JP5770771B2 - 六方晶フェライト磁性粉末およびその製造方法、ならびに磁気記録媒体 - Google Patents

六方晶フェライト磁性粉末およびその製造方法、ならびに磁気記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、六方晶フェライト磁性粉末およびその製造方法に関するものであり、詳しくは、高密度記録用磁気記録媒体の強磁性粉末として好適な六方晶フェライト磁性粉末およびその製造方法に関するものである。
更に本発明は、上記六方晶フェライト磁性粉末を含む磁気記録媒体にも関するものである。
従来、高密度記録用磁気記録媒体の磁性層には強磁性金属磁性粉末が主に用いられてきた。強磁性金属磁性粉末は主に鉄を主体とする針状粒子からなり、高密度記録のために粒子サイズの微細化、高保磁力化が追求され各種用途の磁気記録媒体に用いられてきた。
記録情報量の増加により、磁気記録媒体には常に高密度記録が要求されている。しかしながら更に高密度記録を達成するためには強磁性金属磁性粉末の改良には限界が見え始めている。これに対し、六方晶フェライト磁性粉末を磁性層に用いた磁気記録媒体は、その垂直成分により高密度特性に優れる。したがって六方晶フェライト磁性粉末は、高密度化に適した強磁性体である。そのため近年、六方晶フェライト磁性粉末を使用した磁気記録媒体について、様々な検討がなされている(例えば特許文献1〜6参照)。
特開2011−178654号公報 特開2012−142529号公報 特開2012−204726号公報 特開2006−120823号公報 特許第4675581号明細書 特開2010−239067号公報
近年、更なる高密度記録化が進行し、記録密度としては面記録密度として1Gbpsi以上、更には10Gbpsi以上が目標とされている。かかる高密度記録化を実現するためには、ノイズ低減のために六方晶フェライト磁性粒子を微粒子化することが求められる。
一方、更なるノイズの低減のためには、磁性体の保磁力分布を示す反転磁界分布SFD(Switching Field Distribution)を小さくすることが望ましい。SFDの低い磁性体を含む磁気記録媒体であれば、高密度で記録した信号を低ノイズで再生することができるため、高SNRを実現することができる。しかし、微粒子化した磁性体においては熱揺らぎの影響が増大するため磁気特性を維持向上させることは困難である。そのため、微粒子化と低SFDを同時に実現することは容易ではなく、特許文献1〜6をはじめとする従来の技術では、微粒子でありながら低SFDを示す六方晶フェライト磁性粉末を得ることは困難であった。
そこで本発明の目的は、六方晶フェライト磁性粉末の微粒子化と低SFD化を両立するための手段を提供することにある。
六方晶フェライトは六角板状の磁性体であり、その形状は粒径(板径)と板厚によって規定される。粒径については、例えば特許文献4〜6には、粒径分布をシャープにすべきであることが記載されている。
これに対し本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、粒径分布をシャープにすることでは微粒子の六方晶フェライト磁性粉末の低SFD化は困難であり、粒径分布に対して板厚分布を相対的にシャープにすることにより、微粒子でありながら低SFDを示し、しかも熱的安定性にも優れる六方晶フェライト磁性粉末を得ることが可能になるとの、従来知られていなかった新たな知見を得るに至った。
本発明者らは、以上の知見に基づき更に検討を重ねた結果、本発明を完成させた。
即ち、上記目的は、下記手段によって達成された。
[1]活性化体積が900〜1600nm3の範囲であり、かつ粒径変動係数に対する板厚変動係数の比率(板厚変動係数/粒径変動係数)が0.20〜0.60の範囲であることを特徴とする六方晶フェライト磁性粉末。
[2]195〜400kA/mの範囲の保磁力を有する[1]に記載の六方晶フェライト磁性粉末。
[3]0.2〜0.8の範囲の反転磁界分布SFDを示す[1]または[2]に記載の六方晶フェライト磁性粉末。
[4]80〜150m2/gの範囲の比表面積を有する[1]〜[3]のいずれかに記載の六方晶フェライト磁性粉末。
[5]Feに対する希土類元素含有量が0〜0.1原子%の範囲である[1]〜[4]のいずれかに記載の六方晶フェライト磁性粉末。
[6]Feに対してAlを1.5〜20原子%含有する[1]〜[5]のいずれかに記載の六方晶フェライト磁性粉末。
[7]磁気記録用磁性粉である[1]〜[6]のいずれかに記載の六方晶フェライト磁性粉末。
[8][1]〜[7]のいずれかに記載の六方晶フェライト磁性粉末の製造方法であって、
ガラス形成成分および六方晶フェライト形成成分を含む原料混合物を用いるガラス結晶化法により、前記六方晶フェライト磁性粉末を得ることを含む、前記製造方法。
