JP5776655B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解質二次電池に関する。
非水電解質二次電池の正極活物質として、作動電圧が4V付近の層状岩塩構造を持つリチウムコバルト酸化物(LiCoO)やリチウムニッケル酸化物(LiNiO)、スピネル構造を持つリチウムマンガン酸化物(LiMn、以下スピネル型リチウムマンガン酸化物)等が用いられている。
特に、スピネル型リチウムマンガン酸化物は、結晶構造の熱的安定性が高く、これを正極に用いた電池は異常時においても、高い安全性を示すことから、広く採用が進んでいる。
一方、スピネル型リチウムマンガン酸化物を用いた電池は、高温環境下での充放電サイクルに伴う容量低下や電池の膨れといった課題を有している。そこで、スピネル型リチウムマンガン酸化物の粒径の調整や、粒子表面の被覆、マンガン元素の一部置換などの方法やこれらの組み合わせを行なうことによって、上記問題を改善する方法が提案されている(特許文献1)。
特開2012−009270号公報
しかしながら、上記の改善を行なった場合においても、スピネル型リチウムマンガン酸化物を用いた電池では、層状岩塩型構造を持つリチウム遷移金属複合酸化物を用いた電池に比べて高温環境下で長期使用された際の放電容量の低下が大きく、寿命特性は十分とは言えないのが現状である。
そこで、本発明は正極活物質にスピネル型リチウムマンガン酸化物を用いて、高温環境下で寿命特性に優れた非水電解質二次電池を提供することを目的とした。
本発明者は、スピネル型リチウムマンガン酸化物と、特定の樹脂と、増粘剤とからなる正極を用いることにより、高温環境下での長期使用による放電容量の低下を抑制できることを見出して本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明の非水電解質二次電池は、正極に少なくとも、正極活物質と、バインダーと、増粘剤とを含み前記正極活物質がスピネル型リチウムマンガン酸化物を含み、前記バインダーがオレフィン樹脂粒子であることを特徴とする。
また、正極活物質は、スピネル型リチウムマンガン酸化物を前記正極活物質の総質量に対して70質量%以上含有することが好ましい。前記構成によれば、高温環境下における長期使用による放電容量の低下をさらに抑制することができる。
負極に非フッ素系樹脂を含むことが好ましい。前記構成によれば、高温環境下における長期使用による放電容量の低下をさらに抑制することができる。
本発明によれば、正極活物質にスピネル型リチウムマンガン酸化物を用いた非水電解質二次電池の高温環境下における長期使用による放電容量の低下を抑制できることが可能となる。
以下に本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の記載に限定されるものではない。
(正極)
本発明に用いる正極活物質であるスピネル型リチウムマンガン酸化物は、リチウムイオンを挿入離脱可能でマンガンを含有するスピネル結晶構造のリチウムマンガン酸化物であれば特に限定されない。好ましくは、一般式LiαMn2−α−ββ(AはTi、V、Cr、Fe、Cu、Zn、B、P、Mg、Al、Ca、Zr、MoおよびWからなる群より選ばれた少なくとも1種類の元素、0≦α≦1.15、0≦β≦0.2)で表されるリチウムマンガン酸化物を用いることができる。
スピネル型リチウムマンガン酸化物の合成方法は特に限定されるものではなく、固相法、液相法、ゾル・ゲル法、水熱法等を挙げることができる。例えば、水酸化リチウムとMnOを所定モル比で混合した溶液をスプレードライ法で乾燥させて、LiとMnを含む前駆体を得、次いでその前駆体を仮焼成および焼成することによってスピネル型リチウムマンガン酸化物を得ることができる。
また、本発明に用いる正極活物質として、上記のスピネル型リチウムマンガン酸化物に別種の活物質を混合して用いることが可能である。混合可能な活物質としては、層状岩塩構造をもつLiM1Oやオリビン構造をもつLiM2RO(M1、M2は遷移金属元素から選ばれる少なくと1種類の元素、RはP、SまたはSiから選ばれる少なくとも一種の典型元素)等を用いることができる。電極電位の平滑化の観点から、層状岩塩型LiM1Oを混合することが好ましい。また、スピネル型リチウムマンガン酸化物を正極活物質の総質量に対して70質量%以上含有すると放電容量の低下を抑制する効果が顕著になるため、好ましい。
正極は、正極スラリーを、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる正極集電体の表面に塗布し、乾燥した後、プレスして所定の密度にすることにより作製する。正極スラリーは、少なくとも、正極活物質と、バインダーと、増粘剤とを含み、さらに必要に応じて導電助剤等を含んでもよい。
