JP5773100B2 - 新規エピスルフィド化合物および光学材料用組成物 - Google Patents

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Description

本発明はエピスルフィド化合物に関し、プラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、情報記録基盤、フィルター等の光学材料、中でもプラスチックレンズに好適に使用される。
プラスチックレンズは軽量かつ靭性に富み、染色も容易である。プラスチックレンズに特に要求される性能は、低比重、高透明性および低黄色度であり、光学性能として高屈折率と高アッベ数、高耐熱性、高強度などである。高屈折率はレンズの薄肉化を可能とし、高アッベ数はレンズの色収差を低減する。
近年、高屈折率と高アッベ数を目的として、硫黄原子を有する有機化合物が数多く報告されている。中でも硫黄原子を有するポリエピスルフィド化合物は、屈折率とアッベ数のバランスが良いことが知られている(特許文献1)。また、ポリエピスルフィド化合物は様々な化合物と反応可能であることから、物性向上のため各種化合物との組成物が提案されている(特許文献2〜5)。
しかしながら、エピスルフィド化合物は反応性の高さから長期保存が難しく、冷蔵して保管する手法(特許文献6)や、ハロゲン基を有するエポキシ化合物を添加する手法(特許文献7)が提案されている。
特開平09−110979号公報 特開平10−298287号公報 特開2001−002783号公報 特開2001−131257号公報 特開2002−122701号公報 特開2000−327677号公報 特開2005−272418号公報
しかしながら、冷蔵保存には専用の保冷庫が必要でありコストがかかること、ハロゲン基を有するエポキシ化合物は、ハロゲン由来の耐光性の悪化を招くことから、改善が求められていた。
すなわち、本発明の課題は、エピスルフィド化合物等の重合性化合物を安定して安価で保管することができ、かつ耐光性が良い光学材料が得られる光学材料用組成物を提供することである。
本発明者らは、このような状況に鑑み鋭意研究を重ねた結果、以下に示す本発明によって、上記課題を解決することができることを見出した。即ち、本発明の態様は以下の通りである。
<1> 下記式(1)で表されるエピスルフィド化合物である。
Figure 0005773100
(式中、mは0〜4の整数、nは0〜2の整数を示す。)
<2> 上記<1>に記載のエピスルフィド化合物と重合性化合物とを含む光学材料用組成物である。
<3> 前記エピスルフィド化合物の含有量が0.001〜5.0質量%である、上記<2>記載の光学材料用組成物である。
<4> 前記重合性化合物を95.0〜99.999質量%含む上記<2>または<3>記載の光学材料用組成物である。
<5> 前記重合性化合物として下記式(2)で表わされるエピスルフィド化合物を含む上記<2>〜<4>のいずれかに記載の光学材料用組成物である。
Figure 0005773100
(式中、mは0〜4の整数、nは0〜2の整数を示す。)
<6> 前記式(2)で表わされるエピスルフィド化合物を40〜99.999質量%含む上記<5>記載の光学材料用組成物である。
<7> 上記<2>〜<6>のいずれかに記載の光学材料用組成物に、重合触媒を該光学材料用組成物の総量に対して0.0001質量%〜10質量%添加し、重合硬化して光学材料を製造することを特徴とする光学材料の製造方法である。
<8> 上記<7>に記載の光学材料の製造方法によって得られる光学材料である。
<9> 上記<8>に記載の光学材料を含有する光学レンズである。
<10> 上記<1>に記載の下記式(1)で表されるエピスルフィド化合物の製造方法であって、
Figure 0005773100
(式中、mは0〜4の整数、nは0〜2の整数を示す。)
硫化水素またはポリチオール化合物と、エピハロヒドリン化合物との反応により下記式(3)で表される化合物を得る工程、
得られた式(3)で表される化合物をアルカリと反応させて脱ハロゲン化水素反応を進行させて下記式(4)で表される化合物を得る工程、
得られた式(4)で表される化合物をチア化剤と反応させて前記式(1)で表される化合物を得る工程を有する、前記製造方法である。
Figure 0005773100
(式中、Xはハロゲン原子、mは0〜4の整数、nは0〜2の整数を示す。)
Figure 0005773100
(式中、Xはハロゲン原子、mは0〜4の整数、nは0〜2の整数を示す。)
本発明により、高屈折率を有する光学材料を製造する際、エピスルフィド化合物等の重合性化合物を安定して安価で保管することができ、かつ耐光性が良い光学材料が得られる光学材料用組成物を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の一実施形態は、前記式(1)で表されるエピスルフィド化合物であり、更に、本発明の他の一実施形態は、前記式(1)で表されるエピスルフィド化合物と重合性化合物とを含む光学材料用組成物である。該重合性化合物としては、エピスルフィド化合物、ビニル化合物、メタクリル化合物、アクリル化合物、アリル化合物などが挙げられるが、好ましくはエピスルフィド化合物であり、より好ましくは前記式(2)で表わされるエピスルフィド化合物である。
本発明の光学材料用組成物中の前記式(1)で表されるエピスルフィド化合物の割合は、0.001〜5.0質量%であることが好ましく、より好ましくは0.005〜3.0質量%であり、特に好ましくは0.01〜1.0質量%である。式(1)で表されるエピスルフィド化合物の含有量が0.001質量%を下回ると十分な効果が得られない場合があり、5.0質量%を超えると耐熱性が低下する場合がある。また、本発明の光学材料用組成物中の重合性化合物の割合は、95.0〜99.999質量%であることが好ましく、より好ましくは97.0〜99.995質量%であり、特に好ましくは99.0〜99.99質量%である。重合性化合物として前記式(2)で表わされるエピスルフィド化合物を用いる場合、光学材料用組成物中の前記式(2)で表わされるエピスルフィド化合物の割合は、40〜99.999質量%であることが好ましく、より好ましくは50〜99.995質量%であり、特に好ましくは60〜99.99質量%である。
以下、前記式(1)で表されるエピスルフィド化合物、および前記式(2)で表されるエピスルフィド化合物について詳細に説明する。
本発明の一実施形態は、前記式(1)で表されるエピスルフィド化合物であり、また式(1)で表されるエピスルフィド化合物は、本発明の他の一実施形態である光学材料用組成物に使用される。式(1)中、好ましくは、mは0〜2の整数、nは0または1の整数であり、より好ましくはmが0でnが1、またはnが0の化合物であり、最も好ましくはnが0の化合物である。式(1)で表されるエピスルフィド化合物は単独でも、2種類以上を混合して用いてもかまわない。
式(1)で表されるエピスルフィド化合物の具体例としては、1−メルカプト−2−ヒドロキシ−6,7−エピチオ−4−チアヘプタン、1−メルカプト−2−ヒドロキシ−7,8−エピチオ−4,5−ジチアオクタン、1−メルカプト−2−ヒドロキシ−8,9−エピチオ−4,6−ジチアノナン、1−メルカプト−2−ヒドロキシ−9,10−エピチオ−4,7−ジチアデカン、1−メルカプト−2−ヒドロキシ−12,13−エピチオ−4,7,10−トリチアトリデカンなどが挙げられ、それらの中でも、1−メルカプト−2−ヒドロキシ−6,7−エピチオ−4−チアヘプタン、及び1−メルカプト−2−ヒドロキシ−7,8−エピチオ−4,5−ジチアオクタンが好ましく挙げられる。