[9]前記原料混合物は、原料混合物総量100モル%に対して30〜50モル%のBaO成分を含む[8]に記載の六方晶フェライト磁性粉末の製造方法。
[10]前記原料混合物は、原料混合物総量100モル%に対して20〜50モル%のFe23成分を含む[8]または[9]に記載の六方晶フェライト磁性粉末の製造方法。
[11]前記原料混合物は、原料混合物総量100モル%に対して1〜15モル%のAl23成分を含む[8]〜[10]のいずれかに記載の六方晶フェライト磁性粉末の製造方法。
[12]前記ガラス結晶化法は、
前記原料混合物を溶融槽内で溶融すること、
溶融槽底面に設けた流出口から溶融液を排出し、溶融槽下方に設置された回転する一対の圧延ロール間に供給すること、
供給された溶融液を圧延ロール間で圧延冷却することにより該ロール間から非晶質体を排出すること、
前記非晶質体に加熱処理を施し六方晶フェライト磁性粒子を析出させること、および
前記加熱処理により得られた物質から析出した六方晶フェライト磁性粒子を捕集すること、
を含み、
前記流出口からの溶融液の排出を、1〜5g/秒の出湯量で熔融液を連続出湯することにより行う[8]〜[11]のいずれかに記載の六方晶フェライト磁性粉末の製造方法。
[13]前記流出口からの溶融液の排出を、溶融槽内で溶融液を撹拌しながら加圧出湯することにより行う[12]に記載の六方晶フェライト磁性粉末の製造方法。
[14]非磁性支持体上に、強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体であって、
前記強磁性粉末は、[1]〜[7]のいずれかに記載の六方晶フェライト磁性粉末である磁気記録媒体。
本発明によれば、高密度記録領域において優れた電磁変換特性を発揮する磁気記録媒体を提供することができる。
図1は、比率(板厚変動係数/粒径変動係数)、板厚変動係数、粒径変動係数と、六方晶フェライト磁性粉末の熱的安定性、SFDとの関係を示すグラフである。
本発明は、六方晶フェライト磁性粉末に関する。本発明の六方晶フェライト磁性粉末は、活性化体積が900〜1600nm3の範囲であり、かつ粒径変動係数に対する板厚変動係数の比率(板厚変動係数/粒径変動係数)が0.20〜0.60の範囲である。
以下、本発明の六方晶フェライト磁性粒子について、更に詳細に説明する。
本発明の六方晶フェライト磁性粉末は、900〜1600nm3の範囲の活性化体積を有する。活性化体積とは、磁化反転の単位であって、磁気的な磁性体サイズを示す指標であり、活性化体積が1600nm3以下であることにより、高密度記録領域においてノイズを低減し高SNRを実現することができる。これに対し磁化反転体積が1600nm3を超えると、粒子サイズが大きいため媒体中の磁性体充填率が低下することで媒体性能が低下する。他方、活性化体積が900nm3未満の六方晶フェライト磁性粉末は過度に微粒子であるため良好な磁気特性を維持することが困難であり、また分散困難であることが媒体性能低下の原因となる。また、活性化体積が900nm3未満の六方晶フェライト磁性粉末は、Xを制御したとしても良好な熱的安定性を維持することは困難である。活性化体積は、好ましくは900〜1500nm3の範囲、より好ましくは1000〜1500nm3の範囲である。活性化体積は、後述の実施例に示す方法により測定することができる。
活性化体積とは、上記の通り磁気的な磁性体サイズを示す指標である。これに対し物理的な磁性体サイズは、例えば比表面積を指標とすることができる。磁気的な磁性体サイズ、物理的な磁性体サイズとも小さいことが、より一層のノイズ低減の観点からは好ましい。この点から、本発明の六方晶フェライト磁性粉末は、比表面積が大きいほど望ましく、比表面積として80〜150m2/gの範囲の粒子サイズを有することが好ましく、90〜150m2/gの範囲、更には90〜140m2/gの範囲の比表面積を有することがより好ましい。なお本発明における比表面積とは、BET法による比表面積SBETをいうものとする。
六方晶フェライト磁性粉末の活性化体積および比表面積は、磁性粒子の製造条件により制御することができる。例えば、ガラス結晶化法により製造する場合には、結晶化条件(結晶化温度および該温度における保持時間等)により、得られる六方晶フェライト磁性粉末の活性化体積および比表面積を制御することができる。
本発明の六方晶フェライト磁性粉末は、上記粒子サイズを有するとともに、粒径変動係数に対する板厚変動係数の比率(板厚変動係数/粒径変動係数)が0.20〜0.60の範囲である。以下、上記比率をXと記載する。板厚変動係数が、粒径変動係数に対して相対的に小さいことが、即ち、板厚分布が粒径分布に対して相対的にシャープであることが、微粒子の六方晶フェライトのSFD低減に寄与することを、本発明者らが鋭意検討の結果、初めて見出したことにより、本発明は完成された。更に、磁性体が微粒子になるほど熱揺らぎによる影響を受けやすく記録保持性は低下する傾向があるのに対し、比率Xが0.20〜0.60である六方晶フェライト磁性粉末は、上記範囲の活性化体積を有する微粒子でありながら、高い熱的安定性を有することも、本発明者らの検討の結果、明らかとなった。
