以下、本発明装置の実施形態について説明する。なお、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。
図1に、既設管300内に配された本発明装置1を示す。本発明装置1は、地上から既設管300内に連続的に供給される長尺の帯状部材100を螺旋状に巻き回して更生管200を製管する製管作業と平行して、前記既設管300の内周面と前記更生管200の外周面との間に存する間隙に裏込め材を注入する裏込め材注入作業を実行する製管同時裏込め工法を行うものである。
以下、まず、前記更生管200に製管される前記帯状部材100について説明した後、前記本発明装置1、及び前記本発明装置1を用いた製管同時裏込め工法について説明する。
<帯状部材100>
前記帯状部材100は、硬質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成樹脂系材料を長尺帯状に成形したものである。図2(a)に示すように、前記帯状部材100の一側縁には、長手方向に沿って接合凸部101が設けられてなり、前記帯状部材100の他側縁には、長手方向に沿って接合凹部102が設けられている。
前記接合凸部101は、帯状部材100の裏面(更生管200の外周面となる面)に基端が固定された状態で屹立する支柱部103と、前記支柱部103の先端に形成された断面略円形状の嵌入部104と、を備える。
前記接合凹部102は、前記帯状部材100の内面(更生管200の内周面となる面)側において開口する被嵌入部105と、この被嵌入部105の外層(前記帯状部材100の裏面側)において前記帯状部材100の裏面に基端が固定された状態で屹立する断面T字状の短リブ106と、前記帯状部材100の幅方向外側に向かって延設され、途中で前記帯状部材100の裏面側に向かって屈折する傾斜片107と、を備える。
前記接合凸部101と前記接合凹部102との間には、前記帯状部材100の裏面に基端が固定された状態で屹立する複数条の断面T字状の長リブ108が長手方向に沿って設けられている。
又、前記帯状部材100には、補強材109が装着されている。前記補強材109は、長手方向に連続した帯板状の鋼板を断面略W字状に折曲形成したものであり、前記帯状部材100に設けられた複数条の長リブ108から選択された、隣接する二条の長リブ108間に装着されている。この補強材109は、前記帯状部材100が更生管200に製管された際、前記更生管200の強度を高めるものである。
そして、前記帯状部材100は、後述する本発明装置1における製管機2にて螺旋状に巻き回されることにより、先行する帯状部材100の一側縁と周回遅れで後続する帯状部材100の他側縁とが接合される。前記帯状部材100の接合は、先行する前記帯状部材100の接合凹部102に、後続する前記帯状部材100の接合凸部101を嵌め込むことによって行われる(図2(b)参照)。この際、前記傾斜片107は押圧され、隣接する前記帯状部材100の長リブ108の先端部に押し込まれる。これにより、前記帯状部材100同士が相互に接合されて更生管200が形成される(図2(c)参照)。
ところで、前記更生管200を形成する帯状部材100としては、螺旋状に捲き回されて更生管200に製管されるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、図3(a)に示すようなコネクタ110を介して接合されるようなものであってもよい。
この帯状部材100は、前記帯状部材100の長手方向に沿って複数条のリブ111を備える。前記帯状部材100の両側縁部には、凹形状の接合部112が、長手方向に沿って連続的に設けられている。図3(b)に示すように、前記帯状部材100を螺旋状に巻き回し、隣り合わせた帯状部材100の側縁部同士を隣接させると、側縁部に存する前記接合部112同士が突き合わされて凸形状となる。
前記コネクタ110は、一対の嵌合凸部113を備える。一対の嵌合凸部113は、長手方向に沿って連続的に形成され、前記帯状部材100の突き合わされた接合部112によって生じた凸形状に対応して形成されている。