以下、本発明の式(1)で表されるエピスルフィド化合物の製造方法について説明するが、製造方法は特に限定されない。
本発明の式(1)で表されるエピスルフィド化合物の製造方法としては、硫化水素またはポリチオール化合物と、エピハロヒドリン化合物との反応で下記式(3)で表される化合物を得た後、次いで得られた式(3)で表される化合物をアルカリと反応させて脱ハロゲン化水素反応を進行させて下記式(4)で表される化合物を得た後、さらに得られた式(4)で表される化合物をチオ尿素、チオシアン酸塩等のチア化剤と反応させて式(1)で表されるエピスルフィド化合物を得る方法が挙げられる。
Figure 0005773100
(式中、Xはハロゲン原子、mは0〜4の整数、nは0〜2の整数を示す。)
Figure 0005773100
(式中、Xはハロゲン原子、mは0〜4の整数、nは0〜2の整数を示す。)
式(3)で表される化合物の製造方法について記載する。
式(3)で表される化合物は、硫化水素またはポリチオール化合物と、エピハロヒドリン化合物との反応で得られる。ポリチオール化合物を例示すると、メタンジチオール、1,2−ジメルカプトエタン、1,3−ジメルカプトプロパン、1,4−ジメルカプトブタン、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィドなどが挙げられる。硫化水素またはポリチオール化合物の中で、好ましくは硫化水素、1,2−ジメルカプトエタン、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィドであり、最も好ましくは硫化水素である。エピハロヒドリン化合物としては、エピクロロヒドリンやエピブロモヒドリン等を例示できるが、好ましくはエピクロロヒドリンである。
エピハロヒドリンと、硫化水素またはポリチオール化合物とを反応させる際、好ましくは触媒を使用する。触媒としては無機酸、有機酸、ルイス酸、ケイ酸、ホウ酸、第4級アンモニウム塩、無機塩基、有機塩基などが挙げられる。好ましくは有機酸、第4級アンモニウム塩、及び無機塩基であり、より好ましくは第4級アンモニウム塩、及び無機塩基である。具体例としては、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムアセテート、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムアセテート、テトラヘキシルアンモニウムクロライド、テトラヘキシルアンモニウムブロマイド、テトラヘキシルアンモニウムアセテート、テトラオクチルアンモニウムクロライド、テトラオクチルアンモニウムブロマイド、テトラオクチルアンモニウムアセテート、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどが挙げられる。中でも好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化カルシウムである。
触媒の添加量は、反応を進行させるためであれば特に制限はないが、好ましくはエピハロヒドリン1モルに対し、0.00001〜0.5モル、より好ましくは0.001〜0.1モル使用する。0.00001モル未満では反応が進行しないか遅くなりすぎで好ましくなく、0.5モルを超えると反応が進行しすぎて制御が困難となり好ましくない。
エピハロヒドリンと、硫化水素もしくはポリチオール化合物との割合は、反応が進行するのであれば特に制限はないが、好ましくはポリチオール化合物のチオール基(SH基)または硫化水素のHに対するエピハロヒドリンのモル比は0.3〜4、より好ましくは0.4〜3、更に好ましくは0.5〜2である。0.3未満もしくは4を超えた場合では未反応の原材料の余剰が多くなり、経済的に好ましくない。
溶媒は使用してもしなくてもよいが、使用する場合は水、アルコール類、エーテル類、ケトン類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類などが用いられる。具体例としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、メチルエチルケトン、アセトン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等が挙げられる。中でも好ましくは水、メタノール、及びトルエンであり、最も好ましくは水、及びメタノールである。
反応温度は、反応を進行させるためであれば特に制限はないが、好ましくは−10℃〜80℃、より好ましくは0℃〜50℃、更に好ましくは0℃〜40℃である。反応時間は特に制限はないが、通常は20時間以下である。−10℃未満では反応が進行しないか遅くなりすぎで好ましくなく、80℃を超えるとオリゴマー化して高分子量となり好ましくない。
また、式(3)でm=0、n=1となるジスルフィド結合を有する化合物は、エピハロヒドリンと硫化水素を反応させてハロゲノ基、アルコール性水酸基およびチオール基(SH基)を有する化合物を得たのち、SH基同士をハロゲン化合物と塩基性化合物を用い分子間反応でジスルフィド化して得てもよい。ジスルフィド化で用いるハロゲン化合物の具体例は、塩素、臭素、及びヨウ素であるが、好ましくは臭素、及びヨウ素である。ハロゲン化合物は、SH基1モルに対し0.1〜5モル使用する。好ましくは0.2〜3モル、より好ましくは0.3〜1モルである。0.1未満もしくは5モルを超えた場合では未反応の原材料の余剰が多くなり、経済的に好ましくない。
塩基性化合物の具体例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどが挙げられる。好ましくは炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、及び炭酸水素カリウムである。
塩基性化合物は、SH基1モルに対し0.1〜10モル使用する。好ましくは0.2〜5モル、より好ましくは0.3〜3モルである。0.1未満もしくは10モルを超えた場合では未反応の原材料の余剰が多くなり、経済的に好ましくない。
溶媒は使用してもしなくてもよいが、使用する場合は水、アルコール類、エーテル類、ケトン類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類が用いられる。具体例としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、メチルエチルケトン、アセトン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等が挙げられる。中でも好ましくは水、メタノール、及びトルエンであり、最も好ましくは水、及びメタノールである。
反応温度は、反応を進行させるためであれば特に制限はないが、好ましくは−10℃〜80℃、より好ましくは0℃〜50℃、更に好ましくは0℃〜40℃である。反応時間は特に制限はないが、通常は20時間以下である。−10℃未満では反応が進行しないか遅くなりすぎで好ましくなく、80℃を超えるとオリゴマー化して高分子量となり好ましくない。
式(4)で表される化合物の製造方法について記載する。
式(4)で表される化合物は、式(3)で表される化合物をアルカリと反応させて得られるが、アルカリの具体例としては、アンモニア、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸水素塩、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のアンモニウム塩などが挙げられる。これらは水溶液として用いても良い。好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、及び炭酸水素カリウムであり、より好ましくは、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウムである。