板厚分布が粒径分布に対して相対的にシャープであることを示す指標が、上記比率Xである。この比率Xが0.60を超えると、結晶磁気異方性分布が増大するためSFD増加を招くとともに、熱的安定性も低下傾向を示す。また、記録の記録保持性の観点からは保磁力Hcは大きいほど好ましいが、Xが0.60を超えると保磁力Hcが低下する傾向がある。したがって本発明では、Xは0.60以下とする。他方、Xが0.20未満になるほど、粒径分布に対して板厚分布がシャープな六方晶フェライトは現在の技術では作製困難であるため、Xは0.20以上とする。Xは、好ましくは0.20〜0.50の範囲、より好ましくは0.30〜0.50の範囲、更に好ましくは0.40〜0.50の範囲である。
上記Xの制御方法については、後述する。
六方晶フェライト磁性粉末の板厚変動係数および粒径変動係数は、例えば透過型電子顕微鏡で撮影した写真において500個の粒子を抽出して測定した板厚の平均値(平均板厚)および粒径(板径)の平均値(平均粒径)を求め、これら500個の粒子の板厚、板径について標準偏差を求めて平均値で除した値として、算出することができる。
なお本発明において六方晶フェライト磁性粉末の粒子サイズに関する測定は、以下の方法によって行うこととする。他の粉末の粒子サイズも、以下の方法に準じて測定することができる。
六方晶フェライト磁性粉末等の粉末1mgを、5mlの純水を入れたポリプロピレン製バイアル瓶(容量11ml)に投入し、Ultra Sonic multi cleaner W−113(本多電子株式会社製)にて、28kHz×10分の条件で水分散させる。続いて分散液5μlを、エラスチックカーボン支持膜上に滴下し、自然乾燥させる。その後、日立製透過型電子顕微鏡H−9000型を用いて粒子を撮影倍率100000倍で撮影し、総倍率500000倍になるように印画紙にプリントして粒子写真を得る。粒子写真から板面に対し垂直方向に向いている粒子を選びデジタイザーで粒子の輪郭をトレースしカールツァイス製画像解析ソフトKS−400で粒子のサイズを測定する。トレースした輪郭の対角線にあたる最大長径を粒径、最小長径を板厚とし、それぞれについて500個の粒子を測定して粒径の平均値および標準偏差、板厚の平均値および標準偏差を求める。
本発明の六方晶フェライト磁性粉末の磁気特性については、記録保持性の観点から、保磁力Hcは、195〜400kA/mの範囲であることが好ましく、200〜360kA/mの範囲であることがより好ましい。また、前述の通り、微粒子の六方晶フェライト磁性粉末を含む磁気記録媒体におけるノイズ低減の観点からは、SFDは小さいことが望ましく、0.2〜0.8の範囲であることが好ましく、0.2〜0.6の範囲であることがより好ましい。なお本発明におけるHc、SFD等の磁気特性は、特記しない限り、23℃で測定される値とする。
上記の通り、SFDについては、Xの値を0.2〜0.6の範囲に制御することにより、上記望ましい範囲のSFDを実現することができる。一方、Hcは、六方晶フェライトの原料組成、製造条件(例えばガラス結晶化法における結晶化条件)等により制御することができる。
本発明の六方晶フェライト磁性粉末は、上記範囲の活性化体積を有する微粒子磁性体であることにより高密度記録領域における高SNR達成に寄与するものである。更に、粒径変動係数に対する板厚変動係数の比率(板厚変動係数/粒径変動係数)が0.20〜0.60の範囲であることにより低SFD化および熱的安定性の改善が達成されることによって、これを含む磁気記録媒体のノイズの低減および信号減衰の抑制が可能となり、高密度記録領域において優れた電磁変換特性(高SNR)を有するとともに信頼性の高い磁気記録媒体の提供を可能とすることができる。したがって本発明の六方晶フェライト磁性粉末は、長期にわたり高い信頼性を持って使用可能であることが求められるバックアップテープ等の各種磁気記録媒体における磁気記録用磁性粉として好適である。本発明の六方晶フェライト磁性粉末を磁気記録用磁性粉として適用する態様の詳細は、後述する。
本発明の六方晶フェライト磁性粉末は、上記特性を有するものであれば、その製造方法は特に限定されるものではない。本発明の六方晶フェライト磁性粉末の製造方法としては、ガラス結晶化法、水熱合成法、共沈法等の、六方晶フェライト磁性粉末の製造方法として公知の方法を用いることができる。上記範囲の活性化体積を有する微粒子状の磁性粉末の製造容易性の観点からは、ガラス結晶化法が好ましい。
