、およびMaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。
徐放性製剤のいずれかの実施形態において、徐放性製剤は、約0.01〜750mg/kg/日、0.5〜500mg/kg/日、1〜250mg/kg/日、2.5〜100mg/kg/日、または5〜50mg/kg/日のうちのいずれかのシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができる。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約5mg/kg/日および50mg/kg/日のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を、それを必要とする個人に送達することができる。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。例えば、いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約5mg/kg/日〜50mg/kg/日のManNAcおよび/またはシアル酸を、それを必要とする個人に送達することができる。一変形例において、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、MaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩、およびMaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。
徐放性製剤のいずれかの実施形態において、徐放性製剤は、約1〜50%の絶対的バイオアベイラビリティを有する。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約1〜45%、1〜40%、1〜35%、1〜30%、1〜20%、1〜10%のうちのいずれか1つの絶対的バイオアベイラビリティを有する。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約1〜25%の絶対的バイオアベイラビリティを有する。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約5、10、15、20、25または50%のうちのいずれか1つの絶対的バイオアベイラビリティを有する。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、シアル酸またはその誘導体を含む。一変形例において、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、MaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩、およびMaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。
徐放性製剤のいずれかの実施形態において、徐放性製剤は、約0.5〜100%の尿中のシアル酸レベルに基づくバイオアベイラビリティを有する。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約0.5〜2.5%、1〜2.5%、2〜8%、2〜12%、2.5〜20%、2.5〜40%、2.5〜80%、2.5〜100%のうちのいずれか1つの尿中のシアル酸レベルに基づくバイオアベイラビリティを有する。一変形例において、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、MaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩、およびMaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。
徐放性製剤のいずれかの実施形態において、徐放性製剤は、少なくとも約3.5時間の平均滞留時間(MRT)を有する。いくつかの実施形態において、徐放性製剤は、約3、4、4.5、5、5.5、または6時間のうちの少なくともいずれか1つのMRTを有する。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、シアル酸またはその誘導体を含む。一変形例において、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、MaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩、およびMaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。
徐放性薬学的製剤を、非経口投与(例えば、注入、例えば、ボーラス注入または連続注入による)のために製剤化することができ、アンプル、事前充填シリンジ、少容量注入容器、または多用量容器中に単位用量形態で提示することができる。徐放性薬学的製剤は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、またはエマルジョンの形態であり得る。あるいは、シアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体および他の成分は、使用前の好適なビヒクル、例えば、発熱物質を含まない滅菌水との構成のための、滅菌固体の無菌性単離または溶液からの凍結乾燥によって得られる粉末形態であり得る。
局所投与のために、徐放性薬学的製剤を、標的領域への直接適用のために、当技術分野で既知のように製剤化することができる。主に局所適用に準備された形態は、例えば、クリーム、乳液、ゲル、分散剤、またはマイクロエマルジョン、より高い程度もしくはより低い程度に濃化されたローション、含浸パッド、軟膏またはスティック、エアロゾル製剤(例えば、スプレーもしくは泡)、石鹸、洗剤、ローション、または石鹸の塊の形態をとる。このような目的の他の従来の形態は、創傷包帯、被覆包帯、または他のポリマー被覆剤、軟膏、クリーム、ローション、ペースト、ゼリー、スプレー、およびエアロゾルを含む。徐放性薬学的製剤を、経皮投与用のパッチまたは包帯を介して送達することができる。軟膏およびクリームを、例えば、好適な増粘剤および/またはゲル化剤を添加して、水性または油性基剤を用いて製剤化することができる。点眼剤または点鼻剤等の液滴を、水性または非水性基剤中で、シアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を用いて製剤化することができる。液体スプレーは、加圧パックから好都合に送達される。液滴を、単純な蓋付きの点眼剤用ボトルを介して、または液体含有量の液滴送達に適したプラスチックのボトルを介して、特殊な形状の封鎖を介して、送達することができる。
さらに、いくつかの実施形態において、シアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を含む徐放性薬学的製剤を、他の治療薬と組み合わせて使用することもできる。
徐放性製剤を作製する方法
本明細書に詳述される徐放性製剤を作製する方法も提供される。一態様において、(任意で塊を崩して篩にかけて所望の範囲の粒径にすることができる)製剤成分は、合わせられ、混合されて、均一の製剤ブレンドを提供し、これを使用して、例えば、経口投与用に、錠剤またはカプセル等の特定の剤形を調製することができる。特定の剤形は、いったん調製されると、例えば、コーティングを徐放性製剤ブレンドから形成される錠剤に塗布することによって、さらに変更されて、最終医薬品を提供することができる。徐放性製剤の調製を、直接圧縮、乾式造粒、および湿式造粒等の既知の技術を用いて達成することができる。
直接圧縮を、製剤成分の塊を崩して篩にかけて所望の範囲の粒径にすることによって達成することができ、個々の製剤成分において、同一または異なる大きさであり得る。次に、成分がブレンドされ、全ての製剤成分がブレンドされるまで、1つまたは一連のブレンドステップによって達成することができる。所望の場合、ブレンドされた製剤を直接圧縮して、所望の生成物を提供することができ、錠剤等の経口投与に好適な製剤の形態であり得る。固体製剤投与、例えば、経口投与用に、ブレンドされた製剤を、カプセルまたは他の形態に充填することもできる。
乾式造粒を、本明細書に詳述される徐放性製剤を調製するために利用することもでき、最終医薬品に形成される製剤成分のブレンドの流動または他の特徴を改善するために使用することができる。乾式造粒の一例として、製剤成分の塊を崩し、かつ/またはそれを篩にかけること、製剤成分をブレンドすること、そのブレンドした物を、例えば、圧縮された生産物のリボンを生産するローラ圧縮機に送り込むこと、その後、結果として得られるリボンを製粉することが挙げられる。製粉された生産物を、その後、上に詳述されるように圧縮するか、またはさらなる製剤成分とさらにブレンドして圧縮することができる。
