JP5777116B2 - 機械式自動トランスミッション装置 - Google Patents
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Description
ところが、チェンジレバーの変速操作はスイッチによる電気信号のため、操作力が軽いため、素早く変速操作する場合がある。
その場合、ドライバーの意図した変速段まで十分に操作されないことがある。即ち、変速段と変速段の中間位置(不感帯)に保持された場合、制御装置はチェンジレバーがどの変速段に操作されたのか認識できない。
更に、ドライバーがチェンジレバーを把持した状態、または、チェンジレバーの作動が渋りを生じた場合、チェンジレバーに収納袋を掛けていることによるチェンジレバーが中間位置(不感帯)に維持されることが考えられる。
従って現状では、制御装置はチェンジレバー操作前の変速段を維持するようになっている。
しかし、ドライバーの意図した変速段にトランスミッションが変速されていないので、戸惑いを感じる。
中立位置を挟んで対向する2つの変速段選択位置間でチェンジレバーをシフト操作することにより、目標とする変速段に変速が行われ、該チェンジレバーを中立位置に戻すと、動力伝達不能なニュートラル(中立)状態にされるトランスミッションに用いられ、チェンジレバーの操作量を検出して連続的なセンサ出力を発生するチェンジレバー操作量センサからのセンサ出力に基づいて、チェンジレバーが中立位置から目標変速段にシフト操作された時の操作量に相応する中立位置センサ出力からのセンサ出力量が基準出力量になった時点をもって、チェンジレバーが目標とする変速段選択位置に操作されたと認識するチェンジレバー操作位置検出装置が開示されている。
この不感帯はN(ニュートラル位置)とD(ドライブ位置)間の電気的絶縁と、変速操作時の操作節度感を発揮させるために必要な領域である。
チェンジレバーがNとDの間に保持された状況下では、制御装置が認識できない状態になる。
特許文献1には、チェンジレバーが不感帯に維持された場合の対処方法に関する開示が成されていない。
一般的に、電気的変速装置の場合、例えば、ドライバーがチェンジレバーの変速段をN位置にある状態からR(後退位置)の位置に操作したつもりが、NとRの間の不感帯に操作され、維持されると制御装置はNと認識する。
従って、トランスミッション側はNの状態が維持され、車両を後退させようと意図しても、車両は動かず、内燃機関は所謂空ふかしの状態になり、ドライバーは操作意図と異なるため不快を感じる。
前記チェンジレバーと、
前記トランスミッション変速段切換え操作を行うギヤシフトユニットと、
前記チェンジレバーの操作に基づいて前記ギヤシフトユニットの作動を行う制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記チェンジレバー操作による変速段が認識できない場合に、前記チェンジレバーの操作前変速段と、現在のチェンジレバー位置までの変速操作経路を求め、前記変速操作経路の最終認識変速段を、前記ギヤシフトユニットへの出力制御を行うための変速段として認識するようにし、前記制御装置は前記チェンジレバーのシフトパターンに基づいて予め設定されたチェンジレバーの変速操作経路マップを備え、前記チェンジレバーの操作前変速段と現チェンジレバー位置情報に基づいて、前記変速操作経路マップから変速操作経路を求めるようにしたことを特徴とする機械式自動トランスミッション装置を提供できる。
チェンジレバー操作による変速段が認識できない場合に、制御装置は、チェンジレバーの変速操作経路を求め、変速ルートの最終認識変速段を変速段と認識して、トランスミッションの変速段を変速させる制御を実施することで、ドライバーの変速意志に反した機械式自動トランスミッションの運転状態の防止と、ドライバー自身の操作ミスであることが理解できるので、シフト操作に対する不快感を減少させ、安全運転につなげることができる。
但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
機械式自動トランスミッション装置10は、エンジン1の動力を、後述の機械式自動トランスミッション(以後AMTと称す)3に断接作動を行うデュアルクラッチ2と、車両走行時のスピード及び変速段を任意に指示するチェンジレバー装置8と、チェンジレバー装置8の操作によって電気的に発信する信号に基づいて、後述するギヤシフトユニット5の作動及びデュアルクラッチ2の断接作動の制御を行う制御装置6と、制御装置6の制御信号に基づいてデュアルクラッチ2からの動力回転数を切換えて、車両の駆動輪に出力するAMT3と、を備えている。
