JP2015504094A - シアル酸欠乏を処置するための方法および製剤 - Google Patents

シアル酸欠乏を処置するための方法および製剤 Download PDF

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Abstract

本発明は、延長放出製剤を含む、シアル酸欠乏を処置するための組成物および方法に関する。一局面において、シアル酸欠乏の処置を必要としている個体においてシアル酸欠乏を処置するための方法が提供され、この方法は、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルを経口投与する工程を含み、上記方法は、約4時間超の期間にわたり治療有効量のシアル酸を提供する。別の局面において、上記シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルが、延長放出製剤中にある。

Description

関連出願への相互参照
この出願は、表題「Methods and Formulations for Treating Sialic Acid Deficiencies」の2012年1月18日に出願された米国仮出願第61/588,069号および表題「Methods and Formulations for Treating Sialic Acid Deficiencies」の2012年10月4日に出願された米国仮出願第61/709,549号の優先権の利益を主張する。これらの出願の内容は、全ての目的のためにそれらの全体が参考として本明細書に援用される。
シアル酸(SA)は、正味の負電荷を有する糖である。シアル酸はN−グリカン、O−グリカン、およびスフィンゴ糖脂質(ガングリオシド)の末端分枝、ならびに時折GPIアンカーのキャッピング側鎖上に存在することが多い。細胞表面分子のシアル酸修飾は、多くの生物学的現象、例えば、タンパク質構造の安定性、細胞接着のレギュレーション、およびシグナル伝達において役割を果たしている。シアル酸欠乏障害、例えば、遺伝性封入体ミオパチー(Hereditary Inclusion Body Myopathy)(HIBMまたは2型HIBM)、埜中ミオパチー(Nonaka myopathy)、および縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(Distal Myopathy with Rimmed Vacuoles)(DMRV)は、シアル酸生成の低減からもたらされる臨床疾患である。
HIBMは、シアル酸合成経路における生合成の欠陥によってもたらされる稀な常染色体劣性の神経筋障害である。Eisenbergら、Nat. Genet.、29巻:83〜87頁(2001年)。疾患は通常、下垂足および緩徐進行性の筋力低下および萎縮など、20歳から40歳の間に顕在化する。患者は、下垂足によって歩くこと、握ること、手を使用すること、および嚥下における困難を患い得る。疾患は進行性であり、大部分の罹患している個体は、20年から30年以内に普通に生活できなくなり、車椅子での生活となる。処置は利用可能ではない。
イラン系ユダヤ人の遺伝的隔離集団の研究は、HIBMと関連する変異を染色体9p12−13に位置付けた。Argovら、Neurology、60巻:1519〜1523頁(2003年)。原因となる変異は、HIBMについて、二官能性酵素UDP−N−アセチルグルコサミン−2−エピメラーゼ/N−アセチルマンノサミンキナーゼ(GNE/MNK)をコードする遺伝子GNEにおいて同定された。Eisenbergら、Nat. Genet.、29巻:83〜87頁(2001年)。DMRVは、HIBMに対する日本人の対立遺伝子バリアントである。Nishinoら、Neurology、59巻:1689〜1693頁(2002年)。
GNE/MNKの生合成ステップおよびフィードバックレギュレーションを、図1において描写する。複合糖質上のシアル酸の生成は、シアル酸へのN−アセチルグルコサミン(その担体ヌクレオチド糖UDPにコンジュゲートしている)の変換を必要とする。シアル酸はそれに続いて細胞核に入り、そこでそのヌクレオチド糖担体CMPとコンジュゲートし、CMP−シアル酸が作製され、これは細胞におけるグリコシル化反応のためのドナー糖として使用される。CMP−シアル酸は、GNE/MNK活性の公知のレギュレーターである。Jayら、Gene Reg. & Sys. Biol.、3巻:181〜190頁(2009年)。HIBMを有する患者は、このシークエンスの最初の2ステップに関与するGNE/MNK酵素によるシアル酸の生成における欠乏を有する。概ね20のGNE変異が、異なる民族的背景からのHIBM患者において報告されてきており、創始者効果がイラン系ユダヤ人および日本人において存在する。Broccoliniら、Hum. Mutat.、23巻:632頁(2004年)。
シアル酸の生成は変異が疾患をもたらす重要な理由であるため、経路における遺伝的閉鎖後の代謝物を置き換えることは、理論上は、シアル酸欠乏の症状を緩和することができる。Jayら、Gene Reg. and Sys. Biology、3巻:181〜190頁(2009年)。しかし、実際には、シアル酸生合成経路における1種または複数種の化合物をインビボで投与することは、重大な課題である。これらの化合物は並外れて急速なクリアランス速度を有し、代謝されることができる前に尿中に排泄される。
Eisenbergら、Nat. Genet.(2001年)29巻:83〜87頁 Nishinoら、Neurology(2002年)59巻:1689〜1693頁 Jayら、Gene Reg. & Sys. Biol.(2009年)3巻:181〜190頁
本発明は、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルを経口投与することを含む、それを必要としている個体においてシアル酸欠乏を処置するための方法を提供し、方法は、約4時間超の期間にわたり治療有効量のシアル酸を提供する。
本発明のいくつかの実施形態において、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルは、延長放出製剤中にある。本発明のいくつかの実施形態において、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルは、延長放出製剤および即時放出製剤の両方中にある。
本発明のいくつかの実施形態において、方法は、投薬間隔の間の定常状態において、少なくとも約0.11mcg/mlの平均Cminシアル酸を提供する。
本発明のいくつかの実施形態において、方法は、投薬間隔の間の定常状態において、少なくとも約0.16mcg/mlのシアル酸の平均血漿濃度を提供する。
本発明のいくつかの実施形態において、方法は、投薬間隔の間の定常状態において、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルの投与の前の個体におけるシアル酸の平均血漿濃度より少なくとも約50%高いシアル酸の平均血漿濃度を提供する。
本発明のいくつかの実施形態において、方法は、空腹条件下で投与されたときより、摂食条件下で延長放出製剤が投与されたときに、改善された吸収プロファイルを提供する。
方法のいくつかの実施形態において、シアル酸欠乏は、シアル酸欠乏と関連するミオパチーである。
方法のいくつかの実施形態において、シアル酸欠乏は、シアル酸欠乏と関連するミオパチーである。いくつかの実施形態において、シアル酸欠乏と関連するミオパチーは、遺伝性封入体ミオパチー(HIBM)、埜中ミオパチー、および/または縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(DMRV)である。
方法のいくつかの実施形態において、延長放出製剤は、固体マトリックス形態にある。
図1は、細胞内のシアル酸代謝のダイアグラムを提供する。 図2は、シアル酸についての粒径分布を示す。 図3は、ProCRシアル酸250mg最終ブレンドについての粒径分布プロットを示す。 図4は、直接圧縮によるシアル酸250mgおよび325mg持続放出(SR)錠剤の溶解プロットを示す。 図5は、シアル酸325mgおよび500mg持続放出(SR)非コーティング錠剤の溶解プロファイルを示す。 図6は、シアル酸325mgおよび500mg持続放出(SR)コーティング錠剤の溶解プロファイルを示す。 図7は、ManNAc325mg錠剤の溶解プロファイルを示す。 図8は、IVまたは経口投与に続く、時間に対するビーグル犬の血清中のシアル酸の個々の濃度を示す。(AおよびB)TA−1カプセル剤の投与の後の濃度;(C)TA−2錠剤の投与の後の濃度;(D)TA−3錠剤の投与の後の濃度;(E)TA−4錠剤の投与の後の濃度;(F)TA−5錠剤の投与の後の濃度;(GおよびH)TA−6の静脈内投与の後の濃度。 図8は、IVまたは経口投与に続く、時間に対するビーグル犬の血清中のシアル酸の個々の濃度を示す。(AおよびB)TA−1カプセル剤の投与の後の濃度;(C)TA−2錠剤の投与の後の濃度;(D)TA−3錠剤の投与の後の濃度;(E)TA−4錠剤の投与の後の濃度;(F)TA−5錠剤の投与の後の濃度;(GおよびH)TA−6の静脈内投与の後の濃度。 図8は、IVまたは経口投与に続く、時間に対するビーグル犬の血清中のシアル酸の個々の濃度を示す。(AおよびB)TA−1カプセル剤の投与の後の濃度;(C)TA−2錠剤の投与の後の濃度;(D)TA−3錠剤の投与の後の濃度;(E)TA−4錠剤の投与の後の濃度;(F)TA−5錠剤の投与の後の濃度;(GおよびH)TA−6の静脈内投与の後の濃度。 図8は、IVまたは経口投与に続く、時間に対するビーグル犬の血清中のシアル酸の個々の濃度を示す。(AおよびB)TA−1カプセル剤の投与の後の濃度;(C)TA−2錠剤の投与の後の濃度;(D)TA−3錠剤の投与の後の濃度;(E)TA−4錠剤の投与の後の濃度;(F)TA−5錠剤の投与の後の濃度;(GおよびH)TA−6の静脈内投与の後の濃度。 図9は、イヌにおけるSA APIに対するSA−ERの単回用量についての薬物動態データを示す。経口投与されたSA−ER錠剤の血清クロスオーバー研究におけるシアル酸。 図10は、イヌにおけるSA−ERの反復投薬からの結果を示す。0日目から7日目。経口投与されたSA−ER錠剤(1625mg、TID)のシアル酸濃度の血清中の群平均(Gp平均)。7日の期間にわたりある程度の蓄積が起こった。 図11は、イヌにおける経口投与されたSA−ERのクロスオーバー研究におけるSAの尿中排泄の比較を示す。24時間の期間にわたる個々のイヌ排泄レベル。APIおよび7日の投薬の最後の日に対する3つの経口投与された用量レベル。 図12は、SAの平均総尿中排泄の比較を示す。投薬の後/間の24時間の間の尿中の総シアル酸。単回用量、APIおよび7日目の反復投薬と比較。 図13は、実施例7のER−SAヒト臨床治験と関連する研究スキームを示す。 図14は、6人の異なるヒト患者についての単回用量ER−SA投与(650mg)について得た薬物動態データを示す。白丸は、ベースラインモニタリングを行った最初の日を表し、黒丸は、空腹時単回用量が投与された翌日を表す。遊離シアル酸濃度は、血清中のμg/mLである。 図15は、6人の異なるヒト患者についての単回用量ER−SA投与(1,950mg)について得た薬物動態データを示す。白丸は、ベースラインモニタリングを行った最初の日を表し、黒丸は、空腹時単回用量が投与された翌日を表す。遊離シアル酸濃度は、血清中のμg/mLである。 図16は、2人の異なるヒト患者についての単回用量ER−SA投与(2,925mg)について得た薬物動態データを示す。白丸は、ベースラインモニタリングを行った最初の日を表し、黒丸は、空腹時単回用量が投与された翌日を表す。遊離シアル酸濃度は、血清中のμg/mLである。 図17は、1人のヒト患者についての単回用量ER−SA投与(4,825mg)について得た薬物動態データを示す。白丸は、ベースラインモニタリングを行った最初の日を表し、黒丸は、空腹時単回用量が投与された翌日を表す。遊離シアル酸濃度は、血清中のμg/mLである。 図18は、6人の異なるヒト患者についてのER−SA反復投与(650×3;1,950mg)について得た薬物動態データを示す。白丸は、ベースラインモニタリングを行った最初の日を表し、黒丸は、1日3回に分割された投薬を行った7日間の最後の日からのデータを表す。遊離シアル酸濃度は、血清中のμg/mLである。 図19は、5人の異なるヒト患者についてのER−SA反復投与(975×3;2,925mg)について得た薬物動態データを示す。白丸は、ベースラインモニタリングを行った最初の日を表し、黒丸は、1日3回に分割された投薬を行った7日間の最後の日からのデータを表す。遊離シアル酸濃度は、血清中のμg/mLである。 図20は、第I相暫定的安全性研究投薬スケジュールの略図である。 図21は、単回用量レベルでの平均遊離シアル酸濃度を描写するグラフを示す(空腹時および摂食状況)。個々の平均PK曲線は、650mg、1950mg、2925mg、4875mgおよび6000mgの用量レベルについて示し、空腹時、摂食およびベースラインSAレベルを比較する。650mg、1950mg、2925mgおよび6000mgについてのパネルは、同じサイズのy軸を有するが、4875mgのパネルは、達成されるより高いレベルによってより大きなy軸を有する。各コホートにおける被験体についてのベースライン曲線を白丸として、空腹時レベルを黒色の丸として、および摂食曲線を灰色の丸として示す。処置前と処置後のシアル酸レベルについて容易な目視比較を行うことができるように、被験体の群(空腹時および摂食状況の両方)についての1日目のベースラインシアル酸レベルを、同じ軸上でグラフにより提示する。6000mg群は500mg錠剤を投与され、一方で、用量群の残りは325mg錠剤を投与された。 図22は、異なる単回用量レベルにおける平均遊離シアル酸濃度を描写するグラフである(空腹状況)。平均PK曲線および標準偏差を、650mg、1950mg、2925mg、4875mgおよび6000mgの用量レベルについて示す(空腹状況)。6000mg群は500mg錠剤を投与され、一方で、用量群の残りは325mg錠剤を投与された。 図23は、異なる単回用量レベルにおける平均遊離シアル酸濃度を描写するグラフである(摂食状況)。平均PK曲線および標準偏差を、650mg、1950mg、2925mg、4875mgおよび6000mgの用量レベルについて示す(摂食状況)。6000mg群は500mg錠剤を投与され、一方で、用量群の残りは325mg錠剤を投与された。 図24A〜Fは、異なる反復用量レベルでの血清中の遊離シアル酸濃度を描写するグラフを示す。 図25は、4日のシアル酸延長放出製剤の投薬、それに続く4日のシアル酸延長放出製剤およびシアル酸即時放出製剤の投薬による、血清中の遊離シアル酸濃度を描写するグラフを示す。 図26は、4日のシアル酸延長放出製剤の投薬、それに続く4日のシアル酸延長放出製剤およびシアル酸即時放出製剤の投薬による、血清中の遊離シアル酸濃度を描写するグラフを示す。
本出願は、シアル酸生合成経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を含む延長放出医薬製剤、ならびに延長放出医薬製剤を利用したシアル酸欠乏を処置および予防する方法を提供する。本発明は、広範囲の遺伝子型にわたり、および複数の組織において高濃度スパイクを伴わずに、シアル酸欠乏を有する個体に安定的および定常の日中および夜間の置換えを提供する基質置換へのアプローチを設計することに関する。本発明は、延長放出製剤、および代謝物の組合せを含めた1種または複数種の代謝物を使用する組合せによって、この基質置換および処置の利益を最適に達成することができる。
記載は、有効量の活性剤、例えば、これらに限定されないが、「治療剤」という見出しの下に含まれる化合物を含む、本明細書において提供する化合物を指し、かつ含むことが理解される。このように、本明細書において詳述する延長放出製剤のいずれかは、有効量の治療剤、例えば、有効量のシアル酸、または薬学的に許容されるその塩を含み得ることが理解される。
定義
「経口投与」および「経口服用」という用語は、患者の胃腸管(胃腸管の胃の部分、すなわち、胃を含めた)への医薬製剤の沈着をもたらす個体への医薬組成物の経口送達のための全ての通常の形態を指す。したがって、経口投与および経口服用には、例として、固体または液体の医薬組成物の実際の服用、経口胃管栄養法などが含まれる。
「処置すること」および「処置」という用語は、本明細書において使用する場合、臨床的結果を含めた有益または所望の結果を得るためのアプローチを指す。本発明の目的のために、有益または所望の臨床的結果には、これらに限定されないが、下記の1つまたは複数が含まれる。疾患からもたらされる1つまたは複数の症状の重症度および/または頻度を減少させること、疾患の程度を減退させること、疾患を安定化させること(例えば、疾患の悪化を予防または遅延させること)、疾患の進行を遅延または遅くすること、病態を寛解させること、シアル酸、シアリル化前駆体であるCMP−シアル酸の生成を増加させること(例えば、シアル酸の細胞内の生成を増加させること)、ならびに筋肉および他のタンパク質におけるシアリル化のレベルを回復させること、疾患を処置するのに必要とされる1種または複数種の他の医薬品の用量を減少させること、ならびに/あるいは生活の質を向上させること。本明細書に記載されている製剤で患者を「処置すること」は、疾患または状態を阻害し、または後退をもたらすための個体の管理を含む。
「予防法」または「予防的処置」または「予防処置」とは、症状および/またはこれらの基礎的原因が起こることの予防、例えば、疾患または状態の発症に感受性がある患者(例えば、遺伝的素因、環境要因、素因になるような疾患または障害などの結果として、より高い危険性がある)における疾患または状態の予防を指す。予防法は、筋肉における慢性疾患の変化が不可逆的であり、かつ動物モデルデータが予防法における処置の利益を示唆するHIBMミオパチーを含む。
本明細書において使用する場合、疾患の進行を「遅延させること」は、疾患の発症を繰り延べし、邪魔し、遅くし、遅滞させ、安定化し、かつ/または延期することを意味する。この遅延は、疾患の履歴および/または処置される個体に応じて、様々な長さの時間でよい。
本明細書において使用する場合、「危険性のある」個体は、シアル酸欠乏を発症する危険性がある個体である。「危険性のある」個体は、検出可能な疾患を有してもよく、または有さなくてもよく、本明細書に記載されている処置方法の前に検出可能な疾患を示してきてもよく、または示してこなくてもよい。「危険性のある」とは、個体が、本明細書に記載されているシアル酸欠乏の発症と相関する測定可能なパラメーターである、1つまたは複数のいわゆる危険因子を有することを示す。これらの危険因子の1つまたは複数を有する個体は、これらの危険因子(複数可)を有さない個体よりシアル酸欠乏を発症するより高い可能性を有する。
「有効量」という用語は、所望の処置成果を与える十分な量での、シアル酸生合成経路における1種または複数種の化合物の量を指す。有効量は、1つまたは複数の用量中に含まれてもよく、すなわち、単回用量または複数回用量を、所望の処置エンドポイントを達成するために必要とし得る。
「治療有効量」は、所望の治療成果(例えば、疾患または状態の重症度の低減)を生じさせるのに十分な、シアル酸生合成経路における1種または複数種の化合物の量を指す。一実施形態において、治療有効量は、治療的に有効なシアル酸の血漿濃度を指す。「予防的有効量」は、感受性があり、かつ/または疾患もしくは状態を発症し得る個体に投与されたときに、将来の疾患もしくは状態の重症度を予防もしくは低減させるのに十分な、シアル酸生合成経路における1種もしくは複数種の化合物を含む医薬製剤の量を指す。
「延長放出」という用語は、薬物含有製剤またはその画分を指し、薬物の放出は即時ではなく、すなわち、「延長放出」製剤によって、投与は、吸収プール中への薬物の即時放出をもたらさない。一般に、「延長放出」という用語は、本明細書において使用する場合、制御放出、持続放出、および遅延放出製剤を含む。
「薬学的に許容される」とは、生物学的にまたはその他の点で望ましくなくはない材料を意味し、すなわち、材料は、有意な望ましくない生物学的効果をもたらすことなく、または有害な様式でそれが含有されている組成物の他の構成要素のいずれかと相互作用することなく、患者に投与される医薬組成物中に組み込み得る。「薬学的に許容される」という用語が医薬担体もしくは賦形剤を指すために使用されるとき、担体もしくは賦形剤が、毒物学的試験および製造試験の必要とされる標準に合致しており、または担体もしくは賦形剤が米食品医薬品局によって調製された不活性成分ガイドに含まれることが暗示される。
「障害」または「疾患」という用語は、本明細書において互換的に使用され、器官の機能および/もしくは組織の機能が遂行されることを中断もしくは妨害し(例えば、臓器機能障害をもたらし)、かつ/または疾患に罹患している被験体に対して症状、例えば、不快感、機能障害、窮迫、もしくは死亡さえをもたらす、体、またはその器官および/もしくは組織の1つの状況における任意の変化を指す。
「個体」または「患者」という用語は、動物、例えば、哺乳動物を指し、これらに限定されないが、ヒト、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、げっ歯類、または霊長類が含まれる。好ましくは、個体は、ヒトである。
「誘導体」という用語には、本明細書において使用する場合、誘導体、類似体、プロドラッグ、および非天然前駆体が含まれる。
「薬学的に許容される塩」という用語は、化合物の生物学的有効性を保持し、生物学的にまたはその他の点で望ましくなくはない塩を指す。
本明細書において「約」の値またはパラメーターへの参照は、その値またはパラメーターそれ自体を対象とするバリエーションを含む(および記載する)。例えば、「約X」を参照する記載は、「X」の記載を含む。
本明細書において使用する場合および添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「or」および「the」は、文脈によって明らかにそれ以外のことの指示がない限り、複数の参照対象を含む。本明細書に記載されている本発明の実施形態、態様およびバリエーションは、実施形態、態様およびバリエーションを「含むこと」、「からなること」および/または「から本質的になること」を含むことが理解される。
薬物動態パラメーターは、活性剤、すなわち、遊離シアル酸の経時的なインビボの特徴、例えば、血漿濃度(C)、Cmax、C、C24、Tmax、およびAUCを記載する。「Cmax」は、最高濃度のポイントにおける血漿中の活性剤の測定した濃度である。「C」は、投与の約n時間後における血漿中の活性剤の測定した濃度である。「C24」は、投与の約24時間後における血漿中の活性剤の測定した濃度である。「Tmax」という用語は、活性剤の投与の後で血漿中の活性剤の測定した濃度が最も高い時間を指す。「AUC」は、1つの時点から別の時点に測定した、時間に対する活性剤の測定した濃度(典型的には、血漿濃度)のグラフの曲線下面積である。例えば、AUC0〜tは、0時からt時までの時間に対する血漿濃度の曲線下面積である。AUC0〜∞またはAUC0〜INFは、0時から無限大時までの時間に対する血漿濃度の計算した曲線下面積である。
延長放出製剤
本明細書において提供するのは、治療剤としてシアル酸生合成経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体、または上記の薬学的に許容される塩を含む延長放出医薬製剤である。一実施形態において、延長放出医薬製剤は、本明細書において詳述するような治療剤およびポリマーを含む。治療剤およびポリマーを含む延長放出製剤は、1種または複数種のさらなる構成要素、例えば、希釈剤、賦形剤、抗酸化剤、滑沢剤、着色剤、結合剤、崩壊剤などの任意の1つまたは複数をさらに含み得る。下記のシアル酸生合成経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を含む延長放出医薬製剤への参照および記載は例示的であり、この記載は、シアル酸生合成経路における任意の1種または複数種の化合物を含む延長放出医薬製剤に等しく適用され、シアル酸生合成経路における任意の1種または複数種の化合物を含む延長放出医薬製剤を含むことが理解される。下記のシアル酸生合成経路における化合物の任意の1種または複数種の誘導体を含む延長放出医薬製剤への参照および記載は例示的であり、この記載は、シアル酸生合成経路における任意の1種もしくは複数種の誘導体、類似体、プロドラッグ、および/または非天然前駆体化合物を含む延長放出医薬製剤に等しく適用され、シアル酸生合成経路における任意の1種もしくは複数種の誘導体、類似体、プロドラッグ、および/または非天然前駆体化合物を含む延長放出医薬製剤を含むことがまた理解される。
1つのバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、MaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、およびMaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸生合成経路における1種または複数種の化合物のプロドラッグ、例えば、シアル酸または薬学的に許容されるその塩のプロドラッグを治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含み、親水コロイドポリマー、アニオン性pH依存性ゲル形成コポリマーおよび水膨潤性pH非依存性ポリマーをさらに含み、滑沢剤および/または賦形剤を任意選択でさらに含む。特定のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、およびヒプロメロースまたはポリエチレンオキシドのいずれかを含む。さらなるバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ならびにヒプロメロースまたはポリエチレンオキシドのいずれか、ステアリン酸マグネシウムならびに微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素を含む。一態様において、延長放出製剤は、表Eの製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、表8の製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、実施例6の製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、実施例7の製剤である。
治療剤
シアル酸またはシアル酸生合成経路における化合物、またはその誘導体、または上記のいずれかの薬学的に許容される塩の投与は、シアル酸欠乏障害を有し、または有することが疑われる個体に治療剤として(例えば、基質置換として)投与し得ると考えられている。このような化合物、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む延長放出製剤を、本明細書において提供する。一態様において、シアル酸またはシアル酸生合成経路における化合物、またはその誘導体、または上記のいずれかの薬学的に許容される塩は、シアル酸または薬学的に許容されるその塩である。一態様において、本明細書において詳述する延長放出製剤のいずれかは、有効量の治療剤、例えば、有効量のシアル酸または薬学的に許容されるその塩を含み得る。
シアル酸生合成経路における化合物またはその誘導体は、1つのバリエーションにおいて、シアル酸生合成経路におけるManNAcにある、またはその下流にある化合物、または薬学的に許容されるその塩である。特定のバリエーションにおいて、治療剤は、シアル酸生合成経路におけるManNAcにある、またはその下流にある化合物、または薬学的に許容されるその塩であり、図1において描写する。
シアル酸生合成経路における化合物またはその誘導体は、別のバリエーションにおいて、シアル酸生合成経路におけるCMP−シアル酸にある、またはその上流にある化合物、または薬学的に許容されるその塩である。特定のバリエーションにおいて、治療剤は、シアル酸生合成経路におけるCMP−シアル酸にある、またはその上流にある化合物、または薬学的に許容されるその塩であり、図1において描写する。1つのこのようなバリエーションにおいて、シアル酸生合成経路における化合物またはその誘導体は、グルコースまたは薬学的に許容されるその塩を含まない。
特定のバリエーションにおいて、シアル酸生合成経路における化合物またはその誘導体は、1つのバリエーションにおいて、(i)シアル酸生合成経路におけるManNAcにある、またはその下流にあり、(ii)シアル酸生合成経路におけるCMP−シアル酸にある、またはその上流にある化合物、または薬学的に許容されるその塩である。1つのこのようなバリエーションにおいて、化合物は、図1において描写される化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
シアル酸生合成経路における化合物またはその誘導体には、これらに限定されないが、マンノサミン、N−アセチルマンノサミン(ManNAc)、ManNac−6−リン酸(ManNAc−6−P)、UDP−GlcNAc、N−アセチルノイラミン酸(NeuAc)、NeuAc−9−リン酸(NeuAc−9−P)、シアル酸(すなわち、5−N−アセチルノイラミン酸)、CMP−シアル酸、および/またはその誘導体または上記の薬学的に許容される塩が含まれる。
いくつかの実施形態において、シアル酸生合成経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体には、N−アセチルノイラミン酸(NeuAc)またはその誘導体が含まれる。このようなNeuAcまたはその誘導体の構造には、これらに限定されないが、下の式によって定義されるものが含まれ、
式中、各R、R、R、R、R、またはRは、独立に、水素、低級アルカノイル、カルボキシレートまたは低級アルキルであり、Rは、低級アルキル、低級アルカノイルアルキルまたは低級アルキルアルカノイルオキシである。
いくつかの実施形態において、シアル酸生合成経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、ManNAcまたはその誘導体を含む。このようなManNAcおよびその誘導体の構造には、これらに限定されないが、下の式によって定義されるものが含まれ、
式中、各R、R、R、またはRは、独立に、水素、低級アルカノイル、カルボキシレートまたは低級アルキルであり、Rは、低級アルキル、低級アルカノイルアルキルまたは低級アルキルアルカノイルオキシである。
低級アルキルという用語は、(C〜C)アルキルを指す。低級アルキルには、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、ペンチル、3−ペンチル、ヘキシル、ならびに(C〜C)シクロアルキル部分(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシル)、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル(例えば、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、2−シクロプロピルエチル、2−シクロブチルエチル、2−シクロペンチルエチル、または2−シクロヘキシルエチル)、(C〜C)アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソ−ブトキシ、sec−ブトキシ、ペントキシ、3−ペントキシ、またはヘキシルオキシ)(C〜C)アルケニル(例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1,−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、または5−ヘキセニル)、(C〜C)アルキニル(例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、または5−ヘキシニル)、(C〜C)アルカノイル(例えば、アセチル、プロパノイルまたはブタノイル)、ハロ(C〜C)アルキル(例えば、ヨードメチル、ブロモメチル、クロロメチル、フルオロメチル、トリフルオロメチル、2−クロロエチル、2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、またはペンタフルオロエチル)、ヒドロキシ(C〜C)アルキル(例えば、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1−ヒドロキシペンチル、5−ヒドロキシペンチル、1−ヒドロキシヘキシル、または6−ヒドロキシヘキシル)、(C〜C)アルコキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、またはヘキシルオキシカルボニル)、(C〜C)アルキルチオ(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、ペンチルチオ、またはヘキシルチオ)、および/または(C〜C)アルカノイルオキシ(例えば、アセトキシ、プロパノイルオキシ、ブタノイルオキシ、イソブタノイルオキシ、ペンタノイルオキシ、またはヘキサノイルオキシ)が含まれる。
いくつかの実施形態において、Rは、メチルであり、R、R、R、およびRのそれぞれは、水素である。いくつかの実施形態において、ManNAcまたはその誘導体は、N−アセチルマンノサミン(ManNAc)である。いくつかの実施形態において、ManNAcまたはその誘導体は、N−レブリノイルマンノサミン(ManLev)またはN−アジドアセチルマンノサミン(ManNAz)である。
1つのバリエーションにおいて、シアル酸生合成経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、シアル酸生合成経路における化合物のエステルである。一態様において、シアル酸生合成経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、シアル酸またはMaNAcのエステルである。特定のバリエーションにおいて、シアル酸生合成経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、シアル酸のエステルである。一態様において、シアル酸生合成経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、シアル酸のプロドラッグである。シアル酸生合成経路における化合物の誘導体についてはまた、その中に詳述される化合物(例えば、シアル酸生合成経路における化合物の誘導体)に関して、参照により本明細書中にその全体が特に組み込まれている2010年11月18日に公開されたWO2010/131712を参照されたい。