使用するアルカリの量は、原料となる式(3)で表される化合物により一概に規定できないが、通常はアルカリを式(3)で表される化合物中のハロヒドリン当量に対し、0.40〜0.60当量、好ましくは0.42〜0.57当量、より好ましくは0.45〜0.55当量使用する。アルカリ量が少ない場合、もしくは多い場合は、収量が低下する。
反応時に使用する溶媒は、特に制限は無くいかなる溶媒を使用しても良いが、好ましくは水、アルコール類、エーテル類、ケトン類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類などが用いられる。これらは単独でも混合して用いても構わない。アルコール類の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどが挙げられ、エーテル類の具体例としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどが挙げられ、ケトン類の具体例としては、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、メチルエチルケトン、アセトンなどが挙げられ、脂肪族炭化水素類の具体例としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどが挙げられ、芳香族炭化水素類の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられ、ハロゲン化炭化水素類の具体例としては、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼンなどが挙げられる。より好ましくは水、及びアルコール類であり、その具体例は、水、メタノール、プロパノール、及びイソプロパノールである。中でも好ましくは水、及びメタノールである。
溶媒の量は特に制限はないが、通常は式(3)で表される化合物100質量部に対し、5〜1000質量部、好ましくは50〜500質量部、より好ましくは100〜300質量部である。
反応温度は、反応を進行させるためであれば特に制限はないが、好ましくは−10℃〜80℃、より好ましくは0℃〜50℃、更に好ましくは0℃〜30℃である。反応時間は特に制限はないが、通常は20時間以下である。−10℃未満では反応が進行しないか遅くなりすぎで好ましくなく、80℃を超えるとオリゴマー化して高分子量となり好ましくない。
更に詳述すると、式(3)で表される化合物を、有機溶媒と、塩基性化合物の水溶液との混合溶媒に滴下して反応させることが好ましい。式(3)で表される化合物の滴下方法に特に制限は無く、そのまま滴下しても、溶媒に溶解してから滴下しても、式(3)で表される化合物を合成後に単離することなく滴下しても良い。
なお、式(4)で表される化合物のうち、n=0の化合物は、水硫化金属とエピハロヒドリンから得ることができる。
エピハロヒドリンに水硫化金属を添加して反応させる。その際、水硫化金属をエピハロヒドリン/水硫化金属のモル比が5〜20となるように添加する。好ましくは、5〜15、より好ましくは5〜10である。なお、ここでのモル比は実際の反応系内でのモル比を表わすものではなく、エピハロヒドリンの仕込み量と水硫化金属の最終的な添加量とのモル比を表わす。
エピハロヒドリン/水硫化金属のモル比が5未満の場合、オリゴマーが多く生成し、収率の低下を招くことがある。一方、エピハロヒドリン/水硫化金属のモル比が20を超える場合、エピハロヒドリンを大過剰に使用するため経済的に好ましくない。
エピハロヒドリンへの水硫化金属の添加は、一度に添加するのではなく徐々に添加する方法がオリゴマーの生成が少なく好ましい。
溶媒は、エピハロヒドリンと水硫化金属が反応するのであれば特に使用しなくてもよいが、好ましくは溶媒を使用する。溶媒を使用する場合は、好ましくは水、アルコール類、エーテル類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、及びハロゲン化炭化水素類であり、より好ましくは水、及びアルコール類であり、さらに好ましくは水、及びメタノールであり、最も好ましくはメタノールである。これら溶媒は単独で用いても混合して用いても構わない。
溶媒は、水硫化金属を溶解するために使用することが好ましい。さらに言うのであれば、エピハロヒドリンと溶媒に溶解した水硫化金属を反応させることが好ましく、より好ましくはエピハロヒドリンへ溶媒に溶解した水硫化金属を滴下することである。
反応温度は−5〜30℃であり、好ましくは0℃〜20℃、最も好ましくは5〜15℃である。−5℃を下回ると反応速度が低下して経済的に好ましくなく、30℃を超えると(2)式で表されるエピスルフィド化合物が増加して好ましくない。
なお、1水硫化金属添加終了後に1分〜10時間攪拌することは好ましいことである。より好ましくは5分〜5時間であり、更に好ましくは10分〜3時間である。
上記のエピハロヒドリンと水硫化金属を反応させたのち、アルカリを添加して反応を促進させてもよい。アルカリの具体例としては、アンモニア、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸水素塩、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のアンモニウム塩などが挙げられる。これらは水溶液として用いても良い。好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、及び炭酸水素カリウムであり、より好ましくは、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウムである。
式(4)で表わされる化合物から式(1)で表されるエピスルフィド化合物の製造方法について記載する。
式(4)で表される化合物とチオ尿素、チオシアン酸塩等のチア化剤を反応させて式(1)で表されるエピスルフィド化合物を得る。好ましいチア化剤は、チオ尿素、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、及びチオシアン酸アンモニウムであり、特に好ましい化合物はチオ尿素である。チア化剤は、式(4)で表される化合物のエポキシとハロゲンの合計に対応するモル数、すなわち理論量を使用するが、反応速度、純度を重視するのであれば理論量〜理論量の2.5倍モルを使用する。好ましくは理論量の1.3倍モル〜理論量の2.0倍モルであり、より好ましくは理論量の1.5倍モル〜理論量の2.0倍モルである。溶媒は、チア化剤と、式(1)で表されるエピスルフィド化合物、及び式(4)で表される化合物を溶解するのであれば特に制限はないが、具体例としてメタノール、エタノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等のヒドロキシエーテル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、水などが挙げられる。好ましくはアルコール類、芳香族炭化水素、及び水であり、より好ましくはメタノール、及びトルエンである。これらは単独でも混合して用いてもかまわない。
反応温度は、反応が進行するのであれば特に制限はないが、通常は10℃〜50℃で実施する。10℃未満の場合、反応速度の低下に加え、チオ尿素が溶解不十分となり反応が十分に進行せず、50℃を超える場合、ポリマーの生成が顕著となることがある。