バインダーには、オレフィン樹脂粒子の水分散体を用いることができる。オレフィン樹脂には、α−オレフィンの単独重合体またはα−オレフィンを含む共重合体が含まれる。α−オレフィンの具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等を挙げることができるが、エチレンとプロピレンが好ましい。エチレンとプロピレンの単独重合体および共重合体の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、プロピレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、またはプロピレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を挙げることができる。
オレフィン樹脂粒子は、公知の重合方法で得られたものを用いることができる。また、オレフィン樹脂粒子の水分散体とは、オレフィン樹脂粒子が水に乳化分散されたものであり、必要に応じて乳化剤として界面活性剤を含有してもよい。
バインダーの正極活物質に対する添加量は、固形分換算で、正極活物質100重量部に対して、1〜10重量部、好ましくは2〜5重量部である。1重量部より少ないと、結着力が十分ではなく、10重量部より多いと電極重量当たりの容量が低下するので好ましくない。
増粘剤としては、アクリル系やセルロース系などの水溶性高分子を用いることができる。分散性と増粘性を考慮するとセルロース系増粘剤が好ましい。セルロース系増粘剤の具体例としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)等を挙げることができるが、その中でも特にCMCが好ましい。
(負極)
負極は、負極スラリーを、銅または銅合金からなる負極集電体の表面に塗布し、乾燥させた後、形成した負極活物質層をプレスして所定の密度にすることにより作製する。負極用スラリーは、負極活物質と、バインダーを含み、さらに必要に応じて導電助剤等を含んでもよい。負極活物質としては、例えば、黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温焼成炭素、非晶質カーボン等の炭素質材料、金属酸化物、リチウム金属酸化物(LiTi12等)、ポリリン酸化合物等を、単独または複数組み合わせて用いることができる。バインダーとしては、ポリフッ化ビニリデンやスチレンブタジエンゴム(SBR)を用いることができる。
(非水電解質)
非水電解質を構成する有機溶媒としては、非水電解質二次電池に使用されるものであれば特に限定されない。具体例としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネートの単独あるいはそれらの2種以上の混合物を挙げることができる。
非水電解質を構成する電解質塩としては、非水電解質二次電池に使用されるものであれば特に限定されない。具体例としては、LiBF、LiPF、LiClO、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)、(CSO)、LiC(CFSO、LiC(CSO等を単独あるいは2種以上混合して用てもよい。
(セパレータ)
セパレータとしては、微多孔性膜や不織布等を、単独あるいは併用して用いることができる。具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等を挙げることができるが、オレフィン系樹脂が好ましい。
(電池の作製)
上記のようにして得られた正極と負極を、セパレータを介して積層および巻回することで、電極群を作製し、この電極群を電池ケース、例えばアルミニウム製の角型電槽缶に収納する。電池ケースは安全弁を設けた電池蓋がレーザー溶接によって取り付けられ、負極端子は負極リードを介して負極と接続され、正極は正極リードを介して電池蓋と接続されているものである。次いで、減圧下で非水電解質を注液した後、注液口をレーザー溶接にて封口して、非水電解質二次電池を作製する。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
(スピネル型リチウムマンガン酸化物の合成)
水酸化リチウム、水酸化アルミニウムおよびMnOを所定モル比で混合した溶液をスプレードライ法で乾燥させて、LiとMnを含む前駆体を得た。その前駆体を空気中、500℃で12時間仮焼成し、次いで750℃で12時間焼成することによってLi1.1Mn1.8Al0.1を得た。
(正極の作製)
Li1.1Mn1.8Al0.1の粉体90重量部と、アセチレンブラック5重量部と、ポリエチレン樹脂粒子の水分散体3.5重量部(固形分換算)と、カルボキシメチルセルロース(CMC)1.5重量部と、水とを、混合して、正極ペーストを調製した。次に、得られた正極ペーストを、アルミニウム箔(厚さ20μm)の両面に、ドクターブレード法によって塗布し、これにより、正極層を形成した。そして、得られた正極層を、100℃で14時間、真空乾燥し、正極を得た。正極の厚さは190μmであった。
(負極の作製)