一態様において、シアル酸生合成経路における1種または複数種の化合物の誘導体(例えば、シアル酸またはMaNAcの誘導体)は、例えば、シアル酸欠乏障害を有し、または有することが疑われる個体における、シアル酸についての有効な基質置換である。シアル酸生合成経路における1種または複数種の化合物の誘導体(例えば、シアル酸またはMaNAcの誘導体)、あるいはシアル酸生合成経路における1種または複数種の化合物の誘導体(例えば、シアル酸またはMaNAcの誘導体)を含む延長放出製剤は、下記の特徴の任意の1つまたは複数を示し得る。(i)それを必要としている個体に、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、または約20時間、あるいは約8時間超、約9時間超、約10時間超、約11時間超、約12時間超、約13時間超、約14時間超、約15時間超、約16時間超、約17時間超、約18時間超、約19時間超、または約20時間超のいずれかの期間にわたり送達することができる;(ii)それを必要としている個体に、実質的に一定の治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、または約20時間、あるいは約8時間超、約9時間超、約10時間超、約11時間超、約12時間超、約13時間超、約14時間超、約15時間超、約16時間超、約17時間超、約18時間超、約19時間超、または約20時間超のいずれかの期間にわたり送達することができる;(iii)それを必要としている個体に、各投薬間隔の間に約2〜約6時間、約2〜約5時間、または約3〜約6時間のいずれかのTmaxを伴って、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を送達することができる;(iv)それを必要としている個体に、約0.1〜0.9μg/mL、約0.1〜100μg/mL、約0.2〜0.3μg/mL、または約0.5〜100μg/mLのCmaxを伴って、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を送達することができる;(v)それを必要としている個体に、約0.05〜0.2μg/mL、約0.05〜0.3μg/mL、約0.1〜0.3μg/mL、または約0.1〜20μg/mLのトラフレベルを伴って、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を送達することができる;(vi)それを必要としている個体に、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を送達することができ、1時間後に約10%未満、約20%未満、約30%未満、約40%未満、約50%未満、約60%未満、または約70%未満のいずれかが排泄される;(vii)それを必要としている個体に、約0.01〜約750mg/kg/日、約0.5〜約500mg/kg/日、約1〜約250mg/kg/日、約2.5〜約100mg/kg/日、または約5〜約50mg/kg/日のいずれかの、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体または上記の薬学的に許容される塩を送達することができる;(viii)それを必要としている個体に、約0.01〜約750mg/kg/日、約0.5〜約500mg/kg/日、約1〜約250mg/kg/日、約2.5〜約100mg/kg/日、または約5〜約50mg/kg/日のいずれかの、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体または上記の薬学的に許容される塩を送達することができる;(ix)約1〜約50%の絶対的バイオアベイラビリティーを有する;(x)尿中のシアル酸レベルに基づいた約0.5〜約100%のバイオアベイラビリティーを有する;ならびに(xi)少なくとも約3.5時間の平均滞留時間(MRT)を有する。
いくつかの実施形態において、シアル酸生合成経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、シアル酸またはその誘導体を含む。いくつかの実施形態において、シアル酸またはその誘導体は、シアル酸である。いくつかの実施形態において、シアル酸またはその誘導体は、シアル酸類似体、例えば、N−レブリノイルシアル酸(SiaLev)またはN−アジドアセチルシアル酸(SiaNAz)である。いくつかの実施形態において、シアル酸は、複合糖質として結合している。いくつかの実施形態において、シアル酸またはその誘導体は、非天然前駆体、例えば、シアリルラクトース(sialylactose)である。
いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、シアル酸生合成経路における約1種、約2種、約3種、もしくは約4種のいずれかの化合物、またはその誘導体を含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、シアル酸生合成経路における2種の化合物またはその誘導体を含む。したがって、例えば、延長放出製剤は、ManNAcまたはその誘導体およびシアル酸またはその誘導体を含み得る。より特定すると、延長放出製剤は、ManNAcおよびシアル酸を含み得る。
延長放出製剤のいずれかの実施形態において、延長放出製剤中のシアル酸生合成経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体の量は、シアル酸生成を増加させ、かつ/またはシアリル化を増加(例えば、シアリル化を最大に回復)させるのに有効な量である。
シアル酸生合成経路における2種以上の化合物またはその誘導体の比は、いくつかの実施形態において、シアル酸生合成経路のフィードバック阻害を最小化する比である。いくつかの実施形態において、シアル酸生合成経路における2種以上の化合物またはその誘導体の比は、筋細胞へのシアル酸生合成経路における2種以上の化合物またはその誘導体の効率的な送達を可能とする比である。いくつかの実施形態において、シアル酸生合成経路における2種以上の化合物またはその誘導体の比は、シアル酸生合成経路のフィードバック阻害を最小化し、かつ筋細胞へのシアル酸生合成経路における2種以上の化合物またはその誘導体の効率的な送達を可能とする比である。いくつかの実施形態において、シアル酸生合成経路における2種以上の化合物またはその誘導体は、ManNAcまたはその誘導体およびシアル酸またはその誘導体である。例えば、いくつかの実施形態において、ManNAcおよびシアル酸の比は、シアル酸生合成経路のフィードバック阻害を最小化し、筋細胞へのManNAcおよび/またはシアル酸の効率的な送達を可能とする比である。組合せは、中間体の置換えを最適に広げ、異なる代謝を伴う全ての細胞型への最適な分布を増強し得る。インビトロでHIBM筋細胞を使用した、シアリル化の回復を試験し、かつシアル酸生合成経路における2種以上の化合物またはその誘導体の最良の比を決定する方法は、当技術分野において公知である。例えば、Noguchi S.ら、J. Bio. Chem.、279巻(12号):11402〜7頁(2004年)を参照されたい。これは、最適なシアリル化のための筋肉由来のタンパク質、例えば、神経細胞接着分子(NCAM)の可溶性形態を評価すること(Ricciら、Neurology、66巻:755〜758頁(2006年)、組織試料におけるシアル酸代謝物もしくはCMP−シアル酸レベルを評価すること、または筋肉もしくは他の細胞の表面上のシアル酸付加タンパク質をアセスメントすることが関与し得る。Noguchi S.ら、J. Bio. Chem.、279巻(12号):11402〜7頁(2004年)。
延長放出製剤がシアル酸生合成経路における2種の化合物またはその誘導体を含む実施形態において、延長放出製剤中の2種の化合物は、約5%〜約95%:約95%〜約5%、約5%〜約50%:約95%〜約50%、または約10%〜約40%:約90%〜約60%のいずれかの重量対重量パーセンテージで存在し得る。延長放出製剤中の2種の化合物は、約90%:約10%、約80%:約20%、約70%:約30%、約60%:約40%、約50%:約50%、約40%:約60%、約30%:約70%、約20%:約80%、または約10%:約90%のいずれかの重量対重量パーセンテージで存在し得る。いくつかの実施形態において、延長放出製剤中の2種の化合物は、約50%:50%の重量対重量パーセントである。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。したがって、例えば、延長放出製剤は、ManNAcおよびシアル酸を含み得、ManNAc対シアル酸の重量対重量パーセンテージは、約90%:約10%、約80%:約20%、約70%:約30%、約60%:約40%、約50%:約50%、約40%:約60%、約30%:約70%、約20%:約80%、または約10%:約90%のいずれかである。
ポリマー
本明細書に記載のようなシアル酸生合成経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を含む延長放出製剤は、1種または複数種のポリマーを含み得る。ポリマーは、天然ポリマー(例えば、多糖類もしくはタンパク質)、改質天然ポリマー、および/または合成ポリマーであり得る。ポリマーは、例えば、疎水性ポリマー、親水性ポリマー、ヒドロゲル、可溶性ポリマー、生分解性ポリマー、非生分解性ポリマー、および/または粘膜付着性ポリマーであり得る。
いくつかの実施形態において、ポリマーは、疎水性ポリマーである。疎水性ポリマーの例には、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、エチルセルロースまたはアクリレートポリマーおよびこれらのコポリマーが含まれる。
いくつかの実施形態において、ポリマーは、親水性ポリマーである。親水性ポリマーの例には、a)セルロース誘導体、例えば、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチル−セルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース(HPMC)、またはカルボキシメチルセルロースナトリウム、b)非セルロース天然または半合成ポリマー、例えば、寒天、カロブガム、アルギネート、糖蜜、マンノースおよびガラクトースの多糖類、またはキトサンおよび加工デンプン、ならびにc)アクリル酸のポリマー、例えば、carbopolポリマーが含まれる。
いくつかの実施形態において、ポリマーは、ヒドロゲルである。ヒドロゲルの例には、これらに限定されないが、ポリヒドロキシエチル(polyhydroxyethyle)メチルアクリレート(PHEMA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキシド(PEO)、またはポリアクリルアミド(PA)が含まれる。いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、ポリエチレンオキシド(例えば、Polyox(商標)水溶性樹脂、Dow Chemical Company、Mich.、USA)である。
いくつかの実施形態において、ポリマーは、可溶性ポリマーである。可溶性ポリマーの例には、これらに限定されないが、ポリエチレングリコール(PEG)、PVA、PVP、またはHPMCが含まれる。
いくつかの実施形態において、ポリマーは、生分解性ポリマーである。生分解性ポリマーの例には、これらに限定されないが、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(乳酸/グリコール酸)(PLGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ無水物、またはポリオルトエステルが含まれる。
いくつかの実施形態において、ポリマーは、非生分解性ポリマーである。非生分解性ポリマーの例には、これらに限定されないが、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリジメチルシロキサン(PDS)、ポリエーテルウレタン(PEU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、酢酸セルロース(CA)、またはエチルセルロース(EC)が含まれる。
いくつかの実施形態において、ポリマーは、粘膜付着性ポリマーである。粘膜付着性ポリマーの例には、これらに限定されないが、ポリカルボフィル、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸、トラガカント、メチルセルロース、ペクチン、天然ガム、キサンタンガム、グアーガム、またはカラヤガムが含まれる。
いくつかの実施形態において、延長放出医薬製剤は、2種のポリマーを含む。いくつかの実施形態において、ポリマーは、ポリラクチドではない。いくつかの実施形態において、ポリマーは、ポリラクチドコポリマー、例えば、PLGAではない。
いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、a)水膨潤性pH非依存性ポリマー、b)アニオン性pH依存性ゲル形成コポリマー、c)カチオン性ポリマー、およびd)親水コロイドポリマーからなる群から選択される1種または複数種のポリマーを含む。1つのバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、MaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、およびMaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸生合成経路における1種または複数種の化合物のプロドラッグ、例えば、シアル酸または薬学的に許容されるその塩のプロドラッグを治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含み、親水コロイドポリマー、アニオン性pH依存性ゲル形成コポリマーおよび水膨潤性pH非依存性ポリマーをさらに含み、滑沢剤および/または賦形剤を任意選択でさらに含む。特定のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、およびヒプロメロースまたはポリエチレンオキシドのいずれかを含む。さらなるバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ヒプロメロースまたはポリエチレンオキシドのいずれか、ステアリン酸マグネシウムならびに微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素を含む。一態様において、延長放出製剤は、表Eの製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、表8の製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、実施例6の製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、実施例7の製剤である。
水膨潤性pH非依存性ポリマーの例には、これらに限定されないが、炭水化物をベースとするポリマー、例えば、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロースのファミリーとして従前公知である)、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースまたは他の構成物が含まれる。本発明と共に典型的には使用されるこれらのヒプロメロースコポリマーのグレードには、EおよびKシリーズ、例えば、Dow Chemical Company(Midland、Mich.、USA)またはAqualon(北米に存在、Wilmington、Del.)のE4M、E10M、K100LV、K4M、K15M、K25M、K100M、K200M、ならびに様々な分子量およびグレードの混合物が含まれる。ヒドロキシエチルセルロースのグレードには、例えば、AqualonのNatrasolポリマーHHX(分子量1,300,000)、HX(分子量1,000,000)、H(分子量1,000,000)、M(分子量720,000およびG(分子量1,150,000)、ならびにこれらの混合物が含まれる。ヒドロキシプロピルセルロースのグレードには、例えば、AqualonのHPCポリマーMFおよびMXF(分子量580,000)ならびにKFおよびHXF(分子量1,150,000)、ならびにこれらの混合物が含まれる。グレードおよびエチルセルロースには、例えば、Dow Chemical CompanyのEthocelポリマー7FP、10FPおよび100FPならびにAqualonのポリマーT10EC、N7、N10、N17、N22、N50、N100およびN200、ならびにこれらの混合物が含まれる。いくつかの実施形態において、水膨潤性pH非依存性ポリマーは、ヒプロメロース(例えば、ヒプロメロースタイプ2208)である。いくつかの実施形態において、水膨潤性pH非依存性ポリマーは、Methocel(登録商標)(例えば、Methocel(登録商標)K100MPremium CR、Colorcon)である。
アニオン性pH依存性ゲル形成コポリマーの例には、これらに限定されないが、一価のアルギン酸塩、例えば、アルギン酸ナトリウム塩、アルギン酸カリウム塩もしくはアルギン酸アンモニウム塩、またはこれらの組合せ、およびカルボキシメチルセルロースナトリウムなど、または1種もしくは複数種のアルギン酸塩およびカルボキシメチルセルロースの混合物などが含まれる。いくつかの実施形態において、アニオン性pH依存性ゲル形成コポリマーは、アルギン酸ナトリウム(例えば、Protanal(登録商標)、FMC BioPolymer)である。
カチオン性ポリマーの例には、例えば、トリメチルキトサンおよび四級化キトサンを含めた、キトサンまたはその誘導体、ならびに例えば、米国特許第5,747,475号において教示されているものを含めた、キトサンに由来する材料が含まれる。高分子量または低分子量キトサン生成物は、本発明の医薬製剤中で使用することができ、世界中に設置されているサプライヤーから医薬グレードで容易に利用可能である。
本発明の製剤において使用される親水コロイドポリマーは、カラギーナンでよい。カラギーナンは、ι、κおよびλカラギーナンとして利用可能であり、ιは最も頻繁に使用されており、λの使用は最もまれである。例えば、カラギーナンナトリウムを含めて、カラギーナンの様々な塩の形態がまた利用可能である。ιカラギーナンの典型的に使用されるグレードには、これらに限定されないが、カラギーナンNF AEPブランドコロイド(Hadley、N.Y.USA)FD433(1%粘度;300〜400cps)およびFD384(1%粘度;約100cps)が含まれる。他のカラギーナン生成物の粘度は、約50〜約4000cpsの範囲である。いくつかの実施形態において、カラギーナンは、λカラギーナン(例えば、Viscarin GP−209、FMC BioPolymer)である。いくつかの実施形態において、カラギーナンは、約1500〜2000cPsの粘度を有する。いくつかの実施形態において、カラギーナンは、約1600cPsの粘度を有する。
製剤、および延長放出製剤において有用なポリマーは、その中に提供されるポリマーに関して参照により本明細書中にその全体が特に組み込まれている2010年6月24日に公開された米国特許出願第2010/0160363号、および2010年6月24日に公開された米国特許出願第2010/0159001号にさらに記載されている。
いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、水膨潤性pH非依存性ポリマー(例えば、ヒプロメロース)を含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、アニオン性pH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)をさらに含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)をさらに含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、水膨潤性pH非依存性ポリマー(例えば、ヒプロメロース)、アニオン性pH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)および親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)を含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、ヒプロメロース(例えば、ヒプロメロースタイプ2208またはMethocel K100M)、アルギン酸ナトリウム(例えば、Protanal)およびλカラギーナン(例えば、Viscarin GP−209)を含む。1つのバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、MaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、およびMaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸生合成経路における1種または複数種の化合物のプロドラッグ、例えば、シアル酸または薬学的に許容されるその塩のプロドラッグを治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含み、親水コロイドポリマー、アニオン性pH依存性ゲル形成コポリマーおよび水膨潤性pH非依存性ポリマーをさらに含み、滑沢剤および/または賦形剤を任意選択でさらに含む。特定のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、およびヒプロメロースまたはポリエチレンオキシドのいずれかを含む。さらなるバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ヒプロメロースまたはポリエチレンオキシドのいずれか、ステアリン酸マグネシウムならびに微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素を含む。一態様において、延長放出製剤は、表Eの製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、表8の製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、実施例6の製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、実施例7の製剤である。
いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、ヒドロゲル(例えば、ポリエチレンオキシド)を含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、アニオン性pH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)をさらに含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)をさらに含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、ヒドロゲル(例えば、ポリエチレンオキシド)、アニオン性pH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)および親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)を含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、ポリエチレンオキシド(例えば、Polyox WSR)、アルギン酸ナトリウム(例えば、Protanal)およびλカラギーナン(例えば、Viscarin GP−209)を含む。1つのバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、MaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、およびMaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸生合成経路における1種または複数種の化合物のプロドラッグ、例えば、シアル酸または薬学的に許容されるその塩のプロドラッグを治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含み、親水コロイドポリマー、アニオン性pH依存性ゲル形成コポリマーおよび水膨潤性pH非依存性ポリマーをさらに含み、滑沢剤および/または賦形剤を任意選択でさらに含む。特定のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、およびヒプロメロースまたはポリエチレンオキシドのいずれかを含む。さらなるバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ヒプロメロースまたはポリエチレンオキシドのいずれか、ステアリン酸マグネシウムならびに微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素を含む。一態様において、延長放出製剤は、表Eの製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、表8の製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、実施例6の製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、実施例7の製剤である。
1つのバリエーションにおいて、延長放出製剤は、(i)親水コロイドポリマー、(ii)アニオン性pH依存性ゲル形成コポリマー、および(iii)水膨潤性pH非依存性ポリマーまたはヒドロゲルのいずれかを含む。1つのバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、MaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、およびMaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸生合成経路における1種または複数種の化合物のプロドラッグ、例えば、シアル酸または薬学的に許容されるその塩のプロドラッグを治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含み、親水コロイドポリマー、アニオン性pH依存性ゲル形成コポリマーおよび水膨潤性pH非依存性ポリマーをさらに含み、滑沢剤および/または賦形剤を任意選択でさらに含む。特定のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、およびヒプロメロースまたはポリエチレンオキシドのいずれかを含む。さらなるバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ヒプロメロースまたはポリエチレンオキシドのいずれか、ステアリン酸マグネシウムならびに微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素を含む。一態様において、延長放出製剤は、表Eの製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、表8の製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、実施例6の製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、実施例7の製剤である。延長放出製剤は、1つのバリエーションにおいて、本明細書において詳述するような治療剤(例えば、シアル酸)、および(i)親水コロイドポリマー、(ii)アニオン性pH依存性ゲル形成コポリマー、および(iii)水膨潤性pH非依存性ポリマーまたはヒドロゲルのいずれかを含む。例示的な延長放出製剤には、表Aにおいて一覧表示されているものが含まれ、延長放出製剤は、治療剤およびポリマーのそれぞれおよび全ての組合せ、またはポリマーの組合せが特におよび個々に一覧表示されるのと同じように、ポリマー1、2、3Aまたは3Bのいずれかの少なくとも1つと組み合わせて、一覧表示された治療剤のいずれかを含み得ることが理解される。特定の製剤は、表Aの治療剤、ならびに表Aのポリマー1、2および3(Aおよび/またはB)から選択されるポリマーの任意の1つまたは複数を含み得るが、特定のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、治療剤およびポリマーの組合せのそれぞれおよび全ての組合せが特におよび個々に一覧表示されるのと同じように、表Aの治療剤、表Aのポリマー1、表Aのポリマー2、および表Aのポリマー3Aまたは表Aのポリマー3Bのいずれかを含む。例えば、一態様において、延長放出製剤は、シアル酸、カラギーナン(例えば、λカラギーナン、例えば、Viscarin GP−209)、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム、例えば、Protanal(登録商標)LF120M)、および(i)ヒプロメロース(例えば、ヒプロメロースタイプ2208)もしくは(ii)ポリエチレンオキシド(例えば、Polyox)のいずれか、または上記のいずれかの薬学的に許容される塩を含むことが理解される。
1つのバリエーションにおいて、延長放出製剤は、表Aの治療剤、表Aのポリマー1、表Aのポリマー2、および表Aのポリマー3Aまたはポリマー3Bのいずれかを含み、組成物は、表Bにおいて描写する重量パーセント範囲のいずれか1つで治療剤およびポリマーを含む。
別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、治療剤(シアル酸生合成経路における化合物またはその誘導体または上記のいずれかの塩、例えば、表Aにおけるものを含めた本明細書において詳述する化合物のいずれか)およびポリマーを含み、ポリマーは、(i)親水コロイドポリマー、(ii)アニオン性pH依存性ゲル形成コポリマー、および(iii)水膨潤性pH非依存性ポリマーまたはヒドロゲルのいずれかを含み、ポリマー(i):(ii):(iii)の重量パーセント比は、約1:5:5または約1:5:6である。
(i)親水コロイドポリマー、(ii)アニオン性pH依存性ゲル形成コポリマー、および(iii)水膨潤性pH非依存性ポリマーまたはヒドロゲルのいずれかの組合せは、組合せが下記の特徴の任意の1つまたは複数をもたらす点で、経口剤形の調製のために特に有利である独特の組合せを提供すると考えられる。(i)ロバストな製剤(例えば、錠剤製剤のための)を提供し;(i)pH依存的ではなく;(iii)溶解プロファイルに影響を与えることなく、それ自体を造粒に向いているものとする。
延長放出製剤および製剤構成要素のさらなる記載は、全体を通しておよび下記に見出される。
相対的重量パーセンテージに言及することは、製剤中の全ての構成要素の合わせた総重量パーセンテージが合計して100になることが想定されることが理解される。1種または複数種の構成要素の相対的重量パーセンテージは、組成物中の構成要素の重量パーセントが合わせて全部で100となるように、上方または下方に調整し得ることがさらに理解される。一態様において、本明細書において詳述する重量パーセンテージは、製剤ブレンドの重量パーセンテージを指す(例えば、単位投与量、例えば、錠剤への製剤の前であり、これは例えば、錠剤コーティングを加えることによってさらに改変し得る)。別の態様において、本明細書において詳述する重量パーセンテージは、製剤の単位投与量の重量パーセンテージを指し、製剤は、個体への投与のための形態および/またはパッケージ化されたもの(例えば、コーティングを有する錠剤)である。
100重量部のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体に対して、ポリマーは、5〜40重量部、10〜20重量部の範囲の量で延長放出製剤中に存在し得る。いくつかの実施形態において、このような製剤中のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、製剤の約0.1〜99.9重量%を含む。いくつかの実施形態において、このような製剤中のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、約20%〜約30%、約30%〜約40%、約40%〜約50%、または約20%〜約50%のいずれかを含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約40重量%〜約50重量%、約50重量%〜約60重量%、約60重量%〜約70重量%、または約50重量%〜約70重量%のいずれかのポリマーを含む。
いくつかの実施形態において、延長放出製剤中のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体の薬物負荷は、約20%〜80%w/wを占める。いくつかの実施形態において、延長放出製剤中のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体の薬物負荷は、約20%w/w〜約60%w/w、約20%w/w〜約50%w/w、約20%w/w〜約40%w/w、約15%w/w〜約60%w/w、約15%w/w〜約50%w/w、約15%w/w〜約40%w/w、約25%w/w〜約60%w/w、約25%w/w〜約50%w/w、約25%w/w〜約40%w/w、約30%w/w〜約60%w/w、約30%w/w〜約50%w/w、約30%w/w〜約45%w/w、約35%w/w〜約60%w/w、約35%w/w〜約50%w/w、または約35%w/w〜約45%w/wのいずれか1つを占める。いくつかの実施形態において、延長放出製剤中のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体の薬物負荷は、約25%w/w、約30%w/w、約35%w/w、約40%w/w、約45%w/w、または約50%w/wの少なくともいずれか1つを占める。いくつかの実施形態において、延長放出製剤中のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体の薬物負荷は、約33%w/wを占める。いくつかの実施形態において、延長放出製剤中のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体の薬物負荷は、約43%w/wを占める。
いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約20〜約50%w/wまたは約20〜約40%w/wまたは約20〜約30%w/wの水膨潤性pH非依存性ポリマー(例えば、ヒプロメロース)を含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約25%w/wの水膨潤性pH非依存性ポリマー(例えば、ヒプロメロース)を含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約20〜25%w/wのアニオン性pH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)をさらに含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約21%w/wのアニオン性pH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)をさらに含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約1〜5%w/wの親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)をさらに含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約4%w/wの親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)をさらに含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約20〜30%w/wの水膨潤性pH非依存性ポリマー(例えば、ヒプロメロース)、約20〜25%w/wのアニオン性pH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)および約1〜5%w/wの親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)を含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約20〜30%w/wのヒプロメロース(例えば、ヒプロメロースタイプ2208またはMethocel K100M)、約20〜25%w/wのアルギン酸ナトリウム(例えば、Protanal)および約1〜5%w/wのλカラギーナン(例えば、Viscarin GP−209)を含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約25%w/wの水膨潤性pH非依存性ポリマー(例えば、ヒプロメロース)、約21%w/wのアニオン性pH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)および約4%w/wの親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)を含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約25%w/wのヒプロメロース(例えば、ヒプロメロースタイプ2208またはMethocel K100M)、約21%w/wのアルギン酸ナトリウム(例えば、Protanal)および約4%w/wのλカラギーナン(例えば、Viscarin GP−209)を含む。
いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約20〜約50%w/wまたは約20〜約40%w/wまたは約20〜約20〜30%w/wのヒドロゲル(例えば、ポリエチレンオキシド、Polyox WSR)を含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約25%w/wのヒドロゲル(例えば、ポリエチレンオキシド、Polyox WSR)を含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約20〜25%w/wのアニオン性pH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)をさらに含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約21%w/wのアニオン性pH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)をさらに含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約1〜5%w/wの親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)をさらに含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約4%w/wの親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)をさらに含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約20〜30%w/wのヒドロゲル(例えば、ポリエチレンオキシド)、約20〜25%w/wのアニオン性pH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)および約1〜5%w/wの親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)を含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約20〜30%w/wのポリエチレンオキシド(例えば、Polyox WSR)、約20〜25%w/wのアルギン酸ナトリウム(例えば、Protanal)および約1〜5%w/wのλカラギーナン(例えば、Viscarin GP−209)を含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約25%w/wのヒドロゲル(例えば、ポリエチレンオキシド)、約21%w/wのアニオン性pH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)および約4%w/wの親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)を含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約25%w/wのポリエチレンオキシド(例えば、Polyox WSR)、約21%w/wのアルギン酸ナトリウム(例えば、Protanal)および約4%w/wのλカラギーナン(例えば、Viscarin GP−209)を含む。
さらなる製剤構成要素
本明細書に記載のようなシアル酸生合成経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を含む延長放出医薬製剤は、希釈剤、賦形剤、抗酸化剤、滑沢剤、着色剤、結合剤、崩壊剤などをさらに含み得る。これらに限定されないが、「延長放出製剤」という見出しの下で一覧表示されているもの(例えば、表AまたはBの任意の製剤)を含めた、本明細書において詳述する延長放出製剤のいずれかは、このような構成要素をさらに含むそれぞれおよび全ての延長放出製剤が特におよび個々に一覧表示されるのと同じように、本明細書において詳述するような希釈剤、賦形剤、抗酸化剤、滑沢剤、着色剤、結合剤、崩壊剤などをさらに含み得ることが理解される。1つのバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、MaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、およびMaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸生合成経路における1種または複数種の化合物のプロドラッグ、例えば、シアル酸または薬学的に許容されるその塩のプロドラッグを治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含み、親水コロイドポリマー、アニオン性pH依存性ゲル形成コポリマーおよび水膨潤性pH非依存性ポリマーをさらに含み、滑沢剤および/または賦形剤を任意選択でさらに含む。特定のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、およびヒプロメロースまたはポリエチレンオキシドのいずれかを含む。さらなるバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ヒプロメロースまたはポリエチレンオキシドのいずれか、ステアリン酸マグネシウムならびに微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素を含む。一態様において、延長放出製剤は、表Eの製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、表8の製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、実施例6の製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、実施例7の製剤である。
希釈剤は、組合せの生物活性に影響を与えないように選択される。このような希釈剤の例は、蒸留水、緩衝水、生理食塩水、PBS、リンゲル液、デキストロース溶液、およびハンクス液である。医薬製剤はまた、生理学的条件に近づけるさらなる物質、例えば、pH調整剤および緩衝剤、毒性調整剤、湿潤剤および洗剤を含むことができる。医薬製剤はまた、種々の安定化剤のいずれかを含むことができる。様々なタイプの投与に適した医薬製剤に関するさらなるガイダンスは、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第20版、Baltimore, MD:Lippincott Williams & Wilkins、2000年において見出すことができる。
賦形剤は、ラクトース、微結晶性セルロース、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、コムギデンプン、スクロース、D−マンニトール、沈降炭酸カルシウム、デキストリン、アルファ化デンプン、およびこれらの組合せからなる群から選択し得る。賦形剤は、存在する場合、錠剤の全重量に対して約10〜約90重量部の量で含有されてもよい。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約40重量%〜約50重量%、約50重量%〜約60重量%、約60重量%〜約70重量%、または約50重量%〜約70重量%のいずれかの賦形剤を含む。いくつかの実施形態において、賦形剤は、微結晶性セルロースである。いくつかの実施形態において、賦形剤は、微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素(例えば、ProSolv(登録商標)SMCC HD90)である。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約1〜10%w/wの微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素(例えば、ProSolv(登録商標)SMCC HD90)を含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約5%w/wの微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素(例えば、ProSolv(登録商標)SMCC HD90)を含む。
結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、直接打錠される微結晶性セルロース、HPMC、MC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、および他のセルロース誘導体、PVP、PVA、ペースト、アラビアゴム、デキストリン、ゼラチン、アルギネート、およびこれらの組合せからなる群から選択し得る。結合剤は、存在する場合、錠剤の全重量に対して約2〜約60重量部の量で使用し得る。
崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン(crosspovidone)、クロスカルメロースナトリウム(cross carmellose sodium)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、およびこれらの組合せからなる群から選択し得る。崩壊剤は、存在する場合、錠剤組成物の全重量に対して約0.1〜約32重量部の量で含有されてもよい。
滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、軽質無水ケイ酸、および固体ポリエチルグリコールおよびこれらの組合せからなる群から選択し得る。滑沢剤は、存在する場合、錠剤の全重量に対して約0.1〜約20重量部の量で含有されてもよい。いくつかの実施形態において、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム(例えば、HyQual(登録商標))である。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約0.1〜1%w/wのステアリン酸マグネシウム(例えば、HyQual(登録商標))を含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約0.5%w/wのステアリン酸マグネシウム(例えば、HyQual(登録商標))を含む。
着色剤について、二酸化チタン、酸化鉄、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、アルミニウムレーキ、例えば、青色1号アルミニウムレーキ、赤色40号アルミニウムレーキなどから選択することができる少なくとも1つの種を、錠剤中に含有することができる。
別のバリエーションにおいて、本明細書において詳述する延長放出製剤(これらに限定されないが、「延長放出製剤」という見出しの下で一覧表示されているもの(例えば、表AおよびBの任意の製剤)を含めた)は、賦形剤をさらに含む。特定のバリエーションにおいて、賦形剤は、微結晶性セルロースを含む。さらなるバリエーションにおいて、賦形剤は、微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素を含む。任意のこのようなバリエーションにおいて、賦形剤(例えば、微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素を含む賦形剤)をさらに含む延長放出製剤は、約1〜約20重量パーセントまたは約1〜約15重量パーセントまたは約1〜約10重量パーセントまたは約1〜約5重量パーセントまたは約5〜約20重量パーセントまたは約5〜約15重量パーセントまたは約5〜約10重量パーセント、あるいは約1重量パーセント、約2重量パーセント、約3重量パーセント、約4重量パーセント、約5重量パーセント、約6重量パーセント、約7重量パーセント、約8重量パーセント、約9重量パーセントまたは約10重量パーセントのいずれか1つで賦形剤を含む。1つのバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、MaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、およびMaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸生合成経路における1種または複数種の化合物のプロドラッグ、例えば、シアル酸または薬学的に許容されるその塩のプロドラッグを治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含み、親水コロイドポリマー、アニオン性pH依存性ゲル形成コポリマーおよび水膨潤性pH非依存性ポリマーをさらに含み、滑沢剤および/または賦形剤を任意選択でさらに含む。特定のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、およびヒプロメロースまたはポリエチレンオキシドのいずれかを含む。さらなるバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ヒプロメロースまたはポリエチレンオキシドのいずれか、ステアリン酸マグネシウムならびに微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素を含む。一態様において、延長放出製剤は、表Eの製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、表8の製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、実施例6の製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、実施例7の製剤である。
別のバリエーションにおいて、本明細書において詳述する延長放出製剤(これらに限定されないが、「延長放出製剤」という見出しの下で一覧表示されているもの(例えば、表AおよびBの任意の製剤)を含めた)は、滑沢剤をさらに含む。特定のバリエーションにおいて、滑沢剤は、ステアリン酸塩、例えば、ステアリン酸マグネシウムを含む。任意のこのようなバリエーションにおいて、滑沢剤(例えば、ステアリン酸塩、例えば、ステアリン酸マグネシウム)をさらに含む延長放出製剤は、約0.1〜約2重量パーセントまたは約0.1〜約1.5重量パーセントまたは約0.1〜約1.0重量パーセントまたは約0.01〜約0.095重量パーセントまたは約0.1〜約0.8重量パーセントまたは約0.1〜約0.7重量パーセントまたは約0.1〜約0.6重量パーセントまたは約0.1〜約0.5重量パーセントまたは約0.2〜約0.8重量パーセントまたは約0.3〜約0.7重量パーセントまたは約0.4〜約0.6重量パーセント、あるいは約0.1重量パーセント、約0.2重量パーセント、約0.3重量パーセント、約0.4重量パーセント、約0.5重量パーセント、約0.6重量パーセント、約0.7重量パーセント、約0.8重量パーセント、約0.9重量パーセントまたは約1.0重量パーセントのいずれか1つで滑沢剤を含む。1つのバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、MaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、およびMaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸生合成経路における1種または複数種の化合物のプロドラッグ、例えば、シアル酸または薬学的に許容されるその塩のプロドラッグを治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含み、親水コロイドポリマー、アニオン性pH依存性ゲル形成コポリマーおよび水膨潤性pH非依存性ポリマーをさらに含み、滑沢剤および/または賦形剤を任意選択でさらに含む。特定のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、およびヒプロメロースまたはポリエチレンオキシドのいずれかを含む。さらなるバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ヒプロメロースまたはポリエチレンオキシドのいずれか、ステアリン酸マグネシウムならびに微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素を含む。一態様において、延長放出製剤は、表Eの製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、表8の製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、実施例6の製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、実施例7の製剤である。
さらなるバリエーションにおいて、本明細書において詳述する延長放出製剤(これらに限定されないが、「延長放出製剤」という見出しの下で一覧表示されているもの(例えば、表AおよびBの任意の製剤)を含めた)は、賦形剤および滑沢剤の両方をさらに含む。任意のこれらのバリエーションにおいて、賦形剤および滑沢剤の両方をさらに含む製剤は、約1〜約20重量パーセントまたは約1〜約15重量パーセントまたは約1〜約10重量パーセントまたは約1〜約5重量パーセントまたは約5〜約20重量パーセントまたは約5〜約15重量パーセントまたは約5〜約10重量パーセント、あるいは約1重量パーセント、約2重量パーセント、約3重量パーセント、約4重量パーセント、約5重量パーセント、約6重量パーセント、約7重量パーセント、約8重量パーセント、約9重量パーセントまたは約10重量パーセントのいずれか1つで賦形剤(例えば、微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素を含む賦形剤)を含み、約0.1〜約2重量パーセントまたは約0.1〜約1.5重量パーセントまたは約0.1〜約1.0重量パーセントまたは約0.01〜約0.095重量パーセントまたは約0.1〜約0.8重量パーセントまたは約0.1〜約0.7重量パーセントまたは約0.1〜約0.6重量パーセントまたは約0.1〜約0.5重量パーセントまたは約0.2〜約0.8重量パーセントまたは約0.3〜約0.7重量パーセントまたは約0.4〜約0.6重量パーセント、あるいは約0.1重量パーセント、約0.2重量パーセント、約0.3重量パーセント、約0.4重量パーセント、約0.5重量パーセント、約0.6重量パーセント、約0.7重量パーセント、約0.8重量パーセント、約0.9重量パーセントまたは約1.0重量パーセントのいずれか1つで滑沢剤(例えば、ステアリン酸塩、例えば、ステアリン酸マグネシウム)を含む。さらなるバリエーションにおいて、賦形剤および滑沢剤の両方をさらに含む製剤は、約1:約10または約1:約11または約1:約9または約1:約10.5のいずれかの、滑沢剤(例えば、ステアリン酸塩、例えば、ステアリン酸マグネシウム)との重量パーセント比で、賦形剤(例えば、微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素を含む賦形剤)を含む。1つのバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、MaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、およびMaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸生合成経路における1種または複数種の化合物のプロドラッグ、例えば、シアル酸または薬学的に許容されるその塩のプロドラッグを治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含み、親水コロイドポリマー、アニオン性pH依存性ゲル形成コポリマーおよび水膨潤性pH非依存性ポリマーをさらに含み、滑沢剤および/または賦形剤を任意選択でさらに含む。特定のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、およびヒプロメロースまたはポリエチレンオキシドのいずれかを含む。さらなるバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ヒプロメロースまたはポリエチレンオキシドのいずれか、ステアリン酸マグネシウムならびに微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素を含む。一態様において、延長放出製剤は、表Eの製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、表8の製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、実施例6の製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、実施例7の製剤である。
特定の延長放出製剤には、表Cにおいて一覧表示されるものが含まれ、組成物は、治療剤、ポリマー1、ポリマー2、およびポリマー3Aまたはポリマー3Bのいずれか、賦形剤および滑沢剤を含み、このような構成要素のそれぞれおよび全ての組合せは、それぞれおよび全ての組合せが特におよび個々に一覧表示されるのと同じように意図されることが理解される。
1つのバリエーションにおいて、延長放出製剤は、表Cにおいて詳述するような組成物であり、組成物は、表Dにおいて描写した重量パーセント範囲のいずれか1つで製剤構成要素を含む。このような構成要素および重量パーセンテージのそれぞれおよび全ての組合せは、構成要素および重量パーセンテージのそれぞれおよび全ての組合せが特におよび個々に一覧表示されるのと同じように意図されることが理解される。
別のバリエーションにおいて、延長放出製剤を提供し、製剤は、表Cの治療剤、表Cのポリマー1、表Cのポリマー2、表Cのポリマー3Aまたはポリマー3B、表Cの賦形剤、および表Cの滑沢剤を含み、構成要素は、下記の重量パーセント比で組成物中に存在する。一態様において、滑沢剤:ポリマー1:賦形剤:ポリマー2:ポリマー3Aまたは3B:治療剤の重量パーセント比は、約1:8:10:40:50:85または約1:8.5:10.5:42.5:51:86.5または約1:8.4:10.6:42.4:51:86.6である。
これらに限定されないが、表A〜Dのいずれかにおける製剤を含めた本明細書において詳述した配合のいずれかにおいて、一態様において、治療剤は、シアル酸もしくはManNAc、またはシアル酸もしくはManNAcの薬学的に許容されるその塩または組合せである。これらに限定されないが、表A〜Dのいずれかにおける製剤を含めた本明細書において詳述する製剤のいずれかの特定の態様において、治療剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩である。
シアル酸の特定の延長放出製剤を、表Eにおいて提供する。1つのバリエーションにおいて、表Eの製剤においてシアル酸の代わりにManNAcを使用し得る。
延長放出医薬製剤を製剤するために使用される構成要素は、好ましくは高純度であり、潜在的に有害な汚染物質を実質的に含まない(例えば、少なくとも米国食品(NF)グレード、一般に、少なくとも分析用、より典型的には、少なくとも医薬グレード)。さらに、インビボでの使用を意図する医薬製剤は、通常無菌である。所与の化合物は使用前に合成しなければならない限りにおいて、このように得られた生成物は典型的には、合成または精製工程の間に存在し得る任意の潜在的に毒性のある薬剤を実質的に含まない。非経口投与のための組成物はまた無菌、実質的に等張性であり、GMP条件下で作製される。
延長放出製剤のブレンドは、粒子の大部分が45μmの篩サイズによって保持される粒径を有し得る。いくつかの実施形態において、延長放出製剤のブレンドは、粒子の10%、30%、40%、50%の少なくともいずれか1つが45μmの篩サイズによって保持される粒径を有する。
本明細書に記載のような延長放出医薬製剤は、固体、半固体、液体または気体形態の調製品、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、軟膏剤、液剤、坐剤、注射剤、吸入剤、ゲル剤、ミクロスフィア、およびエアゾールに製剤し得る。本明細書に記載されている延長放出医薬製剤のいずれかのいくつかの実施形態において、延長放出医薬製剤は、経口、非経口(皮下、静脈内、筋内および腹腔内を含めた)、直腸、皮膚、経皮、胸腔内、肺内および鼻腔内(呼吸器)経路を含めた種々の経路による投与のために製剤される。いくつかの実施形態において、延長放出医薬製剤は、経口投与のために製剤される。
本明細書において詳述する延長放出製剤のいずれかは、1つのバリエーションにおいて、経口投与のために製剤し得る。例えば、これらに限定されないが、表A〜E、実施例6、または実施例7において記載する製剤のいずれかを含めた、「延長放出製剤」という見出しの下で提供する製剤のいずれかは、1つのバリエーションにおいて、経口投与に適した製剤であり得る。経口投与に適した製剤は、固体経口剤形、例えば、製剤を粉末として含む錠剤またはカプセル剤として製剤し得る。一態様において、延長放出製剤の固体経口剤形を提供し、固体経口剤形は、錠剤形態の本明細書において提供する任意の製剤(これらに限定されないが、表A〜E、実施例6、または実施例7の任意の1つにおいて記載する製剤を含めた)を含み、錠剤は、コーティング(例えば、Opadry−II White)をさらに含む。1つのバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、MaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、およびMaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸生合成経路における1種または複数種の化合物のプロドラッグ、例えば、シアル酸または薬学的に許容されるその塩のプロドラッグを治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含み、親水コロイドポリマー、アニオン性pH依存性ゲル形成コポリマーおよび水膨潤性pH非依存性ポリマーをさらに含み、滑沢剤および/または賦形剤を任意選択でさらに含む。特定のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、およびヒプロメロースまたはポリエチレンオキシドのいずれかを含む。さらなるバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ヒプロメロースまたはポリエチレンオキシドのいずれか、ステアリン酸マグネシウムならびに微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素を含む。一態様において、延長放出製剤は、表Eの製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、表8の製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、実施例6の製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、実施例7の製剤である。
経口投与のために、本明細書に記載のようなシアル酸生合成経路またはその誘導体は、固体剤形、例えば、カプセル剤、錠剤、および散剤で、または液体剤形、例えば、エリキシル剤、シロップ剤、および懸濁剤で投与することができる。
いくつかの実施形態において、医薬製剤は、腸溶性コーティングを含む。多数のタイプの酸耐性腸溶性コーティングが利用可能である。酸耐性コーティングの例には、酢酸フタル酸セルロース、酢酸フタル酸ポリビニル、シェラック、アクリル酸ホモポリマーもしくはコポリマー、メタクリル酸ホモポリマーもしくはコポリマー、酢酸トリメリット酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートまたはこれらの組合せが含まれる。メタクリル酸のいくつかのコポリマーは、当技術分野において公知であり、市販されている。このようなポリマーの例は、メタクリル酸メチルおよびメタクリル酸のコポリマー、ならびにアクリル酸エチルおよびメタクリル酸のコポリマー、ならびに商品名Eudragit(Rohm GmbH & Co、KG)で販売されているものであり、例には、Eudragit(登録商標)L100−55、Eudragit(登録商標)L30D−55、Eudragit(登録商標)L100、Eudragit(登録商標)S100−55およびEudragit(登録商標)FS30Dが含まれる。いくつかの実施形態において、腸溶性コーティングは、二酸化チタン、ポリデキストロース、ヒプロメロース、トリアセチンおよびマクロゴール/PEGの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態において、腸溶性コーティングは、Opadry(登録商標)II Whiteである。いくつかの実施形態において、腸溶性コーティング(例えば、Opadry(登録商標)II White)は、延長放出製剤の約1〜5%w/wを占める。いくつかの実施形態において、腸溶性コーティング(例えば、Opadry(登録商標)II White)は、延長放出製剤の約1〜5%w/wを占める。
腸溶性コーティングはまた、時間放出コーティングでよい。時間放出コーティングは、時間放出コーティングが破裂するのに十分にコーティングが溶解するまで相対的に一定の速度で分解する。このように、腸溶性コーティングの破裂のために必要とされる時間は、殆ど時間依存的(すなわち、厚さ)であり、殆どpH依存的ではない。時間放出コーティング材料の例には、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、EC、および第四級アンモニウム基を有するアクリレートおよびメタクリレートのコポリマー、例えば、Eudragit(登録商標)RLおよびEudragit(登録商標)RSおよびEudragit(登録商標)NE30−Dが含まれる。
延長放出医薬製剤を、フィルムコーティングの工程にさらに供することができる。フィルムコーティング剤のために、腸溶性または非腸溶性フィルムコーティング剤を使用してもよく、腸溶性フィルムコーティング剤は、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、酢酸フタル酸ポリビニル(PVAP)、メタクリレートポリマー(Eudragit L、S)などでよく、一方、非腸溶性フィルムコーティング剤は、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、MC、EC、HPMC、ポビドン、PVA、CA、シェラックなどでよい。コーティングの工程は、例えば、パンコーティング法、流動床コーティング法、圧縮コーティング法などによって行うことができる。
延長放出製剤のコーティング錠剤は、様々なサイズで調製し得る。例えば、コーティング錠剤は、約16〜20mmの長さ、約7〜12mmの幅および約5〜8mmの厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、コーティング錠剤は、約17.7mmの長さ、約9.1mmの幅および約6.7mmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、コーティング錠剤は、約19.3mmの長さ、約9.7mmの幅および約8.0mmの厚さを有する。
方法のいずれかの実施形態において、延長放出製剤は、約30〜60%の薬物負荷(例えば、シアル酸および/またはManNAc)、約20〜30%w/wの水膨潤性pH非依存性ポリマー(例えば、ヒプロメロース)、約20〜25%w/wのアニオン性pH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)、約1〜5%w/wの親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)、約1〜10%w/wの微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素(例えば、Prosolv(登録商標)SMCC HD90)、約0.1〜1%w/w/のステアリン酸マグネシウム(例えば、HyQual(登録商標))、ならびに約1〜5%の腸溶性コーティング(例えば、Opadry(登録商標)II White)を含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約30〜60%の薬物負荷(例えば、シアル酸および/またはManNAc)、約20〜30%w/wのヒプロメロース(例えば、ヒプロメロースタイプ2208またはMethocel K100M)、約20〜25%w/wのアルギン酸ナトリウム(例えば、Protanal)、約1〜5%w/wのλカラギーナン(例えば、Viscarin GP−209)、約1〜10%w/wの微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素(例えば、Prosolv(登録商標)SMCC HD90)、約0.1〜1%w/w/のステアリン酸マグネシウム(例えば、HyQual(登録商標))、ならびに約1〜5%の腸溶性コーティング(例えば、Opadry(登録商標)II White)を含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約30〜60%の薬物負荷(例えば、シアル酸および/またはManNAc)、約25%w/wの水膨潤性pH非依存性ポリマー(例えば、ヒプロメロース)、約21%w/wのアニオン性pH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)、約4%w/wの親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)、約5%w/wの微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素(例えば、Prosolv(登録商標)SMCC HD90)、約0.5%w/w/のステアリン酸マグネシウム(例えば、HyQual(登録商標))、ならびに約3.5%の腸溶性コーティング(例えば、Opadry(登録商標)II White)を含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約30〜60%の薬物負荷(例えば、シアル酸および/またはManNAc)、約25%w/wのヒプロメロース(例えば、ヒプロメロースタイプ2208またはMethocel K100M)、約21%w/wのアルギン酸ナトリウム(例えば、Protanal)、約4%w/wのλカラギーナン(例えば、Viscarin GP−209)、約5%w/wの微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素(例えば、Prosolv(登録商標)SMCC HD90)、約0.5%w/w/のステアリン酸マグネシウム(例えば、HyQual(登録商標))、ならびに約3.5%の腸溶性コーティング(例えば、Opadry(登録商標)II White)を含む。