ガラス結晶化法とは、一般に以下の工程からなるものである。
(1)六方晶フェライト形成成分(任意に保磁力調整成分を含む)およびガラス形成成分を含む原料混合物を溶融し、溶融物を得る工程(溶融工程);
(2)溶融物を急冷し非晶質体を得る工程(非晶質化工程);
(3)非晶質体を加熱処理し、六方晶フェライト粒子を析出させる工程(結晶化工程);
(4)加熱処理物から析出した六方晶フェライト磁性粒子を捕集する工程(粒子捕集工程)。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、ガラス結晶化法において板厚分布を粒径分布に対して相対的にシャープすることで0.2〜0.6の範囲の比率Xを有する六方晶フェライト磁性粉末を得るためには、上記工程(2)において均質性の高い非晶質を得ることが有効であるとの知見を得た。そのためには、原料混合物として易ガラス化組成のものを使用することが、1つの有効な手段である。易ガラス化組成の原料混合物によれば、急冷時に結晶が生成しづらいため、均質性の高い非晶質体を得ることができるからである。また、工程(2)における急冷効率を高めることも、均質な非晶質体を得るための有効な手段である。したがってガラス結晶化法により本発明の六方晶フェライト磁性粉末を得る場合には、上記手段を任意に組み合わせることが好ましい。
以下、上記手段について、更に詳細に説明する。
ガラス結晶化法に用いられる原料混合物は、上記の通り、六方晶フェライト形成成分(任意に保磁力調整成分を含む)およびガラス形成成分を含むものである。ここでガラス形成成分とは、ガラス転移現象を示し非晶質化(ガラス化)し得る成分であり、通常のガラス結晶化法ではB23成分が使用される。本発明でもガラス形成成分としてB23成分を含む原料混合物を使用することができる。なお、ガラス結晶化法において原料混合物に含まれる各成分は、酸化物として、または溶融等の工程において酸化物に変わり得る各種の塩として存在する。本発明において「B23成分」とは、B23自体および工程中にB23に変わり得るH3BO3等の各種の塩を含むものとする。他の成分についても同様である。また、以下に記載の原料混合物の組成については、酸化物換算の組成を示すものとする。B23成分以外のガラス形成成分としては、例えばSiO2成分、P25成分、GeO2成分等を挙げることができる。また、Al23成分も使用可能である。
前記原料混合物に含まれる六方晶フェライト形成成分としては、六方晶フェライト磁性粒子の構成成分となる成分であって、Fe23、BaO、SrO、PbO等の金属酸化物が挙げられる。例えば、六方晶フェライト形成成分の主成分としてBaO成分を使用することによりバリウムフェライト磁性粉末を得ることができる。
六方晶フェライト磁性粒子として、保磁力調整のためFeの一部が他の金属元素によって置換されたものを得ることもできる。置換元素としては、Co−Zn−Nb、Zn−Nb、Co、Zn、Nb、Co−Ti、Co−Ti−Sn、Co−Sn−Nb、Co−Zn−Sn−Nb、Co−Zn−Zr−Nb、Co−Zn−Mn−Nb等が挙げられる。このような六方晶フェライト磁性粉末を得るためには、六方晶フェライト形成成分として、保磁力調整のための成分を併用すればよい。抗磁力調整成分としては、CoO、ZnO等の2価金属の酸化物成分、TiO2、ZrO2、SnO2、MnO2等の4価金属の酸化物成分、Nb25等の5価金属の酸化物成分が挙げられる。上記保磁力調整成分を使用する場合、その含有量は所望の保磁力にあわせて、適宜決定すればよい。
易ガラス化組成であることの指標としては、示差走査熱量測定(DSC)により求められる発熱量(以下、「DSC発熱量」とも記載する。)を用いることができる。上記発熱量が小さいほど結晶発生量が少ないこと、即ちガラス化(非晶質化)しやすいことを意味する。
DSC発熱量の小さい原料混合物を得るための手段の1つとしては、原料混合物中の六方晶フェライト形成成分の濃度を制御することが挙げられる。原料混合物総量100モル%に対して20〜50モル%のFe23成分(ここでFe23成分は、一部が前述の保磁力調整成分によって置換されていてもよい)を含む組成とすることが、DSC発熱量の小さい原料混合物を得るうえで好ましく、25〜45モル%のFe23成分を含む組成とすることがより好ましい。