湿式造粒を利用して、徐放性製剤を調製することもできる。例えば、製剤成分の塊を崩して篩にかけて所望の大きさにし、ブレンドすることができる。結果として得られるブレンド物を、標準的技法を用いてブレンドされた製剤成分を流体化させるスプレーガンを装備した適切な流動床プロセッサに添加することができる。結果として得られる造粒を乾燥させ(例えば、流動床内で)、所望の範囲の粒径に製粉し、最終製剤の調製のために使用することができる。湿式造粒は、高剪断湿式造粒を利用することもできる(ブレンドされた成分が混合され、溶媒、典型的には、水または他の水性溶媒が、造粒中にその塊に噴霧されながら高い頻度で細断される)。
好ましくは錠剤形態の徐放性製剤は、適用できる場合、媒体(例えば、水媒体)の早期進入を阻止し、かつコーティング中の表面の孔食および破損を阻止するのに十分な硬度に圧縮される。
最終生成物中に治療薬および全ての製剤成分を含む最終製剤ブレンド物(例えば、治療薬、ポリマー、賦形剤、および滑沢剤を含むブレンド物)等の徐放性製剤ブレンド物、ならびに最終生成物中に全ての製剤成分の一部を含有する中間製剤ブレンド物(例えば、ブレンド物は、治療薬およびポリマーを含むが、賦形剤または滑沢剤を含まず、最終生成物が、賦形剤および滑沢剤を含有する)が提供されることが理解される。
シアル酸欠乏症を治療および予防する方法
本明細書に記載の任意の徐放性製剤中で有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を投与することによって、それを必要とする個人におけるシアル酸欠乏症を治療および/または予防する方法も本明細書に提供される。本方法は、表A〜Eの製剤のいずれかを含むが、それらに限定されない表題「徐放性製剤」下の製剤のいずれかを含む、有効な量の本明細書に詳述される製剤のいずれかの投与を含み得る。したがって、ある特定の製剤が以下に詳述されているが、本明細書に記載の任意の徐放性製剤を、方法本明細書に提供される方法のいずれにおいても採用することができることが理解される。一変形例において、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、MaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩、およびMaNAcまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸のプロドラッグ等のシアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物のプロドラッグ、またはその薬学的に許容される塩を含む。別の変形例では、徐放性製剤は、治療薬として、シアル酸またはその薬学的に許容される塩を含み、さらに、親水コロイドポリマー、アニオン性のpH依存性ゲル形成コポリマー、および水膨潤性のpH非依存性ポリマーを含み、任意でさらに、滑沢剤および/または賦形剤を含む。特定の変形例では、徐放性製剤は、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、およびヒプロメロースもしくはポリエチレンオキシドのいずれかを含む。さらなる変形例では、徐放性製剤は、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ヒプロメロースもしくはポリエチレンオキシドのいずれか、ステアリン酸マグネシウム、ならびに微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素を含む。一態様において、徐放性製剤は、表Eの製剤である。さらに別の態様では、徐放性製剤は、表8の製剤である。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。例えば、本明細書に記載の任意の徐放性製剤中で有効な量のManNAcおよびシアル酸を投与することによって、それを必要とする個人におけるシアル酸欠乏症を治療および/または予防する方法が本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、シアル酸欠乏症を治療および/または予防する方法は、シアル酸産生を増加させる。いくつかの実施形態において、シアル酸欠乏症を治療および/または予防する方法は、罹患組織のシアリル化を高める。いくつかの実施形態において、シアル酸欠乏症を治療および/または予防する方法は、約30〜60%の薬物負荷(例えば、シアル酸および/またはManNAc)、約20〜30w/w%のヒプロメロース(例えば、2208型ヒプロメロースまたはMethocel K100M)、約20〜25w/w%のアルギン酸ナトリウム(例えば、Protanal)、約1〜5w/w%のラムダカラギーナン(例えば、Viscarin GP−209)、約1〜10w/w%の微結晶性セルロースおよびコロイド二酸化ケイ素(例えば、Prosolv(登録商標)SMCC HD90)、約0.1〜1w/w%のステアリン酸マグネシウム(例えば、HyQual(登録商標))、ならびに約1〜5%の腸溶性コーティング(例えば、Opadry(登録商標)II White)を含む徐放性製剤を投与することを含む。いくつかの実施形態において、シアル酸欠乏症を治療または予防する方法は、約30〜60%の薬物負荷(例えば、シアル酸および/またはManNAc)、約20〜30w/w%のポリエチレンオキシド(例えば、Polyox WSR)、約20〜25w/w%のアルギン酸ナトリウム(例えば、Protanal)、約1〜5w/w%のラムダカラギーナン(例えば、Viscarin GP−209)、約1〜10w/w%の微結晶性セルロースおよびコロイド二酸化ケイ素(例えば、Prosolv(登録商標)SMCC HD90)、約0.1〜1w/w%のステアリン酸マグネシウム(例えば、HyQual(登録商標))、ならびに約1〜5%の腸溶性コーティング(例えば、Opadry(登録商標)II White)を含む徐放性製剤を投与することを含む。
本明細書に記載の任意の徐放性製剤中で、有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を投与することによって、それを必要とする個人において、シアル酸の産生、およびグリコシル化のために近接した基質、CMP−シアル酸を増加させる(例えば、筋肉組織中のシアル酸の産生を増加させる)方法も本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。例えば、本明細書に記載の任意の徐放性製剤中で有効な量のManNAcおよびシアル酸を投与することによって、それを必要とする個人において、シアル酸の産生を増加させる(例えば、筋肉組織中のシアル酸の産生を増加させる)方法が本明細書に提供される。
本明細書に記載の任意の徐放性製剤中で、有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を投与することによって、それを必要とする個人において筋肉組織のシアリル化を高める方法も本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。例えば、本明細書に記載の任意の徐放性製剤中で有効な量のManNAcおよびシアル酸を投与することによって、それを必要とする個人において筋肉組織のシアリル化を高める方法が本明細書に提供される。
本明細書に記載の任意の徐放性製剤中で、有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を投与することによって、それを必要とする個人における筋機能を改善する方法も本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。例えば、本明細書に記載の任意の徐放性製剤中で有効な量のManNAcおよびシアル酸を投与することによって、それを必要とする個人における筋機能を改善する方法が本明細書に提供される。
シアル酸は、多くの臓器および組織の適切な発達および機能に必要であり、シアル酸の欠乏は、多くの異なる種類の疾患および状態を引き起こし得る。他の種類の筋肉疾患もグリコシル化が筋機能にとって重要であることを示している。Nishino and Ozawa,Curr.Opin.Neurol.15:539−544(2002)。いくつかの実施形態において、シアル酸欠乏症は、ミオパチー、筋萎縮症、および/または筋ジストロフィーである。本組成物および方法で治療することができるミオパチーには、縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(埜中ミオパチー)および筋ジストロフィー遺伝性封入体ミオパチー(HIBM)も含まれる。いくつかの実施形態において、治療および/または予防する方法は、筋肉組織のシアリル化を高める。いくつかの実施形態において、治療および/または予防する方法は、運動後のクレアチンキナーゼの血漿レベルによって測定されるように、筋機能を改善し、身体活動による筋損傷を軽減する。いくつかの実施形態において、筋機能不全を治療または予防する方法は、独立歩行、階段を上ること、下垂足、椅子から立ち上がって歩行すること、握ること、ならびにマニピュレーションおよび肺機能を改善する。いくつかの実施形態において、方法はさらに、遺伝子GNEの遺伝子型または発現レベルを決定することによって、それを必要とする個人を特定することを含む。