天然黒鉛95重量部を、ポリフッ化ビニリデン5重量部のN−メチル−2−ピロリドン溶液と混合して、ペーストを得た。このペーストを、銅箔(厚さ10μm)の両面に、ドクターブレード法によって塗布して、負極活物質層を形成した。そして、この負極活物質層を、150℃で14時間、真空乾燥して、負極を得た。負極の厚さは110μmであった。
(電解液)
電解液には、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比30:70で混合溶媒を用いた。電解質には、LiPF 1mol/lを用いた。
(電池の作製)
ポリエチレン製の多孔質セパレータを介して、上記の正極と負極を積層巻回して巻回極板群とし、その巻回極板群をアルミニウム製の角形電池ケースに収納した。電池ケースは、安全弁を設けた電池蓋がレーザー溶接によって取り付けられ、負極端子は負極リードを介して負極と接続され、正極は正極リードを介して電池蓋と接続されている。その後、減圧下で上記の電解液を注液した後、注液口をレーザー溶接にて封口した。これにより、設計容量600mAhの角型非水電解質二次電池を作製した。
(充放電試験)
上記の電池を用い、45℃で充放電試験を行った。1.0mA/cmの電流で4.1Vまで充電した後、1.0mA/cmの電流で2.5Vまで放電した時の放電容量を測定し、正極活物質1g当たりの容量(初期容量という)を算出した。同様の条件で、1000サイクル充放電を繰り返し、1000サイクル後の容量の初期容量に対するパーセントを容量保持率として算出した。結果を表1に示す。本実施例では72%の容量保持率が得られた。
(溶出金属の分析)
1000サイクル終了後の溶出した遷移金属量の分析は、負極を30mlのスクリュー管に約0.125g秤量し、1wt%となるように濃塩酸を添加した。その後、超音波バスで1h処理後3h以上放置し、処理後の溶液を0.45μmフィルターでろ過した。その後、100mlポリ容器に上記ろ液10.0gを秤量し、濃硝酸1.0g秤量後、内部標準としてイットリウム1000ppm溶液を0.1ml秤量後、超純水で合計100.0gとし、ICP発光分析装置(日本ジャーレルアッシュ株式会社(現サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社)製IRIS AP)を用いて測定した。結果を表1に示す。本実施例では32ppmであった。
実施例2〜6
バインダーにポリプロピレン樹脂粒子の水分散体を用いた以外は、実施例1の場合と同様にして実施例2の電池を作製し、評価を行った。また、増粘剤にポリアクリル酸ナトリウム(PAA)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で実施例3の電池を作製し、評価をおこなった。結果を表1に示す。
負極のバインダーとしてスチレンブタジエンゴム(SBR)を用いたこと以外は、実施例1の場合と同様にして実施例4の電池を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
具体的には、天然黒鉛95重量部と、SBRの水分散体を3重量部(固形分換算)と、カルボキシメチルセルロース(CMC)1重量部と、水とを混合して、負極ペーストを得た。このペーストを、銅箔(厚さ10μm)の両面に、ドクターブレード法によって塗布して、負極活物質層を形成した。そして、この負極活物質層を、150℃で14時間、真空乾燥して、実施例4の負極を得た。
正極活物質として、Li1.1Mn1.8Al0.1とLiNi0.33Co0.33Mn0.33を重量比70:30および20:80で混合したものを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で実施例5および6の電池を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
比較例1
ポリフッ化ビニリデンをバインダーに用いて正極を作製した以外は、実施例1の場合と同様にして電池を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
具体的には、Li1.1Mn1.8Al0.1の粉体90重量部と、アセチレンブラック5重量部と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)5重量部のN−メチル−2−ピロリドン溶液とを、混合して、正極ペーストを調製した。次に、得られた正極ペーストを、アルミニウム箔の両面に、ドクターブレード法によって塗布し、これにより、正極層を形成した。そして、得られた正極層を、150℃で14時間、真空乾燥し、これにより、比較例1の正極を得た。
比較例2〜7