即ち、この帯状部材100は、螺旋状に巻き回して互いに隣接させることによって生じる凸形状に前記コネクタ110を嵌め込むことによって相互に接合されて前記更生管200に製管されるものである。
<本発明装置1>
図1に示すように、前記本発明装置1は、製管機2と、前記製管機2に固定された裏込め材注入用ノズル3と、一端が前記裏込め材注入用ノズル3に連結され、他端がスイベルジョイント7を介して裏込め材供給用ポンプ5に連結された裏込め材供給用ホース6と、 を具備する。前記スイベルジョイント7は、前記製管機2の進行方向前方に配される台車4に固定される。
‐製管機2‐
図4に示すように、前記製管機2は、前記既設管300の断面形状(本実施形態においては円形)に応じて環状に形成された成形フレーム21と、前記成形フレーム21に回転自在に設けられた複数個の案内ローラ22と、前記成形フレーム21に取り付けられた接合機構部23と、を具備する。
前記成形フレーム21は、複数個のリンク体210が連結されることによって環状に形成されたものである。
図5(a)に拡大して示すように、前記リンク体210は、一組のリンクフレーム(第一リンクフレーム211、第二リンクフレーム212)が連結軸213を介して回動自在に連結されることによって形成される。図5(b)に示すように、前記第一リンクフレーム211は、対向する一対の第一リンクプレート2111と、前記一対の第一リンクプレート2111を対向させた状態で架橋する第一連結プレート2112とから構成される。一方、前記第二リンクフレーム212は、対向する一対の第二リンクプレート2121と、前記一対の第二リンクプレート2121を対向させた状態で架橋する第二連結プレート2122とから構成される。
前記リンク体210は、前記第一リンクフレーム211における前記一対の第一リンクプレート2111の各遊端部に、前記第二リンクフレーム212における一対の第二リンクプレート2121の各遊端部をそれぞれ重ね合わせ、前記連結軸213を介して回動自在に連結することにより形成されている。
又、前記リンク体210は、一のリンク体210における前記第一連結プレート2112と、他のリンク体210における前記第一連結プレート2112とを突き合わせて固定すると共に、一のリンク体210における前記第二連結プレート2122と、更に他のリンク体210における第二連結プレート2122とを突き合わせて固定することによって連結されている。
図5(a)に示すように、前記第一リンクプレート2111における前記連結軸213側の端部には、回動規制片214が設けられている。また、前記第二リンクプレート2121における前記連結軸213側の端部には、前記回動規制片214に対応する切欠部215が設けられている。前記切欠部215は、前記連結軸213の回動中心を中心とする設定半径上の一定範囲にわたって形成されている。これにより、一組のリンクフレーム211、212の相互の回動動作を、前記回動規制片214と前記切欠部215とが当接するまでの角度範囲に規制し、前記リンク体210が内方或いは外方へ極端に屈曲することを防止している。
前記案内ローラ22は、各リンク体210の前記連結軸213にそれぞれ回転自在に設けられている。この案内ローラ22は、合成樹脂製又は金属製であり、軸受216を介して前記連結軸213回りに回転自在に支持されている。この案内ローラ22は、更生管200の製管時、前記更生管200の内周面に接触して回転する。
図6に拡大して示すように、前記接合機構部23は、前記成形フレーム21を構成する前記リンク体210に箱体231が固定されることによって、前記成形フレーム21に取り付けられている。前記接合機構部23における前記箱体231の内部には、インナーローラ24と、歯車機構25とが設けられている。
前記インナーローラ24は、前記箱体231の外側に突出させて配置されたアウターローラ26と対になってピンチ部27を構成する。前記インナーローラ24の回転軸及び前記アウターローラ26の回転軸は、前記帯状部材100を螺旋状に供給しようとするリード角に対して軸線方向が直交するように配置されている。
図7に示すように、前記インナーローラ24は円筒形状を有し、その軸心方向の長さが帯状部材100の幅寸法に対し、少なくとも2倍以上の長さとなるように設定されている。前記更生管200の製管時、前記インナーローラ24は、前記帯状部材100の内面に接触して回転する。