いくつかの実施形態において、シアル酸欠乏症は、(例えば、タンパク尿および血尿を伴う)腎臓状態および疾患である。タンパク尿は、血液から尿へのタンパク質の漏出を含む。尿中のタンパク質の量が非常に多い場合、この状態は、多くの場合、ネフローゼ症候群と呼ばれる。いくつかの種類の疾患はタンパク尿の症状を呈し、そのような疾患には、高血圧、感染、逆流性腎症、糖尿病、および微少変化ネフローゼを含む様々な種類の糸球体腎炎が含まれる。血尿とは、単に、尿中の血液(例えば、肉眼的血尿または顕微鏡的血尿)を意味する。いくつかの実施形態において、治療および/または予防する方法は、腎臓組織のシアリル化を高める。
方法のうちのいずれかの実施形態において、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24時間のうちのいずれかを超える期間にわたって提供される。いくつかの実施形態において、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、約12時間または約24時間を超える期間にわたって提供される。方法のうちのいずれかの実施形態において、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、約1〜24時間、4〜24時間、6〜24時間、8〜24時間、または12〜24時間のうちのいずれかの期間にわたって提供される。方法のうちのいずれかの実施形態において、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24時間のうちのいずれかの期間にわたって提供される。いくつかの実施形態において、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、約12時間または約24時間の期間にわたって提供される。いくつかの実施形態において、治療的に有効な量は、個人の血流に提供される。いくつかの実施形態において、治療的に有効な量は、個人の筋肉組織に提供される。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。例えば、いくつかの実施形態において、治療的に有効な量のManNAcおよび/またはシアル酸は、約1〜24時間、4〜24時間、6〜24時間、8〜24時間、または12〜24時間のうちのいずれかの期間にわたって、個人の筋肉組織に提供される。
方法のうちのいずれかの実施形態において、必要とする個人に、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24時間のうちのいずれかを超える期間にわたって、実質的に一定した(すなわち、血液および/または目的とする組織(例えば、筋肉組織)に対する薬物利用能の増大および薬物利用能の欠乏なく)治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体が提供される。方法のうちのいずれかの実施形態において、必要とする個人に、約1〜24時間、4〜24時間、6〜24時間、8〜24時間、または12〜24時間のうちのいずれかの期間にわたって、実質的に一定した治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体が提供される。方法のうちのいずれかの実施形態において、必要とする個人に、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24時間のうちのいずれかの期間にわたって、実質的に一定した治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体が提供される。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。例えば、いくつかの実施形態において、必要とする個人に、約1〜24時間、4〜24時間、6〜24時間、8〜24時間、または12〜24時間のうちのいずれかの期間にわたって、個人の筋肉組織に対して実質的に一定した治療的に有効な量のManNAcおよび/またはシアル酸が提供される。
方法のうちのいずれかの実施形態において、必要とする個人に、約2〜4時間、3〜4時間、6〜8時間、6〜12時間、6〜15時間、12〜18時間、または18〜24時間のうちのいずれかのTmaxで、治療的に有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体が提供される。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、ManNAcおよび/またはシアル酸を含む。
方法のうちのいずれかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体の約10%未満、20%未満、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満、または70%未満のうちのいずれかが、1時間後に個人から排出される。方法のうちのいずれかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体の約10%未満、20%未満、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満、70%未満、80%未満、または90%未満のうちのいずれかが、4時間後に個人から排出される。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、ManNAcおよび/またはシアル酸を含む。
方法のうちのいずれかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、それを必要とする個人に、約0.1〜50g/日、0.5〜25g/日、1〜15g/日、1〜10g/日、2〜5g/日、0.2〜25g/日、0.3〜12g/日、0.4〜10g/日、0.5〜8g/日、および0.7〜6g/日のうちのいずれかで投与される。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、約2g/日および5g/日で投与される。方法のうちのいずれかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、それを必要とする個人に、約0.01〜750mg/kg、0.5〜500mg/kg、1〜250mg/kg、2.5〜100mg/kg、または5〜50mg/kgのうちのいずれかで投与される。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、それを必要とする個人に、約5mg/kg〜50mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。例えば、いくつかの実施形態において、ManNAcおよび/またはシアル酸は、それを必要とする個人に、約5mg/kg〜50mg/kgで投与される。
方法のうちのいずれかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、それを必要とする個人に、約0.01〜750mg/kg/日、0.5〜500mg/kg/日、1〜250mg/kg/日、2.5〜100mg/kg/日、または5〜50mg/kg/日のうちのいずれかで投与される。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、それを必要とする個人に、約5mg/kg/日〜50mg/kg/日で投与される。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。例えば、いくつかの実施形態において、ManNAcおよび/またはシアル酸は、それを必要とする個人に、約5mg/kg/日〜50mg/kg/日で投与される。
いくつかの実施形態において、任意の徐放性製剤中の、有効な量のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、1日1回、1日2回、1日3回、または1日4回投与される。
本発明の実施形態に従う人体に投与される徐放性製剤の量を、体内の吸収速度、不活性化の速度、排出の速度、患者の年齢、性別、および状態、疾患の重症度等に従って適切に選択することができる。そのような要因は、臨床医によって、当技術分野で利用可能な動物モデルまたは他の試験制度を採用して、容易に決定することができる。
