JP5774088B2 - エレベータドア装置 - Google Patents

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本発明の実施状態は、エレベータ乗降口を開閉するドアパネルのドアレールからの外れを防止したエレベータドア装置に関する。
エレベータのドア装置は、エレベータ乗降口のヘッダーケースに水平に設けられたレールに、ハンガーを介してドアパネルを懸架し、このドアパネルをレールに沿って移動させることで、エレベータ乗降口を開閉している。このようなドア装置では、衝撃などを受けることにより、ドアパネル及びこれを支えるハンガーが上方への変位力を受け、レールから外れることがある。このようなことがないように、レールの下面に対向してエキセンローラを配置し、ドアパネル及びハンガーが上方への変位力を受けた場合、エキセンローラがレール下面と係合することで、ドアパネルを支えるハンガーがレールから外れないように構成している(例えば、特許文献1参照)。
しかし、荷運搬用の台車が衝突するなど、ドアパネルに斜め上方への強い衝撃力が加わった場合、ドアパネルがレールから外れることがあった。これは、レール下面のエッジ部に丸みがあると、エキセンローラがレール下面に引っ掛からずに、ハンガーがレールから外れてしまうためである。
特開平11−60118号公報
このように従来のドア装置では、ドアパネルに強い衝撃が加わった場合、ドアパネルを支えるハンガーがレールから外れてしまうことがあった。
本発明が解決しようとする課題は、ドアパネルに強い衝撃が加わっても、レールからの脱落を確実に防止できるエレベータのドア装置を提供することにある。
本発明の実施の状態に係るエレベータドア装置は、エレベータ乗降口のヘッダーケースに水平に設けられたレールに、ハンガーを介して懸架され、そのレールに沿って移動することで、前記エレベータ乗降口を開閉するドアパネルを有するエレベータドア装置であって、前記ハンガーは、前記レールの上面に転動自在に掛け合わされる複数のハンガーローラを有し、前記ヘッダーケース側には、前記ハンガーと係合可能な板状のブラケットが設けられ、前記板状のブラケットは、一端がヘッダーケース側に取り付けられ、他端部は、前記ハンガーが戸閉位置にあるとき、このハンガーを貫通する位置まで延在し、前記ハンガーには、前記戸閉位置にて前記板状のブラケットを貫通状態で係合保持する溝が形成されており、前記ブラケットと、前記ハンガーに形成された溝との係合により、前記ドアパネルの前記レールからの外れを防止することを特徴とする。
本発明の一実施の状態に係るエレベータドア装置の正面図である。 図1で示した実施の形態におけるヘッダーケース内の横断構造を示す図である。 本発明の他の実施の状態におけるヘッダーケース内の横断構造を示す図である。 図3で示した実施の形態におけるブラケットとハンガー部分との関係を示す正面図であり、(a)は戸閉前の状態を、(b)は戸閉状態を示す。
以下、本発明の実施の状態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1はこの実施の状態に係るエレベータドア装置(ここではエレベータホールに設けられたホールドア装置とする)2を、図示しない乗りかごが昇降する昇降路側から見た正面図である。乗場口1の周辺部にはドア枠9が据え付けられ、このドア枠9を介して一対のドアパネル2a,2bが支持されている。
ドア枠9は、一対の側枠10a,10bと、その側枠10a,10bの上部間に架設されたヘッダーケース11、及び下部間に架設された敷居12を備えている。ヘッダーケース11にはレール14が水平に架設されている。
各ドアパネル2a,2bはそれぞれ上部にハンガー13を有し、これらハンガー13にそれぞれ複数のハンガーローラ15a,15b,16a,16bが回転自在に取り付けられている。これらハンガーローラ15a,15b,16a,16bはレール14の上に掛け合わされ、この掛け合わせで各ドアパネル2a,2bがヘッダーケース11の下方に垂下するように懸架されている。そして、各ハンガーローラ15a,15b,16a,16bがレール14に沿って転動することで、ハンガー13と一体のドアパネル2a,2bが左右に移動する。