一方、前記アウターローラ26は、円柱状の軸部261の周りに、複数の円盤状の第一ローラ262と、第二ローラ263とが、所定の間隔を開けて設けられた形状を有する。更生管200の製管時において、前記第一ローラ262は、帯状部材100における補強材109が装着されていない長リブ108間(若しくは短リブ106と長リブ108間)に挿入される。一方、前記第二ローラ263は、補強材109の装着された長リブ108間に挿入される。なお、前記第二ローラ263には、その外周面に沿って、帯状部材100の補強材109の凸部に嵌り合う凹溝が設けられている。
そして、前記アウターローラ26は、帯状部材100の各長リブ108及び短リブ106の先端部を前記軸部261の外周面に接触させた状態で回転する。前記アウターローラ26の外周面にはローレット加工が施されており、更生管200の製管時において、前記アウターローラ26が、帯状部材100に対して滑ることなく回転できるように設計されている。
前記歯車機構25は、前記箱体231の側部に設けられた油圧モータ28を作動させることによって回転する。前記油圧モータ28を駆動させると、その出力軸281と、前記インナーローラ24の回転軸と、前記アウターローラ26の回転軸とにそれぞれ固定されて互いに噛み合った前記歯車機構25を介して、前記インナーローラ24及び前記アウターローラ26が互いに逆方向に回転する。
なお、前記箱体231の外側にはスプリング291を有する衝撃吸収部材29が設けられている。この衝撃吸収部材29は、既設管300の内面に凹凸等が存在していても、前記インナーローラ24と前記アウターローラ26の相互間隔が維持されるように作用するものである。
前記接合機構部23には、前記接合機構部23を挟んで一対の支持車輪(先行支持車輪20F、後続支持車輪20R)が取り付けられている(図4及び図6参照)。この一対の支持車輪20F、20Rは、製管時において、前記接合機構部23の周回移動に伴って、既設管300の内周を周回するものであり、この際、前記成形フレーム21を既設管300の内周面から離間させると共に、前記接合機構部23を既設管300の内周面から離間させる。これにより、前記アウターローラ26は、前記更生管200の製管時において、前記既設管300の内周面に凹凸等の不陸が存在していても、引っ掛かることなく円滑に回転移動することができる。なお、前記接合機構部23は、前記油圧モータ28へ供給される圧油によって駆動する。
‐裏込め材注入用ノズル3‐
図8に示すように、前記裏込め材注入用ノズル3は、前記アウターローラ26と前記先行支持車輪20Fとの間に、その先端(ノズル口)が差し入れられた状態で、前記接合機構部23に固定されている。
図1に示すように、前記裏込め材注入用ノズル3の後端には裏込め材供給用ホース6の一端が連結されてなり、前記裏込め材供給用ホース6の他端には、スイベルジョイント7が連結されている。
‐スイベルジョイント7‐
図9に示すように、前記スイベルジョイント7は、直管71と、前記直管71を貫通させた状態で前記直管71に固定された第一スイベルジョイント72と、前記直管71の一端に取り付けられた第二スイベルジョイント73と、を具備する。
前記第一スイベルジョイント72は、前記直管71に固定されたシャフト部721と、前記シャフト部721に外装されたボディ部722とからなる。
前記ボディ部722の内周面には、内周面に沿って円環状の溝部7214が二条設けられており、前記二条の溝部7214は、前記ボディ部722の壁面を通じて設けられた一対の一次側圧油入出口7212に各々連通している。
又、前記シャフト部721の周壁内部には、二本の圧油通路7211が軸心方向に沿って設けられており、前記二本の圧油通路7211の一端(前記ボディ部722側の端部)には、前記シャフト部721の壁面を貫通する貫通孔7215が各々設けられている。前記シャフト部721に前記ボディ部722が外装された際、前記各貫通孔7215は、それぞれ前記二条の溝部7214に各々連通される。
一方、前記各圧油通路7211の他端は、前記シャフト部721の壁面を通じて設けられた一対の二次側圧油入出口7213に連通している。