本発明に従う治療薬の投与は、例えば、レシピエントの生理学的状態、投与の目的が治療的または予防的であるか、および当業者に既知の他の要因に応じて、単回投与、複数回投与、連続的様式、または断続的様式であり得る。シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体の投与は、事前に選択された期間にわたって本質的に連続的であり得るか、または一連の間隔のある投与であり得る。局所投与および全身投与がともに企図される。
単位投与量および製品
本明細書に記載のシアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を含む徐放性製剤を含む製品および単位投与量も本明細書に提供される。
(a)本明細書に記載のシアル酸生合成経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を含む徐放性薬学的製剤を含む容器、および(b)患者におけるシアル酸欠乏症を治療および/もしくは予防するための指示を有する添付文書を含む製品またはキットが本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。
製品は、容器、およびその容器上にラベルもしくは添付文書、またはその容器に伴ったラベルもしくは添付文書を含む。好適な容器には、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ等が含まれる。容器を、ガラスまたはプラスチック等の様々な物質から形成することができる。容器は、製剤を保持または含有し、滅菌点検口を有し得る(例えば、容器は、皮下注入針によって貫通可能な栓を有する静脈内投与用の溶液袋またはバイアルであり得る)。組成物中の少なくとも1つの活性剤は、ポリペプチドである。ラベルまたは添付文書は、提供されるポリペプチドおよび任意の他の薬物の投与量および間隔に関する特定の指針で、対象における組成物の使用を示す。製品はさらに、他の緩衝液、希釈剤、フィルタ、針、およびシリンジを含む、商業的観点および利用者の観点から望ましい他の物質を含み得る。いくつかの実施形態において、容器は、シリンジである。いくつかの実施形態において、シリンジはさらに、注入デバイス内に含有される。いくつかの実施形態において、注入デバイスは、自己注射器である。
「添付文書」は、適応症、使用法、投与量、投与、禁忌、パッケージ化された製品と合わせられる他の治療用製品についての情報、および/またはそのような治療用製品の使用に関する注意を含有する治療用製品の商用パッケージ内に習慣的に含まれる取扱説明書を指すために使用される。
シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体を含む徐放性製剤を含む単位投与量も本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、シアル酸経路中の1つ以上の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。
表A〜Eの製剤のうちのいずれか等の表題「徐放性製剤」下に詳述される製剤を含むが、それらに限定されない本明細書に記載の徐放性製剤のいずれかを含む単位剤形が記載される。これらの単位剤形を、単一または複数の単位投与量で好適なパッケージングに保存することができ、さらに滅菌および密封することもできる。便宜上、かつ患者コンプライアンスを簡略化するために、徐放性製剤を、個人に投与することができる単位剤形の形態で送達することができる。一変形例において、徐放性製剤は、固体物質であり、その単位剤形を、錠剤、カプセル、小袋、および噛むことができる錠剤の形態で調製することができる。一態様において、剤形は、カプセルまたは錠剤の形態であり、好ましくは、錠剤の形態である。
単位剤形の調製は、概して、体積または重量のいずれかによるブレンド充填物を調製するステップを伴う。例えば、錠剤およびカプセルの生産において、徐放性製剤ブレンドは、それぞれ、ダイまたはカプセルに体積充填される。一態様において、単位剤形のバッチは、一変形例において、6%未満、別の変形例では、8.0または7.8%未満の相対標準偏差(RSD)である、許容誤差内の同一の効力(1つの単位剤形当たりの薬物の量)を有する。
以下の実施例は、当業者に、本発明をどのように作成かつ使用するかの完全な開示および記述を提供するように提示され、本発明者が彼らの発明と見なすことの範囲を限定するようにも、以下の実験が実行される全ての実験または唯一の実験であることを表すようにも意図されていない。
実施例1
ヒト筋芽細胞をHIBM患者から得て、成長させて筋管に分化させる。適切な洗浄後、細胞を、タンパク質を含まない培地、またはシアル酸を含まない培地中に設置し、その後、異なる期間、異なる濃度のシアル酸、ManNAc、またはそれら両方で処理する。0時点(補給前)、開始後2時間時点、8時間時点、16時間時点、および24時間時点(それぞれの培養物からの置換基質の除去後の異なる時点)で、内部シアル酸、CMP−シアル酸、および新たに合成されたタンパク質のグリコシル化を測定する。24時間後のグリコシル化置換を評価し、置換を伴うグリコシル化、基質の枯渇、グリコシル化の停止の時間経過も決定する。
実施例2
ヒトHIBM筋芽細胞を得て、実施例1に記載されるように筋管に分化させ、この場合、1〜2時間の短期間または4〜8時間の長期間、シアル酸およびN−アセチルマンノサミンのマトリックスを与える。シアリル化の正常化の開始およびピーク効率、ならびに正常なシアリル化が減退する時間を評価する。置換治療における単一および組み合わせ製剤の有効性ならびに効果的な時間を決定する。
実施例3
HIBM患者から異なる変異および臨床表現型を有する様々なヒト線維芽細胞を得る。独立してシアル酸およびManNAcを有するそれぞれの系統を滴定して、その50%の最大補正にする。置換の有効性を、異なる患者由来の異なる系統について評価する。
実施例4
HIBMのマウスモデルを標準のシアル酸もしくはManNAcのいずれかで処置するか、またはそのマウスモデルにそれら両方の化合物を同時に与える。追加の群に、徐放性製剤中でこれらの品目を与える。筋肉強度および臨床結果について、Malicdan et al.,Nat.Medicine 15(6):690−695(2009)に記載の手順を用いてマウスを評価する。加えて、マウスを、投与後および治療中に、異なる時点で分析し、グリコシル化および筋肉組織中の中間体を評価する。中間体の臨床効果および最良の一定した状態回復を評価する。
実施例5
シアリル化を最適に維持するのに必要とされるシアル酸代謝物の最小濃度を評価するために、筋芽細胞、筋管、またはヒト線維芽細胞を、それらが一定した状態でシアリル化の異常なレベルに達するまで、シアル酸を含まない培地中に培養する。これらの培地に一連の濃度を添加し、グリコシル化の回復について評価する。一定した状態で失われたシアリル化を置換するのに必要とされる培地中の濃度を決定する。この濃度は、徐放性製剤で治療された患者における最少血漿濃度の目標を提供する。
実施例6
製品の乾式ブレンド法を用いたシアル酸250mg強度の錠剤の調製
実験/材料
シアル酸(Food & Bio Research center,Inc.Kyoto Japan)を、アルミホイル袋の中で、−20℃で保存した。一方で、プロトタイプは全て、周囲室温下で処理および加工した。製造過程の物質およびバルク錠剤を、二重ポリエチレン袋の中に乾燥剤とともに保存した。シアル酸を、形態、篩分析による粒径、バルク密度、およびタップ密度から成る物理的特性について評価した。
袋中でのブレンディング、手動充填、および錠剤プレスの手動回転を用いて錠剤を圧縮して、50gの実験室規模のバッチを調製し、溶解をスクリーニングの最初のレベルとして評価した。錠剤を、ProCRプラットフォームを用いて製造した。それらの処方を、以下の表1および表2に列記する。
米国基準の20号の篩を用いて、シアル酸、2208型ヒプロメロース、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、およびコロイド二酸化ケイ素を有する微結晶性セルロースの塊を崩し、成分含有量毎に秤量した。成分を、小さいジッパー付きビニール袋の中で合わせ、15分間ブレンドした。米国基準の40号のスクリーンを用いて、ステアリン酸マグネシウムの塊を崩し、成分含有量毎に秤量し、袋の中でブレンドされた成分に添加した。成分をさらに3分間ブレンドした。最終混合物、ならびに篩にかけられていないシアル酸を、バルク密度、タップ密度、粒径篩分析、カー圧縮性指数、および最小限界オリフィスを用いて特徴付けた。それぞれのプロトタイプの最終混合物を、Korsch PH100錠剤プレス上で圧縮した。結果として得られた錠剤を、溶解試験のために分析実験室に提出した。
シアル酸の特徴付け
シアル酸を、白色のふわふわした粉末状の物質として視覚的に特徴付けた。そのバルク密度は0.293g/mLであり、そのタップ密度は0.419g/mLであった。カー圧縮性指数は30%であり、最小限界オリフィス直径は18mmであった。シアル酸の粒径篩分析(表3)は、図2に示されるように、粗い、および中規模の粒子の分布を示した。シアル酸をブレンドする前に大きさを決定して、ブレンド均一性を促進した。