反応時に、酸もしくは酸無水物、アンモニウム塩を添加することは好ましいことである。使用する酸もしくは酸無水物の具体例としては、硝酸、塩酸、過塩素酸、次亜塩素酸、二酸化塩素、フッ酸、硫酸、発煙硫酸、塩化スルフリル、ホウ酸、ヒ酸、亜ヒ酸、ピロヒ酸、燐酸、亜リン酸、次亜リン酸、オキシ塩化リン、オキシ臭化リン、硫化リン、三塩化リン、三臭化リン、五塩化リン、青酸、クロム酸、無水硝酸、無水硫酸、酸化ホウ素、五酸化ヒ酸、五酸化燐、無水クロム酸、シリカゲル、シリカアルミナ、塩化アルミニウム、塩化亜鉛等の無機の酸性化合物、蟻酸、酢酸、過酢酸、チオ酢酸、蓚酸、酒石酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ナフテン酸、メチルメルカプトプロピオネート、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、シクロヘキサンカルボン酸、チオジプロピオン酸、ジチオジプロピオン酸酢酸、マレイン酸、安息香酸、フェニル酢酸、o−トルイル酸、m−トルイル酸、p−トルイル酸、サリチル酸、2−メトキシ安息香酸、3−メトキシ安息香酸、ベンゾイル安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、ベンジル酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水安息香酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水トリフルオロ酢酸等の有機カルボン酸類、モノ、ジおよびトリメチルホスフェート、モノ、ジおよびトリエチルホスフェート、モノ、ジおよびトリイソブチルホスフェート、モノ、ジおよびトリブチルホスフェート、モノ、ジおよびトリラウリルホスフェート等のリン酸類およびこれらのホスフェート部分がホスファイトとなった亜リン酸類、ジメチルジチオリン酸に代表されるジアルキルジチオリン酸類等の有機リン化合物、フェノール、カテコール、t−ブチルカテコール、2,6−ジ−t−ブチルクレゾール、2,6−ジ−t−ブチルエチルフェノール、レゾルシン、ハイドロキノン、フロログルシン、ピロガロール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノール、ノニルフェノール、ヒドロキシフェニル酢酸、ヒドロキシフェニルプロピオン酸、ヒドロキシフェニル酢酸アミド、ヒドロキシフェニル酢酸メチル、ヒドロキシフェニル酢酸エチル、ヒドロキシフェネチルアルコール、ヒドロキシフェネチルアミン、ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルフェノール、ビスフェノール−A、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ビスフェノール−F、ビスフェノール−S、α−ナフトール、β−ナフトール、アミノフェノール、クロロフェノール、2,4,6−トリクロロフェノール等のフェノール類、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ドデカンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、o−トルエンスルホン酸、m−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−フェノールスルホン酸、o−クレゾールスルホン酸、メタニル酸、スルファニル酸、4B−酸、ジアミノスチルベンスルホン酸、ビフェニルスルホン酸、α−ナフタレンスルホン酸、β−ナフタレンスルホン酸、ペリ酸、ローレント酸、フェニルJ酸等のスルホン酸類、等があげられ、これらのいくつかを併用することも可能である。好ましくは、蟻酸、酢酸、過酢酸、チオ酢酸、蓚酸、酒石酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ナフテン酸、メチルメルカプトプロピオネート、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、シクロヘキサンカルボン酸、チオジプロピオン酸、ジチオジプロピオン酸酢酸、マレイン酸、安息香酸、フェニル酢酸、o−トルイル酸、m−トルイル酸、p−トルイル酸、サリチル酸、2−メトキシ安息香酸、3−メトキシ安息香酸、ベンゾイル安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、ベンジル酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水安息香酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、及び無水トリフルオロ酢酸などの有機カルボン酸類であり、より好ましくは無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水安息香酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、及び無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物であり、最も好ましくは無水酢酸である。添加量は通常反応液総量に対して0.001質量%〜10質量%の範囲で用いられるが、好ましくは0.01質量%〜5質量%である。添加量が0.001質量%未満ではポリマーの生成が顕著となって反応収率が低下し、10質量%を超えると収率が著しく低下することがある。また、アンモニウム塩の具体例としては、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、蟻酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、プロピオン酸アンモニウム、安息香酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、水酸化アンモニウムなどが挙げられる。より好ましくは硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、及び塩化アンモニウムであり、最も好ましくは硝酸アンモニウムである。
本発明の光学材料用組成物では、重合性化合物として前記式(2)で表わされるエピスルフィド化合物を好ましく用いることができる。式(2)で表わされるエピスルフィド化合物の具体例としては、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド、ビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド、ビス(β−エピチオプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)エタン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ブタンなどのエピスルフィド類が挙げられる。式(2)で表わされるエピスルフィド化合物は単独でも、2種類以上を混合して用いてもかまわない。
中でも好ましい化合物は、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド((2)式でn=0)、ビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド((2)式でm=0、n=1)であり、最も好ましい化合物は、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド((2)式でn=0)である。