DSC発熱量の小さい原料混合物を得るための他の手段としては、原料混合物中にガラス形成成分としてAl23成分、SiO2成分の少なくとも一方または両方を添加することが挙げられる。Al23成分については、原料混合物総量100モル%に対する含有量が、1〜15モル%の範囲であることが好ましく、1〜10モル%の範囲であることがより好ましく、1.5〜8.5モル%の範囲であることが更に好ましい。またこうして得られる六方晶フェライト磁性粒子は、Feに対してAlを1.5〜20原子%含有するものとなり得る。一方、SiO2成分については、原料混合物総量100モル%に対する含有量が、1〜10モル%の範囲であることが好ましい。更に他の手段としては、例えばバリウムフェライトを製造する場合に使用されるBaO成分を、原料混合物に比較的多量に導入することが挙げられる。BaO成分の含有量は、原料混合物総量100モル%に対して、30〜50モル%の範囲とすることが好ましく、35.5〜50モル%の範囲とすることがより好ましく、35.5〜45モル%の範囲とすることが更に好ましい。ストロンチウムフェライトを得る場合のSrO成分、鉛フェライトを得る場合のPbO成分についても、同様である。
なお先に示した特許文献の中には、希土類元素や特定のFe置換元素の選択による組成調整によって所期の目的を達成しようとするものがある。これに対し本発明では、前記比率Xを指標として製造条件を調整することにより、高価な希土類元素の積極導入や特定のFe置換元素の選択によらずとも、微粒子化と低SFD化という目的を達成することができる。希土類元素の含有量としては、最終的に調製された六方晶フェライト磁性粒子における含有量が、Feに対して0〜0.1原子%の範囲となることが好ましい。
次に、非晶質化工程における急冷効率を高める手段について説明する。
一般的なガラス結晶化法に含まれる工程は、先に記載の通りであるが、更に具体的には、原料混合物を溶融槽内で溶融し、溶融槽底面に設けた流出口から溶融液を排出し、溶融槽下方に設置された回転する一対の圧延ロール間に供給し、供給された溶融液を圧延ロール間で圧延冷却することにより該ロール間から非晶質体を排出し、こうして得られた非晶質体に加熱処理を施し六方晶フェライト磁性粒子を析出させ、前記加熱処理により得られた物質から析出した六方晶フェライト磁性粒子を捕集すること、によってガラス結晶化法により六方晶フェライト磁性粒子を得ることができる。ここで、溶融液を少量連続して出湯させることにより、圧延ロールの熱負荷低減、非晶質の薄片化等を図ることができるため、非晶質化工程における冷却効率が高まる。好ましくは、前記流出口からの溶融液の排出を、1〜5g/秒の出湯量で熔融液を連続出湯することにより行うことが好ましい。ところで、前述の易ガラス化組成を有する原料混合物は、一般的に粘性が高いため、少量連続して出湯させることは容易ではない場合がある。そのような場合には、溶融槽内で溶融液を撹拌しながら加圧出湯することが、好ましい。
その他、ガラス結晶化法の詳細については、例えば特開2012−204726号公報段落0013〜0031、特開2012−142529号公報段落0012〜0030、特開2011−2135443号公報段落0013〜0035、特開2011−225417号公報段落0012〜0026、ならびにこれら公報の実施例を参照できる。
以上説明したように、本発明は、本発明の六方晶フェライト磁性粒子の製造方法であって、
ガラス形成成分および六方晶フェライト形成成分を含む原料混合物を用いるガラス結晶化法により、前記六方晶フェライト磁性粒子を得ることを含む、前記製造方法、
にも関する。その詳細は、前述の通りである。
更に本発明は、非磁性支持体上に、強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体であって、前記強磁性粉末として、本発明の六方晶フェライト磁性粉末である磁気記録媒体に関する。
本発明の六方晶フェライト磁性粉末は、前記範囲の活性化体積を有する微粒子状の磁性粒子であって、0.2〜0.6の範囲のXを示すものである。かかる六方晶フェライト磁性粉末により、本発明の磁気記録媒体は、高密度記録領域におけるノイズが低減されることで高SNRを示すことができ、しかも高い熱的安定性を示すことができるものである。
以下、本発明の磁気記録媒体について、更に詳細に説明する。
(磁性層)
磁性層に含まれる六方晶フェライト磁性粉末およびその製造方法の詳細は、前述の通りである。前記磁性層は、本発明の六方晶フェライト磁性粉末とともに、結合剤を含む。また、これら成分とともに、必要に応じて添加剤を含むこともできる。磁性層に使用可能な結合剤および添加剤の詳細については、例えば特開2012−204726号公報段落0032〜0033を参照できる。
(非磁性層)
次に非磁性層に関する詳細な内容について説明する。本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体と磁性層との間に、非磁性粉末と結合剤を含む非磁性層を有することができる。非磁性層の詳細については、特開2012−204726号公報段落0034〜0035を参照できる。
(層構成)