ProCRシアル酸250mgのCR錠剤
0.3300×0.7100インチに修正された楕円形のツーリングを用いて、750mgの重量および17〜20Kpの範囲の硬度の錠剤を目標に、プロトタイプブレンドであるProCRヒプロメロース、およびProCR Polyoxを両方圧縮して錠剤にした。錠剤化の間、ダイ空洞中の粉末架橋が、ProCRヒプロメロース観察された。これは、錠剤プレス上での流動性を改善するためにブレンド物を高密度化する必要があったことを示した。ProCR Polyoxは、より密度が高いように見受けられ、錠剤プレス上で比較的良好に流動するようであった。しかしながら、そのカー圧縮性指数および最小限界オリフィス直径の結果は、表4に示されるように、造粒等のさらなる加工を必要としたことも示した。Polyoxプロトタイプの粒径分布は、表5および図3に示されるように、様々なスクリーンの大きさにおいて、ヒプロメロースプロトタイプよりも分散しているようであった。
錠剤の圧縮は、目標であった750mgの3〜5%の範囲の重量をもたらした。ばらつきは、主に、手動充填および乏しい流動に起因した。重量のばらつきにかかわらず、錠剤の外観および硬度は、表6に列記されるように、13〜18Kpの範囲で良好であった。溶解結果は、表7および図4に示されるように、12時間にわたって一次持続放出特性を示した。
実施例7
シアル酸325mgおよび500mgの開発プロトタイプの調製
最初に、2つの50gの小さい乾式ブレンドバッチを、33w/w%〜43w/w%の増加した薬物負荷で製造し、薬物放出特性が許容できるかを検証した。2つの組成物は、ヒプロメロースおよびPolyoxとして表8に列記される。ダイ空洞への手動充填を用いて、錠剤化を上述のように行った。
製品の湿式造粒法
圧縮中の架橋および乏しい流動を回避するために、バッチの大きさを50gから1800gに拡大し、製品の高剪断造粒法を使用して、良好な錠剤圧縮特性を維持しながら、325mgおよび500mgの用量強度錠剤を産生した。325mgおよび500mgの用量強度錠剤は、圧縮の前に分割された共通のブレンド物を共有した。2つの大きさの錠剤を産生した:17.7mmの長さ、9.1mmの幅、および6.7mmの厚さを有する325mgの用量強度錠剤、ならびに19.3mmの長さ、9.7mmの幅、および8.0mmの厚さを有する500mg用量強度錠剤。以下の機器およびプロセスを使用して、これらの錠剤を作成した。
実験/材料
表8に列記されるように、全ての原材料を、製造供給元から受け取った状態のままで使用した。バッチの大きさは、1800gであった。以下の機器を使用した:
Fielder PP1高剪断造粒機
Niro−Aeromatic MP−1マルチプロセッサ
前方にナイフ、0.079インチの丸穴スクリーンを装備した、FitzMill JT Homoloid
4QtのPKブレンダ
750mgの錠剤用に0.350インチ×0.6875インチに修正された楕円形のツーリング、および1154mgの錠剤用に0.374インチ×0.7480インチに修正された楕円形のツーリングを装備した、Korsch PH100錠剤プレス
Accela−Cotaモデル24MK III(24インチのコーティングパン)
ステアリン酸マグネシウム以外の全ての原材料をPP−1造粒機に充填し、300rpmの細断速度ではなくインペラ速度で3分間予混合した。乾燥による損失のベースラインを決定し、Polyox製剤では2.9%の水であった一方で、造粒されていないヒプロメロース製剤では3.4%の水であったと決定した。300rpmの緩徐な細断速度で混合しながら、水を約200g/分で噴霧した。噴霧混合の2分後に、ヒプロメロース製剤が1.8kgのバッチの大きさの43%の水(778gの水を噴霧)を使用した一方で、Polyox製剤は、52%の水(905gの水を噴霧)を噴霧した。造粒物をMP−1流動床に移し、乾燥による損失(LOD)が、造粒されていない製剤のベースライン湿度と等しいか、またはそれよりもわずかに低い3%未満になるまで、75℃の入口温度で乾燥させた。乾燥した造粒物を、4号のメッシュのハンドスクリーンに通過させた。4号のメッシュ上に保持された大きい顆粒を分離して廃棄した。残りの顆粒を、低速で、前方にナイフを装備したFitzMillに通して大きさ決定した。次に、ブレンド物を、ステアリン酸マグネシウムで3分間潤滑化した。最終混合物を、Korsch輪転機を用いて圧縮して錠剤にした。溶解結果を得た後、核錠を、非機能的なOpadry II Whiteでコーティングし、約4.5w/w%増量した。
溶解状態の概要は、以下の通りである:
900mLの溶出溶媒:50mMのリン酸塩、pH6.8
100RPMのバスケット
37℃
時点:2、4、6、8、12、16、または24時間
ヒプロメロースベースの製剤のブレンディングおよび造粒は、円滑に進んだ。ヒプロメロース製剤は順調に加工され、錠剤プレス上で上手に圧縮された、非常に良好に流動する最終混合物を産生した。収率は、小規模のバッチの大きさにしては優れていた(96%)。
ポリエチレンオキシド(Polyox)ベースの製剤は、上述のものより簡単には造粒されなかった。Polyox製剤は、過剰に造粒された。過剰造粒は、今後、より緩徐な速度で造粒水を少なめに噴霧することによって解決することができる。流動床での乾燥に抵抗した大きな過剰造粒された凝集体を除去するために篩にかけて部分的に乾燥した造粒物を4号のメッシュを通してスクリーニングしたときに、造粒物の相当量が喪失した。結果として、バッチ収率は、83%と不良であった。しかしながら、保持されたバッチの一部は、優れた最終混合物を産生した。これは、錠剤プロセスにおいて良好に流動かつ圧縮し、上質の錠剤を産生した。Polyoxは、造粒が困難であることで知られており、よって、これは、完全には予想外ではなかった。しかしながら、適切な造粒パラメータを用いて、優れた造粒を達成することができる。
シアル酸325mgの最終混合物、シアル酸325mgの錠剤、およびシアル酸500mgの錠剤の物理的データを、それぞれ、表9、表10、および表11に示す。シアル酸325mgおよび500mgの錠剤(コーティングされていない)の分析結果を、表12に示す。
溶解結果(図5)は、それら両方の用量強度、ならびにそれら両方のProCRヒプロメロースおよびProCR Polyoxにおいて、12時間にわたる一次持続放出特性を示した。さらに、これらの結果は、用量に比例したアプローチが、750および1154の錠剤最終重量の共通のブレンド物を用いて用量の柔軟性の提供に成功したことを示す。
実施例8
シアル酸325mgおよび500mgのSR錠剤ProCRヒプロメロースおよびProCR Polyoxのコーティング
製造方法
8kgの核錠(約1.5kgの活性錠剤と6.5kgの「模擬」プラセボを合わせて所与の量にした)を、24インチのコーティングパンおよび2つのスプレーガンを装備したAccela−Cotaコーティング機器内に装填した。非機能的なフィルムコートは、20%の固体濃度のOpadry−II White(Colorcon Corporation製剤Y−22−7719)であった。フィルムコートの目的は、見栄えを改善し、今後、錠剤の嚥下についての患者コンプライアンスを促進することであった。目標のエンドポイントは、3〜5%の増量であった。
コーティングプロセスパラメータは、以下の通りであった:
パン速度:目標12〜16rpm
入口温度:70〜85℃
出口温度:39〜42℃
床温度:33〜45℃
噴霧圧:40psi
噴霧速度:50〜60g/分
空気流量:約200cfm
ガンから床までの距離:5インチ
錠剤は、支障なく良好にコーティングされた。コーティングの約4%の増量は、核錠に良好な被覆率を提供するのに十分であった。
プロトタイプの安定性
325mgおよび500mgの用量強度のProCRヒプロメロースおよびProCR Polyoxを用いて調製された白色のフィルムでコーティングされたシアル酸の錠剤を、1本のボトル当たり30ユニット、MiniPax乾燥剤1つ、Lepak Jr(商標)誘導キャップ密封システムを用いてコイルなしで誘導密封して、パッケージ化した。表13は、使用したパッケージング成分を列記する。全ての許容できる錠剤をパッケージ化し、ICH条件下の12ヵ月間のプロトタイプ安定性プログラム下に置き、0、1、3、6、および12ヵ月時点で、25℃および60%の相対湿度(RH)、ならびに40℃および75%のRHでの安定性をともに試験した。錠剤を、外観、溶解、湿度、アッセイ、および関連物質に関して試験および監視し、初期の安定性結果を表14に示す。コーティングされた325mgおよび500mgの錠剤の溶解特性を、図6に示す。
製剤開発活動は、325および500mgの用量強度のシアル酸の2つのはっきりと異なる持続放出プロトタイプをうまく特定した。生体外での溶解放出特性は、水媒体中での12時間にわたる一次放出およびpH6.8を呈した。持続放出性ProCRプラットフォームを採用した。不活性ポリマーのこの特有の組み合わせは、pH非依存性の強力な製剤を提供し、溶解放出特性に影響を及ぼすことなく造粒プロセスに役立つ。これは、シアル酸325mgおよび500mgの用量強度のSR錠剤において、湿式造粒プロセスが高密度化および良好な錠剤圧縮性を達成するのに必要であると認められる場合に、そうであった。