方法のいずれかの実施形態において、延長放出製剤は、約30〜60%の薬物負荷(例えば、シアル酸および/またはManNAc)、約20〜30%w/wのヒドロゲル(例えば、ポリエチレンオキシド)、約20〜25%w/wのアニオン性pH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)、約1〜5%w/wの親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)、約1〜10%w/wの微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素(例えば、Prosolv(登録商標)SMCC HD90)、約0.1〜1%w/w/のステアリン酸マグネシウム(例えば、HyQual(登録商標))、ならびに約1〜5%の腸溶性コーティング(例えば、Opadry(登録商標)II White)を含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約30〜60%の薬物負荷(例えば、シアル酸および/またはManNAc)、約20〜30%w/wのポリエチレンオキシド(例えば、Polyox WSR)、約20〜25%w/wのアルギン酸ナトリウム(例えば、Protanal)、約1〜5%w/wのλカラギーナン(例えば、Viscarin GP−209)、約1〜10%w/wの微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素(例えば、Prosolv(登録商標)SMCC HD90)、約0.1〜1%w/w/のステアリン酸マグネシウム(例えば、HyQual(登録商標))、ならびに約1〜5%の腸溶性コーティング(例えば、Opadry(登録商標)II White)を含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約30〜60%の薬物負荷(例えば、シアル酸および/またはManNAc)、約25%w/wのヒドロゲル(例えば、ポリエチレンオキシド)、約21%w/wのアニオン性pH依存性ゲル形成コポリマー(例えば、アルギン酸塩)、約4%w/wの親水コロイドポリマー(例えば、カラギーナン)、約5%w/wの微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素(例えば、Prosolv(登録商標)SMCC HD90)、約0.5%w/w/のステアリン酸マグネシウム(例えば、HyQual(登録商標))、ならびに約3.5%の腸溶性コーティング(例えば、Opadry(登録商標)II White)を含む。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約30〜60%の薬物負荷(例えば、シアル酸および/またはManNAc)、約25%w/wのポリエチレンオキシド(例えば、Polyos WSR)、約21%w/wのアルギン酸ナトリウム(例えば、Protanal)、約4%w/wのλカラギーナン(例えば、Viscarin GP−209)、約5%w/wの微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素(例えば、Prosolv(登録商標)SMCC HD90)、約0.5%w/w/のステアリン酸マグネシウム(例えば、HyQual(登録商標))、ならびに約3.5%の腸溶性コーティング(例えば、Opadry(登録商標)II White)を含む。
製剤の実施形態
一実施形態において、延長放出製剤は、約25%〜約50%w/wのシアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステル;約20%〜約40%w/wの1種もしくは複数種の水膨潤性pH非依存性ポリマーまたは1種もしくは複数種のヒドロゲル形成ポリマー;約15%〜約30%w/wの1種または複数種のアニオン性pH依存性ゲル形成ポリマー;および約3%〜約8%w/wの1種もしくは複数種の親水コロイドポリマーまたは1種もしくは複数種のカチオン性ポリマーを含む。
一実施形態において、延長放出製剤は、約25%〜約50%w/wのシアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステル;約20%〜約30%w/wのヒプロメロース;約3%〜約8%w/wのカラギーナン;および約20%〜約25%w/wのアルギン酸ナトリウムを含む。一実施形態において、延長放出製剤は、約30%〜約45%w/wのシアル酸を含む。一実施形態において、延長放出製剤は、約22%〜約27%w/wのヒプロメロースを含む。一実施形態において、延長放出製剤は、約4%〜約6%w/wのカラギーナンを含む。一実施形態において、延長放出製剤は、約20%〜約23%w/wのカラギーナンを含む。一実施形態において、延長放出製剤は、約1%〜約10%w/wの微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素の混合物;ならびに約0.1%〜約1%w/wのステアリン酸マグネシウムをさらに含む。
一実施形態において、延長放出製剤は、約25%〜約50%w/wのシアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステル;約20%〜約30%w/wのポリエチレングリコールおよびポリエチレンオキシドの少なくとも1つ;約3%〜約8%w/wのカラギーナン;ならびに約20%〜約25%w/wのアルギン酸ナトリウムを含む。一実施形態において、延長放出製剤は、約30%〜約45%w/wのシアル酸を含む。一実施形態において、延長放出製剤は、約22%〜約27%w/wのポリエチレングリコールおよびポリエチレンオキシドの少なくとも1つを含む。一実施形態において、延長放出製剤は、約4%〜約6%w/wのカラギーナンを含む。一実施形態において、延長放出製剤は、約20%〜約23%w/wのカラギーナンを含む。一実施形態において、延長放出製剤は、約1%〜約10%w/wの微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素の混合物;ならびに約0.1%〜約1%w/wのステアリン酸マグネシウムをさらに含む。
1つの特定の実施形態において、延長放出製剤は、約43.3%のシアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステル;約25.5%w/wのヒプロメロース;約4.2%w/wのカラギーナン;約21.1%w/wのアルギン酸ナトリウム;約5.3%の微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素;ならびに約0.5%のステアリン酸マグネシウムを含む。別の実施形態において、延長放出製剤は、325mgおよび500mgの剤形中にある。
治療上の有用性
本発明は、それを必要としている個体においてシアル酸欠乏を処置するための方法を提供する。方法は、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルを経口投与することを含み、約4時間超の期間にわたり治療有効量のシアル酸を提供する。
一実施形態において、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルは、延長放出製剤、例えば、本明細書に記載されているもの中にある。別の実施形態において、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルは、延長放出製剤、例えば、本明細書に記載されているもの、および即時放出製剤の両方中にある。延長放出製剤および即時放出製剤は、別々の剤形中でよく、協調的な方式で投与することができる。例えば、個体は、延長放出製剤の剤形および即時放出製剤の剤形を併用的に摂取することができる。代わりに、延長放出製剤および即時放出製剤は、単一の剤形で製剤することができる。例えば、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルの単一の剤形は、延長放出構成要素および即時再燃構成要素を含むことができる。
本方法の一実施形態において、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルは、1日当たり1つまたは複数の投薬間隔を有する規則的な投薬スケジュールで投与される。例えば、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルは、1日1回、1日2回、1日3回または1日4回投与することができる。一実施形態において、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルは、1日3回(TID)投与される。
一実施形態において、本方法は、1日当たり約8時間超の期間にわたり治療有効量のシアル酸を提供する。いくつかの実施形態において、本方法は、1日当たり約10時間、12時間、14時間、16時間、または18時間超の期間にわたり治療有効量のシアル酸を提供する。例えば、本方法は、1日当たり約8〜約10時間、約8〜約12時間、約8〜約14時間、約8〜約16時間、約10〜約14時間、約12〜約16時間、または約16〜約20時間の期間にわたり治療有効量のシアル酸を提供する。
一実施形態において、本方法は、投薬間隔の間の定常状態において、少なくとも約0.11mcg/mlの平均Cminシアル酸を提供する。いくつかの実施形態において、本方法は、投薬間隔の間の定常状態において、少なくとも約0.12mcg/ml、約0.13mcg/ml、約0.14mcg/ml、約0.15mcg/ml、約0.16mcg/ml、約0.17mcg/mlの平均Cminシアル酸を提供する。
一実施形態において、本方法は、投薬間隔の間の定常状態において、少なくとも約0.16mcg/mlのシアル酸の平均血漿濃度を提供する。いくつかの実施形態において、本方法は、投薬間隔の間の定常状態において、少なくとも約0.17mcg/ml、約0.18mcg/ml、約0.19mcg/ml、約0.20mcg/ml、約0.21mcg/ml、約0.22mcg/ml、約0.23mcg/ml、約0.24mcg/mlのシアル酸の平均血漿濃度を提供する。
一実施形態において、本方法は、投薬間隔の間の定常状態において、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルの投与の前の個体におけるシアル酸の平均血漿濃度より少なくとも約50%より高いシアル酸の平均血漿濃度を提供する。いくつかの実施形態において、本方法は、投薬間隔の間の定常状態において、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルの投与の前の個体におけるシアル酸の平均血漿濃度より少なくとも約60%、70%、80%、90%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、または200%より高いシアル酸の平均血漿濃度を提供する。
一実施形態において、本方法は、投薬間隔の間のシアル酸の最小血漿濃度が、投薬間隔の間に最大血漿濃度の少なくとも約35%となるような、定常状態におけるシアル酸の血漿濃度プロファイルを提供する。いくつかの実施形態において、本方法は、投薬間隔の間のシアル酸の最小血漿濃度が、投薬間隔の間に最大血漿濃度の少なくとも約40%、45%、50%、55%、または60%となるような、定常状態におけるシアル酸の血漿濃度プロファイルを提供する。
一実施形態において、本方法は、延長放出製剤が、空腹条件下で投与されるより摂食条件下で投与されるとき、改善された吸収プロファイルを提供する。一実施形態において、改善された吸収プロファイルは、空腹状態において決定した平均Cmaxが、摂食状態において決定した平均Cmaxより高いことを含む。例えば、空腹状態において決定した平均Cmaxは、摂食状態において決定した平均Cmaxより約10%、15%、20%、25%、30%、または35%より高い。一実施形態において、改善された吸収プロファイルは、摂食状態において決定した平均Tmaxが、空腹状態において決定した平均Tmaxより高いことを含む。例えば、摂食状態において決定した平均Tmaxと空腹状態において決定した平均Tmaxの比は、約1.2:1;1.3:1;1.4:1;1.5:1;1.6:1;1.7:1;1.8:1;1.9:1;または2:1である。
本発明の一実施形態において、これらに限定されないが、「延長放出製剤」および「さらなる製剤構成要素」という見出しの下で詳述したもの(例えば、表A〜E、実施例6または実施例7の製剤のいずれか)を含めた、本明細書において詳述する延長放出製剤は、本明細書および下記において詳述する特徴のいずれかを示し得る。特定のバリエーションにおいて、本明細書において詳述する延長放出製剤のいずれかは、下記の特徴の任意の1つまたは複数を示し得る。(i)それを必要としている個体に、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、または約20時間、あるいは約8時間超、約9時間超、約10時間超、約11時間超、約12時間超、約13時間超、約14時間超、約15時間超、約16時間超、約17時間超、約18時間超、約19時間超、または約20時間超のいずれかの期間にわたり送達することができる;(ii)それを必要としている個体に、実質的に一定の治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、または約20時間、あるいは約8時間超、約9時間超、約10時間超、約11時間超、約12時間超、約13時間超、約14時間超、約15時間超、約16時間超、約17時間超、約18時間超、約19時間超、または約20時間超のいずれかの期間にわたり送達することができる;(iii)それを必要としている個体に、各投薬間隔の間に約2〜約6時間、約2〜約5時間、または約3〜約6時間のいずれかのTmaxを伴って、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を送達することができる;(iv)それを必要としている個体に、約0.1〜0.9μg/mL、約0.1〜100μg/mL、約0.2〜0.3μg/mL、または約0.5〜100μg/mLのCmaxを伴って、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を送達することができる;(v)それを必要としている個体に、約0.05〜0.2μg/mL、約0.05〜0.3μg/mL、約0.1〜0.3μg/mL、または約0.1〜20μg/mLのトラフレベルを伴って、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を送達することができる;(vi)それを必要としている個体に、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を送達することができ、1時間後に約10%未満、約20%未満、約30%未満、約40%未満、約50%未満、約60%未満、または約70%未満のいずれかが排泄される;(vii)それを必要としている個体に、約0.01〜約750mg/kg/日、約0.5〜約500mg/kg/日、約1〜約250mg/kg/日、約2.5〜約100mg/kg/日、または約5〜約50mg/kg/日のいずれかの、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体または上記の薬学的に許容される塩を送達することができる;(viii)それを必要としている個体に、約0.01〜約750mg/kg/日、約0.5〜約500mg/kg/日、約1〜約250mg/kg/日、約2.5〜約100mg/kg/日、または約5〜約50mg/kg/日のいずれかの、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体または上記の薬学的に許容される塩を送達することができる;(ix)約1〜約50%の絶対的バイオアベイラビリティーを有する;(x)尿中のシアル酸レベルに基づいた約0.5〜約100%のバイオアベイラビリティーを有する;(xi)少なくとも約3.5時間の平均滞留時間(MRT)を有する。1つのバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、MaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、およびMaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸生合成経路における1種または複数種の化合物のプロドラッグ、例えば、シアル酸または薬学的に許容されるその塩のプロドラッグを治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含み、親水コロイドポリマー、アニオン性pH依存性ゲル形成コポリマーおよび水膨潤性pH非依存性ポリマーをさらに含み、滑沢剤および/または賦形剤を任意選択でさらに含む。特定のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、およびヒプロメロースまたはポリエチレンオキシドのいずれかを含む。さらなるバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ヒプロメロースまたはポリエチレンオキシドのいずれか、ステアリン酸マグネシウムならびに微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素を含む。一態様において、延長放出製剤は、表Eの製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、表8の製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、実施例6の製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、実施例7の製剤である。
延長放出製剤のいずれかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を約8時間超、約9時間超、約10時間超、約11時間超、約12時間超、約13時間超、約14時間超、約15時間超、約16時間超、約17時間超、約18時間超、約19時間超、または約20時間超のいずれかの期間にわたり送達することができる。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を約12時間超または約24時間超の期間にわたり送達することができる。延長放出製剤のいずれかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を約6〜約10時間、約8〜約12時間、約10〜約16時間、または約12〜約20時間のいずれかの期間にわたり送達することができる。延長放出製剤のいずれかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、または約20時間のいずれかの期間にわたり送達することができる。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を約12時間または約24時間の期間にわたり送達することができる。いくつかの実施形態において、治療有効量を、個体の血流に送達する。いくつかの実施形態において、治療有効量を、個体の筋組織に送達する。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。例えば、いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、個体の筋組織へと、治療有効量のManNAcおよび/またはシアル酸を約6〜約10時間、約8〜約12時間、約10〜約16時間、または約12〜約20時間のいずれかの期間にわたり送達することができる。1つのバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、MaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、およびMaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。
延長放出製剤のいずれかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、実質的に一定の(すなわち、目的の血液および/または組織(例えば、筋組織)への、薬物の利用可能性の大きなバーストおよび薬物の利用可能性における欠乏を伴わない)治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を約8時間超、約9時間超、約10時間超、約11時間超、約12時間超、約13時間超、約14時間超、約15時間超、約16時間超、約17時間超、約18時間超、約19時間超、または約20時間超のいずれかの期間にわたり送達することができる。延長放出製剤のいずれかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、実質的に一定の治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を約6〜約10時間、約8〜約12時間、または約10〜約16時間、または約12〜約20時間のいずれかの期間にわたり送達することができる。延長放出製剤のいずれかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、実質的に一定の治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、または約20時間のいずれかの期間にわたり送達することができる。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。例えば、いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、個体の筋組織へと、実質的に一定の治療有効量のManNAcおよび/またはシアル酸を約6〜約10時間、約8〜約12時間、または約10〜約16時間、約12〜約20時間のいずれかの期間にわたり送達することができる。1つのバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、MaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、およびMaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。
延長放出製剤のいずれかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、約0.1〜0.9μg/mL、約0.1〜100μg/mL、約0.2〜0.3μg/mL、または約0.5〜100μg/mLのCmaxを伴って、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を送達することができる。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、約0.5〜約80μg/mL、約0.5〜約60μg/mL、約0.5〜約40μg/mLまたは約0.5〜約20μg/mLのいずれか1つのCmaxを伴って、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を送達することができる。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、約0.5〜40μg/mLのCmaxを伴って、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を送達することができる。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、約0.5〜約35μg/mL、約0.5〜約30μg/mL、約0.5〜約25μg/mL、約1〜約40μg/mL、約2.5〜約40μg/mL、約5〜約40μg/mL、約0.5〜約35μg/mL、約1〜約35μg/mL、約2.5〜約35μg/mL、約5〜約35μg/mL、約0.5〜約30μg/mL、約1〜約30μg/mL、約2.5〜約30μg/mL、約5〜約30μg/mL、約0.5〜約25μg/mL、約0.1〜約0.3μg/mL、約0.1〜約0.8μg/mL、約0.2〜約0.4μg/mL、約0.2〜約0.5μg/mL、約0.2〜約0.8μg/mL、約0.1〜約1μg/mL、約1〜約25μg/mL、約2.5〜約25μg/mL、または約5〜約25μg/mLのいずれか1つのCmaxを伴って、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を送達することができる。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、約0.5〜20μg/mLのCmaxを伴って、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を送達することができる。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、約0.1〜1μg/mLのCmaxを伴って、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を送達することができる。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、約0.5〜約15μg/mL、約0.5〜約10μg/mL、約1〜約20μg/mL、約2.5〜約20μg/mL、約5〜約20μg/mL、約0.5〜約15μg/mL、約1〜約15μg/mL、約2.5〜約15μg/mL、約5〜約15μg/mL、約0.5〜約10μg/mL、約1〜約10μg/mL、約2.5〜約10μg/mL、または約5〜約10μg/mLのいずれか1つのCmaxを伴って、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を送達することができる。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、ManNAcおよび/またはシアル酸を含む。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、シアル酸を含む。1つのバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、MaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、およびMaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。
延長放出製剤のいずれかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、約0.05〜0.2μg/mL、約0.05〜0.3μg/mL、約0.1〜0.3μg/mL、または約0.1〜20μg/mLのトラフレベルを伴って、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を送達することができる。延長放出製剤のいずれかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、約0.05〜約0.2μg/mL、約0.05〜約0.3μg/mL、約0.1〜約0.2μg/mL、約0.1〜約0.3μg/mL、約0.2〜約0.3μg/mL、約0.1〜約15μg/mL、約0.1〜約10μg/mL、約0.1〜約5μg/mL、約0.5〜約20μg/mL、約0.5〜約15μg/mL、約0.5〜約10μg/mL、約0.5〜約5μg/mL、約1〜約20μg/mL、約1〜約15μg/mL、約1〜約10μg/mL、または約1〜約5μg/mLのいずれか1つ、あるいは約0.1、約0.5、約1、約1.5、約2、約2.5、約3、約3.5、約4、約4.5、約5、約5.5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14または約15μg/mLのいずれか1つのトラフレベルを伴って、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を送達することができる。延長放出製剤のいずれかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、約0.05〜0.3μg/mLのトラフレベルを伴って、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を送達することができる。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、ManNAcおよび/またはシアル酸を含む。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、シアル酸を含む。1つのバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、MaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、およびMaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。
本発明の一実施形態において、延長放出製剤は、1日3回(TID)投与され、一日中、すなわち、約24時間治療効果を提供する。例えば、延長放出製剤は、患者が概ね8時間毎に毎日摂取することができる。一実施形態において、延長放出製剤は、最初の投与後平均約0.5〜約6時間から、約0.1〜約1μg/mLのシアル酸の平均最大血漿濃度を提供する。別の実施形態において、延長放出製剤は、最初の投与後平均約1〜約5.5時間から、約0.15〜約0.85μg/mLのシアル酸の平均最大血漿濃度を提供する。別の実施形態において、延長放出製剤は、最初の投与後平均約1.5〜約5時間から、約0.2〜約0.7μg/mLのシアル酸の平均最大血漿濃度を提供する。別の実施形態において、延長放出製剤は、最初の投与後平均約2〜約4.5時間から、約0.25〜約0.55μg/mLのシアル酸の平均最大血漿濃度を提供する。別の実施形態において、延長放出製剤は、最初の投与後平均約2.5〜約4時間から、約0.3〜約0.5μg/mLのシアル酸の平均最大血漿濃度を提供する。一実施形態において、延長放出製剤は、定常状態の状態を通して概ね8時間毎の反復投与後平均約6〜約8時間から、約0.1〜約0.5μg/mLのシアル酸の平均最小血漿濃度を提供する。本発明の別の実施形態において、延長放出製剤は、定常状態の状態を通して概ね8時間毎の反復投与後平均約6〜約8時間から、約0.15〜約0.45μg/mLのシアル酸の平均最小血漿濃度を提供する。本発明の一実施形態において、延長放出製剤は、定常状態の状態を通して概ね8時間毎の反復投与後平均約6〜約8時間から、約0.2〜約0.4μg/mLのシアル酸の平均最小血漿濃度を提供する。本発明の一実施形態において、延長放出製剤は、定常状態の状態を通して概ね8時間毎の反復投与後平均約6〜約8時間から、約0.25〜約0.35μg/mLのシアル酸の平均最小血漿濃度を提供する。
本発明の実施形態において、延長放出製剤は、規則的な投薬スケジュールで患者に投与したとき、患者に規則的な投薬スケジュールの期間にわたり連続的に治療効果を提供する。すなわち、治療効果は、最初の投与の後に一度達成されると、複数の投薬間隔を含む規則的な投薬スケジュールの期間の間に一定である。規則的なスケジュールは、延長放出製剤製品に伴った説明書によって提供される投薬レジメンでよい。例えば、このような投薬レジメンは、1日1回、1日2回、1日3回、または1日4回摂取される固定量または可変量の延長放出製剤でよい。
一実施形態において、約650mg〜約6000mgの総量のシアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルは、規則的な投薬スケジュールで1日当たり患者に投与される。別の実施形態において、約1950mg〜約6000mgの総量のシアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルは、規則的な投薬スケジュールで1日当たり患者に投与される。一実施形態において、規則的な投薬スケジュールは、それぞれの投薬サイクルにおいて概ね等しい投薬間隔を伴う1回または複数回の投与を指す。例えば、1日3回(TID)の投薬スケジュールは、概ね8時間の投薬間隔を伴う1日3回の薬物の投与を示す。一実施形態において、約650mgのシアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルは、1日1回患者に投与される。一実施形態において、約650mgのシアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルは、1日3回の投薬スケジュールで患者に投与される。一実施形態において、約650mgのシアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルは、1日3回の投薬スケジュールで患者に投与される。一実施形態において、約650mgのシアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルは、1日3回の投薬スケジュールで患者に投与される(1日当たり約1950mgの総量)。一実施形態において、約975mgのシアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルは、1日3回の投薬スケジュールで患者に投与される(1日当たり約2925mgの総量)。一実施形態において、約1000mgのシアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルは、1日3回の投薬スケジュールで患者に投与される(1日当たり約3000mgの総量)。一実施形態において、約1500mgのシアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルは、1日3回の投薬スケジュールで患者に投与される(1日当たり約4500mgの総量)。一実施形態において、約1625mgのシアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルは、1日3回の投薬スケジュールで患者に投与される(1日当たり約4875mgの総量)。一実施形態において、約2000mgのシアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルは、1日3回の投薬スケジュールで患者に投与される(1日当たり約6000mgの総量)。一実施形態において、約4000mgのシアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルは、1日3回の投薬スケジュールで患者に投与される(1日当たり約12000mgの総量)。一実施形態において、延長放出製剤中の約2000mgのシアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステル、および即時放出製剤中の約2000mgのシアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルは、1日3回の投薬スケジュールで組み合わせて患者に投与される(1日当たり約12000mgの総量)。
本発明の実施形態において、延長放出製剤は、規則的な投薬スケジュールで患者に投与したとき、定常状態においてシアル酸の相対的に平坦な血漿濃度プロファイルを提供し、相対的に平坦な血漿濃度プロファイルにおいて実質的なピークまたはトラフは存在せず、相対的に平坦な血漿濃度プロファイルにおけるシアル酸の最小血漿濃度は、患者に対して治療効果を提供するのに十分である。
本発明の一実施形態において、延長放出製剤は、規則的な投薬スケジュールで患者に投与したとき、投薬間隔の間の平均Cmin/Cmaxシアル酸比が、約0.40〜約1.0、約0.45〜約1.0、約0.5〜約1.0、約0.55〜約1.0、約0.6〜約1.0、または約0.65〜約1.0、または約0.7〜約1.0、または約0.75〜約1.0、または約0.8〜約1.0、または約0.85〜約1.0、または約0.9〜約1.0、または約0.95〜約1.0であり、Cminは、治療効果を提供するのに十分であるような、定常状態におけるシアル酸の相対的に平坦な血漿濃度プロファイルを提供する。
本発明の一実施形態において、延長放出製剤は、患者に1日3回(TID)投与されるとき、患者への投与の後の定常状態において約0.40〜約1.0、約0.45〜約1.0、約0.5〜約1.0、約0.55〜約1.0、約0.6〜約1.0、または約0.65〜約1.0、または約0.7〜約1.0、または約0.75〜約1.0、または約0.8〜約1.0、または約0.85〜約1.0、または約0.9〜約1.0、または約0.95〜約1.0の平均C/Cmaxシアル酸比を提供する。
本発明の一実施形態において、1日3回(TID)剤形である延長放出製剤は、患者に、投薬間隔の間のシアル酸の最小血漿濃度が、投薬間隔の間に最大血漿濃度の約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%となるような、約8時間の治療効果および定常状態におけるシアル酸の相対的に平坦な血漿濃度プロファイルを提供する。