本発明の磁気記録媒体の厚み構成は、非磁性支持体の厚みが、好ましくは3〜80μmである。磁性層の厚みは、用いる磁気ヘッドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録信号の帯域により最適化されるものであるが、一般には0.01〜0.15μmであり、好ましくは0.02〜0.12μmであり、さらに好ましくは0.03〜0.10μmである。磁性層は少なくとも一層あればよく、磁性層を異なる磁気特性を有する2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関する構成が適用できる。
非磁性層の厚みは、例えば0.1〜3.0μmであり、0.3〜2.0μmであることが好ましく、0.5〜1.5μmであることが更に好ましい。なお、本発明の磁気記録媒体の非磁性層は、実質的に非磁性であればその効果を発揮するものであり、例えば不純物として、あるいは意図的に少量の磁性体を含んでいても、本発明の効果を示すものであり、本発明の磁気記録媒体と実質的に同一の構成とみなすことができる。なお、実質的に同一とは、非磁性層の残留磁束密度が10mT以下または保磁力が7.96kA/m(100Oe)以下であることを示し、好ましくは残留磁束密度と保磁力を持たないことを意味する。
本発明の磁気記録媒体における非磁性支持体については、特開2012−204726号公報段落0036を参照できる。また、非磁性支持体の磁性層を有する面とは反対の面に、バックコート層を設けることもできる。その詳細については、特開2012−204726号公報段落0039を参照できる。
本発明の磁気記録媒体は、磁性層に本発明の六方晶フェライト磁性粒子を含むものであればよく、その製造方法は特に限定されるものではない。本発明の磁気記録媒体の製造方法としては、一般的な塗布型磁気記録媒体の製造方法を適用することができる。製造方法の詳細については、例えば特開2012−204726号公報段落0040を参照できる。
以上説明した本発明の磁気記録媒体は、本発明の六方晶フェライト磁性粉末を含むことにより、高密度記録領域において優れた電磁変換特性を実現することができるものである。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。ただし本発明は、実施例に示す態様に限定されるものではない。また、以下に記載の「部」、「%」は、「質量部」、「質量%」を示す。
1.六方晶フェライト磁性粒子の作製
酸化物換算で表1に示す原料組成になるように、B23に対応するH3BO3、Al23に対応するAl(OH)3、BaOに対応するBaCO3と、Fe23とFeを置換する元素Nbに対応するNb25を所定量秤量し、ミキサーにて混合したものを容量2Lの白金ルツボに仕込み、溶融後、表2に示す出湯量で水冷ロール上に連続出湯し、水冷ロールにて冷却し非晶質を得た。なお出湯量は、ガラス粘性に対応してノズル径、加圧力で調整した。
得られた非晶質600gを電気炉に仕込み、表2に示す結晶化温度まで3時間で昇温して、同温度に表2に示す時間保持し六方晶フェライトを結晶化させた。次いで六方晶フェライトを含む結晶化物を乳鉢で粗粉砕し、3Lのポットミルに入れ、φ5mmZrボール5kgと純水1.2kgとともにボールミルにて4時間粉砕処理を行った後、粉砕液をボールと分離させ5Lステンレスビーカーに入れた。粉砕液を8%酢酸溶液中で85℃で2時間反応した後、デカンテーション洗浄を繰り返すことで不要なガラス成分を除去し、乾燥させて六方晶フェライト粉末を得た。得られた磁性粒子についてはX線回折分析を行い、六方晶フェライト(バリウムフェライト)であることを確認した。
2.磁気記録媒体(磁気テープ)の作製
2−1.磁性層塗布液処方
六方晶バリウムフェライト磁性粒子(表3に記載):100部
ポリウレタン樹脂:12部
質量平均分子量 10000
スルホン酸官能基含有量 0.5meq/g
ダイアモンド微粒子(平均粒径50nm):2部
カーボンブラック(旭カーボン社製#55、粒子サイズ0.015μm):0.5部
ステアリン酸:0.5部
ブチルステアレート:2部
メチルエチルケトン:180部
シクロヘキサノン:100部
2−2.非磁性層塗布液
非磁性粉体 α酸化鉄:100部
平均一次粒子径 0.09μm
BET法による比表面積 50m2/g
pH 7
DBP吸油量27〜38g/100g
表面処理剤Al23 8質量%
カーボンブラック(コロンビアンカーボン社製コンダクテックスSC−U):25部
塩化ビニル共重合体(日本ゼオン社製MR104):13部
ポリウレタン樹脂(東洋紡社製UR8200):5部
フェニルホスホン酸:3.5部
ブチルステアレート:1部
ステアリン酸:2部
メチルエチルケトン:205部
シクロヘキサノン:135部
2−3.磁気テープの作製