正極のバインダーにSBRの水分散体を用いた以外は、実施例1の場合と同様にして比較例2の電池を作製し、評価を行った。正極活物質にLiCoOを用いた以外は、実施例1の場合と同様にして比較例3の電池を作製し、評価を行った。正極活物質にLiNi0.33Co0.33Mn0.33を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で比較例4の電池を作製し、評価を行った。正極活物質にLiCoOを用いた以外は、実施例2の場合と同様にして比較例5の電池を作製し、評価を行った。正極活物質にLiCoOを用いた以外は、比較例1の場合と同様にして比較例6の電池を作製し、評価を行った。増粘剤を使用せず、バインダーにポリエチレン粒子の水分散体を10質量%用いた以外は、実施例1と同様の方法で比較例7の電池を作製し、評価を行った。これらの結果を表1に示す。なお、増粘剤を使用しないと、合材層と集電体との接着力が低下し、バインダーを10質量%以上しないと正極を作製することができなかった。
Figure 0005776655
Figure 0005776655
(結果)
表1に示すように、正極活物質にLi1.1Mn1.8Al0.1を用いて、正極バインダーにオレフィン樹脂を用いた場合(実施例1〜4)は、PVDFおよびSBRを用いた場合(比較例1および2)に比べ、金属溶出量が減少し、容量保持率が向上した。この効果は、ポリオレフィン樹脂と増粘剤とが複合膜を形成し、正極活物質を適度に被覆することによって、電解液の分解に伴って発生するフッ化物や酸などの分解生成物から、正極活物質を保護したために発現したと考えられる。一方、PVDFおよびSBRを用いた場合は、PVDFおよびSBRの酸化分解およびそれに伴う電解質の分解が起こったため、正極活物質は保護されず、金属が溶出したと考えられる。増粘剤にCMCを用いた場合(実施例1)は、PAAを用いた場合(実施例3)と金属溶出量は同等であったが、容量保持率が向上した。これは、CMCを用いた方が、PAAよりも活物質および導電助剤の分散効果が高いため、合材層の導電率が向上し、充放電が効率的に行われたためであると考えられる。
実施例1〜4では、オレフィン樹脂としてポリエチレンおよびポリプロピレンを用いたが、ポリオレフィン樹脂と増粘剤とが複合膜を形成するという観点から、ポリエチレンまたはポリプロピレンを主体(質量比で50%以上)とする混合体または共重合体であっても同様の効果が得られると考えられる。
また、正極バインダーにポリオレフィン樹脂を用い、負極バインダーにSBRを用いた場合(実施例4)、負極バインダーにPVDFを用いた場合(実施例1)よりも、容量保持率が向上した。これは、負極バインダーにSBRなどの非フッ素系樹脂を用いると、長期使用によってバインダーが還元分解された場合においても、フッ化物や酸などの分解生成物が発生しにくいためと考えられる。
表2に示すように、正極活物質にLi1.1Mn1.8Al0.1とLiNi0.33Co0.33Mn0.33を混合したものを用いた場合(実施例5および6)においても、金属溶出量は低減し、容量保持率が向上する効果を得ることができた。特に、Li1.1Mn1.8Al0.1の混合比率が70質量%以上とした場合(実施例5)は、Li1.1Mn1.8Al0.1のみを活物質に用いた場合(実施例1)と同等の容量保持率を示しており、良好であった。
一方、正極活物質にLiCoOやLiNi0.33Co0.33Mn0.33を用いた場合、バインダーにオレフィン樹脂を用いた場合(比較例3、4)とPVDFを用いた場合(比較例5)では、遷移金属(コバルト)の溶出量と容量保持率に大きな差は認められなかった。これは、LiCoOやLiNi0.33Co0.33Mn0.33は、電解液の分解によって発生するフッ化物や酸などの分解生成物により、金属原子が溶出することがないため、結着剤の種類に拘わらず、大差がなかったと考えられる。
また、増粘剤であるCMCを使用しない場合(比較例7)、上記複合膜が形成されることはなく、ポリオレフィン樹脂粒子が正極活物質の表面を完全に覆ってしまうため、正極活物質が保護され、マンガンの溶出が抑制できる一方で、リチウムイオンの移動をも阻害するため、充放電ができなくなり、容量保持率が顕著に低下したものと考えられる。
以上の結果から、オレフィン樹脂が正極活物質としてスピネル型リチウムマンガン酸化物を用いた場合のバインダーとしてサイクル特性向上に特に優れた効果を有することを確認できた。

Claims (3)

  1. 正極に少なくとも、正極活物質と、バインダーと、増粘剤とを含み、
    前記正極活物質がスピネル型リチウムマンガン酸化物を含み、
    前記バインダーがオレフィン樹脂粒子であり、
    前記増粘剤がセルロース系水溶性高分子又はアクリル系水溶性高分子を含むことを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 前記正極活物質が、スピネル型リチウムマンガン酸化物を前記正極活物質の総質量に対して70質量%以上含有する請求項1記載の非水電解質二次電池。
  3. 負極に非フッ素系樹脂を含む請求項1または請求項2記載の非水電解質二次電池。
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