本発明の一実施形態において、1日3回(TID)剤形である延長放出製剤は、患者に、投薬間隔の間のシアル酸の最大血漿濃度が、投薬間隔の間に最小血漿濃度の約155%、150%、145%、140%、135%、130%、125%、120%、115%、110%、または105%となるような、約8時間の治療効果および定常状態におけるシアル酸の相対的に平坦な血漿濃度プロファイルを提供する。
延長放出製剤のいずれかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を送達することができ、1時間後に約10%未満、約20%未満、約30%未満、約40%未満、約50%未満、約60%未満、または約70%未満のいずれかが排泄される。延長放出製剤のいずれかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を送達することができ、4時間後に約10%未満、約20%未満、約30%未満、約40%未満、約50%未満、約60%未満、約70%未満、約80%未満、または約90%未満のいずれかが排泄される。延長放出製剤のいずれかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を送達することができ、12時間後に約2%未満、約3%未満、約4%未満、または約5%未満のいずれか1つが排泄される。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、ManNAcおよび/またはシアル酸を含む。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、シアル酸を含む。1つのバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、MaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、およびMaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。
延長放出製剤のいずれかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、約0.1〜約50g/日、約0.5〜約25g/日、約1〜約15g/日、約1〜約10g/日、または約2〜約5g/日のいずれかのシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を送達することができる。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、約2g/日〜5g/日のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を送達することができる。延長放出製剤のいずれかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、約0.01〜約750mg/kg、約0.5〜約500mg/kg、約1〜約250mg/kg、約2.5〜約100mg/kg、または約5〜約50mg/kgのいずれかの、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を送達することができる。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、約5mg/kg〜50mg/kgのシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を送達することができる。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。例えば、いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、約5mg/kg〜50mg/kgのManNAcおよび/またはシアル酸を送達することができる。1つのバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、MaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、およびMaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。
延長放出製剤のいずれかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、約0.01〜約750mg/kg/日、約0.5〜約500mg/kg/日、約1〜約250mg/kg/日、約2.5〜約100mg/kg/日、または約5〜約50mg/kg/日のいずれかの、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を送達することができる。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、約5mg/kg/日〜約50mg/kg/日のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を送達することができる。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。例えば、いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、それを必要としている個体に、約5mg/kg/日〜50mg/kg/日のManNAcおよび/またはシアル酸を送達することができる。1つのバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、MaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、およびMaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。
延長放出製剤のいずれかの実施形態において、延長放出製剤は、約1〜50%の絶対的バイオアベイラビリティーを有する。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約1〜約45%、約1〜約40%、約1〜約35%、約1〜約30%、約1〜約20%、約1〜約10%のいずれか1つの絶対的バイオアベイラビリティーを有する。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約1〜25%の絶対的バイオアベイラビリティーを有する。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%または約50%のいずれか1つの絶対的バイオアベイラビリティーを有する。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、シアル酸またはその誘導体を含む。1つのバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、MaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、およびMaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。
延長放出製剤のいずれかの実施形態において、延長放出製剤は、尿中のシアル酸レベルに基づいた約0.5〜100%のバイオアベイラビリティーを有する。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、尿中のシアル酸レベルに基づいた約0.5〜約2.5%、約1〜約2.5%、約2〜約8%、約2〜約12%、約2.5〜約20%、約2.5〜約40%、約2.5〜約80%、約2.5〜約100%のいずれか1つのバイオアベイラビリティーを有する。1つのバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、MaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、およびMaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。
延長放出製剤のいずれかの実施形態において、延長放出製剤は、少なくとも約3.5時間の平均滞留時間(MRT)を有する。いくつかの実施形態において、延長放出製剤は、約3時間、約4時間、約4.5時間、約5時間、約5.5時間または約6時間の少なくともいずれか1つのMRTを有する。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、シアル酸またはその誘導体を含む。1つのバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、MaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、およびMaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。
本明細書に記載のような延長放出製剤、ならびに/または延長放出製剤および即時放出製剤の組合せは、シアル酸参照薬物でよい。「参照薬物」という用語は、米連邦食品医薬品局(FDA)のオレンジブックであるApproved Drug Products with Therapeutic Equivalence Evaluationsにおいて定義されている。本発明は、参照薬物として延長放出製剤、ならびに/または延長放出製剤および即時放出製剤の組合せの任意の生物学的同等性を含む。
「生物学的同等性」は、適正に設計された研究において投与されたとき、医薬同等物または医薬代替物中の活性剤、または活性剤についての代用マーカーが作用部位において利用可能となる速度および程度において有意差が存在しないことを示す。一実施形態において、生物学的同等性は、米食品医薬品局またはその任意の後任の機関によって公表されるようなその任意の定義である。特定の実施形態において、生物学的同等性は、これらの両方についてその内容全体が本明細書に組み込まれている、米保健社会福祉省(DHHS)、米食品医薬品局(FDA)、医薬品評価研究センター(CDER)から利用可能である「GUIDANCE FOR INDUSTRY BIOAVAILABILITY AND BIOEQUVALENCE STUDIES FOR ORALLY ADMINISTERED DRUG PRODUCTS−GENERAL CONSIDERATIONS」、2003年3月、改訂第1版;およびDHHS、FDA、CDERの「GUIDANCE FOR INDUSTRY STATISTICAL APPROACHES TO ESTABLISHING BIOEQUIVALENCE」、2001年1月を含めて、連邦薬物管理機関のガイドラインおよび基準に従って決定される。別の実施形態において、生物学的同等性は、欧州医薬品庁(EMEA)の文献である2001年7月26日に発行された、EMEAから利用可能である「Note for Guidance on the Investigation of Bioavailability and Bioequivalence」に従って決定される。
一実施形態において、本発明は、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルの製剤を提供し、製剤は、約0.80〜約1.25の、製剤の対数変換されたAUC0〜tの幾何平均と、シアル酸参照薬物の対数変換されたAUC0〜tの幾何平均との比を示す。
一実施形態において、本発明は、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルの製剤を提供し、製剤は、約0.80〜約1.25の、製剤の対数変換されたAUC0〜∞の幾何平均と、シアル酸参照薬物の対数変換されたAUC0〜∞の幾何平均との比を示す。
一実施形態において、本発明は、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルの製剤を提供し、製剤は、約0.80〜約1.25の、製剤の対数変換されたCmaxの幾何平均と、シアル酸参照薬物の対数変換されたCmaxの幾何平均との比を示す。
延長放出医薬製剤は、非経口投与のために製剤してもよく(例えば、注射、例えば、ボーラス注射または連続注入による)、アンプル剤、事前充填されたシリンジ、少容量注入容器、または複数用量容器中の単位用量形態で提示し得る。延長放出医薬製剤は、油性または水性ビヒクル中の懸濁剤、液剤、または乳剤を形成し得る。代わりに、シアル酸生合成経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体および他の成分は、使用前に、適切なビヒクル、例えば、無菌の発熱物質を含まない水との構成のための、無菌固体の無菌的単離によって、または溶液からの凍結乾燥によって得た粉末形態であり得る。
局所投与のために、延長放出医薬製剤は、標的領域への直接の適用のために当技術分野において公知のように製剤し得る。主に局所適用のために用意される形態は、例えば、クリーム剤、ミルク、ゲル剤、分散剤またはマイクロ乳剤、より高いもしくはより低い程度まで増粘したローション剤、含浸パッド、軟膏剤またはスティック、エアゾール製剤(例えば、スプレー剤もしくはフォーム剤)、セッケン、洗剤、ローション剤、あるいはセッケンのケークの形態を取る。この目的のための他の通常の形態には、創傷被覆材、コーティングされた包帯または他のポリマー被覆、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、ペースト剤、ゼリー、スプレー剤、およびエアゾールが含まれる。延長放出医薬製剤は、皮膚への投与のためのパッチまたは包帯を介して送達し得る。軟膏剤およびクリーム剤は、適切な増粘剤および/またはゲル化剤を加えて、例えば、水性または油性基剤と共に製剤し得る。ドロップ剤、例えば、点眼薬または点鼻薬は、水性または非水性基剤中のシアル酸生合成経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体と共に製剤し得る。液体スプレー剤は、加圧型パックから好都合に送達される。ドロップ剤は、単純な点眼器のキャッピングされたボトルを介して、または液体内容物を滴下で送達するように適合されたプラスチックボトルを介して、特別に形作られたクロージャーを介して送達することができる。
さらに、いくつかの実施形態において、シアル酸生合成経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を含む延長放出医薬製剤はまた、他の治療剤と組み合わせて使用し得る。
延長放出製剤を作製する方法
本明細書において詳述する延長放出製剤を作製する方法をまた提供する。一態様において、製剤構成要素(所望の範囲の粒径まで任意選択で塊を細かくし、篩にかけ得る)を合わせ、混合し、均一な製剤ブレンドを提供し、これは、特定の剤形、例えば、経口投与のための、例えば、錠剤またはカプセル剤を調製するためにさらに使用し得る。特定の剤形は、一度調製されると、例えば、延長放出製剤ブレンドから形成される錠剤にコーティングを施すことによってさらに改変して、最終薬物生成物を提供し得る。延長放出製剤の調製は、公知の技術、例えば、直接圧縮、乾式造粒および湿式造粒によって達成し得る。
直接圧縮は、製剤構成要素の塊を細かくし、個々の製剤構成要素について同一でも異なってもよい粒径である所望の範囲の粒径まで篩にかけることによって達成し得る。次いで、構成要素をブレンドするが、これは全ての製剤構成要素がブレンドされるまで1つまたは一連のブレンドステップによって達成し得る。ブレンドされた製剤は、必要に応じて、直接圧縮して、所望の生成物を提供してもよく、これは経口投与のために適した投与量の形態、例えば、錠剤であり得る。ブレンドされた製剤はまた、カプセル、または固体投与量の投与、例えば、経口投与のための他の形態中に充填し得る。
乾式造粒をまた利用して、本明細書において詳述する延長放出製剤を調製してもよく、乾式造粒を使用して、最終薬物生成物に形成される製剤構成要素のブレンドの流れまたは他の特徴を改善させてもよい。乾式造粒の一例には、製剤構成要素の塊を細かくし、かつ/または篩にかけ、製剤構成要素をブレンドし、ブレンドを、例えば、圧縮された生成物のリボンを生成するローラーコンパクターを通して供給し、次いでこのように得られたリボンを微粉砕することが含まれる。次いで、微粉砕した生成物は、上記で詳述するように圧縮してもよく、またはさらなる製剤構成要素とさらにブレンドし、圧縮してもよい。
湿式造粒をまた利用して、延長放出製剤を調製し得る。例えば、製剤構成要素を、所望のサイズへと塊を細かくし、篩にかけ、ブレンドし得る。このように得られたブレンドを、標準的技法を使用してブレンドした製剤構成要素を流動化するためのスプレーガンを備えた適切な流動床プロセッサーに加え得る。このように得られた造粒物を乾燥させ(例えば、流動床において)、所望の範囲の粒径に微粉砕し、最終製剤の調製のために使用し得る。湿式造粒はまた、高剪断湿式造粒を利用し得る(ブレンドした構成要素を混合し、しばしば刻み、その間に溶媒、典型的には水または他の水性ベースの溶媒を、造粒の間に塊上に噴霧する)。
錠剤形態である延長放出製剤は好ましくは、適用できる場合、十分な硬度に圧縮し、媒体(例えば、水性媒体)の時期尚早な進入を防止し、コーティングの間の表面に穴が開くことおよび破損を防止する。
最終生成物中に治療剤および全ての製剤構成要素を含む最終製剤ブレンド(例えば、治療剤、ポリマー、賦形剤および滑沢剤を含むブレンド)、ならびに最終生成物中に全ての製剤構成要素の部分を含有する中間体製剤ブレンド(例えば、治療剤およびポリマーを含むが、賦形剤または滑沢剤を含まないブレンドであり、最終生成物は、賦形剤および滑沢剤を含有する)などの、延長放出製剤ブレンドを提供することが理解される。
シアル酸欠乏を処置および予防する方法
本明細書において提供するのはまた、本明細書に記載されている任意の延長放出製剤中の有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を投与することによって、それを必要としている個体においてシアル酸欠乏を処置および/または予防する方法である。方法は、これらに限定されないが、表A〜Eの製剤のいずれか、ならびに実施例12および13のこれらの製剤を含めた、「延長放出製剤」という見出しの下の製剤のいずれかを含めた、有効量の本明細書において詳述する製剤のいずれかの投与を含み得る。このように、特定の製剤を下記に詳述するが、本明細書に記載されている任意の延長放出製剤は、本明細書において提供する方法のいずれかにおいて用い得ることが理解される。1つのバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含むことが理解される。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、MaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、およびMaNAc、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸生合成経路における1種または複数種の化合物のプロドラッグ、例えば、シアル酸のプロドラッグ、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含む。別のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩を治療剤として含み、親水コロイドポリマー、アニオン性pH依存性ゲル形成コポリマーおよび水膨潤性pH非依存性ポリマーをさらに含み、滑沢剤および/または賦形剤を任意選択でさらに含む。特定のバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、およびヒプロメロースまたはポリエチレンオキシドのいずれかを含む。さらなるバリエーションにおいて、延長放出製剤は、シアル酸、または薬学的に許容されるその塩、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ならびにヒプロメロースまたはポリエチレンオキシドのいずれか、ステアリン酸マグネシウムならびに微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素を含む。一態様において、延長放出製剤は、表Eの製剤である。さらに別の態様において、延長放出製剤は、表8の製剤である。別の態様において、延長放出製剤は、実施例6の製剤である。別の態様において、延長放出製剤は、実施例7の製剤である。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。例えば、本明細書において提供するのは、本明細書に記載されている任意の延長放出製剤中の有効量のManNAcおよびシアル酸を投与することによって、それを必要としている個体においてシアル酸欠乏を処置および/または予防する方法である。いくつかの実施形態において、シアル酸欠乏を処置および/または予防する方法は、シアル酸生成を増加させる。いくつかの実施形態において、シアル酸欠乏を処置および/または予防する方法は、影響を受けた組織のシアリル化を増加させる。いくつかの実施形態において、シアル酸欠乏を処置および/または予防する方法は、約30〜60%の薬物負荷(例えば、シアル酸および/またはManNAc)、約20〜30%w/wのヒプロメロース(例えば、ヒプロメロースタイプ2208またはMethocel K100M)、約20〜25%w/wのアルギン酸ナトリウム(例えば、Protanal)、約1〜5%w/wのλカラギーナン(例えば、Viscarin GP−209)、約1〜10%w/wの微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素(例えば、Prosolv(登録商標)SMCC HD90)、約0.1〜1%w/w/のステアリン酸マグネシウム(例えば、HyQual(登録商標))、ならびに約1〜5%の腸溶性コーティング(例えば、Opadry(登録商標)II White)を含む延長放出製剤を投与することを含む。いくつかの実施形態において、シアル酸欠乏を処置または予防する方法は、約30〜60%の薬物負荷(例えば、シアル酸および/またはManNAc)、約20〜30%w/wのポリエチレンオキシド(例えば、Polyox WSR)、約20〜25%w/wのアルギン酸ナトリウム(例えば、Protanal)、約1〜5%w/wのλカラギーナン(例えば、Viscarin GP−209)、約1〜10%w/wの微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素(例えば、Prosolv(登録商標)SMCC HD90)、約0.1〜1%w/w/のステアリン酸マグネシウム(例えば、HyQual(登録商標))、ならびに約1〜5%の腸溶性コーティング(例えば、Opadry(登録商標)II White)を含む延長放出製剤を投与することを含む。
本明細書において提供するのはまた、本明細書に記載されている任意の延長放出製剤中の有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を投与することによって、それを必要としている個体において、シアル酸(例えば、筋組織におけるシアル酸の生成を増加させる)およびグリコシル化のための近似の基質、CMP−シアル酸の生成を増加させる方法である。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。例えば、本明細書において提供するのは、本明細書に記載されている任意の延長放出製剤中の有効量のManNAcおよびシアル酸を投与することによって、それを必要としている個体においてシアル酸の生成を増加させる(例えば、筋組織におけるシアル酸の生成を増加させる)方法である。
本明細書において提供するのはまた、本明細書に記載されている任意の延長放出製剤中の有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を投与することによって、それを必要としている個体において筋組織のシアリル化を増加させる方法である。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。例えば、本明細書において提供するのは、本明細書に記載されている任意の延長放出製剤中の有効量のManNAcおよびシアル酸を投与することによって、それを必要としている個体において筋組織のシアリル化を増加させる方法である。
本明細書において提供するのはまた、本明細書に記載されている任意の延長放出製剤中の有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を投与することによって、それを必要としている個体において筋機能を改善する方法である。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。例えば、本明細書において提供するのは、本明細書に記載されている任意の延長放出製剤中の有効量のManNAcおよびシアル酸を投与することによって、それを必要としている個体において筋機能を改善する方法である。
いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1つまたは複数の遺伝的欠陥と関連する状態はまた、現在公知であろうと、またはこれから発見されようと、本明細書に記載されている任意の延長放出製剤中のシアル酸生合成経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体による処置によって取り組むことができる。図1において描写するように、ウリジンジホスホ−N−アセチルグルコサミン−2−エピメラーゼ(UDP−GlcNAc−2−エピメラーゼ)は、UDP−GlcNAcをN−アセチルマンノサミン(ManNAc)に変換し、これは、ATPの存在下でManNAcキナーゼによってリン酸化され、N−アセチルマンノサミン−6−リン酸(ManNAc−6−P)が生成される。ManNAc−6−Pは、Neu5Ac−9−リン酸シンテターゼを介してN−アセチルノイラミン酸−9−リン酸(NeuAc−9−P)に変換され、それに続いてNeu5Ac−9−リン酸ホスファターゼによるNeuAc−9−Pの脱リン酸化によって、Neu5Ac(シアル酸)が生じる。次いで、シアル酸は細胞核に入り、CMP−Neu5Acシンテターゼを介してシチジン一リン酸−シアル酸(CMP−シアル酸)に変換される。いくつかの実施形態において、ManNAcキナーゼ、Neu5Ac−9−リン酸シンテターゼ、またはNeu5Ac−9−リン酸ホスファターゼ、またはこれらの組合せに関する任意の遺伝子の欠乏、またはこれに関連する状態は、本明細書に記載されている任意の延長放出製剤中の有効量のシアル酸生合成経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体で処置することができる。例えば、いくつかの実施形態において、経路における特定の酵素のステップをブロックするこのような化合物の投与は、この特定の酵素に関する欠陥と関連する状態の処置をもたらす。したがって、本明細書において提供するのは、被験体に本明細書に記載されている任意の延長放出製剤中の有効量のシアル酸生合成経路における化合物またはその誘導体を投与することを含む、シアル酸経路における酵素、例えば、ManNAcキナーゼ、Neu5Ac−9−リン酸シンテターゼ、またはNeu5Ac−9−リン酸ホスファターゼ、またはこれらの組合せに関する遺伝的欠陥と関連する状態を有する被験体を処置する方法である。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている任意の延長放出製剤中のシアル酸生合成経路における化合物またはその誘導体で処置し得る、シアル酸生合成経路における欠陥と関連する状態には、これらに限定されないが、シアル酸尿症、糸球体低シアリル化、糸球体性血尿、タンパク尿、糸球体上皮細胞障害、糸球体上皮細胞障害および/または糸球体基底膜の断片的剥離によるタンパク尿および血尿が関与する腎障害、微少変化ネフローゼ、巣状および分節性糸球体硬化症、膜性糸球体腎炎、特発性ネフローゼ症候群、ならびにグリコシル化欠乏(例えば、グリコシル化の先天性障害または筋ジストロフィー)が含まれる。いくつかの実施形態において、ManNacキナーゼ欠陥と関連する状態は、シアル酸尿症、糸球体低シアリル化、糸球体性血尿、タンパク尿、糸球体上皮細胞障害、糸球体上皮細胞障害および/または糸球体基底膜の断片的剥離によるタンパク尿および血尿が関与する腎障害、微少変化ネフローゼ、巣状および分節性糸球体硬化症、膜性糸球体腎炎、および特発性ネフローゼ症候群から選択される。いくつかの実施形態において、Neu5Ac−9−リン酸ホスファターゼ欠陥と関連する状態は、グリコシル化欠乏(例えば、グリコシル化の先天性障害または筋ジストロフィー)である。
いくつかの実施形態において、シアル酸欠乏、シアル酸生成の低減、またはシアリル化の低減の原因は、シアル酸経路のレギュレーションに影響を与える遺伝的欠陥、すなわち、シアル酸経路中に直接ある酵素の遺伝的欠陥に制限される必要がない、シアル酸の産生能力またはシアリル化に影響を与える遺伝的欠陥である。したがって、いくつかの実施形態において、シアル酸生成(例えば、欠陥はシアル酸生成の減少をもたらし、もしくはその他の点でシアル酸欠乏をもたらす)またはシアリル化(例えば、欠陥はシアリル化の減少をもたらす)に影響を与える、シアル酸経路のレギュレーションに関与する任意の根底にある遺伝的欠陥は、本明細書に記載されている任意の延長放出製剤中の有効量のシアル酸生合成経路における化合物またはその誘導体で処置することができる。いくつかの実施形態において、GNE/MNKのレギュレーションまたはシアル酸経路の他の態様に影響を与えることによるなどで、シアル酸の産生能力を低減させ、またはシアリル化を低減させる遺伝的欠陥は、本明細書に記載されている任意の延長放出製剤中のシアル酸生合成経路における化合物またはその誘導体で処置することができる。したがって、本明細書において提供するのは、被験体に、本明細書に記載されている任意の延長放出製剤中の有効量のシアル酸生合成経路における化合物またはその誘導体を投与することを含む、欠陥がGNE/MNKのレギュレーションまたはシアル酸経路の別の態様に影響を与えるなど、シアル酸の産生能力を低減させ、またはシアリル化を低減させる遺伝的欠陥と関連する状態を有する被験体を処置する方法である。
シアル酸は、多くの器官および組織の適切な発達および機能化のために重要であり、シアル酸の欠乏は、多くの異なるタイプの疾患および状態を生じさせ得る。他のタイプの筋肉疾患はまた、グリコシル化が筋機能のために重要であることを示してきた。NishinoおよびOzawa、Curr. Opin. Neurol.、15巻:539〜544頁(2002年)。いくつかの実施形態において、シアル酸欠乏は、ミオパチー、筋萎縮症および/または筋ジストロフィーである。本組成物および方法で処置することができるミオパチーはまた、縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(埜中ミオパチー)および筋ジストロフィー、遺伝性封入体ミオパチー(HIBM)を含む。いくつかの実施形態において、処置および/または予防する方法は、筋組織のシアリル化を増加させる。いくつかの実施形態において、処置および/または予防する方法は、運動の後のクレアチンキナーゼ血漿レベルによって測定されるように、筋機能を改善させ、身体的活性からの筋肉傷害を低減させる。いくつかの実施形態において、筋肉の機能障害を処置または予防する方法は、独立した歩行運動、階段を上ること、下垂足、椅子から立ち上がり、歩くこと、手で握り、手を使うこと、ならびに肺機能を改善させる。いくつかの実施形態において、方法は、遺伝子GNEの遺伝子型または発現レベルを決定することによって、それを必要としている個体を同定することをさらに含む。
いくつかの実施形態において、シアル酸欠乏は、腎臓の状態および疾患(例えば、タンパク尿および血尿が関与するもの)である。タンパク尿は、尿中への血液からのタンパク質の漏出が関与する。尿中のタンパク質の量が非常に高い場合、この状態は、ネフローゼ症候群と称されることが多い。いくつかのタイプの疾患は、高血圧、感染、逆流性ネフロパシー、糖尿病;および微少変化ネフローゼを含めた様々なタイプの糸球体腎炎を含めた、タンパク尿の症状を示す。血尿は、尿中の血液を単純に意味する(例えば、肉眼的血尿または顕微鏡的血尿)。いくつかの実施形態において、処置および/または予防する方法は、腎臓組織のシアリル化を増加させる。
方法のいずれかの実施形態において、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、約8時間超、約9時間超、約10時間超、約11時間超、約12時間超、約13時間超、約14時間超、約15時間超、約16時間超、約17時間超、約18時間超、約19時間超、約20時間超のいずれかの期間にわたり提供される。いくつかの実施形態において、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、約12時間超または約24時間超の期間にわたり提供される。方法のいずれかの実施形態において、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、約6〜約10時間、約8〜約12時間、約10〜約16時間、または約12〜約20時間のいずれかの期間にわたり提供される。方法のいずれかの実施形態において、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、または約20時間のいずれかの期間にわたり提供される。いくつかの実施形態において、治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、約12時間または約24時間の期間にわたり提供される。いくつかの実施形態において、治療有効量は、個体の血流に提供される。いくつかの実施形態において、治療有効量は、個体の筋組織に提供される。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。例えば、いくつかの実施形態において、治療有効量のManNAcおよび/またはシアル酸は、個体の筋組織に約6〜10時間、約8〜12時間、約10〜16時間、または約12〜20時間のいずれかの期間にわたり提供される。
方法のいずれかの実施形態において、それを必要としている個体は、実質的に一定の(すなわち、目的の血液および/または組織(例えば、筋組織)への、薬物の利用可能性の大きなバーストおよび薬物の利用可能性における欠乏を伴わない)治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を約8時間超、約9時間超、約10時間超、約11時間超、約12時間超、約13時間超、約14時間超、約15時間超、約16時間超、約17時間超、約18時間超、約19時間超、または約20時間超のいずれかの期間にわたり提供される。方法のいずれかの実施形態において、それを必要としている個体は、実質的に一定の治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を約1〜約24時間、約4〜約24時間、約6〜約24時間、約8〜約24時間、または約12〜約24時間のいずれかの期間にわたり提供される。方法のいずれかの実施形態において、それを必要としている個体は、実質的に一定の治療有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、または約20時間のいずれかの期間にわたり提供される。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。例えば、いくつかの実施形態において、それを必要としている個体は、実質的に一定の治療有効量のManNAcおよび/またはシアル酸を個体の筋組織へと約6〜約10時間、約8〜約12時間、約10〜約16時間、または約12〜約20時間のいずれかの期間にわたり提供される。
方法のいずれかの実施形態において、1時間後に、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体の約10%未満、約20%未満、約30%未満、約40%未満、約50%未満、約60%未満、または約70%未満のいずれかが個体から排泄される。方法のいずれかの実施形態において、4時間後に、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体の約10%未満、約20%未満、約30%未満、約40%未満、約50%未満、約60%未満、約70%未満、約80%未満、または約90%未満のいずれかが個体から排泄される。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、ManNAcおよび/またはシアル酸を含む。