前記ボディ部722は、前記シャフト部721が前記ボディ部722に対し回転自在となるように、ベアリング7216を介して、前記シャフト部721に外装されたものである。従って、前記ボディ部722を固定した状態で、前記シャフト部721を回転させると、前記シャフト部721と共に前記直管71がその軸心を回転中心として回転する。
なお、前記ボディ部722には、更に筐体74が連設されており、前記筐体74内にはスリップリング(共栄電機社製、SRC110‐12P)76が前記直管71を貫通させた状態で備えられている。図10に示すように、前記製管機2には、更生管200の内周面や外周面、或いは裏込め材の注入状態を監視するためのテレビカメラ75が設置される場合があり、前記テレビカメラ75が撮影した映像データは、前記テレビカメラ75に接続された映像信号送信用のケーブル751を介して地上に送られる。この際、前記スリップリング76を介在させた状態で前記ケーブル751を配線すれば、前記製管機2における前記接合機構部23の駆動によって、前記 ケーブル751にねじれが生じることを好適に防止することができる。
前記第二スイベルジョイント73は、市販のスイベルジョイント(昭和技研興業社製、パール・スイベルジョイント(Aシリーズ スタイルNo.1、称呼寸法32A))を用いた。
図1及び図10に示すように、前記スイベルジョイント7は、前記製管機2の進行方向前方に配される台車4に固定される。
前記裏込め材注入用ノズル3に連結された前記裏込め材供給用ホース6は、前記台車4に固定された前記スイベルジョイント7における前記直管71の他端(前記第二スイベルジョイント73が取り付けられていない側の開口端)に連結される。又、前記直管71の一端に配された前記第二スイベルジョイント73には、後述する裏込め材供給用ポンプ5の高粘度モルタル排出口56から延設された配管560が連結される。
更に、前記一対の一次側圧油入出口7212には、それぞれ地上に配された製管機運転用ユニット92に繋げられた一対の圧油ホース921が各々連結され、前記一対の二次側圧油入出口7213には、それぞれ一対の圧油中継用ホース922の一端が各々連結される。
‐台車4‐
図10及び図11に示すように、前記台車4は、基台41と、前記基台41の前端と後端において、前記基台41の両側から張り出すようにして配された四本の竿部411と、前記四本の竿部411の張り出した端部に各々設けられた四つの車輪42と、前記基台41の上面に設けられたスイベルジョイント設置用台43とからなる。
前記スイベルジョイント設置用台43は、前記基台41に屹立された状態で溶接固定された支柱部431と、前記支柱部431にボルトを介して締結固定されたロッド部433と、前記ロッド部433の先端に溶接固定された設置台432とからなる。前記スイベルジョイント設置用台43は、前記支柱部431に対する前記ロッド部433の締結位置を変更すれば、前記基台41からの前記設置台432の高さを適宜調整することができる仕組みとなっている。前記スイベルジョイント7は、前記第一スイベルジョイント72における筐体74が、前記スイベルジョイント設置用台43における前記設置台432に固定されることによって、前記台車4に固定される。
前記四本の竿部411は、それぞれ前記基台41にボルトを介して締結固定されている。前記基台41に対する前記竿部411の締結位置を変更すれば、前記台車41のトレッド(前記竿部411の端部に配された車輪42間の距離)を適宜調整することができる仕組みとなっている。
前記車輪42は、円弧状の既設管300の内周面に対する設置が安定するように、負のキャンバー角(20〜45度)が付された状態で前記竿部411の端部に固定されている。
‐裏込め材供給用ポンプ5‐
図12に示すように、前記裏込め材供給用ポンプ5は、中空の筒体51と、前記筒体51内に配されたローター部52と、前記ローター部52の軸芯に回転軸が連結されたモータ部53とからなる回転式の圧送ポンプである。前記筒体51には、前記筒体51の壁面を通じて前記筒体51内に連通された低粘度モルタル導入口54と、添加剤導入口55と、高粘度モルタル排出口56とが設けられている。本実施形態において、前記裏込め材供給用ポンプ5は、前記台車4に積載される。