AMT3は、機械式トランスミッション4と、該機械式のトランスミッション4に装着され、制御装置6からの制御信号に基づいて、機械式トランスミッション4の変速段の変換を行うギヤシフト5と、を備えている。
デュアルクラッチ本体部26は、湿式のWクラッチでアウタクラッチ26aと、インナクラッチ26bとが同軸線上に配置され、夫々がアウタメインシャフト26d及びインナメインシャフト26eに連結されている。
アウタクラッチ26a及びインナクラッチ26bは共に、油圧が作用するとエンジン1からの動力を伝達するようになっている。
アウタクラッチ26aとインナクラッチ26bとは交互に断接を繰返して、AMT3内で機械式に噛合った歯車によって回転数を変換して、図示省略の駆動輪に出力するようになっている。
チェンジレバー装置8は、コンソールカバー88の上面にレバー81が上方(運転室内)へ突出した状態で配設されている。
チェンジレバー装置8は、ドライバーが操作するレバー81と、レバー81の中間部を回動自在に軸支するチェンジレバー本体部82と、チェンジレバー本体部82内に配設され、変速段毎に設けられ、制御装置6への電気信号を発信するスイッチ84a、84b、・・が配設されたスイッチ盤84と、レバー81に配設され、レバー81の揺動によってスイッチ盤84のスイッチ84a、84b等の各変速段に該当するスイッチONさせるスイッチ起動突起83と、レバー81の操作節度を生起させるディテント部85が配設されている。
ディテントプランジャ86は、レバー81dの軸線に沿って進退可能に支持され、図示しないコイルスプリングによって、外方(後述するディテントブロック87側)へ付勢された状態に維持されている。
ボール部81aに配設されているピボットピン81bは、軸受部材82bに設けられたガイド孔82c内をレバー81の揺動と共に動き、レバー81の揺動範囲を規制している。
ディテント部85は、ディテントプランジャ86と、ディテントプランジャ86が表面の凹凸に沿って摺動するディテントブロック87とを有している。
ディテント部85は、ドライバーによるレバー81の操作力によって、ディテントブロック87の凹凸表面をディテントプランジャ86の半球形状の先端部86aが摺接することにより、ディテントプランジャ86がレバー81の軸線に沿って進退する。
ディテントプランジャ86の進退は、ディテントプランジャ86を軸線方向外側に付勢しているコイルスプリングの圧縮、伸張によって行われる。
例えば、レバー81がN変速段位置からR変速段位置に操作される場合、ディテントプランジャ85aがディテントブロック85bの凸部の上り傾斜面87bを頂部87aに向かって摺動する。コイルスプリングは圧縮され、レバー81の操作力は上昇していく。
ディテントプランジャ85aが頂部87aに達し、頂部87aから下り傾斜面87cに移ると、コイルスプリングは伸張する。コイルスプリングの伸張力はレバー81をR変速段位置側に移動させる作用力になる。
このコイルスプリングの圧縮、伸張の反力がチェンジレバー装置8の操作節度感としてレバー81を介してドライバーに伝達する。
図4に示すように、スイッチ盤84における各スイッチ84a、84b、84c・・・の配列パターン(レバー81のドライバー把持側の位置に置換えて表示する。)は、本実施形態の場合、運転席側(右ハンドル車)の第1列目が車両前側から、P(パーキング)、不感帯1、N(ニュートラル)、不感帯2、R(後退)の順に配設されている。
第1列目に対し助手席側に不感帯3を有して第2列目が車両前側から、Up(シフトアップ)、不感帯4、D(前進)不感帯5、Dn(シフトダウン)の順に配設されている。
また、第3列目が更に助手席側に不感帯6を介して、AM(自動変速⇔マニュアル変速切替)が前後方向中央(Nと前後方向同一)に配設されている。
不感帯とは、チェンジレバー装置8が電気信号発信装置であるため、スイッチとスイッチとの間に電気的絶縁エリアを設ける必要があると共に、既述の操作節度感を生起させるために設けてある。
更に、図3に示すように、レバー81の操作範囲としては、ディテントブロック87の頂部87aを中心とした両側の傾斜面87bの中間部と、87cの中間部との間を不感帯範囲Mに相当する操作範囲とし、頂部87に対して長い稜線を有した凹状の底部87dを中心とした変速段認識範囲Lとなるように配設されたスイッチ盤84の各変速段に対応したスイッチ84a、84b・・に対し、スイッチ起動突起83が作動可能に配設されている。
このような構造にすることにより、レバー81の操作を素早く行うような操作ミスの発生を抑制することができる。