方法のいずれかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、それを必要としている個体に、約0.1〜約50g/日、約0.5〜約25g/日、約1〜約15g/日、約1〜約10g/日、約2〜約5g/日、約0.2〜約25g/日、約0.3〜約12g/日、約0.4〜約10g/日、約0.5〜約8g/日、および約0.7〜約6g/日のいずれかで投与される。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、約2g/日〜5g/日で投与される。方法のいずれかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、それを必要としている個体に、約0.01〜約750mg/kg、約0.5〜約500mg/kg、約1〜約250mg/kg、約2.5〜約100mg/kg、または約5〜約50mg/kgのいずれかで投与される。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、それを必要としている個体に、約5mg/kg〜50mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは数種の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。例えば、いくつかの実施形態において、ManNAcおよび/またはシアル酸は、それを必要としている個体に、約5mg/kg〜50mg/kgで投与される。
方法のいずれかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、それを必要としている個体に、約0.01〜約750mg/kg/日、約0.5〜約500mg/kg/日、約1〜約250mg/kg/日、約2.5〜約100mg/kg/日、または約5〜約50mg/kg/日のいずれかで投与される。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、それを必要としている個体に、約5mg/kg/日〜50mg/kg/日で投与される。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。例えば、いくつかの実施形態において、ManNAcおよび/またはシアル酸は、それを必要としている個体に、約5mg/kg/日〜50mg/kg/日で投与される。
いくつかの実施形態において、任意の延長放出製剤中の有効量のシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、1日1回、1日2回、1日3回、または1日4回投与される。
本発明の一実施形態による人体に投与される延長放出製剤の量は、体内の吸収速度、不活性化率、排泄率、患者の年齢、性別および状態、疾患の重症度などによって適正に選択し得る。このような要因は、動物モデルまたは当技術分野で利用可能な他の試験系を用いて、臨床医が容易に決定することができる。
本発明による治療剤の投与は、例えば、投与の目的が治療的であろうと、または予防的であろうと、レシピエントの生理学的状態、および熟練した実務家には公知の他の要因に応じて、単回用量、複数回用量、連続的または断続的様式でよい。シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体の投与は、事前に選択した期間にわたり本質的に連続的でよく、または一連の間隔をあけた用量でよい。局所および全身投与の両方が、意図される。
一実施形態において、本発明は、摂食条件下の患者に本延長放出製剤を投与することを含む、それを必要としている個体においてシアル酸欠乏を処置するための方法を提供し、延長放出製剤は、空腹条件下で投与されるより摂食条件下で投与されるとき、改善された吸収プロファイルを提供する。いくつかの実施形態において、吸収プロファイルは、8時間、12時間、または24時間の期間にわたる血漿濃度−時間曲線下面積(AUC)(吸収された薬物の量またはバイオアベイラビリティーと相関)、Cmax(血液中の薬物の最高濃度)、およびTmax(Cmaxに達するまでの時間)によって記載される。一実施形態において、改善された吸収プロファイルは、より鋭くなく、より平坦な形状の濃度−時間曲線を示す。例えば、改善された吸収プロファイルは、いくらかより低い値、いくらかより高い値、または実質的に同じ値を有するAUCではあるが、より低いCmaxおよびより高いTmaxを示すことができる。一実施形態において、摂食状態において決定された平均AUCは、空腹状態において決定した平均AUCと実質的に同様であるか、またはより高い。摂食状態において決定した平均Cmaxは、空腹状態において決定した平均AUCより低い。別の実施形態において、摂食状態において決定した平均Cmaxは、空腹状態において決定した平均AUCより低い。別の実施形態において、摂食状態において決定した平均Tmaxは、空腹状態において決定した平均AUCより高い。
単位投与量および製造品
また本明細書において提供するのは、本明細書に記載されているシアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を含む延長放出製剤を含む、製造品および単位投与量である。
本明細書において提供するのは、(a)本明細書に記載されているシアル酸生合成経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を含む延長放出医薬製剤を含む容器;ならびに(b)患者においてシアル酸欠乏を処置および/または予防するための説明書を有する添付文書を含む製造品またはキットである。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。
製造品は、容器、および容器上のまたは容器と関連するラベルまたは添付文書を含む。適切な容器には、例えば、ボトル、バイアル、シリンジなどが含まれる。容器は、種々の材料、例えば、ガラスまたはプラスチックから形成し得る。容器は製剤を保持または含有し、無菌アクセスポートを有し得る(例えば、容器は、皮下注射針によって突き刺すことができる、ストッパーを有する静脈注射用溶液バッグまたはバイアルであり得る)。組成物中の少なくとも1種の活性剤は、ポリペプチドである。ラベルまたは添付文書は、提供されるポリペプチドおよび任意の他の薬物の投薬の量および間隔に関する特定のガイダンスと共に、被験体における組成物の使用を示す。製造品は、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針、およびシリンジを含めた商業的観点および使用者の観点から望ましい他の材料をさらに含み得る。いくつかの実施形態において、容器は、シリンジである。いくつかの実施形態において、シリンジはさらに、注射器具内に含有される。いくつかの実施形態において、注射器具は、自動注射器である。
「添付文書」は、治療製品の商業的パッケージ中に通例含まれる説明書を指すために使用され、これは、適応症、用法、投与量、投与、禁忌症、パッケージングした製品と合わせる他の治療製品、および/またはこのような治療製品の使用に関する警告についての情報を含有する。
本明細書において提供するのはまた、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体を含む延長放出製剤を含む単位投与量である。いくつかの実施形態において、シアル酸経路における1種もしくは複数種の化合物またはその誘導体は、ManNAcもしくはその誘導体および/またはシアル酸もしくはその誘導体を含む。
これらに限定されないが、「延長放出製剤」という見出しの下で詳述されているこれらの製剤を含めた、本明細書に記載されている延長放出製剤のいずれか、例えば、表A〜E、実施例6、または実施例7の製剤のいずれかを含む単位剤形が記載される。これらの単位剤形は、単回もしくは複数回の単位投与量で、適切なパッケージング中に貯蔵することができ、またさらに無菌化および密封し得る。利便性および患者の順守の容易さのために、延長放出製剤は、個体に投与し得る、単位剤形の形態で送達し得る。1つのバリエーションにおいて、延長放出製剤は、固体物質であり、その単位剤形は、錠剤、カプセル剤、サシェ剤および咀嚼錠、または咀嚼することを意図しない錠剤の形態で調製し得る。一態様において、剤形は、カプセル剤または錠剤の形態、好ましくは錠剤の形態である。いくつかの実施形態において、剤形は、咀嚼することを意図しない錠剤の形態である。いくつかの実施形態において、剤形は、粉砕することを意図しない錠剤の形態である。いくつかの実施形態において、剤形は、咀嚼または粉砕することを意図しない錠剤の形態である。
単位形態の調製は一般に、容量または重量によってブレンドの充填を調製するステップが関与する。例えば、錠剤およびカプセル剤の生成において、延長放出製剤ブレンドは、それぞれ、ダイまたはカプセル中に容量充填される。一態様において、単位剤形のバッチは、許容できる限度内の同じ効力(単位剤形毎の薬物の量)を有し、これは、1つのバリエーションにおいて、6%未満の相対標準偏差(RSD)であり、別のバリエーションにおいて、8.0%未満または7.8%未満である。
下記の実施例を、当業者に本発明をどのように作製および使用するかについての完全な開示および記載を提供するために提示するが、本発明者らが本発明者らの発明と見なすものの範囲を限定することを意図せず、下記の実験が行った全てまたは唯一の実験であることを表すことも意図しない。
(実施例1)
乾燥ブレンド製造方法を使用したシアル酸250mg強度の錠剤の調製
実験/材料
シアル酸(Food & Bio Research center、Inc.Kyoto Japan)を、アルミ箔バッグ中に−20℃で貯蔵した。しかし、プロトタイプの取扱いおよび処理は、全て周囲の室温下であった。工程内の材料およびバルク錠剤は、乾燥剤と共に二重のポリエチレンバッグ中に貯蔵した。シアル酸を、形態学、篩分析による粒径、バルク密度およびタップ密度からなる物理的特性について評価した。
50グラムの実験室スケールバッチは、バッグブレンディング、手操作による充填および錠剤機の手による回転を使用して調製し、錠剤を圧縮し、スクリーニングの第1のレベルとして溶解を評価した。ProCRプラットホームを使用して、錠剤を製造した。これらの配合を、表1および2において下で一覧表示する。
シアル酸、ヒプロメロースタイプ2208、アルギン酸ナトリウム、カラギーナンおよび微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素を、#20USA標準篩を使用して塊を細かくし、定量的配合毎に秤量した。成分を小さなziplockバッグ中で合わせ、15分間ブレンドした。ステアリン酸マグネシウムを、#40USA標準的スクリーンを使用して塊を細かくし、定量的配合毎に秤量し、バッグ中のブレンドした成分に加えた。成分を、さらに3分間ブレンドした。最終ブレンド、および篩にかけていないシアル酸を、かさ密度、タップ密度、粒径篩分析、Carrの圧縮性インデックス、および最小限界オリフィスを使用して特徴付けた。各プロトタイプの最終ブレンドを、Korsch PH100錠剤機で圧縮した。このように得られた錠剤を、溶解試験のために分析実験室に供した。
シアル酸の特徴付け
シアル酸は、白色のふわふわした粉状物質として視覚的に特徴付けた。そのかさ密度は0.293g/mLであり、そのタップ密度は0.419g/mlであった。Carrの圧縮性インデックスは30%であり、最小限界オリフィス直径は18mmであった。シアル酸の粒径篩分析(表3)は、図2に示すように粗いおよび中間サイズ粒子の分布を明らかにした。ブレンドの前にシアル酸の大きさを揃え、ブレンドの均一性を容易なものとした。
ProCRシアル酸、250mgCR錠剤
両方のプロトタイプブレンド、ProCRヒプロメロースおよびProCR Polyoxは、750mg錠剤重量および17〜20Kpの硬度範囲を標的とする0.3300×0.7100インチの改変した長円形のツーリングを使用して錠剤に圧縮した。錠剤化の間、ダイキャビティにおける粉末のブリッジングが、ProCRヒプロメロースについて観察された。これは、ブレンドが、錠剤機上での流動性を改善させるために高密度化を必要とすることを示す。ProCR Polyoxはより密であるように思われ、錠剤機上でより良好に流れるようであった。しかし、そのCarrの圧縮性インデックスおよび最小限界オリフィス直径の結果は、表4において示すように、これがまたさらなる処理、例えば、造粒を必要としたことを示した。Polyoxプロトタイプの粒径分布は、様々なスクリーンサイズにわたって、表5および図3において示すヒプロメロースプロトタイプよりも分散しているようであった。
錠剤の圧縮によって、750mgの標的の3〜5%の重量範囲がもたらされた。変動性は主に、手操作による充填および乏しい流れによるものだった。重量の変動性に関わらず、表6において一覧表示するように錠剤の外観および硬度は13〜18Kpの範囲で良好であった。溶解結果は、表7および図4において示すように、12時間の期間にわたり一次持続放出プロファイルを示した。
(実施例2)
シアル酸325mgおよび500mgの開発プロトタイプの調製
最初に、2つの小さな50グラム乾燥ブレンドバッチを、33%w/w〜43%w/wの増加した薬物負荷を伴って製造し、薬物放出プロファイルが許容されることを確認した。2つの組成物を、表8においてヒプロメロースおよびPolyoxとして一覧表示する。打錠は、ダイキャビティ中への手操作による充填を使用する前に記載されているように行った。
湿式造粒製造方法
圧縮の間のブリッジングおよび乏しい流れを回避するために、バッチサイズを50グラムから1800グラムにスケールアップし、高剪断造粒製造方法を使用して、良好な錠剤圧縮性を維持する一方で、325mgおよび500mgの用量強度を生じさせた。325mgおよび500mgの用量強度は、圧縮の前に分割された共通のブレンドを共有した。2つの錠剤サイズを生成した。325mgの用量強度錠剤は、17.7mmの長さ、9.1mmの幅および6.7mmの厚さを伴い、500mgの用量強度錠剤は、19.3mmの長さ、9.7mmの幅および8.0mmの厚さを伴う。下記の機器および工程を使用して、これらの錠剤を作製した。
実験/材料
全ての原料は、表8において一覧表示したように、販売業者から受け取ったままで使用した。バッチサイズは、1800グラムであった。下記の機器を使用した。
Fielder PP1高剪断造粒機
Niro−Aeromatic MP−1マルチ−プロセッサー
順方向のナイフ、0.079’’ラウンドホールスクリーンを備えたFitzMill JT Homoloid
4Qt PKブレンダー
750mg錠剤のための0.350’’×0.6875’’の改変した長円形のツーリング、および1154mg錠剤のための0.374’’×0.7480’’の改変した長円形のツーリングを備えたKorsch PH100錠剤機
Accela−cotaモデル24MK III(24’’コーティングパン) 。
ステアリン酸マグネシウムを除いて全ての原料を、PP−1造粒機にチャージし、300rpmのインペラースピード、チョッパーなしにて3分間事前混合した。ベースライン乾燥減量の決定を行い、造粒されていないヒプロメロースの配合は、3.4%水であると決定し、一方、Polyox製剤は2.9%であった。300rpmにて遅いチョッパースピードで混合する一方で、水を概ね200グラム/分で噴霧した。ヒプロメロース製剤は、1.8kgのバッチサイズで43%の水(778gの水を噴霧)を使用し、一方、Polyox製剤は、噴霧混合2分後に52%の水を噴霧した(905gの水を噴霧)。造粒物を、MP−1流動床中に移し、乾燥減量(LOD)が造粒されていない製剤のベースライン水分と等しい、または僅かにより低い、≦3%となるまで、75℃の入口温度で乾燥させた。乾燥させた造粒物を、#4メッシュハンドスクリーンに通過させた。#4メッシュ上に保持された大きな顆粒を、分離および廃棄した。残りの顆粒を、低スピードで、順方向のナイフで、FitzMillを通して大きさを揃えた。次いで、ブレンドを、ステアリン酸マグネシウムで3分間潤滑させた。最終ブレンドを、Korsch回転式プレスを使用して錠剤に圧縮した。溶解結果が得られた後、コア錠剤を、概ね4.5%w/wの重量増加まで非機能性Opadry II、whiteでコーティングした。
溶解条件の概要は、下記の通りであった。
900mLの溶解媒体:50mMのホスフェート、pH6.8
100RPMのBaskets
37℃
時点:2時間、4時間、6時間、8時間、12時間、16時間または24時間 。
ヒプロメロースをベースとした製剤のブレンドおよび造粒は、円滑に進行した。ヒプロメロース製剤は良好に処理され、優れた流れを有する最終ブレンドを生じさせ、これは錠剤機上で良好に圧縮された。小スケールのバッチサイズについて、収率は優秀(96%)であった。
ポリエチレンオキシド(Polyox)をベースとする製剤は、同じように容易に造粒されなかった。Polyox製剤は、過剰造粒された。過剰造粒は、将来はより遅い速度でより少ない造粒水を噴霧することによって緩和することができる。流動床において乾燥されにくい大きな過剰造粒された凝集体を除去するために、部分的に乾燥された造粒物を4メッシュの篩を通してスクリーニングしたとき、かなりの量の造粒物が失われた。その結果、バッチ収率は、83%で乏しかった。しかし、保持されたバッチの部分は、優れた最終ブレンドを生成した。これは、錠剤工程上で良好に流れ、圧縮され、良好な質の錠剤が生成された。Polyoxは、造粒することが困難であることが公知であり、そのためこれは全く予想外というわけではない。しかし、適切な造粒パラメーターによって、優れた造粒物を得ることができる。
シアル酸325mg最終ブレンド、シアル酸325mg錠剤、およびシアル酸500mg錠剤についての物理的データを、それぞれ、表9、10および11において示す。シアル酸325mgおよび500mg錠剤(コーティングなし)についての分析結果を、表12において示す。
溶解結果(図5)は、両方の用量強度について、ならびにProCRヒプロメロースおよびProCR Polyoxの両方について、12時間の期間にわたり一次持続放出プロファイルを示した。さらに、これらの結果は、750および1154の錠剤の最終重量において共通のブレンドを使用した、用量の柔軟性の提供において用量比例的アプローチが成功したことを示す。
(実施例3)
シアル酸325mgおよび500mgSR錠剤ProCRヒプロメロースおよびProCR Polyoxのためのコーティング
製造方法
8キログラムのコア錠剤(容量を提供するための6.5kgの「偽」プラセボと合わせた概ね1.5kgの活性錠剤)を、24’’コーティングパンおよび2つのスプレーガンを備えたAccela−Cotaコーティング機器中にチャージした。非機能性フィルムコーティングは、20%固体濃度のOpadry−II White(Colorcon CorporationフォーミュラY−22−7719)であった。フィルムコーティングの目的は、外観を改善し、将来は錠剤の嚥下のために患者の順守を容易なものとすることであった。標的エンドポイントは、3〜5%の重量増加であった。
コーティングプロセスパラメーターは、下記の通りであった。
パンスピード:標的12〜16rpm
入口温度:70〜85℃
出口温度:39〜42℃
床温度:33〜45℃
霧化圧:40psi
噴霧速度:50〜60g/分
気流:概ね200cfm
ガンから床の距離:5’’ 。
錠剤は、支障なく良好にコーティングされた。コーティングの概ね4%の重量増加は、錠剤コアの良好な被覆を提供するのに十分であった。
プロトタイプの安定性
325mgおよび500mgの用量強度においてProCRヒプロメロースおよびProCR Polyoxを使用して調製されたシアル酸の白色のフィルムコート錠を、ボトル毎に30(30)単位でパッケージングした。1つのMiniPax乾燥剤、コイルなし、Lepak Jr(商標)インダクションキャップシーリングシステムを使用してインダクションシールされている。表13は、使用したパッケージング構成要素を一覧表示する。全ての許容される錠剤をパッケージングし、0カ月、1カ月、3カ月、6カ月、および12カ月で、25℃および60%相対湿度(RH)、ならびに40℃および75%RHの両方において安定性を試験するICH条件下で、12カ月のプロトタイプ安定性プログラムに供した。錠剤を外観、溶解、水分、アッセイおよび関連する物質に関して試験およびモニターしたが、最初の安定性結果を表14において示す。コーティングされた325mgおよび500mg錠剤についての溶解プロファイルを、図6に示す。
製剤開発の活動は、325mgおよび500mgの用量強度のシアル酸について、2つの別個の持続放出プロトタイプを成功裏に同定した。インビトロの溶解放出プロファイルは、水性媒体および6.8のpHにおいて12時間にわたり一次放出を示した。持続放出ProCRプラットホームを用いた。不活性なポリマーのこの独特の組合せは、pH依存的ではなく、溶解放出プロファイルに影響を与えることなくそれ自体を造粒工程に向いているものとするロバストな製剤を提供する。シアル酸325mgおよび500mgの用量強度のSR錠剤についてこれは当てはまったが、湿式造粒工程は、高密度化および良好な錠剤圧縮性を達成するのに必要であることが見出された。
化学的安定性に関して、シアル酸325mgおよび500mgのProCRヒプロメロースおよびProCR Polyox SR錠剤は、許容されるアッセイ、溶解および内容物の均一性、ならびに容易に合格するUSP試験基準を示した。これらのプロトタイプは、12カ月のICH安定性研究を通してモニターされる。
図5および6に示すように、シアル酸ProCRヒプロメロースおよびProCR Polyox無コーティング錠剤およびコーティング錠剤の溶解プロファイルは、一貫している。Opdary(登録商標)II Whiteフィルムコーティングを施すと、12時間の放出にわたって持続放出プロファイルにおいて有意な変化は存在しない。アッセイおよび関連する物質についての分析結果は許容され、湿式造粒、乾燥およびコーティング工程は、薬物の化学的完全性に対してインパクトを有さないことを示す。
(実施例4)
ManNAc325mgの開発プロトタイプの調製
ManNAcの表題製剤を、シアル酸について上で詳述した方法に従って調製した。ManNAc325mg錠剤の溶解プロファイルを、図7に示す。
コア錠剤の結果
(実施例5)
雄のイヌにおける単回の経口または静脈内用量に続くシアル酸製剤の薬物動態
この研究の目的は、雄のイヌにおける単回の経口または静脈内用量に続くシアル酸の薬物動態を評価することであった。
Beijing Marshall Biotechnology Co.、Ltd.からの全部で6匹の雄のビーグル犬(Canis familiaris)は、PCS−SHGコロニーから得て、全身的な身体検査に供し、研究の開始の前に正常な健康ステータスを確実にした。全ての動物は使用に適していると考えられ、各動物は片方の耳介の腹側面上における消えない皮膚上の刺青の数字および/または文字によって固有に同定した。動物を実験室環境に慣れさせるために、動物の移動と処置の開始との間に、5日の順化期間を許容した。
投薬の開始の前に、全ての動物を秤量し、処置群に割り当てた。処置の開始において、動物は7〜16カ月の月齢であり、体重が6.4〜9.4kgの範囲であった。動物を、メッシュタイプの床および自動給水バルブを備えたステンレス鋼ケージに個々に収容した。市販の標準的な保証されたペレット化ドッグフード(概ね400gの保証されたイヌ用食餌5C07、PMI Nutrition International、Inc.)を、指定した手順の間を除いて、各動物に1日1回与えた。食餌中の最大の許容できる濃度の汚染物質(例えば、重金属、アフラトキシン、有機ホスフェート、塩素化炭化水素、PCB)が制御され、製造者によって日常的に分析された。食品中に、研究の目的を妨げる恐れがある公知の汚染物質は存在しないと考えられた。軟化され、逆浸透によって精製され、紫外線光に曝露された自治体からの水道水を、指定した手順の間を除いて自由に利用可能とした。水中に、研究の目的を妨げる恐れがある公知の汚染物質が存在しないと考えられた。指定した活動の間を除いて、各動物にフロア玩具を与えた。
研究設計は、表15において示す通りである。
投薬の最初の日は、1日目として指定した。それに続く投薬日は、6日目、9日目および13日目であった。1日目、9日目および13日目に、全ての動物は、調製されたカプセル剤または錠剤を経口投与された。6日目に、全ての動物は、TA−6の単回静脈内用量を0.5mL/kgで投与された。投与されたTA−6のそれぞれの実際の容量は、各動物の最も最近の実際的な体重に基づいた。試験物品1〜6を、表16において特定する。
個体別体重を、投与前期間の間に一度、および投薬日の各用量の前に測定した。研究期間の間に観察される処置に関連する臨床的徴候は存在せず、研究期間の間に任意の動物について留意された体重または体重増加における、処置に関連する変化は存在しなかった。
血液試料を、下記の時点における血清への処理のために、1日目、6日目、9日目、13日目に、全ての動物から血清分離チューブ中に収集した。投与前、投与後2分(i.v.のみ)、5分(i.v.のみ)、10分(i.v.のみ)、15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間および24時間。尿試料を、全ての動物から、湿った氷またはアイスパック上のジャー中に、1日目、6日目、9日目、13日目に下記の時間間隔で収集した。投与前(一晩、概ね15時間)、投与後0〜4時間、4〜8時間、8〜12時間。試料を、表17および表18に従って収集した。
血液試料を、室温で少なくとも30分間、1時間以下置いて、概ね2700rpmでの10分間の冷却遠心分離(概ね4℃)の前に凝固させた。各試料から分離した血清を、ポリプロピレンチューブ中に移し、フリーザー(−80℃を維持するように設定)に移すまでドライアイス上に置いた。尿試料を、分析するまでフリーザー中で貯蔵した(−80℃を維持するように設定)。
血清および尿中の薬物濃度を、有効な分析手順を使用してLC MS/MSによって決定した(液体クロマトグラフィー−タンデム質量分析法(LC−MS/MS)−PN102653によるイヌ血清および尿における遊離可溶性シアル酸の決定のための方法;液体クロマトグラフィー−タンデム質量分析法(LC−MS/MS)−PN102654によるイヌ血清および尿における遊離可溶性シアル酸の長期間マトリックス安定性アセスメントの検証)。方法は、10〜1000μg/mLの線形範囲を有し、定量化の下限は10μg/mLであった。
データ収集は、AB SciexからのAnalyst(登録商標)を使用して行った。回帰分析を含めた統計分析、ならびに算術平均および標準偏差を含めた記述統計学、正確性および精密度は、Watson(商標)Laboratory Information Management System(LIMS)およびMicrosoft Excelを使用して行った。
薬物動態パラメーターは、WinNonlin(登録商標)薬物動態ソフトウェア(バージョン5.2.1、Pharsight Corp.、Mountain View、California、USA)を使用して推定した。静脈内または経口投与経路と一貫したノンコーパートメントアプローチを、パラメーター推定のために使用した。全てのパラメーターは、血清中の個々のシアル酸濃度から生じさせた。パラメーターは、各用量投与の開始に対して基準サンプリング時間を使用して推定した。平均濃度は、静脈内投薬の機会のみについて3匹の動物/群/時点に由来した。実際の時点は、特定したプロトコルの範囲内であった。投与前時点において得た血清濃度値は、経口用量についてのゼロ時における濃度として使用した。試験物品1〜5の実際の用量レベルは、動物の最も実際的な体重に基づいて、各動物に与えたSAの総量を使用して計算した。
シアル酸の個々の血清濃度時間曲線下面積(AUC)は、線形補間を伴う線形台形法を使用して計算した。それぞれの個々の濃度時間曲線の終末消失相は、少なくとも最終の3つの観察された濃度値を使用して同定した。終末消失相の勾配を、非加重濃度データ上の対数線形回帰を使用して決定した。決定係数が0.800未満であり、または無限大へのAUCの外挿が総面積の20%超を表し、または終末消失相が同定されなかった場合、終末消失相が関連するパラメーターは報告しなかった。表19において記載したパラメーターを、観察または計算した。
LLOQ未満の濃度(0未満のものを除いて)を含めた血清からの全てのデータを、薬物動態分析に適用した。
シアル酸の尿中濃度を、Microsoft(登録商標)Excel、2007を使用して計算に供した。LLOQ未満の濃度(0未満のものを除いて)を含めた尿からの全てのデータを適用した。
投与前尿試料のデータを適用して、投与後12時間におけるシアル酸の尿中排泄の全体的増加を計算した。投与された用量のパーセントとしてのシアル酸の尿中排泄を、それぞれの投薬の機会について推定した。経口投与の後の尿中に排泄される薬物の量は吸収された用量の反映であったという仮定に基づいて、シアル酸のバイオアベイラビリティーは、IVおよび経口投与に続く排泄パーセント値に基づいて決定した。
表20において記載したパラメーターを観察または計算した。
研究期間にわたるシアル酸の経口投与または静脈内投与に続いて留意された、処置に関連する臨床的徴候は存在しなかった。研究の間に皮膚の発赤が動物番号201および203について留意されたが、これは偶発的であると考えた。
研究期間の間に任意の動物について留意された、処置に関連する体重または体重増加における変化は存在しなかった。体重または体重増加における差異は、予想される生物学的バリエーションと関連する可能性が高かった。
IVまたは経口投与に続く、時間に対するビーグル犬の血清中のシアル酸の個々の濃度を、図8A〜8Hにおいて示す。
TA−1
バックグラウンドシアル酸レベルは、僅かに0超であるが、LLOQの20%未満であった動物番号103を除いて、6匹の動物の内5匹の投与前試料について0未満であった。
動物毎に3250mgのSAの、調製されたカプセル剤中でのTA−1の経口投与に続いて、12.6〜40.8μg/mLの範囲のピーク濃度が観察された。動物番号103(0.5時間)を除いて、投与後2時間においてTmaxが観察された。6匹の動物全てについて、シアル酸の濃度は投与後24時間において0未満のレベルに減少した。投与後24時間において動物番号201の濃度(22.0989μg/mL)は、>LLOQ値であったため、異常であると考え、分析から除外したが、それに続く3つの<LLOQの試料は、サンプリングシークエンスにおいて3つの定量化可能な濃度であった。
サンプリング期間の終わり頃に、シアル酸濃度の減少は明らかであったが、終末消失半減期は、1.39〜1.49時間の範囲で、動物番号103、201および203についてのみ計算することができた。
TA−1のバイオアベイラビリティーは、IVおよび経口投与に続く個々のAUC(0〜t)値に基づいて2.73%〜6.76%の範囲であると推定した。
全ての投与前尿試料は、測定可能な濃度のシアル酸を有し、一方、データは、8.16〜25.1μg/mLの範囲で各個体について変化した。動物番号202(投与後0〜4時間)を除いて、投与後4〜8時間に収集した試料についてシアル酸の最大排泄が観察された。尿中に排泄されるシアル酸の総質量は、TA−1中に含有されるSAの用量の0.43〜3.56%と同等であった。
TA−1のバイオアベイラビリティーは、IVおよび経口投与に続く個々の尿中排泄パーセント値に基づいて1.29%〜39.1%の範囲であると推定した。
TA−2
バックグラウンドシアル酸レベルは、僅かに0超であるが、LLOQの20%未満であった動物番号101を除いて、動物番号102および103の投与前試料について0未満であった。
動物毎に3250mgのSAの、調製された錠剤中でのTA−2の経口投与に続いて、投与後2.00〜4.00時間にTmaxが観察され、ピーク濃度は7.98〜13.7μg/mLの範囲であった。シアル酸の濃度は、全ての投与された動物について投与後24時間において、Tmax後に0未満のレベルに全体的に減少した。動物番号103において、シアル酸の消失半減期は1.28時間であると推定した。動物番号101および102について、測定可能なデータは終末期消失相を同定するのに十分でなかったため、半減期は推定することができなかった。
TA−2の経口バイオアベイラビリティーは、IVおよび経口投与に続く個々のAUC(0〜t)値に基づいて1.64%〜3.25%の範囲であると推定した。
全ての投与前尿試料は、13.5〜34.8μg/mLの範囲のシアル酸の測定可能な濃度を有した。全ての動物について投与後4〜8時間に収集した試料についてシアル酸の最大排泄が観察された。投与後に尿中に排泄されるシアル酸の全体的増加は、TA−2中に含有されるSAの用量の1.08〜3.20%と同等であった。
TA−2のバイオアベイラビリティーは、それぞれ、動物番号102および103について、IVおよび経口投与に続く個々の尿中排泄パーセント値に基づいて2.53%および3.73%であると推定された。バイオアベイラビリティーは、動物番号101について97.4%であり、これは、IV用量のその低い排泄パーセント値によって他の2匹の動物より著しく高かった。
TA−3
バックグラウンドシアル酸レベルは、3匹の動物全ての投与前試料について0未満であった。
動物毎に3250mgのSAの、調製された錠剤中でのTA−3の経口投与に続いて、投与後2.00〜4.00時間にTmaxが観察され、ピーク濃度は6.52〜17.0μg/mLの範囲であった。シアル酸の濃度は、3匹の動物全てについて投与後24時間において、Tmax後に0未満のレベルに全体的に減少した。しかし、3匹の動物について、測定可能なデータが終末期消失相を同定するのに十分でなく、または無限大へのAUCの外挿が総面積の20%超を表したため、半減期は推定することができなかった。
TA−3の経口バイオアベイラビリティーは、IVおよび経口投与に続く個々のAUC(0〜t)値に基づいて1.46%〜4.14%の範囲であると推定された。
全ての投与前尿試料のシアル酸の濃度は、10.1〜11.2μg/mLの範囲で僅かにLLOQ超であることが留意された。それぞれ、動物番号102および103について投与後4〜8時間、ならびに動物番号101について投与後8〜12時間に収集した試料について、シアル酸の最大排泄が観察された。投与後に尿中に排泄されるシアル酸の全体的増加は、TA−3中に含有されるSAの用量の0.94〜2.99%と同等であった。
TA−3のバイオアベイラビリティーは、それぞれ、動物番号102および103について、IVおよび経口投与に続く個々の尿中排泄パーセント値に基づいて3.49%および1.51%であると推定された。バイオアベイラビリティーは、動物番号101について85.0%であり、IV用量のその低い排泄パーセント値によって、これは他の2匹の動物より著しく高かった。
TA−4
TA−4で処置された動物において、投与後30分超においてシアル酸は測定可能でなかった。
動物毎に5000mgのSAの、調製された錠剤中でのTA−4の経口投与に続いて、投与後4時間および6時間において濃度がLLOQより僅かに上であった1匹のイヌ(動物番号201)を除いて、シアル酸の濃度の大部分は、LLOQ未満であった。8.97〜15.7μg/mLの範囲のピーク濃度を伴って、投与後2.00〜4.00時間でTmaxが観察された。シアル酸の濃度は、全ての投与された動物について投与後24時間において、Tmax後に0未満のレベルへと全体的に減少した。測定可能なデータは終末期消失相を同定するのに十分でなかったため、半減期は推定することができなかった。
TA−4の経口バイオアベイラビリティーは、IVおよび経口投与に続く個々のAUC(0〜t)値に基づいて1.57%〜2.09%の範囲であると推定された。
全ての投与前尿試料は、6.4〜42.6μg/mLの範囲のシアル酸の測定可能な濃度を有した。それぞれ、動物番号201および203について投与後8〜12時間、ならびに動物番号202について投与後0〜4時間に収集した試料について、シアル酸の最大排泄が観察された。投与後に尿中に排泄されるシアル酸の全体的増加は、TA−4中に含有されるSAの用量の0.54〜1.93%と同等であった。
TA−4のバイオアベイラビリティーは、IVおよび経口投与に続く個々の尿中排泄パーセント値に基づいて、動物番号202および203について1.42%および2.55%であると推定された。動物番号101のバイオアベイラビリティーは、投与前データによって補正されるとき、投与後のシアル酸の排泄された質量を0であるように設定したため推定することができなかった。