化学的安定性に関して、シアル酸325mgおよび500mgのProCRヒプロメロースおよびProCR Polyox SR錠剤は、許容できるアッセイ、溶解、および含量均一性を示し、USP試験基準を容易に通過した。これらのプロトタイプを、12ヵ月間のICH安定性研究を通して監視する。
図5および図6に示されるように、シアル酸ProCRヒプロメロースおよびProCR Polyoxのコーティングされている錠剤およびコーティングされていない錠剤の溶解特性には、一貫性がある。Opdary(登録商標)II Whiteフィルムコートを適用しても、12時間にわたる放出を通して、持続放出特性の著しい変化はない。湿式造粒、乾燥、およびコーティングプロセスが薬物の化学的完全性に影響を及ぼさないことを示すアッセイおよび関連物質の分析結果が、許容範囲内である。
実施例9
ManNAc 325mgの開発プロトタイプの調製
ManNAcの表題製剤を、シアル酸について上で詳述される方法に従って調製した。ManNAc 325mgの錠剤の溶解特性を、図7に示す。
核錠結果
実施例10
雄イヌへの経口または静脈内単回投与後のシアル酸製剤の薬物動態
この研究の目的は、雄イヌへの経口または静脈内単回投与後のシアル酸製剤の薬物動態を評価することであった。
元はBeijing Marshall Biotechnology Co.,Ltd.からの合計6匹の雄ビーグル犬(ケイネス・ファミリアリス)を、PCS−SHG共同体から入手し、研究開始前に身体検査に供して、正常な健康状態を確認した。全ての動物は使用に好適であるとされ、それぞれの動物を、1つの耳介の腹側面上に消えない入れ墨で番号および/または文字を入れて一意に識別した。動物を実験室環境に順応させるために、動物移入から治療開始まで5日間の順応期間を与えた。
投与を開始する前に、全ての動物を秤量し、処置群に割り当てた。処置の開始時に、動物は、7〜16月齢であり、6.4〜9.4kgの体重であった。動物を、メッシュタイプの床および自動給水弁を装備したステンレス製のケージの中に個別に収容した。標準の認証された市販のペレット状のドッグフード(約400gの認証された犬用餌5C07、PMI Nutrition International,Inc.)を、指定の処置期間中を除いて、それぞれの動物に1日1回与えた。餌中の汚染物質(例えば、重金属、アフラトキシン、有機リン酸エステル、塩素化炭化水素、PCB)の許容可能な最大濃度が制御され、製造業者によって定期的に分析された。本研究の目的を妨害するかもしれない既知の汚染物質が餌の中に存在しなかったと見なされた。逆浸透によって精製され、かつ紫外線光に曝露された地方自治体の水道水(軟水)が、指定の処置期間中を除いて、自由に利用可能であった。本研究の目的を妨害するかもしれない既知の汚染物質が水の中に存在しなかったと見なされた。それぞれの動物に、指定した活動中を除いて、床で遊べるおもちゃを与えた。
投与初日を1日目とした。その後の投与日は、6日目、9日目、および13日目であった。1日目、9日目、および13日目に、全ての動物に、調製したカプセルまたは錠剤を経口投与した。6日目に、全ての動物は、TA−6の静脈内単回投与を0.5mL/kgで受けた。投与したTA−6のそれぞれの実際の量は、それぞれの動物の直近の現実的な体重に基づいた。被験物質1〜6が、表16に詳述される。
個々の体重を、投与前の期間中に一度、それぞれの投与日の投与前に測定した。研究期間中に処置に関連した臨床的兆候は観察されず、どの動物においても、研究期間中に処置に関連した体重の変化または体重増加は見られなかった。
1日目、6日目、9日目、13日目に、以下の時点で血清にするために、全ての動物から血液試料を別々の血清管に収集した:投与前、投与後2分(静脈内のみ)、5分(静脈内のみ)、10分(静脈内のみ)、15分、30分、1、2、4、6、8、および24時間。1日目、6日目、9日目、13日目に、以下の時間間隔で、全ての動物から尿試料を湿潤氷または氷パック上の瓶の中に収集した:投与前(一晩中、約15時間)、投与後0〜4、4〜8、8〜12時間。試料を、表17および表18に従って収集した。
血液試料を、約2700rpmで10分間冷却遠心分離(約4℃)する前に凝固させるために、室温で少なくとも30分間〜1時間以下留置した。それぞれの試料から分離した血清を、ポリプロピレン管に移し、冷凍庫(−80℃に維持するように設定)に移すまでドライアイス上に留置した。尿試料を分析するまで冷凍庫(−80℃に維持するように設定)内に保存した。
血清および尿中の薬物濃度を、検証された分析手順(液体クロマトグラフィ−タンデム質量分析(LC−MS/MS)−PN102653によるイヌ血清および尿中の可溶性の遊離シアル酸の決定、液体クロマトグラフィ−タンデム質量分析(LC−MS/MS)−PN102654によるイヌ血清および尿中の可溶性の遊離シアル酸の長期マトリックス安定性評価のための方法の検証)を用いて、LC− MS/MSによって決定した。本方法は、10〜1000μg/mLの線形範囲を有し、定量化の下限値は10μg/mLであった。
AB SciexのAnalyst(登録商標)を用いて、データ収集を実行した。統計分析は回帰分析を含み、記述統計学は算術平均および標準偏差を含み、Watson(商標)実験室情報管理システム(LIMS)およびマイクロソフトエクセルを用いて、確度および精度を実行した。
WinNonlin(登録商標)薬物動態ソフトウェア(バージョン5.2.1、Pharsight Corp.,Mountain View,California,USA)を用いて、薬物動態パラメータを推定した。静脈内または経口投与経路と一致した非コンパートメントアプローチを、パラメータの推定に使用した。全てのパラメータを、血清中の個々のシアル酸濃度から生成した。それぞれの投与開始時に対する名目上のサンプリング時間を用いて、パラメータを推定した。平均濃度は、静脈内投与の場合のみ、3匹の動物/群/時点から導出した。実際の時点は、規定のプロトコルの範囲内であった。投与前の時点で得た血清濃度値を、ゼロ時点の濃度として経口投与に使用した。被験物質1〜5の実際の投与レベルを、それぞれの動物の最も現実的な体重に基づいてそれらにに与えたSAの総量を用いて計算した。
個々の血清シアル酸濃度対時間曲線下面積(AUC)を、線形補間を伴う線形台形法を用いて計算した。少なくとも最後の3つの観察された濃度値を用いて、それぞれの個々の濃度対時間曲線の最終消失相を特定した。非加重濃度データ上の対数線形回帰を用いて、最終消失相の勾配を決定した。決定係数が0.800未満だった場合、または無限大へのAUCの外挿が合計面積の20%を超えると示した場合、または最終消失相を特定することができなかった場合、最終消失相に関連したパラメータを報告しなかった。表19に記載されるパラメータを観察または計算した。
LLOQ未満(ゼロ未満を除く)の濃度を含む血清からの全てのデータを薬物動態分析に適用した。
尿中シアル酸濃度を、マイクロソフト(登録商標)エクセル2007の処理に付した。LLOQ未満(ゼロ未満を除く)の濃度を含む尿からのデータ全てを適用した。
投与前尿試料のデータを適用して、投与後12時間時点での尿中シアル酸排出の合計増加を計算した。それぞれの投与の場合において、投与した用量の割合として尿中シアル酸排出を推定した。経口投与後に尿中に排出された薬物の量が吸収された用量を反映するという前提に基づいて、シアル酸のバイオアベイラビリティを、静脈内および経口投与後の排出値の割合に基づいて決定した。
表20に記載されるパラメータを観察または計算した。
研究期間を通して、シアル酸の経口投与後または静脈内投与後のいずれにおいても、処置に関連した臨床的兆候は見られなかった。研究中、皮膚の赤みが動物番号201および203において見られ、偶発的であると見なした。
研究期間中、治療に関連した体重の変化または体重増加はいかなる動物においても見られなかった。体重または体重増加の任意の差異は、予想された生物学的変化に関連した可能性が高い。
静脈内または経口投与後のビーグル犬血清中の個々のシアル酸濃度対時間を、図8A〜8Hに示す。
TA−1
シアル酸のバックグラウンドレベルは、ゼロをわずかに超えたが、LLOQの20%未満であった動物番号103を除いて、6匹中5匹の動物の投与前試料においてゼロ未満であった。
1匹の動物につき3250mgのSAで調製されたカプセル中でのTA−1の経口投与後、12.6〜40.8μg/mLの範囲のピーク濃度が観察された。Tmaxは、動物番号103を除いて(0.5時間)、投与後2時間時点で観察された。シアル酸濃度は、全ての6匹の動物において、投与後24時間時点でゼロ未満のレベルに減少した。投与後24時間時点での動物番号201の濃度(22.0989μg/mL)は、LLOQ値を超えるが、サンプリング系列における3つの定量化可能な濃度に追随した3つのLLOQ未満の試料に追随したとして、異常であると見なされ、分析から除外された。