本発明の光学材料用組成物は、得られる樹脂の加熱時の色調を改善するためポリチオール化合物を重合性化合物として含んでも良い。ポリチオール化合物の含有量は、光学材料用組成物の合計を100質量%とした場合、通常は1〜25質量%であり、好ましくは2〜25質量%、特に好ましくは5〜20質量%である。ポリチオール化合物の含有量が1質量%を下回るとレンズ成型時に黄変する場合があり、25質量%を超えると耐熱性が低下する場合がある。本発明で使用するポリチオール化合物は単独でも、2種類以上を混合して用いてもかまわない。
その具体例としては、メタンジチオール、メタントリチオール、1,2−ジメルカプトエタン、1,2−ジメルカプトプロパン、1,3−ジメルカプトプロパン、2,2−ジメルカプトプロパン、1,4−ジメルカプトブタン、1,6−ジメルカプトヘキサン、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、1,2−ビス(2−メルカプトエチルオキシ)エタン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)エタン、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール、1,2,3−トリメルカプトプロパン、2−メルカプトメチル−1,3−ジメルカプトプロパン、2−メルカプトメチル−1,4−ジメルカプトブタン、2−(2−メルカプトエチルチオ)−1,3−ジメルカプトプロパン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、2,4−ジメルカプトメチル−1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、1,1,1−トリス(メルカプトメチル)プロパン、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ブタンジオールビス(2−メルカプトアセテート)、1,4−ブタンジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスメルカプトプロピオネート、 ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネート、1,2−ジメルカプトシクロヘキサン、1,3−ジメルカプトシクロヘキサン、1,4−ジメルカプトシクロヘキサン、1,3−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、2,5−ビス(2−メルカプトエチルチオメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトメチル−1−チアン、2,5−ジメルカプトエチル−1−チアン、2,5−ジメルカプトメチルチオフェン、1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、2,2’−ジメルカプトビフェニル、4、4’−ジメルカプトビフェニル、ビス(4−メルカプトフェニル)メタン、2,2−ビス(4−メルカプトフェニル)プロパン、ビス(4−メルカプトフェニル)エーテル、ビス(4−メルカプトフェニル)スルフィド、ビス(4−メルカプトフェニル)スルホン、ビス(4−メルカプトメチルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−メルカプトメチルフェニル)プロパン、ビス(4−メルカプトメチルフェニル)エーテル、ビス(4−メルカプトメチルフェニル)スルフィド、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、3,4−チオフェンジチオール、1、1、3、3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパンなどを挙げることができる。
これらのなかで好ましい具体例は、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、4、8−ジメルカプトメチル−1、11−ジメルカプト−3、6、9−トリチアウンデカン、4、7−ジメルカプトメチル−1、11−ジメルカプト−3、6、9−トリチアウンデカン、5、7−ジメルカプトメチル−1、11−ジメルカプト−3、6、9−トリチアウンデカン、1、1、3、3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート)、及びトリメチロールプロパントリスメルカプトプロピオネートであり、より好ましくは、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、2,5−ビス(2−メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネート、及びペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレートであり、最も好ましい化合物は、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、及び4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタンである。
本発明の光学材料用組成物は、得られる樹脂の強度を改善するためポリイソシアネート化合物を重合性化合物として含んでも良い。ポリイソシアネート化合物の含有量は、光学材料用組成物の合計を100質量%とした場合、通常は1〜25質量%であり、好ましくは2〜25質量%、特に好ましくは5〜20質量%である。ポリイソシアネート化合物の含有量が1質量%を下回ると強度が低下する場合があり、25質量%を超えると色調が低下する場合がある。本発明で使用するポリイソシアネート化合物は単独でも、2種類以上を混合して用いてもかまわない。
その具体例としては、ジエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、2,6−ビス(イソシアネートメチル)デカヒドロナフタレン、リジントリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、o−トリジンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、3−(2’−イソシアネートシクロヘキシル)プロピルイソシアネート、イソプロピリデンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、2,2’−ビス(4−イソシアネートフェニル)プロパン、トリフェニルメタントリイソシアネート、ビス(ジイソシアネートトリル)フェニルメタン、4,4’,4’’−トリイソシアネート−2,5−ジメトキシフェニルアミン、3,3’−ジメトキシベンジジン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネートビフェニル、4,4’−ジイソシアネート−3,3’−ジメチルビフェニル、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,1’−メチレンビス(4−イソシアネートベンゼン)、1,1’−メチレンビス(3−メチル−4−イソシアネートベンゼン)、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、p−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−ビス(2−イソシアネート−2−プロピル)ベンゼン、2,6−ビス(イソシアネートメチル)ナフタレン、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)テトラヒドロジシクロペンタジエン、ビス(イソシアネートメチル)ジシクロペンタジエン、ビス(イソシアネートメチル)テトラヒドロチオフェン、ビス(イソシアネートメチル)ノルボルネン、ビス(イソシアネートメチル)アダマンタン、チオジエチルジイソシアネート、チオジプロピルジイソシアネート、チオジヘキシルジイソシアネート、ビス〔(4−イソシアネートメチル)フェニル〕スルフィド、2,5−ジイソシアネート−1,4−ジチアン、2,5−ジイソシアネートメチル−1,4−ジチアン、2,5−ジイソシアネートメチルチオフェン、ジチオジエチルジイソシアネート、ジチオジプロピルジイソシアネートなどを挙げることができる。