TA−5
全ての動物のバックグラウンドシアル酸レベルは、投与前試料および投与後15分の試料の両方について0未満であった。
動物毎に5000mgのSAの、調製された錠剤中でのTA−5の経口投与に続いて、投与後4時間および6時間においてLLOQより僅かに上であった動物番号201を除いて、シアル酸の濃度の大部分はLLOQ未満であった。7.79〜15.3μg/mLの範囲のピーク濃度を伴って、投与後4.00〜6.00時間でTmaxが観察された。シアル酸の濃度は全体的に、3匹の動物全てについて投与後24時間において0未満のレベルに減少した。しかし、3匹の動物について、測定可能なデータは終末期消失相を同定するのに十分でなかったため、半減期は推定することができなかった。
TA−5の経口バイオアベイラビリティーは、IVおよび経口投与に続く個々のAUC(0〜t)値に基づいて1.47%〜1.96%の範囲であると推定された。
全ての投与前尿試料のシアル酸の濃度は、2.27〜23.6μg/mLの範囲であった。それぞれ、動物番号202および203について投与後4〜8時間、ならびに動物番号201について投与後0〜4時間に収集した試料について、シアル酸の最大排泄が観察された。投与後に尿中に排泄されるシアル酸の全体的増加は、TA−5中に含有されるSAの用量の0.02〜1.70%と同等であった。
TA−5の経口バイオアベイラビリティーは、IVおよび経口投与に続く個々の尿中排泄パーセント値に基づいて、それぞれ、動物番号202および203について、0.52%および2.24%であると推定された。動物番号101のバイオアベイラビリティーは、投与前データによって補正されるとき、投与後のシアル酸の排泄された質量を0であるように設定したため推定することができなかった。
TA−6
シアル酸の血清レベルは、僅かに0超であるが、LLOQの20%未満であった1匹のイヌ、動物番号102を除いて、大部分の動物の投与前試料について0未満であった。
6匹の動物全てについて、25mg/kgのTA−6の静脈内用量に続いて、シアル酸の濃度は、投与後4時間の時点においてLLOQ未満のレベルに、次いで、投与後8時間の時点において0未満のレベルに急速に減少した。動物番号203が、前の時点と比較したとき投与後6時間において非常により高い濃度を示したことを除いて、動物において濃度は全体的に低下した。イヌにおいて、0.56〜1.40時間の範囲の半減期を伴ってシアル酸は消失した。
尿中のシアル酸の濃度は、各動物によって異なった。投与後に収集した尿中のシアル酸レベルは、動物番号201について投与前より低く、投与後試料の3つの濃度の内2つは0未満として検出されたことが留意された。
6匹の動物のうち5匹の尿において、IV用量は投与された用量の72.4〜87.7%が排泄されることがもたらされた。1匹のイヌ(動物番号101)は、適用された用量の1.1%のみの排泄を示した。
TA−6の個々の尿中排泄パーセントを使用して、経口用量のデータを調整し、吸収されたシアル酸の画分(Fu、%)を説明した。本明細書において報告されたデータから、動物番号101はIV用量の後の投与後に非常により低い尿中排泄を有することが観察され、これは同じ群における他の動物と比較したとき、その経口用量について推定した著しくより高い値のバイオアベイラビリティーをもたらした。
要約すれば、TA−1〜TA−5の経口投与後、低いシアル酸レベルが血清において検出されたが、これらの大部分は、定量限界未満に下落した。6.52〜40.8μg/mLの範囲のピーク濃度は、投与後0.5〜6時間で観察された。TA−6の静脈内用量からの血清濃度データに基づいて計算して、0.56〜1.40時間の半減期を伴って、シアル酸は消失した。バイオアベイラビリティーは、IVおよび経口投与に続く個々のAUC(0〜t)値に基づいて推定した。血清中のシアル酸について推定した薬物動態パラメーターを、表21〜表23において提示する。
全ての投与前尿試料は、測定可能な濃度のシアル酸を有し、これを使用して、投与後12時間におけるシアル酸の尿中排泄における全体的増加を補正した。血清と対照的に、尿試料中に検出された濃度の大部分は、定量化の限度を超えた。投与された用量のパーセントとしてのシアル酸の尿中排泄は、それぞれの投薬の機会について推定した。経口投与後に尿中に排泄される薬物の量は吸収された用量の反映であったという仮定に基づいて、シアル酸のバイオアベイラビリティーは、IVおよび経口投与に続く排泄パーセント値に基づいて決定した。シアル酸について推定した尿中排泄パラメーターを、表24〜表26において提示する。
結論として、ビーグル犬における単回の経口または静脈内用量に続く異なる製剤中のシアル酸の薬物動態を、この研究における血清および尿中濃度データに基づいて推定した。
(実施例6)
シアル酸延長放出(SA−ER)に関するイヌ薬物動態研究
概説:正常なイヌにおけるクロスオーバー研究設計において3つの異なる単回用量においてSA−ER錠剤の吸収および薬物動態をアセスメントし、イヌ薬物動態(PK)を得た。7日間の1日3回の投薬で与えたときに、SA−ERの蓄積用量効果をアセスメントした。
試験物品:
− 325mgのSA−ER錠剤(上記の実施例において例示するような)
− 胃管栄養法:325mg/mLで食塩水に溶解したシアル酸粉末(API)
設計:
− N=5のイヌにおいて1週間の洗い流しを伴う4つの継続的1用量研究を行った;5個の錠剤、10個の錠剤、次いで15個の錠剤
− 1つの別々の反復用量研究を行った:1625mg/用量(=5個の錠剤)TID、8時間毎、7日間(4875mg/イヌ/日)
− 投薬の前に食品を絶食させ、用量の約4時間後に摂食させる
− 体重(BW)、毎週
− 投薬日にPKのサンプリングを行い、尿を収集する(0〜24時間プールする/イヌ)
結果:
図9〜12は、結果のグラフデータを示す。
SA−ERによって、イヌにおいて妥当な定常状態の血中レベルを得た。
血清レベルは、用量レベルに対して比例的ではないが、用量依存的な差異を示した。
反復投薬は、有意なトラフSAレベルを維持していくらかの蓄積を示したが、高いピークはなかった。
API胃管栄養法は、恐らく早期の胃に基づく吸収によって、SA−ERより高いCmaxを伴ってより良好に吸収された。
ゴールは、ピークを伴わない広範で平坦な吸収曲線であった。
尿中の総シアル酸は、上の2種の用量レベルにおいて吸収の平坦化を示唆した。
全体的に、イヌPKデータは、1日当たり3回の反復投薬で、遊離シアル酸のバックグラウンドレベルの約10倍の速いクリアランスにも関わらず、トラフSAレベルが維持されたことを示した。
(実施例7)
遺伝性封入体ミオパチー(HIBM)を有する患者におけるシアル酸延長放出(SA−ER)錠剤の単回用量および反復用量の薬物動態の評価
この研究を行い、単回および反復投薬の後のシアル酸延長放出(SA−ER)の薬物動態を決定した。より特定すると、下記の研究は、遺伝性封入体ミオパチー(HIBM)を有する患者における、空腹時および摂食状況の両方における4(4)種の用量レベルでの単回用量、それに続く3(3)種の用量レベルでの7日の反復用量による、SA−ERの薬物動態(PK)パラメーターを評価した。
全体的な設計および制御方法
これは、HIBMを有する患者におけるSA−ERのオープンラベル、単回用量(入院患者)、ならびに反復用量(入院患者および外来患者)研究であった。それぞれが325mgのシアル酸を含有する経口投与された延長放出錠剤(上記の実施例において例示するような)を研究した。反復用量を、1日3回(TID)のスケジュールで投与した。
全てのスクリーニング手順(研究−28〜−3日目)が完了した後、各患者は研究ユニットに入り、3日の単回用量(空腹時)期間(研究0〜3日目)、それに続く2日の外来患者の洗い流し期間(研究4〜5日目)、単回用量(摂食)期間のための2日間の再入院(研究6〜8日目)、5日の外来患者の反復用量処置期間(研究9〜12日目)、最後の2日の反復投薬のための再入院(研究13〜14日目)、および翌日の研究ユニットからの退院(研究15日目)のために研究適格性を確認した。各患者は、最後の退院の概ね1週間後に経過観察の電話を受けた。研究日は、登録および用量レベル段階分けに応じて、継続的暦日であってもよく、または継続的暦日でなくてもよい。
研究被験体の登録および処置群への割当て
任意の研究に関連するスクリーニング手順を受ける前に、それぞれの潜在的な被験体は、インフォームドコンセントを提供した。インフォームドコンセントは、記載され、サインをし、日付を入れたインフォームドコンセント形態によって文書化された。調査者は、潜在的な被験体にインタビューすることによって、およびパー−プロトコルスクリーニングアセスメントを行うことによって、研究についての潜在的な被験体の適合性を決定した。十分な数の潜在的な被験体を、概ね2(2)つの研究サイトにおける概ね24人の研究被験体に登録するかについてスクリーニングした。試験薬を投与された後、研究から撤退し、または除かれた患者は、ケースバイケースのベースで入れ替えた。
研究0日目のチェックインにおいて、研究に適任である各患者に、固有な患者番号が逐次的に割り当てられた。この患者番号は、研究を通して患者の症例報告書(CRF)データを同定した。
研究の期間
各患者は、病院ユニットまたは第1相ユニットにおける7日間の夜間の滞在を必要とする14日の処置相を含めて、概ね4〜8週間研究に参加することができた。
全てのスクリーニング手順(研究−28〜−3日目)が完了した後、各患者は研究ユニットに入り、3日の単回用量(空腹時)期間(研究0〜3日目)、それに続く2日の外来患者の洗い流し期間(研究4〜5日目)、単回用量(摂食)期間のための2日間の再入院(研究6〜8日目)、5日の外来患者の反復用量処置期間(研究9〜12日目)、最後の2日の反復投薬のための再入院(研究13〜14日目)、および翌日の研究ユニットからの退院(研究15日目)のために研究適格性を確認した。各患者は、最後の退院の概ね1週間後に経過観察の電話を受けた。研究日は、登録および用量レベル段階分けに応じて、継続的暦日であってもよく、または継続的暦日でなくてもよい。この研究における個体患者についての推定した期間は、概ね4〜8週間であった。
患者の選択および制限
組み入れ基準
この研究に参加するのに適格な個体は、下記の基準の全てに合致しなければならなかった。
1、18歳から70歳の年齢でなくてはならない。
2、研究の性質を説明された後、および任意のリサーチが関連する手順の前に、記載され、サインをしたインフォームドコンセントを提供する意志があり、提供することができる。
3、遺伝子試験によって確認された、GNE/MNK酵素をコードする遺伝子における示された変異による、遠位型ミオパチーとしてもまた公知である遺伝性封入体ミオパチー(HIBM)、縁取り空胞(DMRV)、または埜中ミオパチーの文書化された診断を有さなければならない。
4、病院ユニットまたは第1相ユニットにおける複数日の夜間の滞在を含めて、全ての研究手順に応じる意思があり、応じることができる。
5、性的に活発な被験体は、研究に参加している間およびSA−ERの最後の用量を投与された後30日間、避妊の許容される方法(すなわち、二重バリア法)を使用する意思がなくてはならない。
6、出産可能な女性は、スクリーニングにおいて妊娠試験が陰性であり、研究の間にさらなる妊娠試験を受ける意思がなくてはならない。出産可能でないと考えられる女性は、少なくとも2年間閉経しており、またはスクリーニングの前少なくとも1年間、両側卵管結紮を有しており、または子宮全摘出術を受けているものを含む。
除外基準
下記の除外基準のいずれかに合致した個体は、研究に参加するのに適格でなかった。
1、スクリーニングにおいて妊娠中もしくは母乳を与えており、または研究の間の任意の時において妊娠中(自身もしくはパートナー)となる計画がある。
2、スクリーニングの前30日以内に任意の治験用生成物もしくは治験用医療器具の使用、または全てのスケジュール化された研究アセスメントの完了の前に任意の治験用薬剤に対する必要性。
3、スクリーニングの前30日の間に、この基質を化学または栄養サプリメント形態のいずれかで提供するManNAc、シアル酸、または関連する代謝物またはシアル酸ドナーの服用。スクリーニングの前30日を超えて、ManNAcまたは他の基質を使用した場合、使用の期間、使用した化合物、ならびに用量および用量レジメンを、患者の履歴に記録すべきである。患者が過去において基質置換治療を受けてきた場合、調査者は、患者を登録する前に、この治療の潜在的な交絡効果を考慮しなければならない。
4、調査者の意見によれば、即時の外科的介入または他の処置の根拠となる、状態、重症度および激しさが存在すること。
5、調査者の判断では、被験体を有害効果についての増加した危険に曝す、SAまたはその賦形剤に対する任意の過感受性が存在することまたは履歴があること。
6、研究への参加を妨げ、または安全性に影響を与える同時発生的疾患または状態、例えば、嚥下困難が存在すること。
7、調査者の見解では、被験体を乏しい処置の順守または研究を完了しない高い危険に曝す、任意の状態が存在することまたは履歴があること。
8、正常上限(ULN)の>3倍の血清トランスアミナーゼ(ALT、AST、GGT)レベル、または>2.0mg/dLの血清クレアチニン。
禁止された医薬品
患者がスクリーニングの30日前以内に任意の治験用生成物もしくは治験用医療器具を使用した場合、または患者が全てのスケジュール化された研究アセスメントの完了の前に任意の治験用薬剤を必要とした場合、患者は登録されなかった。この基質を化学または栄養サプリメント形態のいずれかで提供するN−アセチル−D−マンノサミン(ManNAc)、シアル酸、または関連する代謝物またはシアル酸ドナーを服用することは、スクリーニングの前30日の間および研究を通して禁止された。ManNAcまたは他の基質が、スクリーニングの前30日を超えて使用された場合、患者の履歴に使用の期間、使用した化合物、ならびに用量および用量レジメンを記録した。患者が過去に基質置換治療を受けてきた場合、患者を登録する前に、調査者はこの治療の潜在的な交絡効果を考慮した。
患者は、スクリーニングの4日前から研究15日目の研究ユニットからの退院の時まで、アルコール、タバコもしくは任意のニコチン含有製品、任意のカフェイン含有食品もしくは飲料、またはグレープフルーツもしくは任意のグレープフルーツ含有製品の使用を許されなかった。
許容される医薬品
特に禁止された医薬品以外は、患者は併用医薬品を必要に応じ投与されることができた。患者がSA−ER以外の任意の医薬品を摂取した場合、患者は、薬物投与日誌に医薬品を摂取した日付および時間、医薬品の名称、ならびに医薬品を摂取した理由を記録した。
任意の併用医薬品または他の処置を、処置の投与量および期間と共に、患者の医療記録およびCRFに記録した。
臨床治験供給品および投与
製剤、パッケージング、およびラベル表示
この研究において使用したシアル酸延長放出錠剤(SA−ER錠剤)は、上記の実施例において例示されるように、325mgのシアル酸活性成分を含有し、概ね780mg(43%活性)の重量の白色の長円形のフィルムコート錠であった。錠剤は経口投薬のためであり、24時間までの活性成分であるSAの持続放出を行うために開発された。錠剤製剤中に含有される全ての賦形剤(不活性)は、USPまたはUSP NF概論の仕様に合致し、一般的に安全と認められるもの(GRAS)であった。錠剤の製造において、動物に由来する生成物は使用しなかった。薬物生成物(錠剤形態)を、適正製造基準(GMP)レギュレーションに従って製造し、パッケージングし、ラベル表示した。
SA−ER325mg錠剤を、ボトルに詰め、ラベル表示した。各ボトルは、プロトコル番号、スポンサーの名称および市、州、および郵便番号、内容物の同一性および強度(「シアル酸延長放出錠剤、325mg」)、ボトル中の錠剤の数、ロット番号、貯蔵条件、ならびに記述「注意:新規薬物−連邦法(US)によって治験使用に限定」を示すラベルでマークした。
研究薬物投与
患者は、単回用量相において4(4)つの用量レベルの1つ、および反復用量相において3(3)つの用量レベルの1つでSA−ER錠剤を経口投与された。反復投薬の間に、総1日用量を、朝、夕方、および就寝時(qHS)に与える3つの用量に均等に分割した(下記を参照されたい)。プラセボまたは活性比較物は投与せず、研究薬物はオープンラベルベースで投与された。
24人の登録した患者のそれぞれは、特定の用量レベルに逐次的に割り当てられ、その同じ用量レベルにおいて2つの単回用量曝露を受けた(空腹時および摂食)。より高い用量のコホートを割り当てる前に、低用量コホートに補充した。次いで、患者を1つの反復用量レジメンを投与されるように割り当てた。より高い反復用量レベルに進行する前に、より低い用量の反復用量コホートに補充した。用量レベルは、下記の通りであった。
単回用量:
650mg(n=6)
1,950mg(n=6)
2,925mg(n=6)
4,875mg(n=6)
複数回投薬:
650mg、TID(1,950mg/日;n=8)
975mg、TID(2,925mg/日;n=8)
625mg、TID(4,875mg/日;n=8) 。
研究薬物の単回用量は、サイトの職員によって投与され、その間、患者は病院または第1相ユニットに収容された。反復投薬レジメンのために、各患者に、薬物アカウンタビリティー日誌と共に、逐次的に割り当てられた用量レベルの研究薬物の7日分の供給品を分配した。
患者は、下記のスケジュールに従ってSA−ERを水と共に1日3回摂取するように指示された。朝(7:00AM〜9:00AM)、夕方(5:00PM〜7:00PM)、および就寝時(qHS;10:00PM〜12:00AM)。用量を忘れる可能性に備えて、患者は定刻の6時間後までで、少なくともそれに続く用量を摂取する2時間前に、飲み忘れた用量を摂取するように指示された。患者は、二重の用量を摂取しなかった。患者は、投与された錠剤をそのままで嚥下し、これらを粉砕または咀嚼しないように求められた。
研究スキーム(図13)において示すように、より低いレベルからより高いレベルまでの曝露で進展して用量レベルを逐次的に研究した。2人以下の患者に、現在研究している用量レベルを第1週にその用量レベルで投与し、最初の2人の患者に研究している用量を投与した後に重大な事象が起こらないことを前提として、残りの4人の患者をその用量レベルで翌週またはその後すぐに処置するように、それぞれの単回用量レベルにおいて、登録は段階的であった。6人の患者全てに所与の用量レベルで単回用量を投与すると、その毎日の曝露(TID用量に分割する)での反復投薬を始めた。
上で示すように、この研究におけるSA−ERの最大1日用量は、1,625mgのTIDとして投与する4,875mgであった。研究薬物の投与の最大期間は、単回用量、それに続く2日の洗い流し期間、次いで第2の単回用量(妥当な場合、それに続く洗い流しを伴わずに)、それに続く7日のTID投薬期間であった。研究日は、登録および用量レベル段階分けに応じて継続的でよく、または継続的でなくてもよかった。
モニタリングの順守
患者は、単回用量期間の間に病院または第1相ユニットに収容され、この時に、研究医薬品を分配され、サイトの職員の監督下で摂取した。反復投薬レジメンのために、各患者に逐次的に割り当てられた用量レベルでの研究薬物の7日分の供給品を分配し、薬物アカウンタビリティー日誌に研究薬物の自己投与の記録を継続するように求めた。この日誌は、患者が研究13日目に研究ユニットに戻ったとき、および研究15日目の退院の前にサイトの職員によって収集されたときにチェックされた。サイトの職員は、各患者に分配した全ての医薬品の記録を保持した。
盲検手順
これは、オープンラベル研究であった。患者は、研究0日目に病院または第1相ユニットにおいてチェックインしたときに、オープンラベルSA−ER用量群に逐次的に割り当てられた。
研究手順およびアセスメント
手順のタイプおよびシークエンス
研究の全体的な流れを、図13において例示する。
スクリーニングアセスメント
潜在的な研究参加者を、研究0日目の研究ユニットへの入院の前に概ね3〜5日(28日まで許容)スクリーニングした。スクリーニング手順は、病歴を得ること、身体的および神経学的検査を行うこと、臨床検査試験(血液化学、血液学、尿検査、伝染性ウイルス性疾患[A型肝炎、B型肝炎、およびC型肝炎、ならびにヒト免疫不全ウイルス]についての試験、ならびに尿妊娠試験[女性のみ])のために試料を得ること、ならびに生命徴候(5分の座位後、心拍数、血圧、呼吸数、および温度を含めた)、身長および体重、ならびに従前の医薬品を記録することを含んだ。
スクリーニングアセスメントの結果の評価に続いて、組み入れ基準および除外基準に合致し、除外の任意の他の理由を提示しなかった患者は、研究への登録について適格であると考えた。
スクリーニングの失敗
潜在的な被験体がサインしたインフォームドコンセントを提示したが、組み入れ基準または除外基準に合致しなかった場合、または任意の他の理由のために、治験への参加について不適切であると考えられた場合、潜在的な被験体はスクリーニングの失敗であると考え、研究にさらに参加することを求めず、または許容しなかった。潜在的な被験体の除外についての理由、ならびに被験体を除外する決定を行った日付および時間を、潜在的な被験体のCRFに記録した。
単回用量相(0日目から7日目)
入院および最初の単回用量の投与(空腹時)
スクリーニング基準に合致した患者は、研究0日目の夕方に病院ユニットまたは第1相ユニットに入院した。病歴をアップデートし、参加基準の継続した順守をチェックした。体重を含めて身体的および神経学的検査を行い、全てのスクリーニング臨床検査試験を繰り返した。さらに、血液試料を、総および遊離シアル酸分析のために得た。生命徴候および併用医薬品を記録した。
研究0日目に患者は用量群に逐次的に割り当てられ、最も低い用量から開始し、より高い用量への逐次的ステップの割当てが続いた。2人以下の患者は現在研究している用量レベルを第1週にその用量レベルで投与され、最初の2人の患者が研究用量を投与された後に重大な事象が起こらないことを前提として、残りの4人の患者がその用量レベルで翌週またはその後すぐに処置されるように、登録は段階的であった。
有害効果(AE)は、事象が起こると自発的に報告することによって研究(経過観察によるスクリーニング)を通して連続的にモニターした。研究薬物のそれぞれの分配に続いて、薬物アカウンタビリティーを記録した。
研究1日目に、基準時点である0時間、4時間、8時間、12時間、16時間、20時間、および24時間における血液試料を収集し、遊離SAのベースラインの24時間の時間を一致させた血清レベルを決定し、SAレベルの概日サイクルを確立した。実際の採血時間を記録し、0時の時点を除いて、スケジュール化された収集時間の±30分以内であった。患者は、1日目の10:00PM(投薬の前夜)から研究2日目の10:00AM(投薬の日)まで、要求に応じての水以外は口から何も与えられなかった。
研究2日目に、研究医薬品の最初の単回用量を、240mLの水と共に概ね8:00AMに投与し、投与の前30分以内、ならびに下記の基準時点:投薬後、10分、20分、および30分ならびに1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、16時間、20時間、および24時間において、PK決定のための血液試料を収集した。実際の採血時間を記録し、10分、20分、30分、および1時間の時点について±5分以内、2時間の時点について±15分以内、ならびに全ての残りの時点について±30分以内であった。投与前30分以内、ならびに投薬後6時間、12時間、および24時間に、生命徴候(座位)を記録した。AEおよび任意の併用医薬品を記録した。
研究3日目に、0時において(研究2日目24時と同じ)総および遊離シアル酸のために試料を得た。生命徴候、AE、および任意の併用医薬品を記録した。患者は、研究3日目の手順の全てが行われた後、研究3日目の朝に病院ユニットまたは第1相ユニットから退院した。
第2の単回用量(摂食)の投与
患者は、研究6日目の夕方に病院ユニットまたは第1相ユニットに戻った。その時、患者は、体重を含めた身体的/神経学的検査を受け、適用できる場合、尿妊娠試験を行った(女性のみ)。生命徴候(座位)、併用医薬品、およびAEを記録した。
研究7日目に、研究医薬品の第2の単回用量(研究2日目と同じ用量)を、高い脂肪分/タンパク質の食事の消費に続いて30分以内に、240mLの水と共に概ね8:00AMに投与した。投与の前30分以内、ならびに下記の基準時点:投薬後10分、20分、および30分ならびに1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、16時間、20時間、および24時間において、PK決定のための血液試料を収集した。実際の採血時間を記録し、10分、20分、30分、および1時間の時点について±5分以内、2時間の時点について±15分以内、ならびに全ての残りの時点について±30分以内であった。投与前30分以内、ならびに投薬後6時間、12時間、および24時間に、生命徴候(座位)を記録した。AEおよび任意の併用医薬品を記録した。
反復用量相(研究8日目から研究14日目)
研究8日目に、0時において(研究7日目24時と同じ)総および遊離シアル酸のために試料を得た。生命徴候、AE、および任意の併用医薬品を記録した。上で記載したように、患者を反復用量レジメンに逐次的に割り当てた。患者は、薬物投与日誌を含めた完全な投薬説明書と共に、7日のTID投薬のための研究医薬品の適当な供給品を与えられ、または被験体は、研究医薬品を分配する来診のために病院または第1相ユニットに戻ることを後日にスケジュール化された。被験体は、退院の前に、病院または第1相ユニットにおいて被験体の最初の反復用量研究医薬品の用量を摂取した。
登録および用量レベル段階分けに応じて、研究日は継続的であり、または継続的でなかった。したがって、大部分の被験体は、7日の反復投薬のための研究医薬品を投与されることなく研究8日目に病院または第1相ユニットから退院した。これらの患者について、7日のTID投薬のために研究医薬品をもっぱら分配する目的のためにさらなる研究のための来診が必要とされた。この来診は、病院または第1相ユニットからの退院の前にスケジュール化された。この来診は、研究8日目の病院または第1相ユニットからの退院に続いて1週間から4週間までに行った。研究の目的のために、この来診は、これらの被験体について研究8日目の再開であると考えた。
この研究医薬品の分配のための来診の間に、AEおよび併用医薬品を記録した。患者は、薬物投与日誌を含めた完全な投薬の説明書と共に、7日のTID投薬のための研究医薬品の適当な供給品を与えられた。病院または第1相ユニットにおいて患者の最初の反復用量研究医薬品の用量を摂取した後、患者は退院した。
患者は、研究13日目の夕方に病院ユニットまたは第1相ユニットに戻った。その時、患者は、体重を含めた身体的/神経学的検査を受けた。生命徴候(座位)、併用医薬品、およびAEを記録した。研究薬物の残りの錠剤のカウントを行った。研究ユニットにいる間に患者は反復TID投薬を続けた。
研究14日目に、研究医薬品の朝の用量(概ね8:00AM)の前30分以内(0時)、ならびにその後4時間、8時間、12時間、16時間、20時間、および24時間の基準時点において、PK決定のための血液試料を収集し、遊離シアル酸の定常状態レベルを確認した。実際の採血時間を記録し、0時の時点を除いて、スケジュール化された収集時間の±30分以内であった。投与前30分以内、ならびに朝の用量の6時間後、12時間後、および24時間後に生命徴候(座位)を記録した。AEおよび任意の併用医薬品を記録した。
研究からの退院(研究15日目)
研究15日目に、0時において(研究14日目24時と同じ)総および遊離シアル酸のために試料を得た。生命徴候、AE、および任意の併用医薬品を記録した。残りの研究医薬品を患者から得て、さらなる用量を摂取しなかった。残る安全性の懸念がなければ、研究15日目の手順の全てを行った後、調査者の判断で患者を次いで病院ユニットまたは第1相ユニットから退院させた。
最終の研究15日目の退院手順が完了した後、患者は研究を完了したと考えられた。
生命徴候
生命徴候(5分の座位の後に記録、心拍数、血圧、呼吸数、および温度を含めた)を、スクリーニングにおいて、ならびに3つの入院患者研究期間(研究0〜3日目、6〜8日目、および13〜15日目)の間に毎日アセスメントした。研究2日目、7日目、および14日目に、投薬の前30分以内(研究14日目の最初の用量の前)、ならびにその後6時間、12時間、および24時間において生命徴候を記録した。スクリーニングにおいて、ならびに研究0日目、6日目、および13日目に、体重を測定した。
併用医薬品のモニタリング
併用医薬品の使用を、これらが摂取されたとき記録した。
薬物動態のアセスメント
SA−ERの薬物動態の評価は、反復投薬の後の、血清中の遊離可溶性シアル酸の定常状態レベルを含んだ。
研究1日目に、血液試料を、基準時点である0時間、4時間、8時間、12時間、16時間、20時間、および24時間において収集し、遊離シアル酸(SA)のベースラインの24時間の時間を一致させた血清レベルを決定し、SAレベルの概日サイクルを確立した。実際の採血時間を記録し、0時の時点を除いて、スケジュール化された収集時間の±30分以内であった。
研究2日目および7日目に、研究薬物投与の30分前以内、ならびにその後10分、20分、および30分ならびに1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、16時間、20時間、および24時間の基準時点において、PK分析のために血液を採取した。実際の採血時間を記録し、10分、20分、および30分ならびに1時間の時点について±5分以内、2時間の時点について±15分、ならびに全ての残りの時点について±30分であった。
14日目に、研究医薬品の朝の用量(概ね8:00AM)の前30分以内(0時)、ならびにその後4時間、8時間、12時間、16時間、20時間、および24時間の基準時点において、PK決定のための血液試料を収集し、SAの定常状態レベルを確認した。実際の採血時間を記録し、0時の時点を除いて、実際の収集時間の±30分以内であった。
収集した血液の総容量
全てのスケジュール化された研究アセスメントについての収集した血液の総容量は、概ね219mLであった。
統計学的考察および計画された分析
試料サイズの推定
単回用量相について群毎に6人および反復投薬相について群毎に8人の試料サイズは、研究の目的に合致する十分な情報を提供することが予想された。PKパラメーターをアセスメントするのに必要とされる患者の数を評価することによって、試料サイズを推定した。稀な疾患における従前の、ヒストリカルPK研究に基づいて、特に、遅い延長放出プロファイルが予想され、用量群毎に6〜8人の患者はPK決定のために十分であると決定された。用量群毎に6〜8人の患者の試料サイズ、および全部で24人の患者はまた、将来の研究のために用量レベルを計画するのに適当な用量−薬物レベルの関係の指標であると考えた。
薬物動態分析
遊離シアル酸およびその代謝物を、特定の液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC−MS/MS)の分析法を使用して定量化した。遊離シアル酸の血清濃度を測定し、このように得られたデータを一覧表示および作表した。
臨床治験供給品のアカウンタビリティー
貯蔵および取扱い
臨床治験供給品は、制御した室温にて安全な場所において貯蔵し、明るい光から遮蔽し、床から離しておいた。
それぞれの薬物動態サンプリング時点において、3.5mLの血液を血清分離チューブ中に入れ、4℃にて2000RPM(または同等の転換)で20分間スピンした。血清を分離し、2つの等しいアリコートに移し、分析の前に−70℃のフリーザーにおいて直立して貯蔵した。
結果−薬物動態データ
図14〜17は、ヒト患者についての650mg(図13)、1,950mg(図14)、2,925mg(図15)、および4,825mg(図16)の用量について空腹時単回用量投与で得たPKデータを示す。図17は、ヒト患者についての反復用量投与(650mg×3;1,950mg)で得たPKデータを示す。図18は、異なる反復用量投与(975×3;2,925mg)で得たPKデータを示す。観察されたレベルは正常な患者レベルを超え、HIBM疾患の発生が起こる前の小児期において観察されたレベルと近かった。これは、レベルが、臨床的に関連性があることを示唆する。さらに、図18および19のデータは、実質的なピークまたはトラフを伴わない優れた定常状態対照レベルの達成を示し、ここでは十分に高い用量は、連続的に一日中および一晩中、正常の用量の2倍である。
(実施例8)
第1相臨床ER/SA研究:暫定的安全性研究
「遺伝性封入体ミオパチー(HIBM)を有する患者におけるシアル酸−延長放出(SA−ER)錠剤の単回用量および反復用量の安全性および薬物動態を評価する第1相研究」と表題のある第1相研究を行った。研究は、HIBM患者におけるSA−ERの単回用量および7日の反復投薬の安全性および薬物動態(PK)を評価した。HIBM患者におけるシアル酸の欠乏状況は、正常で健常な志願者に対して活性成分の代謝を根本的に変化させることができるため、研究はHIBM患者において行った。当初のプロトコルは、325mg錠剤サイズを利用した4875mg/日までの用量を含み(表8を参照されたい、ヒプロメロースによる)、それに続いて500mg錠剤サイズを利用した6000mg/日におけるさらなるコホートを含むように修正された。500mg錠剤は、325mg錠剤と同じ製剤であり、より高い用量のSA−ERを投与される患者の利便性のために開発された。
この研究の特定のゴールは、下記の通りであった。
食品を伴う、および食品を伴わない、650mg、1950mg、2925mg、4875mg、および6000mg/日の単回用量の安全性を評価する。
等しく分割し、7日にわたり1日3回投与される、1950mg/日、2925mg/日、4875mg/日および6000mg/日の用量でのSA−ERの反復投薬の安全性を評価する。
食品を伴う、および食品を伴わない、単回用量のCmaxおよびAUCを含めたSA−ERのPK、ならびに反復投薬後の定常状態レベルを決定する。HIBM患者におけるバックグラウンドベースラインのSAレベルをまた決定する。
第2相において研究する用量についての最良の選択を確立する。
研究設計
全部で27人のHIBM患者を、2(2)つの研究サイトにおいて登録したが、26人のみが薬物を投与された。被験体に、単回用量相において5(5)つの用量レベルの1つで、および反復用量相において4(4)つの用量レベルの1つで、SA−ER錠剤を経口投与した。登録した被験体を特定の用量レベルに逐次的に割り当て、割り当てた用量レベルで2つの単回用量曝露を与えた(空腹時および摂食状況)。次いで、被験体が1つの反復用量レジメンを投与されるように割り当てた。反復投薬の間に、総1日用量を3つの用量に等しく分割し、朝、夕方、および就寝時(qHS)に与えた。プラセボまたは活性比較物は投与せず、研究薬物をオープンラベルベースで投与した。
研究薬物の単回用量は、サイトの職員が投与し、その間、被験体を病院または第1相ユニットに収容した。単回用量レベルは下記の通りであった。650mg(n=6);1950mg(n=6);2925mg(n=6);4875mg(n=4);および6000mg(n=6)。反復投薬レジメンのために、各被験体に、薬物アカウンタビリティー日誌と共に、研究薬物の7日分の供給品を逐次的に割り当てた用量レベルで分配した。複数回用量レベルは下記の通りであった。650mg、TID(1950mg/日;n=8);975mg、TID(2925mg/日;n=8);1625mg、TID(4875mg/日;n=6)および2000mg、TID(6000mg/日;n=6)。
図20に示すように、用量レベルはより低いレベルからより高いレベルの曝露に進展して逐次的であった。少なくとも2人の被験体に、同じ用量レベルで残りの4人の被験体に投薬する前に、両方の単回用量(空腹時および摂食状況)を投与するように、650mg、1950mg、2925mgおよび4875mgの単回用量レベルで、登録は段階的であった。残りの4人の被験体へと進行するかは、観察される安全性プロファイル次第であった。6人の被験体全てに所与の用量レベルで単回用量を投与すると、その毎日の曝露での反復投薬(TID用量に分割)が始まった。6000mg/日のコホートにおける被験体は、登録した通りに処置され、段階的ではなかった。より高い反復用量レベルに進行する前に、より低い用量の反復用量コホートに補充した。
研究結果
研究からの予備的な安全性および薬物動態結果を、下記に提示する。
予備的な安全性結果の要約
登録