前述の如く、前記高粘度モルタル排出口56は、配管560を介して前記スイベルジョイント7における前記直管71の一端に設けた前記第二スイベルジョイント73に連結される(図10参照)。
又、前記低粘度モルタル導入口54には、低粘度モルタル用配管540の一端が連結され、前記低粘度モルタル用配管540の他端が、前記既設管300の到達側立坑302を介して地上に配置されたモルタルプラント93まで導かれる(図1及び図10参照)。
一方、前記添加剤導入口55には、添加剤用配管550の一端が連結され、前記添加剤用配管550の他端が前記既設管300の到達側立坑302を介して地上に配置されたモルタルプラント93まで導かれる(図1及び図10参照)。
なお、前記低粘度モルタル用配管540と前記添加剤用配管550における到達側立坑302に沿って垂下する部分には、それぞれ一軸偏心ネジ式ポンプ541、551が組み込まれている(図1参照)。
前記モルタルプラント93には、低粘度モルタル用容器931と添加剤用容器932とが設置されており、前記低粘度モルタル用配管540は前記低粘度モルタル用容器931に連結され、前記添加剤用配管550は前記添加剤用容器932に連結される(図1参照)。
<製管同時裏込め工法>
図1に示すように、前記帯状部材100は、輸送ドラム81に巻き取られた状態で作業現場に用意される。前記帯状部材100は、地上に配された前記輸送ドラム81から繰り出され、発進側立坑301上に配された地上用送り装置82を介して、前記発進側立坑301内に導かれる。
前記発進側立坑301の底には、地下用送り装置83が配置されており、前記帯状部材100は、前記地下用送り装置83によって、前記既設管300に配された前記製管機2に向かって供給される。なお、製管作業が進んで発進側立坑301から前記製管機2が遠く離れた場合、既に製管された前記更生管100内に別の地下用送り装置83が配されて、前記帯状部材100の供給を中継する。
なお、これら地上用送り装置82及び地下用送り装置83は、地上に配された送り装置運転ユニット91から供給される圧油によって駆動する。
前記製管機2における前記接合機構部23は、地上に配された前記製管機運転用ユニット92から前記圧油ホース921を介して供給される圧油によって駆動する。前記圧油ホース921を介して供給される圧油は、前記スイベルジョイント7に設けられた前記圧油通路7211を介して前記圧油中継用ホース922に導かれ、前記圧油中継用ホース922を通過した後、前記接合機構部23に至る。
既設管300内に配置された前記製管機2における前記接合機構部23を駆動させ、前記接合機構部23に帯状部材100を連続的に供給すれば、前記接合機構部23は、前記帯状部材100を螺旋状に巻回しながら、先行する前記帯状部材100の一側縁と周回遅れで後続する前記帯状部材100の他側縁とを順次接合する。
この際、前記接合機構部23における前記ピンチ部27は、前記インナーローラ24を前記帯状部材100の内面に当接させ、前記アウターローラ26を前記帯状部材100の裏面に当接させて、前記帯状部材100を表裏から挟みながら送り出す。前記接合機構部23は、前記帯状部材100を送り出しながら既設管300の内周面に沿って回転する。又、前記成形フレーム21は、前記接合機構部23の回転に伴って回転する。
この一連の機械動作を続けることによって、前記帯状部材100を螺旋状に巻き回しつつ付加形成していくと、前記製管機2は、前記帯状部材100が螺旋状に付加形成された前記更生管200を製管しながら、施設終了地点に向かって進行する。
前記製管機2による前記更生管200の製管作業中、前記低粘度モルタル用配管540と前記添加剤用配管550とにそれぞれ介在させた各一軸偏心ネジ式ポンプ541、551を駆動させると、低粘度モルタルと添加剤とが、前記裏込め材供給用ポンプ5の前記筒体51内に導入される。本実施形態においては、前記各一軸偏心ネジ式ポンプ541、551を、前記低粘度モルタル用配管540と前記添加剤用配管550における到達側立坑302に沿って垂下する部分に各々組み込みこんでいるから、地上と既設管300との高低差が大きい場合であっても、低粘度モルタル及び添加剤は、安定して前記裏込め材供給用ポンプ5まで定量輸送される。なお、前記低粘度モルタルと添加剤との混合比率は、各一軸偏心ネジ式ポンプ541、551の出力を調整することによって決定することができる。