一方、切換えられた変速段が配置されているメインシャフト(インナメインシャフト26e又は、アウタメインシャフト26d)が連結されているクラッチを接続するクラッチ用油圧バルブ23(又は24)を開弁して、エンジン1の動力を接続し、他方のクラッチ用油圧バルブ24(又は23)を閉弁してエンジン1の動力を遮断する。
制御装置6は、特に制御装置6とチェンジレバー装置8との間をCAN通信で連結しており、レバー81の操作状況を常に把握できるようになっている。
図5は、チェンジレバー装置8の変速パターンに基づいて、各変速段から目標の変速段に操作する場合の変速操作経路をデータ化したマップの一例である。
尚、各変速段の表記を、例えばR変速段→R、D変速段→Dのように記載することとする。
例えば、チェンジレバー装置8をR→Pに操作する場合の変速操作経路は、R→不感帯2→N→不感帯1→Pとなるデータが収納されている。
また、R→Dに操作する場合の変速操作経路は、R→不感帯2→N→不感帯3→Dとなるデータが収納されている。
更に、AM→Pに操作する場合の変速操作経路は、AM→不感帯6→D→不感帯3→N→不感帯1→Pとなるデータが収納されている。
ステップS1において、チェンジレバー位置認識制御が開始される。
ステップS2において、認識制御開始時のチェンジレバー装置8のレバー81の位置を読み取る。
ステップS3において、レバー81が操作される。
ステップS4において、レバー81操作後の現在位置を読取る。
ステップS5において、レバー81が変速段認識範囲に位置しているか否かを判定する。
レバー81が変速段認識範囲に位置していると判定した場合は、Yesを選択してステップS6に進む。
この場合は、図3に示すディテントブロック87の変速段認識範囲L内に、ディテントプランジャ86が位置していることになる。
従って、制御装置6は、レバー81が位置している変速段に更新する。
ステップS7において、制御装置6によるレバー81の変速段認識制御は終了する。
ステップS8において、制御装置6は次のような制御を実施する。
例えば、ドライバーがレバー81をAM→Rに操作する予定であったが、レバー81は、R直前の不感帯で停止の状態となっている。
レバー81が不感帯2で停止する状況としては、ドライバーがレバー81を把持した状態、レバー81の作動が渋りを生じた場合、又はレバー81に収納袋を掛けている場合に発生することが考えられる。
更に、制御装置6はドライバーの操作速度が速いため、レバー81がパターンに沿った変速操作経路の信号を見落とし不感帯に停止する等の好ましくない変速操作が実施されることが考えられる。
ステップS9にて、制御装置6は、変速操作経路の最後の認識変速段Nを新しい変速段として特定する。
ステップS7に進み、レバー81の位置認識を終了する。
2 デュアルクラッチ
3 AMT(機械式自動トランスミッション)
4 トランスミッション
5 ギヤシフトユニット
6 制御装置
8 チェンジレバー装置
10 機械式自動トランスミッション装置
61 変速操作経路マップ
81 レバー(チェンジレバー)
82 チェンジレバー本体部
83 スイッチ起動突起
84 スイッチ盤
85 ディテント部
86 ディテントプランジャ
87 ディテントブロック
L 変速段認識範囲(電気接点範囲)
M 不感帯範囲(変速段を認識できない範囲)
Claims (2)
- チェンジレバーを一定の変速操作パターンに沿って操作することにより発信する電気信号に基づいて、トランスミッションの変速段を切換える機械式自動トランスミッション装置において、
前記チェンジレバーと、
前記トランスミッションの変速段切換え操作を行うギヤシフトユニットと、
前記チェンジレバーの操作に基づいて前記ギヤシフトユニットの作動を行う制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記チェンジレバー操作による変速段が認識できない場合に、前記チェンジレバーの操作前変速段と、現在のチェンジレバー位置までの変速操作経路を求め、前記変速操作経路の最終認識変速段を、前記ギヤシフトユニットへの出力制御を行うための変速段として認識するようにし、
前記制御装置は前記チェンジレバーのシフトパターンに基づいて予め設定されたチェンジレバーの変速操作経路マップを備え、
前記チェンジレバーの操作前変速段と現チェンジレバー位置情報に基づいて、前記変速操作経路マップから変速操作経路を求めるようにしたことを特徴とする機械式自動トランスミッション装置。 - 前記各変速段を認識できる電気接点範囲は、各変速段間の変速段を認識できない不感帯範囲より大きくしたことを特徴とする請求項1に記載の機械式自動トランスミッション装置。
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