しかしながら、本発明で使用できるポリイソシアネート化合物はこれらに限定されるわけではなく、また、これらは単独でも、2種類以上を混合して使用してもかまわない。
これらのなかで好ましい具体例は、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、p−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、ビス(イソシアネートメチル)ノルボルネン、および2,5−ジイソシアネートメチル−1,4−ジチアンの中から選ばれる少なくとも1種以上の化合物であり、中でも好ましい化合物は、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、及びm−キシリレンジイソシアネートであり、最も好ましい化合物は、イソホロンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、及び1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンである。
さらに、ポリイソシアネート化合物のNCO基に対するポリチオール化合物中のSH基の割合、即ち[ポリチオール化合物のSH基数/ポリイソシアネート化合物のNCO基数](SH基/NCO基)は、好ましくは1.0〜2.5であり、より好ましくは1.25〜2.25であり、さらに好ましくは1.5〜2.0である。上記割合が1.0を下回るとレンズ成型時に黄色く着色する場合があり、2.5を上回ると耐熱性が低下する場合がある。
本発明の光学材料用組成物は、得られる樹脂の屈折率を向上するため硫黄を重合性化合物として含んでも良い。硫黄の含有量は、光学材料用組成物の合計を100質量%とした場合、通常は0.1〜15質量%であり、好ましくは、0.2〜10質量%、特に好ましくは0.3〜5質量%である。
本発明で用いる硫黄の形状はいかなる形状でもかまわない。具体的には、硫黄は、微粉硫黄、コロイド硫黄、沈降硫黄、結晶硫黄、昇華硫黄等であるが、好ましくは、粒子の細かい微粉硫黄である。
本発明に用いる硫黄の製法はいかなる製法でもかまわない。硫黄の製法は、天然硫黄鉱からの昇華精製法、地下に埋蔵する硫黄の溶融法による採掘、石油や天然ガスの脱硫工程などから得られる硫化水素等を原料とする回収法等があるが、いずれの製法でもかまわない。
本発明に用いる硫黄の粒径は10メッシュより小さいこと、即ち硫黄が10メッシュより細かい微粉であることが好ましい。硫黄の粒径が10メッシュより大きい場合、硫黄が完全に溶解しにくい。このため、第1工程で好ましくない反応等が起き、不具合が生じる場合がある。硫黄の粒径は、30メッシュより小さいことがより好ましく、60メッシュより小さいことが最も好ましい。
本発明に用いる硫黄の純度は好ましくは、98%以上であり、より好ましくは、99.0%以上であり、さらに好ましくは99.5%以上であり、最も好ましくは99.9%以上である。硫黄の純度が98%以上であると、98%未満である場合に比べて、得られる光学材料の色調がより改善する。
本発明の光学材料用組成物を重合硬化して光学材料を得るに際して、重合触媒を添加することが好ましい。重合触媒としてはアミン、ホスフィン、オニウム塩などが用いられるが、特にオニウム塩、中でも第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩、第3級スルホニウム塩、及び第2級ヨードニウム塩が好ましく、中でも光学材料用組成物との相溶性の良好な第4級アンモニウム塩および第4級ホスホニウム塩がより好ましく、第4級ホスホニウム塩がさらに好ましい。より好ましい重合触媒としては、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、1−n−ドデシルピリジニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド等の第4級ホスホニウム塩が挙げられる。これらの中で、さらに好ましい重合触媒は、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、及びテトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイドである。
重合触媒の添加量は、組成物の成分、混合比および重合硬化方法によって変化するため一概には決められないが、通常は光学材料用組成物の合計100質量%に対して、0.0001質量%〜10質量%、好ましくは、0.001質量%〜5質量%、より好ましくは、0.01質量%〜1質量%、最も好ましくは、0.01質量%〜0.5質量%である。重合触媒の添加量が10質量%より多いと急速に重合する場合がある。また、重合触媒の添加量が0.0001質量%より少ないと光学材料用組成物が十分に硬化せず耐熱性が不良となる場合がある。
また、本発明の製造方法で光学材料を製造する際、光学材料用組成物に紫外線吸収剤、ブルーイング剤、顔料等の添加剤を加え、得られる光学材料の実用性をより向上せしめることはもちろん可能である。
紫外線吸収剤の好ましい例としてはベンゾトリアゾール系化合物であり、特に好ましい化合物は、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3、5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、及び2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールである。
これら紫外線吸収剤の添加量は、通常、光学材料用組成物の合計100質量%に対して0.01〜5質量%である。
光学材料用組成物を重合硬化させる際に、ポットライフの延長や重合発熱の分散化などを目的として、必要に応じて重合調整剤を添加することができる。重合調整剤は、長期周期律表における第13〜16族のハロゲン化物を挙げることができる。これらのうち好ましいものは、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、アンチモンのハロゲン化物であり、より好ましいものはアルキル基を有するゲルマニウム、スズ、アンチモンの塩化物である。さらに好ましい化合物は、ジブチルスズジクロライド、ブチルスズトリクロライド、ジオクチルスズジクロライド、オクチルスズトリクロライド、ジブチルジクロロゲルマニウム、ブチルトリクロロゲルマニウム、ジフェニルジクロロゲルマニウム、フェニルトリクロロゲルマニウム、及びトリフェニルアンチモンジクロライドであり、最も好ましい化合物は、ジブチルスズジクロライドである。重合調整剤は単独でも2種類以上を混合して使用してもかまわない。