次いで、前記裏込め材供給用ポンプ5の前記モータ部53を駆動させると、前記ローター部52が回転し、前記筒体51内に導入された低粘度モルタルと添加剤とが、前記筒体51に沿って下流側に送られつつ混練されて、高粘度モルタル(裏込め材)となる。この高粘度モルタルは、前記筒体51の下流側に設けられた前記高粘度モルタル排出口56から排出され、前記配管560を介して前記スイベルジョイント7における前記直管71に導入される。
前記直管71に導入された高粘度モルタルは、前記直管71を通過して、前記裏込め材供給用ホース6に至り、更に前記裏込め材供給用ホース6を通過して前記裏込め材注入用ノズル3に至る。最後に、高粘度モルタルは、前記裏込め材注入用ノズル3のノズル口から吐出されて、前記既設管300の内周面と前記更生管200の外周面との間に存する間隙に注入される。
図10に示すように、裏込め材の注入作業中、前記製管機2における前記接合機構部23は、前記既設管300の内周面に沿って回転しながら製管作業を継続しているため、前記接合機構部23に固定された前記裏込め材注入用ノズル3も、前記接合機構部23の回転に伴って回転する。
前記裏込め材注入用ノズル3の回転によって、前記裏込め材注入用ノズル3に一端が連結された前記裏込め材供給用ホース6にはねじれが生じるが、前記裏込め材供給用ホース6のねじれは、前記裏込め材供給用ホース6の他端に連結された前記スイベルジョイント7における前記直管71及び前記直管71に固定された前記第一スイベルジョイント72の前記シャフト部721を回転させるモーメントとなる。
ここで、前記第一スイベルジョイント72は、比較的大型であることから、前記第一スイベルジョイント72を回転させるためには、大きなモーメントが必要となるが、前記第一スイベルジョイント72は、前記ボディ部722に連設された前記筐体74が、前記台車4に設けられたスイベルジョイント設置用台43に固定されていることから、前記ホースに生じたねじれに起因するモーメントのみによって容易に回転する。従って、前記第一スイベルジョイント72にはウェイトを吊下げる必要は無い。
そして、前記第一スイベルジョイント72における前記直管71の回転は、前記直管71の一端に連結された前記第二スイベルジョイント73が回転することによって処理されるため、前記裏込め材供給用ポンプ5の高粘度モルタル排出口56に連結された前記配管560に伝達されない。
即ち、本発明装置1において、前記裏込め材供給用ホース6に生じたねじれは、前記スイベルジョイント7の作用によって随時解消される。又、前記接合機構部23に圧油を供給するための前記圧油中継用ホース922のねじれも、前記スイベルジョイント7の作用によって随時解消される。
又、本発明装置1においては、一端が前記裏込め材注入用ノズル3と連結された前記裏込め材供給用ホース6の他端を前記スイベルジョイント7に連結させ、更に、前記スイベルジョイント7を前記製管機2の進行方向前方に配される前記台車4に固定させているから、前記スイベルジョイント7として、回転させるために大きなモーメントが必要な比較的大型のものを用いても、安定的に回転させることができる。
この際、前記スイベルジョイント設置用台43に固定された前記スイベルジョイント7の回転中心を、前記製管機2の回転中心に位置させると、より安定的に前記スイベルジョイント7を回転させることが可能となる。前記スイベルジョイント7の回転中心を、前記製管機2の回転中心に位置させるにあたっては、前記スイベルジョイント設置用台43における前記支柱部431に対する前記ロッド部433の締結位置を変更し、前記基台41からの前記設置台432の高さを調整すれば良い。
なお、前記スイベルジョイント7の回転中心を、前記製管機2の回転中心に位置させるにあたり、前記基台41に対する前記設置台432の高さが高くなりすぎて、前記台車4の重心が高くなりすぎる場合には、前記基台41に対する前記竿部411の締結位置を変更し、前記台車41のトレッドを広げることによって、前記台車41の重心位置を下げることが好ましい。