ヘッダーケース11の両端部にはプーリ18が回転自在に取り付けられ、これらプーリ18間に水平方向に無端走行するワイヤ19が掛け渡されている。ドアパネル2a,2bの上部にはそれぞれ止め具20a,20bが取り付けられている。一方のドアパネル2aの止め具20aはワイヤ19の上部走行側の一部に連結され、他方のドアパネル2bの止め具20bはワイヤ19の下部走行側の一部に連結され、これにより一方のドアパネル2aが左右に移動するときに、これに連動して他方のドアパネル2bが逆方向に移動する。
また、ドアパネル2a,2bの下部には、それぞれガイドシュー21a,21bが取り付けられている。これらガイドシュー21a,21bは敷居12のガイド溝(図示せず)内に摺動自在に係合しており、ドアパネル2a,2bが左右に移動するときに、ガイドシュー21a,21bの摺動でその移動がガイドされる。
さらに、このエレベータドア装置2がホールドア装置の場合、ドアパネル2a,2bの戸当り側縁部が互いに当接して閉じ合う戸閉状態を保持するロック装置25が設けられている。このロック装置25は例えば一方のドアパネル2aのハンガー13に設けられたロックレバー26と、ヘッダーケース11に取り付けられたロック体27とを備えている。ロックレバー26はピン28を介して回動可能にドアパネル2aのハンガー13に取り付けられ、その回動でロック体27に係脱可能に係合し、その係合でドアパネル2a,2bの閉じ合わせ状態がロックされ、ドアパネル2a,2bの開きが阻止される。
図2は図1で示したヘッダーカバー11内の横断面を拡大して示している。なお、図1で示したプーリ18、ワイヤ19、止め具20a,20b、及びロック装置25は図示を省略している。
本発明の実施の状態では、ハンガー13とヘッダーケース11側の部材との間に、これらのいずれかと係合可能な板状のブラケット31を設け、このブラケット31がヘッダーケース11側の部材又はハンガー13と係合することにより、ドアパネル2a,2bのレール14からの外れを防止している。
すなわち、図2の実施の状態では、板状のブラケット31は、その一端(図示右端)がハンガー13に一体的に取り付けられている。また、他端(図示左端)部は、板状を成す上面が、ヘッダーケース11側の部材であるレール31の下面と対向する状態で、図示左方のヘッダーケース11側に延在している。また、板状のブラケット31の他端部は上方に向って鉤状に接曲形成されている。
上記構成において、ドアパネル2a,2bに対し、図示しない台車などが図2の左方から衝突した場合、ドアパネル2a,2bは強い衝撃を受け、図1で示した下端部のガイドシュー21a,21bが敷居12のガイド溝から外れようとして、ドアパネル2a,2b及びハンガー13は、図2の右上方への強い変位力を受ける。このとき、ハンガー13に設けられた板状のブラケット31は、その上面が、ヘッダーケース11側の部材であるレール14の下面と対向しているので、レール14の下面との当接係合により、ハンガー13の上述した図示右上方への移動を係止する。
ここで、ブラケット31は板状であるため、レール14の下面とは面接触で当接係合する。このため、従来のエキセンローラの外周面とレール下面との線接触による当接係合に比べ、レール14との間に強い係止力が生じ、ハンガー13及びドアパネル2a,2bのレール14上からの外れを有効に阻止でき、レール14上に保持することがでる。
このブラケット31は平板状のため、上述した面接触によりレール14との間に充分なる係止力を生じるが、図示のようにその先端部を上方に向って鉤状に折り曲げ形成しておけば、より一層レール14との係止が確実になる。
次に、図3及び図4で示す実施の状態を説明する。この実施の状態では、図3で示すように、板状のブラケット41は、一端(図示左端)がヘッダーケース11側に取り付けられている。また、他端(図示右端)部は、板状を成す上面がレール14の下面と対向する状態でハンガー13の戸閉位置に延在している。戸閉位置とは、図4(b)で示すように、ドアパネル2a,2bが閉じ、それらの戸当り側縁部が互いに当接した位置である。ハンガー13には、図4で示すように、上述した戸閉位置にてブラケット41の図示右端部分と係合する溝42が形成されている。