重合調整剤の添加量は、光学材料用組成物の総計100質量%に対して、0.0001〜5.0質量%であり、好ましくは0.0005〜3.0質量%であり、より好ましくは0.001〜2.0質量%である。重合調整剤の添加量が0.0001質量%よりも少ない場合、得られる光学材料用組成物において充分なポットライフが確保できず、重合調整剤の添加量が5.0質量%よりも多い場合は、光学材料用組成物が充分に硬化せず、得られる光学材料の耐熱性が低下する場合がある。
このようにして得られた光学材料用組成物はモールド等の型に注型し、重合させて光学材料とする。
本発明の光学材料用組成物の注型に際し、0.1〜5μm程度の孔径のフィルター等で不純物を濾過し除去することは、本発明の光学材料の品質を高める上からも好ましい。
本発明の光学材料用組成物の重合は通常、以下のようにして行われる。即ち、硬化時間は通常1〜100時間であり、硬化温度は通常−10℃〜140℃である。重合は所定の重合温度で所定時間保持する工程、0.1℃〜100℃/hの昇温を行う工程、0.1℃〜100℃/hの降温を行う工程によって、又はこれらの工程を組み合わせて行う。
また、硬化終了後、得られた光学材料を50〜150℃の温度で10分〜5時間程度アニール処理を行うことは、本発明の光学材料の歪を除くために好ましい処理である。さらに得られた光学材料に対して、必要に応じて染色、ハードコート、耐衝撃性コート、反射防止、防曇性付与等の表面処理を行ってもよい。
本発明の光学材料は光学レンズとして好適に用いることができる。
以下、本発明の内容を、実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
1.安定性
窒素雰囲気下60℃で1週間光学材料用組成物中の主成分のエピスルフィド化合物(即ち、重合性化合物としてのエピスルフィド化合物)の純度変化をGPC分析で追跡し、純度低下が5%未満をA、5%以上10%未満をB、10%以上をCとした。A及びBが合格レベルである。
2.耐光性評価(色調測定)
(1)初期値の測定
実施例記載の方法で3.0mm厚の平板を作製し、カラーテクノシステム社製色彩計JS−555を用い、YI値を測定した。この値をpとする。
(2)光による色調変化の測定
初期値を測定後、カーボンアーク燃焼光に60時間照射し、その後YI値を測定した。この値をqとする。
(q−p)/pの値を算出し、この値が1.0未満をA、1.0以上2.0未満をB、2.0以上をCとした。A及びBが合格レベルである。
3.離型性
実施例記載の方法で−4Dのレンズを作製し、重合硬化後のモールドからの離型性を評価した。離型が容易であるものをA、離型するものをB、離型が容易でないものをCとした。A及びBが合格レベルである。
(実施例1)
エピクロルヒドリン185g(2.0mol)、水30g、メタノール5g、32%水酸化ナトリウム水溶液1.5gを入れ、攪拌しながら硫化水素35g(1.0mol)を液温5〜15℃に保ちつつ吹き込み、ビス(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)スルフィド210g(0.96mol)を得た。
水100gを投入したのち、32%水酸化ナトリウム水溶液120gを、0〜10℃に保ちながら滴下した。その後メチルイソブチルケトン300gを投入して抽出、得られた有機層を1%酢酸で洗浄したのち水洗し、溶媒を留去した。その後カラムで精製し、1−クロロ−2−ヒドロキシ−6,7−エポキシ−4−チアヘプタンを105g(0.58mol)得た。
その後、トルエン750ml、メタノール750ml、無水酢酸0.2g、チオ尿素177gを投入し、40℃で10時間反応させトルエンで抽出し、得られた有機層を10%硫酸で洗浄したのち水洗し、溶媒を留去した。その後カラムで精製し、以下の構造式で表される1−メルカプト−2−ヒドロキシ−6,7−エピチオ−4−チアヘプタンを40g(0.20mol)得た。
Figure 0005773100
H−NMR(CDCl):1.5ppm(1H)、2.0ppm(1H)、2.2−2.7ppm(9H)、3.8ppm(1H)
13C−NMR(CDCl):25ppm、33ppm(2C)、39ppm、45ppm、78ppm
(実施例2)
エピクロロヒドリン190g(2.1mol)、メタノール500ml、水酸化カルシウム1.0gを入れ、攪拌しながら硫化水素75g(2.2mol)を液温0〜5℃に保ちつつ吹き込み、クロロメルカプトプロパノールを得た。次いで水1000ml、炭酸水素ナトリウム168gを投入し、液温を5〜10℃に保ちつつヨウ素254gを投入した。10℃で12時間反応後、ろ過、乾燥を行い、ビス(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)ジスルフィドを得た。
水100gを投入したのち、32%水酸化ナトリウム水溶液120gを、0〜10℃に保ちながら滴下した。その後メチルイソブチルケトン300gを投入して抽出し、得られた有機層を1%酢酸で洗浄したのち水洗し、溶媒を留去した。その後カラムで精製し、1−クロロ−2−ヒドロキシ−7,8−エポキシ−4,5−ジチアオクタンを20g(0.09mol)得た。
その後、トルエン750ml、メタノール750ml、無水酢酸0.2g、チオ尿素177gを投入し、40℃で10時間反応させトルエンで抽出し、得られた有機層を10%硫酸で洗浄したのち水洗し、溶媒を留去した。その後カラムで精製し、以下の構造式で表される1−メルカプト−2−ヒドロキシ−7,8−エピチオ−4,5−ジチアオクタンを9.0g(0.04mol)得た。
Figure 0005773100
H−NMR(CDCl):1.5ppm(1H)、2.0ppm(1H)、2.2−3.0ppm(9H)、3.8ppm(1H)
13C−NMR(CDCl):24ppm、32ppm(2C)、41ppm、46ppm、77ppm
(実施例3〜8)
重合性化合物としてのビス(β−エピチオプロピル)スルフィド(以下化合物a)に、実施例1で調製した式(1)で表される1−メルカプト−2−ヒドロキシ−6,7−エピチオ−4−チアヘプタン(以下化合物b)を表1に示す量添加し、安定性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例9〜14)
重合性化合物としてのビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド(以下化合物c)に、実施例2で調製した式(1)で表される1−メルカプト−2−ヒドロキシ−7,8−エピチオ−4,5−ジチアオクタン(以下化合物d)を表1に示す量添加し、安定性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
化合物aのみの安定性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
化合物cのみの安定性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0005773100
(実施例15〜20)
化合物aと化合物bとを表2に示す量で混合し、紫外線吸収剤として、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール1.0質量%、重合触媒としてテトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド0.05質量%を添加後、20℃でよく混合し均一とした。ついで1.3kPaの真空度で脱気を行い、2枚のガラス板とテープから構成されるモールド(3.0mm厚の平板用および−4Dのレンズ用)へ注入し、30℃で10時間加熱し、100℃まで10時間かけて一定速度で昇温させ、最後に100℃で1時間加熱し、重合硬化させた。放冷後、モールドから離型し、110℃で60分アニール処理して成型板(3.0mm厚の平板および−4Dのレンズ)を得た。平板について耐光性評価(色調測定)を行い、−4Dレンズの離型性の評価を行った。これらの結果を表2に示す。