サンプリング期間の終わりに近づくと、シアル酸濃度の減少が明らかであったが、最終消失半減期を、動物番号103、201、および203においてのみ計算することができ、1.39〜1.49時間の範囲であった。
TA−1のバイオアベイラビリティを、静脈内および経口投与後の個々のAUC(0−t)値に基づいて、2.73%〜6.76%の範囲であると推定した。
全ての投与前尿試料が測定可能なシアル酸濃度を有したが、データは、それぞれの個々の動物において8.16〜25.1μg/mLの範囲で異なった。シアル酸の最大排出は、動物番号202を除いて(投与から0〜4時間後)、投与から4〜8時間後に収集された試料において観察された。尿中に排出されたシアル酸の全質量は、TA−1中に含有されたSAの用量の0.43〜3.56%に相当した。
TA−1のバイオアベイラビリティを、静脈内および経口投与後の個々の尿中排出値の割合に基づいて、1.29%〜39.1%の範囲であると推定した。
TA−2
シアル酸のバックグラウンドレベルは、ゼロをわずかに超えたが、LLOQの20%未満であった動物番号101を除く、動物番号102および103の投与前試料において、ゼロ未満であった。
1匹の動物につき3250mgのSAで調製された錠剤中のTA−2の経口投与後、Tmaxが投与の2.00〜4.00時間後に観察され、ピーク濃度は、7.98〜13.7μg/mLの範囲であった。シアル酸濃度は、概して、Tmax後に、投与した全ての動物において、投与後24時間時点でゼロ未満のレベルに減少した。動物番号103のシアル酸の消失半減期を、1.28時間であると推定した。動物番号101および102について、測定可能なデータが最終消失相を特定するには不十分であったため、半減期を推定することはできなかった。
TA−2の経口バイオアベイラビリティを、静脈内および経口投与後の個々のAUC(0−t)値に基づいて、1.64%〜3.25%の範囲であると推定した。
全ての投与前尿試料は、13.5〜34.8μg/mLの範囲の測定可能なシアル酸濃度を有した。シアル酸の最大排出は、全ての動物の投与の4〜8時間後に収集された試料において観察された。投与後に尿中に排出されたシアル酸の合計増加は、TA−2中に含有されたSAの用量の1.08〜3.20%に相当した。
TA−2のバイオアベイラビリティを、静脈内および経口投与後の個々の尿中排出値の割合に基づいて、動物番号102および103において、ぞれぞれ、2.53%および3.73%であると推定した。バイオアベイラビリティは、動物番号101において97.4%であり、これは、静脈内投与の排出値の割合が低いため、他の2匹の動物よりも著しく高かった。
TA−3
シアル酸のバックグラウンドレベルは、3匹全ての動物の投与前試料において、ゼロ未満であった。
1匹の動物につき3250mgのSAで調製された錠剤中のTA−3の経口投与後、Tmaxが投与の2.00〜4.00時間後に観察され、ピーク濃度は、6.52〜17.0μg/mLの範囲であった。シアル酸濃度は、概して、Tmax後に、3匹全ての動物において、投与後24時間時点でゼロ未満のレベルに減少した。しかしながら、測定可能なデータが最終消失相を特定するには不十分であったため、または無限大へのAUCの外挿が合計面積の20%を超えると示したため、3匹の動物の半減期を推定することはできなかった。
TA−3の経口バイオアベイラビリティを、静脈内および経口投与後の個々のAUC(0−t)値に基づいて、1.46%〜4.14%の範囲であると推定した。
全ての投与前尿試料のシアル酸濃度は、10.1〜11.2μg/mLの範囲であり、LLOQをわずかに超えると見られた。シアル酸の最大排出は、それぞれ、動物番号102および103において投与の4〜8時間後に、および動物番号101において投与の8〜12時間後に収集された試料で観察された。投与後に尿中に排出されたシアル酸の合計増加は、TA−3中に含有されたSAの用量の0.94〜2.99%に相当した。
TA−3のバイオアベイラビリティを、静脈内および経口投与後の個々の尿中排出値の割合に基づいて、それぞれ、動物番号102および103において、3.49%および1.51%であると推定した。バイオアベイラビリティは、動物番号101において85.0%であり、静脈内投与の排出値の割合が低いため、他の2つの動物よりも著しく高かった。
TA−4
TA−4で処置した動物において、シアル酸は、投与後30分間を過ぎると測定可能ではなかった。
1匹の動物につき5000mgのSAで調製された錠剤中のTA−4の経口投与後、シアル酸濃度の大半は、濃度が投与後4時間および6時間時点でLLOQをわずかに超えた1匹のイヌ(動物番号201)を除いて、LLOQ未満であった。Tmaxが投与の2.00〜4.00時間後に観察され、ピーク濃度は、8.97〜15.7μg/mLの範囲であった。シアル酸濃度は、概して、Tmax後に、投与した全ての動物において、投与後24時間時点でゼロ未満のレベルに減少した。測定可能なデータが最終消失相を特定するには不十分であったため、半減期を推定することはできなかった。
TA−4の経口バイオアベイラビリティを、静脈内および経口投与後の個々のAUC(0−t)値に基づいて、1.57%〜2.09%の範囲であると推定した。
全ての投与前尿試料は、6.4〜42.6μg/mLの範囲の測定可能なシアル酸濃度を有した。シアル酸の最大排出は、それぞれ、動物番号201および203において投与の8〜12時間後に、かつ動物番号202において投与の0〜4時間後に収集された試料で観察された。投与後に尿中に排出されたシアル酸の合計増加は、TA−4中に含有されたSAの用量の0.54〜1.93%に相当した。
TA−4のバイオアベイラビリティを、静脈内および経口投与後の個々の尿中排出値の割合に基づいて、動物番号202および203において、1.42%および2.55%であると推定した。投与前データで補正したときに、投与後に排出されたシアル酸の質量をゼロに設定したため、動物番号101のバイオアベイラビリティを推定することはできなかった。
TA−5
全ての動物のシアル酸のバックグラウンドレベルは、投与前試料および投与の15分間後ともにゼロ未満であった。
1匹の動物につき5000mgのSAで調製された錠剤中のTA−5の経口投与後、シアル酸濃度の大半は、投与の4時間および6時間後にLLOQをわずかに超えた動物番号201を除いて、LLOQ未満であった。Tmaxが投与の4.00〜6.00時間後に観察され、ピーク濃度は、7.79〜15.3μg/mLの範囲であった。シアル酸濃度は、概して、3匹全ての動物において、投与後24時間時点でゼロ未満のレベルに減少した。しかしながら、測定可能なデータが最終消失相を特定するには不十分であったため、3匹の動物の半減期を推定することはできなかった。
TA−5の経口バイオアベイラビリティを、静脈内および経口投与後の個々のAUC(0−t)値に基づいて、1.47%〜1.96%の範囲であると推定した。
全ての投与前尿試料のシアル酸濃度は、2.27〜23.6μg/mLの範囲であった。シアル酸の最大排出は、それぞれ、動物番号202および203において投与の4〜8時間後に、かつ動物番号201において投与の0〜4時間後に収集された試料で観察された。投与後に尿中に排出されたシアル酸の合計増加は、TA−5中に含有されたSAの用量の0.02〜1.70%に相当した。
TA−5の経口バイオアベイラビリティを、静脈内および経口投与後の個々の尿中排出値の割合に基づいて、それぞれ、動物番号202および203において、0.52%および2.24%であると推定した。投与前データで補正したときに、投与後に排出されたシアル酸の質量をゼロに設定したため、動物番号101のバイオアベイラビリティを推定することはできなかった。
TA−6
シアル酸の血清レベルは、ゼロをわずかに超えるが、LLOQの20%未満であった動物番号102の一匹のイヌを除く大半の動物投与前試料において、ゼロ未満であった。
25mg/kgのTA−6の静脈内投与後、シアル酸濃度は、全ての6匹の動物において、投与後4時間時点でLLOQ未満のレベルに、その後、投与後8時間時点でゼロ未満のレベルに急速に減少した。濃度は、概して、投与後6時間時点よりも前の時点と比較して、6時間時点で非常に高い濃度を呈した動物番号203を除く動物において減少した。シアル酸を、0.56〜1.40時間の範囲の半減期を有するイヌから排除した。
尿中のシアル酸濃度は、それぞれの動物の間で異なった。動物番号201において、投与後に収集された尿中のシアル酸レベルが投与前のレベルよりも低く、投与後試料の3つの濃度のうちの2つがゼロ未満と検出されたことに留意する。
静脈内投与の結果、6匹中5匹の動物の尿中に、投与量の72.4〜87.7%が排出された。1匹のイヌ(動物番号101)は、投与量の1.1%のみの排出を示した。
TA−6の個々の尿中排出の割合を使用して経口投与のデータを調整し、吸収されたシアル酸の画分を計上した(Fu、%)。本明細書に報告されるデータから、動物番号101は、同一の群内の他の動物と比較して、静脈内投与後、非常にわずかの尿しか排出せず、結果として、その経口投与において推定される著しく高い値のバイオアベイラビリティをもたらすことが観察された。