上記構成において、前述の場合と同様に、戸閉状態のドアパネル2a,2bに対し、図示しない台車などが図3の左方から衝突した場合、ドアパネル2a,2bは強い衝撃を受け、下端部のガイドシュー21a,21bが敷居12のガイド溝から外れようとして、ドアパネル2a,2b及びハンガー13は、図3の右上方への強い変位力を受ける。このとき、板状のブラケット41は、図4で示すように戸閉状態にあるハンガー13に設けられた溝42内に位置しており、この溝42との係合によりハンガー13の図示右上方への移動を係止する。
ここで、ブラケット41の外周面と溝42の内面とは互いに相似形であり、微小間隔で対峙しているため、従来のエキセンローラの外周面とレール下面との線接触による当接係合に比べ、ハンガー13に対して強い係止力が生じる。このため、ハンガー13及びドアパネル2a,2bのレール14上からの外れを有効に阻止でき、レール14上に保持することがでる。
このブラケット41は平板状であるが、その先端(図示右端)部を上方に向って鉤状に折り曲げ形成しておけば、より一層、係止状態が確実になる。
ここで、図1で説明したように、ヘッダーケース11と一方のドアパネル2aのハンガー13との間には、ドアパネル2a,2bの戸当り側縁部が互いに当接して閉じ合う戸閉状態を保持するロック装置25が設けられている。そこで、このロック装置25を構成するロック体27を板状に形成し、図4で示すように、ハンガー13に形成した溝42と係合させてブラケット41の機能を兼ねるように構成すれば、台車などの衝突によりドアパネル2a,2b及びハンガー13が斜め上方への強い変位力を受けても、溝42との係合によりハンガー13の移動を係止できる。
なお、上述した実施の形態は、エレベータドア装置としてホールドア装置を例にして説明したが、勿論、かごドア装置についても同様に適用することができる。
このように本発明の実施の形態によれば、ドアパネルに強い衝撃が加わっても、ドアパネルを支持するハンガーを確実に係止するので、このハンガー及びハンガーによって支持されたドアパネルのレールからの脱落を確実に防止できる。
本発明のいくつかの実施の状態を説明したが、これらの実施状態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施状態は、その他のさまざまな状態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施状態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1・・・乗降口
2・・・エレベータドア装置
2a,2b・・・ドアパネル
11・・・ヘッダーケース
13・・・ハンガー
14・・・レール
15,16・・・ハンガーローラ
31,41・・・ブラケット
42・・・溝

Claims (2)

  1. エレベータ乗降口のヘッダーケースに水平に設けられたレールに、ハンガーを介して懸架され、そのレールに沿って移動することで、前記エレベータ乗降口を開閉するドアパネルを有するエレベータドア装置であって、
    前記ハンガーは、前記レールの上面に転動自在に掛け合わされる複数のハンガーローラを有し、
    前記ヘッダーケース側には、前記ハンガーと係合可能な板状のブラケットが設けられ、
    前記板状のブラケットは、一端がヘッダーケース側に取り付けられ、他端部は、前記ハンガーが戸閉位置にあるとき、このハンガーを貫通する位置まで延在し、
    前記ハンガーには、前記戸閉位置にて前記板状のブラケットを貫通状態で係合保持する溝が形成されており、
    前記ブラケットと、前記ハンガーに形成された溝との係合により、前記ドアパネルの前記レールからの外れを防止する
    ことを特徴とするエレベータドア装置。
  2. 前記板状のブラケットの前記他端部は上方に向って鉤状に接曲形成されていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータドア装置。
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