(比較例3)
化合物aに紫外線吸収剤として、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール1.0質量%、重合触媒としてテトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド0.05質量%を添加後、20℃でよく混合し均一とした。ついで1.3kPaの真空度で脱気を行い、2枚のガラス板とテープから構成されるモールド(3.0mm厚の平板用および−4Dのレンズ用)へ注入し、30℃で10時間加熱し、100℃まで10時間かけて一定速度で昇温させ、最後に100℃で1時間加熱し、重合硬化させた。放冷後、モールドから離型し、110℃で60分アニール処理して成型板(3.0mm厚の平板および−4Dのレンズ)を得た。平板について耐光性評価(色調測定)を行い、−4Dレンズの離型性の評価を行った。これらの結果を表2に示す。
(比較例4、5)
化合物aと以下の構造式で表される1−クロロ−2−ヒドロキシ−6,7−エポキシ−4−チアヘプタン(以下、化合物e)とを表2に示す量で混合し、紫外線吸収剤として、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール1.0質量%、重合触媒としてテトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド0.05質量%を添加後、20℃でよく混合し均一とした。ついで1.3kPaの真空度で脱気を行い、2枚のガラス板とテープから構成されるモールド(3.0mm厚の平板用および−4Dのレンズ用)へ注入し、30℃で10時間加熱し、100℃まで10時間かけて一定速度で昇温させ、最後に100℃で1時間加熱し、重合硬化させた。放冷後、モールドから離型し、110℃で60分アニール処理して成型板(3.0mm厚の平板および−4Dのレンズ)を得た。平板について耐光性評価(色調測定)を行い、−4Dレンズの離型性の評価を行った。これらの結果を表2に示す。
Figure 0005773100
(実施例21〜26)
化合物cと化合物dとを表2に示す量で混合し、紫外線吸収剤として、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール1.0質量%、重合触媒としてN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.5質量%を添加後、20℃でよく混合し均一とした。ついで1.3kPaの真空度で脱気を行い、2枚のガラス板とテープから構成されるモールド(3.0mm厚の平板用および−4Dのレンズ用)へ注入し、30℃で10時間加熱し、100℃まで10時間かけて一定速度で昇温させ、最後に100℃で1時間加熱し、重合硬化させた。放冷後、モールドから離型し、110℃で60分アニール処理して成型板(3.0mm厚の平板および−4Dのレンズ)を得た。平板について耐光性評価(色調測定)を行い、−4Dレンズの離型性の評価を行った。これらの結果を表2に示す。
(比較例6)
化合物cに紫外線吸収剤として、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール1.0質量%、重合触媒としてN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.5質量%を添加後、20℃でよく混合し均一とした。ついで1.3kPaの真空度で脱気を行い、2枚のガラス板とテープから構成されるモールド(3.0mm厚の平板用および−4Dのレンズ用)へ注入し、30℃で10時間加熱し、100℃まで10時間かけて一定速度で昇温させ、最後に100℃で1時間加熱し、重合硬化させた。放冷後、モールドから離型し、110℃で60分アニール処理して成型板(3.0mm厚の平板および−4Dのレンズ)を得た。平板について耐光性評価(色調測定)を行い、−4Dレンズの離型性の評価を行った。これらの結果を表2に示す。
(比較例7、8)
化合物cと以下の構造式で表される1−クロロ−2−ヒドロキシ−7,8−エポキシ−4,5−ジチアオクタン(以下、化合物f)とを表2に示す量で混合し、紫外線吸収剤として、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール1.0質量%、重合触媒としてN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.5質量%を添加後、20℃でよく混合し均一とした。ついで1.3kPaの真空度で脱気を行い、2枚のガラス板とテープから構成されるモールド(3.0mm厚の平板用および−4Dのレンズ用)へ注入し、30℃で10時間加熱し、100℃まで10時間かけて一定速度で昇温させ、最後に100℃で1時間加熱し、重合硬化させた。放冷後、モールドから離型し、110℃で60分アニール処理して成型板(3.0mm厚の平板および−4Dのレンズ)を得た。平板について耐光性評価(色調測定)を行い、−4Dレンズの離型性の評価を行った。これらの結果を表2に示す。
Figure 0005773100
Figure 0005773100

Claims (10)

  1. 下記式(1)で表されるエピスルフィド化合物。
    Figure 0005773100
    (式中、mは0〜4の整数、nは0〜2の整数を示す。)
  2. 請求項1に記載のエピスルフィド化合物と重合性化合物とを含む光学材料用組成物。
  3. 前記エピスルフィド化合物の含有量が0.001〜5.0質量%である、請求項2記載の光学材料用組成物。
  4. 前記重合性化合物を95.0〜99.999質量%含む請求項2または3記載の光学材料用組成物。
  5. 前記重合性化合物として下記式(2)で表わされるエピスルフィド化合物を含む請求項2〜4のいずれかに記載の光学材料用組成物。
    Figure 0005773100
    (式中、mは0〜4の整数、nは0〜2の整数を示す。)
  6. 前記式(2)で表わされるエピスルフィド化合物を40〜99.999質量%含む請求項5記載の光学材料用組成物。
  7. 請求項2〜6のいずれかに記載の光学材料用組成物に、重合触媒を該光学材料用組成物の総量に対して0.0001質量%〜10質量%添加し、重合硬化して光学材料を製造することを特徴とする光学材料の製造方法。
  8. 請求項7に記載の光学材料の製造方法によって得られる光学材料。
  9. 請求項8に記載の光学材料を含有する光学レンズ。
  10. 請求項1に記載の下記式(1)で表されるエピスルフィド化合物の製造方法であって、
    Figure 0005773100
    (式中、mは0〜4の整数、nは0〜2の整数を示す。)
    硫化水素またはポリチオール化合物と、エピハロヒドリン化合物との反応により下記式(3)で表される化合物を得る工程、
    得られた式(3)で表される化合物をアルカリと反応させて脱ハロゲン化水素反応を進行させて下記式(4)で表される化合物を得る工程、
    得られた式(4)で表される化合物をチア化剤と反応させて前記式(1)で表される化合物を得る工程を有する、前記製造方法。
    Figure 0005773100
    (式中、Xはハロゲン原子、mは0〜4の整数、nは0〜2の整数を示す。)
    Figure 0005773100
    (式中、Xはハロゲン原子、mは0〜4の整数、nは0〜2の整数を示す。)
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