上記の塗布液のそれぞれについて、各成分をニ−ダで混練した。1.0mmφのジルコニアビーズを分散部の容積に対し65%充填する量を入れた横型サンドミルにポンプで通液し、2000rpmで120分間(実質的に分散部に滞留した時間)分散させた。得られた分散液にポリイソシアネートを非磁性層の塗布液には6.5部、さらにメチルエチルケトン7部を加え、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、非磁性層形成用および磁性層形成用の塗布液をそれぞれ調製した。
得られた非磁性層塗布液を、厚さ5μmのポリエチレンナフタレートベース上に乾燥後の厚さが1.0μmになるように塗布乾燥させた後、磁性層の厚さが70nmになるように逐次重層塗布を行い、乾燥後7段のカレンダで温度90℃、線圧300kg/cmにて処理を行った。1/4インチ巾にスリットし表面研磨処理を施して磁気テープ(No.1〜5)を得た。
3.磁性粒子および磁気テープの評価
以下の方法で、磁性粒子および磁気テープの評価を行った。特記しない限り、各評価は室温(23℃)で行った。
(1)板厚変動係数(板厚CV)、粒径変動係数(CV)、および比率X
得られた磁性粉末を透過型電子顕微鏡で撮影した写真から500個の粒子を抽出し板厚の平均値を平均板厚、粒径の平均値を平均粒径とし、500個の測定値の標準偏差を求めて各平均値で除した値を変動係数として求めた。測定方法の詳細は、前述の通りである。こうして求めた板厚変動係数、粒径変動係数から、比率Xを算出した。
(2)磁気特性(Hc)
調製した磁性粒子の保磁力Hcを、振動試料型磁束計(東英工業社製)を用い磁場強度1194kA/m(15kOe)で測定した。
(3)SFD(23℃)、SFD(−190℃)
調製した磁性粒子のSFDを、振動試料型磁束計(東英工業社製)を用い磁場強度1194kA/m(15kOe)で室温(23℃)で測定した。−190℃でのSFD測定は、各磁性体をアルミニウムセルに詰め、セル近傍にセットした熱電対で磁性体温度が−190℃となる条件で行った。測定中、振動試料型磁束計の振動試料棒全体を石英管に納め、ロータリーポンプで真空引きしつつ液体窒素を満たしたデュアー瓶に浸し、温度制御は石英管に取り付けた電熱ヒーターに電流を流すことで行った。
なお磁性体No.6は、熱揺らぎのためSFDを測定することができなかった。
(4)Al含有量の定量
得られた磁性粉末0.01gを10mLの4N−HCl溶液に浸漬し、ホットプレートにて80℃で3時間加熱することで溶解させた。溶解液を希釈後、ICPにてFeとAlを定量することで、Feに対するAl量(原子%)を求めた。
(5)出力、ノイズ、SNR
作製した磁気テープの再生出力、ノイズ、SNRを、記録ヘッド(MIG、ギャップ0.15μm、1.8T)と再生用GMRヘッド(再生トラック幅1μm)をループテスターに取り付けて、線記録密度200kfciの信号を記録した後に測定した。
(6)信号減衰
作製した磁気テープの再生出力を、記録ヘッド(MIG、ギャップ0.15μm、1.8T)と再生用GMRヘッド(再生トラック幅1μm)をループテスターに取り付けて、線記録密度200kfciの信号を記録した後に記録信号を再生し続け、記録から再生までの時間に対する記録信号の出力減衰を測定した。ここで、ほとんど信号減衰せず検出下限(−0.5%/decade)以下のものは、>−0.5%/decadeとした。
(7)活性化体積V、異方性定数Ku、KuV/kT
振動試料型磁束計(東英工業社製)を用いてHc測定部の磁場スイープ速度を3分と30分で測定し、以下の熱揺らぎによるHcと磁化反転体積の関係式から活性化体積Vと異方性定数Kuを計算し、得られた値からKuV/kTを算出した。
Hc=2Ku/Ms{1−[(KuT/kV)ln(At/0.693)]1/2}
[上記式中、Ku:異方性定数、Ms:飽和磁化、k:ボルツマン定数、T:絶対温度、V:活性化体積、A:スピン歳差周波数、t:磁界反転時間]
以上説明した磁性粒子の原料処方の詳細を表1に、磁性粒子作製時の出湯量、結晶化温度、および作製した磁性粒子の評価結果を表2に、作製した磁気テープの詳細を表3に示す。
評価結果
表2、3に示す結果から、活性化体積と粒径変動係数に対する板厚変動係数の比率(板厚変動係数/粒径変動係数)を共に制御した六方晶フェライト磁性粉末の使用により、優れた電磁変換特性(良好なSNR)と高い熱的安定性(信号減衰が少ない)を兼ね備えた磁気記録媒体の提供が可能になることが確認できる。
図1は、上記において求めた板厚CV、粒径CV、比率X(板厚CV/粒径CV)を、SFDに対してプロットしたグラフである。SFD(−190℃)は、形状異方性の影響を低減するために液体窒素により冷却し−190℃で測定したSFDである。SFD(−190℃)の数値が小さいほど、結晶磁気異方性分布がシャープであり高い熱的安定性を有すると言える。図1の上段中央のグラフと左右のグラフとの対比から、比率X(板厚CV/板径CV)と、熱的安定性を示すSFD(−190℃)の間には良好な相関関係が成立していること、これに対し板厚CV、粒径CVとSFD(−190℃)との間には良好な相関関係は成立していないことが確認できる。