被験体の登録ステータスおよび処置群への割当てを、下の表28および表29において示す。全部で37人の患者をスクリーニングし、27人が登録した。26(26)人の個々の被験体は投薬を完了し、1人の被験体は早期に死亡(投薬の前)し、8(8)人の被験体は投薬される前に同意を撤回した。少なくとも1つの用量を投薬された全ての被験体は、全ての投薬を完了した。
650mg、1950mg、2925mgおよび6000mgの単回用量コホートにおいて、6人の患者はコホート毎に投薬された。1950mg/日および2925mg/日の複数回用量コホートにおいて、8人の患者は、コホート毎に投薬された。4875mgのコホートは、単回用量段階において4人の患者および反復用量段階において6人の患者を有した。6000mgの用量レベルにおいて、単回および反復の両方の段階で全部で6人の被験体が存在した。6000mgの用量コホートにおける2人の被験体は、前の用量群において、研究により早期に参加した(被験体101−010Bおよび102−004B)。
全部で8人の患者が投薬の前に研究から撤退したが、これらの撤退は、下記の理由によるものだった。3人は同意を撤回し(個人的理由)、4人はスクリーニングの失敗であった(1人のGGTレベの上昇、1人はHIBMの確定診断なし、2人は禁止された併用医薬品)。1人の被験体は、早期の死亡であった(すなわち、処置の開始の前)。1人の被験体は適格であり、同意したが、6000mgのコホートが満員であったため投薬されなかった。有害事象により被験体は撤退せず、投薬を開始した後に被験体は撤退しなかった。
有害事象(AE)
死亡および他の重大または重篤な有害事象(SAE)
死亡または重大または重篤な有害事象(SAE)は、この研究において報告されていない。
有害事象(AE)
全てのAEの要約を、表30において示す。全部で31の有害事象が、投薬された26人の被験体の16人(61.5%)から報告された。全ての事象を、軽度または中等度のいずれかとしてランク付けした。3件の事象は、未知の転帰と共に報告された。1)研究薬物と無関係であると見なされた気管支炎;2)研究薬物と無関係であるとまた見なされた咳(これらの2件の事象は、同じ被験体101−016からであった);および3)最初の4875mgの単回用量の日に始まり、研究薬物と関係がある可能性があると見なされた末梢性浮腫(指の腫脹)(被験体101−017)。
中等度としてランク付けされた4つの有害事象があった。1)研究薬物と無関係であると見なされた転倒からの挫傷(被験体101−001);2)1950mgの単回用量の3日後に始まり、1日以内に解消し、研究薬物と関係がある可能性があると見なされた疲労/けん怠(被験体101−008);3)2925mgの反復用量相を完了した翌日に始まり(すなわち、退院に続く研究15日目、経過観察の電話の間に留意された)、2日以内に解消し、研究薬物と関係がある可能性があると見なされた頭痛(被験体102−008);および4)研究薬物の開始の2日前に報告され、同じ日に解消し、研究薬物と無関係であると見なされた背部痛(被験体102−014)。
現在までに報告された全部で31件の有害事象の内、16件は関連性がある可能性があり、16件の事象のうち2件は中等度および解消しており(上で記載したように)、残りの14件の事象は軽度であり、1件を除いて全ては解消された。解消されなかった1件は、未知の転帰を有した。軽度としてランク付けされた14件の有害事象の内、以下があった。
胃腸の(GI)障害の5件の事象。これらの内3件は、1950mgの用量における1人の患者(被験体101−003)において起こり、処置による発現ではないようであった。軽度であり、1950mgの用量の7日の投薬期間の最初の日に起こった「胃が重い」1件の事象(被験体101−008)、および1950mgで治療を続ける間の7日の処置期間の間に起こった「口内乾燥」の1件の事象(被験体102−005);
1日以内に解消した、1950mgの用量において軽度疲労として報告された1件の事象(被験体101−003);
2925mgの用量の最初の日に起こった無力症/体全体の脱力感の1件の事象は、軽度であり、治療を続けている間に解消した(被験体102−002);
1人の被験体(被験体101−013)における同じ日に起こり、単回用量期間および2925mgの用量レベルでの1週間の処置期間の間の期間において開始した、背痛および下肢痛のそれぞれ1件の事象;
1950mgの用量について7日の投薬期間の1日目における傾眠の1件の事象(被験体102−004);
1950mgの用量レベルについて7日の治療期間の2日目における咽喉痛の1件の事象(被験体101−008);
1日以内に解消し、4875mgの用量(被験体101−012)および6000mgの用量(被験体102−004B)において7日の投薬期間の最初の日に報告された、2人の被験体のそれぞれにおける軽度頭痛の1件の事象;
未知の転帰を伴い軽度であった、4875mgの単回用量レベルにおける指の腫脹(末梢性浮腫)の1件の事象(被験体101−017)。
最も一般の有害事象は、GI障害であった。合計で6件のGI事象が3人の患者によって報告され、6件の事象の内4件は、1950mgの用量における単一の患者(被験体101−003)からであった。被験体101−003におけるこれらの4件の事象の内3件は、恐らく関連すると見なされ、これらは7日の処置期間の前および最初において同時に起こった。しかし、タイミングは、処置によって発現した事象を反映するように思われず、最も高い6000mgの用量群においてGI事象は存在しなかった。処置または用量に関連する効果を示唆した胃腸障害に対するパターンは存在しなかった。服用されるシアル酸の量は、浸透圧性下痢を生じさせるのに必要とされる量の十分に下であり、すなわち、イヌ慢性毒物学研究において、最も高い2,000mg/kgの用量レベルにおいて軟便が観察されたが、この効果は、これらの結果に基づいて臨床研究に関連性がない。
全身的障害の中で、疲労、無力症または指の腫脹は、全部で4人の被験体において起こった。事象は1日または2日継続し、研究を継続している間、または治療を受けている間に解消した(2925mgの用量における被験体102−002)。これらの被験体は実質的な筋力低下を有し、疲労はHIBM患者の一般の症状である。処置によって発現した問題を示唆する観察される疲労のパターンは存在しなかった。最も高い用量群6000mgにおいて疲労の事象は存在しなかった。
要約すれば、現在まで観察される有害事象プロファイルは、目立つものではなく、用量関係を示さず、任意の用量レベルにおいて妥当な安全性のインパクトが存在することを示唆する有害効果のパターンを示さない。観察される有害事象の範囲およびタイプは一般であり、SA−ERがこれらの26人の被験体において任意の識別可能な有害効果を有したことを示唆し得る、任意の薬物に関連するまたは関連しない事象について用量依存的なパターンは存在しなかった。
臨床的アセスメント
病歴
広い範囲にわたる病歴は、スクリーニングにおいて得た。この履歴は、登録についてのそれぞれの潜在的な被験体の適格性を決定する過程において見直した。
一般に、被験体は、予想された深刻な筋萎縮および脱力感を示した。この年齢群(29〜61歳)における患者について典型的な種々の他の状態が観察された。
身体検査
完全な身体的および神経学的検査を、スクリーニングにおいて、ならびに研究0日目、6日目、および13日目に患者が病院または第1相ユニットにチェックインするたびに行った。神経学的検査は、認知、脳神経、運動機能、協調および歩行運動、反射、および感覚機能のアセスメントを含む。
ベースラインにおいて予想外の知見は存在しなかった。被験体は一般に、下肢および上肢において、歩行運動および筋肉の強度に影響を与えた中等度から深刻な脱力感を示した。この研究において脱力感の増加または筋肉の強度の喪失の徴候は存在しなかった。
生命徴候
重大な知見は観察されなかった。一般に、収縮期および拡張期血圧は、ベースラインにおいておよび研究の間、低い正常範囲内であった。全ての他の生命徴候は、目立つものではなかった。重大な異常は明らかでなく、処置によって変化は起こらなかった。
臨床的実験的アセスメント
この治験において行った臨床検査評価を、表31において一覧表示する。
いくつかの軽度の臨床検査異常が、殆どの場合スクリーニングにおいて観察されたが、明確に処置による発現である異常は存在しなかった。下記の一般の異常が観察された。
一般に、HIBM患者において公知の知見であり、予想された、クレアチンキナーゼの上昇が観察された。これらの異常レベルは正常な範囲を軽度に超えるものから正常な範囲の約2〜3倍の範囲であり、ベースラインにおいて存在した。処置による変化のパターンは存在しなかった。
患者の大部分において、低いクレアチニンが観察された。クレアチニンは通常ベースラインにおいて正常なレベルの約2分の1であり、処置によって変化しなかった。この知見は、HIBM患者における低筋肉量によるものである可能性が最も高く、これはクレアチニンの総量の減少をもたらす。
スクリーニングにおいて低い尿中尿酸レベルがこれらの被験体において観察され、これは処置によって変化しなかった。低い尿中尿酸レベルは、低筋肉量(例えば、クレアチニン)および低量のアデノシン−5’−三リン酸(ATP)代謝回転およびプリン分解と関連し得る。処置によって変化しないことは、SA−ERが不都合な二次ヌクレオチド代謝回転を誘発しないことを示唆する。すなわち、シアル酸は、CMP−シアル酸担体となるのにシチジン三リン酸(CTP)の付加を必要とする。CTPが過剰に消費された場合、これはヌクレオチド濃度を均衡させるためのATP分解の増加の必要性をもたらし、かつプリン分解からの尿酸の増加を生じさせる。この分解経路は、これらの結果に基づいて起こらない。
アルカリホスファターゼは、ベースラインにおいて多くの被験体において低く、これは処置によって変化しなかった。この結果は、HIBM患者における身体的活性の欠如およびより少ない骨代謝を反映し得る。
リパーゼおよびLDHは、ベースラインにて数人の被験体において辛うじて上昇した。また留意されるのは、限界に近い低ヘモグロビンおよび/またはヘマトクリット、白血球数におけるバリエーション、中程度またはボーダーラインのトランスアミナーゼレベルであった。観察された処置との関係は存在しなかった。
安全性の結論
結論として、研究薬物は、AEプロファイル、SAEが存在しないこと、ならびに任意のパラメーター(AE、身体検査、生命徴候および臨床検査評価)における処置によって発現した変化の欠如に基づいて、HIBM患者のこの群において耐容性良好であった。現在まで観察される有害事象プロファイルは、目立つものではなく、用量関係を示さず、重大な安全性のインパクトが存在することを示唆する有害効果のパターンを示さない。潜在的な問題(例えば、シアル酸負荷からの下痢)は観察されず、GI症状についての用量依存的な関係は存在しなかった。2人の患者において疲労が観察されたが、解消した。この集団における疲労および脱力感の蔓延、用量依存的な変化の欠如、および1つのケースにおける治療による解消を考えると、疲労は処置によって発現した現象でないように思われる。
この第1相研究における現在までの安全性評価に基づいて、第2相に進行することにおいて安全性の懸念は存在しない。
予備的な薬物動態結果の要約
登録
26人の被験体からのデータは、5つの単回用量レベル(空腹時および摂食状況)で、ならびに7日間の1日3回に分割した投薬(tid)による4つの反復用量レベルで得た。異なるコホートにおける患者の登録を、表32において示す。
PKデータ収集
プロトコルによって、コホート内の各被験体に、下記のような一連の、ベースラインにおける遊離血清シアル酸(SA)アセスメント、SA−ER投与、ならびにPKおよびSAアセスメントの収集を受けさせた。
1日目:遊離血清シアル酸レベルの概日サイクルを確立するための、ベースラインとしてのSAレベルの24時間のモニタリング。
2日目:空腹時用量の投与の後のSAレベルのPKおよび24時間のモニタリング
7日目:摂食用量の投与の後のSAレベルのPKおよび24時間のモニタリング
14日目:1日3回に分割された投薬でのSA−ERの投与の7日目の間のSAレベルの24時間のモニタリング。7日目の間、被験体のモニタリングの間にSA−ERを投与し、慢性投与での定常状態SAレベルを確立することを助けた。
SA−ERの単回用量の後の遊離SAレベルの分析(空腹時および摂食状況)
遊離血清シアル酸(SA)レベルを、0.05マイクログラム/mlの定量化下限(LLOQ)を伴う液体クロマトグラフィータンデム質量分析(LC/MS/MS)方法論を使用した有効なアッセイによって決定した。SA−ERの単回用量(空腹時および摂食状況)の後、ならびにベースラインにおける遊離SAデータを、各コホートについて要約し、図21においてグラフにより示す。
SAの平均ベースラインレベルは、全ての登録したHIBMに罹患した被験体について0.143(SD0.0094)mcg/mlであったが、これは正常な個体についての0.203(SD0.047)mcg/mlの平均SAより有意に低い(このプロトコル外で得た試料;n=47、年齢範囲18〜78歳、同じ有効なアッセイを使用して試験)。ベースラインSAレベルは、平坦なベースライン曲線についてかなりタイトな標準偏差を伴って、被験体のいずれかについて個々に(図示せず)も、群としても、SAレベルにおける重大な概日バリエーションを明らかにしない(図21)。
図21におけるPKプロットは、薬物が全体的に用量依存的な方式で吸収されることを示し、4875mgの用量レベル(325mg錠剤で)より曲線が低いピークレベルを有した6000mgの用量(500mg錠剤で)を除いて、用量を増加させると、曲線のサイズおよび形状の増加をもたらした。大部分の用量レベルについて、PK曲線は8〜12時間のSAレベルの増加を示し、6000mgの用量は増加したレベルを12〜16時間達成した。一般に、吸収の発生は、摂食に対して空腹時処置についてより早期であり、摂食曲線はより急速に低下する空腹時処置曲線より長く伸長した。
摂食曲線の比較(図21)は、食品が異なる用量群において可変性の効果を有したことを示す。PK曲線は、食品を伴う650mgおよび4875mgの用量群においてより低く、摂食および空腹状況の両方における2925mgの用量群において同様であり、食品を伴う1950mgおよび6000mgの用量群においてより高かった。一般に、吸収の発生は、摂食に対して空腹時処置についてより早期であり、摂食曲線はより急速に低下する空腹時処置曲線より長く伸長した。
大部分の用量群について、空腹時曲線は、より高いCmaxとなるが、1950mgおよび6000mgの用量について、摂食および空腹時についての見かけのCmaxは同様である。時間のシフトおよび曝露曲線の広幅化は、500mg錠剤による6000mgの用量について特に注目すべきであり、これは血中レベルにおける16〜20時間の有意な増加を示す。
空腹時および摂食曲線を比較するとき(図22および図23)、4875mg未満で、SAレベルにおける用量依存的な上昇が存在し(予想通りに)、SAの取込みは4875mg/日未満で飽和に達しているようではないことは明らかである。より高い用量レベルで、ピーク用量レベルにおける変動性の増加が存在し、これは、SAの吸収パターンにおける非常に有意な被験体間の変動性を表す。4875mgの単回用量レベル(n=4)において、4人の被験体の内2人は、正常(0.203mcg/mL)および同じ群における2人の他の被験体(被験体101−012:0.79mcg/ml;被験体101−017:0.5mcg/ml)と比較して、非常に高いレベルの遊離SAを有した(被験体101−016:1.36mcg/ml;被験体101−015:1.18mcg/ml)。6000mgの用量群は、4875mgの用量と比較して少しより高いCmaxを有することが予測される(6000mgが約20%より多い薬物であることを考えると)が、結果は単回用量PKについて実際により低かった。この理由は完全に確立されていないが、4875mgの単回用量群(このより小さな群においてより高い平均SAレベルに向かってデータをランダムに歪め得た)における全部で4人の被験体の内2人において達成された例外的に高い遊離SAレベルによる、または325mg錠剤と比較して500mg錠剤についてのより遅くより延長された吸収曲線によるものであり得る。
図23において「摂食」状況についてのPKプロットを比較するとき、4875mgの用量および6000mgの用量の間の差異は、空腹状況においてよりずっと少ない。さらに、4時間、8時間および12時間において殆ど同じであるレベルを有する、6000用量についての長期間の吸収は、他の「摂食」用量群に対してより延長された吸収曲線を示唆する。他の用量群は、用量依存的な吸収および食品による約12時間の重大な曝露を伴って同様に挙動する。
SA−ERの7日の反復投薬の後の遊離SAレベルの分析
各被験体は、7日の期間にわたり1日3回の投薬に分割された4つの反復用量レベルの1つを投与された。投薬の第7日目(プロトコル14日目)に、SAレベルの24時間のモニタリングを行い、定常および連続的曝露レベルが達成されているかどうかをアセスメントした。24時間のモニタリング期間にわたるPK曲線を、図24に示す。個々の反復用量群のPK曲線を示し(図24A〜24D)、次いで、全ての曲線を1つのパネル上で比較するためにグラフ化する(図24E)。右下における最後のパネル(図24)は、各用量群についての24時間のサイクルにわたる平均SAレベルの比較を示す。
曲線(図24A〜24D)は、SAの定常レベルが24時間のサイクルにわたり達成されることを示し、トラフは0.143mcg/mlのベースライン平均SA濃度に1度も達しない。1日3回に分割した1950mgの最も低い用量で(図24A)(650mgを1日3回、朝食前、夕食前、および就寝時に投薬)、曲線は、8時間において最も低いポイントに達するが、24時間のサイクルにわたり相対的に定常レベルを再び達成する。ピークレベルは20時間においてであり、被験体におけるPM用量および就寝時用量の集密を表す可能性がある。夜間のタンパク質同化活性を伴う筋肉の生理学を考えると、SA濃度曲線は、重大な夜の期間における適当なカバー度を示す。
1日3回に分割した4875mgまたは6000mgのより高い用量レベルで、全ての時点においてより有意なレベルが達成される(図24Cおよび図24D)。単回用量PKレベルは、異なる錠剤サイズ(それぞれ、325mgおよび500mg錠剤)を伴う4875mgおよび6000mgの用量について非常に異なったが、複数の日にわたり分割用量として与えられるとき、および本発明者らが各群における6人の被験体について24時間の平均SAレベルを比較するとき、2つの用量は同程度である(図24F)。500mg錠剤のより長いPK曝露時間は、投与の間のより大きな重複を提供し、それによって6000mgの用量においてより高い累積レベルをもたらし得る。未処置のHIBM患者のベースラインと比較したとき、2つのより低い反復用量群は、ベースラインの約2倍の遊離SAレベルを有し、2つのより高い用量レベルは、ベースラインSAレベルの約3倍である。全ての用量は、0.203(SD0.047)mcg/mlの正常な遊離SA血清レベルを軽く超えた遊離SAレベルをもたらした。
薬物動態パラメーターの形式的分析
WinNonLin、バージョン5.3(PharSight Inc.Mountain View CA、USA)を使用してPK分析を行い、単回用量データについての標準的PKパラメーターをアセスメントした。SAの内在的レベルが存在することを考えると、PKパラメーターの適切な計算は、投与され、吸収されたSAについての変化するレベルをアセスメントするために、ベースラインSAレベルの減算を必要とした。有意な概日効果は存在しなかったが、各被験体についてのベースラインSAレベルを、その時点についての対応するPKレベルから減じ、「調整された」データポイントを生じさせた。したがって、「調整された」という用語が使用されるときはいつでも、PKパラメーターは、ベースラインSAレベルの減算の後で計算したことを意味する。対応するベースラインレベルが存在しない時点、例えば、2日目PKからの短い30分時点について、この被験体からの平均ベースラインレベルを減じ、ベースラインを超える、SAレベルにおける調整された正味の増加を決定した。これらのデータを、表33A〜表33DにおけるPK表において完全に示し、重要なCmax、AUC、TmaxおよびT1/2値を下記に提示する。
maxデータ(表34)は、一般に、1950mgの用量レベルを除いて、全ての用量レベルについて空腹時データ(2日目)が最も高いCmaxを示したことを示す。最も高いCmax(0.958mcg/ml)は、325mg錠剤を使用した4875mgの用量群(n=4)において達成されたが、値の範囲はこの用量群内で約3倍であった(すなわち、0.423〜1.36mcg/ml)。500mg錠剤を使用した6000mgの用量レベル(n=6)で達成されたCmaxは、0.520mcg/mlにおいてより低く、非常によりタイトな標準偏差および0.335〜0.711mcg/mlの値の範囲を伴った。興味深いことに、反復用量相の間に、4875mg(n=6)および6000mg(n=6)である上の2つの用量は、それぞれ、0.676および0.661の同様のCmaxレベルを有した。
AUC0〜24時間データ(表35)は、2日目、7日目および14日目についての調整された値を示す。ベースラインPK値(1日目)は調整しておらず、薬物を与えなかったことを考えると、関連性がない。全ての曲線は、食品によるより遅い吸収の発生およびより長い曝露曲線を示した。Cmaxに対するインパクトとは異なり、AUCに対する食品のインパクトは、いくつかの用量レベルが空腹時状態でのより高いAUC(650mgおよび4,875mgの用量)、空腹時および摂食状態(2925mgの用量)の両方下の同様のAUC、ならびに食品を伴うより高いAUC(1950mgおよび6000mgの用量)を示しており複雑である。曲線の伸長は、いくつかの用量レベルについて、8〜16時間の期間においてより広範な曲線によってより低いCmaxピークの効果を補うように思われ、用量の間のより大きな潜在的な重複をもたらす。6000mgの用量について、空腹時の2.856mcg−hr/mlと比較して、摂食状況において4.165mcg−hr/mlにて投与されたとき、AUCは有意により大きい(約+46%)。500mg錠剤を使用して6000mgの用量が投与されたことを考えると、観察された差異は、インビトロの溶解データは325mgおよび500mg錠剤について同程度であるにも関わらず、吸収曲線に対するより大きな錠剤サイズの微妙な効果によるものであり得る。より大きな錠剤は、インビボでより長い時間の放出を有し得る。胃からのSAの排出を遅延させる食品の効果とカップリングしたこの差異は、SAの全体的な吸収を増強し得る(酸性度は、その電荷を中和させることによってシアル酸吸収を改善するはずである)。したがって全てを考慮して、データに基づいて、および理論に束縛されるものではないが、より大きな錠剤を食品と共に提供することは、正味のより良好な薬物吸収を提供し得る。とにかく結果から、食品を伴って、または伴わずに、薬物の適当な吸収は全ての用量レベルで起こることが明らかである。
さらに、14日目(または反復投薬の7日目)の間のAUC0〜24時間は、投薬を1日3回に分割したとき、全体的なより高いAUCレベルを定常状態において達成することができることを示し、これは、吸収に対するいくらかの飽和効果が存在することを示唆する。例えば、6000mgの用量レベルで、調整された反復用量のAUC0〜24時間は、6000mgの単回用量での2.856mcghr/ml(空腹状況)および4.165mcghr/ml(摂食状況)のAUCレベルと比較して、6.740mcghr/mlであった。6000mgの用量群のAUCは、用量が1つの単回用量としてよりもむしろ分割された反復用量として与えられたとき、約235%および約160%より高い。4875mgの反復用量群についてのAUC0〜24時間は、7.442mcghr/ml(標準偏差2.702)であったが、これは6000mgの反復用量群についての6.740mcghr/ml(標準偏差3.487)と同程度である。単回用量投与に続く4875mgおよび6000mgについてのPKにおける差異は大きいようであるが、データは1日3回の分割用量の投与に続いくものと同様であるように見え、これは臨床現場により関連性がある。SAの吸収が活発な飲作用をベースとする過程であり得ることを考えると(Oetke C.、Hinderlich S.、Brossmer R.、Reutter W.、Pawlita M.およびKeppler OT.、2001年、Evidence for efficient uptake and incorporation of sialic acid by eukaryotic cells. Eur. J. Biochem.、268巻(16号):4553〜4561頁)、薬物の吸収の飽和および競合は、同時に起こり得る。
食品がピークレベルに対して実質的なインパクトを有することができ、薬物が食品と共に投与されたとき、Tmaxは非常により遅くにシフトすることをTmaxデータ(表36)は示す。4875mgおよび6000mgの用量レベルについて、シフトは、それぞれ、2.8時間(空腹時)から6.0時間(摂食)、および4.3時間(空腹時)から9.6時間(摂食)であった。最も低い650mgの用量を除いて、他の用量レベルにおいて同様の変化が観察される。ピーク濃度時間および曲線の全体的な形状における変化は、食品がSA−ERの吸収において重要な要因であり得ることを示唆する。
反復投薬の間のTmaxは、夕方/夜間においてピークを示す(すなわち、夕方の用量および就寝時の用量が重複するとき)。このタイミングは、ピークのタンパク質合成の間の夜間における、適当なレベルのシアル酸を確実にする点からポジティブである。
3つのより高い用量におけるSA−ERの終末相半減期(T1/2)は同様であり(約3時間)、食品によって中程度に延長する(表37)。2つの最も低い用量において、T1/2は、5.6時間(650mg)および8.6時間(1950mg)でより長いように思われるが、これらの値は、食品によって一貫した変化をしない。内在的SAはこれらの調整されたPK計算において減じたにも関わらず、T1/2値は、非常に同様のサイズのSAの内在的プールの存在によってやはり影響を受けたことが可能である。それぞれ、薬物が存在しないこと、または反復投薬が存在することを考えると、ベースラインおよび反復投薬についてのT1/2値は、意味のあるものではない。
薬物動態の結論
SA−ERは吸収され、定常および有意な薬物レベルを(用量レベルに応じて)8〜16時間の期間にわたり提供し、SA吸収の程度において明確な患者間の変動性が存在することをデータは示す。AUCに対する食品のインパクトは複雑であるが、一般に、食品によってCmaxは低下し、Tmaxは遅延しているように見える。6000mg反復用量についてのAUCは、食品によって有意に改善した。より高い用量レベルで、平均SA濃度は、正常なSAレベルを2倍から3倍超えるレベルに達した。
6000mg/日の最も高い用量におけるデータは、4875mg/日の用量レベルより大きな吸収を示さなかったが、これは、4人の被験体の内2人が非常に高いレベルの遊離SAを有した、より低い4875mgの単回用量コホートにおけるデータの上向の歪みによるものであり得る。6000mg/日の単回用量投与の間に、PKパラメーターは、4875mg/日の用量と比較して、より低い最大薬物レベルおよびより長いPK吸収曲線を示唆する。反復投薬期間(および臨床的により関連性がある設定)において、6000mg/日の用量は、4875mg/日の用量と同様に機能した。これは500mg錠剤のより長いPK曝露時間によるものである可能性があり、これは投薬事象の間の重複(用量は1日3回に分割されたため)につながり、その用量においてより高い全体的なAUCレベルをもたらした。
全ての用量において達成されたSAレベルが正常な範囲を優に上回っており、かつPK曲線が24時間のサイクルにわたり相対的に定常であることを考えると、SA−ER錠剤は、延長放出製剤について予想通りに機能し、HIBM患者の筋肉におけるシアル酸レベルの欠乏を補正し、シアリル化を改善させることが予想される遊離SAのレベルを達成するはずである。
(実施例9)
組合せ用量のイヌ研究:延長放出シアル酸と組み合わせた即時放出シアル酸(錠剤)
イヌ研究からの予備データは、シアル酸即時放出製剤(SA−API)が、より良好に吸収され、より高いピークをより早期に示したが、より速くクリアランスされたことを示した。このように、組合せ用量のイヌ研究の目的は、延長放出シアル酸(SA−ER)へ即時放出シアル酸を添加することが、遊離および総SAレベルにおける増加を提供することができるかを決定することである。
研究1:
SA−ERへ即時放出シアル酸を添加することによって、吸収された総SAおよび平均遊離SAレベルにおける増加を提供することができるかどうかを決定するために、投薬の2つの継続相を行った。イヌにおいてSA−API(TID)を4日間経口送達し、それに続いて4日の組合せ用量SA−API+SA−ER錠剤(TID)を送達した。第1相:SA−ER錠剤:200mg/kg/日、4日間。第2相:SA−ER錠剤(200mg/kg/日)およびSA−API(100mg/kg/日)、4日間。血清中の遊離シアル酸レベルを測定した。結果を図25に示した。
研究2:
SA−ERへ即時放出シアル酸を添加することによって、より長い期間の投薬の後に定常状態に達することができ、かつ吸収された総SA/平均遊離SAレベルにおける増加を提供するかどうかを決定するために、投薬の3つの継続相を行った。SA−API(TID)を4日間経口送達し、それに続いて4日の組合せ用量SA−API+SA−ER錠剤(TID)を送達し、血清(イヌ)中の遊離シアル酸レベルを測定した。第1相:SA−ER錠剤:200mg/kg/日、4日間。第2相:SA−ER錠剤(200mg/kg/日)+SA−API(100mg/kg/日)、4日間。第3相:SA−ER錠剤(200mg/kg/日)+SA−API(200mg/kg/日)、4日間。血清中の遊離シアル酸レベルを、4日目および8日目および12日目に測定した(各投薬相の最終日)。結果を図26に示した。
各相の終わりについての曲線下面積(AUC)(4日目:0〜24時間):
− TID、SA−ER錠剤、200mg/kg/日:37.8
− TID、SA−ER錠剤、200mg/kg/日+SA−API、100mg/kg/日:66.4
− TID、SA−ER錠剤、200mg/kg/日+SA−API、200mg/kg/日:90.4 。
結論:SA−ER錠剤およびSA−APIの経口の組合せは、SA−ER錠剤単独よりも全体的な吸収を増大させる。このように、即時放出形態において50%より多くの薬物を伴って、血清中の遊離シアル酸レベルは、2倍となることができる。
本明細書において引用した全ての刊行物および特許出願は、それぞれの個々の刊行物または特許出願が特におよび個々に参照により組み込まれていることが示されたかのように、参照により本明細書中に組み込まれている。
上記の発明についての理解を明確とする目的のために例示および例として少し詳しく記載してきたが、特定の軽微な変化および修正が実施されることは当業者には明らかである。したがって、記載および実施例は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。

Claims (23)

  1. シアル酸欠乏の処置を必要としている個体においてシアル酸欠乏を処置するための方法であって、シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルを経口投与する工程を含み、前記方法は、約4時間超の期間にわたり治療有効量のシアル酸を提供する、方法。
  2. 前記シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルが、延長放出製剤中にある、請求項1に記載の方法。
  3. 前記シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルが、延長放出製剤および即時放出製剤の両方の中にある、請求項1に記載の方法。
  4. 前記シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルが、1日当たり1つまたは複数の投薬間隔を有する規則的な投薬スケジュールで投与される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルが、1日3回投与される、請求項4に記載の方法。
  6. 約8時間超の期間にわたり治療有効量のシアル酸を提供する、請求項5に記載の方法。
  7. 約12時間超の期間にわたり治療有効量のシアル酸を提供する、請求項5に記載の方法。
  8. 前記投薬間隔の間の定常状態において少なくとも約0.11mcg/mlの平均Cminシアル酸を提供する、請求項5に記載の方法。
  9. 前記投薬間隔の間の定常状態において少なくとも約0.16mcg/mlのシアル酸の平均血漿濃度を提供する、請求項5に記載の方法。
  10. 前記投薬間隔の間の定常状態において、前記シアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルの前記投与の前の前記個体におけるシアル酸の平均血漿濃度より少なくとも約50%高いシアル酸の平均血漿濃度を提供する、請求項5に記載の方法。
  11. 前記投薬間隔の間のシアル酸の最小血漿濃度が、前記投薬間隔の間の最大血漿濃度の少なくとも約35%となるような、定常状態におけるシアル酸の血漿濃度プロファイルを提供する、請求項5に記載の方法。
  12. 前記延長放出製剤が、摂食条件下で投与されるとき、空腹条件下で投与されるときよりも改善された吸収プロファイルを提供する、請求項5に記載の方法。
  13. 空腹状態において決定した平均Cmaxが、摂食状態において決定した平均Cmaxより高い、請求項12に記載の方法。
  14. 摂食状態において決定した平均Tmaxが、空腹状態において決定した平均Tmaxより高い、請求項12に記載の方法。
  15. 総量約650mg〜約12000mgのシアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルが、1日当たり投与される、請求項5に記載の方法。
  16. 総量約1950mg〜約12000mgのシアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルが、1日当たり投与される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記シアル酸欠乏が、シアル酸欠乏と関連するミオパチーである、請求項1に記載の方法。
  18. シアル酸欠乏と関連する前記ミオパチーが、遺伝性封入体ミオパチー(HIBM)、埜中ミオパチー、および/または縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(DMRV)である、請求項17に記載の方法。
  19. 前記延長放出製剤が、固体マトリックス形態にある、請求項2に記載の方法。
  20. 前記固体マトリックス形態が、圧縮錠剤である、請求項19に記載の方法。
  21. 前記延長放出製剤が、
    約25%〜約50%w/wのシアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステル;
    約20%〜約40%w/wの1種もしくは複数種の水膨潤性pH非依存性ポリマーまたは1種もしくは複数種のヒドロゲル形成ポリマー;
    約15%〜約30%w/wの1種または複数種のアニオン性pH依存性ゲル形成ポリマー;および
    約3%〜約8%w/wの1種もしくは複数種の親水コロイドポリマーまたは1種もしくは複数種のカチオン性ポリマー
    を含む、請求項19に記載の方法。
  22. 前記延長放出製剤が、
    約25%〜約50%w/wのシアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステル;
    約20%〜約30%w/wのヒプロメロース;
    約3%〜約8%w/wのカラギーナン;および
    約20%〜約25%w/wのアルギン酸ナトリウム
    を含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記延長放出製剤が、
    約25%〜約50%w/wのシアル酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステル;
    約20%〜約30%w/wのポリエチレングリコールおよびポリエチレンオキシドの少なくとも1つ;
    約3%〜約8%w/wのカラギーナン;ならびに
    約20%〜約25%w/wのアルギン酸ナトリウム
    を含む、請求項21に記載の方法。
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