又、本発明装置1においては、前記スイベルジョイント7の大型化が可能となることから、前記裏込め材供給用ホース6につき、内径30mm以上(好ましくは30〜50mm)の比較的管径が大きなものを用いることができる。これより、前記製管機2の製管速度の向上に応じて、裏込め材の単位時間当たりの供給量を多くすることができる。
更に、本発明装置1においては、前記スイベルジョイント7の大型化が可能となることから、前記スイベルジョイント7に対し、前記スリップリング76などの電力伝達器を備えることも可能となる。
加えて、本発明装置1においては、前記接合機構部23に前記スイベルジョイント7を固定していないから、前記スイベルジョイント7の重みによって、前記既設管300への前記製管機2の設置時や製管作業時において、前記製管機2が倒れることが防止される。
又、本発明装置1においては、前記接合機構部23に前記スイベルジョイント7を固定していないから、前記裏込め材注入用ノズル3と前記スイベルジョイント7とが近接しておらず、これより前記裏込め材注入用ノズル3と前記スイベルジョイント7との間に前記裏込め材供給用ホース6を過度に屈曲させることなく、ほぼ直線的に配置することが可能となり、裏込め材を供給する際の圧力損失が小さくなる。
なお、前記製管機2は、前記更生管200を製管しながら、施設終了地点に向かって進行する自走式のものであることから、前記製管機2による製管作業が進むと、前記低粘度モルタル用配管540と前記添加剤用配管550とに余剰の長さが生じるため、製管作業の進行と共に、前記低粘度モルタル用配管540及び前記添加剤用配管550を、前記既設管300内に配された配管前記到達側立坑302の奥側に向かって順次退避させる必要が生じる。本実施形態において、前記低粘度モルタル用配管540及び前記添加剤用配管550の退避は、既設管300内に配された配管捌き機94を介して行われる(図1参照)。
又、前記製管機2は、前記更生管200を製管しながら、施設終了地点に向かって進行する自走式のものであることから、前記製管機2の進行方向前方に配された前記台車4は、前記製管機2の進行に応じて、施設終了地点に向かって進行させる必要がある。
この台車4の進行は、前記既設管300内に配置された作業者が、前記製管機2の進行具合を確認しながら行っても良いが、本発明においては、前記既設管300内における人的作業を軽減すべく、図13に示すように、前記製管機2と前記台車4とを連結棒10にて連結し、前記更生管200の製管時における前記製管機2の進行に応じて、前記台車4が、前記製管機2に対し、一定の間隔を保ったまま進行させられるようにすることが好ましい。
図13に示す本発明装置1は、前記製管機2における前記接合機構部23と、前記台車4に積載された前記スイベルジョイント7における前記第一スイベルジョイント72の前記シャフト部721に固定されたフレーム11とが、前記連結棒10によって連結された構成を有する。
前記連結棒10の両端には、製管時において前記接合機構部23が回転しても、前記連結棒10にねじれが生じないようにユニバーサルジョイント12が設けられている。
前記連結棒10によって前記製管機2と前記台車4とが連結されてなる本発明装置1によって製管作業を実行すると、前記製管機2は、前記更生管200を製管しながら、施設終了地点に向かって進行する。この際、前記製管機2の進行方向前方に配された前記台車4は、前記連結棒10を介して前記製管機2と連結されていることから、前記製管機2と一定の間隔を保ったまま、前記製管機2に押されるようにして、施設終了地点に向かって進行する。これより、前記台車4の牽引作業を行う作業員を前記既設管300内に配置する必要が無くなる。
ここで、前記連結棒10によって規定される前記製管機2と前記台車4の間隔に対し、前記裏込め材供給用ホース6の長さを100〜150%(好ましくは100〜120%)の範囲に設定すると、前記裏込め材供給用ホース6に不要な湾曲が生じなくなり、裏込め材を供給する際の圧力損失が小さくなる。
なお、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。