また、図1の下段は、室温(23℃)で測定したSFDに対して、板厚CV、粒径CV、比率X(板厚CV/粒径CV)をプロットしたグラフである。前述のように、SFD(23℃)を低減するほど、媒体ノイズを低減することができる。図1の下段中央のグラフと左右のグラフとの対比から、比率X(板厚CV/板径CV)と、ノイズ低減に寄与するSFD(23℃)の間には、良好な相関関係が成立していること、これに対し板厚CV、粒径CVとSFD(23℃)との間には良好な相関関係は成立していないことが確認できる。
以上の結果から、従来行われていたように粒径分布を制御すること、または板厚分布を制御することではSFD(23℃)や熱的安定性を制御することはできず、比率X(板厚CV/粒径CV)を制御することによって初めて、SFD(23℃)および熱的安定性の制御が可能となることが示された。
本発明は、バックアップテープ等の長期にわたり高い信頼性を有することが求められる高密度記録用磁気記録媒体の製造分野において有用である。

Claims (14)

  1. 活性化体積が900〜1600nm3の範囲であり、かつ粒径変動係数に対する板厚変動係数の比率(板厚変動係数/粒径変動係数)が0.20〜0.60の範囲であることを特徴とする六方晶フェライト磁性粉末。
  2. 195〜400kA/mの範囲の保磁力を有する請求項1に記載の六方晶フェライト磁性粉末。
  3. 0.2〜0.8の範囲の反転磁界分布SFDを示す請求項1または2に記載の六方晶フェライト磁性粉末。
  4. 80〜150m2/gの範囲の比表面積を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の六方晶フェライト磁性粉末。
  5. Feに対する希土類元素含有量が0〜0.1原子%の範囲である請求項1〜4のいずれか1項に記載の六方晶フェライト磁性粉末。
  6. Feに対してAlを1.5〜20原子%含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の六方晶フェライト磁性粉末。
  7. 磁気記録用磁性粉である請求項1〜6のいずれか1項に記載の六方晶フェライト磁性粉末。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の六方晶フェライト磁性粉末の製造方法であって、
    ガラス形成成分および六方晶フェライト形成成分を含む原料混合物を用いるガラス結晶化法により、前記六方晶フェライト磁性粉末を得ることを含む、前記製造方法。
  9. 前記原料混合物は、原料混合物総量100モル%に対して30〜50モル%のBaO成分を含む請求項8に記載の六方晶フェライト磁性粉末の製造方法。
  10. 前記原料混合物は、原料混合物総量100モル%に対して20〜50モル%のFe23成分を含む請求項8または9に記載の六方晶フェライト磁性粉末の製造方法。
  11. 前記原料混合物は、原料混合物総量100モル%に対して1〜15モル%のAl23成分を含む請求項8〜10のいずれか1項に記載の六方晶フェライト磁性粉末の製造方法。
  12. 前記ガラス結晶化法は、
    前記原料混合物を溶融槽内で溶融すること、
    溶融槽底面に設けた流出口から溶融液を排出し、溶融槽下方に設置された回転する一対の圧延ロール間に供給すること、
    供給された溶融液を圧延ロール間で圧延冷却することにより該ロール間から非晶質体を排出すること、
    前記非晶質体に加熱処理を施し六方晶フェライト磁性粒子を析出させること、および
    前記加熱処理により得られた物質から析出した六方晶フェライト磁性粒子を捕集すること、
    を含み、
    前記流出口からの溶融液の排出を、1〜5g/秒の出湯量で熔融液を連続出湯することにより行う請求項8〜11のいずれか1項に記載の六方晶フェライト磁性粉末の製造方法。
  13. 前記流出口からの溶融液の排出を、溶融槽内で溶融液を撹拌しながら加圧出湯することにより行う請求項12に記載の六方晶フェライト磁性粉末の製造方法。
  14. 非磁性支持体上に、強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体であって、
    前記強磁性粉末は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の六方晶フェライト磁性粉末である磁気記録媒体。
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