要約すると、TA−1〜TA−5の経口投与後、低レベルのシアル酸が血清中で検出され、それらの大半が定量下限を下回った。6.52〜40.8μg/mLの範囲のピーク濃度が、投与の0.5〜6時間後に観察された。シアル酸を、TA−6の静脈内投与からの血清濃度データに基づいて計算すると、0.56〜1.40時間の半減期で排除された。バイオアベイラビリティを、静脈内および経口投与後の個々のAUC(0−t)値に基づいて推定した。血清中のシアル酸の推定された薬物動態パラメータを、表21〜表23に示す。
全ての投与前尿試料は、測定可能なシアル酸濃度を有し、これを用いて、投与後12時間時点の尿中シアル酸排出の合計増加を補正した。血清とは対照的に、尿試料中で検出された濃度の大半が、定量下限を超えた。尿中シアル酸排出を、それぞれの投与の場合の投与量の割合として推定した。経口投与後に尿中に排出される薬物の量が、吸収される用量を反映するという前提に基づいて、シアル酸のバイオアベイラビリティを、静脈内および経口投与後の排出値の割合に基づいて決定した。シアル酸の推定された尿中排出パラメータを、表24〜表26に示す。
結論として、ビーグル犬における経口または静脈内単回投与後の異なる製剤中のシアル酸の薬物動態を、この研究の血清および尿濃度データに基づいて推定した。
実施例11
HIBMマウスにおける28日間のシアル酸置換への連続経口曝露対1日1回の経口曝露の相対的な治療効果
本研究は、シアル酸への一時的な曝露に対して、連続曝露およびシアル酸との基質置換の利益を評価するように設計される。糖タンパク質および糖脂質を産生するためにシアル酸を使用することは、連続的な生物学的プロセスであり、シアル酸中間体の累積は小さいと考えられている。加えて、シアル酸の経口ボーラス投与は、急速な尿クリアランスをもたらす可能性が高い。経口ボーラス投与を連続曝露と比較することによって、我々は、徐放性ER製剤を用いてヒトにおいて達成可能であり得る、シアル酸の連続送達を提供する際の相対的利益を評価することができる。ALZETポンプは、我々が、連続したレベルの薬物曝露を提供して、経口ボーラス治療と比較することを可能にする。シアリル化の生化学的正常化への治療効果、ならびに筋肉病理学および筋機能への効果を評価して、持続的療法対ボーラス療法の影響を決定する。
実験設計
この実験の設計は、200mg/kgで1日1回のシアル酸のボーラス投与で処置したマウスの1つの群を、Alzetミニポンプを用いて2つの投与レベルの腹腔内連続投与で与えられるシアル酸と比較する。雌HIBMマウスをこの研究に使用し、1つの試験群当たり5匹のマウスを用意する。ミニポンプ投与の動物に対して選んだ投与レベルは、経口的に2.5%の吸収速度の約200mg/kgに相当する5mg/kg、および約10%の吸収速度に相当する20mg/kgである。限定数の動物の数が限定されているため、対照動物は存在しない。同様の週齢のマウスを用いた先の実験が、この実験に可能性のある比較対照動物を提供する。本設計は、遊離シアル酸、血液中のクレアチンキナーゼ、血液由来のポリシアリル化NCAM(PSA−NCAM)、および可能な場合、血液中の総シアリル化タンパク質を含む容易に利用可能な試料のベースラインを捕捉する。動物を1ヵ月間処置し、示される間隔でサンプリングする。月の終わりに、動物から、上のアッセイと同一のアッセイ用に血液、ならびにNCAMウエスタンブロット用に筋肉組織、表面シアリル化用に凍結切片、および結合および遊離シアル酸の生化学分析用に試料を採取する。血液中および組織中のシアリル化の程度を比較することによって、ボーラス投与または連続曝露が優位であるかを決定する。合計用量を、血液中の遊離シアル酸を測定することによって、かつ尿中のシアル酸を測定することによって確認する。
被験物質1:ボーラス投与:第1群
シアル酸経口製剤4mg/mlを、200mg/kg/日の用量で投与する。注入量を個々の体重および投与濃度によって調整する。1日当たりの投与量は、約250μLである。
被験物質2:ポンプ投与:第2群
シアル酸腹腔内製剤37.5mg/mlを、5mg/kg/日の用量で投与する。注入量は、1回のポンプにつき合計100μLである。
被験物質3:ポンプ投与:第3群
シアル酸腹腔内製剤150mg/mlを、20mg/kg/日の用量で投与する。注入量は、1回のポンプにつき合計100μLである。
動物の世話および収容
ALZETポンプ設置後、それぞれのマウスを、動物の正確な臨床的観察および安全性のために個別に収容する。経口ボーラス投与群を、1つのケージ内に一緒に収容してもよい。それぞれのケージは、随意に水を受け取る。動物を、作業日中に、罹患率および死亡率に関して試験する。体重を、最初の投与前、その後、週に1回記録する。動物を、ポンプ設置の前、ならびに血液収集および解剖日の前に断食させる。動物に、投与の4時間後に餌を与えるが、24時間を超えて断食させない。
ALZETポンプ:準備および埋め込み
流速0.11μL/時間が28日間続くALZETポンプモデル1004を使用し、ALZETポンプの取り扱い、プライミング、および充填に関する製造業者の勧告(WorldWideWeb:alzet.com/products/guide_to_use/filling.html)に従う。
動物を、ALZETポンプの設置前に、イソフルレン吸入を用いて麻酔する。腹腔内埋め込みについて、以下のステップを実行する:
1. 動物を麻酔した時点で、埋め込み部位上の皮膚を剃り、洗浄する。
2. 胸郭下の下腹部に1cmの長さの正中皮膚切開を作製する。
3. 筋腹膜層を慎重に広げて、腸の損傷を避ける。皮膚切開の真下にある腹膜壁を切開する。
4. 充填ポンプを、最初に門脈に送達し、腹膜腔に挿入する。
5. 筋腹膜層を、下にある腸の穿孔を避けるよう注意しながら、中断または連続パターンで4.0の吸収性縫合糸を用いて閉鎖する。
6. 皮膚切開を、2〜3個の創傷クリップまたは結節縫合糸を用いて閉鎖する。
血液試料収集および処理
投与およびサンプリングを、以下のように実行する:
第1群:経口ボーラス投与:N=5匹のマウス
PKサンプリング前に断食させる。
1日目、14日目、21日目、28日目:体重を記録する。
PKサンプリング:以下の表の通り
1日目、14日目、21日目、28日目:投与前に、CK、全てのシアリル化およびNCAM試料を収集する。
1〜28日目:単回経口投与
29日目:最終血液収集(CK、全てのシアリル化およびNCAM試料)ならびに剖検、表面シアリル化について一連の筋肉のアッセイ
第2群および第3群:腹腔内ALZETポンプ投与:それぞれの群につきN=5匹のマウス
PKサンプリング前に断食させる。
−1日目:ポンプ埋め込み
1日目、14日目、21日目、28日目:体重を記録する。
PKサンプリング:以下の表の通り
1日目、14日目、21日目:投与前のCK、全てのシアリル化およびNCAM試料を収集する。
29日目:最終血液収集(CK、全てのシアリル化およびNCAM試料)ならびに剖検
PK試料収集スケジュール
第1群:経口ボーラス投与群
1日目、14日目、および28日目の試料収集時点(投与後時点)
第2群および第3群:ポンプ投与群
1日目、14日目、28日目の試料収集時点(投与後時点)
血液試料を、上述の規定の時点/日に収集する。
PK試料:約25μLの全血/時点。血液試料を血清管または96ウェルプレート中に収集する。遠心分離する前に、血液を、血清管内で、室温で1時間凝固させる。血清試料を、研究期間中、−80℃で保存する。
CK試料:少なくとも200μLの全血/時点を、CK臨床化学用に収集する。
NCAM試料:約125μLの全血/時点。血液試料を血清分離管中に収集する。遠心分離する前に、血液を、血清分離管内で、室温で1時間凝固させる。血清試料を、研究期間中、−80℃で保存する。
組織収集および加工
最後の血液試料収集後、マウスを安楽死させ、組織試料を収集する。筋肉を、レクチン染色およびウエスタンブロットを用いて、シアリル化に関して分析する。組織を、H&E染色/トリクロームおよびコンゴレッドを用いて分析する。
以下の組織を29日目に収集する:
四頭筋
腿筋
二頭筋
三頭筋
前脛骨筋
組織試料について、それぞれの筋肉につき3片を必要とする:
1. 1片を、パラフィン包埋および区分のために10%の中性緩衝ホルマリン中に固定し、H&E、コンゴレッド、およびマッソントリクロームで染色する。
2. 1片を、レクチン染色用の凍結切片のために、微量遠心管内で、−80℃で凍結させる。
3. 1片を秤量し、NCAMおよび他のウエスタンブロット、ならびにシアリル化の生化学(合計の結合シアル酸、GM3レベル)用の抽出調製物のために、微量遠心管内で、−80℃で凍結させる。
前述の発明は、理解を明確にするために、説明図および実施例を用いてある程度詳細に説明されているが、ある特定の些細な変更および修正が行われることは当業者には明らかである。したがって、記述および実施例は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべできはない。